説明

受信されたSPS信号の時間基準を入手するシステムおよび方法

本明細書で開示される主題は、衛星および/または地上ナビゲーション・システム内の送信機から受信される信号の時間基準を入手するシステムおよび方法に関する。受信機で第1送信機から受信される第1信号に関連する第1の時間基準が入手される。第2送信機からの第2信号に関連する第2時間基準が、第1の時間基準および受信機から第1送信機までの第1飛程と受信機から第2送信機までの第2飛程との間の推定された差に基づいて入手される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示される主題は、基準位置で受信されたナビゲーション信号に関連する時間基準の入手に関する。
【背景技術】
【0002】
衛星測位システム(SPS)は、通常、エンティティが衛星から受信される信号に少なくとも部分的に基づいて地球上の位置を特定することを可能にする、地球周回軌道衛星のシステムを備える。そのようなSPS衛星は、通常、セットされた個数のチップの繰り返される擬似ランダム雑音(PN)符号を用いてマークされた信号を伝送する。たとえば、GPSまたはGalileoなどの全地球的航法衛星システム(GNSS)は、コンステレーション内の他の衛星によって伝送されたPN符号から区別可能なPN符号を用いてマークされた信号を伝送することができる。
【0003】
受信機の位置を推定するために、ナビゲーション・システムは、衛星から受信された信号内のPN符号の検出に少なくとも部分的に基づく周知の技法を使用して、受信機の「視野内の」衛星までの擬似距離(pseudorange)測定値を判定することができる。そのような衛星までの擬似距離は、受信機で受信信号を獲得するプロセス中に衛星に関連するPN符号を用いてマークされた受信信号内で検出される符号位相に少なくとも部分的に基づいて判定することができる。受信信号を獲得するために、ナビゲーション・システムは、通常、受信信号を衛星に関連する局所的に生成されたPN符号と相関させる。たとえば、そのようなナビゲーション・システムは、通常、そのような受信信号をそのような局所的に生成されたPN符号の複数の符号シフトされた版および/または時間シフトされた版と相関させる。最大の信号電力を有する相関結果をもたらす特定の時間シフトされた版および/または符号シフトされた版の検出は、上で述べた擬似距離を測定する際に使用される獲得された信号に関連する符号位相を示すことができる。
【0004】
GNSS衛星から受信された信号の符号位相の検出時に、受信機は、複数の擬似距離仮説を形成することができる。追加の情報を使用して、受信機は、事実上、真の擬似距離測定に関連するあいまい性を減らすために、そのような擬似距離仮説を除去することができる。周期的に繰り返すPN符号シーケンスを用いて符号化されることに加えて、GNSS衛星によって伝送される信号は、たとえばデータ信号および/または値の既知のシーケンスなどの追加情報によって変調される場合もある。GNSS衛星から受信された信号内のそのような追加情報を検出することによって、受信機は、受信信号に関連する偽の擬似距離仮説を除去することができる。一例では、そのような追加情報は、GNSS衛星から受信される信号に関連する時間基準を備えることができる。GNSS衛星から受信される信号のタイミングの知識における十分な正確さがあれば、偽の擬似距離仮説の一部またはすべてを除去することができる。
【0005】
図1に、これによって、無線通信システム内の加入者局(subscriber station)100が、加入者局100への見通し線内の衛星102a、102b、102c、102dから伝送を受信し、4つ以上の伝送から時間測定値を導出する、SPSシステムの応用例を示す。加入者局100は、測定値から局の位置を判定する位置特定エンティティ(position determination entity、PDE)104にそのような測定値を供給することができる。代替案では、加入者局100は、この情報からそれ自体の位置を判定することができる。
【0006】
加入者局100は、衛星のPN符号を受信信号と相関させることによって、特定の衛星からの伝送を探索することができる。受信信号は、通常、雑音の存在下で局100の受信機への見通し線内の1つまたは複数の衛星からの伝送の複合物を備える。相関を、符号位相探索ウィンドウ(code phase search window)WCPとして知られる符号位相仮説の範囲にわたって、およびドップラ探索ウィンドウ(Doppler search window)WDOPPとして知られるドップラ周波数仮説の範囲にわたって実行することができる。上で指摘したように、そのような符号位相仮説は、通常、PN符号シフトの範囲として表される。また、ドップラ周波数仮説は、通常、ドップラ周波数ビンとして表される。
【0007】
相関は、通常、NおよびMの積として表すことができる積分時間「I」上で実行され、ここで、Nは、コヒーレント積分時間であり、Mは、非コヒーレントに組み合わされるコヒーレント積分の個数である。特定のPN符号について、相関値は、通常、2次元相関関数を定義するために、対応するPN符号シフトおよびドップラビンに関連付けられる。相関関数のピークが、突き止められ、所定の雑音しきい値と比較される。このしきい値は、通常、誤警報確率すなわち衛星伝送を誤って検出する確率が所定の値以下になるように選択される。衛星の時間測定値は、通常、しきい値以上の符号位相次元に沿った最も早期の非サイドローブ・ピークの位置から導出される。加入者局のドップラ測定値は、しきい値以上のドップラ周波数次元に沿った最も早期の非サイドローブ・ピークの位置から導出することができる。
【0008】
獲得されたGNSS信号に関連するタイミング情報または時間基準の抽出は、電力および処理リソースを消費する。電力および処理リソースのそのような消費は、通常、携帯電話および他のデバイスなどのポータブル製品におけるクリティカルな設計制約である。
【発明の概要】
【0009】
一態様では、基準位置で第1送信機から獲得される第1信号に関連する時間基準は、基準位置で第2送信機から受信される第2信号に関連する時間基準に少なくとも部分的に基づいて入手される。もう1つの態様では、第1信号に関連する時間基準は、基準位置から第1送信機までの第1飛程と基準位置から第2送信機までの第2飛程との間の推定された差に少なくとも部分的に基づいて入手される。
【0010】
非限定的で非網羅的な特徴を、次の図面を参照して説明するが、図面では、同様の符号が、さまざまな図面を通じて同様の部分を指す。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】一態様による衛星測位システム(SPS)を示す概略図。
【図2】一態様による宇宙船(SV)までの擬似距離を測定することによって受信機で位置を判定することができるシステムを示す概略図。
【図3】一態様による基準位置でSVから獲得される信号の時間基準を入手するプロセスを示す流れ図。
【図4】一態様による基準位置で受信される第1信号内の時間基準と基準位置で受信される第2信号内の時間基準との関連を示すタイミング図。
【図5】一態様による基準位置で受信される第1信号内の時間基準と基準位置で受信される第2信号内の時間基準との関連を示すタイミング図。
【図6】一態様による基準位置で受信される第1信号内の時間基準と基準位置で受信される第2信号内の時間基準との関連を示すタイミング図。
【図7】一態様による基準位置で受信される第1信号内の時間基準と基準位置で受信される第2信号内の時間基準との関連を示すタイミング図。
【図8】一態様による基準位置で受信される第1信号内の時間基準と基準位置で受信される第2信号内の時間基準との関連を示すタイミング図。
【図9】一態様による宇宙船から伝送された信号の検出のために探索される2次元領域を示す概略図。
【図10】一態様によるセグメント境界に現れる、欠けているピークを回避するための探索ウィンドウ内の規定された個数のチップによるオーバーラップを示す図。
【図11】一態様による位置(position location)を判定するために信号を処理するシステムを示す概略図。
