取引カード
【課題】ホログラム、磁気ストライプまたは集積回路ならびに他の取引カード構成要素を含むことができる光学的に認識可能な透明または半透明の取引カードの製造および使用に関する。
【解決手段】取引カードを目に見えない、光学的に認識できる赤外線インクおよび/またはフィルムの化合物により、ATMまたはカード組立ラインでセンサによって検出することができるようにする。カードをATM装置に挿入すると、赤外線LEDからのビーム光が赤外線のインクまたはフィルムによってさえぎられ、それによってフォトトランジスタを不活性にする。さらに、取引カードの製造の間、光学的に認識することができるカードは個人化装置からの赤外線LEDのビーム光、検査装置または計数器装置が組立ラインで製造される取引カードの数を数えるのを可能にする。
【解決手段】取引カードを目に見えない、光学的に認識できる赤外線インクおよび/またはフィルムの化合物により、ATMまたはカード組立ラインでセンサによって検出することができるようにする。カードをATM装置に挿入すると、赤外線LEDからのビーム光が赤外線のインクまたはフィルムによってさえぎられ、それによってフォトトランジスタを不活性にする。さらに、取引カードの製造の間、光学的に認識することができるカードは個人化装置からの赤外線LEDのビーム光、検査装置または計数器装置が組立ラインで製造される取引カードの数を数えるのを可能にする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に取引カードに関し、より詳細には、ホログラム、磁気ストライプまたは集積回路ならびに他の取引カード構成要素を含むことができる光学的に認識可能な透明または半透明の取引カードの製造および使用に関する。
【背景技術】
【0002】
カードの所有者が現金ではなくクレジットで支払えるようにする取引カードの急増は、1950年代の初めにアメリカ合衆国で始まった。初期の取引カードは、一般的には、選ばれたレストランとホテルに限られており、上流階級の個人にしばしば制限された。プラスチックのクレジットカードが導入されてから、取引カードの使用はアメリカ合衆国から、ヨーロッパへ、それから世界の残りの地域へと急速に拡散した。取引カードは情報媒体であるばかりでなく、一般的には、消費者が現金を絶えず所有する必要なしに商品やサービスに対して支払いをするのを可能にし、または、もし消費者が現金を必要とする場合には、取引カードが現金自動預入支払機(ATM)を通して資金へアクセスすることができる。取引カードを使うと、盗みにより現金を失うという危険性に曝されることも減り、そして様々な外国へ旅行する時に、両替する必要も減る。取引カードの利点のために、今では数億枚のカードが毎年製造発行されており、そのために結果として、カードを競争企業のカードと区別するための会社が必要になっている。
【0003】
最初は、取引カードには、しばしば、カードの上に浮き彫りにされた発行者の名前、カード所有者の名前、カードの番号および有効期限が含まれていた。カードは、普通、カードの裏にカード所有者のための署名欄もあり、署名して偽造および焼戻しを防いだ。したがって、初期のカードは商人にデータを提供するための道具として役立つだけであり、そのカードに関連する唯一の防護は、カード上のカード所有者の署名を、そのカード上に浮き彫りされているカード所有者の名前と一緒に、領収書にあるカード所有者の署名と比較することであった。しかしながら、カード上の署名で、領収書の署名を確かめることをしばしば忘れる商人が多かった。
【0004】
取引カードの人気のために、多数の会社、銀行、航空会社、商業グループ、スポーツチームおよび他の団体が彼ら自身の取引カードを開発した。したがって、多くの会社は、より魅力的な融資レートと低い入会金を提示するだけでなく、その取引カードに独特の美的感じの良い特徴を与えることによって、絶えず自分達の取引カードを区別して、市場シェアを上げようとしている。したがって、多くの取引カードには人口学的および会計の情報が含まれているだけでなく、図形画像、デザイン、写真および保護機能をも含まれている。最近の保護機能は、ホログラムを発生させるのに極端に複雑なシステムおよび装置が必要であるため、取引カードを不正にコピーする、または再生するという能力を実質的に制限する3次元であるように見える回折格子またはホログラフ画像を取引カードの中に組み込んである。ホログラムは、写真乳剤(photoemulsion)の上に2つ以上の光線、すなわち物体波および参照ビームによって発生させ、それによって、干渉光線により作り出される干渉縞を記録する。物体光は、会社の意匠文字、球、性格または動物のような記録されるべき物から反射、または送信される可干渉性のビームである。参照光は、通常、球面波正面を持つ可干渉性の、視準されたビーム光である。干渉縞を記録した後に、同様の波長の参照ビームを使ってその干渉縞からのイメージを再構築することのよってホログラフ画像を発生させる。
【0005】
しかしながら、代表的な状況では、カードの上に干渉縞から画像を再構築するために、同様のレーザビームを利用することができない。したがって、ホログラムを普通の白色光で見ることができるようにするべきである。したがって、ホログラムを取引カードに記録する場合、記録される画像は、結果として生じるホログラムが普通の白色光で見られるように基板の表面近くに配置される。これらのホログラムは、反射する表面ホログラムまたは虹ホログラムとして知られている。反射ホログラムを金属箔の上に大量に生産することができ、その後、取引カードの上に刻印することができる。その上、取引カードの上にホログラムを組み込むことは、普通の白色光で、すなわちホログラムに深さという錯覚があるかどうかを観察することによっておよび色を変えることによって、取引カードの確実性を決めるという一層信頼することができる方法を提供する。
【0006】
取引カードの使用が増加しているために、経費、クレジット、商人の精算、詐欺、払戻しなどのような管理および安全の問題が増えている。したがって、取引カード業界は、さまざまな産業用に取引カードデータの電子読み取り、送信および認可を可能にする一層精巧な取引カードの開発を始めた。例えば、磁気ストライプカード、光カード、スマートカード、テレホンカード、およびスーパースマートカードが、拡大した特徴、機能および安全のための市場の要求に応じるために開発された。画像データに加えて、取引カードの裏に磁気ストライプを組み込むことにより、デジタル化されたデータを読み取れる形で機械に保存することが可能になる。したがって、磁気ストライプ読取機は、金銭登録器装置から受け取った購買データを、会計情報および有効期限のような磁気ストライプに保存されているデータの伝送と一緒にホストコンピュータへオンラインで伝達するために、磁気ストライプカードと共に使用される。
【0007】
磁気ストライプの不正な変更に対する敏感性、磁気ストライプ内の情報の機密性の欠如及びホストコンピュータへのデータの伝送と関連する問題の為に、取引カードに組み込むことができる集積回路が開発された。スマートカードとして知られている、これらの集積回路(IC)カードは、将来の用途のための高度な安全性と柔軟性のために様々な産業において、非常に信頼できるということが分かった。
【0008】
磁気ストライプカードとスマートカードが発達したので、市場は、カードのための国際標準を要求した。カードの物理的な寸法、特徴および浮き彫り面積が、国際標準化機構(「ISO」)、ISO7810およびISO 7811の下で標準化された。発行者の識別、特別な化合物の位置は、符号化の必要条件および記録技術がISO7812とISO 7813で標準化されたのに対して、チップカードの標準がISO7813に規定された。例えば、ISO7811は3つの縦の平行トラックに分けられるカードの前面または裏面のどちらかに位置決めされる0.5インチ(1.27cm)のストライプである磁気ストライプのための標準を定義している。第1および第2のトラックは、それぞれ79のアルファ数文字と40の数文字の場所を持つ読取り専用情報を持っている。第3のトラックは、金融取引に用意されており、利用者の個人の識別番号、国のコード、通貨単位、サイクル当たりの認可された金額、補助元帳勘定および制限条件の暗号化されたバージョンを含んでいる。例えば、JoseLuis ZoredaおよびJose Manuel Otonによるスマートカード、1994、W.RanklおよびW.Effingによるスマートカードハンドブック、1997、および11西42番通り、ニューヨーク、NY10036のANSI(米国規格協会)から利用することができる取引カードのための各種のISO標準には、取引カードの特徴および仕様に関するより多くの情報を見つけることができる。これら全ての出版物の内容全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0009】
電算機で処理することができる構成部分の取引高カードへの組み込みは、取引カードの自動読取りおよび/または書込みによって取引高を簡単にする装置の急増を促進した。そのような装置には、例えば、バーコードスキャナ、磁気ストライプ読取機、販売端末点(POS)、現金自動預入支払機(ATM)およびカードキー装置が含まれる。ATMに関しては、1999年に出荷されたATM装置の総数は179,274台(NilsonReportsデータに基づいて)であり、ATMのトップ製造業者、すなわち、NCR(138−18231st Street,Laurelton,ニューヨーク州11413)、Diebold(5995Mayfair,NorthCanton,オハイオ州 44720−8077)、Fujitsu(11085N.Torrey Pines Road,La Jolla,カリフォルニア 92037)、Omron(日本)、OKI(日本)およびTritonによって出荷されたATMが含まれている。
【0010】
カード引受け装置の多くは、装置がその読取りヘッドを取引カードの関連がある構成部分と適切に合わせることができる様に、取引カードが装置に入れられることを必要としている。特に、多くのATMは、取引カードがしっかりとATMのスロットに入れられることを必要とする。スロットの中へのカードを入れた後に、ATMは、その取引カードをATMのスロットの中へさらに引っ込ませるための追加の機械装置を持っている場合もある。ATMを活性化するために、ATMは、一般的には、カードの表面に光を照射し、そしてフォトトランジスタや発光ダイオード(LED)から光を受け取る、フォトトランジスタおよびLEDのようなセンサを含んでいる。カードは、フォトトランジスタからの赤外線をさえぎり、それによってカードが検出されたことを示している。ATM内の典型的なLEDは、フォトトランジスタセンサによって必要とされるレベルの周辺光には存在しない約820〜920nmまたは900〜1000nmの範囲にある波長を持つIRED(赤外線LED)源(図5参照)である。典型的なフォトトランジスタのスペクトル感度曲線は、約400nm〜1100nmの範囲にある(図6参照)。しかしながら、可視スペクトルは約400nm〜700nmであり、フォトトランジスタのスペクトル感度は、950nmで約60%そして840nmで90%である。したがって、可視光線はアナログ−デジタルアルゴリズムの一部ではない。その上、ISO7810の8.10節は、全ての機械読取り可能なカードが450nmから950nmの光透過密度、1.3より大きい(5%未満の透過)および950nmから1000nmの光透過密度、1.1より大きい(7.9%未満の透過)を持っていることを要求している。
【0011】
カードがATMによって検出されるために、その光は一般的にはカード本体によってさえぎられる。その上、カードによってさえぎられる必要のある光量は、アナログデジタル変換から受け取られる電圧データと関連している。センサの電圧範囲は、一般的には、約1.5Vから4.5Vの範囲にある。カードがセンサに入れられるとき、1.5V未満に電圧が低下することは、輸送システムにカードが存在することを示している。カードをフォトトランジスタによって検出した後、磁気ストライプ読取機が磁気ストライプをスキャンし、磁気ストライプ上に記録されている情報を得る。ATMにあるLEDのセンサ装置の製造業者は、例えば、4800Great America Parkway,Suite 210,サンタクララ、カリフォルニア 95054にある日本のオムロンと三協精機である。
【0012】
すでに説明したように、取引カードと読取機は、一般的には、カードデータ位置と化合物を明確に述べているさまざまなISO標準規格に従う。しかしながら、多数の会社がATMのいろいろなバージョンを製造しているので、ATM内のセンサの位置は規準化要求に従っていない。過去においては、ATM内のセンサの位置が変っても取引カードを感知するためのATMの能力に影響を及ぼさなかった。なぜなら、取引カードは実質的に不透明な表面を含んでいたので、不透明な取引カードのどの部分も赤外線LEDの放射を遮ることができ、そして挿入フォトトランジスタを活性化することができた。しかしながら、より最近になると、独特のイメージを提供するために、そして消費者需要に合わせるために、企業は透明な、または半透明の取引カードを開発することを試みた。透明なカードの使用は挿入フォトトランジスタをしばしば活性化しなかったものだった。なぜなら、赤外線LEDの放射は透明な表面から十分に反射せず、そこでその放射は単にカードを通って伝わり、フォトトランジスタによって検出されたものだったからである。したがって、その機械は、カードの存在を検出することができず、設備をしばしば動かなくした。
【0013】
この問題を解決する試みで、企業はATMの投入センサを活性化するために、不透明区域を提供しようとして透明なカードの上に不透明な区域を印刷した。しかしながら、多くのATMのセンサの位置が前述のように変動していたために、透明なカード上の限定された不透明区域を使用しても、カードが十分な数のATMのセンサを活性化できるようにしなかった。代わりに、企業は、LEDの光を向け直そうとして、取引カードの上にレンズを組み込むことを試みた。しかしながら、カード製造プロセスの間に、そのプロセスは相当な圧力および熱をしばしば伴うのだが、レンズ入りの表面は崩壊または破壊されるだろう。したがって、投入センサが様々な位置でカードと干渉し得る、投入センサを活性化することができる透明または半透明の取引カードの必要が存在する。
【0014】
さらに、カード製造プロセスの間に、カードは予定の時間間隔の間に製造されるカードの数を正確に数えるために、組立ラインの上で検出されなければならない。カードを数えるために、典型的なカード製造組立ラインは、ATMセンサに似ているLEDセンサを持つカウンタを含んでおり、それが不透明なカード表面からのLEDのビーム光の反射に基づいてカードを数える。透明な取引カードの製造は、LEDのビームが反射しない、または透明な表面から十分に吸収されないATM装置として同様の制限を受ける。したがって、透明なカードは現存する組立ラインの上で製造することができる必要がある。カードが最終的な寸法に打ち抜かれるときに、同様の問題が存在する。
【0015】
現存するシステムは商品の識別と検出を考慮に入れているかもしれないが、大部分は、多くの欠点を含んでいる。例えば、紫外線に基づいた識別特徴、可視光線の検出などは時には見るのが難しく、ある種の照明が必要条件であることが多く、一般的には、商品と検出装置の間の距離によって決まる。さらに、識別記号を含むある種のプラスチック、紙または他の材料を使用することは、特定の識別装置によって制限される場合がある。例えば、不透明な材料は、一般的には、可視光(赤外線に近い)の範囲および赤外線から遠い光の範囲の両方で光をさえぎることによってATMのフォトトランジスタを不活性にする。さらに、カード製品の中に検出または証明の特徴を組み込むことは、カード製造プロセスの間に、別個の材料またはステップ段階を必要とする。新しい材料またはステップ段階を組み込むことは、現在の設備に高価な改造または新しい設備をしばしば必要とし、しかもカード製品を製造するための時間が伸びることが多い。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0016】
(発明の簡単な概要)
本発明は、ホログラフ箔、集積回路チップ、磁気ストライプの上にテキストを持つ銀磁気ストライプ、不透明な階調度、カードの構造の中に含まれる光学的に認識することができるインクまたはフィルム、カードの裏の署名がカードの正面およびカードの正面の「一貫して活動的」データから見えるほどの半透明の署名欄のような任意の1つまたは複数の特徴を有する透明または半透明の取引カードを製造するためのプロセスに関する。そのカードは、カードが赤外線の光をさえぎり(吸収し、屈折させ、放散および/または反射し)、そして他の全ての光を透過させるのを可能にしている、カードの表面に散布されている目に見えないまたは透明な赤外線のインクかフィルムのために、光学的に認識することができる。特に、取引カードをATM装置に挿入すると、赤外線LEDからのビーム光が赤外線のインクまたはフィルムによってさえぎられ、それによってフォトトランジスタを不活性にする。さらに、取引カードの製造の間、光学的に認識することができるカードは個人化装置からの赤外線LEDのビーム光、検査装置または計数器装置が組立ラインで製造される取引カードの数を数えるのを可能にする。
【0017】
本発明のより完全な理解は、一定の比率に応じていないことがある次の具体的な図に関連して考える時、詳細な説明とクレームをみれば求めることができる。次の図では、同じ参照参考またはステップは、図全体を通して同じ化合物のことをいう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
一般に、本発明は、機械が認識できる化合物を有する材料を含む様々な製品の識別と検出を考慮している。その製品は、例えば、取引カード、文書、手形などを含む。その材料は、例えば、塗料、フィルム、糸、プラスチック、インク、繊維、紙、プランセットなどを含む。
【0019】
例示的な実施形態では、機械が認識できる化合物は、赤外線をさえぎる(吸収する、屈折させる、散乱させる、反射させる、またはその他の方法でさえぎる)成分を含んでいる光学的に認識できる化合物である。その光学的に認識できる化合物は、不可視の、可視の、または着色されていて、望ましい効果を生じることができ、かつ/または、それら化合物は、例えば、紫外線蛍光性のまたは赤外線蛍光性の特徴のような他の検出可能な化合物を含むこともできる。その光学的化合物は、良好な安定性、耐性、耐久性、そして良好な外観、柔軟性、硬度、耐溶剤性、耐水性、耐食性および外部安定性のような他の物理的性質を持っていることが好ましい。さらに、そのような化合物を使用すると、一般的には、多くの基板に存在する可能性がある紫外線化合物を妨害しない。当分野の技術者なら、光学的に認識することができる化合物は、センサによって認識することができる任意の化学薬品、溶液、染料、インク基板などであることを理解するだろう。例示的な実施形態では、光学的に認識することができるインクは、大部分の赤外線の光を妨げるか、吸収するか、または反射するが、他の波長の光をほとんど透過する赤外線インク(infraredink)である。
【0020】
例示的な実施形態では、光学的に認識することができる化合物は、材料の中に、フィルム、プラスチック、繊維、インク、濃縮物、熱可塑性または熱硬化性のマトリックス、糸、プランセット、および/または有機または無機物質から誘導される化合物を0.001から40.0重量%の範囲で含んでいる他の媒体の形で組み込まれている。赤外線インクを、カード5(図1参照)に、例えば、スクリーン印刷、またはリソグラフィー、グラビア印刷、フレキソ、カレンダ塗装、カーテン塗装、ローラ塗装などのような任意の他の印刷または塗装手段によって応用することができる。典型的なスクリーン印刷プロセスは、乾燥装置(紫外線の硬化熱または対流熱)を備えたスクリーンプレスおよび約80ライン/cmという特定のメッシュサイズを持つスクリーンを利用する。赤外線インクは、後に記述してあるように、シルクスクリーンプレスを使って、プラスチックカードの全表面の任意の部分にわたって印刷される。
【0021】
特定レベルの照明についての普通の観察者の相対的な目の感度が400〜770nmの間にあるので、770nmの赤外線インクが好ましい。なぜなら、そのインクは普通の白色光では人間の目には見えないからである。したがって、その目に見えない赤外線の物質が、実質的に、カード5の透明な表面を覆い隠さないであろう。さらに、典型的なインクは、華氏約200度から400度(約93℃から204℃)というカード製造温度に耐え、普通のクレジットカード使用条件の下で少なくとも約3年の「耐光性期間」(あらゆる光、特に紫外線の光が存在するとある場合に色があせる、すなわち退化するのに対するインクの抵抗力である)を含んでいる。その上、典型的なインクは、例えば、三協精機の約800〜1000nmというLEDのような赤外線LEDのスペクトル出力をさえぎり、吸収し、または反射する。典型的なインクは、また、フォトトランジスタに達する光を制限する。したがって、そのインクを持っている透明なカードの存在は、例えば、カードをつかむタイプのATMのような処理機で検出される。
【0022】
本発明の機械が認識できる化合物の典型的な組成物は、いろいろな化合物の混合物から成っている。その活性化合物は、無機材料、有機金属材料、鉱石の有機層のある材料または希土類化合物、最も普通には希土類酸化物、オキシ硫化物またはオキシハロゲン化物から誘導される。その化合物は、比較的不活性である。したがって、最終生成物の性能特性に対する影響は最小になる。赤外線化合物は、染料、層がある材料、顔料および/またはいろいろな最終的に使用できる製品に組み込むことができる特別の媒体に分散されているカプセルに包まれた顔料のどれかを含んでいる。赤外線化合物の粒径は、その材料(プラスチック、糸、インクなど)を最適に分散または溶解できるようにし、それが組み込まれた製品内に均一に存在する。
