説明

取引データ処理方法、システム及びプログラム

【課題】複数の金融システムから異なるフォーマット及びタイミングで収集される金融取引の取引データに対して、データ検索の効率を向上すること。
【解決手段】ネットワークを介して接続された金融システムから金融取引を識別する取引識別情報と、当該金融取引の残高と、当該金融取引の残高の変更日を示すデータ基準日とを含む取引データを受信し、処理する取引データ処理方法である。受信した取引データに含まれる取引識別情報と同じ取引識別情報を有する過去の取引データの内、最新の取引データを取引データ記憶部から取得し、取得された取引データに含まれる残高の有効期限日を、受信した取引データに含まれるデータ基準日の前日として更新し、受信した取引データの有効期限日を将来の日付として取引データ記憶部へ登録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取引データ処理方法、システム及びプログラムに関し、特に、ネットワークを介して接続された金融システムから金融取引における取引データを受信し、処理する取引データ処理方法、システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
融資、預金、債券などの金融取引を扱う金融システムは、日々、大量の取引データを扱っている。そして、複数の金融システムから当該取引データを受信し、様々なデータへ加工し、分析することで、当該金融取引の関係者へ有用なデータを提供する情報システムである取引データ処理システムが必要とされている。このような取引データ処理システムの一例として、総合的に資産負債管理を行うALM(Asset Liability Management)システムがある。
【0003】
ALMは、資産と負債とを総合的に管理する手法である。そして、ALMシステムは、国内及び海外主要拠点におけるバンキングポジションの損益及びリスクを日次で把握することで、円貨(国内の円貨ポジション)及び外貨(国内の円以外、及び海外拠点ポジション)のALM業務をサポートし、金利や為替の変動リスクを一元的に管理するシステムである。ALMシステムの算出項目は、損益及びリスクである。算出項目としての損益は、期間損益と評価損益を合算した総合損益である。また、算出項目としてのリスクは、総合損益の金利感応度としての金利リスク及びマチュリティーラダーとしての流動性リスクである。バンキングポジションは、取引から生じるキャッシュフロー(CF)と市場金利で調達した資金からのCFを吻合させ、将来に渡って発生するCF(利息収支)を主な金利リスクと位置付ける。上記の利息収支の現在価値に償還差益を合わせて総合損益とする。
【0004】
上述したALMシステムの一例が特許文献1に開示されている。特許文献1にかかる銀行ALMシステムは、統一した計算方法や評価方法で普遍性をもって正確かつ効率的にALM業務を行うものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−303036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ALMシステムでは、上流にある複数の金融システムから、異なるフォーマット及び異なるタイミング(不定期)で取引データを受領し、これらのデータから上述した損益及びリスクを把握する必要がある。また、ALMシステムで処理対象とする取引データは、大量であるため、金融取引により残高に更新のあったデータ、つまり、差分データのみを取引データとして受領している。そして、取引単位に取引の終了を迎えるまで時系列的に取引データを蓄積する。ここで、差分データは、一連の金融取引を識別する取引番号と、当該金融取引の更新結果である残高と、当該金融取引の残高の変更日を示すデータ基準日とを含むものである。図14は、このような取引データの例を示す図である。
【0007】
ALM業務では、上述した損益及びリスクの把握のために、上述した取引データの中から当該金融取引について任意の時点における残高を抽出する必要がある。しかしながら、上述した取引データは、データ基準日ごとでしか管理されていないため、任意の時点における残高を抽出するためには、複雑なデータ抽出手段が必要となる。
【0008】
例えば、図15は、上述した取引データの中から任意の時点におけるレコードを抽出するためのSQL(Structured Query Language)文の例である。図15に示すSQL文は、Select文の中にSelect文が存在する副問い合わせであるため、処理効率が悪い。それ故、従来のALMシステムでは、データ検索速度が低下し、また、システムリソース使用量の増加といった問題点がある。また、ALMシステムを利用して、ALM業務を行うエンドユーザが使用するユーザインタフェースからは、簡易なSQL文しか実行できないために、副問い合わせのような複雑なSQL文が実行できない。そのため、エンドユーザは、任意の時点における残高を抽出するためには、複数の簡易なSQL文を組み合わせて実行しなければならず、作業負荷が高いという問題点もある。また、特許文献1では、上述した課題を解決するものではない。
【0009】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、複数の金融システムから異なるフォーマット及びタイミングで収集される金融取引の取引データに対して、データ検索の効率を向上する取引データ処理方法、システム及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様にかかる取引データ処理方法は、ネットワークを介して接続された金融システムから金融取引を識別する取引識別情報と、当該金融取引の残高と、当該金融取引の残高の変更日を示すデータ基準日とを含む取引データを受信し、処理する方法である。前記受信した取引データに含まれる取引識別情報と同じ取引識別情報を有する過去の取引データの内、最新の取引データを取引データ記憶部から取得する最新取引データ取得ステップと、前記最新取引データ取得ステップにより取得された取引データに含まれる残高の有効期限日を、前記受信した取引データに含まれるデータ基準日の前日として更新する更新ステップと、前記受信した取引データの有効期限日を将来の日付として前記取引データ記憶部へ登録する登録ステップと、を含む。
【0011】
また、前記取引データについて、検索対象日を含む検索要求を受け付ける受付ステップと、前記データ基準日が前記検索要求に含まれる検索対象日以前、かつ、前記有効期限日が当該検索対象日以後である取引データを前記取引データ記憶部から抽出するデータ抽出ステップと、をさらに含むことが望ましい。
【0012】
また、取引データを削除しない日付である第1の非削除基準日を入力する第1の入力ステップと、前記データ基準日が前記第1の入力ステップにより入力された第1の非削除基準日以前、かつ、前記有効期限日が当該第1の非削除基準日以後である取引データを前記取引データ記憶部から取得する、第1の取得ステップと、前記第1の非削除基準日より前の日付である第2の非削除基準日を入力する第2の入力ステップと、前記データ基準日が前記第2の入力ステップにより入力された第2の非削除基準日以前、かつ、前記有効期限日が当該第2の非削除基準日以後である取引データを前記取引データ記憶部から取得する、第2の取得ステップと、前記第1の取得ステップにより取得された取引データのデータ基準日と、前記第2の取得ステップにより取得された取引データのデータ基準日との間となるデータ基準日を含む取引データを前記取引データ記憶部から削除するデータ削除ステップと、をさらに含むことが望ましい。
【0013】
さらに、前記取引データ記憶部を参照し、前記データ基準日が前記第1の入力ステップにより入力された第1の非削除基準日と一致する取引データが存在するか否かを判定する第1の一致判定ステップと、前記取引データ記憶部を参照し、前記データ基準日が前記第2の入力ステップにより入力された第2の非削除基準日と一致する取引データが存在するか否かを判定する第2の一致判定ステップと、をさらに備え、前記第1の取得ステップは、前記第1の一致判定ステップにより前記データ基準日が前記第1の非削除基準日と一致する取引データが存在すると判定された場合、当該一致する取引データを前記取引データ記憶部から取得し、前記第1の一致判定ステップにより前記データ基準日が前記第1の非削除基準日と一致する取引データが存在しないと判定された場合、前記データ基準日が前記第1の非削除基準日以前、かつ、前記有効期限日が当該第1の非削除基準日以後である取引データを前記取引データ記憶部から取得し、前記第2の取得ステップは、前記第2の一致判定ステップにより前記データ基準日が前記第2の非削除基準日と一致する取引データが存在すると判定された場合、当該一致する取引データを前記取引データ記憶部から取得し、前記第2の一致判定ステップにより前記データ基準日が前記第2の非削除基準日と一致する取引データが存在しないと判定された場合、前記データ基準日が前記第2の非削除基準日以前、かつ、前記有効期限日が当該第2の非削除基準日以後である取引データを前記取引データ記憶部から取得するとよい。
【0014】
または、前記取引データ記憶部を参照し、前記データ基準日が前記第1の非削除基準日以前、かつ、前記有効期限日が当該第1の非削除基準日以後である取引データが存在するか否かを判定する第1の範囲判定ステップと、前記取引データ記憶部を参照し、前記データ基準日が前記第2の非削除基準日以前、かつ、前記有効期限日が当該第2の非削除基準日以後である取引データが存在するか否かを判定する第2の範囲判定ステップと、をさらに備え、前記第1の取得ステップは、前記第1の範囲判定ステップにより当該取引データが存在しないと判定された場合、前記第1の非削除基準日より前のデータ基準日を含む取引データの内、最新の取引データを前記取引データ記憶部から取得し、前記第2の取得ステップは、前記第2の範囲判定ステップにより当該取引データが存在しないと判定された場合、前記第2の非削除基準日より前のデータ基準日を含む取引データの内、最新の取引データを前記取引データ記憶部から取得するとよい。
【0015】
さらに、前記データ削除ステップは、前記データ基準日が前記第2の取得ステップにより取得された取引データの有効期限日より後、かつ、前記有効期限日が前記第1の取得ステップにより取得された取引データのデータ基準日より前である取引データを前記取引データ記憶部から削除するとよい。
【0016】
または、取引データを削除しない日付である第1の非削除基準日を入力する第1の入力ステップと、前記取引データ記憶部を参照し、前記データ基準日が前記第1の入力ステップにより入力された第1の非削除基準日と一致する取引データが存在するか否かを判定する第1の一致判定ステップと、前記第1の一致判定ステップにより前記データ基準日が前記第1の非削除基準日と一致する取引データが存在すると判定された場合、当該一致する取引データを前記取引データ記憶部から取得し、前記第1の一致判定ステップにより前記データ基準日が前記第1の非削除基準日と一致する取引データが存在しないと判定された場合、前記第1の非削除基準日より前のデータ基準日を含む取引データの内、最新の取引データを前記取引データ記憶部から取得する第1の取得ステップと、前記第1の非削除基準日より前の日付である第2の非削除基準日を入力する第2の入力ステップと、前記取引データ記憶部を参照し、前記データ基準日が前記第2の入力ステップにより入力された第2の非削除基準日と一致する取引データが存在するか否かを判定する第2の一致判定ステップと、前記第2の一致判定ステップにより前記データ基準日が前記第2の非削除基準日と一致する取引データが存在すると判定された場合、当該一致する取引データを前記取引データ記憶部から取得し、前記第2の一致判定ステップにより前記データ基準日が前記第2の非削除基準日と一致する取引データが存在しないと判定された場合、前記第2の非削除基準日より前のデータ基準日を含む取引データの内、最新の取引データを前記取引データ記憶部から取得する第2の取得ステップと、前記データ基準日が前記第2の取得ステップにより取得された取引データの有効期限日より後、かつ、前記有効期限日が前記第1の取得ステップにより取得された取引データのデータ基準日より前である取引データを前記取引データ記憶部から削除するデータ削除ステップと、をさらに含むとよい。
