説明

受信装置、および、プログラム

【課題】緊急情報の受信にかかる電力消費の低減を図る。
【解決手段】地震動警報情報(緊急情報)について、発生した地震についての詳細情報である事後詳細情報の受信を所望するか否かを示すプリファレンス情報を設定して記憶部23に記録する。受信装置1が省電力モードに移行すると間欠受信によりAC信号を受信する。AC信号に地震動警報情報が含まれていないことが判明した時点でRF回路部10への電力を制限して受信停止する。また、地震動警報情報が含まれる場合であって、その種別が地震の発生前の警報である事前警報である場合は、受信動作を継続する。一方、発生した地震についての詳細を伝達する事後詳細情報である場合、受信を所望しないことがプリファレンス情報に示されている場合は、当該事後詳細情報の受信をおこなわずに受信停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信装置、および、プログラムに関し、特に、デジタル放送での緊急情報の受信に好適な受信装置、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
地上デジタル放送などのデジタル放送で緊急速報を伝達する技術が知られている(例えば、特許文献1)。このような緊急速報として伝達される緊急情報には、地震発生の危険性を通知するための地震動警報情報があり、地震による被害をより少なくする効果が期待されている。
【0003】
一方で、デジタル放送を受信する受信装置は小型・軽量化が進んでおり、携帯型の装置として広く実用化されている。このため、ユーザの居場所にかかわらず、地震動警報情報などの緊急情報(警報情報)を受信することができる。
【0004】
しかしながら、このような緊急情報はいつ発せられるか分からないため、確実に受信するためには常に受信装置が受信できる状態にしておかなければならない。すなわち、通常の放送番組を受信(視聴)していないようなときにも電力を消費してバッテリ残量が減少し、動作可能時間が短縮してしまう不都合がある。
【0005】
このため、より少ない電力消費で緊急情報を確実に受信できる技術の確立が求められている。ここで、受信装置における消費電力低減の方法として間欠受信が考えられる。間欠受信の場合、受信動作をおこなわない期間において、受信にかかる構成への通電を停止することで消費電力の低減を図ることができる。
【0006】
しかしながら、デジタル放送の場合、受信した信号の復調、復号に一定の時間を要するため、間欠受信によって緊急情報を受信した場合、当該所要時間のために、受信した情報の内容がユーザに通知されるまでに時間がかかってしまう場合がある。特に、地震動警報の場合、現状では、地震の発生直前に発せられることになるため、受信においてタイムラグが生じると、地震の発生前に警報を通知することができない場合があり、本来期待されている効果が得られないおそれがある。
【0007】
一方で、地震動警報情報は、デジタル放送におけるAC(Auxiliary Channel)信号、すなわち付加情報信号により、放送信号に付加されて伝達されている。地震動警報情報にかかるAC信号の構成は、社団法人電波産業会(ARIB:Association of Radio Industries and Businesses)が策定する「ARIB STD-B31」として標準規格化されている。このような、規格化された信号構成の地震動警報情報を用いているため、受信装置の製造者の違いや放送事業者の違いなどにかかわらず、受信した地震動警報情報の構成を、受信装置が容易に把握することができる。
【0008】
このため、間欠受信動作などのようなハードウェア制御に、受信した地震動警報情報の信号構成に応じた省電力動作を加えることで、より効果的な省電力化が期待できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2010−136352号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記実状を鑑みてなされたものであり、緊急情報等のデジタル放送に付加された内容の受信にかかる省電力化を図ることができる受信装置、および、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明にかかる受信装置は、
デジタル放送を受信する受信装置において、
受信停止と受信実行を交互に繰り返す間欠受信をおこなう省電力制御手段と、
前記間欠受信での受信実行時に受信される、前記デジタル放送の放送波に付加された付加信号の内容を、該付加信号の信号構成の順序で順次判別する付加信号判別手段と、を備え、
前記省電力制御手段は、前記付加信号判別手段の判別結果に応じて前記間欠受信の動作を制御する、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、緊急情報等のデジタル放送に付加された内容の受信にかかる省電力化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態1〜3にかかる受信装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した復調部によって実現される機能を示す機能ブロック図である。
【図3】本発明の実施形態にかかる受信装置によって受信されるAC信号の信号構成を模式的に示す図であり、(a)は、AC信号全体の信号構成を模式的に示し、(b)は、(a)に示した「構成識別」の内容を示す。
【図4】図3(a)に示した「地震動警報情報」の信号構成を模式的に示す図である。
【図5】図4に示した「地震動警報情報」の詳細を説明するための図であり、(a)は、「開始/終了フラグ」の内容を示し、(b)は、「信号識別」の内容を示す。
【図6】図4に示した「地震動警報詳細情報」の詳細を説明するための図であり、(a)は、「地震動警報詳細情報」の信号構成を模式的に示し、(b)は、(a)で示した「地震動情報」の種別を模式的に示し、(c)および(d)は、(b)で示された種別毎の内容を示す。
【図7】本発明の実施形態にかかる「プリファレンス」を説明するための図であり、(a)は、「プリファレンス設定処理」を示すフローチャートであり、(b)は、「プリファレンス設定処理」で表示出力される設定画面の表示例を示し、(c)〜(f)は、プリファレンス内容を示すフラグの設定例を示す。
【図8】本発明の実施形態1にかかる「警報情報受信処理(1)」を説明するためのフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態2にかかる「警報情報受信処理(2)」を説明するためのフローチャートである。
【図10】本発明の実施形態4にかかる受信装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明にかかる実施形態を、図面を参照して以下に説明する。
【0015】
(実施形態1)