【0023】
層のある誘電性のおよび金属製の材料または不純物を加えた希土類材料を含んでいる従来から知られている赤外線材料を、本発明の例示的な実施形態による化合物用の顔料として効果的に使用することができる。この状況では、その顔料または染料では、特定の波長のエネルギーを吸収し、1つの波長のエネルギーを別の波長のエネルギーに変えることがある。エネルギー変換または吸収は、電磁スペクトル内のどんな刺激以上でもまたは以下でもある可能性がある。その化合物は特定の波長の光を吸収したりまたは1つの色から別の色に変えることができるし、あるいはその化合物は目に見えないものから見えるものなどに変えることもできる。このように本発明の赤外線化合物は、1つの波長のエネルギーから別の波長のエネルギーへ可逆的に変るシステムに組み込まれており、したがって、製品の中に「指紋」型の探知することができる特徴を生じる。
【0024】
その上、その調製されたフィルムまたは材料を、結合剤と混合して、糸、繊維、塗料など使用するための赤外線化合物を生成することができる。本発明に組み込むことができる結合剤には、ワックス、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ゴム、天然樹脂、または合成樹脂のような従来からの添加物が含まれる。そのような結合剤のそのような例は、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、塩素化ゴム、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ブタジエン−ニトリル、セラック、ゼイン、セルロース、ポリウレタン、ポリビニルブチレート、塩化ビニル、シリコン、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ニトロセルロース、ポリアミド、ビスマレイミド、ポリイミド、エポキシ−ポリエステルハイブリッドなどである。使うことができるフィルムには、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、アクリル樹脂、ポリカーボネートなどが含まれる。後で論じるように、どんなフィルムでも、熱、接着剤または両者の組合せを使って、普通のカードに積層または接着することができる。
【0025】
もしその化合物の含有量が低すぎるならば、適切なブロッキングが達成できず、フォトレジスタが適当な信号を取込装置に送れないことがある。それは、そのカードが検出されないということを意味することになる。それゆえに、赤外線化合物は、その組成物中に、通常、約1ppmから80.0重量%存在し、好ましくは重量で約0.25%から25.0%存在する。さらに、本発明は、その材料のより良い耐性、美しさ、または寿命を達成するために、例えば、紫外線吸収剤、反射材、酸化防止剤、および/または蛍光増白剤のような他の材料を添加するかもしれないことを予想している。
【0026】
特に、他の材料を添加して、刺激後の1つの色からもう1つの色への色ずれに備えることができる。染料、顔料、蛍光染料、発光顔料などのような普通に使われる材料を使用して1つの色の状態から別の色の状態への可逆的な色の変化を促進することができる。そのような材料を初期加工の間に赤外線化合物と直接に組み合わせることができるし、あるいは、赤外線化合物が処理された後に加えることもできる。溶媒、水、グリコールなどのような物質の使用を加えて材料の流動学的特性を調整することもできる。同じく、界面活性剤、消泡剤、剥離剤、接着促進剤、均染剤などの使用を、加工特性を改善するために、その配合物に加えることもできる。蛍光増白材を加えても無色状態の中に白さを確保して、赤外線化合物が置かれている多くの基板の間に低レベルの対比を維持することができる。
【0027】
様々な材料の繊維を連続方法で使用するか、または単一の繊維をいろいろな材料に組み込むことができる。本発明は、例えば、天然繊維、合成繊維、共重合体繊維、化学繊維、金属繊維などを予想している。これらの繊維の例は、ナイロン、ポリエステル、綿、羊毛、絹、カゼイン繊維、プロテイン繊維、アセチル化短繊維、エチルセルロース、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、アセテート、ポリビニルアルコール、トリアセテート、ガラス、木材、岩綿、炭素、無機繊維などである可能性がある。そのような繊維を、紙、パルプ、プラスチックの印刷用粘着シート、プラスチック材料などの他の種類の材料に組み込む、または混合することができる。そのような材料を連続方法に単独で使用することができ、または他の材料のモノフィラメントまたはジフィラメントとして使用することができる。
【0028】
その上、プラスチックに組み込まれる赤外線材料を、例えば、ナイロン、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル、ビスマレイミド、ポリアミド、ポリイミド、スチレン、シリコン、ビニル、ABS、ポリカーボネート、ニトリルなどのようないろいろな材料と共に使うことができる。したがって、繊維、プラスチック、フィルムなどの中に組み込まれる化合物を、単一プロセスまたは多重プロセスの用途に適した形に直接加工することができる可能性がある。そのような化合物を、単一成分の形で、またはマスターバッチの形で配合物の中に加えることができ、それから化合物の普通の処理操作と類似の方法で処理される。そのような化合物の処理には、分散についての、連続ミキサ、二段または三段のロールミル、押出し、および/または他の溶融混合方法の使用がある。例示的な実施形態では、糸を織ることができる、または織らないことができるが、赤外線材料を熱可塑性マトリックスの中に直接押し出して、連続方法で使える糸の形に直接引くか、あるいは繊維またはプラスチックフィルムの形に区切ることができる。
【0029】
典型的な赤外線化合物を、様々な組成物のフィルムの上に溶着させて、多くのカード用途で使うことができる。さらに、本発明に従った赤外線化合物を単独で使うか、または他の材料と0.001から50.0重量部の範囲で混合することができるが、最も好ましいのは1.0から15.0重量部の範囲で混合することである。
【0030】
さて、本発明を、以下の実施例、比較例、試験例および使用例を参照して、より詳細に説明することにする。本明細書の実施例、試験およびグラフに明らかにされているように、結果としてできるインクは、フォトトランジスタ検出からの赤外線の放射を十分にさえぎる。本発明がそれに制限されないことが分かる。例えば、当分野の技術者なら、どの実施例においても、そのインクが様々な光学的な効果または証明目的のために他の材料を含んでもよいことを理解するだろう。
【0031】
実施例1
本実施例は、Sericol社により製造された約2%のEpolinVII−164染料および約98%のTechMark Mixing Clearを含み、980.0gのTechMark溶媒蒸発のスクリーンインクが高速分散機の上で混合する。混合している間に、20.0gのEpolightVII−164染料を完全に溶解される。結果として生じたインクは、25℃で約3.2Pa.S(約32g/cm・s)程度の粘度を持っており、スクリーンプロセスを使って印刷される。そのスクリーンプロセスには、透明なポリ塩化ビニルの13.0ミル(0.3302mm)のフィルムの両面に305ポリマースクリーンが含まれている。
【0032】
実施例2
約965ポンド(437.7kg)のTMMixing Clearに、約15.0ポンド(6.8kg)のEpolightVII−164と約20.0ポンド(9.1kg)のEpolightVI−30を加えることによって次のインクを製造した。その混合物を約40分間にわたって分散させた。結果として生じた混合物を、80ライン/cmのポリエステルスクリーンを使って、ポリ塩化ビニルをコアとするプラスチックの上に塗布した。結果として生じた塗装は、低い目に見える吸収と共に780nmから1070nmまでの高い吸光度を示した。カードのコア、磁気ストライプおよび積層物を組み立てて、その組立品全体を華氏約280度(約138℃)の温度のBurckleStack Lamination Unitに配置した。
【0033】
実施例3
約30.0gのEpolight VII−172の濃縮物を、約700.0gのポリ塩化ビニルのプラスチックと混合した。結果として生じた混合物を華氏約260度(約127℃)で押し出し、空冷して、ペレット化した。約1.0ポンド(約0.45kg)の結果として生じたペレットを約99.0ポンド(約44.8kg)のポリ塩化ビニルと組み合わせた。KlocknerPentaplastにより、約0.013インチ(約0.33mm)のカレンダ掛けしたシートを生成した。前記のシートを使ってカードを製造した。これらのカードは、800nmから1000nmの赤外線の範囲において十分な吸収を示した。そのカードは、三協のATMの取込装置によって検出された。
【0034】
実施例4
十分な光学的性質を持つ多層PETのプラスチックを組み合わせてカード構造にした。そのPETのプラスチックは3M社(ミネソタ州ミネアポリス)により供給された。その結果として生じたカードは、ATM装置がそのカードを検出するほど、十分な光学を示した。
【0035】
追加実施例 赤外線インク配合物についての追加実施例を、図13に明らかにしてある。図13の赤外線インクの実施例は、目に見える緑色を示している。さらに、図14はこれらの典型的なカードに関する測定値を示しており、ある波長範囲について、透過濃度、ATMの読み易さおよびISOへの合致度を含んでいる。図15は、典型的なグリーンカードについての典型的な試験結果を示しており、そこでは、そのカードを様々な製造業者のATMに挿入した。その試験では、その典型的なカードについて、ATMの検出が陽性という結果になった。さらに、図16は典型的なグリーンカードの透過濃度の例を透過パーセント対波長のグラフで示してある(そのグラフには、カードについてのISOの規格も示してある)。
【0036】
図17A〜17Iは、様々なカードの実施形態についての典型的な試験結果を、パーセント透過対波長(nm)のグラフで示している。例えば、図17Aに関して、テキストなしのポリ塩化ビニル上の赤外線インクの品質保証が検査をされ、そこでは、曲線が典型的なカードの4つの角の1つを表している。その後の曲線は、例えば、約50枚のカードの後のようなカード製造間隔の後に選択された別のカードを表している。図17Bは、異なるインク配合物を有するカードによる異なった光の波長についての透過パーセントを示しており、そこでは、各曲線が異なるインク配合物を持つカードを表している。
【0037】
図17C〜17Iは、その実施形態で記述したカードを製造するために、赤外線放射の十分な量をさえぎり、可視光を透過させるカードの構造に使用される材料の能力を実証するフィルム、塗料、カードなどの様々なスペクトルを表している。さえぎるというメカニズムは、電磁スペクトルでの放射をさえぎるという吸収、反射、放散、分散または他の方法であることがある。
【0038】
赤外線インクに加えて、光学的に認識することができる化合物が、代わりに、赤外線の光をやはりさえぎる(吸収する、または反射する)が、他の全波長の光を透過させるフィルムまたは熱い鏡であるかもしれない。例示的な実施形態では、そのフィルムは前面のシート10と裏のシート12との間にセットされる。図4は、本発明の例示的な実施形態による典型的な赤外線フィルムの反射および透過についてのエネルギー対波長のグラフである。図4は、可視光線がフィルムを透過させられるのに対して、赤外線の光は高い波長でさえぎられ、相当な量の赤外線の光が反射されているということを示している。
【0039】
その光学的に認識可能な化合物を、フォトトランジスタ、電荷結合素子などによる検出を防止するかもしれないプラスチック製品、フィルム、製品、文書または他の商品に組み込むこともできる。その材料を、粉砕することによって、あるいは液体、ペーストまたは他の種類の媒体中に分散または沈澱した材料を使用することによって、フィルム、プラスチック、印刷インク、塗料または他の適用媒体を通して取引カードの中に組み込むことができる。インクが引っかかれるといったようなインクへの環境損害を最小にするために、インクは、その積層物の下で、プラスチックシートの上に直接塗られるのが好ましい(下記のステップ170に記述されている)。さらに、赤外線インクをプラスチックシートの内部表面または外部表面に塗ってもよい。
【0040】
例示的な実施形態では、光学的に認識可能な化合物を商品に組み込むことは、別の印刷装置、既存の処理設備への変更または追加の操作ステップを必要としないかもしれない。特に、取引カードのような商品の製造は、とにかく着色剤を組み込む既存の設備を利用する。したがって、光学的に認識可能な化合物を既存の着色剤に適用するのに、そのプロセスに余分な設備またはステップを加えない。
【0041】
さらに例示的な実施形態では、光学的に認識可能な化合物は、機械によって検出することができる光をさえぎる。より詳細には、その機械は、1つまたはいくつかの波長で赤外線を妨害することによって、適切にカードの存在を検出する。例示的な実施形態では、材料の検出には、その材料が適当な器機からの目に見えない赤外線放射で問い合わせられたときに目に見える効果を作ること、そしてそのような放射がその赤外線材料に接触したとき、着色した光のような目に見える効果を見ることができることが含まれる可能性がある。代わりに、材料は、その材料の存在を示すだろう遠く離れた検出器によって検出される場合がある。材料の検出または証明は、読取り装置の刺激波長の上および下で生じる。したがって、光学的に認識可能な材料がいったん検出されると、次に、検出装置は利用者に、検出装置の上にまたは近くにあることが好ましい陽性の識別信号で表示することができる。
【0042】
例示的な実施形態では、赤外線材料の検出はATMのセンサを作動させる。特に、図8に関して、本発明は、より大きな割合の可視光線(約400nmから700nmまでの)の通過を考慮しており、そのことはカードが事実上半透明に見えるようにしているが、それに対して、ある光(約700nm以上から)の妨害に考慮して、カードが送り機構に入れられていることをATMのフォトトランジスタが検出できるようにしている。上に論じたように、典型的なATMの検出装置は赤外線LED、フィルタおよびフォトトランスミッタを含んでいる。
【0043】
ATMのセンサを作動させることに加えて、任意の磁気ストライプまたはスマートカード読取り機で、半透明カード5を使うことができる。読取り装置は、カード読取り機/書込み機、売場専用端末、ATMまたは他のどんな受入れ装置もを含むことができる。例示的な実施形態では、カード5は、カードが読取り機に挿入された時に、カードの存在を検出するだけでなく、カード5の透明な部分をも照らす読取り機と共に、使われる。照明源は、白熱源またはソリッドステート源(赤外線放射ダイオードまたはレーザ)のいずれかでありうる。操作においては、カードが受入れ装置に挿入された時、カードの端が照明組立品を押す(またはスイッチを始動させる、ビームを遮断するなど)。そのカードの用途次第では、照明源を受入れ装置または外部のソフトウェアの管理下におくことができる。従って、もし外部のソフトウェアプログラムによって指示されれば、照明源は特別の色を光らせる、または表示することができる。さらに、カードの構造によっては、安全または製品の高度化のために埋め込まれた設計を刺激して役立たせるのに、照明源を使うことができるかもしれない。
【0044】
上に論じたように、光学的に認識可能な化合物を、どんな種類の商品にも組み込むことができる。典型的な商品は、それ自身がいくらでも多数の特徴を含むことができる取引カードである。例示的な実施形態では、本発明は、一般的に、不透明な、透明なまたは半透明なプラスチック層10、12、およびテキスト30、32、34、ロゴ50、浮き彫りした特徴35、磁気ストライプ42、署名欄45、ホログラフ箔15、集積回路チップ20および不透明な階調度25(図1および2)のようなカード5に添付されている多数の特徴を含んでいるベースからなる取引カード5を包含している。
【0045】
カード5は、また、透明なまたは半透明の取引カード5をATMのようなカード読取り装置によって認識できるようにするための、かつ/または透明取引カード5をカード製造中に認識して数えることができるようにするための上述した光学的に認識可能な化合物を含んでいる。透明カード5にある光学的に認識可能な化合物は、赤外線をさえぎる(吸収する、または反射する)が他の全波長の光を透過させる(図4参照)、実質的に目に見えない、または半透明の赤外線インク、鏡またはフィルムである。信用貸し、費用、借り方、アクセス、識別、情報保存、電子商取引および/または他の機能にカード5を使うことができる。
【0046】
図3に関して、本発明の例示的な実施形態による前表面および裏表面を有するカード5を製造するためには、例えば、透明なコアのポリ塩化ビニルのようなプラスチック基板から成る前面シート10および裏面シート12(図1および2)を製造する。当分野の技術者なら、カード5のシート10および12は、例えば、プラスチック、ガラス、アクリル樹脂および/またはその任意の組合せのような適当な透明の、半透明のおよび/または不透明な材料であってよいということを理解するだろう。各シート10、12は、実質的には同一であり、約3’×4’(622mm×548mm)および約0.005〜0.350インチ(約0.127〜8.89mm)であるのが好ましく、または0.01〜0.15インチ(0.254mm〜3.81mm)または13.5ミル(0.343mm)の厚さであるのがより好ましい。
【0047】
図7Aに関して、個々のカードシートの製造には、フィルムの直接配置(9層)か、または部分組立品(5層)の使用のいずれかが含まれる。典型的な部分組立品は、熱硬化性接着剤および熱可塑性接着剤の上に塗られる室温粘性接着剤を伴った5層のフィルムから成っている。結果としてのカードは、(カードの前面からカードの裏に向かって)その表面にホログラフ箔、浮き彫りした表面、チップおよび他の識別印を有する2.0ミル(0.0508mm)の外側の積層物、印刷側を外側(カード前面)に持つ9.0ミル(0.229mm)の印刷したポリ塩化ビニルのコア、2.0ミル(0.0508mm)のPVC、D&K社(525Crossen,Elk Crove Village,イリノイ州 60007)によって製造された1.7ミル(0.043mm)のPETGS(押出し塗布したPET−gluable/stampable)、2.0ミル(0.0508mm)のPETの赤外線遮断フィルム、1.7ミル(0.043mm)のPETGS、2.0ミル(0.0508mm)のPET接着剤、印刷側を外側(カード裏面)に持つ9.0ミル(0.229mm)の印刷したポリ塩化ビニルのコア、そして署名パネル、塗布された磁気ストライプおよびエーテル識別印を持つ2.0ミル(0.0508mm)の裏の外側の積層物を含んでいる。カードをバランスさせ、結果としてのカード製品のゆがみを最小にするために、PETの赤外線遮断フィルムを層の中央に組み立てるのが最適である。その層の他の例示的な実施形態を、図7B〜7Fに示してある。さらに、図11は、カード構造についての層/シートの例示的な実施形態を詳述しており、層の数、材料、層の厚さ(ミル単位)、材料の供給源/製造業者、結合強度のデータおよび全体の厚さ(ミル単位)に関する注釈が含まれている。さらに、図12Aに関しては、そのフィルムの結合強度は、いろいろなフィルム結合についての強度(ポンド/インチ)対フィルム結合のグラフに示されている。図12Bに関しては、フィルム界面での結合強度は、いろいろなフィルム界面についての強度(ポンド/インチ)対フィルム界面のグラフに示されている。
【0048】
シートを最終的に組み合わせた(ステップ160)後、裏面シート12の上に前面シート10を好ましく接着させることにより、取引カード5の全体の厚さは約0.032インチ(32ミル)(0.813mm)であり、スマートカードについてのISOの厚さ標準内にある。
集積回路チップ20が基板の表面の中に最終的に浮き彫りされ(ステップ195)、そしてチップ20の表面は前面シート10の外側表面と同一の広がりを持っているので、集積回路チップ20はカード5全体の厚さに影響を与えない。さらに、約3’×4’のシートは、そのシートから切り取られる個々のカード5の境界を決める印を含んでいる。各々の例示的なシートは、50枚より以上の取引カード(一般的には56枚)を作り出しており、その中で各カード5はカードの大きさについてのISOの標準、すなわち2”×3.5”内にある。
【0049】
一般に、赤外線フィルムを有するカード5の構造のための典型的なプロセスは、最適な可視のおよび赤外線の特性を有するPETの化学蒸着(ステップ105)を含んでいる。その化学蒸着は、マグネトロン社によって製造されたマグネトロン機械によって実施される。図10に関しては、そのプロセスは3つの塗装帯を持つロール化学蒸着スパッタリング装置を組み込んでいる。マグネトロンロール蒸着機械は、化学蒸着を使って光学グレードのPETの上に、銀、金および酸化インジウムを含む蒸発バッチを沈積させる。銀/金/インジウムの層はそれぞれ約100オングストロームであり、より低い波長の反射によっては、約3から5層が存在する。真空塗装、太陽塗装およびマグネトロンスパッタリングに関連しているより詳細については、例えば、RolfHummelとKarl H.Guentherによって編集され、1995年にCRCPress社から発行された「Handbookof Optical Properties,Volume I,Thin Films for Optical Coatings」に見ることができる。その全体的な内容は参照により本明細書に組み込まれている。
