説明

収納庫

【課題】 力加減が狂って引き出しが大きな力で前方に引き出された際において、引き出しがストッパーに当たって発生する衝撃音を低減する。
【解決手段】 収納庫本体1と、収納庫本体1に前後動自在に設けられた引き出し3とを有する収納庫において、前記収納庫本体1の、引き出し3に臨む前部にダンパ7が設けられ、ダンパ7は、固定の取付基部8と、取付基部8に前後動自在に設けられると共に取付基部8から後方に突出するように付勢されているロッド9とを有しており、引き出し3の後部に、ダンパ7のロッド9に対向していて引き出し3が前方に引き出された際ロッド9に当接するようになされている当接片13を有する当接部材11が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は収納庫に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の収納庫(家具等)として、力加減が狂って引き出しが勢いよく押し込まれた際において、引き出しの押し込まれる力を吸収するようにするためのダンパが設けられたものが知られている。
【特許文献1】特開2002−286,076号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記従来の収納庫は、力加減が狂って引き出しが勢いよく引き出された際において、引き出しがストッパー(引き出しの、収納庫本体からの脱落を防止するもの)に当たって発生する衝撃音を低減することは出来ないという欠点があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は前記欠点を解消するために以下の如き手段を採用した。
(1)請求項1の発明は、収納庫本体と、収納庫本体に前後動自在に設けられた引き出しとを有する収納庫において、前記収納庫本体の、引き出しに臨む前部にダンパが設けられ、ダンパは、固定の取付基部と、取付基部に前後動自在に設けられると共に取付基部から後方に突出するように付勢されているロッドとを有しており、引き出しの後部に、ダンパのロッドに対向していて引き出しが前方に引き出された際ロッドに当接するようになされている当接片を有する当接部材が設けられているものである。
(2)請求項2の発明は、収納庫本体と、収納庫本体に前後動自在に設けられた引き出しとを有する収納庫において、前記引き出しの後部にダンパが設けられ、ダンパは、固定の取付基部と、取付基部に前後動自在に設けられると共に取付基部から前方に突出するように付勢されているロッドとを有しており、収納庫本体の、引き出しに臨む前部に、ダンパのロッドに対向していて引き出しが前方に引き出された際ロッドに当接するようになされている当接片を有する当接部材が設けられているものである。
(3)請求項3の発明は、前記引き出しが収納庫本体から脱落しない範囲で収納庫本体に対して最も前に位置した際、当接片によりロッドが最も退入させられた状態となるようになされている請求項1又は2記載のものである。
【発明の効果】
【0005】
本発明は前記した如き構成によって以下の如き効果を奏する。
(1)請求項1及び2の発明によれば、力加減が狂って、引き出しが大きな力で前方に引き出された際において、ダンパが引き出しに加わった力を吸収するので、引き出しがストッパー(引き出しの、収納庫本体からの脱落を防止するもの)に当たって発生する衝撃音を低減又はほぼ無くすことが出来る。また、前記ストッパーを有しない収納庫にあっては、当接片とダンパのロッドとの当接によって引き出しの、収納庫本体からの脱落を防止することが出来る。
(2)請求項3の発明によれば、引き出しが収納庫本体から脱落しない範囲で収納庫本体に対して最も前に位置した際、当接片によりロッドが最も退入させられた状態となるようになされているので、引き出しを可能な範囲で前に出すことが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下に本発明の実施の形態を説明する。
なお、この説明において、前とは図1左側を、後とは同図右側をいい、左とは図1紙面裏側を、右とは同表側をいう。
【0007】
図1〜図3に示すごとく、流し台、システムキッチン等の収納庫本体1(図面では要部のみが示されている)に引き出し収納空間2が形成されている。この引き出し収納空間2に引き出し3が周知のガイド機構4を介して前後動自在に設けられている。前記周知のガイド機構4には、引き出し3の、収納庫本体1からの脱落を防止する周知のストッパー(図示略)が設けられている。図4にはそのストッパーにより停止した状態の引き出し3が示されている。即ち、図4には引き出し3が収納庫本体1から脱落しない範囲で収納庫本体1に対して最も前に位置した状態が示されている。
