説明

収納部材

【課題】簡便な構成で需要者の注意を喚起する収納部材等を提供する。
【解決手段】収納部材S1は、少なくとも側部101と凹状に形成された底部102を有する有底容器100を、連接部3によって連接された一対の挟持体1及び2によって挟持して、着脱可能に収納する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器を収納する収納部材等の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、製品に対する宣伝、広告、又はその後の販売促進等を達成するための一手段として、当該製品又はそのサンプル(試供品)の展示や無償(又は有償)による配布が行われている。
【0003】
そして、このように展示され又は配布される製品は、消費者の注意を喚起し、興味を持たせるために、当該製品の特性やキャッチコピー等が表示された特殊な形状を有する容器に収納される。
【0004】
特許文献1では、収納される物品が外部から視認可能であって、当該物品の情報が示される展示板が前倒れすることがないスリーブ状の外包型展示兼用包装容器についての技術が開示されている。
【0005】
また、特許文献2では、商品の販売促進情報を表示した販売促進情報表示部材に商品の見本を取り付けて設置する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−273535号公報
【特許文献2】実用新案登録第3075715号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示されるスリーブ状の外包型展示兼用包装容器は、所定の型の板材を複数回折りたたんで組み立てられるため、当該板材を作成するために複雑な装置(金型等)を要し、また、当該容器が組み立てられるまでに多くの作業時間が必要とされるなど多大なコストの増加を招来するものであった。
【0008】
また、特許文献2に開示される販売促進情報表示部材は、硬質樹脂により構成されるため、当該部材を製造するために専用の金型や成型設備が必要となり、やはり多大なコストの増加を招来するものであった。
【0009】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的の一例は、簡便な構成で需要者の注意を喚起する収納部材等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、少なくとも側部と凹状に形成された底部とを有する有底容器を、連接部を介して互いに連接された一対の挟持体によって挟持して、着脱可能に収納する収納部材であって、各前記挟持体には、前記有底容器が配置される開口部がそれぞれ形成されており、各前記開口部には、前記有底容器の底部に形成された凹部に係止される係止片と、前記有底容器の側部を支持する一対の支持片と、が形成されることを特徴とする。
【0011】
従って、この収納部材によれば、簡便な構成で需要者の注意を喚起する収納部材を提供することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の収納部材であって、前記一対の挟持体のうち一の挟持体の前記連接部に対向する位置に挿入片が設けられ、他の挟持体には前記連接部に対向する位置に、第二の連接部を介して折り返し片が設けられ、前記第二の連接部には前記挿入片が挿入される挿入穴が設けられることを特徴とする。
【0013】
従って、この収納部材によれば、有底容器を強固に(すなわち、ガタつきやゆるみの発生を抑制しつつ)固定し、収納することができる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の収納部材であって、何れか一の前記挟持体に形成される一対の支持片には、前記有底容器が収納された際に、前記有底容器の側面部に当接するように折り込まれる固定片が形成されることを特徴とする。
【0015】
