説明

収納ケース

【課題】 物品管理などに用いられる無線タグが取り付けられた多数の物品の各無線タグの情報を精度よく読み取ることができる無線タグ読取用冶具に使用できる収納ケースを提供する。
【解決手段】 樹脂シートを折り曲げて作られている袋からなる又は硬い樹脂製の上蓋及び下蓋とからなる、表面に金属膜を有する物品用収納ケースであって、該収納ケースの端部又は端部近傍に無線タグ設置部が設けられ、前記表面に金属膜を有する物品が収納ケース内で無線タグ設置部にずれて重ならないように収納位置制御手段を設けていることを特徴とする収納ケース。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品管理などに用いられる無線タグが取り付けられた多数の物品の各無線タグの情報を精度よく読み取ることができる無線タグ読取用冶具に使用できる収納ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、CD、DVDなどを収納したケースや、書籍などの物品に、ICタグなどの無線タグを取り付け、そのICタグにICタグ・リーダ/ライタにより物品管理情報の書き込みを行ったり、又はICタグに記録された物品管理情報を、ICタグ・リーダ/ライタにより読み取りを行って、物品の管理を行うことが行われている。
ICタグが各物品の同一位置に取り付けられている場合、各物品が重ねられていると、各物品に取り付けられている各ICタグも重ねられている状態になるので、各ICタグに記録されている情報をICタグ・リーダ/ライタにより正確に読み取ることができないことがある。
【0003】
例えば、書籍にICタグを取り付け、流通管理を行なう場合、書籍の所定の同一位置にICタグを取り付けている場合、各書籍が積み重ねられると各ICタグも重なった状態になるので交信距離が短くなったり、共振周波数が設定値よりズレることがある。このため、各ICタグに記録されている情報をICタグ・リーダ/ライタにより正確に読み取ることができないことがある。
これを防ぐために、コンベアの上に複数個の書籍を積み重ねて載置し、ICタグ・リーダ/ライタ近傍に運び、突き当て板により複数個の書籍を相互にずらして、各書籍に取り付けられている各ICタグの重なりを防ぎ、ICタグ・リーダ/ライタにより正確に読み取ることが提案されている(特許文献1参照。)。
しかし、この方法は、ベルトコンベアという大掛かりな装置を必要とするので、設備に多大の経費がかかるとう問題があり、また、ベルトコンベアを設置することができない狭い場所では、利用することができない。
【0004】
【特許文献1】特開2008−158933公開公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来技術の状況に鑑みてなされたものであり、物品管理などに用いられる無線タグが取り付けられた多数の物品の各無線タグの情報を精度よく読み取ることができる無線タグ読取用冶具に使用できる収納ケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意検討した結果、物品の端部又は端部近傍に無線タグが取り付けられた物品の複数個を、該無線タグが物品の上部又は下部に配置されるように重ねた状態で、物品に取り付けられた各無線タグが重ならないようにずらし、無線タグ読取器を用いて無線タグに記録された情報を読み取ることができる無線タグ読取用冶具に使用することができる物品として、樹脂シートを折り曲げて作られている袋からなる又は硬い樹脂製の上蓋及び下蓋とからなる、表面に金属膜を有する物品用収納ケースであって、該収納ケースの端部又は端部近傍に無線タグ設置部を設け、前記表面に金属膜を有する物品が収納ケース内で無線タグ設置部にずれて重ならないように収納位置制御手段を設けている収納ケースにすることにより、上記課題が解決できることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、樹脂シートを折り曲げて作られている袋からなる又は硬い樹脂製の上蓋及び下蓋とからなる、表面に金属膜を有する物品用収納ケースであって、該収納ケースの端部又は端部近傍に無線タグ設置部が設けられ、前記表面に金属膜を有する物品が収納ケース内で無線タグ設置部にずれて重ならないように収納位置制御手段を設けていることを特徴とする収納ケースを提供するものである。
また、本発明は、上記収納ケースにおいて、前記樹脂シートを折り曲げて作られている袋からなる、表面に金属膜を有する物品用収納ケースが、1枚の樹脂シートの一方の端部を該端部から所望の長さの折り曲げ部で折り曲げ、折り曲げられた樹脂シートの開放されている両サイドを閉じて袋にし、袋と反対側の樹脂シートのもう一方の端部を折り曲げて蓋にした表面に金属膜を有する物品用収納ケースである収納ケースを提供するものである。
【0008】
また、本発明は、上記収納ケースにおいて、前記収納位置制御手段が、表面に金属膜を有する物品が収納ケース内で無線タグ設置部にずれて重ならないように無線タグ設置部の端部に上下に重ねられた2枚の樹脂シートを熱圧着して設けた圧着部である請求項2に記載の収納ケースを提供するものである。
