取出口片を蓋として使用するティッシュペーパーボックス
【課題】紫外線によるティッシュペーパーの変色・変質が無く、取出口スリットの保持された次の一組のティッシュペーパーの一部が寝ることなく立ち上がっており、且つ塵や埃がティッシュペーパーボックス内に進入する恐れがないティッシュペーパーボックスを提供する。
【解決手段】多数組のティッシュペーパーが重畳状態で折り畳まれたティッシュペーパーを収容するティッシュペーパーボックスで上面の内面にその端部が取出口縁に位置するスリットを有するプラスチックフィルムを貼着してなるティッシュペーパーボックスであって、該ボックス本体の上面の所定の位置にティッシュペーパーを取り出すための取出口に環状の谷折り線と、取出口の両端部および中央にミシン目を設け、使用時にミシン目を切断し、環状の谷折り線で折り返して、該折返片を観音開き状の蓋として使用することを特徴とするティッシュペーパーボックス。
【解決手段】多数組のティッシュペーパーが重畳状態で折り畳まれたティッシュペーパーを収容するティッシュペーパーボックスで上面の内面にその端部が取出口縁に位置するスリットを有するプラスチックフィルムを貼着してなるティッシュペーパーボックスであって、該ボックス本体の上面の所定の位置にティッシュペーパーを取り出すための取出口に環状の谷折り線と、取出口の両端部および中央にミシン目を設け、使用時にミシン目を切断し、環状の谷折り線で折り返して、該折返片を観音開き状の蓋として使用することを特徴とするティッシュペーパーボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、多数組のティッシュペーパーが重畳状態で折り畳まれたティッシュペーパーを収容するティッシュペーパーボックスに関するものであり、特に本体に設けた取出口を形成する切取片（８）が切り取られることなく、谷折り線を介して折返片とし観音開き状の蓋として用いることを特徴とするティッシュペーパーボックスに関する。
【背景技術】
【０００２】
従来から通常に用いられているティッシュペーパーボックスとしては、収容されている多数組のティッシュペーパーが重畳状態で折り畳まれたティッシュペーパーを、上面に設けた開口部より順次引き出して使用し、その際に、次のティッシュペーパーがボックスの内部に落ち込まないようにするために、開口部の内面に、中央部にティッシュペーパーの折り畳まれた方向に対してスリットを形成したポリエチレン等の合成樹脂フィルムを設けたものが使用されている。
即ち、従来のティッシュペーパーボックスとしては、図４の斜視図に示すように、直方体状のボックス本体（１）の上面（２）の所定位置にティッシュペーパーの取出用開口（６）を形成するように環状のミシン目（３）が設けられ、その取出用開口（６）を形成する環状のミシン目３により区画され切り取り除去される切取片（８）を裏側から覆うようにティッシュペーパーを取り出す取出口としての取出用開口（６）内にその端縁が位置する直線状のスリット（７）を有するポリエチレンフィルム等のプラスチックフィルム（５）を接着又は溶着されたものが一般に使用されている（特許文献１参照）。
【０００３】
このような従来のティッシュペーパーボックスにおいては、使用時には環状のミシン目（３）に沿って切取片を切り離して除去し、開口した取出用開口（６）の取出口スリット（７）からティッシュペーパーの一組を取り出すと、該取り出されるティッシュペーパーと重畳状態に折り畳まれていた次の一組のティッシュペーパーが、取り出されるティッシュペーパーに追随してその一部がひき出され、次々に１組ずつ連続的に取り出すことができる。このティッシュペーパー用カートン内には多数組、通常は２枚又は３枚１組で１００〜２５０組のティッシュペーパーを一組一組が連続してカートンから取り出せるように交互に折り重ねた重畳状態に収納されており、一組を取出口スリット（７）から引き出したときに次の一組が追随して内部から引き出されてその一部が取出口スリット（７）に保持されるようになっている。