【0017】
本発明の第2の態様にかかる取引データ処理システムは、ネットワークを介して接続された金融システムから金融取引における取引データを受信し、処理するものである。前記金融取引を識別する取引識別情報と、当該金融取引の残高と、当該金融取引の残高の変更日を示すデータ基準日と、当該残高の有効期限日とを含む取引データを記憶する取引データ記憶部と、前記受信した取引データを処理する制御部とを備え、前記制御部は、前記受信した取引データに含まれる取引識別情報と同じ取引識別情報を有する過去の取引データの内、最新の取引データを前記取引データ記憶部から取得する最新取引データ取得手段と、前記最新取引データ取得手段により取得された取引データに含まれる有効期限日を、前記受信した取引データに含まれるデータ基準日の前日として更新する更新手段と、前記受信した取引データの有効期限日を将来の日付として前記取引データ記憶部へ登録する登録手段と、を備える。
【0018】
また、前記制御部は、前記取引データについて、検索対象日を含む検索要求を受け付ける受付手段と、前記データ基準日が前記検索要求に含まれる検索対象日以前、かつ、前記有効期限日が当該検索対象日以後である取引データを前記取引データ記憶部から抽出するデータ抽出手段と、をさらに備えることが望ましい。
【0019】
また、前記取引データ処理システムは、取引データを削除しない日付である複数の非削除基準日を記憶する非削除基準日記憶部をさらに備え、前記制御部は、前記非削除基準日記憶部から前記複数の非削除基準日のいずれかを取得する非削除基準日取得手段と、前記非削除基準日取得手段により取得された非削除基準日に応じた取引データを前記取引データ記憶部から取得する取得手段と、前記取得手段により取得されない取引データを前記取引データ記憶部から削除する削除手段とをさらに備え、前記非削除基準日取得手段は、前記非削除基準日記憶部から第1の非削除基準日を取得し、前記取得手段は、前記データ基準日が前記非削除基準日取得手段により取得された第1の非削除基準日以前、かつ、前記有効期限日が当該第1の非削除基準日以後である第1の取引データを前記取引データ記憶部から取得し、前記非削除基準日取得手段は、前記非削除基準日記憶部から前記第1の非削除基準日より前の日付である第2の非削除基準日を取得し、前記取得手段は、前記データ基準日が前記非削除基準日取得手段により取得された第2の非削除基準日以前、かつ、前記有効期限日が当該第2の非削除基準日以後である第2の取引データを前記取引データ記憶部から取得し、前記削除手段は、前記第1の取引データのデータ基準日と、前記第2の取引データのデータ基準日との間となるデータ基準日を含む取引データを前記取引データ記憶部から削除する、ことが望ましい。
【0020】
さらに、前記制御部は、前記取引データ記憶部を参照し、前記データ基準日が前記非削除基準日と一致する取引データが存在するか否かを判定する一致判定手段とをさらに備え、前記一致判定手段は、前記データ基準日が前記第1の非削除基準日と一致する取引データが存在するか否かを判定し、前記取得手段は、前記一致判定手段により前記データ基準日が前記第1の非削除基準日と一致する取引データが存在すると判定された場合、当該一致する取引データを前記第1の取引データとして前記取引データ記憶部から取得し、前記一致判定手段により前記データ基準日が前記第1の非削除基準日と一致する取引データが存在しないと判定された場合、前記データ基準日が前記第1の非削除基準日以前、かつ、前記有効期限日が当該第1の非削除基準日以後である取引データを前記第1の取引データとして前記取引データ記憶部から取得し、前記一致判定手段は、前記データ基準日が前記第2の非削除基準日と一致する取引データが存在するか否かを判定し、前記取得手段は、前記一致判定手段により前記データ基準日が前記第2の非削除基準日と一致する取引データが存在すると判定された場合、当該一致する取引データを前記第2の取引データとして前記取引データ記憶部から取得し、前記一致判定手段により前記データ基準日が前記第2の非削除基準日と一致する取引データが存在しないと判定された場合、前記データ基準日が前記第2の非削除基準日以前、かつ、前記有効期限日が当該第2の非削除基準日以後である取引データを前記第2の取引データとして前記取引データ記憶部から取得するとよい。
【0021】
または、前記制御部は、前記取引データ記憶部を参照し、前記データ基準日が前記非削除基準日以前、かつ、前記有効期限日が当該非削除基準日以後である取引データが存在するか否かを判定する範囲判定手段をさらに備え、前記取得手段は、前記範囲判定手段により、前記データ基準日が前記第1の非削除基準日以前、かつ、前記有効期限日が当該第1の非削除基準日以後である取引データが前記取引データ記憶部に存在しないと判定された場合、前記第1の非削除基準日より前のデータ基準日を含む取引データの内、最新の取引データを前記第1の取引データとして前記取引データ記憶部から取得し、前記範囲判定手段により、前記データ基準日が前記第2の非削除基準日以前、かつ、前記有効期限日が当該第2の非削除基準日以後である取引データが前記取引データ記憶部に存在しないと判定された場合、前記第2の非削除基準日より前のデータ基準日を含む取引データの内、最新の取引データを前記第2の取引データとして前記取引データ記憶部から取得するとよい。
【0022】
さらに、前記削除手段は、前記データ基準日が前記取得手段により取得された第2の取引データの有効期限日より後、かつ、前記有効期限日が前記取得手段により取得された第1の取引データのデータ基準日より前である取引データを前記取引データ記憶部から削除するとよい。
【0023】
または、前記取引データ処理システムは、取引データを削除しない日付である複数の非削除基準日を記憶する非削除基準日記憶部をさらに備え、前記制御部は、前記非削除基準日記憶部から前記複数の非削除基準日のいずれかを取得する非削除基準日取得手段と、前記取引データ記憶部を参照し、前記データ基準日が前記非削除基準日取得手段により取得された非削除基準日と一致する取引データが存在するか否かを判定する一致判定手段と、前記非削除基準日取得手段により取得された非削除基準日に応じた取引データを前記取引データ記憶部から取得する取得手段と、前記取得手段により取得されない取引データを前記取引データ記憶部から削除する削除手段とをさらに備え、前記非削除基準日取得手段は、前記非削除基準日記憶部から第1の非削除基準日を取得し、前記一致判定手段は、前記データ基準日が前記非削除基準日取得手段により取得された第1の非削除基準日と一致する取引データが存在するか否かを判定し、前記取得手段は、前記一致判定手段により前記データ基準日が前記第1の非削除基準日と一致する取引データが存在すると判定された場合、当該一致する取引データを第1の取引データとして前記取引データ記憶部から取得し、前記一致判定手段により前記データ基準日が前記第1の非削除基準日と一致する取引データが存在しないと判定された場合、前記第1の非削除基準日より前のデータ基準日を含む取引データの内、最新の取引データを前記第1の取引データとして前記取引データ記憶部から取得し、前記非削除基準日取得手段は、前記非削除基準日記憶部から前記第1の非削除基準日より前の日付である第2の非削除基準日を取得し、前記一致判定手段は、前記データ基準日が前記非削除基準日取得手段により取得された第2の非削除基準日と一致する取引データが存在するか否かを判定し、前記取得手段は、前記一致判定手段により前記データ基準日が前記第2の非削除基準日と一致する取引データが存在すると判定された場合、当該一致する取引データを第2の取引データとして前記取引データ記憶部から取得し、前記一致判定手段により前記データ基準日が前記第2の非削除基準日と一致する取引データが存在しないと判定された場合、前記第2の非削除基準日より前のデータ基準日を含む取引データの内、最新の取引データを前記第2の取引データとして前記取引データ記憶部から取得し、前記削除手段は、前記データ基準日が前記取得手段により取得された第2の取引データの有効期限日より後、かつ、前記有効期限日が前記取得手段により取得された第1の取引データのデータ基準日より前である取引データを前記取引データ記憶部から削除するとよい。
【0024】
本発明の第3の態様にかかる取引データ処理プログラムは、ネットワークを介して接続された金融システムから金融取引における取引データを受信し、処理する取引データ処理をコンピュータに実行させるものである。前記金融取引を識別する取引識別情報と、当該金融取引の残高と、当該金融取引の残高の変更日を示すデータ基準日と、当該残高の有効期限日とを含む取引データを記憶する取引データ記憶部を参照し、前記受信した取引データに含まれる取引識別情報と同じ取引識別情報を有する過去の取引データの内、最新の取引データを前記取引データ記憶部から取得する最新取引データ取得ステップと、前記最新取引データ取得ステップにより取得された取引データに含まれる残高の有効期限日を、前記受信した取引データに含まれるデータ基準日の前日として更新する更新ステップと、前記受信した取引データの有効期限日を将来の日付として前記取引データ記憶部へ登録する登録ステップと、を有する。
【0025】
また、前記取引データについて、検索対象日を含む検索要求を受け付ける受付ステップと、前記データ基準日が前記検索要求に含まれる検索対象日以前、かつ、前記有効期限日が当該検索対象日以後である取引データを前記取引データ記憶部から抽出するデータ抽出ステップと、をさらに有することが望ましい。
【0026】
また、取引データを削除しない日付である第1の非削除基準日を入力する第1の入力ステップと、前記データ基準日が前記第1の入力ステップにより入力された第1の非削除基準日以前、かつ、前記有効期限日が当該第1の非削除基準日以後である取引データを前記取引データ記憶部から取得する、第1の取得ステップと、前記第1の非削除基準日より前の日付である第2の非削除基準日を入力する第2の入力ステップと、前記データ基準日が前記第2の入力ステップにより入力された第2の非削除基準日以前、かつ、前記有効期限日が当該第2の非削除基準日以後である取引データを前記取引データ記憶部から取得する、第2の取得ステップと、前記第1の取得ステップにより取得された取引データのデータ基準日と、前記第2の取得ステップにより取得された取引データのデータ基準日との間となるデータ基準日を含む取引データを前記取引データ記憶部から削除するデータ削除ステップと、をさらに有することが望ましい。
【0027】
さらに、前記取引データ記憶部を参照し、前記データ基準日が前記第1の入力ステップにより入力された第1の非削除基準日と一致する取引データが存在するか否かを判定する第1の一致判定ステップと、前記取引データ記憶部を参照し、前記データ基準日が前記第2の入力ステップにより入力された第2の非削除基準日と一致する取引データが存在するか否かを判定する第2の一致判定ステップと、をさらに有し、前記第1の取得ステップは、前記第1の一致判定ステップにより前記データ基準日が前記第1の非削除基準日と一致する取引データが存在すると判定された場合、当該一致する取引データを前記取引データ記憶部から取得し、前記第1の一致判定ステップにより前記データ基準日が前記第1の非削除基準日と一致する取引データが存在しないと判定された場合、前記データ基準日が前記第1の非削除基準日以前、かつ、前記有効期限日が当該第1の非削除基準日以後である取引データを前記取引データ記憶部から取得し、前記第2の取得ステップは、前記第2の一致判定ステップにより前記データ基準日が前記第2の非削除基準日と一致する取引データが存在すると判定された場合、当該一致する取引データを前記取引データ記憶部から取得し、前記第2の一致判定ステップにより前記データ基準日が前記第2の非削除基準日と一致する取引データが存在しないと判定された場合、前記データ基準日が前記第2の非削除基準日以前、かつ、前記有効期限日が当該第2の非削除基準日以後である取引データを前記取引データ記憶部から取得するとよい。
【0028】