従って、この発明によれば、有底容器が収納された際に、前記有底容器の側面部に示された当該有底容器の属性情報を、消費者に提示することができる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、少なくとも側部と凹部が形成された底部とを有する有底容器を、連接部を介して互いに連接された一対の挟持体によって挟持して、着脱可能に収納する収納部材であって、前記一対の挟持体のうち一の挟持体には、前記有底容器が配置される開口部が形成されており、各前記開口部には、前記有底容器の底部に形成された凹部に係止される係止片と、前記有底容器の側部を支持する一対の支持片と、が形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、本発明における収納部材によれば、有底容器を一対の挟持体によって挟持して、着脱可能に収納するように構成したため、簡便な構成で需要者の注意を喚起することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1実施形態にかかる有底容器が収納部材に収納される様子を示す概念図である。
【図2】第1実施形態にかかる有底容器が収納部材に収納される様子を示す概念図である。
【図3】第1実施形態にかかる有底容器が収納部材に収納される様子を示す概念図である。
【図4】第1実施形態にかかる収納部材S1の展開時の形状を示す展開図である。
【図5】有底容器100が収納部材S1に収納された状態を横方向(X方向)から見た概念図である。
【図6】有底容器100が収納部材S1に収納された状態のA−A線(図3)における断面図である。
【図7】第2実施形態にかかる有底容器が収納部材に収納される様子を示す概念図である。
【図8】第2実施形態にかかる有底容器が収納部材に収納される様子を示す概念図である。
【図9】第2実施形態にかかる収納部材S2の展開時の形状を示す展開図である。
【図10】第3実施形態にかかる有底容器が収納部材に収納される様子を示す概念図である。
【図11】第3実施形態にかかる有底容器が収納部材に収納される様子を示す概念図である。
【図12】第3実施形態にかかる収納部材S3の展開時の形状を示す展開図である。
【図13】第4実施形態にかかる有底容器が収納部材に収納される様子を示す概念図である。
【図14】第4実施形態にかかる収納部材の展開時の形状を示す展開図である。
【図15】第5実施形態にかかる有底容器が収納部材に収納される様子を示す概念図である。
【図16】第5実施形態にかかる収納部材の展開時の形状を示す展開図である。
【図17】第6実施形態にかかる有底容器が収納部材に収納される様子を示す概念図である。
【図18】第6実施形態にかかる収納部材の展開時の形状を示す展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本願の最良の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0020】
[1.第1実施形態]
まず、図1〜図3を用いて、第1実施形態にかかる収納部材の使用状態について説明する。図1〜図3は、第1実施形態にかかる有底容器が収納部材に収納される様子を示す概念図である。なお、各部材の詳細については後述する。また、以下のすべての図面において、同一の部材名又は部材番号が示された部材は、少なくとも同一の構成及び同一の機能を有するものとする。
【0021】
図1〜図3に示すように、収納部材S1は、少なくとも側部101と凹部が形成された底部102を有する有底容器100を、連接部3を介して互いに連接された一対の挟持体1及び2によって挟持して着脱可能に収納する。
【0022】
具体的には、有底容器100は、底部102に図1の矢印方向に従って係止片5が挿入されると、開口部4に配置される(図2参照)。より詳しくは、有底容器100は、底部102が係止片5によって係止され、側部101が一対の支持片6及び7によって支持されることにより、開口部4に配置される。
【0023】
そして、有底容器100は、底部102に図2の矢印方向に従って係止片10が挿入されると、開口部9に配置される(図3参照)。より詳しくは、有底容器100は、底部102が係止片10によって係止され、側部101が一対の支持片11及び12によって支持されることにより、開口部9に配置される。
【0024】
このようにして、有底容器100は、一対の挟持体1及び2によって挟持して着脱可能に収納されるようになっている(図3参照)。
【0025】
なお、有底容器100は、化粧料、洗剤、歯磨き等の液状、ジェル状、クリーム状の内容物を収納するために、例えば図1に示すように側部101及び底部102を有し、本実施形態においては、キャップ103により封止されている。
【0026】
本実施形態では、有底容器100として化粧料を収納した化粧品を適用したが、有底容器100は、側部101と凹部が形成されていればよく、他の内容物を収納する商品、例えば、文房具(例えば、糊等)、家電製品(例えば、充電池等)等を適用することができる。