そして、該従来のティッシュペーパーボックスの取出口を構成するポリエチレンフィルム等のプラスチックフィルム（５）としては、内容物であるティッシュペーパーが透視でき、その内容物の存在を確認するために透明なプラスチックフィルムが用いられているのが通例である。
【０００４】
一方、該ボックスに収納されるティッシュペーパーについて、本来ティッシュペーパーは鼻紙、塵取紙などに用いられていたが、近年、該ティッシュペーパーは、手、足、顔などの汚れや、化粧のメイク落としや、癒しのために緑茶はコーヒー等を含浸させたものや、保湿剤を含有させたものや、コップや皿などの食器の汚れの拭き取りに使用されることが多々あり、汚れ落としや、化粧メイクの拭き取りや、癒しのために薬剤を含浸させたティッシュペーパーが求められており、また衛生上の観点から、埃や塵が付着していないティッシュペーパーが求められている。
更に、ティッシュペーパーの色は、通常は白色であるが、近年、意匠性を目指して着色されたもの、着色模様を施したもの、更には、保湿剤を含浸させたもの、尿若しくは体液などの成分を示唆する指示試薬を部分的に含浸させて着色したもの、などの種々ティッシュペーパーが登場してきている。
【０００５】
しかしながら、ティッシュペーパーボックスの取出口を構成するポリエチレンフィルム等のプラスチックフィルムは、透明であるため、紫外線が透過し易く、該紫外線によりティッシュペーパーが変色・変質する恐れがあり、特に着色ティッシュペーパーや、薬剤を含浸させたティッシュペーパーにおいては紫外線により大きく変色・変質してしまうことが多々見受けられ、ティッシュペーパーが使用不能となる場合があった。
また、従来はティッシュペーパーの一組を取出口スリット（７）から引き出した際に次の一組が追随して内部から引き出されてその一部が取出口スリット（７）に保持されるのであるが、該取出口スリットに保持された一部は、取出口スリットに保持されているティッシュペーパーが柔軟性であるが故に、立ち上がることなく寝てしまい、手で摘むのに不自由を強いられていた。
更に、ティッシュペーパーボックス中のティッシュペーパーの取り出しに際して、取出口スリット（７）を備えた透明なプラスチックフィルムが破損してしまう場合があり、その際に、塵や埃がティッシュペーパーボックス内に進入する恐れがあった。
更にまた、ティッシュペーパーボックスの上面に意匠的効果を目的として、図柄、絵柄、写真、文字等の文様を設けることも行われている。
【０００６】
【特許文献１】特開２００１−２７８３６６号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
本発明は、上記従来のティッシュペーパーボックスが有する問題点の解決を目的として成された発明であり、紫外線によるティッシュペーパーの変色・変質が無く、取出口スリットの保持された次の一組のティッシュペーパーの一部が寝ることなく立ち上がっており、且つ塵や埃がティッシュペーパーボックス内に進入する恐れがなく、また上面に設けて文様が分断されないティッシュペーパーボックスを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
上記課題を解決するために、本発明者は鋭意検討を重ねた結果、ティッシュペーパーボックスの取出口を形成するための切取片を切り取り除去することなく、谷折り線を介して折返片とし、該片を観音開き状の蓋として構成することにより、上記の問題点を改良し得ることを見出し本発明を成すに到った。
即ち、本発明は、以下の通りのものである。
（１）多数組のティッシュペーパーが重畳状態で折り畳まれたティッシュペーパーを収容するティッシュペーパーボックスであって、該ボックス本体の上面の所定の位置にティッシュペーパーを取り出すための取出口に環状の谷折り線と、取出口の両端部および中央にミシン目を設け、使用時にミシン目を切断し、環状の谷折り線で折り返して、該折返片を観音開き状の蓋として使用することを特徴とするティッシュペーパーボックス。
（２）ティッシュペーパーボックスの上面の内面にその端部が取出口縁に位置するスリットを有するプラスチックフィルムを貼着してなることを特徴とする上記（１）に記載のティッシュペーパーボックス。