または、前記取引データ記憶部を参照し、前記データ基準日が前記第1の非削除基準日以前、かつ、前記有効期限日が当該第1の非削除基準日以後である取引データが存在するか否かを判定する第1の範囲判定ステップと、前記取引データ記憶部を参照し、前記データ基準日が前記第2の非削除基準日以前、かつ、前記有効期限日が当該第2の非削除基準日以後である取引データが存在するか否かを判定する第2の範囲判定ステップと、をさらに備え、前記第1の取得ステップは、前記第1の範囲判定ステップにより当該取引データが存在しないと判定された場合、前記第1の非削除基準日より前のデータ基準日を含む取引データの内、最新の取引データを前記取引データ記憶部から取得し、前記第2の取得ステップは、前記第2の範囲判定ステップにより当該取引データが存在しないと判定された場合、前記第2の非削除基準日より前のデータ基準日を含む取引データの内、最新の取引データを前記取引データ記憶部から取得するとよい。
【0029】
さらに、前記データ削除ステップは、前記データ基準日が前記第2の取得ステップにより取得された取引データの有効期限日より後、かつ、前記有効期限日が前記第1の取得ステップにより取得された取引データのデータ基準日より前である取引データを前記取引データ記憶部から削除するとよい。
【0030】
または、取引データを削除しない日付である第1の非削除基準日を入力する第1の入力ステップと、前記取引データ記憶部を参照し、前記データ基準日が前記第1の入力ステップにより入力された第1の非削除基準日と一致する取引データが存在するか否かを判定する第1の一致判定ステップと、前記第1の一致判定ステップにより前記データ基準日が前記第1の非削除基準日と一致する取引データが存在すると判定された場合、当該一致する取引データを前記取引データ記憶部から取得し、前記第1の一致判定ステップにより前記データ基準日が前記第1の非削除基準日と一致する取引データが存在しないと判定された場合、前記第1の非削除基準日より前のデータ基準日を含む取引データの内、最新の取引データを前記取引データ記憶部から取得する第1の取得ステップと、前記第1の非削除基準日より前の日付である第2の非削除基準日を入力する第2の入力ステップと、前記取引データ記憶部を参照し、前記データ基準日が前記第2の入力ステップにより入力された第2の非削除基準日と一致する取引データが存在するか否かを判定する第2の一致判定ステップと、前記第2の一致判定ステップにより前記データ基準日が前記第2の非削除基準日と一致する取引データが存在すると判定された場合、当該一致する取引データを前記取引データ記憶部から取得し、前記第2の一致判定ステップにより前記データ基準日が前記第2の非削除基準日と一致する取引データが存在しないと判定された場合、前記第2の非削除基準日より前のデータ基準日を含む取引データの内、最新の取引データを前記取引データ記憶部から取得する第2の取得ステップと、前記データ基準日が前記第2の取得ステップにより取得された取引データの有効期限日より後、かつ、前記有効期限日が前記第1の取得ステップにより取得された取引データのデータ基準日より前である取引データを前記取引データ記憶部から削除するデータ削除ステップと、をさらに含むとよい。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、複数の金融システムから異なるフォーマット及びタイミングで収集される金融取引の取引データに対して、データ検索の効率を向上する取引データ処理方法、システム及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施の形態1にかかるALMシステムを含む全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1にかかる分析サーバの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1にかかるデータ収集処理の流れを示すフローチャート図である。
【図4】本発明の実施の形態1にかかるデータ登録分析処理の流れを示すフローチャート図である。
【図5】本発明の実施の形態1におけるデータ登録分析処理による実行結果を例示する図である。
【図6】本発明の実施の形態1にかかるデータ抽出方法の一例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態2にかかるALMシステムを含む全体構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の実施の形態2にかかる分析サーバの構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の実施の形態2にかかるデータ保存期間の例を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態2にかかる不要データ削除処理の流れを示すフローチャート図である。
【図11】本発明の実施の形態2にかかる不要データ削除処理(週次削除)の例を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態2にかかる不要データ削除処理(月次削除)の例を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態3にかかる不要データ削除処理の流れを示すフローチャート図である。
【図14】従来の取引データの例を示す図である。
【図15】従来のデータ抽出方法の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下では、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略する。
【0034】
<発明の実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1にかかるALMシステム3を含む全体構成を示すブロック図である。ALMシステム3は、ネットワーク2を介して接続された金融システム群1から金融取引における取引データを受信し、処理する取引データ処理システムである。また、ALMシステム3は、ネットワーク2を介して端末4にも接続されている。ネットワーク2は、インターネット、公衆網、専用線及び移動体通信網等の通信ネットワークであればよい。尚、金融システム群1と端末4とは、異なるネットワークに接続されたものであってもよい。金融システム群1と端末4とは、少なくともALMシステム3と通信可能なものであればよい。
【0035】
金融システム群1は、融資、預金、債券などの金融取引を扱う金融システムの集合であり、国内金融システム群11及び海外金融システム群12を含む。また、国内金融システム群11は、国内の融資を管理する融資管理システム111、国内の預金を管理する預金管理システム112及び国内の債券を管理する債券管理システム113等を含む。海外金融システム群12は、海外の融資を管理する融資管理システム121、海外の預金を管理する預金管理システム122及び海外の債券を管理する債券管理システム123等を含む。尚、金融システム群1に含まれる金融システムは、これらに限定されない。
【0036】
融資管理システム111、預金管理システム112、債券管理システム113、融資管理システム121、預金管理システム122及び債券管理システム123は、日々行われる金融取引により残高が変更されたものについて、ネットワーク2を介して、それぞれ異なるフォーマット及び異なるタイミングで取引データをALMシステム3へ送信する。ここで、金融システム群1に含まれる金融システムから送信される取引データは、少なくとも金融取引を識別する取引識別情報としての取引番号と、当該金融取引の残高と、当該金融取引の残高の変更日を示すデータ基準日とを含む。しかし、上述した金融システムから送信される取引データは、取引識別情報、残高、データ基準日以外のデータ項目については、共通している必要はない。例えば、金融システムから送信される取引データは、図14で示すようなものであればよい。
【0037】
端末4は、ALMシステム3に対して、取引データについての検索対象日を含む検索要求を送信し、検索結果を受信し、画面等の表示装置に表示する端末である。また、端末4は、簡易なSQL文を実行できるユーザインタフェースを備え、当該ユーザインタフェースにより入力された検索要求を送信する。端末4は、例えば、通信機能を備えたパーソナルコンピュータであればよい。尚、本発明の実施の形態1にかかる端末4の台数は、これに限定されない。
【0038】
ALMシステム3は、金融システム群1から送信される取引データを受信し、取引データについて各種処理を行うことで総合的に資産負債管理を行うものである。ALMシステム3は、データ収集サーバ31と分析サーバ32とを備える。
【0039】
データ収集サーバ31は、金融システム群1から取引データを受信し、受信した取引データの検査、一時的な格納、正規化、分析サーバ32向けのIF(InterFace)ファイルを作成し、分析サーバ32へIFファイルを送信するというデータ収集処理を行う。このように、データ収集サーバ31は、複数の金融システムから異なるフォーマット及びタイミングで収集される金融取引の取引データに対してALMシステム3で処理するために必要なデータフォーマットへ変換することができる。また、データ収集サーバ31は、コンピュータシステムにより構成され、データ検査情報記憶部311及び受信データ記憶部312を備える。
【0040】
データ検査情報記憶部311は、データ基準日の正当性やデータフォーマット等の各種検査を行うためのデータ検査情報を記憶する記憶装置である。受信データ記憶部312は、受信データを金融システム単位及び金融取引の商品単位に一時的に格納する記憶装置である。
【0041】
分析サーバ32は、データ収集サーバ31からIFファイルを受信し、IFファイルに含まれる取引データを処理して、登録するというデータ登録分析処理を行う。また、分析サーバ32は、端末4からの検索対象日を含む検索要求を受信し、検索結果を端末4へ送信する。分析サーバ32は、コンピュータシステムにより構成され、取引データ記憶部321及び計算結果記憶部322を備える。
【0042】
取引データ記憶部321は、金融取引を識別する取引識別情報と、当該金融取引の残高と、当該金融取引の残高の変更日を示すデータ基準日と、当該残高の有効期限日とを含む取引データを格納する記憶装置である。また、計算結果記憶部322は、分析サーバ32により取引データ記憶部321に格納された取引データに所定の計算が行われた結果である計算結果を格納する記憶装置である。
【0043】
尚、データ検査情報記憶部311、受信データ記憶部312、取引データ記憶部321及び計算結果記憶部322は、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶装置である。
【0044】
図2は、本発明の実施の形態1にかかる分析サーバ32の構成を示すブロック図である。分析サーバ32は、取引データ記憶部321と、計算結果記憶部322と、ハードディスク323と、CPU(Central Processing Unit)324と、RAM(Random Access Memory)325と、ROM(Read Only Memory)326と、通信部327とを備える。また、ハードディスク323は、不揮発性記憶装置であり、OS(Operating System)51及びデータ登録分析処理が実装された取引データ処理プログラム52が格納されている。尚、ハードディスク323は、取引データ記憶部321及び計算結果記憶部322をさらに含むものであってもよい。
【0045】
CPU324は、分析サーバ32における各種処理、すなわち、各種プログラムの処理、RAM325、ROM326、通信部327、取引データ記憶部321、計算結果記憶部322及びハードディスク323へのアクセス等を制御する。通信部327は、データ収集サーバ31からIFファイルを受信し、ネットワーク2を介して、金融システム群1及び端末4との通信を行う。
【0046】
分析サーバ32は、CPU324が、RAM325、ROM326又はハードディスク323に格納されたOS51及び取引データ処理プログラム52を読み込み、実行する。これにより、分析サーバ32は、データ登録分析処理を含む各種処理を行うことができる。
【0047】