【図12】一態様による加入者局を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書全体での「一例」、「一特徴」、「例」、または「一特徴」への言及は、その特徴および/または例に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が、特許請求される主題の少なくとも1つの特徴および/または例に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体のさまざまな場所での句「一例で」、「例」、「一特徴で」、または「特徴」の出現は、必ずしもすべてが同一の特徴および/または例に言及してはいない。さらに、特定の特徴、構造、または特性を、1つまたは複数の例および/または特徴で組み合わせることができる。
【0013】
本明細書で説明する方法論を、特定の特徴および/または例に従って応用例に応じてさまざまな手段によって実施することができる。たとえば、そのような方法論を、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、および/またはこれらの組合せで実施することができる。ハードウェア実施態様では、たとえば、処理ユニットを、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、ディジタル信号プロセッサ(DSP)、ディジタル信号処理デバイス(DSPD)、プログラマブル・ロジック・デバイス(PLD)、フィールド・プログラマブル・ゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子デバイス、本明細書で説明する機能を実行するように設計された他のデバイスユニット、および/またはその組合せの中で実施することができる。
【0014】
「命令」は、本明細書で言及される時に、1つまたは複数の論理動作を表す表現に関係する。たとえば、命令を、1つまたは複数のデータ・オブジェクトに対する1つまたは複数のオペレーションを実行するために機械によって解釈可能であることによって、「機械可読」とすることができる。しかし、これは、単に命令の例であり、特許請求される主題は、これに関して限定されない。もう1つの例では、命令は、本明細書で言及される時に、符号化されたコマンドを含むコマンドセットを有する処理回路によって実行可能な符号化されたコマンドに関係することができる。そのような命令を、処理回路によって理解される機械語の形で符号化することができる。やはり、これらは、単に命令の例であり、特許請求される主題は、これに関して限定されない。
【0015】
「記憶媒体」は、本明細書で言及される時に、1つまたは複数の機械によって理解できる表現を維持できる媒体に関する。たとえば、記憶媒体は、機械可読の命令および/または情報を格納する1つまたは複数のストレージ・デバイスを備えることができる。そのようなストレージ・デバイスは、たとえば磁気記憶媒体、光記憶媒体、または半導体記憶媒体を含む、複数の媒体タイプのうちのいずれか1つを備えることができる。そのようなストレージ・デバイスは、すべてのタイプの長期、短期、揮発性、または不揮発性のデバイスメモリデバイスを備えることもできる。しかし、これらは、単に記憶媒体の例であり、特許請求される主題は、これに関して限定されない。
【0016】
そうではないと特に述べられない限り、次の議論から明白なとおり、本明細書全体で、「処理」、「コンピューティング」、「計算」、「選択」、「形成」、「使用可能化」、「抑止」、「突止め」、「終了」、「識別」、「開始」、「検出」、「入手」、「ホスティング」、「維持」、「表現」、「推定」、「減少」、「関連付け」、「受信」、「伝送」、「判定」、および/または類似物などの用語を利用する議論は、コンピュータまたは類似する電子コンピューティング・デバイスなどのコンピューティング・プラットフォームによって実行できる、コンピューティング・プラットフォームのプロセッサ、メモリ、レジスタ、ならびに/あるいは他の情報ストレージ・デバイス、情報伝送デバイス、情報受信デバイス、および/または情報表示デバイス内の物理的電子量および/または物理的磁気量ならびに/あるいは他の物理的量として表されるデータを操作し、かつ/または変換する行為および/またはプロセスを指すことを了解されたい。そのような行為および/またはプロセスを、たとえば、記憶媒体に格納された機械可読命令の制御の下でコンピューティング・プラットフォームによって実行することができる。そのような機械可読命令は、たとえば、コンピューティング・プラットフォームの一部として含まれる(たとえば、処理回路の一部としてまたはそのような処理回路の外部に含まれる)記憶媒体に格納されたソフトウェアまたはファームウェアを備えることができる。さらに、そうではないと特に述べられない限り、流れ図を参照してまたは他の形で本明細書において説明されるプロセスを、全体的にまたは部分的に、そのようなコンピューティング・プラットフォームによって実行し、かつ/または制御することもできる。
【0017】
「宇宙船」(SV)は、本明細書で言及される時に、地球の表面の受信機に信号を伝送できる物体に関する。一特定の例では、そのようなSVは、静止衛星を備えることができる。あるいは、SVが、軌道内で移動し、地球上の静止位置に対して相対的に移動する衛星を備えることもできる。しかし、これらは、単にSVの例であり、特許請求される主題は、これに関して限定されない。
【0018】
「位置」は、本明細書で言及される時に、基準の点による、物体またはものの所在に関連する情報に関する。ここで、たとえば、そのような位置を、緯度および経度などの地理的座標として表すことができる。もう1つの例では、そのような位置を、地球を中心とするXYZ座標として表すことができる。もう1つの例では、そのような位置を、所在地住所、自治体または他の政府管轄区、郵便番号、および/または類似物として表すことができる。しかし、これらは、単に位置を特定の例に従ってどのように表すことができるかの例であり、特許請求される主題は、これに関して限定されない。
【0019】
本明細書で説明する位置判定技法および/または位置推定技法は、無線広域ネットワーク(WWAN)、無線ローカルエリア・ネットワーク(WLAN)、無線パーソナルエリア・ネットワーク(WPAN)、その他などのさまざまな無線通信網について使用することができる。用語「網」、「ネットワーク」、および「システム」は、本明細書では交換可能に使用される場合がある。WWANは、符号分割多元接続(CDMA)網、時分割多元接続(TDMA)網、周波数分割多元接続(FDMA)網、直交周波数分割多元接続(OFDMA)網、SC−FDMA(Single−Carrier Frequency Division Multiple Access)網などとすることができる。符号分割多元接続網は、少数の無線テクノロジの例を挙げれば、cdma2000、W−CDMA(Wideband−CDMA)などの1つまたは複数の無線アクセステクノロジ(RAT)を実施することができる。ここで、cdma2000は、IS−95標準規格、IS−2000標準規格、およびIS−856標準規格に従って実施されるテクノロジを含むことができる。時分割多元接続網は、GSM(登録商標)(Global System for Mobile Communications)、D−AMPS(Digital Advanced Mobile Phone System)、またはある他のRATを実施することができる。GSMおよびW−CDMAは、「3rd Generation Partnership Project」(3GPP)という名前のコンソーシアムからの文書に記載されている。cdma2000は、「3rd Generation Partnership Project 2」(3GPP2)という名前のコンソーシアムからの文書に記載されている。3GPP文書および3GPP2文書は、公に入手可能である。WLANは、IEEE 802.11x網を備えることができ、WPANは、たとえば、Bluetooth(登録商標)網、IEEE 802.15xを備えることができる。本明細書で説明するそのような位置判定技法を、WWAN、WLAN、および/またはWPANの任意の組合せに使用することもできる。
【0020】
