取引仲介装置、取引仲介システム及び取引仲介方法
【課題】 取引の当事者以外の利用者に対して当該取引に関する情報を提供することができる取引仲介装置、取引仲介システム及び取引仲介方法を提供する。
【解決手段】
取引仲介装置1は、一の利用者側で用いられる利用者端末装置2から取得した購入希望情報を、店舗側で用いられる店舗端末装置3に対して送信する一方で、当該店舗端末装置3から取得した店舗回答情報を当該利用者端末装置2に対して送信する。また、取引仲介装置1は、これらの購入希望情報及び店舗回答情報の少なくとも一部を含んで構成される取引情報を、他の利用者側で用いられる利用者端末装置2に対して送信する。
【解決手段】
取引仲介装置1は、一の利用者側で用いられる利用者端末装置2から取得した購入希望情報を、店舗側で用いられる店舗端末装置3に対して送信する一方で、当該店舗端末装置3から取得した店舗回答情報を当該利用者端末装置2に対して送信する。また、取引仲介装置1は、これらの購入希望情報及び店舗回答情報の少なくとも一部を含んで構成される取引情報を、他の利用者側で用いられる利用者端末装置2に対して送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者と店舗との間で行われる取引を仲介するための取引仲介装置、取引仲介システム及び取引仲介方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネット等の通信ネットワークの普及に伴い、商品の販売価格は勿論のこと、商品に関するそれ以外の各種の情報が通信ネットワーク上で提供されている。例えば、特許文献1には、インターネットを介して、商品提供者が予め登録した販売価格情報を利用者に対して提供するとともに、利用者から提供された希望購入価格情報を商品提供者に対して提供する価格情報仲介方法が開示されている。この価格情報仲介方法によれば、商品提供者である店舗は、利用者の購入希望価格を知ることができ、その購入希望価格を受け入れることにより販売機会を確保することが可能になる。また、利用者は、自分が希望している価格で商品を購入することが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−297944号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の価格情報仲介方法の場合、取引の当事者である利用者と店舗との間で価格情報がやりとりされるのみであるため、その利用者とは異なる他の利用者にとっては何らメリットがなかった。
【0005】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、取引に関する情報を、当該取引の当事者ではない利用者に対して適宜提供することにより、取引の当事者である利用者のみならず、他の利用者にとっても有益である取引仲介装置、取引仲介システム及び取引仲介方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の一の態様の取引仲介装置は、店舗側で用いられる店舗端末装置及び当該店舗を利用する利用者側で用いられる利用者端末装置と通信ネットワークを介して通信可能に接続される取引仲介装置において、一の利用者側で用いられる利用者端末装置から、商品の購入希望条件を示す購入希望情報を取得する購入希望情報取得手段と、前記購入希望情報取得手段により取得された購入希望情報を、当該購入希望情報に係る商品を販売する販売店舗側で用いられる店舗端末装置に対して送信する購入希望情報送信手段と、前記販売店舗側で用いられる店舗端末装置から、前記購入希望情報で示される購入希望条件に対する回答を示す店舗回答情報を取得する店舗回答情報取得手段と、前記店舗回答情報取得手段により取得された店舗回答情報を、前記一の利用者側で用いられる利用者端末装置に対して送信する店舗回答情報送信手段と、前記購入希望情報及び前記店舗回答情報の少なくとも一部を含んで構成される取引情報を、他の利用者側で用いられる利用者端末装置に対して送信する取引情報送信手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
前記態様において、各利用者に対する取引情報の開示範囲を規定する開示範囲情報を記憶する開示範囲情報記憶部と、前記開示範囲情報記憶部に記憶されている開示範囲情報に基づいて、前記他の利用者に対して提供する取引情報の構成要素を特定する構成要素特定手段とをさらに備え、前記取引情報送信手段が、前記構成要素特定手段によって特定された構成要素からなる取引情報を、前記他の利用者側で用いられる利用者端末装置に対して送信するように構成されていてもよい。
【0008】
また、前記態様において、前記開示範囲情報記憶部には、各利用者の店舗の利用実績に応じて当該利用者に対する開示範囲を規定する開示範囲情報が記憶されていてもよい。
【0009】
また、前記態様において、前記開示範囲情報記憶部には、各利用者による購入希望情報の提供実績に応じて当該利用者に対する開示範囲を規定する開示範囲情報が記憶されていてもよい。
【0010】
また、前記態様において、前記購入希望情報取得手段により取得された購入希望情報を提供した利用者が、当該購入希望情報に係る店舗を利用した実績があるか否かを判定する利用実績有無判定手段をさらに備え、前記購入希望情報送信手段が、前記利用実績有無判定手段により利用した実績があると判定された場合に、前記購入希望情報を前記販売店舗側で用いられる店舗端末装置に対して送信するように構成されていてもよい。
【0011】
また、前記態様において、前記開示範囲情報記憶部には、少なくとも、取引交渉の有無を開示するか否かを規定する開示範囲情報が記憶されており、前記構成要素特定手段が、前記開示範囲情報に基づいて、取引交渉の有無を、前記他の利用者に対して提供する取引情報の構成要素とするか否かを判定するように構成されていてもよい。
【0012】
また、前記態様において、前記開示範囲情報記憶部には、取引交渉の有無に加えて当該取引交渉の成否を開示するか否かを規定する開示範囲情報が記憶されており、前記構成要素特定手段が、前記開示範囲情報に基づいて、取引交渉の有無及び当該取引交渉の成否を、前記他の利用者に対して提供する取引情報の構成要素とするか否かを判定するように構成されていてもよい。
【0013】
また、前記態様において、前記開示範囲情報記憶部には、取引交渉の有無及び当該取引交渉の成否に加えて、取引価格を開示するか否かを規定する開示範囲情報が記憶されており、前記構成要素特定手段が、前記開示範囲情報に基づいて、取引交渉の有無、当該取引交渉の成否及び取引価格を、前記他の利用者に対して提供する取引情報の構成要素とするか否かを判定するように構成されていてもよい。
【0014】
本発明の一の態様の取引仲介システムは、店舗側で用いられる店舗端末装置と、当該店舗を利用する利用者側で用いられる利用者端末装置及び前記店舗端末装置と通信ネットワークを介して通信可能に接続される取引仲介装置とを備える取引仲介システムにおいて、 前記取引仲介装置が、一の利用者側で用いられる利用者端末装置から、商品の購入希望条件を示す購入希望情報を取得する購入希望情報取得手段と、前記購入希望情報取得手段により取得された購入希望情報を、当該購入希望情報に係る商品を販売する販売店舗側で用いられる店舗端末装置に対して送信する購入希望情報送信手段とを具備し、前記店舗端末装置が、前記取引仲介装置から受信した購入希望情報で示される購入希望条件に対する回答を示す店舗回答情報を、前記取引仲介装置に対して送信する店舗回答情報送信手段を具備し、前記取引仲介装置がさらに、前記店舗端末装置から受信した店舗回答情報を、前記一の利用者側で用いられる利用者端末装置に対して送信する店舗回答情報送信手段と、前記購入希望情報及び前記店舗回答情報の少なくとも一部を含んで構成される取引情報を、他の利用者側で用いられる利用者端末装置に対して送信する取引情報送信手段とを具備することを特徴とする。
【0015】
前記態様において、前記取引仲介装置がさらに、各利用者に対する取引情報の開示範囲を規定する開示範囲情報を記憶する開示範囲情報記憶部と、前記開示範囲情報記憶部に記憶されている開示範囲情報に基づいて、前記他の利用者に対して提供する取引情報の構成要素を特定する構成要素特定手段とを具備し、前記取引情報送信手段が、前記構成要素特定手段によって特定された構成要素からなる取引情報を、前記他の利用者側で用いられる利用者端末装置に対して送信するように構成されていてもよい。
【0016】
また、本発明の一の態様の取引仲介方法では、店舗側で用いられる店舗端末装置及び当該店舗を利用する利用者側で用いられる利用者端末装置と通信ネットワークを介して通信可能に接続されるコンピュータが、一の利用者側で用いられる利用者端末装置から、商品の購入希望条件を示す購入希望情報を取得する購入希望情報取得工程と、前記購入希望情報取得工程により取得された購入希望情報を、当該購入希望情報に係る商品を販売する販売店舗側で用いられる店舗端末装置に対して送信する購入希望情報送信工程と、前記販売店舗側で用いられる店舗端末装置から、前記購入希望情報で示される購入希望条件に対する回答を示す店舗回答情報を取得する店舗回答情報取得工程と、前記店舗回答情報取得工程により取得された店舗回答情報を、前記一の利用者側で用いられる利用者端末装置に対して送信する店舗回答情報送信工程と、前記購入希望情報及び前記店舗回答情報の少なくとも一部を含んで構成される取引情報を、他の利用者側で用いられる利用者端末装置に対して送信する取引情報送信工程とを実行する。
【0017】
前記態様において、前記コンピュータが、各利用者に対する取引情報の開示範囲を規定する開示範囲情報を記憶する開示範囲情報記憶工程と、記憶した開示範囲情報に基づいて、前記他の利用者に対して提供する取引情報の構成要素を特定する構成要素特定工程とをさらに実行し、前記取引情報送信工程において、前記コンピュータが、前記構成要素特定工程によって特定された構成要素からなる取引情報を、前記他の利用者側で用いられる利用者端末装置に対して送信するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る取引仲介装置、取引仲介システム及び取引仲介方法によれば、取引の当事者以外の者に対して有益な情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態に係る取引仲介システムの構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施の形態に係る取引仲介装置の構成を示すブロック図。
【図3】本発明の実施の形態に係る取引仲介装置に設けられている利用者情報データベースのレイアウトの一例を示す図。
【図4】本発明の実施の形態に係る取引仲介装置に設けられている店舗情報データベースのレイアウトの一例を示す図。
【図5】本発明の実施の形態に係る取引仲介装置に設けられている開示範囲情報データベースのレイアウトの一例を示す図。
【図6】本発明の実施の形態に係る取引仲介装置に設けられている購入希望情報データベースのレイアウトの一例を示す図。
【図7】本発明の実施の形態に係る取引仲介装置に設けられている取引情報データベースのレイアウトの一例を示す図。
【図8】本発明の実施の形態に係る店舗端末装置の構成を示すブロック図。
【図9】本発明の実施の形態に係る店舗端末装置に設けられている商品情報データベースのレイアウトの一例を示す図。
【図10】本発明の実施の形態に係る店舗端末装置に設けられている入荷情報データベースのレイアウトの一例を示す図。
【図11】本発明の実施の形態に係る店舗端末装置に設けられている購入希望情報データベースのレイアウトの一例を示す図。
【図12】本発明の実施の形態に係る取引仲介システムが備える取引仲介装置及び利用者端末装置が実行する購入希望情報登録処理の手順を示すフローチャート。
【図13】利用者端末装置の表示装置上に表示される収集情報一覧画面の一例を示す図。
【図14】利用者端末装置の表示装置上に表示される希望条件入力画面の一例を示す図。
【図15】本発明の実施の形態に係る取引仲介システムが備える取引仲介装置及び店舗端末装置が実行する購入希望情報通知処理の手順を示すフローチャート。
【図16】本発明の実施の形態に係る取引仲介システムが備える取引仲介装置、利用者端末装置、及び店舗端末装置が実行する店舗回答情報通知処理の手順を示すフローチャート。
【図17】利用者端末装置の表示装置上に表示される取引交渉内容画面の一例を示す図。
【図18】本発明の実施の形態に係る取引仲介システムが備える取引仲介装置、利用者端末装置、及び店舗端末装置が実行する商品入荷通知処理の手順を示すフローチャート。
【図19】利用者端末装置の表示装置上に表示される入荷通知画面の一例を示す図。
【図20】本発明の実施の形態に係る取引仲介システムが備える取引仲介装置及び利用者端末装置が実行する取引情報開示処理の手順を示すフローチャート。
【図21】利用者端末装置の表示装置上に表示される取引開示画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す各実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための方法及び装置を例示するものであって、本発明の技術的思想は下記のものに限定されるわけではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において種々の変更を加えることができる。
【0021】
[取引仲介システムの構成]
図1は、本発明の実施の形態に係る取引仲介システムの構成を示すブロック図である。図1に示すとおり、本実施の形態の取引仲介システムは、利用者と店舗との間の取引を仲介するための取引仲介装置1と、各利用者側で用いられる複数の利用者端末装置2,2,…と、各店舗側で用いられる複数の店舗端末装置3,3,…とを備えている。利用者端末装置2,2,…としては、例えば携帯型電話機及びPDA(Personal Digital Assistant)等の通信機能を有する装置が用いられる。これらの取引仲介装置1、利用者端末装置2,2,…及び店舗端末装置3,3,…は、インターネット等の通信ネットワークNTWを介して通信可能に接続されている。
【0022】
なお、本実施の形態においては、各利用者がクレジットカードの会員であり、また、各店舗がクレジットカード会社と加盟店契約を締結している加盟店であるものとする。
【0023】