本発明の実施形態1にかかる受信装置1を、図1を参照して説明する。図1は、実施形態1にかかる受信装置1の構成を示すブロック図である。ここでは、本発明にかかる受信装置を、例えば、地上デジタル放送などのデジタル放送の受信に用いるための受信装置として構成した場合を例に以下説明する。この場合において、本実施形態では、受信装置1が、バッテリの電力によって駆動する携帯型の受信装置として構成されているものとする。
【0016】
図示するように、本実施形態にかかる受信装置1は、高調波(RF:Radio Frequency)である放送波の受信をおこなうRF回路部10と、受信した信号を復調して放送コンテンツの再生信号を得る復調回路部20とから構成される。
【0017】
RF回路部10は、図1に示すように、RFアンプ11、周波数変換部12、発振動作部13、アナログフィルタ14、IFアンプ15、などから構成されている。
【0018】
RFアンプ11は、アンテナ(不図示)などで受信された放送電波の受信信号を、放送周波数(RF:Radio Frequency)で増幅する増幅器(第1の増幅器)であり、本実施形態では、ゲイン(利得)制御可能な可変利得増幅器(VGA:Variable Gain Amplifier)であるものとする。
【0019】
周波数変換部12は、例えば、アナログ乗算器などのミキサ回路から構成され、RFアンプ11で増幅された信号の周波数と、発振動作部13からのローカル周波数とを混合することで、RFアンプ11の出力周波数を、RF帯域から後段の周波数帯域に変換する。本実施形態では、RF帯域からIF(Intermediate Frequency:中間周波数)帯域への周波数変換をおこなうものとする。
【0020】
発振動作部13は、周波数変換部12での周波数変換のために、増幅された受信信号の周波数と混合されるローカル周波数を発生させるための構成であり、例えば、PLL(Phase-Locked Loop:移相同期)回路、VCO(Voltage Controlled Oscillator:電圧制御発振器)回路、クロック発振回路、XO回路、などから構成され、選局された周波数に応じたローカル周波数を発生させる。
【0021】
アナログフィルタ14は、例えば、ローパスフィルタ(LPF:Low-Pass Filter)などのアナログフィルタであり、周波数変換部12のIF出力信号を濾波することで不要波を減衰させる。
【0022】
IFアンプ15は、例えば、RFアンプ11と同様のVGA(可変利得増幅器)などから構成される増幅器(第2の増幅器)であり、アナログフィルタ14で濾波された信号を、復調部200へ出力する周波数で増幅する。本実施形態では、周波数変換部12によってIF周波数帯に周波数変換されているので、IF帯域の周波数で増幅する。
【0023】
また、復調回路部20は、図1に示すように、ADC21、デジタルフィルタ22、記憶部23、AGC部24、電源制御部25、復調部200、などから構成されている。
【0024】
ADC21は、アナログ−デジタル変換器(Analog-Digital Converter:ADC)であり、IFアンプ15によって増幅されたIF帯域のアナログ信号をデジタル信号に変換し、復調にかかるデジタル信号処理に供する。
【0025】
デジタルフィルタ22は、ADC21によって変換されたデジタル信号を希望周波数帯にフィルタリング(濾波)するデジタルフィルタであり、例えば、DLPF(Digital Low-Pass Filter)などから構成される。
【0026】
記憶部23は、例えば、レジスタやROM(Read Only Memory)、あるいは、その他の書換可能な記憶装置などから構成され、復調部200によって実行される動作プログラムや復調部200が使用するデータなどを格納する。
【0027】
AGC部24は、受信装置1のAGC(自動ゲイン制御)にかかる動作をおこなうために、復調部200からの制御信号に基づいて、RF回路部10の各部を制御する。AGC部24には、例えば、デジタル−アナログ変換器(Digital-Analog Converter:DAC)が含まれており、復調回路部20の前段であるアナログのRF回路部10を、デジタルの復調部200(詳細後述)が制御する際に、アナログ信号を必要とする構成に対しては、復調部200によって生成された制御信号(デジタル信号)をアナログ信号に変換する。このようなアナログ制御信号の生成においては、必要に応じて、例えば、PWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)やPCM(Pulse Code Modulation:パルス符号変調)などの変調がおこなわれるものとする。
【0028】
電源制御部25は、受信装置1の省電力化を図るために、復調部200からの指示に基づき、RF回路部10に用いられる電力を制御する。本実施形態では、地震動警報情報(緊急情報)を間欠受信するものとし、この間欠受信の際により効果的な低消費電力化とするため、必要に応じてRF回路部10をスタンバイ(待機)状態(以下、「RFスタンバイ」とする)にする。本実施形態におけるRFスタンバイでは、RF回路部10の構成のうち、例えば、発振動作部13のみに通電させ、その他の構成については通電させないように電源制御部25が電力制御をおこなう。
【0029】
復調部200は、例えば、DSP(Digital Signal Processor)やCPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)などのデジタルプロセッサ(デジタル演算回路)などから構成され、ADC21によって変換されたデジタル信号を用いた処理をおこなう。
【0030】
本実施形態では、図1に示すように、ADC21からの出力と、デジタルフィルタ22からの出力が復調部200に入力されるよう構成されているものとする。復調部200は、記憶部23に記録されている動作プログラムを実行することで各種機能を実現する。
【0031】
本実施形態では、RF回路部10の省電力制御、および、RFアンプ11とIFアンプ15のゲイン制御を復調部200によっておこなう。復調部200によって実現される機能のうち、省電力制御とゲイン制御に必要となる機能を、図2を参照して以下に説明する。図2は、復調部200によって実現される機能を示す機能ブロック図である。
【0032】
図示するように、復調部200により、復調機能210、ゲイン制御機能220、省電力制御機能230、などが実現される。なお、本実施形態では、DSPやCPUなどのようなプロセッサ内でこれらの機能が統合的に実現されるものとするが、上記各機能にかかる動作に特化した専用のハードウェアによってこれらの機能が実現されていてもよい。
【0033】
復調機能210は、デジタルフィルタ22によって希望周波数帯にフィルタリングされたデジタル信号を復調し、音声や映像などを示す再生信号を、再生動作などにかかる入出力装置40に出力する。
【0034】
