説明

収納容器

【課題】汚染物がドア体内に蓄積したり、コンテナ体内に侵入するのを抑制し、ドア体に要する作業の迅速化を図ることができ、しかも、経済性の向上が期待できる収納容器を提供する。
【解決手段】基板を収納するコンテナ体1と、コンテナ体1の開口した正面2を開閉するドア体30とを備え、コンテナ体1の両側壁8前部に、コンテナ体1の正面2に嵌合されたドア体30を施錠する施錠手段40を配設する。施錠手段40を、ドア体30の施錠時に下方向にスライドし、ドア体30の解錠時に上方向にスライドする被操作プレート41と、被操作プレート41の下方向へのスライド時にドア体30の周壁に圧接し、被操作プレート41の上方向へのスライド時にドア体30の周壁から離隔する施錠プレート46と、被操作プレート41と施錠プレート46に形成され、被操作プレート41のスライドに伴う駆動力を施錠プレート46に伝達するカム機構48とから構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウェーハからなる基板等の物品を収納、保管、搬送、輸送等する際に使用される収納容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェーハに代表される基板を収納する収納容器は、基板の大きさや構成等により幾つかのタイプに分類されるが、下面が開口したボトムオープンボックスタイプと、正面が開口したフロントオープンボックスタイプとが広く知られている。
【0003】
ボトムオープンボックスタイプの収納容器は、図示しない複数枚の基板を水平方向に整列収納可能な別体のカセットを収納するコンテナ体と、このコンテナ体の開口した下面を開閉する中空のドア体と、コンテナ体の開口した下面に嵌合されたドア体を施錠する施錠機構とを備え、ドア体上にカセットが着脱自在に搭載される。
【0004】
ドア体は、複数の部品が螺着して組み合わされることにより構成され、定期的に洗浄槽の洗浄水により洗浄される。また、施錠機構は、ドア体と同様、複数の部品が複雑に組み合わされることにより構成され、ドア体開閉装置に外部から操作される。このタイプの収納容器は、ドア体に複数枚の基板を収納した重いカセットが搭載される関係上、ドア体が撓んで好ましくない事態が想定されるので、ドア体の撓みを防止できる技術が提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
これに対し、フロントオープンボックスタイプの収納容器は、図示しない複数枚の基板を直接的に整列収納するコンテナ体と、このコンテナ体の開口した正面を開閉する中空のドア体と、コンテナ体の開口した正面に嵌合されたドア体を施錠する施錠機構とを備え、重いカセットを省略することができる(特許文献2参照)。
【0006】
この収納容器のドア体は、複数の部品が螺着して組み合わされることにより構成され、定期的に洗浄水で洗浄される。また、施錠機構は、例えばドア体に内蔵されてドア体開閉装置に外部から回転操作される回転プレートと、この回転プレートの回転に伴いドア体の内部上下方向にスライドする複数のスライドプレートと、各スライドプレートのスライドに伴いドア体の周壁の小さい貫通孔から突出してコンテナ体の正面内周の係止穴に係止する出没可能な係止爪とから構成されている。
【0007】
このように従来の収納容器は、ボトムオープンボックスタイプとフロントオープンボックスタイプとがあるが、いずれのタイプも、ドア体に複雑な構成の施錠機構が内蔵されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特表平4−505234号公報
【特許文献2】特表2002−514829号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来における収納容器は、以上のように構成され、ドア体の内部に複雑な構成の施錠機構が取り付けられるので、ドア体の施錠・解錠時に施錠機構の複数の部品同士が擦れてパーティクル等の汚染物を発生させ、この汚染物がドア体の内部に蓄積されてしまうという問題がある。また、ドア体内に残存した汚染物がコンテナ体の内部に侵入し、基板を含む全体を汚染させてしまうおそれもある。
【0010】
また、ドア体の周壁に、施錠機構の係止爪を突出させる貫通孔が小さく単に穿孔されるに止まるので、ドア体の内部洗浄時に洗浄水が残留しやすく、この結果、ドア体の内部洗浄に長時間を要し、ドア体の乾燥作業も遅延することがある。さらに、施錠機構の部品交換等の補修や点検時には、複数本の螺子を取り外してドア体を分解する必要があるが、作業が複雑で煩雑となる。そこで、使用しているドア体自体を新規のドア体に交換することがあるが、これでは、無駄が多く、経済的な損失を招くこととなる。
【0011】
本発明は上記に鑑みなされたもので、汚染物がドア体内に蓄積したり、コンテナ体の内部に侵入するのを抑制し、ドア体に要する作業の迅速化を図ることができ、しかも、経済性を向上させることのできる収納容器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明においては上記課題を解決するため、物品を収納するコンテナ体と、このコンテナ体の開口部を開閉するドア体とを備え、コンテナ体の周壁の開口部近傍あるいはドア体の周壁に、コンテナ体の開口部に嵌め合わされたドア体を施錠する施錠手段を設けたものであって、
施錠手段は、ドア体の施錠時にはドア体の開閉方向に交わる施錠方向にスライドし、ドア体の解錠時にはドア体の開閉方向に交わる施錠方向とは反対側の解錠方向にスライドする被操作部材と、この被操作部材の施錠方向へのスライド時にはコンテナ体の開口部に嵌め合わされたドア体の周壁あるいはコンテナ体の開口部内周に接触し、被操作部材の解錠方向へのスライド時にはコンテナ体の開口部に嵌め合わされたドア体の周壁あるいはコンテナ体の開口部内周から離隔(離れ隔てる)する施錠部材と、被操作部材のスライドに伴う駆動力を施錠部材に伝達する駆動力伝達機構とを含んでなることを特徴としている。
【0013】
なお、コンテナ体を、基板を収納可能なフロントオープンボックスに形成してその開口した正面を区画する周壁前部に施錠手段を設け、コンテナ体の開口した正面にドア体を着脱自在に嵌め合わせることができる。
【0014】
また、施錠手段は、コンテナ体の側壁前部に支持され、ドア体の施錠時には上下いずれかの施錠方向にスライドし、ドア体の解錠時には施錠方向とは反対側の解錠方向にスライドする被操作部材と、被操作部材の施錠方向へのスライド時にはコンテナ体の正面に嵌め合わされたドア体の側壁に接触し、被操作部材の解錠方向へのスライド時にはコンテナ体の正面に嵌め合わされたドア体の側壁から離隔する施錠部材と、被操作部材のスライドに伴う駆動力を施錠部材に伝達して動作させるカム機構とを含むことができる。
【0015】
また、施錠手段は、コンテナ体の側壁前部に支持され、ドア体の施錠時には下方向にスライドし、ドア体の解錠時には上方向にスライドする被操作部材と、コンテナ体の側壁前部と被操作部材との間にスライド可能に介在され、被操作部材の下方向へのスライド時にはコンテナ体の正面に嵌め合わされたドア体の側壁に接触し、被操作部材の上方向へのスライド時にはコンテナ体の正面に嵌め合わされたドア体の側壁から離隔する施錠部材と、被操作部材と施錠部材とに設けられ、被操作部材のスライドに伴う駆動力を施錠部材に伝達して動作させるカム機構とを含むことができる。
【0016】
また、コンテナ体の側壁前部に、切り欠きを形成するとともに、この切り欠きを被覆する施錠手段用の収納ブロックを取り付け、この収納ブロックには、施錠手段の被操作部材を案内するガイド片を設け、このガイド片には、被操作部材用の位置規制部を形成することが可能である。
【0017】
また、収納ブロックと施錠手段の被操作部材のいずれか一方に凸部を形成するとともに、他方には第一、第二の凹部を形成し、被操作部材が施錠方向にスライドした場合には、凸部と第一の凹部とを嵌め合わせて固定し、被操作部材が解錠方向にスライドした場合には、凸部と第二の凹部とを嵌め合わせて固定することが可能である。