【0050】
次に、フィルムの表面張力を下げるためにPETフィルムに、プラズマ処理または火炎処理が施される(ステップ110)。層蒸着および組立の間に、赤外線フィルムを監視して赤外線遮断スペクトルを最適化する。このようにして、次いで、分光光度計を使ってそのフィルムを標準に対して試験して、PETフィルムの可視のおよび赤外線の特性を試験する(ステップ115)。図9に関しては、その赤外線フィルムを監視するために、真空蒸発インラインロール塗装操作のための様々な光学的構成部分を持つ反射および透過モニタを利用する。インラインの分光光度計のモニタリングは、蒸着プロセスの一部である。様々な波長の透過は、運転全体の間、監視される。粘性接着剤を、PETGS(PET−gluable/stampable)に塗り(ステップ120)、そしてそのPETの赤外線遮断フィルムの酸化インジウム金属表面に圧力積層物を付ける(ステップ125)。次に、粘着接着剤を赤外線遮断フィルムのポチエチレンテレフタレート側に塗り(ステップ130)、そしてそのPETGSに圧力積層物を付ける(ステップ135)。例示的な積層条件には、華氏280度(138℃)および600psi(42.2kg/cm2)で22分間、次いで加圧下に約18分間冷却することが含まれる。ヒートシール接着剤をPET GSの両方の外側に塗布する。または、代わりに、PVCをPETGSの両方の外側に塗布する(ステップ140)。
【0051】
例示的な実施形態では、ある化合物をシート10および12の表面上に押しつける。当分野の技術者なら、テキスト30、32、34およびロゴ50を印刷すること、光学的に認識できるインクおよび不透明な階調度25を、例えば、母材および/またはその組合せの2枚のシート間の前の表面10、裏の表面12、どちらかの表面の内側または外側の表面のようなカード5のどの表面にも適用できることを理解するだろう。さらに、適当に印刷すること、記録すること、刷り込むこと、印を付けること、または似た方法のどれも本発明の範囲内である。
【0052】
不透明な階調度25および光学的に認識可能なインクは、シートの上に、シルクスクリーン印刷プロセスによって印刷される(ステップ150)。不透明な階調度25に関しては、典型的な階調度は、カード5の頂部では一層濃いインク点刻を有する銀真珠インクのぼかしから成っており、カード5の底に近づくにつれて、徐々に濃度が薄くなり、透明になる。当分野の技術者なら、不透明な階調度25は、階調度25全体にわたって任意の密度であることができ、しかも階調度25はカード5の表面を横切ってどの方向にも通過できるということを理解するだろう。カード5の上に同様の階調度25を与えることができるどんな物質によっても、不透明な階調度25を形成することができる。各カード5のための典型的なインク階調度25は、パントン色のような、プラスチックの上に印刷するために適切に構成された知られている印刷用インクを使って印刷される。例示的な実施形態では、点刻25のために使われるインクは、銀真珠インクであり、各プラスチックシートの外側の表面に付けられる。インク階調度25は、不透明でより重いインクの適用範囲を提供するシルクスクリーン印刷プロセスを使って、またはより緻密な細部の中間調イメージを与えるオフセット印刷プロセスを使って、それぞれのシートの表面に印刷される。単語「AmericanExpress」は、同様のシルクスクリーンプロセスを使ってパントン8482に印刷される。
【0053】
より詳細には、シルクスクリーン印刷に関しては、望ましい階調度25を含んでいるアートワークは、シートから製造される個々のカード5の数に合わせて何度も複写される。次いで、複写されたアートワークは、美術の写真石版プロセスで知られている任意の好適な方法で、適切にスクリーンに付けられ、それから、そのスクリーンは現像される。そのスクリーンを、シートの上に置いて、スクリーンの表面全体にわたってインクを適切に洗浄する。スクリーンの曝された部分は、インクがスクリーンを通過して、アートワークパターンのシートに留まれるようにする。もし多数の色が望まれるならば、各色について、このプロセスを繰り返すことができる。その上、例えば、目に見えない、紫外線クレジットカードのロゴ(ブラックライトで見える)が、オフセットおよびシルクスクリーンプレスを使って、パントン307および297のダブルトーンで印刷されるように、他の保護機能が、カード5に随意にシルク印刷される。
【0054】
テキスト30、32、34およびロゴ50は、薄いインクの適用範囲であるが、鮮明なテキストを提供するオフセット印刷プロセス(ステップ155)のような知られている印刷プロセスによって、各シートの外側の表面に印刷される。より詳細には、オフセット印刷に関しては、アートワークが金属プレートの上に複写され、そしてその金属プレートを、1回の作業中に4色まで印刷できるオフセットプレス印刷機の上に置く。オフセット印刷されるテキストには、例えば、社名30、著作権表示33、バッチコード番号34、「有効な」期日32,接触先の電話番号、法的ステートメント(示されていない)などが含まれる。典型的なオフセットテキストは、不透明な白色インクの、またはUVAMX Grayと呼ばれるPantone Cool Gray 11の特別な混合物の4DBCに印刷される。
【0055】
結果として出来るカード5は透明であることがあるので、カード5の両側から、そのテキストを見ることができる。したがって、テキストが1つのシートだけに印刷されている場合、カード5の反対側からテキストを見ると(言い換えれば、そのテキストをプラスチック基板を「通して」見ると)、そのテキストは不明瞭になっていることがある。テキストが不明瞭になるのを最小限にするためには、前面シート10を標準書式のテキストでその外側の表面に印刷し、裏面シート12を、同じテキストであるが「反対」書式であるテキストで、その外側の表面に印刷する。その裏面12のテキストは、前面の表面10のテキストと一直線にそろえられており、そのテキストを一直線にそろえるのがシート全体にあるカード5の輪郭表示によって助けられている。カード5の化合物によって不明瞭にされていることがあるある種のテキストまたはデザイン(磁気ストライプ40、チップ20など)は1つのシートだけに印刷されることがある。例えば、例示的な実施形態では、会社のロゴ50は1つのシートだけに印刷され、集積回路チップ20の後ろにあるので、前面10の視界から隠されており、裏面12の視界からその集積回路チップ20の少なくとも一部を隠している。当分野の技術者なら、どのオフセット印刷もシートの外側表面または内側表面に起こりうることを理解するだろう。
【0056】
カード5の裏12に適用される(ステップ170)積層物のシートは磁気ストライプ40の列を含んでいるのが好ましく、そこでは各磁気ストライプ40は個々のカード5に対応する。磁気ストライプ40は、カード5の長さに沿って広がっており、そして、磁気ストライプ40の大きさと配置についてのISO規格に従ってカード5の裏の表面12および頂部に付けられる。しかしながら、磁気ストライプ40はどんな広さ、長さ、形であっても、またカード5のどの位置に配置されてもよい。記録された情報を含んでいる、2軌道の磁気ストライプ40は、例えば、大日本印刷株式会社、日本、162−8001,東京都新宿区市ヶ谷加賀町1丁目1−1、電話:東京03−3266−2111から得ることができる。例示的な実施形態では、冷却剥離磁気ストライプを回転加熱ダイ(die)で外側の積層ロールに結合させるテープ層機械を使って、適当な圧力で、外側の積層物に磁気ストライプを付ける。次に、カード層を組み立てる前に、その巻いた物をテープ層が出来た所でシートに切断して、積層加工中にそのストライプを溶融してカードにする。
【0057】
現在使用されている従来技術の磁気ストライプ40は黒いが、特に例示的な実施形態では、本発明の磁気ストライプ40は銀の磁気ストライプ40である。典型的な銀の磁気ストライプ40は、2750エルステッドであり、ISO規格も合致する。その上、銀の磁気ストライプ40は磁気ストライプ40上に印刷することを含む。磁気ストライプ40の上に印刷することは、どんな適当なテキスト、ロゴ50、ポログラム箔15などを含むことができる。しかしながら、例示的な実施形態では、その印刷にはインターネットのウェブサイトアドレスを示しているテキストが含まれている。大日本印刷株式会社(同社についてのより多くの情報はwww.dnp.co.jpで得られる)はホログラムまたはテキストを磁気ストライプの上に、例えば、カード表面と接触しないサーマルヘッドを持っている染料の昇華再移動技術を利用するDaiNippon CPX10000カード印刷機を使って印刷する。そのカード印刷機は、画像をサーマルヘッドで透明なフィルムの上に印刷するのに二重移動技術を使い、次いでその印刷した画像を実際のカード媒体の上に加熱ローラによって再移動する。磁気ストライプ40の表面上への情報の印刷は、例えば、AmericanBanknote Holographics,399 Executive Blvd.,Elmsford,ニューヨーク10523,(914)592−2355によって行われる。磁気ストライプ40の表面への印刷に関するより多くの情報は、例えば、1987年8月4日にニューヨークのUnitedStates Banknote Company社に発行された米国特許第4,684,795号に見ることが出来る。その特許の全体的な内容は参照により本明細書に組み込まれている。
【0058】
望んだ印刷が完全で、その磁気ストライプを付けた後、前面10のシートおよび裏面12のシ−トを一緒に配置して(ステップ160)、そのシートを、適切な接着剤のような、何らかの適当な接着プロセスによって互いに接着させるのが好ましい。2枚のシートに印刷してその2枚のシートを組み合わせる代わりに、一方の側にカード5が印刷されている単一のプラスチックカードを使うことができ、次いでその同じカード5を、反対側に印刷するために、印刷機を通して再送することを、当分野の技術者であれば理解するだろう。本発明では、そのシートを互いに接着した後に、そのプラスチックシートとほぼ同じ寸法、つまり3’×4’の1枚の積層物をカード5の前面10および裏面12の上に付ける。組み合わせたシートの前面10および裏面12の上に、その積層物を付けた(ステップ170)後、カード5の層を、適当な圧力で適切に圧縮し、そして約300度、90〜700psi(6.3〜49.2kg/cm2)の圧力で、適当な休止時間をおいて加熱して単一のカード5装置を作る。前述のカードの製造を、例えば、ペンシルバニア州,15 James Hance Court,ExtonのOberthurカード装置によって完全な物にすることができる。
【0059】
例示的な実施形態では、そのカードの層を、積層プロセスにおいて、熱と圧力を使って互いに溶融させる。加熱プレス相の間、プレスは華氏約300度(約149℃)に加熱し、圧力を約1000psi(約70.3kg/cm2)にして約90秒間保持する。次いで、圧力を約30秒間にわたって約350psi(24.6kg/cm2)まで上昇させ、そして同じ温度、すなわち華氏300度(149℃)で16分間保持する。それから、カードを、華氏約57度(約14℃)の冷却プレスに移す。圧力を約400psi(約28.1kg/cm2)にして、約16分間、プレートに華氏約57度(約14℃)の冷水を循環させて保持する。その後で、カードを冷却プレスから取り出す。
【0060】
図1および2に関して、積層物を付けた後に、署名欄をカード5の裏に表面12に付け(ステップ175)、ホログラフ箔15をカード5の前面10に付ける(ステップ190)。署名欄45に関しては、従来技術の署名欄はカード5の裏面12に紙状のテープを接着して形成されているが、本発明の例示的な実施形態では、署名欄45は約2”×3/8”ある半透明のボックスであり、加熱スタンププロセスを使ってカードに付けられる。商人による署名欄45にある署名の確認は、しばしば、商人がカード5の不正な使用に対する金融上の責任を避けるためのカード5発行者の要求条件である。したがって、透明カード5にある半透明の署名欄45は事務員がカード5の前面から署名欄45の少なくとも一部を見ることができるだけでなく、署名を見ることが事務員を勇気づけて、カード5を裏返して、署名された受領証で署名の確実性を確かめさせる。
【0061】
カードシートが積層された後、そのシートを知られている打ち抜きプロセスにより個々のカード5に切断する(ステップ180)。そのプロセスには、端の必要な硬化、穴掘り、加熱、洗浄および/または密封のどれでも含まれている。個々の取引カード5は約3”×4”であり、取引カード5の形と大きさについてのISO規格に合致している。例示的な実施形態では、56枚のカードについての積層板がギロチン装置で適当に半分に切断されて、その結果、28枚のカードについて半分のシート2枚になる。その半分のシートを、機械の光学装置に見える前もって決められた線列マークを使ってシートダイ(XおよびY軸)に向かって一列に並べるカード穿孔機械に掛ける。次いで、その半分のシートを、7つの段階で穿孔機の下に供給する。特に、一定の距離を置いて供給するごとに、別の光学センサの検査が続いて、あらかじめ印刷されている線列マークに供給材料を止める。次いで、その機械が、4枚のカードの列を一度に打ち抜く。標準的な加工に従って打ち抜き、そして仕上げをした後に、ホログラフ箔15を適用する前に、赤外線反射特性をインラインで確認する(ステップ185)。
【0062】
典型的なホログラフ箔の適用に関しては、ホログラフ箔15をカード5に任意の適当な方法で接着させる(ステップ190)。例示的な実施形態では、丸められたコーナと接触表面を横切る0.0007”の頂上部を持つ約1.25”×1.25”の実質的に角鋼のダイが、大きな1枚のホログラフ箔15から個々の箔15を打ち抜く。ダイは、ダイが1枚のホイル15を通して送られるほどの加熱打ち抜き機械の一部であり、特別の画像の周りで箔15を切断し、そして直ちにその箔15を、カードが積層された後のカード5の前面10に熱で付ける。ダイの温度は、約300F±10F(約149±5℃)の範囲である。休止時間は約1/2秒、そして適用速度は個々の加熱打ち抜きアプリケータに基づいて設定される。しかしながら、前述の温度および休止時間は、1分当たり100枚のカードという速度に一致する。StephenP.McGrewによる米国特許第4,206,965号、第4,421,380号、第4,589,686号および第4,717,221号は、ホログラフ画像の加熱打ち抜きについてより詳細に説明しており、参照により本明細書に組み込まれている。
【0063】
ホログラフ箔15に関しては、その箔15はどの色でもあり得、どのホログラムを含むこともでき、カード5のどの位置に付けることもでき、しかもどんなサイズ、形および厚さにカットすることもできる。例示的な実施形態では、ホログラフ15のシートは、底側の上には灰色の接着剤を、そしてそれぞれ約1.25”×1.25”の多数のホログラフ画像を含んでいる頂上部側には青い鏡のような三次元のホログラフ表面を含んでいることが好ましい。
【0064】
例示的なホログラムは、360度の見やすさを含み、白色光の下で色の虹を回折させる。全色のホログラムは、例えば、AmericanBanknote Holographicsによって作り出される。
【0065】
個々の箔15の角は丸くして、むしろ箔15がカード5の表面から向こうへ鳴り響くという可能性を最小にするのが好ましい。さらに、カードに付けられる場合、灰色の接着剤側がカード5の表面に付けられている間、青いホログラフ表面がカード5から離れて向いている。
【0066】
ホログラフ箔15の頂部表面を、反射ホログラフィックス、透過ホログラフィックス、化学洗浄、ミラーコンパウンドの組み込みおよび/またはその任意の組合せのような適当な方法によって作り出すことができる。ホログラフ箔15を、例えば、1448County Line Road、Huntingdon Valley、ペンシルバニア州、19006にあるAmericanBanknote Holographics社によって製作することができる。
【0067】
例示的なホログラフ箔は様々な層を含んでいる。当分野の技術者なら、同様のホログラフ効果を与えるこれらの層のどんな配列、組合せおよび/または構成であっても、依然として、本発明の範囲に入ることを理解するだろう。例示的な実施形態では、ホログラフ移動箔構造は、次の層、すなわち、基準寸法が90のポリエステルキャリア、解放被膜、浮き彫り可能な樹脂、真空蒸着したアルミニウム、タイ被膜およびサイズ被膜が含まれる。移動プロセスの間に、浮き彫り可能な樹脂、真空蒸着したアルミニウム、タイ被膜およびサイズ被膜の各層を基板の上に付着させる。
【0068】
例示的な実施形態では、ホログラフ箔15のシートは、陽性の写真乳剤の上に、457.9nmで20ワットのアルゴンレ−ザによる、集束光の2つ以上の干渉光線、つまり、物体光および参照光によって適切に作り出される透過ホログラムである(shiplyフォトレジストを使って引き伸ばした被膜板)。その装置は、その干渉光線によって生成する干渉縞を、例えば、303A現像液を使って記録する。物体光は、なるべくなら三次元の鏡である記録されるべき対象物から反射されるまたはその対象物を透過する可干渉性の光線である。参照光は、球面波正面10を持つ可干渉性の準視するビーム光であるのが好ましい。
【0069】
ホログラフ箔15を取引カード5の上に組み込むと、普通の白色光で、すなわちホログラムに深さという錯覚があるかどうかを観察することによっておよび色を変えることによって、取引カード5の確実性を決めるという一層信頼することができる方法を提供される。したがって、ホログラムが普通の白色光で見られるようにするために、ホログラムが取引カード5の上に記録される時、記録されるべき画像は基板の表面の近くに置かれる。その上、ホログラムが、ホログラフ箔15のような金属化したキャリアの上に浮き彫りにされる。または、代わりに、ホログラムは透明なプラスチック材料の上に直接流延される場合がある。透明なプラスチック材の上に形成される場合、ホログラムは、金属またはインクのように、浮き彫りにされたホログラムの上に可視物質が沈積することによって見えるようにされる。クレジットカード5の上にあるホログラムの製造、またはホログラフ箔15の製造に関するより多くの情報は、例えば、1987年8月4日にニューヨークのUnitedStates Banknote Companyに発行された米国特許第4,684,795号、またはwww.abnh.comにあるtheAmerican Banknote Holographics社のウェブサイトから見つけることができる。その両方とも参照として本明細書に組み込まれている。
【0070】
例示的な実施形態では、ビニルクレジットカードの上にホログラフ箔を付けることは、金属化されたクレジットカードを使うことによって、達成される。その箔は、1.0ミル(92基準寸法)のポリエステルキャリアの上の寸法に合っていない、金属化された、浮き彫り可能な、耐摩耗性および耐化学薬品性の加熱スタンプ箔である。典型的な材料の全ては、原材料供給者のカラーコード#563(青)で着色されている。その箔は、アルミニウムで真空金属化されており、そして約1.60〜2.00の光学濃度範囲を有する。その最適の箔には、目に見える欠陥や粒子状物体がない。その箔は、45度の角度でキャリアの除去において華氏300度(149℃)、80psi(5.6kg/cm2)1.0秒の休止時間、0.1秒の遅延というダイ面を有する解縛試験装置に基づいて約0〜7gの解放特性を含んでいる。典型的な塩基性材料が、約100ポンド(約7kg/cm2)の空気圧および約華氏200〜350度(約93〜177℃)の範囲のダイ温度で、長さインチ当たり約1600ポンドの範囲の硬いニッケルダイを使って浮き彫りすることによって、ホログラフ画像表面の永続する高い忠実性(100%の浮き彫りするダイに基づいて、少なくとも70%の回折効率を有する)印象を受け取ることが可能である。その塩基性材料の浮き彫り可能性を検査する時、その検査には、浮き彫り可能な被膜が最適な第2画像を生成することができることを保証する主要画像および第2画像が含まれている。
【0071】
ホログラフ箔の機械的および化学的耐久性に関しては、その箔は摩耗に耐える。その結果、ビニルクレジットカードの上にサイズ化および刻印をした後に、移されたホログラムは、打開のきざしの前にCS−10車輪および約500gの負荷を使うTaberAbraderで約100サイクルに耐える。その箔は、同じ条件の下にTaberAbraderで、何らの目に見える印、かき傷または曇りもなく約6サイクル耐えるほど、かじりに耐える。ホログラフ箔は、直流型50000符号器または同等の装置に浮き彫りにされた時、ホログラム区域のビニルを割るといういかなる実質的な徴候にも耐える。その上、ポリエステルキャリアの上に浮き彫りにされ、寸法に合っていない箔は、基礎被膜に亀裂を生じることなしに15%引き伸ばされることが可能である。その上、典型的なホログラムを持つ典型的なビニルカードは、110℃のオーブン中で15分間耐え、その結果その試験の後の画像は明瞭である。さらに、典型的なホログラムは、0℃で8時間および60℃で16時間の5サイクルの後に目に見える何の影響を示さない。
【0072】
ビニルカード上の典型的なホログラムは、可塑剤、アルカリ、酸および溶剤にも耐える。
