説明

収納スタンド

【課題】機器の形状にかかわらず、収納時における機器の専有面積を小さく抑えて収納場所の選択の自由度を高めるとともに、安定して機器を収納でき、見栄えの良い収納状態を実現できる収納スタンドを提供する。
【解決手段】平板状でなる本体の端部から突出する突出部を有する機器を、突出部を床面側にして本体が立てられた状態で収納する収納スタンドであって、機器の突出部を支持する第1支持部と、機器の端部を支持する第2支持部と、を有する第1支持体と、機器の突出部を支持する第1支持部と、機器の端部を支持する第2支持部と、を有する第2支持体と、を備え、第1支持体及び第2支持体は、第1支持体の第1支持部と第2支持体の第1支持部とを対向させて配置し、かつ揺動可能な構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器を収納するための収納スタンドに関し、特に被験者の重量を測定するための大型の薄型秤等の機器を立て掛けた状態で収納するための収納スタンドに関する。
【背景技術】
【0002】
大型の薄型秤等の機器を使っていないときにおいて、使用時の状態のままで機器を保管しておくことは、薄型秤の専有面積が比較的大きいことから、機器を設置している部屋の床面積が奪われてしまい,使用者にとっては不便を感じることがある。従って、機器を使用しない時には、通常、機器を壁に立て掛けた状態や、壁と家具などとの間に形成される狭い隙間に直立させた状態で保管することが行われている。
【0003】
また、機器の収納性を向上させることを目的とする従来の機器収納装置が提案されている(特許文献1参照)。従来の機器収納装置は、機器を保持するパネルと、機器を保持した状態のパネルを収納できる収納キャビネットと、を備える。機器を使用するときには、パネルが床面に対して機器が水平な姿勢を取れ、使用しない収納時には、パネルが回転し、機器が床面に対して垂直な姿勢を取ることができる構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−69116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、機器を壁等に立て掛けた状態で保管すると、機器が壁から床面に滑り落ちた場合には機器の損傷を招く恐れがある。また、機器を立て掛けられる壁等がなければ、直立状態を維持することが出来ず、特に、例えば商品として陳列したりする際などの場面では、外観上好ましいとは言えない。また、機器を前記隙間に収納し直立させた状態で保管する場合には、収容に適した隙間が必ずしも存在するとは限らず、また、収納場所が限定され利便性が良くない。さらに、特許文献1に記載のような従来の機器収納装置では、その収納場所が、収納キャビネットを配置できる場所に限定されてしまい、収納される機器を任意の場所で使用したり収納したりすることは困難である。
【0006】
そこで、本発明は、機器の形状にかかわらず、収納時における機器の専有面積を小さく抑えて収納場所の選択の自由度を高めるとともに、安定して機器を収納でき、見栄えの良い収納状態を実現できる、収納スタンドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明の収納スタンドは、平板状でなる本体の端部から突出する突出部を有する機器を、突出部を床面側にして本体が立てられた状態で収納する収納スタンドであって、機器の突出部を支持する第1支持部と、機器の端部を支持する第2支持部と、を有する第1支持体と、機器の突出部を支持する第1支持部と、機器の端部を支持する第2支持部と、を有する第2支持体と、を備え、第1支持体及び第2支持体は、第1支持体の第1支持部と第2支持体の第1支持部とを対向させて配置し、かつ揺動可能な構成としたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の収納スタンドによれば、第1支持体と第2支持体とは、第1支持体及び第2支持体が同期して揺動するように連結されていることを特徴とする。
【0009】
さらに、本発明の収納スタンドによれば、第1支持体及び第2支持体は、それぞれの第1支持部と第2支持部との間が平坦部として構成されるとともに、それぞれの第2支持部からは傾斜部が設けられていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の収納スタンドによれば、第1支持体及び第2支持体は、平坦部が水平で傾斜部の端部が床面に接近する第1状態と、平坦部の第1支持部側が低く第2支持部が高くなる第2状態と、の間で揺動することを特徴とする。
【0011】
さらに、本発明の収納スタンドによれば、機器の本体のうち、端部とは異なる2つの部位を支持するための第3支持体及び第4支持体を備えることを特徴とする。
