説明

取付フレームの選択部分に導電性層を付着させる方法

航空機の窓のフォームマウントは、エレクトロクロミック窓を受け入れるための溝を有する。フォームマウントは、フォームマウントを航空機の外部に面するように設計された第1の区域と反対側の第2の区域とに分けるために溝にブランクを入れることによって塗装される。溝と第1の区域は導電性塗料で被覆され、第2の区域はデコラティブペイントで被覆される。個人用電子機器からの電子信号が航空機の客室の窓及びドアの窓を通過することを防止するために、フォームマウント上の導電性被覆およびエレクトロクロミック窓の電極の導電性被覆がRF遮蔽を提供する。フォームマウントの他の区域が覆われている状態で1つの区域を被覆するために、マスクも提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取付フレーム又はフォームマウントの選択された部分に、及びフォームマウントに導電性層を付着させる方法に関するものである。より詳細には、フォームマウントの一方の側の内面に導電性層を付着させること、及びフォームマウントの反対側の内面に非導電性層を付着させることに係るものである。
【背景技術】
【0002】
現在、事業用航空機の乗客の電子機器、例えば携帯電話及びコンピュータで送受信される電気信号が航空機のアンテナによって送信および受信されるように、事業用航空機の機体の周りに電子的遮蔽を設けることが望まれる。この配置の利点のうちの1つは、航空機の窓を通じて制御されない信号が伝送されることを無くすことである。航空機の窓を通して伝送された信号は、航空機の作動に必要な伝送信号を妨害することがある。当業者によって理解されるように、この目標を成し遂げるために、航空機の客室の窓及びドアの窓を通した信号の伝送を防止することが必要となる。
【0003】
この目標を達成する1つの手法として、導電性層を有するフォームマウントに、導電性層を有する窓板が取り付けられる。窓板は、エレクトロクロミック窓、又は1つ若しくは複数の板の主表面上に導電性層又はフィルムを有する1つ又は複数の板ガラスとすることができる。より詳細には、当該技術分野では公知のように、エレクトロクロミック窓は、2つの離間された電極の間にエレクトロクロミック媒体を含むものである。電極の各々は、板ガラスの主表面上の導電性層又はフィルムを含む。導電性層又はフィルムが無線周波数(「RF」)を遮蔽する。
【0004】
フォームマウントの機外側の表面は、導電性層、例えばRF遮蔽層又は被覆、を有する。フォームマウントの機内側の表面は、航空機内部の装飾を仕上げるために非電気導電性デコラティブペイントにより被覆される。窓板を有するフォームマウントは、機外側の構造用板と機内側の保護オーバーレイ・シートとの間の航空機の窓開口部に位置付けられる。フォームマウントの導電性層を航空機の電気接地に接続するために、フォームマウント上の導電性層が航空機の壁と電気的に接続される。この配置では、エレクトロクロミック窓の導電性層およびフォームマウントの導電性層により、航空機の機体の窓開口部のRF遮蔽が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5,675,944号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2007/0002422号明細書
【特許文献3】米国特許第5,215,821号明細書
【特許文献4】米国特許第6,471,360号明細書
【特許文献5】米国特許第6,783,099号明細書
【特許文献6】米国特許第4,720,350号明細書
【特許文献7】米国特許第5,973,039号明細書
【特許文献8】米国特許第7,393,101号明細書
【特許文献9】米国特許第4,610,771号明細書
【特許文献10】米国特許第4,806,220号明細書
【特許文献11】米国特許第5,821,001号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
当業者によって理解されるように、フォームマウント上に2つの異なる層又は被覆を付着させることは、時間がかかり且つ多大な労力を要することがある。したがって、フォームマウントに2つの層を付着させる時間と労力を最小にする、フォームマウントの選択された部分を導電性層で被覆し、且つフォームマウントの他の選択された部分を非導電性デコラティブ層で被覆する方法を提供することが有利となるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、フォームマウントの選択された部分に導電性層を付着させる方法に関するものである。フォームマウントは、開口領域を取り囲む閉じられたフレームを有する形状である。フレームの断面は、数ある中でも、周辺表面と、周辺表面とは反対側の、開口領域を画定する内側表面と、周辺表面から内側表面の第1の部分まで延びる第1の側部と、周辺表面から内側表面の第2の部分まで延びる反対側の第2の側部とを含み、フォームマウントの内側表面は、フォームマウントの開口領域に面する溝の開放端を含み、第1の部分は溝の開放端の一方の側部上にあり、第2の部分は溝の開放端の他方の側部上にある。この方法は、数ある中でも、溝の内側表面の上に第1の導電性被覆を付着させるステップと、フォームマウントを第1の区域と第2の区域に分けるためにフォームマウントの開口領域を完全に覆うように基板の周辺縁を溝に挿入するステップとを含む。第1の区域は、フォームマウントの第1の側部と、第1の側部に接続され第1の部分として画定された内側表面の一部とを含み、第2の半分は、フォームマウントの第2の側部と、第2の側部に接続され第2の部分として画定された内側表面の一部とを含む。第1の区域上に第2の導電性被覆が付着され、第1の区域上の被覆と溝の内側表面上の被覆は互いに接触し、フォームマウントの第2の区域上に非導電性被覆が付着される。
【0008】
