収納容器
【課題】 ウェットティッシュの取り付けを容易にするとともに、ウェットティッシュに含浸された水分等の蒸散を防止することができる収納容器を提供する。
【解決手段】 シート体の長手方向に所定の間隔でミシン目110が形成されたウェットティッシュ100のロール体105を収納する容器本体4と、容器本体4に形成されたウェットティッシュ100を取り出す取出口21を有する取出部5と、取出部5を開閉する蓋体6とを備え、取出部5は、取出口21を開閉する開閉蓋22を有し、開閉蓋22により取出口21を閉塞したときに、ウェットティッシュ100と係合しウェットティッシュ100を1枚ずつ引き出す係合孔23が設けられる。
【解決手段】 シート体の長手方向に所定の間隔でミシン目110が形成されたウェットティッシュ100のロール体105を収納する容器本体4と、容器本体4に形成されたウェットティッシュ100を取り出す取出口21を有する取出部5と、取出部5を開閉する蓋体6とを備え、取出部5は、取出口21を開閉する開閉蓋22を有し、開閉蓋22により取出口21を閉塞したときに、ウェットティッシュ100と係合しウェットティッシュ100を1枚ずつ引き出す係合孔23が設けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェットティッシュを収納する収納容器に関し、特に、シート体の長手方向に所定の間隔でミシン目が形成されたウェットティッシュのロール体を収納する収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
シート体の長手方向に所定の間隔でミシン目が形成されたウェットティッシュのロール体を収納するものとしては、特許文献1のような収納容器がある。特許文献1の収納容器には、容器本体の上面にウェットティッシュを引き出すことができ、かつ、ウェットティッシュと係合され切り離す係合孔が形成され、係合孔の周囲には、十字形状等の切り込みスリットが設けられている。
【0003】
特許文献1の収納容器は、周囲に十字形状等の切り込みスリットが設けられた係合孔から収納するウェットティッシュを略上方に引き出すとき、引き出されたウェットティッシュが係合孔を通過する際に、隣接する切り込みスリットによって形成された係合孔の周囲の弾性係合片にウェットティッシュが係合され、係合された状態でさらにウェットティッシュを略上方に引き出すことで、ウェットティッシュに形成されたミシン目の位置でウェットティッシュを切り離すことができる。
【0004】
特許文献1に示すような収納容器では、使用開始時やウェットティッシュが途中で切れてしまったときに、容器本体内にあるシート体の端部を係合孔の裏面側から挿通する作業を行わなければならない。そして、係合孔は、上述のように、ウェットティッシュが1枚ずつ切り離せるようにするためにある程度穴径が小さく形成されていることから、この挿通作業に手間がかかっていた。
【0005】
そこで、特許文献2に示すように、上述の挿通作業を容易にするための取出口が設けられる収納容器も提案されている。特許文献2の収納容器は、取出口と係合孔とが連続する連続口が設けられている。
【0006】
特許文献2の収納容器は、係合孔及び取出口を閉塞する蓋体が設けられ、ウェットティッシュに含浸された水分、アルコール分等の蒸散防止を図っているが、取出口が常に開口状態にある。そして、この収納容器では、使用のたびに、蓋体を開けることで、ウェットティッシュに含浸された水分、アルコール分等が取出口から蒸散することとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平08−104377号公報
【特許文献2】特開2007−217054号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述の実情に鑑みてなされたものであり、ウェットティッシュを1枚ずつ引き出し切り離せるようにするための係合孔へのウェットティッシュの取り付けを容易にするとともに、ウェットティッシュに含浸された水分、アルコール分等の蒸散を防止することができる収納容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した目的を達成するために本発明に係る収納容器は、シート体の長手方向に所定の間隔でミシン目が形成されたウェットティッシュのロール体を収納する容器本体と、上記容器本体に形成された上記ウェットティッシュを取り出す取出口を有する取出部と、上記取出部を開閉する蓋体とを備える。そして、上記取出部は、上記取出口を開閉する開閉蓋を有し、該開閉蓋により該取出口を閉塞したときに、上記ウェットティッシュと係合し該ウェットティッシュを1枚ずつ引き出す係合孔が設けられる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、使用開始時等にウェットティッシュを係合孔に簡便な操作によりセットすることができるので、使用開始時等の煩雑な作業がない。
【0011】
また、取出口が開放された状態になく、容器本体の密閉性を保つことができ、収納されるウェットティッシュに含浸された水分、アルコール分等の蒸散を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明を適用した収納容器の全体斜視図である。
【図2】(A)は、取出部の上蓋表面側からの斜視図であり、(B)は、取出部の開閉蓋が開き、取出口を開放した状態を示した斜視図である。
【図3】第2の実施の形態として示す取出部を示した図であり、(A)は、取出部の要部斜視図であり、(B)は、取出口を閉塞する過程の状態を示した断面図であり、(C)は、取出口を閉塞した状態を示した断面図である。
【図4】(A)は、第3の実施の形態として示す取出部の取出口を閉塞した状態を示した斜視図であり、(B)は、取出部の取出口を開放した状態を示した斜視図である。
【図5】第3の実施の形態の中蓋の変形例を示した斜視図である。
【図6A】第4の実施の形態として示す取出部の開放状態における上部斜視図である。
【図6B】第4の実施の形態として示す取出部の開放状態における下部斜視図である。
【図6C】第4の実施の形態として示す取出部の閉塞状態における上部斜視図である。
【図7A】第5の実施の形態として示す取出部の開放状態における斜視図であり、開閉蓋を取出口の上方に位置させたときの斜視図である。
【図7B】第5の実施の形態として示す取出部の開放状態における斜視図であり、開閉蓋を取出口の下方に位置させたときの斜視図である。
【図8】第5の実施の形態における変形例を示す図であり、(A)は、開閉蓋により取出口を閉塞させた状態を示す斜視図であり、(B)は、開閉蓋により取出口を開放させた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を適用した収納容器1について、図面を参照して詳細に説明をする。
【0014】
1.全体構成
本発明の収納容器1は、図1に示すように、全体が略円筒形状であり、シート体の長手方向に1回の使用分に対応した間隔でミシン目110が形成されたウェットティッシュ100のロール体105を収納する。ここで、収納容器1に収納されるウェットティッシュ100のロール体105は、紙や不織布等の基布に使用目的に応じて、水、アルコール、除菌剤、防腐剤及び香料等の液体を含浸させたものであり、ウェットティッシュ100の長手方向に1回の使用分に対応した間隔でミシン目110が形成されている。
【0015】
また、収納容器1は、ウェットティッシュ100のロール体105を収納する容器本体4を有する。この容器本体4は、ウェットティッシュ100のロール体105が収納されるケース2と、このケース2の上面に取り付けられる上蓋3とからなる。容器本体4のケース2は、上面に開口部2aを有する略円筒形状であり、ロール体105が収納できる高さに形成されている。容器本体4の上蓋3は、ケース2の開口部2aを閉塞する蓋であり、例えば、ケース2に螺着される。
【0016】
上蓋3は、その上面3aの略中央にウェットティッシュ100を取り出す取出部5と、この取出部5を開閉するように上蓋3の上面に回動可能に設けられた蓋体6とを備えている。取出部5の詳細については、後述する。
【0017】
このような構成を備える収納容器1は、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)等の熱可塑性樹脂を用いて射出成形等により成型される。
【0018】
なお、収納容器1は、全体が略円筒形状に限定されるものではなく、円柱形状、箱形状等に設けてもよい。
【0019】