例によれば、デバイスおよび/またはシステムは、SVから受信される信号に少なくとも部分的に基づいてその位置を推定することができる。具体的に言うと、そのようなデバイスおよび/またはシステムは、関連するSVとナビゲーション衛星受信機との間の距離の近似値を備える「擬似距離」測定値を入手することができる。特定の例では、そのような擬似距離を、衛星測位システム(SPS)の一部として1つまたは複数のSVからの信号を処理できる受信機で判定することができる。そのようなSPSは、たとえば、2〜3例を挙げると、全地球測位システム(GPS)、Galileo、Glonass、または将来に開発されるすべてのSPSを備えることができる。その位置を判定するために、衛星ナビゲーション受信機は、3つ以上の衛星までの擬似距離測定値ならびに伝送の時のそれらの衛星の位置を入手することができる。SVの軌道パラメータを知ることによって、これらの位置を任意の時点について計算することができる。その後、擬似距離測定値を、SVから受信機まで信号が移動する時間に光速を乗じたものに少なくとも部分的に基づいて判定することができる。本明細書で説明する技法は、特定の例による特定の例示としてGPSおよび/またはGalileoタイプのSPSでの位置判定の実施態様として提供することができるが、これらの技法を他のタイプのSPSにも適用でき、特許請求される主題がこれに関して限定されないことを理解されたい。
【0021】
本明細書で説明する技法を、たとえば前述のSPSを含む複数のSPSのうちのいずれか1つと共に使用することができる。さらに、そのような技法を、擬似衛星または衛星と擬似衛星との組合せを利用する測位判定システムと共に使用することができる。擬似衛星は、GPS時間と同期化できるL周波帯(または他の周波数)搬送波信号上で変調されるPN符号または他の測距符号(ranging code)(たとえば、GPSまたは符号分割多元接続セルラ信号に似た)をブロードキャストする地上の送信機を備えることができる。そのような送信機に、遠隔受信機による識別を許可するために一意のPN符号を割り当てることができる。擬似衛星は、トンネル、鉱山、ビルディング、都市の谷間、または他の囲まれた区域など、周回軌道衛星からのGPS信号が使用不能である可能性がある状況で有用である。擬似衛星のもう1つの実施形態は、無線標識として知られる。用語「衛星」は、本明細書で使用される時に、擬似衛星、擬似衛星の同等物、およびおそらくは他のものを含むことが意図されている。用語「SPS信号」は、本明細書で使用される時に、擬似衛星または擬似衛星の同等物からのSPS様信号を含むことが意図されている。
【0022】
「全地球的航法衛星システム」(GNSS)は、本明細書で言及される時に、共通のシグナリングフォーマットに従う、同期化されたナビゲーション信号を伝送するSVを備えたSPSに関係する。そのようなGNSSは、たとえば、コンステレーション内の複数のSVから同時に地球の表面の膨大な部分の位置にナビゲーション信号を伝送するための、同期化された軌道内のSVのコンステレーションを備えることができる。特定のGNSSコンステレーションのメンバであるSVは、通常、特定のGNSSフォーマットに独特であるフォーマットでナビゲーション信号を伝送する。したがって、第1GNSS内のSVによって伝送されたナビゲーション信号を獲得する技法を、第2GNSS内のSVによって伝送されたナビゲーション信号を獲得するために変更することができる。特許請求される主題はこれに関して限定されないが、特定の例では、GPS、Galileo、およびGlonassが、それぞれ、他の2つの名前を挙げられたSPSとは別個のGNSSを表すことを理解されたい。しかし、これらは、単に別個のGNSSに関連するSPSの例であり、特許請求される主題は、これに関して限定されない。
【0023】
一特徴によれば、ナビゲーション受信機は、周期的に繰り返すPN符号シーケンスを用いて符号化された特定のSVからの信号の獲得に少なくとも部分的に基づいて、特定のSVまでの擬似距離測定値を入手することができる。そのような信号の獲得は、時間およびPN符号シーケンス内の関連する点に対して参照される、「符号位相」を検出することを備えることができる。一特定の特徴では、たとえば、そのような符号位相を、局所的に生成されたクロック信号およびPN符号シーケンス内の特定のチップに対して参照することができる。しかし、これは、単に、符号位相をどのように表すことができるかの例であり、特許請求される主題は、これに関して限定されない。
【0024】
例によれば、符号位相の検出は、PN符号インターバルでの複数のあいまいな候補擬似距離または擬似距離仮説を提供する場合がある。したがって、ナビゲーション受信機は、SVまでの「真の」擬似距離測定値として擬似距離仮説のうちの1つを選択するために、検出された符号位相およびあいまい性の解決に少なくとも部分的に基づいて、SVまでの擬似距離測定値を入手することができる。上で指摘したように、ナビゲーション受信機は、複数のSVから入手された擬似距離測定値に少なくとも部分的に基づいて、その位置を推定することができる。
【0025】
一特定の例では、送信機から基準位置領域で受信されたSPS信号の時間基準の正確な知識および基準位置領域から送信機までの飛程の知識の十分な正確さを用いて、受信機は、真の擬似距離測定値を判定するために偽の擬似距離仮説を除去することができる。ここで、「時間基準」は、送信機から伝送されたSPS信号の既知のインスタンスと伝送されたSPS信号のうちで現在基準位置領域で受信されつつある部分との間の関連に関する。下で示す特定の例では、送信機から伝送されたSPS信号を、たとえば日、週、時の始めなどの既知のインスタンスに関連付けることができる。一態様では、SPS信号内のそのようなインスタンスを、SPS信号を変調するデータ信号内の情報を用いてマークすることができる。そのような情報は、たとえば、符号記号および/または数値の特定の既知のシーケンスを備えることができる。受信されたSPS信号の符号記号および/または数値のそのようなシーケンスを抽出することによって、受信機は、受信されたSPS信号に関連する時間基準を入手することができる。
【0026】
図2に、例によるSVまでの擬似距離を測定することによって受信機で位置を判定することができるシステムの概略図を示す。地球の表面168上の基準位置中心166にある受信機は、SV1およびSV2を見、これらから信号を受信することができる。基準位置中心166は、たとえば約10kmの半径の円によって定義される、基準位置領域164内であることがわかっているものとすることができる。しかし、これが、単に推定位置の不確かさを特定の態様に従ってどのように表現できるかの例であり、特許請求される主題が、これに関して限定されないことを理解されたい。一例では、領域164は、既知の位置にあるセルラ無線通信網の特定のセルのカバレージエリアを備えることができる。
【0027】
例によれば、SV1およびSV2を、異なるGNSSコンステレーションのメンバとすることができる。下で示す特定の例では、SV1をGPSコンステレーションのメンバとすることができ、SV2をGalileoコンステレーションのメンバとすることができる。しかし、これが、単に受信機が異なるGNSSコンステレーションに属するSVからどのように信号を受信できるかの例であり、特許請求される主題が、これに関して限定されないことを理解されたい。
【0028】
一特定の代替案では、第1および第2のSVを、GSPコンステレーションからのものとすることができ、この2つのSVのうちの少なくとも1つは、L1C信号を伝送することができる。Galileo SVからのナビゲーション信号に似て、L1Cナビゲーション信号は、パイロット・チャネルとデータ・チャネルとの両方を用いて符号化された信号を備えることができる。L1Cの周期的に繰り返すPN符号シーケンスを、Galileoの4msecとは異なる可能性がある10msecとすることができる。したがって、本明細書で述べる特定の例が、GalileoコンステレーションおよびGPSコンステレーションからのSVの使用に関する場合があるが、そのような技法を、SVのうちの少なくとも1つがL1C信号を伝送できる2つのGPS SVを使用する他の例にも適用できることを理解されたい。やはり、これらは、単に基準位置領域にある受信機でSPSから受信できる特定の信号の例であり、特許請求される主題は、これに関して限定されない。
【0029】
