説明

取付部材を備えた光コネクタ配列ケース

【課題】設置場所の状況に応じて姿勢を変えて取り付けることができ、しかも取付姿勢に拘わらず良好な光コネクタ着脱作業性を得ることができる、取付部材を備えた光コネクタ配列ケースを提供する。
【解決手段】光コネクタ配列ケース25と、光コネクタ配列ケース25を保持するケースホルダー37と、固定板39とからなる。固定板39の上部には横方向に軸部51が形成され、ケースホルダー37の上面の背面側の縁に第一の軸受部65が、一方の側面側の縁に第二の軸受部67が形成されている。ケースホルダー37は、その上面の背面側の縁に形成された第一の軸受部65を固定板の軸部51に係合させて往復回動できる状態と、その上面の一方の側面側に形成された第二の軸受部67を固定板の軸部51に係合させて往復回動できる状態とに取付可能となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集合住宅の共用配電盤の中などに設置される光コネクタ配列ケースに関し、特に設置場所の状況に応じて取付姿勢を変え、良好な光コネクタ着脱作業性を得ることができる、取付部材を備えた光コネクタ配列ケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
集合住宅などで、加入者の増加に応じて光通信回線を順次開設していく場合には、図16に示すように、当該集合住宅に引き込んだ局側光ケーブル1に局側光コネクタ3及び入力側光コネクタ5を介して(又は介さずに直接)光スプリッタ9の入力側光ファイバ心線7を接続し、この光スプリッタ9の複数本の出力側光ファイバ心線11にそれぞれ待ち受け光コネクタ13を取り付けておく。そして新規加入者が発生したときは、加入者側光ケーブル17に取り付けた相手方光コネクタ15を前記待ち受け光コネクタ13に接続することで、光通信回線を開通させる、という手順がとられる。
【0003】
なお、局側光コネクタ3と入力側光コネクタ5は、予め入力側光コネクタ5に取り付けられたコネクタアダプタ19を介して接続され、待ち受け光コネクタ13と相手方光コネクタ15は、予め待ち受け光コネクタ13に取り付けられたコネクタアダプタ21を介して接続される。
【0004】
このような光配線分配構造をとる場合、前記入力側光コネクタ5、入力側光ファイバ心線7、光スプリッタ9、出力側光ファイバ心線11、待ち受け光コネクタ13及びコネクタアダプタ19、21は、ケース本体23に組み込まれて、光コネクタ配列ケース25として構成される(特許文献1〜3参照)。待ち受け光コネクタ13は通常、扁平なケース本体23の端面に、相手方光コネクタ15が接続できるように1列又は複数列に配列される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−209118号公報
【特許文献2】特開2007−121398号公報
【特許文献3】特開2008−129166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
光スプリッタや待ち受け光コネクタなどをケース本体に組み込んだ光コネクタ配列ケースを、集合住宅などに設置する場合、光コネクタ配列ケースは既設の共用配電盤の中などに設置されることが多い。図17にその一例を示す。図において、27は集合住宅の壁、29は壁27に固定された配電盤のキャビネット、29aはキャビネット29の開閉扉、31はキャビネット29の奥壁面29bに固定された配電盤用の各種機器である。光コネクタ配列ケース25は、このような配電盤の各種機器31の間の狭いスペースに設置せざるを得ない場合が多い。
【0007】
しかし、光コネクタ配列ケース25は、設置後に新規加入者が発生する度に、待ち受け光コネクタに相手方光コネクタを接続する作業が必要となり、また保守点検作業や接続切替作業等も必要となるため、配電盤内の各種機器31の間や片隅などの狭い所に設置されてしまうと、光コネクタの着脱作業が非常にやりにくくなるという問題がある。
【0008】
本発明の目的は、設置場所の状況に応じて姿勢を変えて取り付けることができ、しかも取付姿勢に拘わらず良好な光コネクタ着脱作業性を得ることができる、取付部材を備えた光コネクタ配列ケースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための、第一の発明は、
相手方光コネクタが接続される複数の光コネクタを、正面幅寸法及び高さ寸法よりも側面厚さ寸法が小さいケース本体の下端面に一列又は複数列に配列して保持した光コネクタ配列ケースと、
この光コネクタ配列ケースを着脱可能に保持するケースホルダーと、
前記光コネクタ配列ケースを取り付けるべき取付面にねじ止め又は接着等により固定される固定板とを備え、
前記固定板の上部には横方向に軸部又は軸受部が形成され、前記ケースホルダーの上面の背面側の縁及び一方の側面側の縁にはそれぞれ前記固定板の軸部又は軸受部と回動可能にかつ着脱可能に係合する軸受部又は軸部が形成され、