さらに、本発明は、数ある中でも、開口領域を取り囲む閉じられたフレームを有する形状のフォームマウントを提供することによってRF遮蔽窓を作製する方法に関するものである。フレームの断面は、数ある中でも、周辺表面と、周辺表面とは反対側の、開口領域を画定する内側表面と、周辺表面から内側表面の第1の部分まで延びる第1の側部と、周辺表面から内側表面の第2の部分まで延びる反対側の第2の側部とを有し、フォームマウントの内側表面は、フォームマウントの開口領域に面する溝の開放端を含み、第1の部分は溝の開放端の一方の側部上にあり、第2の部分は溝の開放端の他方の側部上にある。その主表面上に導電性層を有する透明部が、フォームマウントの溝内に嵌合し且つフォームマウントの開口領域を完全に覆うように形状設定され及び寸法設定される。透明部の周辺部分の形状及び厚さと同様の周辺部分の形状及び厚さを有する基板が提供される。溝の内側表面上に第1の導電性被覆が付着され、その後、フォームマウントの開口領域を完全に覆うために且つフォームマウントを第1の区域と第2の区域とに分けるために、溝に基板の周辺縁が挿入される。第1の区域は、第1の側部と、第1の側部に接続され第1の部分として画定された内側表面の一部とを含み、第2の半分は、第2の側部と、第2の側部に接続され第2の部分として画定された内側表面の一部とを含む。第1の区域上に第2の導電性被覆が付着され、フォームマウントの第1の区域上の第2の被覆と溝の内側表面上の第1の被覆は互いに接触する。フォームマウントの第2の区域上に非導電性被覆が付着される。基板がフォームマウントから除去され、透明部がフォームマウントの溝に入れられる。
【0009】
さらに、本発明は、上記の方法によって作製されたフォームマウントに取り付けられた航空機の窓に関するものである。
【0010】
さらに、本発明は、数ある中でも、ベースと、ベース上に取り付けられ且つベースから上向きに延びる壁と、ベースの周辺部分と直立壁との間のベース上に取り付けられた第1のスペーサと、ベースの周辺部分と壁との間のベース上に取り付けられ且つ第1のスペーサから離間された第2のスペーサと、ベースの上になり且つ第2のスペーサ上になる閉位置まで第1の方向に動くように、及び壁内のベースの表面を露出するために開位置まで反対の第2の方向に動くように第1のスペーサに取り付けられたカバーとを含むコーティング・マスクに関する。カバーは、カバーが閉位置にあるときカバーが壁の上を覆い壁内のベースが見えるように寸法設定される開口部を有する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】客室の窓の機外側の図を示す航空機の部分側面図。
【図2】図1の線2〜2に沿って見た図。
【図3】図2に示されたフォームマウントの横断面図。
【図4】被覆の重なり合いを防止するために本発明の実施において用いられるブランクの立面平面図。
【図5】被覆の重なり合いを防止するために本発明の実施において用いることができる、開位置にあるマスクの斜視図。
【図6】マスクのベース上に位置付けられたフォームマウントを示す、図5と同様の図。
【図7】閉位置にあるマスクを示す、図6と同様の図。
【図8】本発明の教示に係るフォームマウントの一方の側部上のマスク・カバーの限定ではない一実施例の部分側面図。
【図9】本発明の教示に係るフォームマウントの他方の側部上のマスク・カバーの別の限定ではない実施例を示す、図8と同様の図。
【実施例】
【0012】
本明細書で用いられる「内側」、「外側」、「左」、「右」、「上」、「下」、「水平方向」、「鉛直方向」などのような空間又は方向の用語は、図面に示されるように本発明に関して用いられる。しかしながら、本発明は、種々の代替的な向きをとることができるので、こうした用語は限定として考えられるものではないことが理解される。さらに、明細書および特許請求の範囲で用いられる寸法、物理的特徴などを表すすべての数字は、すべての場合に「約」という用語によって修正されるものとして理解される。したがって、これに反する記載がない限り、以下の明細書および特許請求の範囲に記載の数値は、本発明によって得られると思われる所望の特性に応じて変化することがある。最低限でも、特許請求の範囲への均等論の適用を制限しようとするものではなく、各数値パラメータは、少なくとも報告された有効数字の数に照らして、通常の四捨五入を適用することによって解釈されるべきである。そのうえ、本明細書で開示されるすべての範囲は、そこに含まれるいずれかの及びすべての部分範囲を包含すると理解される。例えば、表記された「1〜10」の範囲は、最小値1から最大値10までの(及びこれらを含む)いずれかの及びすべての部分範囲、すなわち、最小値1以上から最大値10以下のすべての部分範囲、例えば、1〜6.7、3.2〜8.1、又は5.5〜10を含むと考えられるべきである。また、本明細書で用いられる場合の「の上に噴霧される」、「の上に付着される」、又は「の上に設けられる」という用語は、必ずしも接触する表面内にではなく、表面上に「噴霧される」、「付着される」、又は「設けられる」ことを意味する。例えば、基板「の上に付着される」材料は、堆積された材料と基板との間に位置する同じ又は異なる組成物の1つ又は複数の他の材料の存在を排除するものではない。
【0013】
本発明の限定ではない実施例を説明する前に、本発明は、本明細書で示され説明された特定の限定ではない実施例の詳細への適用に限定されないことが理解される。本発明は他の実施例が可能である。さらに、本発明を説明するために本明細書で用いられる用語は、説明目的のためのものであって限定目的のためのものではない。さらに、以下の説明で他に指定のない限り、同じ符号は同じ要素を指す。
【0014】
本発明の限定ではない実施例は、航空機の客室の窓を製造するための本発明の実施に向けられるであろうが、本発明は、如何なる特定のタイプの航空機の客室の窓にも限定されず、本発明は、航空機のドアの窓に対する本発明の実施を考慮している。さらに、本発明は、例えば、限定はされないが、その全体を参照により本明細書に援用する米国特許第5,675,944号で開示されたタイプの商業建造物及び住居建造物の窓、あらゆるタイプの乗り物、例えば空中飛行体及び宇宙飛行体、並びに水上又は水中船の窓、及びあらゆるタイプのコンテナの観察側又はドア、例えば、限定はされないが冷蔵庫、キャビネット、及び/又はオーブンのドアの窓に対して実施することができる。
【0015】