また、本発明は、上記収納ケースにおいて、前記表面に金属膜を有する物品用収納ケースが、複数枚重ねて滑らせて、各収納ケースに取り付けられている無線タグが重ならないようにずらすために用いられる収納ケースを提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の収納ケースは、無線タグが物品の同一位置に取り付けられている各収納ケースが重ねられている場合でも、各収納ケースの自重により滑らせるという簡単な操作で、各収納ケースに取り付けられた各無線タグを重ならないようにずらすことができ、無線タグ読取器を用いて無線タグに記録された情報を精度よく読み取ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の収納ケースを使用できる無線タグ読取用冶具は、少なくとも上面が滑り面2をなす基板1と、該基板1の滑り面2に、無線タグが取り付けられた物品を支えるための支持具3を設けている(図1参照)。
上面が滑り面2をなす基板1は、無線タグが取り付けられた物品を滑らせることができる材質であればよく、例えば、金属、木材、ガラス、樹脂、紙類などの材質からなる基板が挙げられる。金属としては、例えば、鉄板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、銅板などが挙げられる。
【0011】
樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂などのポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体樹脂(ABS樹脂)、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂などの各種合成樹脂が挙げられ、好ましくはポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ABS樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂などが挙げられる。
【0012】
また、紙類としては、例えば、上質紙、グラシン紙、コート紙、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂などの合成樹脂をラミネートしたラミネート紙、剥離処理を施した剥離紙などが挙げられる。
また、上面が滑り面2をなす基板1は、上記各種材質のものを積層したものであってもよい。
基板1は、剛性を有するものが好ましく、軽量化の観点からは厚みの薄いものが好ましい。基板1の厚みは、特に制限ないが、通常0.1〜10mmの範囲で選定することが好ましい。
基板1の表面は、全部が滑り面2であってもよいし、一部が滑り面2であってもよい。
滑り面2の形状は、平坦な形状であることが好ましい。また、基板1及び滑り面2の平面形状は、任意の形状にすることができ、例えば、正方形、長方形、ひし形などの四角形、三角形、五角形などの多角形、円形、楕円形、扇形などが挙げられる。
【0013】
滑り面2は、水平に形成することが好ましいが、傾斜させてもよい。
滑り面2が滑り難い場合には、滑り面2を物品の滑り方向に下り傾斜にし、物品を滑り易くすることができる。なお、下り傾斜の角度を大きくする程、滑り易さは増大するが、下り傾斜の角度を大きくし過ぎると、各無線タグが重ならないようにずらされた物品が滑りすぎて、再度重なることがあるので、好ましくない。
また、滑り面2が滑り易い場合には、滑り面2を物品の滑り方向に上り傾斜にし、物品を滑り難くすることができる。なお、上り傾斜の角度を大きくする程、滑り難さは増大するが、上り傾斜の角度を大きくし過ぎると、各無線タグが重ならないようにずらすことができないので、好ましくない。
滑り面2の水平方向に対する傾斜角度は、上り傾斜、下り傾斜共に10°以下が好ましく、5°以下がより好ましい。
【0014】
滑り面2は、無線タグが取り付けられた物品を滑らせることができるものであればよく、静摩擦係数、動摩擦係数は小さいものが好ましい。静摩擦係数は、好ましくは0.01〜0.50であり、より好ましくは0.05〜0.35であり、さらに好ましくは0.10〜0.25である。動摩擦係数は、好ましくは0.01〜0.50であり、より好ましくは0.05〜0.35であり、さらに好ましくは0.10〜0.25である。
静摩擦係数及び動摩擦係数が0.01未満であると、無線タグが取り付けられた物品が滑りすぎて一度ずれた各無線タグが再び重なってしまい易くなってしまう。0.50を超えると、滑り性が足らずに各無線タグが重なったまま十分にずれないことがある。
なお、静摩擦係数及び動摩擦係数は、滑り片の接触面に試験片と同じシートを接着した以外は、JIS K7125に準拠して測定される値である。
滑り面2の表面粗さに関しては、中心線平均粗さRaは、0.1〜10μmが好ましく、0.5〜5μmがより好ましく、1〜4μmがさらに好ましい。
