説明

収納家具の化粧パネル取付構造

【課題】 化粧パネルを収納家具の側面に取り付ける構造として、優れた意匠感と堅固さとが両立し、かつ取付作業が容易な構造を提供することを課題とする。
【解決手段】 芯材の表面に、化粧シートとしてメラミンシートが貼付されて全体の厚みが10.6mmとされた化粧パネル3を、収納キャビネット1の厚みが18mmとされた側板11の内側からねじ込まれる複数のビス35…35と、上記側板11の外面との間に介在する所定の3箇所の両面粘着テープ34…34とで取り付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納家具への化粧パネルの取付構造に関し、家具の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来、玄関等に設置されるキャビネット等の収納家具の例えば側板に、化粧目的や該収納家具の扉あるいは玄関扉との調和目的で、表面に化粧処理が施されたパネルを取り付けることがあり、その場合の取付構造には例えば特許文献1や特許文献2に開示のものがある。
【0003】
まず、特許文献1に開示された取付構造は、図9に示すように、前側に扉A1を有する収納家具Aの側板A2の外面に化粧板Bをあてがった状態で、収納家具Aの内方から木ねじCをねじ込んで該化粧板Bを取り付けるものであり、木ねじCが表側から見えなくて見栄えがよく、木ねじCの先端が十分にねじ込まれる必要があることから、比較的厚物で剛性のある化粧板Bに適用される。
【0004】
一方、特許文献2に開示された取付構造は、図10に示すように、前側に扉J1を有する収納庫のような箱体Jの側板J2の外面に、先端が略コ字状の差込溝部K1が設けられた見切り部材Kを固定ねじLで固定すると共に、化粧サイドパネルMの前側木口を上記差込溝部K1に差し込んだ上で、両面テープや接着剤等の図示しない接着手段を介して側板J2の外面に化粧サイドパネルMを取り付けるものである。この場合には化粧サイドパネルMで固定ねじLが覆われると共に化粧サイドパネルMの前側木口が見切り部材Kで覆われて見栄えがよく、厚物から薄物までの化粧サイドパネルMに適用される。
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第2531951号公報
【特許文献2】特開2004−141326号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、厚物の化粧パネルは、特に前側から見たときに厚みが目立って意匠感に不満が生じるばかりでなく、重量が重いため運搬時のみならず取付時において収納家具の外側からあてがいながら内側からねじ止めすることになって作業性が悪い。そこで、化粧パネルを薄物にすると、その場合には木口が幅狭になってこれを覆って化粧するいわゆるエッジ部材の貼付作業が困難となり、また、以下の問題が生じることがある。
【0007】
すなわち、例えば特許文献1に開示の取付構造では、薄物の化粧パネルに適用すると、木ねじによる取付時に反りや撓みが生じ、その結果、化粧パネルと側板との間にいたずらに不規則な隙間が形成されて見栄えが悪く、また、化粧パネルに対する木ねじの効きが浅いため支持力が十分ではないという問題がある。
【0008】
そして、特許文献2に開示の取付構造では、接着部材を介したものであることから、薄物の化粧パネルに適用すると、反りや撓みがある場合に接着部材ではこれらを矯正して隙間なく堅固に側板に取り付けることは困難であり、また、逆に厚物の化粧パネルの場合には、重量が重くなることから接着部材では支持力に不安がある。さらに、特許文献2に開示の取付構造では、見切り部材を付加して使用しなければならず、部品点数や付加作業の増加ひいてはコストの増加を招くことになる。このように、化粧パネルの好ましい取付構造がないというのが現状である。
【0009】
そこで、本発明は、化粧パネルを収納家具の側面に取り付ける構造として、優れた意匠感と堅固さとが両立し、かつ取付作業が容易な構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