特に、ホログラムを持つカードは、カードが激しく膨張する点まで、暖かい液状可塑剤(一般的にはジオクチルフタレート)の浸漬に耐える。カード上の画像は、60℃で5日間にわたって可塑化ビニルと接触しても実質的に影響を受けない。アルカリに関しては、カード上のホログラムは、室温で10%の水酸化アンモニウムの中におおよそ1時間浸漬しても、劣化することなく耐える。その上、人工的なアルカリ性の汗(10%の塩化ナトリウム、1%のリン酸ナトリウム、4%の炭酸アンモニウム、およびpH8.0)に室温で50時間浸漬した後、ホログラムは実質的な劣化を示さない。酸に関しては、カード上の典型的なホログラムは、10%の酢酸に室温で約1時間の浸漬に、実質的に劣化しないで十分に耐える。その上、例示的なホログラムは、人工的な酸っぱい汗(aceticperspiration)(10%の塩化ナトリウム、1%のリン酸ナトリウム、1%の乳酸、pH3.5)に室温で50時間の浸漬に、実質的に劣化することなく耐える。
【0073】
溶剤に関しては、カード上の典型的なホログラムは下記に十分耐える。すなわち、エチレングリコール(100%および50%水溶液)には室温で4時間後に実質的に何の影響も受けず、エチルアルコール(100%および50%水溶液)には室温で4時間後に実質的に何の影響も受けず、メチルエチルケトンは室温で1分後に実質的に何の影響も与えず、トルエンはカードが激しく膨張するまで(室温で30分)は実質的な影響を持たず、水は60℃で16時間後に何の実質的な影響を有さず、そして濃縮した洗濯用洗剤は室温で20時間後に何の実質的な影響を持たない。
【0074】
さらに、ビニルカード上の典型的なホログラムは、市販の洗濯機および乾燥機で洗濯し乾燥した後、耐久プレス加工設定のズボンのポケットの内部に実質的な影響は何も示さない。
【0075】
クレジットカードの基板は、ホログラムまたはその被膜の当面の組成物を実質的に破らないホログラムの加熱打抜き加工を適切に受け入れることが可能なビニル基材、または他の類似の種類の材料から成っている。ビニルカードにホログラムを付着させる時、その被膜は一貫したかぶりを示し、そして色、粘性および汚染がないことにおいて均一である。45度の角度で取り除かれるホログラムの上にスコッチ610型を塗布しても、その基板からかなりの量の箔が取り除かれるという結果にならないほど、そのカードへのホログラムの接着も同様に十分強力である。
【0076】
画像の輝きに関して、表示ブロックの上に、回折の読み取りが、最低約2マイクロワットで得られる。さらに、画像の品質に関しては、その画像には、大きな染み、擦過傷、しわ、斑点、曇り、および/または画像を実質的に歪める他の欠点のような欠陥が実質的にない。
【0077】
典型的な最終生成物は、1巻き当たり、1−53/64”±1/64”の幅および10,000画像の長さで細長く切られる。その表示ブロックは、その細長く切った材料の端からわずか5/64”の位置にある。完成した巻き物は全て、金属側が完成したリールに許される最大3つのスプライスを持つ3.0”の内径のコアに面した状態で、巻かれており、その表示ブロックは0.125”×0.125”平方である。
【0078】
個々のカード5を打抜いてホログラフ箔を付けた後、集積回路チップ20を、接着、加熱、テープ、溝などのような適当な方法でカード5に付ける(ステップ195)。より詳細には、カード5の前面10の小さな部分を、例えば、フライス削りプロセスを使って機械仕上げする。そのフライス削りステップは、前面10の表面から約0.02ミルのプラスチックを取り除くので、削られた穴はプラスチックの2つのコア層に食い込むが、プラスチックの最後の外側のラミネート層を通過せず、それによって、5235HSTポケットを形成する。集積回路チップ20は、標準の金メッキよりもむしろ銀でメッキされた5235パラジウムである。集積回路チップ20を、「ポッティング」として知られているプロセスを使ってカードに付ける。不導性の接着剤のような適当な接着剤を、機械で仕上げた穴の中に置き、集積回路チップ20を、その頂部表面がカード5の前面10の表面と実質的に同じ高さになるように、その接着剤の上に置く。その集積回路チップ20に適当な圧力と熱をかけて、集積回路チップ20をカード5に確実に貼りつける。集積回路チップ20は、カード5のどこにでも置かれる好適な集積回路である。例示的な実施形態では、集積回路チップ20の構造、設計、機能および配置は、集積回路チップ20およびスマートカード5についてのISO規格に適応する。集積回路チップ20は、例えば、ドイツのジーメンスから得ることもできる。
【0079】
ホログラフ箔15および集積回路チップ20をカード5に付けた後に、口座番号35および「有効」期日32(図示していない)のようなある種の情報を、知られている浮き彫り方法により、カード5の中に浮き彫りするのが好ましい(ステップ200)。その浮き彫りは、例えば、OberthurCard Systemsによって完成させることができる。任意の情報をカード5のどこにでも浮き彫りにすることができるが、特に例示的な実施形態では、口座番号35は、ホログラフ箔15を通して浮き彫りされ、不正使用のためにホログラフ箔15が偽造のカード5まで移される可能性を減らす。さらに、従来技術のカード5には、有効期間の初めと終わりが含まれているが、本カード5は「有効」期日32、つまり、そのカードが満了する期日だけを含んでいる。
【0080】
上記はカード5の製造についての例示的な実施形態を記述しているが、当分野の技術者なら、テキスト30、32、34、ロゴ50、浮き彫りされた数35、磁気ストライプ42、署名欄45、ホログラフ箔15、集積回路チップ20および不透明な階調度25(図1および2参照)を基板の上に組み込むための適当な方法はどれも本発明の範囲に入ることを理解するだろう。特に、ホログラフ箔15、集積回路チップ20、ロゴ50、磁気ストライプ40、署名欄45、または他のどんな化合物も、カード5のどの部分にでも、例えば、加熱、圧力、接着剤、溝彫りおよび/またはその任意の組合せのような適当な方法で貼り付けることができる。
【0081】
例示的な実施形態を参照して、本発明を上に記述してきた。しかしながら、この開示を読んできている当分野の技術者なら、本発明の範囲から外れることなく、例示的な実施形態に変更および修正がなされる場合があることを認めるだろう。例えば、発明の様々なステップを、本発明の効果を変えることなく、除くこともできる。さらに、日本の大日本印刷社によって開発された染料の昇華再移送技術および/または二重移送技術のような、他の種類のカード製造方法、符号化方法および印刷方法を使用することもできる。これらのおよび他の変更または修正は、以下の請求項に表現されているように、本発明の範囲内に含まれること意味している。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の例示的な実施形態による典型的な取引カードの正面図である。
【図2】本発明の例示的な実施形態による典型的な取引カードの背面図である。
【図3】本発明の例示的な実施形態によるカード製造プロセスの流れ図である。
【図4】本発明の例示的な実施形態による赤外線フィルムの反射および透過についてのエネルギー対波長のグラフである。
【図5】本発明の例示的な実施形態による820〜920nmまたは900〜1000nmの範囲の波長を持っている現金自動預入払出機の代表的な赤外線LED(赤外線を放射しているダイオード)源のグラフである。
【図6】本発明の例示的な実施形態による約400nm〜1000nmの範囲の波長を持っている代表的なフォトトランジスタのスペクトル感度曲線のグラフである。
【図7A】図7は、図7A〜図7Fでなり、本発明の例示的な実施形態によるカード層の様々な実施形態を示す。
【図7B】図7は、図7A〜図7Fでなり、本発明の例示的な実施形態によるカード層の様々な実施形態を示す。
【図7C】図7は、図7A〜図7Fでなり、本発明の例示的な実施形態によるカード層の様々な実施形態を示す。
【図7D】図7は、図7A〜図7Fでなり、本発明の例示的な実施形態によるカード層の様々な実施形態を示す。
【図7E】図7は、図7A〜図7Fでなり、本発明の例示的な実施形態によるカード層の様々な実施形態を示す。
【図7F】図7は、図7A〜図7Fでなり、本発明の例示的な実施形態によるカード層の様々な実施形態を示す。
【図8】本発明の例示的な実施形態による現金自動預入払出機の中の典型的なセンサ機構の概略図である。
【図9】本発明の例示的な実施形態による赤外線フィルムを監視するために、真空蒸発インラインロール塗布操作用の様々な光学部品を持つ典型的な反射と透過モニタである。
【図10】本発明の例示的な実施形態によるPETフィルムの化学蒸着のための典型的なシステムを示す図である。
【図11A】本発明の例示的な実施形態によるカード構造としての層の例示的な実施形態を示す図である。
【図11B】本発明の例示的な実施形態によるカード構造としての層の例示的な実施形態を示す図である。
【図12A】図12は、図12A及び図12Bでなり、図12Aは、本発明の例示的な実施形態による様々なフィルム接着についての強度(ポンド/インチ)対フィルム接着のグラフ上の典型的なフィルム接着強度を示す図であり、図12Bは、本発明の例示的な実施形態による様々なフィルム界面についての強度(ポンド/インチ)対フィルム界面のグラフ上のフィルム界面での典型的な接着強度を示す図である。
【図12B】図12は、図12A及び図12Bでなり、図12Aは、本発明の例示的な実施形態による様々なフィルム接着についての強度(ポンド/インチ)対フィルム接着のグラフ上の典型的なフィルム接着強度を示す図であり、図12Bは、本発明の例示的な実施形態による様々なフィルム界面についての強度(ポンド/インチ)対フィルム界面のグラフ上のフィルム界面での典型的な接着強度を示す図である。
【図13】本発明の例示的な実施形態による緑色を示す典型的な赤外線インク成分を示す図である。
【図14】本発明の例示的な実施形態によるこれらの典型的なグリーンカードに関連した測定結果を示す図である。
【図15】本発明の例示的な実施形態による典型的なグリーンカード用の典型的な現金自動預入払出機の試験結果を示す図である。
【図16】典型的なグリーンカードの透過密度の実施例を、本発明の例示的な実施形態によるパーセント透過対波長のグラフに示す図である。
【図17A】図17は、図17A〜図17Iでなり、様々なカードの実施形態についての典型的な試験結果の、本発明の例示的な実施形態によるパーセント透過対波長(nm)のグラフである。
【図17B】図17は、図17A〜図17Iでなり、様々なカードの実施形態についての典型的な試験結果の、本発明の例示的な実施形態によるパーセント透過対波長(nm)のグラフである。
【図17C】図17は、図17A〜図17Iでなり、様々なカードの実施形態についての典型的な試験結果の、本発明の例示的な実施形態によるパーセント透過対波長(nm)のグラフである。
【図17D】図17は、図17A〜図17Iでなり、様々なカードの実施形態についての典型的な試験結果の、本発明の例示的な実施形態によるパーセント透過対波長(nm)のグラフである。
【図17E】図17は、図17A〜図17Iでなり、様々なカードの実施形態についての典型的な試験結果の、本発明の例示的な実施形態によるパーセント透過対波長(nm)のグラフである。
【図17F】図17は、図17A〜図17Iでなり、様々なカードの実施形態についての典型的な試験結果の、本発明の例示的な実施形態によるパーセント透過対波長(nm)のグラフである。
【図17G】図17は、図17A〜図17Iでなり、様々なカードの実施形態についての典型的な試験結果の、本発明の例示的な実施形態によるパーセント透過対波長(nm)のグラフである。
【図17H】図17は、図17A〜図17Iでなり、様々なカードの実施形態についての典型的な試験結果の、本発明の例示的な実施形態によるパーセント透過対波長(nm)のグラフである。
【図17I】図17は、図17A〜図17Iでなり、様々なカードの実施形態についての典型的な試験結果の、本発明の例示的な実施形態によるパーセント透過対波長(nm)のグラフである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に取引カードに関し、より詳細には、ホログラム、磁気ストライプまたは集積回路ならびに他の取引カード構成要素を含むことができる光学的に認識可能な透明または半透明の取引カードの製造および使用に関する。
【背景技術】
【0002】
カードの所有者が現金ではなくクレジットで支払えるようにする取引カードの急増は、1950年代の初めにアメリカ合衆国で始まった。初期の取引カードは、一般的には、選ばれたレストランとホテルに限られており、上流階級の個人にしばしば制限された。プラスチックのクレジットカードが導入されてから、取引カードの使用はアメリカ合衆国から、ヨーロッパへ、それから世界の残りの地域へと急速に拡散した。取引カードは情報媒体であるばかりでなく、一般的には、消費者が現金を絶えず所有する必要なしに商品やサービスに対して支払いをするのを可能にし、または、もし消費者が現金を必要とする場合には、取引カードが現金自動預入支払機(ATM)を通して資金へアクセスすることができる。取引カードを使うと、盗みにより現金を失うという危険性に曝されることも減り、そして様々な外国へ旅行する時に、両替する必要も減る。取引カードの利点のために、今では数億枚のカードが毎年製造発行されており、そのために結果として、カードを競争企業のカードと区別するための会社が必要になっている。
【0003】
最初は、取引カードには、しばしば、カードの上に浮き彫りにされた発行者の名前、カード所有者の名前、カードの番号および有効期限が含まれていた。カードは、普通、カードの裏にカード所有者のための署名欄もあり、署名して偽造および焼戻しを防いだ。したがって、初期のカードは商人にデータを提供するための道具として役立つだけであり、そのカードに関連する唯一の防護は、カード上のカード所有者の署名を、そのカード上に浮き彫りされているカード所有者の名前と一緒に、領収書にあるカード所有者の署名と比較することであった。しかしながら、カード上の署名で、領収書の署名を確かめることをしばしば忘れる商人が多かった。
【0004】
取引カードの人気のために、多数の会社、銀行、航空会社、商業グループ、スポーツチームおよび他の団体が彼ら自身の取引カードを開発した。したがって、多くの会社は、より魅力的な融資レートと低い入会金を提示するだけでなく、その取引カードに独特の美的感じの良い特徴を与えることによって、絶えず自分達の取引カードを区別して、市場シェアを上げようとしている。したがって、多くの取引カードには人口学的および会計の情報が含まれているだけでなく、図形画像、デザイン、写真および保護機能をも含まれている。最近の保護機能は、ホログラムを発生させるのに極端に複雑なシステムおよび装置が必要であるため、取引カードを不正にコピーする、または再生するという能力を実質的に制限する3次元であるように見える回折格子またはホログラフ画像を取引カードの中に組み込んである。ホログラムは、写真乳剤(photoemulsion)の上に2つ以上の光線、すなわち物体波および参照ビームによって発生させ、それによって、干渉光線により作り出される干渉縞を記録する。物体光は、会社の意匠文字、球、性格または動物のような記録されるべき物から反射、または送信される可干渉性のビームである。参照光は、通常、球面波正面を持つ可干渉性の、視準されたビーム光である。干渉縞を記録した後に、同様の波長の参照ビームを使ってその干渉縞からのイメージを再構築することのよってホログラフ画像を発生させる。
【0005】
しかしながら、代表的な状況では、カードの上に干渉縞から画像を再構築するために、同様のレーザビームを利用することができない。したがって、ホログラムを普通の白色光で見ることができるようにするべきである。したがって、ホログラムを取引カードに記録する場合、記録される画像は、結果として生じるホログラムが普通の白色光で見られるように基板の表面近くに配置される。これらのホログラムは、反射する表面ホログラムまたは虹ホログラムとして知られている。反射ホログラムを金属箔の上に大量に生産することができ、その後、取引カードの上に刻印することができる。その上、取引カードの上にホログラムを組み込むことは、普通の白色光で、すなわちホログラムに深さという錯覚があるかどうかを観察することによっておよび色を変えることによって、取引カードの確実性を決めるという一層信頼することができる方法を提供する。
【0006】
取引カードの使用が増加しているために、経費、クレジット、商人の精算、詐欺、払戻しなどのような管理および安全の問題が増えている。したがって、取引カード業界は、さまざまな産業用に取引カードデータの電子読み取り、送信および認可を可能にする一層精巧な取引カードの開発を始めた。例えば、磁気ストライプカード、光カード、スマートカード、テレホンカード、およびスーパースマートカードが、拡大した特徴、機能および安全のための市場の要求に応じるために開発された。画像データに加えて、取引カードの裏に磁気ストライプを組み込むことにより、デジタル化されたデータを読み取れる形で機械に保存することが可能になる。したがって、磁気ストライプ読取機は、金銭登録器装置から受け取った購買データを、会計情報および有効期限のような磁気ストライプに保存されているデータの伝送と一緒にホストコンピュータへオンラインで伝達するために、磁気ストライプカードと共に使用される。
【0007】
磁気ストライプの不正な変更に対する敏感性、磁気ストライプ内の情報の機密性の欠如及びホストコンピュータへのデータの伝送と関連する問題の為に、取引カードに組み込むことができる集積回路が開発された。スマートカードとして知られている、これらの集積回路(IC)カードは、将来の用途のための高度な安全性と柔軟性のために様々な産業において、非常に信頼できるということが分かった。
【0008】
磁気ストライプカードとスマートカードが発達したので、市場は、カードのための国際標準を要求した。カードの物理的な寸法、特徴および浮き彫り面積が、国際標準化機構(「ISO」)、ISO7810およびISO 7811の下で標準化された。発行者の識別、特別な化合物の位置は、符号化の必要条件および記録技術がISO7812とISO 7813で標準化されたのに対して、チップカードの標準がISO7813に規定された。例えば、ISO7811は3つの縦の平行トラックに分けられるカードの前面または裏面のどちらかに位置決めされる0.5インチ(1.27cm)のストライプである磁気ストライプのための標準を定義している。第1および第2のトラックは、それぞれ79のアルファ数文字と40の数文字の場所を持つ読取り専用情報を持っている。第3のトラックは、金融取引に用意されており、利用者の個人の識別番号、国のコード、通貨単位、サイクル当たりの認可された金額、補助元帳勘定および制限条件の暗号化されたバージョンを含んでいる。例えば、JoseLuis ZoredaおよびJose Manuel Otonによるスマートカード、1994、W.RanklおよびW.Effingによるスマートカードハンドブック、1997、および11西42番通り、ニューヨーク、NY10036のANSI(米国規格協会)から利用することができる取引カードのための各種のISO標準には、取引カードの特徴および仕様に関するより多くの情報を見つけることができる。これら全ての出版物の内容全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0009】
電算機で処理することができる構成部分の取引高カードへの組み込みは、取引カードの自動読取りおよび/または書込みによって取引高を簡単にする装置の急増を促進した。そのような装置には、例えば、バーコードスキャナ、磁気ストライプ読取機、販売端末点(POS)、現金自動預入支払機(ATM)およびカードキー装置が含まれる。ATMに関しては、1999年に出荷されたATM装置の総数は179,274台(NilsonReportsデータに基づいて)であり、ATMのトップ製造業者、すなわち、NCR(138−18231st Street,Laurelton,ニューヨーク州11413)、Diebold(5995Mayfair,NorthCanton,オハイオ州 44720−8077)、Fujitsu(11085N.Torrey Pines Road,La Jolla,カリフォルニア 92037)、Omron(日本)、OKI(日本)およびTritonによって出荷されたATMが含まれている。
【0010】
カード引受け装置の多くは、装置がその読取りヘッドを取引カードの関連がある構成部分と適切に合わせることができる様に、取引カードが装置に入れられることを必要としている。特に、多くのATMは、取引カードがしっかりとATMのスロットに入れられることを必要とする。スロットの中へのカードを入れた後に、ATMは、その取引カードをATMのスロットの中へさらに引っ込ませるための追加の機械装置を持っている場合もある。ATMを活性化するために、ATMは、一般的には、カードの表面に光を照射し、そしてフォトトランジスタや発光ダイオード(LED)から光を受け取る、フォトトランジスタおよびLEDのようなセンサを含んでいる。カードは、フォトトランジスタからの赤外線をさえぎり、それによってカードが検出されたことを示している。ATM内の典型的なLEDは、フォトトランジスタセンサによって必要とされるレベルの周辺光には存在しない約820〜920nmまたは900〜1000nmの範囲にある波長を持つIRED(赤外線LED)源(図5参照)である。典型的なフォトトランジスタのスペクトル感度曲線は、約400nm〜1100nmの範囲にある(図6参照)。しかしながら、可視スペクトルは約400nm〜700nmであり、フォトトランジスタのスペクトル感度は、950nmで約60%そして840nmで90%である。したがって、可視光線はアナログ−デジタルアルゴリズムの一部ではない。その上、ISO7810の8.10節は、全ての機械読取り可能なカードが450nmから950nmの光透過密度、1.3より大きい(5%未満の透過)および950nmから1000nmの光透過密度、1.1より大きい(7.9%未満の透過)を持っていることを要求している。
