説明

収納箱

【課題】長尺シートを所望の位置で、かつ、幅方向に正確に切断することが可能な収納箱を提供する。
【解決手段】上面パネルと11、底面パネル14と、第1側面パネル12A,12Bと、第2側面パネル13A,13Bとを備え、包帯Bを引き出し自在に収納する収納箱10において、上面パネル11を、第2側面パネル13Bの連結部分を支点として上方に開閉自在に形成し、上面パネル11に延設して圧接パネル18を形成して、圧接パネル18を上面パネル11に対して下方に折り曲げて備え、上面パネル11を閉じたとき、圧接パネル18が第2側面パネル13Bの内側に当接し、包帯Bの繰出部B1を圧接パネル18と第2側面パネル13Bの間に挟持させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上面パネルと、底面パネルと、一対の第1側面パネルと、一対の第2側面パネルとを備え、長尺シートを引き出し自在に収納する直方体の収納箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ロール状の長尺シートを繰り出し自在に収納する収納箱は、例えば特許文献1にあるように、上面パネルと、底面パネルと、一対の第1側面パネルと、一対の第2側面パネルを備える。そして、長尺シートの一部を使用するときは、上面パネルを、一対の第2側面パネルのうちの一つとの連結部分を支点として上方に開き、長尺シートの先端を引っ張って所望の長さに繰り出す。そして、付属の鋸刃(またはカッター)で切断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−16948号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このような収納箱では、長尺シートの先端を引っ張って所望の長さに繰り出しながら鋸刃で切断するので、引っ張り作業と切断作業という異なる方向の力を長尺シートに同時に加える必要がある。このため、切断時に長尺シートが動いてしまい、長尺シートの幅方向に正確に切れない、また、長尺シートを所望の位置で切断することができないといった問題があった。そこでこの発明の目的は、長尺シートを所望の位置で、かつ、幅方向に正確に切断することが可能な収納箱を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このため請求項1に記載の発明は、上面パネルと、
該上面パネルと対抗する位置に配置される底面パネルと、
前記上面パネルと前記底面パネルの間に配置される一対の第1側面パネルと、
前記上面パネルと前記底面パネルの間に配置される一対の第2側面パネルとを備え、
長尺シートを引き出し自在に収納する直方体の収納箱において、
前記上面パネルを、前記一対の第2側面パネルのうちの一つとの連結部分を支点として上方に開閉自在に形成し、
該上面パネルに延設して圧接パネルを形成して、該圧接パネルを前記上面パネルに対して下方に折り曲げて備え、
前記上面パネルを閉じたとき、前記圧接パネルが前記一対の第2側面パネルのうちの別の一つの内側に当接する収納箱であって、
前記長尺シートの先端部分を前記圧接パネルと前記第2側面パネルの間に挟持させることを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の収納箱において、前記圧接パネルに延設して押えパネルを備え、
該押えパネルが前記長尺シートに当接し、かつ、該長尺シートのを引き出す際に該長尺シートの上下動を抑制することを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の収納箱において、前記第2側面パネルに延設して蓋パネルを備えることを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の収納箱において、前記一対の第1側面パネルの上端に切り欠きを形成し、
前記上面パネルの両側にそれぞれガイドパネルを延設し、
前記上面パネルを閉じたとき、前記ガイドパネルが前記第1側面パネルの内側に位置し、
前記上面パネルを開くときに、前記切り欠きに露出する前記ガイドパネルをつかんで前記上面パネルを開くことを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の収納箱において、前記ガイドパネルの下部に規制部を備え、
前記上面パネルを所定量だけ開いたとき、前記圧接パネルと当接する前記第2側面パネルの内側に前記規制部が接触して前記上面パネルのさらなる開放を停止させることを特徴とする。