容器本体4のケース2の開口部2aに取り付けられる上蓋3には、上蓋3の上面の略中央に、蓋体6が収納される凹部7が形成されている。凹部7は、略円形形状であり、凹部7の略中央に第1の環状壁部8が立ち上がり形成されている。第1の環状壁部8には、第1の環状壁部8の内側に、ウェットティッシュ100を取り出す取出部5が形成されている。
【0020】
取出部5を開閉する蓋体6は、図1に示すように、薄板形状であり、上蓋3の上面に回動支持部9により回動可能に設けられている。回動支持部9は、熱可塑性樹脂を用いて射出成形等により上蓋3と一連一体に成型し、直線的に薄肉に形成されている。
【0021】
なお、回動支持部9は、上蓋3と一連一体に成型するものに限定されるものでなく、回動軸を用いて回動可能に支持するように設けてもよい。
【0022】
取出部5を開閉する蓋体6は、閉塞したとき、図示はしないが、凹部7との間に間隙部を有して収納される。蓋体6には、自由端側に指掛部6aが形成されている。蓋体6が取出部5を閉塞するとき指掛部6aが臨む上蓋3の上面には、指掛用凹部11が形成されている。指掛部6aが臨む指掛用凹部11は、指掛部6aを間隙部を有して収納できるような幅で上蓋3の回動支持部9の自由端側の外周壁と凹部7とを連結させ、蓋体6の指掛部6aの裏面と指掛用凹部11との間に指を引っ掛けて蓋体6を回動させて取出部5を開放できるような深さに形成されている。
【0023】
また、蓋体6が取出部5を閉塞するとき蓋体6の回動支持部9が臨む上蓋3の上面には、回動支持部用凹部12が形成されている。回動支持部9が臨む回動支持部用凹部12は、回動支持部9を間隙部を有して収納できるような幅で上蓋3の回動支持部9側の外周壁と凹部7とを連結させ、蓋体6の回動支持部9が上蓋3の上面からはみ出さないような深さに形成されている。
【0024】
また、蓋体6には、取出部5に臨む裏面に第2の環状壁部13が立ち上がり形成されている。第2の環状壁部13は、蓋体6が取出部5を閉塞したとき、収納容器1の取出部5の周囲に形成された第1の環状壁部8の外周面と嵌合する。これにより、蓋体6が取出部5を閉塞したときは、収納容器1の第1の環状壁部8の外周面と蓋体6の第2の環状壁部13の内周面とで嵌合し、密閉することができ、収納容器1に収納するウェットティッシュ100に含侵された液体が揮発するのを防ぐことができる。
【0025】
2.取出部
続いて、第1の環状壁部8の内側に設けられる取出部5の第1の実施の形態について説明をする。取出部5は、上蓋3の上面3aの略中央に設けられている。取出部5は、図2(A)、図2(B)に示すように、ウェットティッシュ100を使用開始時等に挿通することができる取出口21を有し、この取出口21を開閉する開閉蓋22とからなる。開閉蓋22には、取出口21を閉塞したときに、ウェットティッシュ100と係合しウェットティッシュ100を1枚ずつ引き出すことができる係合孔23が設けられている。取出部5は、開閉蓋22を回動させ、取出口21を開放した状態とすることで、容器本体4内のウェットティッシュ100を容易に挿通し、容器本体4内部から外部に臨ませることができる。また、取出部5は、開閉蓋22を回動させ、取出口21を閉塞した状態とすることで、ウェットティッシュ100が係合孔23と係合する。
【0026】
取出部5の取出口21は、図2(A)に示すように、略台形状であり、ウェットティッシュ100を通すことができる大きさである。この取出口21は、例えば親指と人指し指の指先を通すことができる程度の大きさであり、上蓋3の上面3a裏面側にあるウェットティッシュ100を摘むことができる大きさに形成されている。なお、取出口21の大きさは、上述に限らず、さらに大きいものとしてもよい。
【0027】
取出部5の開閉蓋22は、取出口21と略同一の台形状からなり、取出口21を閉塞する大きさに形成されている。開閉蓋22は、一辺22aの略中央に係合孔23を構成する切欠部23aが形成されている。切欠部23aは、略半円状であり、対向する上蓋3に形成される略半円状の切欠部23bとで、係合孔23を構成する。そして、開閉蓋22は、一辺22aと略平行な辺22bが、上蓋3と連結されており、開閉蓋22の回動支持部となる。また、開閉蓋22は、一辺22aに沿って、容器本体4の内面側に段部22cが形成されている。この段部22cは、接着剤が塗布されており、上蓋3の対応する位置に形成された段部3bと接着する。段部22cに塗布される接着剤は、開閉蓋22を接着及び再剥離可能なものである。開閉蓋22は、回動支持部となる辺22bを中心に上蓋3の上面3a表面側に回動する。開閉蓋22は、段部22cを有することから、上面3a裏面側への回動が規制される。
【0028】
係合孔23は、第1の環状壁部8の内側の略中央に設けられる。また、係合孔23は、開閉蓋22の切欠部23aと、上蓋3の切欠部23bとからなり、全体が略円形となる。この係合孔23は、ウェットティッシュ100が挿通される孔である。係合孔23は、挿通されるウェットティッシュ100と当該係合孔23を構成する周壁とが摩擦係合する。そして、係合孔23では、この摩擦係合に抗って、さらにウェットティッシュ100を引き出すことで、ウェットティッシュ100とミシン目110を介して隣接した後段にあるウェットティッシュ100をミシン目110の位置で切り離す。
【0029】
なお、開閉蓋22は、上述のように、段部22cを設け、接着剤を塗布することに限らず、取出口21を閉塞した状態を維持することができるものであれば、いかなるものであってもよい。
【0030】
また、係合孔23の周面には、挿通されるウェットティッシュ100との係合を最適なものとするために、可撓性を有するシリコンゴムを接着するようにしてもよい。
【0031】
また、開閉蓋22は、上蓋3の上面3a表面側に回動することについて述べたが、これに限らず、上面3a裏面側、すなわち容器本体4内面側に回動するようにしてもよい。この場合、開閉蓋22の回動が段部3bにより規制されることから、ウェットティッシュ100を引き出したときに、開閉蓋22が開くことがない。
【0032】
このように構成される収納容器1は、取出部5の開閉蓋22を、取出口21を開放状態とする位置と、取出口21を閉塞状態とする位置とに亘って回動させることができる。すなわち、取出部5は、開閉蓋22を取出口21が開放状態となる位置に回動させることで、ウェットティッシュ100を容易に挿通することができる。そして、取出部5は、開閉蓋22を取出口21が閉塞された状態となる位置に回動させることで、ウェットティッシュ100を係合孔23に挿通された状態とすることができる。したがって、収納容器1では、取出口21を開放することができ、ウェットティッシュ100を容器本体4内部から外部に臨ませるという挿通作業を行うことができる。さらに、収納容器1では、簡便な操作により、取出口21を閉塞することができるので、ウェットティッシュ100に含浸された水分、アルコール分等の蒸散を防ぐことができる。また、収納容器1では、取出口21を閉塞するように操作することのみで、従来のようにウェットティッシュ100を係合孔23に挿通した状態とすることができる。
【0033】
3.ウェットティッシュの係合孔へのセット
次に、以上のように構成された収納容器1においてウェットティッシュ100を係合孔23に挿通した状態とする方法について説明をする。
【0034】
収納容器1では、まず前提として、容器本体4内のウェットティッシュ100が取出部5から外部に臨まされておらず、容器本体4内にあるものとする。
【0035】
ユーザは、まず、取出部5の開閉蓋22を回動操作して取出口21を開放した状態にする。具体的には、係合孔23から開閉蓋22に指を掛け、持ち上げることで開閉蓋22を回動させることができる。
【0036】
そして、ユーザは、開放された取出口21から手指を入れ、内部、すなわち容器本体4内にあるウェットティッシュ100の端部を掴み、取出口21に通す。このとき、取出口21は、十分な大きさを有するので、容易に通すことができる。
【0037】
次に、ユーザは、ウェットティッシュ100が取出口21に挿通された状態で、開閉蓋22を、取出口21が閉塞状態となるように回動させる。この開閉蓋22の回動に伴い、挿通された状態のウェットティッシュ100は、係合孔23に係合される。また、開閉蓋22は、段部22cと段部3bとが接着剤により接着されることとなり、閉塞状態を維持することができる。
【0038】
このようにして、収納容器1では、簡便な操作によりウェットティッシュ100を係合孔23に係合された状態とすることができる。また、収納容器1では、ウェットティッシュ100を取出部5に挿通するときにのみ、取出口21を開放状態とし、それ以外の通常使用時には、当該取出口21が閉塞状態にあることから、ウェットティッシュ100に含浸された水分、アルコール分等の蒸散を防止することができる。
【0039】
4.変形例