滑り面2の十点平均粗さRzは、1〜70μmが好ましく、3〜50μmがより好ましく、5〜40μmがさらに好ましい。
滑り面2のRaが0.1μm未満あるいはRzが1μm未満であると、無線タグが取り付けられた物品が滑りすぎて一度ずれた各無線タグが再び重なってしまい易くなってしまう。Raが10μm超あるいはRzが70μmを超えると、滑り性が足らずに各無線タグが重なったまま十分にずれないことがある。なお、表面粗さは、ミツトヨ株式会社製、評価型表面粗さ測定機SV−2000で測定した値である。
【0015】
支持具3は、無線タグが取り付けられた物品が滑り出すよう、物品に傾斜を与えるために支えるためのものであり、支持具3の表面を、無線タグが取り付けられた物品が滑ってもよいし、滑らなくてもよいが、多少滑ることが好ましい。
支持具3の材質は、特に制限なく、滑り面2を有する基板1と同様な材質のものが挙げられる。
支持具3の形状は、板状、棒状(図8及び図9参照。)、柵状(図7参照。)など種々の形状にすることができる。
支持具3は、無線タグが取り付けられた物品を滑らせる場合は、基板1の滑り面2に対して所定の角度を持った斜面を有する構造ものが好ましい。その斜面の角度θ1は、15°以上が好ましく、30°以上がより好ましく、40°以上がさらに好ましい。斜面の角度θ1の上限は、特に制限ないが、80°以下が好ましく、70°以下がより好ましく、60°以下がさらに好ましい。
斜面の角度θ1が15°未満であると、無線タグが取り付けられた物品の側面が斜面に沿って寄りかかるようになるために、滑り難くなる場合があり、さらに斜面に要するスペースが大きくなるために、無線タグ読取用冶具が大型化してしまうので好ましくない。
なお、支持具3は、斜面を有しない構造であってもよい。例えば、図10のように、斜面を有しない板状であってもよいし、図8及び図9のように、1本又は2本以上の横棒又は縦棒であってもよい。支持具3が1本又は2本以上の横棒又は横柵である場合や、支持具3が滑り面2に接触していない場合には、重ねられた物品の下端部が配置される滑り面2上の位置には、印をつけるか、棒などの突起物を設けるか、又は滑り面2に段差20を設けることなどが好ましい。
支持具3が斜面を有しない板状、棒状、柵状などの形状の場合、基板1の滑り面2に対する支持具3の設置角度θ2は、0°を超えて180°以下であり、30°〜165°が好ましく、45°〜150°がより好ましく、75°〜135°がさらに好ましい。
支持具3の設置角度θ2が0°であることは構造上あり得なく、180°を超えると基板1の滑り面2よりも下側に位置するため無線タグが取り付けられた物品の支持する機能を有しなくなる。
また、支持具3の高さは、無線タグが取り付けられた物品の高さの0.2〜1.5倍が好ましく、0.3〜1.4倍がより好ましく、0.5〜1.3倍がさらに好ましい。
支持具3の高さが無線タグが取り付けられた物品の高さの0.2倍未満であると、支持具3の上端面で無線タグが取り付けられた物品が引っかかるようになる場合があり、滑り難くなる。支持具3の高さが無線タグが取り付けられた物品の高さの1.5倍を超えても、当該物品の支持性能や滑り性が向上することはなく、無駄に支持具が大きくなる。
【0016】
また、無線タグ読取用冶具は、滑り面に、滑り方向案内具を設けているものが好ましい。
滑り方向案内具4は、重ねられた物品6を滑り面上に滑らせて倒し、物品に取り付けられた各無線タグ7が重ならないようにずらすために、無線タグ7が取り付けられた物品6の滑り方向を、案内するものである。
滑り方向案内具4は、滑る物品が接触する部分が直線状であれば、物品の滑り方向を真っ直ぐにすることができ、滑る物品が接触する部分が曲線状であれば、物品の滑り方向を曲げることができ、滑り出し方向だけでなく、その横方向にも物品をずらすことができる。
滑り方向案内具4の形状は、棒、板、柱体、筒状体など種々の形状にすることができるが、図1のような板が好ましい。
滑り方向案内具4の物品が接触する部分の滑り方向の断面形状は、直線や、円弧、楕円弧などの曲線が挙げられる。
滑り方向案内具4の形状は、物品の滑り方向を真っ直ぐにする場合は、滑る物品が接触する面は真っ直ぐな平面形状が好ましく、物品の滑り方向を曲げる場合は、滑る物品が接触する面は湾曲した凹面形状が好ましい。湾曲した凹面形状は、物品の滑り方向に向けて曲率を徐々に大きくするものが好ましい。
平均曲率Rは、100〜400mmが好ましく、130〜350mmがより好ましく、150〜300mmが更に好ましい。
滑り方向案内具4は、その下部が基板1の滑り面2に接続するように、設けることが好ましい。この構造にすることにより、無線タグが取り付けられた物品6の滑り方向を確実に案内することができる。
滑り方向案内具4の材質は、特に制限ないが、物品を滑らせる材質であることが好ましく、滑り面2を有する基板1と同様な材質のものが挙げられる。
【0017】
また、無線タグ読取用冶具は、無線タグが取り付けられた物品の滑り方向の先端に滑り止め具8を設けているものが好ましい。滑り止め具8を適当な位置に設けることにより、無線タグが取り付けられた物品のずれる距離を調整することができる。