【0010】
請求項6に記載の発明は、請求項1,2,4,5のいずれかに記載の収納箱において、前記上面パネルを覆う蓋部を別体に備えることを特徴とする。
【0011】
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の収納箱において、前記底面パネルがオートボトムタイプである収納箱であって、
前記それぞれの第2側面パネルに延設して、ロック部を備える第1底面パネルと第2底面パネルとを備えるとともに、
前記それぞれの第2側面パネルに延設して補助底面パネルを備え、
該補助底面パネルが内側となるように配置した後、前記第1底面パネルおよび第2底面パネルのロック部どうしを掛け合わせてロックし、前記底面パネルを形成することを特徴とする。
【0012】
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれかに記載の収納箱において、前記圧接パネルと当接する前記第2側面パネルの上端に切り欠きを備えることを特徴とする。
【0013】
請求項9に記載の発明は、上面パネルと、
該上面パネルと対抗する位置に配置される底面パネルと、
前記上面パネルと前記底面パネルの間に配置される一対の第1側面パネルと、
前記上面パネルと前記底面パネルの間に配置される一対の第2側面パネルとを備え、
長尺シートを引き出し自在に収納する直方体の収納箱において、
前記上面パネルを、前記一対の第2側面パネルのうちの一つとの連結部分を支点として上方に開閉自在に形成し、
前記上面パネルの両側にそれぞれガイドパネルを延設して備え、
該それぞれのガイドパネルに延設して圧接パネルを備え、
該2つの圧接パネルの先端を掛け止めてなる収納箱であって、
前記上面パネルを閉じたとき、前記圧接パネルが前記一対の第2側面パネルのうちの別の一つの内側に当接する収納箱であって、
前記長尺シートの先端部分を前記圧接パネルと前記第2側面パネルの間に挟持させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、上面パネルと、該上面パネルと対抗する位置に配置される底面パネルと、前記上面パネルと前記底面パネルの間に配置される一対の第1側面パネルと、前記上面パネルと前記底面パネルの間に配置される一対の第2側面パネルとを備え、長尺シートを引き出し自在に収納する直方体の収納箱において、前記上面パネルを、前記一対の第2側面パネルのうちの一つとの連結部分を支点として上方に開閉自在に形成し、該上面パネルに延設して圧接パネルを形成して、該圧接パネルを前記上面パネルに対して下方に折り曲げて備え、前記上面パネルを閉じたとき、前記圧接パネルが前記一対の第2側面パネルのうちの別の一つの内側に当接する収納箱であって、前記長尺シートの先端部分を前記圧接パネルと前記第2側面パネルの間に挟持させる。
【0015】
したがって、収納箱の上面パネルを開いて長尺シートを繰り出した後、上面パネルを閉じると、圧接パネルが第2側面パネルに当接し、長尺シートの先端部分を圧接パネルと第2側面パネルの間に挟持させることができる。これにより、長尺シートを所望の位置で、かつ、幅方向に正確に切断することが可能な収納箱を提供することができる。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、前記圧接パネルに延設して押えパネルを備え、該押えパネルが前記長尺シートに当接し、かつ、該長尺シートを引き出す際に該長尺シートの上下動を抑制するので、長尺シートをバタつかせずに繰り出すことができる。これによって、長尺シートの繰り出し作業が容易になる。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、前記第2側面パネルに延設して蓋パネルを備えるので、圧接パネルと第2側面パネルに挟持された部分よりも先端側にある長尺シートを上面パネル上に折り返して配置し、それを覆うように蓋パネルを配置するので、長尺シートの先端部分を清潔に保つことができる。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、前記一対の第1側面パネルの上端に切り欠きを形成し、前記上面パネルの両側にそれぞれガイドパネルを延設し、前記上面パネルを閉じたとき、前記ガイドパネルが前記第1側面パネルの内側に位置し、前記上面パネルを開くときに、前記切り欠きに露出する前記ガイドパネルをつかんで前記上面パネルを開くので、上面パネルを容易に開くことができる。
