説明

受信回路、半導体装置、センサ装置

【課題】受信動作への切換時に発生するノイズを抑制する。
【解決手段】受信回路10は、圧電センサ2の受信信号SP及びSNを増幅するアンプ15と、圧電センサ2の一端とアンプ15の一端との間に並列接続されて受信動作への切換時に位相をずらしてオンされる複数のトランジスタ11a及び11b(ないしは12a及び12b)と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電センサから受信信号が入力される受信回路、これを集積化した半導体装置、及び、これを用いたセンサ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図14は、超音波の送受信を行うセンサ装置の一従来例を示す図である。本従来例のセンサ装置200は、圧電センサ210と、送信回路220と、受信回路230を有する。受信回路230は、差動アンプ231と、トランジスタ232及び233を含む。
【0003】
トランジスタ232及び233は、制御信号SWに応じて圧電センサ210と差動アンプ231との間を導通/遮断するスイッチとして機能する。より具体的に述べると、トランジスタ232及び233は、超音波の送信動作時にオフとされ、超音波の受信動作時にオンとされる。
【0004】
なお、上記に関連する従来技術の一例としては、特許文献1を挙げることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−175119号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記従来構成のセンサ装置200において、超音波の受信動作時にトランジスタ232及び233をオンとする際、トランジスタ232及び233のゲートに各々印加される制御信号SWの一部は、各ゲート・ドレイン間の容量性結合を介して圧電センサ210の入出力端子に伝播してしまう。その結果、圧電センサ210の端子電圧が揺らされるので、圧電センサ210の受信信号SP及びSNには、圧電センサ210が持つ共振周期Tのノイズが発生する(図15を参照)。
【0007】
なお、トランジスタ232及び233の素子サイズを縮小すれば、各ゲート・ドレイン間の容量性結合を小さくすることができるので、上記のノイズを抑制することが可能である。しかしながら、このような対策を採用した場合には、その背反事象としてトランジスタ232及び233のインピーダンス(オン抵抗)が高くなるので、超音波の受信動作時における受信信号SP及びSNの減衰量が大きくなり、センサ装置200に要求される特性を満たすことができなくなるおそれがあった。
【0008】
また、受信回路230に差動アンプ231が具備されている場合、受信信号SPに重畳する正相ノイズと受信信号SNに重畳する逆相ノイズとが完全に同相であれば、両相のノイズを打ち消し合うことが可能である。しかしながら、正相ノイズと逆相ノイズが完全に同相である保証はなく、互いの位相がずれている場合には、差動アンプ231に入力される受信信号SP及びSNだけでなく、差動アンプ231から出力される差動増幅信号SRにもノイズが残存してしまう。そのため、超音波を高精度に検出するためには、ノイズが十分に減衰するまで超音波の受信動作を待機する必要があった。
【0009】
本発明は、本願の発明者により見出された上記の問題点に鑑み、受信動作への切換時に発生するノイズを抑制することのできる受信回路、これを集積化した半導体装置、及び、これを用いたセンサ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明に係る受信回路は、圧電センサの受信信号を増幅するアンプと、前記圧電センサの一端と前記アンプの一端との間に並列接続されて受信動作への切換時に位相をずらしてオンされる複数のトランジスタと、を有する構成(第1の構成)とされている。
【0011】
なお、上記第1の構成から成る受信回路において、所望のインピーダンス特性を備えた単一のトランジスタを1/2n(ただしnは自然数)に分割した2n個のトランジスタである構成(第2の構成)にするとよい。
【0012】
また、上記第2の構成から成る受信回路において、前記2n個のトランジスタは、受信動作への切換時にT/2n(ただしTは前記圧電センサの共振周期)ずつ位相をずらしてオンされる構成(第3の構成)にするとよい。
【0013】
また、上記第1〜第3いずれかの構成から成る受信回路は、各トランジスタの制御信号を鈍らせるフィルタをさらに有する構成(第4の構成)にするとよい。
【0014】
また、上記第1〜第4いずれかの構成から成る受信回路にて、前記受信信号は、前記圧電センサと前記アンプとの間を差動形式で伝達される構成(第5の構成)にするとよい。
【0015】
また、上記第5の構成から成る受信回路は、受信動作への切換時に前記受信信号の正相伝送経路と逆相伝送経路を短絡させておくスイッチをさらに有する構成(第6の構成)にするとよい。
【0016】
また、本発明に係る受信回路は、圧電センサの受信信号を差動増幅するアンプと、受信動作への切換時に前記圧電センサと前記アンプとの間を導通する第1トランジスタと、受信動作への切換時に前記受信信号の正相伝送経路と逆相伝送経路を短絡させておく第2トランジスタと、を有する構成(第7の構成)とされている。
【0017】
