受信端末装置、送信端末装置、通信システム、情報受信方法、情報送信方法、情報受信プログラム、情報送信プログラムおよび記録媒体
【課題】秘話性の高い会話の音声が送信端末装置より発信された場合に、受信側のスピーカフォン機能により外部にその音声が漏れることを回避する。
【解決手段】本発明の受信端末装置は、送信端末装置により送信された送信情報を受信する、スピーカフォン機能を有し、受信した送信情報に含まれる送信メッセージをユーザに提示するためのメッセージ提示手段と、送信メッセージをメッセージ提示手段に出力するメッセージ出力部６６と、送信情報に含まれる識別情報を検知して、該送信情報が内証話情報であることを識別する内証話識別部６３と、メッセージ提示手段がスピーカフォンの状態であるか否かを検知するプレゼンス検知部６４とを備え、メッセージ出力部６６は、メッセージ提示手段がスピーカフォンの状態でないと検知された時のみ、上記内証話情報に含まれる音声による内証話メッセージを出力することを特徴としている。
【解決手段】本発明の受信端末装置は、送信端末装置により送信された送信情報を受信する、スピーカフォン機能を有し、受信した送信情報に含まれる送信メッセージをユーザに提示するためのメッセージ提示手段と、送信メッセージをメッセージ提示手段に出力するメッセージ出力部６６と、送信情報に含まれる識別情報を検知して、該送信情報が内証話情報であることを識別する内証話識別部６３と、メッセージ提示手段がスピーカフォンの状態であるか否かを検知するプレゼンス検知部６４とを備え、メッセージ出力部６６は、メッセージ提示手段がスピーカフォンの状態でないと検知された時のみ、上記内証話情報に含まれる音声による内証話メッセージを出力することを特徴としている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、例えば携帯電話を用いたＰｏＣ（Push-to Talk over Cellular）通信のグループセッションのように、音声などを同時かつ双方向にやり取りすることで多地点電子会議を実現する受信端末装置、送信端末装置、通信システム、情報受信方法、情報送信方法、情報受信プログラム、情報送信プログラムおよび記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
近年、音声を使ったアプリケーションとして、Push-to-Talk（ＰＴＴ）が注目を浴びている。ＰＴＴは、インターネットプロトコル（ＩＰ）を利用してデータ通信網で通話を行う、いわゆるＶｏＩＰ（Voice over Internet Protocol）の１つである。特に今日、携帯電話やＰＤＡなどの携帯用の通信端末装置でＰＴＴを実現するための通信手段として、Push-to-Talk over Cellular（ＰｏＣ）が開発されており、特に携帯電話への搭載が検討されている。
【０００３】
ＰｏＣとは、「押して、話す」（Push-to-Talk）というトランシーバのような通話のスタイルを、携帯電話などの通信端末装置で実現するための技術およびサービスのことをいう。
【０００４】
ＰｏＣ通信は、データの伝送は双方から可能であるが、データの伝送は、常に一方からもう一方への一方向に限られる半二重通信方式を採用している。つまり、ＰｏＣ通信は、トランシーバと同様、通話用のボタンを押している間のみ、接続した相手に音声を送ることができ、その間は相手からの音声を受け取ることができない。
【０００５】
しかし、従来の携帯電話のように相手の電話番号をダイヤルするのではなく、通話可能な相手を選択しボタンを押すことで、わずか数秒で接続できるというメリットがある。また、従来の回線交換方式と違ってデータ通信網を使うため、通話コストが安くなるというメリットも大きい。
【０００６】
さらに、このＰｏＣ通信によれば、１対１の通信だけではなく、グルーピングした複数の相手との同時接続（グループセッション）が可能である。これにより、通話ボタンを押している携帯電話は、上記グルーピングした複数の携帯電話に音声を一斉送信することができる。
【０００７】
図２３は、ＰｏＣ通信による上記グループセッションの一例を示した図である。ここには、ある通信事業者の提供する携帯電話サービスに加入するユーザの携帯電話（Ａ〜Ｅ）が示されている。各携帯電話は、上記通信事業者が提供する基地局１０３および無線通信網１０４を介して、互いに通信することが可能である。例えば、携帯電話Ａのユーザ（ユーザＡ）が、グループセッションを行うために、携帯電話ＢからＥのユーザ（ユーザＢ〜Ｅ）をグループＧとして登録したとする。ユーザＡは、登録したグループＧを選択して、通話ボタンを一押しするだけでよい。これにより、ユーザＡは、基地局１０３および無線通信網１０４を介して、グループＧに登録されたユーザ（メンバ）Ｂ〜Ｅの携帯電話へ、自分の音声を送信することが可能となる。
【０００８】
上記の技術を用いることにより、発話者は、電子メールを送ったり電話をかけたりする代わりに、グループに登録されたメンバ全員に対して、ボタンを一押しするだけで、自分の音声を一斉に送信することができる。例えば、職場の責任者全員を対象にして電話会議をキー操作１つで実現することなどが可能となる。
【０００９】
また、特許文献１には、同一回線に接続されている１つまたは複数の特定端末を鳴動させることができる電話装置が開示されている。各端末には、あらかじめ着信を可能にする条件となる単語群が登録されており、発呼者からの音声が音声認識部で認識され、その音声から登録した単語が検出された場合に、その単語を登録している端末のみを鳴動させる。これにより、発呼者は、どのような単語を発話するかによって、着信相手となる端末を選択することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【００１０】
【特許文献１】特開平１１−２２０５１６号公報（１９９８年８月１０日公開）
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【００１１】
しかしながら、上記従来の通話方法では以下のような問題が生じる。
【００１２】
具体的には、通話時に、送受信端末装置（携帯電話）にて音声を送受信する方法としては、例えば、電話と同様に受話器を耳に当てて使ったり、イヤフォンをつけて、あるいは、該送受信端末装置をスピーカフォンにして画面を見ながら音声を聞いたり（発話したり）することが考えられる。
【００１３】
しかし、上述のＰｏＣ通信により責任者のみの重要な会議を行う場合のように、そのＰｏＣ通信により行われている会話の内容が、関係のない人に聞かれてはよくないような秘話性の高いものである時、ＰｏＣ通信により音声を受信するグループのメンバの中で、受信端末装置をスピーカフォンにして音声を受信している人がいると、その周辺に話が漏れてしまう可能性がある。
【００１４】
このような事態を回避するために、発話者は、各メンバにスピーカフォンにしていないことを確認してから、音声を送信する、あるいは、スピーカフォンにしていないメンバを確認してから、そのメンバのみに音声を送信するなどしなくてはならないということなる。このような動作は、非効率的で現実的ではないし、何より、キー操作１つで音声を送信できるという、ＰｏＣ通信のメリットを享受できない。
【００１５】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、秘話性の高い会話の音声が送信端末装置より発信された場合に、受信側のスピーカフォン機能により外部にその音声が漏れることを回避することが可能な、受信端末装置、送信端末装置、通信システム、情報受信方法、情報送信方法、情報受信プログラム、情報送信プログラムおよび記録媒体を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【００１６】
本発明に係る受信端末装置は、上記の課題を解決するために、外部の送信端末装置により送信された送信情報を受信する、スピーカフォン機能を有する受信端末装置において、受信した送信情報に含まれる送信メッセージをユーザに提示するためのメッセージ提示手段と、上記送信メッセージを上記メッセージ提示手段に出力するメッセージ出力手段と、上記送信情報に含まれる識別情報を検知して、該送信情報が内証話情報であることを識別する内証話識別手段と、上記メッセージ提示手段がスピーカフォンの状態であるか否かを検知する状態検知手段とを備え、上記メッセージ出力手段は、上記メッセージ提示手段がスピーカフォンの状態でないと検知された時のみ、上記内証話情報に含まれる音声による内証話メッセージを出力することを特徴としている。
【００１７】
上記構成によれば、送信端末装置より受信した送信情報が内証話情報である場合、内証話識別手段が、そのことを示す識別情報を上記送信情報から見つけ出し、そのことによって上記送信情報が内証話メッセージを含む内証話情報であることを識別する。次に、状態検知手段は、自装置がスピーカフォンの状態か否かを検知する。
【００１８】
自装置がスピーカフォンの状態ではないと検知されれば、上記メッセージ出力手段は、上記内証話情報に含まれる内証話メッセージを上記メッセージ提示手段に出力する。
【００１９】
一方、自装置がスピーカフォンの状態であると検知されれば、上記メッセージ出力手段は、上記内証話メッセージを出力しない。
【００２０】
これにより、送信端末装置により送信される内証話情報は、スピーカフォンの状態でない時のみ、上記受信端末装置により出力される。
【００２１】
従って、もし、送信端末装置が、内証話の音声を受信端末装置宛てに送信したとしても、宛先の受信端末装置がスピーカフォンの機能により音声を外部に出力する状態になっている場合には、その受信端末装置が、自身が受信した内証話の音声を出力しないようになる。
【００２２】
以上のことから、上記内証話情報に含まれる会話の内容が、関係者以外に聞かれてはならない秘話性の高いものであっても、それが受信端末装置により出力されることで外部に漏れる危険を回避することができる。
【００２３】
本発明に係る受信端末装置は、さらに、上記内証話メッセージを出力したか否かを上記送信端末装置に通知する出力結果通知手段を備えていてもよい。
【００２４】
これにより、送信端末装置のユーザは、どの受信端末装置に内証話情報を送信できなかったのかを認識することができる。
【００２５】
本発明に係る受信端末装置は、さらに、上記送信端末装置からの内証話情報を受信したことをユーザに通知する受信通知手段を備えていてもよい。
【００２６】
これにより、受信端末装置のユーザは、自身の装置が内証話情報を受け取れない状態であっても、その内証話情報が自身の装置宛てに送られたことを認識することができる。
【００２７】
本発明に係る受信端末装置は、さらに、上記内証話メッセージを記憶する内証話記憶手段を備えていてもよい。
【００２８】
これにより、スピーカフォンの状態であるなどの理由で受信した内証話情報をリアルタイムで出力することができなくても、出力できる状態になった後で記憶した内証話を出力することができる。
【００２９】
本発明に係る受信端末装置は、さらに、上記メッセージ提示手段がスピーカフォンの状態を解除したか否かを監視する状態監視手段を備え、上記メッセージ出力手段は、上記状態監視手段が、上記メッセージ提示手段がスピーカフォンの状態を解除したことを検知した時に、上記記憶された内証話メッセージを出力してもよい。
【００３０】
上記構成によれば、上記内証話記憶手段に内証話情報が記憶されると、上記状態監視手段は、自装置のメッセージ提示手段状態を監視する。メッセージ提示手段がスピーカフォンの状態を解除した時、上記状態監視手段は、その解除を検知し、上記メッセージ出力手段は、それに応じて、上記内証話記憶手段に記憶された内証話情報を上記メッセージ提示手段に出力する。
【００３１】
これにより、未出力のまま上記内証話記憶手段に記憶された内証話情報を、上記メッセージ提示手段がスピーカフォンの状態を解除したのに応じて自動で、出力することが可能となる。
【００３２】
本発明に係る受信端末装置は、さらに、音声による内証話メッセージをテキスト形式に変換するテキスト変換手段と、テキスト形式に変換した上記内証話メッセージを表示する表示手段とを備え、上記メッセージ出力手段は、上記テキスト変換手段によってテキスト形式に変換された上記内証話メッセージを上記表示手段に出力するようにしてもよい。
【００３３】
上記構成によれば、自装置がスピーカフォンの状態でない時のみ、音声による内証話情報を出力し、スピーカフォンの状態である時には、その内証話情報のテキスト情報を出力する。出力されたテキスト情報は、表示手段に表示されることにより、ユーザに視認される。
【００３４】
これにより、秘話性の高い会話の音声が外部に漏れるのを回避し、かつ、スピーカフォンの状態の解除を待たずに、リアルタイムで内証話メッセージを出力することができる。
【００３５】
本発明に係る送信端末装置は、上記の課題を解決するために、送信情報を受信端末装置に送信する送信端末装置において、送信情報作成の指示入力を受け付け、入力された指示の内容に応じて、作成すべき送信情報が内証話情報であるか否かを判定する指示信号判定手段と、作成すべき送信情報が内証話情報であると判定された場合には、上記送信情報が内証話情報であることを示す識別情報を、該送信情報に挿入する識別情報挿入手段とを備えていることを特徴としている。
【００３６】
上記構成によれば、上記指示信号判定手段は、自装置に入力される送信情報作成の指示信号の内容から、作成すべき送信情報が内証話情報であるか否かを判定する。作成すべき送信情報が内証話情報であると判定すると、上記識別情報挿入手段は、作成した送信情報が内証話情報であることを示す識別情報を、該送信情報に挿入する。
【００３７】
これにより、サーバ装置または受信端末装置が、送信情報を受信したときに、該送信情報が内証話情報であるか否かを識別することができる。
【００３８】
本発明に係る送信端末装置は、さらに、内証話情報の送信指示を、上記送信端末装置に対して入力するための内証話指示入力手段を備え、上記指示信号判定手段は、上記内証話指示入力手段を介して入力された上記送信指示により、作成すべき送信情報が内証話情報であると判定することを特徴としている。
【００３９】
これにより、通常の送信情報を送信する指示入力と内証話情報を送信する指示入力とを区別して、１の送信端末装置対して行うことができる。
【００４０】
本発明に係る送信端末装置は、さらに、送信する音声の入力を受け付ける音声入力手段と、上記音声入力手段を介して入力された音声の音量を計測する音量計測手段とを備え、上記指示信号判定手段は、上記音量計測手段の計測結果に基づき、作成すべき送信情報が内証話情報であるか否かを判定することを特徴としている。
【００４１】
ユーザは、内証話情報を送信する指示入力のために別途操作を必要とせず、声の音量を下げるだけで内証話情報を送信する指示を入力することができる。
【００４２】
本発明に係る通信システムは、上記の課題を解決するために、送信端末装置が送信情報を受信端末装置に送信するための通信を制御するサーバ装置を有する通信システムにおいて、上述の送信端末装置と、上記サーバ装置から配信された、上記送信端末装置による送信情報を受信する、上述の受信端末装置とを含むことを特徴としている。
【００４３】
上記構成によれば、上記送信端末装置より送信される送信情報が内証話情報である場合は、上記受信端末装置は、自装置がスピーカフォンの状態でない時のみ上記内証話情報を出力するという制御を行う。
【００４４】
これにより、上記内証話情報に含まれる会話の内容が、関係者以外に聞かれてはならない秘話性の高いものであっても、それが受信端末装置により出力されることで外部に漏れる危険を回避することができる通信システムを構築することが可能となる。
【００４５】
本発明に係る情報受信方法は、上記の課題を解決するために、外部の送信端末装置により送信された送信情報を受信する、スピーカフォン機能を有する受信端末装置の情報受信方法であって、受信した送信情報に含まれる識別情報を検知し、該送信情報が内証話情報であることを識別する識別ステップと、上記受信端末装置が備える、上記送信情報に含まれる送信メッセージをユーザに提示するためのメッセージ提示手段がスピーカフォンの状態であるか否かを検知する状態検知ステップと、上記送信メッセージを上記メッセージ提示手段へ出力するメッセージ出力ステップとを含み、上記メッセージ出力ステップでは、上記状態検知ステップにて、上記メッセージ提示手段がスピーカフォンの状態でないと検知された時にのみ、上記識別ステップにて識別された内証話情報に含まれる音声による内証話メッセージを出力することを特徴としている。
【００４６】
上記方法によれば、上記送信端末装置から内証話情報を受信した際には、上記識別ステップにて、それが内証話情報であることが識別され、上記検知ステップにて、自装置がスピーカフォンの状態であるか否かが検知される。続いて、上記メッセージ出力ステップにて、上記検知ステップにて自装置がスピーカフォンの状態でないと検知された時のみ、上記内証話情報に含まれる内証話メッセージが出力される。
【００４７】
以上のことから、上記内証話情報に含まれる会話の内容が、関係者以外に聞かれてはならない秘話性の高いものであっても、それが受信端末装置により音声出力されることで外部に漏れる危険を回避することができる。
【００４８】
本発明に係る情報送信方法は、上記の課題を解決するために、送信情報を受信端末装置に送信する送信端末装置の情報送信方法であって、送信情報作成の指示入力を受け付けるステップと、入力された指示の内容に応じて、作成すべき送信情報が内証話情報であるか否かを判定する判定ステップと、上記作成すべき送信情報が内証話情報であると判定された場合には、上記送信情報が内証話情報であることを示す識別情報を、作成する送信情報に挿入する挿入ステップとを含むことを特徴としている。
【００４９】
上記方法によれば、送信情報作成の指示入力を受け付けると、判定ステップにて、作成すべき送信情報が内証話情報であるか否かが判定される。上記作成すべき送信情報が内証話情報であると判定された場合には、上記挿入ステップにて、上記送信情報が内証話情報であることを示す識別情報が、作成する送信情報に挿入される。
【００５０】
これにより、サーバ装置または受信端末装置が、送信情報を受信したときに、該送信情報が内証話情報であるか否かを識別することができる。
【００５１】
なお、上記受信端末装置および上記送信端末装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記受信端末装置または上記送信端末装置をコンピュータにて実現させる上記受信端末装置の情報受信プログラム、上記送信端末装置の情報送信プログラム、および、そのいずれかを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【００５２】
本発明に係る受信端末装置は、以上のように、受信した送信情報に含まれる送信メッセージをユーザに提示するためのメッセージ提示手段と、上記送信メッセージを上記メッセージ提示手段に出力するメッセージ出力手段と、上記送信情報に含まれる識別情報を検知して、該送信情報が内証話情報であることを識別する内証話識別手段と、上記メッセージ提示手段がスピーカフォンの状態であるか否かを検知する状態検知手段とを備え、上記メッセージ出力手段は、上記メッセージ提示手段がスピーカフォンの状態でないと検知された時のみ、上記内証話情報に含まれる音声による内証話メッセージを出力することを特徴としている。
【００５３】
また、本発明に係る送信端末装置は、以上のように、送信情報作成の指示入力を受け付け、入力された指示の内容に応じて、作成すべき送信情報が内証話情報であるか否かを判定する指示信号判定手段と、作成すべき送信情報が内証話情報であると判定された場合には、上記送信情報が内証話情報であることを示す識別情報を、該送信情報に挿入する識別情報挿入手段とを備えていることを特徴としている。
【００５４】
これにより、秘話性の高い会話の音声が送信端末装置より発信された場合に、受信側のスピーカフォン機能により外部にその音声が漏れることを回避することが可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【００５５】
【図１】本実施の形態に係るＰｏＣ通信システムにおける、ＰｏＣサーバの要部構成を示すブロック図である。
【図２】本実施の形態に係るＰｏＣ通信システムの概略構成を示す図である。
【図３】本実施の形態に係るＰｏＣ通信システムおける、携帯電話の概略構成を示す図である。
【図４】図２に示すＰｏＣ通信システムにおける、携帯電話Ａの要部構成を示すブロック図である。
【図５】（ａ）および（ｂ）は、図２に示す携帯電話Ａの正面図である。
【図６】図４に示す携帯電話Ａにより送信される送信情報を模式的に示す図である。
【図７】入力された音量により、内証話情報を送信するか否かの判定を行う携帯電話の要部構成を示すブロック図である。
【図８】図７に示す入力音量計測部のより詳細な構成を示すブロック図である。
【図９】図４に示す携帯電話Ａに入力された音声が、計測された時の音量について、音量（ｄＢ）を縦軸に、計測時間（秒）を横軸にとって、音量の変化を示したグラフである。
【図１０】図２に示すＰｏＣ通信システムにおけるプレゼンスサーバ、または、図１に示すプレゼンス情報記憶部が一元管理する、各携帯電話のプレゼンス情報リストの例を示す表である。
【図１１】図１に示す録音部内に記憶されている、録音内証話情報の管理リストの例を示す表である。
【図１２】本実施の形態に係るＰｏＣ通信システムの各構成要素における、処理の流れを示すシーケンス図である。
【図１３】本発明の他の実施の形態に係る携帯電話の要部構成を示すブロック図である。
【図１４】本発明の他の実施の形態に係るＰｏＣ通信システムの各構成要素における、処理の流れを示すシーケンス図である。
【図１５】本発明の他の実施の形態に係る、各携帯電話のプレゼンスを監視し、自動で録音内証話情報を配信するＰｏＣサーバの要部構成を示すブロック図である。
【図１６】本発明の他の実施の形態に係るＰｏＣ通信システムの各構成要素における、処理の流れを示すシーケンス図である。
【図１７】本発明の他の実施の形態に係るＰｏＣ通信システムにおける、受信した内証話情報に含まれる内証話メッセージをテキストデータに変換して、携帯電話Ｂに配信するＰｏＣサーバの要部構成を示すブロック図である。
【図１８】本発明の他の実施の形態に係るＰｏＣ通信システム各構成要素における、処理の流れを示すシーケンス図である。
【図１９】本発明の他の実施の形態に係るＰｏＣ通信システムにおける、携帯電話の要部構成を示すブロック図である。
【図２０】本発明の他の実施の形態に係るＰｏＣ通信システムの各構成要素における、処理の流れを示すシーケンス図である。
【図２１】本発明の他の実施の形態に係るＰｏＣ通信システムにおける、携帯電話の要部構成を示すブロック図である。
【図２２】本発明の他の実施の形態に係るＰｏＣ通信システムの各構成要素における、処理の流れを示すシーケンス図である。
【図２３】従来のＰｏＣ通信による上記グループセッションの一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【００５６】
本発明の実施の形態について説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態では、本発明の送信端末装置および受信端末装置として携帯電話、サーバ装置として、ＰｏＣサーバを例に説明する。
【００５７】
〔ＰｏＣ通信システムの概要〕
図２は、本実施の形態に係るＰｏＣ通信システムの概略構成を示す図である。ここでは、携帯電話サービスの通信事業者が提供する携帯電話網に、本発明に係るＰｏＣ通信システムを適用した例について説明する。
【００５８】
図２に示す通り、ＰｏＣ通信システム（通信システム）１００（２００、３００）は、ＰｏＣ通信による情報の送信を行う携帯電話４０（送信端末装置）（５０）（例えば、携帯電話Ａ）と、その送信された情報の受信を行う携帯電話（受信端末装置）６０（７０、８０）（例えば、携帯電話Ｂや携帯電話Ｃ）と、上記各携帯電話のＰｏＣ通信を制御するＰｏＣサーバ（サーバ装置）１０（２０、３０）とから構成されている。さらに、ＰｏＣ通信システム１００（２００、３００）は、上記各携帯電話のプレゼンスを管理するプレゼンスサーバ１０１を含んでいてもよい。
【００５９】
プレゼンスサーバ１０１は、ＰｏＣサーバ１０が集中管理している、すべての携帯電話（携帯電話ＡからＣを含む）についてのプレゼンスを一元管理するためのものである。プレゼンスとは、携帯電話の利用状況や状態などの情報を指す。具体的には例えば、「オンライン」「オフライン」「（会議）オブザーバとして参加」、「（会議）参加中」などといった、アプリケーション上の利用状況、および、「電源ＯＮ／ＯＦＦ」、「話し中」、「スピーカフォン−アクティブ（動作中）」などといった、携帯電話の状態のことを言う。プレゼンスサーバ１０１が管理するプレゼンス情報の詳細については後述する。
【００６０】
なお、図２に示す通り、各携帯電話Ａ〜Ｃに適用する本発明に係る携帯電話４０（５０、６０、７０、８０）と、ＰｏＣサーバ１０（２０、３０）との組み合わせによって、種々のＰｏＣ通信システム１００（２００、３００）を実現することが可能である。各構成要素の組み合わせおよび各ＰｏＣ通信システムの詳細については、各実施の形態で後述する。ここでは、ＰｏＣ通信システム１００の各携帯電話Ａ〜Ｃ、およびＰｏＣサーバ１０を用いてＰｏＣ通信システムの各構成要素についての概要を説明する。
【００６１】
ＰｏＣサーバ１０は、ＰｏＣ通信システム１００において、各携帯電話Ａ〜Ｃが、ＰｏＣ通信によって、１対１あるいは１対多のセッションを確立し、通話を行う際に、種々の機能を提供するためのものである。
【００６２】
ＰｏＣサーバ１０が有する機能は、各携帯電話のセッションを集中制御するＰｏＣ制御機能と、集中制御するＰｏＣサーバとセッション参加者となる携帯電話との中継を行うＰｏＣ参加機能とに分類することができるが、ＰｏＣサーバ１０の主な機能は以下の通りである。
【００６３】
例えば、ＰｏＣ通信のセッションを確立する機能、話し手を識別するなどの発言を統制する機能、ＳＩＰ（Session Initiation Protocol）セッションの開始（終了）を制御する機能、セッション参加者の情報を提供する機能などが挙げられる。
【００６４】
これにより、１対１のＰｏＣによる通話、あるいは上述のようなグループセッションが実現できる。
【００６５】
各携帯電話Ａ〜Ｃは、Push-to-Talk（ＰＴＴ）による通話を実現するための通信端末装置である。ユーザはこの携帯電話を、発話する時にのみボタンを押し、押している間のみ音声を発信する、つまり、トランシーバを用いる時のように操作して通話を行う。各携帯電話Ａ〜Ｃは、通信事業者が提供する携帯電話網、つまり、基地局１０３およびそれらを統括制御する基地局制御装置１０２を介して、ＰｏＣサーバ１０およびプレゼンスサーバ１０１と通信することができる。これにより、各携帯電話Ａ〜Ｃのユーザは、それぞれの携帯電話を用いて互いにＰｏＣによる通信を実現することが可能となる。
【００６６】
図３は、本発明のＰｏＣ通信システム１００における、各携帯電話Ａ〜Ｃ（以下、単に携帯電話と称す）の概略構成を示す図である。
【００６７】
本実施の形態に係る携帯電話は、図３に示すように、無線通信部２、無線通信アンテナ９０、操作部３、音声入力部（音声入力手段）４、表示部（表示手段）５、受話器音声出力部６、イヤフォン音声出力部７、スピーカフォン音声出力部８、録音部９、カメラ部９１、ＬＥＤ（Light Emitting Diode）９２、メモリ９３、および上記の各部を統括制御する主制御部１を備えた構成となっている。
【００６８】
さらに、携帯電話には、ＰｏＣ通信を実現するための各種機能実行部が主制御部１の内部に設けられている。これらの各種機能実行部の詳細についてはそれぞれ後述する。
【００６９】
無線通信部２は、外部のＰｏＣサーバや携帯電話と無線通信を行うための構成要素である。また、無線通信アンテナ９０は、携帯電話網における基地局１０３との無線通信を行うための構成要素、すなわち、ＰｏＣ通信機能や、各種機能、例えば、電話、電子メール、インターネット等の通信機能を実現するためのものである。
【００７０】
操作部３は、携帯電話を操作するためのボタンである。このボタンを押下することにより発生した信号は、主制御部１に送られる。
【００７１】
音声入力部４は、マイクであり、電話機能を実行した場合の送話時に、あるいはＰｏＣ通信機能を実行した場合の送信データの入力時に使用される。携帯電話の外部で発生した音声は、この音声入力部４を介して、音声データとして携帯電話に取り込まれる。また、ＰｏＣ通信によって、他の携帯電話に音声を送信する場合は、この音声入力部４を介して入力されたユーザの音声が送信情報としてＰｏＣサーバ１０に送られる。
【００７２】
表示部５は、例えば液晶表示装置（ＬＣＤ）からなり、携帯電話に備わった各種アプリケーション機能の実行画面を表示する。例えば、ＰｏＣ通信機能を実行中であれば、現在その携帯電話が参加しているセッションのグループ名、セッションの参加者名、各参加者のプレゼンス（つまり、「オンライン」、「オフライン」、「視聴のみ」、「発言中」などといった、携帯電話のステータス）などを表示させる。
【００７３】
受話器音声出力部６、イヤフォン音声出力部７およびスピーカフォン音声出力部８は、電話機能を実行した場合、および、ＰｏＣ通信機能を実行した場合の、受話時のスピーカとして使用される。
【００７４】
受話器音声出力部６は、通常の電話の受話器と同じようにして、携帯電話を耳に当てて用いる時に、音声が出力されるスピーカである。
【００７５】
イヤフォン音声出力部７は、イヤフォンを接続するための音声出力端子を有しており、該端子にイヤフォンが接続されると、イヤフォンに対して音声を出力する。これにより、ユーザは、耳に装着したイヤフォンの小型のスピーカから音声が出力されるので、携帯電話を耳に当てながら保持しなくても、外部に音を漏らすことなく携帯電話の出力音声を聞くことができる。
【００７６】
スピーカフォン音声出力部８は、携帯電話の外部に音声出力するためのスピーカフォンとして用いる時に音声が出力されるスピーカである。このスピーカから出力される音声は、外部にも十分聞こえる音量で出力される。従って、例えば、表示部５に表示される画像を見ながら通話を行いたい時や、１つの携帯電話で複数のユーザが受信した音声を聞きたい時に、携帯電話を耳から離した位置に設置しても、ユーザは、十分な音量で出力音声を聞くことができる。
【００７７】
本実施の形態では、受話器音声出力部６、イヤフォン音声出力部７およびスピーカフォン音声出力部８が音声出力部（メッセージ提示手段）９４を構成している。本実施の形態では、音声出力部９４において、上記３つの音声出力部のいずれか１つのみが音声を出力できる（アクティブになる）ようになっており、携帯電話から出力された音声は、アクティブになっている音声出力部からのみユーザに提供される。
【００７８】
なお、上記音声出力部９４は、受話器音声出力部６、イヤフォン音声出力部７、およびスピーカフォン音声出力部８のすべてを備えていなくとも、上記３つの音声出力部のいずれによって構成されていてもよい。また、上記３つの音声出力部に限らず、音声データを音声としてユーザに提供できるものであれば何でもよい。
【００７９】
あるいは、受話器音声出力部６は常にアクティブとし、イヤフォン音声出力部７とスピーカフォン音声出力部８は常にいずれか１つのみがアクティブとなるような構成でもよい。なお、音声出力部９４のアクティブ／非アクティブは、主制御部１により制御される。
【００８０】
また、本実施の形態では、受話器音声出力部６とスピーカフォン音声出力部８とは別々に設けられているが、一体となっている構成もあってよい。この場合、受話器音声出力部６の出力音量レベルを携帯電話の外部に聞こえるまでに上げれば、スピーカフォンとして機能する。
【００８１】