図1に示すように、取引仲介装置1は、クレジットカードに関する各種の処理を実行するクレジットカードシステム4と専用線等の通信ネットワークを介して通信可能に接続されている。取引仲介装置1は、クレジットカードシステム4から、各利用者に関する情報及び各店舗に関する情報等を取得する。
【0024】
[取引仲介装置の構成]
以下、上述した取引仲介装置1の詳細な構成について説明する。
図2は、本発明の実施の形態1に係る取引仲介装置1の構成を示すブロック図である。図2に示すとおり、コンピュータ(取引仲介装置)1は、CPU10、ROM11、RAM12、ハードディスク13、及び通信インタフェース(I/F)14を備えており、これらのCPU10、ROM11、RAM12、及び通信I/F14は、バス15によって接続されている。
【0025】
CPU10は、RAM12にロードされた各種のコンピュータプログラムを実行する。これにより、コンピュータ1が本実施の形態の取引仲介装置1として機能することになる。
【0026】
ROM11は、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、又はEEPROM(Electrically Erasable PROM)等によって構成されており、CPU10にて実行されるコンピュータプログラム及びその実行の際に用いられるデータ等が記憶されている。
【0027】
RAM12は、SRAM又はDRAMなどによって構成されている。このRAM12は、ハードディスク13に記憶されている各種のコンピュータプログラムの読み出し等に用いられる。また、CPU10が各種のコンピュータプログラムを実行するときに、CPU10の作業領域としても利用される。
【0028】
ハードディスク13には、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラムなど、CPU10に実行させるための各種のコンピュータプログラム及び当該コンピュータプログラムの実行に用いられるデータ等が予めインストールされている。また、このハードディスク13には、利用者に関する利用者情報が格納される利用者情報データベース(DB)13Aと、各店舗に関する店舗情報が格納される店舗情報データベース(DB)13Bと、利用者に対する情報の開示範囲を規定する開示範囲情報が格納される開示範囲情報データベース(DB)13Cと、商品を購入する場合における利用者の希望条件に関する購入希望情報が格納される購入希望情報データベース(DB)13Dと、利用者と店舗との間の取引に関する取引情報が格納される取引情報データベース(DB)13Eとが設けられている。これらの各データベースの詳細については後述する。
【0029】
さらに、ハードディスク13には、例えば米マイクロソフト社が製造販売するWindows(登録商標)などのマルチタスクオペレーティングシステムがインストールされている。以下の説明においては、各種のコンピュータプログラムが当該オペレーティングシステム上で動作するものとしている。
【0030】
通信I/F14は、通信ネットワークNTWを介して取引仲介装置1が外部の装置と通信するためのインタフェース装置である。取引仲介装置1は、この通信I/F14を介して、利用者端末装置2,2,…及び店舗端末装置3,3,…との間で各種のデータの送受信を行う。
【0031】
以下、ハードディスク13に設けられている各データベースの詳細について説明する。
(A)利用者情報DB13A
図3は、本発明の実施の形態に係る取引仲介装置1に設けられている利用者情報DB13Aのレイアウトの一例を示す図である。図3に示すように、利用者情報DB13Aは、利用者を識別するための利用者IDが格納される利用者IDフィールド101、及びその利用者の電子メールアドレスが格納されるメールアドレスフィールド102を有している。取引仲介装置1は、上記の利用者情報をクレジットカードシステム4から受信し、利用者情報DB13Aに登録する。
【0032】
(B)店舗情報DB13B
図4は、本発明の実施の形態に係る取引仲介装置1に設けられている店舗情報DB13Bのレイアウトの一例を示す図である。図4に示すように、店舗情報DB13Bは、店舗を識別するための店舗IDが格納される店舗IDフィールド201、その店舗の店舗名が格納される店舗名フィールド202、及びその店舗のメールアドレスが格納されるメールアドレスフィールド203を有している。取引仲介装置1は、上記の店舗情報をクレジットカードシステム4から受信し、店舗情報DB13Bに登録する。
【0033】
(C)開示範囲情報DB13C
図5は、本発明の実施の形態に係る取引仲介装置1に設けられている開示範囲情報DB13Cのレイアウトの一例を示す図である。図5に示すように、開示範囲情報DB13Cは、利用者の利用者IDが格納される利用者IDフィールド301、その利用者が利用したことがある店舗(商品を購入したことがある店舗)の店舗IDが格納される店舗IDフィールド302、その店舗における当該利用者のランクが格納されるランクフィールド303、及び当該利用者に対する当該店舗についての情報の開示範囲を示す情報が格納される開示範囲フィールド304を有している。
【0034】
上記のランクフィールド303に格納されるランクは、各利用者による店舗の利用実績に応じて定められる。具体的には、利用した回数及び利用金額が多いほど高いランクが付与される。取引仲介装置1は、クレジットカードシステム4から取得した利用者の店舗の利用実績(クレジットカード決済による当該店舗の利用実績)に基づいて何れのランクを付与するかを決定する。後述するように、このランクにより、利用者に対する情報の開示範囲及び購入希望条件提示の制限回数等が確定する。
【0035】
なお、上述したように、本実施の形態では利用者による店舗の利用実績に応じてランクが定められているが、その他にも、例えば利用者が当該店舗に対して購入希望条件を提示した実績(後述する購入希望情報の登録実績に相当)に応じてランクが定められるようにしてもよい。具体的には、購入希望条件の提示回数が多いほど高いランクが付与されたり、最終的に取引が成立する等のように店舗にとって有益な購入希望条件の提示が多いほど高いランクが付与されたりする等の態様が想定される。また、店舗からの要求に応じて当該店舗における利用者のランクを定めたり、適宜修正したりしてもよい。これにより、店舗側で各利用者の開示範囲等を決定することができる。
【0036】
図5に示すとおり、上記の開示範囲フィールド304に格納される情報としては、“全部”、“取引成否”及び“交渉有無”等の情報が挙げられる。ここで、“交渉有無”は、他の利用者が当該店舗と取引の交渉を行ったか否かを意味している。また、“取引成否”はその交渉の結果として取引が成立したか否かを、“全部”はその取引が成立した場合、すなわち利用者が店舗にて商品を購入した場合の購入価格を含む交渉内容のすべてをそれぞれ意味している。本実施の形態では、開示範囲が“交渉有無”となっている場合、取引の交渉が行われたか否かのみが利用者に対して開示される。また、開示範囲が“取引成否”となっている場合、交渉の有無に加えて、その交渉の結果取引が成立したか否かが利用者に対して開示される。さらに、開示範囲が“全部”となっている場合、それらの交渉の有無及び取引の成否を含む交渉内容のすべてが利用者に対して開示される。
【0037】
利用者は、交渉の結果を知らなくても、交渉が行われたことを知ることにより、当該店舗で商品を購入する場合は交渉することができる可能性が高いことを確認することができる。但し、交渉の結果及びその経緯等を知ることができた方が有益であるため、利用者としては開示範囲が広いが望ましい。
【0038】
開示範囲フィールド304に格納される情報は、ランクフィールド303に格納されているランクにより定められる。具体的には、例えばA,B及びCの3つのランクが存在する場合であれば、ランクAのときは最も開示範囲が広い“全部”が、ランクBのときは次に開示範囲が広い“取引成否”が、そして、ランクCのときは最も開示範囲が狭い“交渉有無”がそれぞれ開示範囲フィールド304に格納される。
【0039】
開示範囲フィールド304に格納される情報としては、上記のもの以外にも、例えば“購入希望価格のみ”、“取引価格のみ”、“価格以外”等、様々なものが想定される。ここで、“購入希望価格のみ”は利用者が提示した購入希望価格のみを開示することを、“購入価格のみ”は利用者が店舗にて商品を購入した場合の購入価格のみを開示することを、“価格以外”は利用者の購入希望価格、利用者に対する店舗の提示価格及び取引が成立した場合の購入価格等の各価格の具体的な数字は開示せずに交渉の経緯を開示すること(例えば、「利用者が示した購入希望価格を店舗が了承した」等)をそれぞれ意味している。その他にも、価格については開示する一方で、商品のその他の属性(サイズ、色等)については開示しない等、開示範囲をより細かいレベルで定めるようにしてもよい。具体的には、開示範囲フィールド304を開示範囲(交渉結果)・開示範囲(交渉内容)・開示範囲(提示主体)のように分けて、それらの組み合わせにより開示範囲を細かく制御すること等が想定される。例えば、開示範囲(交渉結果)に“取引成立”が、開示範囲(交渉内容)に“価格”が、開示範囲(提示主体)に“利用者”がそれぞれ格納された場合であれば、交渉の結果取引が成立した場合の利用者が提示した希望価格が開示されることになる。また、開示範囲(交渉結果)に“取引成立”及び“取引不成立”が、開示範囲(交渉内容)に“サイズ”が、開示範囲(提示主体)に“利用者”及び“店舗”がそれぞれ格納された場合であれば、取引の成立・不成立を問わず、サイズについて利用者が提示した希望及びそれに対して店舗が提示した内容が開示されることになる。
【0040】
取引仲介装置1は、クレジットカードシステム4から各利用者の利用実績を定期的に取得し、その利用実績に応じて開示範囲情報を生成し、これを開示範囲情報DB13Cに登録する。そのため、各利用者に対しては、利用実績がある店舗のみについて開示範囲情報が生成されることになる。また、取引仲介装置1は、クレジットカードシステム4から取得した利用実績に応じて、開示範囲情報DB13Cの内容を更新する。これにより、利用実績が増えるにしたがって開示範囲を広くしたり、利用頻度が少なくなった場合には開示範囲を狭くしたり等、様々な対応が可能になる。
【0041】
(D)購入希望情報DB13D
図6は、本発明の実施の形態に係る取引仲介装置1に設けられている購入希望情報DB13Dのレイアウトの一例を示す図である。図6に示すように、購入希望情報DB13Dは、店舗の店舗IDが格納される店舗IDフィールド401、その店舗で販売される商品を識別するための商品IDが格納される商品IDフィールド402、その商品の購入を希望する利用者の利用者IDが格納される利用者IDフィールド403、その利用者が当該店舗に出向いて当該商品を確認したときの来店日時が格納される来店日時フィールド404、購入希望情報の送信日時が格納される送信日時フィールド405、購入希望条件の種別を示すコードが格納されるコードフィールド406、購入希望条件の内容が格納される希望条件フィールド407、及び利用者のコメントが格納されるコメントフィールド408を有している。
【0042】
図6に示す例では、上記のコードフィールド406に“01”、“02”、“03”及び“99”が格納されている。本実施の形態では、“01”が「価格」を、“02”が「サイズ」を、“03”が「色」を、“99”が「その他」をそれぞれ示すものとする。コードが“01”の場合は希望条件フィールド407に利用者が希望する価格が格納され、“02”の場合は利用者が希望するサイズが格納され、“03”の場合は利用者が希望する色が格納される。また、コードが“99”の場合はコメントフィールド308に利用者のコメントが格納される。なお、コードフィールド406に複数のコードが格納され、それに伴い希望条件フィールド407に複数の希望条件が格納される場合もある。
【0043】
上記の購入希望情報は、後述する購入希望情報登録処理が実行されることにより生成され、購入希望情報DB13Dに登録される。
【0044】
(E)取引情報DB13E
図7は、本発明の実施の形態に係る取引仲介装置1に設けられている取引情報DB13Eのレイアウトの一例を示す図である。図7に示すように、取引情報DB13Eは、店舗の店舗IDが格納される店舗IDフィールド501、その店舗で販売される商品の商品IDが格納される商品IDフィールド502、その商品の購入をする目的で当該店舗と取引の交渉を行う利用者の利用者IDが格納される利用者IDフィールド503、その取引の成否を示す情報が格納される取引成否フィールド504、その取引が成立した場合の取引価格(購入価格)が格納される取引価格フィールド505、及びその取引の交渉の内容を示す情報が格納される交渉内容フィールド506を有している。
【0045】
上記の取引情報は、利用者と店舗との間で取引の交渉が行われた場合に、後述するようにして生成され、取引情報DB13Eに登録される。
【0046】
[店舗端末装置の構成]
以下、店舗端末装置3の詳細な構成について説明する。
図8は、本発明の実施の形態1に係る店舗端末装置3の構成を示すブロック図である。図8に示すとおり、コンピュータ(店舗端末装置)3は、CPU30、ROM31、RAM32、ハードディスク33、及び通信インタフェース(I/F)34を備えており、これらのCPU30、ROM31、RAM32、及び通信I/F34は、バス35によって接続されている。ハードディスク33には、店舗にて販売される商品に関する商品情報が格納される商品情報データベース(DB)33Aと、商品の入荷状況を示す入荷情報が格納される入荷情報データベース(DB)33Bと、利用者の購入希望条件に関する購入希望情報が格納される購入希望情報データベース(DB)33Cとが設けられている。なお、店舗端末装置3のその他の構成については、取引仲介装置1の場合と同様であるので、説明を省略する。
【0047】
以下、ハードディスク33に設けられている各データベースの詳細について説明する。
(A)商品情報DB33A
図9は、本発明の実施の形態に係る店舗端末装置3に設けられている商品情報DB33Aのレイアウトの一例を示す図である。図9に示すように、商品情報DB33Aは、商品を識別するための商品IDが格納される商品IDフィールド601、その商品の販売価格が格納される販売価格フィールド602、その商品の色が格納される色フィールド603、その商品のサイズが格納されるサイズフィールド604、その商品の機能が格納される機能フィールド605、及びその商品のメーカー名が格納されるメーカーフィールド606を有している。各店舗の店員等が上記の商品情報を店舗端末装置3に対して入力し、その入力を受けた店舗端末装置3がその商品情報を商品情報DB33Aに登録する。