【0018】
また、施錠手段の被操作部材に固定用の長孔を設け、この長孔に、収納ブロックに固定されるカバー部材を取り付けて収納ブロックからの被操作部材の脱落を規制するようにし、被操作部材とカバー部材のいずれか一方に凸部を形成するとともに、他方には第一、第二の凹部を形成し、被操作部材が施錠方向にスライドした場合には、凸部と第一の凹部とを嵌め合わせて固定し、被操作部材が解錠方向にスライドした場合には、凸部と第二の凹部とを嵌め合わせて固定することも可能である。
【0019】
また、ドア体の側壁に、コンテナ体の側壁前部の切り欠きに対応する施錠突片を形成し、施錠手段の施錠部材に、収納ブロックを貫通してコンテナ体の切り欠き内に位置する施錠片を形成し、被操作部材の施錠方向へのスライド時にドア体の施錠突片に施錠部材の施錠片を引っかけても良い。
【0020】
また、ドア体の側壁に、コンテナ体の側壁前部の切り欠きに対応する解錠溝を形成してその周縁部には施錠突片を形成し、被操作部材の解錠方向へのスライド時に、ドア体の施錠突片に対する施錠部材の施錠片の干渉を解錠溝により解除するとともに、この解錠溝を施錠部材により被覆しても良い。
また、カム機構は、被操作部材に形成されるカム溝と、施錠部材に形成されて被操作部材のカム溝に嵌め入れられるカム突起とを含むことができる。
【0021】
また、施錠手段は、コンテナ体の側壁前部に支持され、ドア体の施錠時には下方向にスライドし、ドア体の解錠時には上方向にスライドする被操作部材と、この被操作部材に支持され、被操作部材の下方向へのスライド時にはコンテナ体の前方向にスライドし、被操作部材の上方向へのスライド時にはコンテナ体の後方向にスライドする連結部材と、この連結部材に回転可能に支持され、連結部材の前方向へのスライド時にはコンテナ体の正面に嵌め合わされたドア体の側壁に接触し、連結部材の後方向へのスライド時にはコンテナ体の正面に嵌め合わされたドア体の側壁から離隔する施錠部材と、被操作部材のスライドに伴う駆動力を連結部材に伝達してスライドさせるカム機構とを含むことができる。
【0022】
また、被操作部材にカム機構のカム溝を設け、連結部材に、被操作部材のカム溝にスライド可能に嵌まり合うカム機構のカム突起を形成し、この連結部材の前部には、断面略U字形の嵌合支持部を形成してその開口をドア体の側壁方向に向け、施錠部材の前部に、ドア体の側壁に接触する施錠片を形成するとともに、この施錠部材の後部には、連結部材の嵌合支持部にスライド可能に嵌合する軸部を形成することもできる。
また、施錠部材の施錠片とカム機構のカム溝に嵌め入れられるカム突起の少なくともいずれかに、摺動性が良好な回転ローラを回転可能に取り付けても良い。
【0023】
また、コンテナ体の側壁前部に切り欠きを形成するとともに、この切り欠きを被覆する施錠手段用の収納ブロックを取り付け、この収納ブロックに施錠手段用のスリットを形成し、
ドア体の側壁に、コンテナ体の切り欠きに対応する施錠突片を形成し、
施錠手段は、コンテナ体の収納ブロックに収納され、ドア体の施錠時には下方向にスライドし、ドア体の解錠時には上方向にスライドする被操作部材と、コンテナ体の収納ブロックと被操作部材との間に介在され、ドア体の施錠時には下方向にスライドし、ドア体の解錠時には上方向にスライドする施錠部材と、収納ブロック、被操作部材、及び施錠部材に設けられて被操作部材のスライドに伴う駆動力を施錠部材に伝達して動作させるカム機構とを含み、施錠部材に、収納ブロックのスリットを貫通してドア体の施錠時にドア体の施錠突片に干渉可能な施錠片を形成し、カム機構を、収納ブロックに形成される第一カム突起と、施錠部材に形成されて収納ブロックの第一カム突起にスライド可能に嵌合される第一カム溝と、施錠部材に形成される第二カム突起と、被操作部材に形成されて施錠部材の第二カム突起にスライド可能に嵌合される第二カム溝とから構成することが可能である。
【0024】
さらに、カム機構の第一カム溝を、施錠プレートの上下方向に形成される垂直溝と、この垂直溝の上端部に形成されて施錠プレートの斜め上方向に伸びる傾斜溝と、この傾斜溝の先端部に形成されて水平方向に伸びる水平溝とから形成し、第二カム溝を、被操作プレートの斜め上方に傾斜しながら水平方向に形成される緩傾斜溝と、この緩傾斜溝の端部に形成されて被操作プレートの水平方向に傾斜しながら上方に形成される急傾斜溝とから形成し、
カム機構には、ドア体の施錠時に施錠部材の第二カム突起と第二カム溝の緩傾斜溝とが接触する場合には、被操作部材と施錠部材との相対位置の変更を規制し、ドア体の施錠時に第一カム突起に第一カム溝の傾斜溝が接触し、施錠部材の第二カム突起が第二カム溝の緩傾斜溝と急傾斜溝との境界付近に接触した場合には、被操作部材と施錠部材とを斜め下方にスライドさせ、ドア体の施錠時に施錠部材の第二カム突起と第二カム溝の急傾斜溝とが接触した場合には、被操作部材を水平方向に移動させながら下方にスライドさせ、施錠部材を第一カム溝の水平溝により水平方向に移動させてドア体の施錠突片に施錠部材の施錠片を干渉させることも可能である。
【0025】
ここで、特許請求の範囲における物品には、少なくとも各種の基板(例えば、φ200、300、450mmの半導体ウェーハ、マスクガラス、液晶ガラス等)、電気部品、電子部品、機械部品、建築部品、化学部品等が単数複数含まれる。この物品が基板の場合、基板は、コンテナ体に支持されても良いし、ドア体に支持されても良い。コンテナ体やドア体は、透明、不透明、半透明のいずれでも良い。コンテナ体は、正面の開口したフロントオープンボックスタイプ、上面の開口したトップオープンボックスタイプ等を特に問うものではない。
【0026】
施錠手段は、ドア体の内部でなければ、コンテナ体の周壁の開口部近傍に設けることができるし、ドア体の周壁に設けることもできる。この施錠手段をコンテナ体の周壁の開口部近傍に設ける場合には、コンテナ体の開口部を区画する底板前部、天板前部、あるいは側壁前部に設けて被操作部材を水平方向や上下方向に所定の装置又は手動によりスライドさせることができる。施錠手段の被操作部材、施錠部材、連結部材は、板状でも良いし、ブロック状や棒状等でも良い。
【0027】
施錠手段の駆動力伝達機構としては、例えば施錠部材の施錠片に略J字や略L字等の軌跡を描かせるカム機構、リンク機構、スライダ機構、これらの組み合わせ機構等があげられる。この駆動力伝達機構は、施錠部材に駆動力を直接的に伝達するものでも良いし、連結部材等からなる各種の部材を介して間接的に伝達するものでも良い。
【0028】
本発明によれば、収納容器の開口部を覆うドア体を施錠する場合、施錠手段は、被操作部材が施錠方向にスライドして駆動力伝達機構を動作させ、この駆動力伝達機構が施錠部材に駆動力を直接間接に伝達し、この施錠部材がドア体の周壁あるいはコンテナ体の開口部内周に接触して固定する。
【0029】
これに対し、収納容器の開口部を覆うドア体を解錠する場合、施錠手段は、被操作部材が施錠方向とは反対側の解錠方向にスライドして駆動力伝達機構を動作させ、この駆動力伝達機構が施錠部材に駆動力を直接間接に伝達し、この施錠部材がドア体の周壁あるいはコンテナ体の開口部内周から離れてドア体を取り外し可能とする。
【0030】
また、フロントオープンボックスタイプの収納容器におけるコンテナ体の正面を覆うドア体を施錠する場合、コンテナ体の側壁前部に設けられた施錠手段は、被操作部材が上方向あるいは下方向の施錠方向にスライドしてカム機構を動作させ、このカム機構が施錠部材に駆動力を直接間接に伝達し、この施錠部材がドア体の周壁に接触して施錠する。
【0031】