録音部９は、無線通信部２または音声入力部４を介して外部より携帯電話に入力された音声を、音声データとして記憶するためのものである。これにより、例えば、入力された音声がその発生時にリアルタイムで音声出力部９４より音声出力されない場合でも、録音部９によって記録した音声データを再生することにより、ユーザは後で聞くことが可能となる。
【００８２】
カメラ部９１は、ＣＣＤ（Charge Coupled Device）等の撮像素子からなる撮像手段であり、主制御部１からの指示に基づいて被写体を撮像するようになっている。
【００８３】
ＬＥＤ９２は、携帯電話のユーザに対して、着信を報知するために、視覚的に報知するための手段として使用される。例えば、着信の場合には、ＬＥＤ９２を点滅させるようにしてもよい。
【００８４】
メモリ９３は、アプリケーション機能を実行するために必要なプログラムやデータ等を格納するメモリである。従って、グループセッションの行うため登録したグループの情報や、上記録音部９により録音された音声データなどもここに格納されている。その他、携帯電話にて電子メールを送受信するためのアプリケーションプログラムなどもここに格納されている。これらのプログラムやデータは、主制御部１によって必要に応じて読み出されるようになっている。
【００８５】
なお、携帯電話は、上述の各部、各機能に限定されず、他にも様々な機能を有していてもよい。例えば、現在位置検知するためのＧＰＳ（Global Positioning System）、ＴＶ放送受像機能を実現するためのＴＶアンテナおよびチューナなどの各部を有した構成でもよい。
【００８６】
上述したようなＰｏＣ通信による電話会議において、秘話性の高い会話の音声（内証話）が発話者の携帯電話より発信された場合に、会議参加者のスピーカフォン機能により外部にその音声が漏れることを回避するための構成が、ＰｏＣサーバ１０（２０、３０）および携帯電話４０（５０、６０、７０、８０）の主制御部１内部に設けられている。
【００８７】
以下、各実施形態にて、ＰｏＣサーバ１０（２０、３０）および携帯電話４０（５０、６０、７０、８０）の詳細およびこれらにより構成されるＰｏＣ通信システム１００（２００、３００）についてにそれぞれ説明する。
【００８８】
なお、以下では、図２の携帯電話Ａを、送信情報を送信する送信端末装置（送信側）の例として、携帯電話Ｂ（または、携帯電話Ｃ）を、その送信情報を受信する受信端末装置（受信側）の例として説明する。
【００８９】
本発明に係るＰｏＣ通信システムは、ＰｏＣサーバが内証話の制御を行う場合（第１システム＝ＰｏＣ通信システム１００、２００）と、受信端末装置が内証話の制御を行う場合（第２システム＝ＰｏＣ通信システム３００）とに大きく分類できる。
【００９０】
そこで、始めに両システムに共通の携帯電話Ａの機能を説明し、次に、第１・第２システムおける残りの構成要素（ＰｏＣサーバ、携帯電話Ｂ）についてそれぞれ説明する。
【００９１】
〔携帯電話Ａ−送信側〕
図４は、図２に示すＰｏＣ通信システムにおける、送信側の携帯電話Ａ（携帯電話４０）の要部構成を示すブロック図である。携帯電話４０は、図４に示すように、主制御部１、操作部３、音声入力部４、および無線通信部２を備え、また、主制御部１は内部に、操作部３を介して入力された指示信号の内容を判定するための指示信号判定部（指示信号判定手段）４１、音声入力部４を介して入力された音声から送信情報を作成するための送信情報作成部４２、および上記送信情報に、該送信情報が秘話性の高い内証話メッセージを含む内証話情報であることを示すためのフラグを挿入する、内証話フラグ挿入部（識別情報挿入手段）４３を有している。
【００９２】
なお、図４の残りの各構成要素に付された番号は、図３の各構成要素に付された番号に対応しており、同じ符号は、同じ構成要素を示している。以下、各構成要素についてさらに詳しく説明する。
【００９３】
操作部３は、ユーザが携帯電話４０を操作するためのボタンである。各ボタンがユーザによって押下されることにより、そのボタンに対応した指示信号が主制御部１に入力される。操作部３は、ユーザが携帯電話４０に対して、ＰｏＣ通信によるセッションの開始を指示するためのＰＴＴ操作ボタン４４と、内証話を送信することを指示するための内証話指示ボタン（内証話指示入力手段）４５とを含む。各ボタンの設置の例を図５に示す。図５（ａ）（ｂ）は、携帯電話４０の正面図である。
【００９４】
図５（ａ）は、ＰＴＴ操作ボタン４４を携帯電話４０の側面に設け、内証話指示ボタン４５を、携帯電話４０を通常操作する時のボタン（例えば、十字キーや数字キーなど）に割り当てた例を示す。この場合、ユーザは、まず、内証話指示ボタン４５を押下しつつ、ＰＴＴ操作ボタン４４を押下して、ＰｏＣ通信による発話の権利を取得する。この操作により、ユーザは、携帯電話４０に対して、内証話情報送信を指示することができる。
【００９５】
図５（ｂ）は、ＰＴＴ操作ボタン４４、内証話指示ボタン４５を共に携帯電話４０の側面に設けた例を示す。この場合、ユーザは、通常の会話を送信したい時と、秘話性の高い内証話を送信したい時とで、ＰｏＣ通信の開始指示ボタンを使い分けることになる。すなわち、通常の会話を送信したい場合は、ＰＴＴ操作ボタン４４を押下することで発話の権利を取得し、内証話を送信したい場合は、内証話指示ボタン４５を押下することで発話の権利を取得する。この操作により、ユーザは、携帯電話４０に対して、通常の送信メッセージと内証話メッセージとの送信を区別して指示することができる。
【００９６】
指示信号判定部４１は、操作部３を介して入力された指示信号の内容を判定するためのものである。より具体的には、ＰｏＣ通信による送信情報作成の指示を操作部３から受け付けた場合に、送信情報作成の指示信号を送信情報作成部４２に供給するとともに、その作成すべき送信情報を内証話メッセージを含む内証話情報とするか否かを判定し、判定結果を内証話フラグ挿入部４３に供給する。
【００９７】
この判定は、操作部３の内証話指示ボタン４５が押下されたか否かで生じる指示信号の違いによって行われる。内証話指示ボタン４５が押下された場合は、作成すべき送信情報は、内証話情報として送信すると判定し、その判定結果を内証話フラグ挿入部４３に供給する。
【００９８】
送信情報作成部４２は、音声入力部４を介して入力された音声から、送信情報を生成するためのものである。具体的には、本実施の形態では、送信情報作成部４２は、入力された音声を音声データファイルに変換する。次に、それを複数のパケットに分割して、パケットごとにヘッダを付けて送信情報とし、内証話フラグ挿入部４３へ出力する。
【００９９】
内証話フラグ挿入部４３は、その送信情報のヘッダに、該送信情報が内証話情報であることを示す、内証話フラグ（識別情報）を挿入するためのものである。この挿入は、指示信号判定部４１によって、上記送信情報は内証話情報として送信すると判定された場合に実施される。内証話フラグが挿入された時の送信情報の例を図６に示す。
【０１００】
図６は、内証話フラグ挿入部４３によって内証話フラグが挿入された時の送信情報を模式的に示す図である。図６に示す通り、送信情報４６のヘッダ４７には、宛先情報とともに、送信メッセージ４８に格納されているメッセージが内証話メッセージであることを示す、内証話フラグＦが挿入されている。これにより、外部の受信装置は、送信情報４６を受信した時に、ヘッダ４７を解析することにより、受信した送信情報４６に含まれる送信メッセージ４８が、通常の送信メッセージか、内証話メッセージかを識別することができる。
【０１０１】
一方、指示信号判定部４１による判定結果が「通常の送信情報として送信する」として、内証話フラグ挿入部４３に入力された場合は、送信情報作成部４２により供給された送信情報４６は、そのまま何も処理が施されずに無線通信部２へと出力される。
【０１０２】
上記構成によれば、ＰｏＣ通信によって送信する音声が、外部に音が漏れてはいけない秘話性の高い内証話である場合は、ユーザの指示によって、そのことを示す内証話フラグをヘッダに挿入してから、送信情報４６が送信される。
【０１０３】
結果として、宛先となる受信装置は、上記携帯電話４０より受信した送信情報のヘッダを解析することにより、それが内証話情報であるか否かを識別することができる。
【０１０４】
なお、ユーザが内証話情報送信の指示を入力するための方法としては、上述した例以外にも様々な方法が考えられる。
【０１０５】
例えば、通常携帯電話を操作する際に呼び出すメニュー画面から、十字キーと決定ボタンによって、ＰｏＣ通信のアプリケーションを呼び出す、あるいは、内証話情報送信のメニューを選択するなどして、指示入力を実現することも可能である。このようにすれば、ＰｏＣ通信専用のボタンを別途設置する必要が無くなる。
【０１０６】
また、別の例では、例えば、ＰＴＴ操作ボタン４４を押しながら、小声で話すと自動で内証話メッセージであると判定して、内証話フラグが挿入された内証話情報を送信するようにしてもよい。入力された音量により、内証話情報を送信するか否かの判定を行う携帯電話の例を図７に示す。
【０１０７】
図７は、入力された音量により、内証話情報を送信するか否かの判定を行う携帯電話５０の要部構成を示すブロック図である。携帯電話５０において、図４の携帯電話４０と異なる点は、内証話指示ボタン４５が無い代わりに、携帯電話５０に入力された音声の音量を計測する入力音量計測部（音量計測手段）５２が主制御部１内部に設けられている点である。
【０１０８】
図８に、入力音量計測部５２のより詳細な構成を示す。図８に示す通り、入力音量計測部５２は、音声入力部４を介して入力された音声の音量を計測して数値に換算する音量計測部５３、入力された音声の計測時間を計時する計時部５４、および、計時部５４の計時結果に基づき、指示信号判定部（指示信号判定手段）５１に対する指示信号を生成する指示信号生成部５６を含む。また、入力音量計測部５２は、入力された音声が内証話メッセージか否かを判定する時に用いる、２つの閾値、内証話閾値（ｓＡ）および音声閾値（ｓＢ）をそれぞれ格納する、内証話閾値格納部５５Ａおよび音声閾値格納部５５Ｂを有している。
【０１０９】
以下、図９のグラフを参照しながら、音声入力部４から音声が入力されてから指示信号判定部５１に指示信号が供給されるまでの処理の流れについて具体的に説明する。
【０１１０】
図９は、ある入力された音声が、音量計測部５３によって計測された時の音量について、音量（ｄＢ）を縦軸に、計測時間（秒）を横軸にとって、音量の変化を示したグラフである。
【０１１１】
グラフにおいて２本のラインで示される、内証話閾値ｓＡ、音声閾値ｓＢは、内証話閾値格納部５５Ａに格納されている内証話閾値の数値（ｄＢ）、音声閾値格納部５５Ｂに格納されている音声閾値の数値（ｄＢ）を表している。
【０１１２】
上記内証話閾値ｓＡとは、この閾値を越えると、内証話としては音量が大き過ぎると判断するために用いる閾値である。本実施の形態では、例えば、内証話閾値ｓＡを２０ｄＢとする。上記音声閾値ｓＢとは、この閾値を越えると、会話を行うための音声が発生していると判断するために用いる値である。本実施の形態では、音声閾値ｓＢを１０ｄＢとする。以下、図９のグラフを参照しながら、図８に示す入力音量計測部５２の処理の流れを説明する。
【０１１３】
初めに、図９のグラフにおける期間Ｐの音量を計測する場合の入力音量計測部５２の動作を説明する。まず、ＰＴＴ操作ボタン４４がユーザにより押下されると、音声は、音声入力部４を介して入力音量計測部５２の音量計測部５３に供給される。これにより、音量計測部５３は、入力された音声の計測を開始する。ここで、計測中の音声の音量が、図９に示す点ｈにさしかかった時、音量計測部５３は、音声閾値格納部５５Ｂに格納されている音声閾値ｓＢ（１０ｄＢ）を参照して、計測した音量が音声閾値ｓＢに達したことにより、会話の音声の発生を検知する。この時で、音量計測部５３は、音量計測時間を計るよう計時部５４に信号を送る。
【０１１４】
計時部５４は、音量計測部５３の信号の入力に応じ、点ｈの時点からの音量計測時間を計る。計時部５４もまた、内部に時間閾値（例えば、５秒）を有し、音量計測時間が該時間閾値に達するまで（すなわち、点ｈの時点から５秒経つまで）音量計測時間を計る。一方、５秒経つまでに、入力音声の音量が内証話閾値ｓＡ（２０ｄＢ）を越えたことを音量計測部５３が検知した場合は、音量計測部５３は、計時部５４に対して、計時を中断し、計った音量計測時間をリセットするよう信号を送る。
【０１１５】
ここで、図９の期間Ｐにおいて、５秒経つまでに、つまり、点ｈから点ｋまでの間に、音声閾値ｓＡを越える音量が計測されなかったことが分かる。従って、計時部５４は、会話の音声が発生してから、５秒以上の間にわたって２０ｄＢ未満で発話がなされたことを判定し、その結果を指示信号生成部５６に供給する。指示信号生成部５６は、受信した信号に基づき、期間Ｐ内で計測された音声について、内証話情報として送信情報を送信するよう指示信号判定部５１に指示するための指示信号を生成する。生成した信号は、指示信号判定部５１へと供給される。
【０１１６】
これにより、音量の小さい音声を一定の時間以上入力すれば、自動で内証話メッセージと判定するようにできる。
【０１１７】
次に、図９のグラフにおける期間Ｑの音量を計測する場合の入力音量計測部５２の動作を説明する。上述のように計時部５４の音量計測時間が５秒に達すると（点ｋ）、計時部５４は、音量計測時間をリセットし、次に音量計測部５３から計時開始の信号が来るまで待機する。
【０１１８】
音量計測部５３が計時開始の信号を送るのは、期間Ｐの場合と同様、計測した音量が音声閾値ｓＢに達した時である（点ｍ）。点ｍの時点にて、音量計測部５３から計時開始の信号を供給されることにより、計時部５４は音量計測時間の計測を開始する。
【０１１９】
ここでは、期間Ｐの時とは異なり、５秒経つまでに、つまり、点ｎの時点で、入力音声の音量が内証話閾値ｓＡ（２０ｄＢ）に達したことが分かる。従って、内証話閾値格納部５５Ａに格納されている内証話閾値ｓＡを参照した音量計測部５３は、点ｎで計測した音量が２０ｄＢを越えたことによって、計時部５４に計時中断と計測時間のリセットを指示する。
【０１２０】
計時部５４は、上記指示により、計時中断と計測時間のリセットを実施するとともに、計時を開始した点ｍの時点から５秒が経過するまでの間に２０ｄＢ以上で発話がなされたことを判定し、その結果を指示信号生成部５６に供給する。指示信号生成部５６は、受信した信号に基づき、期間Ｑ内で計測された音声について、通常の送信メッセージとして送信情報に含めて送信するよう指示信号判定部５１に指示するための指示信号を生成する。生成した信号は、指示信号判定部５１へと供給される。
【０１２１】
これにより、一定の時間以内に、所定の音量を越えた場合は、自動で通常の送信メッセージと判定するようにできる。
【０１２２】
あるいは、入力音量計測部５２が保持する内証話閾値ｓＡや音声閾値ｓＢを自由に設定できる構成としてもよい。例えば、携帯電話５０のユーザにおける、通常の会話時の平均音量を測定し、その値に基づき内証話閾値ｓＡや音声閾値ｓＢを設定してもよい。このようにすれば、もともと会話時の声の音量が小さいユーザに対しても、その音量から適切に、内証話か否かを判定するようにできる。
【０１２３】
以上これまで述べてきた携帯電話４０および携帯電話５０の構成によれば、ＰｏＣ通信によって送信する音声が、外部に音が漏れてはいけない秘話性の高い内証話である場合は、ユーザの指示、あるいは、ユーザにより入力される音声の音量によって、そのことを示す内証話フラグを、送信情報４６のヘッダ４７に挿入してから、送信情報４６を送信する。
【０１２４】
結果として、宛先となる受信装置は、上記携帯電話４０および携帯電話５０より受信した送信情報４６のヘッダ４７を解析することにより、それが内証話情報であるか否かを識別することができる。以下、実施の形態ごとに、上記携帯電話４０および携帯電話５０により生成された送信情報４６を受信する各受信装置（ＰｏＣサーバ、携帯電話Ｂ（またはＣ））について、詳細に説明する。
【０１２５】
〔第１のシステム−ＰｏＣ通信システム１００、２００〕
上述の送信情報４６を携帯電話４０（５０）から受信し、それが内証話メッセージを含む内証話情報であるか否かを、ＰｏＣサーバが判断する場合のＰｏＣ通信システム１００、２００について、以下に説明する。
【０１２６】
ＰｏＣ通信システム１００は、図２の携帯電話４０（５０）を適用した携帯電話Ａと、携帯電話Ａからの送信情報を受信し、宛先となる携帯電話（例えば携帯電話Ｂ（Ｃ））に該送信情報を配信するなどの制御を行うＰｏＣサーバ１０（２０、３０）とを含んでいる。なお、本実施の形態では、携帯電話Ｂ（Ｃ）を、その送信情報を受信する受信端末装置の例として説明するが、これらの携帯電話は、従来のＰｏＣ通信による送信情報を受信可能な携帯電話であれば何でもよい。
【０１２７】
また、各携帯電話のプレゼンスを一元管理するためのプレゼンスサーバ１０１を含んでいてもよい。この場合、ＰｏＣサーバ１０は、自身が集中管理・制御を行っている携帯電話のプレゼンス情報を、プレゼンスサーバ１０１に要求することになる。
【０１２８】
以下、受信した送信情報が内証話情報か否かを判断する、本発明に係るＰｏＣサーバ１０について詳細に説明する。
【０１２９】
〔実施の形態１〕
〔ＰｏＣサーバ１０〕
図１は、図２に示すＰｏＣ通信システム１００における、ＰｏＣサーバ１０の要部構成を示すブロック図である。ＰｏＣサーバ１０は、図１に示すように、主制御部１１、通信部１２、プレゼンス情報記憶部１３、録音部１８１、およびメモリ１８２を備え、また、主制御部１１は内部に、送信情報のヘッダを解析する内証話識別部（内証話識別手段）１６、宛先となる携帯電話Ｂのプレゼンスを検知するプレゼンス検知部（端末情報検知手段）１７、録音部１８１およびメモリ１８２を制御する録音制御部１８、および、送信情報の配信結果などを各携帯電話に通知する通知メッセージ生成部１９を有している。
【０１３０】
通信部１２は、ＰｏＣサーバ１０が外部の装置と通信を行うためのものであり、携帯電話Ａから送信情報を受信するための情報受信部１４と、携帯電話Ｂに受信した送信情報を配信する情報配信部（情報配信手段）１５とを含んでいる。携帯電話Ａから送信される送信情報はすべて、情報受信部１４を介して主制御部１１に入力される。
【０１３１】
プレゼンス情報記憶部１３は、ＲＯＭ（read only memory）、メモリ等の記憶装置などで構成されており、ＰｏＣサーバ１０が集中管理している、携帯電話ＡからＣを含むすべての携帯電話についてのプレゼンスを一元管理するためのものである。
【０１３２】
上述のようなプレゼンス情報が、各携帯電話に対応づけてプレゼンス情報記憶部１３に格納されており、主制御部１１によって適宜読み出されるようになっている。なお、ここに格納されるプレゼンス情報は、プレゼンスサーバ１０１と同様であってもよい。
【０１３３】
また、上記プレゼンス情報は、変更が生じた時点で適宜更新され、その整合性が保たれている。例えば、携帯電話のプレゼンスが変化する度に、携帯電話がプレゼンスサーバ１０１にその変化を通知するようにしてもよい。
【０１３４】
録音部１８１およびメモリ１８２は、情報受信部１４を介して入力された送信情報に含まれる音声データを録音し、記憶するためのものである。これらの機能の詳細については後述する。
【０１３５】
内証話識別部１６は、図６に示す送信情報４６のヘッダ４７を解析するためのものである。解析の結果、ヘッダ４７に内証話フラグＦを検出した場合、送信情報４６が内証話情報であることを識別し、送信情報４６をプレゼンス検知部１７に供給する。一方、内証話フラグＦがなかった場合は、送信情報４６を、情報配信部１５を供給する。これにより、ヘッダ４７の宛先情報に記される宛先の携帯電話に送信情報４６は配信される。
【０１３６】
プレゼンス検知部１７は、内証話識別部１６から供給された送信情報４６を受け取り、ヘッダ４７に含まれる宛先情報が示す各携帯電話についてのプレゼンス情報を検知するためのものである。
【０１３７】
プレゼンス情報を検知する方法は、携帯電話を一意に特定する宛先情報に基づき、（１）携帯電話に直接プレゼンスを問い合わせる、（２）プレゼンスサーバ１０１（図２参照）にプレゼンス情報を問い合わせる、（３）自装置のプレゼンス情報記憶部１３からプレゼンス情報を読み出す、などが考えられる。
【０１３８】
本実施の形態では、ＰｏＣ通信システム１００のプレゼンスサーバ１０１に問い合わせることにより、プレゼンス情報を取得する。
【０１３９】
図１０に、プレゼンスサーバ１０１（または、プレゼンス情報記憶部１３）が一元管理する、各携帯電話のプレゼンス情報リストの例を示す。プレゼンス情報リスト５７は、図１０に示す通り、ＰｏＣサーバ１０が集中管理している各携帯電話を一意に識別するための「端末ＩＤ」を格納するカラムＣ１を有し、これに対応付けて、各携帯電話の利用状況や状態が記憶されている。
【０１４０】
本実施の形態において、プレゼンス検知部１７は、図３に示す携帯電話のスピーカフォン音声出力部８がアクティブになっているか否かの情報が格納されているカラムＣ２を参照する。ここでは、スピーカフォン音声出力部８がアクティブになっていることを「ＯＮ」、非アクティブになっていることを「ＯＦＦ」、もともとスピーカフォン音声出力部８を備えていない携帯電話であれば「−」を格納し、これを識別できるようにしている。これにより、プレゼンス検知部１７は、例えば、携帯電話Ｂではスピーカフォン音声出力部８より音声が出力されているということを検知することができる。
【０１４１】
プレゼンス検知部１７は、上記プレゼンス情報リスト５７を参照し、携帯電話Ｂがスピーカフォンの状態（すなわち、スピーカフォン音声出力部８がアクティブ）になっていることを検知する。この場合、内証話識別部１６より受信した携帯電話Ｂ宛ての内証話情報を録音制御部１８に供給するとともに、上記内証話情報がまだ携帯電話Ｂ宛てに配信されていないことを示す信号を通知メッセージ生成部１９にも供給する。
【０１４２】
一方、携帯電話Ｃにおいて、カラムＣ２が「ＯＦＦ」と記されていることによって、携帯電話Ｃが、音声が外部に漏れない状態であることを検知する。この場合、プレゼンス検知部１７は、送信情報４６を、情報配信部１５を供給する。
【０１４３】
これにより、スピーカフォンの状態の携帯電話宛ての内証話情報は、情報配信部１５へは供給されずに、録音制御部１８および通知メッセージ生成部１９に供給される。一方、スピーカフォンの状態でない携帯電話宛ての内証話情報は、そのまま配信される。
【０１４４】
なお、ここで述べる「スピーカフォンの状態である」とは、携帯電話の外部に音声が聞こえるようになっている状態のことを指す。従って、受話器音声出力部６とスピーカフォン音声出力部８とが別構成で設けられている場合は、上述の「スピーカフォン音声出力部８がアクティブになっている状態」が該当する。一方、受話器音声出力部６とスピーカフォン音声出力部８とが一体となっている場合（すなわち、受話器音声出力部６の音量出力レベルを上げることによって、スピーカフォン機能とする場合）もある。
【０１４５】
このような場合は、例えば、プレゼンス検知部１７がスピーカフォンの状態であるか否かを判断できるように、所定の音量出力レベルを設定すればよい。これにより、「受話器音声出力部６が上記で設定した出力レベル以上で音声を出力している状態」の時に、「スピーカフォンの状態である」と判断することができる。
【０１４６】
録音制御部１８は、内証話情報を録音・記憶するための録音部１８１およびメモリ１８２を管理・制御するためのものであり、録音制御部１８、録音部１８１およびメモリ１８２により内証話情報記憶部（内証話記憶手段）１８０が構成されている。
【０１４７】
プレゼンス検知部１７より内証話情報が供給されると、録音制御部１８は、録音部１８１に、該内証話情報を録音するよう指示を送る。録音制御部１８は、録音部１８１により録音された内証話情報を録音内証話情報として、送信元携帯電話、宛先携帯電話などの情報と関連付けてメモリ１８２に記憶する。これらの情報は上記内証話情報のヘッダにある情報から取得すればよい。ここで、メモリ１８２に記憶される録音内証話情報のリストの例を図１１に示す。
【０１４８】
図１１は、録音部１８１内に記憶されている、録音内証話情報の管理リストの例を示す表である。本実施の形態では、１携帯電話につき、１録音内証話情報を保存することができるので、宛先となる携帯電話を一意に識別するための「宛先受信端末ＩＤ」と、それに関連付けて、「録音内証話情報」が格納されていればよい。
【０１４９】
例えば、携帯電話Ｂが、スピーカフォンの状態である時に、携帯電話Ｂ宛てに内証話情報が送信され、その時に配信されなかったとする。このような場合でも、上記の構成により、携帯電話Ｂは、スピーカフォン機能を非アクティブにしてから、ＰｏＣサーバ１０に録音内証話情報を要求することで、ＰｏＣサーバ１０から内証話情報を受信することが可能となる。
【０１５０】
なお、１携帯電話につき、複数の録音内証話情報を保存できる場合は、録音開始（終了）時刻などによって、録音内証話情報を特定すればよい。
【０１５１】
通知メッセージ生成部１９は、送信情報の配信結果などを送信元の携帯電話Ａおよび宛先の携帯電話Ｂに通知するためのものである。通知メッセージ生成部１９は、内部に配信結果情報生成部（配信結果通知手段）１９１および受信情報生成部（受信通知手段）１９２を有している。
【０１５２】
配信結果情報生成部１９１は、ＰｏＣサーバ１０が受信した内証話情報を宛先の各携帯電話に配信したか否かを該内証話情報の送信元となる携帯電話Ａに通知するためのものである。配信結果情報生成部１９１は、プレゼンス検知部１７からの信号に基づいて、携帯電話Ａ宛てに、配信結果情報を生成して、情報配信部１５を介して送信する。
【０１５３】
これにより、携帯電話Ａのユーザは、どの携帯電話に対して内証話情報が送信されなかったのかを認識することができる。
【０１５４】
受信情報生成部１９２は、携帯電話Ａからの内証話情報を携帯電話Ｂ宛てに受信したことを該携帯電話Ｂに通知するためのものである。受信情報生成部１９２は、プレゼンス検知部１７からの信号に基づいて、携帯電話Ｂ宛てに、受信情報（受信通知）を生成して、情報配信部１５を介して送信する。
【０１５５】
これにより、スピーカフォンの状態の時に、携帯電話Ｂ宛てに内証話情報が送信されたために該内証話情報をリアルタイムで受信できなかったとしても、携帯電話Ｂのユーザは、自身の装置宛てに内証話情報が送信されたことを認識することができる。
【０１５６】
以下、本実施の形態のＰｏＣ通信システム１００における処理の流れを説明する。
【０１５７】
図１２は、ＰｏＣ通信システム１００の各構成要素における、処理の流れを示すシーケンス図である。
【０１５８】
ここでは、送信側の携帯電話の例として携帯電話４０（５０）を適用した携帯電話Ａを、スピーカフォンの状態にある受信側の携帯電話の例として携帯電話Ｂを、スピーカフォンの状態でない受信側の携帯電話の例として携帯電話Ｃを用いて説明する（図２参照のこと）。
【０１５９】
まず、携帯電話Ａが、上述の方法を用いて、図６に示す送信情報４６を携帯電話Ｂおよび携帯電話Ｃに宛てて、ＰｏＣサーバ１０に送信する（Ｓ１０１）。この時の送信情報４６のヘッダ４７には、内証話フラグと、宛先情報として、携帯電話Ｂと携帯電話Ｃの情報が含まれている。
【０１６０】
ＰｏＣサーバ１０は、受信した送信情報４６のヘッダ４７を解析し、内証話フラグの有無によって、送信情報４６が内証話情報か否かを判断する（Ｓ１０２）。ここで、送信情報４６は内証話情報であると判断した時、ＰｏＣサーバ１０は、宛先となる携帯電話Ｂおよび携帯電話Ｃのプレゼンスを確認するため、プレゼンスサーバ１０１に対して問い合わせを行い、携帯電話Ｂおよび携帯電話Ｃのプレゼンス情報を取得する。
【０１６１】
一方、Ｓ１０２において、送信情報４６を通常の送信情報と判断した場合には、そのまま情報配信のステップ（Ｓ１０４）に移り、すべての宛先の携帯電話に対して送信情報４６を配信し、処理を終了する。
【０１６２】
次に、ＰｏＣサーバ１０は、取得したプレゼンス情報（図１０）を用いて、宛先の携帯電話ごとに、その携帯電話がスピーカフォンの状態であるか否かを判定する（Ｓ１０３）。
【０１６３】
まず、携帯電話Ｂについて、図１０のプレゼンス情報リスト５７より、携帯電話Ｂがスピーカフォンの状態であることを検知し（Ｓ１０３においてＹｅｓ）、携帯電話Ａから携帯電話Ｂ宛ての内証話情報として、該内証話情報の録音を行う（Ｓ１０５）。
【０１６４】
次に、携帯電話Ｃについて、携帯電話Ｃがスピーカフォンの状態でないことを検知し（Ｓ１０３においてＮｏ）、上記内証話情報の配信を携帯電話Ｃ宛てに行う（Ｓ１０４）。なお、このとき、パケットの内緒フラグを削除して送信してもよい。送信された内証話情報に含まれる内証話メッセージは、携帯電話Ｃにおいて、スピーカフォン以外の音声出力部により音声出力される。
【０１６５】
すべての宛先に対して、スピーカフォンの判定を行い、内証話情報の配信および／または録音の処理を終了すると、最後に、ＰｏＣサーバ１０は、各携帯電話へ配信結果の通知を行う。
【０１６６】
すなわち、携帯電話Ａに対しては、送信情報４６を宛てた携帯電話のうち、どの携帯電話に対して配信できなかったのかを報告するための、配信結果情報を生成する（Ｓ１０６）。なお、この配信結果情報は、送信が完了した携帯電話の情報であってもよい。携帯電話Ａは、上記配信結果情報を受け取ると、未送信携帯電話のリストをユーザに提示する。表示部５（図３）にそのリストを表示すればよい。
【０１６７】
一方、携帯電話Ｂに対しては、携帯電話Ｂ宛てに送信情報４６を携帯電話Ａから受信したが、配信できないために録音して預かっていることを通知するための、受信情報を生成する（Ｓ１０７）。携帯電話Ｂは、受信情報により録音された内証話情報がある旨、携帯電話Ｂのユーザに提示する（Ｓ１０８）。この時、表示部５にその旨を表示してもいいし、音声出力部９４を介して音によって通知してもよい。
【０１６８】
その後、もし、携帯電話Ｂのユーザがイヤフォンを装着するなどして、携帯電話Ｂのプレゼンスが変更されたら、携帯電話Ｂはそのプレゼンスの変化をプレゼンスサーバ１０１に通知し、プレゼンスサーバ１０１のプレゼンス情報リスト５７が更新される（Ｓ１１０）（図１０の「端末ＩＤ」がＢの「イヤフォン」がＯＮ、「スピーカフォン」がＯＦＦ）。
【０１６９】
続いて、携帯電話Ｂのユーザが録音通知により、その録音された内証話情報の配信をＰｏＣサーバ１０に対して要求する（Ｓ１０９のＹｅｓ）。ＰｏＣサーバ１０は、録音内証話情報配信の要求を受け付けると、プレゼンスサーバ１０１に携帯電話Ｂのプレゼンス情報を問い合わせて、携帯電話Ｂがスピーカフォンの状態か否かを判定する（Ｓ１１１）。
【０１７０】
上記Ｓ１１０にて、「スピーカフォン」はＯＦＦに変更されていることから、ＰｏＣサーバ１０は、携帯電話Ｂはスピーカフォンの状態ではないと判定し、携帯電話Ａから携帯電話Ｂ宛ての内証話情報として記録されている録音内証話情報を携帯電話Ｂに配信する（Ｓ１１２）。配信された録音内証話情報に含まれる内証話メッセージは、携帯電話Ｂによって再生される。そして、ＰｏＣサーバ１０は、上記録音内証話情報が携帯電話Ｂ宛てに配信されたことを示す通知を、携帯電話Ａに送信する。
【０１７１】
一方、Ｓ１１１にて、携帯電話Ｂが依然スピーカフォンの状態であると検知した場合は、スピーカフォンの機能を解除しないと内証話情報を配信できない旨を、携帯電話Ｂに通知してもよい。この通知を受信した携帯電話Ｂは、「スピーカフォンを解除してください。」などのメッセージを表示部５に表示したり、音でユーザに知らせたりすればよい（Ｓ１１３）。
【０１７２】
これにより、もし、携帯電話Ａが、外部に漏れてはいけない内証話の音声を携帯電話Ｂ宛てに送信したとしても、宛先の携帯電話Ｂがスピーカフォンの機能により音声を外部に出力する状態になっている場合には、その携帯電話Ｂには、上記の内証話の音声が配信されないようになる。
【０１７３】
結果として、秘話性の高い会話の音声が送信された場合に、受信側の機器のスピーカフォン機能によって外部にその音声が漏れることを回避することができる。
【０１７４】
〔実施の形態２〕
上述の実施の形態１において、録音内証話情報の再生は、携帯電話Ｂのユーザによる要求の指示により行われたが、携帯電話Ｂのスピーカフォン音声出力部８が非アクティブになったことを携帯電話Ｂ自身が検知して、自動で録音内証話情報配信の要求を、ＰｏＣサーバ１０に対して行ってもよい。