滑り止め具8の材質及び形状は、特に制限なく、支持具3と同様な材質及び形状のものが挙げられる。
【0018】
無線タグ読取用冶具により、ずらすことができる物品は、種々のものが挙げられるが、物品の自重により滑らせるので、ある程度の質量があるものが好ましい。物品の質量は、物品一個当たり1g以上が好ましく、5g以上がより好ましく、10g以上がさらに好ましい。
また、物品の厚みが大き過ぎると、各物品の厚み方向に各無線タグを重ならないように取り付けることができ、無線タグ読取用冶具を使用するまでもないので、厚みの薄い物品が好ましく適用できる。物品の厚みは、50mm以下であることが好ましく、30mm以下であることがより好ましい。
【0019】
また、重ねられた物品において、上に重ねられた物品は、隣接する下の物品の重なり面を滑ることが好ましい。このためには、物品はある程度剛性を有するものが好ましい。その剛性としては、物品がずれた状態で、隣接する物品同士が面で接触するのではなく、線で接触する程度の剛性を示すことが好ましい。
好ましく適用できる物品の具体例としては、例えば、CD、DVDなどを収納したケース、封筒、ファイル、書籍などの物品が挙げられる。
滑り面2に接触する物品の材質、及び隣接する下の物品の重なり面に接触する上に重ねられた物品の材質は、滑り面2を有する基板1と同様な材質のものが挙げられる。
また、無線タグを正確に読み取るために、CDやDVD等の物品を収納するケースに無線タグを設置する無線タグ設置部と、CDやDVD等の物品を収納する収納部を重ならないように設けることが好ましい。表面に金属膜を有するCDやDVD等の物品と無線タグが重なると、無線タグ読取器と無線タグの交信距離が短くなったり、交信ができなくなったりすることがある。
前記無線タグ設置部と前記収納部が重ならないようにずらすために、CDやDVD等の物品の収納位置制御手段を収納ケースに設けることが好ましい。
収納位置制御手段を設けた収納ケースとしては、シートを重ねるか、又は対向させて、物品の出し入れをする開口部を除いた該シートの周辺の一部又は全部を閉じて収納部を設け、収納ケースの端部又は端部近傍の無線タグ貼付位置と収納部の間に収納位置制御手段を設けた収納ケースが挙げられる。
シートの周辺の一部又は全部を閉じる方法としては、熱による圧着する方法、接着剤でシールする方法、ビスなどの固定具で封じる方法、接着テープなどで連結する方法、鍵シール部材などでシールする方法などが挙げられる。
収納位置制御手段としては、シートの内側に設けられる仕切り板などの突状部材、重ねられたシートを熱圧着又は接着剤などにより密着させた密着部などが挙げられる。
特に好ましい収納位置制御手段を設けた収納ケースとしては、1枚の樹脂シートの一方の端部を該端部から所望の長さの折り曲げ部で折り曲げ、折り曲げられた樹脂シートの開放されている周辺を開口部を除いて熱圧着して閉じて袋状にして収納部を設け、収納ケースの端部又は端部近傍の無線タグ貼付位置と収納部の間の重ねられた樹脂シートを熱圧着して密着部を設けた収納ケースが挙げられる。なお、収納部の開口部は、閉蓋部材により、開閉自在にすることが好ましい。閉蓋部材としては、溝状ファスナー、蓋などが挙げられ、収納部の開口部から延設されている樹脂シートの端部を折り曲げた蓋が最も好ましい。
【0020】
物品に取り付けられる無線タグとしては、ICチップとアンテナとからなるICタグや、ICチップを有しないアンテナのみからなる共振タグなど種々の無線タグが挙げられる。無線タグは、少なくとも1つの板状部上に非接触で通信を行うことができるものであればよい。
非接触での通信としては、電波のやり取り、情報の書き込み、読み取り、書き換え、消去などを挙げることができ、本発明では、前記の全てを満たす必要はなく、少なくとも列挙したいずれか一つを行うことができればよい。
【0021】
この機能を有する無線タグとしては、アンテナの機能を有する電子回路と、その電子回路の両末端に接続するICチップとが基材シートの上に設けられ、さらに、電子回路とICチップを覆う接着剤や封止樹脂等からなる樹脂層からなるICタグが挙げられる。
このICタグは、例えば、図6に示すように、基材シート9の上に渦巻状のアンテナ回路10が形成されており、そのアンテナ回路10の両端は、ICチップ11に接続されている構造を有するものが挙げられる。
ICタグの大きさは、任意に選定することができるが、物品をずらせたときに、各ICタグの重なりが生じないようにするためには、小さいことが好ましい。ICタグの大きさは、通常、幅が30mm以下であることが好ましく、20mm以下であることがより好ましく、長さが120mm以下であることが好ましく、100mm以下であることがより好ましい。
【0022】
また、ICタグ内のアンテナ回路の大きさは、通常、幅Wが20mm以下であることが好ましく、15mm以下であることがより好ましく、長さLが100mm以下であることが好ましく、80mm以下であることがより好ましい。