ここで、入出力装置40は、受信装置1が受信したテレビジョン放送の画像を表示出力する表示装置や当該受信放送にかかる音声を出力する報音装置などの出力装置、および、受信装置1の操作にかかる各種入力をおこなうための入力装置を含んで構成される。これらの入出力装置はいずれも既知の技術を用いた一般的な装置によって適宜構成されているものとする。
【0035】
ゲイン制御機能220は、受信信号にかかる受信電力を測定し、測定した受信電力などに基づいて、ゲイン制御をおこなう。本実施形態では、RFアンプ11およびIFアンプ15をゲイン制御機能220によって制御することで、RFゲインとIFゲインが好適な配分となるよう制御する。
【0036】
なお、ゲイン制御にかかる動作については、既知の技術を用いた通常のAGC動作によってなされるものとする。この場合、ゲイン制御機能220は、RFアンプ11を制御する制御信号(AGC_RF)、IFアンプ15を制御する制御信号(AGC_IF)を生成し、AGC部24を介してRFアンプ11とIFアンプ15に送出することで、ゲイン制御がおこなわれる。
【0037】
本実施形態では、このようなゲイン制御をおこなう際に、ゲイン制御機能220が記憶部23にアクセスし、記憶部23に記録されているデータ(AGC値)を参照することで、RFゲインとIFゲインのゲイン配分が決定されるものとする。
【0038】
省電力制御機能230は、電源制御部25への制御信号を生成することで、受信装置1の電力消費低減を図る。本実施形態では、電源制御部25にRFスタンバイを指示する制御信号CTRL_STBを生成して送出することで、RF回路部10をスタンバイ状態にする(受信停止)ことと、当該RFスタンバイを解除する制御信号CTRL_STBを生成して電源制御部25に送出することで、RFスタンバイを解除(受信実行)することを交互に実施することで間欠受信をおこなう。
【0039】
また、省電力制御機能230は、この間欠受信において地震動警報情報を含むAC信号が受信された場合、AC信号の信号構成順に内容を判別し、判別した内容に応じて間欠受信の動作を制御する。
【0040】
以上が本実施形態にかかる受信装置1の構成であるが、上記の各構成は本発明を実現するために必要な構成を示したものであり、受信装置として必要となるその他の構成などについては必要に応じて適宜備えられているものとする。
【0041】
以上のような構成の受信装置1の動作を以下に説明する。本発明は、本発明の適用により、緊急情報を受信する場合におけるより効果的な省電力化の実現を図るものである。よって、本実施形態では、受信装置1で緊急情報として地震動警報情報を受信する際の動作を中心に説明する。
【0042】
本実施形態にかかる受信装置1においては、地上デジタルテレビジョン放送の放送波にAC(Auxiliary Channel)信号として付加された地震動警報情報を受信することで、地震発生の危険性を事前に通知する動作をおこなう。よって、発せられた地震動警報情報を確実に受信する必要があるが、このためには、常時受信できる状態にしておかなければならない。しかしながら、受信装置1を携帯型の装置として構成した場合、バッテリで駆動しているため、常時受信できる状態にしておくと電力消費が多くなり、より短時間でのバッテリ消耗を招いてしまう。
【0043】
このため、本実施形態では、通常の放送を受信していない間は、AC信号を受信するために、間欠的な受信動作によって電力消費の低減を図るものとする。さらに、地震動警報情報の信号構成とユーザの所望とに基づいた省電力制御をおこなうことで、より効果的な電力消費の低減を図るものとする。
【0044】
この場合、本実施形態では、AC信号の信号構成を省電力動作に利用する。ここで、地震動警報情報を伝達するためのAC信号は、社団法人電波産業会(ARIB:Association of Radio Industries and Businesses)が策定する「ARIB STD-B31」として、その信号構成が標準規格化されている。よって、受信装置1の動作を説明する前に、地震動警報情報を伝達するAC信号の信号構成について、図面を参照して説明する。
【0045】
図3(a)は、AC信号全体の信号構成を模式的に示した図である。図中の「Bx」(xは整数)は、AC信号として構成されている項目に割り当てられているビット番号を示している。例えば、項目「A」についてのビット割当が「B0~B1」となっている場合、項目Aの内容が、ビット番号B0とB1の2ビットで表されていることになる。
【0046】
図3(a)に示すように、AC信号全体では、先頭の1ビットで「差動復調の基準」、続く3ビットで「構成識別」、さらに続く200ビットで「地震動警報情報(など)」が示されるように構成されている。以降、信号構成の説明においては、受信装置1が地震動警報情報の受信時に利用(参照)する信号についてのみ説明する。図面においては、説明対象としている信号構成の名称に下線を付す。
【0047】
図3(a)に示したAC信号全体の信号構成においては、「構成識別」と「地震動警報情報」が該当する。「構成識別」にはB1〜B3の3ビットが割り当てられており、この3ビットによって、図3(b)に示すような内容が表される。すなわち、構成識別は、続くビット列によって伝送される情報が「変調波の伝送制御に関する付加情報」であるか「地震動警報情報」であるかを示している。本実施形態では、地震動警報情報を受信する場面を想定しているため、「構成識別」によって示される内容が「地震動警報情報を伝送」である場合(すなわち、「B1・B2・B3」が「0・0・1」もしくは「1・1・0」である場合)のみを対象とする。
【0048】
この場合、「構成識別」に続くB4〜B203の200ビットで「地震動警報情報」が構成される。「地震動警報情報」の信号構成を、図4を参照して説明する。図示するように、「地震動警報情報」は、「同期信号」、「開始/終了フラグ」、「更新フラグ」、「信号識別」、「地震動警報詳細情報」、「CRC」、「パリティビット」から構成されている。このうち、受信装置1の動作と関係する「開始/終了フラグ」、「信号識別」、「地震動警報詳細情報」について、以下に説明する。
【0049】
まず、「開始/終了フラグ」を、図5(a)を参照して説明する。図示するように、「開始/終了フラグ」は、当該地震動警報情報での「地震動警報詳細情報」(詳細後述)の有無を2ビットで示している。
【0050】
次に、「信号識別」を、図5(b)を参照して説明する。図示するように、「信号識別」は、該当地域についての地震動詳細情報の有無を3ビットで示している。ここで、このAC信号はテレビジョン放送の放送波に付加されているため、当該放送波を送信している放送局の放送区域内の地域についての地震動警報詳細情報があるか否かを「信号識別」によって示している。
【0051】
次に、「地震動警報詳細情報」を、図6を参照して説明する。図6(a)に示すように、「地震動警報詳細情報」は、「現在時刻」、「ページ種別」、「地震動情報」から構成されている。このうち、受信装置1の動作に関係する「ページ種別」と「地震動情報」を、図6(b)〜図6(d)を参照して説明する。
【0052】