（３）取出口の中央に設けるミシン目が二重線であることを特徴とする上記（１）又は（２）に記載のティッシュペーパーボックス。
（４）環状の谷折り線が、中央方向から外側に向かって僅かに湾曲していることを特徴とする上記（１）〜（３）のいずれかに記載のティッシュペーパーボックス。
（５）ティッシュペーパーが薬剤を含浸させたものであることを特徴とする上記（１）〜（４）のいずれかに記載のティッシュペーパーボックス。
（６）含浸させる薬剤が、保湿成分、緑茶、紅茶、ウーロン茶、混合茶、コーヒー、アロエエキス、ハーブエキスから選ばれた少なくとも１種の有効成分であること特徴とする上記（４）に記載のティッシュペーパーボックス。
【発明の効果】
【０００９】
本発明によれば、ティッシュペーパーボックスの取出口を形成するための切取片を切り取り除去することなく、谷折り線を介して折返片とし、該片を観音開き状の蓋に構成することにより、該蓋によって紫外線をカットすることによりティッシュペーパーの変色・変質がなく、観音開き状蓋の間に保持されるので次の一組のティッシュペーパーの一部が寝ることなく立ち上がっており、且つ塵や埃がティッシュペーパーボックス内に進入する恐れがなく、また上面に設けて文様が分断されないティッシュペーパーボックスを提供することが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１０】
以下に、本発明に係るティッシュペーパーボックスを図面を用いて詳細に説明する。
図１に本発明に係るティッシュペーパーボックスの斜視図を示す。図２に本発明に係るティッシュペーパーボックスの取出口を構成した場合の斜視図を示す。図３に本発明に係るティッシュペーパーボックスの使用態様時の斜視図を示す。図４は本発明に係る他の実施態様のティッシュペーパーボックスの斜視図を示す。
図中の（１）は、多数組ティッシュペーパーが重畳状態で折り畳まれたティッシュペーパーを収容するティッシュペーパーボックス本体を示し、該ボックス本体の上面（２）の所定の位置にティッシュペーパーを取り出すための取出口（６）を形成する環状の谷折り線（４）と、取出口の両端部および中央にミシン目（３）を設け、使用時にミシン目を切断し、取出口片を環状の谷折り線で折り返して折返片とし、該片を観音開き状の蓋（９）として使用することを特徴とするティッシュペーパーボックスである。
その際、ティッシュペーパーボックスの上面（２）の内面にその端部が取出口縁に位置するスリットを有するプラスチックフィルム（５）を貼着しておくことは好ましくい。
【００１１】
本発明のティッシュペーパーボックスを構成する材質については、ティッシュペーパーボックスの形状を維持するものであれば如何なる材質のものでもよいが、リサイクル性等を考慮すると、板紙、馬糞紙、白ボール紙等の紙製のものが好ましく、またその大きさは、収容する重畳状態で折り畳まれたティッシュペーパーの大きさによるが、通常は、縦２４０ｍｍ、横１１５ｍｍ、厚さは収容するティッシュペーパーの組数にもよるが３０〜９０ｍｍの範囲である。
本体の上面に形成する取出口は、上面の中央に位置し、その大きさは、大き過ぎると上面の剛性が弱くなり、小さすぎるとティッシュペーパーを取り出す際に取出口に引っ掛かってしまい好ましくなく、本体上面の大きさにもよるが、通常の大きさのボックスで、縦１５０〜２００ｍｍ、横３０〜６０ｍｍの範囲である。その形状は、平行四辺形でもよいが、楕円形状であることが好ましく、通常のティッシュペーパーボックスでは、該取出口部分は切取片として剥離するのであるが、本発明においては、平行四辺形の長辺を谷折り線とし、短辺をミシン目として、更に、取出口の短辺の長辺方向にミシン目を設け、該ミシン目を切断し、谷折れ線で折返して折返片とし、該片を観音開き状の蓋として使用するものである。
【００１２】
本発明において、図４に示す如く、取出口の中央に設けるミシン目を二重線とすることは、そのミシン目の二重線を取り除くことにより、観音開き状の蓋の間に、二重線を取り除いた間隙が形成され、該間隙にティッシュペーパーの一部が保持されることとなり好ましい。 また、取出口を形成する環状の谷折れ線が、中央方向から外側に向かって僅かに湾曲していると、谷折れ線により折り曲げられた折返片が押し下げられる方向に力が働き、常に下方に押し付けられる状態で観音開き状の蓋として機能するので好ましい。
