説明

受体ホルダおよび検査装置

【課題】検査対象受体に貼り付けられたフィルムの皺や撓みを抑制して、より正確な検査結果を得ることができる受体ホルダおよび検査装置を提供する。
【解決手段】受体ホルダ100は、検査対象受体を厚み方向に着脱可能な収容ケース102と、収容ケース102に固定可能なケースカバー101とを有する。検査対象受体が装着された収容ケース102にケースカバー101が固定されると、ケースカバー101に設けられた開口部121と、収容ケース102に設けられた開口部122とを介して、検査対象受体の貯留部が外部に露出される。開口部122の開口縁周辺から突出する押さえ部123によって、検査対象受体のフィルムが押圧される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学的、医学的、生物学的な検査を行うための検査対象受体を保持する受体ホルダ、および、当該受体ホルダを回転させて検査対象受体に遠心力を付与する検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、検査対象物の流路が形成された基板の表面をフィルムで被覆したマイクロチップまたは検査チップと呼ばれる薄板状の検査対象受体が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。また、検査対象受体を保持する受体ホルダを備え、当該受体ホルダを回転させて検査対象受体に遠心力を付与する検査装置が知られている(例えば、特許文献3参照)。このような検査装置では、遠心処理後の検査対象受体に収容された検査対象物に光源から光を照射し、検査対象物を透過した光をセンサで受光することで、検査結果を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−77305号公報
【特許文献2】特開2007−240461号公報
【特許文献3】特開2008−8875号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような薄板状の検査対象受体では、遠心処理時に付与される遠心力や、検査装置の受体ホルダへの検査対象受体を取り付けるときなどに、表面に貼り付けられたフィルムに皺や撓みが生じることがある。フィルムに皺や撓みが生じると、検査対象物に照射される光が屈折して、センサを用いた光学計測時の検査結果に誤差を生じるおそれがあった。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、検査対象受体に貼り付けられたフィルムの皺や撓みを抑制して、より正確な検査結果を得ることができる受体ホルダおよび検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一の態様に係る受体ホルダは、前記検査対象受体を前記厚み方向に着脱可能な装着部を有し、前記装着部に装着された前記検査対象受体を前記厚み方向の一方側から支持する収容ケースと、前記収容ケースに固定可能な板状部材であって、前記収容ケースに固定された状態で、前記装着部に装着された前記検査対象受体を前記厚み方向の他方側から支持するケースカバーと、前記検査対象受体に対向する前記装着部の底部に設けられた、前記収容ケースを貫通する孔部であって、前記装着部に装着された前記検査対象受体の前記貯留部を露出させる第一開口部と、前記ケースカバーが前記収容ケースに固定された状態で、前記装着部に装着された前記検査対象受体を挟んで前記第一開口部と対向する位置に設けられた、前記ケースカバーを貫通する孔部であって、前記装着部に装着された前記検査対象受体の前記貯留部を、前記第一開口部とは反対方向に露出させる第二開口部と、前記ケースカバーが前記収容ケースに固定された状態で、前記第一開口部および前記第二開口部のうちで前記フィルムに対向する特定口の開口縁周辺から、前記装着部に装着された前記検査対象受体の前記フィルムに向けて突出する押さえ部とを備える。
【0007】
上記受体ホルダによれば、検査対象受体が装着された収容ケースにケースカバーが固定されると、第一開口部および第二開口部を介して貯留部が外部に露出される。このとき、特定口の開口縁周辺から突出する押さえ部によって、検査対象受体のフィルムが押圧される。この押圧によって、少なくとも貯留部の近傍ではフィルムに張力が生じるため、フィルムの皺や撓みが抑制される。したがって、第一開口部および第二開口部から露出する貯留部内の液体を検査する場合には、フィルム上で計測光が屈折することが抑制され、より正確な検査結果を得ることができる。
【0008】
上記受体ホルダにおいて、前記押さえ部は、前記特定口の開口縁に沿って筒状に突出してもよい。この場合、特定口の開口縁に沿って筒状に突出する押さえ部によって、特定口の輪郭形状に沿ってフィルムが押圧される。したがって、少なくとも計測光が通る範囲内では、フィルムの皺や撓みを確実に抑制することができる。
【0009】
上記受体ホルダにおいて、前記第一開口部および前記第二開口部は、前記貯留部に貯留された前記液体の計測時に、前記貯留部を通る光路が形成される透光部であってもよい。これにより、第一開口部および第二開口部を通る光路を形成して、貯留部内の液体を検査することができる。