また、本発明に係る受信回路は、圧電センサの受信信号を増幅するアンプと;前記圧電センサの一端と前記アンプの一端との間に接続されており、受信動作への切換時にオンされるメイントランジスタと;前記メイントランジスタと並列に接続されており、前記メイントランジスタよりもオン時のインピーダンスが大きく、かつ、受信動作への切換に際して前記メイントランジスタよりも先にオンされるサブトランジスタと;を有する構成(第8の構成)とされている。
【0018】
なお、上記第8の構成から成る受信回路において、前記メイントランジスタは、受信動作への切換時にT/2n(ただしTは前記圧電センサの共振周期、nは自然数)ずつ位相をずらしてオンされる2n個のトランジスタに分割されている構成(第9の構成)にするとよい。
【0019】
また、上記第8または第9の構成から成る受信回路は、前記メイントランジスタ及び前記サブトランジスタの制御信号を鈍らせるフィルタをさらに有する構成(第10の構成)にするとよい。
【0020】
また、上記第8〜第10いずれかの構成から成る受信回路において、前記受信信号は、前記圧電センサと前記アンプとの間を差動形式で伝達される構成(第11の構成)にするとよい。
【0021】
また、上記第11の構成から成る受信回路は、受信動作への切換時に前記受信信号の正相伝送経路と逆相伝送経路とを短絡させておくスイッチをさらに有する構成(第12の構成)にするとよい。
【0022】
また、本発明に係る半導体装置は、圧電センサから受信信号が入力される上記第1〜第12いずれかの構成から成る受信回路を集積化した構成(第13の構成)とされている。
【0023】
なお、上記第13の構成から成る半導体装置は、前記圧電センサへ送信信号を出力する送信回路と、前記受信回路の受信動作と前記送信回路の送信動作を時分割で制御する制御回路と、をさらに集積化した構成(第14の構成)にするとよい。
【0024】
また、上記第14の構成から成る半導体装置において、前記送信回路は、複数の圧電センサに対して一つずつ設けられており、前記受信回路は、複数の圧電センサに対して一つだけ設けられている構成(第15の構成)にするとよい。
【0025】
また、上記第15の構成から成る半導体装置において、前記複数の圧電センサと前記受信回路との間を各々結ぶ複数の信号経路は、同一の長さとなるように設計されている構成(第16の構成)にするとよい。
【0026】
また、本発明に係るセンサ装置は、圧電センサと、上記第13〜第16いずれかの構成から成る半導体装置と、を有する構成(第17の構成)とされている。
【0027】
また、上記第17の構成から成るセンサ装置は、パイプ内を流れる流体の流速を計測する流速計である構成(第18の構成)にするとよい。
【0028】
また、上記第18の構成から成るセンサ装置は、前記圧電センサとして、前記流体に対して所定の角度を持ちながら互いに対向する形で前記パイプの内壁面に設置された第1圧電センサと第2圧電センサを有する構成(第19の構成)にするとよい。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、受信動作への切換時に発生するノイズを抑制することのできる受信回路、これを集積化した半導体装置、及び、これを用いたセンサ装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】センサ装置の第1実施形態を示す図
【図2】第1実施形態のノイズ除去動作を示すタイムチャート
【図3】ノイズ除去動作の一変形例を示すタイムチャート
【図4】センサ装置の第2実施形態を示す図
【図5】第2実施形態のノイズ除去動作を示すタイムチャート
【図6】センサ装置の第3実施形態を示す図
【図7】第3実施形態のノイズ除去動作を示すタイムチャート
【図8】センサ装置の第4実施形態を示す図
【図9】第4実施形態のノイズ除去動作を示すタイムチャート
【図10】サブトランジスタを具備しないときのタイムチャート
【図11】センサ装置の第5実施形態(流速計としての適用)を示す図
【図12】センサ装置(流速計)の外観図
【図13】流速測定動作を説明するためのタイムチャート
【図14】センサ装置の一従来例を示す図
【図15】ノイズ発生時の様子を示すタイムチャート
【発明を実施するための形態】
【0031】
<第1実施形態>
図1は、超音波の送受信を行うセンサ装置の第1実施形態を示す図である。第1実施形態のセンサ装置100は、半導体装置1と圧電センサ2を有する。半導体装置1は、その外部に接続された圧電センサ2を用いて超音波の送受信を行う。圧電センサ2は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)などの圧電素子を用いて電気信号(電気エネルギー)と超音波(振動エネルギー)との相互変換を行う。
【0032】
半導体装置1には、受信回路10と、送信回路20と、制御回路30(図1では明示せず)と、が集積化されている。受信回路10は、超音波の受信動作時に圧電センサ2から差動入力される受信信号SP及びSNを受信して制御回路30に伝達する。送信回路20は、超音波の送信動作時に圧電センサ2へ送信信号(矩形パルス)を差動出力する。制御回路30は、受信回路10の受信動作と送信回路20の送信動作を時分割で制御する。
【0033】
受信回路10は、Nチャネル型MOS[metal oxide semiconductor]電界効果トランジスタ11a及び11bと、Nチャネル型MOS電界効果トランジスタ12a及び12bと、バッファ13a及び13bと、バッファ14a及び14bと、差動アンプ15と、フィルタ16a及び16bと、フィルタ17a及び17bと、を含む。