【0012】
さらに、本発明の収納スタンドによれば、第3支持体及び第4支持体の少なくとも一方は、機器の2つの部位の少なくとも一方に当接する転動部材が装着されていることを特徴とする。
【0013】
なお、本明細書において、第1支持体及び第2支持体の第1支持部は、第1支持体及び第2支持体の揺動(回転)中心を基準として、揺動中心を含まずに、揺動中心から離れる一方向に延在する部分又はその一部分を意味する。また、第1支持体及び第2支持体の第2支持部は、第1支持体及び第2支持体の揺動中心を基準として、揺動中心を含まずに、揺動中心から離れる他方向(上記一方向に対向する方向)に延在する部分又はその一部分を意味する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の収納スタンドは、例えばキャスターのような突起部のある機器であっても、第1支持体及び第2支持体により、機器の複数の部位を確実に支持することができるので、機器を安定して収納することができる。さらに、機器収納スタンドを用いて機器を収納することにより、見栄え良く機器を収納できるとともに、収納場所の選択の自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係る収納スタンドの斜視図である。
【図2】図1に示される収納スタンドに体重計を収納した状態を示す側面図である。
【図3】図1に示される収納スタンドの第1支持体及び第2支持体を主として示す部分拡大斜視図である。
【図4】第1支持体及び第2支持体の第1支持部が上昇した状態を示す部分拡大斜視図である。
【図5】第1支持体及び第2支持体の第1支持部が下降した状態を示す部分拡大斜視図である。
【図6】使用状態の体重計を示す斜視図である。
【図7】体重計を床面に直立させた状態で示す正面図である。
【図8】体重計を収納した状態の収納スタンドの第1支持体及び第2支持体を模式的に示す図であり、(a)は第1支持体及び第2支持体の揺動の第1状態を示す図、(b)は第1支持体及び第2支持体の揺動の第2状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
〔収納スタンド〕
以下、本発明に係る収納スタンドの実施形態について、図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の実施形態に係る収納スタンド1の斜視図、図2は、図1に示される収納スタンド1に体重計(機器)111を収納した状態を示す側面図、図3は、図1に示される収納スタンド1の第1支持体3及び第2支持体5を主として示す部分拡大斜視図、図4は、第1支持体3及び第2支持体5の第1支持部が上昇した状態を示す部分拡大斜視図、図5は、第1支持体3及び第2支持体5の第1支持部が下降した状態を示す部分拡大斜視図である。
【0017】
図1に示す収納スタンド1は、車輪(突出部)119が設けられているサイドカバー(端部)116を備える体重計111を収納するためのものである。体重計111は、収納時に、サイドカバー116が底部(すなわち床面側)となり、ほぼ直立した姿勢となる(図2、図7参照)。なお、体重計の構成については後述する。
【0018】
収納スタンド1は、主として、体重計111のサイドカバー116を支持する第1支持体3及び第2支持体5を備える。第1支持体3及び第2支持体5は、揺動可能である。第1支持体3及び第2支持体5それぞれの一端部(第1支持部3a1、5a1)が車輪119により付勢されると、第1支持体3及び第2支持体5それぞれの他端部(第2支持部3a2、5a2)がサイドカバー116を支持する構成である。
【0019】
第1支持体3及び第2支持体5は、金属製の薄板部材から構成されている。第1支持体3及び第2支持体5は、側面視(図2参照)で略コ字形状であり、平坦部3a、5aと、平坦部3a、5aの長手方向に沿って延在し、平坦部3a、5aに対して垂直方向に延びる立設部3b、5bと、を備える。第1支持体3及び第2支持体5の平坦部3a、5aは、体重計111の車輪119を支持するための第1支持部3a1、5a1と、サイドカバー116を支持するための第2支持部3a2、5a2と、を備える。また、平坦部3a、5aが互いに直線状に延在するように、すなわち、第1支持部3a1と第1支持部5a1とを対向させて第1支持体3及び第2支持体5が配置されている。なお、第1支持体3及び第2支持体5は、両者を連結する連結機構を除き、形状及び寸法が同じであるので、第1支持体3を用いてその構成について以下に説明する。
【0020】