【0010】
上記受体ホルダにおいて、前記ケースカバーを前記収容ケースに対して開閉可能に回転させるヒンジと、前記ヒンジによって回転される前記収容ケースの自由端側に設けられ、前記ヒンジから離間する方向に延びる係止片と、前記ケースカバーの自由端側に設けられ、前記ケースカバーが閉じられた場合に前記係止片が係止される係止部とを備えてもよい。この場合、ケースカバーを収容ケースに対して閉じられると、係止片が係止部に係止されてケースカバーの自然開放が抑制される。ヒンジから自由端側に向けて遠心力が加えられると、ヒンジから離間する方向に延びる係止片がフック受部を押圧することで、ケースカバーが収容ケースでより強固に係止される。これにより、回転時に生じる遠心力によって、検査対象受体が受体ホルダから飛び出ることが抑制されるため、より正確に検査を行うことができる。
【0011】
上記受体ホルダにおいて、前記収容ケースにおいて前記装着部が設けられた面とは反対側の面に設けられ、前記検査装置の特定部位に固定される固定部を備え、前記固定部は、前記検査装置による回転時に、前記受体ホルダに作用する遠心方向の下流側から前記特定部位によって支持されてもよい。この場合、受体ホルダの固定部が遠心方向の下流側から支持されるため、回転時に生じる遠心力によって受体ホルダが検査装置から脱落することを抑制でき、より正確に検査を行うことができる。
【0012】
本発明の第二の態様に係る検査装置は、上記受体ホルダと、前記特定部位として、前記固定部に対応するレール状の壁部を有するホルダ保持部と、前記ホルダ保持部に前記固定部が固定された前記受体ホルダを軸線中心に回転させて、前記検査対象受体に遠心力を付与する駆動部と、前記駆動部によって前記受体ホルダが所定量回転されたのち、前記第一開口部および前記第二開口部を介して前記貯留部に光を透過させて、前記液体を計測する計測部とを備え、前記ホルダ保持部は、前記壁部の少なくとも一部が、前記受体ホルダに作用する遠心方向の下流側に設けられる。
【0013】
上記検査装置によれば、ホルダ保持部に固定された受体ホルダが軸線中心に回転されて、検査対象受体に遠心力が付与される。所定量回転されたのち、第一開口部および第二開口部を介して貯留部に光を透過させて、液体が計測される。ホルダ保持部が有するレール状の壁部の少なくとも一部は、遠心方向の下流側に設けられる。したがって、検査装置の遠心処理時には、遠心方向の下流側に位置する壁部によって、受体ホルダの固定部を確実に支持でき、より正確に検査を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】受体ホルダ100が定常状態にある、検査装置1の右側面図である。
【図2】受体ホルダ100が変位状態にある、検査装置1の左側面図である。
【図3】図1に示す検査装置1の平面図である。
【図4】ホルダ保持部47の斜視図である。
【図5】検査対象受体2の斜視図である。
【図6】閉鎖状態の受体ホルダ100の斜視図である。
【図7】開放状態の受体ホルダ100の斜視図である。
【図8】検査対象受体2が収容された受体ホルダ100の正面図である。
【図9】検査対象受体2が収容された受体ホルダ100の背面図である。
【図10】検査対象受体2が収容された受体ホルダ100の右側面図である。
【図11】図8のA−A線矢視方向断面図である。
【図12】変形例の受体ホルダ100における、図8のA−A線矢視方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明を具体化した実施の形態について、図面を参照して説明する。参照する図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものであり、単なる説明例である。
【0016】
本実施形態では、検査対象である液体(以下、検体と呼ぶ。)および検体に混合される液体(以下、試薬と呼ぶ。)を収容可能な検査対象受体2を用いて、検査装置1で検査が行われる場合を例示する。検査装置1は、検査対象受体2から離間した垂直軸を中心とした回転によって、検査対象受体2に遠心力を付与することができる。また、検査装置1は、検査対象受体2を水平軸まわりに回転させることによって、検査対象受体2に付与される遠心力の方向(以下、遠心方向と呼ぶ。)を切り替え可能である。
【0017】
図1〜図3を参照して、検査装置1の概略構造について説明する。以下の説明では、図1および図2の上方、下方、右方、左方、紙面手前側、紙面奥側を、それぞれ、検査装置1の上方、下方、前方、後方、右方、左方とする。図3の上方、下方、右方、左方、紙面手前側、紙面奥側を、それぞれ、検査装置1の左方、右方、前方、後方、上方、下方とする。なお、理解を容易にするために、図1および図2では上部筐体30を仮想線で示し、図3では上部筐体30の天板が取り除かれた状態を示す。
【0018】