【0011】
まず、請求項1に記載の発明は、収納家具の少なくとも一方の側板の外面に、芯材の少なくとも一方の面に化粧処理が施された化粧パネルを取り付ける収納家具の化粧パネル取付構造であって、上記化粧パネルが、上記収納家具の側板の内側からねじ込まれるねじ部材と、上記側板の外面との間に介在する両面テープとで取り付けられていることを特徴とする。
【0012】
次に、請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、化粧パネルは、厚みが7〜12mmであることを特徴とする。
【0013】
また、請求項3に記載の発明は、上記請求項1または請求項2に記載の発明において、化粧パネルは、収納家具の側板の外面に取り付けたときに少なくとも前側となる木口に、該木口を覆うエッジ部材が貼付されていることを特徴とする。
【0014】
また、請求項4に記載の発明は、上記請求項1または請求項2に記載の発明において、化粧パネルは、化粧処理として貼付された化粧シートの貼付面とは反対側の面に、上記化粧シートを残して芯材が分離する深さの90°のV溝を2つ隣接して設けて、上記化粧シートの貼付面を表側にしながらV溝の外側の芯材部分を合わせるように折り畳んで形成されていることを特徴とする。
【0015】
また、請求項5に記載の発明は、上記請求項1から請求項4のいずれかに記載の発明において、両面テープは、化粧パネルの幅方向の両側部と中央部との3箇所で上下方向に貼付されていることを特徴とする。
【0016】
そして、請求項6に記載の発明は、上記請求項5に記載の発明において、ねじ部材は、化粧パネルの幅方向の両側部における両面テープの貼付位置にねじ込まれていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
まず、請求項1に記載の発明によれば、化粧パネルによって優れた意匠感が確保された上で、ねじ部材と両面テープとの双方の支持力が相俟って、例えば薄物の化粧パネルの場合には、ねじ部材の効きが多少浅くても、両面テープの支持力で不足分を補うことができ、化粧パネルは隙間なく堅固に収納家具の側板の外面に取り付けられることになる。その場合、従来のように見切り部材を付加して使用しないので、部品点数や付加作業の増加ひいてはコストの増加を招かない。
【0018】
さらに、例えば施工時にまず両面テープで化粧パネルを収納家具に取り付けると、その場合には側板に対する微妙な位置合わせを行なうことができ、次いでねじ部材でねじ止めするときには、例えば厚物の化粧パネルであってもその重量を両面テープで支持しているので、取付作業が容易となり、取付後においても化粧パネルはねじ部材と両面テープとによって堅固に支持される。なお、両面テープには接着剤より優れた現場施工性があり、作業性向上に寄与するところが大きい。
【0019】
なお、化粧処理には、化粧シート、化粧紙、及び化粧板の貼付や樹脂の塗装等が好ましく適用される。そして、両面テープには、両面粘着テープや両面接着テープと呼ばれるものが好ましく適用され、片面にのみ化粧処理が施された化粧パネルの場合には、その反対面と収納家具の側面との間に両面テープが介在する。
【0020】
次に、請求項2に記載の発明によれば、化粧パネルの厚みを数値限定したことにより、前述した効果が一層確実に得られる。すなわち、厚みが7mmより薄いと、木口にエッジ部材を貼り付けて化粧する場合に貼付作業が困難なものとなり、一方、厚みが12mmより厚いと、重量が重くなって運搬時や取付時の作業性を損なうだけでなく、厚みが目立って意匠感を損なうことになるのに対して、その中間の厚みとしたことにより、これらの問題が効果的に解消される。
【0021】
その上で、薄物に比較して木ねじによる取付時に化粧パネルに反りや撓みの生じにくい厚みであり、また、化粧パネルに反りや撓みやあったとしても、ねじ部材及び両面テープの使用によって矯正可能な厚みであり、そして、ねじ部材が効く厚みであるため、見栄えがよく、かつ隙間のない堅固な取付構造が実現される。