前記ケースホルダーは、その上面の背面側の縁に形成された軸受部又は軸部を、前記固定板の軸部又は軸受部に係合させて往復回動できる状態と、その上面の一方の側面側に形成された軸受部又は軸部を、前記固定板の軸部又は軸受部に係合させて往復回動できる状態とに取付可能となっていることを特徴とする取付部材を備えた光コネクタ配列ケースである。
【0010】
上記目的を達成するための、第二の発明は、
相手方光コネクタが接続される複数の光コネクタを、正面幅寸法及び高さ寸法よりも側面厚さ寸法が小さいケース本体の下端面に一列又は複数列に配列して保持した光コネクタ配列ケースと、
この光コネクタ配列ケースを取り付けるべき取付面にねじ止め又は接着等により固定される固定板とを備え、
前記固定板の上部には横方向に軸部又は軸受部が形成され、前記ケース本体の上端面の背面側の縁及び一方の側面側の縁にはそれぞれ前記固定板の軸部又は軸受部と回動可能にかつ着脱可能に係合する軸受部又は軸部が形成され、
前記光コネクタ配列ケースのケース本体は、その上端面の背面側の縁に形成された軸受部又は軸部を、前記固定板の軸部又は軸受部に係合させて往復回動できる状態と、その上端面の一方の側面側に形成された軸受部又は軸部を、前記固定板の軸部又は軸受部に係合させて往復回動できる状態とに取付可能となっていることを特徴とする取付部材を備えた光コネクタ配列ケースである。
【0011】
第三の発明は、前記第一の発明又は第二の発明において、軸部は断面小判形であり、軸受部は断面小判形の軸部の長径部に相応する内径を有し、かつ断面小判形の軸部は通過できないが、短径部は通過できる幅の開口を有していることを特徴とする取付部材を備えた光コネクタ配列ケースである。
【0012】
第四の発明は、前記第一の発明又は第三の発明において、
固定板の正面には固定板側係合部が形成され、ケースホルダーの背面及び一方の側面にはそれぞれ前記固定板に形成された固定板側係合部と着脱可能に係合するホルダー側係合部が形成され、
前記ケースホルダーは、その背面又は一方の側面に形成されたホルダー側係合部を、前記固定板に形成された固定板側係合部に係合させることで、固定板に仮止めできるようになっていることを特徴とする取付部材を備えた光コネクタ配列ケースである。
【0013】
第五の発明は、前記第二の発明又は第三の発明において、
固定板の正面には固定板側係合部が形成され、ケース本体の背面及び一方の側面にはそれぞれ前記固定板に形成された固定板側係合部と着脱可能に係合するケース側係合部が形成され、
前記ケース本体は、その背面及び一方の側面に形成されたケース側係合部を、前記固定板に形成された固定板側係合部に係合させることで、固定板に仮止めできるようになっていることを特徴とする取付部材を備えた光コネクタ配列ケースである。
【0014】
第六の発明は、前記第四の発明において、
ケースホルダーの背面には、ケースホルダーを磁性金属板面に固定するための磁石が取り付けられ、かつその磁石表面よりも僅かに突出するように滑り止め用ゴム部品が複数箇所に取り付けられており、
一方、固定板の固定板側係合部とケースホルダーの背面のホルダー側係合部とは、それらを係合させたときに係合方向に遊びをもつように形成されており、この遊びにより、ケースホルダーの背面側に固定板を取り付けたときに固定板の背面が各ゴム部品の頂部を結ぶ平面よりも内側に入ったり外側に出たりすることができるようになっていることを特徴とする取付部材を備えた光コネクタ配列ケースである。
【0015】
第七の発明は、前記第五の発明において、
ケース本体の背面には、ケース本体を磁性金属板面に固定するための磁石が取り付けられ、かつその磁石表面よりも僅かに突出するように滑り止め用ゴム部品が複数箇所に取り付けられており、
一方、固定板の固定板側係合部とケース本体の背面のケース側係合部とは、それらを係合させたときに係合方向に遊びをもつように形成されており、この遊びにより、ケース本体の背面側に固定板を取り付けたときに固定板の背面が各ゴム部品の頂部を結ぶ平面よりも内側に入ったり外側に出たりすることができるようになっていることを特徴とする取付部材を備えた光コネクタ配列ケースである。
【発明の効果】
【0016】
第一の発明によれば、光コネクタ配列ケースを取り付けるべき取付面に固定板を固定して、ケースホルダーの上面の背面側の縁に形成された軸受部又は軸部を、固定板の軸部又は軸受部に係合させると、光コネクタ配列ケースを、正面が作業者側に向く姿勢で取り付けることができるので、設置スペースが広い所や、設置スペースが浅い(奥行きが狭い)所などへの取付に好適である。また、光コネクタ配列ケースを取り付けるべき取付面に固定板を固定して、ケースホルダーの上面の側面側の縁に形成された軸受部又は軸部を、固定板の軸部又は軸受部に係合させると、光コネクタ配列ケースを、側面が作業者側に向く(正面が横方向を向く)姿勢で取り付けることができるので、設置スペースが狭い所への取付に好適である。また、いずれの取付姿勢でも、光コネクタ配列ケースを軸部を中心に回動させて、光コネクタが配列されたケース本体下端面を作業者側に向けることができるので、光コネクタの着脱作業を容易に行うことができる。さらに、光コネクタ配列ケースをケースホルダーから取り外すことができるので、光コネクタ配列ケースを作業者の手元近くに引き寄せて、光コネクタの保守点検(光コネクタの清掃や線番確認など)を容易に行うことができる。