図1〜図3に示すように、検査装置1は、上部筐体30、下部筐体31、ターンテーブル33、受体ホルダ100、角度変更機構34、制御装置(図示外)などを備える。下部筐体31は、検査装置1の設置面に四隅の脚部50で支持されており、ターンテーブル33を垂直軸まわりに回転させる駆動機構が内部に設けられている。ターンテーブル33は、下部筐体31の上面側に設けられた、受体ホルダ100が上方に保持される円盤状の回転体である。受体ホルダ100は、検査対象受体2を内部に保持する箱状体である。角度変更機構34は、ターンテーブル33に設けられた、受体ホルダ100を水平軸まわりに回転させる駆動機構である。上部筐体30は、下部筐体31の上側に固定されており、検査対象受体2に収容された液体を光学的に計測する計測部7が内部に設けられている。制御装置(図示外)は、検査装置1の遠心処理や計測処理等を制御するコントローラであり、CPU、ROM、RAMなどを備える。
【0019】
下部筐体31の詳細構造を説明する。下部筐体31は、枠部材を組み合わせた箱状のフレーム構造を有する。下部筐体31の上面には、平面視長方形の板材である上板32が設けられている。上板32の上側には、ターンテーブル33が回転自在に設けられている。下部筐体31の内部には、ターンテーブル33を回転させる機構が、次のように設けられている。
【0020】
下部筐体31の内部には、前後方向(図1、図2では左右方向)へ水平に延びる中フレーム部材52が架設されている。下部筐体31内の後方寄りに、ターンテーブル33を回転させるための駆動力を供給する主軸モータ35が設置されている。主軸モータ35の軸36は、上方に突出しており、プーリ37が固定されている。平面視で下部筐体31の中央部には、下部筐体31の内部から上方に延びる垂直な主軸57が設けられている。主軸57は、上板32を貫通して、下部筐体31の上側に突出している。主軸57の上端部は、平面視でターンテーブル33の中央部に接続されている。
【0021】
上板32の直下には、主軸57が貫通する保持金具である支持部材53が設けられている。支持部材53は、一対のフレーム54によって中フレーム部材52に固定されている。主軸57は、支持部材53によって回転自在に保持されている。主軸57における支持部材53の下側には、プーリ38が固定されている。プーリ37、38に亘って、ベルト39が掛け渡されている。主軸モータ35が軸36を回転させると、プーリ37、ベルト39、プーリ38を介して駆動力が主軸57に伝達される。このとき、主軸57の回転に連動して、ターンテーブル33が主軸57を中心に回転する。
【0022】
下部筐体31内の前方寄りに、下部筐体31の底面から上板32の下面まで垂直に延びるガイドレール56が設けられている。T字型板状の連結金具であるT型プレート48は、ガイドレール56に沿って下部筐体31内で上下方向に移動可能である。T型プレート48の左側(図1、図2では紙面奥側)の面には、横長の溝部80が形成されている。
【0023】
先述の主軸57は、内部が中空の筒状体である。内軸40は、主軸57の内部で上下方向に移動可能な垂直軸である。内軸40の上端部は、主軸57内を貫通して後述のラックギア43に接続されている。主軸57の下側には、中フレーム部材52に固定された軸受55が設けられている。軸受55の下方には、T型プレート48の後端部に固定された軸受41が設けられている。軸受41の内部には、図示外のベアリングが設けられるとともに、内軸40の下端部が挿入されている。内軸40の中間部および下端部は、それぞれ、軸受55、41によって回転自在に保持される。
【0024】
T型プレート48の左側には、T型プレート48を上下動させるためのステッピングモータ51が、図示外の固定具によって固定されている。ステッピングモータ51の軸58は、右側(図1、図2では紙面手前側)に向けて突出しており、先端に円盤状のカム板59が固定されている。カム板59の右側の面には、円柱状の突起70が設けられている。突起70の先端部は先述の溝部80に挿入されているため、突起70は溝部80内を摺動可能である。ステッピングモータ51が軸58を回転させると、カム板59の回転に連動して突起70が上下動する。このとき、溝部80に挿入されている突起70に連動して、T型プレート48がガイドレール56に沿って上下動する。
【0025】
角度変更機構34の詳細構造を説明する。角度変更機構34は、ターンテーブル33の上面に固定された、一対のL字型板状の連結金具であるL型プレート60を有する。各L型プレート60は、ターンテーブル33の中心近傍に固定された基部から上方に延び、且つ、その上端部がターンテーブル33の径方向外側に向けて延びている。一対のL型プレート60の間には、内軸40に固定されたラックギア43が設けられている。ラックギア43は、縦長の金属製の板状部材であり、両端面にギアが各々刻まれている。
【0026】
各L型プレート60の延設方向の先端側では、ギア45が有する水平な軸46が回転自在に軸支されている。軸46の先端側には、受体ホルダ100を着脱可能なホルダ保持部47(図4参照)が設けられている。ホルダ保持部47に装着された受体ホルダ100は、ギア45の回転に連動して軸46を中心に回転する。ギア45とラックギア43との間には、L型プレート60によって水平軸まわりに回転自在に支持されたピニオンギア44が介在している。ピニオンギア44は、ギア45およびラックギア43にそれぞれ噛合している。