【0048】
なお、図9には、商品が衣料品である場合の商品情報が例示されている。商品がその他のものである場合、その商品の性質等に応じて商品情報の内容が異なることが想定される。
【0049】
(B)入荷情報DB33B
図10は、本発明の実施の形態に係る店舗端末装置3に設けられている入荷情報DB33Bのレイアウトの一例を示す図である。図10に示すように、入荷情報DB33Bは、商品の商品IDが格納される商品IDフィールド701、及びその商品が店舗に入荷する予定日が格納される入荷予定日フィールド702を有している。
【0050】
商品情報の場合と同様に、各店舗の店員等が上記の入荷情報を店舗端末装置3に対して入力し、その入力を受けた店舗端末装置3がその入荷情報を入荷情報DB33Bに登録する。
【0051】
(C)購入希望情報DB33C
図11は、本発明の実施の形態に係る店舗端末装置3に設けられている購入希望情報DB33Cのレイアウトの一例を示す図である。図11に示すように、購入希望情報DB33Cは、商品IDフィールド801、利用者IDフィールド802、来店日時フィールド803、送信日時フィールド804、コードフィールド805、希望条件フィールド806、及びコメントフィールド807を有している。これらの各フィールド801乃至807は、取引仲介装置1に設けられている購入希望情報DB13Dにおける各フィールド401乃至408と同様であり、各フィールド801乃至807に格納される情報は上述したとおりである。
【0052】
[取引仲介システムの動作]
次に、上述したように構成された本実施の形態の取引仲介システムの動作について、フローチャート等を参照しながら説明する。なお、本実施の形態の取引仲介システムにて実行される主な処理には、(1)購入希望情報の登録を行うための購入希望情報登録処理、(2)購入希望情報を店舗に対して通知するための購入希望情報通知処理、(3)店舗の回答を利用者に通知するための店舗回答情報通知処理、(4)商品の入荷予定を利用者に対して通知するための商品入荷通知処理、及び(5)利用者と店舗との間でやりとりされる取引情報を他の利用者に対して開示するための取引情報開示処理等がある。以下では、これらの各処理の詳細について説明する。
【0053】
(1)購入希望情報登録処理
各利用者は、店舗に出向き、購入を希望する商品に関する情報及び当該店舗に関する情報等を収集する。例えば、各利用者は、商品の販売価格、色及びサイズ等の情報及び店舗名等の情報を、携行している携帯型電話機に対して入力することにより収集する。その他にも、例えば、これらの情報を表すバーコード又はQRコード(登録商標)等が印刷された媒体を各商品に備え付けておき、各利用者が、そのバーコード等を携帯型電話機等により読み取ることにより、各商品に関する情報の収集を行うようにしてもよい。利用者は、このようにして収集した情報を用いて、購入を希望する商品についての購入希望情報の登録を試みる。
【0054】
図12は、本発明の実施の形態に係る取引仲介システムが備える取引仲介装置1及び利用者端末装置2が実行する購入希望情報登録処理の手順を示すフローチャートである。
まず、利用者は、例えば自宅に備えてある利用者端末装置2に対して、携帯型電話機により収集した商品に関する情報を入力する。この入力は、携帯型電話機と利用者端末装置2とを通信可能に接続し、携帯型電話機から利用者端末装置2に対して当該情報を送信すること等により行われる。利用者端末装置2は、利用者が収集した商品に関する情報(以下、「収集情報」という)の入力を受け付けた場合(S101)、収集情報の一覧を示す収集情報一覧画面を表示装置上に表示する(S102)。
【0055】
図13は、利用者端末装置2の表示装置上に表示される収集情報一覧画面の一例を示す図である。図13に示すように、収集情報一覧画面S1には、利用者により入力された収集情報の一覧が示されており、各収集情報には、情報を収集した日時(すなわち、利用者が店舗を訪問した日時)、店舗名、商品名及び販売価格が含まれている。なお、図13には、各収集情報が時系列で整理されて表示されているが、その他の態様で表示するようにしてもよく、例えば店舗毎又は商品のカテゴリー毎に各収集情報を整列させるようにしてもよい。
【0056】
利用者は、利用者端末装置2の入力装置を用いて、収集情報一覧画面S1に表示されている収集情報の一つを選択する。利用者端末装置2は、収集情報の選択を受け付けた場合(S103)、その選択された収集情報に係る商品の購入希望条件を入力するための希望条件入力画面を表示装置上に表示する(S104)。
【0057】
図14は、利用者端末装置2の表示装置上に表示される希望条件入力画面の一例を示す図である。図14に示すように、希望条件入力画面S2には、商品の価格を入力するための入力欄F1、商品のサイズを入力するための入力欄F2、商品の色を入力するための入力欄F3、商品の機能を入力するための入力欄F4、商品のメーカーを入力するための入力欄F5、及びコメントを入力するための入力欄F6が設けられており、さらに、各入力欄に入力した情報を登録するための登録ボタンB1及びその登録をキャンセルするためのキャンセルボタンB2が設けられている。
【0058】
利用者は、利用者端末装置2の入力装置を用いて、希望条件入力画面S2に設けられている入力欄F1乃至F6のうちの少なくとも一つの入力欄に希望条件を入力し(例えば、入力欄F1に購入希望価格を入力する等)、登録ボタンB1を押下する。利用者端末装置2は、利用者から希望条件の入力を受け付けた場合(S105)、その希望条件、選択されている収集情報、及び利用者の利用者IDを含む購入希望情報を取引仲介装置1に対して送信する(S106)。
【0059】
取引仲介装置1は、利用者端末装置2から送信された購入希望情報を受信した場合(S201)、クレジットカードシステム4から取得した各利用者の利用実績に関する情報に基づいて、当該購入希望情報に含まれている利用者IDによって特定される利用者が、当該購入希望情報に係る店舗を利用したことがあるか否かを判定する(S202)。ここで利用実績がないと判定した場合(S202でNO)、取引仲介装置1は、購入希望情報の登録が認められないことを示す登録不可情報を利用者端末装置2に対して送信する(S203)。この場合、この登録不可情報を利用者端末装置2が受信し(S107)、処理が終了する。このように、利用実績がない店舗についての購入希望情報の登録を許可しないことにより、購入する可能性が高くないと推測される利用者による購入希望情報の登録を排除することができる。
【0060】
他方、ステップS202にて利用実績があると判定した場合(S202でYES)、取引仲介装置1は、ステップS201で受信した購入希望情報の内容を購入希望情報DB13Dに登録する(S204)。この場合、送信日時フィールド405には利用者端末装置2から購入希望情報が送信された日時が、コードフィールド406には利用者が入力した希望条件の種別を示すコードが、希望条件フィールド407には利用者が入力した希望条件が、コメントフィールド408には利用者がコメントを入力した場合の当該コメントがそれぞれ格納されることになる。
【0061】
ステップS204を実行した後、取引仲介装置1は、購入希望情報の登録が完了したことを示す登録完了情報を利用者端末装置2に対して送信する(S205)。この登録完了情報を利用者端末装置2が受信し(S108)、処理が終了する。
【0062】
以上の購入希望情報登録処理が繰り返し実行されることにより、取引仲介装置1の購入希望情報DB13Dに各利用者から提供された購入希望情報が蓄積される。そして、それらの購入希望情報が、以下の購入希望情報通知処理により各店舗に対して通知されることになる。
【0063】
なお、購入希望情報の登録を無制限にできることとすると、店舗における対応が困難になる等の不都合が生じる可能性がある。そのため、開示範囲情報DB13Cに格納されているランクに基づいて、購入希望情報の登録回数を制限することが好ましい(例えば、Aランクの利用者は1日10回まで、Bランクの場合は1日5回まで登録できる、Cランクの場合は購入希望情報の登録ができない等)。
【0064】
なお、本実施の形態では、店舗にて商品に関する情報を収集する際に用いられる携帯型電話機と利用者端末装置2とは別装置であるが、当該携帯型電話機が利用者端末装置2となるような構成であってもよい。また、商品に関する情報を利用者がマニュアルで入手し(例えば、利用者が商品に関する情報を紙媒体に記入する等)、当該情報を利用者端末装置2に入力するようにしてもよい。
【0065】
(2)購入希望情報通知処理
図15は、本発明の実施の形態に係る取引仲介システムが備える取引仲介装置1及び店舗端末装置3が実行する購入希望情報通知処理の手順を示すフローチャートである。なお、この購入希望情報通知処理は上記の購入希望情報登録処理が実行される都度等、適宜のタイミングで繰り返し実行される。
【0066】
取引仲介装置1は、まだ店舗に対して通知されていない購入希望情報を購入希望情報DB13Dから抽出し(S301)、その購入希望情報に含まれている店舗IDを参照することにより当該購入希望情報の通知先となる店舗を特定する(S302)。次に、取引仲介装置1は、通知先として特定した店舗側で用いられる店舗端末装置3に対して、購入希望情報を送信する(S303)。なお、この購入希望情報の送信は電子メールを介して行ってもよく、その他の公知の技術により行ってもよい。
【0067】
店舗端末装置3は、取引仲介装置1から送信された購入希望情報を受信した場合(S401)、受信した購入希望情報を購入希望情報DB33Cに登録する(S402)。そして、購入希望情報の登録が完了したことを示す登録完了情報を店舗端末装置3が取引仲介装置1に対して送信し(S403)、その登録完了情報を取引仲介装置1が受信(S304)することにより、購入希望情報通知処理が終了する。
【0068】
以上の購入希望情報通知処理が繰り返し実行されることにより、各店舗の店舗端末装置3の購入希望情報DB33Cに購入希望情報が蓄積される。各店舗では、購入希望情報で示される利用者の希望条件に対する回答(例えば、「希望購入価格まで値引きする」等)を店舗端末装置3に入力し、取引仲介装置1に対して送信させる。これにより、以下の店舗回答情報通知処理が実行されることになる。
【0069】
(3)店舗回答情報通知処理
上述したようにして店舗端末装置3に入力された店舗による回答は、以下のようにして利用者に対して通知される。
【0070】
図16は、本発明の実施の形態に係る取引仲介システムが備える取引仲介装置1、利用者端末装置2、及び店舗端末装置3が実行する店舗回答情報通知処理の手順を示すフローチャートである。
店舗端末装置3は、購入希望情報に示される希望条件に対する店舗の回答を示す店舗回答情報の入力を受け付けた場合(S501)、その店舗回答情報を取引仲介装置1に対して送信する(S502)。なお、取引仲介装置1に対して送信される店舗回答情報には、その通知元である店舗の店舗ID及びその通知先である利用者の利用者IDが含まれているものとする。
【0071】
取引仲介装置1は、店舗端末装置3から送信された店舗回答情報を受信した場合(S601)、受信した店舗回答情報が購入希望情報DB13Dに登録されている購入希望情報に示されている希望条件に対する回答であるかを確認した上で、通知先である利用者(すなわち、購入希望情報を登録した利用者)側で用いられる利用者端末装置2に対して、その店舗回答情報を送信する(S602)。この店舗回答情報を利用者端末装置2が受信(S701)することにより、店舗回答情報通知処理が終了する。
【0072】
以上の店舗回答情報通知処理が実行されることにより、利用者は、自己の希望条件に対する回答を店舗から取得することができる。その回答に満足した場合、利用者は商品の購入を行うことになる。他方、希望条件が折り合わない等の場合、利用者は再度購入希望情報の登録を試みる。その場合、上記の(1)購入希望情報登録処理、(2)購入希望情報通知処理、及び(3)店舗回答情報通知処理と同様の処理が実行されることにより、利用者及び店舗間で取引の交渉が継続して行われることになる。
【0073】
上記の(1)購入希望情報登録処理、(2)購入希望情報通知処理、及び(3)店舗回答情報通知処理が実行された場合、利用者と店舗との間で取引の交渉が行われたことになる。取引仲介装置1は、各処理において用いられた情報を利用して、その交渉の内容を示す取引情報を生成し、その取引情報を取引情報DB13Eに登録する。なお、取引仲介装置1は、当該利用者が当該店舗にてクレジットカード決済により商品を購入したことを示す情報をクレジットカードシステム4から取得した場合に、当該取引情報を生成して取引情報DB13Eに登録するようにしてもよい。
【0074】
取引仲介装置1は、利用者からの要求に応じて、上述したようにして取引仲介装置1を介して行われる利用者及び店舗間の取引の交渉内容を一覧することができる情報を利用者端末装置2に対して送信する。利用者端末装置2が、その情報を示す画面(以下、「取引交渉内容画面」という)を表示装置上に表示することにより、利用者は取引の交渉内容を確認することができる。
【0075】
図17は、利用者端末装置2の表示装置上に表示される取引交渉内容画面の一例を示す図である。図17に示すように、取引交渉内容画面S3には、利用者の希望条件及びその希望条件に対する店舗の回答が時系列で示されている。なお、このような取引交渉内容画面S3を用いて、利用者が購入希望情報を追加登録できるようにしてもよい。具体的には、例えば取引交渉内容画面S3に空欄を設けておき、利用者がその空欄に希望条件を入力することにより、取引仲介装置1に対して購入希望情報が送信されるようにしてもよい。同様にして、店舗端末装置3においても取引交渉内容画面S3と同様の画面を表示し、当該画面を用いて店舗回答情報の追加登録を行うことができるようにしてもよい。
【0076】
(4)商品入荷通知処理
利用者が購入を希望している商品の在庫がない場合であって、その商品の入荷予定があるときは、以下の商品入荷通知処理を実行することにより、入荷予定である旨を利用者に対して通知する。
【0077】
図18は、本発明の実施の形態に係る取引仲介システムが備える取引仲介装置1、利用者端末装置2、及び店舗端末装置3が実行する商品入荷通知処理の手順を示すフローチャートである。