【0022】
また、請求項3に記載の発明によれば、前側から見たとき、収納家具の側板の外面に取り付けられた化粧パネルの前側の木口はエッジ部材で覆われているので、一層意匠感に優れた取付構造が実現される。
【0023】
また、請求項4に記載の発明によれば、このような工法で形成された化粧パネルでは、表面と前側の木口とその間の角部とが連続的に化粧シートで覆われることになるので、デザイン的に一体感に優れたものとなる。
【0024】
また、請求項5に記載の発明によれば、両面テープを3箇所に貼付したことにより、両面テープによる支持力が、最低限の使用量で化粧パネルの略全面で略均等に確保された上で、特に両側からの化粧パネルと側板との間の隙間への湿気の侵入が阻止される。その結果、湿気が侵入したときに懸念される上記隙間のいたずらな拡大が防止されて、堅固な取付構造が維持される。
【0025】
さらに、化粧パネルの中央部に両面テープが貼付されているので、化粧パネルの収納家具の側板からの浮き上がりが効果的に抑制されて、見栄えが一層よくなると共に表面に触ったときの部分的な凹凸感等の違和感がなくなる。
【0026】
そして、請求項6に記載の発明によれば、ねじ部材は両面テープが貼付された位置にねじ込まれているので、ねじ込み時にねじ部材に巻き込まれた両面テープの粘着成分がねじ部材の緩み止めに貢献することになり、一層堅固な取付構造が実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0028】
すなわち、図1に示すように、本発明に係る収納キャビネット1は、台輪2を介して床面F上に左側と後側とを壁面Wに寄せて設置されており、右側の側面に、上下に長い平板状の化粧パネル3が取り付けられている。
【0029】
収納キャビネット1は、左右両側の側板11,11と、該側板11,11間の上下に架設された天板12及び地板13と、中間に架設された棚板14と、後側開口を覆う背板15と、前側開口を開閉自在に覆う左右一対の扉16,16とを有しており、オープンサイドにある右側の側板11の外面に、上記化粧パネル3が取り付けられている。
【0030】
図2及び図3に示すように、化粧パネル3は側板11に見合う平面寸法とされており、芯材31に厚みが9mmのパーティクルボードを使用し、該芯材31の表裏両面に化粧シート32として厚みが0.8mmのメラミンシートがそれぞれ貼付されており、全体として厚みが10.6mmに仕上げられている。なお、この場合の収納キャビネット1には、側板11に厚みが18mmのものが使用されている。また、収納キャビネット1に取り付けたときに前側及び上下側となる木口に、これらを覆う樹脂製のエッジ部材33…33がそれぞれ貼付されている。
【0031】
そして、化粧パネル3の長手方向つまり上下方向に沿って両側部と中央部との3箇所に、それぞれ防水型の両面粘着テープ34…34が貼付されている。なお、この両面粘着テープ34は、基材シートの両面にアクリル系粘着剤を塗布したもので、例えば玄関のように温度変化が大きく、かつ、湿気の多いことがあり得る場所に設置する収納キャビネット1に化粧パネル3を取り付ける場合に、安定した支持力と防水性能とを有している。
【0032】
ここで、収納キャビネット1への化粧パネル3の取付手順の一例について説明する。なお、収納キャビネット1は、側板11,11、天板12、地板13、棚板14、背板15、及び扉16,16等の部品状態で施工現場に搬入される。
【0033】
図4に示すように、まず、側板11,11、天板12、地板13、棚板14、及び背板15で、図示しないダボとダボ穴との係合や固定金具等を介して扉16,16を除いた状態の収納キャビネット1を組み立てたのち、右側の側板11に、化粧パネル3を複数のビス35…35でねじ止めするための下穴11a…11aを形成する。
【0034】
