説明

取っ手付き風呂蓋

【課題】 取っ手付き風呂蓋において、取っ手を下にしての床置きを可能にすると共に、床置きしたときの蓋側、及び床側の汚れの付着を少なくできるようにし、掃除が楽になるようにする。
【解決手段】 取っ手2に床4との接地部5を設ける。この接地部5を突起状に形成する。この場合、本発明は、接地面積がより小さくなるよう、接地部5を、床4と点接触する状態に形成するのが好ましい。また本発明は、接地部5を、取っ手2の厚みtの範囲内に納めて突き出させるのが良い。更に本発明は、この接地部5に、交換自在のキャップ6が被せられるのが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽の開口面を閉塞するための風呂蓋に関し、更に詳しくは取り扱いを容易にするための取っ手を備えて形成されている取っ手付き風呂蓋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来この種の風呂蓋としては、組み合わせ式の風呂蓋において、蓋の側縁部に、壁掛けにも使用できる環状部を形成したものや、また巻取り式の風呂蓋において、側端部の板材に取っ手を設けたものがある(例えば特許文献1〜3参照)。
【0003】
ところでこの種の風呂蓋は、持ち運びの際に取っ手を利用することができ、また収納時は取っ手を壁のフックに引っ掛けて懸吊することができる、というメリットがある。
しかしながらこの種の従来品を床置きするときは、逆に取っ手が邪魔になり、また取っ手によって床置き時の姿勢が不安定になるものであった。
従って従来、この種の風呂蓋を、床置きするときは、通常の風呂蓋の場合と同様、取っ手の付いていない側縁部を選んで床置きするのが通例であった。
その結果、この種の従来品は、取っ手を有することによる使い勝手の良さはあるものの、床置きに適さず、また床置きしたときは、側縁部がベタに床に付いて側縁部の全体や、床自体を広い範囲で汚し、掃除が大変になる、という問題点があった。
【特許文献1】特開2002−95598号公報
【特許文献2】特開2005−6746号公報
【特許文献3】特開平10−216034号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑み、提案されたものである。
従って本発明の解決しようとする技術的課題は、取っ手付き風呂蓋において、取っ手を下にしての床置きを可能にすると共に、床置きしたときの蓋側、及び床側の汚れの付着を少なくできるようにし、掃除が楽になるよう形成した取っ手付き風呂蓋を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するため、次のような技術的手段を採る。
即ち本発明は、図1等に示されるように、蓋板1の側縁部1aに取っ手2が設けられている取っ手付き風呂蓋であって、上記の取っ手2に床4との接地部5が設けられ、この接地部5が突起状に形成されていることを特徴とする(請求項1)。
【0006】
接地部5は、具体的には取っ手2と共に一体成形されたり、或いは取っ手2に後付けされることで設けられる。またこの接地部5は、取っ手2に一定の間隔をあけて複数形成される場合には限られず、1個形成されているのでも良い。
【0007】
而して本発明の課題を達成する他の構成としては、例えば図8等に示されるものがある。
この本発明は、幅狭な板材9が並列状に且つ巻回自在に複数連結されて巻き蓋式に形成されると共に、側縁部1aに取っ手2が設けられている取っ手付き風呂蓋であって、上記の取っ手2が、柔軟材で形成されると共に、上記の複数の幅狭な板材9の端部9aに跨って設けられ、この取っ手2に床4との接地部5が設けられ、この接地部5が突起状に形成されているものである(請求項2)。
【0008】
本発明の場合、取っ手2は、巻き取り時に支障とならないよう、例えば軟質樹脂材やゴム材で形成される。接地部5の個数は、請求項1記載の本発明の場合と同様、任意である。
【0009】
また本発明は、接地部5が、床4と点接触する状態に形成されているのが好ましい(請求項3)。
なぜならこれによると、接地面積がより小さくなり、その分、蓋側、及び床側の汚れが小さくなり、掃除の手間暇を軽減できるからである。
【0010】