【0027】
また、本実施形態では、断面略筒状に形成された有底容器100が適用されているが、これに限定されず、断面略楕円形状、又は断面略角状等に形成された有底容器を適用することもできる。
【0028】
また、本実施形態では、底部102に形成される凹部は、有底容器100の内部に向けて略すり鉢状に形成されているが、これに限定されず、有底容器100の内部に向けて、底部102の外観面(側部101と接続する部分)に対して何らかの凹形状が形成されていればよい。他の例として、底部102に、上記凹形状として有底容器100の内部に向けて段差形状が形成される容器を適用してもよい。
【0029】
なお、以下の説明の便宜上、有底容器100の縦幅(図1のQ)を有底容器の高さと、有底容器の横幅(図1のP)を有底容器の横幅と称する。
【0030】
次に、図4を用いて、第1実施形態にかかる収納部材の詳細について説明する。
【0031】
図4は、第1実施形態にかかる収納部材S1の展開時の形状を示す展開図である。ここで、説明の便宜上、座標軸200を定義する。座標軸200において、紙面の鉛直方向をY軸、紙面の水平方向をX軸とする。
【0032】
図4に示すように、収納部材S1は、紙、上質紙、ボール紙やPET材等の薄型樹脂製板材等の折り曲げ自在の板状の部材(本願の板状の部材の一例)を素材とし、連接部3を介して一対の挟持体1及び2が互いに連接されている。
【0033】
収納部材S1は、上述した板状の部材を、この収納部材S1と略同じ形の金型(例えば、所謂ビク型等)により打ち抜いて形成される。打ち抜かれる際に、図4における実線部分の切断が行われる。
【0034】
なお、このような板状の部材を形成する金型は、合成樹脂により構成される製品を形成する金型のようにキャビティ型及びコア型から構成される所謂二枚構造ではなく、また、イジェクタピン等の機構を備える必要がないため、低価格で製作することができる。
【0035】
さらに、このような板状の部材を形成する金型は、合成樹脂により構成される製品を形成する金型のようにキャビティ型及びコア型が可動する駆動機構を備える必要がないため、低価格で製作することができる。
【0036】
連接部3は、一対の挟持体1及び2を、互いに近接する方向に折りたたむことを示す標識(目印)であり例えば、板状の部材から打ち抜かれて形成された一対の挟持体1及び2に対して、筋付け(筋押し、又は筋入れ)、印刷による線の表示、ミシン目、連続するパンチ穴の集合、又はハーフカット等の各処理を施すことにより形成される。
【0037】
以下に示す実施形態において、他に示す連接部(例えば後述する連接部24、又は第二の連接部26等)は、特に示す場合を除き、図面中において点線で示し、上述した特性を有する連接部を適用する。
【0038】
なお、連接部3は、一対の挟持体1及び2を互いに近接する方向に折りたたみ可能に連結したものでもよく、例えば、板状の部材からそれぞれ別個に打ち抜かれた一対の挟持体1及び2(すなわち、挟持体1及び2が分離している)を、テープ等で接合して連結するようにしてもよい。
【0039】
また、一対の挟持体1及び2を構成する各挟持体1及び2は、それぞれ同一の形状の部材(開口部や各種の片)が形成されている。すなわち、挟持体1及び挟持体2は、連接部3を基準に対称形状を示している。以下、挟持体1について説明する部材は、特に示す場合を除き(例えば、後述する挿入片や挿入穴が設けられた場合は除く)、挟持体2にも施されているものとする。以下、挟持体1の部材を説明するにあたって、挟持体2にも施される部材をカッコ書きで示す。
【0040】
開口部4(9)は、有底容器100が配置される穴である。この開口部4の形状は、後述する係止片5(10)、支持片6(11)、支持片7(12)、及び上方片8(13)の形状によって定まる。
【0041】
係止片5(10)は、底部102の凹部に嵌入可能な片であり、当該凹部に係止される。この係止片5は、当該凹部に嵌入可能な大きさに形成されており、例えば、係止片5の突出量(図4のY1)は当該凹部の深さより小さく形成され、また、係止片5の横幅(図4のX1)は底部102の直径(有底容器100の横幅P)より小さく形成されるようになっている。
【0042】
なお、本実施形態にかかる係止片5は、円弧状に形成されているがこれに限られず、上記凹部に嵌入可能な凸形状であれば種々の形状を適用することができる。