これに対し、コンテナ体の正面を覆うドア体を解錠する場合、施錠手段は、被操作部材が施錠方向とは反対側の解錠方向にスライドしてカム機構を動作させ、このカム機構が施錠部材に駆動力を直接間接に伝達し、この施錠部材がドア体の周壁から離れてドア体を取り外し可能とする。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、汚染物がドア体内に蓄積したり、コンテナ体の内部に侵入するのを抑制し、ドア体に要する作業の迅速化を図ることができるという効果がある。また、施錠機構の補修や点検時等に、使用中のドア体を新たな別のドア体に敢えて交換する必要がないので、無駄を省いて経済性を向上させることができる。
【0033】
また、コンテナ体を、基板を収納可能なフロントオープンボックスに形成してその開口した正面を区画する周壁前部に施錠手段を設ければ、正面を区画する底板前部や天板前部に施錠手段を設ける場合よりも、施錠手段の設置や操作が簡易になり、周辺機器の製造も容易になる。
【0034】
また、施錠手段に、被操作部材のスライドに伴う駆動力を施錠部材に伝達して動作させるカム機構を含めば、施錠・解錠の再現精度を向上させたり、被操作部材や施錠部材の剛性や信頼性を向上させることができる。
また、収納ブロックに、施錠手段の被操作部材を案内するガイド片を設ければ、被操作部材のガタツキを防止して施錠方向や解錠方向に円滑に案内することができる。また、ガイド片に、被操作部材用の位置規制部を形成すれば、被操作部材が幅方向等にガタツくのを防止することが可能になる。
【0035】
また、収納ブロックと施錠手段の被操作部材のいずれか一方に凸部を形成するとともに、他方に第一、第二の凹部を形成すれば、これらの嵌め合わせにより、被操作部材の位置ずれを抑制することが可能になる。
また、被操作部材の施錠方向へのスライド時にドア体の施錠突片に施錠部材の施錠片を引っかければ、ドア体に施錠部材の施錠片を単に接触させて施錠する場合よりも、強固に施錠することが可能になる。
【0036】
また、被操作部材の解錠方向へのスライド時に、ドア体の施錠突片に対する施錠部材の施錠片の干渉を解錠溝により解除すれば、ドア体から施錠部材の施錠片を円滑、かつ迅速に引き離すことができる。さらに、この解錠溝を施錠部材により被覆すれば、外部からドア体の解錠溝に汚染物が侵入することが少なく、収納容器内の汚染防止が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係る収納容器の実施形態を模式的に示す斜視説明図である。
【図2】本発明に係る収納容器の実施形態を模式的に示す分解斜視説明図である。
【図3】本発明に係る収納容器の実施形態におけるドア体を模式的に示す斜視説明図である。
【図4】本発明に係る収納容器の実施形態におけるドア体と施錠手段との関係を模式的に示す部分断面斜視図である。
【図5】本発明に係る収納容器の実施形態におけるドア体の解錠溝と施錠突片とを模式的に示す部分斜視説明図である。
【図6】本発明に係る収納容器の実施形態における施錠手段の施錠状態を模式的に示す部分断面側面図である。
【図7】本発明に係る収納容器の実施形態における施錠手段の解錠中の状態を模式的に示す側面説明図である。
【図8】本発明に係る収納容器の実施形態におけるドア体開閉装置と施錠手段の解錠状態を模式的に示す側面説明図である。
【図9】本発明に係る収納容器の第2の実施形態を模式的に示す斜視説明図である。
【図10】本発明に係る収納容器の第2の実施形態を模式的に示す分解斜視説明図である。
【図11】本発明に係る収納容器の第2の実施形態における施錠手段の被操作プレートとカム機構の一部とを模式的に示す説明図である。
【図12】本発明に係る収納容器の第2の実施形態における施錠手段の解錠した状態を模式的に示す部分断面説明図である。
【図13】本発明に係る収納容器の第2の実施形態における施錠手段の施錠した状態を模式的に示す部分断面説明図である。
【図14】本発明に係る収納容器の第3の実施形態における収納ブロックと施錠手段とを模式的に示す分解斜視図である。
【図15】本発明に係る収納容器の第3の実施形態における施錠手段の施錠作業状態を模式的に示す図で、(a)図は施錠の開始段階を示す斜視図、(b)図は次の段階を示す斜視図、(c)図は被操作プレートと施錠プレートとが斜め下方にスライドする段階を示す斜視図、(d)図は施錠の最終段階を示す斜視図である。
【図16】本発明に係る収納容器の第3の実施形態におけるドア体の施錠突片に対する施錠プレートの動きを模式的に示す図で、(a)図はドア体の施錠突片に対する施錠プレートの施錠片の施錠前の状態を示す斜視図、(b)図は(a)図の施錠プレートが下方にスライドした状態を示す斜視図、(c)図はドア体の施錠突片に施錠プレートが接近する状態を示す斜視図、(d)図は(c)図の施錠プレートがさらに下方にスライドして施錠した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明すると、本実施形態における収納容器は、図1ないし図8に示すように、複数枚の基板を内部空間に整列収納する中空のコンテナ体1と、このコンテナ体1の開口部である正面2をシールガスケット35を介して開閉するドア体30とを備え、コンテナ体1の周壁の開口部近傍、換言すれば、コンテナ体1の周壁である両側壁8の前部に、コンテナ体1の開口した正面2に嵌合されたドア体30を施錠する施錠手段40をそれぞれ配設しており、半導体加工装置に付属のドア体開閉装置20に搭載される基板収納容器して使用される。
【0039】
基板は、図示しないが、所定の大きさを有する半導体ウェーハ、具体的には775μmの厚さを有するφ300mm、あるいは925μmの厚さを有するφ450mmのシリコンウェーハ等からなり、周縁部に位置合わせや識別用のノッチが平面V字形に切り欠かれており、コンテナ体1に25枚が整列して収納される。
【0040】
コンテナ体1とドア体30とは、所定の樹脂を含有する成形材料により複数の部品がそれぞれ射出成形され、この複数の部品の組み合わせで構成される。この成形材料の所定の樹脂としては、例えばポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマーといった熱可塑性樹脂やこれらのアロイ等があげられる。
【0041】
これらの樹脂には、カーボンブラック、炭素繊維、カーボンナノチューブ、金属繊維、金属酸化物、導電性ポリマー等の導電剤やアニオン、カチオン、非イオン系等の各種帯電防止剤を添加することができる。また、ベンゾトリアゾール系、サリシレート系、シアノアクリレート系、オキザリックアシッドアニリド系、ヒンダードアミン系の紫外線吸収剤を添加したり、剛性を向上させるガラス繊維や炭素繊維等を添加することも可能である。
【0042】
コンテナ体1は、図1や図2に示すように、正面2が横長に開口したフロントオープンボックスタイプに形成され、開口した正面2を水平横方向に向けた状態で半導体加工装置に付属のドア体開閉装置20上に位置決めして搭載されたり、洗浄槽の洗浄液により洗浄される。このコンテナ体1は、内部両側、換言すれば、両側壁8の内面に、基板を略水平に支持する左右一対の支持片3がそれぞれ対設され、この左右一対の支持片3が上下方向に所定のピッチで配列されており、各支持片3が基板の側部周縁を支持する細長い板形に形成される。
【0043】
コンテナ体1の底板には別体のボトムプレート4が螺子具を介して水平に螺着され、このボトムプレート4の前部両側と後部中央とには、コンテナ体1を位置決めする位置決め具5がそれぞれ配設される。各位置決め具5は、基本的には平面略楕円形を呈する断面略V字形に形成されてその一対の斜面を備えた凹部を下方に指向させ、ドア体開閉装置20の位置決めピン22に上方から凹部を嵌合・摺接させることにより、コンテナ体1を高精度に位置決めするよう機能する。
【0044】
コンテナ体1の天板6の中央部には、工場の天井搬送機構に把持される搬送用のトップフランジが着脱自在に装着され、コンテナ体1の正面周縁部には、外方向に張り出すリムフランジ7が保持リブを介し膨出形成されており、このリムフランジ7内に着脱自在のドア体30がドア体開閉装置20により圧入して嵌合される。また、コンテナ体1の両側壁8中央部には、補強や変形防止の他、握持用に機能するグリップ部が着脱自在にそれぞれ装着される。
【0045】