本発明において、「僅かに湾曲」とは、図４に示す如く、湾曲線の末端同士を直線で結んだ線（ａ）と湾曲線の中央点から線（ａ）に垂線を引いた線（ｂ）とが（ａ）／（ｂ）＝３〜１５／１５０、好ましく４〜１０／１５０、更に好ましくは５〜７／１５０の範囲の湾曲をいう。該湾曲が小さ過ぎると下への押し付け力が小さく、大き過ぎると谷折りが困難となり、観音開きの蓋として機能するのが難しい。
本発明において、ティッシュペーパーに含浸する薬剤としては、如何なるものでも良く特に限定されないが、ビタミンＣ、Ｅ、グリセリンやソルビット含有保湿剤、緑茶、紅茶、ウーロン茶、混合茶、コーヒー、アロエエキス、ハーブエキスから選ばれた少なくとも１種の有効成分などの、手足、顔などの汚れを落とす薬剤、癒しのための薬剤などが好ましい。特に緑茶は、カテキン、サポニン、亜鉛などの有効成分を含有しているので、肌に優しく作用する。
【００１３】
以上述べた如く、本発明は、ティッシュペーパーボックスの取出口に観音開き状の蓋を設けたことにより、(1) 使用時に該蓋を閉じて置くことにより外部からの紫外線をカットすることが可能であり、それによりティッシュペーパー、特に各種の薬剤を含有し、着色しているティッシュペーパーの変色・変質を防止することができる、(2) 使用時に該蓋が立っていることにより、一組を取り出した後に追随する次の一組の一部が折れて寝ることなく立っている状態を保ち、手先で摘むのが容易となる、(3) 使用時に該蓋があることにより取出口のプラスチックフィルムが破損しても塵や埃が進入することがない、(4) ボックスの上面の文様が切断片により分断されることなく、使用前のままである、などの作用・効果を奏する。
本発明は、ティッシュペーパーボックスの取出口を改良したものである。
【図面の簡単な説明】
【００１４】
【図１】本発明に係るティッシュペーパーボックスの斜視図を示し、（ａ）は上面の内面にプラスチックフィルムを有しないもの、（ｂ）は有するものである。
【図２】本発明に係るティッシュペーパーボックスの取出口を構成した場合の斜視図を示し、（ａ）は上面の内面にプラスチックフィルムを有しないもの、（ｂ）は有するものである。
【図３】本発明に係るティッシュペーパーボックスの使用態様時の斜視図を示し、（ａ）は上面の内面にプラスチックフィルムを有しないもの、（ｂ）は有するものである。
【図４】本発明に係る他の実施態様のティッシュペーパーボックスの斜視図を示す。
【図５】従来のティッシュペーパーボックスの斜視図を示す。
【符号の説明】
【００１５】
１ ティッシュペーパーボックス本体
２ ティッシュペーパーボックスの上面
３ ミシン目
４ 取出口を形成する谷折れ線
５ 取出口用プラスチックフィルム
６ 取出口
７ 取出口スリット
８ 切取片
９ 観音開き状蓋
１０ ティッシュペーパー
【技術分野】
【０００１】
本発明は、多数組のティッシュペーパーが重畳状態で折り畳まれたティッシュペーパーを収容するティッシュペーパーボックスに関するものであり、特に本体に設けた取出口を形成する切取片（８）が切り取られることなく、谷折り線を介して折返片とし観音開き状の蓋として用いることを特徴とするティッシュペーパーボックスに関する。
【背景技術】
【０００２】
従来から通常に用いられているティッシュペーパーボックスとしては、収容されている多数組のティッシュペーパーが重畳状態で折り畳まれたティッシュペーパーを、上面に設けた開口部より順次引き出して使用し、その際に、次のティッシュペーパーがボックスの内部に落ち込まないようにするために、開口部の内面に、中央部にティッシュペーパーの折り畳まれた方向に対してスリットを形成したポリエチレン等の合成樹脂フィルムを設けたものが使用されている。