「ページ種別」には、B55の1ビットが割り当てられているため(図6(a)参照)、「0」または「1」の2値で、続く「地震動情報」の種別を示している。すなわち、「地震動情報」には2種類あり、ページ種別が「0」であれば、図6(b)に示すように、地震動警報の対象地域が示された「地震動情報」が続くことを示し、ページ種別が「1」であれば、図6(b)に示すように、震度や震源位置などが示された「地震動情報」が続くことを示している。
【0053】
ここで、地震の発生を事前に通知する警報(以下、「事前警報」とする)の場合は、ページ種別が「0」となり、図6(c)に示すように、B56〜B111のそれぞれに、地域が割り当てられた情報が「地震動情報」(以下、「事前警報情報」とする)として続く。この事前警報情報においては、ビットが「1」となっているビット番号に対応する地域が、地震動警報(事前警報)の対象地域であることを示す。
【0054】
一方、ページ種別「1」に対応する地震動情報は、図6(d)に示すような、地震の震源地や震度などを示す情報となる。現状の地震観測技術においては、震源地や震度の特定は地震の発生後でなければできない。すなわち、ページ種別が「1」の地震動情報は、事前警報ではなく、発生した地震についての詳細を事後的に通知するための情報(以下、「事後詳細情報」とする)ということになる。
【0055】
以上のような信号構成となっているAC信号による地震動警報情報を、低消費電力で確実に受信するため、本実施形態にかかる受信装置1では、通常の放送番組を受信していない状態では、AC信号の間欠受信をおこなう。このための動作を以下に説明する。
【0056】
ここで、上述したように、AC信号で伝達される地震動警報情報には、事前警報情報と事後詳細情報の2種類がある。このうち、事前警報については、地震による被害をできるだけ少なくするための災害予防の観点から有用な情報であるため、これを含む地震動警報情報が伝達された際には必ず受信できるようにする。
【0057】
ここでは、事前警報は、緊急事態について、まずは、概略のみを知らせるべき必要性の高い情報として、概略情報ととらえることができ、「事後詳細情報」は、発生した緊急事態についてのさらなる詳細を通知するための情報なので、詳細情報ととらえることができる。
【0058】
一方、事後詳細情報(詳細情報)については、地震発生後に判明する情報であるため、災害予防の観点からは必ずしも必要性の高い情報ではない。したがって、受信装置1のユーザによっては、事後詳細情報については不要と考える者もいる。よって、事後詳細情報を受信するか否かについては、ユーザ毎の好みに応じた設定(プリファレンス設定)ができるものとする。
【0059】
このために受信装置1で実行される「プリファレンス設定処理」を、図7(a)に示すフローチャートを参照して説明する。この「プリファレンス設定処理」は、例えば、受信装置1の初回使用時などに実行される他、ユーザ操作によって任意に実行できるものとする。
【0060】
処理が開始されると、復調部200の復調機能210により、入出力装置40を構成している表示装置に、例えば、図7(b)に示すような設定画面を表示出力する(ステップS11)。この設定画面では、事前警報のみを受信するか、事前警報に加え事後詳細情報も受信するかが選択可能に表示される。受信装置1のユーザは、入出力装置40を構成する入力装置(キーパッドなど)を操作し、所望する選択肢を選択する。
【0061】
復調機能210は、このようにして入力された選択内容に応じたフラグを設定する(ステップS12)。ここで、受信した地震動警報情報が、事前警報情報であるか事後詳細情報であるかの別は、上述したように、AC信号における「ページ種別」のビットが「0」であるか「1」であるかによって識別される。よって、この場合のフラグ(以下、「プリファレンスフラグ」とする)は、「ページ種別」の1ビットで示される2値のそれぞれに応じた、2ビットのフラグとして設定することができる。すなわち、ユーザの選択が「事前警報のみ受信」である場合は、図7(c)に示すように、ページ種別「0」(事前警報情報)に対応するフラグを「1」にし、ページ種別「1」(事後詳細情報)に対応するフラグを「0」とする。
【0062】
ここで、上述したように、地震動警報情報の趣旨から、事前警報情報の受信は必須としているので、ユーザの選択が「事後詳細情報も受信」である場合は、図7(d)に示すように、ページ種別「0」(事前警報情報)に対応するフラグも「1」とした上で、ページ種別「1」(事後詳細情報)に対応するフラグを「1」にする。
【0063】
本実施形態における前提条件にて、ユーザプリファレンスの種類が、ページ種別に関するものである場合、ページ種別「1」に対応するプリファレンスフラグのみが異なることになるので、プリファレンスフラグに用いるデータを簡素化するため、図7(e)および図7(f)に示すように、1ビットのプリファレンスフラグとしてもよい。
【0064】
復調機能210は、このようにして設定したプリファレンスフラグを、記憶部23に記憶させて(ステップS13)、処理を終了する。
【0065】
このようなプリファレンス設定がなされていることを前提に、受信装置1で地震動警報情報を受信するための「警報情報受信処理(1)」を、図8に示すフローチャートを参照して説明する。この「警報情報受信処理(1)」は、例えば、受信装置1の電源投入時や、ユーザ操作によって通常の放送受信を終了させたことを契機に開始されるものとする。
【0066】
処理が開始されると、まずは通常の受信動作をおこなうことで、TMCC(Transmission Multiplexing Configuration Control)キャリアまたはACキャリアにて同期を確立して、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)信号をデコードする。そして、ゲイン制御機能220は、そのときのAGC値を記憶部23に記録する(ステップS101)。この場合のAGC値とは、例えば、復調回路部20へ入力する受信信号のゲインが最適となるようなRFアンプ11とIFアンプ15のゲイン分配などである。
【0067】
なお、通常の番組受信動作を終了したことを契機に本処理が開始された場合は、直前(前回)の番組受信時におけるAGC動作でのAGC値を記録しておいてもよい。
【0068】
このような直前での受信動作にかかるAGC値を記録すると、省電力制御機能230により、間欠受信にかかる省電力制御をおこなう。ここでは、RF回路部10を構成している回路等への通電を制限することでスタンバイ状態(RFスタンバイ)にし、受信動作を停止させる(ステップS102)。すなわち、受信装置1で通常の放送番組の受信動作をおこなわない場合は、間欠受信によって電力消費を低減させる「省電力モード」に移行し、RFスタンバイによって受信停止となる。
【0069】
ここでは、省電力制御機能230が、RFスタンバイにするための制御信号CTRL_STDを生成して電源制御部25に送出する。電源制御部25では、省電力制御機能230からのCTRL_STDをアナログ信号に変換してRF回路部10の各部の動作を制御する。本実施形態でのRFスタンバイでは、発振動作部13のみに通電させ、RFアンプ11、周波数変換部12、アナログフィルタ14、IFアンプ15への通電を停止させるものとする。