【０１７５】
本実施の形態では、この場合の携帯電話８０を適用した携帯電話Ｂおよびそれを含むＰｏＣ通信システム２００について説明する。
【０１７６】
〔携帯電話Ｂ−受信側〕
図１３は、本実施の形態に係る携帯電話８０の要部構成を示すブロック図である。図１３に示す通り、携帯電話８０は、主制御部１、無線通信部２、表示部５、受話器音声出力部６、イヤフォン音声出力部７、およびスピーカフォン音声出力部８を含んでいる。受話器音声出力部６、イヤフォン音声出力部７、およびスピーカフォン音声出力部８は、音声出力部９４を構成している。
【０１７７】
また、携帯電話８０は、主制御部１の内部に、ＰｏＣサーバ１０より配信された送信情報を受信するための情報受信部８４、携帯電話８０のプレゼンスの変化を検知するプレゼンス監視部（状態監視手段）８５、受信した送信情報が含む送信メッセージを音声出力部９４へと出力するメッセージ出力部８６、およびＰｏＣサーバ１０に録音内証話情報の配信を要求する情報配信要求部（情報配信要求手段）８７を有している。
【０１７８】
なお、図１３の残りの各構成要素に付された番号は、図３の各構成要素に付された番号に対応しており、同じ符号は、同じ構成要素を示している。
【０１７９】
無線通信部２は、ＰｏＣサーバ１０からの通信データを無線で受信するための無線受信部８２と、携帯電話８０で生成した通信データを無線で送信するための無線送信部８３とを含んでいる。
【０１８０】
情報受信部８４は、無線受信部８２を介して、ＰｏＣサーバ１０から送信メッセージを含む送信情報、および受信情報を受信するためのものである。受信情報とは、ＰｏＣサーバ１０によって生成される、「携帯電話８０宛ての内証話情報を録音した」旨を通知する録音通知である。受信した送信情報は、メッセージ出力部８６へ、上記受信情報は、プレゼンス監視部８５へ供給する。
【０１８１】
プレゼンス監視部８５は、音声出力部９４を監視し、携帯電話８０のプレゼンスの変更（例えば、スピーカフォン音声出力部８のアクティブ／非アクティブの変更）を監視するためのものである。プレゼンス監視部８５は、情報受信部８４より、受信情報を受け取ると、音声出力部９４の監視を開始し、ピーカフォン音声出力部８がアクティブから非アクティブの状態に遷移したことを検知して、内証話メッセージを音声出力できる状態になったことを示す信号を情報配信要求部８７に供給する。
【０１８２】
メッセージ出力部８６は、携帯電話８０で発生する情報を、表示部５および音声出力部９４に供給するためのものである。映像信号であれば、表示部５に、音声信号であれば、音声出力部９４に供給する。なお、音声出力部９４に音声信号が供給されると、受話器音声出力部６、イヤフォン音声出力部７、スピーカフォン音声出力部８のうち、アクティブになっている音声出力部からのみ音声が出力される。
【０１８３】
情報配信要求部８７は、プレゼンス監視部８５からの「スピーカフォン音声出力部８が非アクティブに遷移した」情報を受け付けて、ＰｏＣサーバ１０に対する、録音内証話情報の配信を要求する送信パケットを生成するためのものである。この送信パケットには、ＰｏＣサーバ１０がどの携帯電話宛ての録音内証話情報を配信すればよいのかを識別できるように、携帯電話８０についての情報が挿入される。
【０１８４】
このようにして生成された、録音内証話情報配信要求パケットは、無線送信部８３を介してＰｏＣサーバ１０に送信される。
【０１８５】
以上のことから、携帯電話８０は、携帯電話８０のスピーカフォン音声出力部８が非アクティブになったことにより、自動で録音内証話情報の配信の要求を、ＰｏＣサーバ１０に対して実施することができる。
【０１８６】
〔ＰｏＣ通信システム２００〕
携帯電話８０を受信側の携帯電話Ｂ（Ｃ）に適用した例については、図２に示す通りである。ＰｏＣ通信システム２００は、携帯電話４０（５０）を適用した携帯電話Ａと、携帯電話８０を適用した、受信側としての携帯電話Ｂ（Ｃ）と、送信情報を配信するなどの制御を行うＰｏＣサーバ１０とを含んでいる。なお、ＰｏＣ通信システム１００と同様、プレゼンスサーバ１０１を含んでいてもよい。
【０１８７】
図１４は、ＰｏＣ通信システム２００の各構成要素における、処理の流れを示すシーケンス図である。
【０１８８】
ここでは、送信側の携帯電話の例として携帯電話４０（５０）を適用した携帯電話Ａを、スピーカフォンの状態にある受信側の携帯電話の例として携帯電話８０を適用した携帯電話Ｂを、スピーカフォンの状態でない受信側の携帯電話の例として携帯電話Ｃを用いて説明する（図２参照のこと）。
【０１８９】
携帯電話Ａが送信情報４６をＰｏＣサーバ１０に送信してから、ＰｏＣサーバ１０が受信情報を携帯電話Ｂに通知するまでの処理の流れ（Ｓ１０１〜Ｓ１０７）までは、実施の形態１における図１２の処理の流れと同様であるので、ここでは説明を省略する。
【０１９０】
ＰｏＣサーバ１０より上記受信情報を受け取ると、携帯電話Ｂは、携帯電話Ｂ宛ての内証話情報がＰｏＣサーバ１０に録音された保存されていることを検知し、携帯電話Ｂのプレゼンスの監視を開始する（Ｓ２０１）。
【０１９１】
その後、携帯電話Ｂのユーザがイヤフォンを装着するなどして、携帯電話Ｂのプレゼンスが変化すると（Ｓ２０２）、携帯電話Ｂは、プレゼンスの変更をプレゼンスサーバ１０１に報告するとともに、その変更によって、自身のスピーカフォン音声出力部８がアクティブから非アクティブへと状態を遷移させたか否かを判定する（Ｓ２０３）。
【０１９２】
上記判定の結果、携帯電話Ｂのスピーカフォンの状態が解除されたことを検知すると、携帯電話Ｂは、録音内証話情報の配信を要求する送信パケットを生成し、それをＰｏＣサーバ１０宛てに送信する（Ｓ２０４）。
【０１９３】
ＰｏＣサーバ１０は、携帯電話Ｂの録音内証話情報配信の要求を受信し、その要求に応じて、携帯電話Ｂ宛ての録音内証話情報を、携帯電話Ｂに配信する（Ｓ２０５）。この時、録音内証話情報の配信を行う前に、プレゼンスサーバ１０１に対して携帯電話Ｂのプレゼンス情報を問い合わせてもよい。
【０１９４】
配信された録音内証話情報に含まれる内証話メッセージは、携帯電話Ｂにおいて、スピーカフォン音声出力部８以外の音声出力部より出力される。また、上記録音内証話情報が携帯電話Ｂ宛てに配信されたことを示す通知は、ＰｏＣサーバ１０より携帯電話Ａ宛てに送信される。
【０１９５】
以上のことから、携帯電話Ｂは、携帯電話Ｂのスピーカフォン音声出力部８が非アクティブになったことにより、自動で録音内証話情報の配信の要求を、ＰｏＣサーバ１０に対して実施することができる。
【０１９６】
〔実施の形態３〕
上述の実施の形態１、２において、録音内証話情報の配信は、携帯電話Ｂのユーザによる要求の指示、あるいは、携帯電話Ｂが自動で要求することによりそれぞれ実施されたが、ＰｏＣサーバが携帯電話Ｂのスピーカフォン音声出力部８を監視し、それが非アクティブになったことを検知して、自動で録音内証話情報を携帯電話Ｂに配信するようにしてもよい。この場合のＰｏＣサーバ２０およびそれを含むＰｏＣ通信システム１００について、以下に説明する。
【０１９７】
〔ＰｏＣサーバ２０〕
図１５は、各携帯電話のプレゼンスを監視し、自動で録音内証話情報を配信するＰｏＣサーバ２０の要部構成を示すブロック図である。ＰｏＣサーバ２０において、図１のＰｏＣサーバ１０と異なる点は、主制御部２１の内部に、さらに、プレゼンス監視部（端末情報監視手段）２２を有している点である。
【０１９８】
このプレゼンス監視部２２は、ＰｏＣサーバ２０が録音した内証話情報の宛先となっているすべての携帯電話についてのプレゼンスを監視するためのものである。より具体的には、宛先となっている各携帯電話のスピーカフォン音声出力部８を監視し、それが非アクティブの状態に遷移することを検知する。すなわち、スピーカフォンの状態でなくなった携帯電話を特定することができる。
【０１９９】
スピーカフォンの状態でなくなったと判断された携帯電話を示す携帯電話識別情報は、その携帯電話宛ての録音内証話情報を出力せよという指示信号とともに、録音制御部１８に供給される。
【０２００】
上記携帯電話識別情報および指示信号を受信した録音制御部１８は、メモリ１８２の録音管理リスト４９（図１１）から、上記携帯電話識別情報（例えば、図１１の「Ｂ」）に関連付けられた録音内証話情報（図１１の「◎×▲■」）を、その宛先となる携帯電話Ｂを示す情報とともに情報配信部１５に供給する。
【０２０１】
なお、プレゼンス監視部２２が各携帯電話のプレゼンスを監視する方法としては、（１）携帯電話を直接監視する、（２）プレゼンスサーバ１０１（図２参照）のプレゼンス情報更新を検知する、（３）自装置のプレゼンス情報記憶部１３のプレゼンス情報更新を検知する、などが考えられる。
【０２０２】
本実施の形態では、ＰｏＣ通信システム１００のプレゼンスサーバ１０１のプレゼンス情報更新を検知することにより、プレゼンスを監視する。
【０２０３】
情報配信部１５は、入力された録音内証話情報（◎×▲■）を、携帯電話Ｂ宛てに供給する。
【０２０４】
これにより、録音内証話情報の宛先となっている各携帯電話のプレゼンスを監視し、それらの携帯電話がスピーカフォンの状態でなくなった時に、自動で録音内証話情報を配信することができる。
【０２０５】
〔ＰｏＣ通信システム１００〕
本実施の形態に係るＰｏＣ通信システム１００の構成は、図２に示す通りである。ＰｏＣ通信システム１００は、ＰｏＣサーバ２０を備えているという点以外は、実施の形態１におけるＰｏＣ通信システム１００と同様である。なお、プレゼンスサーバ１０１を含んでいてもよい。
【０２０６】
図１６は、本実施の形態に係るＰｏＣ通信システム１００の各構成要素における、処理の流れを示すシーケンス図である。
【０２０７】
ここでは、送信側の携帯電話の例として携帯電話４０（５０）を適用した携帯電話Ａを、スピーカフォンの状態にある受信側の携帯電話の例として携帯電話Ｂを、スピーカフォンの状態でない受信側の携帯電話の例として携帯電話Ｃを用いて説明する（図２参照のこと）。
【０２０８】
携帯電話Ａが送信情報４６をＰｏＣサーバ１０に送信してから、ＰｏＣサーバ１０が受信情報を携帯電話Ｂに通知し、携帯電話Ｂが、録音内証話情報がある旨を表示するまでの処理の流れ（Ｓ１０１〜Ｓ１０８）は、実施の形態１における図１２の処理の流れと同様であるので、ここでは説明を省略する。
【０２０９】
携帯電話Ｂがスピーカフォンの状態であるために配信できなかった、携帯電話Ｂ宛ての内証話情報が、Ｓ１０５にてＰｏＣサーバ２０により録音されている。この時に、ＰｏＣサーバ２０は、上記録音された内証話情報の宛先となる携帯電話Ｂのプレゼンス監視を開始する（Ｓ３０１）。
【０２１０】
その後、携帯電話Ｂのユーザがイヤフォンを装着するなどして、携帯電話Ｂのプレゼンスが変化すると、プレゼンスサーバ１０１のプレゼンス情報リスト５７が更新される（Ｓ３０２）（図１０の「端末ＩＤ」がＢの「イヤフォン」がＯＮ、「スピーカフォン」がＯＦＦ）。
【０２１１】
ＰｏＣサーバ２０は、このプレゼンス情報の更新を検知し（Ｓ３０３においてＹｅｓ）、宛先となる携帯電話Ｂがスピーカフォンの状態であるか否かを判定する（Ｓ３０４）。
【０２１２】
上記Ｓ３０２にて、「スピーカフォン」はＯＦＦに変更されていることから、ＰｏＣサーバ２０は、携帯電話Ｂはスピーカフォンの状態ではないと判定し、携帯電話Ａから携帯電話Ｂ宛ての内証話情報として記録されている録音内証話情報を携帯電話Ｂに配信する（Ｓ３０５）。
【０２１３】
配信された録音内証話情報は、携帯電話Ｂによって再生される。そして、ＰｏＣサーバ２０は、上記録音内証話情報が携帯電話Ｂ宛てに配信されたことを示す通知を、携帯電話Ａに送信するとともに、録音管理リスト４９（図１１）に格納されていた携帯電話Ｂ宛ての録音内証話情報を、配信済みとして消去する（Ｓ３０６）。
【０２１４】
一方、Ｓ３０４にて、携帯電話Ｂが依然スピーカフォンの状態であると検知した場合は、プレゼンスの監視を継続する。
【０２１５】
また、録音管理リスト４９に録音内証話情報がまだ保存されていれば（Ｓ３０７のＹｅｓ）、その保存されている録音内証話情報の宛先の携帯電話について、プレゼンスの監視を継続し、録音内証話情報がなくなれば（Ｓ３０７のＮｏ）、監視の処理を終了する（Ｓ３０８）。
【０２１６】
上述の方法より、録音内証話情報の宛先となっている各携帯電話のプレゼンスを監視し、それらの携帯電話がスピーカフォンの状態でなくなった時に、自動で録音内証話情報を配信することができる。
【０２１７】
〔実施の形態４〕
なお、本発明に係るＰｏＣ通信システム１００において、ＰｏＣサーバが、内証話情報を録音して保存する代わりに、それをテキストデータに変換し、それをスピーカフォンの状態の携帯電話に配信するようにしてもよい。この場合のＰｏＣサーバ３０およびそれを含むＰｏＣ通信システム１００について、以下に説明する。
【０２１８】
〔ＰｏＣサーバ３０〕
図１７は、内証話情報の宛先の携帯電話Ｂが、スピーカフォンの状態であった場合に、受信した内証話情報に含まれる内証話メッセージをテキストデータに変換して、携帯電話Ｂに配信するＰｏＣサーバ３０の要部構成を示すブロック図である。ＰｏＣサーバ３０において、図１のＰｏＣサーバ１０と異なる点は、内証話情報記憶部１８０の代わりに、主制御部３１の内部に受信した内証話情報に含まれる、音声による内証話メッセージをテキストデータに変換するテキスト変換部（テキスト変換手段）３７を有し、通知メッセージ生成部１９は、受信情報生成部１９２ではなく、配信テキスト情報生成部３５および開封情報生成部３６を有している点である。
【０２１９】
通信部１２は、携帯電話Ａから送信情報を受信するための情報受信部３２と、携帯電話Ｂに受信した送信情報を配信する情報配信部（情報配信手段）３３とを含んでいる。
【０２２０】
情報受信部３２を介して携帯電話Ａから送信情報４６が受信されると、内証話識別部１６により、それが内証話情報であると識別された場合には、プレゼンス検知部（端末情報検知手段）３４に供給される。
【０２２１】
プレゼンス検知部３４は、上記内証話情報の宛先となる携帯電話Ｂが、スピーカフォンの状態であるか否かを判定するためのものである。もし、携帯電話Ｂがスピーカフォンの状態でなければ、上記内証話情報は情報配信部３３を介して音声のまま配信される。
【０２２２】
一方、携帯電話Ｂがスピーカフォンの状態であることを検知すると、プレゼンス検知部３４は、上記内証話情報をテキスト変換部３７に供給する。
【０２２３】
なお、プレゼンス検知部３４は、携帯電話Ｂがスピーカフォンの状態であることを検知した時に、配信結果情報生成部１９１や配信テキスト情報生成部３５に対し、携帯電話Ｂ宛てに内証話情報を音声のまま配信しなかったことを通知してもよい。
【０２２４】
テキスト変換部３７は、音声認識によって、入力された音声データによる内証話メッセージをテキスト変換し、テキストデータによる内証話メッセージを含む内証話情報（テキスト内証話情報）を生成するためのものである。
【０２２５】
生成された、携帯電話Ｂ宛ての上記テキスト内証話情報は、配信テキスト情報生成部３５に供給されるとともに、情報配信部３３を介して、携帯電話Ｂに供給される。
【０２２６】
通知メッセージ生成部１９が内部に有する、配信テキスト情報生成部３５は、（１）音声内証話メッセージが配信されなかった携帯電話の情報（ここでは、携帯電話Ｂ）と、（２）携帯電話Ｂに配信される、テキスト変換部３７によって生成されたテキスト内証話情報の内容とを含んだ、「配信テキスト情報」を生成するためのものである。上記配信テキスト情報は、内証話情報の送信元である携帯電話Ａに対して、情報配信部３３を介して送信される。
【０２２７】
これにより携帯電話Ａのユーザは、どの携帯電話宛てに音声が届かなかったかを把握するとともに、それらの携帯電話には、代わりにどんな文章が配信されたのかを確認することができる。
【０２２８】
開封情報生成部３６は、携帯電話Ｂが、上記テキスト内証話情報を開封したことを携帯電話Ａに通知するための開封情報を生成するためのものである。生成された開封情報も、情報配信部３３を介して携帯電話Ａに送信される。
【０２２９】
これにより携帯電話Ａのユーザは、上記テキスト内証話情報が宛先の携帯電話Ｂにより開封されたことを確認することができる。
【０２３０】
以上のことから、内証話情報の宛先の携帯電話Ｂが、スピーカフォンの状態であった場合に、受信した内証話情報が含む内証話メッセージをテキストデータに変換して、携帯電話Ｂに配信することができる。結果として、スピーカフォンの機能の解除を待たずに、リアルタイムで内証話情報を携帯電話Ｂに届けることができる。
【０２３１】
〔ＰｏＣ通信システム１００〕
本実施の形態に係るＰｏＣ通信システム１００の構成は、図２に示す通りである。ＰｏＣ通信システム１００は、ＰｏＣサーバ３０を備えているという点以外は、実施の形態１におけるＰｏＣ通信システム１００と同様である。なお、プレゼンスサーバ１０１を含んでいてもよい。
【０２３２】
図１８は、本実施の形態に係るＰｏＣ通信システム１００の各構成要素における、処理の流れを示すシーケンス図である。
【０２３３】
ここでは、実施の形態３と同様、送信側の携帯電話の例として携帯電話４０（５０）を適用した携帯電話Ａを、スピーカフォンの状態にある受信側の携帯電話の例として携帯電話Ｂを、スピーカフォンの状態でない受信側の携帯電話の例として携帯電話Ｃを用いて説明する（図２参照のこと）。
【０２３４】
携帯電話Ａが送信情報４６をＰｏＣサーバ３０に送信してから、スピーカフォンの状態でない携帯電話Ｃにのみ内証話情報を配信するまでの処理の流れ（Ｓ１０１〜Ｓ１０４）は、実施の形態１における図１２の処理の流れと同様であるので、ここでは説明を省略する。
【０２３５】
Ｓ１０３にて、携帯電話Ｂがスピーカフォンの状態であると検知したＰｏＣサーバ３０は、受信した音声データによる内証話情報をテキスト変換し、テキストデータによる内証話情報（テキスト内証話情報）を生成する（Ｓ４０１）。
【０２３６】
生成された上記テキスト内証話情報は、携帯電話Ｂに配信され、携帯電話Ｂに受信される（Ｓ４０２）。この時、携帯電話Ｂの表示部５（図３）にはテキスト内証話情報を受信したことのみを通知し、内証話情報の内容を表示せず封書として受信されるようにしてもよい。
【０２３７】
また、ＰｏＣサーバ３０は、上記Ｓ４０１のテキスト変換が正しく行われたかを携帯電話Ａのユーザが確認できるよう、変換したテキストの内証話メッセージを含む配信テキスト情報を生成して携帯電話Ａに送信する（Ｓ４０３）。配信テキスト情報を受信した携帯電話Ａは、内証話情報が音声にて配信されなかった携帯電話の情報と、テキストに変換された内証話情報を表示部５に表示する。
【０２３８】
一方、携帯電話Ｂでは、Ｓ４０２にて、テキスト内証話情報受信の通知を受けた後、携帯電話Ｂのユーザが、上記テキスト内証話情報の封書を開封する（Ｓ４０４）。この時、上記テキスト内証話情報が開封されたことを、ＰｏＣサーバ３０に通知する。
【０２３９】
ＰｏＣサーバ３０は、上記開封の通知を携帯電話Ｂより受け付けると、携帯電話Ｂが上記テキスト内証話情報を開封した旨を通知する開封情報を生成し（Ｓ４０５）、携帯電話Ａに通知する。
【０２４０】
以上のことから、内証話情報の宛先の携帯電話Ｂが、スピーカフォンの状態であった場合に、受信した内証話情報に含まれる内証話メッセージをテキストデータに変換して、携帯電話Ｂに配信することができる。結果として、秘話性の高い会話の音声を外部に漏らすことなく、スピーカフォンの機能の解除を待たずに、リアルタイムで内証話情報を携帯電話Ｂに届けることができる。
【０２４１】
〔第２のシステム−ＰｏＣ通信システム３００〕
次に、上述の送信情報４６を携帯電話４０（５０）から、ＰｏＣサーバを介して受信し、それが内証話情報か否かを受信端末装置が判断する場合のＰｏＣ通信システム３００について、以下に説明する。
【０２４２】
上述の各実施の形態と大きく異なる点は、内証話情報か否かを判断するのが、ＰｏＣサーバでは、受信端末装置自身であるという点である。
【０２４３】
ＰｏＣ通信システム３００は、図２の携帯電話４０（５０）を適用した携帯電話Ａと、携帯電話Ａからの送信情報を、ＰｏＣサーバを介して受信する、携帯電話６０（７０）を適用した受信側の携帯電話Ｂとを含んでいる。なお、ＰｏＣサーバは、携帯電話Ａからの送信情報を受信し、該送信情報を配信するなどの通信制御が可能なＰｏＣサーバであれば何でもよい。なお、ＰｏＣ通信システム１００、２００と同様、プレゼンスサーバ１０１を含んでいてもよい。
【０２４４】
〔実施の形態５〕
図１９は、図２に示すＰｏＣ通信システム３００における、携帯電話６０の要部構成を示すブロック図である。携帯電話６０は、図１９に示すように、主制御部１、無線通信部２、表示部５、受話器音声出力部６、イヤフォン音声出力部７、スピーカフォン音声出力部８、録音部９、およびメモリ９３を備え、また、主制御部１は内部に、ヘッダを解析する内証話識別部（内証話識別手段）６３、携帯電話６０本体のプレゼンスを検知するプレゼンス検知部（状態検知手段）６４、および、受信した送信情報に含まれる送信メッセージを、音声にて音声出力部９４に、映像信号として表示部５に出力するメッセージ出力部（メッセージ出力手段）６６とを備えている。
【０２４５】
無線通信部２は、ＰｏＣサーバからのデータを無線で受信する無線受信部６１と、ＰｏＣサーバへデータを無線で送信する無線送信部６２とを含む。無線受信部６１により受信された送信情報は、内証話識別部６３に供給される。
【０２４６】
内証話識別部６３は、ＰｏＣサーバを介して携帯電話Ａから受信した、送信情報４６（図６）のヘッダ４７を解析するためのものである。解析の結果、ヘッダ４７に内証話フラグＦを検出した場合、送信情報４６が内証話情報であることを識別し、送信情報４６をプレゼンス検知部６４に供給する。一方、内証話フラグＦがなかった場合は、送信情報４６を、メッセージ出力部６６に供給する。
【０２４７】
なお、この時、音声出力されたか否かを示す情報を出力結果情報生成部（出力結果通知手段）６９に供給する。あるいは、音声出力されなかった時のみその旨を通知するのでもよい。
【０２４８】
プレゼンス検知部６４は、携帯電話６０本体のプレゼンス情報を検知するためのものである。より具体的には、携帯電話６０に備えられている音声出力部９４のスピーカフォン音声出力部８（および、受話器音声出力部６）がアクティブであるか否かを検知する。
【０２４９】
プレゼンス検知部６４は、内証話識別部６３から供給された送信情報４６を受け取ると、スピーカフォン音声出力部８がアクティブであるか否か、すなわち、スピーカフォンの状態であるか否かを検知する。ここで、携帯電話６０が、スピーカフォンの状態であると検知すれば、受信した内証話情報を、メッセージ出力部６６には出力せずに、録音制御部６７（あれば）に供給する。反対に、携帯電話６０が、スピーカフォンの状態でないと検知すれば、上記内証話情報をメッセージ出力部６６に供給する。
【０２５０】
メッセージ出力部６６は、携帯電話６０で発生する情報を、表示部５および音声出力部９４に供給するためのものである。映像信号であれば、表示部５に、音声信号であれば、音声出力部９４に供給する。メッセージ出力部６６は、送信情報４６が供給されると、該送信情報が含む送信メッセージ４８を音声信号として音声出力部９４に出力する。なお、音声出力部９４に音声信号が供給されると、受話器音声出力部６、イヤフォン音声出力部７、スピーカフォン音声出力部８のうち、アクティブになっている音声出力部からのみ音声が出力される。
【０２５１】
なお、携帯電話６０は、さらに、録音部９およびメモリ９３を制御する録音制御部６７を含んでいてもよい。これら録音制御部６７、録音部９およびメモリ９３は、内証話情報記憶部（内証話記憶手段）５８を構成している。これにより、プレゼンス検知部６４が、受信した内証話情報をメッセージ出力部６６に供給しなかった場合でも、該内証話情報を録音することが可能となる。なお、メモリ９３に複数の録音内証話情報を記憶しておく場合は、図１１に示す「送信元端末ＩＤ」や「録音開始（終了）時刻」などのような情報に、録音内証話情報を関連付けた録音管理リスト（図示せず）を作成すればよい。これにより、録音内証話情報が複数存在しても、それを一意に特定し、管理することが可能となる。
【０２５２】
さらに、携帯電話６０は、携帯電話Ａからの内証話内証話情報を携帯電話Ｂ宛てに受信したことを該携帯電話Ｂのユーザに通知するための受信情報生成部（受信通知手段）６８を含んでいてもよい。この場合、内証話情報が受信され、出力されずにいることを、携帯電話Ｂのユーザは認識することができる。また、送信内証話情報の配信結果などを送信元の携帯電話Ａに通知するための出力結果情報生成部６９を含んでいてもよい。ここで生成された出力結果情報は、無線送信部６２を介して携帯電話Ａに送信される。これにより、携帯電話Ｂにおいて、内証話情報がまだ出力されていないことを、送信元である携帯電話Ａのユーザは認識することができる。
【０２５３】
また、上記出力結果情報は、上記内証話情報記憶部５８により録音内証話情報が再生された場合に、そのことを携帯電話Ａに通知するための情報を含んでいてもよい。
【０２５４】
また、携帯電話６０は、携帯電話６０本体のプレゼンスの変化を監視するプレゼンス監視部（状態監視手段）６５を備えていてもよい。この場合、スピーカフォン音声出力部８の状態の遷移に応じて、自動で、録音した内証話情報を再生することが可能となる。
【０２５５】
これにより、携帯電話６０は本体がスピーカフォンの状態の時に、内証話情報を受信した時には、メッセージ出力部６６へは供給されずに、出力結果情報生成部６９、受信情報生成部６８、および録音制御部６７に供給される。一方、スピーカフォンの状態でない場合は、メッセージ出力部６６により、スピーカフォン音声出力部８以外の音声出力部によってそのまま音声出力される。
【０２５６】
結果として、秘話性の高い会話の音声が受信された場合に、受信端末装置本体のスピーカフォン機能により外部にその音声が漏れることを回避することができる。
【０２５７】
以下、本実施の形態のＰｏＣ通信システム３００における処理の流れを説明する。
【０２５８】
図２０は、ＰｏＣ通信システム３００の各構成要素における、処理の流れを示すシーケンス図である。
【０２５９】
ここでは、送信側の携帯電話の例として携帯電話４０（５０）を適用した携帯電話Ａを、スピーカフォンの状態にある受信側の携帯電話の例として携帯電話６０を適用した携帯電話Ｂを、スピーカフォンの状態でない受信側の携帯電話の例として携帯電話Ｃを用いて説明する（図２参照のこと）。
【０２６０】
まず、携帯電話Ａが、上述の方法を用いて、図６に示す送信情報４６を携帯電話Ｂおよび携帯電話Ｃに宛てて、ＰｏＣサーバに送信する（Ｓ５０１）。この時の送信情報４６のヘッダ４７には、内証話フラグと、宛先情報として、携帯電話Ｂと携帯電話Ｃの情報が含まれている。
【０２６１】
ＰｏＣサーバは、受信した送信情報４６のヘッダ４７を解析し（Ｓ５０２）、宛先となる携帯電話Ｂおよび携帯電話Ｃに受信した送信情報４６を配信する。
【０２６２】
上記送信情報４６をＰｏＣサーバより受信した、携帯電話Ｂ（およびＣ）は、受信した送信情報４６のヘッダ４７を解析し、内証話フラグの有無によって、送信情報４６が内証話情報か否かを判断する（Ｓ５０３）。
【０２６３】
ここで、携帯電話Ｂ（およびＣ）が、送信情報４６が送信メッセージを含んだ通常の送信情報と判断した場合には（Ｓ５０３のＮｏ）、そのまま送信情報４６を音声出力し（Ｓ５０４）、処理を終了する。
【０２６４】
一方、送信情報４６が内証話メッセージを含む内証話情報であると判断した時、携帯電話Ｂ（およびＣ）は、携帯電話Ｂ（およびＣ）本体のプレゼンスをそれぞれ確認する（Ｓ５０５）。
【０２６５】
ここで、携帯電話Ｃは、自身がスピーカフォンの状態でないことを検知し（Ｓ５０５のＮｏ）、Ｓ５０４に移行してスピーカフォン音声出力部８（図１９）以外の音声出力部により音声を出力して処理を終了する。
【０２６６】
反対に、携帯電話Ｂは、自身がスピーカフォンの状態であることを検知し（Ｓ５０５のＹｅｓ）、内証話情報の録音を行う（Ｓ５０６）。またここで、受信情報を生成し、内証話情報を受信したことを表示部５に表示してもよい（Ｓ５０７）。さらに、携帯電話Ｂは、出力結果情報を生成し、上記受信した内証話情報を音声にてまだ出力していない旨をＰｏＣサーバに通知してもよい（Ｓ５０８）。上記出力結果情報は、ＰｏＣサーバを経由して、携帯電話Ａに送信される。携帯電話Ａが上記出力結果情報を受信すると、携帯電話Ａの表示部５に、音声未出力の携帯電話の情報が表示される（Ｓ５０９）。
【０２６７】
これにより、内証話情報が受信された場合に、携帯電話本体のスピーカフォン機能により外部にその音声が漏れることを回避することができる。
【０２６８】
さらに、図１９に示す通り、携帯電話６０がプレゼンス監視部６５を備えている場合には、携帯電話６０がスピーカフォンの状態でなくなった時に、それを検知して、自動で録音した内証話情報を音声出力することが可能となる。その処理の流れを、同じく図２０のシーケンスを参照しながら以下に説明する。
【０２６９】
上記Ｓ５０６にて、内証話情報が録音されると、携帯電話Ｂは、自身のプレゼンス監視を開始する（Ｓ５１０）。
【０２７０】
その後、もし、携帯電話Ｂのユーザがイヤフォンを装着するなどして、携帯電話Ｂのプレゼンスが変更されたら（Ｓ５１１）、携帯電話Ｂは、スピーカフォン音声出力部８がアクティブから非アクティブの状態へと遷移したか否かを検知する（Ｓ５１２）。なお、この時、携帯電話Ｂはそのプレゼンスの変化をプレゼンスサーバ１０１に通知してもよい。
【０２７１】
続いて、携帯電話Ｂ自身がスピーカフォンの状態でないことを検知した時に（Ｓ５１２のＹｅｓ）、携帯電話Ｂは、録音した内証話情報を自動で再生する（Ｓ５１３）。そして、内証話メッセージ情報を再生したことを通知するための出力結果情報を生成し、それを、ＰｏＣサーバを経由して携帯電話Ａに送信してもよい。上記出力結果情報を受信した携帯電話Ａは、携帯電話Ａが送信した内証話情報を、携帯電話Ｂが再生したことを表示部５に表示し（Ｓ５１４）、携帯電話Ａのユーザに通知する。
【０２７２】
上記の方法により、携帯電話のプレゼンスの変更に応じて、自動で、録音した内証話メッセージを再生することが可能となる。
【０２７３】
〔実施の形態６〕
なお、本発明に係るＰｏＣ通信システム３００において、携帯電話Ｂが、内証話情報を録音して保存する代わりに、内証話情報に含まれる内証話メッセージをテキストデータに変換し、携帯電話Ｂがスピーカフォンの状態の時には、それを出力するようにしてもよい。この場合の携帯電話７０を適用した携帯電話Ｂおよびそれを含むＰｏＣ通信システム３００について、以下に説明する。
【０２７４】
図２１は、図２に示すＰｏＣ通信システム３００における、携帯電話７０の要部構成を示すブロック図である。携帯電話７０において、図１９の携帯電話６０と異なる点は、内証話情報記憶部５８の代わりに、主制御部１の内部に受信した内証話情報に含まれる、音声による内証話メッセージをテキストデータに変換するテキスト変換部（テキスト変換手段）７４を有し、受信情報生成部６８ではなく、出力テキスト情報生成部７５および開封情報生成部７６を有している点である。
【０２７５】
なお、図２１の残りの各構成要素に付された番号は、図１９の各構成要素に付された番号に対応しており、同じ符号は、同じ構成要素を示している。
【０２７６】
無線通信部２は、ＰｏＣサーバからのデータを無線で受信する無線受信部６１と、ＰｏＣサーバへデータを無線で送信する無線送信部７１とを含む。
【０２７７】
無線受信部６１を介してＰｏＣサーバから送信情報４６が受信されると、内証話識別部６３により、それが内証話情報であると識別された場合には、プレゼンス検知部（状態検知手段）７２に供給される。
【０２７８】
プレゼンス検知部７２は、携帯電話Ｂ本体が、自身がスピーカフォンの状態であるか否かを判定するためのものである。もし、携帯電話Ｂがスピーカフォンの状態でないと判定すれば、受信した内証話情報に含まれる内証話メッセージはメッセージ出力部（メッセージ出力手段）７３を介して音声のまま出力される。
【０２７９】
一方、携帯電話Ｂがスピーカフォンの状態であることを検知すると、プレゼンス検知部７２は、上記内証話情報をテキスト変換部７４に供給する。
【０２８０】