続いて、収納容器1の取出部5の他の実施の形態について説明をする。なお、以下においては、第1の実施の形態の収納容器1と同一の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0040】
4−1 第2の実施の形態
第2の実施の形態として示す収納容器1の取出部30は、図3(A)乃至図3(C)に示すように、開閉蓋22に段部22cを設ける代わりに、一辺22aと対向する位置にある上蓋3を挟持する一対のゴム片31が設けられている。一対のゴム片31は、一辺22aから突出するように、開閉蓋22の両主面に設けられ、可撓性を有するゴム材料から形成されている。一対のゴム片31は、先端にかけて厚みが小さくなるように形成されている。取出部30は、図3(B)に示すように、ゴム片31を撓ませて上蓋3を挟持することで、開閉蓋22を、図3(C)に示すように、取出口21を閉塞した状態に維持することができる。
【0041】
このような取出部30でも、取出部5と同様に、簡便な操作によりウェットティッシュ100を係合孔23に係合された状態とすることができる。また、取出部30を有する収納容器では、ウェットティッシュ100を取出部30に挿通するときにのみ、取出口21を開放状態とし、それ以外の通常使用時には、当該取出口21が閉塞状態にあることから、ウェットティッシュ100に含浸された水分、アルコール分等の蒸散を防止することができる。
【0042】
4−2 第3の実施の形態
第3の実施の形態として示す収納容器1の取出部40は、図4(A)、図4(B)に示すように、取出部5の開閉蓋22のように、回動支持部22bを介して上蓋3と連結されるものではなく、取出口21を開閉する別体の中蓋41を有する。
【0043】
取出部40の取出口21は、図4(A)に示すように、略円形状であり、ウェットティッシュ100を通すことができる大きさである。
【0044】
取出部40の中蓋41は、主面が取出口21よりやや大きい薄板からなり、取出口21を閉塞できる大きさに形成されている。中蓋41は、図4(B)に示すように、外周が取出口21と略同一の立壁部42が形成されている。さらに、中蓋41は、上面に、当該中蓋41を取り付け及び取り外しをするための把持部41aが設けられている。また、中蓋41は、取出口21との密閉性を保つために、立壁部42にゴムパッキン41bが設けられている。
【0045】
取出部40では、取出口21と係合孔23とが連結されている。これにより、取出口21に挿通したウェットティッシュ100を係合孔23に係合させることができる。さらに、取出部40は、係合孔23と連続した複数のスリット43が設けられている。このスリット43は、係合孔23近傍が弾性係合片となり、ウェットティッシュ100が係合する。
【0046】
なお、このスリット43は、係合孔23によりウェットティッシュ100を係合することができるものであれば、必ずしも設ける必要はない。
【0047】
また、中蓋41は、上述のような円板状なものに限定されるものではない。例えば、第3の実施の形態の取出部40の変形例として示す取出部50は、図5(A)、図5(B)に示すように、取出口21を略矩形とし、中蓋51も、この取出口21の形状に合わせて、略矩形となっている。
【0048】
取出部50の中蓋51は、主面が取出口21よりやや大きい薄板からなり、取出口21を閉塞できる大きさに形成されている。中蓋51は、中蓋41の立壁部42の代わりに、取出口21の両短辺21aと係合する係合片52が設けられている。さらに、中蓋51は、上面に、当該中蓋51を取り付け及び取り外しをするための把持部51aが設けられている。また、中蓋51は、取出口21との密閉性を保つために、ゴムパッキン51bが設けられている。
【0049】
さらに、中蓋41は、略円形の取出口21に係合するゴム製の球状体であってもよい。中蓋41の代わりのゴム製の球状体では、円形の取出口21へ嵌め込むようにして係合することができ、取出口21の閉塞を高い密閉性を維持して行うことができる。
【0050】
なお、取出部40、50では、別体の中蓋41、51を紐等により、上蓋3と連結するようにしてもよい。
【0051】
このような構成を有する取出部40、50は、中蓋41、51を取り外すことで、取出口21を開放した状態とすることができる。そして、この開放された取出口21から容器本体4内部のウェットティッシュ100を引き出すことができる。そして、引き出したウェットティッシュ100を取出口21と連続して形成された係合孔23に係合させた状態で、中蓋41、51により取出口21を閉塞することで、係合孔23へのウェットティッシュ100のセットを行うことができる。
【0052】
したがって、取出部40、50でも、取出部5と同様に、簡便な操作によりウェットティッシュ100を係合孔23に係合された状態とすることができる。また、取出部40、50を有する収納容器では、ウェットティッシュ100を取出部40、50に挿通するときにのみ、取出口21を開放状態とし、それ以外の通常使用時には、当該取出口21が閉塞状態にあることから、ウェットティッシュ100に含浸された水分、アルコール分等の蒸散を防止することができる。
【0053】
4−3 第4の実施の形態
第4の実施の形態として示す収納容器1の取出部60は、図6A、図6B、図6Cに示すように、取出部5の開閉蓋22のように、上蓋3の上面3a上の回動支持部22bを介して回動するものではなく、上蓋3の下面3cに設けられた係合片62に係合した中蓋61を有する。なお、図6A乃至図6Cでは、便宜上、容器本体4の上蓋3や取出部60を開閉する蓋体6等も表示する。
【0054】
取出部60の取出口21は、図6Aに示すように、略円形状であり、ウェットティッシュ100を通すことができる大きさである。
【0055】
取出部60の中蓋61は、主面が取出口21の開口部21aよりやや大きい略円形状の薄板からなり、取出口21を閉塞できる大きさに形成されている。中蓋61は、図6Bに示すように、上蓋3の下面3cに設けられた係合片62に中蓋61の回転係合部63が係合して、下面3cと連結している。この中蓋61は、係合片62に係合した回転係合部63を介して回動し、取出口21を開閉する。したがって、取出口21の閉塞状態では、図6Cに示すように、中蓋61の外縁部が上蓋3の下面3cに接した状態となる。なお、中蓋61は、回転係合部63と下面3cに設けられた係合片62とを介して、取出部60と一体に形成されていてもよい。
【0056】
中蓋61には、その略中央部に係合孔64が設けられ、また係合孔64と連続した複数のスリット65が設けられている。このスリット65では、係合孔64近傍が弾性係合片となり、ウェットティッシュ100が係合する。また、この複数のスリット65のうち、例えば中蓋61の回転係合部63に最も対向する側のスリット65aには、ウェットティッシュ100を係合孔64に誘導するための誘導スリット65bが設けられている。なお、スリット65は、係合孔64によりウェットティッシュ100を係合することができるものであれば、必ずしも複数設ける必要はない。
【0057】
また、中蓋61には、その中蓋上面61a上に、取出口21の開口部21aの一部の形状と同じ形状の立壁部66が複数設けられている。例えば、図6Aに示すように、略円形状の取出口21の開口部21aの一部の形状、すなわち円周状の一部の形状と同じ形状の立壁部66が複数設けられている。この立壁部66は、図6Cに示すように、中蓋61により取出口21が閉塞状態となったとき、取出口21の開口部21aに嵌合して止まるようになっている。これにより、中蓋61による取出口21の閉塞状態が維持される。
【0058】
このような構成を有する取出部60では、取出口21から中蓋61を下部に押し込むことにより、回転係合部63を介して中蓋61が回動されて取出口21を開放した状態とすることができる。そして、この開放された取出口21から容器本体4内部のウェットティッシュ100を容易に引き出すことができる。そして、引き出したウェットティッシュ100を誘導スリット65aに貫通させて係合孔64まで誘導し、ウェットティッシュ100を係合孔64に係合させた状態で、中蓋61により取出口21を閉塞する。このとき、取出口21の閉塞は、係合孔64に係合させたウェットティッシュ100を取出口21から引っ張ることにより、回転係合部63を介して中蓋61を回動させて行う。つまり、ウェットティッシュ100を取出口21から上部に持ち上げることにより、ウェットティッシュ100が係合した中蓋61が回転係合部63を介して閉塞状態となる方向に回動されるようになり、取出口21が閉塞する。これにより、係合孔64へのウェットティッシュ100のセットを行うことができる。
【0059】