即ち、従来のティッシュペーパーボックスとしては、図４の斜視図に示すように、直方体状のボックス本体（１）の上面（２）の所定位置にティッシュペーパーの取出用開口（６）を形成するように環状のミシン目（３）が設けられ、その取出用開口（６）を形成する環状のミシン目３により区画され切り取り除去される切取片（８）を裏側から覆うようにティッシュペーパーを取り出す取出口としての取出用開口（６）内にその端縁が位置する直線状のスリット（７）を有するポリエチレンフィルム等のプラスチックフィルム（５）を接着又は溶着されたものが一般に使用されている（特許文献１参照）。
【０００３】
このような従来のティッシュペーパーボックスにおいては、使用時には環状のミシン目（３）に沿って切取片を切り離して除去し、開口した取出用開口（６）の取出口スリット（７）からティッシュペーパーの一組を取り出すと、該取り出されるティッシュペーパーと重畳状態に折り畳まれていた次の一組のティッシュペーパーが、取り出されるティッシュペーパーに追随してその一部がひき出され、次々に１組ずつ連続的に取り出すことができる。このティッシュペーパー用カートン内には多数組、通常は２枚又は３枚１組で１００〜２５０組のティッシュペーパーを一組一組が連続してカートンから取り出せるように交互に折り重ねた重畳状態に収納されており、一組を取出口スリット（７）から引き出したときに次の一組が追随して内部から引き出されてその一部が取出口スリット（７）に保持されるようになっている。
そして、該従来のティッシュペーパーボックスの取出口を構成するポリエチレンフィルム等のプラスチックフィルム（５）としては、内容物であるティッシュペーパーが透視でき、その内容物の存在を確認するために透明なプラスチックフィルムが用いられているのが通例である。
【０００４】
一方、該ボックスに収納されるティッシュペーパーについて、本来ティッシュペーパーは鼻紙、塵取紙などに用いられていたが、近年、該ティッシュペーパーは、手、足、顔などの汚れや、化粧のメイク落としや、癒しのために緑茶はコーヒー等を含浸させたものや、保湿剤を含有させたものや、コップや皿などの食器の汚れの拭き取りに使用されることが多々あり、汚れ落としや、化粧メイクの拭き取りや、癒しのために薬剤を含浸させたティッシュペーパーが求められており、また衛生上の観点から、埃や塵が付着していないティッシュペーパーが求められている。
更に、ティッシュペーパーの色は、通常は白色であるが、近年、意匠性を目指して着色されたもの、着色模様を施したもの、更には、保湿剤を含浸させたもの、尿若しくは体液などの成分を示唆する指示試薬を部分的に含浸させて着色したもの、などの種々ティッシュペーパーが登場してきている。
【０００５】
しかしながら、ティッシュペーパーボックスの取出口を構成するポリエチレンフィルム等のプラスチックフィルムは、透明であるため、紫外線が透過し易く、該紫外線によりティッシュペーパーが変色・変質する恐れがあり、特に着色ティッシュペーパーや、薬剤を含浸させたティッシュペーパーにおいては紫外線により大きく変色・変質してしまうことが多々見受けられ、ティッシュペーパーが使用不能となる場合があった。
また、従来はティッシュペーパーの一組を取出口スリット（７）から引き出した際に次の一組が追随して内部から引き出されてその一部が取出口スリット（７）に保持されるのであるが、該取出口スリットに保持された一部は、取出口スリットに保持されているティッシュペーパーが柔軟性であるが故に、立ち上がることなく寝てしまい、手で摘むのに不自由を強いられていた。
更に、ティッシュペーパーボックス中のティッシュペーパーの取り出しに際して、取出口スリット（７）を備えた透明なプラスチックフィルムが破損してしまう場合があり、その際に、塵や埃がティッシュペーパーボックス内に進入する恐れがあった。
更にまた、ティッシュペーパーボックスの上面に意匠的効果を目的として、図柄、絵柄、写真、文字等の文様を設けることも行われている。
【０００６】
【特許文献１】特開２００１−２７８３６６号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