コンテナ体1の正面2を区画する各側壁8の前部、換言すれば、ドア体30の周壁に対向するリムフランジ7の各側部には図2に示すように、施錠手段40用の複数の切り欠き9が間隔をおき上下に並べて切り欠かれるとともに、この複数の切り欠き9を被覆する縦長の収納ブロック10が装着されており、この収納ブロック10に施錠手段40が効率的にまとめて収納される。
【0046】
各収納ブロック10は、基本的にはコンテナ体1の側壁8以上の長さ(高さ)を有する略コ字形に形成され、略中央部には、施錠手段40の位置ずれを防止する固定用の凸部11が突出形成されるとともに、上下部には、コンテナ体1の切り欠き9に対応する施錠手段40用の貫通溝12がそれぞれ縦長に穿孔されており、屈曲した短い上下両端部には、施錠手段40のガタツキを防止して案内するガイド片13がそれぞれ装着される。
【0047】
各ガイド片13は、摺動性に優れるポリアセタール、ポリエチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリフェニレンスルフィド、摺動剤の添加された熱可塑性樹脂を含有する成形材料により略L字形に屈曲形成される。この起立片の両側部には、施錠手段40を幅方向に規制する位置規制部14がそれぞれ突出形成される。
【0048】
ドア体開閉装置20は、図8に示すように、コンテナ体1を搭載するステージ21を備え、このステージ21には、コンテナ体1の複数の位置決め具5にそれぞれ嵌挿する位置決めピン22が所定の間隔で立設される。このドア体開閉装置20には、コンテナ体1の各収納ブロック10の上下に位置する駆動ピン23が昇降可能に複数設けられ、この複数の駆動ピン23が選択的に昇降して施錠手段40にアクセスすることにより、施錠手段40が動作してドア体30を施錠したり、解錠する。
【0049】
ドア体30は、図1ないし図5に示すように、コンテナ体1のリムフランジ7内に圧入して嵌合されるドア本体31と、このドア本体31の開口した正面を被覆する表面プレート34と、コンテナ体1のリムフランジ7とドア本体31との間に介在される密封封止用のシールガスケット35とを備えて構成される。ドア本体31は、基本的には底の浅い断面略皿形に形成され、内部に補強用や取付用のリブが複数配設されており、基板に対向する対向面である裏面には、基板の前部周縁を弾性片により弾発的に保持するフロントリテーナが装着される。
【0050】
ドア本体31の裏面周縁部には、枠形の嵌合溝が凹み形成され、この嵌合溝に、リムフランジ7の内周面に圧接するシールガスケット35が密嵌される。また、ドア本体31の周壁である両側壁の外面には、コンテナ体1の切り欠き9に対応する施錠手段40用の複数の解錠溝32が間隔をおき上下に並べて一体形成され、各解錠溝32の周縁には施錠手段40用の施錠突片33が一体形成される。各解錠溝32は、縦長の略矩形に凹み形成され、下部周縁に略L字形の施錠突片33が一体形成される。
【0051】
表面プレート34は、横長の正面矩形に形成され、補強用や取付用のリブ、螺子孔等が複数配設される。また、シールガスケット35は、例えば耐熱性や耐候性等に優れるフッ素ゴム、シリコーンゴム、各種の熱可塑性エラストマー(例えば、オレフィン系、ポリエステル系、ポリスチレン系等)等を成形材料として弾性変形可能な枠形に成形される。
【0052】
施錠手段40は、図2、図4、図6ないし図8に示すように、コンテナ体1の収納ブロック10に収納支持されてドア体30の施錠・解錠時に上下方向にスライドする被操作プレート41と、コンテナ体1の収納ブロック10と被操作プレート41との間に介在され、被操作プレート41の上下方向へのスライドに応じてコンテナ体1の正面2に嵌合されたドア体30の側壁に接離するスライド可能な複数の施錠プレート46と、これら被操作プレート41と複数の施錠プレート46とに形成され、被操作プレート41のスライドに伴う駆動力を施錠プレート46に伝達する運動特性が良好のカム機構48とを備えて構成される。
【0053】
被操作プレート41は、基本的には所定の材料を使用してコンテナ体1の側壁8と略同じ長さ(高さ)を有する細長い板片に形成され、収納ブロック10の複数のガイド片13にスライド可能に支持されており、各ガイド片13の位置規制部14に挟持されることによりガタツキや脱落が防止される。この被操作プレート41の材料としては、例えば剛性に優れるポリカーボネートやポリエーテルエーテルケトン、炭素繊維やガラス繊維で補強された合成樹脂、SUSやアルミ等の金属等があげられる。
【0054】
被操作プレート41は、略中央部に固定用の長孔42が縦長に穿孔され、この長孔42に、収納ブロック10に固定されるカバープレート43が重ねて遊嵌されることにより収納ブロック10からの脱落が有効に防止される。この被操作プレート41の上下両端部は、それぞれ屈曲形成されることにより平坦面を有し、ドア体開閉装置20の駆動ピン23に上下方向からアクセスされる。
【0055】
被操作プレート41には、収納ブロック10の凸部11と噛合する第一、第二の凹部44・45が上下方向に間隔をおいて形成され、この第一、第二の凹部44・45が収納ブロック10の凸部11と選択的に噛合することにより、ドア体30の施錠・解錠時における被操作プレート41の不要なスライドや位置ずれが規制される。
【0056】
具体的には、ドア体30の施錠時には、収納ブロック10の凸部11と被操作プレート41の上方の第一の凹部44とが噛合して被操作プレート41を位置決め固定し、ドア体30の解錠時には、収納ブロック10の凸部11と被操作プレート41の下方の第二の凹部45とが噛合して被操作プレート41を位置決め固定する。このような被操作プレート41は、屈曲した上下両端部にドア体開閉装置20の駆動ピン23がアクセスすることにより、ガイド片13に案内されつつドア体30の施錠時には下方向にスライドし、ドア体30の解錠時には上方向にスライドする。
【0057】
各施錠プレート46は、所定の材料を使用して被操作プレート41よりも短い板形に形成され、少なくともドア体30側壁の解錠溝32や施錠突片33に収納ブロック10を介して対向しており、収納ブロック10にスライド可能に支持される。この施錠プレート46には、収納ブロック10の貫通溝12をスライド可能に貫通してコンテナ体1の切り欠き9内に位置する鉤爪形の施錠片47が突出形成され、この施錠片47がドア体30の解錠溝32に進入して施錠突片33に干渉係止する。
【0058】
施錠プレート46の材料としては、例えば摺動性に優れるポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリアセタール、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート等の合成樹脂にPTFE等のフッ素樹脂やシリコーン樹脂からなる摺動性改質剤を添加した材料、各種の熱可塑性エラストマーが該当する。
【0059】
このような施錠プレート46は、被操作プレート41の下方向へのスライド時には、コンテナ体1の開口した正面2に嵌合されたドア体30の施錠突片33に施錠片47を圧接係止し、被操作プレート41の上方向へのスライド時には、コンテナ体1の正面2に嵌合されたドア体30の施錠突片33から施錠片47を解錠溝32方向に離隔するよう機能する。
【0060】
カム機構48は、被操作プレート41の上下方向に間隔をおいて形成される複数のカム溝49と、各施錠プレート46に突出形成されて被操作プレート41のカム溝49に摺動可能に遊嵌する円柱形のカム突起52とを備え、被操作プレート41のスライドに伴う駆動力を施錠プレート46に伝達して上下方向や斜め左右方向に高速で安定してスライドさせるよう機能する。
【0061】
各カム溝49は、被操作プレート41の上下方向に僅かに傾斜しながら伸びる傾斜溝50と、この傾斜溝50の下端部から被操作プレート41の幅方向に屈曲しながら連続的に伸びる屈曲溝51とから一体形成され、施錠プレート46の施錠片47に略倒へ字形あるいは略J字形の軌跡を描かせる。