前記アンテナ回路としては、金属や導電性ペーストからなる導電性部材を渦巻状、いわゆるループ状に形成したものを挙げることができる。アンテナ回路とICチップを覆う樹脂層に用いられるものとしては、既存のものを広く利用することができ、アクリル系、ゴム系、シリコーン系、オレフィン系、エポキシ系などの接着剤や封止樹脂を挙げることができる。
無線タグで用いられる前記基材シートとしては、前記滑り面を有する基板で例示した樹脂や紙から構成されるシートなどを挙げることができる。
【0023】
無線タグを取り付ける物品の位置は、特に制限なく、端部又は端部近傍であってもよいし、中央部であってもよい。
ここで、端部近傍とは、無線タグの大きさにもよるが、物品の端部から40mm以内であることが好ましく、30mm以内であることがより好ましい。
また、無線タグを取り付ける物品の位置は、重ねられた物品が支持具に立て掛けられたときに、無線タグが物品の上部又は下部に配置されるような位置が好ましい。このようにすることにより、各無線タグがより重ならないようにずらすことができる。
重ねられる各物品の無線タグを取り付ける位置は、同一位置でなくてもよいが、同一位置の場合に、本発明の効果が一層得られ易い。
無線タグの物品への取り付けは、接着剤などで行うことができる。
【0024】
端部近傍に無線タグが取り付けられた物品は、複数個重ねて、重ねられた物品の最外側の物品が支持具に接するように立て掛けられる。
物品を複数個重ねたものを、支持具に立て掛ける作業は、冶具を用いて行ってもよいし、手で行ってもよいが、手作業が簡単に素早くできるので、好ましい。
また、物品を複数個重ねたものは、支持具に立て掛けた後、物品を複数個重ねたものから冶具又は手を離すだけで、その自重で滑り面の上を滑って、倒れる。その結果、各無線タグは、重ならないようにずれた状態になる。
このように、本発明の無線タグ読取用冶具により、物品に取り付けられた各無線タグが重ならないようにずらすことができる。なお、各無線タグは、100%完全に重ならないようにすることが好ましいが、一部は重なっていてもよい。各無線タグの一部重なる面積は、小さい程好ましく、無線タグのアンテナ回路の外側で囲まれる面積の20%以下で重なることがより好ましく、10%以下で重なることがさらに好ましい。
【0025】
ずらされた無線タグは、無線タグ読取器により読み取ることができる。無線タグ読取器は、固定型無線タグ読取器であってもよいし、ハンディー型無線タグ読取器であってもよい。固定型無線タグ読取器の場合、図4、図5のように前記基板1の滑り面2の反対側に前記滑り面2のほぼ全域に電磁波を発生させる固定型無線タグ読取器用アンテナ19を設けることが好ましく、当該アンテナ19から電磁波を発生させることで、滑り面2上で重ならないようにずらされた複数の無線タグを一括で読み取ることができる。
ハンディー型無線タグ読取器は公知のものを用いることができ、少しずつ位置がずらされた複数の無線タグ上を連続的な動作で移動させていくことで、各無線タグを読み取ることができる。
なお、無線タグ読取器は、情報の読取だけでなく、情報の書き込み、書き換え、消去などの機能を有するものであってもよい。
【0026】
次に、無線タグ読取用冶具の具体例を、図面に基づいて説明する。
図1には、本発明の無線タグ読取用冶具の一例の斜視図が示されている。
図1において、1枚の樹脂シート(例えば、厚みが0.75mm、幅135mm、長さ275mmのポリプロピレン樹脂シート)からなる滑り面を有する基板1の表面には、滑り面2があり、その滑り面2の一方の端部に、支持具3が設けられおり、支持具3の幅方向の一方の端部から滑り方向に、湾曲した凹面形状の滑り方向案内板4が設けられ、さらに、支持具3の幅方向の他方の端部には、もう一つの滑り方向初期案内板5が設けられている。このように、滑り面2は、支持具3と滑り方向案内板4に囲まれるように配置されており、水平になるように設置されている。
【0027】
滑り面2は、滑り方向の長さDが170mmであり、表面の静摩擦係数が0.161であり、動摩擦係数が0.179である。
支持具3は、断面形状が三角形の三角筒状体の形状を有しており、その斜面が滑り面2に対して45°の角度の傾斜を持つように配置されている。支持具3は、例えば、厚みが0.75mのポリプロピレン樹脂シートが折り畳まれて形成されているものであり、底辺長さ(E)75mm、斜面長さ85mm、他の斜辺の長さ63mm、高さ60mmの三角形の三角筒状体であり、幅方向の長さFが125mmである。
支持具3の斜面は、平面であってもよいし、凸状に湾曲した曲面であってもよいし、凹状に湾曲した曲面であってもよい。
その支持具3の斜面には、重ねられた物品の最外側の物品が接するように立て掛けられる。
【0028】
滑り方向案内板4は、例えば、高さが45mm、厚みが0.75mのポリプロピレン樹脂シートからなるものであり、支持具3の近傍では、曲率がほぼ0に近く、滑り方向に、徐々に曲率が大きくなり、湾曲した凹面形状になっている。