例によれば、基準位置領域164の受信機は、たとえば衛星通信網または地上無線通信網などの中の無線通信リンクを介して、たとえばサーバ(図示せず)などの他のデバイスと通信することができる。一特定の例では、そのようなサーバは、SVから受信された信号を処理し、かつ/または擬似距離測定値を入手するために受信機によって使用される情報を備えるAA(acquisition assistance)メッセージを受信機に伝送することができる。代替案では、そのようなAAメッセージを、受信機のメモリに局所的に格納された情報から提供することができる。ここで、そのような局所的に格納された情報を、少数の例を挙げるとリムーバブル・メモリデバイスからローカルメモリに格納し、かつ/またはサーバから受信された以前のAAメッセージから導出することができる。特定の例では、AAメッセージは、たとえば、SV1およびSV2の位置を示す情報、基準位置中心166の位置の推定値、推定された基準位置に関連する不確かさ、現在時刻の推定値、および/または類似物などの情報を備えることができる。SV1およびSV2の位置を示すそのような情報は、天体暦情報および/または暦情報を備えることができる。特定の例に従って下で指摘するように、受信機は、そのような天体暦および/または暦ならびに時間の大まかな推定値に少なくとも部分的に基づいてSV1およびSV2の位置を推定することができる。SVのそのような推定位置は、たとえば、基準位置中心166での基準方向からの推定方位角および地球の水平線からの仰角ならびに/または地球を中心とするXYZ座標を備えることができる。
【0030】
SV1およびSV2の位置を示す情報および基準位置中心166の位置の推定値を使用して、受信機は、基準位置中心166からSV1までの第1飛程および基準位置中心166からSV2までの第2飛程を推定することができる。ここで、第1飛程が第2飛程より長い場合には、SV1から伝送されたSPS信号が、基準位置中心166に達するのに、SV2から伝送されたSPS信号より長い持続時間を移動することに注意しなければならない。同様に、第2飛程が第1飛程より長い場合には、SV2から伝送されたSPS信号が、基準位置中心166に達するのに、SV1から伝送されたSPS信号より長い持続時間だけ移動する。
【0031】
一特定の例では、SVから伝送されたSPS信号は、時間における既知のエポックおよび/またはインスタンス、たとえば、少数の例を挙げれば、特定の時、日、週、月などの始まりに同期化される。そのようなエポックおよび/またはインスタンス中に、SVは、そのようなエポックおよび/またはインスタンスをマークするための情報を用いて、伝送されるSPS信号を変調することができる。たとえば、GPSコンステレーションのメンバであるSVでは、そのような情報を、20msecの記号インターバルまたはビットインターバルで伝送される値および/または記号のシーケンスなどのデータ信号内で提供することができる。たとえばGalileoコンステレーションのメンバであるSVでは、そのような情報を、4msecの記号持続時間を有するレート1/2ビタビ符号化データ・チャネル内で提供することができる。しかし、これらが、単にSPS信号内の情報をどのようにして既知のエポックおよび/またはインスタンスをマークするのに使用できるかの例であり、特許請求される主題が、これに関して限定されないことを理解されたい。
【0032】
既知のエポックおよび/またはインスタンスをマークする情報を有するSPS信号の受信時に、受信機は、その特定のSPS信号および/または受信されたSPS信号を伝送する送信機に関する時間基準を入手することができる。そのようなSPS信号がGPSコンステレーション内のSVから伝送される特定の例では、そのような受信機は、既知のエポックおよび/またはインスタンスをマークするデータ信号の20msec記号インターバルおよび/またはビットインターバル内の情報を復号することができる。たとえば、そのようなSPS信号がGalileoコンステレーション内のSVから伝送される場合には、そのような受信機は、たとえば、レート1/2ビタビ符号化データ・チャネル内の情報を復号することができる。
【0033】
一特定の態様では、第1送信機から伝送されたSPS信号に関連する特定の既知のインスタンスおよび/またはエポックを、第2送信機から伝送されたSPS信号の特定の既知のインスタンスおよび/またはエポックと同期化することができる。たとえば、GPS信号を変調するデータ信号内の記号インターバルおよび/またはビットインターバルの間の遷移などのSV1から伝送されるGPS信号内の特定のインスタンスを、データ・チャネル内の4.0msec符号位相インターバルおよび/または4.0msecのレート1/2ビタビ符号化記号インターバルの間の遷移などのSV2から伝送されるGalileo信号内の特定のインスタンスと同期化することができる。
【0034】
特定の特徴による図3の流れ図に示されているように、第1送信機から受信された第1のSPS信号から入手される時間基準を、第2送信機から基準位置領域で受信される第2のSPS信号の時間基準を入手するのに使用することができる。ブロック202で、基準位置領域の受信機は、たとえばSVに配置された送信機などの第1送信機から受信される第1のSPS信号に関連する第1の時間基準を入手することができる。ここで、たとえば、そのような受信機は、時間における特定の既知のインスタンスおよび/またはエポックに関連するかこれを識別する第1のSPS信号からの情報を復号し、かつ/または復調することができる。
【0035】
代替案では、受信機は、受信されたSPS信号からの時間基準を正確に推論するためにデータ相関法を使用することができる。たとえば、信号電力が十分に低い場合に、受信機は、受信されたSPSを変調するデータ信号からの個々のデータビットを正確に復調することができない場合がある。ここで、受信機は、受信されたSPS信号内の既知のパターンを相関させることができる。受信されたSPS信号との十分な個数の成功の相関があれば、受信機は、受信されたSPS信号を伝送する送信機に関連する時間基準を判定し、かつ/または抽出することもできる。一実施形態では、受信機は、既知のパターンを同一の送信機または異なる送信機から受信された信号と相関させることができる。しかし、これらが、単に受信機が特定の実施形態に従って受信SPS信号に関連する時間基準をどのようにして入手できるかの例であり、特許請求される主題が、これに関して限定されないことを理解されたい。
【0036】
図3のブロック204では、基準位置の受信機は、第2送信機からの第2のSPS信号を獲得することができる。第2のSPS信号のそのような獲得は、たとえば、繰り返す符号位相インターバルを分離するPN符号位相境界の検出を備えることができる。ここで、基準位置領域の受信機は、周期的に繰り返すPN符号を用いて符号化された第2のSPS信号を受信することができる。第2のSPS信号を獲得するために、そのような受信機は、受信された信号内のドップラ周波数および符号位相を検出することができる。符号位相のそのような検出は、たとえば、局所的に生成された符号シーケンスの符号シフトされた版および/または時間シフトされた版の相関を備えることができる。たとえば、第2のSPS信号がGalileo SVから伝送される1つの例では、そのような符号位相を、PN符号シーケンスの4.0ms繰返し周期内で検出することができる。あるいは、第2のSPS信号がGSP SVから伝送される場合には、そのような符号位相を、PN符号シーケンスの1.0ms繰返し周期内で検出することができる。しかし、これは、単にSPS信号をどのように獲得できるかの例であり、特許請求される主題は、これに関して限定されない。
【0037】
図3は、ブロック204の行為の前に発生するブロック202の行為を示すが、そのような行為の順序を、代替実施態様では逆転できることを理解されたい。さらに他の実施態様では、ブロック202および204で実行される行為を、並列に行うことができる。
【0038】
最後に、ブロック206で、受信機は、第1の時間基準に関連する時間基準(第1のSPS信号から入手される)、ならびに基準位置から第1送信機までの飛程と基準位置から第2送信機までの飛程との間の差の推定値に少なくとも部分的に基づいて、第2のSPS信号に関連する時間基準を入手することができる。ここで、第1飛程と第2飛程との間のそのような推定された差を使用することによって、受信機は、第1送信機から基準位置までの第1のSP信号の走時と第2送信機から基準位置までの第2のSPS信号の走時との間の差を考慮することができる。受信機で入手される第1のSPS信号に関連する時間基準の正確さに関連するある不確かさが存在する場合があるが、そのような時間基準に関連する誤差は、基準位置で受信されるSPS信号を伝送する複数の送信機に関連する一定の時間誤差を備える可能性がある。したがって、そのような一定の誤差を、たとえば最終的なナビゲーション解決を判定する時に除去することができる。
