説明

収納扉

【課題】市販のアルミ枠等を使い、通常の製造とは異なる方法で収納扉を作製し、表面にアルミ枠の縁材や枠巾が見えず、且つアルミ底目地を施した意匠性の高い製品が通常の収納木製扉と比べ、軽量で反りの発生しにくい構造を容易に行うことが可能な収納扉を提供すること。
【解決手段】2枚以上の板状木材を貼り合せた木製パネルの外枠に、アルミニウム製の枠材を嵌め合わせてなる収納扉であって、前記2枚以上の板状木材の貼り合わせた部位に嵌合凹部を設け、前記アルミ枠に前記嵌合凹部に嵌合可能な嵌合凸部を有してなり、嵌め合わせた状態で表面からアルミ枠の殆どが見えなくなくように嵌合してなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は戸建て住宅、アパート、マンション及び非住宅等の建築物における室内に使用可能なアルミ枠を使った収納扉に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、室内で使用するアルミ枠を使った収納扉は単にアルミ枠の勘合溝に厚み3〜8mm程度の樹脂板や板硝子又は化粧パネルを差し込んだ形状が一般的である。
【0003】
しかし、これらの収納扉はアルミ枠の縁材や枠巾が表面から見えるため単色又は木目柄等の化粧パネルとして使う場合には、インテリアとしての意匠性が損なうと云う問題点があった。
【0004】
よって、アルミ縁を使った単色又は木目柄等の収納扉の形状は従来通り厚み18〜36mm程度の化粧パネルの左右木口又は四方木口面に、厚み1〜10mm程度のアルミ材やアルミ箔貼り押出成型品を縁材として貼り付けた形状が一般的である。
【0005】
しかし、これらの収納扉の場合には後々、品質クレームの要因である重量や反り等を解決するための問題点は残る。
【0006】
又、アルミ縁を使った単色又は木目柄等の収納扉の形状では、そのパネル表面に縦及び横方向の底目地を入れる場合には、単に凹型の押出成型品や底目地材を勘合させるのが一般的であり、その意匠性や勘合方法の加工性に問題点があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、市販のアルミ枠等を使い、通常の製造とは異なる方法で収納扉を作製し、表面にアルミ枠の縁材や枠巾が見えず、且つアルミ底目地を施した意匠性の高い製品が通常の収納木製扉と比べ、軽量で反りの発生しにくい構造を容易に行うことが可能な収納扉を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち本発明の請求項1記載の発明は、少なくとも2枚以上の板状木材を貼り合せた木製パネルの外枠に、アルミニウム製の枠材を嵌め合わせてなる収納扉であって、前記2枚以上の板状木材の貼り合わせた部位に嵌合凹部を設け、前記アルミ枠に前記嵌合凹部に嵌合可能な嵌合凸部を有してなり、嵌め合わせた状態で表面からアルミ枠の殆どが見えなくなくように嵌合してなることを特徴とする収納扉である。
【0009】
またその請求項2記載の発明は、前記表面側の板状木材が2枚以上の板状木材を隙間を介して配置してなり、前記隙間およびその両側の板状木材と、裏側の板状木材との間に、前記隙間を埋めるようにアルミニウム製の板状部材をそれが嵌合されるような嵌合部を設けた上で嵌合してなることを特徴とする収納扉である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の請求項1記載の発明により、アルミ枠の縁材厚や枠巾が表面から隠れて見えないようにした意匠性の高い、且つ軽量で反りの反りの発生しにくい構造の扉を製作することを特徴とした収納扉を提供することが可能となる。
【0011】
本発明の請求項2記載の発明により、単色又は木目柄等の化粧パネルを分割させることで、各パネル四方木口面の1方又は2方の溝にアルミ材等を差し込むことで、縦又は横底目地が施された意匠性の高い収納扉を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に本発明を図面に基づき詳細に説明する。図1に本発明の収納扉の一実施例の左側面図、正面の構造を示す。側面からは、アルミ枠1とそれに貼りついた表面の板状木材からなる木製パネル(表)2が見える。正面からは、アルミ枠1の縁材や枠巾は木製パネル(表)2に隠れて表面から殆ど見えない。
【0013】
正面には、略正方形の木製パネル(表)2が縦に並列して3つ設けられ、その間の2つの底目地からは底目地用アルミ板3が見える。木製パネル(表)2の設け方は特に限定するものではなく、縦方向でも設けても良いし、溝本数も特に限定されるものではない。また、木製パネル(表)2はその表面を適宜着色するか、あるいは単色や木目柄等の化粧シートを貼り合わせても良い。意匠性を高めるために木製パネル(表)2の側面や後述する木製パネル(裏)4と同様の色柄とすることが好適である。