【0019】
請求項5に記載の発明によれば、前記ガイドパネルの下部に規制部を備え、前記上面パネルを所定量だけ開いたとき、前記圧接パネルと当接する前記第2側面パネルの内側に前記規制部が接触して前記上面パネルのさらなる開放を停止させるので、上面パネルを必要以上に開くことがない。また、上面パネルを開きすぎて、ガイドパネルが第1側面パネルから外れることを防止することができる。
【0020】
請求項6に記載の発明によれば、前記上面パネルを覆う蓋部を別体に備えるので、一枚のブランク紙から収納箱を形成する場合などにおいて、これに規制されずに蓋部を所望の形状に形成することができる。また、蓋部を収納箱本体と別の材料で形成することができる。
【0021】
請求項7に記載の発明によれば、前記底面パネルがオートボトムタイプである収納箱であって、前記それぞれの第2側面パネルに延設して、ロック部を備える第1底面パネルと第2底面パネルとを備えるとともに、前記それぞれの第2側面パネルに延設して補助底面パネルを備え、該補助底面パネルが内側となるように配置した後、前記第1底面パネルおよび第2底面パネルのロック部どうしを掛け合わせてロックし、前記底面パネルを形成する。これによって、底面を容易に形成できる。
【0022】
請求項8に記載の発明によれば、前記圧接パネルと当接する前記第2側面パネルの上端に切り欠きを備えるので、長尺シートが切り欠きから露出し、この部分に指をあてて長尺シートを容易に繰り出すことができる。
【0023】
請求項9に記載の発明によれば、上面パネルと、該上面パネルと対抗する位置に配置される底面パネルと、前記上面パネルと前記底面パネルの間に配置される一対の第1側面パネルと、前記上面パネルと前記底面パネルの間に配置される一対の第2側面パネルとを備え、長尺シートを引き出し自在に収納する直方体の収納箱において、前記上面パネルを、前記一対の第2側面パネルのうちの一つとの連結部分を支点として上方に開閉自在に形成し、前記上面パネルの両側にそれぞれガイドパネルを延設して備え、該それぞれのガイドパネルに延設して圧接パネルを備え、該2つの圧接パネルの先端を掛け止めてなる収納箱であって、前記上面パネルを閉じたとき、前記圧接パネルが前記一対の第2側面パネルのうちの別の一つの内側に当接する収納箱であって、前記長尺シートの先端部分を前記圧接パネルと前記第2側面パネルの間に挟持させる。
【0024】
したがって、収納箱の上面パネルを開いて長尺シートを繰り出した後、上面パネルを閉じると、圧接パネルが第2側面パネルに当接し、長尺シートの先端部分を圧接パネルと第2側面パネルの間に挟持させることができる。これにより、長尺シートを所望の位置で、かつ、幅方向に正確に切断することが可能な収納箱を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】この発明の一例の収納箱の展開図である。
【図2】(a)はその組み立てたときの斜視図、(b)は包帯の説明図、(c)は主要部の説明図である。
【図3】収納箱から包帯を繰り出す手順を説明するための図であり、(a)は蓋パネルを開いたところ、(b)は上面パネルを開いたところを示す図である。
【図4】同じく、収納箱から包帯を繰り出す手順を説明するための図であり、(a)は包帯を収納箱から繰り出したところ、(b)は包帯を所望の位置で切断した後、蓋パネルを閉じるところを示す図である。
【図5】この発明の別の例の収納箱の展開図である。
【図6】この発明のさらに別の例の収納箱の展開図である。
【図7】その斜視図である。
【図8】この発明のさらに別の例の収納箱の展開図である。
【図9】その要部を含む正面図である。
【図10】この発明のさらに別の例の収納箱の展開図である。
【図11】その要部を含む正面図である。
【図12】この発明のさらに別の例の収納箱の斜視図である。
【図13】この発明のさらに別の例の収納箱の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。図1には、この発明の収納箱の一例の展開図を示す。収納箱(後述の符号10)は1枚のブランク紙(ブランクシート)を所定の形に切り抜いて形成し、罫線(点線で表示)を形成して折り曲げて形成したものである(ブランク紙は、板紙、紙を主体とした複合シート、プラスチックシートなど一定の厚みを持った折り曲げ性にすぐれた材料(部材)で形成される)。また、隣接する各パネルどうしは一体に形成されている。
【0027】