【0027】
ラックギア43の上端部には、円柱状のガイド部材42が設けられている。一対のフレーム62の上端部は、板状の上部プレート61にそれぞれ固定されている。ガイド部材42は、上部プレート61の中央部に形成された開口部に挿入された状態で、上下方向に摺動可能に保持されている。ラックギア43の上下動に連動して、ピニオンギア44、ギア45がそれぞれ従動回転し、ひいてはホルダ保持部47に装着された受体ホルダ100が軸46を中心に回転する。
【0028】
本実施形態では、主軸モータ35がターンテーブル33を回転駆動するのに伴って、受体ホルダ100が主軸57(すなわち、垂直軸)を中心に回転して、検査対象受体2に遠心力が付与される。受体ホルダ100の垂直軸まわりの回転を、「公転」と呼ぶ。一方、ステッピングモータ51が内軸40を上下動させるのに伴って、受体ホルダ100が軸46(すなわち、水平軸)を中心に回転して、検査対象受体2に作用する遠心方向が相対変化する。受体ホルダ100の水平軸まわりの回転を、「自転」と呼ぶ。なお、受体ホルダ100は、自転および公転に伴う角度変化に関係なく、後述の流路24、25(図5参照)の延設方向と主軸57を含む仮想的な平面(つまり、垂直面)とが平行をなす姿勢で、検査対象受体2を内部に保持する。
【0029】
T型プレート48が可動範囲の最下端まで下降した状態(図1参照)では、ラックギア43も可動範囲の最下端まで下降する。このとき、受体ホルダ100は、自転角度が0度の状態(以下、定常状態と呼ぶ。)になる。一方、T型プレート48が可動範囲の最上端まで上昇した状態(図2参照)では、ラックギア43も可動範囲の最上端まで上降する。このとき、受体ホルダ100は、定常状態から90度水平軸まわりに回転した状態(以下、変位状態と呼ぶ。)になる。つまり、受体ホルダ100が自転可能な角度幅(以下、自転可能範囲と呼ぶ。)は、定常状態(0度)から変位状態(90度)までの範囲である。
【0030】
上部筐体30の詳細構造を説明する。上部筐体30は、枠部材を組み合わせた箱状のフレーム構造を有し、上板32の後部上側に設置されている。より詳細には、上部筐体30は、ターンテーブル33の回転中心(つまり、主軸57)からみて、受体ホルダ100が回転される範囲の外側に設けられている。上部筐体30は、ターンテーブル33の外周側において平面視で円弧状に延びる対向壁81を有する。
【0031】
上部筐体30の内部に設けられた計測部7は、後述の流路24、25(図5参照)の延設方向と交差する方向(本実施形態では、流路24、25の延設方向と直交する水平方向)に延びる光を、計測対象の検査対象受体2(詳細には、後述の貯留部23)に透過させることで、検査対象受体2内の液体を計測する。計測部7は、計測光を発する光源71と、光源71から発せられた計測光を検出する光センサ72とを有する。
【0032】
光源71は検査装置1の左後部に設けられる一方、光センサ72は検査装置1の右後部に設けられている。つまり、光源71および光センサ72は、受体ホルダ100の回転範囲の外側において、ターンテーブル33の左右両側に配置されている。光源71は、検査装置1の右側に向けて計測光を発する。光センサ72は、検査装置1の左側から射出される計測光を受ける。光源71と光センサ72とを結ぶ光路の高さ位置は、定常状態の受体ホルダ100を基準として、後述の計測口120の高さ位置と等しい。対向壁81には、光源71と光センサ72を上部筐体30の外部に露出させるための露出口(図示外)が形成されている。
【0033】
本実施形態では、計測位置の受体ホルダ100に保持されている検査対象受体2が、計測対象の検査対象受体2となる。主軸57を中心に公転する受体ホルダ100が計測位置(図3参照)に存在する場合、受体ホルダ100が定常状態であれば、検査装置1の左右方向に延びる計測光が後述の計測口120を通る。より具体的には、計測位置の受体ホルダ100は、ターンテーブル33の回転中心よりも後方に位置して、平面視で計測光が受体ホルダ100の前後面に対して直交する。
【0034】
図4を参照して、ホルダ保持部47の詳細構造を説明する。ホルダ保持部47は、後述する受体ホルダ100の固定部105(図9参照)を着脱可能な板状部材である。ホルダ保持部47は、U字型の平板である支持板471と、U字型のレール状をなす壁部472とを有する。壁部472は、支持板471の上辺を除く縁部に沿って、支持板471の正面に対して垂直に延びている。支持板471の背面の中央部には、先述した軸46の先端部が連結されている。壁部472の内側面には、壁部472の前後方向(幅方向)の略中央位置に沿って延びるガイド溝473が形成されている。
【0035】
図5を参照して、検査対象受体2の詳細構造を説明する。以下の説明では、図5の上方、下方、左方、右方、紙面手前側、紙面奥側を、それぞれ、検査対象受体2の上方、下方、右方、左方、前方、後方とする。検査対象受体2は、正面視で正方形状をなし、所定の厚みを有する透明な合成樹脂の基板20を主体とする。基板20の正面には、3つの窪みである貯留部21、22、23と、2つの溝部である流路24、25とが形成されている。なお、基板20の材質は特に制限されず、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどの有機材料や、シリコン、ガラス、石英等の無機材料などを用いればよい。