第1支持体3の平坦部3aの幅方向の両端部に設けられている2つの立設部3bと、後述する2つのビーム部材15のビーム立設部15bとには、立設部3b及びビーム立設部15bの厚さ方向に貫通するピン穴が設けられている。ピン穴にはピン17が挿入され、第1支持体3がピン17を揺動中心として揺動可能にピン17に支持される構成である。このように、第1支持体3は、両立設部3bに設けられた2つのピン17を中心として揺動可能である(図8の矢印51、53参照)。
【0021】
さらに、収納スタンド1を床面に設置した状態で、第1支持体3が揺動できる構成とするために、水平状態にあるとき(図4参照)の第1支持体3の平坦部3aが、床面から所定高さ位置となるように、第1支持体3が、ピン17を介してビーム部材15に装着されている。なお、第1支持体3に設けられるピン17が挿入されるピン穴の位置は、第1支持体3の長手方向長さや、必要とされる揺動範囲に応じて、適宜設定される。なお、平坦部3aの幅方向寸法及び長手方向寸法は、支持する対象である体重計111すなわち機器の端部の長手方向長さ及び幅方向寸法に応じて設定される。
【0022】
第1支持体3及び第2支持体5の立設部3b、5bであって、第1支持体3と第2支持体5とが互いに対向する第1支持部3a1、5a1側には、第1支持体3及び第2支持体5を互いに連結する連結機構が設けられている。具体的には、第1支持体3の立設部3bには、平坦部3aの端面を越えて突出する延長部3cが設けられ、延長部3cは、連結凸部23を有する。また、第2支持体5の立設部5bには、平坦部5aの端面を越えて突出する延長部5cが設けられ、延長部5cは、連結凸部23と相補的な形状及び寸法である連結凹部25を有する。連結凸部23及び連結凹部25の一方が、連結凹部25及び連結凸部23の他方に対して枢動できるように、連結凸部23が連結凹部25内に嵌合している。
【0023】
このように、第1支持体3及び第2支持体5は、第1支持体3の平坦部3aと第2支持体5の平坦部5aと、の間に隙間Gを設けた状態で連結され、第1支持体3及び第2支持体5の平坦部3a、5aが互いに干渉することなく、第1支持体3及び第2支持体5の連結凸部23及び連結凹部25が枢動する構成である。
【0024】
なお、本実施形態の連結機構は、所定の曲率半径を備える円弧形状の連結凸部23及び連結凹部25から構成されているが、本発明はこの構成に限定されない。第1支持体3及び第2支持体5を同期して揺動できる機構であれば適宜変更できる。このように、第1支持体3及び第2支持体5を同期して揺動可能にすることにより、体重計111を第1支持体3及び第2支持体5上を移動させる際に、第1支持体3及び第2支持体5の一端部により体重計111の端面に傷を付けたり、体重計111の移動を妨げることがない。また、第1支持体に連結凸部23を設け、第2支持体5に連結凹部25を設ける構成としたが、第1支持体3に連結凹部25を設け、第2支持体5に連結凸部23を設けることも可能である。
【0025】
また、第1支持体3及び第2支持体5の第2支持部3a2、5a2には、傾斜部3d、5dが連続して延びる構成としても良い。この場合は、平坦部3a、5aと傾斜部3d、5dとの間の角度は、鈍角を形成する。さらに、平坦部3a、5aと傾斜部3d、5dとの境界は、稜線により規定される。このように傾斜部3d、5dを設けることで、床面に対して所定の高さに延在する平坦部3a、5aへの体重計111の移動を容易にできる。
【0026】
図1及び図2に示すように、収納スタンド1は、さらに第1支持体3及び第2支持体5が固定される基部7と、基部7が床面に配置された状態で、基部7から上方に延びる第3支持体9及び第4支持体11と、第1支持体3及び第2支持体5に平行に延びる一対のビーム部材15と、を備える。基部7は、第1支持体3及び第2支持体5の長手方向に対して交差する方向に延び、所定距離離間し互いに平行に配置される一対の基部構成部材13から構成される。基部構成部材13は、正面視で(図2の矢印X方向から視て)矩形状で薄板金属製の中空部材から形成されている。基部構成部材13の接地する面には、フランジ14が設けられ、基部構成部材13の床面に対する接地面積を大きくし収納スタンド1の安定性を確保している。
【0027】
図1に示すように、2つの基部構成部材13は、同一形状及び同一寸法である2つのビーム部材15により連結されている。なお、図1においては、連結凸部23と連結凹部25との嵌合状態を示すために、ビーム部材15のビーム立設部15bの一部の図示を省略している。金属製の薄板部材から形成されているビーム部材15は、側面視(図2参照)で略コ字形状であり、ビーム平坦部15aと、ビーム平坦部15aの長手方向に沿って延び、ビーム平坦部15aに対して垂直方向に延びるビーム立設部15bと、を有する。ビーム部材15は、ビーム立設部15bが第1支持体3及び第2支持体5の立設部3b及び5bに隣り合うように、配置されている。また、前述の通り、ビーム立設部15bには、その厚さ方向に貫通するピン穴が設けられ、第1支持体3及び第2支持体5を揺動可能に支持するためのピン17が装着されている。これにより、第1支持体3及び第2支持体5は、平坦部3a、5aが水平で傾斜部3d、5dの端部が床面に接近する第1状態と、平坦部3a、5aの第1支持部3a1、5a1側が低く、第2支持部3a2、5a2が高くなる第2状態と、の間で揺動することを特徴とする。