【0034】
トランジスタ11a及び11bのドレインは、いずれも圧電センサ2の正相入出力端に接続されている。トランジスタ11a及び11bのソースは、いずれも差動アンプ15の正相入力端に接続されている。トランジスタ11aのゲートは、フィルタ16a及びバッファ13aを介して、制御信号SWaの印加端に接続されている。トランジスタ11bのゲートは、フィルタ16b及びバッファ13bを介して、制御信号SWbの印加端に接続されている。なお、トランジスタ11a及び11bの素子サイズについては、これらを単一のトランジスタに置き換えた場合に、センサ装置100に要求されるインピーダンス特性を満たす上で必要となる素子サイズの1/2に設計すればよい。すなわち、トランジスタ11a及び11bは、所望のインピーダンス特性を備えた単一のトランジスタ(図14のトランジスタ232に相当)を1/2の素子サイズに分割した形で圧電センサ2の正相入出力端と差動アンプ15の正相入力端との間に並列接続されている。
【0035】
トランジスタ12a及び12bのドレインは、いずれも圧電センサ2の逆相入出力端に接続されている。トランジスタ12a及び12bのソースは、いずれも差動アンプ15の逆相入力端に接続されている。トランジスタ12aのゲートは、フィルタ17a及びバッファ14aを介して、制御信号SWaの印加端に接続されている。トランジスタ12bのゲートは、フィルタ17b及びバッファ14bを介して、制御信号SWbの印加端に接続されている。なお、トランジスタ12a及び12bの素子サイズについては、これらを単一のトランジスタに置き換えた場合に、センサ装置100に要求されるインピーダンス特性を満たす上で必要となる素子サイズの1/2に設計すればよい。すなわち、トランジスタ12a及び12bは、所望のインピーダンス特性を備えた単一のトランジスタ(図14のトランジスタ233に相当)を1/2に分割した形で圧電センサ2の逆相入出力端と差動アンプ15の逆相入力端との間に並列に接続されている。
【0036】
バッファ13a及び13bは、それぞれ、制御信号SWa及びSWbの波形を整えてフィルタ16a及び16bに伝達する。
【0037】
バッファ14a及び14bは、それぞれ、制御信号SWa及びSWbの波形を整えてフィルタ17a及び17bに伝達する。
【0038】
差動アンプ15は、圧電センサ2の受信信号SP及びSNを差動増幅して差動増幅信号SRを生成し、この差動増幅信号SRを制御回路30に送出する。
【0039】
フィルタ16a及び16bは、それぞれ、制御信号SWa及びSWbを鈍らせてトランジスタ11a及び11bのゲートに伝達する。フィルタ16a及び16bとしては、例えば、抵抗とキャパシタから成るCRローパスフィルタを用いることができる。
【0040】
フィルタ17a及び17bは、それぞれ、制御信号SWa及びSWbを鈍らせてトランジスタ12a及び12bのゲートに伝達する。フィルタ17a及び17bとしては、例えば、抵抗とキャパシタから成るCRローパスフィルタを用いることができる。
【0041】
図2は、第1実施形態のノイズ除去動作を示すタイムチャートであり、上から順に、制御信号SWa、ノイズSPa(トランジスタ11aのオンによって発生するノイズ成分のみを受信信号SPから抽出して描写した仮想波形)、制御信号SWb、ノイズSPb(トランジスタ11bのオンによって発生するノイズ成分のみを受信信号SPから抽出して描写した仮想波形)、及び、受信信号SP(ノイズSPa及びSPbの合成波形)が描写されている。
【0042】
なお、図2では、正相側の受信信号SPのみが描写されているが、逆相側の受信信号SNについても、位相が180度反転している以外、正相側の受信信号SPと同様の挙動を示すものとする。そこで、第1実施形態に関する以下の説明では、正相側の受信信号SPのみに着目してノイズ除去動作の説明を行う。ただし、以下の文章中における「SP」を「SN」とし、「SPa」を「SNa」とし、「SPb」を「SNb」とし、「11a」を「12a」とし、「11b」を「12b」とし、「16a」を「17a」とし、「16b」を「17b」とし、「232」を「233」として読み替えれば、受信信号SNのノイズ除去動作の説明として理解することができる。
【0043】
時刻taにおいて、制御信号SWaがローレベルからハイレベルに立ち上げられると、トランジスタ11aがオンとなる。このとき、受信信号SPには圧電センサ2が持つ共振周期TのノイズSPaが発生する。ただし、トランジスタ11aは、従来構成の受信回路200に設けられていた単一のトランジスタ232(図14を参照)に比べて素子サイズが1/2に縮小されている。従って、ノイズSPaは従来よりも小さく抑えられている。なお、時刻taでは、制御信号SWbがローレベルに維持されており、トランジスタ11bはオフのままとなっているので、受信信号SPにはノイズSPbが発生していない。
【0044】
次に、時刻taからT/2が経過した時刻tbにおいて、制御信号SWbがローレベルからハイレベルに立ち上げられると、トランジスタ11bがオンとなる。このとき、受信信号SPには、圧電センサ2が持つ共振周期Tの第2ノイズSPbが発生する。ただし、トランジスタ11bについても、トランジスタ11aと同様、従来構成のトランジスタ232(図14を参照)に比べて素子サイズが1/2に縮小されているので、ノイズSPbは従来よりも小さく抑えられている。
【0045】