【0011】
カードがATMによって検出されるために、その光は一般的にはカード本体によってさえぎられる。その上、カードによってさえぎられる必要のある光量は、アナログデジタル変換から受け取られる電圧データと関連している。センサの電圧範囲は、一般的には、約1.5Vから4.5Vの範囲にある。カードがセンサに入れられるとき、1.5V未満に電圧が低下することは、輸送システムにカードが存在することを示している。カードをフォトトランジスタによって検出した後、磁気ストライプ読取機が磁気ストライプをスキャンし、磁気ストライプ上に記録されている情報を得る。ATMにあるLEDのセンサ装置の製造業者は、例えば、4800Great America Parkway,Suite 210,サンタクララ、カリフォルニア 95054にある日本のオムロンと三協精機である。
【0012】
すでに説明したように、取引カードと読取機は、一般的には、カードデータ位置と化合物を明確に述べているさまざまなISO標準規格に従う。しかしながら、多数の会社がATMのいろいろなバージョンを製造しているので、ATM内のセンサの位置は規準化要求に従っていない。過去においては、ATM内のセンサの位置が変っても取引カードを感知するためのATMの能力に影響を及ぼさなかった。なぜなら、取引カードは実質的に不透明な表面を含んでいたので、不透明な取引カードのどの部分も赤外線LEDの放射を遮ることができ、そして挿入フォトトランジスタを活性化することができた。しかしながら、より最近になると、独特のイメージを提供するために、そして消費者需要に合わせるために、企業は透明な、または半透明の取引カードを開発することを試みた。透明なカードの使用は挿入フォトトランジスタをしばしば活性化しなかったものだった。なぜなら、赤外線LEDの放射は透明な表面から十分に反射せず、そこでその放射は単にカードを通って伝わり、フォトトランジスタによって検出されたものだったからである。したがって、その機械は、カードの存在を検出することができず、設備をしばしば動かなくした。
【0013】
この問題を解決する試みで、企業はATMの投入センサを活性化するために、不透明区域を提供しようとして透明なカードの上に不透明な区域を印刷した。しかしながら、多くのATMのセンサの位置が前述のように変動していたために、透明なカード上の限定された不透明区域を使用しても、カードが十分な数のATMのセンサを活性化できるようにしなかった。代わりに、企業は、LEDの光を向け直そうとして、取引カードの上にレンズを組み込むことを試みた。しかしながら、カード製造プロセスの間に、そのプロセスは相当な圧力および熱をしばしば伴うのだが、レンズ入りの表面は崩壊または破壊されるだろう。したがって、投入センサが様々な位置でカードと干渉し得る、投入センサを活性化することができる透明または半透明の取引カードの必要が存在する。
【0014】
さらに、カード製造プロセスの間に、カードは予定の時間間隔の間に製造されるカードの数を正確に数えるために、組立ラインの上で検出されなければならない。カードを数えるために、典型的なカード製造組立ラインは、ATMセンサに似ているLEDセンサを持つカウンタを含んでおり、それが不透明なカード表面からのLEDのビーム光の反射に基づいてカードを数える。透明な取引カードの製造は、LEDのビームが反射しない、または透明な表面から十分に吸収されないATM装置として同様の制限を受ける。したがって、透明なカードは現存する組立ラインの上で製造することができる必要がある。カードが最終的な寸法に打ち抜かれるときに、同様の問題が存在する。
【0015】
現存するシステムは商品の識別と検出を考慮に入れているかもしれないが、大部分は、多くの欠点を含んでいる。例えば、紫外線に基づいた識別特徴、可視光線の検出などは時には見るのが難しく、ある種の照明が必要条件であることが多く、一般的には、商品と検出装置の間の距離によって決まる。さらに、識別記号を含むある種のプラスチック、紙または他の材料を使用することは、特定の識別装置によって制限される場合がある。例えば、不透明な材料は、一般的には、可視光(赤外線に近い)の範囲および赤外線から遠い光の範囲の両方で光をさえぎることによってATMのフォトトランジスタを不活性にする。さらに、カード製品の中に検出または証明の特徴を組み込むことは、カード製造プロセスの間に、別個の材料またはステップ段階を必要とする。新しい材料またはステップ段階を組み込むことは、現在の設備に高価な改造または新しい設備をしばしば必要とし、しかもカード製品を製造するための時間が伸びることが多い。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0016】
(発明の簡単な概要)
本発明は、ホログラフ箔、集積回路チップ、磁気ストライプの上にテキストを持つ銀磁気ストライプ、不透明な階調度、カードの構造の中に含まれる光学的に認識することができるインクまたはフィルム、カードの裏の署名がカードの正面およびカードの正面の「一貫して活動的」データから見えるほどの半透明の署名欄のような任意の1つまたは複数の特徴を有する透明または半透明の取引カードを製造するためのプロセスに関する。そのカードは、カードが赤外線の光をさえぎり(吸収し、屈折させ、放散および/または反射し)、そして他の全ての光を透過させるのを可能にしている、カードの表面に散布されている目に見えないまたは透明な赤外線のインクかフィルムのために、光学的に認識することができる。特に、取引カードをATM装置に挿入すると、赤外線LEDからのビーム光が赤外線のインクまたはフィルムによってさえぎられ、それによってフォトトランジスタを不活性にする。さらに、取引カードの製造の間、光学的に認識することができるカードは個人化装置からの赤外線LEDのビーム光、検査装置または計数器装置が組立ラインで製造される取引カードの数を数えるのを可能にする。
【0017】
本発明のより完全な理解は、一定の比率に応じていないことがある次の具体的な図に関連して考える時、詳細な説明とクレームをみれば求めることができる。次の図では、同じ参照参考またはステップは、図全体を通して同じ化合物のことをいう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
一般に、本発明は、機械が認識できる化合物を有する材料を含む様々な製品の識別と検出を考慮している。その製品は、例えば、取引カード、文書、手形などを含む。その材料は、例えば、塗料、フィルム、糸、プラスチック、インク、繊維、紙、プランセットなどを含む。
【0019】
例示的な実施形態では、機械が認識できる化合物は、赤外線をさえぎる(吸収する、屈折させる、散乱させる、反射させる、またはその他の方法でさえぎる)成分を含んでいる光学的に認識できる化合物である。その光学的に認識できる化合物は、不可視の、可視の、または着色されていて、望ましい効果を生じることができ、かつ/または、それら化合物は、例えば、紫外線蛍光性のまたは赤外線蛍光性の特徴のような他の検出可能な化合物を含むこともできる。その光学的化合物は、良好な安定性、耐性、耐久性、そして良好な外観、柔軟性、硬度、耐溶剤性、耐水性、耐食性および外部安定性のような他の物理的性質を持っていることが好ましい。さらに、そのような化合物を使用すると、一般的には、多くの基板に存在する可能性がある紫外線化合物を妨害しない。当分野の技術者なら、光学的に認識することができる化合物は、センサによって認識することができる任意の化学薬品、溶液、染料、インク基板などであることを理解するだろう。例示的な実施形態では、光学的に認識することができるインクは、大部分の赤外線の光を妨げるか、吸収するか、または反射するが、他の波長の光をほとんど透過する赤外線インク(infraredink)である。
【0020】
例示的な実施形態では、光学的に認識することができる化合物は、材料の中に、フィルム、プラスチック、繊維、インク、濃縮物、熱可塑性または熱硬化性のマトリックス、糸、プランセット、および/または有機または無機物質から誘導される化合物を0.001から40.0重量%の範囲で含んでいる他の媒体の形で組み込まれている。赤外線インクを、カード5(図1参照)に、例えば、スクリーン印刷、またはリソグラフィー、グラビア印刷、フレキソ、カレンダ塗装、カーテン塗装、ローラ塗装などのような任意の他の印刷または塗装手段によって応用することができる。典型的なスクリーン印刷プロセスは、乾燥装置(紫外線の硬化熱または対流熱)を備えたスクリーンプレスおよび約80ライン/cmという特定のメッシュサイズを持つスクリーンを利用する。赤外線インクは、後に記述してあるように、シルクスクリーンプレスを使って、プラスチックカードの全表面の任意の部分にわたって印刷される。
【0021】
特定レベルの照明についての普通の観察者の相対的な目の感度が400〜770nmの間にあるので、770nmの赤外線インクが好ましい。なぜなら、そのインクは普通の白色光では人間の目には見えないからである。したがって、その目に見えない赤外線の物質が、実質的に、カード5の透明な表面を覆い隠さないであろう。さらに、典型的なインクは、華氏約200度から400度(約93℃から204℃)というカード製造温度に耐え、普通のクレジットカード使用条件の下で少なくとも約3年の「耐光性期間」(あらゆる光、特に紫外線の光が存在するとある場合に色があせる、すなわち退化するのに対するインクの抵抗力である)を含んでいる。その上、典型的なインクは、例えば、三協精機の約800〜1000nmというLEDのような赤外線LEDのスペクトル出力をさえぎり、吸収し、または反射する。典型的なインクは、また、フォトトランジスタに達する光を制限する。したがって、そのインクを持っている透明なカードの存在は、例えば、カードをつかむタイプのATMのような処理機で検出される。
【0022】
本発明の機械が認識できる化合物の典型的な組成物は、いろいろな化合物の混合物から成っている。その活性化合物は、無機材料、有機金属材料、鉱石の有機層のある材料または希土類化合物、最も普通には希土類酸化物、オキシ硫化物またはオキシハロゲン化物から誘導される。その化合物は、比較的不活性である。したがって、最終生成物の性能特性に対する影響は最小になる。赤外線化合物は、染料、層がある材料、顔料および/またはいろいろな最終的に使用できる製品に組み込むことができる特別の媒体に分散されているカプセルに包まれた顔料のどれかを含んでいる。赤外線化合物の粒径は、その材料(プラスチック、糸、インクなど)を最適に分散または溶解できるようにし、それが組み込まれた製品内に均一に存在する。
【0023】
層のある誘電性のおよび金属製の材料または不純物を加えた希土類材料を含んでいる従来から知られている赤外線材料を、本発明の例示的な実施形態による化合物用の顔料として効果的に使用することができる。この状況では、その顔料または染料では、特定の波長のエネルギーを吸収し、1つの波長のエネルギーを別の波長のエネルギーに変えることがある。エネルギー変換または吸収は、電磁スペクトル内のどんな刺激以上でもまたは以下でもある可能性がある。その化合物は特定の波長の光を吸収したりまたは1つの色から別の色に変えることができるし、あるいはその化合物は目に見えないものから見えるものなどに変えることもできる。このように本発明の赤外線化合物は、1つの波長のエネルギーから別の波長のエネルギーへ可逆的に変るシステムに組み込まれており、したがって、製品の中に「指紋」型の探知することができる特徴を生じる。
【0024】
その上、その調製されたフィルムまたは材料を、結合剤と混合して、糸、繊維、塗料など使用するための赤外線化合物を生成することができる。本発明に組み込むことができる結合剤には、ワックス、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ゴム、天然樹脂、または合成樹脂のような従来からの添加物が含まれる。そのような結合剤のそのような例は、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、塩素化ゴム、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ブタジエン−ニトリル、セラック、ゼイン、セルロース、ポリウレタン、ポリビニルブチレート、塩化ビニル、シリコン、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ニトロセルロース、ポリアミド、ビスマレイミド、ポリイミド、エポキシ−ポリエステルハイブリッドなどである。使うことができるフィルムには、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、アクリル樹脂、ポリカーボネートなどが含まれる。後で論じるように、どんなフィルムでも、熱、接着剤または両者の組合せを使って、普通のカードに積層または接着することができる。
【0025】
もしその化合物の含有量が低すぎるならば、適切なブロッキングが達成できず、フォトレジスタが適当な信号を取込装置に送れないことがある。それは、そのカードが検出されないということを意味することになる。それゆえに、赤外線化合物は、その組成物中に、通常、約1ppmから80.0重量%存在し、好ましくは重量で約0.25%から25.0%存在する。さらに、本発明は、その材料のより良い耐性、美しさ、または寿命を達成するために、例えば、紫外線吸収剤、反射材、酸化防止剤、および/または蛍光増白剤のような他の材料を添加するかもしれないことを予想している。
【0026】
特に、他の材料を添加して、刺激後の1つの色からもう1つの色への色ずれに備えることができる。染料、顔料、蛍光染料、発光顔料などのような普通に使われる材料を使用して1つの色の状態から別の色の状態への可逆的な色の変化を促進することができる。そのような材料を初期加工の間に赤外線化合物と直接に組み合わせることができるし、あるいは、赤外線化合物が処理された後に加えることもできる。溶媒、水、グリコールなどのような物質の使用を加えて材料の流動学的特性を調整することもできる。同じく、界面活性剤、消泡剤、剥離剤、接着促進剤、均染剤などの使用を、加工特性を改善するために、その配合物に加えることもできる。蛍光増白材を加えても無色状態の中に白さを確保して、赤外線化合物が置かれている多くの基板の間に低レベルの対比を維持することができる。
【0027】
様々な材料の繊維を連続方法で使用するか、または単一の繊維をいろいろな材料に組み込むことができる。本発明は、例えば、天然繊維、合成繊維、共重合体繊維、化学繊維、金属繊維などを予想している。これらの繊維の例は、ナイロン、ポリエステル、綿、羊毛、絹、カゼイン繊維、プロテイン繊維、アセチル化短繊維、エチルセルロース、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、アセテート、ポリビニルアルコール、トリアセテート、ガラス、木材、岩綿、炭素、無機繊維などである可能性がある。そのような繊維を、紙、パルプ、プラスチックの印刷用粘着シート、プラスチック材料などの他の種類の材料に組み込む、または混合することができる。そのような材料を連続方法に単独で使用することができ、または他の材料のモノフィラメントまたはジフィラメントとして使用することができる。
【0028】
その上、プラスチックに組み込まれる赤外線材料を、例えば、ナイロン、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル、ビスマレイミド、ポリアミド、ポリイミド、スチレン、シリコン、ビニル、ABS、ポリカーボネート、ニトリルなどのようないろいろな材料と共に使うことができる。したがって、繊維、プラスチック、フィルムなどの中に組み込まれる化合物を、単一プロセスまたは多重プロセスの用途に適した形に直接加工することができる可能性がある。そのような化合物を、単一成分の形で、またはマスターバッチの形で配合物の中に加えることができ、それから化合物の普通の処理操作と類似の方法で処理される。そのような化合物の処理には、分散についての、連続ミキサ、二段または三段のロールミル、押出し、および/または他の溶融混合方法の使用がある。例示的な実施形態では、糸を織ることができる、または織らないことができるが、赤外線材料を熱可塑性マトリックスの中に直接押し出して、連続方法で使える糸の形に直接引くか、あるいは繊維またはプラスチックフィルムの形に区切ることができる。
【0029】
典型的な赤外線化合物を、様々な組成物のフィルムの上に溶着させて、多くのカード用途で使うことができる。さらに、本発明に従った赤外線化合物を単独で使うか、または他の材料と0.001から50.0重量部の範囲で混合することができるが、最も好ましいのは1.0から15.0重量部の範囲で混合することである。
【0030】
さて、本発明を、以下の実施例、比較例、試験例および使用例を参照して、より詳細に説明することにする。本明細書の実施例、試験およびグラフに明らかにされているように、結果としてできるインクは、フォトトランジスタ検出からの赤外線の放射を十分にさえぎる。本発明がそれに制限されないことが分かる。例えば、当分野の技術者なら、どの実施例においても、そのインクが様々な光学的な効果または証明目的のために他の材料を含んでもよいことを理解するだろう。
【0031】
実施例1
本実施例は、Sericol社により製造された約2%のEpolinVII−164染料および約98%のTechMark Mixing Clearを含み、980.0gのTechMark溶媒蒸発のスクリーンインクが高速分散機の上で混合する。混合している間に、20.0gのEpolightVII−164染料を完全に溶解される。結果として生じたインクは、25℃で約3.2Pa.S(約32g/cm・s)程度の粘度を持っており、スクリーンプロセスを使って印刷される。そのスクリーンプロセスには、透明なポリ塩化ビニルの13.0ミル(0.3302mm)のフィルムの両面に305ポリマースクリーンが含まれている。
【0032】
実施例2
約965ポンド(437.7kg)のTMMixing Clearに、約15.0ポンド(6.8kg)のEpolightVII−164と約20.0ポンド(9.1kg)のEpolightVI−30を加えることによって次のインクを製造した。その混合物を約40分間にわたって分散させた。結果として生じた混合物を、80ライン/cmのポリエステルスクリーンを使って、ポリ塩化ビニルをコアとするプラスチックの上に塗布した。結果として生じた塗装は、低い目に見える吸収と共に780nmから1070nmまでの高い吸光度を示した。カードのコア、磁気ストライプおよび積層物を組み立てて、その組立品全体を華氏約280度(約138℃)の温度のBurckleStack Lamination Unitに配置した。
【0033】
実施例3
約30.0gのEpolight VII−172の濃縮物を、約700.0gのポリ塩化ビニルのプラスチックと混合した。結果として生じた混合物を華氏約260度(約127℃)で押し出し、空冷して、ペレット化した。約1.0ポンド(約0.45kg)の結果として生じたペレットを約99.0ポンド(約44.8kg)のポリ塩化ビニルと組み合わせた。KlocknerPentaplastにより、約0.013インチ(約0.33mm)のカレンダ掛けしたシートを生成した。前記のシートを使ってカードを製造した。これらのカードは、800nmから1000nmの赤外線の範囲において十分な吸収を示した。そのカードは、三協のATMの取込装置によって検出された。
【0034】
実施例4
十分な光学的性質を持つ多層PETのプラスチックを組み合わせてカード構造にした。そのPETのプラスチックは3M社(ミネソタ州ミネアポリス)により供給された。その結果として生じたカードは、ATM装置がそのカードを検出するほど、十分な光学を示した。
【0035】
追加実施例 赤外線インク配合物についての追加実施例を、図13に明らかにしてある。図13の赤外線インクの実施例は、目に見える緑色を示している。さらに、図14はこれらの典型的なカードに関する測定値を示しており、ある波長範囲について、透過濃度、ATMの読み易さおよびISOへの合致度を含んでいる。図15は、典型的なグリーンカードについての典型的な試験結果を示しており、そこでは、そのカードを様々な製造業者のATMに挿入した。その試験では、その典型的なカードについて、ATMの検出が陽性という結果になった。さらに、図16は典型的なグリーンカードの透過濃度の例を透過パーセント対波長のグラフで示してある(そのグラフには、カードについてのISOの規格も示してある)。
【0036】
図17A〜17Iは、様々なカードの実施形態についての典型的な試験結果を、パーセント透過対波長(nm)のグラフで示している。例えば、図17Aに関して、テキストなしのポリ塩化ビニル上の赤外線インクの品質保証が検査をされ、そこでは、曲線が典型的なカードの4つの角の1つを表している。その後の曲線は、例えば、約50枚のカードの後のようなカード製造間隔の後に選択された別のカードを表している。図17Bは、異なるインク配合物を有するカードによる異なった光の波長についての透過パーセントを示しており、そこでは、各曲線が異なるインク配合物を持つカードを表している。
【0037】
図17C〜17Iは、その実施形態で記述したカードを製造するために、赤外線放射の十分な量をさえぎり、可視光を透過させるカードの構造に使用される材料の能力を実証するフィルム、塗料、カードなどの様々なスペクトルを表している。さえぎるというメカニズムは、電磁スペクトルでの放射をさえぎるという吸収、反射、放散、分散または他の方法であることがある。
【0038】