【0039】
一特定の例では、正確な差L(たとえば、時間の単位で)は、基準位置から第1送信機までの飛程と基準位置から第2送信機までの飛程との間の差を定義することができる。特定の例の実施態様を示すために、差の推定値E[L]が、図2に示されているようにSV1およびSV2に配置された送信機について判定される。しかし、SPS信号を伝送する送信機が、SVに配置される必要がないことと、下で述べる手法を、たとえば擬似衛星などの異なるプラットフォームに配置された送信機の差Lを推定するために適用することができることを理解されたい。ここで、基準位置中心166からSV1の第1送信機までの飛程と基準位置中心166からSV2の第2送信機までの飛程との間の実際の差Lを、次のように表すことができる。
【数1】

【0040】
ただし、
=所与の時刻に基準位置で測定される場合のSV1からの信号の伝搬遅延
=同一の所与の時刻に基準位置で測定される場合のSV2からの信号の伝搬遅延
である。
【0041】
たとえば、第2の受信されたSPSに関連する時間基準を入手するために、受信機は、次のように、関係(1)に従って基準位置中心から第1送信機までの飛程と基準位置中心から第2送信機までの飛程との間の差Lの推定値(たとえば、時間の単位で)を判定することができる。
【数2】

【0042】
およびTの測定値に関連する誤差は、実質的に無関係と推定することができるので、式E[T−T]を、式E[T]−E[T]によって近似することができる。ここで、特定の例では、式E[T]−E[T]の値を、特定の時刻についてAAメッセージを介して受信機に既知および/または受信機から入手可能とすることができる。代替案では、受信機は、そのようなAAメッセージで受信される情報から特定の時刻の式E[T]−E[T]のそのような値を導出することができる。
【0043】
関係(1)による差Lの推定値すなわちE[L]を、次のように受信機クロック誤差τを打ち消す式に変形することができる。
【数3】

【0044】
ただし、
c=光速、
τ=受信機クロック・バイアス誤差、
SV1=基準位置中心からSV1までの飛程の推定値、および
SV2=基準位置中心からSV2までの飛程の推定値
である。
【0045】
ここで、差推定E[L]の値を、線形長さまたは時間のいずれかの単位で表すことができ、E[L]の値のそのような式の単位の間の変換を、適当な単位で表された光速によって提供できることが留意されなければならない。したがって、差推定E[L]のそのような値を、特許請求される主題から逸脱せずに時間または線形長さのいずれかの単位で交換可能に表現できることを理解されたい。
【0046】
特定の例によれば、ブロック206は、基準位置中心166からSV1までの飛程(「RSV1」)と基準位置中心166からSV2までの飛程(「RSV2」)との間の推定差を計算することができる。ここで、ブロック206は、たとえば基準位置中心166の地球を中心とするXYZ座標の推定値に加えて、地球を中心とするXYZ座標でのSV1およびSV2の位置の推定値を示す1つまたは複数のAAメッセージからのAA情報を入手することができる。そのような地球を中心とするXYZ座標を使用して、ブロック206は、RSV1およびRSV2のユークリッド距離を計算することができる。
【0047】
特定の例を用いて下で示されるように、基準位置の受信機は、基準位置で獲得された第1送信機から伝送された第1のSPS信号上の時間基準を特定し、第2送信機から伝送された第2のSPS信号を獲得することができる。特定の特徴では、そのような受信機は、さらに、差推定値E[L]に関連する片面不確かさ(single sided uncertainty)が第2の獲得されたSPS信号内の情報の繰返し周期の1/2未満である場合に、第1の獲得されたSPS信号に関連する時間基準に少なくとも部分的に基づいて、第2の獲得されたSPS信号上の時間基準を特定することができる。
【0048】
図4から8に、基準位置で第1送信機から受信される第1のSPS信号の時間基準を、第2送信機から伝送され基準位置で獲得される第2のSPS信号の第2時間基準を入手するのにどのように使用できるかの特定の例を示す。ここで、第1のSPS信号および第2のSPS信号の時間基準を、差推定値E[L]によって関連付けることができる。特定の示される例では、時間基準TRは、第1のSVによって伝送される第1のSPS信号について入手され、時刻t=0で任意にマークされる。時間基準TRも、第2のSVによって伝送される獲得された第2のSPS信号内の特定のインスタンスと同期化される。特定の例を示すために、基準位置から第1のSVまでの飛程は、基準位置から第2のSVまでの飛程より長い。したがって、t=0に受信される時間基準TRは、過去の獲得された第2のSPS信号のインスタンスおよび/またはエポックに量Lによって関連付けられ、かつ/または同期化される。しかし、他の実施形態では、受信された第1のSPS信号内の時間基準が将来の獲得される第2のSPS信号のインスタンスおよび/またはエポックに量Lによって関連付けられ、かつ/または同期化されるように、基準位置から第1のSVまでの飛程を、基準位置から第2のSVまでの飛程以下にすることができることを理解されたい。
【0049】
図4の特定の例では、GPSコンステレーション内の第1のSVによって伝送される第1のSPS信号302は、基準位置で受信され、獲得され、Galileoコンステレーション内の第2のSVによって伝送される第2のSPS信号304は、基準位置で獲得される。SPS信号302に関連する時間基準TRは、任意にt=0としてマークされる時刻に入手される。SPS信号304は、この信号が獲得されるので既知である境界306によって分離された4.0msecのPN符号インターバルを備える。一特徴では、時間基準TRを、4.0msecのPN符号インターバルを分離する特定の境界306と同期化することができる。TRは、4.0msec未満の推定値E[L]内の両面不確かさ(two-sided uncertainty)領域Uを伴ってSPS信号304内で境界306と同期化されるので、受信機は、SPS信号304の時間基準TRがSPS信号304内の4.0msecのPN符号インターバルを分離する特定の境界310にあると判定することができる。
【0050】
代替実施態様では、図4の上の特定の例の第1のSPS信号302を、特許請求される主題から逸脱せずにGalileoコンステレーションまたは他のGNSSコンステレーション内の第1のSVによって伝送できることを指摘しなければならない。もう1つの代替実施態様では、第2のSV信号304を、たとえばGPSコンステレーション内のL1C信号など、その信号構造がGalileo信号構造に類似する別のGNSSコンステレーション内の第2のSVによって伝送することができる。やはり、これらは、単に代替実施態様であり、特許請求される主題は、これらに関して限定されない。
【0051】
図5の特定の例では、GPSコンステレーション内の第1のSVによって伝送される第1のSPS信号402は、基準位置で受信され、獲得され、Galileoコンステレーション内の第2のSVによって伝送される第2のSPS信号408は、基準位置で獲得される。この特定の例では、SPS信号402の獲得に加えて、受信機は、8.0msecのレート1/2ビタビ符号化データおよび/または値の間の境界406を判定するために、SPS信号408を変調するデータ・チャネルを成功して復号した可能性がある。やはり、SPS信号402に関連する時間基準TRは、任意にt=0としてマークされる時刻に入手される。しかし、時間基準TRは、復号されたデータ・チャネル内の8.0msecレート1/2ビタビ符号化値またはデータを分離する特定の境界406と同期化される。したがって、8.0msec未満の推定値E[L]内の両面不確かさ領域Uを有する図5に示されているように、受信機は、SPS信号408を変調するデータ・チャネル内の8.0msecレート1/2ビタビ符号化データおよび/または値を分離する特定の境界410にあるSPS信号408の時間基準TRを判定することができる。
【0052】
代替実施態様では、図5の上の特定の例の第1のSPS信号402を、特許請求される主題から逸脱せずにGalileoコンステレーションまたは他のGNSSコンステレーション内の第1のSVによって伝送できることを指摘しなければならない。もう1つの代替実施態様では、第2のSV信号408を、たとえばGPSコンステレーション内のL1C信号など、その信号構造がGalileo信号構造に類似する別のGNSSコンステレーション内の第2のSVによって伝送することができる。やはり、これらは、単に代替実施態様であり、特許請求される主題は、これに関して限定されない。