また、トランジスタ11aのオンタイミング(時刻ta)とトランジスタ11bのオンタイミング(時刻tb)との間には、T/2の位相ずれが設けられている。従って、トランジスタ11bのオン動作に起因して発生するノイズSPbは、トランジスタ11aのオン動作に起因して発生するノイズSPaと逆位相の波形となるので、時刻tb以降、受信信号SPに重畳するノイズSPa及びSPbは、互いに打ち消し合う。
【0046】
なお、トランジスタ11a及び11bは、時刻tb以降、超音波の受信動作が完了するまでいずれもオン状態に維持される。言い換えれば、トランジスタ11a及び11bは、時刻tb以降、所望のインピーダンス特性を備えた単一のトランジスタ(図14のトランジスタ232に相当)として機能する。
【0047】
上記のように、第1実施形態の受信回路10において、圧電センサ2の正相入出力端と差動アンプ15の正相入力端との間に並列接続されたトランジスタ11a及び11bは、所望のインピーダンス特性を備えた単一のトランジスタ232(図14を参照)を1/2に分割した素子サイズを有しており、かつ、受信動作への切換時にT/2ずつ位相をずらしてオンされる。このような構成とすることにより、圧電センサ2と差動アンプ15との間を導通/遮断するトランジスタのインピーダンス特性を悪化させることなく、当該トランジスタのオン動作に起因するノイズを分散ないし相殺させることができるので、受信動作への切換時に発生するノイズを大幅に抑制して、受信待機時間の短縮や超音波の検出精度向上を実現することが可能となる。
【0048】
また、第1実施形態の受信回路10は、制御信号SWa及びSWbを鈍らせるフィルタ16a及び16bをさらに有する。このような構成とすることにより、ノイズSPa及びSPbの発生自体を抑制することが可能となる。
【0049】
また、第1実施形態の受信回路10において、受信信号SP及びSNは、圧電センサ2と差動アンプ15との間を差動形式で伝達される。このような構成とすることにより、受信信号SP及びSNに残存するノイズは、差動アンプ15での差動増幅処理によって少なからず相殺されるので、ノイズの少ない差動増幅信号SRを制御回路30に伝達することができる。
【0050】
なお、トランジスタ11a及び11bは、受信動作への切換時に位相をT/2ずらしてオンさせることが理想的であるが、トランジスタ11a及び11bのオンタイミングはこれに限定されるものではなく、双方を同時にオンさせない限り、ある程度のノイズ低減効果を期待することが可能である。
【0051】
また、トランジスタの並列接続数は2に限定されるものではなく、3以上としても構わない。ただし、各トランジスタのオン動作に起因して発生するノイズを適切に相殺するためには、所望のインピーダンス特性を備えた単一のトランジスタを1/2n(ただしnは自然数)に分割した2n個のトランジスタを並列に接続し、受信動作への切換時にT/2nずつ位相をずらして各トランジスタをオンさせることが望ましい。
【0052】
図3は、ノイズ除去動作の一変形例を示すタイムチャートであり、トランジスタの並列接続数を4とした場合を例示したものである。この場合、4つのトランジスタ11a〜11dが時刻ta〜tdにわたってT/4ずつ位相をずらしてオンされる。その結果、トランジスタ11aのオン動作に起因して発生するノイズSPaとトランジスタ11cのオン動作に起因して発生するノイズSPcとが互いに相殺する形となり、また、トランジスタ11bのオン動作に起因して発生するノイズSPbとトランジスタ11dのオン動作に起因して発生するノイズSPdとが互いに相殺する形となる。
【0053】
また、4つのトランジスタ11a〜11dは、所望のインピーダンス特性を備えた単一のトランジスタ232(図14を参照)を1/4に分割した素子サイズを有するので、ノイズSPa〜SPd自体もより小さく抑えることが可能となる。
【0054】
<第2実施形態>
図4は、超音波の送受信を行うセンサ装置の第2実施形態を示す図である。第2実施形態の基本構成は、先の第1実施形態と同様であるが、第2実施形態の受信回路10は、受信動作への切換時に発生するノイズの抑制技術として、トランジスタ11及び12を各々複数に分割した構成ではなく、バッファ19を介して入力される制御信号SWxに基づいて受信動作への切換時に受信信号SPの正相伝送経路と受信信号SNの逆相伝送経路を短絡させておくスイッチ(Nチャネル型MOS電界効果トランジスタ)18を有する点に特徴を有している。そこで、第2実施形態に関する以下の説明では、第1実施形態と同様の構成要素に関する重複した説明を割愛し、スイッチ18の動作や作用効果についての重点的な説明を行う。
【0055】
図5は、第2実施形態のノイズ除去動作を示すタイムチャートであり、上から順に、制御信号SWa、制御信号SWx、受信信号SP及びSN、並びに、差動増幅信号SRが描写されている。
【0056】
時刻taにおいて制御信号SWaがローレベルからハイレベルに立ち上げられると、トランジスタ11及び12がオンとなる。このとき、受信信号SP及びSNには圧電センサ2が持つ共振周期Tのノイズが発生する。ただし、時刻taでは、制御信号SWxがハイレベルとされており、スイッチ18がオンとなっている。すなわち、トランジスタ11及び12のオン動作に起因してノイズが発生するタイミング(時刻ta)において、受信信号SPの正相伝送経路と受信信号SNの逆相伝送経路は互いに短絡されている。従って、受信信号SP及びSNに各々重畳するノイズは基本的に同位相となる。
【0057】