商品が新たに入荷する予定が確定した場合、店舗の店員等が、その入荷予定に係る入荷情報を店舗端末装置3に対して入力する。店舗端末装置3は、その入力された入荷情報を入荷情報DB33Bに登録し(S801)、購入希望情報DB33Cを参照して当該入荷情報に係る商品の購入を希望している利用者を特定する(S802)。次に、店舗端末装置3は、商品が入荷する予定であることを示す希望商品入荷情報を生成し(S803)、その希望商品入荷情報を取引仲介装置1に対して送信する(S804)。なお、取引仲介装置1に対して送信される希望商品入荷情報には、その通知元である店舗の店舗ID及びその通知先である利用者の利用者IDが含まれているものとする。
【0078】
取引仲介装置1は、店舗端末装置3から送信された希望商品入荷情報を受信した場合(S901)、受信した希望商品入荷情報が購入希望情報DB13Dに登録されている購入希望情報に示されている商品の入荷予定を示すものであるかを確認した上で、通知先である利用者(すなわち、購入希望情報を登録した利用者)側で用いられる利用者端末装置2に対して、入荷予定を通知するための画面である入荷通知画面を示す入荷通知画面情報を送信する(S902)。
【0079】
利用者端末装置2は、取引仲介装置1から送信された入荷通知画面情報を受信した場合(S1001)、その入荷通知画面情報に示されている入荷通知画面を表示装置上に表示する(S1002)。
【0080】
図19は、利用者端末装置2の表示装置上に表示される入荷通知画面の一例を示す図である。図19に示すように、入荷通知画面S4には、商品を特定する情報及び入荷予定日等が表示される。利用者は、この入荷通知画面S4を参照することにより、購入を希望する商品が入荷したことを確認することができる。また、入荷通知画面S4には、当該商品を購入するための購入ボタンB3が設けられている。利用者端末装置2を用いて利用者が購入ボタンB3を押下した場合、利用者の購入意思を示す情報が取引仲介装置1を介して店舗端末装置3に対して通知される。
【0081】
(5)取引情報開示処理
店舗と利用者との間で過去に行われた取引の交渉内容を他の利用者が知ることができれば、当該他の利用者が当該店舗にて販売されている商品の購入を検討する際の参考にすることができる。取引情報開示処理は、このように各利用者が商品の購入を検討する際の参考情報を提供するための処理である。
【0082】
図20は、本発明の実施の形態に係る取引仲介システムが備える取引仲介装置1及び利用者端末装置2が実行する取引情報開示処理の手順を示すフローチャートである。
利用者は、特定の店舗に関する取引情報を確認したい場合、その交渉内容を示す取引情報の開示を要求するために、その旨を示す開示要求情報を利用者端末装置2に対して入力する。利用者端末装置2は、利用者から開示要求情報の入力を受け付けた場合(S1101)、その開示要求情報を取引仲介装置1に対して送信する(S1102)。なお、取引仲介装置1に対して送信される開示要求情報には、利用者の利用者ID及び利用者が取引情報の確認を希望している一又は複数の店舗の店舗IDが含まれているものとする。
【0083】
取引仲介装置1は、利用者端末装置2から送信された開示要求情報を受信した場合(S1201)、その開示要求情報に含まれている利用者ID及び店舗IDを検索キーとして開示範囲情報DB13Cを検索することにより、利用者に対して開示される取引情報の範囲を特定する(S1202)。すなわち、取引仲介装置1は、上記の利用者ID及び店舗IDを含む開示範囲情報を開示範囲情報DB13Cから抽出し、その抽出した開示範囲情報の開示範囲フィールド304に格納されている情報によって開示範囲を特定する。
【0084】
なお、ステップS1202において、上記の利用者ID及び店舗IDを含む開示範囲情報が開示範囲情報DB13Cに格納されていないために、開示範囲を特定することができなかった場合、取引情報を開示することができないことを示す情報を取引仲介装置1が利用者端末装置2に対して送信するようにしてもよい。
【0085】
次に、取引仲介装置1は、ステップS1202にて特定した開示範囲に含まれる内容を取引情報DB13Eから抽出し、その抽出した内容で構成される取引開示画面を示す取引開示画面情報を生成する(S1203)。そして、取引仲介装置1は、その生成した取引開示画面情報を利用者端末装置2に対して送信する(S1204)。
【0086】
利用者端末装置2は、取引仲介装置1から送信された取引開示画面情報を受信した場合(S1103)、その取引開示画面情報で示される取引開示画面を表示装置上に表示する(S1104)。
【0087】
図21は、利用者端末装置2の表示装置上に表示される取引開示画面の一例を示す図である。図21に示すように、取引開示画面S5には、店舗と他の利用者との間で過去に行われた取引の交渉内容が表示されている。
【0088】
図21に示す例では、取引開示画面S5にて複数の店舗についての情報が表示されており、「○○電器」については取引の交渉内容のすべてが、「××家具店」については取引の交渉の有無及びその取引の成否が、「△△洋服店」については取引の交渉の有無のみがそれぞれ表示されている。本実施の形態の場合、利用実績が多い店舗についてはより多くの情報が開示され、利用実績が少ない店舗についてはより限られた情報しか開示されない。利用者にとっては交渉内容の多くを知ることができた方が望ましいため、このように開示範囲を制御することにより、店舗の利用が促進されることになる。
【0089】
なお、購入希望情報の登録実績により開示範囲が定まる構成とした場合は、購入希望情報をより多く登録したり、より有益な購入希望情報を登録したりした場合により多くの情報が開示されることになる。そのため、購入希望情報の登録が促されることになり、各利用者と各店舗との交渉が活発に行われることにつながる。
【0090】
(その他の実施の形態)
取引仲介装置1は、店舗と取引を行った利用者から、その店舗の対応状況(例えば、購入希望情報を登録してから店舗の回答を受け取るまでの期間等)及び店舗の対応に対する満足度を取得し、当該店舗に対する評価を行うようにしてもよい。この評価も取引情報に含め、他の利用者に対して開示可能とすることにより、より有益な参考情報を利用者に対して与えることが可能になる。
【0091】
上記の実施の形態では、利用者からの開示要求を受けて取引仲介装置1が取引情報の開示を行っているが、例えば、利用者が特定の店舗の取引情報の開示を希望していることを予め取引仲介装置1に登録しておき、その特定の店舗について取引情報が生成された場合に、取引仲介装置1が当該利用者に対して取引情報を開示するようにしてもよい。この場合の開示範囲は、上記の実施の形態と同様にして決定してもよく、また、当該利用者が希望している範囲であって且つ店舗が開示を認める範囲としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明の取引仲介装置、取引仲介システム及び取引仲介方法は、例えばクレジットカードの会員が利用者となる場合の取引仲介装置、取引仲介システム及び取引仲介方法等として有用である。
【符号の説明】
【0093】
1 取引仲介装置
10 CPU
11 ROM
12 RAM
13 ハードディスク
13A 利用者情報データベース
13B 店舗情報データベース
13C 開示範囲情報データベース
13D 購入希望情報データベース
13E 取引情報データベース
14 通信インタフェース
15 バス
2 利用者端末装置
3 店舗端末装置
30 CPU
31 ROM
32 RAM
33 ハードディスク
33A 商品情報データベース
33B 入荷情報データベース
33C 購入希望情報データベース
34 通信インタフェース
35 バス
4 クレジットカードシステム
S1 収集情報一覧画面
S2 希望条件入力画面
S3 取引交渉内容画面
S4 入荷通知画面
S5 取引開示画面
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者と店舗との間で行われる取引を仲介するための取引仲介装置、取引仲介システム及び取引仲介方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネット等の通信ネットワークの普及に伴い、商品の販売価格は勿論のこと、商品に関するそれ以外の各種の情報が通信ネットワーク上で提供されている。例えば、特許文献1には、インターネットを介して、商品提供者が予め登録した販売価格情報を利用者に対して提供するとともに、利用者から提供された希望購入価格情報を商品提供者に対して提供する価格情報仲介方法が開示されている。この価格情報仲介方法によれば、商品提供者である店舗は、利用者の購入希望価格を知ることができ、その購入希望価格を受け入れることにより販売機会を確保することが可能になる。また、利用者は、自分が希望している価格で商品を購入することが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−297944号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の価格情報仲介方法の場合、取引の当事者である利用者と店舗との間で価格情報がやりとりされるのみであるため、その利用者とは異なる他の利用者にとっては何らメリットがなかった。
【0005】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、取引に関する情報を、当該取引の当事者ではない利用者に対して適宜提供することにより、取引の当事者である利用者のみならず、他の利用者にとっても有益である取引仲介装置、取引仲介システム及び取引仲介方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の一の態様の取引仲介装置は、店舗側で用いられる店舗端末装置及び当該店舗を利用する利用者側で用いられる利用者端末装置と通信ネットワークを介して通信可能に接続される取引仲介装置において、一の利用者側で用いられる利用者端末装置から、商品の購入希望条件を示す購入希望情報を取得する購入希望情報取得手段と、前記購入希望情報取得手段により取得された購入希望情報を、当該購入希望情報に係る商品を販売する販売店舗側で用いられる店舗端末装置に対して送信する購入希望情報送信手段と、前記販売店舗側で用いられる店舗端末装置から、前記購入希望情報で示される購入希望条件に対する回答を示す店舗回答情報を取得する店舗回答情報取得手段と、前記店舗回答情報取得手段により取得された店舗回答情報を、前記一の利用者側で用いられる利用者端末装置に対して送信する店舗回答情報送信手段と、前記購入希望情報及び前記店舗回答情報の少なくとも一部を含んで構成される取引情報を、他の利用者側で用いられる利用者端末装置に対して送信する取引情報送信手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
前記態様において、各利用者に対する取引情報の開示範囲を規定する開示範囲情報を記憶する開示範囲情報記憶部と、前記開示範囲情報記憶部に記憶されている開示範囲情報に基づいて、前記他の利用者に対して提供する取引情報の構成要素を特定する構成要素特定手段とをさらに備え、前記取引情報送信手段が、前記構成要素特定手段によって特定された構成要素からなる取引情報を、前記他の利用者側で用いられる利用者端末装置に対して送信するように構成されていてもよい。
【0008】
また、前記態様において、前記開示範囲情報記憶部には、各利用者の店舗の利用実績に応じて当該利用者に対する開示範囲を規定する開示範囲情報が記憶されていてもよい。
【0009】
また、前記態様において、前記開示範囲情報記憶部には、各利用者による購入希望情報の提供実績に応じて当該利用者に対する開示範囲を規定する開示範囲情報が記憶されていてもよい。
【0010】
また、前記態様において、前記購入希望情報取得手段により取得された購入希望情報を提供した利用者が、当該購入希望情報に係る店舗を利用した実績があるか否かを判定する利用実績有無判定手段をさらに備え、前記購入希望情報送信手段が、前記利用実績有無判定手段により利用した実績があると判定された場合に、前記購入希望情報を前記販売店舗側で用いられる店舗端末装置に対して送信するように構成されていてもよい。
【0011】
また、前記態様において、前記開示範囲情報記憶部には、少なくとも、取引交渉の有無を開示するか否かを規定する開示範囲情報が記憶されており、前記構成要素特定手段が、前記開示範囲情報に基づいて、取引交渉の有無を、前記他の利用者に対して提供する取引情報の構成要素とするか否かを判定するように構成されていてもよい。
【0012】
また、前記態様において、前記開示範囲情報記憶部には、取引交渉の有無に加えて当該取引交渉の成否を開示するか否かを規定する開示範囲情報が記憶されており、前記構成要素特定手段が、前記開示範囲情報に基づいて、取引交渉の有無及び当該取引交渉の成否を、前記他の利用者に対して提供する取引情報の構成要素とするか否かを判定するように構成されていてもよい。
【0013】
また、前記態様において、前記開示範囲情報記憶部には、取引交渉の有無及び当該取引交渉の成否に加えて、取引価格を開示するか否かを規定する開示範囲情報が記憶されており、前記構成要素特定手段が、前記開示範囲情報に基づいて、取引交渉の有無、当該取引交渉の成否及び取引価格を、前記他の利用者に対して提供する取引情報の構成要素とするか否かを判定するように構成されていてもよい。
【0014】
本発明の一の態様の取引仲介システムは、店舗側で用いられる店舗端末装置と、当該店舗を利用する利用者側で用いられる利用者端末装置及び前記店舗端末装置と通信ネットワークを介して通信可能に接続される取引仲介装置とを備える取引仲介システムにおいて、 前記取引仲介装置が、一の利用者側で用いられる利用者端末装置から、商品の購入希望条件を示す購入希望情報を取得する購入希望情報取得手段と、前記購入希望情報取得手段により取得された購入希望情報を、当該購入希望情報に係る商品を販売する販売店舗側で用いられる店舗端末装置に対して送信する購入希望情報送信手段とを具備し、前記店舗端末装置が、前記取引仲介装置から受信した購入希望情報で示される購入希望条件に対する回答を示す店舗回答情報を、前記取引仲介装置に対して送信する店舗回答情報送信手段を具備し、前記取引仲介装置がさらに、前記店舗端末装置から受信した店舗回答情報を、前記一の利用者側で用いられる利用者端末装置に対して送信する店舗回答情報送信手段と、前記購入希望情報及び前記店舗回答情報の少なくとも一部を含んで構成される取引情報を、他の利用者側で用いられる利用者端末装置に対して送信する取引情報送信手段とを具備することを特徴とする。
【0015】