【0053】
図6の特定の例では、GPSコンステレーション内の第1のSVによって伝送される第1のSPS信号(図示せず)は、基準位置で受信され、獲得され、Galileoコンステレーション内の第2のSVによって伝送される第2のSPS信号504は、基準位置で獲得される。この特定の例では、SPS信号504の獲得に加えて、受信機は、100msec符号シーケンスインターバルの間の境界506を判定するために、SPS信号504を変調する100msec符号シーケンスを備えるパイロット・チャネルを復号済みである可能性がある。やはり、第1のSPS信号に関連する時間基準TRは、任意にt=0としてマークされる時刻に入手される。しかし、時間基準TRは、復号されたパイロット・チャネルの100msec符号シーケンスを分離する特定の境界506と同期化される。したがって、100msec未満の推定値E[L]内の両面不確かさ領域Uを有する図6に示されているように、受信機は、100msec周期エポックを分離する特定の境界510にあるSPS信号504の時間基準TRを判定することができる。
【0054】
代替実施態様では、図6の上の特定の例の第1のSPS信号(図示せず)を、特許請求される主題から逸脱せずにGalileoコンステレーションまたは他のGNSSコンステレーション内の第1のSVによって伝送できることを指摘しなければならない。もう1つの代替実施態様では、第2のSV信号504を、たとえばGPSコンステレーション内のL1C信号など、その信号構造がGalileo信号構造に類似する別のGNSSコンステレーション内の第2のSVによって伝送することができる。やはり、これらは、単に代替実施態様であり、特許請求される主題は、これに関して限定されない。
【0055】
図7の特定の例では、Galileoコンステレーション内の第1のSVによって伝送される第1のSPS信号604は、基準位置で受信され、獲得され、GPSコンステレーション内の第2のSVによって伝送される第2のSPS信号602は、基準位置で獲得される。SPS信号604に関連する時間基準TRは、任意にt=0としてマークされる時刻に入手される。さらに、時間基準TRは、獲得された信号602の1.0msec PN符号インターバルの間の特定の境界と同期化される。したがって、図7に示されているように、1.0msec未満の推定値E[L]内の両面不確かさ領域Uを有する図7に示されているように、受信機は、SPS信号の1.0msecのPN符号インターバル602を分離する特定の境界にあるSPS信号602の時間基準TRを判定することができる。
【0056】
代替実施形態では、図7の上の特定の例の第1のSPS信号604を、特許請求される主題から逸脱せずにGPSコンステレーションまたは他のGNSSコンステレーション内の第1のSVによって伝送できることを指摘しなければならない。
【0057】
図8の特定の例では、Galileoコンステレーション内の第1のSVによって伝送される第1のSPS信号804は、基準位置で受信され、獲得され、GPSコンステレーション内の第2のSVによって伝送される第2のSPS信号802は、基準位置で獲得される。SPS信号804に関連する時間基準TRは、任意にt=0としてマークされる時刻に入手される。さらに、時間基準TRは、SPS信号802を変調するデータ信号808内の20.0msecのビットインターバルまたは記号インターバルを分離する特定の「ビットエッジ」と同期化される。信号SPS信号802を獲得することおよびビットエッジ位置810によって示されるSPS信号802内の20msecビットインターバルまたは記号インターバルを分離するビットエッジ境界を判定または識別することによって、受信機は、E[L]内の両面不確かさ領域Uが20.0msec未満である場合にビットエッジ810内の特定のビットエッジにあるSPS信号802の時間基準TRを判定することができる。
【0058】
代替実施形態では、図8の上の特定の例の第1のSPS信号804を、特許請求される主題から逸脱せずにGPSコンステレーションまたは他のGNSSコンステレーション内の第1のSVによって伝送できることを指摘しなければならない。
【0059】
例によれば、特許請求される主題はこれに関して限定されないが、差推定値E[L]の正確さは、基準位置領域の推定値に関連する不確かさの量または度合に少なくとも部分的に基づく。図2の特定の例では、やはり特定の特徴を示すために、SV1およびSV2に関する差推定値E[L]の片面不確かさρを、次のように関係(2)に従って判定することができる。
【数4】

【0060】
ただし、
c=光速、
A1=基準位置中心からSV1までの推定方位角、
A2=基準位置中心からSV2までの推定方位角、
E1=基準位置中心からSV1までの推定仰角、
E2=基準位置中心からSV2までの推定仰角、および
Punc=長さの単位での基準位置領域の片面不確かさ
である。
【0061】
ここで、上で図4から8で示されたような両面不確かさ領域Uを、U=E[L]+/−ρとして片面不確かさρから導出できることに留意しなければならない。
【0062】
例によれば、受信機で可視のSV(たとえば、AAメッセージで示されるような)を、そのSVを探索すべき符号位相仮説およびドップラ周波数仮説の2次元領域を定義する探索ウィンドウパラメータの特定のセットに関連付けることができる。図9に示された一実施態様では、あるSVの探索ウィンドウパラメータは、符号位相探索ウィンドウサイズWIN_SIZECP、符号位相ウィンドウ中心WIN_CENTCP、ドップラ探索ウィンドウサイズWIN_SIZEDOPP、およびドップラウィンドウ中心WIN_CENTDOPPを備える。その位置を判定することが求められるエンティティが、IS−801準拠無線通信システム内の加入者局である場合には、これらのパラメータを、PDEによって加入者局に提供されるAAメッセージによって示すことができる。
【0063】
図9に示されたSVの2次元探索空間は、符号位相軸は、水平軸であり、垂直軸としてのドップラ周波数軸を示すが、この割当は任意であり、逆転することができる。符号位相探索ウィンドウの中心を、WIN_CENTCPと称し、符号位相探索ウィンドウのサイズを、WIN_SIZECPと称する。ドップラ周波数探索ウィンドウの中心を、WIN_CENTDOPPと称し、ドップラ周波数探索ウィンドウのサイズを、WIN_SIZEDOPPと称する。
【0064】
第1のSVからの第1信号の獲得に続いて、例によれば、第2のSVからの第2信号の獲得のためのWIN_CENTCPおよびWIN_SIZECPを、第1の獲得された信号内で検出された符号位相、受信機位置の推定値、および特定の時刻tの第1のSVおよび第2のSVの位置を記述する情報に少なくとも部分的に基づいて判定することができる。図10に示されているように、第2信号を獲得するための探索空間を、それぞれがドップラ周波数の範囲および符号位相の範囲の特徴がある複数のセグメント1202a、1202b、1202cに区分することができる。
【0065】
例によれば、セグメントの特徴を表す符号位相の範囲は、単一チャネルパスを介するセグメントの探索への相関器のチャネルの容量と等しいものとすることができる。たとえば、通信路容量が32チップである一特定の例では、セグメントの特徴を表す符号位相の範囲は、同様に、32チップとすることができるが、他の例が可能であることを了解されたい。
【0066】
図10に示されているように、セグメント境界に現れるピークが失われることを回避するために、セグメントを規定された個数のチップだけオーバーラップさせることができる。ここでは、セグメント1202aの末尾は、セグメント1202bの先頭とΔチップだけオーバーラップし、セグメント1202bの末尾は、同様にセグメント1202cの先頭とΔチップだけオーバーラップする。このオーバーラップに起因するオーバーヘッドのゆえに、あるセグメントによって表される符号位相の有効範囲は、通信路容量未満である可能性がある。たとえば、オーバーラップが4チップである場合には、あるセグメントによって表される符号位相の有効範囲を、28チップとすることができる。
【0067】