尚、データ収集サーバ31の構成は、図2と同様であるため、図示及び説明を省略する。但し、データ収集サーバ31の構成は、図2における取引データ記憶部321及び計算結果記憶部322からデータ検査情報記憶部311及び受信データ記憶部312に、また、取引データ処理プログラム52からデータ収集処理が実装されたデータ収集処理プログラムに置き換わったものである。
【0048】
図3は、本発明の実施の形態1にかかるデータ収集処理の流れを示すフローチャート図である。まず、データ収集サーバ31は、金融システム群1に含まれる金融システムのいずれかから取引データを受信する(S11)。尚、データ収集サーバ31は、金融システム群1に含まれる金融システムのいずれかから、別々のタイミングで取引データのファイルを受信し、それぞれの取引データについてデータ収集処理を実行する。
【0049】
次に、データ収集サーバ31は、受信した取引データを検査する(S12)。具体的には、データ収集サーバ31は、受信した取引データを解析し、データ基準日を抽出し、また、データフォーマットを認識する。そして、データ収集サーバ31は、データ検査情報記憶部311を参照してこれらが正当なものであるか否かを判定する。例えば、データ収集サーバ31は、受信した取引データが本来、送信されるべき日付に該当するか否かを判定する。このとき、受信した取引データが正当なものでない場合、データ収集サーバ31は、エラー出力するなどして、当該データ収集処理を終了することが望ましい。
【0050】
続いて、データ収集サーバ31は、受信した取引データをデータベースへ格納する(S13)。ここでは、データ収集サーバ31は、受信した取引データを金融システム単位及び金融取引の商品単位にそのフォーマットに応じて受信データ記憶部312へ格納する。つまり、データ収集サーバ31は、以降の正規化処理のために、受信した取引データをデータの加工をせずに一時的に受信データ記憶部312へ格納する。尚、金融システム群1に含まれる金融システムから送信される取引データのファイルには、当日の取引データに加え次の営業日の情報、すなわち、次回送信される日付の情報が含まれる。そのため、データ収集サーバ31は、次の営業日の情報をさらにデータ検査情報記憶部311に格納する。
【0051】
その後、データ収集サーバ31は、処理対象データを抽出する(S14)。ここでは、データ収集サーバ31は、受信データ記憶部312からALMシステム3の処理対象とするデータ項目を抽出する。
【0052】
そして、データ収集サーバ31は、処理対象データを正規化する(S15)。すなわち、データ収集サーバ31は、処理対象データのフォーマットに応じた変換を行い、少なくとも取引識別情報、残高及びデータ基準日を含むように正規化する。例えば、データ収集サーバ31は、データ基準日、状態、部店、取引番号、残高を含めた取引データへ正規化する。
【0053】
その後、データ収集サーバ31は、分析サーバ32向けのIFファイルを作成する(S16)。つまり、データ収集サーバ31は、正規化された取引データを所定のファイル形式で保存する。
【0054】
最後に、データ収集サーバ31は、IFファイルを分析サーバ32へ送信する(S17)。例えば、データ収集サーバ31は、分析サーバ32と共通のファイル転送ソフトを用いてIFファイルの送信を行う。
【0055】
このように、本発明の実施の形態1にかかるデータ収集処理により、複数の金融システムから異なるフォーマット及びタイミングで収集される金融取引の取引データに対してALMシステム3で処理するために必要なデータフォーマットへ変換することができる。
【0056】
図4は、本発明の実施の形態1にかかるデータ登録分析処理の流れを示すフローチャート図である。まず、分析サーバ32は、データ収集サーバ31からIFファイルを受信する(S21)。次に、分析サーバ32は、受信したIFファイルから未処理の取引データを抽出する(S22)。
【0057】
続いて、分析サーバ32は、抽出した取引データに含まれる取引番号が存在するか否かを判定する(S23)。例えば、分析サーバ32は、受信したIFファイルを解析し、取引番号を取得する。そして、分析サーバ32は、取引データ記憶部321に対して、当該取引番号を検索キーとした検索を実行する。尚、ステップS23において、抽出した取引データに含まれる取引番号が存在しないと判定された場合、ステップS26へ進む。
【0058】
そして、ステップS23において、受信した取引データに含まれる取引番号が存在すると判定された場合、分析サーバ32は、当該取引番号を有する過去の取引データの内、最新の取引データを取引データ記憶部321から取得する(S24)。続いて、分析サーバ32は、取得した取引データの有効期限日を受信した取引データのデータ基準日の前日として更新する(S25)。
【0059】
その後、分析サーバ32は、受信した取引データの有効期限日を将来の日付として、受信した取引データを取引データ記憶部321へ登録する(S26)。つまり、受信した取引データは、常に将来日が設定される。ここでは、将来日を「2999/12/31」とする。そのため、分析サーバ32は、ステップS25において、有効期限日を「2999/12/31」からデータ基準日の前日へ更新することとなる。
【0060】
尚、分析サーバ32は、ステップS24において、当該取引番号に一致する取引データの内、有効期限日が「2999/12/31」であるデータを取得してもよい。または、分析サーバ32は、当該取引番号に一致する取引データの内、データ基準日が最新の日付であるデータを取得してもよい。
【0061】
また、分析サーバ32は、IFファイルの全ての取引データが処理済みか否かを判定する(S27)。ステップS27において、全ての取引データが処理済みと判定された場合、ステップS28へ進む。また、ステップS27において、未処理の取引データが存在すると判定された場合、ステップS22へ戻る。
【0062】
その後、分析サーバ32は、日次定例計算処理を起動する(S28)。日次定例計算処理とは、例えば、所定の日付における複数の取引番号における残高合計を求める計算などであるとよい。尚、日次定例計算処理は、これに限定されない。ここで、分析サーバ32は、日次定例計算処理の中で、取引データについて、検索対象日を含む検索要求を受け付ける。
【0063】
続いて、分析サーバ32は、任意の時点で有効なデータを抽出する(S29)。すなわち、分析サーバ32は、任意の時点を検索対象日として、データ基準日が検索対象日以前、かつ、有効期限日が検索対象日以後である取引データを取引データ記憶部321から抽出する。図6は、本発明の実施の形態1にかかるデータ抽出方法の一例を示す図である。このように、データ基準日に加え有効期限日を用いることで、図6に示すデータ抽出方法では、図15に示す従来のデータ抽出方法より簡易に実現できる。その後、分析サーバ32は、抽出された取引データにより所定の計算を実行し、計算結果を計算結果記憶部322へ格納する(S30)。
【0064】
尚、ステップS28は、日次定例計算処理に限定されず、端末4からネットワーク2を介して検索要求を受け付けるようにしても構わない。その際、ステップS29において抽出された取引データを、ステップS30において端末4へ送信するようにするとよい。
【0065】
このように、本発明の実施の形態1にかかるデータ登録分析処理により、データ基準日に加えて直後のデータのデータ基準日の前日を有効期限日に設定することができる。そのため、所定の金融取引について、残高が変更された複数の取引データを時系列で管理することができる。さらに、任意の時点で有効なデータを検索して抽出することができ、所定の計算により金融取引の分析を行うことができる。そのため、ALMシステム3は、総合的な資産負債管理を行うことができる。
【0066】
尚、本発明の実施の形態1にかかる分析サーバ32は、少なくとも次に説明する最新取引データ取得手段と、更新手段と、登録手段とを備えるものである。最新取引データ取得手段は、受信した取引データに含まれる取引識別情報と同じ取引識別情報を有する過去の取引データの内、最新の取引データを取引データ記憶部321から取得する。また、更新手段は、最新取引データ取得手段により取得された取引データに含まれる有効期限日を、受信した取引データに含まれるデータ基準日の前日として更新する。そして、登録手段は、受信した取引データの有効期限日を将来の日付として取引データ記憶部321へ登録する。このように、分析サーバ32は、受信した取引データには存在しない有効期限日の情報を付加することに加え、当該受信した取引データのデータ基準日の前日を直前の取引データにおける有効期限日に設定するものである。そのため、同一の取引識別情報についての取引データは、任意の時点において一つに特定することができる。よって、ある取引識別情報における任意の時点の残高を抽出するために、データ検索を容易に行うことができ、効率を向上することができる。
【0067】
また、分析サーバ32は、予め登録された日次の定例計算処理を実行し、定例計算処理に含まれる取引データへの検索要求を受け付けて、登録された取引データのうち、所望の検索対象日に該当する取引データを抽出し、所定の計算を行う。すなわち、分析サーバ32は、受付手段と、データ抽出手段と、計算手段とを備える。受付手段は、取引データについて、検索対象日を含む検索要求を受け付ける。また、データ抽出手段は、データ基準日が検索要求に含まれる検索対象日以前、かつ、有効期限日が当該検索対象日以後である取引データを取引データ記憶部321から抽出する。そして、計算手段は、データ抽出手段により抽出された取引データにより、所定の計算を行う。これにより、任意の時点として検索対象日が指定された場合、取引データのデータ基準日と有効期限日とを用いて、容易に該当する取引データを抽出し、ALMに必要な各種処理を行うことができる。
【0068】
さらに、分析サーバ32は、受付手段により端末4からネットワーク2を介して検索要求を受け付け、データ抽出手段により抽出された取引データを端末4へ送信する送信手段をさらに備えるようにするとよい。これにより、端末4が備える簡易な検索のユーザインタフェースを使用して、取引データの検索を行うことができる。
【0069】
図5は、本発明の実施の形態1におけるデータ登録分析処理による実行結果を例示する図である。以下、図5の例を用いて、図4のデータ登録分析処理を説明する。前提として、取引データ記憶部321には、取引番号「1001」における取引データが格納されていないものとする。
【0070】
まず、分析サーバ32は、データ基準日「2008/5/1」、取引番号「1001」、残高「100,000,000」である取引データを受信する。そして、取引番号「1001」に該当する取引データが取引データ記憶部321に存在しないため、分析サーバ32は、受信した取引データの有効期限日を「2999/12/31」として、取引データ記憶部321へ格納する。その後、金融システム群1に含まれる金融システムにおいて、「2008/8/1」に取引番号「1001」の残高が「80,000,000」に変更されたとする。このとき、分析サーバ32は、データ基準日「2008/8/1」、取引番号「1001」、残高「80,000,000」である取引データを受信する。そして、取引番号「1001」に該当する取引データが取引データ記憶部321に存在するため、分析サーバ32は、データ基準日「2008/5/1」のレコードを取引データ記憶部321から取得し、有効期限日を「2008/8/1」の前日である「2008/7/31」として更新する。その後、分析サーバ32は、受信したデータ基準日「2008/8/1」である取引データの有効期限日を「2999/12/31」として、取引データ記憶部321へ格納する。
【0071】
このように、本発明の実施の形態1にかかるALMシステム3では、取引データの有効期限日を直後の取引データのデータ基準日の前日として設定するものである。そのため、任意の時点におけるデータ検索を行う際に、図15で示したような副問い合わせを含むSQL文を必要とせず、図6に示すような簡易なSQL文のみで抽出することが可能となる。つまり、従来に比べて、データ検索速度が向上する。同時に、システムリソース使用量も抑えることができる。
【0072】