必要に応じて図1及び図2を参照すると、航空機22の区域20には客室の窓24が存在する。客室の窓24(図2参照)は、フレームマウント26を含み、このフレームマウント26は、本発明の機能部を含み且つ本発明に従って被覆される。本発明の好ましい実施において、フレームマウント26は、発泡体により作製され、以下では「フレームマウント」又は「フォームマウント」とも呼ばれる。窓板28、例えばエレクトロクロミック窓28は、フォームマウント26の溝30に取り付けられる。エレクトロクロミック窓28は、一対の電極32及び33の間にエレクトロクロミック媒体31を含む。電極32及び33の各々は、板ガラス36の内側表面35上の導電性層又はフィルム34を含む。電極32及び33の板ガラス36の辺縁部37は、エレクトロクロミック媒体31を有する密封されたセル38を形成するためにシールされる。電極32の板ガラス36の外側表面39は航空機22の外部に面し、電極33の板ガラス36の外側表面40は航空機22の内部に面する。エレクトロクロミック窓は、当該技術分野では周知であり、エレクトロクロミック窓24の構成のさらなる説明は必要ではないと思われる。
【0016】
電極32及び33の導電性フィルム34により、窓板(pane、ペイン)28を通じた電気信号の伝送を防止するためにRF遮蔽が得られる。フォームマウント26の機内側の内側表面41は航空機22の内部に面し、フォームマウント26の機外側の内側表面42は航空機22の外部に面する。機内側の保護オーバーレイ・シート43は、フォームマウント26の機内側の側部44と内部窓枠46との間にあり、構造用板(ply、プライ)48は、フォームマウント26の機外側の側部50と航空機22の機体52との間にある。航空機の機体52と構造用板48との間の水分の浸入を(無くすのでなければ)最小にするために、構造用板48の機外側の表面56と航空機22の機体52との間にガスケット54が随意的に設けられる。
【0017】
本発明は、客室の窓24を航空機の機体52にしっかりと取り付けるのに用いられる様式又は構成材に限定されず、客室の窓24を航空機の機体に固定するために、当該技術分野では公知の技術又は固定部材、例えば、ボルト、ナット、ねじ、クリップ、及びラッチのいずれかを本発明の実施において用いることができる。当業者によって理解されるように、客室の窓を航空機の機体52に固定するために固定部材を用いる様式及び用いられる固定部材のタイプは、航空機の設計者及び/又は製造者によって指示されために本発明では限定されない。さらに、本発明は、客室の窓の構成材、例えば、構造用板48、窓板28を有するフォームマウント26、及び機内側の保護層24を使用することと、ユニット化された客室の窓を航空機の機体52に固定することと、その後、機内側の窓枠46を航空機の機体に固定することとを考慮している。また、本発明は、客室の窓24の構成材を航空機の機体52に個々に取り付けること及び固定すること、例えば、用いられる場合には、構造用板56及びガスケット54を所定位置に固定すること、すなわち、窓板28を有するフレームマウント26を構造用板48と接触する所定位置に固定すること及び機内側の保護シート42をフレームマウント26と接触する所定位置に固定することと、その後、機内側の窓枠46を航空機の機体に固定することとを考慮している。
【0018】
構造用板48は、本発明に限定されず、単一のガラス又はプラスチック板、又は一対のガラス及びプラスチック板、並びに、当該技術分野では公知のように、例えば米国特許出願公開第2007/0002422(A1)号に記載されるように中間膜材料によって一緒にラミネートされた組合せとすることができる。板がガラスで作製されるとき、ガラスは、好ましくは化学的強化、熱強化、又は熱による高強度化が施される。構造用板48の板の材料と板の数は、本発明では限定されない。
【0019】
機内側の保護オーバーレイ・シート43は、本発明では限定されず、当該技術分野で用いられるタイプのいずれか、例えば、乗客の好奇心、洗浄液、及び/又は研磨清掃材料による表面の引っかき傷から、下にある窓板28を保護するためのプラスチック板とすることができる。
【0020】
本発明の好ましい実施において、窓板28は、媒体に印加される電圧の変化に応じて光透過率を変化させる、媒体31を有するエレクトロクロミック・デバイス又は窓28である。本発明は、エレクトロクロミック窓の構成に限定されず、当該技術分野では公知のタイプのいずれか、例えば、米国特許第5,215,821号、米国特許第6,471,360号、米国特許第6,783,099号、米国特許出願公開第2007/0002422(A1)号を本発明の実施において用いることができる。また、本発明は、窓板28が、相互に離間された一対の板ガラスと、媒体上の光の強さに応じて光透過率を変化させる板同士の間の媒体とを有するフォトクロミック・デバイスであることを考慮している。本発明は、フォトクロミック窓の構成に限定されず、当該技術分野では公知のタイプのいずれか、例えば、米国特許第4,720,350号、米国特許第5,973,039号、米国特許第7,393,101号を本発明の実施において用いることができる。本発明は、窓板28が、ガラス若しくはプラスチック板、又は1つ若しくは複数のガラス若しくはプラスチック板、或いは一緒にラミネートされた又は例えば米国特許第5,675,944号で開示されたタイプのスペーサ・フレームによって相互に離間された組合せであることをさらに考慮している。上述の文書を、参照により本明細書に援用する。
【0021】
ここで当業者によって理解され得るように、本発明は、RF遮蔽として作用するために窓の少なくとも1つの主表面上に導電性層又はフィルムを有する窓28を考慮している。例えば、本発明では限定されないが、窓28がフォトクロミック窓である場合、板の外側表面又は板の内側表面、例えば電極32及び/又は33の板ガラス36の表面35上に導電性層又はフィルムが設けられる。
【0022】