【0036】
貯留部21は、検査対象受体2の左上部分(図5では右上部分)に形成され、検査対象受体2に注入された検体が貯留される。貯留部22は、検査対象受体2の貯留部21の下側に形成され、検査対象受体2に注入された試薬が貯留される。貯留部23は、検査対象受体2の右下部分(図5では左下部分)に形成され、遠心処理によって検体および試薬を撹拌した液体が貯留される。流路24は、貯留部21から貯留部23まで延び、注入された検体が遠心力に応じて移動可能である。流路25は、貯留部22から貯留部23まで延び、注入された試薬が遠心力に応じて移動可能である。
【0037】
基板20の正面は、透明の合成樹脂で形成された薄板状のフィルム26によって封止されている。つまり、基板20およびフィルム26は、検査対象受体2の厚み方向に並んで配置されている。フィルム26には、貯留部21、22にそれぞれ検体および試薬を注入するための開口である注入口(図示外)が形成されている。なお、検体および試薬が注入されたのち、各注入口に封止パッチ(図示外)がそれぞれ貼り付けられて、検体および試薬の流出が防止される。なお、フィルム26は、外圧に応じて張力が生じるような弾性を有する材料(例えば、ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等)を用いることが好適である。
【0038】
図6〜図10を参照して、受体ホルダ100の詳細構造を説明する。以下の説明では、図6の上方、下方、右下方、左上方、左下方、左上方を、それぞれ、受体ホルダ100の上方、下方、左方、右方、前方、後方とする。先述したように、ターンテーブル33の上方には、一対の受体ホルダ100がターンテーブル33の回転中心を挟んで対向配置されている。
【0039】
図6および図7に示すように、各受体ホルダ100は、検査対象受体2を装着可能な収容ケース102と、収容ケース102に固定可能なケースカバー101とを有する。ケースカバー101および収容ケース102の各上端部は、ケースカバー101を収容ケース102に対して回転自在に支持するヒンジ110で連結されている。
【0040】
収容ケース102は、正面視で正方形状をなす樹脂製の板状部材であり、正面側の中央部に装着部103が設けられている。装着部103は、検査対象受体2とほぼ同一形状および大きさで形成された凹部であり、検査対象受体2を厚み方向(前後方向)に着脱可能である。装着部103に装着された検査対象受体2の一面(具体的には、フィルム26)は、装着部103内の底壁に面接触する。これにより、検査対象受体2は厚み方向の一方側(すなわち、後側)から支持されて、後方への移動が規制される。さらに、装着部103に装着された検査対象受体2の周縁部は、装着部103内の側壁に取り囲まれる。これにより、検査対象受体2は厚み方向と直交する方向(すなわち、上下左右方向)への移動が規制される。
【0041】
ヒンジ110によって回転される収容ケース102の自由端側(つまり、収容ケース102の下端側)には、ロック室104が設けられている。ロック室104は、収容ケース102の左右方向中央部に形成された凹部であり、装着部103の下側から収容ケース102の下端部まで延びている。ロック室104の内部には、ヒンジ110から離間する方向(つまり、下方)に突出する係止片140が設けられている。
【0042】
ケースカバー101は、正面視で正方形状をなす樹脂製の板状部材であり、収容ケース102に対して開かれた状態で装着部103を開放する一方、収容ケース102に対して閉じられた状態で装着部103を被覆する。ヒンジ110によって回転されるケースカバー101の自由端側(つまり、ケースカバー101の下端側)には、ロック機構130が設けられている。ロック機構130は、収容ケース102に対向する背面側に立設された、側面視でT字型の板状体であり、突出端が上下方向に延びている。
【0043】
上記の構造によって、ロック機構130の上側部分(図7では下側部分)には、ロック機構130の突出端とケースカバー101の背面との間に、受部131が形成される。ケースカバー101が収容ケース102に対して閉じられると、係止片140が受部131に嵌め込まれて係止状態になる。これにより、ケースカバー101が収容ケース102に固定されて、ケースカバー101の自然開放が抑制される(図10および図11参照)。この状態(受体ホルダ100の閉鎖状態)では、装着部103に装着された検査対象受体2が厚み方向の他方側(すなわち、前側)から支持されて、前方への移動が規制される。
【0044】
また、ロック機構130の下側部分(図7では上側部分)において、ロック機構130の下方に延びる突出端が、係止片140の係止状態を解除するための解除部132である。受体ホルダ100の閉鎖状態において、ユーザが下方に開口するロック室104に指を挿入して解除部132を押し下げると、係止片140の係止状態が解除されて、ケースカバー101を開くことができる(図10および図11参照)。