したがって、取出部60でも、取出部5と同様に、簡便な操作によりウェットティッシュ100を係合孔64に係合された状態とすることができる。また、取出部60を有する収納容器では、ウェットティッシュ100を取出部60に挿通するときにのみ、取出口21を開放状態とし、それ以外の通常使用時には取出口21が閉塞状態にあることから、ウェットティッシュ100に含浸された水分やアルコール分等の蒸散を防止することができる。特に、この取出部60では、通常使用時に、係合孔64に係合したウェットティッシュ100を取り出す引っ張り力が加わる度に、中蓋61が上蓋3の下面3cに接するように移動して閉塞状態が強固になることから、より効果的に水分やアルコール分等の蒸散を防止することができる。
【0060】
また、通常使用時にウェットティッシュ100を取り出す引っ張り力が中蓋61を介して取出口21に加わるとともに、中蓋上面61aに設けられた立壁部66が取出口21の開口部21aに嵌合するため、より強固な閉塞状態を保ちながら、ウェットティッシュ100を収納することができる。
【0061】
4−4 第5の実施の形態
第5の実施の形態として示す収納容器1の取出部70は、図7A、図7Bに示すように、上述の第4の実施の形態における取出部60のように上蓋3の下面3cに設けられた係合片62に係合した中蓋61を有するというものではなく、上蓋3の上面3aと一体に形成された開閉蓋71を有する。
【0062】
取出部70の取出口21は、図7Aに示すように、略円形状であり、ウェットティッシュ100を通すことができる大きさである。取出部70の開閉蓋71は、その取出口21と同様に略円形状であり、また略同じ大きさ又はそれよりやや小さい大きさに形成され、取出口21を閉塞できるようになっている。そして、取出部70の開閉蓋71は、上述のように上蓋3の上面3aと一体に形成されており、回動支持部71aを介して、図7Aに示すように取出口21の上部方向に開閉移動可能であるとともに、図7Bに示すように取出口21の下部方向にも開閉移動可能となっている。
【0063】
開閉蓋71には、その略中央部に係合孔72が設けられ、またその係合孔72と連続した複数のスリット73が設けられている。このスリット73では、係合孔72近傍が弾性係合片となり、ウェットティッシュ100が係合する。また、この複数のスリット73のうち、例えば開閉蓋71の回動支持部71aに最も対向する側のスリット73aには、ウェットティッシュ100を係合孔に誘導するための誘導スリット73bが設けられている。なお、スリット73は、係合孔72によりウェットティッシュ100を係合することができるものであれば、必ずしも複数設ける必要はない。
【0064】
なお、図示しないが、取出部70には、開閉蓋71によって取出口21を閉塞した状態に維持する構成を備えるようにすることができる。取出口21を閉塞した状態に維持する構成としては、特に限定されず、ウェットティッシュ100を引き出したときに、開閉蓋71による取出口21の閉塞状態を維持できるものであれば如何なる構成であってもよい。
【0065】
具体的には、例えば、開閉蓋71における回動支持部71aに対向する側に、上蓋3を挟持する一対のゴム片等を設け、上述した図3(A)乃至図3(C)に示す取出部30と同様にして、取出部70においても取出口21が閉塞した状態を維持できるようにしてもよい。より具体的には、開閉蓋71の両主面に、開閉蓋71の縁71bから突出するようにして、可撓性を有し先端にかけて厚みが小さくなるような一対のゴム片を設けるようにする。このような構成によれば、そのゴム片を撓ませて上蓋3を挟持することで、ウェットティッシュ100を引き出すときでも、開閉蓋71を取出口21が閉塞した状態に維持することができる。
【0066】
また、その他の構成として、例えば、上蓋3の開閉蓋71を取出口21が閉塞した状態のときに、開閉蓋71の縁71bが上蓋3と嵌合するように、上蓋3の対応する位置に凹部を設けるようにして、取出口21の閉塞状態を維持するようにしてもよい。
【0067】
以上のような構成を有する取出部70では、開閉蓋71を回動支持部71aを介して開閉し、上蓋3の水平面に対して上方や下方に移動させることによって、取出口21を開放した状態とすることができる。そして、この開放された取出口21から容器本体4内部のウェットティッシュ100を容易に引き出すことができる。そして、引き出したウェットティッシュ100を誘導スリット73aに貫通させて係合孔72まで誘導し、ウェットティッシュ100を係合孔72に係合させた状態で、開閉蓋71により取出口21を閉塞する。
【0068】
特に、取出部70では、上蓋3の上面3aと一体に形成された開閉蓋71が回動支持部71aを介して、上蓋3の上部及び下部の両方向に移動させることができるので、ウェットティッシュ100を係合孔72にセットする利便性を高めることができる。具体的には、例えば、使用開始時にウェットティッシュ100をセットする場合には、開閉蓋71を上蓋3の水平面に対して上部方向に移動させることによって容易にウェットティッシュ100を係合孔72にセットすることができる。また、例えば、使用中にウェットティッシュ100が途中で切れてしまった時には、上蓋3を容器本体4から取り外す等の操作をしなくても、開閉蓋71を上蓋3の水平面に対して下部方向に押圧して移動させることにより、取出口21から使用者の指を入れて切れてしまったウェットティッシュ100を容器本体4から引き出し、誘導スリット73bを介して係合孔72に係合させることによって容易にウェットティッシュ100をセットすることができる。
【0069】
したがって、取出部70でも、取出部5と同様に、簡便な操作によりウェットティッシュ100を係合孔72に係合された状態とすることができる。また、取出部70を有する収納容器においても、ウェットティッシュ100を取出部70に挿通するときにのみ、取出口21を開放状態とし、それ以外の通常使用時には取出口21が閉塞状態にあることから、ウェットティッシュ100に含浸された水分やアルコール分等の蒸散を防止することができる。
【0070】
なお、上述した第5の実施の形態においては、図7A及び図7Bに示したように収納容器本体4の取出部70を開閉する蓋体6を上蓋30の上面3aに設ける場合について説明したが、蓋体6の設置位置はこれに限られるものではない。
【0071】
例えば、図8(A)及び図8(B)に示すように、上述の第5の実施の形態における取出部70のように上蓋3の上面3aと一体に形成されて取出口21を開閉する開閉蓋71を有するとともに、その開閉蓋71の上面71aに、収納容器本体4の取出部80を開閉する蓋体90を設けるようにしてもよい。すなわち、上述した実施の形態のように収納容器本体4を開閉する蓋体3が、上蓋3の上面3aに設けられているのではなく、取出口21を開閉する開閉蓋71の上面71aに一体に上蓋90を形成してもよい。なお、図8(B)においては、取出口21を開閉する開閉蓋71が、回動支持部71aを介して取出口21の下部方向に開閉移動可能となる形態について示しているが、上部方向に開閉移動可能なようにしてもよい。
【0072】
なお、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0073】
1 収納容器、2 ケース、2a 開口部、3 上蓋、3a 上面、3b 段部、3c 下面、4 容器本体、5,30,40,50,60,70 取出部、6,90 蓋体、6a 指掛部、7 凹部、8 第1の環状壁部、9 回動支持部、11 指掛用凹部、12 回動支持部用凹部、13 第2の環状壁部、21 取出口、21a 開口部、22 開閉蓋、22a 一辺、22c 段部、23 係合孔、23a,23b 切欠部、31 ゴム片、41,51,61 中蓋、41a,51a 把持部、41b,51b ゴムパッキン、42,66 立壁部、43,65,65a,73,73a スリット、52,62 係合片、61a 中蓋上面、63 回転係合部、64,72 係合孔、65b,73b 誘導スリット、71 開閉蓋、71a 回動支持部、71b 縁、71c 段部、100 ウェットティッシュ、105 ロール体、110 ミシン目
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェットティッシュを収納する収納容器に関し、特に、シート体の長手方向に所定の間隔でミシン目が形成されたウェットティッシュのロール体を収納する収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
シート体の長手方向に所定の間隔でミシン目が形成されたウェットティッシュのロール体を収納するものとしては、特許文献1のような収納容器がある。特許文献1の収納容器には、容器本体の上面にウェットティッシュを引き出すことができ、かつ、ウェットティッシュと係合され切り離す係合孔が形成され、係合孔の周囲には、十字形状等の切り込みスリットが設けられている。
【0003】