本発明は、上記従来のティッシュペーパーボックスが有する問題点の解決を目的として成された発明であり、紫外線によるティッシュペーパーの変色・変質が無く、取出口スリットの保持された次の一組のティッシュペーパーの一部が寝ることなく立ち上がっており、且つ塵や埃がティッシュペーパーボックス内に進入する恐れがなく、また上面に設けて文様が分断されないティッシュペーパーボックスを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
上記課題を解決するために、本発明者は鋭意検討を重ねた結果、ティッシュペーパーボックスの取出口を形成するための切取片を切り取り除去することなく、谷折り線を介して折返片とし、該片を観音開き状の蓋として構成することにより、上記の問題点を改良し得ることを見出し本発明を成すに到った。
即ち、本発明は、以下の通りのものである。
（１）多数組のティッシュペーパーが重畳状態で折り畳まれたティッシュペーパーを収容するティッシュペーパーボックスであって、該ボックス本体の上面の所定の位置にティッシュペーパーを取り出すための取出口に環状の谷折り線と、取出口の両端部および中央にミシン目を設け、使用時にミシン目を切断し、環状の谷折り線で折り返して、該折返片を観音開き状の蓋として使用することを特徴とするティッシュペーパーボックス。
（２）ティッシュペーパーボックスの上面の内面にその端部が取出口縁に位置するスリットを有するプラスチックフィルムを貼着してなることを特徴とする上記（１）に記載のティッシュペーパーボックス。
（３）取出口の中央に設けるミシン目が二重線であることを特徴とする上記（１）又は（２）に記載のティッシュペーパーボックス。
（４）環状の谷折り線が、中央方向から外側に向かって僅かに湾曲していることを特徴とする上記（１）〜（３）のいずれかに記載のティッシュペーパーボックス。
（５）ティッシュペーパーが薬剤を含浸させたものであることを特徴とする上記（１）〜（４）のいずれかに記載のティッシュペーパーボックス。
（６）含浸させる薬剤が、保湿成分、緑茶、紅茶、ウーロン茶、混合茶、コーヒー、アロエエキス、ハーブエキスから選ばれた少なくとも１種の有効成分であること特徴とする上記（４）に記載のティッシュペーパーボックス。
【発明の効果】
【０００９】
本発明によれば、ティッシュペーパーボックスの取出口を形成するための切取片を切り取り除去することなく、谷折り線を介して折返片とし、該片を観音開き状の蓋に構成することにより、該蓋によって紫外線をカットすることによりティッシュペーパーの変色・変質がなく、観音開き状蓋の間に保持されるので次の一組のティッシュペーパーの一部が寝ることなく立ち上がっており、且つ塵や埃がティッシュペーパーボックス内に進入する恐れがなく、また上面に設けて文様が分断されないティッシュペーパーボックスを提供することが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１０】
以下に、本発明に係るティッシュペーパーボックスを図面を用いて詳細に説明する。
図１に本発明に係るティッシュペーパーボックスの斜視図を示す。図２に本発明に係るティッシュペーパーボックスの取出口を構成した場合の斜視図を示す。図３に本発明に係るティッシュペーパーボックスの使用態様時の斜視図を示す。図４は本発明に係る他の実施態様のティッシュペーパーボックスの斜視図を示す。
図中の（１）は、多数組ティッシュペーパーが重畳状態で折り畳まれたティッシュペーパーを収容するティッシュペーパーボックス本体を示し、該ボックス本体の上面（２）の所定の位置にティッシュペーパーを取り出すための取出口（６）を形成する環状の谷折り線（４）と、取出口の両端部および中央にミシン目（３）を設け、使用時にミシン目を切断し、取出口片を環状の谷折り線で折り返して折返片とし、該片を観音開き状の蓋（９）として使用することを特徴とするティッシュペーパーボックスである。
その際、ティッシュペーパーボックスの上面（２）の内面にその端部が取出口縁に位置するスリットを有するプラスチックフィルム（５）を貼着しておくことは好ましくい。
【００１１】