【0043】
一対の支持片6(11)及び7(12)は、側部101を支持する凸状の片であり、有底容器100が、開口部4を介して脱落することを防止する機能を有する。
【0044】
当該機能を有するため、一対の支持片6及び7は、開口部4のY軸方向に、互いに対向する位置に配置され、支持片6及び7が互いに近接する方向(X軸方向)に円弧状(凸状の一例)に形成されるようになっている。従って、支持片6及び7が最も近接した場合の距離(円弧状に形成された支持片6及び7の頂点同士の距離、即ち、図4のX2)は、有底容器100の横幅よりも小さくなっている。
【0045】
なお、本実施形態にかかる支持片6及び7は、円弧状に形成されているがこれに限られず、側部101を支持可能な凸形状であれば種々の形状を適用することができる。
【0046】
また、有底容器100の外観部には、有底容器100の属性を示す属性情報、例えば、有底容器100の内容物についての商品名(標章)、効能、使用方法等を示す宣伝広告文字、写真等を示す属性情報表示部104が表示される場合がある。
【0047】
そこで、支持片6及び7が最も近接した場合の距離を、属性情報表示部104を視認可能な程度に設定するようにしてもよい。図3では、破線枠内に属性情報表示部104が示されている場合に、属性情報表示部104が視認可能な程度に上記X2(支持片6及び7が最も近接した場合の距離)が設定された様子が示されている。
【0048】
このように構成することによって、有底容器100が収納部材S1に収納された場合であっても、例えば消費者は属性情報表示部104に示された情報を視認することができるため更なる宣伝広告効果等が達成される。
【0049】
係止片5(10)に対向する位置には、一対の支持片6及び7の端部と接続される上方片8(13)が形成される。
【0050】
この上方片8の位置(図4のY2)は、有底容器の高さに応じて適宜変更することができる。上述したように、有底容器100は、底部102が係止片5によって係止され、側部101が一対の支持片6及び7によって支持されることにより、開口部4に配置されるため、上方片8が有底容器100に当接しなくても、有底容器100は開口部4に配置されるからである。
【0051】
本実施形態では、Y2は有底容器100の高さ(Q)より小さく設定され、有底容器100のキャップ103が上方片8によって支持されている。このように構成することによって、有底容器100を確実に収納することができる。
【0052】
開口部4(9)の端部(四隅)には、切欠き円14a〜14d(15a〜15d)が形成されている。この切欠き円14a〜14dは、開口部4の端部に集中応力が発生した場合に、挟持体1及び2に亀裂(破断)が発生することを防止する機能を有するとともに、収納部材S1が形成される金型の強度を増加させる機能を有する。
【0053】
もし、開口部4の四隅に切欠き円14a〜14dが形成されず角形状であった場合には、開口部4の端部に集中応力が発生すると、当該応力が開口部4の端部に直接作用し、挟持体1及び2に亀裂が発生しやすくなるからである。
【0054】
また、開口部4の端部に切欠き円14a〜14dが形成されず角形状であった場合には、収納部材S1が形成される金型も角形状に形成されることとなる。金型の角形状に形成された部分には、加工時に集中応力が発生すると、当該応力が金型の角形状部分に直接作用し、金型の破損を招来するからである。
【0055】
上述したように、上記金型の一例としてのビク型は、板状の金属片を収納部材S1の形状と略同一形状に折り曲げて形成される。従って、開口部4の端部に切欠き円14a〜14dが形成されず角形状であった場合には、収納部材S1が形成される金型も角形状に折り曲げて形成されることとなる。
【0056】
このようなビク型の折り曲げ部には、金型作成時に曲げによる荷重が過度に加えられる結果、何らかの疲労(例えば、ヒビ割れ等)が生じている場合がある。そして、当該金型を用いて製品を製造する際には、更に金型に荷重が加えられる結果、さらに金属疲労が蓄積され、当該金型の破損等を招来する。
【0057】
そこで、開口部4の端部に切欠き円14a〜14dを形成することにより、収納部材S1を形成するための金型は上記角形状に形成される必要がないため、金型作成時に曲げによる荷重が過度に加えられることがなく、上記金属疲労による金型の破損を防止することができる。
【0058】