特許文献1の収納容器は、周囲に十字形状等の切り込みスリットが設けられた係合孔から収納するウェットティッシュを略上方に引き出すとき、引き出されたウェットティッシュが係合孔を通過する際に、隣接する切り込みスリットによって形成された係合孔の周囲の弾性係合片にウェットティッシュが係合され、係合された状態でさらにウェットティッシュを略上方に引き出すことで、ウェットティッシュに形成されたミシン目の位置でウェットティッシュを切り離すことができる。
【0004】
特許文献1に示すような収納容器では、使用開始時やウェットティッシュが途中で切れてしまったときに、容器本体内にあるシート体の端部を係合孔の裏面側から挿通する作業を行わなければならない。そして、係合孔は、上述のように、ウェットティッシュが1枚ずつ切り離せるようにするためにある程度穴径が小さく形成されていることから、この挿通作業に手間がかかっていた。
【0005】
そこで、特許文献2に示すように、上述の挿通作業を容易にするための取出口が設けられる収納容器も提案されている。特許文献2の収納容器は、取出口と係合孔とが連続する連続口が設けられている。
【0006】
特許文献2の収納容器は、係合孔及び取出口を閉塞する蓋体が設けられ、ウェットティッシュに含浸された水分、アルコール分等の蒸散防止を図っているが、取出口が常に開口状態にある。そして、この収納容器では、使用のたびに、蓋体を開けることで、ウェットティッシュに含浸された水分、アルコール分等が取出口から蒸散することとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平08−104377号公報
【特許文献2】特開2007−217054号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述の実情に鑑みてなされたものであり、ウェットティッシュを1枚ずつ引き出し切り離せるようにするための係合孔へのウェットティッシュの取り付けを容易にするとともに、ウェットティッシュに含浸された水分、アルコール分等の蒸散を防止することができる収納容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した目的を達成するために本発明に係る収納容器は、シート体の長手方向に所定の間隔でミシン目が形成されたウェットティッシュのロール体を収納する容器本体と、上記容器本体に形成された上記ウェットティッシュを取り出す取出口を有する取出部と、上記取出部を開閉する蓋体とを備える。そして、上記取出部は、上記取出口を開閉する開閉蓋を有し、該開閉蓋により該取出口を閉塞したときに、上記ウェットティッシュと係合し該ウェットティッシュを1枚ずつ引き出す係合孔が設けられる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、使用開始時等にウェットティッシュを係合孔に簡便な操作によりセットすることができるので、使用開始時等の煩雑な作業がない。
【0011】
また、取出口が開放された状態になく、容器本体の密閉性を保つことができ、収納されるウェットティッシュに含浸された水分、アルコール分等の蒸散を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明を適用した収納容器の全体斜視図である。
【図2】(A)は、取出部の上蓋表面側からの斜視図であり、(B)は、取出部の開閉蓋が開き、取出口を開放した状態を示した斜視図である。
【図3】第2の実施の形態として示す取出部を示した図であり、(A)は、取出部の要部斜視図であり、(B)は、取出口を閉塞する過程の状態を示した断面図であり、(C)は、取出口を閉塞した状態を示した断面図である。
【図4】(A)は、第3の実施の形態として示す取出部の取出口を閉塞した状態を示した斜視図であり、(B)は、取出部の取出口を開放した状態を示した斜視図である。
【図5】第3の実施の形態の中蓋の変形例を示した斜視図である。
【図6A】第4の実施の形態として示す取出部の開放状態における上部斜視図である。
【図6B】第4の実施の形態として示す取出部の開放状態における下部斜視図である。
【図6C】第4の実施の形態として示す取出部の閉塞状態における上部斜視図である。
【図7A】第5の実施の形態として示す取出部の開放状態における斜視図であり、開閉蓋を取出口の上方に位置させたときの斜視図である。
【図7B】第5の実施の形態として示す取出部の開放状態における斜視図であり、開閉蓋を取出口の下方に位置させたときの斜視図である。
【図8】第5の実施の形態における変形例を示す図であり、(A)は、開閉蓋により取出口を閉塞させた状態を示す斜視図であり、(B)は、開閉蓋により取出口を開放させた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を適用した収納容器1について、図面を参照して詳細に説明をする。
【0014】
1.全体構成
本発明の収納容器1は、図1に示すように、全体が略円筒形状であり、シート体の長手方向に1回の使用分に対応した間隔でミシン目110が形成されたウェットティッシュ100のロール体105を収納する。ここで、収納容器1に収納されるウェットティッシュ100のロール体105は、紙や不織布等の基布に使用目的に応じて、水、アルコール、除菌剤、防腐剤及び香料等の液体を含浸させたものであり、ウェットティッシュ100の長手方向に1回の使用分に対応した間隔でミシン目110が形成されている。
【0015】
また、収納容器1は、ウェットティッシュ100のロール体105を収納する容器本体4を有する。この容器本体4は、ウェットティッシュ100のロール体105が収納されるケース2と、このケース2の上面に取り付けられる上蓋3とからなる。容器本体4のケース2は、上面に開口部2aを有する略円筒形状であり、ロール体105が収納できる高さに形成されている。容器本体4の上蓋3は、ケース2の開口部2aを閉塞する蓋であり、例えば、ケース2に螺着される。
【0016】
上蓋3は、その上面3aの略中央にウェットティッシュ100を取り出す取出部5と、この取出部5を開閉するように上蓋3の上面に回動可能に設けられた蓋体6とを備えている。取出部5の詳細については、後述する。
【0017】
このような構成を備える収納容器1は、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)等の熱可塑性樹脂を用いて射出成形等により成型される。
【0018】
なお、収納容器1は、全体が略円筒形状に限定されるものではなく、円柱形状、箱形状等に設けてもよい。
【0019】
容器本体4のケース2の開口部2aに取り付けられる上蓋3には、上蓋3の上面の略中央に、蓋体6が収納される凹部7が形成されている。凹部7は、略円形形状であり、凹部7の略中央に第1の環状壁部8が立ち上がり形成されている。第1の環状壁部8には、第1の環状壁部8の内側に、ウェットティッシュ100を取り出す取出部5が形成されている。
【0020】
取出部5を開閉する蓋体6は、図1に示すように、薄板形状であり、上蓋3の上面に回動支持部9により回動可能に設けられている。回動支持部9は、熱可塑性樹脂を用いて射出成形等により上蓋3と一連一体に成型し、直線的に薄肉に形成されている。
【0021】
なお、回動支持部9は、上蓋3と一連一体に成型するものに限定されるものでなく、回動軸を用いて回動可能に支持するように設けてもよい。
【0022】
取出部5を開閉する蓋体6は、閉塞したとき、図示はしないが、凹部7との間に間隙部を有して収納される。蓋体6には、自由端側に指掛部6aが形成されている。蓋体6が取出部5を閉塞するとき指掛部6aが臨む上蓋3の上面には、指掛用凹部11が形成されている。指掛部6aが臨む指掛用凹部11は、指掛部6aを間隙部を有して収納できるような幅で上蓋3の回動支持部9の自由端側の外周壁と凹部7とを連結させ、蓋体6の指掛部6aの裏面と指掛用凹部11との間に指を引っ掛けて蓋体6を回動させて取出部5を開放できるような深さに形成されている。
【0023】
また、蓋体6が取出部5を閉塞するとき蓋体6の回動支持部9が臨む上蓋3の上面には、回動支持部用凹部12が形成されている。回動支持部9が臨む回動支持部用凹部12は、回動支持部9を間隙部を有して収納できるような幅で上蓋3の回動支持部9側の外周壁と凹部7とを連結させ、蓋体6の回動支持部9が上蓋3の上面からはみ出さないような深さに形成されている。
【0024】
また、蓋体6には、取出部5に臨む裏面に第2の環状壁部13が立ち上がり形成されている。第2の環状壁部13は、蓋体6が取出部5を閉塞したとき、収納容器1の取出部5の周囲に形成された第1の環状壁部8の外周面と嵌合する。これにより、蓋体6が取出部5を閉塞したときは、収納容器1の第1の環状壁部8の外周面と蓋体6の第2の環状壁部13の内周面とで嵌合し、密閉することができ、収納容器1に収納するウェットティッシュ100に含侵された液体が揮発するのを防ぐことができる。