本発明のティッシュペーパーボックスを構成する材質については、ティッシュペーパーボックスの形状を維持するものであれば如何なる材質のものでもよいが、リサイクル性等を考慮すると、板紙、馬糞紙、白ボール紙等の紙製のものが好ましく、またその大きさは、収容する重畳状態で折り畳まれたティッシュペーパーの大きさによるが、通常は、縦２４０ｍｍ、横１１５ｍｍ、厚さは収容するティッシュペーパーの組数にもよるが３０〜９０ｍｍの範囲である。
本体の上面に形成する取出口は、上面の中央に位置し、その大きさは、大き過ぎると上面の剛性が弱くなり、小さすぎるとティッシュペーパーを取り出す際に取出口に引っ掛かってしまい好ましくなく、本体上面の大きさにもよるが、通常の大きさのボックスで、縦１５０〜２００ｍｍ、横３０〜６０ｍｍの範囲である。その形状は、平行四辺形でもよいが、楕円形状であることが好ましく、通常のティッシュペーパーボックスでは、該取出口部分は切取片として剥離するのであるが、本発明においては、平行四辺形の長辺を谷折り線とし、短辺をミシン目として、更に、取出口の短辺の長辺方向にミシン目を設け、該ミシン目を切断し、谷折れ線で折返して折返片とし、該片を観音開き状の蓋として使用するものである。
【００１２】
本発明において、図４に示す如く、取出口の中央に設けるミシン目を二重線とすることは、そのミシン目の二重線を取り除くことにより、観音開き状の蓋の間に、二重線を取り除いた間隙が形成され、該間隙にティッシュペーパーの一部が保持されることとなり好ましい。 また、取出口を形成する環状の谷折れ線が、中央方向から外側に向かって僅かに湾曲していると、谷折れ線により折り曲げられた折返片が押し下げられる方向に力が働き、常に下方に押し付けられる状態で観音開き状の蓋として機能するので好ましい。
本発明において、「僅かに湾曲」とは、図４に示す如く、湾曲線の末端同士を直線で結んだ線（ａ）と湾曲線の中央点から線（ａ）に垂線を引いた線（ｂ）とが（ａ）／（ｂ）＝３〜１５／１５０、好ましく４〜１０／１５０、更に好ましくは５〜７／１５０の範囲の湾曲をいう。該湾曲が小さ過ぎると下への押し付け力が小さく、大き過ぎると谷折りが困難となり、観音開きの蓋として機能するのが難しい。
本発明において、ティッシュペーパーに含浸する薬剤としては、如何なるものでも良く特に限定されないが、ビタミンＣ、Ｅ、グリセリンやソルビット含有保湿剤、緑茶、紅茶、ウーロン茶、混合茶、コーヒー、アロエエキス、ハーブエキスから選ばれた少なくとも１種の有効成分などの、手足、顔などの汚れを落とす薬剤、癒しのための薬剤などが好ましい。特に緑茶は、カテキン、サポニン、亜鉛などの有効成分を含有しているので、肌に優しく作用する。
【００１３】
以上述べた如く、本発明は、ティッシュペーパーボックスの取出口に観音開き状の蓋を設けたことにより、(1) 使用時に該蓋を閉じて置くことにより外部からの紫外線をカットすることが可能であり、それによりティッシュペーパー、特に各種の薬剤を含有し、着色しているティッシュペーパーの変色・変質を防止することができる、(2) 使用時に該蓋が立っていることにより、一組を取り出した後に追随する次の一組の一部が折れて寝ることなく立っている状態を保ち、手先で摘むのが容易となる、(3) 使用時に該蓋があることにより取出口のプラスチックフィルムが破損しても塵や埃が進入することがない、(4) ボックスの上面の文様が切断片により分断されることなく、使用前のままである、などの作用・効果を奏する。
本発明は、ティッシュペーパーボックスの取出口を改良したものである。
【図面の簡単な説明】
【００１４】
【図１】本発明に係るティッシュペーパーボックスの斜視図を示し、（ａ）は上面の内面にプラスチックフィルムを有しないもの、（ｂ）は有するものである。
【図２】本発明に係るティッシュペーパーボックスの取出口を構成した場合の斜視図を示し、（ａ）は上面の内面にプラスチックフィルムを有しないもの、（ｂ）は有するものである。
【図３】本発明に係るティッシュペーパーボックスの使用態様時の斜視図を示し、（ａ）は上面の内面にプラスチックフィルムを有しないもの、（ｂ）は有するものである。
【図４】本発明に係る他の実施態様のティッシュペーパーボックスの斜視図を示す。
【図５】従来のティッシュペーパーボックスの斜視図を示す。