赤外線インクに加えて、光学的に認識することができる化合物が、代わりに、赤外線の光をやはりさえぎる(吸収する、または反射する)が、他の全波長の光を透過させるフィルムまたは熱い鏡であるかもしれない。例示的な実施形態では、そのフィルムは前面のシート10と裏のシート12との間にセットされる。図4は、本発明の例示的な実施形態による典型的な赤外線フィルムの反射および透過についてのエネルギー対波長のグラフである。図4は、可視光線がフィルムを透過させられるのに対して、赤外線の光は高い波長でさえぎられ、相当な量の赤外線の光が反射されているということを示している。
【0039】
その光学的に認識可能な化合物を、フォトトランジスタ、電荷結合素子などによる検出を防止するかもしれないプラスチック製品、フィルム、製品、文書または他の商品に組み込むこともできる。その材料を、粉砕することによって、あるいは液体、ペーストまたは他の種類の媒体中に分散または沈澱した材料を使用することによって、フィルム、プラスチック、印刷インク、塗料または他の適用媒体を通して取引カードの中に組み込むことができる。インクが引っかかれるといったようなインクへの環境損害を最小にするために、インクは、その積層物の下で、プラスチックシートの上に直接塗られるのが好ましい(下記のステップ170に記述されている)。さらに、赤外線インクをプラスチックシートの内部表面または外部表面に塗ってもよい。
【0040】
例示的な実施形態では、光学的に認識可能な化合物を商品に組み込むことは、別の印刷装置、既存の処理設備への変更または追加の操作ステップを必要としないかもしれない。特に、取引カードのような商品の製造は、とにかく着色剤を組み込む既存の設備を利用する。したがって、光学的に認識可能な化合物を既存の着色剤に適用するのに、そのプロセスに余分な設備またはステップを加えない。
【0041】
さらに例示的な実施形態では、光学的に認識可能な化合物は、機械によって検出することができる光をさえぎる。より詳細には、その機械は、1つまたはいくつかの波長で赤外線を妨害することによって、適切にカードの存在を検出する。例示的な実施形態では、材料の検出には、その材料が適当な器機からの目に見えない赤外線放射で問い合わせられたときに目に見える効果を作ること、そしてそのような放射がその赤外線材料に接触したとき、着色した光のような目に見える効果を見ることができることが含まれる可能性がある。代わりに、材料は、その材料の存在を示すだろう遠く離れた検出器によって検出される場合がある。材料の検出または証明は、読取り装置の刺激波長の上および下で生じる。したがって、光学的に認識可能な材料がいったん検出されると、次に、検出装置は利用者に、検出装置の上にまたは近くにあることが好ましい陽性の識別信号で表示することができる。
【0042】
例示的な実施形態では、赤外線材料の検出はATMのセンサを作動させる。特に、図8に関して、本発明は、より大きな割合の可視光線(約400nmから700nmまでの)の通過を考慮しており、そのことはカードが事実上半透明に見えるようにしているが、それに対して、ある光(約700nm以上から)の妨害に考慮して、カードが送り機構に入れられていることをATMのフォトトランジスタが検出できるようにしている。上に論じたように、典型的なATMの検出装置は赤外線LED、フィルタおよびフォトトランスミッタを含んでいる。
【0043】
ATMのセンサを作動させることに加えて、任意の磁気ストライプまたはスマートカード読取り機で、半透明カード5を使うことができる。読取り装置は、カード読取り機/書込み機、売場専用端末、ATMまたは他のどんな受入れ装置もを含むことができる。例示的な実施形態では、カード5は、カードが読取り機に挿入された時に、カードの存在を検出するだけでなく、カード5の透明な部分をも照らす読取り機と共に、使われる。照明源は、白熱源またはソリッドステート源(赤外線放射ダイオードまたはレーザ)のいずれかでありうる。操作においては、カードが受入れ装置に挿入された時、カードの端が照明組立品を押す(またはスイッチを始動させる、ビームを遮断するなど)。そのカードの用途次第では、照明源を受入れ装置または外部のソフトウェアの管理下におくことができる。従って、もし外部のソフトウェアプログラムによって指示されれば、照明源は特別の色を光らせる、または表示することができる。さらに、カードの構造によっては、安全または製品の高度化のために埋め込まれた設計を刺激して役立たせるのに、照明源を使うことができるかもしれない。
【0044】
上に論じたように、光学的に認識可能な化合物を、どんな種類の商品にも組み込むことができる。典型的な商品は、それ自身がいくらでも多数の特徴を含むことができる取引カードである。例示的な実施形態では、本発明は、一般的に、不透明な、透明なまたは半透明なプラスチック層10、12、およびテキスト30、32、34、ロゴ50、浮き彫りした特徴35、磁気ストライプ42、署名欄45、ホログラフ箔15、集積回路チップ20および不透明な階調度25(図1および2)のようなカード5に添付されている多数の特徴を含んでいるベースからなる取引カード5を包含している。
【0045】
カード5は、また、透明なまたは半透明の取引カード5をATMのようなカード読取り装置によって認識できるようにするための、かつ/または透明取引カード5をカード製造中に認識して数えることができるようにするための上述した光学的に認識可能な化合物を含んでいる。透明カード5にある光学的に認識可能な化合物は、赤外線をさえぎる(吸収する、または反射する)が他の全波長の光を透過させる(図4参照)、実質的に目に見えない、または半透明の赤外線インク、鏡またはフィルムである。信用貸し、費用、借り方、アクセス、識別、情報保存、電子商取引および/または他の機能にカード5を使うことができる。
【0046】
図3に関して、本発明の例示的な実施形態による前表面および裏表面を有するカード5を製造するためには、例えば、透明なコアのポリ塩化ビニルのようなプラスチック基板から成る前面シート10および裏面シート12(図1および2)を製造する。当分野の技術者なら、カード5のシート10および12は、例えば、プラスチック、ガラス、アクリル樹脂および/またはその任意の組合せのような適当な透明の、半透明のおよび/または不透明な材料であってよいということを理解するだろう。各シート10、12は、実質的には同一であり、約3’×4’(622mm×548mm)および約0.005〜0.350インチ(約0.127〜8.89mm)であるのが好ましく、または0.01〜0.15インチ(0.254mm〜3.81mm)または13.5ミル(0.343mm)の厚さであるのがより好ましい。
【0047】
図7Aに関して、個々のカードシートの製造には、フィルムの直接配置(9層)か、または部分組立品(5層)の使用のいずれかが含まれる。典型的な部分組立品は、熱硬化性接着剤および熱可塑性接着剤の上に塗られる室温粘性接着剤を伴った5層のフィルムから成っている。結果としてのカードは、(カードの前面からカードの裏に向かって)その表面にホログラフ箔、浮き彫りした表面、チップおよび他の識別印を有する2.0ミル(0.0508mm)の外側の積層物、印刷側を外側(カード前面)に持つ9.0ミル(0.229mm)の印刷したポリ塩化ビニルのコア、2.0ミル(0.0508mm)のPVC、D&K社(525Crossen,Elk Crove Village,イリノイ州 60007)によって製造された1.7ミル(0.043mm)のPETGS(押出し塗布したPET−gluable/stampable)、2.0ミル(0.0508mm)のPETの赤外線遮断フィルム、1.7ミル(0.043mm)のPETGS、2.0ミル(0.0508mm)のPET接着剤、印刷側を外側(カード裏面)に持つ9.0ミル(0.229mm)の印刷したポリ塩化ビニルのコア、そして署名パネル、塗布された磁気ストライプおよびエーテル識別印を持つ2.0ミル(0.0508mm)の裏の外側の積層物を含んでいる。カードをバランスさせ、結果としてのカード製品のゆがみを最小にするために、PETの赤外線遮断フィルムを層の中央に組み立てるのが最適である。その層の他の例示的な実施形態を、図7B〜7Fに示してある。さらに、図11は、カード構造についての層/シートの例示的な実施形態を詳述しており、層の数、材料、層の厚さ(ミル単位)、材料の供給源/製造業者、結合強度のデータおよび全体の厚さ(ミル単位)に関する注釈が含まれている。さらに、図12Aに関しては、そのフィルムの結合強度は、いろいろなフィルム結合についての強度(ポンド/インチ)対フィルム結合のグラフに示されている。図12Bに関しては、フィルム界面での結合強度は、いろいろなフィルム界面についての強度(ポンド/インチ)対フィルム界面のグラフに示されている。
【0048】
シートを最終的に組み合わせた(ステップ160)後、裏面シート12の上に前面シート10を好ましく接着させることにより、取引カード5の全体の厚さは約0.032インチ(32ミル)(0.813mm)であり、スマートカードについてのISOの厚さ標準内にある。
集積回路チップ20が基板の表面の中に最終的に浮き彫りされ(ステップ195)、そしてチップ20の表面は前面シート10の外側表面と同一の広がりを持っているので、集積回路チップ20はカード5全体の厚さに影響を与えない。さらに、約3’×4’のシートは、そのシートから切り取られる個々のカード5の境界を決める印を含んでいる。各々の例示的なシートは、50枚より以上の取引カード(一般的には56枚)を作り出しており、その中で各カード5はカードの大きさについてのISOの標準、すなわち2”×3.5”内にある。
【0049】
一般に、赤外線フィルムを有するカード5の構造のための典型的なプロセスは、最適な可視のおよび赤外線の特性を有するPETの化学蒸着(ステップ105)を含んでいる。その化学蒸着は、マグネトロン社によって製造されたマグネトロン機械によって実施される。図10に関しては、そのプロセスは3つの塗装帯を持つロール化学蒸着スパッタリング装置を組み込んでいる。マグネトロンロール蒸着機械は、化学蒸着を使って光学グレードのPETの上に、銀、金および酸化インジウムを含む蒸発バッチを沈積させる。銀/金/インジウムの層はそれぞれ約100オングストロームであり、より低い波長の反射によっては、約3から5層が存在する。真空塗装、太陽塗装およびマグネトロンスパッタリングに関連しているより詳細については、例えば、RolfHummelとKarl H.Guentherによって編集され、1995年にCRCPress社から発行された「Handbookof Optical Properties,Volume I,Thin Films for Optical Coatings」に見ることができる。その全体的な内容は参照により本明細書に組み込まれている。
【0050】
次に、フィルムの表面張力を下げるためにPETフィルムに、プラズマ処理または火炎処理が施される(ステップ110)。層蒸着および組立の間に、赤外線フィルムを監視して赤外線遮断スペクトルを最適化する。このようにして、次いで、分光光度計を使ってそのフィルムを標準に対して試験して、PETフィルムの可視のおよび赤外線の特性を試験する(ステップ115)。図9に関しては、その赤外線フィルムを監視するために、真空蒸発インラインロール塗装操作のための様々な光学的構成部分を持つ反射および透過モニタを利用する。インラインの分光光度計のモニタリングは、蒸着プロセスの一部である。様々な波長の透過は、運転全体の間、監視される。粘性接着剤を、PETGS(PET−gluable/stampable)に塗り(ステップ120)、そしてそのPETの赤外線遮断フィルムの酸化インジウム金属表面に圧力積層物を付ける(ステップ125)。次に、粘着接着剤を赤外線遮断フィルムのポチエチレンテレフタレート側に塗り(ステップ130)、そしてそのPETGSに圧力積層物を付ける(ステップ135)。例示的な積層条件には、華氏280度(138℃)および600psi(42.2kg/cm2)で22分間、次いで加圧下に約18分間冷却することが含まれる。ヒートシール接着剤をPET GSの両方の外側に塗布する。または、代わりに、PVCをPETGSの両方の外側に塗布する(ステップ140)。
【0051】
例示的な実施形態では、ある化合物をシート10および12の表面上に押しつける。当分野の技術者なら、テキスト30、32、34およびロゴ50を印刷すること、光学的に認識できるインクおよび不透明な階調度25を、例えば、母材および/またはその組合せの2枚のシート間の前の表面10、裏の表面12、どちらかの表面の内側または外側の表面のようなカード5のどの表面にも適用できることを理解するだろう。さらに、適当に印刷すること、記録すること、刷り込むこと、印を付けること、または似た方法のどれも本発明の範囲内である。
【0052】
不透明な階調度25および光学的に認識可能なインクは、シートの上に、シルクスクリーン印刷プロセスによって印刷される(ステップ150)。不透明な階調度25に関しては、典型的な階調度は、カード5の頂部では一層濃いインク点刻を有する銀真珠インクのぼかしから成っており、カード5の底に近づくにつれて、徐々に濃度が薄くなり、透明になる。当分野の技術者なら、不透明な階調度25は、階調度25全体にわたって任意の密度であることができ、しかも階調度25はカード5の表面を横切ってどの方向にも通過できるということを理解するだろう。カード5の上に同様の階調度25を与えることができるどんな物質によっても、不透明な階調度25を形成することができる。各カード5のための典型的なインク階調度25は、パントン色のような、プラスチックの上に印刷するために適切に構成された知られている印刷用インクを使って印刷される。例示的な実施形態では、点刻25のために使われるインクは、銀真珠インクであり、各プラスチックシートの外側の表面に付けられる。インク階調度25は、不透明でより重いインクの適用範囲を提供するシルクスクリーン印刷プロセスを使って、またはより緻密な細部の中間調イメージを与えるオフセット印刷プロセスを使って、それぞれのシートの表面に印刷される。単語「AmericanExpress」は、同様のシルクスクリーンプロセスを使ってパントン8482に印刷される。
【0053】
より詳細には、シルクスクリーン印刷に関しては、望ましい階調度25を含んでいるアートワークは、シートから製造される個々のカード5の数に合わせて何度も複写される。次いで、複写されたアートワークは、美術の写真石版プロセスで知られている任意の好適な方法で、適切にスクリーンに付けられ、それから、そのスクリーンは現像される。そのスクリーンを、シートの上に置いて、スクリーンの表面全体にわたってインクを適切に洗浄する。スクリーンの曝された部分は、インクがスクリーンを通過して、アートワークパターンのシートに留まれるようにする。もし多数の色が望まれるならば、各色について、このプロセスを繰り返すことができる。その上、例えば、目に見えない、紫外線クレジットカードのロゴ(ブラックライトで見える)が、オフセットおよびシルクスクリーンプレスを使って、パントン307および297のダブルトーンで印刷されるように、他の保護機能が、カード5に随意にシルク印刷される。
【0054】
テキスト30、32、34およびロゴ50は、薄いインクの適用範囲であるが、鮮明なテキストを提供するオフセット印刷プロセス(ステップ155)のような知られている印刷プロセスによって、各シートの外側の表面に印刷される。より詳細には、オフセット印刷に関しては、アートワークが金属プレートの上に複写され、そしてその金属プレートを、1回の作業中に4色まで印刷できるオフセットプレス印刷機の上に置く。オフセット印刷されるテキストには、例えば、社名30、著作権表示33、バッチコード番号34、「有効な」期日32,接触先の電話番号、法的ステートメント(示されていない)などが含まれる。典型的なオフセットテキストは、不透明な白色インクの、またはUVAMX Grayと呼ばれるPantone Cool Gray 11の特別な混合物の4DBCに印刷される。
【0055】
結果として出来るカード5は透明であることがあるので、カード5の両側から、そのテキストを見ることができる。したがって、テキストが1つのシートだけに印刷されている場合、カード5の反対側からテキストを見ると(言い換えれば、そのテキストをプラスチック基板を「通して」見ると)、そのテキストは不明瞭になっていることがある。テキストが不明瞭になるのを最小限にするためには、前面シート10を標準書式のテキストでその外側の表面に印刷し、裏面シート12を、同じテキストであるが「反対」書式であるテキストで、その外側の表面に印刷する。その裏面12のテキストは、前面の表面10のテキストと一直線にそろえられており、そのテキストを一直線にそろえるのがシート全体にあるカード5の輪郭表示によって助けられている。カード5の化合物によって不明瞭にされていることがあるある種のテキストまたはデザイン(磁気ストライプ40、チップ20など)は1つのシートだけに印刷されることがある。例えば、例示的な実施形態では、会社のロゴ50は1つのシートだけに印刷され、集積回路チップ20の後ろにあるので、前面10の視界から隠されており、裏面12の視界からその集積回路チップ20の少なくとも一部を隠している。当分野の技術者なら、どのオフセット印刷もシートの外側表面または内側表面に起こりうることを理解するだろう。
【0056】
カード5の裏12に適用される(ステップ170)積層物のシートは磁気ストライプ40の列を含んでいるのが好ましく、そこでは各磁気ストライプ40は個々のカード5に対応する。磁気ストライプ40は、カード5の長さに沿って広がっており、そして、磁気ストライプ40の大きさと配置についてのISO規格に従ってカード5の裏の表面12および頂部に付けられる。しかしながら、磁気ストライプ40はどんな広さ、長さ、形であっても、またカード5のどの位置に配置されてもよい。記録された情報を含んでいる、2軌道の磁気ストライプ40は、例えば、大日本印刷株式会社、日本、162−8001,東京都新宿区市ヶ谷加賀町1丁目1−1、電話:東京03−3266−2111から得ることができる。例示的な実施形態では、冷却剥離磁気ストライプを回転加熱ダイ(die)で外側の積層ロールに結合させるテープ層機械を使って、適当な圧力で、外側の積層物に磁気ストライプを付ける。次に、カード層を組み立てる前に、その巻いた物をテープ層が出来た所でシートに切断して、積層加工中にそのストライプを溶融してカードにする。
【0057】
現在使用されている従来技術の磁気ストライプ40は黒いが、特に例示的な実施形態では、本発明の磁気ストライプ40は銀の磁気ストライプ40である。典型的な銀の磁気ストライプ40は、2750エルステッドであり、ISO規格も合致する。その上、銀の磁気ストライプ40は磁気ストライプ40上に印刷することを含む。磁気ストライプ40の上に印刷することは、どんな適当なテキスト、ロゴ50、ポログラム箔15などを含むことができる。しかしながら、例示的な実施形態では、その印刷にはインターネットのウェブサイトアドレスを示しているテキストが含まれている。大日本印刷株式会社(同社についてのより多くの情報はwww.dnp.co.jpで得られる)はホログラムまたはテキストを磁気ストライプの上に、例えば、カード表面と接触しないサーマルヘッドを持っている染料の昇華再移動技術を利用するDaiNippon CPX10000カード印刷機を使って印刷する。そのカード印刷機は、画像をサーマルヘッドで透明なフィルムの上に印刷するのに二重移動技術を使い、次いでその印刷した画像を実際のカード媒体の上に加熱ローラによって再移動する。磁気ストライプ40の表面上への情報の印刷は、例えば、AmericanBanknote Holographics,399 Executive Blvd.,Elmsford,ニューヨーク10523,(914)592−2355によって行われる。磁気ストライプ40の表面への印刷に関するより多くの情報は、例えば、1987年8月4日にニューヨークのUnitedStates Banknote Company社に発行された米国特許第4,684,795号に見ることが出来る。その特許の全体的な内容は参照により本明細書に組み込まれている。
【0058】
望んだ印刷が完全で、その磁気ストライプを付けた後、前面10のシートおよび裏面12のシ−トを一緒に配置して(ステップ160)、そのシートを、適切な接着剤のような、何らかの適当な接着プロセスによって互いに接着させるのが好ましい。2枚のシートに印刷してその2枚のシートを組み合わせる代わりに、一方の側にカード5が印刷されている単一のプラスチックカードを使うことができ、次いでその同じカード5を、反対側に印刷するために、印刷機を通して再送することを、当分野の技術者であれば理解するだろう。本発明では、そのシートを互いに接着した後に、そのプラスチックシートとほぼ同じ寸法、つまり3’×4’の1枚の積層物をカード5の前面10および裏面12の上に付ける。組み合わせたシートの前面10および裏面12の上に、その積層物を付けた(ステップ170)後、カード5の層を、適当な圧力で適切に圧縮し、そして約300度、90〜700psi(6.3〜49.2kg/cm2)の圧力で、適当な休止時間をおいて加熱して単一のカード5装置を作る。前述のカードの製造を、例えば、ペンシルバニア州,15 James Hance Court,ExtonのOberthurカード装置によって完全な物にすることができる。
【0059】
例示的な実施形態では、そのカードの層を、積層プロセスにおいて、熱と圧力を使って互いに溶融させる。加熱プレス相の間、プレスは華氏約300度(約149℃)に加熱し、圧力を約1000psi(約70.3kg/cm2)にして約90秒間保持する。次いで、圧力を約30秒間にわたって約350psi(24.6kg/cm2)まで上昇させ、そして同じ温度、すなわち華氏300度(149℃)で16分間保持する。それから、カードを、華氏約57度(約14℃)の冷却プレスに移す。圧力を約400psi(約28.1kg/cm2)にして、約16分間、プレートに華氏約57度(約14℃)の冷水を循環させて保持する。その後で、カードを冷却プレスから取り出す。