このような構成とすることにより、受信信号SP及びSNに重畳するノイズは、差動アンプ15での差動増幅処理によって適切に相殺されるので、ノイズの少ない差動増幅信号SRを制御回路30に伝達することが可能となり、延いては、受信動作への切換時に発生するノイズを大幅に抑制して、受信待機時間の短縮や超音波の検出精度向上を実現することが可能となる。
【0058】
なお、制御信号SWxは、時刻taから所定時間経過後の時刻txにおいて、ハイレベルからローレベルに立ち下げられる。従って、時刻tx以降、スイッチ18はオフされ、受信信号SPの正相伝送経路と受信信号SNの逆相伝送経路との間が遮断されるので、超音波の受信動作が可能となる。
【0059】
<第3実施形態>
図6は、センサ装置の第3実施形態を示す図である。図6で示したように、第3実施形態は、先述の第1実施形態と第2実施形態を組み合わせて適用した構成である。
【0060】
図7は、第3実施形態のノイズ除去動作を示すタイムチャートであり、上から順に、制御信号SWa、制御信号SWb、制御信号SWx、受信信号SP及びSN、並びに、差動増幅信号SRが描写されている。
【0061】
まず、時刻taにおいて、制御信号SWaがローレベルからハイレベルに立ち上げられると、トランジスタ11a及び12aがオンとなる。次に、時刻taからT/2が経過した時刻tbにおいて、制御信号SWbがローレベルからハイレベルに立ち上げられると、トランジスタ11b及び12bがオンとなる。このようなスイッチング制御により、圧電センサ2と差動アンプ15との間を導通/遮断するトランジスタのインピーダンス特性を悪化させることなく、当該トランジスタのオン動作に起因するノイズを分散ないし相殺させることができる。この点については第1実施形態で述べた通りである。
【0062】
また、時刻ta及び時刻tbでは、制御信号SWxがハイレベルとされており、スイッチ18がオンとなっている。このようなスイッチング制御により、受信信号SP及びSNに各々重畳するノイズを同位相として、差動増幅処理による相殺効果を高めることができるので、ノイズの少ない差動増幅信号SRを制御回路30に伝達することができる。この点については第2実施形態で述べた通りである。
【0063】
なお、制御信号SWxは、時刻tbから所定時間経過後の時刻txにおいて、ハイレベルからローレベルに立ち下げられる。従って、時刻tx以降、スイッチ18はオフされ、受信信号SPの正相伝送経路と受信信号SNの逆相伝送経路との間が遮断されるので、超音波の受信動作が可能となる。この点についても第2実施形態で先に述べた通りである。
【0064】
このように、第3実施形態では、第1実施形態と第2実施形態を組み合わせることにより、受信動作への切換時に発生するノイズを大幅に抑制して、受信待機時間の短縮や超音波の検出精度向上を実現することが可能となる。
【0065】
<第4実施形態>
図8は、超音波の送受信を行うセンサ装置の第4実施形態を示す図である。第4実施形態の基本構成は、先の第1実施形態と同様であるが、第4実施形態の受信回路10は、受信動作への切換時に発生するノイズの抑制技術として、メイントランジスタ11及び12(オン時のインピーダンス:数Ω)を各々複数に分割した構成ではなく、メイントランジスタ11及び12と並列に、サブトランジスタ11s及び12s(オン時のインピーダンス:数kΩ)を設け、受信動作への切換に際してメイントランジスタ11及び12よりも先にサブトランジスタ11s及び12sをオンさせる点に特徴を有している。そこで、第4実施形態に関する以下の説明では、第1実施形態と同様の構成要素に関する重複した説明を割愛し、サブトランジスタ11s及び12sの動作や作用効果を重点的に説明する。
【0066】
受信回路10は、超音波の受信動作時に圧電センサ2から差動入力される受信信号SP及びSNを受信して制御回路30(図8では不図示)に伝達する回路ブロックであり、メイントランジスタ11及び12と、バッファ13及び14と、差動アンプ15と、フィルタ16及び17と、を含むほか、さらに、サブトランジスタ11s及び12sと、バッファ13s及び14sと、フィルタ16s及び17sと、を含む。
【0067】
メイントランジスタ11とサブトランジスタ11sのドレインは、いずれも圧電センサ2の正相入出力端に接続されている。メイントランジスタ11とサブトランジスタ11sのソースは、いずれも差動アンプ15の正相入力端に接続されている。メイントランジスタ11のゲートは、フィルタ16及びバッファ13を介して、制御信号MAINの印加端に接続されている。サブトランジスタ11sのゲートは、フィルタ16s及びバッファ13sを介して、制御信号SUBの印加端に接続されている。なお、サブトランジスタ11sは、メイントランジスタ11よりもオン時のインピーダンスが大きく設計されている。
【0068】
メイントランジスタ12とサブトランジスタ12sのドレインは、いずれも圧電センサ2の逆相入出力端に接続されている。メイントランジスタ12とサブトランジスタ12sのソースは、いずれも差動アンプ15の逆相入力端に接続されている。メイントランジスタ12のゲートは、フィルタ17及びバッファ14を介して、制御信号MAINの印加端に接続されている。サブトランジスタ12sのゲートは、フィルタ17s及びバッファ14sを介して、制御信号SUBの印加端に接続されている。なお、サブトランジスタ12sは、メイントランジスタ12よりもオン時のインピーダンスが大きく設計されている。
【0069】