収納箱は略直方体に形成され、上面パネル11、底面パネル14、一対の第1側面パネル12A,12B、一対の第2側面パネル13A,13Bで構成される。収納箱10の内部にはロール状の包帯(長尺シート)Bを備える。
【0028】
上面パネル11には、罫線L7を介して圧接パネル18を延設し、圧接パネル18にはさらに罫線L8を介して押えパネル17を延設する(押えパネル17はなくてもよい。押えパネル17を備えると、包帯(長尺シート)Bをバタつかせずに繰り出すことができる。これによって、包帯Bの繰り出し作業が容易になる)。一方、上面パネル11の両縁には、罫線L1,L2を介してガイドパネル19,19を備える(ガイドパネル19,19はなくてもよい。ガイドパネル19に加えて切り欠きC(後述)を備えることで、上面パネル11を開くときに、切り欠きCに露出するガイドパネル19をつかんで上面パネル11を容易に開くことができる)。
【0029】
第1側面パネル12Aは第2側面パネル13Aと罫線L1を介して連続して形成され、第2側面パネル13Aは第1側面パネル12Bと罫線L2を介して連続して形成される。また、第1側面パネル12Bは第2側面パネル13Bと罫線L3を介して連続して形成される。第1側面パネル12Aには切り欠きCが形成される(なお、切り欠きCはなくてもよい。切り欠きCが形成されることで、上面パネルを容易に開くことができる)。また、第1側面パネル12Aは罫線L5を介して補助片E2と連続している(補助片E2はなくてもよい)。なお、底面パネル14にある一点鎖線の符号E2は収納箱を組み立てたときに、補助片E2が位置する箇所である(補助片E2は、収納箱10を組み立てたときに、底面パネル14に接着剤を介して接着してもよい。このようにすると、収納箱の強度を高めることができる)。
【0030】
第2側面パネル13Aは、罫線L5を介して底面パネル14と連続して形成されるとともに、罫線L6を介して上面パネル11と連続している。また、第2側面パネル13Aと上面パネル11との間の罫線L6の一部に沿って切り込みF1が形成されている。
【0031】
第1側面パネル12Bには切り欠きCが形成される(なお、切り欠きCはなくてもよい。切り欠きCが形成されることで、上面パネルを容易に開くことができる)。また、第1側面パネル12Bは罫線L5を介して補助片E2と連続している。第2側面パネル13Bには罫線L6を介して蓋パネル15を延設する一方、罫線L4を介して補助片E1を延設する(蓋パネル15はなくてもよい。蓋パネル15を備えると、包帯Bの先端部分を清潔に保つことができる)。補助片E1は、収納箱10を組み立てたときに、側面パネル12Aに接着剤を介して接着するためのものである(側面パネル12Aにある一点鎖線の符号E1は収納箱10を組み立てたときに、補助片E1を貼り付ける箇所である)。なお、第2側面パネル13Bの1つの縁の略中央には、切り欠きD1が形成されている(切り欠きD1はなくてもよい)。
【0032】
底面パネル14は罫線L10を介して差込片14Aと連続して形成される。なお、この罫線L10の一部に沿って切り込みF2が形成されている。
【0033】
収納箱10を組み立てるには、まず、第1側面パネル12Aおよびガイドパネル19を罫線L1において略直角に谷折りするとともに、第1側面パネル12Bおよびガイドパネル19を罫線L2において略直角に谷折りする。さらに、第2側面パネル13Bを罫線L3において略直角に谷折りし、補助片E1を罫線L4において略直角に谷折りする。そして、補助片E1と第1側面パネル12Aとを接着剤を介して接着する。
【0034】
次に、補助片E2,E2を罫線L5において略直角に谷折りするとともに、底面パネル14を罫線L5において略直角に谷折りする。このとき、差込片14Aを罫線L10において略直角に谷折りし、第2側面パネル13Bの内側に重なるようにして挿入し、底面を閉じる。そして、後述するロール状の包帯(図2において符号Bで表示)を底面パネル14上に配置するようにして箱内に挿入する。
【0035】
さらに、ガイドパネル19,19を第1側面パネル12A,12Bに内側に重なるようにして挿入する。このとき、圧接パネル18を罫線L7において略直角に谷折りするとともに、押えパネル17を罫線L8において略直角に谷折りし、押えパネル17を、対向して配置されたガイドパネル19,19の間に配置する(すなわち、収納箱の内部に配置する)。この押えパネル17は折り曲げ反力(罫線L8において折り曲げたことによって生じる反力)によって包帯の表面に当接する。
【0036】