前記態様において、前記取引仲介装置がさらに、各利用者に対する取引情報の開示範囲を規定する開示範囲情報を記憶する開示範囲情報記憶部と、前記開示範囲情報記憶部に記憶されている開示範囲情報に基づいて、前記他の利用者に対して提供する取引情報の構成要素を特定する構成要素特定手段とを具備し、前記取引情報送信手段が、前記構成要素特定手段によって特定された構成要素からなる取引情報を、前記他の利用者側で用いられる利用者端末装置に対して送信するように構成されていてもよい。
【0016】
また、本発明の一の態様の取引仲介方法では、店舗側で用いられる店舗端末装置及び当該店舗を利用する利用者側で用いられる利用者端末装置と通信ネットワークを介して通信可能に接続されるコンピュータが、一の利用者側で用いられる利用者端末装置から、商品の購入希望条件を示す購入希望情報を取得する購入希望情報取得工程と、前記購入希望情報取得工程により取得された購入希望情報を、当該購入希望情報に係る商品を販売する販売店舗側で用いられる店舗端末装置に対して送信する購入希望情報送信工程と、前記販売店舗側で用いられる店舗端末装置から、前記購入希望情報で示される購入希望条件に対する回答を示す店舗回答情報を取得する店舗回答情報取得工程と、前記店舗回答情報取得工程により取得された店舗回答情報を、前記一の利用者側で用いられる利用者端末装置に対して送信する店舗回答情報送信工程と、前記購入希望情報及び前記店舗回答情報の少なくとも一部を含んで構成される取引情報を、他の利用者側で用いられる利用者端末装置に対して送信する取引情報送信工程とを実行する。
【0017】
前記態様において、前記コンピュータが、各利用者に対する取引情報の開示範囲を規定する開示範囲情報を記憶する開示範囲情報記憶工程と、記憶した開示範囲情報に基づいて、前記他の利用者に対して提供する取引情報の構成要素を特定する構成要素特定工程とをさらに実行し、前記取引情報送信工程において、前記コンピュータが、前記構成要素特定工程によって特定された構成要素からなる取引情報を、前記他の利用者側で用いられる利用者端末装置に対して送信するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る取引仲介装置、取引仲介システム及び取引仲介方法によれば、取引の当事者以外の者に対して有益な情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態に係る取引仲介システムの構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施の形態に係る取引仲介装置の構成を示すブロック図。
【図3】本発明の実施の形態に係る取引仲介装置に設けられている利用者情報データベースのレイアウトの一例を示す図。
【図4】本発明の実施の形態に係る取引仲介装置に設けられている店舗情報データベースのレイアウトの一例を示す図。
【図5】本発明の実施の形態に係る取引仲介装置に設けられている開示範囲情報データベースのレイアウトの一例を示す図。
【図6】本発明の実施の形態に係る取引仲介装置に設けられている購入希望情報データベースのレイアウトの一例を示す図。
【図7】本発明の実施の形態に係る取引仲介装置に設けられている取引情報データベースのレイアウトの一例を示す図。
【図8】本発明の実施の形態に係る店舗端末装置の構成を示すブロック図。
【図9】本発明の実施の形態に係る店舗端末装置に設けられている商品情報データベースのレイアウトの一例を示す図。
【図10】本発明の実施の形態に係る店舗端末装置に設けられている入荷情報データベースのレイアウトの一例を示す図。
【図11】本発明の実施の形態に係る店舗端末装置に設けられている購入希望情報データベースのレイアウトの一例を示す図。
【図12】本発明の実施の形態に係る取引仲介システムが備える取引仲介装置及び利用者端末装置が実行する購入希望情報登録処理の手順を示すフローチャート。
【図13】利用者端末装置の表示装置上に表示される収集情報一覧画面の一例を示す図。
【図14】利用者端末装置の表示装置上に表示される希望条件入力画面の一例を示す図。
【図15】本発明の実施の形態に係る取引仲介システムが備える取引仲介装置及び店舗端末装置が実行する購入希望情報通知処理の手順を示すフローチャート。
【図16】本発明の実施の形態に係る取引仲介システムが備える取引仲介装置、利用者端末装置、及び店舗端末装置が実行する店舗回答情報通知処理の手順を示すフローチャート。
【図17】利用者端末装置の表示装置上に表示される取引交渉内容画面の一例を示す図。
【図18】本発明の実施の形態に係る取引仲介システムが備える取引仲介装置、利用者端末装置、及び店舗端末装置が実行する商品入荷通知処理の手順を示すフローチャート。
【図19】利用者端末装置の表示装置上に表示される入荷通知画面の一例を示す図。
【図20】本発明の実施の形態に係る取引仲介システムが備える取引仲介装置及び利用者端末装置が実行する取引情報開示処理の手順を示すフローチャート。
【図21】利用者端末装置の表示装置上に表示される取引開示画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す各実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための方法及び装置を例示するものであって、本発明の技術的思想は下記のものに限定されるわけではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において種々の変更を加えることができる。
【0021】
[取引仲介システムの構成]
図1は、本発明の実施の形態に係る取引仲介システムの構成を示すブロック図である。図1に示すとおり、本実施の形態の取引仲介システムは、利用者と店舗との間の取引を仲介するための取引仲介装置1と、各利用者側で用いられる複数の利用者端末装置2,2,…と、各店舗側で用いられる複数の店舗端末装置3,3,…とを備えている。利用者端末装置2,2,…としては、例えば携帯型電話機及びPDA(Personal Digital Assistant)等の通信機能を有する装置が用いられる。これらの取引仲介装置1、利用者端末装置2,2,…及び店舗端末装置3,3,…は、インターネット等の通信ネットワークNTWを介して通信可能に接続されている。
【0022】
なお、本実施の形態においては、各利用者がクレジットカードの会員であり、また、各店舗がクレジットカード会社と加盟店契約を締結している加盟店であるものとする。
【0023】
図1に示すように、取引仲介装置1は、クレジットカードに関する各種の処理を実行するクレジットカードシステム4と専用線等の通信ネットワークを介して通信可能に接続されている。取引仲介装置1は、クレジットカードシステム4から、各利用者に関する情報及び各店舗に関する情報等を取得する。
【0024】
[取引仲介装置の構成]
以下、上述した取引仲介装置1の詳細な構成について説明する。
図2は、本発明の実施の形態1に係る取引仲介装置1の構成を示すブロック図である。図2に示すとおり、コンピュータ(取引仲介装置)1は、CPU10、ROM11、RAM12、ハードディスク13、及び通信インタフェース(I/F)14を備えており、これらのCPU10、ROM11、RAM12、及び通信I/F14は、バス15によって接続されている。
【0025】
CPU10は、RAM12にロードされた各種のコンピュータプログラムを実行する。これにより、コンピュータ1が本実施の形態の取引仲介装置1として機能することになる。
【0026】
ROM11は、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、又はEEPROM(Electrically Erasable PROM)等によって構成されており、CPU10にて実行されるコンピュータプログラム及びその実行の際に用いられるデータ等が記憶されている。
【0027】
RAM12は、SRAM又はDRAMなどによって構成されている。このRAM12は、ハードディスク13に記憶されている各種のコンピュータプログラムの読み出し等に用いられる。また、CPU10が各種のコンピュータプログラムを実行するときに、CPU10の作業領域としても利用される。
【0028】
ハードディスク13には、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラムなど、CPU10に実行させるための各種のコンピュータプログラム及び当該コンピュータプログラムの実行に用いられるデータ等が予めインストールされている。また、このハードディスク13には、利用者に関する利用者情報が格納される利用者情報データベース(DB)13Aと、各店舗に関する店舗情報が格納される店舗情報データベース(DB)13Bと、利用者に対する情報の開示範囲を規定する開示範囲情報が格納される開示範囲情報データベース(DB)13Cと、商品を購入する場合における利用者の希望条件に関する購入希望情報が格納される購入希望情報データベース(DB)13Dと、利用者と店舗との間の取引に関する取引情報が格納される取引情報データベース(DB)13Eとが設けられている。これらの各データベースの詳細については後述する。
【0029】
さらに、ハードディスク13には、例えば米マイクロソフト社が製造販売するWindows(登録商標)などのマルチタスクオペレーティングシステムがインストールされている。以下の説明においては、各種のコンピュータプログラムが当該オペレーティングシステム上で動作するものとしている。
【0030】
通信I/F14は、通信ネットワークNTWを介して取引仲介装置1が外部の装置と通信するためのインタフェース装置である。取引仲介装置1は、この通信I/F14を介して、利用者端末装置2,2,…及び店舗端末装置3,3,…との間で各種のデータの送受信を行う。
【0031】
以下、ハードディスク13に設けられている各データベースの詳細について説明する。
(A)利用者情報DB13A
図3は、本発明の実施の形態に係る取引仲介装置1に設けられている利用者情報DB13Aのレイアウトの一例を示す図である。図3に示すように、利用者情報DB13Aは、利用者を識別するための利用者IDが格納される利用者IDフィールド101、及びその利用者の電子メールアドレスが格納されるメールアドレスフィールド102を有している。取引仲介装置1は、上記の利用者情報をクレジットカードシステム4から受信し、利用者情報DB13Aに登録する。
【0032】
(B)店舗情報DB13B
図4は、本発明の実施の形態に係る取引仲介装置1に設けられている店舗情報DB13Bのレイアウトの一例を示す図である。図4に示すように、店舗情報DB13Bは、店舗を識別するための店舗IDが格納される店舗IDフィールド201、その店舗の店舗名が格納される店舗名フィールド202、及びその店舗のメールアドレスが格納されるメールアドレスフィールド203を有している。取引仲介装置1は、上記の店舗情報をクレジットカードシステム4から受信し、店舗情報DB13Bに登録する。
【0033】
(C)開示範囲情報DB13C
図5は、本発明の実施の形態に係る取引仲介装置1に設けられている開示範囲情報DB13Cのレイアウトの一例を示す図である。図5に示すように、開示範囲情報DB13Cは、利用者の利用者IDが格納される利用者IDフィールド301、その利用者が利用したことがある店舗(商品を購入したことがある店舗)の店舗IDが格納される店舗IDフィールド302、その店舗における当該利用者のランクが格納されるランクフィールド303、及び当該利用者に対する当該店舗についての情報の開示範囲を示す情報が格納される開示範囲フィールド304を有している。
【0034】
上記のランクフィールド303に格納されるランクは、各利用者による店舗の利用実績に応じて定められる。具体的には、利用した回数及び利用金額が多いほど高いランクが付与される。取引仲介装置1は、クレジットカードシステム4から取得した利用者の店舗の利用実績(クレジットカード決済による当該店舗の利用実績)に基づいて何れのランクを付与するかを決定する。後述するように、このランクにより、利用者に対する情報の開示範囲及び購入希望条件提示の制限回数等が確定する。
【0035】
なお、上述したように、本実施の形態では利用者による店舗の利用実績に応じてランクが定められているが、その他にも、例えば利用者が当該店舗に対して購入希望条件を提示した実績(後述する購入希望情報の登録実績に相当)に応じてランクが定められるようにしてもよい。具体的には、購入希望条件の提示回数が多いほど高いランクが付与されたり、最終的に取引が成立する等のように店舗にとって有益な購入希望条件の提示が多いほど高いランクが付与されたりする等の態様が想定される。また、店舗からの要求に応じて当該店舗における利用者のランクを定めたり、適宜修正したりしてもよい。これにより、店舗側で各利用者の開示範囲等を決定することができる。
【0036】
図5に示すとおり、上記の開示範囲フィールド304に格納される情報としては、“全部”、“取引成否”及び“交渉有無”等の情報が挙げられる。ここで、“交渉有無”は、他の利用者が当該店舗と取引の交渉を行ったか否かを意味している。また、“取引成否”はその交渉の結果として取引が成立したか否かを、“全部”はその取引が成立した場合、すなわち利用者が店舗にて商品を購入した場合の購入価格を含む交渉内容のすべてをそれぞれ意味している。本実施の形態では、開示範囲が“交渉有無”となっている場合、取引の交渉が行われたか否かのみが利用者に対して開示される。また、開示範囲が“取引成否”となっている場合、交渉の有無に加えて、その交渉の結果取引が成立したか否かが利用者に対して開示される。さらに、開示範囲が“全部”となっている場合、それらの交渉の有無及び取引の成否を含む交渉内容のすべてが利用者に対して開示される。
【0037】
利用者は、交渉の結果を知らなくても、交渉が行われたことを知ることにより、当該店舗で商品を購入する場合は交渉することができる可能性が高いことを確認することができる。但し、交渉の結果及びその経緯等を知ることができた方が有益であるため、利用者としては開示範囲が広いが望ましい。
【0038】
開示範囲フィールド304に格納される情報は、ランクフィールド303に格納されているランクにより定められる。具体的には、例えばA,B及びCの3つのランクが存在する場合であれば、ランクAのときは最も開示範囲が広い“全部”が、ランクBのときは次に開示範囲が広い“取引成否”が、そして、ランクCのときは最も開示範囲が狭い“交渉有無”がそれぞれ開示範囲フィールド304に格納される。
【0039】