バッファ13及び13sは、それぞれ、制御信号MAIN及びSUBの波形を整えてフィルタ16及び16sに伝達する。
【0070】
バッファ14及び14sは、それぞれ、制御信号MAIN及びSUBの波形を整えてフィルタ17及び17sに伝達する。
【0071】
差動アンプ15は、圧電センサ2の受信信号SP及びSNを差動増幅して差動増幅信号SRを生成し、この差動増幅信号SRを制御回路30に送出する。なお、差動アンプ15は、制御信号S1がハイレベルであるときにイネーブル状態(駆動状態)となり、制御信号S1がローレベルであるときにディセーブル状態(非駆動状態)となる。
【0072】
フィルタ16及び16sは、それぞれ、制御信号MAIN及びSUBを鈍らせてメイントランジスタ11及びサブトランジスタ11sのゲートに伝達する。フィルタ16及び16sとしては、例えば、抵抗とキャパシタから成るCRローパスフィルタを用いることができる。
【0073】
フィルタ17及び17sは、それぞれ、制御信号MAIN及びSUBを鈍らせてメイントランジスタ12及びサブトランジスタ12sのゲートに伝達する。フィルタ17及び17sとしては、例えば、抵抗とキャパシタから成るCRローパスフィルタを用いることができる。
【0074】
送信回路20は、超音波の送信動作時に圧電センサ2へ送信信号(矩形パルス)を差動出力する。なお、送信回路20は、制御信号S2がハイレベルであるときに圧電センサ2の正相入力端と逆相入出力端をいずれもGNDショートし、制御信号S2がローレベルであるときに上記のGNDショートを解除する機能を備えている。
【0075】
図9は、第4実施形態のノイズ除去動作を示すタイムチャートであり、上から順番に、制御信号S1、制御信号S2、制御信号SUB、制御信号MAIN、受信信号SP及びSN(実線及び破線)、並びに、差動増幅信号SRが描写されている。また、図10には、サブトランジスタ11s及び12sを具備しないときのタイムチャートが比較参照用として描写されている。
【0076】
図9で示すように、第4実施形態のセンサ装置100による超音波の受信開始時には、時刻t11において制御信号S1がローレベルからハイレベルに立ち上げられた後、時刻t12において制御信号S2がハイレベルからローレベルに立ち下げられる。すなわち、時刻t11において差動アンプ15がイネーブル状態とされた後、時刻t12において圧電センサ2のGNDショートが解除される。
【0077】
また、時刻t12では、制御信号MAINがローレベルに維持されたまま、制御信号SUBがローレベルからハイレベルに立ち上げられる。すなわち、時刻t12では、メイントランジスタ11及び12がオフされたまま、サブトランジスタ11s及び12sがオンされた状態となる。ただし、サブトランジスタ11s及び12sのオンタイミングについてはこれに限定されるものではなく、メイントランジスタ11及び12のオンタイミングよりも先であれば、任意(例えば時刻t11よりも先)に設定することができる。
【0078】
その後、時刻t13では、制御信号MAINがローレベルからハイレベルに立ち上げられる。すなわち、時刻t13では、サブトランジスタ11s及び12sと共に、メイントランジスタ11及び12もオンされた状態となる。
【0079】
このように、数Ωのメイントランジスタ11及び12よりも先に、数kΩのサブトランジスタ11s及び12sをオンさせるシーケンスであれば、圧電センサ2に対する回路バイアス電圧の印加を緩やかにすることができるので、圧電センサ2の共振に起因するノイズの発生を抑制することが可能となる(図9の符号P11と図10の符号P21とを比較参照)。
【0080】
また、上記のシーケンスによれば、受信信号SPと受信信号SNとの電圧差が差動アンプ15の入力オフセット電圧まで緩やかなスロープを持って開いていくので、差動アンプ15の入力オフセット電圧に起因するノイズの発生も抑制することが可能となる(図9の符号P12と図10の符号P22とを比較参照)。
【0081】
また、制御信号MAIN及びSUBを鈍らせることにより、上記ノイズの発生自体を抑制することも可能となる。
【0082】
このように、第4実施形態のセンサ装置100であれば、受信動作への切換時に発生するノイズを大幅に抑制して、受信待機時間の短縮や超音波の検出精度向上を実現することが可能となる。
【0083】
なお、改めて図示はしないが、第1〜第3実施形態と第4実施形態との組み合わせは任意である。
【0084】
<第5実施形態>
図11は、センサ装置の第5実施形態を示す図である。第5実施形態は、パイプ3内を流れる流体4の流速Vを計測する流速計としてセンサ装置100を用いたアプリケーションの一例である。
【0085】
第5実施形態のセンサ装置100は、半導体装置1と、2つの圧電センサ2X及び2Yを有する。圧電センサ2X及び2Yは、流体4に対して所定の角度を持ちながら互いに対向する形でパイプ3の内壁面に設置されている。図12は、センサ装置100(流速計)の外観図である。
【0086】