なお、プレゼンス検知部７２は、携帯電話Ｂがスピーカフォンの状態であることを検知した時に、出力結果情報生成部６９や出力テキスト情報生成部７５に対し、内証話メッセージをまだ音声にて出力していないことを通知してもよい。
【０２８１】
テキスト変換部７４は、音声認識によって、入力された内証話情報に含まれる音声データによる内証話メッセージをテキスト変換し、テキスト内証話メッセージを生成するためのものである。
【０２８２】
生成された上記テキスト内証話メッセージは、出力テキスト情報生成部７５に供給されるとともに、メッセージ出力部７３を介して、表示部５に供給される。
【０２８３】
出力テキスト情報生成部７５は、（１）音声内証話メッセージが出力されなかったことと、（２）携帯電話Ｂにて出力される、テキスト変換部７４によって生成されたテキスト内証話メッセージの内容とを含んだ、「出力テキスト情報」を生成するためのものである。上記出力テキスト情報は、内証話情報の送信元である携帯電話Ａに対して、無線送信部７１を介して送信される。
【０２８４】
これにより携帯電話Ａのユーザは、携帯電話Ｂが音声を出力していないことを把握するとともに、代わりにどんな文章が出力されたのかを確認することができる。
【０２８５】
開封情報生成部７６は、携帯電話Ｂが、上記テキスト内証話メッセージを開封したことを携帯電話Ａに通知するための開封情報を生成するためのものである。生成された開封情報も、無線送信部７１を介して携帯電話Ａに送信される。
【０２８６】
これにより携帯電話Ａのユーザは、上記テキスト内証話メッセージが宛先の携帯電話Ｂにより開封されたことを確認することができる。
【０２８７】
以上のことから、内証話情報の宛先の携帯電話Ｂが、スピーカフォンの状態であった場合に、受信した内証話情報に含まれる内証話メッセージをテキストデータに変換して、出力することができる。結果として、ユーザは、スピーカフォンの機能の解除を待たずに、リアルタイムで内証話メッセージを認識することができる。
【０２８８】
以下、本実施の形態のＰｏＣ通信システム３００における処理の流れを説明する。
【０２８９】
図２２は、ＰｏＣ通信システム３００の各構成要素における、処理の流れを示すシーケンス図である。
【０２９０】
ここでは、送信側の携帯電話の例として携帯電話４０（５０）を適用した携帯電話Ａを、スピーカフォンの状態にある受信側の携帯電話の例として携帯電話７０を適用した携帯電話Ｂを、スピーカフォンの状態でない受信側の携帯電話の例として携帯電話Ｃを用いて説明する（図２参照のこと）。
【０２９１】
携帯電話Ａが送信情報４６をＰｏＣサーバに送信してから、スピーカフォンの状態でない携帯電話Ｃのみが、内証話メッセージを出力するまでの処理の流れ（Ｓ５０１〜Ｓ５０５）は、実施の形態５における図２０の処理の流れと同様であるので、ここでは説明を省略する。
【０２９２】
Ｓ５０５にて、自身がスピーカフォンの状態であると検知した携帯電話Ｂは、受信した内証話情報に含まれる、音声データによる内証話メッセージをテキスト変換し、テキストデータによる内証話メッセージ（テキスト内証話メッセージ）を生成する（Ｓ６０１）。この時、携帯電話Ｂの表示部５には内証話情報を受信したことのみを通知し、内証話メッセージの内容を表示せず、ユーザの指示に応じて開封されるようにしてもよい。
【０２９３】
また、携帯電話Ｂは、上記Ｓ６０１のテキスト変換が正しく行われたかを携帯電話Ａのユーザが確認できるよう、変換したテキスト内証話メッセージを含む出力テキスト情報を生成して携帯電話Ａに送信する（Ｓ６０２）。出力テキスト情報を受信した携帯電話Ａは、携帯電話Ｂにおいて、内証話メッセージが音声にて出力されなかったことと、代わりに出力されたテキストに変換された内証話メッセージを表示部５に表示する（Ｓ６０３）。
【０２９４】
一方、携帯電話Ｂでは、Ｓ６０１にて、内証話情報受信の通知を受けた後、携帯電話Ｂのユーザが、上記テキスト内証話メッセージの封書を開封する（Ｓ６０４）。この時、上記テキスト内証話メッセージが開封されたことを示す開封情報を生成し（Ｓ６０５）、ＰｏＣサーバを介して、携帯電話Ａに送信する。
【０２９５】
以上のことから、内証話情報の宛先の携帯電話Ｂが、スピーカフォンの状態であった場合に、受信した内証話情報に含まれる内証話メッセージをテキストデータに変換して、出力することができる。結果として、秘話性の高い会話の音声を外部に漏らすことなく、スピーカフォンの機能の解除を待たずに、ユーザは、リアルタイムで内証話メッセージを確認ことができる。
【０２９６】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【０２９７】
最後に、ＰｏＣサーバ１０（２０、３０）および携帯電話４０（５０、６０、７０、８０）の各ブロック、特に内証話識別部１６（６３）およびプレゼンス検知部１７（３４、６４、７２）は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにＣＰＵを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【０２９８】
すなわち、ＰｏＣサーバ１０（２０、３０）および携帯電話４０（５０、６０、７０、８０）は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するＣＰＵ（central processing unit）、上記プログラムを格納したＲＯＭ（read only memory）、上記プログラムを展開するＲＡＭ（random access memory）、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置（記録媒体）などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるＰｏＣサーバ１０（２０、３０）および携帯電話４０（５０、６０、７０、８０）の制御プログラムのプログラムコード（実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム）をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記ＰｏＣサーバ１０（２０、３０）および携帯電話４０（５０、６０、７０、８０）に供給し、そのコンピュータ（またはＣＰＵやＭＰＵ）が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【０２９９】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー（登録商標）ディスク／ハードディスク等の磁気ディスクやＣＤ−ＲＯＭ／ＭＯ／ＭＤ／ＤＶＤ／ＣＤ−Ｒ等の光ディスクを含むディスク系、ＩＣカード（メモリカードを含む）／光カード等のカード系、あるいはマスクＲＯＭ／ＥＰＲＯＭ／ＥＥＰＲＯＭ／フラッシュＲＯＭ等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【０３００】
また、ＰｏＣサーバ１０（２０、３０）および携帯電話４０（５０、６０、７０、８０）を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを、通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、ＬＡＮ、ＩＳＤＮ、ＶＡＮ、ＣＡＴＶ通信網、仮想専用網（virtual private network）、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、ＩＥＥＥ１３９４、ＵＳＢ、電力線搬送、ケーブルＴＶ回線、電話線、ＡＤＳＬ回線等の有線でも、ＩｒＤＡやリモコンのような赤外線、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）、８０２．１１無線、ＨＤＲ、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【０３０１】
本発明に係るサーバ装置は、上記の課題を解決するために、送信端末装置が送信情報を受信端末装置に送信するための通信を制御するサーバ装置において、受信した送信情報に含まれる識別情報を検知して、該送信情報が内証話情報であることを識別する内証話識別手段と、上記送信情報の宛先となる受信端末装置がスピーカフォンの状態であるか否かを検知する端末情報検知手段と、上記受信した送信情報を該送信情報の宛先となる受信端末装置に配信する情報配信手段とを備え、上記情報配信手段は、スピーカフォンの状態でないと検知された宛先の受信端末装置にのみ、音声による内証話情報を配信することを特徴としている。
【０３０２】
上記構成によれば、送信端末装置より受信した送信情報が内証話情報である場合、内証話識別手段が、そのことを示す識別情報を上記送信情報から見つけ出し、そのことによって上記送信情報が内証話メッセージを含む内証話情報であることを識別する。次に、端末情報検知手段は、入力された上記内証話情報が含む宛先情報から、宛先となる受信端末装置を特定し、受信端末装置がスピーカフォンの状態か否かを検知する。
【０３０３】
もし、宛先の受信端末装置がスピーカフォンの状態ではないと検知されれば、上記情報配信手段は、上記内証話情報をその受信端末装置に配信する。
【０３０４】
一方、宛先の受信端末装置がスピーカフォンの状態であると検知されれば、上記情報配信手段は、上記内証話情報を配信しない。
【０３０５】
これにより、送信端末装置により送信される内証話情報は、スピーカフォンの状態でない受信端末装置にのみ配信される。
【０３０６】
従って、もし、送信端末装置が、内証話の音声を受信端末装置宛てに送信したとしても、宛先の受信端末装置がスピーカフォンの機能により音声を外部に出力する状態になっている場合には、その受信端末装置には、上記の内証話の音声が配信されないようになる。
【０３０７】
以上のことから、もし上記内証話情報に含まれる会話の内容が、関係者以外に聞かれてはならない秘話性の高いものであっても、それが受信端末装置により出力されることで外部に漏れる危険を回避することができる。
【０３０８】
本発明に係るサーバ装置は、受信した内証話情報を宛先の受信端末装置に配信したか否かを上記送信端末装置に通知する配信結果通知手段を備えていてもよい。
【０３０９】
これにより、送信端末装置のユーザは、どの受信端末装置に内証話情報を送信できなかったのかを認識することができる。
【０３１０】
本発明に係るサーバ装置は、上記送信端末装置からの内証話情報を受信端末装置宛てに受信したことを該受信端末装置に通知する受信通知手段を備えていてもよい。
【０３１１】
これにより、受信端末装置のユーザは、自身の装置が内証話情報を受信できない状態でも、内証話情報が自身の装置宛てに送られたことを認識することができる。
【０３１２】
本発明に係るサーバ装置は、さらに、受信した内証話情報を上記宛先の受信端末装置に関連付けて記憶する内証話記憶手段を備えていてもよい。
【０３１３】
これにより、受信端末装置が、スピーカフォンの状態であるなどの理由で、自装置宛ての内証話情報をリアルタイムで受信できなくても、それ受信できる状態になった後に、上記受信端末装置に対して、上記内証話情報を配信することが可能となる。
【０３１４】
なお、上記情報配信手段は、上記内証話記憶手段に記憶された内証話情報の配信の要求を、上記内証話情報の宛先の受信端末装置より受け付け、上記宛先の受信端末装置に関連付けて記憶された、要求された内証話情報を、上記内証話記憶手段から読み出して、上記宛先の受信端末装置に配信してもよい。
【０３１５】
これにより、自装置宛ての内証話情報をリアルタイムで受信できなかった受信端末装置からの要求に応じて、上記内証話情報を上記受信端末装置に配信することが可能となる。
【０３１６】
本発明に係るサーバ装置は、さらに、上記内証話記憶手段に記憶された内証話情報の宛先の受信端末装置がスピーカフォンの状態を解除したか否かを監視する端末情報監視手段を備え、上記情報配信手段は、上記端末情報監視手段が、上記宛先の受信端末装置がスピーカフォンの状態を解除したことを検知した時に、該宛先の受信端末装置に関連付けて記憶された内証話情報を該宛先の受信端末装置に配信してもよい。
【０３１７】
上記構成によれば、上記内証話記憶手段に内証話情報が記憶されると、上記端末情報監視手段は、上記内証話情報の宛先となる受信端末装置の状態を監視する。上記受信端末装置がスピーカフォンの状態を解除した時、上記端末情報監視手段は、その解除を検知し、上記情報配信手段は、それ応じて、該宛先の受信端末装置に関連付けて記憶された内証話情報を該宛先の受信端末装置に配信する。
【０３１８】
これにより、未配信のまま上記内証話記憶手段に記憶された内証話情報を、その宛先の受信端末装置がスピーカフォンの状態を解除したのに応じて自動で、上記受信端末装置に配信することが可能となる。
【０３１９】
本発明に係るサーバ装置は、さらに、受信した音声による内証話情報をテキスト形式に変換するテキスト変換手段を備え、上記情報配信手段は、スピーカフォンの状態であると検知された宛先の受信端末装置に、テキスト形式に変換した上記内証話情報を配信するようにしてもよい。
【０３２０】
上記構成によれば、内証話情報を送信端末装置より受信した場合、スピーカフォンの状態でない受信端末装置にのみ、上記音声による内証話情報を配信し、スピーカフォンの状態である受信端末装置には、上記内証話情報のテキスト情報を配信する。
【０３２１】
これにより、秘話性の高い会話の音声が外部に漏れるのを回避し、かつ、スピーカフォンの状態の解除を待たずに、リアルタイムで内証話メッセージを受信端末装置に届けることができる。
【０３２２】
本発明に係る受信端末装置は、上記の課題を解決するために、外部の送信端末装置により送信された送信情報を、サーバ装置を介して受信する、スピーカフォン機能を有する受信端末装置において、上記送信情報に含まれる送信メッセージをユーザに提示するためのメッセージ提示手段と、上記メッセージ提示手段がスピーカフォンの状態を解除したか否かを監視する状態監視手段と、上記サーバ装置に対して上記送信情報の配信要求を行う情報配信要求手段とを備え、上記情報配信要求手段は、自装置宛ての送信情報を受信したこと通知する受信通知をサーバ装置より受信した場合、上記状態監視手段により上記メッセージ提示手段がスピーカフォンの状態でないと検知された時に、上記サーバ装置に対して上記送信情報の配信要求を行うことを特徴としている。
【０３２３】
上記構成によれば、上記サーバ装置より、自装置宛ての送信情報を受信した旨の通知を受け取ると、上記状態監視手段が上記メッセージ提示手段の状態を監視する。メッセージ提示手段がスピーカフォンの状態を解除した時、上記状態監視手段は、その解除を検知し、上記情報配信要求手段は、それに応じて、上記サーバ装置に対して上記送信情報の配信要求を行う。
【０３２４】
これにより、未受信のままサーバ装置に記憶された自装置宛ての内証話情報の配信を、上記メッセージ提示手段がスピーカフォンの状態を解除したのに応じて自動で、上記サーバ装置に対して要求することが可能となる。
【０３２５】
本発明に係る通信システムは、上記の課題を解決するために、上述の送信端末装置と、上記送信端末装置から送信された送信情報を該送信情報の宛先となる受信端末装置に配信する、上述のサーバ装置とを含むことを特徴としている。
【０３２６】
上記構成によれば、上記サーバ装置が、上記送信端末装置より送信される送信情報が内証話情報である場合は、スピーカフォンの状態でない宛先の受信端末装置にのみ上記内証話情報を送信するという通信制御を行う。
【０３２７】
これにより、上記内証話情報に含まれる会話の内容が、関係者以外に聞かれてはならない秘話性の高いものであっても、それが受信端末装置により出力されることで外部に漏れる危険を回避することができる通信システムを構築することができる。
【０３２８】
本発明に係る通信システムは、上記の課題を解決するために、上述の送信端末装置と、上記送信端末装置から送信された送信情報を該送信情報の宛先となる受信端末装置に配信する、上述の内証話記憶手段を有するサーバ装置と、上述の情報配信要求手段を有する受信端末装置とを含むことを特徴としている。
【０３２９】
これにより、上記受信端末装置宛ての内証話情報を上記サーバ装置が記憶している場合に、上記受信端末装置は、自装置がスピーカフォンの状態でなくなったことを検知して、自動で上記サーバ装置に対して上記内証話情報の配信を要求することが可能な通信システムを構築することが可能となる。
【０３３０】
本発明に係る通信制御方法は、上記の課題を解決するために、送信端末装置が送信情報を受信端末装置に送信するための通信を制御するサーバ装置の通信制御方法であって、受信した送信情報に含まれる識別情報を検知し、該送信情報が内証話情報であることを識別する識別ステップと、上記内証話情報の宛先となる受信端末装置がスピーカフォンの状態であるか否かを検知する検知ステップと、上記送信情報を該送信情報の宛先の受信端末装置に配信する情報配信ステップとを含み、上記情報配信ステップは、上記検知ステップにて、スピーカフォンの状態でないと検知された宛先の受信端末装置にのみ、上記識別ステップにて識別された内証話情報を配信することを特徴としている。
【０３３１】
上記方法によれば、上記送信端末装置から内証話情報を受信した際には、上記識別ステップにて、それが内証話情報であることが識別され、上記検知ステップにて、上記内証話情報の宛先となる受信端末装置がスピーカフォンの状態であるか否かが検知される。続いて、上記情報配信ステップにて、上記検知ステップにてスピーカフォンの状態でないと検知された受信端末装置にのみ、上記内証話情報が配信される。
【０３３２】
以上のことから、上記内証話情報に含まれる会話の内容が、関係者以外に聞かれてはならない秘話性の高いものであっても、それが受信端末装置により音声出力されることで外部に漏れる危険を回避することができる。
【０３３３】
本発明に係る情報受信方法は、上記の課題を解決するために、外部の送信端末装置により送信された送信情報を受信する、スピーカフォン機能を有する受信端末装置の情報受信方法であって、受信した送信情報に含まれる識別情報を検知し、該送信情報が内証話情報であることを識別する識別ステップと、上記送信情報に含まれる送信メッセージをユーザに提示するメッセージ提示ステップと、上記メッセージ提示ステップがスピーカフォンの状態にて実行されるか否かを検知する状態検知ステップと、上記送信メッセージを上記メッセージ提示ステップへの入力として出力するメッセージ出力ステップとを備え、上記メッセージ出力ステップは、上記状態検知ステップにて、上記メッセージ提示ステップがスピーカフォンの状態で実行されないと検知された時にのみ、上記識別ステップにて識別された内証話情報に含まれる内証話メッセージを出力することを特徴としている。
【０３３４】
上記方法によれば、上記送信端末装置から内証話情報を受信した際には、上記識別ステップにて、それが内証話情報であることが識別され、上記検知ステップにて、自装置がスピーカフォンの状態であるか否かが検知される。続いて、上記メッセージ出力ステップにて、上記検知ステップにて自装置がスピーカフォンの状態でないと検知された時のみ、上記内証話情報に含まれる内証話メッセージが出力される。
【０３３５】
以上のことから、上記内証話情報に含まれる会話の内容が、関係者以外に聞かれてはならない秘話性の高いものであっても、それが受信端末装置により音声出力されることで外部に漏れる危険を回避することができる。
【０３３６】
本発明に係る情報送信方法は、上記の課題を解決するために、送信情報を受信端末装置に送信する送信端末装置の情報送信方法であって、送信情報作成の指示入力を受け付けるステップと、入力された指示の内容に応じて、作成すべき送信情報が内証話情報であるか否かを判定する判定ステップと、上記作成すべき送信情報が内証話情報であると判定された場合には、上記送信情報が内証話情報であることを示す識別情報を、作成する送信情報に挿入する挿入ステップとを含むことを特徴としている。
【０３３７】
上記方法によれば、送信情報作成の指示入力を受け付けると、判定ステップにて、作成すべき送信情報が内証話情報であるか否かが判定される。上記作成すべき送信情報が内証話情報であると判定された場合には、上記挿入ステップにて、上記送信情報が内証話情報であることを示す識別情報が、作成する送信情報に挿入される。
【０３３８】
これにより、サーバ装置または受信端末装置が、送信情報を受信したときに、該送信情報が内証話情報であるか否かを識別することができる。
【０３３９】
本発明の通信制御プログラムは、上記の課題を解決するために、上述のサーバ装置を動作させる通信制御プログラムであって、コンピュータを上述の各手段として機能させるための通信制御プログラムである。
【０３４０】
この場合、汎用のコンピュータにより簡単に、送信端末装置および受信端末装置の通信の制御を行うことが可能となる。
【０３４１】
本発明の情報受信プログラムは、上記の課題を解決するために、上述の受信端末装置を動作させる情報受信プログラムであって、コンピュータを上述の各手段として機能させるための情報受信プログラムである。
【０３４２】
この場合、汎用のコンピュータにより簡単に、送信情報の受信を行うことが可能となる。
【０３４３】
本発明の情報送信プログラムは、上記の課題を解決するために、上述の送信端末装置を動作させる情報送信プログラムであって、コンピュータを上述の各手段として機能させるための情報送信プログラムである。
【０３４４】
この場合、汎用のコンピュータにより簡単に、送信情報の送信を行うことが可能となる。
【０３４５】
また、上記通信制御プログラム、情報受信プログラム、および情報送信プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録するようにすれば、そのコンピュータを備えているだけで、秘話性の高い会話の音声が送信端末装置より発信された場合に、受信側のスピーカフォン機能により外部にその音声が漏れることを回避することが可能な、サーバ装置、受信端末装置および送信端末装置を簡単に実現することが可能となる。
【０３４６】
本発明に係るサーバ装置は、以上のように、受信した送信情報に含まれる識別情報を検知して、該送信情報が内証話情報であることを識別する内証話識別手段と、上記送信情報の宛先となる受信端末装置がスピーカフォンの状態であるか否かを検知する端末情報検知手段と、上記受信した送信情報を該送信情報の宛先となる受信端末装置に配信する情報配信手段とを備え、上記情報配信手段は、スピーカフォンの状態でないと検知された宛先の受信端末装置にのみ、上記内証話情報を配信する。これにより、秘話性の高い会話の音声が送信端末装置より発信された場合に、受信側のスピーカフォン機能により外部にその音声が漏れることを回避することが可能となるという効果を奏する。
【産業上の利用可能性】
【０３４７】
本発明の受信端末装置またはサーバ装置を用いれば、秘話性の高い会話の音声が送信された場合に、受信側の機器のスピーカフォン機能によって外部にその音声が漏れることを回避することができる。従って、上記の受信端末装置またはサーバ装置を備えた本発明の通信システムを、例えば、携帯電話網を介した携帯電話向けの通信システム、あるいは、多地点電子会議システムに、好適に用いることができる。
【０３４８】
また本発明の送信端末装置および受信端末装置を、通信機能を有する、携帯電話、ポケットベル、ＰＤＡ（Personal Digital Assistant）などの携帯用端末装置、あるいは、パーソナルコンピュータ、ノートパソコンなどの各種情報処理装置、および、テレビ放送受信機、音楽再生装置などの各種視聴覚機器に適用することができる。
【符号の説明】
【０３４９】
１ 主制御部
２ 無線通信部
３ 操作部
４ 音声入力部（音声入力手段）
５ 表示部（表示手段）
６ 受話器音声出力部
７ イヤフォン音声出力部
８ スピーカフォン音声出力部
９ 録音部
１０ ＰｏＣサーバ（サーバ装置）
１１ 主制御部
１２ 通信部
１３ プレゼンス情報記憶部
１４ 情報受信部
１５ 情報配信部（情報配信手段）
１６ 内証話識別部（内証話識別手段）
１７ プレゼンス検知部（端末情報検知手段）
１８ 録音制御部
１９ 通知メッセージ生成部
２０ ＰｏＣサーバ（サーバ装置）
２１ 主制御部
２２ プレゼンス監視部（端末情報監視手段）
３０ ＰｏＣサーバ（サーバ装置）
３１ 主制御部
３２ 情報受信部
３３ 情報配信部（情報配信手段）
３４ プレゼンス検知部（端末情報検知手段）
３５ 配信テキスト情報生成部
３６ 開封情報生成部
３７ テキスト変換部（テキスト変換手段）
４０ 携帯電話（送信端末装置）
４１ 指示信号判定部（指示信号判定手段）
４２ 送信情報作成部
４３ 内証話フラグ挿入部（識別情報挿入手段）
４４ ＰＴＴ操作ボタン
４５ 内証話指示ボタン（内証話指示入力手段）
４６ 送信情報
４７ ヘッダ
４８ 送信メッセージ
４９ 録音管理リスト
５０ 携帯電話（送信端末装置）
５１ 指示信号判定部（指示信号判定手段）
５２ 入力音量計測部（音量計測手段）
５３ 音量計測部
５４ 計時部
５５Ａ 内証話閾値格納部
５５Ｂ 音声閾値格納部
５６ 指示信号生成部
５７ プレゼンス情報リスト
５８ 内証話情報記憶部（内証話記憶手段）
６０ 携帯電話（受信端末装置）
６１ 無線受信部
６２ 無線送信部
６３ 内証話識別部（内証話識別手段）
６４ プレゼンス検知部（状態検知手段）
６５ プレゼンス監視部（状態監視手段）
６６ メッセージ出力部（メッセージ出力手段）
６７ 録音制御部
６８ 受信情報生成部（受信通知手段）
６９ 出力結果情報生成部（出力結果通知手段）
７０ 携帯電話（受信端末装置）
７１ 無線送信部
７２ プレゼンス検知部（状態検知手段）
７３ メッセージ出力部（メッセージ出力手段）
７４ テキスト変換部（テキスト変換手段）
７５ 出力テキスト情報生成部
７６ 開封情報生成部
８０ 携帯電話（受信端末装置）
８２ 無線受信部
８３ 無線送信部
８４ 情報受信部
８５ プレゼンス監視部（状態監視手段）
８６ 情報出力部
８７ 情報配信要求部（情報配信要求手段）
９０ 無線通信アンテナ
９１ カメラ部
９２ ＬＥＤ
９３ メモリ
９４ 音声出力部（メッセージ提示手段）
１００ ＰｏＣ通信システム（通信システム）
１０１ プレゼンスサーバ
１０２ 基地局制御装置
１０３ 基地局
１０４ 無線通信網
１８０ 内証話情報記憶部（内証話記憶手段）
１８１ 録音部
１８２ メモリ
１９１ 配信結果情報生成部（配信結果通知手段）
１９２ 受信情報生成部（受信通知手段）
２００ ＰｏＣ通信システム（通信システム）
３００ ＰｏＣ通信システム（通信システム）
【技術分野】
【０００１】
本発明は、例えば携帯電話を用いたＰｏＣ（Push-to Talk over Cellular）通信のグループセッションのように、音声などを同時かつ双方向にやり取りすることで多地点電子会議を実現する受信端末装置、送信端末装置、通信システム、情報受信方法、情報送信方法、情報受信プログラム、情報送信プログラムおよび記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
近年、音声を使ったアプリケーションとして、Push-to-Talk（ＰＴＴ）が注目を浴びている。ＰＴＴは、インターネットプロトコル（ＩＰ）を利用してデータ通信網で通話を行う、いわゆるＶｏＩＰ（Voice over Internet Protocol）の１つである。特に今日、携帯電話やＰＤＡなどの携帯用の通信端末装置でＰＴＴを実現するための通信手段として、Push-to-Talk over Cellular（ＰｏＣ）が開発されており、特に携帯電話への搭載が検討されている。
【０００３】
ＰｏＣとは、「押して、話す」（Push-to-Talk）というトランシーバのような通話のスタイルを、携帯電話などの通信端末装置で実現するための技術およびサービスのことをいう。
【０００４】
ＰｏＣ通信は、データの伝送は双方から可能であるが、データの伝送は、常に一方からもう一方への一方向に限られる半二重通信方式を採用している。つまり、ＰｏＣ通信は、トランシーバと同様、通話用のボタンを押している間のみ、接続した相手に音声を送ることができ、その間は相手からの音声を受け取ることができない。
【０００５】
しかし、従来の携帯電話のように相手の電話番号をダイヤルするのではなく、通話可能な相手を選択しボタンを押すことで、わずか数秒で接続できるというメリットがある。また、従来の回線交換方式と違ってデータ通信網を使うため、通話コストが安くなるというメリットも大きい。
【０００６】
さらに、このＰｏＣ通信によれば、１対１の通信だけではなく、グルーピングした複数の相手との同時接続（グループセッション）が可能である。これにより、通話ボタンを押している携帯電話は、上記グルーピングした複数の携帯電話に音声を一斉送信することができる。
【０００７】
図２３は、ＰｏＣ通信による上記グループセッションの一例を示した図である。ここには、ある通信事業者の提供する携帯電話サービスに加入するユーザの携帯電話（Ａ〜Ｅ）が示されている。各携帯電話は、上記通信事業者が提供する基地局１０３および無線通信網１０４を介して、互いに通信することが可能である。例えば、携帯電話Ａのユーザ（ユーザＡ）が、グループセッションを行うために、携帯電話ＢからＥのユーザ（ユーザＢ〜Ｅ）をグループＧとして登録したとする。ユーザＡは、登録したグループＧを選択して、通話ボタンを一押しするだけでよい。これにより、ユーザＡは、基地局１０３および無線通信網１０４を介して、グループＧに登録されたユーザ（メンバ）Ｂ〜Ｅの携帯電話へ、自分の音声を送信することが可能となる。
【０００８】
上記の技術を用いることにより、発話者は、電子メールを送ったり電話をかけたりする代わりに、グループに登録されたメンバ全員に対して、ボタンを一押しするだけで、自分の音声を一斉に送信することができる。例えば、職場の責任者全員を対象にして電話会議をキー操作１つで実現することなどが可能となる。
【０００９】
また、特許文献１には、同一回線に接続されている１つまたは複数の特定端末を鳴動させることができる電話装置が開示されている。各端末には、あらかじめ着信を可能にする条件となる単語群が登録されており、発呼者からの音声が音声認識部で認識され、その音声から登録した単語が検出された場合に、その単語を登録している端末のみを鳴動させる。これにより、発呼者は、どのような単語を発話するかによって、着信相手となる端末を選択することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【００１０】
【特許文献１】特開平１１−２２０５１６号公報（１９９８年８月１０日公開）
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【００１１】
しかしながら、上記従来の通話方法では以下のような問題が生じる。
【００１２】
具体的には、通話時に、送受信端末装置（携帯電話）にて音声を送受信する方法としては、例えば、電話と同様に受話器を耳に当てて使ったり、イヤフォンをつけて、あるいは、該送受信端末装置をスピーカフォンにして画面を見ながら音声を聞いたり（発話したり）することが考えられる。
【００１３】
しかし、上述のＰｏＣ通信により責任者のみの重要な会議を行う場合のように、そのＰｏＣ通信により行われている会話の内容が、関係のない人に聞かれてはよくないような秘話性の高いものである時、ＰｏＣ通信により音声を受信するグループのメンバの中で、受信端末装置をスピーカフォンにして音声を受信している人がいると、その周辺に話が漏れてしまう可能性がある。
【００１４】
このような事態を回避するために、発話者は、各メンバにスピーカフォンにしていないことを確認してから、音声を送信する、あるいは、スピーカフォンにしていないメンバを確認してから、そのメンバのみに音声を送信するなどしなくてはならないということなる。このような動作は、非効率的で現実的ではないし、何より、キー操作１つで音声を送信できるという、ＰｏＣ通信のメリットを享受できない。