次に、図4及び図5に示すように、所定の3箇所に両面粘着テープ34…34が貼付された面を側板11の外面側にすると共に、エッジ部材33が貼付された上下に長い方の木口を前側にして、両面に化粧シート32,32が貼付された化粧パネル3を両面粘着テープ34…34を介して側板11の外面に取り付ける。その場合、必要に応じて側板11に対して化粧パネル3の取付位置を微調整する。位置合わせののち、上記下穴11a…11aを介して複数のビス35…35を収納キャビネット1の内側からねじ込んで、化粧パネル3の取付作業を終了する。
【0035】
以上のように構成したことにより、まず、化粧パネル3によって優れた意匠感が確保された上で、ビス35と両面粘着テープ34との双方の支持力が相俟って、例えば薄物の化粧パネルの場合には、ビス35の効きが多少浅くても、両面粘着テープ34の支持力で不足分を補うことができ、化粧パネルは隙間なく堅固に収納キャビネット1の側板11の外面に取り付けられることになる。その場合、従来のように見切り部材を付加して使用しないので、部品点数や付加作業の増加ひいてはコストの増加を招かない。
【0036】
さらに、例えば施工時にまず両面粘着テープ34…34で化粧パネル3を収納キャビネット1に取り付けると、その場合には側板11に対する微妙な位置合わせを行なうことができ、次いでビス35…35でねじ止めするときには、例えば厚物の化粧パネルであってもその重量を両面粘着テープ34…34で支持しているので、取付作業が容易となり、取付後においても化粧パネルはビス35…35と両面粘着テープ34…34とによって堅固に支持される。なお、両面粘着テープ34には接着剤より優れた現場施工性があり、作業性向上に寄与するところが大きい。
【0037】
ところで、化粧パネルの厚みが7mmより薄いと、木口にエッジ部材33を貼り付けて化粧する場合に貼付作業が困難なものとなり、一方、厚みが12mmより厚いと、重量が重くなって運搬時や取付時の作業性を損なうだけでなく、厚みが目立って意匠感を損なうことになるのに対して、その中間の厚みとしたことにより、これらの問題が効果的に解消される。
【0038】
その上で、薄物に比較してビス35…35による取付時に化粧パネル3に反りや撓みの生じにくい厚みであり、また、化粧パネル3に反りや撓みやあったとしても、ビス35…35及び両面粘着テープ34…34の使用によって矯正可能な厚みであり、そして、ビス35が効く厚みであるため、見栄えがよく、かつ隙間のない堅固な取付構造が実現される。
【0039】
また、前側から見たとき、収納キャビネット1の側板11の外面に取り付けられた化粧パネル3の前側の木口はエッジ部材33で覆われているので、一層意匠感に優れた取付構造が実現される。なお、上下側の木口にもエッジ部材33,33を貼付しているので、上下両側から見たときの意匠感にも優れるようになる。
【0040】
また、両面粘着テープ34…34を所定の3箇所に貼付したことにより、両面粘着テープ34…34による支持力が、最低限の使用量で化粧パネル3の略全面で略均等に確保された上で、特に両側からの化粧パネル3と側板11との間の隙間への湿気の侵入が阻止される。その結果、湿気が侵入したときに懸念される上記隙間のいたずらな拡大が防止されて、堅固な取付構造が維持される。
【0041】
さらに、化粧パネル3の中央部に両面粘着テープ34が貼付されているので、化粧パネル3の収納キャビネット1の側板11からの浮き上がりが効果的に抑制されて、見栄えが一層よくなると共に表面に触ったときの部分的な凹凸感等の違和感がなくなる。
【0042】
そして、ビス35は両面粘着テープ34が貼付された位置にねじ込まれているので、ねじ込み時にビス35に巻き込まれた両面粘着テープ34の粘着成分がビス35の緩み止めに貢献することになり、一層堅固な取付構造が実現される。
【0043】
なお、本発明は、具体的に詳述した上記実施の形態に限定されることはなく、本発明の趣旨に沿うものであればよい。
【0044】
すなわち、上記実施の形態における化粧パネル3に代えて、以下の構成の化粧パネルを使用してもよい。なお、特に混乱を招かない限り、上記実施の形態と共通する構成要素には同じ符号を付すことにする。
【0045】