次に、図5及び図6を用いて、有底容器100が収納部材S1に収納された状態を説明する。図5は有底容器100が収納部材S1に収納された状態を横方向(X方向)から見た概念図であり、図6は有底容器100が収納部材S1に収納された状態のA−A線(図3)における断面図である。なお、説明の便宜上、図6において、矢印Aが示す方向を下方向、矢印Bが示す方向を外側方向と定義する。
【0059】
図5及び図6に示すように、凹部が形成された底部102には係止片5が係止されているため、有底容器100は、下方向へ脱落することなく、収納部材S1に収納されている。
【0060】
また、上述したように、側部101は、一対の支持片6及び7によって支持されているため、有底容器100は、外側方向へ開口部4を介して脱落することなく、収納部材S1に収納されている。
【0061】
そして、有底容器100を収納部材S1から取り外す場合には、一対の挟持体1又は2の何れか一の挟持体を外側方向へ、連接部3を回動中心として回動させる(つまり、一対の挟持体1及び2を開く)。ここでは、挟持体2を、外側方向へ連接部3を回動中心として回動させたものとする。すると、係止片10は、底部102に形成された凹部から脱離する。すると、有底容器100は、挟持体1(回動させた挟持体に連接する他の挟持体)の開口部4に配置された状態となる(例えば、図2に示す状態)。
【0062】
この場合、有底容器100を上記開口部から背離する方向へ持ち上げるだけで、容易に有底容器100を収納部材S1から脱着することができる。
【0063】
以上説明したように、本実施形態によれば、少なくとも側部101と凹状に形成された底部102を有する有底容器100を、連接部3を介して連接された一対の挟持体1及び2によって挟持して、着脱可能に収納する収納部材S1であって、挟持体1及び2には、有底容器100が配置される開口部4及び9がそれぞれ形成されており、開口部4及び9には、有底容器100の底部102に形成された凹部に係止される係止片5及び10と、有底容器100の側部101を支持する一対の支持片6と7及び一対の支持片11と12であって、一対の支持片6と7及び一対の支持片11と12が互いに対向する位置に配置され、一対の支持片6と7及び一対の支持片11と12が互いに近接する方向に凸状に形成されるように構成したため、簡便な構成で需要者の注意を喚起する収納部材を提供することができる。
【0064】
なお、以上説明した実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。そして、上記実施形態の中で説明されている構成の組み合わせ全てが発明の課題解決に必須の手段であるとは限らない。
【0065】
具体的には、例えば、収納部材には異なる種類(大きさ)の複数の有底容器を収納するようにしてもよい。この場合には、有底容器の高さ、横幅、及び底部に形成される凹部の形状に応じて、上述した収納部材の係止片、支持片、支持片、及び上方片の形状を適宜変更する。
【0066】
[2.第2実施形態]
次に、図7〜図9を用いて、第2実施形態にかかる収納部材について説明する。
【0067】
第2実施形態にかかる収納部材が、第1実施形態にかかる収納部材S1と異なる点は、一の挟持体に挿入片を設け、折り返し片と他の挟持体とを連接する第二の連接部に挿入穴を設けたことである。
【0068】
まず、図7及び図8を用いて、第2実施形態にかかる収納部材の使用状態について説明する。図7及び図8は、第2実施形態にかかる有底容器が収納部材に収納される様子を示す概念図である。
【0069】
図7及び図8に示すように、収納部材S2の一対の挟持体21及び22において、挟持体21(一対の挟持体のうち一の挟持体の一例)の連接部3に対向する辺に挿入片23が設けられ、挟持体22(他の挟持体の一例)の連接部3に対向する辺には、第二の連接部26(第二の連接部の一例)を介して、折り返し片27が設けられる。そして、第二の連接部26には、挿入片23が挿入される挿入穴25が設けられている。
【0070】
このような収納部材S2に有底容器100を収納するには、まず、第1実施形態における収納部材S1と同様に、底部102に係止片5を挿入し、有底容器100を開口部4に配置する。そして、底部102に図7の矢印方向に従って係止片10を挿入し、有底容器100を、開口部9に配置する(図7参照)。そして、挿入片23を挿入穴25に挿入することによって、一対の挟持体21及び22が相互に連結される。
【0071】