【0008】
前記引き出し収納空間2に臨む、左右の側板1aの前部に周知のダンパ7が設けられている。このダンパ7は、側板1aに固定された取付基部8と、取付基部8に前後動自在に設けられると共に取付基部8から後方に突出するように付勢されているロッド9とを有している。
【0009】
前記引き出し3の後部の左右部に当接部材11が設けられている。当接部材11は、引き出し3の後部に設けられた取付基部12と、取付基部12に、引き出し3の後方に位置するようにして設けられた当接片13とを有している。当接片13はロッド9に対向するようになされている。そして、引き出し3が前方に引き出された状態となると、当接片13がダンパ7のロッド9に当接するようになされている。このような構成により、力加減が狂って、引き出し3が大きな力で前方に引き出された際において、ダンパ7が、引き出し3に加わった力を吸収するので、引き出し3がストッパー(図示略)に当たって発生する衝撃音を低減又はほぼ無くすことが出来る。なお、引き出し3が収納庫本体1から脱落しない範囲で収納庫本体1に対して最も前に位置した際(図4の状態において)、当接片13によりロッド9が最も退入させられた状態となるようになされている。
【0010】
以下に変形例等について説明を加える。
(1)ダンパ7としては、任意の公知のダンパを使用することが出来る。
(2)引き出し3の形状等は任意である。
(3)引き出しの後部にダンパをロッドが前方を向くようにして設けると共に、収納庫本体の、引き出しに臨む前部に、ダンパのロッドに対向していて引き出しが前方に引き出された際ロッドに当接するようになされている当接片を有する当接部材を設けるように構成してもよい。このような場合においても、引き出しが収納庫本体から脱落しない範囲で収納庫本体に対して最も前に位置した状態において、当接片によりロッドが最も退入させられた状態となるようになされている。
(4)本願の収納庫において、引き出しの抜け止めとしてのストッパーはない場合もある。
(5)ダンパ7及び当接部材11は、1組あればよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態を示す縦断面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】図1のIII−III線断面図である。
【図4】引き出しを引き出した状態を示す要部縦断面図である。
【符号の説明】
【0012】
1 収納庫本体
2 引き出し収納空間
3 引き出し
7 ダンパ
8 取付基部
9 ロッド
11 当接部材
12 取付部材
13 当接片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納庫本体と、収納庫本体に前後動自在に設けられた引き出しとを有する収納庫において、前記収納庫本体の、引き出しに臨む前部にダンパが設けられ、ダンパは、固定の取付基部と、取付基部に前後動自在に設けられると共に取付基部から後方に突出するように付勢されているロッドとを有しており、引き出しの後部に、ダンパのロッドに対向していて引き出しが前方に引き出された際ロッドに当接するようになされている当接片を有する当接部材が設けられている収納庫。
【請求項2】
収納庫本体と、収納庫本体に前後動自在に設けられた引き出しとを有する収納庫において、前記引き出しの後部にダンパが設けられ、ダンパは、固定の取付基部と、取付基部に前後動自在に設けられると共に取付基部から前方に突出するように付勢されているロッドとを有しており、収納庫本体の、引き出しに臨む前部に、ダンパのロッドに対向していて引き出しが前方に引き出された際ロッドに当接するようになされている当接片を有する当接部材が設けられている収納庫。
【請求項3】
前記引き出しが収納庫本体から脱落しない範囲で収納庫本体に対して最も前に位置した際、当接片によりロッドが最も退入させられた状態となるようになされている請求項1又は2記載の収納庫。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−167200(P2006−167200A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−364636(P2004−364636)
【出願日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(000000413)永大産業株式会社 (243)
【Fターム(参考)】