【0028】
図1に示すように、第3支持体9及び第4支持体11は、中空の金属製部材から構成される。なお、図1においては、第1支持体3及び第2支持体5の連結状態を示すために、第3支持体9の一部の図示を省略している。第3支持体9は、第4支持体11より、床面からの高さ寸法が短く寸法付けされている。体重計111が第1支持体3及び第2支持体5の平坦部3a、5aに載置されると、第3支持体9及び第4支持体11は、体重計111の上面であるプラットフォーム114及び底面111bを支持する。
【0029】
第3支持体9は、第1支持体3及び第2支持体5の近傍で基部構成部材13に固定される2つの第3支持端部9aと、第3支持端部9aに連続する第3支持基部9bと、水平方向に延び第3支持基部9bに連続する第3支持水平部9cとを有する。第3支持基部9bは、側面視(図2参照)において第1支持体3及び第2支持体5から離れる方向に延び、さらに、第1支持体3及び第2支持体5側へ戻る方向に湾曲しつつ、鉛直方向に対して所定角度で傾斜し上方に延びる。
【0030】
第3支持水平部9cの長手方向の中央部には、第1転動体が設けられている。第1転動体は、第1車輪31と、第1車輪31を回転可能に保持する第1車輪台座33を有する。第1車輪31の回転軸線は、ほぼ鉛直方向に延び、直立させた体重計111を平坦部3a、5a上で移動させると、第1車輪31は、体重計111のプラットフォーム114上を回転しつつ支持する。このように構成することにより、体重計111をスムーズに誘導して収納可能となり、体重計111の損傷を防止することも可能となる。
【0031】
第4支持体11は、第1支持体3及び第2支持体5の近傍で基部構成部材13に固定される2つの第4支持端部11aと、第4支持端部11aに連続し、基部構成部材13から上方に向かって延びる第4支持基部11bと、第4支持基部11bに連続し水平方向に延びる第4支持水平部11cと、を有する。第4支持基部11bは、側面視(図2参照)において第1支持体3及び第2支持体5から離れる方向に延び、第1支持体3及び第2支持体5側へ戻る方向に湾曲しつつ、鉛直方向に対して所定角度で傾斜しつつ上方に延びる。
【0032】
第4支持水平部11cの長手方向の中央部には、第2転動体が設けられている。第2転動体は、第2車輪41と、第2車輪41を回転可能に保持する第2車輪台座43を有する。第2車輪41の回転軸線は、ほぼ鉛直方向に延び、直立させた体重計111を平坦部3a、5a上で移動させると、第2車輪41は体重計111の底面111b上を回転しつつ支持する。このように構成することにより、体重計111をスムーズに誘導して収納可能となり、体重計111の損傷を防止することも可能となる。上記の通り、第3支持体9及び第4支持体11により、体重計111の厚さ方向(図2の左右方向)の移動が規制される。
【0033】
また、第4支持水平部11cには、水平面を有する表示ボックス保持台45が装着されている。表示ボックス保持台45には、体重計111の表示ボックス113を載置することが可能である。
【0034】
〔体重計〕
次に、収納スタンド1に収納される体重計111の構成について図面を参照しつつ簡単に説明する。図6は、使用状態の体重計111を示す斜視図、図7は、体重計111を床面に直立させた状態で示す正面図である。収納スタンド1に収納される体重計111は、車椅子に乗った被験者の体重を、車椅子ごと測定可能な大型の体重計として利用される。
【0035】
体重計111は、体重計本体(機器)112と、体重計本体112に取り付けられたフック118と、を備える。さらに、体重計本体112の表面には、被験者が搭乗している車椅子が載るプラットフォーム114が設けられており、その内部には、ロードセル(図示せず)が配置されている。
【0036】
また、プラットフォーム114の一部は、サイドカバー115及びサイドカバー116(すなわち体重計の端部)により覆われ、プラットフォーム114の露出している領域が、車椅子の通り道を構成するとともに、被験者及び車椅子の重量を測定するための測定領域を構成する。
【0037】
さらに、サイドカバー115には、フック118が固定されている。フック118は、体重計本体112を持ち上げたり、移動させたりする際に使用者が把持するために用いられる。