このように、収納部材S2に有底容器100が収納された状態で、一対の挟持体21及び22が相互に連結されると、有底容器100は強固に(すなわち、ガタつきやゆるみの発生を抑制しつつ)固定されることとなる。
【0072】
次に、図9を用いて、第2実施形態にかかる収納部材の詳細について説明する。
【0073】
図9は、第2実施形態にかかる収納部材S2の展開時の形状を示す展開図である。
【0074】
図9に示すように、収納部材S2は、収納部材S1と同様に、折り曲げ自在の板状の部材を素材とし、連接部3によって一対の挟持体21及び22が連接されている。
【0075】
収納部材S2は、上述した板状の部材を、この収納部材S2と略同じ形の金型により打ち抜いて形成される。打ち抜かれる際に、図9における実線部分の切断が行われる。
【0076】
挿入片23は、挿入穴25に挿入される片であり、連接部24を介して挟持体21と連接されている。また、連接部24の両端部には切り込み部23a及び23bが形成される。
【0077】
挿入穴25は、挿入片23が挿入されるスリット状の穴であり、挿入穴25の実線部分で示す形状が打ち抜かれて形成される。そして、折り返し片27を、第二の連接部26を基準に折りたたむ(挟持体22へ近接させる)と、上記スリット状の穴が形成されるようになっている(図7の挿入穴25参照)。
【0078】
また挿入穴25は、コの字型の開口部側両端部に直線部25a及び25bを接続した形状に形成されている。そして、挿入片23が挿入穴25に挿入されると、挿入片23の両端部(切り込み部23a及び23bによって分離された部分)と直線部25a及び25bが互いに嵌着するため、一対の挟持体21及び22は強固に固定される。
【0079】
以上説明したように、本実施形態によれば、収納部材S2の一対の挟持体21及び22において、挟持体21の連接部3に対向する辺に挿入片23が設けられ、挟持体22と折り返し片27との連接部26には、挿入片23が挿入される挿入穴25が設けられるように構成したため、有底容器100を強固に(すなわち、ガタつきやゆるみの発生を抑制しつつ)固定し、収納することができる。
【0080】
なお、以上説明した実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。そして、上記実施形態の中で説明されている構成の組み合わせ全てが発明の課題解決に必須の手段であるとは限らない。
【0081】
具体的には、例えば、挿入片及び挿入穴の個数は任意に設定することができる。例えば、有底容器100をさらに強固に固定し、収納する場合には、かかる挿入片及び挿入穴の設定数量を増加すればよい。
【0082】
[3.第3実施形態]
次に、図10〜図12を用いて、第3実施形態にかかる収納部材について説明する。
【0083】
第3実施形態にかかる収納部材が、上記実施形態にかかる収納部材と異なる点は、収納部材に形成される一対の支持片に固定片を形成したことである。
【0084】
まず、図10及び図11を用いて、第3実施形態にかかる収納部材の使用状態について説明する。図10及び図11は、第3実施形態にかかる有底容器が収納部材に収納される様子を示す概念図である。
【0085】
図10及び図11に示すように、収納部材S3の挟持体31(何れか一の挟持体の一例)に形成される一対の支持片6及び7には、固定片32及び34が形成されている。この固定片32及び34は、有底容器100が収納された際に、側面部101に当接するように(即ち、他方の挟持体に近接する方向)折り込まれる。
【0086】
このような収納部材S3に有底容器100を収納するには、まず、上述した各実施形態における収納部材S1及びS2と同様に、底部102に係止片5を挿入し、有底容器100を開口部4に配置する。このとき、固定片32及び34は側面部101に当接しているため、有底容器100は、矢印C方向に回転することなく、開口部4に配置される。
【0087】
そして、底部102に図11の矢印方向に従って係止片10を挿入し、有底容器100を、開口部9に配置する。
【0088】
例えば、有底容器100に属性情報表示部104が表示されている場合には、宣伝広告効果の観点から、有底容器100が収納部材S3に収納されたときに、属性情報表示部104を外部から視認可能であることが望ましい場合もある。
【0089】
本実施形態にかかる収納部材S3では、有底容器100が矢印C方向に回転することなく収納部材S3に収納される。従って、有底容器100を、図11に示す位置に配置することによって、有底容器100が収納部材S3に収納されたときに、開口部9から属性情報表示部104を視認することができる。