【0060】
図1および2に関して、積層物を付けた後に、署名欄をカード5の裏に表面12に付け(ステップ175)、ホログラフ箔15をカード5の前面10に付ける(ステップ190)。署名欄45に関しては、従来技術の署名欄はカード5の裏面12に紙状のテープを接着して形成されているが、本発明の例示的な実施形態では、署名欄45は約2”×3/8”ある半透明のボックスであり、加熱スタンププロセスを使ってカードに付けられる。商人による署名欄45にある署名の確認は、しばしば、商人がカード5の不正な使用に対する金融上の責任を避けるためのカード5発行者の要求条件である。したがって、透明カード5にある半透明の署名欄45は事務員がカード5の前面から署名欄45の少なくとも一部を見ることができるだけでなく、署名を見ることが事務員を勇気づけて、カード5を裏返して、署名された受領証で署名の確実性を確かめさせる。
【0061】
カードシートが積層された後、そのシートを知られている打ち抜きプロセスにより個々のカード5に切断する(ステップ180)。そのプロセスには、端の必要な硬化、穴掘り、加熱、洗浄および/または密封のどれでも含まれている。個々の取引カード5は約3”×4”であり、取引カード5の形と大きさについてのISO規格に合致している。例示的な実施形態では、56枚のカードについての積層板がギロチン装置で適当に半分に切断されて、その結果、28枚のカードについて半分のシート2枚になる。その半分のシートを、機械の光学装置に見える前もって決められた線列マークを使ってシートダイ(XおよびY軸)に向かって一列に並べるカード穿孔機械に掛ける。次いで、その半分のシートを、7つの段階で穿孔機の下に供給する。特に、一定の距離を置いて供給するごとに、別の光学センサの検査が続いて、あらかじめ印刷されている線列マークに供給材料を止める。次いで、その機械が、4枚のカードの列を一度に打ち抜く。標準的な加工に従って打ち抜き、そして仕上げをした後に、ホログラフ箔15を適用する前に、赤外線反射特性をインラインで確認する(ステップ185)。
【0062】
典型的なホログラフ箔の適用に関しては、ホログラフ箔15をカード5に任意の適当な方法で接着させる(ステップ190)。例示的な実施形態では、丸められたコーナと接触表面を横切る0.0007”の頂上部を持つ約1.25”×1.25”の実質的に角鋼のダイが、大きな1枚のホログラフ箔15から個々の箔15を打ち抜く。ダイは、ダイが1枚のホイル15を通して送られるほどの加熱打ち抜き機械の一部であり、特別の画像の周りで箔15を切断し、そして直ちにその箔15を、カードが積層された後のカード5の前面10に熱で付ける。ダイの温度は、約300F±10F(約149±5℃)の範囲である。休止時間は約1/2秒、そして適用速度は個々の加熱打ち抜きアプリケータに基づいて設定される。しかしながら、前述の温度および休止時間は、1分当たり100枚のカードという速度に一致する。StephenP.McGrewによる米国特許第4,206,965号、第4,421,380号、第4,589,686号および第4,717,221号は、ホログラフ画像の加熱打ち抜きについてより詳細に説明しており、参照により本明細書に組み込まれている。
【0063】
ホログラフ箔15に関しては、その箔15はどの色でもあり得、どのホログラムを含むこともでき、カード5のどの位置に付けることもでき、しかもどんなサイズ、形および厚さにカットすることもできる。例示的な実施形態では、ホログラフ15のシートは、底側の上には灰色の接着剤を、そしてそれぞれ約1.25”×1.25”の多数のホログラフ画像を含んでいる頂上部側には青い鏡のような三次元のホログラフ表面を含んでいることが好ましい。
【0064】
例示的なホログラムは、360度の見やすさを含み、白色光の下で色の虹を回折させる。全色のホログラムは、例えば、AmericanBanknote Holographicsによって作り出される。
【0065】
個々の箔15の角は丸くして、むしろ箔15がカード5の表面から向こうへ鳴り響くという可能性を最小にするのが好ましい。さらに、カードに付けられる場合、灰色の接着剤側がカード5の表面に付けられている間、青いホログラフ表面がカード5から離れて向いている。
【0066】
ホログラフ箔15の頂部表面を、反射ホログラフィックス、透過ホログラフィックス、化学洗浄、ミラーコンパウンドの組み込みおよび/またはその任意の組合せのような適当な方法によって作り出すことができる。ホログラフ箔15を、例えば、1448County Line Road、Huntingdon Valley、ペンシルバニア州、19006にあるAmericanBanknote Holographics社によって製作することができる。
【0067】
例示的なホログラフ箔は様々な層を含んでいる。当分野の技術者なら、同様のホログラフ効果を与えるこれらの層のどんな配列、組合せおよび/または構成であっても、依然として、本発明の範囲に入ることを理解するだろう。例示的な実施形態では、ホログラフ移動箔構造は、次の層、すなわち、基準寸法が90のポリエステルキャリア、解放被膜、浮き彫り可能な樹脂、真空蒸着したアルミニウム、タイ被膜およびサイズ被膜が含まれる。移動プロセスの間に、浮き彫り可能な樹脂、真空蒸着したアルミニウム、タイ被膜およびサイズ被膜の各層を基板の上に付着させる。
【0068】
例示的な実施形態では、ホログラフ箔15のシートは、陽性の写真乳剤の上に、457.9nmで20ワットのアルゴンレ−ザによる、集束光の2つ以上の干渉光線、つまり、物体光および参照光によって適切に作り出される透過ホログラムである(shiplyフォトレジストを使って引き伸ばした被膜板)。その装置は、その干渉光線によって生成する干渉縞を、例えば、303A現像液を使って記録する。物体光は、なるべくなら三次元の鏡である記録されるべき対象物から反射されるまたはその対象物を透過する可干渉性の光線である。参照光は、球面波正面10を持つ可干渉性の準視するビーム光であるのが好ましい。
【0069】
ホログラフ箔15を取引カード5の上に組み込むと、普通の白色光で、すなわちホログラムに深さという錯覚があるかどうかを観察することによっておよび色を変えることによって、取引カード5の確実性を決めるという一層信頼することができる方法を提供される。したがって、ホログラムが普通の白色光で見られるようにするために、ホログラムが取引カード5の上に記録される時、記録されるべき画像は基板の表面の近くに置かれる。その上、ホログラムが、ホログラフ箔15のような金属化したキャリアの上に浮き彫りにされる。または、代わりに、ホログラムは透明なプラスチック材料の上に直接流延される場合がある。透明なプラスチック材の上に形成される場合、ホログラムは、金属またはインクのように、浮き彫りにされたホログラムの上に可視物質が沈積することによって見えるようにされる。クレジットカード5の上にあるホログラムの製造、またはホログラフ箔15の製造に関するより多くの情報は、例えば、1987年8月4日にニューヨークのUnitedStates Banknote Companyに発行された米国特許第4,684,795号、またはwww.abnh.comにあるtheAmerican Banknote Holographics社のウェブサイトから見つけることができる。その両方とも参照として本明細書に組み込まれている。
【0070】
例示的な実施形態では、ビニルクレジットカードの上にホログラフ箔を付けることは、金属化されたクレジットカードを使うことによって、達成される。その箔は、1.0ミル(92基準寸法)のポリエステルキャリアの上の寸法に合っていない、金属化された、浮き彫り可能な、耐摩耗性および耐化学薬品性の加熱スタンプ箔である。典型的な材料の全ては、原材料供給者のカラーコード#563(青)で着色されている。その箔は、アルミニウムで真空金属化されており、そして約1.60〜2.00の光学濃度範囲を有する。その最適の箔には、目に見える欠陥や粒子状物体がない。その箔は、45度の角度でキャリアの除去において華氏300度(149℃)、80psi(5.6kg/cm2)1.0秒の休止時間、0.1秒の遅延というダイ面を有する解縛試験装置に基づいて約0〜7gの解放特性を含んでいる。典型的な塩基性材料が、約100ポンド(約7kg/cm2)の空気圧および約華氏200〜350度(約93〜177℃)の範囲のダイ温度で、長さインチ当たり約1600ポンドの範囲の硬いニッケルダイを使って浮き彫りすることによって、ホログラフ画像表面の永続する高い忠実性(100%の浮き彫りするダイに基づいて、少なくとも70%の回折効率を有する)印象を受け取ることが可能である。その塩基性材料の浮き彫り可能性を検査する時、その検査には、浮き彫り可能な被膜が最適な第2画像を生成することができることを保証する主要画像および第2画像が含まれている。
【0071】
ホログラフ箔の機械的および化学的耐久性に関しては、その箔は摩耗に耐える。その結果、ビニルクレジットカードの上にサイズ化および刻印をした後に、移されたホログラムは、打開のきざしの前にCS−10車輪および約500gの負荷を使うTaberAbraderで約100サイクルに耐える。その箔は、同じ条件の下にTaberAbraderで、何らの目に見える印、かき傷または曇りもなく約6サイクル耐えるほど、かじりに耐える。ホログラフ箔は、直流型50000符号器または同等の装置に浮き彫りにされた時、ホログラム区域のビニルを割るといういかなる実質的な徴候にも耐える。その上、ポリエステルキャリアの上に浮き彫りにされ、寸法に合っていない箔は、基礎被膜に亀裂を生じることなしに15%引き伸ばされることが可能である。その上、典型的なホログラムを持つ典型的なビニルカードは、110℃のオーブン中で15分間耐え、その結果その試験の後の画像は明瞭である。さらに、典型的なホログラムは、0℃で8時間および60℃で16時間の5サイクルの後に目に見える何の影響を示さない。
【0072】
ビニルカード上の典型的なホログラムは、可塑剤、アルカリ、酸および溶剤にも耐える。
特に、ホログラムを持つカードは、カードが激しく膨張する点まで、暖かい液状可塑剤(一般的にはジオクチルフタレート)の浸漬に耐える。カード上の画像は、60℃で5日間にわたって可塑化ビニルと接触しても実質的に影響を受けない。アルカリに関しては、カード上のホログラムは、室温で10%の水酸化アンモニウムの中におおよそ1時間浸漬しても、劣化することなく耐える。その上、人工的なアルカリ性の汗(10%の塩化ナトリウム、1%のリン酸ナトリウム、4%の炭酸アンモニウム、およびpH8.0)に室温で50時間浸漬した後、ホログラムは実質的な劣化を示さない。酸に関しては、カード上の典型的なホログラムは、10%の酢酸に室温で約1時間の浸漬に、実質的に劣化しないで十分に耐える。その上、例示的なホログラムは、人工的な酸っぱい汗(aceticperspiration)(10%の塩化ナトリウム、1%のリン酸ナトリウム、1%の乳酸、pH3.5)に室温で50時間の浸漬に、実質的に劣化することなく耐える。
【0073】
溶剤に関しては、カード上の典型的なホログラムは下記に十分耐える。すなわち、エチレングリコール(100%および50%水溶液)には室温で4時間後に実質的に何の影響も受けず、エチルアルコール(100%および50%水溶液)には室温で4時間後に実質的に何の影響も受けず、メチルエチルケトンは室温で1分後に実質的に何の影響も与えず、トルエンはカードが激しく膨張するまで(室温で30分)は実質的な影響を持たず、水は60℃で16時間後に何の実質的な影響を有さず、そして濃縮した洗濯用洗剤は室温で20時間後に何の実質的な影響を持たない。
【0074】
さらに、ビニルカード上の典型的なホログラムは、市販の洗濯機および乾燥機で洗濯し乾燥した後、耐久プレス加工設定のズボンのポケットの内部に実質的な影響は何も示さない。
【0075】
クレジットカードの基板は、ホログラムまたはその被膜の当面の組成物を実質的に破らないホログラムの加熱打抜き加工を適切に受け入れることが可能なビニル基材、または他の類似の種類の材料から成っている。ビニルカードにホログラムを付着させる時、その被膜は一貫したかぶりを示し、そして色、粘性および汚染がないことにおいて均一である。45度の角度で取り除かれるホログラムの上にスコッチ610型を塗布しても、その基板からかなりの量の箔が取り除かれるという結果にならないほど、そのカードへのホログラムの接着も同様に十分強力である。
【0076】
画像の輝きに関して、表示ブロックの上に、回折の読み取りが、最低約2マイクロワットで得られる。さらに、画像の品質に関しては、その画像には、大きな染み、擦過傷、しわ、斑点、曇り、および/または画像を実質的に歪める他の欠点のような欠陥が実質的にない。
【0077】
典型的な最終生成物は、1巻き当たり、1−53/64”±1/64”の幅および10,000画像の長さで細長く切られる。その表示ブロックは、その細長く切った材料の端からわずか5/64”の位置にある。完成した巻き物は全て、金属側が完成したリールに許される最大3つのスプライスを持つ3.0”の内径のコアに面した状態で、巻かれており、その表示ブロックは0.125”×0.125”平方である。
【0078】
個々のカード5を打抜いてホログラフ箔を付けた後、集積回路チップ20を、接着、加熱、テープ、溝などのような適当な方法でカード5に付ける(ステップ195)。より詳細には、カード5の前面10の小さな部分を、例えば、フライス削りプロセスを使って機械仕上げする。そのフライス削りステップは、前面10の表面から約0.02ミルのプラスチックを取り除くので、削られた穴はプラスチックの2つのコア層に食い込むが、プラスチックの最後の外側のラミネート層を通過せず、それによって、5235HSTポケットを形成する。集積回路チップ20は、標準の金メッキよりもむしろ銀でメッキされた5235パラジウムである。集積回路チップ20を、「ポッティング」として知られているプロセスを使ってカードに付ける。不導性の接着剤のような適当な接着剤を、機械で仕上げた穴の中に置き、集積回路チップ20を、その頂部表面がカード5の前面10の表面と実質的に同じ高さになるように、その接着剤の上に置く。その集積回路チップ20に適当な圧力と熱をかけて、集積回路チップ20をカード5に確実に貼りつける。集積回路チップ20は、カード5のどこにでも置かれる好適な集積回路である。例示的な実施形態では、集積回路チップ20の構造、設計、機能および配置は、集積回路チップ20およびスマートカード5についてのISO規格に適応する。集積回路チップ20は、例えば、ドイツのジーメンスから得ることもできる。
【0079】
ホログラフ箔15および集積回路チップ20をカード5に付けた後に、口座番号35および「有効」期日32(図示していない)のようなある種の情報を、知られている浮き彫り方法により、カード5の中に浮き彫りするのが好ましい(ステップ200)。その浮き彫りは、例えば、OberthurCard Systemsによって完成させることができる。任意の情報をカード5のどこにでも浮き彫りにすることができるが、特に例示的な実施形態では、口座番号35は、ホログラフ箔15を通して浮き彫りされ、不正使用のためにホログラフ箔15が偽造のカード5まで移される可能性を減らす。さらに、従来技術のカード5には、有効期間の初めと終わりが含まれているが、本カード5は「有効」期日32、つまり、そのカードが満了する期日だけを含んでいる。
【0080】
上記はカード5の製造についての例示的な実施形態を記述しているが、当分野の技術者なら、テキスト30、32、34、ロゴ50、浮き彫りされた数35、磁気ストライプ42、署名欄45、ホログラフ箔15、集積回路チップ20および不透明な階調度25(図1および2参照)を基板の上に組み込むための適当な方法はどれも本発明の範囲に入ることを理解するだろう。特に、ホログラフ箔15、集積回路チップ20、ロゴ50、磁気ストライプ40、署名欄45、または他のどんな化合物も、カード5のどの部分にでも、例えば、加熱、圧力、接着剤、溝彫りおよび/またはその任意の組合せのような適当な方法で貼り付けることができる。
【0081】
例示的な実施形態を参照して、本発明を上に記述してきた。しかしながら、この開示を読んできている当分野の技術者なら、本発明の範囲から外れることなく、例示的な実施形態に変更および修正がなされる場合があることを認めるだろう。例えば、発明の様々なステップを、本発明の効果を変えることなく、除くこともできる。さらに、日本の大日本印刷社によって開発された染料の昇華再移送技術および/または二重移送技術のような、他の種類のカード製造方法、符号化方法および印刷方法を使用することもできる。これらのおよび他の変更または修正は、以下の請求項に表現されているように、本発明の範囲内に含まれること意味している。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の例示的な実施形態による典型的な取引カードの正面図である。
【図2】本発明の例示的な実施形態による典型的な取引カードの背面図である。
【図3】本発明の例示的な実施形態によるカード製造プロセスの流れ図である。
【図4】本発明の例示的な実施形態による赤外線フィルムの反射および透過についてのエネルギー対波長のグラフである。
【図5】本発明の例示的な実施形態による820〜920nmまたは900〜1000nmの範囲の波長を持っている現金自動預入払出機の代表的な赤外線LED(赤外線を放射しているダイオード)源のグラフである。
【図6】本発明の例示的な実施形態による約400nm〜1000nmの範囲の波長を持っている代表的なフォトトランジスタのスペクトル感度曲線のグラフである。
【図7A】図7は、図7A〜図7Fでなり、本発明の例示的な実施形態によるカード層の様々な実施形態を示す。
【図7B】図7は、図7A〜図7Fでなり、本発明の例示的な実施形態によるカード層の様々な実施形態を示す。
【図7C】図7は、図7A〜図7Fでなり、本発明の例示的な実施形態によるカード層の様々な実施形態を示す。
【図7D】図7は、図7A〜図7Fでなり、本発明の例示的な実施形態によるカード層の様々な実施形態を示す。
【図7E】図7は、図7A〜図7Fでなり、本発明の例示的な実施形態によるカード層の様々な実施形態を示す。
【図7F】図7は、図7A〜図7Fでなり、本発明の例示的な実施形態によるカード層の様々な実施形態を示す。
【図8】本発明の例示的な実施形態による現金自動預入払出機の中の典型的なセンサ機構の概略図である。
【図9】本発明の例示的な実施形態による赤外線フィルムを監視するために、真空蒸発インラインロール塗布操作用の様々な光学部品を持つ典型的な反射と透過モニタである。
【図10】本発明の例示的な実施形態によるPETフィルムの化学蒸着のための典型的なシステムを示す図である。
【図11A】本発明の例示的な実施形態によるカード構造としての層の例示的な実施形態を示す図である。
【図11B】本発明の例示的な実施形態によるカード構造としての層の例示的な実施形態を示す図である。
【図12A】図12は、図12A及び図12Bでなり、図12Aは、本発明の例示的な実施形態による様々なフィルム接着についての強度(ポンド/インチ)対フィルム接着のグラフ上の典型的なフィルム接着強度を示す図であり、図12Bは、本発明の例示的な実施形態による様々なフィルム界面についての強度(ポンド/インチ)対フィルム界面のグラフ上のフィルム界面での典型的な接着強度を示す図である。
【図12B】図12は、図12A及び図12Bでなり、図12Aは、本発明の例示的な実施形態による様々なフィルム接着についての強度(ポンド/インチ)対フィルム接着のグラフ上の典型的なフィルム接着強度を示す図であり、図12Bは、本発明の例示的な実施形態による様々なフィルム界面についての強度(ポンド/インチ)対フィルム界面のグラフ上のフィルム界面での典型的な接着強度を示す図である。
【図13】本発明の例示的な実施形態による緑色を示す典型的な赤外線インク成分を示す図である。
【図14】本発明の例示的な実施形態によるこれらの典型的なグリーンカードに関連した測定結果を示す図である。
【図15】本発明の例示的な実施形態による典型的なグリーンカード用の典型的な現金自動預入払出機の試験結果を示す図である。
【図16】典型的なグリーンカードの透過密度の実施例を、本発明の例示的な実施形態によるパーセント透過対波長のグラフに示す図である。
【図17A】図17は、図17A〜図17Iでなり、様々なカードの実施形態についての典型的な試験結果の、本発明の例示的な実施形態によるパーセント透過対波長(nm)のグラフである。
【図17B】図17は、図17A〜図17Iでなり、様々なカードの実施形態についての典型的な試験結果の、本発明の例示的な実施形態によるパーセント透過対波長(nm)のグラフである。
【図17C】図17は、図17A〜図17Iでなり、様々なカードの実施形態についての典型的な試験結果の、本発明の例示的な実施形態によるパーセント透過対波長(nm)のグラフである。
【図17D】図17は、図17A〜図17Iでなり、様々なカードの実施形態についての典型的な試験結果の、本発明の例示的な実施形態によるパーセント透過対波長(nm)のグラフである。
【図17E】図17は、図17A〜図17Iでなり、様々なカードの実施形態についての典型的な試験結果の、本発明の例示的な実施形態によるパーセント透過対波長(nm)のグラフである。
【図17F】図17は、図17A〜図17Iでなり、様々なカードの実施形態についての典型的な試験結果の、本発明の例示的な実施形態によるパーセント透過対波長(nm)のグラフである。
【図17G】図17は、図17A〜図17Iでなり、様々なカードの実施形態についての典型的な試験結果の、本発明の例示的な実施形態によるパーセント透過対波長(nm)のグラフである。
【図17H】図17は、図17A〜図17Iでなり、様々なカードの実施形態についての典型的な試験結果の、本発明の例示的な実施形態によるパーセント透過対波長(nm)のグラフである。