【0017】
第二の発明は、ケースホルダーを使用することなく、光コネクタ配列ケースを固定板に直接取り付けるようになっていること以外は第一の発明と同様であるので、光コネクタ配列ケースの取り外しが面倒になること以外は第一の発明と同様な効果が得られる。また、ケースホルダーを使用しない分、コスト安である。
【0018】
第三の発明によれば、軸部と軸受部が着脱可能であるので、光コネクタ配列ケースの取付姿勢の変更を容易に行うことができると共に、軸部は所定の角度(軸部の短径部が軸受部の開口を通過できる角度)以外では軸受部から外れないので、光コネクタ配列ケースの回動動作を安定して行うことができる。
【0019】
また、第四の発明の場合はケースホルダーを、第五の発明の場合は光コネクタ配列ケースを、固定板側係合部とホルダー側係合部又はケース側係合部との係合により、固定板に仮止めできるので、光コネクタ配列ケースの自由な回動を制限することができ、光コネクタ着脱作業時以外は、光コネクタ配列ケースを所定の姿勢で安定に保持することができる。
【0020】
また、第六の発明の場合はケースホルダーを、第七の発明の場合は光コネクタ配列ケースを、磁石によって磁性金属板よりなる取付面に取り付けることができると共に、ゴム部品が滑り止めとなって磁石による取付状態を安定させることができる。また固定板側係合部とホルダー側係合部又はケース側係合部の係合に遊びをもたせてあるので、磁石による取付を行うときは、固定板の背面が各ゴム部品の頂部を結ぶ平面よりも内側に入って、固定板をケースホルダー又はケース本体の裏面に取り付けたままで磁石による取付を行うことができ、固定板による取付を行うときは、固定板の背面が各ゴム部品の頂部を結ぶ平面よりも外側に出て、固定板の取付面への固定を確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る取付部材を備えた光コネクタ配列ケースの一実施例を示す、(A)は正面図、(B)は右側面図、(C)は平面図、(D)は底面図、(E)は左側面図、(F)は背面図。
【図2】図1に示した取付部材具備光コネクタ配列ケースの、光コネクタ着脱作業時の状態を示す、(A)は正面図、(B)は右側面図。
【図3】図1に示した取付部材具備光コネクタ配列ケースを構成する光コネクタ配列ケースの、(A)は正面図、(B)は左側面図、(C)は底面図。
【図4】図3に示す光コネクタ配列ケースの斜視図。
【図5】図1に示した取付部材具備光コネクタ配列ケースを構成する固定板の、(A)は正面図、(B)は右側面図、(C)は平面図、(D)は底面図、(E)は背面図、(F)は斜視図。
【図6】図1に示した取付部材具備光コネクタ配列ケースを構成するケースホルダーの、(A)は正面図、(B)は右側面図、(C)は平面図、(D)は底面図、(E)は背面図、(F)は斜視図。
【図7】図5に示した固定板に図6に示したケースホルダーを、(A)は組み付ける前の状態を示す斜視図、(B)は組み付けた後の状態を示す斜視図。
【図8】図1に示した取付部材具備光コネクタ配列ケースの他の使用状態を示す、(A)は正面図、(B)は右側面図、(C)は平面図、(D)は底面図、(E)は左側面図、(F)は背面図。
【図9】図8に示した取付部材具備光コネクタ配列ケースの、光コネクタ着脱作業時の状態を示す、(A)は正面図、(B)は右側面図。
【図10】図1に示した取付部材具備光コネクタ配列ケースの、固定板側係合部とケースホルダー側第一係合部を、(A)は係合させる前の断面図、(B)は浅く係合させたときの断面図、(C)は深く係合させたときの断面図。
【図11】(A)〜(C)は、図1に示した取付部材具備光コネクタ配列ケースの、固定板の軸部にケースホルダーの軸受部を係合させる過程を示す断面図。
【図12】本発明に係る取付部材を備えた光コネクタ配列ケースの他の実施例を示す、(A)は正面図、(B)は右側面図、(C)は平面図、(D)は底面図、(E)は左側面図、(F)は背面図。
【図13】図12に示した取付部材具備光コネクタ配列ケースの、光コネクタ着脱作業時の状態を示す、(A)は正面図、(B)は右側面図。
【図14】図12に示した取付部材具備光コネクタ配列ケースの他の使用状態を示す、(A)は正面図、(B)は右側面図、(C)は平面図、(D)は底面図、(E)は左側面図、(F)は背面図。
【図15】図14に示した取付部材具備光コネクタ配列ケースの、光コネクタ着脱作業時の状態を示す、(A)は正面図、(B)は右側面図。
【図16】光コネクタ配列ケースの概略説明図。
【図17】光コネクタ配列ケースを配電盤の中に設置した状態を上から見た説明図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
<実施例1> 図1及び図2は本発明に係る取付部材を備えた光コネクタ配列ケースの一実施例を示す。この取付部材具備光コネクタ配列ケースは、ケース本体の下端面に複数の光コネクタを配列した光コネクタ配列ケース25と、この光コネクタ配列ケース25を着脱可能に保持するケースホルダー37と、キャビネット又は建築物などの壁面(取付面)41にねじ止め等により固定される固定板39とから構成されている。