【0090】
次に、図12を用いて、第3実施形態にかかる収納部材の詳細について説明する。
【0091】
図12は、第3実施形態にかかる収納部材S3の展開時の形状を示す展開図である。
【0092】
図12に示すように、収納部材S3は、収納部材S1及びS2と同様に、折り曲げ自在の板状の部材を素材とし、連接部3によって一対の挟持体31及び2が連接されている。
【0093】
収納部材S3は、上述した板状の部材を、この収納部材S3と略同じ形の金型により打ち抜いて形成される。打ち抜かれる際に、図12における実線部分の切断が行われる。
【0094】
固定片32及び34は、上記金型の打ち抜きにより挟持体31から分断されて形成される辺であり、連接部33及び35によって挟持体31と連接されている。
【0095】
以上説明したように、本実施形態によれば、収納部材S3の挟持体31に形成される一対の支持片6及び7に、固定片32及び34が形成されるように構成したため、有底容器100が収納部材S3に収納されたときに、例えば消費者は、開口部9から属性情報表示部104を視認することができる。
【0096】
[4.第4実施形態]
次に、図13及び図14を用いて、第4実施形態にかかる収納部材について説明する。
【0097】
第4実施形態にかかる収納部材が、第1実施形態にかかる収納部材S1と異なる点は、異なる種類の複数の有底容器100及び有底容器300を収納するようにしたことである。
【0098】
ここで、図13は第4実施形態にかかる有底容器が収納部材に収納される様子を示す概念図であり、図14は第4実施形態にかかる収納部材の展開時の形状を示す展開図である。
【0099】
図13及び14に示すように、収納部材S4の挟持体41及び挟持体42には、有底容器100を収納するための係止片5等の他、有底容器300を収納するために、開口部43(48)には、係止片44(49)、支持片45(51)、支持片46(50)、及び上方片47(52)が形成されている。
【0100】
この係止片44、支持片45及び46及び、上方片47は、有底容器300の側部301、底部302(有底容器300の高さ、横幅)の形状及び大きさに応じて形成されている。
【0101】
このような収納部材S4に有底容器100及び300を収納する方法は、すでに第1実施形態等で述べた方法と同様である。
【0102】
[5.第5実施形態]
次に、図15及び図16を用いて、第5実施形態にかかる収納部材について説明する。
【0103】
第5実施形態にかかる収納部材が、第2実施形態にかかる収納部材S2と異なる点は、異なる種類の複数の有底容器100及び有底容器300を収納するようにしたことである。また、第5実施形態にかかる収納部材が、第4実施形態にかかる収納部材S4と異なる点は、挿入片及び挿入穴を設けたことである。
【0104】
ここで、図15は第5実施形態にかかる有底容器が収納部材に収納される様子を示す概念図であり、図16は第5実施形態にかかる収納部材の展開時の形状を示す展開図である。
【0105】
図15及び16に示すように、収納部材S5の挟持体61には、挿入片63及び65が形成され、挟持体62と折り返し片70とを連接する第二の連接部68(第二の連接部の一例)には挿入穴67及び69が形成されている。挿入片63及び65は、連接部64及び66を介して挟持体61と連接されている。また、連接部64の両端部には切り込み部63a及び63bが、連接部66の両端部には切り込み部67a及び67bがそれぞれ形成される。
【0106】
また、挿入穴67及び69は、挿入片63及び65が挿入されるスリット状の穴であり、挿入穴67及び69の実線部分で示す形状が打ち抜かれて形成される。そして、折り返し片70を、第二の連接部68を基準に折りたたむ(挟持体62へ近接させる)と、上記スリット状の穴が形成される。
【0107】
また挿入穴67には、コの字型の開口部側両端部に直線部67a及び67bを接続した形状に形成され、挿入穴69にも同様に、コの字型の開口部側両端部に直線部69a及び69bを接続した形状に形成されている。そして、挿入片63が挿入穴67に挿入されると、挿入片63の両端部(切り込み部63a及び63bによって分離された部分)と直線部67a及び67bが互いに嵌着する。また、挿入片65が挿入穴69に挿入されると、挿入片65の両端部(切り込み部65a及び65bによって分離された部分)と直線部69a及び69bが互いに嵌着するため、一対の挟持体61及び62は強固に固定される。