滑り方向案内板4が湾曲した凹面形状であるために、滑り面2の表面を滑った物品は、凹面形状に沿って滑り方向が変えられ、矢印Gの方向に滑る。滑り面2の上を滑り、ずらされた各物品は、より上に重ねられた物品ほど、真っ直ぐな滑り方向のずれだけではなく、真っ直ぐな滑り方向に対して直角の方向へもずれが大きくなり、各ICタグの重なりがより少なくなるので好ましい。
滑り方向案内板4の先端部は、基板1の端部からの長さCが30mmの位置に配置されており、滑り方向案内板4の先端部は、滑り止め具としても機能する。
【0029】
滑り方向初期案内板5は、滑り方向案内板4と共に、重ねられた複数枚のDVDを収納したケース6を滑らせる方向を案内する機能を果たすものであり、特に初期の滑らせる方向を決定付けることができる。
また、滑り方向初期案内板5は、重ねられた複数枚のDVDを収納したケース6を支持具3の斜面に立て掛ける際に、斜面の所定の位置に立て掛け易くするために、所定の位置へ誘導する機能もある。この誘導機能を果たすためには、滑り方向初期案内板5の上端部が下端部よりも外に広がっている形状にすることが好ましい。
【0030】
図2には、図1の無線タグ読取用冶具に、DVDを収納したケース6を複数枚重ねたものを、支持具3の斜面に立て掛けている状態の斜視図が示されている。
DVDを収納したケース6は、高さが121mmで、幅が140mmで、厚さが3mmの長方形のケースであり、ポリプロピレン樹脂シート製で、重量はDVDを収納した状態で21gである。
DVDを収納したケース6の上端部から5mm離れた位置の表面には、それぞれに、ICタグ7(幅11mm、長さ64mm、アンテナ回路サイズ9mm×53mm)が接着剤により貼付されている。このICタグは、例えば、図6に示すように、基材の上に渦巻状のアンテナ回路9が形成されており、そのアンテナ回路9の両端は、ICチップ10に接続されている構造を有するものが挙げられる。
DVDを収納したケース6を複数枚重ねたものを、支持具3の斜面に立て掛ける作業は、冶具を用いて行ってもよいし、手で行ってもよいが、手作業が簡単に素早くできるので、好ましい。
また、DVDを収納したケース6を複数枚重ねたものは、支持具3の斜面に立て掛けた後、DVDを収納したケース6を複数枚重ねたものから冶具又は手を離すだけで、その自重で滑り面2の上を滑って、倒れる。
【0031】
図3には、図2の状態の複数枚重ねたDVDを収納したケース6を、滑り面上に滑らせて倒し、DVDを収納したケース6に取り付けられた各無線タグが重ならないようにずれた状態の斜視図が示されている。
図3において、滑り面2の表面を滑ったDVDを収納したケース6は、湾曲した凹面形状の滑り方向案内板4により、凹面形状に沿って滑り方向が変えられ、複数枚のDVDを収納したケース6は、それぞれ真っ直ぐな滑り方向のずれだけではなく、真っ直ぐな滑り方向に対して直角の方向へもずれが生じ、各ICタグの重なりがより少なくなっている。
【0032】
図4は、図3の状態のずれた複数枚のDVDを収納したケース6の側面図を示したものである。支持具3の斜面に接するように立て掛けられたDVDを収納したケース6は、滑り面2を滑ると共に支持具3の斜面を少し滑り、DVDを収納したケース6の外周における滑り面2に接する側の下端部は支持具3から少し離れた位置に止まっており、重ねられたDVDを収納したケース6は、それぞれ滑り面2を滑り、上に重ねられたDVDを収納したケース6程、滑る距離が長くなり、各DVDを収納したケース6の下端部がある距離を空けて滑り面2の上に止まっている。このように、複数枚のDVDを収納したケース6がそれぞれずれているので、ICタグが重なることがなく、ICタグに記録された管理情報を精度よく読み取ることができる。
【0033】
図3では、DVDを収納したケース6の重ねた枚数は、7枚であるが、その枚数は任意に選択することができる。しかし、DVDを収納したケース6の重ねた枚数が多すぎると、各無線タグが重ならないようにずらすことができない部分が生じる可能性が高くなるので好ましくなく、通常50枚以下が好ましい。読取器での読み取り作業の効率と、読み取った情報の管理のし易さから、10枚、20枚、30枚などの10枚単位で選択することが好ましい。
なお、滑り面の滑り方向の長さは、支持具3に立て掛けるDVDを収納したケース6の重ねた枚数により任意に変更することができ、例えば、DVDを収納したケース6の重ねた枚数が10枚である場合は、滑り面の滑り方向の長さを100〜140mmにすることが好ましく、DVDを収納したケース6の重ねた枚数が20枚である場合は、滑り面の滑り方向の長さを140〜180mmにすることが好ましく、DVDを収納したケース6の重ねた枚数が30枚である場合は、滑り面の滑り方向の長さを180〜220mmにすることが好ましい。
【0034】
図3のように、ずらされた無線タグは、無線タグ読取器により読み取ることができる。無線タグ読取器は、固定型無線タグ読取器であってもよいし、ハンディー型無線タグ読取器であってもよい。固定型無線タグ読取器の場合、前記基板1のほぼ全域に電磁波を発生させるアンテナを設けられている。