【0045】
受体ホルダ100は、検査対象受体2に貯留された液体を計測するための計測口120を有する。計測口120は、ケースカバー101および収容ケース102に対向配置された、後述の光計測時に貯留部23を通る光路が形成される一対の開口部121、122である。具体的には、開口部122は、検査対象受体2に対向する装着部103の底部に設けられた、収容ケース102を貫通する孔部である。開口部121は、受体ホルダ100の閉鎖状態で、装着部103に装着された検査対象受体2を挟んで開口部122と対向する位置に設けられた、ケースカバー101を貫通する孔部である。
【0046】
計測口120は、受体ホルダ100における遠心方向の下流側、且つ、定常状態で重力方向の下流側となる位置に設けられる。具体的には、開口部121はケースカバー101の左下部分(図6では右下部分)に設けられる。開口部122は収容ケース102の左下部分(図7では右下部分)に設けられている。開口部121、122は、同一の正方形状に形成されており、受体ホルダ100の閉鎖状態で前後方向に連通する。なお、収容ケース102における開口部122の開口縁周辺には、後述の押さえ部123が設けられている。
【0047】
図8〜図10に示すように、収容ケース102の背面側の中央部は、背面視でU字型の輪郭を有する板状体である固定部105が設けられている。固定部105の上端面を除く周面には、固定部105の前後方向(幅方向)の略中央位置に沿ってレール状に突出するガイド部106が形成されている。固定部105は、ホルダ保持部47の壁部472(図4参照)の内側領域と対応した形状および大きさを有する。ガイド部106がガイド溝473(図4参照)に沿って案内されながら、固定部105を壁部472(図4参照)の内側領域に対して挿脱できる。固定部105を壁部472(図4参照)の内側領域に挿入することで、受体ホルダ100をホルダ保持部47に装着することができる。一方、受体ホルダ100の交換時には、固定部105を壁部472(図4参照)の内側領域から抜き出すことで、受体ホルダ100をホルダ保持部47から取り外すことができる。
【0048】
先述のように、軸46はホルダ保持部47に連結されており、軸46の回転に伴って受体ホルダ100が自転する(図1〜図3参照)。U字型の壁部472の開口する上辺側が上向きである場合に、ホルダ保持部47に装着された受体ホルダ100は定常状態となる(図1参照)。一方、U字型の壁部472の開口する上辺側がターンテーブル33の中心向きである場合に、ホルダ保持部47に装着された受体ホルダ100は変位状態となる(図1参照)。
【0049】
図8〜図11を参照して、検査対象受体2が収容された受体ホルダ100について説明する。開放状態の受体ホルダ100(図7参照)において、フィルム26が収容ケース102と対向するように、検査対象受体2が装着部103内へ厚み方向に嵌め込まれる。ケースカバー101が閉じられると受体ホルダ100が閉鎖状態となり、受体ホルダ100内で検査対象受体2が固定される。これにより、検査対象受体2の貯留部23は、計測口120を介して、流路24、25の延設方向と交差する方向(本実施形態では、流路24、25の延設方向と直交する水平方向)に露出される。具体的には、開口部121、122を介して、貯留部23が受体ホルダ100の前方および後方にそれぞれ露出される。
【0050】
閉鎖状態の受体ホルダ100では、装着部103に装着された検査対象受体2のフィルム26に、開口部122が対向する。収容ケース102の正面側には、開口部122の開口縁周辺からフィルム26に向けて突出する押さえ部123が設けられている。本実施形態の押さえ部123は、開口部122の開口縁に沿って筒状に突出している。装着部103の内部では、押さえ部123が正面視で貯留部23の範囲内で、フィルム26を後方から押圧する。
【0051】
検査装置1を用いた検査方法について説明する。ユーザは検査実行前に、貯留部21、22にそれぞれ検体および試薬を滴下した検査対象受体2を、先述のように受体ホルダ100に装着する。さらにユーザは、受体ホルダ100をホルダ保持部47に装着して、操作部(図示外)から処理開始のコマンドを入力する。これにより、制御装置のCPU(図示外)は、ROM(図示外)に記憶されている制御プログラムに基づいて、以下に例示するような検査処理を実行する。
【0052】
まず、定常状態の受体ホルダ100(図1参照)が、所定回転数で公転される。これにより、貯留部21内の検体は、遠心力によって流路24を経由して貯留部23に流入する。貯留部22内の試薬は、遠心力によって流路25を経由して貯留部23に流入して、検体と混合する。遠心処理の開始から所定時間が経過すると、公転中の受体ホルダ100が90度自転されて、受体ホルダ100が変位状態(図2参照)となる。これにより、貯留部23内では、検体および試薬の混合液が遠心方向の変化によって撹拌される。90度自転から所定時間が経過すると、公転中の受体ホルダ100が−90度自転されて、受体ホルダ100が定常状態(図1参照)となる。定常状態に復帰した受体ホルダ100が計測位置(図3参照)に停止するように、公転が終了される。