開示範囲フィールド304に格納される情報としては、上記のもの以外にも、例えば“購入希望価格のみ”、“取引価格のみ”、“価格以外”等、様々なものが想定される。ここで、“購入希望価格のみ”は利用者が提示した購入希望価格のみを開示することを、“購入価格のみ”は利用者が店舗にて商品を購入した場合の購入価格のみを開示することを、“価格以外”は利用者の購入希望価格、利用者に対する店舗の提示価格及び取引が成立した場合の購入価格等の各価格の具体的な数字は開示せずに交渉の経緯を開示すること(例えば、「利用者が示した購入希望価格を店舗が了承した」等)をそれぞれ意味している。その他にも、価格については開示する一方で、商品のその他の属性(サイズ、色等)については開示しない等、開示範囲をより細かいレベルで定めるようにしてもよい。具体的には、開示範囲フィールド304を開示範囲(交渉結果)・開示範囲(交渉内容)・開示範囲(提示主体)のように分けて、それらの組み合わせにより開示範囲を細かく制御すること等が想定される。例えば、開示範囲(交渉結果)に“取引成立”が、開示範囲(交渉内容)に“価格”が、開示範囲(提示主体)に“利用者”がそれぞれ格納された場合であれば、交渉の結果取引が成立した場合の利用者が提示した希望価格が開示されることになる。また、開示範囲(交渉結果)に“取引成立”及び“取引不成立”が、開示範囲(交渉内容)に“サイズ”が、開示範囲(提示主体)に“利用者”及び“店舗”がそれぞれ格納された場合であれば、取引の成立・不成立を問わず、サイズについて利用者が提示した希望及びそれに対して店舗が提示した内容が開示されることになる。
【0040】
取引仲介装置1は、クレジットカードシステム4から各利用者の利用実績を定期的に取得し、その利用実績に応じて開示範囲情報を生成し、これを開示範囲情報DB13Cに登録する。そのため、各利用者に対しては、利用実績がある店舗のみについて開示範囲情報が生成されることになる。また、取引仲介装置1は、クレジットカードシステム4から取得した利用実績に応じて、開示範囲情報DB13Cの内容を更新する。これにより、利用実績が増えるにしたがって開示範囲を広くしたり、利用頻度が少なくなった場合には開示範囲を狭くしたり等、様々な対応が可能になる。
【0041】
(D)購入希望情報DB13D
図6は、本発明の実施の形態に係る取引仲介装置1に設けられている購入希望情報DB13Dのレイアウトの一例を示す図である。図6に示すように、購入希望情報DB13Dは、店舗の店舗IDが格納される店舗IDフィールド401、その店舗で販売される商品を識別するための商品IDが格納される商品IDフィールド402、その商品の購入を希望する利用者の利用者IDが格納される利用者IDフィールド403、その利用者が当該店舗に出向いて当該商品を確認したときの来店日時が格納される来店日時フィールド404、購入希望情報の送信日時が格納される送信日時フィールド405、購入希望条件の種別を示すコードが格納されるコードフィールド406、購入希望条件の内容が格納される希望条件フィールド407、及び利用者のコメントが格納されるコメントフィールド408を有している。
【0042】
図6に示す例では、上記のコードフィールド406に“01”、“02”、“03”及び“99”が格納されている。本実施の形態では、“01”が「価格」を、“02”が「サイズ」を、“03”が「色」を、“99”が「その他」をそれぞれ示すものとする。コードが“01”の場合は希望条件フィールド407に利用者が希望する価格が格納され、“02”の場合は利用者が希望するサイズが格納され、“03”の場合は利用者が希望する色が格納される。また、コードが“99”の場合はコメントフィールド308に利用者のコメントが格納される。なお、コードフィールド406に複数のコードが格納され、それに伴い希望条件フィールド407に複数の希望条件が格納される場合もある。
【0043】
上記の購入希望情報は、後述する購入希望情報登録処理が実行されることにより生成され、購入希望情報DB13Dに登録される。
【0044】
(E)取引情報DB13E
図7は、本発明の実施の形態に係る取引仲介装置1に設けられている取引情報DB13Eのレイアウトの一例を示す図である。図7に示すように、取引情報DB13Eは、店舗の店舗IDが格納される店舗IDフィールド501、その店舗で販売される商品の商品IDが格納される商品IDフィールド502、その商品の購入をする目的で当該店舗と取引の交渉を行う利用者の利用者IDが格納される利用者IDフィールド503、その取引の成否を示す情報が格納される取引成否フィールド504、その取引が成立した場合の取引価格(購入価格)が格納される取引価格フィールド505、及びその取引の交渉の内容を示す情報が格納される交渉内容フィールド506を有している。
【0045】
上記の取引情報は、利用者と店舗との間で取引の交渉が行われた場合に、後述するようにして生成され、取引情報DB13Eに登録される。
【0046】
[店舗端末装置の構成]
以下、店舗端末装置3の詳細な構成について説明する。
図8は、本発明の実施の形態1に係る店舗端末装置3の構成を示すブロック図である。図8に示すとおり、コンピュータ(店舗端末装置)3は、CPU30、ROM31、RAM32、ハードディスク33、及び通信インタフェース(I/F)34を備えており、これらのCPU30、ROM31、RAM32、及び通信I/F34は、バス35によって接続されている。ハードディスク33には、店舗にて販売される商品に関する商品情報が格納される商品情報データベース(DB)33Aと、商品の入荷状況を示す入荷情報が格納される入荷情報データベース(DB)33Bと、利用者の購入希望条件に関する購入希望情報が格納される購入希望情報データベース(DB)33Cとが設けられている。なお、店舗端末装置3のその他の構成については、取引仲介装置1の場合と同様であるので、説明を省略する。
【0047】
以下、ハードディスク33に設けられている各データベースの詳細について説明する。
(A)商品情報DB33A
図9は、本発明の実施の形態に係る店舗端末装置3に設けられている商品情報DB33Aのレイアウトの一例を示す図である。図9に示すように、商品情報DB33Aは、商品を識別するための商品IDが格納される商品IDフィールド601、その商品の販売価格が格納される販売価格フィールド602、その商品の色が格納される色フィールド603、その商品のサイズが格納されるサイズフィールド604、その商品の機能が格納される機能フィールド605、及びその商品のメーカー名が格納されるメーカーフィールド606を有している。各店舗の店員等が上記の商品情報を店舗端末装置3に対して入力し、その入力を受けた店舗端末装置3がその商品情報を商品情報DB33Aに登録する。
【0048】
なお、図9には、商品が衣料品である場合の商品情報が例示されている。商品がその他のものである場合、その商品の性質等に応じて商品情報の内容が異なることが想定される。
【0049】
(B)入荷情報DB33B
図10は、本発明の実施の形態に係る店舗端末装置3に設けられている入荷情報DB33Bのレイアウトの一例を示す図である。図10に示すように、入荷情報DB33Bは、商品の商品IDが格納される商品IDフィールド701、及びその商品が店舗に入荷する予定日が格納される入荷予定日フィールド702を有している。
【0050】
商品情報の場合と同様に、各店舗の店員等が上記の入荷情報を店舗端末装置3に対して入力し、その入力を受けた店舗端末装置3がその入荷情報を入荷情報DB33Bに登録する。
【0051】
(C)購入希望情報DB33C
図11は、本発明の実施の形態に係る店舗端末装置3に設けられている購入希望情報DB33Cのレイアウトの一例を示す図である。図11に示すように、購入希望情報DB33Cは、商品IDフィールド801、利用者IDフィールド802、来店日時フィールド803、送信日時フィールド804、コードフィールド805、希望条件フィールド806、及びコメントフィールド807を有している。これらの各フィールド801乃至807は、取引仲介装置1に設けられている購入希望情報DB13Dにおける各フィールド401乃至408と同様であり、各フィールド801乃至807に格納される情報は上述したとおりである。
【0052】
[取引仲介システムの動作]
次に、上述したように構成された本実施の形態の取引仲介システムの動作について、フローチャート等を参照しながら説明する。なお、本実施の形態の取引仲介システムにて実行される主な処理には、(1)購入希望情報の登録を行うための購入希望情報登録処理、(2)購入希望情報を店舗に対して通知するための購入希望情報通知処理、(3)店舗の回答を利用者に通知するための店舗回答情報通知処理、(4)商品の入荷予定を利用者に対して通知するための商品入荷通知処理、及び(5)利用者と店舗との間でやりとりされる取引情報を他の利用者に対して開示するための取引情報開示処理等がある。以下では、これらの各処理の詳細について説明する。
【0053】
(1)購入希望情報登録処理
各利用者は、店舗に出向き、購入を希望する商品に関する情報及び当該店舗に関する情報等を収集する。例えば、各利用者は、商品の販売価格、色及びサイズ等の情報及び店舗名等の情報を、携行している携帯型電話機に対して入力することにより収集する。その他にも、例えば、これらの情報を表すバーコード又はQRコード(登録商標)等が印刷された媒体を各商品に備え付けておき、各利用者が、そのバーコード等を携帯型電話機等により読み取ることにより、各商品に関する情報の収集を行うようにしてもよい。利用者は、このようにして収集した情報を用いて、購入を希望する商品についての購入希望情報の登録を試みる。
【0054】
図12は、本発明の実施の形態に係る取引仲介システムが備える取引仲介装置1及び利用者端末装置2が実行する購入希望情報登録処理の手順を示すフローチャートである。
まず、利用者は、例えば自宅に備えてある利用者端末装置2に対して、携帯型電話機により収集した商品に関する情報を入力する。この入力は、携帯型電話機と利用者端末装置2とを通信可能に接続し、携帯型電話機から利用者端末装置2に対して当該情報を送信すること等により行われる。利用者端末装置2は、利用者が収集した商品に関する情報(以下、「収集情報」という)の入力を受け付けた場合(S101)、収集情報の一覧を示す収集情報一覧画面を表示装置上に表示する(S102)。
【0055】
図13は、利用者端末装置2の表示装置上に表示される収集情報一覧画面の一例を示す図である。図13に示すように、収集情報一覧画面S1には、利用者により入力された収集情報の一覧が示されており、各収集情報には、情報を収集した日時(すなわち、利用者が店舗を訪問した日時)、店舗名、商品名及び販売価格が含まれている。なお、図13には、各収集情報が時系列で整理されて表示されているが、その他の態様で表示するようにしてもよく、例えば店舗毎又は商品のカテゴリー毎に各収集情報を整列させるようにしてもよい。
【0056】
利用者は、利用者端末装置2の入力装置を用いて、収集情報一覧画面S1に表示されている収集情報の一つを選択する。利用者端末装置2は、収集情報の選択を受け付けた場合(S103)、その選択された収集情報に係る商品の購入希望条件を入力するための希望条件入力画面を表示装置上に表示する(S104)。
【0057】
図14は、利用者端末装置2の表示装置上に表示される希望条件入力画面の一例を示す図である。図14に示すように、希望条件入力画面S2には、商品の価格を入力するための入力欄F1、商品のサイズを入力するための入力欄F2、商品の色を入力するための入力欄F3、商品の機能を入力するための入力欄F4、商品のメーカーを入力するための入力欄F5、及びコメントを入力するための入力欄F6が設けられており、さらに、各入力欄に入力した情報を登録するための登録ボタンB1及びその登録をキャンセルするためのキャンセルボタンB2が設けられている。
【0058】
利用者は、利用者端末装置2の入力装置を用いて、希望条件入力画面S2に設けられている入力欄F1乃至F6のうちの少なくとも一つの入力欄に希望条件を入力し(例えば、入力欄F1に購入希望価格を入力する等)、登録ボタンB1を押下する。利用者端末装置2は、利用者から希望条件の入力を受け付けた場合(S105)、その希望条件、選択されている収集情報、及び利用者の利用者IDを含む購入希望情報を取引仲介装置1に対して送信する(S106)。
【0059】
取引仲介装置1は、利用者端末装置2から送信された購入希望情報を受信した場合(S201)、クレジットカードシステム4から取得した各利用者の利用実績に関する情報に基づいて、当該購入希望情報に含まれている利用者IDによって特定される利用者が、当該購入希望情報に係る店舗を利用したことがあるか否かを判定する(S202)。ここで利用実績がないと判定した場合(S202でNO)、取引仲介装置1は、購入希望情報の登録が認められないことを示す登録不可情報を利用者端末装置2に対して送信する(S203)。この場合、この登録不可情報を利用者端末装置2が受信し(S107)、処理が終了する。このように、利用実績がない店舗についての購入希望情報の登録を許可しないことにより、購入する可能性が高くないと推測される利用者による購入希望情報の登録を排除することができる。
【0060】
他方、ステップS202にて利用実績があると判定した場合(S202でYES)、取引仲介装置1は、ステップS201で受信した購入希望情報の内容を購入希望情報DB13Dに登録する(S204)。この場合、送信日時フィールド405には利用者端末装置2から購入希望情報が送信された日時が、コードフィールド406には利用者が入力した希望条件の種別を示すコードが、希望条件フィールド407には利用者が入力した希望条件が、コメントフィールド408には利用者がコメントを入力した場合の当該コメントがそれぞれ格納されることになる。
【0061】
ステップS204を実行した後、取引仲介装置1は、購入希望情報の登録が完了したことを示す登録完了情報を利用者端末装置2に対して送信する(S205)。この登録完了情報を利用者端末装置2が受信し(S108)、処理が終了する。
【0062】
以上の購入希望情報登録処理が繰り返し実行されることにより、取引仲介装置1の購入希望情報DB13Dに各利用者から提供された購入希望情報が蓄積される。そして、それらの購入希望情報が、以下の購入希望情報通知処理により各店舗に対して通知されることになる。
【0063】
なお、購入希望情報の登録を無制限にできることとすると、店舗における対応が困難になる等の不都合が生じる可能性がある。そのため、開示範囲情報DB13Cに格納されているランクに基づいて、購入希望情報の登録回数を制限することが好ましい(例えば、Aランクの利用者は1日10回まで、Bランクの場合は1日5回まで登録できる、Cランクの場合は購入希望情報の登録ができない等)。