【0025】
2.取出部
続いて、第1の環状壁部8の内側に設けられる取出部5の第1の実施の形態について説明をする。取出部5は、上蓋3の上面3aの略中央に設けられている。取出部5は、図2(A)、図2(B)に示すように、ウェットティッシュ100を使用開始時等に挿通することができる取出口21を有し、この取出口21を開閉する開閉蓋22とからなる。開閉蓋22には、取出口21を閉塞したときに、ウェットティッシュ100と係合しウェットティッシュ100を1枚ずつ引き出すことができる係合孔23が設けられている。取出部5は、開閉蓋22を回動させ、取出口21を開放した状態とすることで、容器本体4内のウェットティッシュ100を容易に挿通し、容器本体4内部から外部に臨ませることができる。また、取出部5は、開閉蓋22を回動させ、取出口21を閉塞した状態とすることで、ウェットティッシュ100が係合孔23と係合する。
【0026】
取出部5の取出口21は、図2(A)に示すように、略台形状であり、ウェットティッシュ100を通すことができる大きさである。この取出口21は、例えば親指と人指し指の指先を通すことができる程度の大きさであり、上蓋3の上面3a裏面側にあるウェットティッシュ100を摘むことができる大きさに形成されている。なお、取出口21の大きさは、上述に限らず、さらに大きいものとしてもよい。
【0027】
取出部5の開閉蓋22は、取出口21と略同一の台形状からなり、取出口21を閉塞する大きさに形成されている。開閉蓋22は、一辺22aの略中央に係合孔23を構成する切欠部23aが形成されている。切欠部23aは、略半円状であり、対向する上蓋3に形成される略半円状の切欠部23bとで、係合孔23を構成する。そして、開閉蓋22は、一辺22aと略平行な辺22bが、上蓋3と連結されており、開閉蓋22の回動支持部となる。また、開閉蓋22は、一辺22aに沿って、容器本体4の内面側に段部22cが形成されている。この段部22cは、接着剤が塗布されており、上蓋3の対応する位置に形成された段部3bと接着する。段部22cに塗布される接着剤は、開閉蓋22を接着及び再剥離可能なものである。開閉蓋22は、回動支持部となる辺22bを中心に上蓋3の上面3a表面側に回動する。開閉蓋22は、段部22cを有することから、上面3a裏面側への回動が規制される。
【0028】
係合孔23は、第1の環状壁部8の内側の略中央に設けられる。また、係合孔23は、開閉蓋22の切欠部23aと、上蓋3の切欠部23bとからなり、全体が略円形となる。この係合孔23は、ウェットティッシュ100が挿通される孔である。係合孔23は、挿通されるウェットティッシュ100と当該係合孔23を構成する周壁とが摩擦係合する。そして、係合孔23では、この摩擦係合に抗って、さらにウェットティッシュ100を引き出すことで、ウェットティッシュ100とミシン目110を介して隣接した後段にあるウェットティッシュ100をミシン目110の位置で切り離す。
【0029】
なお、開閉蓋22は、上述のように、段部22cを設け、接着剤を塗布することに限らず、取出口21を閉塞した状態を維持することができるものであれば、いかなるものであってもよい。
【0030】
また、係合孔23の周面には、挿通されるウェットティッシュ100との係合を最適なものとするために、可撓性を有するシリコンゴムを接着するようにしてもよい。
【0031】
また、開閉蓋22は、上蓋3の上面3a表面側に回動することについて述べたが、これに限らず、上面3a裏面側、すなわち容器本体4内面側に回動するようにしてもよい。この場合、開閉蓋22の回動が段部3bにより規制されることから、ウェットティッシュ100を引き出したときに、開閉蓋22が開くことがない。
【0032】
このように構成される収納容器1は、取出部5の開閉蓋22を、取出口21を開放状態とする位置と、取出口21を閉塞状態とする位置とに亘って回動させることができる。すなわち、取出部5は、開閉蓋22を取出口21が開放状態となる位置に回動させることで、ウェットティッシュ100を容易に挿通することができる。そして、取出部5は、開閉蓋22を取出口21が閉塞された状態となる位置に回動させることで、ウェットティッシュ100を係合孔23に挿通された状態とすることができる。したがって、収納容器1では、取出口21を開放することができ、ウェットティッシュ100を容器本体4内部から外部に臨ませるという挿通作業を行うことができる。さらに、収納容器1では、簡便な操作により、取出口21を閉塞することができるので、ウェットティッシュ100に含浸された水分、アルコール分等の蒸散を防ぐことができる。また、収納容器1では、取出口21を閉塞するように操作することのみで、従来のようにウェットティッシュ100を係合孔23に挿通した状態とすることができる。
【0033】
3.ウェットティッシュの係合孔へのセット
次に、以上のように構成された収納容器1においてウェットティッシュ100を係合孔23に挿通した状態とする方法について説明をする。
【0034】
収納容器1では、まず前提として、容器本体4内のウェットティッシュ100が取出部5から外部に臨まされておらず、容器本体4内にあるものとする。
【0035】
ユーザは、まず、取出部5の開閉蓋22を回動操作して取出口21を開放した状態にする。具体的には、係合孔23から開閉蓋22に指を掛け、持ち上げることで開閉蓋22を回動させることができる。
【0036】
そして、ユーザは、開放された取出口21から手指を入れ、内部、すなわち容器本体4内にあるウェットティッシュ100の端部を掴み、取出口21に通す。このとき、取出口21は、十分な大きさを有するので、容易に通すことができる。
【0037】
次に、ユーザは、ウェットティッシュ100が取出口21に挿通された状態で、開閉蓋22を、取出口21が閉塞状態となるように回動させる。この開閉蓋22の回動に伴い、挿通された状態のウェットティッシュ100は、係合孔23に係合される。また、開閉蓋22は、段部22cと段部3bとが接着剤により接着されることとなり、閉塞状態を維持することができる。
【0038】
このようにして、収納容器1では、簡便な操作によりウェットティッシュ100を係合孔23に係合された状態とすることができる。また、収納容器1では、ウェットティッシュ100を取出部5に挿通するときにのみ、取出口21を開放状態とし、それ以外の通常使用時には、当該取出口21が閉塞状態にあることから、ウェットティッシュ100に含浸された水分、アルコール分等の蒸散を防止することができる。
【0039】
4.変形例
続いて、収納容器1の取出部5の他の実施の形態について説明をする。なお、以下においては、第1の実施の形態の収納容器1と同一の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0040】
4−1 第2の実施の形態
第2の実施の形態として示す収納容器1の取出部30は、図3(A)乃至図3(C)に示すように、開閉蓋22に段部22cを設ける代わりに、一辺22aと対向する位置にある上蓋3を挟持する一対のゴム片31が設けられている。一対のゴム片31は、一辺22aから突出するように、開閉蓋22の両主面に設けられ、可撓性を有するゴム材料から形成されている。一対のゴム片31は、先端にかけて厚みが小さくなるように形成されている。取出部30は、図3(B)に示すように、ゴム片31を撓ませて上蓋3を挟持することで、開閉蓋22を、図3(C)に示すように、取出口21を閉塞した状態に維持することができる。
【0041】
このような取出部30でも、取出部5と同様に、簡便な操作によりウェットティッシュ100を係合孔23に係合された状態とすることができる。また、取出部30を有する収納容器では、ウェットティッシュ100を取出部30に挿通するときにのみ、取出口21を開放状態とし、それ以外の通常使用時には、当該取出口21が閉塞状態にあることから、ウェットティッシュ100に含浸された水分、アルコール分等の蒸散を防止することができる。
【0042】
4−2 第3の実施の形態
第3の実施の形態として示す収納容器1の取出部40は、図4(A)、図4(B)に示すように、取出部5の開閉蓋22のように、回動支持部22bを介して上蓋3と連結されるものではなく、取出口21を開閉する別体の中蓋41を有する。
【0043】
取出部40の取出口21は、図4(A)に示すように、略円形状であり、ウェットティッシュ100を通すことができる大きさである。
【0044】