【0023】
光コネクタ配列ケース25は、図16の光コネクタ配列ケース25と同様、ケース本体23に、入力側光コネクタ5、入力側光ファイバ心線7、光スプリッタ9、出力側光ファイバ心線11、待ち受け光コネクタ13及びコネクタアダプタ19、21を組み込んだものである。ケース本体23は正面幅寸法及び高さ寸法よりも側面厚さ寸法が小さい扁平な形をしている。
【0024】
この実施例の光コネクタ配列ケース25は、図3及び図4に示すように、待ち受け光コネクタ13の先端に装着されたコネクタアダプタ21が配列されるケース本体23の下端面が、側面から見ると階段状に形成され、階段の段差面に相当する複数の下端面23a、23bにそれぞれ前記コネクタアダプタ21が1列ずつ配列されている。コネクタアダプタ21の下端はケース本体23の下端面23a、23bから下向きに開口していて、相手方光コネクタ15を待ち受け光コネクタ13に接続するための接続口となっている。また、階段の踏み段面に相当するケース本体23の正面壁は、2段目の下端面23bに配列されたコネクタアダプタ21に相手方光コネクタ23を挿抜するときのコネクタスライド台43となっている。コネクタスライド台43の長さ(1段目の端面23aから2段目の端面23bまでの長さ)は、コネクタアダプタ21に差し込み接続された相手方光コネクタ15の、コネクタアダプタ21からの突出長さとほぼ同じになっている。
【0025】
このような構成にすると、全部のコネクタアダプタ21が正面から目視できるため、相手方光コネクタ15の接続作業を容易に行える。また2段目のコネクタアダプタ21に相手方光コネクタ15を差し込むときは、相手方光コネクタ15をコネクタスライド台43に押し付けながらスライドさせることにより、差し込むことができる。また2段目のコネクタアダプタ21から相手方光コネクタ15を引き抜くときも、相手方光コネクタ15をコネクタスライド台43に押し付けながらスライドさせることにより、引き抜くことができる。つまり、相手方光コネクタ15を手指で摘むことなく、相手方光コネクタ15の一面に手指で力を加えることにより相手方光コネクタ15を挿抜することが可能となる。このため、コネクタアダプタ21の間隔を十分狭くしても相手方光コネクタ15の挿抜が可能となる。
【0026】
また、コネクタスライド台43の手前で相手方光コネクタ15が2段目のコネクタアダプタ21に差し込み接続されている状態で、その裏側のコネクタアダプタ21に相手方光コネクタ15を挿抜するときは、手前側の光コネクタ15の後端付近の光ケーブル17(又はゴムブーツ)の両側から(要するに光コネクタ15よりも細い部分の両側から)、その裏側の相手方光コネクタ15を手指で摘んで挿抜を行うことができる。このため手前側の(コネクタスライド台43上の)相手方光コネクタ15の間に手指を差し込む必要がないので、コネクタアダプタを同じ端面に2列に配列する場合よりもコネクタアダプタ21の間隔を狭くすることができ、光コネクタ配列ケース25を小型化できる。
【0027】
図3及び図4の例は、ケース本体23の、待ち受け光コネクタ11のコネクタアダプタ21が配列される下端面が2段の場合であるが、3段の場合も同様である。
【0028】
また、ケース本体23の待ち受け光コネクタ配列方向の片側(図3(A)で右側)には、入力側光コネクタ5及びコネクタアダプタ19が組み込まれている。入力側光コネクタ5には、コネクタアダプタ19を介して、局側光ケーブル1の先端に取り付けられた局側光コネクタ3が接続される。またケース本体23の入力側光コネクタ5及びコネクタアダプタ19が組み込まれた部分には、下方に伸びる脚部45が一体に形成され、その下端には把持部47が形成されている。局側光ケーブル1は、この把持部47に保持され、保護されるようになっている。
【0029】
次に図5を参照して固定板39を説明する。固定板39は、上下に細長い板状部49の正面(前面)の上部に横方向に軸部51を一体に形成したものである。軸部51は両端で板状部49と一体化されている。板状部49の正面下半部には、一対の固定板側係合部53が突設されている。また板状部49には固定板39を壁等の取付面にねじ止めするためのねじ穴55が形成されている。
【0030】
次に図6を参照してケースホルダー37を説明する。ケースホルダー37は、前記光コネクタ配列ケース25の背面に当接する背面板57と、前記光コネクタ配列ケース25の一方(入力側光コネクタ5側)の側面に当接する側面板59と、前記光コネクタ配列ケース25の上端面に当接する上面板61と、前記光コネクタ配列ケース25の他方の側面側を抱え込む、先端に係止爪63aを有する弾性係止片63とを一体に形成したものである。
【0031】
上面板61の背面側の縁には、前記固定板39の軸部51と回動可能にかつ着脱可能に係合する第一の軸受部65が形成され、上面板61の一方の側面側の縁にも、前記固定板39の軸部51と回動可能にかつ着脱可能に係合する第二の軸受部67が形成されている。第一の軸受部65は背面側に開口する断面略C字形であり、第二の軸受部67は一方の側面側に開口する断面略C字形である。