【００１５】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、秘話性の高い会話の音声が送信端末装置より発信された場合に、受信側のスピーカフォン機能により外部にその音声が漏れることを回避することが可能な、受信端末装置、送信端末装置、通信システム、情報受信方法、情報送信方法、情報受信プログラム、情報送信プログラムおよび記録媒体を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【００１６】
本発明に係る受信端末装置は、上記の課題を解決するために、外部の送信端末装置により送信された送信情報を受信する、スピーカフォン機能を有する受信端末装置において、受信した送信情報に含まれる送信メッセージをユーザに提示するためのメッセージ提示手段と、上記送信メッセージを上記メッセージ提示手段に出力するメッセージ出力手段と、上記送信情報に含まれる識別情報を検知して、該送信情報が内証話情報であることを識別する内証話識別手段と、上記メッセージ提示手段がスピーカフォンの状態であるか否かを検知する状態検知手段とを備え、上記メッセージ出力手段は、上記メッセージ提示手段がスピーカフォンの状態でないと検知された時のみ、上記内証話情報に含まれる音声による内証話メッセージを出力することを特徴としている。
【００１７】
上記構成によれば、送信端末装置より受信した送信情報が内証話情報である場合、内証話識別手段が、そのことを示す識別情報を上記送信情報から見つけ出し、そのことによって上記送信情報が内証話メッセージを含む内証話情報であることを識別する。次に、状態検知手段は、自装置がスピーカフォンの状態か否かを検知する。
【００１８】
自装置がスピーカフォンの状態ではないと検知されれば、上記メッセージ出力手段は、上記内証話情報に含まれる内証話メッセージを上記メッセージ提示手段に出力する。
【００１９】
一方、自装置がスピーカフォンの状態であると検知されれば、上記メッセージ出力手段は、上記内証話メッセージを出力しない。
【００２０】
これにより、送信端末装置により送信される内証話情報は、スピーカフォンの状態でない時のみ、上記受信端末装置により出力される。
【００２１】
従って、もし、送信端末装置が、内証話の音声を受信端末装置宛てに送信したとしても、宛先の受信端末装置がスピーカフォンの機能により音声を外部に出力する状態になっている場合には、その受信端末装置が、自身が受信した内証話の音声を出力しないようになる。
【００２２】
以上のことから、上記内証話情報に含まれる会話の内容が、関係者以外に聞かれてはならない秘話性の高いものであっても、それが受信端末装置により出力されることで外部に漏れる危険を回避することができる。
【００２３】
本発明に係る受信端末装置は、さらに、上記内証話メッセージを出力したか否かを上記送信端末装置に通知する出力結果通知手段を備えていてもよい。
【００２４】
これにより、送信端末装置のユーザは、どの受信端末装置に内証話情報を送信できなかったのかを認識することができる。
【００２５】
本発明に係る受信端末装置は、さらに、上記送信端末装置からの内証話情報を受信したことをユーザに通知する受信通知手段を備えていてもよい。
【００２６】
これにより、受信端末装置のユーザは、自身の装置が内証話情報を受け取れない状態であっても、その内証話情報が自身の装置宛てに送られたことを認識することができる。
【００２７】
本発明に係る受信端末装置は、さらに、上記内証話メッセージを記憶する内証話記憶手段を備えていてもよい。
【００２８】
これにより、スピーカフォンの状態であるなどの理由で受信した内証話情報をリアルタイムで出力することができなくても、出力できる状態になった後で記憶した内証話を出力することができる。
【００２９】
本発明に係る受信端末装置は、さらに、上記メッセージ提示手段がスピーカフォンの状態を解除したか否かを監視する状態監視手段を備え、上記メッセージ出力手段は、上記状態監視手段が、上記メッセージ提示手段がスピーカフォンの状態を解除したことを検知した時に、上記記憶された内証話メッセージを出力してもよい。
【００３０】
上記構成によれば、上記内証話記憶手段に内証話情報が記憶されると、上記状態監視手段は、自装置のメッセージ提示手段状態を監視する。メッセージ提示手段がスピーカフォンの状態を解除した時、上記状態監視手段は、その解除を検知し、上記メッセージ出力手段は、それに応じて、上記内証話記憶手段に記憶された内証話情報を上記メッセージ提示手段に出力する。
【００３１】
これにより、未出力のまま上記内証話記憶手段に記憶された内証話情報を、上記メッセージ提示手段がスピーカフォンの状態を解除したのに応じて自動で、出力することが可能となる。
【００３２】
本発明に係る受信端末装置は、さらに、音声による内証話メッセージをテキスト形式に変換するテキスト変換手段と、テキスト形式に変換した上記内証話メッセージを表示する表示手段とを備え、上記メッセージ出力手段は、上記テキスト変換手段によってテキスト形式に変換された上記内証話メッセージを上記表示手段に出力するようにしてもよい。
【００３３】
上記構成によれば、自装置がスピーカフォンの状態でない時のみ、音声による内証話情報を出力し、スピーカフォンの状態である時には、その内証話情報のテキスト情報を出力する。出力されたテキスト情報は、表示手段に表示されることにより、ユーザに視認される。
【００３４】
これにより、秘話性の高い会話の音声が外部に漏れるのを回避し、かつ、スピーカフォンの状態の解除を待たずに、リアルタイムで内証話メッセージを出力することができる。
【００３５】
本発明に係る送信端末装置は、上記の課題を解決するために、送信情報を受信端末装置に送信する送信端末装置において、送信情報作成の指示入力を受け付け、入力された指示の内容に応じて、作成すべき送信情報が内証話情報であるか否かを判定する指示信号判定手段と、作成すべき送信情報が内証話情報であると判定された場合には、上記送信情報が内証話情報であることを示す識別情報を、該送信情報に挿入する識別情報挿入手段とを備えていることを特徴としている。
【００３６】
上記構成によれば、上記指示信号判定手段は、自装置に入力される送信情報作成の指示信号の内容から、作成すべき送信情報が内証話情報であるか否かを判定する。作成すべき送信情報が内証話情報であると判定すると、上記識別情報挿入手段は、作成した送信情報が内証話情報であることを示す識別情報を、該送信情報に挿入する。
【００３７】
これにより、サーバ装置または受信端末装置が、送信情報を受信したときに、該送信情報が内証話情報であるか否かを識別することができる。
【００３８】
本発明に係る送信端末装置は、さらに、内証話情報の送信指示を、上記送信端末装置に対して入力するための内証話指示入力手段を備え、上記指示信号判定手段は、上記内証話指示入力手段を介して入力された上記送信指示により、作成すべき送信情報が内証話情報であると判定することを特徴としている。
【００３９】
これにより、通常の送信情報を送信する指示入力と内証話情報を送信する指示入力とを区別して、１の送信端末装置対して行うことができる。
【００４０】
本発明に係る送信端末装置は、さらに、送信する音声の入力を受け付ける音声入力手段と、上記音声入力手段を介して入力された音声の音量を計測する音量計測手段とを備え、上記指示信号判定手段は、上記音量計測手段の計測結果に基づき、作成すべき送信情報が内証話情報であるか否かを判定することを特徴としている。
【００４１】
ユーザは、内証話情報を送信する指示入力のために別途操作を必要とせず、声の音量を下げるだけで内証話情報を送信する指示を入力することができる。
【００４２】
本発明に係る通信システムは、上記の課題を解決するために、送信端末装置が送信情報を受信端末装置に送信するための通信を制御するサーバ装置を有する通信システムにおいて、上述の送信端末装置と、上記サーバ装置から配信された、上記送信端末装置による送信情報を受信する、上述の受信端末装置とを含むことを特徴としている。
【００４３】
上記構成によれば、上記送信端末装置より送信される送信情報が内証話情報である場合は、上記受信端末装置は、自装置がスピーカフォンの状態でない時のみ上記内証話情報を出力するという制御を行う。
【００４４】
これにより、上記内証話情報に含まれる会話の内容が、関係者以外に聞かれてはならない秘話性の高いものであっても、それが受信端末装置により出力されることで外部に漏れる危険を回避することができる通信システムを構築することが可能となる。
【００４５】
本発明に係る情報受信方法は、上記の課題を解決するために、外部の送信端末装置により送信された送信情報を受信する、スピーカフォン機能を有する受信端末装置の情報受信方法であって、受信した送信情報に含まれる識別情報を検知し、該送信情報が内証話情報であることを識別する識別ステップと、上記受信端末装置が備える、上記送信情報に含まれる送信メッセージをユーザに提示するためのメッセージ提示手段がスピーカフォンの状態であるか否かを検知する状態検知ステップと、上記送信メッセージを上記メッセージ提示手段へ出力するメッセージ出力ステップとを含み、上記メッセージ出力ステップでは、上記状態検知ステップにて、上記メッセージ提示手段がスピーカフォンの状態でないと検知された時にのみ、上記識別ステップにて識別された内証話情報に含まれる音声による内証話メッセージを出力することを特徴としている。
【００４６】
上記方法によれば、上記送信端末装置から内証話情報を受信した際には、上記識別ステップにて、それが内証話情報であることが識別され、上記検知ステップにて、自装置がスピーカフォンの状態であるか否かが検知される。続いて、上記メッセージ出力ステップにて、上記検知ステップにて自装置がスピーカフォンの状態でないと検知された時のみ、上記内証話情報に含まれる内証話メッセージが出力される。
【００４７】
以上のことから、上記内証話情報に含まれる会話の内容が、関係者以外に聞かれてはならない秘話性の高いものであっても、それが受信端末装置により音声出力されることで外部に漏れる危険を回避することができる。
【００４８】
本発明に係る情報送信方法は、上記の課題を解決するために、送信情報を受信端末装置に送信する送信端末装置の情報送信方法であって、送信情報作成の指示入力を受け付けるステップと、入力された指示の内容に応じて、作成すべき送信情報が内証話情報であるか否かを判定する判定ステップと、上記作成すべき送信情報が内証話情報であると判定された場合には、上記送信情報が内証話情報であることを示す識別情報を、作成する送信情報に挿入する挿入ステップとを含むことを特徴としている。
【００４９】
上記方法によれば、送信情報作成の指示入力を受け付けると、判定ステップにて、作成すべき送信情報が内証話情報であるか否かが判定される。上記作成すべき送信情報が内証話情報であると判定された場合には、上記挿入ステップにて、上記送信情報が内証話情報であることを示す識別情報が、作成する送信情報に挿入される。
【００５０】
これにより、サーバ装置または受信端末装置が、送信情報を受信したときに、該送信情報が内証話情報であるか否かを識別することができる。
【００５１】
なお、上記受信端末装置および上記送信端末装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記受信端末装置または上記送信端末装置をコンピュータにて実現させる上記受信端末装置の情報受信プログラム、上記送信端末装置の情報送信プログラム、および、そのいずれかを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【００５２】
本発明に係る受信端末装置は、以上のように、受信した送信情報に含まれる送信メッセージをユーザに提示するためのメッセージ提示手段と、上記送信メッセージを上記メッセージ提示手段に出力するメッセージ出力手段と、上記送信情報に含まれる識別情報を検知して、該送信情報が内証話情報であることを識別する内証話識別手段と、上記メッセージ提示手段がスピーカフォンの状態であるか否かを検知する状態検知手段とを備え、上記メッセージ出力手段は、上記メッセージ提示手段がスピーカフォンの状態でないと検知された時のみ、上記内証話情報に含まれる音声による内証話メッセージを出力することを特徴としている。
【００５３】
また、本発明に係る送信端末装置は、以上のように、送信情報作成の指示入力を受け付け、入力された指示の内容に応じて、作成すべき送信情報が内証話情報であるか否かを判定する指示信号判定手段と、作成すべき送信情報が内証話情報であると判定された場合には、上記送信情報が内証話情報であることを示す識別情報を、該送信情報に挿入する識別情報挿入手段とを備えていることを特徴としている。
【００５４】
これにより、秘話性の高い会話の音声が送信端末装置より発信された場合に、受信側のスピーカフォン機能により外部にその音声が漏れることを回避することが可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【００５５】
【図１】本実施の形態に係るＰｏＣ通信システムにおける、ＰｏＣサーバの要部構成を示すブロック図である。
【図２】本実施の形態に係るＰｏＣ通信システムの概略構成を示す図である。
【図３】本実施の形態に係るＰｏＣ通信システムおける、携帯電話の概略構成を示す図である。
【図４】図２に示すＰｏＣ通信システムにおける、携帯電話Ａの要部構成を示すブロック図である。
【図５】（ａ）および（ｂ）は、図２に示す携帯電話Ａの正面図である。
【図６】図４に示す携帯電話Ａにより送信される送信情報を模式的に示す図である。
【図７】入力された音量により、内証話情報を送信するか否かの判定を行う携帯電話の要部構成を示すブロック図である。
【図８】図７に示す入力音量計測部のより詳細な構成を示すブロック図である。
【図９】図４に示す携帯電話Ａに入力された音声が、計測された時の音量について、音量（ｄＢ）を縦軸に、計測時間（秒）を横軸にとって、音量の変化を示したグラフである。
【図１０】図２に示すＰｏＣ通信システムにおけるプレゼンスサーバ、または、図１に示すプレゼンス情報記憶部が一元管理する、各携帯電話のプレゼンス情報リストの例を示す表である。
【図１１】図１に示す録音部内に記憶されている、録音内証話情報の管理リストの例を示す表である。
【図１２】本実施の形態に係るＰｏＣ通信システムの各構成要素における、処理の流れを示すシーケンス図である。
【図１３】本発明の他の実施の形態に係る携帯電話の要部構成を示すブロック図である。
【図１４】本発明の他の実施の形態に係るＰｏＣ通信システムの各構成要素における、処理の流れを示すシーケンス図である。
【図１５】本発明の他の実施の形態に係る、各携帯電話のプレゼンスを監視し、自動で録音内証話情報を配信するＰｏＣサーバの要部構成を示すブロック図である。
【図１６】本発明の他の実施の形態に係るＰｏＣ通信システムの各構成要素における、処理の流れを示すシーケンス図である。
【図１７】本発明の他の実施の形態に係るＰｏＣ通信システムにおける、受信した内証話情報に含まれる内証話メッセージをテキストデータに変換して、携帯電話Ｂに配信するＰｏＣサーバの要部構成を示すブロック図である。
【図１８】本発明の他の実施の形態に係るＰｏＣ通信システム各構成要素における、処理の流れを示すシーケンス図である。
【図１９】本発明の他の実施の形態に係るＰｏＣ通信システムにおける、携帯電話の要部構成を示すブロック図である。
【図２０】本発明の他の実施の形態に係るＰｏＣ通信システムの各構成要素における、処理の流れを示すシーケンス図である。
【図２１】本発明の他の実施の形態に係るＰｏＣ通信システムにおける、携帯電話の要部構成を示すブロック図である。
【図２２】本発明の他の実施の形態に係るＰｏＣ通信システムの各構成要素における、処理の流れを示すシーケンス図である。
【図２３】従来のＰｏＣ通信による上記グループセッションの一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【００５６】
本発明の実施の形態について説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態では、本発明の送信端末装置および受信端末装置として携帯電話、サーバ装置として、ＰｏＣサーバを例に説明する。
【００５７】
〔ＰｏＣ通信システムの概要〕
図２は、本実施の形態に係るＰｏＣ通信システムの概略構成を示す図である。ここでは、携帯電話サービスの通信事業者が提供する携帯電話網に、本発明に係るＰｏＣ通信システムを適用した例について説明する。
【００５８】
図２に示す通り、ＰｏＣ通信システム（通信システム）１００（２００、３００）は、ＰｏＣ通信による情報の送信を行う携帯電話４０（送信端末装置）（５０）（例えば、携帯電話Ａ）と、その送信された情報の受信を行う携帯電話（受信端末装置）６０（７０、８０）（例えば、携帯電話Ｂや携帯電話Ｃ）と、上記各携帯電話のＰｏＣ通信を制御するＰｏＣサーバ（サーバ装置）１０（２０、３０）とから構成されている。さらに、ＰｏＣ通信システム１００（２００、３００）は、上記各携帯電話のプレゼンスを管理するプレゼンスサーバ１０１を含んでいてもよい。
【００５９】
プレゼンスサーバ１０１は、ＰｏＣサーバ１０が集中管理している、すべての携帯電話（携帯電話ＡからＣを含む）についてのプレゼンスを一元管理するためのものである。プレゼンスとは、携帯電話の利用状況や状態などの情報を指す。具体的には例えば、「オンライン」「オフライン」「（会議）オブザーバとして参加」、「（会議）参加中」などといった、アプリケーション上の利用状況、および、「電源ＯＮ／ＯＦＦ」、「話し中」、「スピーカフォン−アクティブ（動作中）」などといった、携帯電話の状態のことを言う。プレゼンスサーバ１０１が管理するプレゼンス情報の詳細については後述する。
【００６０】
なお、図２に示す通り、各携帯電話Ａ〜Ｃに適用する本発明に係る携帯電話４０（５０、６０、７０、８０）と、ＰｏＣサーバ１０（２０、３０）との組み合わせによって、種々のＰｏＣ通信システム１００（２００、３００）を実現することが可能である。各構成要素の組み合わせおよび各ＰｏＣ通信システムの詳細については、各実施の形態で後述する。ここでは、ＰｏＣ通信システム１００の各携帯電話Ａ〜Ｃ、およびＰｏＣサーバ１０を用いてＰｏＣ通信システムの各構成要素についての概要を説明する。
【００６１】
ＰｏＣサーバ１０は、ＰｏＣ通信システム１００において、各携帯電話Ａ〜Ｃが、ＰｏＣ通信によって、１対１あるいは１対多のセッションを確立し、通話を行う際に、種々の機能を提供するためのものである。
【００６２】
ＰｏＣサーバ１０が有する機能は、各携帯電話のセッションを集中制御するＰｏＣ制御機能と、集中制御するＰｏＣサーバとセッション参加者となる携帯電話との中継を行うＰｏＣ参加機能とに分類することができるが、ＰｏＣサーバ１０の主な機能は以下の通りである。
【００６３】
例えば、ＰｏＣ通信のセッションを確立する機能、話し手を識別するなどの発言を統制する機能、ＳＩＰ（Session Initiation Protocol）セッションの開始（終了）を制御する機能、セッション参加者の情報を提供する機能などが挙げられる。
【００６４】
これにより、１対１のＰｏＣによる通話、あるいは上述のようなグループセッションが実現できる。
【００６５】
各携帯電話Ａ〜Ｃは、Push-to-Talk（ＰＴＴ）による通話を実現するための通信端末装置である。ユーザはこの携帯電話を、発話する時にのみボタンを押し、押している間のみ音声を発信する、つまり、トランシーバを用いる時のように操作して通話を行う。各携帯電話Ａ〜Ｃは、通信事業者が提供する携帯電話網、つまり、基地局１０３およびそれらを統括制御する基地局制御装置１０２を介して、ＰｏＣサーバ１０およびプレゼンスサーバ１０１と通信することができる。これにより、各携帯電話Ａ〜Ｃのユーザは、それぞれの携帯電話を用いて互いにＰｏＣによる通信を実現することが可能となる。
【００６６】
図３は、本発明のＰｏＣ通信システム１００における、各携帯電話Ａ〜Ｃ（以下、単に携帯電話と称す）の概略構成を示す図である。
【００６７】
本実施の形態に係る携帯電話は、図３に示すように、無線通信部２、無線通信アンテナ９０、操作部３、音声入力部（音声入力手段）４、表示部（表示手段）５、受話器音声出力部６、イヤフォン音声出力部７、スピーカフォン音声出力部８、録音部９、カメラ部９１、ＬＥＤ（Light Emitting Diode）９２、メモリ９３、および上記の各部を統括制御する主制御部１を備えた構成となっている。
【００６８】
さらに、携帯電話には、ＰｏＣ通信を実現するための各種機能実行部が主制御部１の内部に設けられている。これらの各種機能実行部の詳細についてはそれぞれ後述する。
【００６９】
無線通信部２は、外部のＰｏＣサーバや携帯電話と無線通信を行うための構成要素である。また、無線通信アンテナ９０は、携帯電話網における基地局１０３との無線通信を行うための構成要素、すなわち、ＰｏＣ通信機能や、各種機能、例えば、電話、電子メール、インターネット等の通信機能を実現するためのものである。
【００７０】
操作部３は、携帯電話を操作するためのボタンである。このボタンを押下することにより発生した信号は、主制御部１に送られる。
【００７１】
音声入力部４は、マイクであり、電話機能を実行した場合の送話時に、あるいはＰｏＣ通信機能を実行した場合の送信データの入力時に使用される。携帯電話の外部で発生した音声は、この音声入力部４を介して、音声データとして携帯電話に取り込まれる。また、ＰｏＣ通信によって、他の携帯電話に音声を送信する場合は、この音声入力部４を介して入力されたユーザの音声が送信情報としてＰｏＣサーバ１０に送られる。
【００７２】
表示部５は、例えば液晶表示装置（ＬＣＤ）からなり、携帯電話に備わった各種アプリケーション機能の実行画面を表示する。例えば、ＰｏＣ通信機能を実行中であれば、現在その携帯電話が参加しているセッションのグループ名、セッションの参加者名、各参加者のプレゼンス（つまり、「オンライン」、「オフライン」、「視聴のみ」、「発言中」などといった、携帯電話のステータス）などを表示させる。
【００７３】
受話器音声出力部６、イヤフォン音声出力部７およびスピーカフォン音声出力部８は、電話機能を実行した場合、および、ＰｏＣ通信機能を実行した場合の、受話時のスピーカとして使用される。
【００７４】
受話器音声出力部６は、通常の電話の受話器と同じようにして、携帯電話を耳に当てて用いる時に、音声が出力されるスピーカである。
【００７５】
イヤフォン音声出力部７は、イヤフォンを接続するための音声出力端子を有しており、該端子にイヤフォンが接続されると、イヤフォンに対して音声を出力する。これにより、ユーザは、耳に装着したイヤフォンの小型のスピーカから音声が出力されるので、携帯電話を耳に当てながら保持しなくても、外部に音を漏らすことなく携帯電話の出力音声を聞くことができる。
【００７６】
スピーカフォン音声出力部８は、携帯電話の外部に音声出力するためのスピーカフォンとして用いる時に音声が出力されるスピーカである。このスピーカから出力される音声は、外部にも十分聞こえる音量で出力される。従って、例えば、表示部５に表示される画像を見ながら通話を行いたい時や、１つの携帯電話で複数のユーザが受信した音声を聞きたい時に、携帯電話を耳から離した位置に設置しても、ユーザは、十分な音量で出力音声を聞くことができる。
【００７７】
本実施の形態では、受話器音声出力部６、イヤフォン音声出力部７およびスピーカフォン音声出力部８が音声出力部（メッセージ提示手段）９４を構成している。本実施の形態では、音声出力部９４において、上記３つの音声出力部のいずれか１つのみが音声を出力できる（アクティブになる）ようになっており、携帯電話から出力された音声は、アクティブになっている音声出力部からのみユーザに提供される。
【００７８】
なお、上記音声出力部９４は、受話器音声出力部６、イヤフォン音声出力部７、およびスピーカフォン音声出力部８のすべてを備えていなくとも、上記３つの音声出力部のいずれによって構成されていてもよい。また、上記３つの音声出力部に限らず、音声データを音声としてユーザに提供できるものであれば何でもよい。
【００７９】
あるいは、受話器音声出力部６は常にアクティブとし、イヤフォン音声出力部７とスピーカフォン音声出力部８は常にいずれか１つのみがアクティブとなるような構成でもよい。なお、音声出力部９４のアクティブ／非アクティブは、主制御部１により制御される。
【００８０】
また、本実施の形態では、受話器音声出力部６とスピーカフォン音声出力部８とは別々に設けられているが、一体となっている構成もあってよい。この場合、受話器音声出力部６の出力音量レベルを携帯電話の外部に聞こえるまでに上げれば、スピーカフォンとして機能する。
【００８１】
録音部９は、無線通信部２または音声入力部４を介して外部より携帯電話に入力された音声を、音声データとして記憶するためのものである。これにより、例えば、入力された音声がその発生時にリアルタイムで音声出力部９４より音声出力されない場合でも、録音部９によって記録した音声データを再生することにより、ユーザは後で聞くことが可能となる。
【００８２】
カメラ部９１は、ＣＣＤ（Charge Coupled Device）等の撮像素子からなる撮像手段であり、主制御部１からの指示に基づいて被写体を撮像するようになっている。
【００８３】
ＬＥＤ９２は、携帯電話のユーザに対して、着信を報知するために、視覚的に報知するための手段として使用される。例えば、着信の場合には、ＬＥＤ９２を点滅させるようにしてもよい。
【００８４】
メモリ９３は、アプリケーション機能を実行するために必要なプログラムやデータ等を格納するメモリである。従って、グループセッションの行うため登録したグループの情報や、上記録音部９により録音された音声データなどもここに格納されている。その他、携帯電話にて電子メールを送受信するためのアプリケーションプログラムなどもここに格納されている。これらのプログラムやデータは、主制御部１によって必要に応じて読み出されるようになっている。
【００８５】
なお、携帯電話は、上述の各部、各機能に限定されず、他にも様々な機能を有していてもよい。例えば、現在位置検知するためのＧＰＳ（Global Positioning System）、ＴＶ放送受像機能を実現するためのＴＶアンテナおよびチューナなどの各部を有した構成でもよい。
【００８６】
上述したようなＰｏＣ通信による電話会議において、秘話性の高い会話の音声（内証話）が発話者の携帯電話より発信された場合に、会議参加者のスピーカフォン機能により外部にその音声が漏れることを回避するための構成が、ＰｏＣサーバ１０（２０、３０）および携帯電話４０（５０、６０、７０、８０）の主制御部１内部に設けられている。
【００８７】
以下、各実施形態にて、ＰｏＣサーバ１０（２０、３０）および携帯電話４０（５０、６０、７０、８０）の詳細およびこれらにより構成されるＰｏＣ通信システム１００（２００、３００）についてにそれぞれ説明する。
【００８８】
なお、以下では、図２の携帯電話Ａを、送信情報を送信する送信端末装置（送信側）の例として、携帯電話Ｂ（または、携帯電話Ｃ）を、その送信情報を受信する受信端末装置（受信側）の例として説明する。
【００８９】
本発明に係るＰｏＣ通信システムは、ＰｏＣサーバが内証話の制御を行う場合（第１システム＝ＰｏＣ通信システム１００、２００）と、受信端末装置が内証話の制御を行う場合（第２システム＝ＰｏＣ通信システム３００）とに大きく分類できる。
【００９０】
そこで、始めに両システムに共通の携帯電話Ａの機能を説明し、次に、第１・第２システムおける残りの構成要素（ＰｏＣサーバ、携帯電話Ｂ）についてそれぞれ説明する。
【００９１】
〔携帯電話Ａ−送信側〕
図４は、図２に示すＰｏＣ通信システムにおける、送信側の携帯電話Ａ（携帯電話４０）の要部構成を示すブロック図である。携帯電話４０は、図４に示すように、主制御部１、操作部３、音声入力部４、および無線通信部２を備え、また、主制御部１は内部に、操作部３を介して入力された指示信号の内容を判定するための指示信号判定部（指示信号判定手段）４１、音声入力部４を介して入力された音声から送信情報を作成するための送信情報作成部４２、および上記送信情報に、該送信情報が秘話性の高い内証話メッセージを含む内証話情報であることを示すためのフラグを挿入する、内証話フラグ挿入部（識別情報挿入手段）４３を有している。
【００９２】
なお、図４の残りの各構成要素に付された番号は、図３の各構成要素に付された番号に対応しており、同じ符号は、同じ構成要素を示している。以下、各構成要素についてさらに詳しく説明する。
【００９３】
操作部３は、ユーザが携帯電話４０を操作するためのボタンである。各ボタンがユーザによって押下されることにより、そのボタンに対応した指示信号が主制御部１に入力される。操作部３は、ユーザが携帯電話４０に対して、ＰｏＣ通信によるセッションの開始を指示するためのＰＴＴ操作ボタン４４と、内証話を送信することを指示するための内証話指示ボタン（内証話指示入力手段）４５とを含む。各ボタンの設置の例を図５に示す。図５（ａ）（ｂ）は、携帯電話４０の正面図である。
【００９４】
図５（ａ）は、ＰＴＴ操作ボタン４４を携帯電話４０の側面に設け、内証話指示ボタン４５を、携帯電話４０を通常操作する時のボタン（例えば、十字キーや数字キーなど）に割り当てた例を示す。この場合、ユーザは、まず、内証話指示ボタン４５を押下しつつ、ＰＴＴ操作ボタン４４を押下して、ＰｏＣ通信による発話の権利を取得する。この操作により、ユーザは、携帯電話４０に対して、内証話情報送信を指示することができる。
【００９５】
図５（ｂ）は、ＰＴＴ操作ボタン４４、内証話指示ボタン４５を共に携帯電話４０の側面に設けた例を示す。この場合、ユーザは、通常の会話を送信したい時と、秘話性の高い内証話を送信したい時とで、ＰｏＣ通信の開始指示ボタンを使い分けることになる。すなわち、通常の会話を送信したい場合は、ＰＴＴ操作ボタン４４を押下することで発話の権利を取得し、内証話を送信したい場合は、内証話指示ボタン４５を押下することで発話の権利を取得する。この操作により、ユーザは、携帯電話４０に対して、通常の送信メッセージと内証話メッセージとの送信を区別して指示することができる。
【００９６】
指示信号判定部４１は、操作部３を介して入力された指示信号の内容を判定するためのものである。より具体的には、ＰｏＣ通信による送信情報作成の指示を操作部３から受け付けた場合に、送信情報作成の指示信号を送信情報作成部４２に供給するとともに、その作成すべき送信情報を内証話メッセージを含む内証話情報とするか否かを判定し、判定結果を内証話フラグ挿入部４３に供給する。
【００９７】
この判定は、操作部３の内証話指示ボタン４５が押下されたか否かで生じる指示信号の違いによって行われる。内証話指示ボタン４５が押下された場合は、作成すべき送信情報は、内証話情報として送信すると判定し、その判定結果を内証話フラグ挿入部４３に供給する。
【００９８】
送信情報作成部４２は、音声入力部４を介して入力された音声から、送信情報を生成するためのものである。具体的には、本実施の形態では、送信情報作成部４２は、入力された音声を音声データファイルに変換する。次に、それを複数のパケットに分割して、パケットごとにヘッダを付けて送信情報とし、内証話フラグ挿入部４３へ出力する。
【００９９】
内証話フラグ挿入部４３は、その送信情報のヘッダに、該送信情報が内証話情報であることを示す、内証話フラグ（識別情報）を挿入するためのものである。この挿入は、指示信号判定部４１によって、上記送信情報は内証話情報として送信すると判定された場合に実施される。内証話フラグが挿入された時の送信情報の例を図６に示す。
【０１００】
図６は、内証話フラグ挿入部４３によって内証話フラグが挿入された時の送信情報を模式的に示す図である。図６に示す通り、送信情報４６のヘッダ４７には、宛先情報とともに、送信メッセージ４８に格納されているメッセージが内証話メッセージであることを示す、内証話フラグＦが挿入されている。これにより、外部の受信装置は、送信情報４６を受信した時に、ヘッダ４７を解析することにより、受信した送信情報４６に含まれる送信メッセージ４８が、通常の送信メッセージか、内証話メッセージかを識別することができる。