また本発明は、接地部5が、取っ手2の厚みt(図3参照)の範囲内に納められて突き出されているのが好ましい(請求項4)。
なぜならこれによると、浴槽3に蓋をしたとき、及び蓋を重合して収納したとき、接地部5によって蓋が持ち上がることを防止でき、また隙間を作ることなく収納できるからである。ここで、取っ手2の厚みtの範囲内に納められて、とは、取っ手2の前後の面から接地部5が食み出さないことを意味し、具体的には接地部5が取っ手2の厚みtと同一、またはそれ以下に選定されることで実現される。
【0011】
更に本発明は、接地部5が、交換自在のキャップ6で覆われているのが好ましい(請求項5)。
なぜならこれによると、床置きしたときの衝撃をキャップ6で緩和でき、キャップ6によって接地部5を保護でき、キャップ6を交換するだけでこの種のメリットを安価に享受できるからである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の風呂蓋は、このように取っ手に床との接地部が設けられ、この接地部が突起状に形成されているものである。
従って本発明によれば、取っ手を下にして床置きできるだけではなく、床置きしたとき、蓋側、及び床側の汚れの付着を少なくでき、掃除の手間暇を軽減できるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明品は、蓋板1の側縁部1aに取っ手2が設けられている取っ手付き風呂蓋である。蓋板1は、この実施形態では2枚で構成され、浴槽3の洗い場側の角に対応する位置は斜めにカットされている。なお、この斜めのカットは、浴槽3のフランジに取り付けられる部品との干渉を防止するためのものである。
【0014】
そして本発明品は、上記の取っ手2に、床4との接地部5が設けられ、この接地部5が突起状に形成されている。この取っ手2は、この実施形態では左右一対の腕片2aと、この腕片2aの先端に横架されている握り棒2bとで形成されている。なお、この実施形態の場合、取っ手2は、浴槽3の短幅方向に対応する側縁部1aに1個形成されている。
【0015】
上記の接地部5は、腕片2aの先端から突き出され、床4と点接触するよう、細い棒状に形成されている。またこの接地部5は、取っ手2の厚みt(図3参照)の範囲内に納められて突き出されている。6は、接地部5に交換自在に装着されるキャップである。接地部5は、この交換自在のキャップ6で覆われている。キャップ6は、例えばゴム等の軟質材で形成されている。
【0016】
次に本発明の風呂蓋の使用例を説明する。
使用者は、本発明品を浴槽3から外した後、例えば図4に示されるように、洗い場の床4に取っ手2を下にして壁7に寄りかからせて配置する。この場合、取っ手2に形成されている接地部5が、この実施形態では洗い場の床4に点接触する。従って本発明品によれば、接地部5や、また床4に付く汚れが少なくなり、その分、掃除が楽になる。また接地部5は、上記の通り、取っ手2の厚みtの範囲内に納められているから、蓋板1を2枚一緒に並べた場合でも、隙間を作ることなく綺麗に重合させて配置できる。
【0017】
またこの実施形態の本発明品は、接地部5がキャップ6で覆われているから、接地時の衝撃等をキャップ6で緩和でき、接地音もキャップ6が軟質材製のため低減する。なお、キャップ6が傷んだときは、キャップ6を新品に交換して使用する。
【0018】
また本発明品は、図5〜図7に示されるように、壁7のフック8に取っ手2を引っ掛けて収納することもできる。この場合も、床置きしたときと同様、蓋板1を2枚重ねて吊り下げても、蓋板1の間に隙間を作ることなく、綺麗に吊り下げて配置できる。
【0019】
而して本発明の課題を達成する他の構成としては、図8等に示されるものがある。上例と同一部材、同一箇所には同一の符号を付し、詳しい説明は省略する。
【0020】
この本発明の場合は、幅狭な板材9が並列状に且つ巻回自在に複数連結されて巻き蓋式に形成されると共に、側縁部1aに取っ手2が設けられている。この取っ手2は、軟質樹脂材等の柔軟材で形成されると共に、上記の複数の幅狭な板材9の端部9aに跨って設けられている。そして本発明は、この取っ手2に、床4との接地部5が設けられ、この接地部5が突起状に形成されているものである。
【0021】