さらに、ALMシステム3を利用して、ALM業務を行うエンドユーザが使用する端末4が備えるユーザインタフェースから、簡易なSQL文を実行することで、任意の時点における残高を抽出することができる。そのため、従来に比べて、複数の簡易なSQL文を組み合わせて実行する必要がなく、作業負荷が低いという効果を奏する。
【0073】
以上のことから、本発明の実施の形態1にかかるALMシステム3により、複数の金融システムから異なるフォーマット及びタイミングで収集される金融取引の取引データに対して、データ検索の効率を向上することができる。
【0074】
<発明の実施の形態2>
本発明の実施の形態1は、受信した取引データを取引データ記憶部321に登録する処理について説明した。ALM業務では、直近の金融取引については、厳密に分析を行う必要がある。また、ある程度時間が経過した金融取引については、厳密性は要求されないものの任意の時点での残高を必要とする。そして、さらに時間が経過したものについては、取引データを必要としない。このように、データの厳密性は、データの保存期間に応じて変化する。そこで、本発明の実施の形態2では、取引データ記憶部321に格納された取引データの内、所定の条件を満たすデータのみ保存し、所定の条件に該当しないデータは不要データとして削除する不要データ削除処理について説明する。
【0075】
本発明の実施の形態2にかかるALMシステム3aは、上述した本発明の実施の形態1にかかるALMシステム3の変形例である。図7は、本発明の実施の形態2にかかるALMシステム3aを含む全体構成を示すブロック図である。ALMシステム3aは、ALMシステム3に比べ、分析サーバ32の代わりに不要データ削除処理をさらに実行することができる分析サーバ32aを備えたものである。尚、図7に記載された構成要素の内、図1と同様のものについては、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0076】
分析サーバ32aは、分析サーバ32と同等のデータ登録分析処理を実行すると共に、所定の間隔で不要データ削除処理を実行して、取引データ記憶部321に格納された取引データの内、不要データを削除するものである。
【0077】
非削除基準日記憶部328は、取引データを削除しない日付である複数の非削除基準日を記憶する記憶装置である。例えば、非削除基準日記憶部328は、非削除基準日として複数の週末の日付又は月末の日付を非削除日定義リストとして有していてもよい。尚、非削除基準日記憶部328は、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶装置でもよいし、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性の記憶装置であってもよい。
【0078】
図8は、本発明の実施の形態2にかかる分析サーバ32aの構成を示すブロック図である。分析サーバ32aは、図2の分析サーバ32に比べ、非削除基準日記憶部328が追加され、ハードディスク323に不要データ削除処理が実装された不要データ削除プログラム53が追加されたものである。ここで、不要データ削除プログラム53は、取引データ処理プログラム52に含めて実装されたものであってもよい。また、非削除基準日記憶部328は、ハードディスク323に含まれるものであってもよい。分析サーバ32aは、CPU324がRAM325、ROM326又はハードディスク323に格納されたOS51及び不要データ削除プログラム53を読み込み、実行する。これにより、分析サーバ32aは、不要データ削除処理を含む各種処理を行うことができる。尚、図8に記載された構成要素の内、図2と同様のものについては、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0079】
図9は、本発明の実施の形態2にかかるデータ保存期間の例を示す図である。図9に示すように、直近2か月以内の取引データについては日次保存が必要とされるため、その期間については不要データが存在せずデータの削除を行う必要がない。しかし、2か月経過後から6か月前の取引データについては、週次保存がされればよく、仮に1週間の間に残高の変更があったとしても直前の残高が取得できればよいものとする。さらに、6か月経過後から25か月前の取引データについては、月次保存がされればよく、仮に1ヶ月の間に残高の変更があったとしても直前の残高が取得できればよいものとする。
【0080】
図10は、本発明の実施の形態2にかかる不要データ削除処理の流れを示すフローチャート図である。以下において分析サーバ32aは、RAM325に予め第1の取引データと第2の取引データとを格納する領域を備えており、初期状態では当該領域には、データが格納されていないものとする。尚、第1の取引データと第2の取引データとを格納する領域は、ハードディスク323内であってもその他の書き換え可能な記憶装置内であっても構わない。
【0081】
まず、分析サーバ32aは、非削除基準日記憶部328から非削除基準日定義リストを取得する(S31)。例えば、当該不要データ削除処理が図9に示す週次保存を行う場合、3か月から6か月前における週末の日付データを含む非削除基準日定義リストが取得される。
【0082】
次に、分析サーバ32aは、非削除基準日定義リストから未選択の非削除基準日を選択する(S32)。このとき、分析サーバ32aは、非削除基準日定義リストに含まれる未選択の非削除基準日の内、最新の日付のものを選択する。そして、分析サーバ32aは、取引データ記憶部321を参照し、データ基準日が非削除基準日と一致する取引データが存在するか否かを判定する(S33)。
【0083】
ステップS33において、データ基準日が非削除基準日と一致する取引データが存在すると判定された場合、分析サーバ32aは、一致する取引データを取得する(S34)。すなわち、分析サーバ32aは、取引データ記憶部321からデータ基準日が非削除基準日である取引データを取得する。
【0084】
また、ステップS33において、データ基準日が非削除基準日と一致する取引データが存在しないと判定された場合、分析サーバ32aは、データ基準日が非削除基準日以前、かつ、有効期限日が非削除基準日以後である取引データを取引データ記憶部321から取得する(S35)。
【0085】
その後、分析サーバ32aは、取得したデータを第2の取引データとしてRAM325に保存する(S36)。そして、分析サーバ32aは、RAM325内に第1の取引データが存在するか否かを判定する(S37)。第1の取引データが存在しないと判定された場合、分析サーバ32aは、RAM325内で第2の取引データを第1の取引データへ複製する(S38)。そして、ステップS32へ戻る。
【0086】
ステップS37において、第1の取引データが存在すると判定された場合、分析サーバ32aは、第1の取引データと第2の取引データの間の取引データを取引データ記憶部321から削除する(S39)。例えば、分析サーバ32aは、データ基準日が第2の取引データの有効期限日より後、かつ、有効期限日が第1の取引データのデータ基準日より前である取引データを特定し、特定された取引データを削除するとよい。又は、分析サーバ32aは、第1の取引データのデータ基準日より前、かつ、第2の取引データのデータ基準日より後であるデータ基準日を有する取引データを特定してもよい。
【0087】
そして、分析サーバ32aは、非削除定義リスト内の非削除基準日が全て選択済みであるか否かを判定する(S40)。全て選択済みでないと判定した場合、分析サーバ32aは、ステップS38へ進む。また、全て選択済みであると判定した場合、分析サーバ32aは、非削除定義リスト内の最古の非削除基準日より前の取引データを全て削除し、不要データ削除処理を終了する。
【0088】
尚、ステップS32において、非削除基準日定義リストに含まれる未選択の非削除基準日の内、最古の日付のものを選択してもよい。その場合、上述した第1の取引データと第2の取引データとを逆にすれば、同等の不要データ削除処理が実現可能である。
【0089】
また、ステップS37において、第1の取引データが存在しないと判定されるのは、初回時のみであるため、ステップS37の処理の代わりに、ステップS32乃至S36の処理について1回目のみ、ステップS36において、取得したデータを第1の取引データへ格納し、2回目以降は、ステップS36において、取得したデータを第2の取引データへ格納するようにしてもよい。
【0090】
尚、本発明の実施の形態2にかかる分析サーバ32aは、少なくとも次に説明する非削除基準日取得手段と、取得手段と、削除手段とを備えるものである。非削除基準日取得手段は、非削除基準日記憶部328から複数の非削除基準日のいずれかを取得する。また、取得手段は、非削除基準日取得手段により取得された非削除基準日に応じた取引データを取引データ記憶部321から取得する。そして、削除手段は、取得手段により取得されない取引データを取引データ記憶部321から削除する。
【0091】
このとき、次のように不要データ削除処理が行われることが望ましい。まず、非削除基準日取得手段は、非削除基準日記憶部328から第1の非削除基準日を取得する。次に、取得手段は、データ基準日が第1の非削除基準日以前、かつ、有効期限日が第1の非削除基準日以後である第1の取引データを取引データ記憶部321から取得する。また、非削除基準日取得手段は、非削除基準日記憶部328から第1の非削除基準日より前の日付である第2の非削除基準日を取得する。続いて、取得手段は、データ基準日が第2の非削除基準日以前、かつ、有効期限日が第2の非削除基準日以後である第2の取引データを取引データ記憶部321から取得する。その後、削除手段は、第1の取引データのデータ基準日と、第2の取引データのデータ基準日との間となるデータ基準日を含む取引データを前記取引データ記憶部321から削除する。
【0092】
これにより、データ基準日と有効期限日の間に非削除基準日が含まれない取引データについては、不要データとなり削除することができ、取引データ記憶部321に格納されるデータ量を削減することができる。同時に、データ基準日と有効期限日の間に非削除基準日が含まれる取引データについては、残されるため、非削除基準日を検索対象日とした検索によって、非削除基準日における残高を抽出することができる。
【0093】
また、分析サーバ32aは、一致判定手段をさらに備えるとよい。一致判定手段は、取引データ記憶部321を参照し、データ基準日が非削除基準日と一致する取引データが存在するか否かを判定する。
【0094】
このとき、次のように不要データ削除処理が行われることが望ましい。まず、一致判定手段は、データ基準日が第1の非削除基準日と一致する取引データが存在するか否かを判定する。次に、取得手段は、一致判定手段によりデータ基準日が第1の非削除基準日と一致する取引データが存在すると判定された場合、当該一致する取引データを第1の取引データとして取引データ記憶部321から取得する。また、取得手段は、一致判定手段によりデータ基準日が第1の非削除基準日と一致する取引データが存在しないと判定された場合、データ基準日が第1の非削除基準日以前、かつ、有効期限日が第1の非削除基準日以後である取引データを第1の取引データとして取引データ記憶部321から取得する。
【0095】
続いて、一致判定手段は、データ基準日が第2の非削除基準日と一致する取引データが存在するか否かを判定する。次に、取得手段は、一致判定手段によりデータ基準日が第2の非削除基準日と一致する取引データが存在すると判定された場合、当該一致する取引データを第2の取引データとして取引データ記憶部321から取得する。また、取得手段は、一致判定手段によりデータ基準日が第2の非削除基準日と一致する取引データが存在しないと判定された場合、データ基準日が第2の非削除基準日以前、かつ、有効期限日が第2の非削除基準日以後である取引データを第2の取引データとして取引データ記憶部321から取得する。このように、一致判定手段により、データ基準日が非削除基準日と一致する取引データを検索するという簡易な検索を事前に行うことにより、不要データでない取引データの特定が容易となる。
【0096】
さらに、上述した削除手段は、データ基準日が取得手段により取得された第2の取引データの有効期限日より後、かつ、有効期限日が取得手段により取得された第1の取引データのデータ基準日より前である取引データを取引データ記憶部321から削除する。これにより、不要データの指定を簡易に行うことができ、削除処理が容易になる。