基板に固定型無線タグ読取器を設置した場合には、収納ケースの下端部付近に無線タグを設置するようにした方が、無線タグ読取器と無線タグの距離が短くなるので、より確実により正確に交信することができるので、好ましい。
【0035】
図5は、滑り方向案内板4が真っ直ぐな平面形状である無線タグ読取用冶具の斜視図が示されている。
図5において、支持具3の反対側には、滑り止め具8が設けられている。滑り止め具8により、滑り面2を滑ってきたDVDを収納したケース6の先端部が止められ、重なった複数枚のDVDを収納したケース6は、順次滑りが止まり、各DVDを収納したケース6の下端部は、ある間隔を空けてずれた状態で止まることになる。
【0036】
図11には、本発明の収納位置制御手段を設けた収納ケースの例が示されている。この収納ケースは、1枚の樹脂シート(例えば、プロピレン樹脂シート)の一方の端部を該端部から所望の長さの折り曲げ部で折り曲げ、折り曲げられた樹脂シートの開放されている両サイドを熱による圧着部15でシールするなどの方法により閉じて袋状にし、袋と反対側の樹脂シートのもう一方の端部を折り曲げ、蓋にした収納ケース12である。なお、右サイドの熱による圧着部15の大部分は、表面に接着剤により貼付されている無線タグ18により隠されている。
【0037】
収納ケース12は、折り曲げ部が下辺であるが、折り曲げ部を右辺及び/又は左辺にして、開放されている下辺を熱による圧着部15でシールするか、又は開放されている下辺と右辺又は左辺を熱による圧着部15でシールしてもよい。
また、収納ケース12において、折り曲げられた樹脂シートの両サイドを閉じる方法としては、熱による圧着部の代わりに、接着剤でシールしてもよいし、ビスなどの固定具で封じてもよし、接着テープなどで連結してもよい。この収納ケース12の場合、収納部13にDVD14等の物品を収納し、折り曲げられた蓋シート17をDVD14等の物品と袋状の収納部13の樹脂シートの間に、差し込むことにより、蓋をすることができる。
樹脂シートの樹脂としては、基板の樹脂と同様なものが挙げられ、好ましいものも同様なものが挙げられる。
樹脂シートの厚みは、特に制限ないが、0.01〜5mmが好ましく、0.05〜2mmがより好ましい。
【0038】
袋状にするための樹脂シートの端部の折り曲げ幅は、物品の大きさに応じて適宜選定すればよく、通常物品の最大長さの20〜90%が好ましく、30〜80%がより好ましく、40〜70%がさらに好ましい。
また、蓋にするための樹脂シートの他方の端部の折り曲げ幅は、蓋をしたときの蓋の先端部の樹脂シートと、袋状の収納部13の樹脂シートとの重なり幅が、好ましくは10mm以上、より好ましくは15mm以上、さらに好ましくは20mm以上になるように、選定すればよい。該重なり幅の上限は、袋部の深さの90%以内が好ましく、80%以内がより好ましい。
また、無線タグ18の取り付け位置は、収納ケース12の端部又は端部近傍であれば、袋の表面又は裏面であってもよいし、蓋の表面又は蓋の裏側にある樹脂シートの表面であってもよいが、好ましくは袋の表面又は裏面であり、さらに好ましくは熱による圧着部15等により閉じられた両サイドの表面又は裏面である。
【0039】
収納ケース12の場合、DVD等の物品が収納ケース12内で無線タグ18の設置部にずれてきて重ならないように無線タグ18の設置部の端部に上下に重ねられた2枚の樹脂シートを熱圧着して熱による圧着部16を設けることにより収納位置制御手段とすることができる。
熱による圧着部16の形状および設置位置は、特に制限なく、DVD14等の物品と無線タグ18との重なりを防ぐことができる形状および設置位置であればよい。熱による圧着部16の形状としては、例えば、直線状、曲線状などの種々の形状にすることができる。また、熱による圧着部16の設置位置としては、収納したDVD14等の物品と無線タグ18との間が挙げられ、DVD14等の物品がずれて無線タグ18に接近する際に、無線タグとの最接近点又はその周辺が好ましい。熱による圧着部16の長さは、特に制限ないが、3mm以上が好ましく、6mm以上がより好ましい。なお、熱による圧着部16の長さの上限は、特に制限ないが、長すぎると、省資源や作業効率の観点から好ましくなく、通常50mm以下が好ましく、30mm以下がより好ましい。
【0040】
なお、熱による圧着部16を設けることは、2枚の樹脂シートの連結方法の一例であり、その連結方法としては、熱による圧着部16の代わりに、接着剤で連結してもよいし、ビスなどの固定具で封じてもよし、接着テープなどで連結してもよい。収納されたDVD14等の物品は、熱による圧着部16により、無線タグ18方向への動きが止められ、表面に金属膜を有するDVD14等の物品と無線タグ18との重なりを防ぐことができる。
【0041】