【0064】
なお、本実施の形態では、店舗にて商品に関する情報を収集する際に用いられる携帯型電話機と利用者端末装置2とは別装置であるが、当該携帯型電話機が利用者端末装置2となるような構成であってもよい。また、商品に関する情報を利用者がマニュアルで入手し(例えば、利用者が商品に関する情報を紙媒体に記入する等)、当該情報を利用者端末装置2に入力するようにしてもよい。
【0065】
(2)購入希望情報通知処理
図15は、本発明の実施の形態に係る取引仲介システムが備える取引仲介装置1及び店舗端末装置3が実行する購入希望情報通知処理の手順を示すフローチャートである。なお、この購入希望情報通知処理は上記の購入希望情報登録処理が実行される都度等、適宜のタイミングで繰り返し実行される。
【0066】
取引仲介装置1は、まだ店舗に対して通知されていない購入希望情報を購入希望情報DB13Dから抽出し(S301)、その購入希望情報に含まれている店舗IDを参照することにより当該購入希望情報の通知先となる店舗を特定する(S302)。次に、取引仲介装置1は、通知先として特定した店舗側で用いられる店舗端末装置3に対して、購入希望情報を送信する(S303)。なお、この購入希望情報の送信は電子メールを介して行ってもよく、その他の公知の技術により行ってもよい。
【0067】
店舗端末装置3は、取引仲介装置1から送信された購入希望情報を受信した場合(S401)、受信した購入希望情報を購入希望情報DB33Cに登録する(S402)。そして、購入希望情報の登録が完了したことを示す登録完了情報を店舗端末装置3が取引仲介装置1に対して送信し(S403)、その登録完了情報を取引仲介装置1が受信(S304)することにより、購入希望情報通知処理が終了する。
【0068】
以上の購入希望情報通知処理が繰り返し実行されることにより、各店舗の店舗端末装置3の購入希望情報DB33Cに購入希望情報が蓄積される。各店舗では、購入希望情報で示される利用者の希望条件に対する回答(例えば、「希望購入価格まで値引きする」等)を店舗端末装置3に入力し、取引仲介装置1に対して送信させる。これにより、以下の店舗回答情報通知処理が実行されることになる。
【0069】
(3)店舗回答情報通知処理
上述したようにして店舗端末装置3に入力された店舗による回答は、以下のようにして利用者に対して通知される。
【0070】
図16は、本発明の実施の形態に係る取引仲介システムが備える取引仲介装置1、利用者端末装置2、及び店舗端末装置3が実行する店舗回答情報通知処理の手順を示すフローチャートである。
店舗端末装置3は、購入希望情報に示される希望条件に対する店舗の回答を示す店舗回答情報の入力を受け付けた場合(S501)、その店舗回答情報を取引仲介装置1に対して送信する(S502)。なお、取引仲介装置1に対して送信される店舗回答情報には、その通知元である店舗の店舗ID及びその通知先である利用者の利用者IDが含まれているものとする。
【0071】
取引仲介装置1は、店舗端末装置3から送信された店舗回答情報を受信した場合(S601)、受信した店舗回答情報が購入希望情報DB13Dに登録されている購入希望情報に示されている希望条件に対する回答であるかを確認した上で、通知先である利用者(すなわち、購入希望情報を登録した利用者)側で用いられる利用者端末装置2に対して、その店舗回答情報を送信する(S602)。この店舗回答情報を利用者端末装置2が受信(S701)することにより、店舗回答情報通知処理が終了する。
【0072】
以上の店舗回答情報通知処理が実行されることにより、利用者は、自己の希望条件に対する回答を店舗から取得することができる。その回答に満足した場合、利用者は商品の購入を行うことになる。他方、希望条件が折り合わない等の場合、利用者は再度購入希望情報の登録を試みる。その場合、上記の(1)購入希望情報登録処理、(2)購入希望情報通知処理、及び(3)店舗回答情報通知処理と同様の処理が実行されることにより、利用者及び店舗間で取引の交渉が継続して行われることになる。
【0073】
上記の(1)購入希望情報登録処理、(2)購入希望情報通知処理、及び(3)店舗回答情報通知処理が実行された場合、利用者と店舗との間で取引の交渉が行われたことになる。取引仲介装置1は、各処理において用いられた情報を利用して、その交渉の内容を示す取引情報を生成し、その取引情報を取引情報DB13Eに登録する。なお、取引仲介装置1は、当該利用者が当該店舗にてクレジットカード決済により商品を購入したことを示す情報をクレジットカードシステム4から取得した場合に、当該取引情報を生成して取引情報DB13Eに登録するようにしてもよい。
【0074】
取引仲介装置1は、利用者からの要求に応じて、上述したようにして取引仲介装置1を介して行われる利用者及び店舗間の取引の交渉内容を一覧することができる情報を利用者端末装置2に対して送信する。利用者端末装置2が、その情報を示す画面(以下、「取引交渉内容画面」という)を表示装置上に表示することにより、利用者は取引の交渉内容を確認することができる。
【0075】
図17は、利用者端末装置2の表示装置上に表示される取引交渉内容画面の一例を示す図である。図17に示すように、取引交渉内容画面S3には、利用者の希望条件及びその希望条件に対する店舗の回答が時系列で示されている。なお、このような取引交渉内容画面S3を用いて、利用者が購入希望情報を追加登録できるようにしてもよい。具体的には、例えば取引交渉内容画面S3に空欄を設けておき、利用者がその空欄に希望条件を入力することにより、取引仲介装置1に対して購入希望情報が送信されるようにしてもよい。同様にして、店舗端末装置3においても取引交渉内容画面S3と同様の画面を表示し、当該画面を用いて店舗回答情報の追加登録を行うことができるようにしてもよい。
【0076】
(4)商品入荷通知処理
利用者が購入を希望している商品の在庫がない場合であって、その商品の入荷予定があるときは、以下の商品入荷通知処理を実行することにより、入荷予定である旨を利用者に対して通知する。
【0077】
図18は、本発明の実施の形態に係る取引仲介システムが備える取引仲介装置1、利用者端末装置2、及び店舗端末装置3が実行する商品入荷通知処理の手順を示すフローチャートである。
商品が新たに入荷する予定が確定した場合、店舗の店員等が、その入荷予定に係る入荷情報を店舗端末装置3に対して入力する。店舗端末装置3は、その入力された入荷情報を入荷情報DB33Bに登録し(S801)、購入希望情報DB33Cを参照して当該入荷情報に係る商品の購入を希望している利用者を特定する(S802)。次に、店舗端末装置3は、商品が入荷する予定であることを示す希望商品入荷情報を生成し(S803)、その希望商品入荷情報を取引仲介装置1に対して送信する(S804)。なお、取引仲介装置1に対して送信される希望商品入荷情報には、その通知元である店舗の店舗ID及びその通知先である利用者の利用者IDが含まれているものとする。
【0078】
取引仲介装置1は、店舗端末装置3から送信された希望商品入荷情報を受信した場合(S901)、受信した希望商品入荷情報が購入希望情報DB13Dに登録されている購入希望情報に示されている商品の入荷予定を示すものであるかを確認した上で、通知先である利用者(すなわち、購入希望情報を登録した利用者)側で用いられる利用者端末装置2に対して、入荷予定を通知するための画面である入荷通知画面を示す入荷通知画面情報を送信する(S902)。
【0079】
利用者端末装置2は、取引仲介装置1から送信された入荷通知画面情報を受信した場合(S1001)、その入荷通知画面情報に示されている入荷通知画面を表示装置上に表示する(S1002)。
【0080】
図19は、利用者端末装置2の表示装置上に表示される入荷通知画面の一例を示す図である。図19に示すように、入荷通知画面S4には、商品を特定する情報及び入荷予定日等が表示される。利用者は、この入荷通知画面S4を参照することにより、購入を希望する商品が入荷したことを確認することができる。また、入荷通知画面S4には、当該商品を購入するための購入ボタンB3が設けられている。利用者端末装置2を用いて利用者が購入ボタンB3を押下した場合、利用者の購入意思を示す情報が取引仲介装置1を介して店舗端末装置3に対して通知される。
【0081】
(5)取引情報開示処理
店舗と利用者との間で過去に行われた取引の交渉内容を他の利用者が知ることができれば、当該他の利用者が当該店舗にて販売されている商品の購入を検討する際の参考にすることができる。取引情報開示処理は、このように各利用者が商品の購入を検討する際の参考情報を提供するための処理である。
【0082】
図20は、本発明の実施の形態に係る取引仲介システムが備える取引仲介装置1及び利用者端末装置2が実行する取引情報開示処理の手順を示すフローチャートである。
利用者は、特定の店舗に関する取引情報を確認したい場合、その交渉内容を示す取引情報の開示を要求するために、その旨を示す開示要求情報を利用者端末装置2に対して入力する。利用者端末装置2は、利用者から開示要求情報の入力を受け付けた場合(S1101)、その開示要求情報を取引仲介装置1に対して送信する(S1102)。なお、取引仲介装置1に対して送信される開示要求情報には、利用者の利用者ID及び利用者が取引情報の確認を希望している一又は複数の店舗の店舗IDが含まれているものとする。
【0083】
取引仲介装置1は、利用者端末装置2から送信された開示要求情報を受信した場合(S1201)、その開示要求情報に含まれている利用者ID及び店舗IDを検索キーとして開示範囲情報DB13Cを検索することにより、利用者に対して開示される取引情報の範囲を特定する(S1202)。すなわち、取引仲介装置1は、上記の利用者ID及び店舗IDを含む開示範囲情報を開示範囲情報DB13Cから抽出し、その抽出した開示範囲情報の開示範囲フィールド304に格納されている情報によって開示範囲を特定する。
【0084】
なお、ステップS1202において、上記の利用者ID及び店舗IDを含む開示範囲情報が開示範囲情報DB13Cに格納されていないために、開示範囲を特定することができなかった場合、取引情報を開示することができないことを示す情報を取引仲介装置1が利用者端末装置2に対して送信するようにしてもよい。
【0085】
次に、取引仲介装置1は、ステップS1202にて特定した開示範囲に含まれる内容を取引情報DB13Eから抽出し、その抽出した内容で構成される取引開示画面を示す取引開示画面情報を生成する(S1203)。そして、取引仲介装置1は、その生成した取引開示画面情報を利用者端末装置2に対して送信する(S1204)。
【0086】
利用者端末装置2は、取引仲介装置1から送信された取引開示画面情報を受信した場合(S1103)、その取引開示画面情報で示される取引開示画面を表示装置上に表示する(S1104)。
【0087】
図21は、利用者端末装置2の表示装置上に表示される取引開示画面の一例を示す図である。図21に示すように、取引開示画面S5には、店舗と他の利用者との間で過去に行われた取引の交渉内容が表示されている。
【0088】
図21に示す例では、取引開示画面S5にて複数の店舗についての情報が表示されており、「○○電器」については取引の交渉内容のすべてが、「××家具店」については取引の交渉の有無及びその取引の成否が、「△△洋服店」については取引の交渉の有無のみがそれぞれ表示されている。本実施の形態の場合、利用実績が多い店舗についてはより多くの情報が開示され、利用実績が少ない店舗についてはより限られた情報しか開示されない。利用者にとっては交渉内容の多くを知ることができた方が望ましいため、このように開示範囲を制御することにより、店舗の利用が促進されることになる。
【0089】
なお、購入希望情報の登録実績により開示範囲が定まる構成とした場合は、購入希望情報をより多く登録したり、より有益な購入希望情報を登録したりした場合により多くの情報が開示されることになる。そのため、購入希望情報の登録が促されることになり、各利用者と各店舗との交渉が活発に行われることにつながる。
【0090】
(その他の実施の形態)
取引仲介装置1は、店舗と取引を行った利用者から、その店舗の対応状況(例えば、購入希望情報を登録してから店舗の回答を受け取るまでの期間等)及び店舗の対応に対する満足度を取得し、当該店舗に対する評価を行うようにしてもよい。この評価も取引情報に含め、他の利用者に対して開示可能とすることにより、より有益な参考情報を利用者に対して与えることが可能になる。
【0091】
上記の実施の形態では、利用者からの開示要求を受けて取引仲介装置1が取引情報の開示を行っているが、例えば、利用者が特定の店舗の取引情報の開示を希望していることを予め取引仲介装置1に登録しておき、その特定の店舗について取引情報が生成された場合に、取引仲介装置1が当該利用者に対して取引情報を開示するようにしてもよい。この場合の開示範囲は、上記の実施の形態と同様にして決定してもよく、また、当該利用者が希望している範囲であって且つ店舗が開示を認める範囲としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明の取引仲介装置、取引仲介システム及び取引仲介方法は、例えばクレジットカードの会員が利用者となる場合の取引仲介装置、取引仲介システム及び取引仲介方法等として有用である。
【符号の説明】
【0093】
1 取引仲介装置
10 CPU
11 ROM
12 RAM
13 ハードディスク
13A 利用者情報データベース
13B 店舗情報データベース
13C 開示範囲情報データベース
13D 購入希望情報データベース
13E 取引情報データベース
14 通信インタフェース
15 バス
2 利用者端末装置
3 店舗端末装置
30 CPU
31 ROM
32 RAM
33 ハードディスク
33A 商品情報データベース
33B 入荷情報データベース
33C 購入希望情報データベース
34 通信インタフェース
35 バス
4 クレジットカードシステム
S1 収集情報一覧画面
S2 希望条件入力画面
S3 取引交渉内容画面
S4 入荷通知画面
S5 取引開示画面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗側で用いられる店舗端末装置及び当該店舗を利用する利用者側で用いられる利用者端末装置と通信ネットワークを介して通信可能に接続される取引仲介装置において、
一の利用者側で用いられる利用者端末装置から、商品の購入希望条件を示す購入希望情報を取得する購入希望情報取得手段と、