【図17I】図17は、図17A〜図17Iでなり、様々なカードの実施形態についての典型的な試験結果の、本発明の例示的な実施形態によるパーセント透過対波長(nm)のグラフである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可視光に対して半透明なカード表面および透明なカード表面の少なくとも1つのカード表面と、
前記カード表面に関連し、該カード表面を実質的に覆っている赤外線遮断物質を含む機械が認識できる化合物とから成り、
該カードがカード読み取り機に挿入された時に、該カードがカード表面上の実質的に全ての点で赤外線を遮断可能であり、
前記表面が、該カードの表面領域全体を実質的に被覆し、該カードがPOS(point-of-sale)での処理を容易にするように構成されることを特徴とするカード。
【請求項2】
前記カードは、取引カード、身分証明書、スマートカード、クレジットカード、チャージカード、デッビトカード、アクセスカード、情報記憶カード、電子化商業カード、ドキメントおよび紙のうちの少なくとも1つである、請求項1に記載のカード。
【請求項3】
前記機械が認識できる化合物には、化学薬品、溶液、染料、積層材、顔料、カプセルに包まれた顔料、被膜、フィルム、糸、プラスチック、インク、濃縮物、熱可塑性マトリックス、熱硬化性アトリックス、繊維、紙およびプランセットのうちの少なくとも1つが含まれる、請求項1に記載のカード。
【請求項4】
前記機械が認識できる化合物には、目に見えない、目に見えるまたは着色した少なくとも1つの化合物が含まれる、請求項1に記載のカード。
【請求項5】
前記機械が認識できる化合物には赤外線インクが含まれる、請求項1に記載のカード。
【請求項6】
前記機械が認識できる化合物には、約0.001から40.0重量%の範囲の赤外線活性化材料から成る赤外線インクが含まれる、請求項1に記載のカード。
【請求項7】
前記機械が光学的に認識できる化合物には、光学的に認識できる化合物が含まれる、請求項1に記載のカード。
【請求項8】
前記機械が認識できる化合物は、少なくとも、赤外線を遮断する、拡散する、反射する、屈折させる、および吸収する内のいずれかで構成されている、請求項1に記載のカード。
【請求項9】
前記機械が認識できる化合物には、結合剤、紫外線吸収体、反射材、酸化防止剤、蛍光増白剤、色シフタ、加工改善に適合した化学薬品、および流動学的特性を調整するのに適合した化学薬品のうち少なくとも1つが含まれる、請求項1に記載のカード。
【請求項10】
前記機械が認識できる化合物には、Tech Mark Mixing Clearのマークで販売されている約98重量%の溶媒が蒸発するスクリーン インクと、Epolight VII−164のマークで販売されている約2重量%の染料が含まれる、請求項1に記載のカード。
【請求項11】
前記機械が認識できる化合物には、Epolin VII−164のマークで販売されている約1.5重量%の染料、Tech Mark Mixing Clearのマークで販売されてる約96.5%のスクリーン インク、およびEpolight VI−30のマークで販売されている約2.0重量%の染料が含まれる、請求項1に記載のカード。
【請求項12】
前記機械が認識できる化合物の100ポンドには、約99.0ポンド(44.8kg)のポリ塩化ビニルと、ポリ塩化ビニルプラスチックとEpolight VII−172のマークで販売されている染料との約1ポンドの混合物とが含まれ、該1.0ポンドの混合物は約4.1重量%のEpolight VII−172の染料および95.9重量%のポリ塩化ビニルプラスチックから成る請求項1に記載のカード。
【請求項13】
前記機械が認識できる化合物には、PETプラスチックが含まれる、請求項1に記載のカード。
【請求項14】
前記機械が認識できる化合物には、Tech Mark mixing clearのマークで販売されている約80重量%のスクリーン インク、約7重量%のVMCA樹脂、約10重量%のシクロヘキサノン、およびEpolight VII−164のマークで販売されている約3重量%の染料が含まれる、請求項1に記載のカード。
【請求項15】
前記機械が認識できる化合物には、約55重量%のビニルVMCA樹脂、約35重量%のエトキシエチルプロピオネート溶媒、約5重量%のシクロヘキサノン、Epolight VII−164のマークで販売されている約3重量%の染料、およびEpolight VI−30のマークで販売されている約2重量%の染料が含まれる、請求項1に記載のカード。
【請求項16】
前記機械が認識できる化合物には、TECH MARK MIXING CLEARのマークで販売されている約90重量%のスクリーン インク、約3重量%のシクロヘキサノン、EPOLIGHT VII−164のマークで販売されている約3重量%の染料、epolight VI−30のマークで販売されている約2重量%の染料およびepolight VII―6084のマークで販売されている約2重量%の染料が含まれる、請求項1に記載のカード。
【請求項17】
可視光に対して半透明なカード表面および透明なカード表面のうち少なくとも1つのカード表面と、
前記カード表面に関連し、該カード表面を実質的に覆っている赤外線遮断物質を含む機械が認識できる化合物とから成り、
ホログラフ箔、集積回路チップ、磁気ストライプ、不透明度階調度、浮き彫りされた文字、署名欄、テキストおよびロゴのうちの少なくとも1つと、
を備え、
これらの構成により、前記カードが、カード読み取り器内のセンサを前記センサの位置にかかわらず、前記カードの前記表面に沿って作動させ、
前記表面が、該カードの表面領域全体を実質的に被覆し、該カードがPOS(point-of-sale)での処理を容易にするように構成されることを特徴とする該カード。
【請求項18】
前記カードは、取引カード、身分証明書、スマートカード、クレジットカード、チャージカード、デビットカード、アクセスカード、情報記憶カード、電子化商業カード、ドキメントおよび紙のうちの少なくとも1つである、請求項17に記載のカード。
【請求項19】
前記機械が認識できる化合物には、被膜、フィルム、糸、プラスチック、インク、繊維、紙、およびプランシェットのうち少なくとも1つが含まれている、請求項17に記載のカード。
【請求項20】
可視光に対して不透明なカード表面、半透明のカード表面又は透明なカード表面の少なくとも1つと、
前記カード表面に関連し、該カード表面を実質的に覆っている赤外線遮断物質を含む機械が認識できる化合物と、
ホログラフ箔と、
集積回路チップと、
磁気ストライプと、
を備え、
これらの構成により、前記カードが、カード読み取り器内のセンサを、前記カードの前記表面に近接した前記センサの位置にかかわらず、作動させ、
前記表面が、該カードの表面領域全体を実質的に被覆し、該カードがPOS(point-of-sale)での処理を容易にするように構成されることを特徴とするカード。
【請求項21】
可視光に対して半透明なカード表面、または透明なカード表面の少なくとも1つのカード表面と、
前記カード表面に関連し、該カード表面を実質的に覆っている赤外線遮断物質を含む機械が認識できる化合物であって、可視光線に対して実質的に透過性である該化合物と、
から成り、
この構成により、該カードが、カード読み取り器内のセンサを色々の位置で作動が可能である、可視光線に対して実質的に透過性であり、
前記表面が、該カードの表面領域全体を実質的に被覆し、該カードがPOS(point-of-sale)での処理を容易にするように構成されることを特徴とするカード。
【請求項22】
可視光に対して半透明なカード表面、または透明なカード表面の少なくとも1つのカード表面と、
ホログラフ箔、集積回路チップ、磁気ストライプ、不透明度階調度、浮き彫りされた文字、署名欄、テキストおよびロゴのうちの少なくとも1つと、
前記カード表面に関連し、該カード表面を実質的に覆っている赤外線遮断物質を含む機械が認識できる化合物であって、可視光線に対して実質的に透過性である該化合物と、
から成り、
この構成により、該カードが、該カードに沿った該センサの位置にかかわりなく、カード読み取り器内のセンサを、作動が可能である、
ことを特徴とする可視光線に対して実質的に透過性であり、
前記表面が、該カードの表面領域全体を実質的に被覆し、該カードがPOS(point-of-sale)での処理を容易にするように構成されることを特徴とするカード。
【請求項23】
可視光線に対して実質的に透過性であるカードを製作する方法であって、
少なくとも2層のPETを設けるステップと、
前記少なくとも2層のPETの間に赤外線フィルムを配置するステップと、
前記少なくとも2層のPETと前記赤外線フィルムとを一緒にラミネート処理するステップとを有し、前記赤外線フィルムが赤外線遮断物質からなり、
前記カードが、該カードのカード表面に近接するセンサの位置にかかわりなく、カード読み取り器内でセンサを動作させることが可能である、
ことを特徴とする方法。
【請求項24】
可視光に対して実質的に透明又は半透明なカードにより、赤外線センサと磁気ストライプ読み取り器を備えるトランザンクション機械を作動する方法において、
(a)透明な表面および半透明な表面の一方と、該表面を実質的に覆っている赤外線遮断物質と、機械が認識できる化合物とを有するカードを提供するステップと、
(b)該カードを該トランザンクション機械に挿入するステップと、
(c)該磁気ストライプ読み取り器に該磁気ストライプをスキャンさせる為に、該カード上の赤外線遮断物質の存在を監視するステップと、
を備える該方法。
【請求項25】
可視光に対して半透明なカード表面と、透明なカード表面の少なくとも1つのカード表面と、
実質的に可視光線に対して透過性である赤外線遮断物質を含む機械が認識できる化合物であって、該機械が認識できる物質が、色々な位置において該カードとインターフェースする入力センサを作動できるように、該カード表面上に配置された該化合物と、
からなる、少なく構成層を通して可視光線に対して透過性である部分を含むカード。
【請求項1】
可視光に対して半透明なカード表面および透明なカード表面の少なくとも1つのカード表面と、
前記カード表面に関連し、該カード表面を実質的に覆っている赤外線遮断物質を含む機械が認識できる化合物とから成り、
該カードがカード読み取り機に挿入された時に、該カードがカード表面上の実質的に全ての点で赤外線を遮断可能であり、
前記表面が、該カードの表面領域全体を実質的に被覆し、該カードがPOS(point-of-sale)での処理を容易にするように構成されることを特徴とするカード。
【請求項2】
前記カードは、取引カード、身分証明書、スマートカード、クレジットカード、チャージカード、デッビトカード、アクセスカード、情報記憶カード、電子化商業カード、ドキメントおよび紙のうちの少なくとも1つである、請求項1に記載のカード。
【請求項3】
前記機械が認識できる化合物には、化学薬品、溶液、染料、積層材、顔料、カプセルに包まれた顔料、被膜、フィルム、糸、プラスチック、インク、濃縮物、熱可塑性マトリックス、熱硬化性アトリックス、繊維、紙およびプランセットのうちの少なくとも1つが含まれる、請求項1に記載のカード。
【請求項4】
前記機械が認識できる化合物には、目に見えない、目に見えるまたは着色した少なくとも1つの化合物が含まれる、請求項1に記載のカード。
【請求項5】
前記機械が認識できる化合物には赤外線インクが含まれる、請求項1に記載のカード。
【請求項6】
前記機械が認識できる化合物には、約0.001から40.0重量%の範囲の赤外線活性化材料から成る赤外線インクが含まれる、請求項1に記載のカード。
【請求項7】
前記機械が光学的に認識できる化合物には、光学的に認識できる化合物が含まれる、請求項1に記載のカード。
【請求項8】
前記機械が認識できる化合物は、少なくとも、赤外線を遮断する、拡散する、反射する、屈折させる、および吸収する内のいずれかで構成されている、請求項1に記載のカード。
【請求項9】
前記機械が認識できる化合物には、結合剤、紫外線吸収体、反射材、酸化防止剤、蛍光増白剤、色シフタ、加工改善に適合した化学薬品、および流動学的特性を調整するのに適合した化学薬品のうち少なくとも1つが含まれる、請求項1に記載のカード。
【請求項10】
前記機械が認識できる化合物には、Tech Mark Mixing Clearのマークで販売されている約98重量%の溶媒が蒸発するスクリーン インクと、Epolight VII−164のマークで販売されている約2重量%の染料が含まれる、請求項1に記載のカード。
【請求項11】
前記機械が認識できる化合物には、Epolin VII−164のマークで販売されている約1.5重量%の染料、Tech Mark Mixing Clearのマークで販売されてる約96.5%のスクリーン インク、およびEpolight VI−30のマークで販売されている約2.0重量%の染料が含まれる、請求項1に記載のカード。
【請求項12】
前記機械が認識できる化合物の100ポンドには、約99.0ポンド(44.8kg)のポリ塩化ビニルと、ポリ塩化ビニルプラスチックとEpolight VII−172のマークで販売されている染料との約1ポンドの混合物とが含まれ、該1.0ポンドの混合物は約4.1重量%のEpolight VII−172の染料および95.9重量%のポリ塩化ビニルプラスチックから成る請求項1に記載のカード。
【請求項13】
前記機械が認識できる化合物には、PETプラスチックが含まれる、請求項1に記載のカード。
【請求項14】
前記機械が認識できる化合物には、Tech Mark mixing clearのマークで販売されている約80重量%のスクリーン インク、約7重量%のVMCA樹脂、約10重量%のシクロヘキサノン、およびEpolight VII−164のマークで販売されている約3重量%の染料が含まれる、請求項1に記載のカード。
【請求項15】
前記機械が認識できる化合物には、約55重量%のビニルVMCA樹脂、約35重量%のエトキシエチルプロピオネート溶媒、約5重量%のシクロヘキサノン、Epolight VII−164のマークで販売されている約3重量%の染料、およびEpolight VI−30のマークで販売されている約2重量%の染料が含まれる、請求項1に記載のカード。
【請求項16】
前記機械が認識できる化合物には、TECH MARK MIXING CLEARのマークで販売されている約90重量%のスクリーン インク、約3重量%のシクロヘキサノン、EPOLIGHT VII−164のマークで販売されている約3重量%の染料、epolight VI−30のマークで販売されている約2重量%の染料およびepolight VII―6084のマークで販売されている約2重量%の染料が含まれる、請求項1に記載のカード。
【請求項17】
可視光に対して半透明なカード表面および透明なカード表面のうち少なくとも1つのカード表面と、
前記カード表面に関連し、該カード表面を実質的に覆っている赤外線遮断物質を含む機械が認識できる化合物とから成り、
ホログラフ箔、集積回路チップ、磁気ストライプ、不透明度階調度、浮き彫りされた文字、署名欄、テキストおよびロゴのうちの少なくとも1つと、
を備え、
これらの構成により、前記カードが、カード読み取り器内のセンサを前記センサの位置にかかわらず、前記カードの前記表面に沿って作動させ、
前記表面が、該カードの表面領域全体を実質的に被覆し、該カードがPOS(point-of-sale)での処理を容易にするように構成されることを特徴とする該カード。
【請求項18】
前記カードは、取引カード、身分証明書、スマートカード、クレジットカード、チャージカード、デビットカード、アクセスカード、情報記憶カード、電子化商業カード、ドキメントおよび紙のうちの少なくとも1つである、請求項17に記載のカード。
【請求項19】
前記機械が認識できる化合物には、被膜、フィルム、糸、プラスチック、インク、繊維、紙、およびプランシェットのうち少なくとも1つが含まれている、請求項17に記載のカード。
【請求項20】
可視光に対して不透明なカード表面、半透明のカード表面又は透明なカード表面の少なくとも1つと、
前記カード表面に関連し、該カード表面を実質的に覆っている赤外線遮断物質を含む機械が認識できる化合物と、
ホログラフ箔と、
集積回路チップと、
磁気ストライプと、
を備え、
これらの構成により、前記カードが、カード読み取り器内のセンサを、前記カードの前記表面に近接した前記センサの位置にかかわらず、作動させ、
前記表面が、該カードの表面領域全体を実質的に被覆し、該カードがPOS(point-of-sale)での処理を容易にするように構成されることを特徴とするカード。
【請求項21】
可視光に対して半透明なカード表面、または透明なカード表面の少なくとも1つのカード表面と、
前記カード表面に関連し、該カード表面を実質的に覆っている赤外線遮断物質を含む機械が認識できる化合物であって、可視光線に対して実質的に透過性である該化合物と、
から成り、
この構成により、該カードが、カード読み取り器内のセンサを色々の位置で作動が可能である、可視光線に対して実質的に透過性であり、
前記表面が、該カードの表面領域全体を実質的に被覆し、該カードがPOS(point-of-sale)での処理を容易にするように構成されることを特徴とするカード。
【請求項22】
可視光に対して半透明なカード表面、または透明なカード表面の少なくとも1つのカード表面と、
ホログラフ箔、集積回路チップ、磁気ストライプ、不透明度階調度、浮き彫りされた文字、署名欄、テキストおよびロゴのうちの少なくとも1つと、
前記カード表面に関連し、該カード表面を実質的に覆っている赤外線遮断物質を含む機械が認識できる化合物であって、可視光線に対して実質的に透過性である該化合物と、
から成り、
この構成により、該カードが、該カードに沿った該センサの位置にかかわりなく、カード読み取り器内のセンサを、作動が可能である、
ことを特徴とする可視光線に対して実質的に透過性であり、
前記表面が、該カードの表面領域全体を実質的に被覆し、該カードがPOS(point-of-sale)での処理を容易にするように構成されることを特徴とするカード。
【請求項23】
可視光線に対して実質的に透過性であるカードを製作する方法であって、
少なくとも2層のPETを設けるステップと、
前記少なくとも2層のPETの間に赤外線フィルムを配置するステップと、
前記少なくとも2層のPETと前記赤外線フィルムとを一緒にラミネート処理するステップとを有し、前記赤外線フィルムが赤外線遮断物質からなり、
前記カードが、該カードのカード表面に近接するセンサの位置にかかわりなく、カード読み取り器内でセンサを動作させることが可能である、
ことを特徴とする方法。
【請求項24】
可視光に対して実質的に透明又は半透明なカードにより、赤外線センサと磁気ストライプ読み取り器を備えるトランザンクション機械を作動する方法において、
(a)透明な表面および半透明な表面の一方と、該表面を実質的に覆っている赤外線遮断物質と、機械が認識できる化合物とを有するカードを提供するステップと、
(b)該カードを該トランザンクション機械に挿入するステップと、
(c)該磁気ストライプ読み取り器に該磁気ストライプをスキャンさせる為に、該カード上の赤外線遮断物質の存在を監視するステップと、
を備える該方法。
【請求項25】
可視光に対して半透明なカード表面と、透明なカード表面の少なくとも1つのカード表面と、
実質的に可視光線に対して透過性である赤外線遮断物質を含む機械が認識できる化合物であって、該機械が認識できる物質が、色々な位置において該カードとインターフェースする入力センサを作動できるように、該カード表面上に配置された該化合物と、
からなる、少なく構成層を通して可視光線に対して透過性である部分を含むカード。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図7F】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17A】
【図17B】
【図17C】
【図17D】
【図17E】
【図17F】
【図17G】
【図17H】
【図17I】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図7F】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17A】
【図17B】
【図17C】
【図17D】
【図17E】
【図17F】
【図17G】
【図17H】
【図17I】
【公開番号】特開2009−76057(P2009−76057A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−192047(P2008−192047)
【出願日】平成20年7月25日(2008.7.25)
【分割の表示】特願2001−522486(P2001−522486)の分割
【原出願日】平成12年9月5日(2000.9.5)
【出願人】(502073256)アメリカン エクスプレス トラベル リレイテッド サービシーズ カンパニー, インコーポレイテッド (23)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−192047(P2008−192047)
【出願日】平成20年7月25日(2008.7.25)
【分割の表示】特願2001−522486(P2001−522486)の分割
【原出願日】平成12年9月5日(2000.9.5)
【出願人】(502073256)アメリカン エクスプレス トラベル リレイテッド サービシーズ カンパニー, インコーポレイテッド (23)
【Fターム(参考)】
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