最後に、蓋パネル15を罫線L6おいて略直角に谷折りして上面パネル11上に被せるとともに、差込片15Aを罫線L9おいて略直角に谷折りして、切り込みF1に挿入する(この差込片15Aと切り込みF1にてロック機構を構成する)。このようにして、図2(a)に示すような収納箱10が完成する。なお、罫線に代えて、ハーフカットやミシン目であってもよい。また、差込片15Aはなくてもよい。
【0037】
ところで、収納箱10の内部には、図2(b)に示すような包帯(長尺シート)Bを配置する。包帯Bは長尺シートをロール状に巻いて形成される。包帯Bは、先端BTを引っ張ってロール部BRから必要な長さだけ繰り出し、はさみなどで切断して使用する。包帯Bを収納箱10内に配置し、その繰出部(先端部分)B1の一部を圧接パネル18と第2側面パネル13Bとの間に配置する(図2(c))。圧接パネル18と第2側面パネル13Bとの間には一定の押圧力が働いているので、この間に挟持された繰出部B1は一定の力で固定される。なお、繰出部B1の先端側部分は折り返して上面パネル11上に載置され、繰出部B1を上から蓋パネル15で覆う。なお、包帯Bの先端BTが蓋パネル15からはみ出ないようにすると、より衛生的である。
【0038】
次に、収納箱10から包帯Bを必要な長さだけ取り出す手順について説明する。まず、差込片15Aを切り込みF1から外して、蓋パネル15を第2側面パネル13Bに当接するまで開く(図3(a))。そして、差込片15Aを切り込みF2に差し込んで、蓋パネル15を第2側面パネル13Bに沿うようにして固定する。このとき、第2側面パネル13Bには切り欠きD1が形成されているので、差込片15Aを切り込みF2に差し込む際の逃げを形成し、容易に差し込むことができる。これによって、包帯Bの繰出部B1が露出する。
【0039】
次に、図3(b)に示すように、切り欠きCによって露出している一対のガイドパネル19の一部を指でつかみながら上面パネル11を回動中心CTの周りに上方に向けて回動する(なお、回動中心CTは、上面パネル11と第2側面パネル13Aの間に形成された罫線L6である)。これによって、圧接パネル18と第2側面パネル13Bとの当接が解除され、包帯Bが引き出し可能となる。ガイドパネル19の円弧部19ARは、回動中心CTから等距離(上面パネル11よりわずかに短く形成される)に形成される(扇状)。円弧部19ARに連続して、規制部19Eを形成する。この規制部19Eは、回動中心CTからの距離が円弧部19ARのそれと比べて大きく形成されている。これによって、上面パネル11を一定量だけ開くと、規制部19Eが第2側面パネル13Bの内側面に当接し、それ以上、上面パネル11が回動して開放しないようにストッパーの役割をしている。なお、規制部19Eはなくてもよい。規制部19Eを備えると、上面パネル11を必要以上に開くことがない。また、上面パネル11を開きすぎて、ガイドパネル19が第1側面パネル12A,12Bから外れることを防止することができる。
【0040】
この状態で、先端BTをつまみながら必要長さだけ包帯Bを繰り出す。このとき、押えパネル17が包帯Bのロール部BRを上から押圧するので、回転しても箱内でロール部BRがバタつかない(包帯Bが収納箱10内でバタつかないようにするには、包帯Bの幅よりも第2側面パネル13A,13Bの幅をわずかに大きくするといっそう効果がある)。そして、上面パネル11を閉じる(図4(a))。これによって、再び、圧接パネル18と第2側面パネル13Bとが当接して、繰出部B1の一部がこの間に挟持される。次に、先端BTを軽く引っ張って繰出部B1を張った状態とし、矢印Sにハサミを入れて繰出部B1をカットして使用する。その後、残った繰出部B1を上面パネル11上に載せ、蓋パネル15で覆う(図4(b))。
【0041】
このように、この例の収納箱10は、上面パネル11と、上面パネル11と対抗する位置に配置される底面パネル14と、上面パネル11と底面パネル14の間に配置される一対の第1側面パネル12A,12Bと、上面パネル11と底面パネル14の間に配置される一対の第2側面パネル13A,13Bとを備え、包帯(長尺シート)Bを引き出し自在に収納する。また、上面パネル11を、第2側面パネル13Bの連結部分を支点として上方に開閉自在に形成する。上面パネル11に延設して圧接パネル18を形成して、圧接パネル18を上面パネル11に対して下方に折り曲げて備え、上面パネル11を閉じたとき、圧接パネル18が第2側面パネル13Bの内側に当接する。また、包帯Bの先端BTを圧接パネル18と第2側面パネル13Bの間に挟持させるものである。
【0042】