【０１０１】
一方、指示信号判定部４１による判定結果が「通常の送信情報として送信する」として、内証話フラグ挿入部４３に入力された場合は、送信情報作成部４２により供給された送信情報４６は、そのまま何も処理が施されずに無線通信部２へと出力される。
【０１０２】
上記構成によれば、ＰｏＣ通信によって送信する音声が、外部に音が漏れてはいけない秘話性の高い内証話である場合は、ユーザの指示によって、そのことを示す内証話フラグをヘッダに挿入してから、送信情報４６が送信される。
【０１０３】
結果として、宛先となる受信装置は、上記携帯電話４０より受信した送信情報のヘッダを解析することにより、それが内証話情報であるか否かを識別することができる。
【０１０４】
なお、ユーザが内証話情報送信の指示を入力するための方法としては、上述した例以外にも様々な方法が考えられる。
【０１０５】
例えば、通常携帯電話を操作する際に呼び出すメニュー画面から、十字キーと決定ボタンによって、ＰｏＣ通信のアプリケーションを呼び出す、あるいは、内証話情報送信のメニューを選択するなどして、指示入力を実現することも可能である。このようにすれば、ＰｏＣ通信専用のボタンを別途設置する必要が無くなる。
【０１０６】
また、別の例では、例えば、ＰＴＴ操作ボタン４４を押しながら、小声で話すと自動で内証話メッセージであると判定して、内証話フラグが挿入された内証話情報を送信するようにしてもよい。入力された音量により、内証話情報を送信するか否かの判定を行う携帯電話の例を図７に示す。
【０１０７】
図７は、入力された音量により、内証話情報を送信するか否かの判定を行う携帯電話５０の要部構成を示すブロック図である。携帯電話５０において、図４の携帯電話４０と異なる点は、内証話指示ボタン４５が無い代わりに、携帯電話５０に入力された音声の音量を計測する入力音量計測部（音量計測手段）５２が主制御部１内部に設けられている点である。
【０１０８】
図８に、入力音量計測部５２のより詳細な構成を示す。図８に示す通り、入力音量計測部５２は、音声入力部４を介して入力された音声の音量を計測して数値に換算する音量計測部５３、入力された音声の計測時間を計時する計時部５４、および、計時部５４の計時結果に基づき、指示信号判定部（指示信号判定手段）５１に対する指示信号を生成する指示信号生成部５６を含む。また、入力音量計測部５２は、入力された音声が内証話メッセージか否かを判定する時に用いる、２つの閾値、内証話閾値（ｓＡ）および音声閾値（ｓＢ）をそれぞれ格納する、内証話閾値格納部５５Ａおよび音声閾値格納部５５Ｂを有している。
【０１０９】
以下、図９のグラフを参照しながら、音声入力部４から音声が入力されてから指示信号判定部５１に指示信号が供給されるまでの処理の流れについて具体的に説明する。
【０１１０】
図９は、ある入力された音声が、音量計測部５３によって計測された時の音量について、音量（ｄＢ）を縦軸に、計測時間（秒）を横軸にとって、音量の変化を示したグラフである。
【０１１１】
グラフにおいて２本のラインで示される、内証話閾値ｓＡ、音声閾値ｓＢは、内証話閾値格納部５５Ａに格納されている内証話閾値の数値（ｄＢ）、音声閾値格納部５５Ｂに格納されている音声閾値の数値（ｄＢ）を表している。
【０１１２】
上記内証話閾値ｓＡとは、この閾値を越えると、内証話としては音量が大き過ぎると判断するために用いる閾値である。本実施の形態では、例えば、内証話閾値ｓＡを２０ｄＢとする。上記音声閾値ｓＢとは、この閾値を越えると、会話を行うための音声が発生していると判断するために用いる値である。本実施の形態では、音声閾値ｓＢを１０ｄＢとする。以下、図９のグラフを参照しながら、図８に示す入力音量計測部５２の処理の流れを説明する。
【０１１３】
初めに、図９のグラフにおける期間Ｐの音量を計測する場合の入力音量計測部５２の動作を説明する。まず、ＰＴＴ操作ボタン４４がユーザにより押下されると、音声は、音声入力部４を介して入力音量計測部５２の音量計測部５３に供給される。これにより、音量計測部５３は、入力された音声の計測を開始する。ここで、計測中の音声の音量が、図９に示す点ｈにさしかかった時、音量計測部５３は、音声閾値格納部５５Ｂに格納されている音声閾値ｓＢ（１０ｄＢ）を参照して、計測した音量が音声閾値ｓＢに達したことにより、会話の音声の発生を検知する。この時で、音量計測部５３は、音量計測時間を計るよう計時部５４に信号を送る。
【０１１４】
計時部５４は、音量計測部５３の信号の入力に応じ、点ｈの時点からの音量計測時間を計る。計時部５４もまた、内部に時間閾値（例えば、５秒）を有し、音量計測時間が該時間閾値に達するまで（すなわち、点ｈの時点から５秒経つまで）音量計測時間を計る。一方、５秒経つまでに、入力音声の音量が内証話閾値ｓＡ（２０ｄＢ）を越えたことを音量計測部５３が検知した場合は、音量計測部５３は、計時部５４に対して、計時を中断し、計った音量計測時間をリセットするよう信号を送る。
【０１１５】
ここで、図９の期間Ｐにおいて、５秒経つまでに、つまり、点ｈから点ｋまでの間に、音声閾値ｓＡを越える音量が計測されなかったことが分かる。従って、計時部５４は、会話の音声が発生してから、５秒以上の間にわたって２０ｄＢ未満で発話がなされたことを判定し、その結果を指示信号生成部５６に供給する。指示信号生成部５６は、受信した信号に基づき、期間Ｐ内で計測された音声について、内証話情報として送信情報を送信するよう指示信号判定部５１に指示するための指示信号を生成する。生成した信号は、指示信号判定部５１へと供給される。
【０１１６】
これにより、音量の小さい音声を一定の時間以上入力すれば、自動で内証話メッセージと判定するようにできる。
【０１１７】
次に、図９のグラフにおける期間Ｑの音量を計測する場合の入力音量計測部５２の動作を説明する。上述のように計時部５４の音量計測時間が５秒に達すると（点ｋ）、計時部５４は、音量計測時間をリセットし、次に音量計測部５３から計時開始の信号が来るまで待機する。
【０１１８】
音量計測部５３が計時開始の信号を送るのは、期間Ｐの場合と同様、計測した音量が音声閾値ｓＢに達した時である（点ｍ）。点ｍの時点にて、音量計測部５３から計時開始の信号を供給されることにより、計時部５４は音量計測時間の計測を開始する。
【０１１９】
ここでは、期間Ｐの時とは異なり、５秒経つまでに、つまり、点ｎの時点で、入力音声の音量が内証話閾値ｓＡ（２０ｄＢ）に達したことが分かる。従って、内証話閾値格納部５５Ａに格納されている内証話閾値ｓＡを参照した音量計測部５３は、点ｎで計測した音量が２０ｄＢを越えたことによって、計時部５４に計時中断と計測時間のリセットを指示する。
【０１２０】
計時部５４は、上記指示により、計時中断と計測時間のリセットを実施するとともに、計時を開始した点ｍの時点から５秒が経過するまでの間に２０ｄＢ以上で発話がなされたことを判定し、その結果を指示信号生成部５６に供給する。指示信号生成部５６は、受信した信号に基づき、期間Ｑ内で計測された音声について、通常の送信メッセージとして送信情報に含めて送信するよう指示信号判定部５１に指示するための指示信号を生成する。生成した信号は、指示信号判定部５１へと供給される。
【０１２１】
これにより、一定の時間以内に、所定の音量を越えた場合は、自動で通常の送信メッセージと判定するようにできる。
【０１２２】
あるいは、入力音量計測部５２が保持する内証話閾値ｓＡや音声閾値ｓＢを自由に設定できる構成としてもよい。例えば、携帯電話５０のユーザにおける、通常の会話時の平均音量を測定し、その値に基づき内証話閾値ｓＡや音声閾値ｓＢを設定してもよい。このようにすれば、もともと会話時の声の音量が小さいユーザに対しても、その音量から適切に、内証話か否かを判定するようにできる。
【０１２３】
以上これまで述べてきた携帯電話４０および携帯電話５０の構成によれば、ＰｏＣ通信によって送信する音声が、外部に音が漏れてはいけない秘話性の高い内証話である場合は、ユーザの指示、あるいは、ユーザにより入力される音声の音量によって、そのことを示す内証話フラグを、送信情報４６のヘッダ４７に挿入してから、送信情報４６を送信する。
【０１２４】
結果として、宛先となる受信装置は、上記携帯電話４０および携帯電話５０より受信した送信情報４６のヘッダ４７を解析することにより、それが内証話情報であるか否かを識別することができる。以下、実施の形態ごとに、上記携帯電話４０および携帯電話５０により生成された送信情報４６を受信する各受信装置（ＰｏＣサーバ、携帯電話Ｂ（またはＣ））について、詳細に説明する。
【０１２５】
〔第１のシステム−ＰｏＣ通信システム１００、２００〕
上述の送信情報４６を携帯電話４０（５０）から受信し、それが内証話メッセージを含む内証話情報であるか否かを、ＰｏＣサーバが判断する場合のＰｏＣ通信システム１００、２００について、以下に説明する。
【０１２６】
ＰｏＣ通信システム１００は、図２の携帯電話４０（５０）を適用した携帯電話Ａと、携帯電話Ａからの送信情報を受信し、宛先となる携帯電話（例えば携帯電話Ｂ（Ｃ））に該送信情報を配信するなどの制御を行うＰｏＣサーバ１０（２０、３０）とを含んでいる。なお、本実施の形態では、携帯電話Ｂ（Ｃ）を、その送信情報を受信する受信端末装置の例として説明するが、これらの携帯電話は、従来のＰｏＣ通信による送信情報を受信可能な携帯電話であれば何でもよい。
【０１２７】
また、各携帯電話のプレゼンスを一元管理するためのプレゼンスサーバ１０１を含んでいてもよい。この場合、ＰｏＣサーバ１０は、自身が集中管理・制御を行っている携帯電話のプレゼンス情報を、プレゼンスサーバ１０１に要求することになる。
【０１２８】
以下、受信した送信情報が内証話情報か否かを判断する、本発明に係るＰｏＣサーバ１０について詳細に説明する。
【０１２９】
〔実施の形態１〕
〔ＰｏＣサーバ１０〕
図１は、図２に示すＰｏＣ通信システム１００における、ＰｏＣサーバ１０の要部構成を示すブロック図である。ＰｏＣサーバ１０は、図１に示すように、主制御部１１、通信部１２、プレゼンス情報記憶部１３、録音部１８１、およびメモリ１８２を備え、また、主制御部１１は内部に、送信情報のヘッダを解析する内証話識別部（内証話識別手段）１６、宛先となる携帯電話Ｂのプレゼンスを検知するプレゼンス検知部（端末情報検知手段）１７、録音部１８１およびメモリ１８２を制御する録音制御部１８、および、送信情報の配信結果などを各携帯電話に通知する通知メッセージ生成部１９を有している。
【０１３０】
通信部１２は、ＰｏＣサーバ１０が外部の装置と通信を行うためのものであり、携帯電話Ａから送信情報を受信するための情報受信部１４と、携帯電話Ｂに受信した送信情報を配信する情報配信部（情報配信手段）１５とを含んでいる。携帯電話Ａから送信される送信情報はすべて、情報受信部１４を介して主制御部１１に入力される。
【０１３１】
プレゼンス情報記憶部１３は、ＲＯＭ（read only memory）、メモリ等の記憶装置などで構成されており、ＰｏＣサーバ１０が集中管理している、携帯電話ＡからＣを含むすべての携帯電話についてのプレゼンスを一元管理するためのものである。
【０１３２】
上述のようなプレゼンス情報が、各携帯電話に対応づけてプレゼンス情報記憶部１３に格納されており、主制御部１１によって適宜読み出されるようになっている。なお、ここに格納されるプレゼンス情報は、プレゼンスサーバ１０１と同様であってもよい。
【０１３３】
また、上記プレゼンス情報は、変更が生じた時点で適宜更新され、その整合性が保たれている。例えば、携帯電話のプレゼンスが変化する度に、携帯電話がプレゼンスサーバ１０１にその変化を通知するようにしてもよい。
【０１３４】
録音部１８１およびメモリ１８２は、情報受信部１４を介して入力された送信情報に含まれる音声データを録音し、記憶するためのものである。これらの機能の詳細については後述する。
【０１３５】
内証話識別部１６は、図６に示す送信情報４６のヘッダ４７を解析するためのものである。解析の結果、ヘッダ４７に内証話フラグＦを検出した場合、送信情報４６が内証話情報であることを識別し、送信情報４６をプレゼンス検知部１７に供給する。一方、内証話フラグＦがなかった場合は、送信情報４６を、情報配信部１５を供給する。これにより、ヘッダ４７の宛先情報に記される宛先の携帯電話に送信情報４６は配信される。
【０１３６】
プレゼンス検知部１７は、内証話識別部１６から供給された送信情報４６を受け取り、ヘッダ４７に含まれる宛先情報が示す各携帯電話についてのプレゼンス情報を検知するためのものである。
【０１３７】
プレゼンス情報を検知する方法は、携帯電話を一意に特定する宛先情報に基づき、（１）携帯電話に直接プレゼンスを問い合わせる、（２）プレゼンスサーバ１０１（図２参照）にプレゼンス情報を問い合わせる、（３）自装置のプレゼンス情報記憶部１３からプレゼンス情報を読み出す、などが考えられる。
【０１３８】
本実施の形態では、ＰｏＣ通信システム１００のプレゼンスサーバ１０１に問い合わせることにより、プレゼンス情報を取得する。
【０１３９】
図１０に、プレゼンスサーバ１０１（または、プレゼンス情報記憶部１３）が一元管理する、各携帯電話のプレゼンス情報リストの例を示す。プレゼンス情報リスト５７は、図１０に示す通り、ＰｏＣサーバ１０が集中管理している各携帯電話を一意に識別するための「端末ＩＤ」を格納するカラムＣ１を有し、これに対応付けて、各携帯電話の利用状況や状態が記憶されている。
【０１４０】
本実施の形態において、プレゼンス検知部１７は、図３に示す携帯電話のスピーカフォン音声出力部８がアクティブになっているか否かの情報が格納されているカラムＣ２を参照する。ここでは、スピーカフォン音声出力部８がアクティブになっていることを「ＯＮ」、非アクティブになっていることを「ＯＦＦ」、もともとスピーカフォン音声出力部８を備えていない携帯電話であれば「−」を格納し、これを識別できるようにしている。これにより、プレゼンス検知部１７は、例えば、携帯電話Ｂではスピーカフォン音声出力部８より音声が出力されているということを検知することができる。
【０１４１】
プレゼンス検知部１７は、上記プレゼンス情報リスト５７を参照し、携帯電話Ｂがスピーカフォンの状態（すなわち、スピーカフォン音声出力部８がアクティブ）になっていることを検知する。この場合、内証話識別部１６より受信した携帯電話Ｂ宛ての内証話情報を録音制御部１８に供給するとともに、上記内証話情報がまだ携帯電話Ｂ宛てに配信されていないことを示す信号を通知メッセージ生成部１９にも供給する。
【０１４２】
一方、携帯電話Ｃにおいて、カラムＣ２が「ＯＦＦ」と記されていることによって、携帯電話Ｃが、音声が外部に漏れない状態であることを検知する。この場合、プレゼンス検知部１７は、送信情報４６を、情報配信部１５を供給する。
【０１４３】
これにより、スピーカフォンの状態の携帯電話宛ての内証話情報は、情報配信部１５へは供給されずに、録音制御部１８および通知メッセージ生成部１９に供給される。一方、スピーカフォンの状態でない携帯電話宛ての内証話情報は、そのまま配信される。
【０１４４】
なお、ここで述べる「スピーカフォンの状態である」とは、携帯電話の外部に音声が聞こえるようになっている状態のことを指す。従って、受話器音声出力部６とスピーカフォン音声出力部８とが別構成で設けられている場合は、上述の「スピーカフォン音声出力部８がアクティブになっている状態」が該当する。一方、受話器音声出力部６とスピーカフォン音声出力部８とが一体となっている場合（すなわち、受話器音声出力部６の音量出力レベルを上げることによって、スピーカフォン機能とする場合）もある。
【０１４５】
このような場合は、例えば、プレゼンス検知部１７がスピーカフォンの状態であるか否かを判断できるように、所定の音量出力レベルを設定すればよい。これにより、「受話器音声出力部６が上記で設定した出力レベル以上で音声を出力している状態」の時に、「スピーカフォンの状態である」と判断することができる。
【０１４６】
録音制御部１８は、内証話情報を録音・記憶するための録音部１８１およびメモリ１８２を管理・制御するためのものであり、録音制御部１８、録音部１８１およびメモリ１８２により内証話情報記憶部（内証話記憶手段）１８０が構成されている。
【０１４７】
プレゼンス検知部１７より内証話情報が供給されると、録音制御部１８は、録音部１８１に、該内証話情報を録音するよう指示を送る。録音制御部１８は、録音部１８１により録音された内証話情報を録音内証話情報として、送信元携帯電話、宛先携帯電話などの情報と関連付けてメモリ１８２に記憶する。これらの情報は上記内証話情報のヘッダにある情報から取得すればよい。ここで、メモリ１８２に記憶される録音内証話情報のリストの例を図１１に示す。
【０１４８】
図１１は、録音部１８１内に記憶されている、録音内証話情報の管理リストの例を示す表である。本実施の形態では、１携帯電話につき、１録音内証話情報を保存することができるので、宛先となる携帯電話を一意に識別するための「宛先受信端末ＩＤ」と、それに関連付けて、「録音内証話情報」が格納されていればよい。
【０１４９】
例えば、携帯電話Ｂが、スピーカフォンの状態である時に、携帯電話Ｂ宛てに内証話情報が送信され、その時に配信されなかったとする。このような場合でも、上記の構成により、携帯電話Ｂは、スピーカフォン機能を非アクティブにしてから、ＰｏＣサーバ１０に録音内証話情報を要求することで、ＰｏＣサーバ１０から内証話情報を受信することが可能となる。
【０１５０】
なお、１携帯電話につき、複数の録音内証話情報を保存できる場合は、録音開始（終了）時刻などによって、録音内証話情報を特定すればよい。
【０１５１】
通知メッセージ生成部１９は、送信情報の配信結果などを送信元の携帯電話Ａおよび宛先の携帯電話Ｂに通知するためのものである。通知メッセージ生成部１９は、内部に配信結果情報生成部（配信結果通知手段）１９１および受信情報生成部（受信通知手段）１９２を有している。
【０１５２】
配信結果情報生成部１９１は、ＰｏＣサーバ１０が受信した内証話情報を宛先の各携帯電話に配信したか否かを該内証話情報の送信元となる携帯電話Ａに通知するためのものである。配信結果情報生成部１９１は、プレゼンス検知部１７からの信号に基づいて、携帯電話Ａ宛てに、配信結果情報を生成して、情報配信部１５を介して送信する。
【０１５３】
これにより、携帯電話Ａのユーザは、どの携帯電話に対して内証話情報が送信されなかったのかを認識することができる。
【０１５４】
受信情報生成部１９２は、携帯電話Ａからの内証話情報を携帯電話Ｂ宛てに受信したことを該携帯電話Ｂに通知するためのものである。受信情報生成部１９２は、プレゼンス検知部１７からの信号に基づいて、携帯電話Ｂ宛てに、受信情報（受信通知）を生成して、情報配信部１５を介して送信する。
【０１５５】
これにより、スピーカフォンの状態の時に、携帯電話Ｂ宛てに内証話情報が送信されたために該内証話情報をリアルタイムで受信できなかったとしても、携帯電話Ｂのユーザは、自身の装置宛てに内証話情報が送信されたことを認識することができる。
【０１５６】
以下、本実施の形態のＰｏＣ通信システム１００における処理の流れを説明する。
【０１５７】
図１２は、ＰｏＣ通信システム１００の各構成要素における、処理の流れを示すシーケンス図である。
【０１５８】
ここでは、送信側の携帯電話の例として携帯電話４０（５０）を適用した携帯電話Ａを、スピーカフォンの状態にある受信側の携帯電話の例として携帯電話Ｂを、スピーカフォンの状態でない受信側の携帯電話の例として携帯電話Ｃを用いて説明する（図２参照のこと）。
【０１５９】
まず、携帯電話Ａが、上述の方法を用いて、図６に示す送信情報４６を携帯電話Ｂおよび携帯電話Ｃに宛てて、ＰｏＣサーバ１０に送信する（Ｓ１０１）。この時の送信情報４６のヘッダ４７には、内証話フラグと、宛先情報として、携帯電話Ｂと携帯電話Ｃの情報が含まれている。
【０１６０】
ＰｏＣサーバ１０は、受信した送信情報４６のヘッダ４７を解析し、内証話フラグの有無によって、送信情報４６が内証話情報か否かを判断する（Ｓ１０２）。ここで、送信情報４６は内証話情報であると判断した時、ＰｏＣサーバ１０は、宛先となる携帯電話Ｂおよび携帯電話Ｃのプレゼンスを確認するため、プレゼンスサーバ１０１に対して問い合わせを行い、携帯電話Ｂおよび携帯電話Ｃのプレゼンス情報を取得する。
【０１６１】
一方、Ｓ１０２において、送信情報４６を通常の送信情報と判断した場合には、そのまま情報配信のステップ（Ｓ１０４）に移り、すべての宛先の携帯電話に対して送信情報４６を配信し、処理を終了する。
【０１６２】
次に、ＰｏＣサーバ１０は、取得したプレゼンス情報（図１０）を用いて、宛先の携帯電話ごとに、その携帯電話がスピーカフォンの状態であるか否かを判定する（Ｓ１０３）。
【０１６３】
まず、携帯電話Ｂについて、図１０のプレゼンス情報リスト５７より、携帯電話Ｂがスピーカフォンの状態であることを検知し（Ｓ１０３においてＹｅｓ）、携帯電話Ａから携帯電話Ｂ宛ての内証話情報として、該内証話情報の録音を行う（Ｓ１０５）。
【０１６４】
次に、携帯電話Ｃについて、携帯電話Ｃがスピーカフォンの状態でないことを検知し（Ｓ１０３においてＮｏ）、上記内証話情報の配信を携帯電話Ｃ宛てに行う（Ｓ１０４）。なお、このとき、パケットの内緒フラグを削除して送信してもよい。送信された内証話情報に含まれる内証話メッセージは、携帯電話Ｃにおいて、スピーカフォン以外の音声出力部により音声出力される。
【０１６５】
すべての宛先に対して、スピーカフォンの判定を行い、内証話情報の配信および／または録音の処理を終了すると、最後に、ＰｏＣサーバ１０は、各携帯電話へ配信結果の通知を行う。
【０１６６】
すなわち、携帯電話Ａに対しては、送信情報４６を宛てた携帯電話のうち、どの携帯電話に対して配信できなかったのかを報告するための、配信結果情報を生成する（Ｓ１０６）。なお、この配信結果情報は、送信が完了した携帯電話の情報であってもよい。携帯電話Ａは、上記配信結果情報を受け取ると、未送信携帯電話のリストをユーザに提示する。表示部５（図３）にそのリストを表示すればよい。
【０１６７】
一方、携帯電話Ｂに対しては、携帯電話Ｂ宛てに送信情報４６を携帯電話Ａから受信したが、配信できないために録音して預かっていることを通知するための、受信情報を生成する（Ｓ１０７）。携帯電話Ｂは、受信情報により録音された内証話情報がある旨、携帯電話Ｂのユーザに提示する（Ｓ１０８）。この時、表示部５にその旨を表示してもいいし、音声出力部９４を介して音によって通知してもよい。
【０１６８】
その後、もし、携帯電話Ｂのユーザがイヤフォンを装着するなどして、携帯電話Ｂのプレゼンスが変更されたら、携帯電話Ｂはそのプレゼンスの変化をプレゼンスサーバ１０１に通知し、プレゼンスサーバ１０１のプレゼンス情報リスト５７が更新される（Ｓ１１０）（図１０の「端末ＩＤ」がＢの「イヤフォン」がＯＮ、「スピーカフォン」がＯＦＦ）。
【０１６９】
続いて、携帯電話Ｂのユーザが録音通知により、その録音された内証話情報の配信をＰｏＣサーバ１０に対して要求する（Ｓ１０９のＹｅｓ）。ＰｏＣサーバ１０は、録音内証話情報配信の要求を受け付けると、プレゼンスサーバ１０１に携帯電話Ｂのプレゼンス情報を問い合わせて、携帯電話Ｂがスピーカフォンの状態か否かを判定する（Ｓ１１１）。
【０１７０】
上記Ｓ１１０にて、「スピーカフォン」はＯＦＦに変更されていることから、ＰｏＣサーバ１０は、携帯電話Ｂはスピーカフォンの状態ではないと判定し、携帯電話Ａから携帯電話Ｂ宛ての内証話情報として記録されている録音内証話情報を携帯電話Ｂに配信する（Ｓ１１２）。配信された録音内証話情報に含まれる内証話メッセージは、携帯電話Ｂによって再生される。そして、ＰｏＣサーバ１０は、上記録音内証話情報が携帯電話Ｂ宛てに配信されたことを示す通知を、携帯電話Ａに送信する。
【０１７１】
一方、Ｓ１１１にて、携帯電話Ｂが依然スピーカフォンの状態であると検知した場合は、スピーカフォンの機能を解除しないと内証話情報を配信できない旨を、携帯電話Ｂに通知してもよい。この通知を受信した携帯電話Ｂは、「スピーカフォンを解除してください。」などのメッセージを表示部５に表示したり、音でユーザに知らせたりすればよい（Ｓ１１３）。
【０１７２】
これにより、もし、携帯電話Ａが、外部に漏れてはいけない内証話の音声を携帯電話Ｂ宛てに送信したとしても、宛先の携帯電話Ｂがスピーカフォンの機能により音声を外部に出力する状態になっている場合には、その携帯電話Ｂには、上記の内証話の音声が配信されないようになる。
【０１７３】
結果として、秘話性の高い会話の音声が送信された場合に、受信側の機器のスピーカフォン機能によって外部にその音声が漏れることを回避することができる。
【０１７４】
〔実施の形態２〕
上述の実施の形態１において、録音内証話情報の再生は、携帯電話Ｂのユーザによる要求の指示により行われたが、携帯電話Ｂのスピーカフォン音声出力部８が非アクティブになったことを携帯電話Ｂ自身が検知して、自動で録音内証話情報配信の要求を、ＰｏＣサーバ１０に対して行ってもよい。
【０１７５】
本実施の形態では、この場合の携帯電話８０を適用した携帯電話Ｂおよびそれを含むＰｏＣ通信システム２００について説明する。
【０１７６】
〔携帯電話Ｂ−受信側〕
図１３は、本実施の形態に係る携帯電話８０の要部構成を示すブロック図である。図１３に示す通り、携帯電話８０は、主制御部１、無線通信部２、表示部５、受話器音声出力部６、イヤフォン音声出力部７、およびスピーカフォン音声出力部８を含んでいる。受話器音声出力部６、イヤフォン音声出力部７、およびスピーカフォン音声出力部８は、音声出力部９４を構成している。
【０１７７】
また、携帯電話８０は、主制御部１の内部に、ＰｏＣサーバ１０より配信された送信情報を受信するための情報受信部８４、携帯電話８０のプレゼンスの変化を検知するプレゼンス監視部（状態監視手段）８５、受信した送信情報が含む送信メッセージを音声出力部９４へと出力するメッセージ出力部８６、およびＰｏＣサーバ１０に録音内証話情報の配信を要求する情報配信要求部（情報配信要求手段）８７を有している。
【０１７８】
なお、図１３の残りの各構成要素に付された番号は、図３の各構成要素に付された番号に対応しており、同じ符号は、同じ構成要素を示している。
【０１７９】
無線通信部２は、ＰｏＣサーバ１０からの通信データを無線で受信するための無線受信部８２と、携帯電話８０で生成した通信データを無線で送信するための無線送信部８３とを含んでいる。
【０１８０】
情報受信部８４は、無線受信部８２を介して、ＰｏＣサーバ１０から送信メッセージを含む送信情報、および受信情報を受信するためのものである。受信情報とは、ＰｏＣサーバ１０によって生成される、「携帯電話８０宛ての内証話情報を録音した」旨を通知する録音通知である。受信した送信情報は、メッセージ出力部８６へ、上記受信情報は、プレゼンス監視部８５へ供給する。
【０１８１】
プレゼンス監視部８５は、音声出力部９４を監視し、携帯電話８０のプレゼンスの変更（例えば、スピーカフォン音声出力部８のアクティブ／非アクティブの変更）を監視するためのものである。プレゼンス監視部８５は、情報受信部８４より、受信情報を受け取ると、音声出力部９４の監視を開始し、ピーカフォン音声出力部８がアクティブから非アクティブの状態に遷移したことを検知して、内証話メッセージを音声出力できる状態になったことを示す信号を情報配信要求部８７に供給する。
【０１８２】
メッセージ出力部８６は、携帯電話８０で発生する情報を、表示部５および音声出力部９４に供給するためのものである。映像信号であれば、表示部５に、音声信号であれば、音声出力部９４に供給する。なお、音声出力部９４に音声信号が供給されると、受話器音声出力部６、イヤフォン音声出力部７、スピーカフォン音声出力部８のうち、アクティブになっている音声出力部からのみ音声が出力される。
【０１８３】
情報配信要求部８７は、プレゼンス監視部８５からの「スピーカフォン音声出力部８が非アクティブに遷移した」情報を受け付けて、ＰｏＣサーバ１０に対する、録音内証話情報の配信を要求する送信パケットを生成するためのものである。この送信パケットには、ＰｏＣサーバ１０がどの携帯電話宛ての録音内証話情報を配信すればよいのかを識別できるように、携帯電話８０についての情報が挿入される。
【０１８４】
このようにして生成された、録音内証話情報配信要求パケットは、無線送信部８３を介してＰｏＣサーバ１０に送信される。
【０１８５】
以上のことから、携帯電話８０は、携帯電話８０のスピーカフォン音声出力部８が非アクティブになったことにより、自動で録音内証話情報の配信の要求を、ＰｏＣサーバ１０に対して実施することができる。
【０１８６】
〔ＰｏＣ通信システム２００〕
携帯電話８０を受信側の携帯電話Ｂ（Ｃ）に適用した例については、図２に示す通りである。ＰｏＣ通信システム２００は、携帯電話４０（５０）を適用した携帯電話Ａと、携帯電話８０を適用した、受信側としての携帯電話Ｂ（Ｃ）と、送信情報を配信するなどの制御を行うＰｏＣサーバ１０とを含んでいる。なお、ＰｏＣ通信システム１００と同様、プレゼンスサーバ１０１を含んでいてもよい。
【０１８７】
図１４は、ＰｏＣ通信システム２００の各構成要素における、処理の流れを示すシーケンス図である。
【０１８８】
ここでは、送信側の携帯電話の例として携帯電話４０（５０）を適用した携帯電話Ａを、スピーカフォンの状態にある受信側の携帯電話の例として携帯電話８０を適用した携帯電話Ｂを、スピーカフォンの状態でない受信側の携帯電話の例として携帯電話Ｃを用いて説明する（図２参照のこと）。
【０１８９】
携帯電話Ａが送信情報４６をＰｏＣサーバ１０に送信してから、ＰｏＣサーバ１０が受信情報を携帯電話Ｂに通知するまでの処理の流れ（Ｓ１０１〜Ｓ１０７）までは、実施の形態１における図１２の処理の流れと同様であるので、ここでは説明を省略する。
【０１９０】
ＰｏＣサーバ１０より上記受信情報を受け取ると、携帯電話Ｂは、携帯電話Ｂ宛ての内証話情報がＰｏＣサーバ１０に録音された保存されていることを検知し、携帯電話Ｂのプレゼンスの監視を開始する（Ｓ２０１）。
【０１９１】
その後、携帯電話Ｂのユーザがイヤフォンを装着するなどして、携帯電話Ｂのプレゼンスが変化すると（Ｓ２０２）、携帯電話Ｂは、プレゼンスの変更をプレゼンスサーバ１０１に報告するとともに、その変更によって、自身のスピーカフォン音声出力部８がアクティブから非アクティブへと状態を遷移させたか否かを判定する（Ｓ２０３）。
【０１９２】
上記判定の結果、携帯電話Ｂのスピーカフォンの状態が解除されたことを検知すると、携帯電話Ｂは、録音内証話情報の配信を要求する送信パケットを生成し、それをＰｏＣサーバ１０宛てに送信する（Ｓ２０４）。
【０１９３】
ＰｏＣサーバ１０は、携帯電話Ｂの録音内証話情報配信の要求を受信し、その要求に応じて、携帯電話Ｂ宛ての録音内証話情報を、携帯電話Ｂに配信する（Ｓ２０５）。この時、録音内証話情報の配信を行う前に、プレゼンスサーバ１０１に対して携帯電話Ｂのプレゼンス情報を問い合わせてもよい。
【０１９４】
配信された録音内証話情報に含まれる内証話メッセージは、携帯電話Ｂにおいて、スピーカフォン音声出力部８以外の音声出力部より出力される。また、上記録音内証話情報が携帯電話Ｂ宛てに配信されたことを示す通知は、ＰｏＣサーバ１０より携帯電話Ａ宛てに送信される。
【０１９５】
以上のことから、携帯電話Ｂは、携帯電話Ｂのスピーカフォン音声出力部８が非アクティブになったことにより、自動で録音内証話情報の配信の要求を、ＰｏＣサーバ１０に対して実施することができる。
【０１９６】
〔実施の形態３〕
上述の実施の形態１、２において、録音内証話情報の配信は、携帯電話Ｂのユーザによる要求の指示、あるいは、携帯電話Ｂが自動で要求することによりそれぞれ実施されたが、ＰｏＣサーバが携帯電話Ｂのスピーカフォン音声出力部８を監視し、それが非アクティブになったことを検知して、自動で録音内証話情報を携帯電話Ｂに配信するようにしてもよい。この場合のＰｏＣサーバ２０およびそれを含むＰｏＣ通信システム１００について、以下に説明する。
【０１９７】
〔ＰｏＣサーバ２０〕
図１５は、各携帯電話のプレゼンスを監視し、自動で録音内証話情報を配信するＰｏＣサーバ２０の要部構成を示すブロック図である。ＰｏＣサーバ２０において、図１のＰｏＣサーバ１０と異なる点は、主制御部２１の内部に、さらに、プレゼンス監視部（端末情報監視手段）２２を有している点である。