本発明の別の限定ではない実施例において、窓板28は、基板、例えば基板の主表面上に電気的に導電性の層又はフィルムを有するガラス又はプラスチック板を含む。導電性層又はフィルム、例えば窓板28の電極32及び33の導電性層34(図2参照)は、電気信号、例えば、限定はされないが電子機器、例えば、限定はされないが携帯電話及び無線コンピュータによって送受信された信号の伝送への障壁となる。本発明は導電性層36に限定されず、この層は、当該技術分野では公知のタイプのもののいずれかとすることができる。本発明の実施において用いることができる導電性被覆の限定ではない実施例は、登録商標NESA(登録商標)の下でPPG Industries,Inc.によって販売されるタイプの熱分解で堆積されたフッ素ドープ酸化スズフィルム、登録商標NESATRON(登録商標)の下でPPG Industries,Inc.によって販売されるタイプのマグネトロンスパッタ堆積されたスズドープ酸化インジウムフィルム、1つ又は複数のマグネトロンスパッタ堆積されたフィルムで構成された被覆を含むがこれに限定されず、フィルムは、金属フィルム、例えば金属酸化物フィルム(誘電体フィルム)、例えば酸化亜鉛及び/又はスズ酸亜鉛の間の銀を含むがこれに限定されず、この各々は、例えばその開示を参照により本明細書に援用する米国特許第4,610,771号、米国特許第4,806,220号、及び米国特許第5,821,001号で開示されるように、マグネトロン・スパッタリングによって順番に付着されてもよい。
【0023】
フォームマウント26は、圧縮可能な、可撓性の、且つ電気的に非導電性のあらゆる材料により作製できる。材料は、窓板28をフォームマウント26の溝30に取り付けることができるように、圧縮可能であり且つ可撓性であることが好ましい。フォームマウント26は、電気的に導電性の被覆を付着させることによってフォームマウントの選択された表面部分のみを電気的に導電性にできるようにするために、電気的に非導電性である。より詳細には、必要に応じて図2及び図3を参照すると、本発明の限定ではない一実施例において、電気的に導電性の層又は被覆60が、溝30の内壁61、機外側の側部50、及びフォームマウント26の機外側の内側表面42上に付着され又は形成され、デコラティブ・コーティング62、好ましくは非導電性被覆が、フォームマウント26の機内側の内側表面41上に付着され又は形成される。客室の窓を通して見るときにフォームマウント26の外側表面64は見えず、表面64を被覆しないことにより被覆費用の減少が実現されるので、フォームマウント26の外側の周辺表面64は導電性被覆62又はデコラティブ・コーティング62のいずれかで意図的に被覆されない。しかしながら、フォームマウントの外側表面64上へのスプレーしぶき又は塗料しぶきは許容できる。本発明の限定ではない一実施例において、本発明は、Avon,Ohioにオフィスを有するTechnifab,Inc.によって作製されたZoteフォームマウントに対して実施された。
【0024】
本発明の実施において、フォームマウント26は、電気信号がフォームマウントを通して移動することを防止するために導電性層60及び61により被覆される。フォームマウントの機内側の内側表面38は、美的理由のためにデコラティブペイントにより塗装される。図3を参照すると、境界面63は、導電性層61の終端であり、且つデコラティブ・コーティング62の始端である。理解されるように、本発明は、境界面63の位置に限定されないが、導電性層60及び61と窓板28の導電性層は、フォームマウントの導電性層60及び61と窓板28の導電性層との間の如何なるギャップ又は分離もなしにRF遮蔽がなされるべきである。さらに、理解されるように、本発明は、本発明の実施において用いられる塗料のタイプに限定されない。本発明の限定ではない一実施例において、電気的に導電性の被覆60は、Creative Materialsによって販売されるタイプの102−32/B507銀RF塗料であり、デコラティブ・コーティング62は、HSH Interplan,Inc.によって販売される1050 HF BAC70913トップコートであった。
【0025】
本発明の限定ではない一実施例において、フォームマウントは、プロセスAで説明される様式により塗装された。
【0026】
プロセスA
1.HSH Interplan,Inc.EED非中毒性(non−crazed)複合材用クリーナを、フォームマウント26の溝30の内壁61に、リントフリーKimberly−Clark WypAll L30ワイプで付着させ、その後、低圧の圧縮空気の流れを当てて、溝30からほこり及び異物粒子を除去した。
【0027】
2.102−32/B507銀RF塗料(以下、「銀RF塗料」とも呼ぶ)を、銀RF塗料の製造業者によって提供された説明書に従って調製した。
【0028】
3.塗料スティック又はスワブを用いて、銀RF塗料の層60を、フォームマウント26の溝30の内壁61(図3参照)に付着させた。如何なる銀RF塗料もフォームマウント26の機内側の内側表面41に付着されないように注意を払った。
【0029】
4.溝30の内壁61の上に付着された銀RF塗料の層60を、銀RF塗料の製造業者によって提供された指示書に従って硬化させた。
【0030】
5.溝の壁上の銀RF塗料の層60の硬化後に、溝30に取り付けられるべき窓板28の形状と同様の形状を有するブランク70(図4参照)が提供された。本発明の限定ではない一実施例において、ブランクは、ボール紙ブランクであったが、本発明はこれに限定されず、ブランクは、あらゆる材料、例えば、限定はされないが、木材、金属、ガラス、又はプラスチックで作製することができる。ブランク70の厚さは、本発明に限定されず、厚さは、後述の理由のためにフォームマウント26の溝30に取り付けられるべき窓板28の厚さの80〜90%が好ましい。前述のように、ブランク70は、窓板28の形状と同様の形状を有するが、本発明のこの限定ではない実施例において、ブランクの形状は、溝30に取り付けられるべき窓板28の形状よりも5〜10%小さい。溝30に取り付けられるべき窓板28よりも薄い且つ小さいブランク70を提供することによって、フォームマウント26の溝30は、被覆の重なり合いを防止するためにフォームマウント26の機内側の内側表面36を機外側の内側表面38から間仕切りするべくブランク70が溝30に挿入されたときに、過度に屈曲しない。
【0031】
6.フォームマウント26の機外側の内側表面42及び機外側の側部50上に銀RF塗料の層60を噴霧した(図3参照)。フォームマウントの外側表面64に噴霧しないように注意をしたが、外側表面64上への銀RF塗料のスプレーしぶきが認められた。本発明のこの限定ではない実施例において、外側表面64上への銀RF塗料のスプレーしぶきは許容できる。
【0032】