【符号の説明】
【００１５】
１ ティッシュペーパーボックス本体
２ ティッシュペーパーボックスの上面
３ ミシン目
４ 取出口を形成する谷折れ線
５ 取出口用プラスチックフィルム
６ 取出口
７ 取出口スリット
８ 切取片
９ 観音開き状蓋
１０ ティッシュペーパー
【特許請求の範囲】
【請求項１】
多数組のティッシュペーパーが重畳状態で折り畳まれたティッシュペーパーを収容するティッシュペーパーボックスであって、該ボックス本体の上面の所定の位置にティッシュペーパーを取り出すための取出口に環状の谷折り線と、取出口の両端部および中央にミシン目を設け、使用時にミシン目を切断し、環状の谷折り線で折り返して、該折返片を観音開き状の蓋として使用することを特徴とするティッシュペーパーボックス。
【請求項２】
ティッシュペーパーボックスの上面の内面にその端部が取出口縁に位置するスリットを有するプラスチックフィルムを貼着してなることを特徴とする請求項１に記載のティッシュペーパーボックス。
【請求項３】
取出口の中央に設けるミシン目が二重線であることを特徴とする請求項１又は２に記載のティッシュペーパーボックス。
【請求項４】
環状の谷折り線が、中央方向から外側に向かって僅かに湾曲していることを特徴とする請求項１〜３いずれかに記載のティッシュペーパーボックス。
【請求項５】
ティッシュペーパーが薬剤を含浸させたものであることを特徴とする請求項１〜４のいずれかに記載のティッシュペーパーボックス。
【請求項６】
含浸させる薬剤が、保湿成分、緑茶、紅茶、ウーロン茶、混合茶、コーヒー、アロエエキス、ハーブエキスから選ばれた少なくとも１種の有効成分であること特徴とする請求項５に記載のティッシュペーパーボックス。
【請求項１】
多数組のティッシュペーパーが重畳状態で折り畳まれたティッシュペーパーを収容するティッシュペーパーボックスであって、該ボックス本体の上面の所定の位置にティッシュペーパーを取り出すための取出口に環状の谷折り線と、取出口の両端部および中央にミシン目を設け、使用時にミシン目を切断し、環状の谷折り線で折り返して、該折返片を観音開き状の蓋として使用することを特徴とするティッシュペーパーボックス。
【請求項２】
ティッシュペーパーボックスの上面の内面にその端部が取出口縁に位置するスリットを有するプラスチックフィルムを貼着してなることを特徴とする請求項１に記載のティッシュペーパーボックス。
【請求項３】
取出口の中央に設けるミシン目が二重線であることを特徴とする請求項１又は２に記載のティッシュペーパーボックス。
【請求項４】
環状の谷折り線が、中央方向から外側に向かって僅かに湾曲していることを特徴とする請求項１〜３いずれかに記載のティッシュペーパーボックス。
【請求項５】
ティッシュペーパーが薬剤を含浸させたものであることを特徴とする請求項１〜４のいずれかに記載のティッシュペーパーボックス。
【請求項６】
含浸させる薬剤が、保湿成分、緑茶、紅茶、ウーロン茶、混合茶、コーヒー、アロエエキス、ハーブエキスから選ばれた少なくとも１種の有効成分であること特徴とする請求項５に記載のティッシュペーパーボックス。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【公開番号】特開２００９−１８４７１９（Ｐ２００９−１８４７１９Ａ）
【公開日】平成２１年８月２０日（２００９．８．２０）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００８−２９０７０（Ｐ２００８−２９０７０）
【出願日】平成２０年２月８日（２００８．２．８）
【出願人】（０００１４８９７７）株式会社大貴 (43)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２１年８月２０日（２００９．８．２０）
【国際特許分類】
【出願日】平成２０年２月８日（２００８．２．８）
【出願人】（０００１４８９７７）株式会社大貴 (43)
【Ｆターム（参考）】
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