半導体装置1には、受信回路10と、送信回路20X及び20Yと、制御回路30と、が集積化されている。受信回路10は、差動アンプ15と、圧電センサ2Xと差動アンプ15との間を導通/遮断するトランジスタ11X及び12Xと、圧電センサ2Yと差動アンプ15との間を導通/遮断するトランジスタ11Y及び12Yとを含む。このように、第5実施形態の受信回路10において、送信回路20X及び20Yは、圧電センサ2X及び2Yに対して一つずつ設けられており、受信回路10は、圧電センサ2X及び2Yに対して一つだけ設けられている。このような構成とすることにより、半導体装置1の回路規模を不要に増大させることなく、そのチップ面積を縮小することが可能となる。また、圧電センサ2X及び2Yに対して受信回路10を一つずつ設けた構成(言い換えれば、圧電センサ2X及び2Yに対して差動アンプ15X及び15Yを一つずつ設けた構成)では、差動アンプ15X及び15Yのばらつきによる伝搬時間の計測誤差を生じるおそれがあるが、受信回路10を圧電センサ2X及び2Yに対して一つだけ設けた構成であれば、そのような計測誤差を生じることがないので、流速Vを高精度に測定することが可能となる。
【0087】
なお、第5実施形態の受信回路10に対して、第1実施形態のノイズ抑制技術を適用する場合には、トランジスタ11X及び12X、並びに、トランジスタ11Y及び12Yを各々複数に分割すればよい。また、第2実施形態のノイズ抑制技術を適用する場合には、圧電センサ2Xの受信信号SPX及びSNXが各々伝送される信号経路間、及び、圧電センサ2Yの受信信号SPY及びSNYが各々伝送される信号経路間について、各々を導通/遮断するスイッチを設ければよい。同様に、第3実施形態のノイズ抑制技術を適用する場合には、トランジスタ11X及び12X、並びに、トランジスタ11Y及び12Yを各々複数に分割した上で、圧電センサ2Xの受信信号SPX及びSNXが各々伝送される信号経路間、及び、圧電センサ2Yの受信信号SPY及びSNYが各々伝送される信号経路間について、各々を導通/遮断するスイッチを設ければよい。また、第4実施形態のノイズ抑制技術を適用する場合には、メイントランジスタ(数Ω)に相当するトランジスタ11X及び12X、並びに、トランジスタ11Y及び12Yに対して、それぞれ並列にサブトランジスタ(数kΩ)を設ければよい。このように、第1〜第4実施形態のノイズ抑制技術を適宜適用することにより、受信動作への切換時に発生するノイズを大幅に抑制して受信待機時間の短縮や超音波の検出精度向上を実現することが可能となる。
【0088】
また、圧電センサ2X及び2Yと受信回路10との間を各々結ぶ複数の信号経路は、同一の長さとなるように設計しておくことが望ましい。このような構成とすることにより、信号経路長の差違に起因する超音波の伝搬時間計測誤差を排除して、流体4の流速Vを高精度に測定することが可能となる。
【0089】
図13は、流速測定動作を説明するためのタイムチャートであり、上から順番に、圧電センサ2Xの送受信信号SPXと圧電センサ2Yの送受信信号SPYが描写されている。なお、図13では、正相側の送受信信号SPX及びSPYのみが描写されているが、逆相側の受信信号SNX及びSNYについても、位相が180度反転している以外、正相側の受信信号SPX及びSNYと同様の挙動を示すものとする。
【0090】
流体4の流速Vを計測するに際しては、まず、圧電センサ2Xを送信側(SPXを送信信号)とし、圧電センサ2Yを受信側(SPYを受信信号)として、超音波の伝搬時間t1が計測される。次に、上記とは逆に、圧電センサ2Yを送信側(SPYを送信信号)とし、圧電センサ2Xを受信側(SPXを受信信号)として、超音波の伝搬時間t2が計測される。そして、伝搬時間t1及びt2の差分値(t2−t1)から流体4の流速Vが算出される。例えば、圧電センサ2Xが流体4に対して順方向に向けられており、圧電センサ2Yが流体4に対して逆方向に向けられている場合、流体4の流速Vが大きいほど、伝搬時間t1が短くなり伝搬時間t2が長くなる。すなわち、上記の差分値(t2−t1)が大きいほど、流速Vが大きいということが分かる。
【0091】
<その他の変形例>
なお、上記の実施形態では、超音波の送受信を行うセンサ装置に本発明を適用した構成を例示して詳細な説明を行ったが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、超音波の受信のみを行うセンサ装置であっても、圧電センサからアンプへの信号経路を導通/遮断するトランジスタを具備するもの(超音波の受信動作時にトランジスタをオンとするもの)については、本発明を適用することが可能である。
【0092】
また、上記の実施形態では、受信信号が圧電センサとアンプとの間を差動形式で伝達される構成を例に挙げて説明を行ったが、本発明の構成はこれに限定されるものではなく、第1実施形態(メイントランジスタの分割並列化)や第4実施形態(サブトランジスタの追加)については、受信信号が圧電センサとアンプとの間をシングル形式で伝達される構成としても構わない。
【0093】
このように、本明細書中に開示されている種々の技術的特徴は、上記実施形態のほか、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。例えばバイポーラトランジスタとMOS電界効果トランジスタとの相互置換や、各種信号の論理レベル反転は任意である。すなわち、上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明は、圧電センサを用いるセンサ装置全般(例えば流速計や車載ソナー)に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0095】
1 半導体装置
2、2X、2Y センサ
3 パイプ
4 流体
10 受信回路
11 Nチャネル型MOS電界効果トランジスタ(メイントランジスタ)
11a、11b、11X、11Y Nチャネル型MOS電界効果トランジスタ