なお、収納箱は、図5に示すように、オートボトムタイプであってもよい。この例では、底面パネルを、第1底面パネル114A,第2底面パネル114Bとで構成する。
【0043】
上面パネル11には、罫線L7を介して圧接パネル18を延設し、圧接パネル18にはさらに罫線L8を介して押えパネル17を延設する(押えパネル17はなくてもよい。押えパネル17を備えると、包帯(長尺シート)Bをバタつかせずに繰り出すことができる。これによって、包帯Bの繰り出し作業が容易になる)。一方、上面パネル11の両縁には、罫線L1,L2を介してガイドパネル19,19を備える(ガイドパネル19,19はなくてもよい。ガイドパネル19と切り欠きC(後述)を備えることで、上面パネル11を開くときに、切り欠きCに露出するガイドパネル19をつかんで上面パネル11を容易に開くことができる)。
【0044】
第1側面パネル12Aは第2側面パネル13Aと罫線L1を介して連続して形成され、第2側面パネル13Aは第1側面パネル12Bと罫線L2を介して連続して形成される。また、第1側面パネル12Bは第2側面パネル13Bと罫線L3を介して連続して形成される。
【0045】
第1側面パネル12Aには切り欠きCが形成される(なお、切り欠きCはなくてもよい。切り欠きCが形成されることで、上面パネルを容易に開くことができる)。また、第1側面パネル12Aは罫線L5を介して補助底面パネルE3と連続している。
【0046】
第2側面パネル13Aは、罫線L5を介して第2底面パネル114Bと連続して形成されるとともに、罫線L6を介して上面パネル11と連続している。また、第2側面パネル13Aと上面パネル11との間の罫線L6の一部に沿って切り込みF1が形成されている。
【0047】
第1側面パネル12Bには切り欠きCが形成される(なお、切り欠きCはなくてもよい。切り欠きCが形成されることで、上面パネルを容易に開くことができる)。また、第1側面パネル12Bは罫線L5を介して補助底面パネルE3と連続している。第2側面パネル13Bには罫線L6を介して蓋パネル15を延設する一方、罫線L4を介して補助片E1を延設する。補助片E1は、収納箱を組み立てたときに、側面パネル12Aに接着剤を介して接着するためのものである(側面パネル12Aにある一点鎖線の符号E1は収納箱を組み立てたときに、補助片E1を貼り付ける箇所である)。第2側面パネル13Bにはさらに、罫線L5を介して第1底面パネル114Aを延設する。第1底面パネル114Aの罫線L5近傍には切り込みF2´を形成する。
【0048】
第1底面パネル114Aと第2底面パネル114Bにはそれぞれロック部LCが形成されている。この2つのロック部LCを掛け合わせることで、第1底面パネル114Aと第2底面パネル114Bとを連結し、底面パネルを構成する。
【0049】
収納箱を組み立てるには、まず、第1側面パネル12Aおよびガイドパネル19を罫線L1において略直角に谷折りするとともに、第1側面パネル12Bおよびガイドパネル19を罫線L2において略直角に谷折りする。さらに、第2側面パネル13Bを罫線L3において略直角に谷折りし、補助片E1を罫線L4において略直角に谷折りする。そして、補助片E1と第1側面パネル12Aとを接着剤を介して接着する。
【0050】
次に、2つの補助底面パネルE3,E3を罫線L5において略直角に谷折りするとともに、第1底面パネル114Aと第2底面パネル114Bを罫線L5において略直角に谷折りし、2つのロック部LCを掛け合わせることで、第1底面パネル114Aと第2底面パネル114Bとを連結し、底面パネルを構成する。そして、後述するロール状の包帯(図2において符号Bで表示)を底面パネル上に配置するようにして箱内に挿入する。
【0051】
さらに、ガイドパネル19,19を第1側面パネル12A,12Bに内側に重なるようにして挿入する。このとき、圧接パネル18を罫線L7において略直角に谷折りするとともに、押えパネル17を罫線L8において略直角に谷折りし、押えパネル17を、対向して配置されたガイドパネル19,19の間に配置する(すなわち、収納箱の内部に配置する)。この押えパネル17は折り曲げ反力(罫線L8において折り曲げたことによって生じる反力)によって包帯の表面に当接する。
【0052】
最後に、蓋パネル15を罫線L6おいて略直角に谷折りして上面パネル11上に被せるとともに、差込片15Aを罫線L9おいて略直角に谷折りして、切り込みF1に挿入する(この差込片15Aと切り込みF1にてロック機構を構成する)。このようにして、オートボトムタイプの収納箱が完成する。なお、罫線に代えて、ハーフカットやミシン目であってもよい。また、差込片15Aはなくてもよい。