【0038】
サイドカバー116には、車輪119が装着されている。なお,手摺り部材(図示せず)がサイドカバー116に取り外し可能に固定されるようになっていてもよい。
【0039】
本実施形態の体重計111は、3つの車輪119を備え、車輪119は、体重計本体112の輪郭よりも外側に突出するように取り付けられている。なお、車輪119の各々の形状及び寸法は同じであるが、サイドカバー116の長手方向の中央部にある主車輪119aは、サイドカバー116の長手方向の両端側にある副車輪119bよりも、体重計本体112の輪郭からの突出量が大きく設けられている。従って、図7に示すように、車輪119が床面に接するように体重計本体112を直立させる場合は、主車輪119aと、2つの副車輪119bのいずれか一方と、が接地するようになる。車輪119をこのように構成することにより、体重計本体112を運搬する場合には、主車輪119aと、2つの副車輪119bのいずれか一方と、を接地させながら移動させることができるとともに、移動方向を変更する場合には、主車輪119aのみを接地させることにより、主車輪119aを支点として体重計111の移動方向を容易に変えることが可能となる。
【0040】
体重計本体112には、ケーブル109を介して表示ボックス113が連結されている。表示ボックス113は、被験者の重量を表示させたり、体重計111を作動させたりするために利用される。
【0041】
〔体重計の収納工程〕
以下に、体重計111(主として体重計本体112)を収納スタンド1に収納する収納工程について図面を参照しつつ説明する。図8は、体重計111を収納した状態の収納スタンド1の第1支持体3及び第2支持体5を模式的に示す図であり、(a)は第1支持体3及び第2支持体5の揺動の第1状態を示す図、(b)は第1支持体3及び第2支持体5の揺動の第2状態を示す図である。
【0042】
使用者は、フック118を掴み、第1支持体3の傾斜部3d又は第2支持体5の傾斜部5dのいずれか一方から、第1支持体3及び第2支持体5の平坦部3a、5a間の隙間G方向(図1、図3、図8(a)参照)へ移動させる。例えば、第2支持体5の傾斜部5d側から体重計本体112を移動させる場合において、初期状態においては、第2支持体5は、傾斜部5dの端部が床面へ接近又は接触しているため、副車輪119bや主車輪119aの傾斜部5dへの乗り入れが極めてスムーズに行われる。なお、図8(a)に示すように、このときの第2支持体5の平坦部5aは水平状態になっており、第1支持体3及び第2支持体5は同期して揺動するようになっているため、第1支持体3の平坦部3aも水平状態となる(図4参照)。
【0043】
さらに、最初の副車輪119bが、隙間Gを通過する際には、第1支持体3及び第2支持体5の平坦部3a、5aは、同期しているため両平坦部3a、5aの床面からの高さが同じレベルになっている。従って、図8(a)の仮想線で示す通り、副車輪119bは、第2支持体5の平坦部5aから第1支持体3の平坦部3aへスムーズに移動することが可能である。
【0044】
さらに、主車輪119aが、第2支持体5を揺動可能に支持するピン17を通過するまで体重計111を移動させると、第2支持体5が、ピン17を中心に揺動する(図8(b)の矢印51方向に関して反時計回り)。同時に、第2支持体5は、第1支持体3と同期して揺動する構成であるため、第1支持体3は、ピン17を中心に揺動する(図8(b)の矢印53方向に関して時計回り)。体重計111(主として体重計本体112)を収納スタンド1へ収納するための収納工程は、図8(b)に示すように、主車輪119aが、第1支持体3及び第2支持体5の平坦部3a、5a間に設けられている隙間Gへ到達することで完了する。
【0045】
収納工程が完了した状態では、第1支持体3及び第2支持体5の平坦部3a、5aが、図5、図8(b)に示すように側面視で略V字形状となり、平坦部3a、5aの先端部分(第1支持部3a1、5a1)で主車輪119a(突出部)を支持し、傾斜部3d、5dの境界を画する稜線部分(第2支持部3a2、5a2)が、体重計111のサイドカバー116(すなわち端部)を支持する。また、図2の紙面の前後方向に関しては、体重計111は、第3支持体9及び第4支持体11により支持される。
【0046】
このように、第1支持体3は、主車輪119aと、体重計111のサイドカバー116とを支持し、第2支持体も同様に、主車輪119aと、体重計111のサイドカバー116とを支持することになり、正面視(図8(b)参照)において主車輪119aを中心に体重計111が揺動(図8(b)の紙面に平行な面内において揺動)することを防止できる。上述の通り、収納スタンド1を用いることにより、収納時に底面となる領域に突出する部分がある機器であっても、機器を確実に収納することができる。