取出部40の中蓋41は、主面が取出口21よりやや大きい薄板からなり、取出口21を閉塞できる大きさに形成されている。中蓋41は、図4(B)に示すように、外周が取出口21と略同一の立壁部42が形成されている。さらに、中蓋41は、上面に、当該中蓋41を取り付け及び取り外しをするための把持部41aが設けられている。また、中蓋41は、取出口21との密閉性を保つために、立壁部42にゴムパッキン41bが設けられている。
【0045】
取出部40では、取出口21と係合孔23とが連結されている。これにより、取出口21に挿通したウェットティッシュ100を係合孔23に係合させることができる。さらに、取出部40は、係合孔23と連続した複数のスリット43が設けられている。このスリット43は、係合孔23近傍が弾性係合片となり、ウェットティッシュ100が係合する。
【0046】
なお、このスリット43は、係合孔23によりウェットティッシュ100を係合することができるものであれば、必ずしも設ける必要はない。
【0047】
また、中蓋41は、上述のような円板状なものに限定されるものではない。例えば、第3の実施の形態の取出部40の変形例として示す取出部50は、図5(A)、図5(B)に示すように、取出口21を略矩形とし、中蓋51も、この取出口21の形状に合わせて、略矩形となっている。
【0048】
取出部50の中蓋51は、主面が取出口21よりやや大きい薄板からなり、取出口21を閉塞できる大きさに形成されている。中蓋51は、中蓋41の立壁部42の代わりに、取出口21の両短辺21aと係合する係合片52が設けられている。さらに、中蓋51は、上面に、当該中蓋51を取り付け及び取り外しをするための把持部51aが設けられている。また、中蓋51は、取出口21との密閉性を保つために、ゴムパッキン51bが設けられている。
【0049】
さらに、中蓋41は、略円形の取出口21に係合するゴム製の球状体であってもよい。中蓋41の代わりのゴム製の球状体では、円形の取出口21へ嵌め込むようにして係合することができ、取出口21の閉塞を高い密閉性を維持して行うことができる。
【0050】
なお、取出部40、50では、別体の中蓋41、51を紐等により、上蓋3と連結するようにしてもよい。
【0051】
このような構成を有する取出部40、50は、中蓋41、51を取り外すことで、取出口21を開放した状態とすることができる。そして、この開放された取出口21から容器本体4内部のウェットティッシュ100を引き出すことができる。そして、引き出したウェットティッシュ100を取出口21と連続して形成された係合孔23に係合させた状態で、中蓋41、51により取出口21を閉塞することで、係合孔23へのウェットティッシュ100のセットを行うことができる。
【0052】
したがって、取出部40、50でも、取出部5と同様に、簡便な操作によりウェットティッシュ100を係合孔23に係合された状態とすることができる。また、取出部40、50を有する収納容器では、ウェットティッシュ100を取出部40、50に挿通するときにのみ、取出口21を開放状態とし、それ以外の通常使用時には、当該取出口21が閉塞状態にあることから、ウェットティッシュ100に含浸された水分、アルコール分等の蒸散を防止することができる。
【0053】
4−3 第4の実施の形態
第4の実施の形態として示す収納容器1の取出部60は、図6A、図6B、図6Cに示すように、取出部5の開閉蓋22のように、上蓋3の上面3a上の回動支持部22bを介して回動するものではなく、上蓋3の下面3cに設けられた係合片62に係合した中蓋61を有する。なお、図6A乃至図6Cでは、便宜上、容器本体4の上蓋3や取出部60を開閉する蓋体6等も表示する。
【0054】
取出部60の取出口21は、図6Aに示すように、略円形状であり、ウェットティッシュ100を通すことができる大きさである。
【0055】
取出部60の中蓋61は、主面が取出口21の開口部21aよりやや大きい略円形状の薄板からなり、取出口21を閉塞できる大きさに形成されている。中蓋61は、図6Bに示すように、上蓋3の下面3cに設けられた係合片62に中蓋61の回転係合部63が係合して、下面3cと連結している。この中蓋61は、係合片62に係合した回転係合部63を介して回動し、取出口21を開閉する。したがって、取出口21の閉塞状態では、図6Cに示すように、中蓋61の外縁部が上蓋3の下面3cに接した状態となる。なお、中蓋61は、回転係合部63と下面3cに設けられた係合片62とを介して、取出部60と一体に形成されていてもよい。
【0056】
中蓋61には、その略中央部に係合孔64が設けられ、また係合孔64と連続した複数のスリット65が設けられている。このスリット65では、係合孔64近傍が弾性係合片となり、ウェットティッシュ100が係合する。また、この複数のスリット65のうち、例えば中蓋61の回転係合部63に最も対向する側のスリット65aには、ウェットティッシュ100を係合孔64に誘導するための誘導スリット65bが設けられている。なお、スリット65は、係合孔64によりウェットティッシュ100を係合することができるものであれば、必ずしも複数設ける必要はない。
【0057】
また、中蓋61には、その中蓋上面61a上に、取出口21の開口部21aの一部の形状と同じ形状の立壁部66が複数設けられている。例えば、図6Aに示すように、略円形状の取出口21の開口部21aの一部の形状、すなわち円周状の一部の形状と同じ形状の立壁部66が複数設けられている。この立壁部66は、図6Cに示すように、中蓋61により取出口21が閉塞状態となったとき、取出口21の開口部21aに嵌合して止まるようになっている。これにより、中蓋61による取出口21の閉塞状態が維持される。
【0058】
このような構成を有する取出部60では、取出口21から中蓋61を下部に押し込むことにより、回転係合部63を介して中蓋61が回動されて取出口21を開放した状態とすることができる。そして、この開放された取出口21から容器本体4内部のウェットティッシュ100を容易に引き出すことができる。そして、引き出したウェットティッシュ100を誘導スリット65aに貫通させて係合孔64まで誘導し、ウェットティッシュ100を係合孔64に係合させた状態で、中蓋61により取出口21を閉塞する。このとき、取出口21の閉塞は、係合孔64に係合させたウェットティッシュ100を取出口21から引っ張ることにより、回転係合部63を介して中蓋61を回動させて行う。つまり、ウェットティッシュ100を取出口21から上部に持ち上げることにより、ウェットティッシュ100が係合した中蓋61が回転係合部63を介して閉塞状態となる方向に回動されるようになり、取出口21が閉塞する。これにより、係合孔64へのウェットティッシュ100のセットを行うことができる。
【0059】
したがって、取出部60でも、取出部5と同様に、簡便な操作によりウェットティッシュ100を係合孔64に係合された状態とすることができる。また、取出部60を有する収納容器では、ウェットティッシュ100を取出部60に挿通するときにのみ、取出口21を開放状態とし、それ以外の通常使用時には取出口21が閉塞状態にあることから、ウェットティッシュ100に含浸された水分やアルコール分等の蒸散を防止することができる。特に、この取出部60では、通常使用時に、係合孔64に係合したウェットティッシュ100を取り出す引っ張り力が加わる度に、中蓋61が上蓋3の下面3cに接するように移動して閉塞状態が強固になることから、より効果的に水分やアルコール分等の蒸散を防止することができる。
【0060】
また、通常使用時にウェットティッシュ100を取り出す引っ張り力が中蓋61を介して取出口21に加わるとともに、中蓋上面61aに設けられた立壁部66が取出口21の開口部21aに嵌合するため、より強固な閉塞状態を保ちながら、ウェットティッシュ100を収納することができる。
【0061】
4−4 第5の実施の形態
第5の実施の形態として示す収納容器1の取出部70は、図7A、図7Bに示すように、上述の第4の実施の形態における取出部60のように上蓋3の下面3cに設けられた係合片62に係合した中蓋61を有するというものではなく、上蓋3の上面3aと一体に形成された開閉蓋71を有する。
【0062】
取出部70の取出口21は、図7Aに示すように、略円形状であり、ウェットティッシュ100を通すことができる大きさである。取出部70の開閉蓋71は、その取出口21と同様に略円形状であり、また略同じ大きさ又はそれよりやや小さい大きさに形成され、取出口21を閉塞できるようになっている。そして、取出部70の開閉蓋71は、上述のように上蓋3の上面3aと一体に形成されており、回動支持部71aを介して、図7Aに示すように取出口21の上部方向に開閉移動可能であるとともに、図7Bに示すように取出口21の下部方向にも開閉移動可能となっている。
【0063】