【0062】
上記構成において、収納容器のドア体30が施錠されている場合について説明すると、この場合の施錠手段40は、図6に示すように、各被操作プレート41が下方向にスライドし、収納ブロック10の凸部11と被操作プレート41の第一の凹部44とが噛合して被操作プレート41を施錠位置に位置決め固定し、各カム機構48のカム溝49とカム突起52とが干渉、具体的には、カム溝49の傾斜溝50の上端部と施錠プレート46のカム突起52とが干渉する。
【0063】
傾斜溝50の上端部と施錠プレート46のカム突起52とが干渉するまで移動すると、その移動の間に施錠プレート46にもカム溝49を介して駆動力が伝達されることとなり、施錠プレート46が下方向にスライドして施錠片47をドア体30の解錠溝32に進入させ、なおかつコンテナ体1の正面2とは反対側の背面壁側奥方向にも移動するので、施錠片47がドア体30の施錠突片33に接近して干渉係止する。
【0064】
この際、施錠片47は、他の部材と擦れることなく移動するので、パーティクルの発生を著しく低減することができる。このようなドア体30の施錠突片33と施錠プレート46の施錠片47との干渉係止により、コンテナ体1の正面2にシール状態に嵌合されたドア体30が強固に施錠される。
【0065】
次に、収納容器をドア体開閉装置20に搭載してドア体30を解錠する場合には、ドア体開閉装置20のステージ21にコンテナ体1が位置決めして搭載された後、施錠手段40の下方向にスライドしている各被操作プレート41にドア体開閉装置20の駆動ピン23が下方からアクセスして押し上げる。
【0066】
すると、施錠手段40は、図7に示すように、各被操作プレート41が上方向にスライドし、収納ブロック10の凸部11と被操作プレート41の第一の凹部44との噛合が解除され、傾斜溝50の上端部から施錠プレート46のカム突起52が離れて屈曲溝51方向に移動する。こうして傾斜溝50の上端部から施錠プレート46のカム突起52が離れて屈曲溝51に移動すると、施錠プレート46に駆動力が伝達されることにより、施錠プレート46の施錠片47がドア体30の施錠突片33から解錠溝32方向にスライドする。
【0067】
次いで、施錠手段40の各被操作プレート41にドア体開閉装置20の駆動ピン23が下方からアクセスしてさらに押し上げると、施錠手段40は、図8に示すように、各被操作プレート41が上方向にさらにスライドし、収納ブロック10の凸部11と被操作プレート41の第二の凹部45とが噛合して被操作プレート41を解錠位置に位置決め固定し、各カム機構48のカム溝49とカム突起52とが干渉、具体的には、カム溝49の屈曲溝51の下端部と施錠プレート46のカム突起52とが干渉する。
【0068】
屈曲溝51の下端部と施錠プレート46のカム突起52とが干渉するまで移動すると、その移動の間に施錠プレート46にもカム溝49を介して駆動力が伝達されることとなり、施錠プレート46がコンテナ体1の正面2方向にスライドし、さらに上方向にスライドして施錠片47をドア体30の解錠溝32に完全に位置させ、コンテナ体1の正面2にシール状態に嵌合されたドア体30が取り外し可能な状態となる。
【0069】
この際、ドア体30の解錠溝32が施錠プレート46により被覆されるので、外部からドア体30の解錠溝32にパーティクルが侵入することがない。したがって、収納容器、半導体加工装置やドア体開閉装置20の汚染を防止することができる。また、施錠片47は、他の部材と擦れることなく移動するので、パーティクルの発生を著しく低減することができる。
【0070】
上記構成によれば、ドア体30の内部ではなく、コンテナ体1の側壁8前部に施錠手段40を配設するので、ドア体30の施錠・解錠時にパーティクル等の汚染物がドア体30の内部に蓄積されることがない。また、ドア体30内に残存した汚染物がコンテナ体1の内部に侵入し、基板を含む全体を汚染させてしまうおそれを有効に排除することができる。
【0071】
また、ドア体30の周壁に施錠手段40用の貫通孔を小さく穿孔する必要もないので、ドア体30の内部洗浄時に洗浄水が残留するのを防ぎ、ドア体30の洗浄作業や乾燥作業の円滑化、迅速化、容易化を図ることができる。さらに、施錠手段40の補修や点検時に、複数本の螺子を取り外してドア体30を分解する必要がないので、ドア体30自体を新規のドア体30に交換する必要性もなく、経済性の向上やコスト削減が大いに期待できる。
【0072】
次に、図9ないし図13は本発明の第2の実施形態を示すもので、この場合には、施錠手段40を、コンテナ体1の側壁8前部の収納ブロック10に支持されてドア体30の施錠・解錠時に上下方向にスライドする被操作プレート41と、この被操作プレート41の上下方向へのスライドに伴いコンテナ体1の前後方向にスライドする複数の連結プレート54と、各連結プレート54の前後方向へのスライドに応じてコンテナ体1の左右内外方向に揺動(回転)し、コンテナ体1の正面2に嵌合されたドア体30の施錠突片33に接離する可能な施錠プレート46Aと、被操作プレート41のスライドに伴う駆動力を各連結プレート54に伝達するカム機構48とから構成している。
【0073】
コンテナ体1は、図9や図10に示すように、正面2を区画する各側壁8の前部、すなわち、リムフランジ7の各側部に、施錠手段40用の複数の切り欠き9Aが間隔をおき上下に並べて切り欠かれ、かつ施錠手段40を収納する収納ブロック10が一体形成される。各側壁8の前部には、施錠手段40の連結プレート54、施錠プレート46A、カム機構48を覆う複数のカバー体53が上下に並べて着脱自在に装着される。
【0074】
被操作プレート41は、図10や図11に示すように、基本的には所定の材料を使用してコンテナ体1の側壁8と略同じ長さ(高さ)を有する細長い板片に形成され、収納ブロック10にスライド可能に支持されており、上下両端部がドア体開閉装置20の駆動ピン23にアクセスされる。この被操作プレート41は、上下両端部にドア体開閉装置20の駆動ピン23が上下方向からアクセスすることにより、ドア体30の施錠時には下方向にスライドし、ドア体30の解錠時には上方向にスライドする。
【0075】
各連結プレート54は、図10、図12、図13に示すように、被操作プレート41と直交する方向、すなわちコンテナ体1の前後方向に伸びる略板片に形成され、被操作プレート41の露出する表面にカム機構48を介して支持される。この連結プレート54の前部には、断面略U字形の嵌合支持部55が膨出形成されてその開口56をドア体30の側壁方向に指向させ、この嵌合支持部55内に施錠プレート46Aがスライド可能に支持される。
【0076】
各施錠プレート46Aは、図10、図12、図13に示すように、連結プレート54よりも小さい略板片に形成され、前部にコンテナ体1の切り欠き9A内に位置する略円柱形の施錠片47が膨出形成されており、この施錠片47がドア体30の施錠突片33に干渉係止する。この施錠プレート46Aの後部には略円柱形の軸部57が一体形成され、この軸部57が連結プレート54の嵌合支持部55に嵌合支持されてその開口56から底方向にかけてスライドする。
【0077】
このような施錠プレート46Aは、被操作プレート41の下方向へのスライド時には、連結プレート54の前進により、コンテナ体1の開口した正面2に嵌合されたドア体30の施錠突片33に施錠片47を圧接係止し、被操作プレート41の上方向へのスライド時には、連結プレート54の後退により、コンテナ体1の正面2に嵌合されたドア体30の施錠突片33から施錠片47を離隔するよう揺動する。
【0078】
カム機構48は、図10ないし図13に示すように、被操作プレート41の上下方向に間隔をおいて形成される複数のカム溝49と、各連結プレート54に突出形成されて被操作プレート41のカム溝49に摺動可能に遊嵌する円柱形のカム突起52とを備え、被操作プレート41のスライドに伴う駆動力を連結プレート54に伝達してコンテナ体1の前後方向にスライドさせるよう機能する。
【0079】