SVから周期的に繰り返す信号を獲得するシステムを、特定の例に従って図11に示す。しかし、これは、単に特定の例に従ってそのような信号を獲得することができるシステムの例であり、他のシステムを、特許請求される主題から逸脱せずに使用することができる。特定の例に従って図11に示されているように、そのようなシステムは、プロセッサ1302、メモリ1304、および相関器1306を含むコンピューティング・プラットフォームを備えることができる。相関器1306を、直接にまたはメモリ1304を介してのいずれかで、プロセッサ1302によって処理される、受信機(図示せず)によって提供される信号から相関関数を作るように適合させることができる。相関器1306を、ハードウェア、ソフトウェア、またはハードウェアおよびソフトウェアの組合せで実施することができる。しかし、これらは、単に相関器を特定の態様に従ってどのように実施できるかの例であり、特許請求される主題は、これに関して限定されない。
【0068】
例によれば、メモリ1304は、コンピューティング・プラットフォームの少なくとも一部を提供するためにプロセッサ1302によってアクセス可能であり実行可能である機械可読命令を格納することができる。ここで、プロセッサ1302を、そのような機械可読命令と組み合わせて、図3を参照して上で示したプロセス200のすべてまたは一部を実行するように適合させることができる。特許請求される主題はこれに関して限定されないが、特定の例では、プロセッサ1302は、上で示したように位置判定信号を探索するように相関器1306に指示し、相関器1306によって生成された相関関数から測定値を導出することができる。
【0069】
図12に移ると、無線トランシーバ1406を、RF搬送波上へ音声またはデータなどのベースバンド情報を用いてRF搬送波信号を変調し、そのようなベースバンド情報を入手するために変調されたRF搬送波を復調するように適合させることができる。アンテナ1410を、変調されたRF搬送波を無線通信リンクを介して伝送し、変調されたRF搬送波を無線通信リンクを介して受信するように適合させることができる。
【0070】
ベースバンド・プロセッサ1408を、無線通信リンクを介する伝送のためにCPU 1402からトランシーバ1406へベースバンド情報を提供するように適合させることができる。ここで、CPU 1402は、ユーザ・インターフェース1416内のインプット・デバイスからそのようなベースバンド情報を入手することができる。ベースバンド・プロセッサ1408を、ユーザ・インターフェース1416内のアウトプット・デバイスを介して伝送のためにトランシーバ1406からCPU 1402にベースバンド情報を提供するように適合させることもできる。
【0071】
ユーザ・インターフェース1416は、音声またはデータなどのユーザ情報をインプットしまたはアウトプットするための複数のデバイスを備えることができる。そのようなデバイスは、たとえば、キーボード、ディスプレイ・スクリーン、マイクロホン、およびスピーカを含むことができる。
【0072】
SPS受信機(SPS Rx)1412を、SVから伝送を受信し、復調し、復調された情報を相関器1418に提供するように適合させることができる。相関器1418を、受信機1412によって提供される情報から相関関数を導出するように適合させることができる。たとえば、所与のPN符号について、相関器1418は、上で示したように、符号位相探索ウィンドウを設定するために符号位相の範囲にわたって、およびドップラ周波数仮説の範囲にわたって定義される相関関数を作ることができる。したがって、個々の相関を、定義されたコヒーレントおよび非コヒーレントの積分パラメータに従って実行することができる。
【0073】
相関器1418を、トランシーバ1406によって提供されるパイロット信号に関係する情報からパイロット関連相関係数を導出するように適合させることもできる。この情報は、無線通信サービスを獲得するために加入者局によって使用することができる。
【0074】
チャネル復号器1420を、ベースバンド・プロセッサ1408から受け取られるチャネル記号を基礎になるソースビットに復号するように適合させることができる。チャネル記号が畳込み符号化された記号を備える一例では、そのようなチャネル復号器は、ビタビ復号器を備えることができる。チャネル記号が畳込み符号の直列連結または並列連結を備える第2の例では、チャネル復号器1420は、ターボ復号器を備えることができる。
【0075】
メモリ1404を、説明されたか提案された、プロセス、例、実施態様、またはその例のうちの1つまたは複数を実行するために実行可能である機械可読命令を格納するように適合させることができる。CPU 1402を、そのような機械可読命令にアクセスし、これを実行するように適合させることができる。これらの機械可読命令の実行を介して、CPU 1402は、ブロック204および220で特定の探索モードを使用してドウェルを実行するように相関器1418に指示し、相関器1418によって提供されるGPS相関関数を分析し、そのピークから測定値を導出し、位置の推定が十分に正確であるかどうかを判定することができる。しかし、これらは、単に特定の態様でCPUによって実行できるタスクの例であり、特許請求される主題は、これに関して限定されない。
【0076】
特定の例では、加入者局のCPU 1402は、上で示したように、SVから受信された信号に少なくとも部分的に基づいて、位置加入者局を推定することができる。CPU 1402を、特定の例に従って上で示したように、第1受信信号内で検出された符号位相に少なくとも部分的に基づいて、第2受信信号を獲得するための符号探索範囲を判定するように適合させることもできる。しかし、これらが、単に、特定の態様に従って、擬似距離測定値に少なくとも部分的に基づいて位置を推定し、そのような擬似距離測定値の定量評価を判定し、擬似距離測定値の正確さを改善するためにプロセスを打ち切るシステムの例であり、特許請求される主題が、これに関して限定されないことを理解されたい。
【0077】
現在例の特徴と考えられるものを図示し、説明したが、当業者は、特許請求される主題から逸脱せずに、さまざまな他の変更を行うことができ、同等物を置換できることを理解するであろう。さらに、本明細書で説明される中心概念から逸脱せずに、特定の状況を特許請求される主題の教示に適合させるために多数の変更を行うことができる。したがって、特許請求される主題は、開示された特定の例に限定されるのではなく、そのような特許請求される主題が、添付の特許請求の範囲の範囲に含まれるすべての態様およびその同等物をも含むことが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準位置で第1送信機から受信される第1のSPS信号に関連する第1の時間基準を入手することと、
前記第1の時間基準および前記基準位置から前記第1送信機までの第1飛程と前記基準位置から第2送信機までの第2飛程との間の推定された差に少なくとも部分的に基づいて、前記基準位置で前記第2送信機から獲得される第2のSPS信号に関連する第2時間基準を入手することと
を備える方法。
【請求項2】
前記第1送信機および前記第2送信機は、異なるGNSSコンステレーションのメンバであるそれぞれの第1宇宙船(SV)および第2のSVに配置される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1送信機は、GPSコンステレーションのメンバである第1宇宙船(SV)に配置され、前記第2送信機は、Galileoコンステレーションのメンバである第2のSVに配置される請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第2のSPS信号に関連する前記第2時間基準の前記入手は、
前記第2のSPS信号を変調するデータ信号内でレート1/2ビタビ境界を検出することと、
前記検出されたレート1/2ビタビ境界に少なくとも部分的に基づいて前記第2時間基準を判定することと
をさらに備える請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第2のSPS信号に関連する前記第2時間基準の前記入手は、
前記第2のSPS信号を変調する周期的符号シーケンス内で境界を検出することと、
前記検出された境界に少なくとも部分的に基づいて前記第2時間基準を判定することと