【0053】
本実施形態では、受体ホルダ100が定常状態および変位状態のいずれである場合も、固定部105の遠心方向の下流側に、U字型の壁部472の少なくとも一部が配置されている。受体ホルダ100の公転時には、固定部105が壁部472によって遠心方向の下流側から支持されるため、受体ホルダ100が遠心力によってホルダ保持部47から脱落することが防止され、より正確に検査を行うことができる。
【0054】
また、変位状態の受体ホルダ100の公転時には、ヒンジ110から自由端側に向けた遠心力が受体ホルダ100に付与される。このとき、装着部103内の検査対象受体2が、遠心方向の下流側(図11では下側)に設けられた係止片140を付勢する。本実施形態では、受体ホルダ100の内部において、ヒンジ110から離間する方向に延びる係止片140が、その延設方向の下流側に配置された受部131に係止されている。検査対象受体2の付勢に応じて係止片140が受部131を押圧することで、ケースカバー101が収容ケース102に対して強固に係止される。ひいては、公転時に生じる遠心力によって、検査対象受体2が受体ホルダ100から飛び出ることが抑制され、より正確に検査を行うことができる。
【0055】
受体ホルダ100の公転終了後、遠心処理後の検査対象受体2内に存在する液体の光計測が実行される。具体的には、光源71から光センサ72に向けて計測光が射出される。この計測光は、計測位置の受体ホルダ100の計測口120を経由することで、計測口120から露出する検査対象受体2の貯留部23を透過する光路を形成する。計測光は貯留部23内の混合液を透過する際に減衰するため、光センサ72の受光量に基づいて検査結果が得られる。
【0056】
本実施形態では、押さえ部123が装着部103の内部で、検査対象受体2のフィルム26を押圧する。この押圧によって、少なくとも貯留部23の近傍ではフィルム26に張力が生じるため、フィルム26の皺や撓みが抑制される。したがって、開口部121、122から露出する貯留部23内の液体を検査する場合には、フィルム26上で計測光が屈折することが抑制される。より詳細には、開口部122の開口縁に沿って筒状に突出する押さえ部123によって、開口部122の輪郭形状に沿ってフィルム26が押圧される。したがって、少なくとも計測光が通る範囲内では、フィルム26の皺や撓みを確実に抑制できる。
【0057】
以上説明したように、本実施形態の受体ホルダ100によれば、検査対象受体2が装着された収容ケース102にケースカバー101が固定されると、開口部121、122を介して貯留部23が外部に露出される。このとき、開口部122の開口縁周辺から突出する押さえ部123によって、検査対象受体2のフィルム26が押圧される。この押圧によって、少なくとも貯留部23の近傍ではフィルム26に張力が生じるため、フィルム26の皺や撓みが抑制される。したがって、開口部121、122から露出する貯留部23内の液体を検査する場合には、フィルム26上で計測光が屈折することが抑制され、より正確な検査結果を得ることができる。
【0058】
また、本実施形態の検査装置1によれば、ホルダ保持部47に固定された受体ホルダ100が主軸57を中心に回転されて、検査対象受体2に遠心力が付与される。所定量回転されたのち、開口部121、122を介して貯留部23に光を透過させて、液体が計測される。ホルダ保持部47が有するレール状の壁部472の少なくとも一部は、遠心方向の下流側に設けられる。したがって、検査装置1の遠心処理時には、遠心方向の下流側に位置する壁部472によって、受体ホルダ100の固定部105を確実に支持でき、より正確に検査を行うことができる。
【0059】
上記実施形態において、開口部122が本発明の「第一開口部」に相当する。開口部121が本発明の「第二開口部」に相当する。主軸モータ35が本発明の「駆動部」に相当する。
【0060】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、各種の変形が可能なことはいうまでもない。例えば、検査対象受体2や受体ホルダ100の構造、受体ホルダ100の自転角度や遠心方向などは単なる例示であり、測定する条件に合わせて決定すればよい。
【0061】
すなわち、上記実施形態の検査装置1では、受体ホルダ100の自転角度が0度〜90度である。これに代えて、検査装置1は他の角度範囲(例えば、0度〜180度)で、受体ホルダ100を自転させてもよい。また、受体ホルダ100の構造は、その内部に収容される検査対象受体2の構造に応じて適宜変更することができる。具体的には、計測口120(開口部121、122)は、遠心処理後の検査対象受体2における液体の貯留部23に対応する位置に設けられればよい。また、計測口120(開口部121、122)は、光が通る孔部に限定されず、例えば透明樹脂で形成された部位でもよい。
【0062】