7.フォームマウント26の機外側の内側表面42及び機外側の側部50上の銀RF塗料の層60を、銀RF塗料の製造業者によって提供された説明書に従って硬化させた。ブランク70は、銀RF塗料の硬化の間、フォームマウントの溝30に残された。
【0033】
8.フォームマウント26の機外側の内側表面40及び機外側の側部50上の銀RF塗料の層60の硬化が完了した後で、HSH Interplan,Inc.EEDクリーナを用いてフォームマウント26の機内側の内側表面41を清掃した。その後、フォームマウント26の機内側の内側表面41上に、HSH Interplan,Inc1025プライマ/シーラを塗装した。以下の様式のうちの1つでシーラを硬化させた、すなわち、摂氏35度(華氏95度)で15分間加熱又は室温で1時間硬化させた。シーラを硬化させた後で、シーラの上にデコラティブペイントの層62を噴霧した。フォームマウント26の外側表面64上にシーラ又はデコラティブペイントを噴霧しないように注意をしたが、外側表面64上へのシーラ及びデコラティブペイントのスプレーしぶきが認められた。本発明のこの限定ではない実施例において、フォームマウント26の外側表面64上へのシーラ及びデコラティブペイントのスプレーしぶきは許容できる。
【0034】
9.フォームマウント26の機内側の内側表面41上のデコラティブペイントの層62を、デコラティブペイントの製造業者によって提供された説明書に従って硬化させた。
【0035】
本明細書で用いられる場合の「スプレーしぶき」という用語は、被覆領域からの距離が増加するのに伴って厚さが減少する被覆又は層として定義される。本発明の実施において、銀RF塗料のスプレーしぶきは、フォームマウント26の機外側の側部50と外側表面64との交点からの距離が増加するのに伴って厚さが減少し(図3参照)、銀RF塗料のスプレーしぶきは、フォームマウント26の機内側の側部44と外側表面64との交点の手前で終端する。デコラティブペイント62のスプレーしぶきは、フォームマウント26の機内側の側部44と外側表面64との交点からの距離の増加に伴って厚さが減少し(図3参照)、デコラティブペイントのスプレーしぶきは、フォームマウント26の機外側の側部50と外側表面64との交点の手前で終端する。さらに、デコラティブペイントのスプレーしぶきと銀RF塗料のスプレーしぶきとは重なり合わないことが好ましい。
【0036】
フォームマウントに付着された層又は被覆が硬化され又は乾燥された後で、ブランク70を除去し、フォームマウント26の溝30にエレクトロクロミック窓28を取り付けた。フォームマウントの導電性層を航空機の電気的接地に接続するために、フォームマウント26上の導電性層60が航空機の壁と電気的に接続される。この配置では、窓28の導電性層とフォームマウント26の導電性層60とが、航空機の機体の窓開口部上にRF遮蔽を提供する。フォームマウントの溝30の壁61を覆うことにより、窓板28の電極32及び33とフォームマウント26の導電性層60とによって提供されるRF遮蔽に確実に途切れがないようにしている。図2を参照すると、窓板28の電極32及び33と接触するワイヤ72(図2参照)と、銀RF塗料60と接触するワイヤ74とを、フォームマウント26の外側表面64上に形成されたタブ78で出合うように、フォームマウント26の機外側の側部50の溝76(図2及び図3参照)に配置した。ワイヤには、エレクトロクロミック窓28および銀RF塗料の層60を航空機22の電気系統に接続するためにコネクタ(図示せず)が設けられた。
【0037】
理解され得るように、プロセスAの実施は、フォームマウント26の外側表面64および機内側の側部44上へのスプレーしぶきは防止されない(図3参照)。本発明は、フォームマウント26の外側表面64及び/又は機内側の側部44を導電性層60及びデコラティブペイント層62でそれぞれ塗装又は被覆することを防止することを考慮している。本発明の限定ではない一実施例において、フォームマウント26の外側表面64及び機内側の側部44を被覆することを防止するために、デコラティブペイントおよび電気的に導電性の塗料が塗料ブラシ又は塗料ローラで付着される。本発明の別の限定ではない実施例において、フォームマウント26は、それぞれ、導電性塗料及びデコラティブペイントでのフォームマウント26の外側表面64及び/又は機内側の側部44の被覆を防止し又は最小にするように設計されたマスクの中に位置付けられる。
【0038】
図5を参照すると、それぞれ、導電性塗料及び/又はデコラティブペイントでのフォームマウント26の外側表面64及び/又は機内側の側部44の被覆を防止し又は最小にするための本発明のマスク90の限定ではない実施例が示されている。コーティング・マスク90は、あらゆる便利な様式でベース92上に固定され且つ図6に示すようにフォームマウント26を収容するために及びフォームマウントの外側表面64を圧縮することなくフォームマウント26の横方向移動を防止するためにベース92上に位置付けられた複数の離間された直立ピン94を有するベース92を含む。マスク90のベース92の表面96から測定した場合のピン94の高さは、マスク・カバー98がフォームマウント26上に位置付けられ且つピン94と係合するときのフォームマウント26の圧縮を回避するために、機外側の側部50と機内側の側部44との間で測定した場合のフォームマウント26の厚さと等しいか、又は僅かに大きく、例えば0〜10%以上大きい(図3参照)。理解され得るように、ピン92の高さとフォームマウント26の厚さとの間のパーセント差が増加するのに伴って、導電性塗料及びデコラティブペイントのスプレーしぶきがマスク・カバー98とフォームマウント26との間のスペースを通過し且つフォームマウント26の外側表面64及び/又は機内側の側部44上に堆積する確率が大きくなる。
【0039】