【0070】
このようなRFスタンバイの状態では、RF回路部10全体が動作しないため、受信動作がおこなわれない。また、比較的電力消費の大きいアンプやフィルタなどへの通電を停止することで、効果的に受信待機時の電力消費を低減させることができる。
【0071】
また、RFスタンバイの状態では、RF回路部10のうち、発振動作部13への通電を停止させないようにすることで、受信停止状態から受信実行状態に素早く復帰させることができる。
【0072】
間欠受信の受信動作タイミングとなると(ステップS103:Yes)、省電力制御機能230は、RFスタンバイ状態を解除させる制御信号CTRL_STBを電源制御部25に送出することで、RFスタンバイを解除する(ステップS104)。この場合、CTRL_STBに基づく電源制御部25の制御により、RF回路部10のすべての回路に通電され、受信動作が実行可能な状態となる。
【0073】
なお、RFスタンバイの解除タイミングは、地震動警報情報が繰り返される時間間隔(周期)に基づいて、決められる。すなわち、緊急情報のフォーマット(信号構成)に基づく、例えば、数msから数百msといった信号構成周期(上述の例で言えば、204ビット分の周期)の期間内で、受信停止状態、受信開始状態が繰り返される間欠受信が行われる。
【0074】
ここで、RFスタンバイの解除により受信が実行されると(受信実行)、ゲイン制御機能220は、ステップS101で記憶部23に記録したAGC値を用いてゲイン同期をおこなう(ステップS105)。これにより、RFスタンバイとなる直前のAGC値でゲイン制御がおこなわれるので、受信環境の大きな変化がない限り、RFスタンバイ解除後の受信開始より好適なゲインとすることができる。
【0075】
なお、RFスタンバイ前と受信環境が変化したことなどにより、記録したAGC値を用いたゲイン制御では最適なゲインが得られない場合は、AGC動作を改めておこない、そのAGC値をステップS105で記憶部23に記録する。
【0076】
このようなゲイン同期後にAC信号の受信を開始し(ステップS106)、復調機能210が、受信したAC信号の信号構成に基づいた判別動作を順次おこなう。
【0077】
まず、AC信号のB1〜B3に割り当てられている「構成識別」(図3(b)参照)のビット配列から、当該AC信号で地震動警報情報が伝達されているか否かを判別する(ステップS107)。
【0078】
ここで、受信したAC信号が地震動警報情報を伝達するものではない場合(ステップS107:No)、復調機能210は、その旨を省電力制御機能230に通知する。この場合、省電力制御機能230は、復調機能210からの通知に応じて、RF回路部10をスタンバイ状態にする制御信号CTRL_STBを電源制御部25に送出することで、RFスタンバイにする(ステップS102)。
【0079】
すなわち、間欠受信で受信したAC信号が地震動警報情報を伝達するものではないと判明した時点でRFスタンバイにする。以下に説明する判別動作でRFスタンバイとする場合も、同様の動作によっておこなわれるものとする。
【0080】
一方、受信したAC信号が地震動警報情報を伝達するものである場合(ステップS107:Yes)、復調機能210はさらに、「開始/終了フラグ」(図5(a))に基づいて、受信したAC信号が、地震動警報詳細情報(緊急情報)を含むものであるか否かを判別する(ステップS108)。
【0081】
ここで、地震動警報詳細情報を含むものではない場合(ステップS108:No)、RFスタンバイにする(ステップS102)。
【0082】
一方、地震動警報詳細情報を含むものである場合(ステップS108:Yes)、復調機能210は、さらに、「信号識別」(図5(b))に基づいて、地震動警報詳細情報が該当地域あり(放送区域内に対象地域がある)のものであるか否かを判別する(ステップS109)。
【0083】
ここで、伝達される地震動警報詳細情報が、現在受信している放送の放送区域内についてのものではない、すなわち、該当地域なしの場合(ステップS109:No)、RFスタンバイにする(ステップS102)。
【0084】
一方、伝達される地震動警報詳細情報が該当地域のものである場合(ステップS109:Yes)、復調機能210はさらに、「ページ種別」(図6(a)、図6(b)参照)のビットが「0」、すなわち、事前警報情報であることを示しているか否かを判別する(ステップS110)。
【0085】
上述したように、事前警報情報については無条件で受信することが前提であるため、ページ識別が「0」である場合(ステップS110:Yes)、復調機能210は続く地震動情報、すなわち事前警報情報(図6(c)参照)を受信し(ステップS111)、受信した情報に基づく地震動警報を入出力装置40から出力する。この場合、地震が発生する可能性がある旨と、事前警報情報によって示される対象地域が、例えば、画面表示や音声などによって報知される。
【0086】
一方、ページ識別が「1」、すなわち、事後詳細情報であることを示している場合(ステップS110:No)、復調機能210は、記憶部23にアクセスしてプリファレンスフラグを参照する(ステップS112)。ここでのプリファレンスフラグは、図7(e)または図7(f)に示したものであるとする。この場合、ユーザが事後詳細情報の受信を所望していればフラグがON、すなわち「1」となっている。
【0087】
よって、フラグがONであれば(ステップS113:Yes)、復調機能210は続く地震動情報、すなわち事後詳細情報(図6(d)参照)を受信し(ステップS111)、受信した情報に基づく地震動情報を入出力装置40から出力する。この場合、発生した地震について判明した震度や震源地などを示す情報が、例えば、画面表示や音声などによって報知される。
【0088】
一方、プリファレンスフラグがOFF、すなわち「0」であれば、事後詳細情報の受信をユーザが所望していないことになるので、この場合(ステップS113:No)、地震動情報の読み込みをおこなわず、RFスタンバイにする(ステップS102)。
【0089】
プリファレンスに応じた地震動情報の受信後、所定の終了イベント(例えば、ユーザ操作による通常放送番組の受信開始など)が発生しなければ(ステップS114:No)、RFスタンバイにして(ステップS102)、上述した間欠受信動作を継続し、終了イベント発生により(ステップS114:Yes)、本処理を終了する。
【0090】
以上説明したように、本実施形態によれば、規格化されている地震動警報情報の信号構成に基づいて省電力制御をおこなう。この場合において、AC信号の信号配列順に判別していき、現在位置に該当するものではないと判別された時点でスタンバイ状態とするので、間欠受信におけるスタンバイ状態をできるだけ多くすることができ、より効果的な消費電力の低減を図ることができる。
【0091】