をさらに備える請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記第1送信機は、Galileoコンステレーションのメンバであるサテライトビークル(satellite vehicle)(SV)に配置され、前記第2送信機は、GPSコンステレーションのメンバである第2のSVに配置される請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第2のSPS信号に関連する前記第2時間基準の前記入手は、
前記第2のSPS信号を変調するデータ信号内でビットエッジ境界を検出することと、
前記検出されたビットエッジ境界に少なくとも部分的に基づいて前記第2時間基準を判定することと
をさらに備える請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1送信機は、GPSコンステレーションのメンバである第1宇宙船(SV)に配置され、前記第2のSPS信号は、L1C信号を備える請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第2送信機は、GPS信号のメンバであるサテライトビークル(SV)に配置され、前記第1のSPS信号は、L1C信号を備える請求項1に記載の方法。
【請求項10】
コンピューティング・プラットフォームによって実行される場合に、前記コンピューティング・プラットフォームに、
基準位置で第1送信機から受信される第1のSPS信号に関連する第1の時間基準を入手させ、
前記第1の時間基準および前記基準位置から前記第1送信機までの第1飛程と前記基準位置から第2送信機までの第2飛程との間の推定された差に少なくとも部分的に基づいて、前記基準位置で前記第2送信機から獲得される第2のSPS信号に関連する第2時間基準を入手させる
ように適合された、その上に格納された機械可読命令を備える記憶媒体
を備える物品。
【請求項11】
前記第1送信機および前記第2送信機は、異なるGNSSコンステレーションのメンバであるそれぞれの第1宇宙船(SV)および第2のSVに配置される請求項10に記載の物品。
【請求項12】
前記第1送信機は、GPSコンステレーションのメンバである第1宇宙船(SV)に配置され、前記第2送信機は、Galileoコンステレーションのメンバである第2のSVに配置される請求項10に記載の物品。
【請求項13】
前記命令は、前記コンピューティング・プラットフォームによって実行される場合に、前記コンピューティング・プラットフォームに、
前記第2のSPS信号を変調するデータ信号内でレート1/2ビタビ境界を検出させ、
前記検出されたレート1/2ビタビ境界に少なくとも部分的に基づいて前記第2時間基準を判定させる
ようにさらに適合される請求項12に記載の物品。
【請求項14】
前記命令は、前記コンピューティング・プラットフォームによって実行される場合に、前記コンピューティング・プラットフォームに、
前記第2のSPS信号を変調する周期的符号シーケンス内で境界を検出させ、
前記検出された境界に少なくとも部分的に基づいて前記第2時間基準を判定させる
ようにさらに適合される請求項12に記載の物品。
【請求項15】
前記第1送信機は、Galileoコンステレーションのメンバであるサテライトビークル(SV)に配置され、前記第2送信機は、GPSコンステレーションのメンバである第2のSVに配置される請求項10に記載の物品。
【請求項16】
前記命令は、前記コンピューティング・プラットフォームによって実行される場合に、前記コンピューティング・プラットフォームに、
前記第2のSPS信号を変調するデータ信号内でビットエッジ境界を検出させ、
前記検出されたビットエッジ境界に少なくとも部分的に基づいて前記第2時間基準を判定させる
ようにさらに適合される請求項15に記載の物品。
【請求項17】
前記第1送信機は、GPSコンステレーションのメンバである第1宇宙船(SV)に配置され、前記第2のSPS信号は、L1C信号を備える請求項10に記載の物品。
【請求項18】
前記第2送信機は、GPS信号のメンバであるサテライトビークル(SV)に配置され、前記第1のSPS信号は、L1C信号を備える請求項10に記載の物品。
【請求項19】
第1宇宙船(SV)および第2のSVの位置を示す情報を備えるAA(acquisition assistance)メッセージを受信する受信機
を備える加入者ユニットであって、
基準位置で第1送信機から受信される第1のSPS信号に関連する第1の時間基準を入手し、
前記第1の時間基準および前記基準位置から前記第1送信機までの第1飛程と前記基準位置から第2送信機までの第2飛程との間の推定された差に少なくとも部分的に基づいて、前記基準位置で前記第2送信機から獲得される第2のSPS信号に関連する第2時間基準を入手する
ように適合された加入者ユニット。
【請求項20】
地上無線通信リンクを介して前記AAメッセージを受信するようにさらに適合される、請求項19に記載の加入者ユニット。
【請求項21】
前記第1送信機および前記第2送信機は、異なるGNSSコンステレーションのメンバであるそれぞれの第1宇宙船(SV)および第2のSVに配置される請求項19に記載の加入者ユニット。
【請求項22】
前記第1送信機は、GPSコンステレーションのメンバである第1宇宙船(SV)に配置され、前記第2送信機は、Galileoコンステレーションのメンバである第2のSVに配置される請求項19に記載の加入者ユニット。
【請求項23】
前記第2のSPS信号を変調するデータ信号内でレート1/2ビタビ境界を検出し、
前記検出されたレート1/2ビタビ境界に少なくとも部分的に基づいて前記第2時間基準を判定する
ようにさらに適合される請求項22に記載の加入者ユニット。
【請求項24】
前記第2のSPS信号を変調する周期的符号シーケンス内で境界を検出し、
前記検出された境界に少なくとも部分的に基づいて前記第2時間基準を判定する
ようにさらに適合される請求項23に記載の加入者ユニット。
【請求項25】
前記第1送信機は、Galileoコンステレーションのメンバであるサテライトビークル(SV)に配置され、前記第2送信機は、GPSコンステレーションのメンバである第2のSVに配置される請求項19に記載の加入者ユニット。
【請求項26】
前記第2のSPS信号を変調するデータ信号内でビットエッジ境界を検出し、
前記検出されたビットエッジ境界に少なくとも部分的に基づいて前記第2時間基準を判定する
ようにさらに適合される請求項25に記載の加入者ユニット。
【請求項27】
前記第1送信機は、GPSコンステレーションのメンバである第1宇宙船(SV)に配置され、前記SPS信号は、L1C信号を備える請求項19に記載の加入者ユニット。
【請求項28】
前記第2送信機は、GPS信号のメンバであるサテライトビークル(SV)に配置され、前記第1のSPS信号は、L1C信号を備える請求項19に記載の加入者ユニット。
【請求項29】
位置特定エンティティ(PDE)と、
地上無線通信リンクを介して前記PPEからAA(acquisition assistance)メッセージを受信することであって、前記AAメッセージは、第1送信機および第2送信機の位置を示す情報を備える、受信すること、
前記情報に少なくとも部分的に基づいて、基準位置から前記第1送信機までの第1飛程と前記基準位置から前記第2送信機までの第2飛程との間を推定すること、
基準位置で前記第1送信機から受信される第1のSPS信号に関連する第1の時間基準を入手すること、ならびに
前記第1の時間基準および前記基準位置から前記第1送信機までの第1飛程と前記基準位置から前記第2送信機までの第2飛程との間の推定された差に少なくとも部分的に基づいて、前記基準位置で前記第2送信機から獲得される第2のSPS信号に関連する第2時間基準を入手すること
を行うように適合された、加入者ユニットと
を備えるシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2011−519418(P2011−519418A)
【公表日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−504121(P2011−504121)
【出願日】平成21年4月7日(2009.4.7)
【国際出願番号】PCT/US2009/039750
【国際公開番号】WO2009/126610
【国際公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】