【0097】
図11は、本発明の実施の形態2にかかる不要データ削除処理(週次削除)の例を示す図である。ここでは、2009年1月頃に、図11に示す不要データ削除前の取引データテーブルのデータが存在するものとする。また、このとき、非削除日定義リストには、10/3,9/26,9/19,9/12,9/5,8/29,・・・が含まれているものとする。図11に示すように、本発明の実施の形態2にかかる不要データ削除処理により、非削除基準日である週末基準日をデータ基準日と有効期限日の間に含まない取引データである#1、3,5,6及び8が削除される。
【0098】
図12は、本発明の実施の形態2にかかる不要データ削除処理(月次削除)の例を示す図である。ここでは、2009年5月頃に、図12に示す不要データ削除前の取引データテーブルのデータが存在するものとする。また、このとき、非削除日定義リストには、9/30,8/31,・・・が含まれているものとする。図12に示すように、本発明の実施の形態2にかかる不要データ削除処理により、非削除基準日である月末基準日をデータ基準日と有効期限日の間に含まない取引データである#1、2,4乃至8が削除される。
【0099】
このように、本発明の実施の形態2にかかるALMシステム3aにより、データ基準日と有効期限日の間に非削除基準日が含まれない不要データについて削除することで、取引データ記憶部321に格納されるデータ量を削減することができる。同時に、データ基準日と有効期限日の間に非削除基準日が含まれる取引データについては、残すことができ、非削除基準日を検索対象日とした検索によって、非削除基準日における残高を抽出することができる。そのため、検索効率を向上させることができる。
【0100】
<発明の実施の形態3>
本発明の実施の形態3は、上述した本発明の実施の形態2にかかるALMシステム3aの変形例である。具体的には、本発明の実施の形態3にかかる不要データ削除処理は、図10の不要データ削除処理において、ステップS33、S34及びS35を変更したものである。
【0101】
図13は、本発明の実施の形態3にかかる不要データ削除処理の流れを示すフローチャート図である。尚、図13に記載された処理の内、図10と同様のものについては、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0102】
ステップS32の後、分析サーバ32aは、データ基準日が非削除基準日以前、かつ、有効期限日が非削除基準日以後である取引データが取引データ記憶部321に存在するか否かを判定する(S33a)。
【0103】
ステップS33aにおいて、該当する取引データが存在すると判定された場合、分析サーバ32aは、該当する取引データを取得する(S34a)。すなわち、分析サーバ32aは、取引データ記憶部321からデータ基準日が非削除基準日以前、かつ、有効期限日が非削除基準日以後である取引データを取得する。
【0104】
また、ステップS33aにおいて、該当する取引データが存在しないと判定された場合、分析サーバ32aは、非削除基準日より前のデータ基準日を含む取引データの内、最新の取引データを取引データ記憶部321から取得する(S35a)。以降は、図10と同じであるため、説明を省略する。
【0105】
言い換えれば、本発明の実施の形態3では、範囲判定手段をさらに備えるとよい。範囲判定手段は、取引データ記憶部321を参照し、前記データ基準日が前記非削除基準日以前、かつ、前記有効期限日が当該非削除基準日以後である取引データが存在するか否かを判定する。
【0106】
このとき、次のように不要データ削除処理が行われることが望ましい。まず、範囲判定手段により、データ基準日が第1の非削除基準日以前、かつ、有効期限日が第1の非削除基準日以後である取引データが取引データ記憶部321に存在するか否かを判定する。そして、本発明の実施の形態3にかかる取得手段は、範囲判定手段により、該当するデータが存在しないと判定された場合、第1の非削除基準日より前のデータ基準日を含む取引データの内、最新の取引データを第1の取引データとして取引データ記憶部321から取得する。
【0107】
続いて、本発明の実施の形態3にかかる範囲判定手段により、データ基準日が前記第2の非削除基準日以前、かつ、前記有効期限日が当該第2の非削除基準日以後である取引データが前記取引データ記憶部に存在しないと判定された場合、取得手段は、第2の非削除基準日より前のデータ基準日を含む取引データの内、最新の取引データを第2の取引データとして取引データ記憶部321から取得するものである。
【0108】
これにより、図13に示す本発明の実施の形態3にかかる不要データ削除処理によっても、本発明の実施2と同様の効果に加え、例えば、週次削除により月末基準日を含む取引データが削除された場合であっても、直近の取引データを残すことができる。
【0109】
つまり、ステップS33aにおいて、該当する取引データが存在しないと判定された場合とは、取引データ記憶部321に格納された取引データについて、ある取引データの有効期限日の翌日がデータ基準日となっている取引データが存在しない場合を示す。具体的には、図11において、週次削除が行われた後、数か月経過した場合において、図11の不要データ削除後取引データテーブルに対して月次削除を実行する際が該当する。このとき、週次削除において、月末基準日「2008/8/31」を含む取引データ#3が既に削除されている。そのため、ステップS33aでは、該当する取引データが存在しないと判定される。そこで、ステップS35aにより月末基準日より前のデータ基準日の内、最新のデータ基準日を有する取引データ#2が取得される。これにより、非削除基準日に該当する残高ではないが、取引データ記憶部321に格納された取引データの中では、直近の取引データの残高を取得することができる。
【0110】
<発明の実施の形態4>
本発明の実施の形態4は、上述した本発明の実施の形態2及び3にかかるALMシステム3aの変形例である。具体的には、本発明の実施の形態4にかかる不要データ削除処理は、図10の不要データ削除処理において、図10のステップS35を図13のステップS35aと変更したものである。
【0111】
言い換えれば、本発明の実施の形態4にかかる分析サーバ32は、少なくとも次に説明する非削除基準日取得手段と、一致判定手段と、取得手段と、削除手段とを備えるものである。非削除基準日取得手段は、非削除基準日記憶部328から複数の非削除基準日のいずれかを取得する。一致判定手段は、取引データ記憶部321を参照し、データ基準日が非削除基準日取得手段により取得された非削除基準日と一致する取引データが存在するか否かを判定する。取得手段は、非削除基準日取得手段により取得された非削除基準日に応じた取引データを取引データ記憶部321から取得する。削除手段は、取得手段により取得されない取引データを取引データ記憶部321から削除する。
【0112】
このとき、次のように不要データ削除処理が行われることが望ましい。まず、非削除基準日取得手段は、非削除基準日記憶部328から第1の非削除基準日を取得する。次に、一致判定手段は、データ基準日が非削除基準日取得手段により取得された第1の非削除基準日と一致する取引データが存在するか否かを判定する。その後、取得手段は、一致判定手段によりデータ基準日が第1の非削除基準日と一致する取引データが存在すると判定された場合、当該一致する取引データを第1の取引データとして取引データ記憶部321から取得する。また、一致判定手段によりデータ基準日が第1の非削除基準日と一致する取引データが存在しないと判定された場合、取得手段は、第1の非削除基準日より前のデータ基準日を含む取引データの内、最新の取引データを第1の取引データとして取引データ記憶部321から取得する。
【0113】
続いて、非削除基準日取得手段は、非削除基準日記憶部328から第1の非削除基準日より前の日付である第2の非削除基準日を取得する。次に、一致判定手段は、データ基準日が非削除基準日取得手段により取得された第2の非削除基準日と一致する取引データが存在するか否かを判定する。その後、一致判定手段によりデータ基準日が第2の非削除基準日と一致する取引データが存在すると判定された場合、取得手段は、当該一致する取引データを第2の取引データとして取引データ記憶部321から取得する。また、一致判定手段によりデータ基準日が第2の非削除基準日と一致する取引データが存在しないと判定された場合、取得手段は、第2の非削除基準日より前のデータ基準日を含む取引データの内、最新の取引データを第2の取引データとして取引データ記憶部321から取得する。
【0114】
その後、削除手段は、データ基準日が取得手段により取得された第2の取引データの有効期限日より後、かつ、有効期限日が取得手段により取得された第1の取引データのデータ基準日より前である取引データを取引データ記憶部321から削除する。これにより、少なくとも不要データの指定を簡易に行うことができ、削除処理が容易になる。
【0115】
<その他の発明の実施の形態>
尚、本発明の実施の形態1にかかるALMシステム3は、データ収集サーバ31及び分析サーバ32を備えるものとしたが、これに限定されない。例えば、データ収集サーバ31及び分析サーバ32は、一台のコンピュータシステムで実現しても構わない。その場合、IFファイルを作成する必要はなく、例えば、内蔵の記憶装置内に格納して受け渡せばよい。または、本発明の実施の形態1にかかるデータ収集サーバ31及び分析サーバ32は、さらに複数のコンピュータシステムに分散して実現されるものであってもよい。
【0116】
尚、図10のステップS35の処理を図13のステップS33a、S34a及びS35aの処理に置き換えても構わない。これにより、データ基準日と有効期限日の間に非削除基準日を含む取引データが存在しない場合であっても、直近過去の取引データを取得することができる。
【0117】
尚、本発明の実施の形態2乃至4では、データ保存期間をシステムのリソース使用状況等に応じて動的に変更しても構わない。例えば、取引データ記憶部321の空き容量に余裕がある場合、例えば、空き容量が80%以上のときには、ステップS40において、全て選択済みであると判定した場合、分析サーバ32aは、非削除定義リスト内の最古の非削除基準日より前の取引データを全て削除しなくてもよい。または、取引データ記憶部321の空き容量に余裕がある場合、分析サーバ32aは、週次保存期間及び月次保存期間が長くなるように、非削除基準日定義リストを更新するとよい。これにより、週次保存期間に属する予定の取引データが日次で保存され、月次保存期間に属する予定の取引データが週次で保存され、空き容量を有効に使用して詳細な取引データを保存する期間を長くすることができる。逆に、取引データ記憶部321の空き容量に余裕がない場合、例えば、空き容量が20%未満のときには、週次保存期間及び月次保存期間が短くなるように、非削除基準日定義リストを更新するとよい。これにより、当初は、日次保存期間に属する予定の取引データが週次で保存され、週次保存期間に属する予定の取引データが月次で保存され、限られた空き容量の範囲に対して残存データ量を削減することができる。さらに、空き容量に余裕がない場合には、アラームを発生させるようにするとよい。このようにして、取引データ記憶部321の空き容量が少なくなった場合や容量を増設した場合に設定変更を加えることなく自動的に保存期間を制御することができ、システムのリソースを有効活用して、データを保存することができる。
【0118】
さらに、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、既に述べた本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0119】
1 金融システム群
11 国内金融システム群
111 融資管理システム
112 預金管理システム
113 債券管理システム
12 海外金融システム群
121 融資管理システム
122 預金管理システム
123 債券管理システム
2 ネットワーク
3 ALMシステム
3a ALMシステム
31 データ収集サーバ
311 データ検査情報記憶部