各カム溝49は、被操作プレート41の幅方向に僅かに傾斜しながら伸びる傾斜溝50と、この傾斜溝50の上下両端部にそれぞれ一体形成されて連結プレート54のカム突起52に密嵌する略円形の第一、第二の嵌合溝58・59とから一体形成される。
【0080】
上記構成において、収納容器をドア体開閉装置20に搭載してドア体30を解錠する場合には、ドア体開閉装置20のステージ21にコンテナ体1が位置決めして搭載された後、施錠手段40の下方向にスライドしている各被操作プレート41にドア体開閉装置20の駆動ピン23が下方からアクセスして押し上げる。
【0081】
すると、施錠手段40は、図12に示すように、各被操作プレート41が上方向にスライドし、被操作プレート41のカム溝49の第一の嵌合溝58から連結プレート54のカム突起52が離れて第二の嵌合溝59に嵌合し、連結プレート54に駆動力が伝達される。この際、被操作プレート41の第二の嵌合溝59と連結プレート54のカム突起52とがきつく密嵌するので、被操作プレート41の下方向へのスライドが有効に防止される。
【0082】
連結プレート54に駆動力が伝達されると、連結プレート54がコンテナ体1の後方向に後退し、連結プレート54の嵌合支持部55の底方向から開口56方向に施錠プレート46Aの軸部57がスライドするとともに、施錠プレート46Aが軸部57を中心に弧を描きながら揺動(回転)して施錠片47を接触していたドア体30の施錠突片33から離隔させ、コンテナ体1の正面2にシール状態に嵌合されたドア体30が取り外し可能な状態となる。
【0083】
これに対し、ドア体開閉装置20に位置決め搭載された収納容器のコンテナ体1にドア体30が嵌合された後、ドア体30を施錠する場合には、施錠手段40の上方向にスライドしている各被操作プレート41にドア体開閉装置20の駆動ピン23が上方からアクセスして押し下げる。
【0084】
すると、施錠手段40は、図13に示すように、各被操作プレート41が下方向にスライドし、被操作プレート41のカム溝49の第二の嵌合溝59から連結プレート54のカム突起52が離れて第一の嵌合溝58に嵌合し、連結プレート54に駆動力が伝達される。この際、被操作プレート41の第一の嵌合溝58と連結プレート54のカム突起52とがきつく密嵌するので、被操作プレート41の上方向へのスライドが有効に防止される。
【0085】
連結プレート54に駆動力が伝達されると、連結プレート54がコンテナ体1の前方向に前進し、連結プレート54の嵌合支持部55の開口56方向から底方向に施錠プレート46Aの軸部57がスライドするとともに、施錠プレート46Aが軸部57を中心に弧を描きながら揺動して施錠片47をドア体30の施錠突片33に干渉係止させ、コンテナ体1の正面2にシール状態に嵌合されたドア体30が強固に施錠されることとなる。その他の部分については、上記実施形態と略同様であるので説明を省略する。
【0086】
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、ドア体30の施錠突片33に施錠プレート46Aの施錠片47が接触しながら干渉係止するのではなく、ドア体30の施錠突片33に施錠プレート46Aの施錠片47が接触位置ではじめて干渉係止するので、ドア体30の施錠突片33と施錠プレート46Aの施錠片47との接触に伴うパーティクル等の汚染物の発生を有効に防止することができるのは明らかである。
【0087】
次に、図14ないし図16は本発明の第3の実施形態を示すもので、この場合には、コンテナ体1の両側壁8前部に複数の切り欠き9をそれぞれ形成するとともに、各切り欠き9を被覆する施錠手段40用の収納ブロック10Aを装着し、ドア体30の両側壁に、コンテナ体1の複数の切り欠き9に対応する施錠突片33をそれぞれ複数形成し、施錠手段40を、ドア体30の施錠時には下方向にスライドし、ドア体30の解錠時には上方向にスライドする被操作プレート41Bと、ドア体30の施錠時には下方向にスライドし、ドア体30の解錠時には上方向にスライドする施錠プレート46Bと、収納ブロック10A、被操作プレート41B、及び施錠プレート46Bに配設されて被操作プレート41Bのスライドに伴う駆動力を施錠プレート46Bに伝達して動作させるカム機構48Bとから構成するようにしている。
【0088】
各収納ブロック10Aは、図14に示すように、断面が略コ字形で正面略矩形の縦板に形成され、上部に施錠手段40の施錠プレート46B用のスリット15が下方向に向け直線的に切り欠かれており、厚さ方向に膨出した両側部の間に施錠プレート46Bを上下方向にスライド可能に挟持し、かつ施錠プレート46Bの幅方向の動きを規制するよう機能する。
【0089】
施錠手段40の被操作プレート41Bは、図14に示すように、ドア体開閉装置20の駆動ピン23にアクセスされる正面略矩形の縦板に形成され、収納ブロック10Aの両側部間に上下方向にスライド可能に挟持されて施錠片47を外側から被覆し、収納ブロック10Aの両側部に幅方向の動きが規制される。
【0090】
施錠プレート46Bは、同図に示すように、正面略矩形の縦板に形成され、収納ブロック10Aの表面に対向する裏面の上部に、収納ブロック10Aのスリット15を貫通する略鉤形の施錠片47が屈曲して突出形成されており、この施錠片47がドア体30の施錠時にドア体30の施錠突片33に干渉係止する。このような施錠プレート46Bは、ドア体30を施錠する当初の段階では被操作プレート41Bと共にスライドし、ドア体30を施錠する最終段階では被操作プレート41Bのスライド方向とは異なる方向にスライドする。
【0091】
カム機構48Bは、同図に示すように、収納ブロック10Aの表面の斜め上下にそれぞれ形成される一対の第一カム突起60と、施錠プレート46Bに形成されて収納ブロック10Aの一対の第一カム突起60にそれぞれスライド可能に嵌合支持される一対の第一カム溝61と、施錠プレート46Bの表面の斜め上下にそれぞれ形成される一対の第二カム突起62と、被操作プレート41Bに形成されて施錠プレート46Bの第二カム突起62にスライド可能に嵌合支持される一対の第二カム溝63とを備えて構成される。
【0092】
各第一カム突起60と第二カム突起62とは、円滑な動きを確保し、磨耗を防止する観点からそれぞれ短い円柱形に突出形成される。各第一カム突起60は施錠プレート46Bを上下方向にスライド可能に支持し、各第二カム突起62は被操作プレート41Bを上下方向にスライド可能に支持するよう機能する。
【0093】
各第一カム溝61は、施錠プレート46Bの上下方向に伸長して穿孔される垂直溝61aと、この垂直溝61aの上端部に連通形成されて施錠プレート46Bの斜め上方向に伸長する傾斜溝61bと、この傾斜溝61bの先端部に連通形成されて左右水平方向に伸長する水平溝61cとを備えた略逆J字形に一体形成される。
【0094】
各第二カム溝63は、被操作プレート41Bの斜め上方に僅かに傾斜しながら左右水平方向に伸長して穿孔される緩傾斜溝63aと、この緩傾斜溝63aの端部に連通形成されて被操作プレート41Bの左右水平方向に僅かに傾斜しながら上方に伸長して穿孔される急傾斜溝63bとを備えた略L字形に一体形成される。
【0095】
このようなカム機構48Bは、ドア体30の施錠時に施錠プレート46Bの第二カム突起62と第二カム溝63の緩傾斜溝63aとが接触する場合には、被操作プレート41Bと施錠プレート46Bとを共に一体的にスライドさせ、ドア体30の施錠時に第一カム突起60に第一カム溝61の傾斜溝61bが接触し、施錠プレート46Bの第二カム突起62が第二カム溝63の緩傾斜溝63aと急傾斜溝63bとの境界付近に接触した場合には、被操作プレート41Bと施錠プレート46Bとを斜め下方にスライドさせるよう機能する。
【0096】
そして、ドア体30の施錠時に施錠プレート46Bの第二カム突起62と第二カム溝63の急傾斜溝63bとが接触した場合には、被操作プレート41Bを水平方向に移動させながら下方にスライドさせ、施錠プレート46Bを第一カム溝61の水平溝61cにより水平方向に移動させてドア体30の施錠突片33に施錠プレート46Bの施錠片47を干渉させる。すなわち、カム機構48Bは、施錠プレート46の施錠片47に略倒へ字形あるいは略J字形の軌跡を描かせる。