【0053】
なお、切り込みF2´は、収納箱を形成したときに差込片15Aを差し込んで蓋パネル15を開いた状態でロックするためのものである。その他の構成は前述の例と同様である。また、包帯Bを繰り出す手順も同様である。
【0054】
また、図6,7に示すように、蓋パネル15を一体に備えず、蓋部115を別体に備えるようにしてもよい(なお、符号110は収納箱を示す)。蓋部115は樹脂、紙などで形成され、天面115Aと向かい合う一対の側面115B、一対の側面115Cによって構成される。天面115Aは、上面パネル11を上から覆うためのものであり、側面115Bは第2側面パネル13A,13Bの上部を側方より覆うためのものである。また、側面115Cは第1側面パネル12A,12Bの上部を側方より覆うためのものである。これ以外の構成は、図1,2の例と同様である。また、包帯Bを使用するときは、蓋部115を外す。それ以降の動作は、図3,4で説明したのと同様である。
【0055】
また、図1,2の例の収納箱10は、圧接パネル18に代えて、圧接パネル118A,118Bを備えてもよい。図8,9に示すように、圧接パネル118A,118Bを罫線L11を介してガイドパネル19より延設する。収納箱210の組み立て方法は、収納箱10に準拠するが、ガイドパネル19を罫線L1または罫線L2において略直角に谷折りする際、圧接パネル118A,118Bを罫線L11にて略直角に谷折りする点が異なる。折り曲げられた圧接パネル118A,118Bは、先端部に備える切り込みAX,BXを掛け合わせることで連結する。
【0056】
連結された圧接パネル118A,118Bは、上面パネル11を閉じたときに、第2側面パネル13Bの内側に当接する。圧接パネル118A,118Bと第2側面パネル13Bとの間には一定の押圧力が働くように構成する。包帯Bの繰出部B1は圧接パネル118A,118Bと第2側面パネル13Bとの間に挟持される。これ以外の構成は、図1,2の例と同様である。また、包帯Bを使用するときの動作は、図3,4で説明したのと同様である。
【0057】
さらに、図6,7の例の収納箱110の第2側面パネル13Bに切り欠きを設けてもよい。すなわち、図10,11に示すように、収納箱310の第2側面パネル13B´の上部に切り欠きD2を形成する(切り欠きD2の形状は三角形に限定されるものではなく、例えば、四角形や半円形であってもよい)。このように構成することで、包帯Bの先端BTが圧接パネル18と上面パネル11との隙間にあるような場合であっても、切り欠きD2から包帯Bの繰出部B1が露出しているので、ここに指を当てて包帯Bの先端BTを繰り出すことが容易にできる。このとき、蓋部115の側面115Bの高さが切り欠きD2を全て覆うように設計すると、包帯Bが収納箱310から露出することがなく衛生的である。この例では、包帯Bを上面パネル11と第2側面パネル13Bが形成する角部がハサミをガイドしながら包帯Bを切断することができるので、直線的に包帯Bを切断することを容易にする。また、切断後の包帯Bが上面パネル11上にほとんど露出せず、より衛生的である。
【0058】
図1,2の例の収納箱10は、図12に示すように構成してもよい。収納箱410に備える上面パネル11´は、上面パネル11と同一形状であるが、中央付近に切り込みF4を備える。また、蓋パネル15´は蓋パネル15よりも短く形成され、その先端に差込片15A´を備える。これ以外の構成は収納箱10と同一である。収納箱410のように構成することで、蓋パネル15´の長さを短くすることができる。
【0059】
なお、上述の全ての例では、長尺シートの一例として、ロール状の包帯Bを適用したが、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図13に示すように、収納箱10内に、Z状に折り畳まれた包帯BSを収納してもよい。この場合の収納箱10の構成および使用方法は図1〜4の例と同一である。なお、符号BS1は包帯BSの繰出部、符号BSTは包帯BSの先端を示す。また、長尺シートの例としては、包帯以外に、不織布、紙、樹脂フィルムなどであってもよい。
【符号の説明】
【0060】
10 収納箱
11 上面パネル
12A,12B 第1側面パネル
13A,13B 第2側面パネル
14 底面パネル
15 蓋パネル
17 押えパネル
18,118A,118B 圧接パネル
19 ガイドパネル
19E 規制部
114A 第1底面パネル
114B 第2底面パネル
115 蓋部
B,BS 包帯(長尺シート)