図5を引き続き参照すると、ベース(以下、「マスク・ベース」とも呼ばれる)92は、支持板100及び102を含む。スペーサ(シム、shim)104が、あらゆる便利な様式で、例えば、ねじ又は溶接によって支持板100に固定される。マスク・カバー98の内側表面116をピン94上に(図7に示すようにマスク・カバー98を閉位置に)配置するために、及び、マスク・カバー98の内側表面116をピン94から離れる方に開位置(図5及び図6には開位置にあるマスク・カバー98が示される)に向けて移動させるために、マスク・カバー98の内側表面116とマスク・ベース92の表面96が互いに向かって及び互いから離れる方にピボット運動できるように、ヒンジ108の一方の板106がスペーサ104の側部110に固定され、ヒンジ108の他方の板112がヒンジ支持部114でマスク・カバー98の外側表面113に固定される(図7に明瞭に示される)。本発明では限定されないが、マスク・カバー98の内側表面116とマスク・ベース92の表面96との間で測定した場合のスペーサ104の厚さは、ピン94の高さと等しいことが好ましい。理解されるように、本発明は、ピン94の代わりに中実の途切れのない又は連続した壁を考慮している。中実の途切れのない壁119の一部が図5にのみに点線で示される。
【0040】
図8を参照すると、本発明の限定ではない一実施例において、マスク90が閉位置にあるときマスク・カバー98Aの内側表面116がフォームマウント26の機内側の側部44上を覆うように寸法設定されたカットアウト中央部120を備えた1つのマスク・カバー98Aが提供される。図9を参照すると、説明中の本発明の限定ではない実施例において、マスク90が閉位置にあるときマスク・カバー98Bの内側表面116が図9に示すようにフォームマウント26の機外側の側部50と外側表面64との交点に隣接するフォームマウント26の機外側の側部50上を覆うように寸法設定されたカットアウト中央部120を備えた別のマスク・カバー98Bが提供される。理解され得るように、カットアウト部120が同じサイズであるとき、1つのサイズのマスク・カバー98を本発明の実施において用いることができる。
【0041】
必要に応じて図5〜図7を参照すると、マスク・カバー98は、マスク・カバー98が閉位置(図7参照)にあるときベース92の支持部102と位置合わせされる、固定部材支持部120をさらに含む。マスク・カバー98は、好ましくは、マスク90が硬化チャンバ(図示せず)の中に及び硬化チャンバの外に動かされるとき閉位置に維持される。本発明は、マスクを閉位置に維持するために本発明の実施において用いられる固定部材122のタイプに限定されない。本発明の限定ではない一実施例において、固定部材は、マスク90のベース92の支持板102に固定された磁石棒124と、マスク・カバー98の固定部材支持部120に固定された磁石棒126とを有する磁性固定部材122であった。磁石棒124の正の側部は磁石棒126に面し、磁石棒126の負の表面は磁石棒124に面する。磁石棒は、任意の好都合な様式で、例えば、ねじ128によって、それらのそれぞれの支持部に固定される(図6及び図7参照)。マスク・ベース92の表面96とマスク・カバーの内側表面116との間で測定された場合の磁石棒124及び126の厚さは、スペーサ104の厚さ又はピン94の高さと等しい。
【0042】
本発明の別の限定ではない実施例において、導電性層60とデコラティブ層62をプロセスBで説明された様式でフォームマウント26の選択された部分に付着させるためにマスク90を用いた。
【0043】
プロセスB
A.プロセスAのステップ1〜5を実施した。
【0044】
B.ブランク70を有するフォームマウント26を、フォームマウント26の機内側の側部44がマスク90のベース92の表面96上にある状態で、マスク90のピン94(図6参照)内に入れた。マスク・カバー98Bが、フォームマウント26の機外側の側部50と外側表面64との交点に隣接するフォームマウント26の機外側の側部50の一部上を覆うように、マスク・カバー98Bを閉位置に位置付けた(図9参照)。
【0045】
C.フォームマウント26の機外側の内側表面42上と、機外側の側部50の被覆されていない部分上に、銀RF塗料の層60を噴霧した(図9参照)。
【0046】
D.プロセスAのステップ7を実施した。
【0047】
E.上記のプロセスAのステップ8に記載されるようにフォームマウント26の機内側の内側表面41を清掃した。
【0048】
F.ブランク70を有するフォームマウント26を、フォームマウント26の機外側の側部50がマスク90のベース92の表面96上にある状態で、マスク90のピン94(図6参照)内に入れた。マスク・カバー98Aがフォームマウント26の機内側の側部44上を覆うように、マスク・カバー98Aを閉位置に位置付けた(図8参照)。
【0049】
G.プロセスAのステップ8で特定されたシーラを、プロセスAのステップ8に従ってフォームマウント26の機内側の内側表面38の上に付着させ、硬化させた。
【0050】
H.フォームマウント26の機内側の内側表面38の上にデコラティブペイントを付着させるために、シーラを硬化させた後で、シーラの上にデコラティブペイントの層62を噴霧した。
【0051】
I.プロセスAのステップ9を実施した。
【0052】
マスク・カバー98Aは、外側表面64の上のシーラ及びデコラティブ・コーティング62のスプレーしぶきを防止し、フォームマウント26の外側表面64とマスク・カバー98Bは、フォームマウント26の外側表面64の上の導電性被覆60のスプレーしぶきを防止した。理解されるように、本発明は、フォームマウント26の機内側の表面44及び50が塗装される順序に限定されない。
【0053】
フォームマウント28の溝30、内側表面41及び42、並びに機外側の側部50を被覆し、導電性塗料とデコラティブペイントが硬化した後で、前述のようにブランク70を除去し、フォームマウント26の溝30に、導電性層36を有するエレクトロクロミック窓29を取り付けた。
【0054】
上記の説明で開示された概念から逸脱することなく本発明の限定ではない実施例への修正を行うことができることが当業者によって容易に理解される。以下の特許請求される主題によって定義されるような本発明の原理から逸脱することなく種々の変化を加えることができることが理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォームマウントの選択された部分に導電性層を付着させる方法であって、前記フォームマウントは、開口領域を取り囲む閉じた枠形状を有する形状であり、前記枠形状の断面は、
周辺表面と、
前記周辺表面とは反対側の、前記開口領域を画定する内側表面と、
前記周辺表面から前記内側表面の第1の部分まで延びる第1の側部と、
前記周辺表面から前記内側表面の第2の部分まで延びる反対側の第2の側部と