【0097】
上記構成において、収納容器をドア体開閉装置20に搭載してドア体30を施錠する場合には、施錠手段40の各被操作プレート41Bにドア体開閉装置20の駆動ピン23がアクセスして押し下げる。すると、収納ブロック10Aの第一カム突起60に案内されながら被操作プレート41Bと施錠プレート46Bとが下方にスライドする。
【0098】
この際、第二カム突起62と緩傾斜溝63aの先端部とが嵌合して上下方向に対するスライドを規制するので、被操作プレート41Bと施錠プレート46Bとの相対位置に変更の生じることがない(図15(a)参照)。こうして被操作プレート41Bと施錠プレート46Bとは、第一カム突起60に第一カム溝61の垂直溝61aの上端部が嵌合するまで共に下方にスライドする(図15(b)参照)。
【0099】
次いで、第一カム突起60に第一カム溝61の傾斜溝61bが嵌合し、第二カム突起62が緩傾斜溝63aと急傾斜溝63bとの境界付近に嵌合すると、被操作プレート41Bと施錠プレート46Bとが斜め下方にスライドする(図15(c)参照)。この際、施錠プレート46Bの施錠片47は、図15の右側に移動しながらスライドする。
【0100】
被操作プレート41Bがさらに下方にスライドすると、施錠プレート46Bの第二カム突起62と第二カム溝63の急傾斜溝63bとが接触し、第二カム突起62が急傾斜溝63bの端部に移動するまで被操作プレート41Bが図15の右方向に僅かに移動しつつ下方にスライドする。
【0101】
この際、施錠プレート46Bは、下方にスライドすることなく、第一カム溝61の水平溝61cに沿って図15の右方向に移動する(図15(d)参照)。このように施錠の最終段階においては、被操作プレート41Bと施錠プレート46Bとが異なる方向に移動し、ドア体30の施錠突片33に施錠プレート46Bの施錠片47が干渉することにより、収納容器がドア体30で施錠されることとなる。
【0102】
上記施錠動作をドア体30の施錠突片33に対する施錠プレート46Bの動きに置き換え、図16に基づいて説明すると、先ず、施錠プレート46Bは、ドア体30の施錠前においては、ドア体30の解錠溝32の周縁付近に施錠片47が位置する(図16(a)参照)。この状態で被操作プレート41Bが下方にスライドすると、施錠プレート46Bは、下方にスライド(図16(b)参照)し、その後、ドア体30の施錠突片33に接近するよう僅かに移動する(図16(c)参照)。
【0103】
こうして施錠プレート46Bが接近するよう移動すると、施錠プレート46Bがさらに下方にスライドすることで、ドア体30の施錠突片33に施錠片47が干渉係止して嵌合するまで図16の右方向に移動し、収納容器がドア体30で施錠される(図16(d)参照)。
【0104】
なお、収納容器をドア体開閉装置20に搭載してドア体30を解錠する場合には、施錠手段40は、上記動作と逆に動作し、収納容器のドア体30を解錠する。その他の部分については上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、第1の実施形態における施錠手段40の構成を簡素化し、部品点数を削減することができるのは明白である。
【0105】
なお、上記実施形態では収納容器のコンテナ体1とドア体30とをそれぞれ樹脂製としたが、何らこれに限定されるものではない。例えば、セラミック、ジュラルミン、チタン合金等の軽量化が可能な金属材料により形成しても良い。
【0106】
また、収納容器の内外面、シールガスケット35のシール面、施錠手段40の動作部等に、酸素や水分を透過しない気体バリアー性のフィルムを貼着したり、金属コーティング、ダイヤモンドライクコーティング、PEEK樹脂コーティング、フッ素樹脂コーティングを適宜施しても良い。また、二酸化チタン等の光触媒材料をコーティングしても良いし、導電塗料等のコーティングにより、ドア体30の透明性を維持して導電性を付与することもできる。
【0107】
また、コンテナ体1の内部両側に支持片3を一体的に対設するのではなく、支持片3を螺子具や摩擦係合法等により着脱自在に装着しても良い。また、コンテナ体1の背面壁内面に、基板の後部周縁を保持可能なリアリテーナを選択的に形成することもできる。また、コンテナ体1の側壁8前部に別体の収納ブロック10を装着するのではなく、コンテナ体1の側壁8前部に収納ブロック10を一体形成することもできる。
【0108】
また、収納ブロック10に第一、第二の凹部44・45を形成し、被操作プレート41に凸部11を形成することもできる。また、収納ブロック10に凸部11を形成するのではなく、カバープレート43に凸部11を形成することも可能である。また、施錠手段40の被操作プレート41を一定の力で施錠方向に付勢する付勢手段、具体的には各種の磁石やバネ等を採用することも可能である。また、施錠プレート46・46Aの施錠片47やカム機構48のカム突起52に、接触に伴う磨耗で汚染物が発生するのを抑制する回転ローラを自由回転可能に嵌入しても良い。
【0109】
この場合、回転ローラは、例えばポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート等の摺動性が良好な樹脂、あるいは合成樹脂にPTFEからなるフッ素樹脂やシリコーン樹脂等の摺動性改質剤を付与した材料により形成することができる。
【0110】
また、施錠手段40の構成を変更し、施錠手段40を、コンテナ体1の側壁前部に収納ブロック10を介して支持され、ドア体30の施錠時には上方向にスライドし、ドア体30の解錠時には下方向にスライドする被操作プレート41と、コンテナ体1の側壁前部と被操作プレート41との間にスライド可能に介在され、被操作プレート41の上方向へのスライド時にはコンテナ体1の正面2に嵌合されたドア体30の側壁に接触し、被操作プレート41の下方向へのスライド時にはコンテナ体1の正面2に嵌合されたドア体30の側壁から離隔する施錠プレート46と、被操作プレート41と施錠プレート46とにそれぞれ設けられ、被操作プレート41のスライドに伴う駆動力を施錠プレート46に伝達して動作させるカム機構48とから構成することもできる。
【0111】
さらに、施錠手段40の構成を変更し、施錠手段40を、コンテナ体1の底板前部と天板6前部とに収納ブロック10を介してそれぞれ支持され、ドア体30の施錠時には突出位置に水平にスライドして突出し、ドア体30の解錠時には突出位置から元の基準位置に水平にスライドして後退する被操作プレート41と、コンテナ体1の底板前部と被操作プレート41との間、及び天板6前部と被操作プレート41との間にスライド可能に介在され、被操作プレート41の突出位置へのスライド時にはコンテナ体1の正面2に嵌合されたドア体30の周壁に接触し、被操作プレート41の基準位置へのスライド時にはコンテナ体1の正面2に嵌合されたドア体30の周壁から離隔する施錠プレート46と、被操作プレート41と施錠プレート46とにそれぞれ設けられ、被操作プレート41のスライドに伴う駆動力を施錠プレート46に伝達して動作させるカム機構48とから構成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0112】
本発明に係る収納容器は、半導体、液晶、機械部品、電気電子部品、化学品、建築品等の製造分野で使用することができる。
【符号の説明】
【0113】
1 コンテナ体
2 正面(開口部)
7 リムフランジ
8 側壁(周壁)
9 切り欠き
9A 切り欠き
10 収納ブロック
10A 収納ブロック
11 凸部
13 ガイド片
14 位置規制部
15 スリット
20 ドア体開閉装置
23 駆動ピン
30 ドア体
31 ドア本体
32 解錠溝
33 施錠突片
40 施錠手段
41 被操作プレート(被操作部材)
41B 被操作プレート(被操作部材)