312 受信データ記憶部
32 分析サーバ
32a 分析サーバ
321 取引データ記憶部
322 計算結果記憶部
323 ハードディスク
324 CPU
325 RAM
326 ROM
327 通信部
328 非削除基準日記憶部
4 端末
51 OS
52 取引データ処理プログラム
53 不要データ削除プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して接続された金融システムから金融取引を識別する取引識別情報と、当該金融取引の残高と、当該金融取引の残高の変更日を示すデータ基準日とを含む取引データを受信し、処理する取引データ処理方法であって、
前記受信した取引データに含まれる取引識別情報と同じ取引識別情報を有する過去の取引データの内、最新の取引データを取引データ記憶部から取得する最新取引データ取得ステップと、
前記最新取引データ取得ステップにより取得された取引データに含まれる残高の有効期限日を、前記受信した取引データに含まれるデータ基準日の前日として更新する更新ステップと、
前記受信した取引データの有効期限日を将来の日付として前記取引データ記憶部へ登録する登録ステップと、
を含む取引データ処理方法。
【請求項2】
前記取引データについて、検索対象日を含む検索要求を受け付ける受付ステップと、
前記データ基準日が前記検索要求に含まれる検索対象日以前、かつ、前記有効期限日が当該検索対象日以後である取引データを前記取引データ記憶部から抽出するデータ抽出ステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の取引データ処理方法。
【請求項3】
取引データを削除しない日付である第1の非削除基準日を入力する第1の入力ステップと、
前記データ基準日が前記第1の入力ステップにより入力された第1の非削除基準日以前、かつ、前記有効期限日が当該第1の非削除基準日以後である取引データを前記取引データ記憶部から取得する、第1の取得ステップと、
前記第1の非削除基準日より前の日付である第2の非削除基準日を入力する第2の入力ステップと、
前記データ基準日が前記第2の入力ステップにより入力された第2の非削除基準日以前、かつ、前記有効期限日が当該第2の非削除基準日以後である取引データを前記取引データ記憶部から取得する、第2の取得ステップと、
前記第1の取得ステップにより取得された取引データのデータ基準日と、前記第2の取得ステップにより取得された取引データのデータ基準日との間となるデータ基準日を含む取引データを前記取引データ記憶部から削除するデータ削除ステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の取引データ処理方法。
【請求項4】
前記取引データ記憶部を参照し、前記データ基準日が前記第1の入力ステップにより入力された第1の非削除基準日と一致する取引データが存在するか否かを判定する第1の一致判定ステップと、
前記取引データ記憶部を参照し、前記データ基準日が前記第2の入力ステップにより入力された第2の非削除基準日と一致する取引データが存在するか否かを判定する第2の一致判定ステップと、をさらに備え、
前記第1の取得ステップは、前記第1の一致判定ステップにより前記データ基準日が前記第1の非削除基準日と一致する取引データが存在すると判定された場合、当該一致する取引データを前記取引データ記憶部から取得し、前記第1の一致判定ステップにより前記データ基準日が前記第1の非削除基準日と一致する取引データが存在しないと判定された場合、前記データ基準日が前記第1の非削除基準日以前、かつ、前記有効期限日が当該第1の非削除基準日以後である取引データを前記取引データ記憶部から取得し、
前記第2の取得ステップは、前記第2の一致判定ステップにより前記データ基準日が前記第2の非削除基準日と一致する取引データが存在すると判定された場合、当該一致する取引データを前記取引データ記憶部から取得し、前記第2の一致判定ステップにより前記データ基準日が前記第2の非削除基準日と一致する取引データが存在しないと判定された場合、前記データ基準日が前記第2の非削除基準日以前、かつ、前記有効期限日が当該第2の非削除基準日以後である取引データを前記取引データ記憶部から取得する、
ことを特徴とする請求項3に記載の取引データ処理方法。
【請求項5】
前記取引データ記憶部を参照し、前記データ基準日が前記第1の非削除基準日以前、かつ、前記有効期限日が当該第1の非削除基準日以後である取引データが存在するか否かを判定する第1の範囲判定ステップと、
前記取引データ記憶部を参照し、前記データ基準日が前記第2の非削除基準日以前、かつ、前記有効期限日が当該第2の非削除基準日以後である取引データが存在するか否かを判定する第2の範囲判定ステップと、をさらに備え、
前記第1の取得ステップは、前記第1の範囲判定ステップにより当該取引データが存在しないと判定された場合、前記第1の非削除基準日より前のデータ基準日を含む取引データの内、最新の取引データを前記取引データ記憶部から取得し、
前記第2の取得ステップは、前記第2の範囲判定ステップにより当該取引データが存在しないと判定された場合、前記第2の非削除基準日より前のデータ基準日を含む取引データの内、最新の取引データを前記取引データ記憶部から取得する、
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の取引データ処理方法。
【請求項6】
前記データ削除ステップは、前記データ基準日が前記第2の取得ステップにより取得された取引データの有効期限日より後、かつ、前記有効期限日が前記第1の取得ステップにより取得された取引データのデータ基準日より前である取引データを前記取引データ記憶部から削除する、
ことを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の取引データ処理方法。
【請求項7】
取引データを削除しない日付である第1の非削除基準日を入力する第1の入力ステップと、
前記取引データ記憶部を参照し、前記データ基準日が前記第1の入力ステップにより入力された第1の非削除基準日と一致する取引データが存在するか否かを判定する第1の一致判定ステップと、
前記第1の一致判定ステップにより前記データ基準日が前記第1の非削除基準日と一致する取引データが存在すると判定された場合、当該一致する取引データを前記取引データ記憶部から取得し、前記第1の一致判定ステップにより前記データ基準日が前記第1の非削除基準日と一致する取引データが存在しないと判定された場合、前記第1の非削除基準日より前のデータ基準日を含む取引データの内、最新の取引データを前記取引データ記憶部から取得する第1の取得ステップと、
前記第1の非削除基準日より前の日付である第2の非削除基準日を入力する第2の入力ステップと、
前記取引データ記憶部を参照し、前記データ基準日が前記第2の入力ステップにより入力された第2の非削除基準日と一致する取引データが存在するか否かを判定する第2の一致判定ステップと、
前記第2の一致判定ステップにより前記データ基準日が前記第2の非削除基準日と一致する取引データが存在すると判定された場合、当該一致する取引データを前記取引データ記憶部から取得し、前記第2の一致判定ステップにより前記データ基準日が前記第2の非削除基準日と一致する取引データが存在しないと判定された場合、前記第2の非削除基準日より前のデータ基準日を含む取引データの内、最新の取引データを前記取引データ記憶部から取得する第2の取得ステップと、
前記データ基準日が前記第2の取得ステップにより取得された取引データの有効期限日より後、かつ、前記有効期限日が前記第1の取得ステップにより取得された取引データのデータ基準日より前である取引データを前記取引データ記憶部から削除するデータ削除ステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の取引データ処理方法。
【請求項8】
ネットワークを介して接続された金融システムから金融取引における取引データを受信し、処理する取引データ処理システムであって、
前記金融取引を識別する取引識別情報と、当該金融取引の残高と、当該金融取引の残高の変更日を示すデータ基準日と、当該残高の有効期限日とを含む取引データを記憶する取引データ記憶部と、
前記受信した取引データを処理する制御部とを備え、
前記制御部は、
前記受信した取引データに含まれる取引識別情報と同じ取引識別情報を有する過去の取引データの内、最新の取引データを前記取引データ記憶部から取得する最新取引データ取得手段と、
前記最新取引データ取得手段により取得された取引データに含まれる有効期限日を、前記受信した取引データに含まれるデータ基準日の前日として更新する更新手段と、
前記受信した取引データの有効期限日を将来の日付として前記取引データ記憶部へ登録する登録手段と、
を備える取引データ処理システム。
【請求項9】
前記制御部は、
前記取引データについて、検索対象日を含む検索要求を受け付ける受付手段と、
前記データ基準日が前記検索要求に含まれる検索対象日以前、かつ、前記有効期限日が当該検索対象日以後である取引データを前記取引データ記憶部から抽出するデータ抽出手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項8に記載の取引データ処理システム。
【請求項10】
前記取引データ処理システムは、取引データを削除しない日付である複数の非削除基準日を記憶する非削除基準日記憶部をさらに備え、
前記制御部は、
前記非削除基準日記憶部から前記複数の非削除基準日のいずれかを取得する非削除基準日取得手段と、
前記非削除基準日取得手段により取得された非削除基準日に応じた取引データを前記取引データ記憶部から取得する取得手段と、
前記取得手段により取得されない取引データを前記取引データ記憶部から削除する削除手段とをさらに備え、
前記非削除基準日取得手段は、前記非削除基準日記憶部から第1の非削除基準日を取得し、
前記取得手段は、前記データ基準日が前記非削除基準日取得手段により取得された第1の非削除基準日以前、かつ、前記有効期限日が当該第1の非削除基準日以後である第1の取引データを前記取引データ記憶部から取得し、
前記非削除基準日取得手段は、前記非削除基準日記憶部から前記第1の非削除基準日より前の日付である第2の非削除基準日を取得し、
前記取得手段は、前記データ基準日が前記非削除基準日取得手段により取得された第2の非削除基準日以前、かつ、前記有効期限日が当該第2の非削除基準日以後である第2の取引データを前記取引データ記憶部から取得し、
前記削除手段は、前記第1の取引データのデータ基準日と、前記第2の取引データのデータ基準日との間となるデータ基準日を含む取引データを前記取引データ記憶部から削除する、
ことを特徴とする請求項8又は9に記載の取引データ処理システム。
【請求項11】
前記制御部は、前記取引データ記憶部を参照し、前記データ基準日が前記非削除基準日と一致する取引データが存在するか否かを判定する一致判定手段をさらに備え、
前記一致判定手段は、前記データ基準日が前記第1の非削除基準日と一致する取引データが存在するか否かを判定し、
前記取得手段は、前記一致判定手段により前記データ基準日が前記第1の非削除基準日と一致する取引データが存在すると判定された場合、当該一致する取引データを前記第1の取引データとして前記取引データ記憶部から取得し、前記一致判定手段により前記データ基準日が前記第1の非削除基準日と一致する取引データが存在しないと判定された場合、前記データ基準日が前記第1の非削除基準日以前、かつ、前記有効期限日が当該第1の非削除基準日以後である取引データを前記第1の取引データとして前記取引データ記憶部から取得し、
前記一致判定手段は、前記データ基準日が前記第2の非削除基準日と一致する取引データが存在するか否かを判定し、
前記取得手段は、前記一致判定手段により前記データ基準日が前記第2の非削除基準日と一致する取引データが存在すると判定された場合、当該一致する取引データを前記第2の取引データとして前記取引データ記憶部から取得し、前記一致判定手段により前記データ基準日が前記第2の非削除基準日と一致する取引データが存在しないと判定された場合、前記データ基準日が前記第2の非削除基準日以前、かつ、前記有効期限日が当該第2の非削除基準日以後である取引データを前記第2の取引データとして前記取引データ記憶部から取得する、