取っ手2は、この実施形態では蓋の長手方向に沿った側縁部1aに、所定の間隔をあけて一対設けられている。またこの取っ手2は、上例と同様、左右一対の腕片2aと、この腕片2aに横架された握り棒2bとで形成されている。
【0022】
接地部5は、上例と同様、腕片2aが延長されることで、床4に点接触するよう、細い棒状に形成されている。またこの接地部5は、取っ手2の厚みt(図10参照)の範囲内に納められ、取っ手2の厚みtの間隔から、蓋の表裏の側に食み出さないよう形成されている。また接地部5は、交換自在のキャップ6で覆われている。キャップ6は、上例と同様、軟質樹脂材で形成されている。
【0023】
而してこの本発明品の場合、床置きするときは、例えば図11に示されるように、使用者は巻回して巻き取り、取っ手2を下にして壁7に持たせかけて配置する。本発明の場合、接地部5は、細い棒状であるから、接地部5や床面には汚れが付きにくくなる。またキャップ6によって接地時の衝撃が緩和され、接地音も小さくなる。
【0024】
またこの本発明品は、図12〜図14に示されるように、取っ手2をフック8に引っ掛けて吊るして収納することもできる。この場合、この実施形態の本発明品は、上例と同様、接地部5が取っ手2の厚みtの範囲内に納められているから、図14に示されるように、二つ折りして引っ掛けたとき、隙間を作ることなく綺麗に重ねて吊るすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の風呂蓋の好適な一実施形態を示し、Aは使用状態時の斜視図、Bは平面図である。
【図2】同上風呂蓋の要部平面図である。
【図3】同上風呂蓋の使用状態時の要部斜視図である。
【図4】同上風呂蓋の使用状態時の要部斜視図である。
【図5】同上風呂蓋の使用状態時の要部斜視図である。
【図6】同上風呂蓋の使用状態時の要部正面図である。
【図7】同上風呂蓋の使用状態時の要部斜視図である。
【図8】本発明の風呂蓋の他の構成を示し、Aは使用状態時の斜視図、Bは平面図である。
【図9】図8の風呂蓋の要部平面図である。
【図10】図8の風呂蓋の要部斜視図である。
【図11】図8の風呂蓋の使用状態時の要部斜視図である。
【図12】図8の風呂蓋の使用状態時の要部斜視図である。
【図13】図8の風呂蓋の使用状態時の要部正面図である。
【図14】図8の風呂蓋の使用状態時の要部斜視図である。
【符号の説明】
【0026】
1 蓋板
1a 側縁部
2 取っ手
4 床
5 接地部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓋板の側縁部に取っ手が設けられている取っ手付き風呂蓋であって、上記の取っ手に床との接地部が設けられ、この接地部が突起状に形成されていることを特徴とする取っ手付き風呂蓋。
【請求項2】
幅狭な板材が並列状に且つ巻回自在に複数連結されて巻き蓋式に形成されると共に、側縁部に取っ手が設けられている取っ手付き風呂蓋であって、上記の取っ手が、柔軟材で形成されると共に、上記の複数の幅狭な板材の端部に跨って設けられ、この取っ手に床との接地部が設けられ、この接地部が突起状に形成されていることを特徴とする取っ手付き風呂蓋。
【請求項3】
請求項1又は2記載の取っ手付き風呂蓋であって、接地部が、床と点接触する状態に形成されていることを特徴とする取っ手付き風呂蓋。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れかに記載の取っ手付き風呂蓋であって、接地部が、取っ手の厚みの範囲内に納められて突き出されていることを特徴とする取っ手付き風呂蓋。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れかに記載の取っ手付き風呂蓋であって、接地部が、交換自在のキャップで覆われていることを特徴とする取っ手付き風呂蓋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−261844(P2009−261844A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−118450(P2008−118450)
【出願日】平成20年4月30日(2008.4.30)
【出願人】(000004709)株式会社ノーリツ (1,293)
【Fターム(参考)】