まず、図6に示す化粧パネル3Aは、芯材31Aに厚みが9mmの中密度繊維板を使用し、該芯材31Aの表裏両面に化粧シート32Aとして厚みが0.5mmのPETシートがそれぞれ貼付されており、全体として厚みが10mmに仕上げられている。また、収納キャビネット1に取り付けたときに前側及び上下側となる木口に、これらを覆うエッジ部材(前面側のみ示す)33…33がそれぞれ貼付されている。そして、この化粧パネル3Aの長手方向つまり上下方向に沿って両側部と中央部との3箇所に、それぞれ防水型の両面粘着テープ(両側部のうちの一箇所のみ示す)34…34が貼付されている。
【0046】
一方、図7に示す化粧パネル3Bは、芯材31Bに厚みが4mmの中密度繊維板を使用し、該芯材31Bの表裏両面に化粧板32B1,32B2として厚みが2.5mmのワイピングポリ化粧板とフラットポリ化粧板とがそれぞれ貼付されており、全体として厚みが9mmに仕上げられている。また、収納キャビネット1に取り付けたときに前側及び上下側となる木口に、これらを覆うエッジ部材(前面側のみ示す)33…33がそれぞれ貼付されている。そして、この化粧パネル3Bの長手方向つまり上下方向に沿って両側部と中央部との3箇所に、それぞれ防水型の両面粘着テープ(両側部のうちの一箇所のみ示す)34…34が貼付されている。
【0047】
さらに、図示して説明はしないが、厚みが9mmの中密度繊維板の表裏両面に厚みが薄い鏡面UV塗装とウレタン艶消し塗装とをそれぞれ施して、全体として厚みが約9mmに仕上げられた化粧パネルを使用してもよい。
【0048】
そして、図8に示す化粧パネル3CはいわゆるVカット工法で形成されたものである。すなわち、芯材31C′に厚みが4.5mmのパーティクルボードを使用し、該芯材31C′の一面に厚みが0.5mmの化粧シート32C′を貼付し、該化粧シート32C′が貼付された面とは反対側の面に、該化粧シート32C′を残して芯材31C′が分離される深さの90°のV溝31C″を2つ隣接したものを化粧パネル半製品3C′とし、該半製品3C′を、化粧シート32C′の貼付面を表側にしながらV溝31C″,31C″の外側の芯材31C′部分を合わせるように折り畳むことによって形成されており、全体として厚みが10mmに仕上げられている。また、収納キャビネット1に取り付けたときに上下側となる図示しない木口に、これらを覆うエッジ部材が貼付されている。そして、この化粧パネル3Cの長手方向つまり上下方向に沿って両側部と中央部との3箇所に、防水型の両面粘着テープ(両側部のうちの一箇所のみ示す)34…34が貼付されている。
【0049】
これらのいずれの化粧パネル3A,3B,3Cを使用しても、前述した化粧パネル3で得られた効果と同様の効果が得られる。そして、図8に示すように、特にVカット工法で形成された化粧パネル3Cでは、両面と前側の木口とその間の角部とが連続的に化粧シート32C′で覆われることになるので、デザイン的に一体感に優れたものとなる。
【0050】
また、上記実施の形態では、化粧パネル3,3A,3B,3Cの芯材3,31A,31B,31C′にパーティクルボードや中密度繊維板のような木質繊維板を使用したが、無垢材、集積材、合板等を使用してもよい。
【0051】
また、両面粘着テープ34は、工場で化粧パネル3,3A,3B,3Cに貼付しておいてもよいし、施工現場で貼付してもよい。そして、ビス35…35でねじ止めするための下穴11a…11aは、収納キャビネット1を組立後に形成してもよいし、組立前の側板11に形成しておいてもよい。特に組立後に下穴11a…11aを形成すれば、収納キャビネット1におけるより適正な箇所に下穴11a…11aを設けることができる。
【0052】
そして、上記実施の形態では、化粧パネル3,3A,3B,3Cは、両面に化粧シート32,32A,,32C′や化粧板32B1,32B2が設けられていたが、片面に設けてもよい。化粧パネルに化粧処理を施すには、化粧シート、化粧紙、及び化粧板の貼付や樹脂の塗装等が考えられるが、化粧処理を施したときに生じる収縮等に起因して、化粧パネルの片面にのみ化粧処理を施した場合には一方向への反りが発生することがある。それが懸念される場合には、両面に化粧処理を施すことにより、上記収縮の釣り合いがとれて反りの発生が抑制されるようになる。なお、片面にのみ化粧処理が施された化粧パネルの場合には、その反対面と収納キャビネット1の側面11との間に両面粘着テープ34が介在する。