ことを特徴とする請求項10に記載の取引データ処理システム。
【請求項12】
前記制御部は、前記取引データ記憶部を参照し、前記データ基準日が前記非削除基準日以前、かつ、前記有効期限日が当該非削除基準日以後である取引データが存在するか否かを判定する範囲判定手段をさらに備え、
前記取得手段は、
前記範囲判定手段により、前記データ基準日が前記第1の非削除基準日以前、かつ、前記有効期限日が当該第1の非削除基準日以後である取引データが前記取引データ記憶部に存在しないと判定された場合、前記第1の非削除基準日より前のデータ基準日を含む取引データの内、最新の取引データを前記第1の取引データとして前記取引データ記憶部から取得し、
前記範囲判定手段により、前記データ基準日が前記第2の非削除基準日以前、かつ、前記有効期限日が当該第2の非削除基準日以後である取引データが前記取引データ記憶部に存在しないと判定された場合、前記第2の非削除基準日より前のデータ基準日を含む取引データの内、最新の取引データを前記第2の取引データとして前記取引データ記憶部から取得する、
ことを特徴とする請求項10又は11に記載の取引データ処理システム。
【請求項13】
前記削除手段は、前記データ基準日が前記取得手段により取得された第2の取引データの有効期限日より後、かつ、前記有効期限日が前記取得手段により取得された第1の取引データのデータ基準日より前である取引データを前記取引データ記憶部から削除する、ことを特徴とする請求項10乃至12のいずれか1項に記載の取引データ処理システム。
【請求項14】
前記取引データ処理システムは、取引データを削除しない日付である複数の非削除基準日を記憶する非削除基準日記憶部をさらに備え、
前記制御部は、
前記非削除基準日記憶部から前記複数の非削除基準日のいずれかを取得する非削除基準日取得手段と、
前記取引データ記憶部を参照し、前記データ基準日が前記非削除基準日取得手段により取得された非削除基準日と一致する取引データが存在するか否かを判定する一致判定手段と、
前記非削除基準日取得手段により取得された非削除基準日に応じた取引データを前記取引データ記憶部から取得する取得手段と、
前記取得手段により取得されない取引データを前記取引データ記憶部から削除する削除手段とをさらに備え、
前記非削除基準日取得手段は、前記非削除基準日記憶部から第1の非削除基準日を取得し、
前記一致判定手段は、前記データ基準日が前記非削除基準日取得手段により取得された第1の非削除基準日と一致する取引データが存在するか否かを判定し、
前記取得手段は、前記一致判定手段により前記データ基準日が前記第1の非削除基準日と一致する取引データが存在すると判定された場合、当該一致する取引データを第1の取引データとして前記取引データ記憶部から取得し、前記一致判定手段により前記データ基準日が前記第1の非削除基準日と一致する取引データが存在しないと判定された場合、前記第1の非削除基準日より前のデータ基準日を含む取引データの内、最新の取引データを前記第1の取引データとして前記取引データ記憶部から取得し、
前記非削除基準日取得手段は、前記非削除基準日記憶部から前記第1の非削除基準日より前の日付である第2の非削除基準日を取得し、
前記一致判定手段は、前記データ基準日が前記非削除基準日取得手段により取得された第2の非削除基準日と一致する取引データが存在するか否かを判定し、
前記取得手段は、前記一致判定手段により前記データ基準日が前記第2の非削除基準日と一致する取引データが存在すると判定された場合、当該一致する取引データを第2の取引データとして前記取引データ記憶部から取得し、前記一致判定手段により前記データ基準日が前記第2の非削除基準日と一致する取引データが存在しないと判定された場合、前記第2の非削除基準日より前のデータ基準日を含む取引データの内、最新の取引データを前記第2の取引データとして前記取引データ記憶部から取得し、
前記削除手段は、前記データ基準日が前記取得手段により取得された第2の取引データの有効期限日より後、かつ、前記有効期限日が前記取得手段により取得された第1の取引データのデータ基準日より前である取引データを前記取引データ記憶部から削除する、
ことを特徴とする請求項8又は9に記載の取引データ処理システム。
【請求項15】
ネットワークを介して接続された金融システムから金融取引における取引データを受信し、処理する取引データ処理をコンピュータに実行させる取引データ処理プログラムであって、
前記金融取引を識別する取引識別情報と、当該金融取引の残高と、当該金融取引の残高の変更日を示すデータ基準日と、当該残高の有効期限日とを含む取引データを記憶する取引データ記憶部を参照し、前記受信した取引データに含まれる取引識別情報と同じ取引識別情報を有する過去の取引データの内、最新の取引データを前記取引データ記憶部から取得する最新取引データ取得ステップと、
前記最新取引データ取得ステップにより取得された取引データに含まれる残高の有効期限日を、前記受信した取引データに含まれるデータ基準日の前日として更新する更新ステップと、
前記受信した取引データの有効期限日を将来の日付として前記取引データ記憶部へ登録する登録ステップと、
を有する取引データ処理プログラム。
【請求項16】
前記取引データについて、検索対象日を含む検索要求を受け付ける受付ステップと、
前記データ基準日が前記検索要求に含まれる検索対象日以前、かつ、前記有効期限日が当該検索対象日以後である取引データを前記取引データ記憶部から抽出するデータ抽出ステップと、
をさらに有することを特徴とする請求項15に記載の取引データ処理プログラム。
【請求項17】
取引データを削除しない日付である第1の非削除基準日を入力する第1の入力ステップと、
前記データ基準日が前記第1の入力ステップにより入力された第1の非削除基準日以前、かつ、前記有効期限日が当該第1の非削除基準日以後である取引データを前記取引データ記憶部から取得する、第1の取得ステップと、
前記第1の非削除基準日より前の日付である第2の非削除基準日を入力する第2の入力ステップと、
前記データ基準日が前記第2の入力ステップにより入力された第2の非削除基準日以前、かつ、前記有効期限日が当該第2の非削除基準日以後である取引データを前記取引データ記憶部から取得する、第2の取得ステップと、
前記第1の取得ステップにより取得された取引データのデータ基準日と、前記第2の取得ステップにより取得された取引データのデータ基準日との間となるデータ基準日を含む取引データを前記取引データ記憶部から削除するデータ削除ステップと、
をさらに有することを特徴とする請求項15又は16に記載の取引データ処理プログラム。
【請求項18】
前記取引データ記憶部を参照し、前記データ基準日が前記第1の入力ステップにより入力された第1の非削除基準日と一致する取引データが存在するか否かを判定する第1の一致判定ステップと、
前記取引データ記憶部を参照し、前記データ基準日が前記第2の入力ステップにより入力された第2の非削除基準日と一致する取引データが存在するか否かを判定する第2の一致判定ステップと、をさらに有し、
前記第1の取得ステップは、前記第1の一致判定ステップにより前記データ基準日が前記第1の非削除基準日と一致する取引データが存在すると判定された場合、当該一致する取引データを前記取引データ記憶部から取得し、前記第1の一致判定ステップにより前記データ基準日が前記第1の非削除基準日と一致する取引データが存在しないと判定された場合、前記データ基準日が前記第1の非削除基準日以前、かつ、前記有効期限日が当該第1の非削除基準日以後である取引データを前記取引データ記憶部から取得し、
前記第2の取得ステップは、前記第2の一致判定ステップにより前記データ基準日が前記第2の非削除基準日と一致する取引データが存在すると判定された場合、当該一致する取引データを前記取引データ記憶部から取得し、前記第2の一致判定ステップにより前記データ基準日が前記第2の非削除基準日と一致する取引データが存在しないと判定された場合、前記データ基準日が前記第2の非削除基準日以前、かつ、前記有効期限日が当該第2の非削除基準日以後である取引データを前記取引データ記憶部から取得する、
ことを特徴とする請求項17に記載の取引データ処理プログラム。
【請求項19】
前記取引データ記憶部を参照し、前記データ基準日が前記第1の非削除基準日以前、かつ、前記有効期限日が当該第1の非削除基準日以後である取引データが存在するか否かを判定する第1の範囲判定ステップと、
前記取引データ記憶部を参照し、前記データ基準日が前記第2の非削除基準日以前、かつ、前記有効期限日が当該第2の非削除基準日以後である取引データが存在するか否かを判定する第2の範囲判定ステップと、をさらに備え、
前記第1の取得ステップは、前記第1の範囲判定ステップにより当該取引データが存在しないと判定された場合、前記第1の非削除基準日より前のデータ基準日を含む取引データの内、最新の取引データを前記取引データ記憶部から取得し、
前記第2の取得ステップは、前記第2の範囲判定ステップにより当該取引データが存在しないと判定された場合、前記第2の非削除基準日より前のデータ基準日を含む取引データの内、最新の取引データを前記取引データ記憶部から取得する、
ことを特徴とする請求項17又は18に記載の取引データ処理プログラム。
【請求項20】
前記データ削除ステップは、前記データ基準日が前記第2の取得ステップにより取得された取引データの有効期限日より後、かつ、前記有効期限日が前記第1の取得ステップにより取得された取引データのデータ基準日より前である取引データを前記取引データ記憶部から削除する、ことを特徴とする請求項17乃至19のいずれか1項に記載の取引データ処理プログラム。
【請求項21】
取引データを削除しない日付である第1の非削除基準日を入力する第1の入力ステップと、
前記取引データ記憶部を参照し、前記データ基準日が前記第1の入力ステップにより入力された第1の非削除基準日と一致する取引データが存在するか否かを判定する第1の一致判定ステップと、
前記第1の一致判定ステップにより前記データ基準日が前記第1の非削除基準日と一致する取引データが存在すると判定された場合、当該一致する取引データを前記取引データ記憶部から取得し、前記第1の一致判定ステップにより前記データ基準日が前記第1の非削除基準日と一致する取引データが存在しないと判定された場合、前記第1の非削除基準日より前のデータ基準日を含む取引データの内、最新の取引データを前記取引データ記憶部から取得する第1の取得ステップと、
前記第1の非削除基準日より前の日付である第2の非削除基準日を入力する第2の入力ステップと、
前記取引データ記憶部を参照し、前記データ基準日が前記第2の入力ステップにより入力された第2の非削除基準日と一致する取引データが存在するか否かを判定する第2の一致判定ステップと、
前記第2の一致判定ステップにより前記データ基準日が前記第2の非削除基準日と一致する取引データが存在すると判定された場合、当該一致する取引データを前記取引データ記憶部から取得し、前記第2の一致判定ステップにより前記データ基準日が前記第2の非削除基準日と一致する取引データが存在しないと判定された場合、前記第2の非削除基準日より前のデータ基準日を含む取引データの内、最新の取引データを前記取引データ記憶部から取得する第2の取得ステップと、
前記データ基準日が前記第2の取得ステップにより取得された取引データの有効期限日より後、かつ、前記有効期限日が前記第1の取得ステップにより取得された取引データのデータ基準日より前である取引データを前記取引データ記憶部から削除するデータ削除ステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項15又は16に記載の取引データ処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−224881(P2010−224881A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−71631(P2009−71631)
【出願日】平成21年3月24日(2009.3.24)
【出願人】(592131906)みずほ情報総研株式会社 (187)