また、押さえ部123の形状や位置なども、各種変形が可能である。例えば、上記実施形態では、押さえ部123の形状は、筒状に限定されず、棒状あるいは板状の突起でもよい。上記実施形態では、押さえ部123は開口部121の開口縁周辺に形成されているが、開口部121は特定口(ケースカバー101が収容ケース102に固定された状態でフィルム26に対向する開口部)に設ければよい。
【0063】
図12に示す例では、フィルム26がケースカバー101と対向するように、検査対象受体2が装着部103に装着されている。これに対応して、フィルム26に対向する開口部121の開口縁周辺から突出する押さえ部123が設けられている。この場合も、上記実施形態と同様に、フィルム26の皺や撓みが抑制される。もちろん、開口部121、122の両方に、押さえ部123を設けてもよい。
【符号の説明】
【0064】
1 検査装置
2 検査対象受体
7 計測部
20 基板
23 貯留部
24 流路
25 流路
26 フィルム
35 主軸モータ
46 軸
47 ホルダ保持部
57 主軸
100 受体ホルダ
101 ケースカバー
102 収容ケース
103 装着部
105 固定部
121 開口部
122 開口部
123 押さえ部
131 受部
140 係止片
472 壁部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前記液体が移動可能な平面方向に延びる流路および前記流路の下流側に移動した前記液体が貯留される貯留部が表面に形成された基板と、前記基板の表面側を被覆するフィルムとが厚み方向に並ぶ薄板状の検査対象受体を保持して、前記検査対象受体に遠心力を付与して前記液体を計測する検査装置に着脱可能な受体ホルダであって、
前記検査対象受体を前記厚み方向に着脱可能な装着部を有し、前記装着部に装着された前記検査対象受体を前記厚み方向の一方側から支持する収容ケースと、
前記収容ケースに固定可能な板状部材であって、前記収容ケースに固定された状態で、前記装着部に装着された前記検査対象受体を前記厚み方向の他方側から支持するケースカバーと、
前記検査対象受体に対向する前記装着部の底部に設けられた、前記収容ケースを貫通する孔部であって、前記装着部に装着された前記検査対象受体の前記貯留部を露出させる第一開口部と、
前記ケースカバーが前記収容ケースに固定された状態で、前記装着部に装着された前記検査対象受体を挟んで前記第一開口部と対向する位置に設けられた、前記ケースカバーを貫通する孔部であって、前記装着部に装着された前記検査対象受体の前記貯留部を、前記第一開口部とは反対方向に露出させる第二開口部と、
前記ケースカバーが前記収容ケースに固定された状態で、前記第一開口部および前記第二開口部のうちで前記フィルムに対向する特定口の開口縁周辺から、前記装着部に装着された前記検査対象受体の前記フィルムに向けて突出する押さえ部と
を備えたことを特徴とする受体ホルダ。
【請求項2】
前記押さえ部は、前記特定口の開口縁に沿って筒状に突出することを特徴とする請求項1に記載の受体ホルダ。
【請求項3】
前記第一開口部および前記第二開口部は、前記貯留部に貯留された前記液体の計測時に、前記貯留部を通る光路が形成される透光部であることを特徴とする請求項1または2に記載の受体ホルダ。
【請求項4】
前記ケースカバーを前記収容ケースに対して開閉可能に回転させるヒンジと、
前記ヒンジによって回転される前記収容ケースの自由端側に設けられ、前記ヒンジから離間する方向に延びる係止片と、
前記ケースカバーの自由端側に設けられ、前記ケースカバーが閉じられた場合に前記係止片が係止される受部と
を備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の受体ホルダ。
【請求項5】
前記収容ケースにおいて前記装着部が設けられた面とは反対側の面に設けられ、前記検査装置の特定部位に固定される固定部を備え、
前記固定部は、前記検査装置による回転時に、前記受体ホルダに作用する遠心方向の下流側から前記特定部位によって支持されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の受体ホルダ。
【請求項6】
請求項5に記載の受体ホルダと、
前記特定部位として、前記固定部に対応するレール状の壁部を有するホルダ保持部と、
前記ホルダ保持部に前記固定部が固定された前記受体ホルダを軸線中心に回転させて、前記検査対象受体に遠心力を付与する駆動部と、
前記駆動部によって前記受体ホルダが所定量回転されたのち、前記第一開口部および前記第二開口部を介して前記貯留部に光を透過させて、前記液体を計測する計測部とを備え、
前記ホルダ保持部は、前記壁部の少なくとも一部が、前記受体ホルダに作用する遠心方向の下流側に設けられたことを特徴とする検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−76588(P2013−76588A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−215694(P2011−215694)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】