【0032】
また、背面板57の背面(外面)には一対のホルダー側第一係合部69が突設され、側面板59の外側面には一対のホルダー側第二係合部71が突設されている。また、背面板57の背面には二つの磁石73と三つのゴム部品75が取り付けられている。二つの磁石73は前記固定板39の取付領域(第一の軸受部65及びホルダー側第一係合部69をカバーする領域)の両側に一つずつ配置され、三つのゴム部品75は前記取付領域の片側に一つ、反対側に二つ配置されている。ゴム部品75の頂部は、磁石73の表面より僅かに突出させてある。これはケースホルダー37を磁石73で磁性金属板よりなる取付面に取り付けたときに、ゴム部品75が取付面に押し付けられて滑り止めとなるようにするためである。
【0033】
また、側面板59の内側面下部には、ケースホルダー37に装着された光コネクタ配列ケース25が下方へずり落ちるのを阻止するストッパー77が突設されている。また、側面板59の内側面上部には、ケースホルダー37に装着された光コネクタ配列ケース25が正面側へ抜け出すのを防止する抜け出し防止片79が形成されている。さらに背面板57には、その背面に固定板39を取り付けたまま、固定板39を取付面にねじ止めできるように、固定板39のねじ穴55に対応する位置に大穴81が形成されている。
【0034】
図7(A)、(B)は固定板39にケースホルダー37の背面側を取り付ける過程を示す。まず(A)に示すように、ケースホルダー37の背面側を固定板39の正面と対向させ、固定板39の軸部51にケースホルダー37の第一の軸受部65を装着する。すると(B)のようになり、ケースホルダー37は、固定板39に、軸部51を中心として回動可能に取り付けられる。その後、ケースホルダー37の背面に突出するホルダー側第一係合部69(図6参照)を、固定板39の固定板側係合部53と係合させると、ケースホルダー37の自由な回動が制限され仮止めされた状態となる。
【0035】
なお、固定板39にケースホルダー37の側面側を取り付ける場合は、固定板39の軸部51にケースホルダー37の第二の軸受部67を装着した後、ケースホルダー37の側面に突出するホルダー側第二係合部71を、固定板39の固定板側係合部53と係合させればよい。
【0036】
図1は、取付面41にねじ止め等により固定した固定板39にケースホルダー37を組付けた(又は図7(B)のようにケースホルダー37を組み付けた固定板39を取付面41にねじ止め等により固定した)後、ケースホルダー37に光コネクタ配列ケース25を組み付けた状態を示している。光コネクタ配列ケース25は、(図1(A)において)その右側上部を抜け出し防止片79の内側に差し込むようにして、上端面をケースホルダー37の上面板61に当接させた後、左側をケースホルダー37の背面板57に向けて押し込むと、弾性係止片63がいったん外側へ弾性変形した後、元に戻って、係止爪63aがケース本体23の正面側の縁に引っ掛かり、さらにケースホルダー37のストッパー77(図6参照)がケース本体23の下端面の一部を支持するため、ケースホルダー37に保持される。
【0037】
図1の状態では、固定板39の固定板側係合部53とケースホルダー37のホルダー側第一係合部69とが係合しているため、光コネクタ配列ケース25は自由に回動することはできず、そのままの姿勢に保持される。この状態では各光コネクタのコネクタアダプタ19、21の開口が下向きになっている。この状態が相手方光コネクタの着脱作業を行わない待機状態である。
【0038】
図1の状態で、光コネクタ配列ケース25を手前側に強めに引くと、固定板39の固定板側係合部53とケースホルダー37のホルダー側第一係合部69との係合が外れる(両係合部53、69の係合はこの程度の軽い係合になっている)。このため、光コネクタ配列ケース25は、図2に示すように、固定板39の軸部51を中心として下部が手前側に引き出されるように回動する。この状態になれば、作業者は各光コネクタのコネクタアダプタ19、21(接続口)を目視で確認できるため、相手方光コネクタの着脱作業を容易に行うことができる。光コネクタ着脱作業終了後は、図1の待機状態に戻しておく。なお図1及び図2では、コネクタアダプタ19、21に防塵用の栓83が装着されている。相手方光コネクタを接続するときは栓83を取り外して接続作業を行う。
【0039】
図1の取付状態は、奥行きスペースを広く必要としないので、奥行きが浅い所(奥行き寸法が小さい配電盤など)に光コネクタ配列ケースを設置するのに適している。
【0040】
しかし図1の取付状態は、横方向に光コネクタ配列ケース25の正面幅寸法よりも大きいスペースが必要となるので、横方向(左右)の設置スペースが狭い場合には設置することができない。その場合は、図8に示すように、固定板39にケースホルダー37の側面を組み付ければよい。すなわち、固定板39の軸部51(図5参照)に、ケースホルダー37の第二の軸受部67(図6参照)を装着し、さらに固定板39の固定板側係合部53に、ケースホルダー37のホルダー側第二係合部71を係合させるのである。このようにすると、光コネクタ配列ケース25が、その正面を取付面41に対し直角方向に向けた状態で取り付けられるため、横方向の設置スペースが狭い場合でも取付可能である。図8は、相手方光コネクタの着脱作業を行わない待機状態である。