【0014】
図2に図1に示した一実施例の縦、横の断面の構造を示す。板状木材からなる木製パネル(表)2の裏面に、板状木材からなる木製パネル(裏)4を貼り合わせてなり、上下左右の端面面からアルミ枠が嵌め込まれてなる。
【0015】
木製パネル(表)2の裏面の端部は、アルミ枠1の嵌合凸部を嵌め合わせ可能となるように厚みが薄くなることで段差が設けられ、その一部を木製パネル(裏)4との貼り合わせ部分と重ねることでアルミ枠1に設けられた嵌合凸部を嵌合可能な嵌合凹部を設けている。あるいは逆に、前記嵌合凹部は木製パネル(裏)4の表面側の厚みを薄くして均一な厚みの木製パネル(表)2と貼り合わせることで嵌合凹部を設けても良い。また、嵌合凸部と嵌合凹部の嵌合がしっかり行なわれるように、嵌合する部分のサイズに幅を設けた上でパッキング5などの弾力材を間に設けるようにしても良い。
【0016】
図2のC−C断面図に、図1で示した一実施例の底目地用アルミ板3を設けた箇所の断面の構造を示す。2枚の板状木材からなる木製パネル(表)2の裏面に、板状木材からなる木製パネル(裏)4を貼り合わせてなり、底目地用アルミ板3を嵌め込むための嵌合部が、底目地用アルミ板3を設けた隙間の木製パネル(表)2の裏面の端部の厚みを薄くして段差を設けることで設けられてなる。この場合、前記木製パネル(表)2の裏面の端部の厚みを薄くする構造を、前記アルミ枠1を嵌め込むのに必要な嵌合凹部を設けるために薄くした構造と同じ厚さと段差の幅と設計することで、木製パネル(表)2の設計を略正方形とすれば製造上も施工上も簡略なものとなり好適である。しかしながらとくにこれに限定されるものではなく、底目地用アルミ板3を嵌め込めるように木製パネル(裏)4を適宜薄くして設けても良い。
【0017】
図3に本発明の収納扉の組み立て工程の概略を示す。木製パネル(裏)4に、底目地用アルミ板3と必要な嵌合凹部を設けた複数の木製パネル(表)2とを貼り合わせ、その上下左右の四方より、端部を45度に切断して組み合わせてネジ止めにより嵌め合わせ可能なアルミ枠1を嵌め合わせる。アルミ枠の大きさは、嵌め合わせた状態で表面からアルミ枠の殆どが見えなくなくように設計する。このようにすることにより、完成品を見た人が、どのように製造したのか不思議に思う趣のある印象を与えることが可能となる。
【実施例1】
【0018】
アルミ枠1として、厚み2mmのアルミニウム製押出板材を加工して図1〜3に示すようにしたものを用いた。幅、厚みともに20mmとした。板状木材からなる木製パネル(表)2と木製パネル(裏)4として、それぞれ厚み4mmの合板の表面に厚み1mmの木目単色の印刷を施した化粧シートを貼り合わせた後加工して図1〜3に示すようにしたものを用いた。嵌合部の幅は2.5mmとし、塩化ビニル樹脂製のパッキングにより嵌合可能に設けた。
このようにして設けると、表面からは、木製パネル(表)2のみが見えるようになり、枠にわずかに1mm程度のアルミ枠1が見える程度となり、逆に側面からは、アルミ枠1が20mmに対して木製パネル(表)2は2.5mmほどが見える程度となった。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の収納扉の一実施例の左側面図、正面の外観を示す説明図である。
【図2】本発明の収納扉の一実施例の縦、横の断面の構造を示す説明図である。
【図3】本発明の収納扉の一実施例の組み立て工程の概略を示す説明図である。
【符号の説明】
【0020】
1…アルミ枠
2…木製パネル(表)
3…底目地用アルミ板
4…木製パネル(裏)
5…パッキング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2枚以上の板状木材を貼り合せた木製パネルの外枠に、アルミニウム製の枠材を嵌め合わせてなる収納扉であって、前記2枚以上の板状木材の貼り合わせた部位に嵌合凹部を設け、前記アルミ枠に前記嵌合凹部に嵌合可能な嵌合凸部を有してなり、嵌め合わせた状態で表面からアルミ枠の殆どが見えなくなくように嵌合してなることを特徴とする収納扉。
【請求項2】
前記表面側の板状木材が2枚以上の板状木材を隙間を介して配置してなり、前記隙間およびその両側の板状木材と、裏側の板状木材との間に、前記隙間を埋めるようにアルミニウム製の板状部材をそれが嵌合されるような嵌合部を設けた上で嵌合してなることを特徴とする収納扉。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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