【０１９８】
このプレゼンス監視部２２は、ＰｏＣサーバ２０が録音した内証話情報の宛先となっているすべての携帯電話についてのプレゼンスを監視するためのものである。より具体的には、宛先となっている各携帯電話のスピーカフォン音声出力部８を監視し、それが非アクティブの状態に遷移することを検知する。すなわち、スピーカフォンの状態でなくなった携帯電話を特定することができる。
【０１９９】
スピーカフォンの状態でなくなったと判断された携帯電話を示す携帯電話識別情報は、その携帯電話宛ての録音内証話情報を出力せよという指示信号とともに、録音制御部１８に供給される。
【０２００】
上記携帯電話識別情報および指示信号を受信した録音制御部１８は、メモリ１８２の録音管理リスト４９（図１１）から、上記携帯電話識別情報（例えば、図１１の「Ｂ」）に関連付けられた録音内証話情報（図１１の「◎×▲■」）を、その宛先となる携帯電話Ｂを示す情報とともに情報配信部１５に供給する。
【０２０１】
なお、プレゼンス監視部２２が各携帯電話のプレゼンスを監視する方法としては、（１）携帯電話を直接監視する、（２）プレゼンスサーバ１０１（図２参照）のプレゼンス情報更新を検知する、（３）自装置のプレゼンス情報記憶部１３のプレゼンス情報更新を検知する、などが考えられる。
【０２０２】
本実施の形態では、ＰｏＣ通信システム１００のプレゼンスサーバ１０１のプレゼンス情報更新を検知することにより、プレゼンスを監視する。
【０２０３】
情報配信部１５は、入力された録音内証話情報（◎×▲■）を、携帯電話Ｂ宛てに供給する。
【０２０４】
これにより、録音内証話情報の宛先となっている各携帯電話のプレゼンスを監視し、それらの携帯電話がスピーカフォンの状態でなくなった時に、自動で録音内証話情報を配信することができる。
【０２０５】
〔ＰｏＣ通信システム１００〕
本実施の形態に係るＰｏＣ通信システム１００の構成は、図２に示す通りである。ＰｏＣ通信システム１００は、ＰｏＣサーバ２０を備えているという点以外は、実施の形態１におけるＰｏＣ通信システム１００と同様である。なお、プレゼンスサーバ１０１を含んでいてもよい。
【０２０６】
図１６は、本実施の形態に係るＰｏＣ通信システム１００の各構成要素における、処理の流れを示すシーケンス図である。
【０２０７】
ここでは、送信側の携帯電話の例として携帯電話４０（５０）を適用した携帯電話Ａを、スピーカフォンの状態にある受信側の携帯電話の例として携帯電話Ｂを、スピーカフォンの状態でない受信側の携帯電話の例として携帯電話Ｃを用いて説明する（図２参照のこと）。
【０２０８】
携帯電話Ａが送信情報４６をＰｏＣサーバ１０に送信してから、ＰｏＣサーバ１０が受信情報を携帯電話Ｂに通知し、携帯電話Ｂが、録音内証話情報がある旨を表示するまでの処理の流れ（Ｓ１０１〜Ｓ１０８）は、実施の形態１における図１２の処理の流れと同様であるので、ここでは説明を省略する。
【０２０９】
携帯電話Ｂがスピーカフォンの状態であるために配信できなかった、携帯電話Ｂ宛ての内証話情報が、Ｓ１０５にてＰｏＣサーバ２０により録音されている。この時に、ＰｏＣサーバ２０は、上記録音された内証話情報の宛先となる携帯電話Ｂのプレゼンス監視を開始する（Ｓ３０１）。
【０２１０】
その後、携帯電話Ｂのユーザがイヤフォンを装着するなどして、携帯電話Ｂのプレゼンスが変化すると、プレゼンスサーバ１０１のプレゼンス情報リスト５７が更新される（Ｓ３０２）（図１０の「端末ＩＤ」がＢの「イヤフォン」がＯＮ、「スピーカフォン」がＯＦＦ）。
【０２１１】
ＰｏＣサーバ２０は、このプレゼンス情報の更新を検知し（Ｓ３０３においてＹｅｓ）、宛先となる携帯電話Ｂがスピーカフォンの状態であるか否かを判定する（Ｓ３０４）。
【０２１２】
上記Ｓ３０２にて、「スピーカフォン」はＯＦＦに変更されていることから、ＰｏＣサーバ２０は、携帯電話Ｂはスピーカフォンの状態ではないと判定し、携帯電話Ａから携帯電話Ｂ宛ての内証話情報として記録されている録音内証話情報を携帯電話Ｂに配信する（Ｓ３０５）。
【０２１３】
配信された録音内証話情報は、携帯電話Ｂによって再生される。そして、ＰｏＣサーバ２０は、上記録音内証話情報が携帯電話Ｂ宛てに配信されたことを示す通知を、携帯電話Ａに送信するとともに、録音管理リスト４９（図１１）に格納されていた携帯電話Ｂ宛ての録音内証話情報を、配信済みとして消去する（Ｓ３０６）。
【０２１４】
一方、Ｓ３０４にて、携帯電話Ｂが依然スピーカフォンの状態であると検知した場合は、プレゼンスの監視を継続する。
【０２１５】
また、録音管理リスト４９に録音内証話情報がまだ保存されていれば（Ｓ３０７のＹｅｓ）、その保存されている録音内証話情報の宛先の携帯電話について、プレゼンスの監視を継続し、録音内証話情報がなくなれば（Ｓ３０７のＮｏ）、監視の処理を終了する（Ｓ３０８）。
【０２１６】
上述の方法より、録音内証話情報の宛先となっている各携帯電話のプレゼンスを監視し、それらの携帯電話がスピーカフォンの状態でなくなった時に、自動で録音内証話情報を配信することができる。
【０２１７】
〔実施の形態４〕
なお、本発明に係るＰｏＣ通信システム１００において、ＰｏＣサーバが、内証話情報を録音して保存する代わりに、それをテキストデータに変換し、それをスピーカフォンの状態の携帯電話に配信するようにしてもよい。この場合のＰｏＣサーバ３０およびそれを含むＰｏＣ通信システム１００について、以下に説明する。
【０２１８】
〔ＰｏＣサーバ３０〕
図１７は、内証話情報の宛先の携帯電話Ｂが、スピーカフォンの状態であった場合に、受信した内証話情報に含まれる内証話メッセージをテキストデータに変換して、携帯電話Ｂに配信するＰｏＣサーバ３０の要部構成を示すブロック図である。ＰｏＣサーバ３０において、図１のＰｏＣサーバ１０と異なる点は、内証話情報記憶部１８０の代わりに、主制御部３１の内部に受信した内証話情報に含まれる、音声による内証話メッセージをテキストデータに変換するテキスト変換部（テキスト変換手段）３７を有し、通知メッセージ生成部１９は、受信情報生成部１９２ではなく、配信テキスト情報生成部３５および開封情報生成部３６を有している点である。
【０２１９】
通信部１２は、携帯電話Ａから送信情報を受信するための情報受信部３２と、携帯電話Ｂに受信した送信情報を配信する情報配信部（情報配信手段）３３とを含んでいる。
【０２２０】
情報受信部３２を介して携帯電話Ａから送信情報４６が受信されると、内証話識別部１６により、それが内証話情報であると識別された場合には、プレゼンス検知部（端末情報検知手段）３４に供給される。
【０２２１】
プレゼンス検知部３４は、上記内証話情報の宛先となる携帯電話Ｂが、スピーカフォンの状態であるか否かを判定するためのものである。もし、携帯電話Ｂがスピーカフォンの状態でなければ、上記内証話情報は情報配信部３３を介して音声のまま配信される。
【０２２２】
一方、携帯電話Ｂがスピーカフォンの状態であることを検知すると、プレゼンス検知部３４は、上記内証話情報をテキスト変換部３７に供給する。
【０２２３】
なお、プレゼンス検知部３４は、携帯電話Ｂがスピーカフォンの状態であることを検知した時に、配信結果情報生成部１９１や配信テキスト情報生成部３５に対し、携帯電話Ｂ宛てに内証話情報を音声のまま配信しなかったことを通知してもよい。
【０２２４】
テキスト変換部３７は、音声認識によって、入力された音声データによる内証話メッセージをテキスト変換し、テキストデータによる内証話メッセージを含む内証話情報（テキスト内証話情報）を生成するためのものである。
【０２２５】
生成された、携帯電話Ｂ宛ての上記テキスト内証話情報は、配信テキスト情報生成部３５に供給されるとともに、情報配信部３３を介して、携帯電話Ｂに供給される。
【０２２６】
通知メッセージ生成部１９が内部に有する、配信テキスト情報生成部３５は、（１）音声内証話メッセージが配信されなかった携帯電話の情報（ここでは、携帯電話Ｂ）と、（２）携帯電話Ｂに配信される、テキスト変換部３７によって生成されたテキスト内証話情報の内容とを含んだ、「配信テキスト情報」を生成するためのものである。上記配信テキスト情報は、内証話情報の送信元である携帯電話Ａに対して、情報配信部３３を介して送信される。
【０２２７】
これにより携帯電話Ａのユーザは、どの携帯電話宛てに音声が届かなかったかを把握するとともに、それらの携帯電話には、代わりにどんな文章が配信されたのかを確認することができる。
【０２２８】
開封情報生成部３６は、携帯電話Ｂが、上記テキスト内証話情報を開封したことを携帯電話Ａに通知するための開封情報を生成するためのものである。生成された開封情報も、情報配信部３３を介して携帯電話Ａに送信される。
【０２２９】
これにより携帯電話Ａのユーザは、上記テキスト内証話情報が宛先の携帯電話Ｂにより開封されたことを確認することができる。
【０２３０】
以上のことから、内証話情報の宛先の携帯電話Ｂが、スピーカフォンの状態であった場合に、受信した内証話情報が含む内証話メッセージをテキストデータに変換して、携帯電話Ｂに配信することができる。結果として、スピーカフォンの機能の解除を待たずに、リアルタイムで内証話情報を携帯電話Ｂに届けることができる。
【０２３１】
〔ＰｏＣ通信システム１００〕
本実施の形態に係るＰｏＣ通信システム１００の構成は、図２に示す通りである。ＰｏＣ通信システム１００は、ＰｏＣサーバ３０を備えているという点以外は、実施の形態１におけるＰｏＣ通信システム１００と同様である。なお、プレゼンスサーバ１０１を含んでいてもよい。
【０２３２】
図１８は、本実施の形態に係るＰｏＣ通信システム１００の各構成要素における、処理の流れを示すシーケンス図である。
【０２３３】
ここでは、実施の形態３と同様、送信側の携帯電話の例として携帯電話４０（５０）を適用した携帯電話Ａを、スピーカフォンの状態にある受信側の携帯電話の例として携帯電話Ｂを、スピーカフォンの状態でない受信側の携帯電話の例として携帯電話Ｃを用いて説明する（図２参照のこと）。
【０２３４】
携帯電話Ａが送信情報４６をＰｏＣサーバ３０に送信してから、スピーカフォンの状態でない携帯電話Ｃにのみ内証話情報を配信するまでの処理の流れ（Ｓ１０１〜Ｓ１０４）は、実施の形態１における図１２の処理の流れと同様であるので、ここでは説明を省略する。
【０２３５】
Ｓ１０３にて、携帯電話Ｂがスピーカフォンの状態であると検知したＰｏＣサーバ３０は、受信した音声データによる内証話情報をテキスト変換し、テキストデータによる内証話情報（テキスト内証話情報）を生成する（Ｓ４０１）。
【０２３６】
生成された上記テキスト内証話情報は、携帯電話Ｂに配信され、携帯電話Ｂに受信される（Ｓ４０２）。この時、携帯電話Ｂの表示部５（図３）にはテキスト内証話情報を受信したことのみを通知し、内証話情報の内容を表示せず封書として受信されるようにしてもよい。
【０２３７】
また、ＰｏＣサーバ３０は、上記Ｓ４０１のテキスト変換が正しく行われたかを携帯電話Ａのユーザが確認できるよう、変換したテキストの内証話メッセージを含む配信テキスト情報を生成して携帯電話Ａに送信する（Ｓ４０３）。配信テキスト情報を受信した携帯電話Ａは、内証話情報が音声にて配信されなかった携帯電話の情報と、テキストに変換された内証話情報を表示部５に表示する。
【０２３８】
一方、携帯電話Ｂでは、Ｓ４０２にて、テキスト内証話情報受信の通知を受けた後、携帯電話Ｂのユーザが、上記テキスト内証話情報の封書を開封する（Ｓ４０４）。この時、上記テキスト内証話情報が開封されたことを、ＰｏＣサーバ３０に通知する。
【０２３９】
ＰｏＣサーバ３０は、上記開封の通知を携帯電話Ｂより受け付けると、携帯電話Ｂが上記テキスト内証話情報を開封した旨を通知する開封情報を生成し（Ｓ４０５）、携帯電話Ａに通知する。
【０２４０】
以上のことから、内証話情報の宛先の携帯電話Ｂが、スピーカフォンの状態であった場合に、受信した内証話情報に含まれる内証話メッセージをテキストデータに変換して、携帯電話Ｂに配信することができる。結果として、秘話性の高い会話の音声を外部に漏らすことなく、スピーカフォンの機能の解除を待たずに、リアルタイムで内証話情報を携帯電話Ｂに届けることができる。
【０２４１】
〔第２のシステム−ＰｏＣ通信システム３００〕
次に、上述の送信情報４６を携帯電話４０（５０）から、ＰｏＣサーバを介して受信し、それが内証話情報か否かを受信端末装置が判断する場合のＰｏＣ通信システム３００について、以下に説明する。
【０２４２】
上述の各実施の形態と大きく異なる点は、内証話情報か否かを判断するのが、ＰｏＣサーバでは、受信端末装置自身であるという点である。
【０２４３】
ＰｏＣ通信システム３００は、図２の携帯電話４０（５０）を適用した携帯電話Ａと、携帯電話Ａからの送信情報を、ＰｏＣサーバを介して受信する、携帯電話６０（７０）を適用した受信側の携帯電話Ｂとを含んでいる。なお、ＰｏＣサーバは、携帯電話Ａからの送信情報を受信し、該送信情報を配信するなどの通信制御が可能なＰｏＣサーバであれば何でもよい。なお、ＰｏＣ通信システム１００、２００と同様、プレゼンスサーバ１０１を含んでいてもよい。
【０２４４】
〔実施の形態５〕
図１９は、図２に示すＰｏＣ通信システム３００における、携帯電話６０の要部構成を示すブロック図である。携帯電話６０は、図１９に示すように、主制御部１、無線通信部２、表示部５、受話器音声出力部６、イヤフォン音声出力部７、スピーカフォン音声出力部８、録音部９、およびメモリ９３を備え、また、主制御部１は内部に、ヘッダを解析する内証話識別部（内証話識別手段）６３、携帯電話６０本体のプレゼンスを検知するプレゼンス検知部（状態検知手段）６４、および、受信した送信情報に含まれる送信メッセージを、音声にて音声出力部９４に、映像信号として表示部５に出力するメッセージ出力部（メッセージ出力手段）６６とを備えている。
【０２４５】
無線通信部２は、ＰｏＣサーバからのデータを無線で受信する無線受信部６１と、ＰｏＣサーバへデータを無線で送信する無線送信部６２とを含む。無線受信部６１により受信された送信情報は、内証話識別部６３に供給される。
【０２４６】
内証話識別部６３は、ＰｏＣサーバを介して携帯電話Ａから受信した、送信情報４６（図６）のヘッダ４７を解析するためのものである。解析の結果、ヘッダ４７に内証話フラグＦを検出した場合、送信情報４６が内証話情報であることを識別し、送信情報４６をプレゼンス検知部６４に供給する。一方、内証話フラグＦがなかった場合は、送信情報４６を、メッセージ出力部６６に供給する。
【０２４７】
なお、この時、音声出力されたか否かを示す情報を出力結果情報生成部（出力結果通知手段）６９に供給する。あるいは、音声出力されなかった時のみその旨を通知するのでもよい。
【０２４８】
プレゼンス検知部６４は、携帯電話６０本体のプレゼンス情報を検知するためのものである。より具体的には、携帯電話６０に備えられている音声出力部９４のスピーカフォン音声出力部８（および、受話器音声出力部６）がアクティブであるか否かを検知する。
【０２４９】
プレゼンス検知部６４は、内証話識別部６３から供給された送信情報４６を受け取ると、スピーカフォン音声出力部８がアクティブであるか否か、すなわち、スピーカフォンの状態であるか否かを検知する。ここで、携帯電話６０が、スピーカフォンの状態であると検知すれば、受信した内証話情報を、メッセージ出力部６６には出力せずに、録音制御部６７（あれば）に供給する。反対に、携帯電話６０が、スピーカフォンの状態でないと検知すれば、上記内証話情報をメッセージ出力部６６に供給する。
【０２５０】
メッセージ出力部６６は、携帯電話６０で発生する情報を、表示部５および音声出力部９４に供給するためのものである。映像信号であれば、表示部５に、音声信号であれば、音声出力部９４に供給する。メッセージ出力部６６は、送信情報４６が供給されると、該送信情報が含む送信メッセージ４８を音声信号として音声出力部９４に出力する。なお、音声出力部９４に音声信号が供給されると、受話器音声出力部６、イヤフォン音声出力部７、スピーカフォン音声出力部８のうち、アクティブになっている音声出力部からのみ音声が出力される。
【０２５１】
なお、携帯電話６０は、さらに、録音部９およびメモリ９３を制御する録音制御部６７を含んでいてもよい。これら録音制御部６７、録音部９およびメモリ９３は、内証話情報記憶部（内証話記憶手段）５８を構成している。これにより、プレゼンス検知部６４が、受信した内証話情報をメッセージ出力部６６に供給しなかった場合でも、該内証話情報を録音することが可能となる。なお、メモリ９３に複数の録音内証話情報を記憶しておく場合は、図１１に示す「送信元端末ＩＤ」や「録音開始（終了）時刻」などのような情報に、録音内証話情報を関連付けた録音管理リスト（図示せず）を作成すればよい。これにより、録音内証話情報が複数存在しても、それを一意に特定し、管理することが可能となる。
【０２５２】
さらに、携帯電話６０は、携帯電話Ａからの内証話内証話情報を携帯電話Ｂ宛てに受信したことを該携帯電話Ｂのユーザに通知するための受信情報生成部（受信通知手段）６８を含んでいてもよい。この場合、内証話情報が受信され、出力されずにいることを、携帯電話Ｂのユーザは認識することができる。また、送信内証話情報の配信結果などを送信元の携帯電話Ａに通知するための出力結果情報生成部６９を含んでいてもよい。ここで生成された出力結果情報は、無線送信部６２を介して携帯電話Ａに送信される。これにより、携帯電話Ｂにおいて、内証話情報がまだ出力されていないことを、送信元である携帯電話Ａのユーザは認識することができる。
【０２５３】
また、上記出力結果情報は、上記内証話情報記憶部５８により録音内証話情報が再生された場合に、そのことを携帯電話Ａに通知するための情報を含んでいてもよい。
【０２５４】
また、携帯電話６０は、携帯電話６０本体のプレゼンスの変化を監視するプレゼンス監視部（状態監視手段）６５を備えていてもよい。この場合、スピーカフォン音声出力部８の状態の遷移に応じて、自動で、録音した内証話情報を再生することが可能となる。
【０２５５】
これにより、携帯電話６０は本体がスピーカフォンの状態の時に、内証話情報を受信した時には、メッセージ出力部６６へは供給されずに、出力結果情報生成部６９、受信情報生成部６８、および録音制御部６７に供給される。一方、スピーカフォンの状態でない場合は、メッセージ出力部６６により、スピーカフォン音声出力部８以外の音声出力部によってそのまま音声出力される。
【０２５６】
結果として、秘話性の高い会話の音声が受信された場合に、受信端末装置本体のスピーカフォン機能により外部にその音声が漏れることを回避することができる。
【０２５７】
以下、本実施の形態のＰｏＣ通信システム３００における処理の流れを説明する。
【０２５８】
図２０は、ＰｏＣ通信システム３００の各構成要素における、処理の流れを示すシーケンス図である。
【０２５９】
ここでは、送信側の携帯電話の例として携帯電話４０（５０）を適用した携帯電話Ａを、スピーカフォンの状態にある受信側の携帯電話の例として携帯電話６０を適用した携帯電話Ｂを、スピーカフォンの状態でない受信側の携帯電話の例として携帯電話Ｃを用いて説明する（図２参照のこと）。
【０２６０】
まず、携帯電話Ａが、上述の方法を用いて、図６に示す送信情報４６を携帯電話Ｂおよび携帯電話Ｃに宛てて、ＰｏＣサーバに送信する（Ｓ５０１）。この時の送信情報４６のヘッダ４７には、内証話フラグと、宛先情報として、携帯電話Ｂと携帯電話Ｃの情報が含まれている。
【０２６１】
ＰｏＣサーバは、受信した送信情報４６のヘッダ４７を解析し（Ｓ５０２）、宛先となる携帯電話Ｂおよび携帯電話Ｃに受信した送信情報４６を配信する。
【０２６２】
上記送信情報４６をＰｏＣサーバより受信した、携帯電話Ｂ（およびＣ）は、受信した送信情報４６のヘッダ４７を解析し、内証話フラグの有無によって、送信情報４６が内証話情報か否かを判断する（Ｓ５０３）。
【０２６３】
ここで、携帯電話Ｂ（およびＣ）が、送信情報４６が送信メッセージを含んだ通常の送信情報と判断した場合には（Ｓ５０３のＮｏ）、そのまま送信情報４６を音声出力し（Ｓ５０４）、処理を終了する。
【０２６４】
一方、送信情報４６が内証話メッセージを含む内証話情報であると判断した時、携帯電話Ｂ（およびＣ）は、携帯電話Ｂ（およびＣ）本体のプレゼンスをそれぞれ確認する（Ｓ５０５）。
【０２６５】
ここで、携帯電話Ｃは、自身がスピーカフォンの状態でないことを検知し（Ｓ５０５のＮｏ）、Ｓ５０４に移行してスピーカフォン音声出力部８（図１９）以外の音声出力部により音声を出力して処理を終了する。
【０２６６】
反対に、携帯電話Ｂは、自身がスピーカフォンの状態であることを検知し（Ｓ５０５のＹｅｓ）、内証話情報の録音を行う（Ｓ５０６）。またここで、受信情報を生成し、内証話情報を受信したことを表示部５に表示してもよい（Ｓ５０７）。さらに、携帯電話Ｂは、出力結果情報を生成し、上記受信した内証話情報を音声にてまだ出力していない旨をＰｏＣサーバに通知してもよい（Ｓ５０８）。上記出力結果情報は、ＰｏＣサーバを経由して、携帯電話Ａに送信される。携帯電話Ａが上記出力結果情報を受信すると、携帯電話Ａの表示部５に、音声未出力の携帯電話の情報が表示される（Ｓ５０９）。
【０２６７】
これにより、内証話情報が受信された場合に、携帯電話本体のスピーカフォン機能により外部にその音声が漏れることを回避することができる。
【０２６８】
さらに、図１９に示す通り、携帯電話６０がプレゼンス監視部６５を備えている場合には、携帯電話６０がスピーカフォンの状態でなくなった時に、それを検知して、自動で録音した内証話情報を音声出力することが可能となる。その処理の流れを、同じく図２０のシーケンスを参照しながら以下に説明する。
【０２６９】
上記Ｓ５０６にて、内証話情報が録音されると、携帯電話Ｂは、自身のプレゼンス監視を開始する（Ｓ５１０）。
【０２７０】
その後、もし、携帯電話Ｂのユーザがイヤフォンを装着するなどして、携帯電話Ｂのプレゼンスが変更されたら（Ｓ５１１）、携帯電話Ｂは、スピーカフォン音声出力部８がアクティブから非アクティブの状態へと遷移したか否かを検知する（Ｓ５１２）。なお、この時、携帯電話Ｂはそのプレゼンスの変化をプレゼンスサーバ１０１に通知してもよい。
【０２７１】
続いて、携帯電話Ｂ自身がスピーカフォンの状態でないことを検知した時に（Ｓ５１２のＹｅｓ）、携帯電話Ｂは、録音した内証話情報を自動で再生する（Ｓ５１３）。そして、内証話メッセージ情報を再生したことを通知するための出力結果情報を生成し、それを、ＰｏＣサーバを経由して携帯電話Ａに送信してもよい。上記出力結果情報を受信した携帯電話Ａは、携帯電話Ａが送信した内証話情報を、携帯電話Ｂが再生したことを表示部５に表示し（Ｓ５１４）、携帯電話Ａのユーザに通知する。
【０２７２】
上記の方法により、携帯電話のプレゼンスの変更に応じて、自動で、録音した内証話メッセージを再生することが可能となる。
【０２７３】
〔実施の形態６〕
なお、本発明に係るＰｏＣ通信システム３００において、携帯電話Ｂが、内証話情報を録音して保存する代わりに、内証話情報に含まれる内証話メッセージをテキストデータに変換し、携帯電話Ｂがスピーカフォンの状態の時には、それを出力するようにしてもよい。この場合の携帯電話７０を適用した携帯電話Ｂおよびそれを含むＰｏＣ通信システム３００について、以下に説明する。
【０２７４】
図２１は、図２に示すＰｏＣ通信システム３００における、携帯電話７０の要部構成を示すブロック図である。携帯電話７０において、図１９の携帯電話６０と異なる点は、内証話情報記憶部５８の代わりに、主制御部１の内部に受信した内証話情報に含まれる、音声による内証話メッセージをテキストデータに変換するテキスト変換部（テキスト変換手段）７４を有し、受信情報生成部６８ではなく、出力テキスト情報生成部７５および開封情報生成部７６を有している点である。
【０２７５】
なお、図２１の残りの各構成要素に付された番号は、図１９の各構成要素に付された番号に対応しており、同じ符号は、同じ構成要素を示している。
【０２７６】
無線通信部２は、ＰｏＣサーバからのデータを無線で受信する無線受信部６１と、ＰｏＣサーバへデータを無線で送信する無線送信部７１とを含む。
【０２７７】
無線受信部６１を介してＰｏＣサーバから送信情報４６が受信されると、内証話識別部６３により、それが内証話情報であると識別された場合には、プレゼンス検知部（状態検知手段）７２に供給される。
【０２７８】
プレゼンス検知部７２は、携帯電話Ｂ本体が、自身がスピーカフォンの状態であるか否かを判定するためのものである。もし、携帯電話Ｂがスピーカフォンの状態でないと判定すれば、受信した内証話情報に含まれる内証話メッセージはメッセージ出力部（メッセージ出力手段）７３を介して音声のまま出力される。
【０２７９】
一方、携帯電話Ｂがスピーカフォンの状態であることを検知すると、プレゼンス検知部７２は、上記内証話情報をテキスト変換部７４に供給する。
【０２８０】
なお、プレゼンス検知部７２は、携帯電話Ｂがスピーカフォンの状態であることを検知した時に、出力結果情報生成部６９や出力テキスト情報生成部７５に対し、内証話メッセージをまだ音声にて出力していないことを通知してもよい。
【０２８１】
テキスト変換部７４は、音声認識によって、入力された内証話情報に含まれる音声データによる内証話メッセージをテキスト変換し、テキスト内証話メッセージを生成するためのものである。
【０２８２】
生成された上記テキスト内証話メッセージは、出力テキスト情報生成部７５に供給されるとともに、メッセージ出力部７３を介して、表示部５に供給される。
【０２８３】
出力テキスト情報生成部７５は、（１）音声内証話メッセージが出力されなかったことと、（２）携帯電話Ｂにて出力される、テキスト変換部７４によって生成されたテキスト内証話メッセージの内容とを含んだ、「出力テキスト情報」を生成するためのものである。上記出力テキスト情報は、内証話情報の送信元である携帯電話Ａに対して、無線送信部７１を介して送信される。
【０２８４】
これにより携帯電話Ａのユーザは、携帯電話Ｂが音声を出力していないことを把握するとともに、代わりにどんな文章が出力されたのかを確認することができる。
【０２８５】
開封情報生成部７６は、携帯電話Ｂが、上記テキスト内証話メッセージを開封したことを携帯電話Ａに通知するための開封情報を生成するためのものである。生成された開封情報も、無線送信部７１を介して携帯電話Ａに送信される。
【０２８６】
これにより携帯電話Ａのユーザは、上記テキスト内証話メッセージが宛先の携帯電話Ｂにより開封されたことを確認することができる。
【０２８７】
以上のことから、内証話情報の宛先の携帯電話Ｂが、スピーカフォンの状態であった場合に、受信した内証話情報に含まれる内証話メッセージをテキストデータに変換して、出力することができる。結果として、ユーザは、スピーカフォンの機能の解除を待たずに、リアルタイムで内証話メッセージを認識することができる。
【０２８８】
以下、本実施の形態のＰｏＣ通信システム３００における処理の流れを説明する。
【０２８９】
図２２は、ＰｏＣ通信システム３００の各構成要素における、処理の流れを示すシーケンス図である。
【０２９０】
ここでは、送信側の携帯電話の例として携帯電話４０（５０）を適用した携帯電話Ａを、スピーカフォンの状態にある受信側の携帯電話の例として携帯電話７０を適用した携帯電話Ｂを、スピーカフォンの状態でない受信側の携帯電話の例として携帯電話Ｃを用いて説明する（図２参照のこと）。
【０２９１】
携帯電話Ａが送信情報４６をＰｏＣサーバに送信してから、スピーカフォンの状態でない携帯電話Ｃのみが、内証話メッセージを出力するまでの処理の流れ（Ｓ５０１〜Ｓ５０５）は、実施の形態５における図２０の処理の流れと同様であるので、ここでは説明を省略する。
【０２９２】
Ｓ５０５にて、自身がスピーカフォンの状態であると検知した携帯電話Ｂは、受信した内証話情報に含まれる、音声データによる内証話メッセージをテキスト変換し、テキストデータによる内証話メッセージ（テキスト内証話メッセージ）を生成する（Ｓ６０１）。この時、携帯電話Ｂの表示部５には内証話情報を受信したことのみを通知し、内証話メッセージの内容を表示せず、ユーザの指示に応じて開封されるようにしてもよい。
【０２９３】
また、携帯電話Ｂは、上記Ｓ６０１のテキスト変換が正しく行われたかを携帯電話Ａのユーザが確認できるよう、変換したテキスト内証話メッセージを含む出力テキスト情報を生成して携帯電話Ａに送信する（Ｓ６０２）。出力テキスト情報を受信した携帯電話Ａは、携帯電話Ｂにおいて、内証話メッセージが音声にて出力されなかったことと、代わりに出力されたテキストに変換された内証話メッセージを表示部５に表示する（Ｓ６０３）。
【０２９４】
一方、携帯電話Ｂでは、Ｓ６０１にて、内証話情報受信の通知を受けた後、携帯電話Ｂのユーザが、上記テキスト内証話メッセージの封書を開封する（Ｓ６０４）。この時、上記テキスト内証話メッセージが開封されたことを示す開封情報を生成し（Ｓ６０５）、ＰｏＣサーバを介して、携帯電話Ａに送信する。
【０２９５】
以上のことから、内証話情報の宛先の携帯電話Ｂが、スピーカフォンの状態であった場合に、受信した内証話情報に含まれる内証話メッセージをテキストデータに変換して、出力することができる。結果として、秘話性の高い会話の音声を外部に漏らすことなく、スピーカフォンの機能の解除を待たずに、ユーザは、リアルタイムで内証話メッセージを確認ことができる。
【０２９６】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【０２９７】
最後に、ＰｏＣサーバ１０（２０、３０）および携帯電話４０（５０、６０、７０、８０）の各ブロック、特に内証話識別部１６（６３）およびプレゼンス検知部１７（３４、６４、７２）は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにＣＰＵを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【０２９８】
すなわち、ＰｏＣサーバ１０（２０、３０）および携帯電話４０（５０、６０、７０、８０）は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するＣＰＵ（central processing unit）、上記プログラムを格納したＲＯＭ（read only memory）、上記プログラムを展開するＲＡＭ（random access memory）、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置（記録媒体）などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるＰｏＣサーバ１０（２０、３０）および携帯電話４０（５０、６０、７０、８０）の制御プログラムのプログラムコード（実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム）をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記ＰｏＣサーバ１０（２０、３０）および携帯電話４０（５０、６０、７０、８０）に供給し、そのコンピュータ（またはＣＰＵやＭＰＵ）が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【０２９９】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー（登録商標）ディスク／ハードディスク等の磁気ディスクやＣＤ−ＲＯＭ／ＭＯ／ＭＤ／ＤＶＤ／ＣＤ−Ｒ等の光ディスクを含むディスク系、ＩＣカード（メモリカードを含む）／光カード等のカード系、あるいはマスクＲＯＭ／ＥＰＲＯＭ／ＥＥＰＲＯＭ／フラッシュＲＯＭ等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【０３００】