を含み、前記フォームマウントの前記内側表面は溝の開放端を含み、前記溝の前記開放端は前記フォームマウントの前記開口領域に面し、前記第1の部分は前記溝の前記開放端の一方の側部上にあり、前記第2の部分は前記溝の前記開放端の他方の側部上にある、前記導電性層を付着させる方法において、
前記溝の内側表面上に第1の導電性被覆を付着させるステップと、
前記フォームマウントを第1の区域と第2の区域とに分けるために前記フォームマウントの前記開口領域を完全に覆うように基板の周辺縁を前記溝に挿入するステップであって、前記第1の区域が前記第1の側部と前記第1の部分とを備え、前記第2の半分が前記第2の側部と前記第2の部分とを備える、前記基板の周辺縁を前記溝に挿入するステップと、
前記第1の区域上に第2の導電性被覆を付着させるステップであって、第1の部分上の前記被覆と前記溝の前記内側表面上の前記被覆が互いに接触する、前記第2の導電性被覆を付着させるステップと、
前記第2の区域上に非導電性被覆を付着させるステップと
を含む、導電性層を付着させる方法。
【請求項2】
前記溝の前記内側表面上に前記第1の導電性被覆を付着させた後で、前記導電性被覆を乾燥又は硬化させ、
前記第1の区域上に前記第2の導電性被覆を付着させた後で、前記導電性被覆を乾燥又は硬化させ、
前記第2の区域上に前記非導電性被覆を付着させた後で、前記非導電性被覆を乾燥又は硬化させる、請求項1に記載された導電性層を付着させる方法。
【請求項3】
前記第1の導電性被覆と前記第2の導電性被覆が同じものである、請求項2に記載された導電性層を付着させる方法。
【請求項4】
前記第1の導電性被覆を、スティック又はブラシによって前記溝の前記内側表面上に付着させ、前記第2の導電性被覆を前記第1の区域上に噴霧し、前記非導電性被覆を前記第2の区域上に噴霧し、前記第2の導電性被覆の噴霧の一部を前記周辺表面の第1の部分上に噴霧し、前記非導電性被覆の一部を前記周辺表面の第2の部分上に噴霧する、請求項1に記載された導電性層を付着させる方法。
【請求項5】
前記フォームマウントの前記周辺表面の前記第1の部分上に噴霧される前記第2の導電性被覆が、前記周辺表面の前記第2の部分上に噴霧された前記非導電性被覆の前記一部から離間されている、請求項4に記載された導電性層を付着させる方法。
【請求項6】
前記溝の開口部が、前記溝の壁同士の間で測定された所定の幅を有し、ブランクの厚さが、前記溝の前記所定の幅の100%よりも小さく、前記ブランクの前記周辺部分が、前記溝の基部の長さによって測定された前記内側表面の前記周辺部分の100%よりも小さい、請求項1に記載された導電性層を付着させる方法。
【請求項7】
第1及び第2コーティング・マスクを提供するステップであって、前記コーティング・マスクの各々が、
ベースと、
前記フォームマウントの前記周辺表面で測定した前記フォームマウントの厚さと等しい高さを有し、前記フォームマウントの前記周辺部分と等しい前記壁の内側表面の周りで測定した周辺部分を有する直立壁と、
カバーであって、該カバーが、前記ベース上を覆う閉位置まで第1の方向に動き且つ開位置まで反対の第2の方向に動くようにピボット運動可能に取り付けられたカバーと
を備え、前記第1のコーティング・マスクの前記カバーが、前記フォームマウントの前記第1の区域を露出させ且つ前記フォームマウントの前記周辺表面を覆うための開口部を有し、前記第2のマスクの前記カバーが、前記フォームマウントの前記第1の区域を露出させ且つ前記周辺表面を覆うための開口部を有する、前記第1及び第2コーティング・マスクを提供するステップと、
前記基板が前記溝に挿入された後で、前記第1のコーティング・マスクの前記ベース上の前記フォームマウントと前記フォームマウントの前記第2の区域とが前記第1のマスクの前記ベースに面する関係性をもったまま、前記フォームマウントを前記第1のマスクの前記壁内に入れるステップと、
前記第1のマスクの前記カバーを前記閉位置に移動させるステップと、
前記導電性被覆の付着を実施するステップと、
前記非導電性被覆を付着させるステップの前に、前記第1のマスクの前記壁から前記フォームマウントを除去するステップと、
前記導電性被覆を有する前記第1の区域が前記第2のマスクの前記ベースに面する状態で、前記フォームマウントを前記第2のマスクの前記壁内に入れるステップと、
前記第2のマスクの前記カバーを前記閉位置に移動させるステップと、
前記非導電性被覆の付着を実施するステップと
をさらに含む、請求項1に記載された導電性層を付着させる方法。
【請求項8】
請求項1に記載された導電性層を付着させる方法に従って塗装されたフォームマウント。
【請求項9】
RF遮蔽窓を作製する方法であって、
開口領域を取り囲む閉じられたフレームを有する形状のフォームマウントを提供するステップであって、前記フレームの断面が、
周辺表面と、
前記周辺表面とは反対側の、前記開口領域を画定する内側表面と、
前記周辺表面から前記内側表面の第1の位置まで延びる第1の側部と、
前記周辺表面から前記内側表面の第2の部分まで延びる反対側の第2の側部と
を有し、前記フォームマウントの前記内側表面が、前記フォームマウントの前記開口領域に面する溝の開放端を含み、前記第1の部分が前記溝の前記開放端の一方の側部上にあり、前記第2の部分が前記溝の前記開放端の他方の側部上にある、前記フォームマウントを提供するステップと、
透明部を提供するステップであって、前記透明部は、前記フォームマウントの前記溝内に嵌合し且つ前記フォームマウントの前記開口領域を完全に覆うように形状設定及び寸法設定されており、前記透明部の主表面上に導電性層を有する、前記透明部を提供するステップと、
前記透明部の周辺部分の形状と同様の周辺部分の形状を有する基板を提供するステップと、
前記溝の内側表面上に第1の導電性被覆を付着させるステップと、
前記フォームマウントを第1の区域と第2の区域とに分けるために前記フォームマウントの前記開口領域を完全に覆うように前記基板の周辺縁を前記溝に挿入するステップであって、前記第1の区域が前記第1の側部と前記第1の部分とを備え、前記第2の半分が前記第2の側部と前記第2の部分とを備える、前記基板の周辺縁を前記溝に挿入するステップと、