【産業上の利用可能性】
【0053】
以上説明したように、本発明によれば、化粧パネルを収納家具の側面に取り付ける構造として、優れた意匠感と堅固さとが両立し、かつ取付作業が容易な構造が提供される。すなわち、本発明は、収納家具への化粧パネルの取付構造に関し、家具の技術分野に広く好適である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施の形態に係る収納キャビネットの斜視図である。
【図2】化粧パネルの平面図である。
【図3】図2のII−II線による拡大断面図である。
【図4】収納キャビネットの側板の外面への化粧パネルの取付方法を説明するための斜視図である。
【図5】化粧パネルの取付構造を示す拡大平断面図である。
【図6】別なる化粧パネルの構成を示す図3に相当する断面図である。
【図7】同じく断面図である。
【図8】同じくVカット工法による化粧パネルを説明するための側面図である。
【図9】従来の化粧パネルの取付構造を示す平断面図である。
【図10】従来の別なる化粧パネルの取付構造を示す平断面図である。
【符号の説明】
【0055】
1 収納キャビネット(収納家具)
3,3A,3B,3C 化粧パネル
11 側板
31,31A,31B,31C′ 芯材
32,32A,32C′ 化粧シート
32B1,32B2 化粧板
33 エッジ部材
34 両面粘着テープ(両面テープ)
35 ビス(ねじ部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納家具の少なくとも一方の側板の外面に、芯材の少なくとも一方の面に化粧処理が施された化粧パネルを取り付ける収納家具の化粧パネル取付構造であって、上記化粧パネルが、上記収納家具の側板の内側からねじ込まれるねじ部材と、上記側板の外面との間に介在する両面テープとで取り付けられていることを特徴とする収納家具の化粧パネル取付構造。
【請求項2】
化粧パネルは、厚みが7〜12mmであることを特徴とする請求項1に記載の収納家具の化粧パネル取付構造。
【請求項3】
化粧パネルは、収納家具の側板の外面に取り付けたときに少なくとも前側となる木口に、該木口を覆うエッジ部材が貼付されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の収納家具の化粧パネル取付構造。
【請求項4】
化粧パネルは、化粧処理として貼付された化粧シートの貼付面とは反対側の面に、上記化粧シートを残して芯材が分離する深さの90°のV溝を2つ隣接して設けて、上記化粧シートの貼付面を表側にしながらV溝の外側の芯材部分を合わせるように折り畳んで形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の収納家具の化粧パネル取付構造。
【請求項5】
両面テープは、化粧パネルの幅方向の両側部と中央部との3箇所で上下方向に貼付されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の収納家具の化粧パネル取付構造。
【請求項6】
ねじ部材は、化粧パネルの幅方向の両側部における両面テープの貼付位置にねじ込まれていることを特徴とする請求項5に記載の収納家具の化粧パネル取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−181135(P2006−181135A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−378596(P2004−378596)
【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【出願人】(000000413)永大産業株式会社 (243)