42 長孔
44 第一の凹部
45 第二の凹部
46 施錠プレート(施錠部材)
46A 施錠プレート(施錠部材)
46B 施錠プレート(施錠部材)
47 施錠片
48 カム機構(駆動力伝達機構)
48B カム機構(駆動力伝達機構)
49 カム溝
52 カム突起
54 連結プレート(連結部材)
55 嵌合支持部
57 軸部
60 第一カム突起
61 第一カム溝
61a 垂直溝
61b 傾斜溝
61c 水平溝
62 第二カム突起
63 第二カム溝
63a 緩傾斜溝
63b 急傾斜溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を収納するコンテナ体と、このコンテナ体の開口部を開閉するドア体とを備え、コンテナ体の周壁の開口部近傍あるいはドア体の周壁に、コンテナ体の開口部に嵌め合わされたドア体を施錠する施錠手段を設けた収納容器であって、
施錠手段は、ドア体の施錠時にはドア体の開閉方向に交わる施錠方向にスライドし、ドア体の解錠時にはドア体の開閉方向に交わる施錠方向とは反対側の解錠方向にスライドする被操作部材と、この被操作部材の施錠方向へのスライド時にはコンテナ体の開口部に嵌め合わされたドア体の周壁あるいはコンテナ体の開口部内周に接触し、被操作部材の解錠方向へのスライド時にはコンテナ体の開口部に嵌め合わされたドア体の周壁あるいはコンテナ体の開口部内周から離隔する施錠部材と、被操作部材のスライドに伴う駆動力を施錠プレートに伝達する駆動力伝達機構とを含んでなることを特徴とする収納容器。
【請求項2】
コンテナ体を、基板を収納可能なフロントオープンボックスに形成してその開口した正面を区画する周壁前部に施錠手段を設け、コンテナ体の開口した正面にドア体を着脱自在に嵌め合わせるようにした請求項1記載の収納容器。
【請求項3】
施錠手段は、コンテナ体の側壁前部に支持され、ドア体の施錠時には上下いずれかの施錠方向にスライドし、ドア体の解錠時には施錠方向とは反対側の解錠方向にスライドする被操作部材と、被操作部材の施錠方向へのスライド時にはコンテナ体の正面に嵌め合わされたドア体の側壁に接触し、被操作部材の解錠方向へのスライド時にはコンテナ体の正面に嵌め合わされたドア体の側壁から離隔する施錠部材と、被操作部材のスライドに伴う駆動力を施錠部材に伝達して動作させるカム機構とを含んでなる請求項2記載の収納容器。
【請求項4】
施錠手段は、コンテナ体の側壁前部に支持され、ドア体の施錠時には下方向にスライドし、ドア体の解錠時には上方向にスライドする被操作部材と、コンテナ体の側壁前部と被操作部材との間にスライド可能に介在され、被操作部材の下方向へのスライド時にはコンテナ体の正面に嵌め合わされたドア体の側壁に接触し、被操作部材の上方向へのスライド時にはコンテナ体の正面に嵌め合わされたドア体の側壁から離隔する施錠部材と、被操作部材と施錠部材とに設けられ、被操作部材のスライドに伴う駆動力を施錠部材に伝達して動作させるカム機構とを含んでなる請求項2又は3記載の収納容器。
【請求項5】
コンテナ体の側壁前部に、切り欠きを形成するとともに、この切り欠きを被覆する施錠手段用の収納ブロックを取り付け、この収納ブロックには、施錠手段の被操作部材を案内するガイド片を設け、このガイド片には、被操作部材用の位置規制部を形成した請求項3又は4記載の収納容器。
【請求項6】
収納ブロックと施錠手段の被操作部材のいずれか一方に凸部を形成するとともに、他方には第一、第二の凹部を形成し、被操作部材が施錠方向にスライドした場合には、凸部と第一の凹部とを嵌め合わせて固定し、被操作部材が解錠方向にスライドした場合には、凸部と第二の凹部とを嵌め合わせて固定するようにした請求項3、4、又は5記載の収納容器。
【請求項7】
ドア体の側壁に、コンテナ体の側壁前部の切り欠きに対応する施錠突片を形成し、施錠手段の施錠部材に、収納ブロックを貫通してコンテナ体の切り欠き内に位置する施錠片を形成し、被操作部材の施錠方向へのスライド時にドア体の施錠突片に施錠部材の施錠片を引っかけるようにした請求項5又は6記載の収納容器。
【請求項8】
ドア本体の側壁に、コンテナ体の側壁前部の切り欠きに対応する解錠溝を形成してその周縁部には施錠突片を形成し、被操作部材の解錠方向へのスライド時に、ドア体の施錠突片に対する施錠部材の施錠片の干渉を解錠溝により解除するとともに、この解錠溝を施錠部材により被覆するようにした請求項7記載の収納容器。
【請求項9】
施錠手段は、コンテナ体の側壁前部に支持され、ドア体の施錠時には下方向にスライドし、ドア体の解錠時には上方向にスライドする被操作部材と、この被操作部材に支持され、被操作部材の下方向へのスライド時にはコンテナ体の前方向にスライドし、被操作部材の上方向へのスライド時にはコンテナ体の後方向にスライドする連結部材と、この連結部材に回転可能に支持され、連結部材の前方向へのスライド時にはコンテナ体の正面に嵌め合わされたドア体の側壁に接触し、連結部材の後方向へのスライド時にはコンテナ体の正面に嵌め合わされたドア体の側壁から離隔する施錠部材と、被操作部材のスライドに伴う駆動力を連結部材に伝達してスライドさせるカム機構とを含んでなる請求項2ないし8いずれかに記載の収納容器。
【請求項10】
コンテナ体の側壁前部に切り欠きを形成するとともに、この切り欠きを被覆する施錠手段用の収納ブロックを取り付け、この収納ブロックに施錠手段用のスリットを形成し、
ドア体の側壁に、コンテナ体の切り欠きに対応する施錠突片を形成し、
施錠手段は、コンテナ体の収納ブロックに収納され、ドア体の施錠時には下方向にスライドし、ドア体の解錠時には上方向にスライドする被操作部材と、コンテナ体の収納ブロックと被操作部材との間に介在され、ドア体の施錠時には下方向にスライドし、ドア体の解錠時には上方向にスライドする施錠部材と、収納ブロック、被操作部材、及び施錠部材に設けられて被操作部材のスライドに伴う駆動力を施錠部材に伝達して動作させるカム機構とを含み、施錠部材に、収納ブロックのスリットを貫通してドア体の施錠時にドア体の施錠突片に干渉可能な施錠片を形成し、カム機構を、収納ブロックに形成される第一カム突起と、施錠部材に形成されて収納ブロックの第一カム突起にスライド可能に嵌合される第一カム溝と、施錠部材に形成される第二カム突起と、被操作部材に形成されて施錠部材の第二カム突起にスライド可能に嵌合される第二カム溝とから構成した請求項2ないし8いずれかに記載の収納容器。
【請求項11】
カム機構の第一カム溝を、施錠プレートの上下方向に形成される垂直溝と、この垂直溝の上端部に形成されて施錠プレートの斜め上方向に伸びる傾斜溝と、この傾斜溝の先端部に形成されて水平方向に伸びる水平溝とから形成し、第二カム溝を、被操作プレートの斜め上方に傾斜しながら水平方向に形成される緩傾斜溝と、この緩傾斜溝の端部に形成されて被操作プレートの水平方向に傾斜しながら上方に形成される急傾斜溝とから形成し、
カム機構は、ドア体の施錠時に施錠部材の第二カム突起と第二カム溝の緩傾斜溝とが接触する場合には、被操作部材と施錠部材との相対位置の変更を規制し、ドア体の施錠時に第一カム突起に第一カム溝の傾斜溝が接触し、施錠部材の第二カム突起が第二カム溝の緩傾斜溝と急傾斜溝との境界付近に接触した場合には、被操作部材と施錠部材とを斜め下方にスライドさせ、ドア体の施錠時に施錠部材の第二カム突起と第二カム溝の急傾斜溝とが接触した場合には、被操作部材を水平方向に移動させながら下方にスライドさせ、施錠部材を第一カム溝の水平溝により水平方向に移動させてドア体の施錠突片に施錠部材の施錠片を干渉させるようにした請求項10記載の収納容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−4530(P2012−4530A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−264901(P2010−264901)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】