11s Nチャネル型MOS電界効果トランジスタ(サブトランジスタ)
12 Nチャネル型MOS電界効果トランジスタ(メイントランジスタ)
12a、12b、12X、12Y Nチャネル型MOS電界効果トランジスタ
12s Nチャネル型MOS電界効果トランジスタ(サブトランジスタ)
13、13a、13b、13s、14、14a、14b、14s バッファ
15 差動アンプ
16、16a、16b、16s、17、17a、17b、17s フィルタ
18 スイッチ(Nチャネル型MOS電界効果トランジスタ)
19 バッファ
20、20X、20Y 送信回路
30 制御回路
100 センサ装置(流速計)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電センサの受信信号を増幅するアンプと、
前記圧電センサの一端と前記アンプの一端との間に並列接続されて受信動作への切換時に位相をずらしてオンされる複数のトランジスタと、
を有することを特徴とする受信回路。
【請求項2】
前記複数のトランジスタは、所望のインピーダンス特性を備えた単一のトランジスタを1/2n(ただしnは自然数)に分割した2n個のトランジスタであることを特徴とする請求項1に記載の受信回路。
【請求項3】
前記2n個のトランジスタは、受信動作への切換時にT/2n(ただしTは前記圧電センサの共振周期)ずつ位相をずらしてオンされることを特徴とする請求項2に記載の受信回路。
【請求項4】
各トランジスタの制御信号を鈍らせるフィルタをさらに有することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の受信回路。
【請求項5】
前記受信信号は、前記圧電センサと前記アンプとの間を差動形式で伝達されることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の受信回路。
【請求項6】
受信動作への切換時に前記受信信号の正相伝送経路と逆相伝送経路を短絡させておくスイッチをさらに有することを特徴とする請求項5に記載の受信回路。
【請求項7】
圧電センサの受信信号を差動増幅するアンプと、
受信動作への切換時に前記圧電センサと前記アンプとの間を導通する第1トランジスタと、
受信動作への切換時に前記受信信号の正相伝送経路と逆相伝送経路を短絡させておく第2トランジスタと、
を有することを特徴とする受信回路。
【請求項8】
圧電センサの受信信号を増幅するアンプと;
前記圧電センサの一端と前記アンプの一端との間に接続されており、受信動作への切換時にオンされるメイントランジスタと;
前記メイントランジスタと並列に接続されており、前記メイントランジスタよりもオン時のインピーダンスが大きく、かつ、受信動作への切換に際して前記メイントランジスタよりも先にオンされるサブトランジスタと;
を有することを特徴とする受信回路。
【請求項9】
前記メイントランジスタは、受信動作への切換時にT/2n(ただしTは前記圧電センサの共振周期、nは自然数)ずつ位相をずらしてオンされる2n個のトランジスタに分割されていることを特徴とする請求項8に記載の受信回路。
【請求項10】
前記メイントランジスタ及び前記サブトランジスタの制御信号を鈍らせるフィルタをさらに有することを特徴とする請求項8または請求項9に記載の受信回路。
【請求項11】
前記受信信号は、前記圧電センサと前記アンプとの間を差動形式で伝達されることを特徴とする請求項8〜請求項10のいずれか一項に記載の受信回路。
【請求項12】
受信動作への切換時に前記受信信号の正相伝送経路と逆相伝送経路を短絡させておくスイッチをさらに有することを特徴とする請求項11に記載の受信回路。
【請求項13】
圧電センサから受信信号が入力される請求項1〜請求項12のいずれか一項に記載の受信回路を集積化したことを特徴とする半導体装置。
【請求項14】
前記圧電センサへ送信信号を出力する送信回路と、
前記受信回路の受信動作と前記送信回路の送信動作を時分割で制御する制御回路と、
をさらに集積化したことを特徴とする請求項13に記載の半導体装置。
【請求項15】
前記送信回路は、複数の圧電センサに対して一つずつ設けられており、
前記受信回路は、複数の圧電センサに対して一つだけ設けられている、
ことを特徴とする請求項14に記載の半導体装置。
【請求項16】
前記複数の圧電センサと前記受信回路との間を各々結ぶ複数の信号経路は、同一の長さとなるように設計されていることを特徴とする請求項11に記載の半導体装置。
【請求項17】
圧電センサと、
請求項13〜請求項16のいずれか一項に記載の半導体装置と、
を有することを特徴とするセンサ装置。
【請求項18】
前記センサ装置は、パイプ内を流れる流体の流速を計測する流速計であることを特徴とする請求項17に記載のセンサ装置。
【請求項19】
前記圧電センサとして、前記流体に対して所定の角度を持ちながら互いに対向する形で前記パイプの内壁面に設置された第1圧電センサと第2圧電センサを有することを特徴とする請求項18に記載のセンサ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−70358(P2013−70358A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−113181(P2012−113181)
【出願日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】