開閉蓋71には、その略中央部に係合孔72が設けられ、またその係合孔72と連続した複数のスリット73が設けられている。このスリット73では、係合孔72近傍が弾性係合片となり、ウェットティッシュ100が係合する。また、この複数のスリット73のうち、例えば開閉蓋71の回動支持部71aに最も対向する側のスリット73aには、ウェットティッシュ100を係合孔に誘導するための誘導スリット73bが設けられている。なお、スリット73は、係合孔72によりウェットティッシュ100を係合することができるものであれば、必ずしも複数設ける必要はない。
【0064】
なお、図示しないが、取出部70には、開閉蓋71によって取出口21を閉塞した状態に維持する構成を備えるようにすることができる。取出口21を閉塞した状態に維持する構成としては、特に限定されず、ウェットティッシュ100を引き出したときに、開閉蓋71による取出口21の閉塞状態を維持できるものであれば如何なる構成であってもよい。
【0065】
具体的には、例えば、開閉蓋71における回動支持部71aに対向する側に、上蓋3を挟持する一対のゴム片等を設け、上述した図3(A)乃至図3(C)に示す取出部30と同様にして、取出部70においても取出口21が閉塞した状態を維持できるようにしてもよい。より具体的には、開閉蓋71の両主面に、開閉蓋71の縁71bから突出するようにして、可撓性を有し先端にかけて厚みが小さくなるような一対のゴム片を設けるようにする。このような構成によれば、そのゴム片を撓ませて上蓋3を挟持することで、ウェットティッシュ100を引き出すときでも、開閉蓋71を取出口21が閉塞した状態に維持することができる。
【0066】
また、その他の構成として、例えば、上蓋3の開閉蓋71を取出口21が閉塞した状態のときに、開閉蓋71の縁71bが上蓋3と嵌合するように、上蓋3の対応する位置に凹部を設けるようにして、取出口21の閉塞状態を維持するようにしてもよい。
【0067】
以上のような構成を有する取出部70では、開閉蓋71を回動支持部71aを介して開閉し、上蓋3の水平面に対して上方や下方に移動させることによって、取出口21を開放した状態とすることができる。そして、この開放された取出口21から容器本体4内部のウェットティッシュ100を容易に引き出すことができる。そして、引き出したウェットティッシュ100を誘導スリット73aに貫通させて係合孔72まで誘導し、ウェットティッシュ100を係合孔72に係合させた状態で、開閉蓋71により取出口21を閉塞する。
【0068】
特に、取出部70では、上蓋3の上面3aと一体に形成された開閉蓋71が回動支持部71aを介して、上蓋3の上部及び下部の両方向に移動させることができるので、ウェットティッシュ100を係合孔72にセットする利便性を高めることができる。具体的には、例えば、使用開始時にウェットティッシュ100をセットする場合には、開閉蓋71を上蓋3の水平面に対して上部方向に移動させることによって容易にウェットティッシュ100を係合孔72にセットすることができる。また、例えば、使用中にウェットティッシュ100が途中で切れてしまった時には、上蓋3を容器本体4から取り外す等の操作をしなくても、開閉蓋71を上蓋3の水平面に対して下部方向に押圧して移動させることにより、取出口21から使用者の指を入れて切れてしまったウェットティッシュ100を容器本体4から引き出し、誘導スリット73bを介して係合孔72に係合させることによって容易にウェットティッシュ100をセットすることができる。
【0069】
したがって、取出部70でも、取出部5と同様に、簡便な操作によりウェットティッシュ100を係合孔72に係合された状態とすることができる。また、取出部70を有する収納容器においても、ウェットティッシュ100を取出部70に挿通するときにのみ、取出口21を開放状態とし、それ以外の通常使用時には取出口21が閉塞状態にあることから、ウェットティッシュ100に含浸された水分やアルコール分等の蒸散を防止することができる。
【0070】
なお、上述した第5の実施の形態においては、図7A及び図7Bに示したように収納容器本体4の取出部70を開閉する蓋体6を上蓋30の上面3aに設ける場合について説明したが、蓋体6の設置位置はこれに限られるものではない。
【0071】
例えば、図8(A)及び図8(B)に示すように、上述の第5の実施の形態における取出部70のように上蓋3の上面3aと一体に形成されて取出口21を開閉する開閉蓋71を有するとともに、その開閉蓋71の上面71aに、収納容器本体4の取出部80を開閉する蓋体90を設けるようにしてもよい。すなわち、上述した実施の形態のように収納容器本体4を開閉する蓋体3が、上蓋3の上面3aに設けられているのではなく、取出口21を開閉する開閉蓋71の上面71aに一体に上蓋90を形成してもよい。なお、図8(B)においては、取出口21を開閉する開閉蓋71が、回動支持部71aを介して取出口21の下部方向に開閉移動可能となる形態について示しているが、上部方向に開閉移動可能なようにしてもよい。
【0072】
なお、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0073】
1 収納容器、2 ケース、2a 開口部、3 上蓋、3a 上面、3b 段部、3c 下面、4 容器本体、5,30,40,50,60,70 取出部、6,90 蓋体、6a 指掛部、7 凹部、8 第1の環状壁部、9 回動支持部、11 指掛用凹部、12 回動支持部用凹部、13 第2の環状壁部、21 取出口、21a 開口部、22 開閉蓋、22a 一辺、22c 段部、23 係合孔、23a,23b 切欠部、31 ゴム片、41,51,61 中蓋、41a,51a 把持部、41b,51b ゴムパッキン、42,66 立壁部、43,65,65a,73,73a スリット、52,62 係合片、61a 中蓋上面、63 回転係合部、64,72 係合孔、65b,73b 誘導スリット、71 開閉蓋、71a 回動支持部、71b 縁、71c 段部、100 ウェットティッシュ、105 ロール体、110 ミシン目
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート体の長手方向に所定の間隔でミシン目が形成されたウェットティッシュのロール体を収納する容器本体と、
上記容器本体に形成された上記ウェットティッシュを取り出す取出口を有する取出部と、
上記取出部を開閉する蓋体とを備え、
上記取出部は、上記取出口を開閉する開閉蓋を有し、該開閉蓋により該取出口を閉塞したときに、上記ウェットティッシュと係合し該ウェットティッシュを1枚ずつ引き出す係合孔が設けられる収納容器。
【請求項2】
上記取出部は、上記開閉蓋が上記容器本体と回動支持部を介して一体に形成され、該開閉蓋には、上記取出口を閉塞したときに上記係合孔となる切り欠きが形成されている請求項1記載の収納容器。
【請求項3】
上記開閉蓋は、上記取出口を閉塞したときに上記容器本体と接着し、該取出口を閉塞した状態を維持する請求項2記載の収納容器。
【請求項4】
上記開閉蓋は、上記取出口から取り外しが可能な中蓋からなる請求項1記載の収納容器。
【請求項1】
シート体の長手方向に所定の間隔でミシン目が形成されたウェットティッシュのロール体を収納する容器本体と、
上記容器本体に形成された上記ウェットティッシュを取り出す取出口を有する取出部と、
上記取出部を開閉する蓋体とを備え、
上記取出部は、上記取出口を開閉する開閉蓋を有し、該開閉蓋により該取出口を閉塞したときに、上記ウェットティッシュと係合し該ウェットティッシュを1枚ずつ引き出す係合孔が設けられる収納容器。
【請求項2】
上記取出部は、上記開閉蓋が上記容器本体と回動支持部を介して一体に形成され、該開閉蓋には、上記取出口を閉塞したときに上記係合孔となる切り欠きが形成されている請求項1記載の収納容器。
【請求項3】
上記開閉蓋は、上記取出口を閉塞したときに上記容器本体と接着し、該取出口を閉塞した状態を維持する請求項2記載の収納容器。
【請求項4】
上記開閉蓋は、上記取出口から取り外しが可能な中蓋からなる請求項1記載の収納容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【公開番号】特開2012−66873(P2012−66873A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−254097(P2010−254097)
【出願日】平成22年11月12日(2010.11.12)
【出願人】(399111462)フクヨー興産株式会社 (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月12日(2010.11.12)
【出願人】(399111462)フクヨー興産株式会社 (5)
【Fターム(参考)】
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