図12には、本発明の収納ケースにおける収納位置制御手段の他の例が示されている。この収納ケースは、収納ケースが厚み方向に厚みのある、硬い樹脂製の上蓋27と下蓋28とからなるハード収納ケース22である。この収納ケースの場合、無線タグ29の設置部にDVD24等の物品がずれてこないように仕切り板26を設けたり、DVD24等の物品が収納ケース22内で動かないようにDVD24等の物品の中央部の貫通穴に挿入して固定する固定冶具25などを設けて収納位置制御手段とすることができる。収納されたDVD24等の物品は、固定冶具25及び仕切り板26により、無線タグ29方向への動きが止められ、表面に金属膜を有するDVD24等と無線タグ29との重なりを防ぐことができる。
収納ケースを構成する硬い樹脂としては、従来公知の材質を用いることができるが、具体的には滑り面を有する基板で例示された樹脂の中から適宜選択して用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】図1は、本発明の収納ケースを使用できる無線タグ読取用冶具の一例を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1の無線タグ読取用冶具に、DVDを収納したケースを複数枚重ねたものを、支持具の斜面に立て掛けている状態を示す斜視図である。
【図3】図3は、図2の状態の複数枚重ねたDVDを収納したケースを、滑り面上に滑らせて倒し、DVDを収納したケースに取り付けられた各無線タグが重ならないようにずれた状態の斜視図である。
【図4】図4は、図3の状態のずれた複数枚のDVDを収納したケースの側面図を示したものである。
【図5】図5は、滑り方向案内板が真っ直ぐな平面形状である無線タグ読取用冶具を示す斜視図である。
【図6】図6は、基材シートの上に渦巻状のアンテナ回路が形成され、そのアンテナ回路の両端がICチップに接続されているICタグを示す平面図である。
【図7】図7は、支持具が柵状である無線タグ読取用冶具を示す斜視図である。
【図8】図8は、支持具が横棒状である無線タグ読取用冶具を示す斜視図である。
【図9】図9は、支持具が縦棒状である無線タグ読取用冶具を示す斜視図である。
【図10】図10は、支持具が斜面を有さない板状である無線タグ読取用冶具を示す斜視図である。
【図11】図11は、本発明のDVDが収納されたケースの一例であり、1枚の樹脂シートを折り曲げて袋状に作製された収納ケースを示す平面図である。
【図12】図12は、本発明のDVDが収納されたケースの一例であり、ハードケースを示す斜視図である。
【符号の説明】
【0043】
1 上面が滑り面をなす基板
2 滑り面
3 支持具
4 滑り方向案内板
5 滑り方向初期案内板
6 DVDを収納したケース
7 ICタグ
8 滑り止め具
9 基材シート
10 アンテナ回路
11 ICチップ
12 収納ケース
13 収納部
14 DVD
15 熱による圧着部
16 熱による圧着部
17 折り曲げられた蓋シート
18 無線タグ
19 固定型無線タグ読取器用アンテナ
20 段差
22 ハード収納ケース
23 収納部
24 DVD
25 固定冶具
26 仕切り板
27 上蓋
28 下蓋
29 無線タグ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂シートを折り曲げて作られている袋からなる又は硬い樹脂製の上蓋及び下蓋とからなる、表面に金属膜を有する物品用収納ケースであって、該収納ケースの端部又は端部近傍に無線タグ設置部が設けられ、前記表面に金属膜を有する物品が収納ケース内で無線タグ設置部にずれて重ならないように収納位置制御手段を設けていることを特徴とする収納ケース。
【請求項2】
前記樹脂シートを折り曲げて作られている袋からなる、表面に金属膜を有する物品用収納ケースが、1枚の樹脂シートの一方の端部を該端部から所望の長さの折り曲げ部で折り曲げ、折り曲げられた樹脂シートの開放されている両サイドを閉じて袋にし、袋と反対側の樹脂シートのもう一方の端部を折り曲げて蓋にした表面に金属膜を有する物品用収納ケースである請求項1に記載の収納ケース。
【請求項3】
前記収納位置制御手段が、表面に金属膜を有する物品が収納ケース内で無線タグ設置部にずれて重ならないように無線タグ設置部の端部に上下に重ねられた2枚の樹脂シートを熱圧着して設けた圧着部である請求項2に記載の収納ケース。
【請求項4】
前記表面に金属膜を有する物品用収納ケースが、複数枚重ねて滑らせて、各収納ケースに取り付けられている無線タグが重ならないようにずらすために用いられる請求項1〜3のいずれかに記載の収納ケース。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−69335(P2013−69335A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−278251(P2012−278251)
【出願日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【分割の表示】特願2008−286416(P2008−286416)の分割
【原出願日】平成20年11月7日(2008.11.7)
【出願人】(000102980)リンテック株式会社 (1,750)
【Fターム(参考)】