【0047】
なお、上記実施形態では、第1支持体3及び第2支持体5の平坦部3a、5aは、長手方向で直線状に延びる形状としたが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、収納する機器の端部の形状に応じて、所定曲率半径の円弧状等とすることも可能である。また、本実施形態では、端部を支持するための2つの支持部材を設ける構成としたが、3つ以上支持部材を設ける構成とすることもできる。
【0048】
本実施形態の収納スタンドにより収納される体重計は、3つの車輪を備え、主車輪が副車輪より突出する構成であるが、本発明の収納スタンドにより収納される機器の構成はこれに限定されないことは言うまでもない。また、本実施形態では、稜線3e、5eが第2サイドカバーを支持する構成としたが、傾斜部3d、5dにより第2サイドカバーを支持するような構成とすることも可能である。
【0049】
本実施形態では、収納スタンドの第3支持体及び第4支持体に、転動体を設ける構成としたが、本発明はこの構成に限定されない。転動体の有無や数は、収納される機器の形状や寸法に応じて適宜変更できる。
【0050】
この発明は、その本質的特性から逸脱することなく数多くの形式のものとして具体化することができる。よって、上述した実施形態は専ら説明上のものであり、本発明を制限するものではないことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0051】
1 収納スタンド
3 第1支持体
3a 平坦部
3a1 第1支持部
3a2 第2支持部
5 第2支持体
5a 平坦部
5a1 第1支持部
5a2 第2支持部
9 第3支持体
11 第4支持体
13 基部構成部材
15 ビーム部材
17 ピン
23 連結凸部
25 連結凹部
31 第1車輪
41 第2車輪
45 表示ボックス保持台
109 ケーブル
111 体重計(機器)
112 体重計本体(機器)
113 表示ボックス
114 プラットフォーム
115 サイドカバー
116 サイドカバー(端部)
118 フック
119 車輪(突出部)
G 隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板状でなる本体の端部から突出する突出部を有する機器を、前記突出部を床面側にして前記本体が立てられた状態で収納する収納スタンドであって、
前記機器の前記突出部を支持する第1支持部と、前記機器の前記端部を支持する第2支持部と、を有する第1支持体と、
前記機器の前記突出部を支持する第1支持部と、前記機器の前記端部を支持する第2支持部と、を有する第2支持体と、を備え、
前記第1支持体及び前記第2支持体は、前記第1支持体の前記第1支持部と前記第2支持体の前記第1支持部とを対向させて配置し、かつ揺動可能な構成としたこと
を特徴とする収納スタンド。
【請求項2】
前記第1支持体と前記第2支持体とは、前記第1支持体及び第2支持体が同期して揺動するように連結されていることを特徴とする請求項1に記載の収納スタンド。
【請求項3】
前記第1支持体及び前記第2支持体は、それぞれの前記第1支持部と前記第2支持部との間が平坦部として構成されるとともに、それぞれの前記第2支持部からは傾斜部が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の収納スタンド。
【請求項4】
前記第1支持体及び前記第2支持体は、前記平坦部が水平で前記傾斜部の端部が床面に接近する第1状態と、前記平坦部の前記第1支持部側が低く前記第2支持部が高くなる第2状態と、の間で揺動することを特徴とする請求項3に記載の収納スタンド。
【請求項5】
前記機器の前記本体のうち、前記端部とは異なる2つの部位を支持するための第3支持体及び第4支持体を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4のうち、いずれか1に記載の収納スタンド。
【請求項6】
前記第3支持体及び前記第4支持体の少なくとも一方は、前記機器の2つの部位の少なくとも一方に当接する転動部材が装着されていることを特徴とする請求項5に記載の収納スタンド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−112661(P2012−112661A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−259224(P2010−259224)
【出願日】平成22年11月19日(2010.11.19)
【出願人】(000133179)株式会社タニタ (303)