前記購入希望情報取得手段により取得された購入希望情報を、当該購入希望情報に係る商品を販売する販売店舗側で用いられる店舗端末装置に対して送信する購入希望情報送信手段と、
前記販売店舗側で用いられる店舗端末装置から、前記購入希望情報で示される購入希望条件に対する回答を示す店舗回答情報を取得する店舗回答情報取得手段と、
前記店舗回答情報取得手段により取得された店舗回答情報を、前記一の利用者側で用いられる利用者端末装置に対して送信する店舗回答情報送信手段と、
前記購入希望情報及び前記店舗回答情報の少なくとも一部を含んで構成される取引情報を、他の利用者側で用いられる利用者端末装置に対して送信する取引情報送信手段と
を備えることを特徴とする、取引仲介装置。
【請求項2】
各利用者に対する取引情報の開示範囲を規定する開示範囲情報を記憶する開示範囲情報記憶部と、
前記開示範囲情報記憶部に記憶されている開示範囲情報に基づいて、前記他の利用者に対して提供する取引情報の構成要素を特定する構成要素特定手段と
をさらに備え、
前記取引情報送信手段が、前記構成要素特定手段によって特定された構成要素からなる取引情報を、前記他の利用者側で用いられる利用者端末装置に対して送信するように構成されている、請求項1に記載の取引仲介装置。
【請求項3】
前記開示範囲情報記憶部には、各利用者の店舗の利用実績に応じて当該利用者に対する開示範囲を規定する開示範囲情報が記憶されている、請求項1又は2に記載の取引仲介装置。
【請求項4】
前記開示範囲情報記憶部には、各利用者による購入希望情報の提供実績に応じて当該利用者に対する開示範囲を規定する開示範囲情報が記憶されている、請求項1乃至3の何れかに記載の取引仲介装置。
【請求項5】
前記購入希望情報取得手段により取得された購入希望情報を提供した利用者が、当該購入希望情報に係る店舗を利用した実績があるか否かを判定する利用実績有無判定手段をさらに備え、
前記購入希望情報送信手段が、前記利用実績有無判定手段により利用した実績があると判定された場合に、前記購入希望情報を前記販売店舗側で用いられる店舗端末装置に対して送信するように構成されている、請求項1乃至4の何れかに記載の取引仲介装置。
【請求項6】
前記開示範囲情報記憶部には、少なくとも、取引交渉の有無を開示するか否かを規定する開示範囲情報が記憶されており、
前記構成要素特定手段が、前記開示範囲情報に基づいて、取引交渉の有無を、前記他の利用者に対して提供する取引情報の構成要素とするか否かを判定するように構成されている、請求項1乃至5の何れかに記載の取引仲介装置。
【請求項7】
前記開示範囲情報記憶部には、取引交渉の有無に加えて当該取引交渉の成否を開示するか否かを規定する開示範囲情報が記憶されており、
前記構成要素特定手段が、前記開示範囲情報に基づいて、取引交渉の有無及び当該取引交渉の成否を、前記他の利用者に対して提供する取引情報の構成要素とするか否かを判定するように構成されている、請求項6に記載の取引仲介装置。
【請求項8】
前記開示範囲情報記憶部には、取引交渉の有無及び当該取引交渉の成否に加えて、取引価格を開示するか否かを規定する開示範囲情報が記憶されており、
前記構成要素特定手段が、前記開示範囲情報に基づいて、取引交渉の有無、当該取引交渉の成否及び取引価格を、前記他の利用者に対して提供する取引情報の構成要素とするか否かを判定するように構成されている、請求項7に記載の取引仲介装置。
【請求項9】
店舗側で用いられる店舗端末装置と、当該店舗を利用する利用者側で用いられる利用者端末装置及び前記店舗端末装置と通信ネットワークを介して通信可能に接続される取引仲介装置とを備える取引仲介システムにおいて、
前記取引仲介装置が、
一の利用者側で用いられる利用者端末装置から、商品の購入希望条件を示す購入希望情報を取得する購入希望情報取得手段と、
前記購入希望情報取得手段により取得された購入希望情報を、当該購入希望情報に係る商品を販売する販売店舗側で用いられる店舗端末装置に対して送信する購入希望情報送信手段とを具備し、
前記店舗端末装置が、
前記取引仲介装置から受信した購入希望情報で示される購入希望条件に対する回答を示す店舗回答情報を、前記取引仲介装置に対して送信する店舗回答情報送信手段を具備し、
前記取引仲介装置がさらに、
前記店舗端末装置から受信した店舗回答情報を、前記一の利用者側で用いられる利用者端末装置に対して送信する店舗回答情報送信手段と、
前記購入希望情報及び前記店舗回答情報の少なくとも一部を含んで構成される取引情報を、他の利用者側で用いられる利用者端末装置に対して送信する取引情報送信手段と
を具備することを特徴とする、取引仲介システム。
【請求項10】
前記取引仲介装置がさらに、
各利用者に対する取引情報の開示範囲を規定する開示範囲情報を記憶する開示範囲情報記憶部と、
前記開示範囲情報記憶部に記憶されている開示範囲情報に基づいて、前記他の利用者に対して提供する取引情報の構成要素を特定する構成要素特定手段と
を具備し、
前記取引情報送信手段が、前記構成要素特定手段によって特定された構成要素からなる取引情報を、前記他の利用者側で用いられる利用者端末装置に対して送信するように構成されている、請求項9に記載の取引仲介システム。
【請求項11】
店舗側で用いられる店舗端末装置及び当該店舗を利用する利用者側で用いられる利用者端末装置と通信ネットワークを介して通信可能に接続されるコンピュータが、
一の利用者側で用いられる利用者端末装置から、商品の購入希望条件を示す購入希望情報を取得する購入希望情報取得工程と、
前記購入希望情報取得工程により取得された購入希望情報を、当該購入希望情報に係る商品を販売する販売店舗側で用いられる店舗端末装置に対して送信する購入希望情報送信工程と、
前記販売店舗側で用いられる店舗端末装置から、前記購入希望情報で示される購入希望条件に対する回答を示す店舗回答情報を取得する店舗回答情報取得工程と、
前記店舗回答情報取得工程により取得された店舗回答情報を、前記一の利用者側で用いられる利用者端末装置に対して送信する店舗回答情報送信工程と、
前記購入希望情報及び前記店舗回答情報の少なくとも一部を含んで構成される取引情報を、他の利用者側で用いられる利用者端末装置に対して送信する取引情報送信工程と
を実行する、取引仲介方法。
【請求項12】
前記コンピュータが、
各利用者に対する取引情報の開示範囲を規定する開示範囲情報を記憶する開示範囲情報記憶工程と、
記憶した開示範囲情報に基づいて、前記他の利用者に対して提供する取引情報の構成要素を特定する構成要素特定工程と
をさらに実行し、
前記取引情報送信工程において、前記コンピュータが、前記構成要素特定工程によって特定された構成要素からなる取引情報を、前記他の利用者側で用いられる利用者端末装置に対して送信する、請求項11に記載の取引仲介方法。
【請求項1】
店舗側で用いられる店舗端末装置及び当該店舗を利用する利用者側で用いられる利用者端末装置と通信ネットワークを介して通信可能に接続される取引仲介装置において、
一の利用者側で用いられる利用者端末装置から、商品の購入希望条件を示す購入希望情報を取得する購入希望情報取得手段と、
前記購入希望情報取得手段により取得された購入希望情報を、当該購入希望情報に係る商品を販売する販売店舗側で用いられる店舗端末装置に対して送信する購入希望情報送信手段と、
前記販売店舗側で用いられる店舗端末装置から、前記購入希望情報で示される購入希望条件に対する回答を示す店舗回答情報を取得する店舗回答情報取得手段と、
前記店舗回答情報取得手段により取得された店舗回答情報を、前記一の利用者側で用いられる利用者端末装置に対して送信する店舗回答情報送信手段と、
前記購入希望情報及び前記店舗回答情報の少なくとも一部を含んで構成される取引情報を、他の利用者側で用いられる利用者端末装置に対して送信する取引情報送信手段と
を備えることを特徴とする、取引仲介装置。
【請求項2】
各利用者に対する取引情報の開示範囲を規定する開示範囲情報を記憶する開示範囲情報記憶部と、
前記開示範囲情報記憶部に記憶されている開示範囲情報に基づいて、前記他の利用者に対して提供する取引情報の構成要素を特定する構成要素特定手段と
をさらに備え、
前記取引情報送信手段が、前記構成要素特定手段によって特定された構成要素からなる取引情報を、前記他の利用者側で用いられる利用者端末装置に対して送信するように構成されている、請求項1に記載の取引仲介装置。
【請求項3】
前記開示範囲情報記憶部には、各利用者の店舗の利用実績に応じて当該利用者に対する開示範囲を規定する開示範囲情報が記憶されている、請求項1又は2に記載の取引仲介装置。
【請求項4】
前記開示範囲情報記憶部には、各利用者による購入希望情報の提供実績に応じて当該利用者に対する開示範囲を規定する開示範囲情報が記憶されている、請求項1乃至3の何れかに記載の取引仲介装置。
【請求項5】
前記購入希望情報取得手段により取得された購入希望情報を提供した利用者が、当該購入希望情報に係る店舗を利用した実績があるか否かを判定する利用実績有無判定手段をさらに備え、
前記購入希望情報送信手段が、前記利用実績有無判定手段により利用した実績があると判定された場合に、前記購入希望情報を前記販売店舗側で用いられる店舗端末装置に対して送信するように構成されている、請求項1乃至4の何れかに記載の取引仲介装置。
【請求項6】
前記開示範囲情報記憶部には、少なくとも、取引交渉の有無を開示するか否かを規定する開示範囲情報が記憶されており、
前記構成要素特定手段が、前記開示範囲情報に基づいて、取引交渉の有無を、前記他の利用者に対して提供する取引情報の構成要素とするか否かを判定するように構成されている、請求項1乃至5の何れかに記載の取引仲介装置。
【請求項7】
前記開示範囲情報記憶部には、取引交渉の有無に加えて当該取引交渉の成否を開示するか否かを規定する開示範囲情報が記憶されており、
前記構成要素特定手段が、前記開示範囲情報に基づいて、取引交渉の有無及び当該取引交渉の成否を、前記他の利用者に対して提供する取引情報の構成要素とするか否かを判定するように構成されている、請求項6に記載の取引仲介装置。
【請求項8】
前記開示範囲情報記憶部には、取引交渉の有無及び当該取引交渉の成否に加えて、取引価格を開示するか否かを規定する開示範囲情報が記憶されており、
前記構成要素特定手段が、前記開示範囲情報に基づいて、取引交渉の有無、当該取引交渉の成否及び取引価格を、前記他の利用者に対して提供する取引情報の構成要素とするか否かを判定するように構成されている、請求項7に記載の取引仲介装置。
【請求項9】
店舗側で用いられる店舗端末装置と、当該店舗を利用する利用者側で用いられる利用者端末装置及び前記店舗端末装置と通信ネットワークを介して通信可能に接続される取引仲介装置とを備える取引仲介システムにおいて、
前記取引仲介装置が、
一の利用者側で用いられる利用者端末装置から、商品の購入希望条件を示す購入希望情報を取得する購入希望情報取得手段と、
前記購入希望情報取得手段により取得された購入希望情報を、当該購入希望情報に係る商品を販売する販売店舗側で用いられる店舗端末装置に対して送信する購入希望情報送信手段とを具備し、
前記店舗端末装置が、
前記取引仲介装置から受信した購入希望情報で示される購入希望条件に対する回答を示す店舗回答情報を、前記取引仲介装置に対して送信する店舗回答情報送信手段を具備し、
前記取引仲介装置がさらに、
前記店舗端末装置から受信した店舗回答情報を、前記一の利用者側で用いられる利用者端末装置に対して送信する店舗回答情報送信手段と、
前記購入希望情報及び前記店舗回答情報の少なくとも一部を含んで構成される取引情報を、他の利用者側で用いられる利用者端末装置に対して送信する取引情報送信手段と
を具備することを特徴とする、取引仲介システム。
【請求項10】
前記取引仲介装置がさらに、
各利用者に対する取引情報の開示範囲を規定する開示範囲情報を記憶する開示範囲情報記憶部と、
前記開示範囲情報記憶部に記憶されている開示範囲情報に基づいて、前記他の利用者に対して提供する取引情報の構成要素を特定する構成要素特定手段と
を具備し、
前記取引情報送信手段が、前記構成要素特定手段によって特定された構成要素からなる取引情報を、前記他の利用者側で用いられる利用者端末装置に対して送信するように構成されている、請求項9に記載の取引仲介システム。
【請求項11】
店舗側で用いられる店舗端末装置及び当該店舗を利用する利用者側で用いられる利用者端末装置と通信ネットワークを介して通信可能に接続されるコンピュータが、
一の利用者側で用いられる利用者端末装置から、商品の購入希望条件を示す購入希望情報を取得する購入希望情報取得工程と、
前記購入希望情報取得工程により取得された購入希望情報を、当該購入希望情報に係る商品を販売する販売店舗側で用いられる店舗端末装置に対して送信する購入希望情報送信工程と、
前記販売店舗側で用いられる店舗端末装置から、前記購入希望情報で示される購入希望条件に対する回答を示す店舗回答情報を取得する店舗回答情報取得工程と、
前記店舗回答情報取得工程により取得された店舗回答情報を、前記一の利用者側で用いられる利用者端末装置に対して送信する店舗回答情報送信工程と、
前記購入希望情報及び前記店舗回答情報の少なくとも一部を含んで構成される取引情報を、他の利用者側で用いられる利用者端末装置に対して送信する取引情報送信工程と
を実行する、取引仲介方法。
【請求項12】
前記コンピュータが、
各利用者に対する取引情報の開示範囲を規定する開示範囲情報を記憶する開示範囲情報記憶工程と、
記憶した開示範囲情報に基づいて、前記他の利用者に対して提供する取引情報の構成要素を特定する構成要素特定工程と
をさらに実行し、
前記取引情報送信工程において、前記コンピュータが、前記構成要素特定工程によって特定された構成要素からなる取引情報を、前記他の利用者側で用いられる利用者端末装置に対して送信する、請求項11に記載の取引仲介方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2012−168622(P2012−168622A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−27239(P2011−27239)
【出願日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(302064762)株式会社日本総合研究所 (367)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(302064762)株式会社日本総合研究所 (367)
【Fターム(参考)】
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