【0108】
このような収納部材S5に有底容器100及び300を収納する方法は、すでに第2実施形態等で述べた方法と同様である。
【0109】
[6.第6実施形態]
次に、図17及び図18を用いて、第6実施形態にかかる収納部材について説明する。
【0110】
第6実施形態にかかる収納部材が、第1実施形態にかかる収納部材S1と異なる点は、挟持体1にのみ開口部4に係止片5、支持片6、支持片7、及び上方片8を形成(即ち、挟持体71には開口部及び(この開口部に形成される)係止片、一対の支持片、及び上方片を形成しない)したことである。
【0111】
ここで、図17は第6実施形態にかかる有底容器が収納部材に収納される様子を示す概念図であり、図18は第6実施形態にかかる収納部材の展開時の形状を示す展開図である。
【0112】
図17及び18に示すように、収納部材S6の挟持体1には、有底容器100を収納するための係止片5、支持片6、支持片7及び、上方片8等が形成されているが、挟持体71には、これら開口部及び係止片等は形成されていない。
【0113】
このような収納部材S6に有底容器100を収納する方法は、底部102に係止片5を挿入し、有底容器100を開口部4に配置する。そして、挟持体71を、挟持体1へ近接する方向へ回動(即ち、挟持体71を折りたたむ)させればよい。
【0114】
このとき、有底容器100を強固に固定したい場合には、上記折りたたんだ際に当接する挟持体1と挟持体71の端部を固定すればよい。また、当該端部を、上述した収納部材S2に設けられる挿入片及び挿入穴を設けるようにしてもよい。
【0115】
以上説明したように、本実施形態によれば、収納部材S6は、挟持体1にのみ係止片5、支持片6、及び支持片7が設けられるように構成したため、簡便な構成で収納容器を収納することができる。
【符号の説明】
【0116】
1 挟持体
2 挟持体
3 連接部
4 開口部
5 係止片
6 支持片
7 支持片
8 上方片
9 開口部
10 係止片
11 支持片
12 支持片
13 上方片
23 挿入片
25 挿入穴
100 有底容器
300 有底容器
S1 収納部材
S2 収納部材
S3 収納部材
S4 収納部材
S5 収納部材
S6 収納部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも側部と凹部が形成された底部とを有する有底容器を、連接部を介して互いに連接された一対の挟持体によって挟持して、着脱可能に収納する収納部材であって、
各前記挟持体には、前記有底容器が配置される開口部がそれぞれ形成されており、
各前記開口部には、
前記有底容器の底部に形成された凹部に係止される係止片と、
前記有底容器の側部を支持する一対の支持片と、
が形成されることを特徴とする収納部材。
【請求項2】
請求項1に記載の収納部材であって、
前記一対の挟持体のうち一の挟持体の前記連接部に対向する位置に挿入片が設けられ、
他の挟持体には前記連接部に対向する位置に、第二の連接部を介して折り返し片が設けられ、
前記第二の連接部には前記挿入片が挿入される挿入穴が設けられることを特徴とする収納部材。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の収納部材であって、
何れか一の前記挟持体に形成される一対の支持片には、前記有底容器が収納された際に、前記有底容器の側面部に当接するように折り込まれる固定片が設けられることを特徴とする収納部材。
【請求項4】
少なくとも側部と凹部が形成された底部とを有する有底容器を、連接部を介して互いに連接された一対の挟持体によって挟持して、着脱可能に収納する収納部材であって、
前記一対の挟持体のうち一の挟持体には、前記有底容器が配置される開口部が形成されており、
各前記開口部には、
前記有底容器の底部に形成された凹部に係止される係止片と、
前記有底容器の側部を支持する一対の支持片と、
が形成されることを特徴とする収納部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−126428(P2012−126428A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−279812(P2010−279812)
【出願日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】