【0041】
図8の状態で、光コネクタ配列ケース25を手前側に強めに引くと、固定板39の固定板側係合部53とケースホルダー37のホルダー側第二係合部71との係合が外れる。このため、光コネクタ配列ケース25は、図9に示すように、固定板39の軸部51を中心として下部が手前側に引き出されるように回動する。この状態になれば、作業者は各光コネクタのコネクタアダプタ19、21(接続口)を目視で確認できるため、相手方光コネクタの着脱作業を容易に行うことができる。光コネクタ着脱作業終了後は、図8の待機状態に戻しておく。
【0042】
ところで、図1に示すように、固定板39にケースホルダー37の背面側を組み付けた状態では、固定板39を取付面41にねじ止め等により固定することもできるし、取付面41が磁性金属板で構成されていれば、ケースホルダー37を磁石73により取付面41に取り付けることもできる。この両方の取付方に対応できるようにするため、固定板39の固定板側係合部53と、ケースホルダー37のホルダー側第一係合部69は、図10のような関係になるように形成されている。一対の固定板側係合部53の先端部にはそれぞれ丸みのある膨出部85が内向きに形成され、一対のホルダー側第一係合部69の先端部にはそれぞれ丸みのある膨出部87が外向きに形成されている。
【0043】
図10(A)は、固定板39にケースホルダー37の背面側を組み付けるため、固定板39の固定板側係合部53と、ケースホルダー37のホルダー側第一係合部69を対向させた状態である。この状態からケースホルダー37を固定板39に接近させて行くと、まず固定板側係合部53の先端膨出部85とホルダー側第一係合部69の先端膨出部87が接触し、さらに接近させると(B)のように固定板側係合部53の先端膨出部85とホルダー側第一係合部69の先端膨出部87が係合した状態となる。これでケースホルダー37は簡単には引き戻せないように固定板39に仮止めされた状態となるが、さらに(C)の状態になるまで押し込むことが可能になっている。つまり、固定板側係合部53とホルダー側第一係合部69は互いに係合した状態で(B)と(C)の間を往復できるように遊びをもたせてある。この遊びにより、固定板39の背面が各ゴム部品75の頂部を結ぶ平面よりも内側に入ったり(図10(C)の状態)、外側に出たり(図10(B)の状態)することができるようになっている。
【0044】
このようにすると、ケースホルダー37の取付面への取付を固定板39により行うときは、(B)のように固定板39の背面が各ゴム部品75の頂部を結ぶ平面よりも外側に出て、固定板39の取付面への固定をゴム部品75の出っ張りとは関係なく確実に行うことができる。また、ケースホルダー37の取付面への取付を磁石により行うときは、(C)のように固定板39の背面が各ゴム部品75の頂部を結ぶ平面よりも内側に引っ込んで、固定板39をケースホルダー37の裏面に取り付けたままで磁石による取付を行うことができる。
【0045】
次に、図11を参照して、固定板の軸部51と、ケースホルダーの第一の軸受部65の好ましい形を説明する(ここでは第一の軸受部65を説明するが、第二の軸受部67も同様である)。図11に示すように、固定板の軸部51は断面小判形(外周面が平行な2平面と中心軸線同一の2つの円弧面とで構成される形)に形成され、ケースホルダー37の軸受部65は、断面小判形の軸部51の長径部に相応する内径を有し、かつ断面小判形の軸部51の長径部は通過できないが、短径部は通過できる幅の開口89を有するように形成されていることが好ましい。
【0046】
図11(A)は軸受部65を軸部51に装着するために開口89が軸部51の平行面と同方向を向くようにケースホルダー37を傾けた状態を示し、(B)はその後、軸受部65を、軸部51の平行面を横切る方向に移動させて、軸部51に装着した状態を示し、(C)はその後、ケースホルダー37を、背面が取付面と平行になるように回動させた状態を示す。(C)の状態になると、軸受部65が軸部51から外れるおそれはなくなる。また、ケースホルダー37を回動させるときも、(B)の状態のときにケースホルダー37を斜め上方向に引き上げる力を加えない限り、軸受部65が軸部51から外れるおそれはなく、円滑な回動動作を確保することができる。
【0047】
なお、図2のように光コネクタ配列ケース25を傾けて相手方光コネクタの着脱作業を行うときは、取付面41に対する光コネクタ配列ケース25の背面の角度は30°〜90°の範囲(通常は45°前後)になるので、少なくともこの範囲の角度ではケースホルダー37の第一の軸受部65が固定板39の軸部51から外れないようにする必要がある。そのためには、固定板39の正面に対するケースホルダー37の背面の角度が10°〜20°のときに、軸受部65と軸部51が図11(A)、(B)のように着脱できるようにすることが好ましい。
【0048】
なお、この実施例では、固定板39に軸部51を形成し、ケースホルダー37に第一の軸受部65、第二の軸受部67を形成したが、これとは逆に、固定板に軸受部を形成し、ケースホルダーに第一の軸部、第二の軸部を形成してもよい。