前記第1の区域上に第2の導電性被覆を付着させるステップであって、前記フォームマウントの前記第1の区域上の前記第2の被覆と前記溝の前記内側表面上の前記第1の被覆が互いに接触する、前記第2の導電性被覆を付着させるステップと、
前記フォームマウントの前記第2の区域上に非導電性被覆を付着させるステップと、
前記フォームマウントから前記基板を除去するステップと、
フォームマウントの前記溝に前記透明部を入れるステップと
を含むRF遮蔽窓を作製する方法。
【請求項10】
前記溝の前記内側表面上に前記第1の導電性被覆を付着させた後で、前記導電性被覆を硬化又は乾燥させ、
前記第1の区域上に前記第2の導電性被覆を付着させた後で、前記導電性被覆を硬化又は乾燥させ、
前記第2の区域上に前記非導電性被覆を付着させた後で、前記非導電性被覆を硬化又は乾燥させる、請求項9に記載されたRF遮蔽窓を作製する方法。
【請求項11】
前記第1の導電性被覆を、スティック又はブラシによって前記溝の前記内側表面上に付着させ、前記第2の導電性被覆を前記第1の区域上に噴霧し、前記非導電性被覆を前記第2の区域上に噴霧し、第2の導電性被覆のスプレーの一部を前記周辺表面の第1の部分上に噴霧し、前記非導電性被覆の一部を前記周辺表面の第2の部分上に噴霧する、請求項9に記載されたRF遮蔽窓を作製する方法。
【請求項12】
前記フォームマウントの前記周辺表面の前記第1の部分上に噴霧される前記第2の導電性被覆を、前記周辺表面の前記第2の部分上に噴霧された前記非導電性被覆の前記部分から離間させる、請求項11に記載されたRF遮蔽窓を作製する方法。
【請求項13】
前記第1の導電性被覆と前記第2の導電性被覆とが同じものである、請求項12に記載されたRF遮蔽窓を作製する方法。
【請求項14】
前記溝の開口部が、前記溝の壁同士の間で測定された所定の幅を有し、ブランクの厚さが、前記溝の前記所定の幅の100%よりも小さく、前記ブランクの前記周辺部分が、前記溝の基部の長さによって測定された前記内側表面の前記周辺部分の100%よりも小さい、請求項9に記載されたRF遮蔽窓を作製する方法。
【請求項15】
第1及び第2コーティング・マスクを提供するステップであって、前記コーティング・マスクの各々が、
ベースと、
前記フォームマウントの前記周辺表面で測定した前記フォームマウントの厚さと等しい高さを有し且つ前記フォームマウントの前記周辺部分と等しい前記壁の内側表面の周りで測定した周辺部分を有する直立壁と、
カバーであって、該カバーが前記ベース上を覆う閉位置まで第1の方向に動き、且つ開位置まで反対の第2の方向に動くようにピボット運動可能に取り付けられているカバーと
を備え、前記第1のコーティング・マスクの前記カバーが、前記フォームマウントの前記第1の区域を露出させ且つ前記フォームマウントの前記周辺表面を覆うための開口部を有し、前記第2のコーティング・マスクの前記カバーが、前記フォームマウントの前記第2の区域を露出させ且つ前記フォームマウントの前記周辺表面を覆うための開口部を有する、前記第1及び第2コーティング・マスクを提供するステップと、
前記基板を前記溝に挿入した後で、前記ベース上の前記フォームマウントと前記フォームマウントの前記第2の区域とが前記第1のコーティング・マスクの前記ベースに面する関係性をもって、前記フォームマウントを前記第1のコーティング・マスクの前記壁内に入れるステップと、
前記第1のコーティング・マスクの前記カバーを前記閉位置に移動させるステップと、
前記導電性被覆の前記付着を実施するステップと、
前記非導電性被覆を付着させるステップの前に、前記第1のマスクの前記壁から前記フォームマウントを除去するステップと、
前記フォームマウントの前記第1の区域が前記第2のコーティング・マスクの前記ベースに面する状態で前記フォームマウントを前記第2のコーティング・マスクの前記壁内に入れるステップと、
前記第2のコーティング・マスクの前記カバーを前記閉位置に移動させるステップと、
前記非導電性被覆の前記付着を実施するステップと
をさらに含む、請求項9に記載されたRF遮蔽窓を作製する方法。
【請求項16】
前記窓がエレクトロクロミック窓であり、前記導電性被覆が前記エレクトロクロミック窓の電極である、請求項9に記載されたRF遮蔽窓を作製する方法。
【請求項17】
前記窓が、主表面上に導電性被覆を有する透明基板を備える、請求項9に記載されたRF遮蔽窓を作製する方法。
【請求項18】
請求項9に記載されたRF遮蔽窓を作製する方法に従って作製された、RF遮蔽を有する航空機の客室の窓。
【請求項19】
ベースと、
前記ベース上に取り付けられ且つ前記ベースから上向きに延びる壁と、
前記ベースの周辺部分と直立する前記壁との間の前記ベース上に取り付けられた第1のスペーサと、
前記ベースの前記周辺部分と前記壁との間の前記ベース上に取り付けられ、且つ前記第1のスペーサから互いに離間された第2のスペーサと、
前記第1のスペーサに取り付けられたカバーであって、前記カバーは、前記ベース上にあり且つ第2のスペーサ上にある閉位置まで第1の方向に動き、及び、前記壁を露出するために開位置まで反対の第2の方向に動くカバーと
を備えたコーティング・マスクであって、前記カバーが開口部を有し、前記開口部が、前記カバーが前記閉位置にあるとき前記カバーが前記壁を覆う寸法を有する、コーティング・マスク。
【請求項20】
前記壁が、
複数の離間された直立部材、
途切れのない中実の壁、及び
前記直立部材と前記壁との組合せ
からなる群から選択される、請求項19に記載されたコーティング・マスク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2012−519980(P2012−519980A)
【公表日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−554110(P2011−554110)
【出願日】平成22年3月9日(2010.3.9)
【国際出願番号】PCT/US2010/026602
【国際公開番号】WO2010/104817
【国際公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(399074983)ピーピージー・インダストリーズ・オハイオ・インコーポレイテッド (60)
【氏名又は名称原語表記】PPG Industries Ohio,Inc.
【Fターム(参考)】