また、事後詳細情報の受信にかかるユーザの所望に応じて省電力制御をおこなうので、災害予防の観点から重要な事前警報情報は確実に受信できるとともに、事後詳細情報の受信を所望しない場合にはスタンバイ状態となるので、より効果的な消費電力の低減を図ることができる。
【0092】
なお、上記フローでは、緊急情報のフォーマット(信号構成)に基づく、信号構成周期の期間内で、受信停止状態、受信開始状態が繰り返される間欠受信が行われる例で説明したが、この短周期としての信号構成周期と、緊急情報自体が付加される/されないという長周期としての周期もある。
【0093】
緊急情報の性質から、受信停止中に事前警報情報等の重要な情報を受信し損なってはいけないので、例えば、地震動警報情報の場合に1秒といった時間の取得遅延は避けたいが、信号構成周期が数msといった短い(送信速度が速い)ものである場合、信号構成周期の数倍から数十倍の期間、受信停止する間欠受信を行って、その後の受信状態になってから緊急情報を受信できるのであれば、人間の感覚的には、誤差の範囲となる。
【0094】
緊急情報が送信される場合の緊急情報自体が最低限継続的に付加される期間に少なくとも1回受信状態になるような周期での間欠受信を行うことにより、送信された緊急情報を受信し損なうことなく、より効率的に省電力を図ることができる。そして、緊急情報が受信できてからは、間欠受信の周期を、信号構成周期のものに切り換えればよい。
【0095】
(実施形態2)
上記実施形態1では、「ページ種別」によって識別できる「事後詳細情報」の受信について、ユーザの所望に基づいて動作する例を示した。
【0096】
ここで、ユーザが事後詳細情報の受信を所望していない場合において、例えば、事前警報の受信後に発生した地震について、当該体験によって地震の詳細を知りたくなる可能性もある。
【0097】
このような場合に対応できる動作例を本実施形態で説明する。ここでは、図9に示す「警報情報受信処理(2)」を参照して説明する。この「警報情報受信処理(2)」は、図8に示した「警報情報受信処理(1)」の一部を変更したものであり、処理の開始などは「警報情報受信処理(1)」と同様であり、またページ種別の判別までの各処理は「警報情報受信処理(1)」と同じである。よって、ページ種別の判別以降の動作(ステップS204〜)を以下に説明する。
【0098】
ステップS204では、復調機能210により、「ページ種別」が「0」であるか「1」であるかが判別される。そして、「ページ種別」が「0」、すなわち事前警報情報である場合(ステップS204:Yes)、実施形態1の場合と同様に、事前警報情報である地震動情報(図6(c)参照)を受信することになるが、本実施形態では、事前警報の報知をおこなったか否かを示す1ビットのフラグ(以下、「警報報知フラグ」とする)が記憶部23上で設定可能に用意されているものとし、復調機能210がこの警報報知フラグをON、すなわち「1」にした上で(ステップS205)、事前警報情報としての地震動情報を受信して(ステップS206)、入出力装置40から出力することで報知する。
【0099】
また、ステップS205で警報報知フラグをONするとともに、復調機能210は、今回受信した事前警報情報と、今後受信する可能性のある事後詳細情報との関連を判別するために必要となる情報(以下、「判別情報」とする)を、記憶部23に記録する。この場合の判別情報は、例えば、地震動警報情報を構成している「現在時刻」(図6(a)参照)が示す時刻情報などとすることができる。この場合は、事前警報情報が送出された時刻を示す情報が、判別情報として記憶部23に記録されることになる。
【0100】
一方、「ページ種別」が「1」、すなわち、事後詳細情報である場合(ステップS204:No)、復調機能210は、記憶部23にアクセスしてプリファレンスフラグ(図7(e)、(f))を参照し、プリファレンスフラグの設定を判別する(ステップS207)。
【0101】
ここで、プリファレンスフラグがON、すなわち「1」となっている場合(ステップS207:No)は、実施形態1の場合と同様、事後詳細情報である地震動情報(図6(d)参照)を受信して(ステップS206)、入出力装置40から出力することで報知する。
【0102】
一方、プリファレンスフラグがOFF、すなわち「0」となっている場合(ステップS207:Yes)、復調機能210は、記憶部23にアクセスして警報報知フラグを参照し、警報報知フラグの設定を判別する(ステップS208)。
【0103】
ここで、警報報知フラグがON、すなわち「1」となっている場合(ステップS208:Yes)、事前警報が報知された後に事後詳細情報が受信されたことになる。この場合、復調機能210は、警報報知フラグとともに記録された判別情報に基づいて、当該事後詳細情報が、警報報知フラグで示される報知済の事前警報に関連するものであるか否かを判別する(ステップS209)。
【0104】
ここで、判別情報が事前警報情報についての時刻情報である場合、例えば、今回受信した事後詳細情報についての時刻情報に基づいて、事前警報の報知から事後詳細情報の受信までの経過時間を算出することで、事前警報に関連する事後詳細情報であるか否かを判別する。事後詳細情報で示される震度や震源地などは、地震発生後に判明するが、これらについての詳細がすべて判明するまでに要するおよその時間は、これまでの地震観測にかかる実績から設定することができる。よって、このようにして設定した時間内に受信した事後詳細情報を、警報報知フラグが示す報知済の事前警報に関連する事後詳細情報であると判別することができる。
【0105】
このようにして事前警報と事後詳細情報との関連性を判別するのは、事前警報情報と事後詳細情報の双方が必ず送出されるとは限らないからである。事前警報については、例えば、観測上の誤検出などにより、警報が送出されたものの実際には地震が発生しないこともあり、この場合には当該事前警報に関連する事後詳細情報は送出されないことになる。
【0106】
一方で、事後詳細情報の受信を所望しないユーザであっても、例えば、事前警報の後に発生した地震が比較的大きいものであった場合などは、その詳細について知りたくなる可能性がある。よって、本実施形態では、事前警報の後に受信した事後詳細情報が事前警報に関連すると判別した場合(ステップS209:Yes)、すなわち、事前警報された地震についての事後詳細情報を受信した場合であって、ユーザのプリファレンスが事後詳細情報の受信を所望していない場合(ステップS207:Yes、ステップS208:Yes、ステップS209:Yes)、復調機能210は、図7(a)で示した「プリファレンス設定処理」を実行する(ステップS210)(変更設定処理)。
【0107】
これにより、ユーザは、事後詳細情報の受信に関する設定をこの時点でおこなうことができる。ここで、元々の設定通り事後詳細情報の受信を所望しなければ、プリファレンスフラグは変更されない。一方、地震の発生によって事後詳細情報の受信をユーザが所望するようになった場合、ユーザ操作によって設定変更がなされ、この場合、プリファレンスフラグがON、すなわち「1」に変更される。
【0108】