【0049】
<実施例2> 図12及び図13は本発明に係る取付部材を備えた光コネクタ配列ケースの他の実施例を示す。図12及び図13は実施例1の図1及び図2に対応している。この実施例が実施例1と異なる点は、ケースホルダーを省略して、固定板39に光コネクタ配列ケース25を直接取り付けるようにしたことである。このため、光コネクタ配列ケース25のケース本体23には、図6に示したケースホルダー37と同様に、第一の軸受部65、第二の軸受部67、ケース側第一係合部69、ケース側第二係合部71が形成され、磁石73(図示省略)、ゴム部品75が取り付けられている。固定板39は図5に示したものと同じである。
【0050】
図12は、取付面41にねじ止め等により固定した固定板39に光コネクタ配列ケース25の背面を組み付けた状態を示している。光コネクタ配列ケース25は、第一の軸受部65を固定板39の軸部51に装着し、ケース側第一係合部69を固定板39の固定板側係合部53と係合させることで、固定板39に組み付けられている。
【0051】
図12の状態では、固定板39の固定板側係合部53と光コネクタ配列ケース25のケース側第一係合部69とが係合しているため、光コネクタ配列ケース25は自由に回動することはできず、そのままの姿勢に保持される。この状態では各光コネクタのコネクタアダプタ19、21の開口が下向きになっている。この状態が相手方光コネクタの着脱作業を行わない待機状態である。
【0052】
図12の状態で、光コネクタ配列ケース25を手前側に強めに引くと、固定板39の固定板側係合部53と光コネクタ配列ケース25のケース側第一係合部69との係合が外れる。このため、光コネクタ配列ケース25は、図13に示すように、固定板39の軸部51を中心として下部が手前側に引き出されるように回動する。この状態になれば、作業者は各光コネクタのコネクタアダプタ19、21(接続口)を目視で確認できるため、相手方光コネクタの着脱作業を容易に行うことができる。光コネクタ着脱作業終了後は、図12の待機状態に戻しておく。図12の取付状態は、奥行きスペースを広く必要としないので、奥行きが浅い所(奥行き寸法が小さい配電盤など)に光コネクタ配列ケースを設置するのに適している。
【0053】
しかし図12の取付状態は、横方向に光コネクタ配列ケース25の正面幅寸法よりも大きいスペースが必要となるので、横方向(左右)の設置スペースが狭い場合には設置することができない。その場合は、図14に示すように、固定板39に光コネクタ配列ケース25の側面を組み付ければよい。すなわち、固定板39の軸部51(図5参照)に、光コネクタ配列ケース25の第二の軸受部67を装着し、固定板39の固定板側係合部53に、光コネクタ配列ケース25のケース側第二係合部71を係合させるのである。このようにすると、光コネクタ配列ケース25が、その正面を取付面41に対し直角方向に向けた状態で取り付けられるため、横方向の設置スペースが狭い場合でも取付可能である。図14は、相手方光コネクタの着脱作業を行わない待機状態である。
【0054】
図14の状態で、光コネクタ配列ケース25を手前側に強め引くと、固定板39の固定板側係合部53と光コネクタ配列ケース25のケース側第二係合部71との係合が外れる。このため、光コネクタ配列ケース25は、図15に示すように、固定板39の軸部51を中心として下部が手前側に引き出されるように回動する。この状態になれば、作業者は各光コネクタのコネクタアダプタ19、21(接続口)を目視で確認できるため、相手方光コネクタの着脱作業を容易に行うことができる。光コネクタ着脱作業終了後は、図14の待機状態に戻しておく。
【0055】
なお、この実施例では、固定板39に軸部51を形成し、ケース本体23に第一の軸受部65、第二の軸受部67を形成したが、これとは逆に、固定板に軸受部を形成し、ケース本体に第一の軸部、第二の軸部を形成してもよい。
また、固定板側係合部及びケース側係合部を図10のように形成することが好ましいこと、軸部及び軸受部を図11のように形成することが好ましいことは実施例1と同じである。
【符号の説明】
【0056】
1:局側光ケーブル
3:局側光コネクタ
5:入力側光コネクタ
7:入力側光ファイバ心線
9:光スプリッタ
11:出力側光ファイバ心線
13:待ち受け光コネクタ
15:相手方光コネクタ
17:加入者側光ケーブル
19、21:コネクタアダプタ
23:ケース本体
25:光コネクタ配列ケース
37:ケースホルダー
39:固定板
41:取付面
49:板状部
51:軸部
53:固定板側係合部
57:背面板
59:側面板
61:上面板
63:弾性係止片
65:第一の軸受部
67:第二の軸受部
69:ホルダー側(ケース側)第一係合部
71:ホルダー側(ケース側)第二係合部
73:磁石
75:ゴム部品
77:ストッパー
79:抜け出し防止片
85、87:膨出部
89:開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相手方光コネクタが接続される複数の光コネクタを、正面幅寸法及び高さ寸法よりも側面厚さ寸法が小さいケース本体の下端面に一列又は複数列に配列して保持した光コネクタ配列ケースと、