B1 繰出部(先端部分)
C 切り欠き
D2 切り欠き
E3 補助底面パネル
LC ロック部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面パネルと、
該上面パネルと対抗する位置に配置される底面パネルと、
前記上面パネルと前記底面パネルの間に配置される一対の第1側面パネルと、
前記上面パネルと前記底面パネルの間に配置される一対の第2側面パネルとを備え、
長尺シートを引き出し自在に収納する直方体の収納箱において、
前記上面パネルを、前記一対の第2側面パネルのうちの一つとの連結部分を支点として上方に開閉自在に形成し、
該上面パネルに延設して圧接パネルを形成して、該圧接パネルを前記上面パネルに対して下方に折り曲げて備え、
前記上面パネルを閉じたとき、前記圧接パネルが前記一対の第2側面パネルのうちの別の一つの内側に当接する収納箱であって、
前記長尺シートの先端部分を前記圧接パネルと前記第2側面パネルの間に挟持させることを特徴とする、収納箱。
【請求項2】
前記圧接パネルに延設して押えパネルを備え、
該押えパネルが前記長尺シートに当接し、かつ、該長尺シートを引き出す際に該長尺シートの上下動を抑制することを特徴とする、請求項1に記載の収納箱。
【請求項3】
前記第2側面パネルに延設して蓋パネルを備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の収納箱。
【請求項4】
前記一対の第1側面パネルの上端に切り欠きを形成し、
前記上面パネルの両側にそれぞれガイドパネルを延設し、
前記上面パネルを閉じたとき、前記ガイドパネルが前記第1側面パネルの内側に位置し、
前記上面パネルを開くときに、前記切り欠きに露出する前記ガイドパネルをつかんで前記上面パネルを開くことを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の収納箱。
【請求項5】
前記ガイドパネルの下部に規制部を備え、
前記上面パネルを所定量だけ開いたとき、前記圧接パネルと当接する前記第2側面パネルの内側に前記規制部が接触して前記上面パネルのさらなる開放を停止させることを特徴とする、請求項4に記載の収納箱。
【請求項6】
前記上面パネルを覆う蓋部を別体に備えることを特徴とする、請求項1,2,4,5のいずれかに記載の収納箱。
【請求項7】
前記底面パネルがオートボトムタイプである収納箱であって、
前記それぞれの第2側面パネルに延設して、ロック部を備える第1底面パネルと第2底面パネルとを備えるとともに、
前記それぞれの第2側面パネルに延設して補助底面パネルを備え、
該補助底面パネルが内側となるように配置した後、前記第1底面パネルおよび第2底面パネルのロック部どうしを掛け合わせてロックし、前記底面パネルを形成することを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載の収納箱。
【請求項8】
前記圧接パネルと当接する前記第2側面パネルの上端に切り欠きを備えることを特徴とする、請求項1ないし7のいずれかに記載の収納箱。
【請求項9】
上面パネルと、
該上面パネルと対抗する位置に配置される底面パネルと、
前記上面パネルと前記底面パネルの間に配置される一対の第1側面パネルと、
前記上面パネルと前記底面パネルの間に配置される一対の第2側面パネルとを備え、
長尺シートを引き出し自在に収納する直方体の収納箱において、
前記上面パネルを、前記一対の第2側面パネルのうちの一つとの連結部分を支点として上方に開閉自在に形成し、
前記上面パネルの両側にそれぞれガイドパネルを延設して備え、
該それぞれのガイドパネルに延設して圧接パネルを備え、
該2つの圧接パネルの先端を掛け止めてなる収納箱であって、
前記上面パネルを閉じたとき、前記圧接パネルが前記一対の第2側面パネルのうちの別の一つの内側に当接する収納箱であって、
前記長尺シートの先端部分を前記圧接パネルと前記第2側面パネルの間に挟持させることを特徴とする、収納箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−1454(P2013−1454A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−138080(P2011−138080)
【出願日】平成23年6月22日(2011.6.22)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】