また、ＰｏＣサーバ１０（２０、３０）および携帯電話４０（５０、６０、７０、８０）を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを、通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、ＬＡＮ、ＩＳＤＮ、ＶＡＮ、ＣＡＴＶ通信網、仮想専用網（virtual private network）、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、ＩＥＥＥ１３９４、ＵＳＢ、電力線搬送、ケーブルＴＶ回線、電話線、ＡＤＳＬ回線等の有線でも、ＩｒＤＡやリモコンのような赤外線、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）、８０２．１１無線、ＨＤＲ、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【０３０１】
本発明に係るサーバ装置は、上記の課題を解決するために、送信端末装置が送信情報を受信端末装置に送信するための通信を制御するサーバ装置において、受信した送信情報に含まれる識別情報を検知して、該送信情報が内証話情報であることを識別する内証話識別手段と、上記送信情報の宛先となる受信端末装置がスピーカフォンの状態であるか否かを検知する端末情報検知手段と、上記受信した送信情報を該送信情報の宛先となる受信端末装置に配信する情報配信手段とを備え、上記情報配信手段は、スピーカフォンの状態でないと検知された宛先の受信端末装置にのみ、音声による内証話情報を配信することを特徴としている。
【０３０２】
上記構成によれば、送信端末装置より受信した送信情報が内証話情報である場合、内証話識別手段が、そのことを示す識別情報を上記送信情報から見つけ出し、そのことによって上記送信情報が内証話メッセージを含む内証話情報であることを識別する。次に、端末情報検知手段は、入力された上記内証話情報が含む宛先情報から、宛先となる受信端末装置を特定し、受信端末装置がスピーカフォンの状態か否かを検知する。
【０３０３】
もし、宛先の受信端末装置がスピーカフォンの状態ではないと検知されれば、上記情報配信手段は、上記内証話情報をその受信端末装置に配信する。
【０３０４】
一方、宛先の受信端末装置がスピーカフォンの状態であると検知されれば、上記情報配信手段は、上記内証話情報を配信しない。
【０３０５】
これにより、送信端末装置により送信される内証話情報は、スピーカフォンの状態でない受信端末装置にのみ配信される。
【０３０６】
従って、もし、送信端末装置が、内証話の音声を受信端末装置宛てに送信したとしても、宛先の受信端末装置がスピーカフォンの機能により音声を外部に出力する状態になっている場合には、その受信端末装置には、上記の内証話の音声が配信されないようになる。
【０３０７】
以上のことから、もし上記内証話情報に含まれる会話の内容が、関係者以外に聞かれてはならない秘話性の高いものであっても、それが受信端末装置により出力されることで外部に漏れる危険を回避することができる。
【０３０８】
本発明に係るサーバ装置は、受信した内証話情報を宛先の受信端末装置に配信したか否かを上記送信端末装置に通知する配信結果通知手段を備えていてもよい。
【０３０９】
これにより、送信端末装置のユーザは、どの受信端末装置に内証話情報を送信できなかったのかを認識することができる。
【０３１０】
本発明に係るサーバ装置は、上記送信端末装置からの内証話情報を受信端末装置宛てに受信したことを該受信端末装置に通知する受信通知手段を備えていてもよい。
【０３１１】
これにより、受信端末装置のユーザは、自身の装置が内証話情報を受信できない状態でも、内証話情報が自身の装置宛てに送られたことを認識することができる。
【０３１２】
本発明に係るサーバ装置は、さらに、受信した内証話情報を上記宛先の受信端末装置に関連付けて記憶する内証話記憶手段を備えていてもよい。
【０３１３】
これにより、受信端末装置が、スピーカフォンの状態であるなどの理由で、自装置宛ての内証話情報をリアルタイムで受信できなくても、それ受信できる状態になった後に、上記受信端末装置に対して、上記内証話情報を配信することが可能となる。
【０３１４】
なお、上記情報配信手段は、上記内証話記憶手段に記憶された内証話情報の配信の要求を、上記内証話情報の宛先の受信端末装置より受け付け、上記宛先の受信端末装置に関連付けて記憶された、要求された内証話情報を、上記内証話記憶手段から読み出して、上記宛先の受信端末装置に配信してもよい。
【０３１５】
これにより、自装置宛ての内証話情報をリアルタイムで受信できなかった受信端末装置からの要求に応じて、上記内証話情報を上記受信端末装置に配信することが可能となる。
【０３１６】
本発明に係るサーバ装置は、さらに、上記内証話記憶手段に記憶された内証話情報の宛先の受信端末装置がスピーカフォンの状態を解除したか否かを監視する端末情報監視手段を備え、上記情報配信手段は、上記端末情報監視手段が、上記宛先の受信端末装置がスピーカフォンの状態を解除したことを検知した時に、該宛先の受信端末装置に関連付けて記憶された内証話情報を該宛先の受信端末装置に配信してもよい。
【０３１７】
上記構成によれば、上記内証話記憶手段に内証話情報が記憶されると、上記端末情報監視手段は、上記内証話情報の宛先となる受信端末装置の状態を監視する。上記受信端末装置がスピーカフォンの状態を解除した時、上記端末情報監視手段は、その解除を検知し、上記情報配信手段は、それ応じて、該宛先の受信端末装置に関連付けて記憶された内証話情報を該宛先の受信端末装置に配信する。
【０３１８】
これにより、未配信のまま上記内証話記憶手段に記憶された内証話情報を、その宛先の受信端末装置がスピーカフォンの状態を解除したのに応じて自動で、上記受信端末装置に配信することが可能となる。
【０３１９】
本発明に係るサーバ装置は、さらに、受信した音声による内証話情報をテキスト形式に変換するテキスト変換手段を備え、上記情報配信手段は、スピーカフォンの状態であると検知された宛先の受信端末装置に、テキスト形式に変換した上記内証話情報を配信するようにしてもよい。
【０３２０】
上記構成によれば、内証話情報を送信端末装置より受信した場合、スピーカフォンの状態でない受信端末装置にのみ、上記音声による内証話情報を配信し、スピーカフォンの状態である受信端末装置には、上記内証話情報のテキスト情報を配信する。
【０３２１】
これにより、秘話性の高い会話の音声が外部に漏れるのを回避し、かつ、スピーカフォンの状態の解除を待たずに、リアルタイムで内証話メッセージを受信端末装置に届けることができる。
【０３２２】
本発明に係る受信端末装置は、上記の課題を解決するために、外部の送信端末装置により送信された送信情報を、サーバ装置を介して受信する、スピーカフォン機能を有する受信端末装置において、上記送信情報に含まれる送信メッセージをユーザに提示するためのメッセージ提示手段と、上記メッセージ提示手段がスピーカフォンの状態を解除したか否かを監視する状態監視手段と、上記サーバ装置に対して上記送信情報の配信要求を行う情報配信要求手段とを備え、上記情報配信要求手段は、自装置宛ての送信情報を受信したこと通知する受信通知をサーバ装置より受信した場合、上記状態監視手段により上記メッセージ提示手段がスピーカフォンの状態でないと検知された時に、上記サーバ装置に対して上記送信情報の配信要求を行うことを特徴としている。
【０３２３】
上記構成によれば、上記サーバ装置より、自装置宛ての送信情報を受信した旨の通知を受け取ると、上記状態監視手段が上記メッセージ提示手段の状態を監視する。メッセージ提示手段がスピーカフォンの状態を解除した時、上記状態監視手段は、その解除を検知し、上記情報配信要求手段は、それに応じて、上記サーバ装置に対して上記送信情報の配信要求を行う。
【０３２４】
これにより、未受信のままサーバ装置に記憶された自装置宛ての内証話情報の配信を、上記メッセージ提示手段がスピーカフォンの状態を解除したのに応じて自動で、上記サーバ装置に対して要求することが可能となる。
【０３２５】
本発明に係る通信システムは、上記の課題を解決するために、上述の送信端末装置と、上記送信端末装置から送信された送信情報を該送信情報の宛先となる受信端末装置に配信する、上述のサーバ装置とを含むことを特徴としている。
【０３２６】
上記構成によれば、上記サーバ装置が、上記送信端末装置より送信される送信情報が内証話情報である場合は、スピーカフォンの状態でない宛先の受信端末装置にのみ上記内証話情報を送信するという通信制御を行う。
【０３２７】
これにより、上記内証話情報に含まれる会話の内容が、関係者以外に聞かれてはならない秘話性の高いものであっても、それが受信端末装置により出力されることで外部に漏れる危険を回避することができる通信システムを構築することができる。
【０３２８】
本発明に係る通信システムは、上記の課題を解決するために、上述の送信端末装置と、上記送信端末装置から送信された送信情報を該送信情報の宛先となる受信端末装置に配信する、上述の内証話記憶手段を有するサーバ装置と、上述の情報配信要求手段を有する受信端末装置とを含むことを特徴としている。
【０３２９】
これにより、上記受信端末装置宛ての内証話情報を上記サーバ装置が記憶している場合に、上記受信端末装置は、自装置がスピーカフォンの状態でなくなったことを検知して、自動で上記サーバ装置に対して上記内証話情報の配信を要求することが可能な通信システムを構築することが可能となる。
【０３３０】
本発明に係る通信制御方法は、上記の課題を解決するために、送信端末装置が送信情報を受信端末装置に送信するための通信を制御するサーバ装置の通信制御方法であって、受信した送信情報に含まれる識別情報を検知し、該送信情報が内証話情報であることを識別する識別ステップと、上記内証話情報の宛先となる受信端末装置がスピーカフォンの状態であるか否かを検知する検知ステップと、上記送信情報を該送信情報の宛先の受信端末装置に配信する情報配信ステップとを含み、上記情報配信ステップは、上記検知ステップにて、スピーカフォンの状態でないと検知された宛先の受信端末装置にのみ、上記識別ステップにて識別された内証話情報を配信することを特徴としている。
【０３３１】
上記方法によれば、上記送信端末装置から内証話情報を受信した際には、上記識別ステップにて、それが内証話情報であることが識別され、上記検知ステップにて、上記内証話情報の宛先となる受信端末装置がスピーカフォンの状態であるか否かが検知される。続いて、上記情報配信ステップにて、上記検知ステップにてスピーカフォンの状態でないと検知された受信端末装置にのみ、上記内証話情報が配信される。
【０３３２】
以上のことから、上記内証話情報に含まれる会話の内容が、関係者以外に聞かれてはならない秘話性の高いものであっても、それが受信端末装置により音声出力されることで外部に漏れる危険を回避することができる。
【０３３３】
本発明に係る情報受信方法は、上記の課題を解決するために、外部の送信端末装置により送信された送信情報を受信する、スピーカフォン機能を有する受信端末装置の情報受信方法であって、受信した送信情報に含まれる識別情報を検知し、該送信情報が内証話情報であることを識別する識別ステップと、上記送信情報に含まれる送信メッセージをユーザに提示するメッセージ提示ステップと、上記メッセージ提示ステップがスピーカフォンの状態にて実行されるか否かを検知する状態検知ステップと、上記送信メッセージを上記メッセージ提示ステップへの入力として出力するメッセージ出力ステップとを備え、上記メッセージ出力ステップは、上記状態検知ステップにて、上記メッセージ提示ステップがスピーカフォンの状態で実行されないと検知された時にのみ、上記識別ステップにて識別された内証話情報に含まれる内証話メッセージを出力することを特徴としている。
【０３３４】
上記方法によれば、上記送信端末装置から内証話情報を受信した際には、上記識別ステップにて、それが内証話情報であることが識別され、上記検知ステップにて、自装置がスピーカフォンの状態であるか否かが検知される。続いて、上記メッセージ出力ステップにて、上記検知ステップにて自装置がスピーカフォンの状態でないと検知された時のみ、上記内証話情報に含まれる内証話メッセージが出力される。
【０３３５】
以上のことから、上記内証話情報に含まれる会話の内容が、関係者以外に聞かれてはならない秘話性の高いものであっても、それが受信端末装置により音声出力されることで外部に漏れる危険を回避することができる。
【０３３６】
本発明に係る情報送信方法は、上記の課題を解決するために、送信情報を受信端末装置に送信する送信端末装置の情報送信方法であって、送信情報作成の指示入力を受け付けるステップと、入力された指示の内容に応じて、作成すべき送信情報が内証話情報であるか否かを判定する判定ステップと、上記作成すべき送信情報が内証話情報であると判定された場合には、上記送信情報が内証話情報であることを示す識別情報を、作成する送信情報に挿入する挿入ステップとを含むことを特徴としている。
【０３３７】
上記方法によれば、送信情報作成の指示入力を受け付けると、判定ステップにて、作成すべき送信情報が内証話情報であるか否かが判定される。上記作成すべき送信情報が内証話情報であると判定された場合には、上記挿入ステップにて、上記送信情報が内証話情報であることを示す識別情報が、作成する送信情報に挿入される。
【０３３８】
これにより、サーバ装置または受信端末装置が、送信情報を受信したときに、該送信情報が内証話情報であるか否かを識別することができる。
【０３３９】
本発明の通信制御プログラムは、上記の課題を解決するために、上述のサーバ装置を動作させる通信制御プログラムであって、コンピュータを上述の各手段として機能させるための通信制御プログラムである。
【０３４０】
この場合、汎用のコンピュータにより簡単に、送信端末装置および受信端末装置の通信の制御を行うことが可能となる。
【０３４１】
本発明の情報受信プログラムは、上記の課題を解決するために、上述の受信端末装置を動作させる情報受信プログラムであって、コンピュータを上述の各手段として機能させるための情報受信プログラムである。
【０３４２】
この場合、汎用のコンピュータにより簡単に、送信情報の受信を行うことが可能となる。
【０３４３】
本発明の情報送信プログラムは、上記の課題を解決するために、上述の送信端末装置を動作させる情報送信プログラムであって、コンピュータを上述の各手段として機能させるための情報送信プログラムである。
【０３４４】
この場合、汎用のコンピュータにより簡単に、送信情報の送信を行うことが可能となる。
【０３４５】
また、上記通信制御プログラム、情報受信プログラム、および情報送信プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録するようにすれば、そのコンピュータを備えているだけで、秘話性の高い会話の音声が送信端末装置より発信された場合に、受信側のスピーカフォン機能により外部にその音声が漏れることを回避することが可能な、サーバ装置、受信端末装置および送信端末装置を簡単に実現することが可能となる。
【０３４６】
本発明に係るサーバ装置は、以上のように、受信した送信情報に含まれる識別情報を検知して、該送信情報が内証話情報であることを識別する内証話識別手段と、上記送信情報の宛先となる受信端末装置がスピーカフォンの状態であるか否かを検知する端末情報検知手段と、上記受信した送信情報を該送信情報の宛先となる受信端末装置に配信する情報配信手段とを備え、上記情報配信手段は、スピーカフォンの状態でないと検知された宛先の受信端末装置にのみ、上記内証話情報を配信する。これにより、秘話性の高い会話の音声が送信端末装置より発信された場合に、受信側のスピーカフォン機能により外部にその音声が漏れることを回避することが可能となるという効果を奏する。
【産業上の利用可能性】
【０３４７】
本発明の受信端末装置またはサーバ装置を用いれば、秘話性の高い会話の音声が送信された場合に、受信側の機器のスピーカフォン機能によって外部にその音声が漏れることを回避することができる。従って、上記の受信端末装置またはサーバ装置を備えた本発明の通信システムを、例えば、携帯電話網を介した携帯電話向けの通信システム、あるいは、多地点電子会議システムに、好適に用いることができる。
【０３４８】
また本発明の送信端末装置および受信端末装置を、通信機能を有する、携帯電話、ポケットベル、ＰＤＡ（Personal Digital Assistant）などの携帯用端末装置、あるいは、パーソナルコンピュータ、ノートパソコンなどの各種情報処理装置、および、テレビ放送受信機、音楽再生装置などの各種視聴覚機器に適用することができる。
【符号の説明】
【０３４９】
１ 主制御部
２ 無線通信部
３ 操作部
４ 音声入力部（音声入力手段）
５ 表示部（表示手段）
６ 受話器音声出力部
７ イヤフォン音声出力部
８ スピーカフォン音声出力部
９ 録音部
１０ ＰｏＣサーバ（サーバ装置）
１１ 主制御部
１２ 通信部
１３ プレゼンス情報記憶部
１４ 情報受信部
１５ 情報配信部（情報配信手段）
１６ 内証話識別部（内証話識別手段）
１７ プレゼンス検知部（端末情報検知手段）
１８ 録音制御部
１９ 通知メッセージ生成部
２０ ＰｏＣサーバ（サーバ装置）
２１ 主制御部
２２ プレゼンス監視部（端末情報監視手段）
３０ ＰｏＣサーバ（サーバ装置）
３１ 主制御部
３２ 情報受信部
３３ 情報配信部（情報配信手段）
３４ プレゼンス検知部（端末情報検知手段）
３５ 配信テキスト情報生成部
３６ 開封情報生成部
３７ テキスト変換部（テキスト変換手段）
４０ 携帯電話（送信端末装置）
４１ 指示信号判定部（指示信号判定手段）
４２ 送信情報作成部
４３ 内証話フラグ挿入部（識別情報挿入手段）
４４ ＰＴＴ操作ボタン
４５ 内証話指示ボタン（内証話指示入力手段）
４６ 送信情報
４７ ヘッダ
４８ 送信メッセージ
４９ 録音管理リスト
５０ 携帯電話（送信端末装置）
５１ 指示信号判定部（指示信号判定手段）
５２ 入力音量計測部（音量計測手段）
５３ 音量計測部
５４ 計時部
５５Ａ 内証話閾値格納部
５５Ｂ 音声閾値格納部
５６ 指示信号生成部
５７ プレゼンス情報リスト
５８ 内証話情報記憶部（内証話記憶手段）
６０ 携帯電話（受信端末装置）
６１ 無線受信部
６２ 無線送信部
６３ 内証話識別部（内証話識別手段）
６４ プレゼンス検知部（状態検知手段）
６５ プレゼンス監視部（状態監視手段）
６６ メッセージ出力部（メッセージ出力手段）
６７ 録音制御部
６８ 受信情報生成部（受信通知手段）
６９ 出力結果情報生成部（出力結果通知手段）
７０ 携帯電話（受信端末装置）
７１ 無線送信部
７２ プレゼンス検知部（状態検知手段）
７３ メッセージ出力部（メッセージ出力手段）
７４ テキスト変換部（テキスト変換手段）
７５ 出力テキスト情報生成部
７６ 開封情報生成部
８０ 携帯電話（受信端末装置）
８２ 無線受信部
８３ 無線送信部
８４ 情報受信部
８５ プレゼンス監視部（状態監視手段）
８６ 情報出力部
８７ 情報配信要求部（情報配信要求手段）
９０ 無線通信アンテナ
９１ カメラ部
９２ ＬＥＤ
９３ メモリ
９４ 音声出力部（メッセージ提示手段）
１００ ＰｏＣ通信システム（通信システム）
１０１ プレゼンスサーバ
１０２ 基地局制御装置
１０３ 基地局
１０４ 無線通信網
１８０ 内証話情報記憶部（内証話記憶手段）
１８１ 録音部
１８２ メモリ
１９１ 配信結果情報生成部（配信結果通知手段）
１９２ 受信情報生成部（受信通知手段）
２００ ＰｏＣ通信システム（通信システム）
３００ ＰｏＣ通信システム（通信システム）
【特許請求の範囲】
【請求項１】
外部の送信端末装置により送信された送信情報を受信する、スピーカフォン機能を有する受信端末装置において、
受信した送信情報に含まれる送信メッセージをユーザに提示するためのメッセージ提示手段と、
上記送信メッセージを上記メッセージ提示手段に出力するメッセージ出力手段と、
上記送信情報に含まれる識別情報を検知して、該送信情報が内証話情報であることを識別する内証話識別手段と、
上記メッセージ提示手段がスピーカフォンの状態であるか否かを検知する状態検知手段とを備え、
上記メッセージ出力手段は、上記メッセージ提示手段がスピーカフォンの状態でないと検知された時のみ、上記内証話情報に含まれる音声による内証話メッセージを出力することを特徴とする受信端末装置。
【請求項２】
さらに、上記内証話メッセージを出力したか否かを上記送信端末装置に通知する出力結果通知手段を備えていることを特徴とする、請求項１に記載の受信端末装置。
【請求項３】
さらに、上記送信端末装置からの内証話情報を受信したことをユーザに通知する受信通知手段を備えていることを特徴とする、請求項１または２に記載の受信端末装置。
【請求項４】
さらに、上記内証話メッセージを記憶する内証話記憶手段を備えていることを特徴とする、請求項１から３までのいずれか１項に記載の受信端末装置。
【請求項５】
さらに、上記メッセージ提示手段がスピーカフォンの状態を解除したか否かを監視する状態監視手段を備え、
上記メッセージ出力手段は、上記状態監視手段が、上記メッセージ提示手段がスピーカフォンの状態を解除したことを検知した時に、上記記憶された内証話メッセージを出力することを特徴とする、請求項４に記載の受信端末装置。
【請求項６】
さらに、音声による内証話メッセージをテキスト形式に変換するテキスト変換手段と、
テキスト形式に変換した上記内証話メッセージを表示する表示手段とを備え、
上記メッセージ出力手段は、上記テキスト変換手段によってテキスト形式に変換された上記内証話メッセージを上記表示手段に出力することを特徴とする、請求項１から５までのいずれか１項に記載の受信端末装置。
【請求項７】
送信情報を受信端末装置に送信する送信端末装置において、
送信情報作成の指示入力を受け付け、入力された指示の内容に応じて、作成すべき送信情報が内証話情報であるか否かを判定する指示信号判定手段と、
作成すべき送信情報が内証話情報であると判定された場合には、上記送信情報が内証話情報であることを示す識別情報を、該送信情報に挿入する識別情報挿入手段とを備えていることを特徴とする送信端末装置。
【請求項８】
さらに、内証話情報の送信指示を、上記送信端末装置に対して入力するための内証話指示入力手段を備え、
上記指示信号判定手段は、上記内証話指示入力手段を介して入力された上記送信指示により、作成すべき送信情報が内証話情報であると判定することを特徴とする請求項７に記載の送信端末装置。
【請求項９】
さらに、送信する音声の入力を受け付ける音声入力手段と、
上記音声入力手段を介して入力された音声の音量を計測する音量計測手段とを備え、
上記指示信号判定手段は、上記音量計測手段の計測結果に基づき、作成すべき送信情報が内証話情報であるか否かを判定することを特徴とする請求項７に記載の送信端末装置。
【請求項１０】
送信端末装置が送信情報を受信端末装置に送信するための通信を制御するサーバ装置を有する通信システムにおいて、
請求項７から９までのいずれか１項に記載の送信端末装置と、
上記サーバ装置から配信された、上記送信端末装置による送信情報を受信する、請求項１から６までのいずれか１項に記載の受信端末装置とを含むことを特徴とする通信システム。
【請求項１１】
外部の送信端末装置により送信された送信情報を受信する、スピーカフォン機能を有する受信端末装置の情報受信方法であって、
受信した送信情報に含まれる識別情報を検知し、該送信情報が内証話情報であることを識別する識別ステップと、
上記受信端末装置が備える、上記送信情報に含まれる送信メッセージをユーザに提示するためのメッセージ提示手段がスピーカフォンの状態であるか否かを検知する状態検知ステップと、
上記送信メッセージを上記メッセージ提示手段へ出力するメッセージ出力ステップとを含み、
上記メッセージ出力ステップでは、上記状態検知ステップにて、上記メッセージ提示手段がスピーカフォンの状態でないと検知された時にのみ、上記識別ステップにて識別された内証話情報に含まれる音声による内証話メッセージを出力することを特徴とする情報受信方法。
【請求項１２】
送信情報を受信端末装置に送信する送信端末装置の情報送信方法であって、
送信情報作成の指示入力を受け付けるステップと、
入力された指示の内容に応じて、作成すべき送信情報が内証話情報であるか否かを判定する判定ステップと、
上記作成すべき送信情報が内証話情報であると判定された場合には、上記送信情報が内証話情報であることを示す識別情報を、作成する送信情報に挿入する挿入ステップとを含むことを特徴とする情報送信方法。
【請求項１３】
コンピュータを、請求項１から６までのいずれか１項に記載の受信端末装置の各手段として機能させるための情報受信プログラム。
【請求項１４】
コンピュータを、請求項７から９までのいずれか１項に記載の送信端末装置の各手段として機能させるための情報送信プログラム。
【請求項１５】
請求項１３に記載の情報受信プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項１６】
請求項１４に記載の情報送信プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項１】
外部の送信端末装置により送信された送信情報を受信する、スピーカフォン機能を有する受信端末装置において、
受信した送信情報に含まれる送信メッセージをユーザに提示するためのメッセージ提示手段と、
上記送信メッセージを上記メッセージ提示手段に出力するメッセージ出力手段と、
上記送信情報に含まれる識別情報を検知して、該送信情報が内証話情報であることを識別する内証話識別手段と、
上記メッセージ提示手段がスピーカフォンの状態であるか否かを検知する状態検知手段とを備え、
上記メッセージ出力手段は、上記メッセージ提示手段がスピーカフォンの状態でないと検知された時のみ、上記内証話情報に含まれる音声による内証話メッセージを出力することを特徴とする受信端末装置。
【請求項２】
さらに、上記内証話メッセージを出力したか否かを上記送信端末装置に通知する出力結果通知手段を備えていることを特徴とする、請求項１に記載の受信端末装置。
【請求項３】
さらに、上記送信端末装置からの内証話情報を受信したことをユーザに通知する受信通知手段を備えていることを特徴とする、請求項１または２に記載の受信端末装置。
【請求項４】
さらに、上記内証話メッセージを記憶する内証話記憶手段を備えていることを特徴とする、請求項１から３までのいずれか１項に記載の受信端末装置。
【請求項５】
さらに、上記メッセージ提示手段がスピーカフォンの状態を解除したか否かを監視する状態監視手段を備え、
上記メッセージ出力手段は、上記状態監視手段が、上記メッセージ提示手段がスピーカフォンの状態を解除したことを検知した時に、上記記憶された内証話メッセージを出力することを特徴とする、請求項４に記載の受信端末装置。
【請求項６】
さらに、音声による内証話メッセージをテキスト形式に変換するテキスト変換手段と、
テキスト形式に変換した上記内証話メッセージを表示する表示手段とを備え、
上記メッセージ出力手段は、上記テキスト変換手段によってテキスト形式に変換された上記内証話メッセージを上記表示手段に出力することを特徴とする、請求項１から５までのいずれか１項に記載の受信端末装置。
【請求項７】
送信情報を受信端末装置に送信する送信端末装置において、
送信情報作成の指示入力を受け付け、入力された指示の内容に応じて、作成すべき送信情報が内証話情報であるか否かを判定する指示信号判定手段と、
作成すべき送信情報が内証話情報であると判定された場合には、上記送信情報が内証話情報であることを示す識別情報を、該送信情報に挿入する識別情報挿入手段とを備えていることを特徴とする送信端末装置。
【請求項８】
さらに、内証話情報の送信指示を、上記送信端末装置に対して入力するための内証話指示入力手段を備え、
上記指示信号判定手段は、上記内証話指示入力手段を介して入力された上記送信指示により、作成すべき送信情報が内証話情報であると判定することを特徴とする請求項７に記載の送信端末装置。
【請求項９】
さらに、送信する音声の入力を受け付ける音声入力手段と、
上記音声入力手段を介して入力された音声の音量を計測する音量計測手段とを備え、
上記指示信号判定手段は、上記音量計測手段の計測結果に基づき、作成すべき送信情報が内証話情報であるか否かを判定することを特徴とする請求項７に記載の送信端末装置。
【請求項１０】
送信端末装置が送信情報を受信端末装置に送信するための通信を制御するサーバ装置を有する通信システムにおいて、
請求項７から９までのいずれか１項に記載の送信端末装置と、
上記サーバ装置から配信された、上記送信端末装置による送信情報を受信する、請求項１から６までのいずれか１項に記載の受信端末装置とを含むことを特徴とする通信システム。
【請求項１１】
外部の送信端末装置により送信された送信情報を受信する、スピーカフォン機能を有する受信端末装置の情報受信方法であって、
受信した送信情報に含まれる識別情報を検知し、該送信情報が内証話情報であることを識別する識別ステップと、
上記受信端末装置が備える、上記送信情報に含まれる送信メッセージをユーザに提示するためのメッセージ提示手段がスピーカフォンの状態であるか否かを検知する状態検知ステップと、
上記送信メッセージを上記メッセージ提示手段へ出力するメッセージ出力ステップとを含み、
上記メッセージ出力ステップでは、上記状態検知ステップにて、上記メッセージ提示手段がスピーカフォンの状態でないと検知された時にのみ、上記識別ステップにて識別された内証話情報に含まれる音声による内証話メッセージを出力することを特徴とする情報受信方法。
【請求項１２】
送信情報を受信端末装置に送信する送信端末装置の情報送信方法であって、
送信情報作成の指示入力を受け付けるステップと、
入力された指示の内容に応じて、作成すべき送信情報が内証話情報であるか否かを判定する判定ステップと、
上記作成すべき送信情報が内証話情報であると判定された場合には、上記送信情報が内証話情報であることを示す識別情報を、作成する送信情報に挿入する挿入ステップとを含むことを特徴とする情報送信方法。
【請求項１３】
コンピュータを、請求項１から６までのいずれか１項に記載の受信端末装置の各手段として機能させるための情報受信プログラム。
【請求項１４】
コンピュータを、請求項７から９までのいずれか１項に記載の送信端末装置の各手段として機能させるための情報送信プログラム。
【請求項１５】
請求項１３に記載の情報受信プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項１６】
請求項１４に記載の情報送信プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図１６】
【図１７】
【図１８】
【図１９】
【図２０】
【図２１】
【図２２】
【図２３】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図１６】
【図１７】
【図１８】
【図１９】
【図２０】
【図２１】
【図２２】
【図２３】
【公開番号】特開２０１０−５１０２７（Ｐ２０１０−５１０２７Ａ）
【公開日】平成２２年３月４日（２０１０．３．４）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００９−２７２７４６（Ｐ２００９−２７２７４６）
【出願日】平成２１年１１月３０日（２００９．１１．３０）
【分割の表示】特願２００５−１７９８１２（Ｐ２００５−１７９８１２）の分割
【原出願日】平成１７年６月２０日（２００５．６．２０）
【出願人】（０００００５０４９）シャープ株式会社 (33,933)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２２年３月４日（２０１０．３．４）
【国際特許分類】
【出願日】平成２１年１１月３０日（２００９．１１．３０）
【分割の表示】特願２００５−１７９８１２（Ｐ２００５−１７９８１２）の分割
【原出願日】平成１７年６月２０日（２００５．６．２０）
【出願人】（０００００５０４９）シャープ株式会社 (33,933)
【Ｆターム（参考）】
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