復調機能210は、ステップS210での「プリファレンス設定処理」の後、記憶部23のプリファレンスフラグを参照して設定内容を参照する(ステップS211)。ここで、プリファレンスフラグがOFFのまま、すなわち「0」であれば(ステップS211:No)、事後詳細情報を受信する必要がないため、実施形態1で説明した処理と同様の処理により、RFスタンバイにする(ステップS202)。
【0109】
一方、プリファレンスフラグがONに変更、すなわち「1」となっていれば(ステップS211:Yes)、事後詳細情報である地震動情報を受信し(ステップS206)、入出力装置40から出力することで報知する。
【0110】
ここで、警報報知フラグをONした際に記録した判別情報(例えば、時刻情報)については、例えば、記録してから一定以上の時間が経過した際に消去されるものとし、そのときに警報報知フラグもOFFされるものとする。
【0111】
そして、事後詳細情報を受信した際(ステップS204:No)に、ユーザが事後詳細情報の受信を所望していない場合(ステップS207:Yes)、警報報知フラグがOFFである場合(ステップS208:No)や、事前警報との関連していない事後詳細情報である場合(ステップS209:No)は、プリファレンス設定処理の実行(ステップS210)をおこなわずに、RFスタンバイにする(ステップS202)。
【0112】
以上のような処理を、所定の終了イベントが発生するまで繰り返しおこない(ステップS212:No)、終了イベントの発生により処理を終了する(ステップS212:Yes)。
【0113】
本実施形態によれば、事後詳細情報の受信にかかるユーザのプリファレンスに基づいた電力消費の低減を図りつつ、地震発生時には当該プリファレンスを容易に変更できるようにすることで、利便性の向上を図ることができる。
【0114】
(実施形態3)
上記各実施形態においては、事後詳細情報の受信を所望するか否かをプリファレンス設定とする例を示したが、情報を受信するか否かの動作はこれに限られるものではない。
【0115】
例えば、地震動警報の対象地域によって情報を受信するか否かを制御することもできる。上記の実施形態においては、「信号識別」(図5(b)参照)が参照され、放送区域内に該当する地震動詳細情報が含まれている場合に、後段の信号をリードすることで、受信装置1の現在位置が含まれる地域の地震動警報が受信されるようにしたが、例えば、自宅や勤務先などがある場所については、その地域にいないときであっても地震についての情報を得たい場合がある。
【0116】
よって、ユーザが、地震動警報の対象地域を設定することで、このような所望にも対応することができる。この場合、例えば、図6(c)に示した地震動情報に対応する地域をユーザに選択させ、該当するビット番号などを、受信を所望する条件情報として記憶部23に記録する。
【0117】
そして、地震動警報を含むAC信号を受信した場合、地域選択を示す条件情報が記録されているか否かを判別し、記録されている場合には、「信号識別」による判別をおこなわないようにする。すなわち、放送区域外を対象とした地震動警報であっても、後段の信号をリードする。
【0118】
そして、ページ識別が「0」の場合に受信される地震動情報(図6(c)参照)が示す対象地域に、条件情報として設定された地域が含まれる場合は地震動警報を出力し、含まれない場合はRFスタンバイにする。
【0119】
このようにすることで、所望する地域についての事前警報を確実に受信できるとともに、事後詳細情報については、ユーザの所望に応じて動作することで、電力消費の低減も図ることができる。
【0120】
(実施形態4)
受信装置1が、図10に示すように、例えば、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)などのような、受信装置1の現在位置を認識・判別する構成(現在位置判別部50)が搭載されている場合、現在位置判別部50によって認識された現在位置を示す現在位置情報を、間欠受信にかかる省電力制御に用いることもできる。
【0121】
すなわち、「ページ種別」が「0」の場合の地震動情報(事前警報情報)は、図6(c)に示すように地域を示すものであるため、受信した事前警報情報に示される地域に現在位置が含まれる場合は警報を出力し、含まれなければRFスタンバイとすることで、信号識別による当該放送波を送信している放送局の放送区域内の地域についての地震動警報詳細情報があるか否かという大域的な判別より精度の高い局所的な判別により、事前警報を受信でき、さらなる電力消費の低減を図ることができる。
【0122】
以上説明したように、本発明を上記各実施形態の如く適用することで、緊急情報として、地震動警報などの緊急情報を確実に受信するとともに、より効果的な省電力化を図ることができる。
【0123】
上記実施形態は一例であり、本発明の適用範囲はこれに限られない。すなわち、種々の応用が可能であり、あらゆる実施の形態が本発明の範囲に含まれる。
【0124】
例えば、上記実施形態では、復調部200によって省電力制御やゲイン制御にかかる各機能が実現されるものとしたが、復調機能を担う回路とは独立したデジタル回路(プロセッサ)によって実現されるように構成してもよい。
【0125】
また、上記実施形態では、復調部200と電源制御部25は別ブロックとして説明したが、電源制御部25が復調部200と一体になっており、RFスタンバイを制御する制御信号CTRL_STBを、復調部200からRF回路部10に直接送出するような構成であってもよい。
【0126】
また、制御信号CTRL_STBの送出形態は、ハードピン制御に限らず、レジスタ設定等のソフト的な制御であってもよいことは言うまでもない。
【0127】
また、上記実施形態では、アナログフィルタ14等を有する構成で説明したが、周波数変換部12以降をデジタル信号として処理するシステムであっても、本発明を適用することができる。
【0128】
また、上記実施形態では、間欠受信によって受信する対象を緊急情報として、地震動警報情報としたが、これに限られず、AC信号のような信号構成が規定されている付加信号によって伝達されるものであれば、種々の警報等の受信に本発明を適用することができる。
【0129】
なお、上記実施形態の受信装置1と同様の機能や構成を予め備えた受信装置によって本発明を実現できることはもとより、既存の受信装置のデジタル回路にプログラムを適用することで、本発明にかかる受信装置として機能させることもできる。この場合、上記実施形態で例示した復調部200と同様のコンピュータ(CPUなど)に、上述した機能と同様の機能を実現させるためのプログラムを実行させることで、本発明にかかる受信装置として機能させることができる。
【0130】
このようなプログラムの適用方法は任意であり、例えば、CD−ROMやメモリカードなどの記憶媒体に格納して適用できる他、例えば、インターネットなどの通信媒体を介して適用することもできる。
【0131】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明を適用し得る実施形態は、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0132】