この光コネクタ配列ケースを着脱可能に保持するケースホルダーと、
前記光コネクタ配列ケースを取り付けるべき取付面にねじ止め又は接着等により固定される固定板とを備え、
前記固定板の上部には横方向に軸部又は軸受部が形成され、前記ケースホルダーの上面の背面側の縁及び一方の側面側の縁にはそれぞれ前記固定板の軸部又は軸受部と回動可能にかつ着脱可能に係合する軸受部又は軸部が形成され、
前記ケースホルダーは、その上面の背面側の縁に形成された軸受部又は軸部を、前記固定板の軸部又は軸受部に係合させて往復回動できる状態と、その上面の一方の側面側に形成された軸受部又は軸部を、前記固定板の軸部又は軸受部に係合させて往復回動できる状態とに取付可能となっていることを特徴とする取付部材を備えた光コネクタ配列ケース。
【請求項2】
相手方光コネクタが接続される複数の光コネクタを、正面幅寸法及び高さ寸法よりも側面厚さ寸法が小さいケース本体の下端面に一列又は複数列に配列して保持した光コネクタ配列ケースと、
この光コネクタ配列ケースを取り付けるべき取付面にねじ止め又は接着等により固定される固定板とを備え、
前記固定板の上部には横方向に軸部又は軸受部が形成され、前記ケース本体の上端面の背面側の縁及び一方の側面側の縁にはそれぞれ前記固定板の軸部又は軸受部と回動可能にかつ着脱可能に係合する軸受部又は軸部が形成され、
前記光コネクタ配列ケースのケース本体は、その上端面の背面側の縁に形成された軸受部又は軸部を、前記固定板の軸部又は軸受部に係合させて往復回動できる状態と、その上端面の一方の側面側に形成された軸受部又は軸部を、前記固定板の軸部又は軸受部に係合させて往復回動できる状態とに取付可能となっていることを特徴とする取付部材を備えた光コネクタ配列ケース。
【請求項3】
軸部は断面小判形であり、軸受部は断面小判形の軸部の長径部に相応する内径を有し、かつ断面小判形の軸部は通過できないが、短径部は通過できる幅の開口を有していることを特徴とする請求項1又は2記載の取付部材を備えた光コネクタ配列ケース。
【請求項4】
固定板の正面には固定板側係合部が形成され、ケースホルダーの背面及び一方の側面にはそれぞれ前記固定板に形成された固定板側係合部と着脱可能に係合するホルダー側係合部が形成され、
前記ケースホルダーは、その背面又は一方の側面に形成されたホルダー側係合部を、前記固定板に形成された固定板側係合部に係合させることで、固定板に仮止めできるようになっていることを特徴とする請求項1又は3記載の取付部材を備えた光コネクタ配列ケース。
【請求項5】
固定板の正面には固定板側係合部が形成され、ケース本体の背面及び一方の側面にはそれぞれ前記固定板に形成された固定板側係合部と着脱可能に係合するケース側係合部が形成され、
前記ケース本体は、その背面及び一方の側面に形成されたケース側係合部を、前記固定板に形成された固定板側係合部に係合させることで、固定板に仮止めできるようになっていることを特徴とする請求項2又は3記載の取付部材を備えた光コネクタ配列ケース。
【請求項6】
ケースホルダーの背面には、ケースホルダーを磁性金属板面に固定するための磁石が取り付けられ、かつその磁石表面よりも僅かに突出するように滑り止め用ゴム部品が複数箇所に取り付けられており、
一方、固定板の固定板側係合部とケースホルダーの背面のホルダー側係合部とは、それらを係合させたときに係合方向に遊びをもつように形成されており、この遊びにより、ケースホルダーの背面側に固定板を取り付けたときに固定板の背面が各ゴム部品の頂部を結ぶ平面よりも内側に入ったり外側に出たりすることができるようになっていることを特徴とする請求項4記載の取付部材を備えた光コネクタ配列ケース。
【請求項7】
ケース本体の背面には、ケース本体を磁性金属板面に固定するための磁石が取り付けられ、かつその磁石表面よりも僅かに突出するように滑り止め用ゴム部品が複数箇所に取り付けられており、
一方、固定板の固定板側係合部とケース本体の背面のケース側係合部とは、それらを係合させたときに係合方向に遊びをもつように形成されており、この遊びにより、ケース本体の背面側に固定板を取り付けたときに固定板の背面が各ゴム部品の頂部を結ぶ平面よりも内側に入ったり外側に出たりすることができるようになっていることを特徴とする請求項5記載の取付部材を備えた光コネクタ配列ケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−248099(P2011−248099A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−121353(P2010−121353)
【出願日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(591199590)株式会社正電社 (34)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【出願人】(595083051)株式会社ジャパンリーコム (40)
【Fターム(参考)】