(付記1)
デジタル放送を受信する受信装置において、
受信停止と受信実行を交互に繰り返す間欠受信をおこなう省電力制御手段と、
前記間欠受信での受信実行時に受信される、前記デジタル放送の放送波に付加された付加信号の内容を、該付加信号の信号構成の順序で順次判別する付加信号判別手段と、を備え、
前記省電力制御手段は、前記付加信号判別手段の判別結果に応じて前記間欠受信の動作を制御する、
ことを特徴とする受信装置。
【0133】
(付記2)
前記付加信号判別手段は、受信した付加信号に緊急情報が含まれているか否かを判別し、
前記省電力制御手段は、受信した付加信号に緊急情報が含まれていないと判別された時点で受信停止する、
ことを特徴とする付記1に記載の受信装置。
【0134】
(付記3)
前記付加信号判別手段は、受信した付加信号に緊急情報が含まれているか否かを判別し、
前記付加信号判別手段は、受信した付加信号に緊急情報が含まれる場合、当該緊急情報の種別を示す信号の内容をさらに判別し、
前記受信装置は、前記緊急情報の緊急事態についての詳細情報の受信を前記受信装置のユーザが所望するか否かを示したプリファレンス情報を設定するプリファレンス設定手段をさらに備え、
前記省電力制御手段は、
前記付加信号判別手段が判別した前記緊急情報の種別が、緊急事態についての概略情報である場合は受信実行を継続し、
前記付加信号判別手段が判別した前記緊急情報の種別が、緊急事態についての詳細情報である場合は、前記プリファレンス設定手段によって設定されたプリファレンス情報に基づいて、前記間欠受信を制御する、
ことを特徴とする付記1又は2に記載の受信装置。
【0135】
(付記4)
受信した緊急情報が前記詳細情報である場合に、当該詳細情報が、受信済の前記概略情報に関連する情報であり、かつ、前記プリファレンス設定手段によって設定された前記プリファレンス情報が、詳細情報の受信を所望しないことを示している場合、該プリファレンス情報の変更を可能とする変更設定手段をさらに備え、
前記省電力制御手段は、前記変更設定手段によって設定された前記プリファレンス情報に基づいて、前記間欠受信を制御する、
ことを特徴とする付記3に記載の受信装置。
【0136】
(付記5)
前記付加信号判別手段は、前記詳細情報が、受信済の前記概略情報に関連する情報であるか否かを現在時刻に基づいて判別する、
ことを特徴とする付記4に記載の受信装置。
【0137】
(付記6)
前記受信装置のユーザによって指定された地域を記録する指定地域記録手段をさらに備え、
前記付加信号判別手段は、受信した付加信号に緊急情報が含まれているか否かを判別し、
前記付加信号判別手段は、受信した付加信号に緊急情報が含まれる場合、当該緊急情報の対象地域を示す信号の内容を判別し、
前記省電力制御手段は、
前記付加信号判別手段が判別した対象地域に、前記指定地域記録手段が記録した地域が含まれる場合は受信実行を継続し、
前記付加信号判別手段が判別した対象地域に、前記指定地域記録手段が記録した地域が含まれない場合は受信停止する、
ことを特徴とする付記1又は2に記載の受信装置。
【0138】
(付記7)
前記受信装置の現在位置を判別する現在位置判別手段をさらに備え、
前記付加信号判別手段は、受信した付加信号に緊急情報が含まれているか否かを判別し、
前記付加信号判別手段は、受信した付加信号に緊急情報が含まれる場合、当該緊急情報の対象地域を示す信号の内容を判別し、
前記省電力制御手段は、
前記付加信号判別手段が判別した対象地域に、前記現在位置判別手段が判別した現在位置が含まれる場合は受信実行を継続し、
前記付加信号判別手段が判別した対象地域に、前記現在位置判別手段が判別した現在位置が含まれない場合は受信停止する、
ことを特徴とする付記1又は2に記載の受信装置。
【0139】
(付記8)
前記付加信号判別手段は、受信した付加信号に緊急情報が含まれているか否かを判別し、
前記省電力制御手段は、前記緊急情報の信号構成周期に基づいて、前記間欠受信を制御する、
ことを特徴とする付記1乃至7のいずれか1つに記載の受信装置。
【0140】
(付記9)
前記省電力制御手段は、前記付加信号が前記デジタル放送の放送波に付加される時間間隔に基づいて、前記間欠受信を制御する、
ことを特徴とする付記1乃至8のいずれか1つに記載の受信装置。
【0141】
(付記10)
当該受信装置は、
受信したデジタル放送の放送波を高周波数から中間周波数帯へ変換をおこないIF信号として出力するRF回路部と、
該RF回路からの出力を復調する復調回路を含んだ復調回路部と、
を有し、
前記省電力制御手段は、前記RF回路部への通電を一部制限することにより、受信停止し、前記間欠受信の動作を制御する、
ことを特徴とする付記1乃至9のいずれか1つに記載の受信装置。
【0142】
(付記11)
前記RF回路部は、デジタル放送の選局に応じたローカル周波数を発生させる発振動作部を含み、
前記省電力制御手段は、前記RF回路部への通電を一部制限する際に、前記発振動作部への通電を維持する、
ことを特徴とする付記10に記載の受信装置。
【0143】
(付記12)
前記受信装置での受信動作にかかるゲイン制御をおこなうゲイン制御手段と、
直近の受信にかかる前記ゲイン制御のゲイン値を記録するゲイン値記録手段と、をさらに備え、
前記ゲイン制御手段は、前記間欠受信にかかる受信実行時に、前記ゲイン値記録手段が記録したゲイン値を用いてゲイン制御をおこなう、
ことを特徴とする付記1乃至11のいずれか1つに記載の受信装置。
【0144】
(付記13)
デジタル放送を受信する受信装置を制御するコンピュータに、
受信停止と受信実行を交互に繰り返す間欠受信をおこなう機能と、
前記間欠受信での受信実行時に受信される、前記デジタル放送の放送波に付加された付加信号の内容を、該付加信号の信号構成の順序で順次判別する機能と、
判別結果に応じて前記間欠受信の動作を制御する機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0145】
1…受信装置、10…RF回路部、11…RFアンプ、12…周波数変換部、13…発振動作部、14…アナログフィルタ、15…IFアンプ、20…復調回路部、21…ADC、22…デジタルフィルタ、23…記憶部、24…AGC部、25…電源制御部、200…復調部、210…復調機能、220…ゲイン制御機能、230…省電力制御機能、40…入出力装置、50…現在位置判別部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル放送を受信する受信装置において、
受信停止と受信実行を交互に繰り返す間欠受信をおこなう省電力制御手段と、
前記間欠受信での受信実行時に受信される、前記デジタル放送の放送波に付加された付加信号の内容を、該付加信号の信号構成の順序で順次判別する付加信号判別手段と、を備え、
前記省電力制御手段は、前記付加信号判別手段の判別結果に応じて前記間欠受信の動作を制御する、
ことを特徴とする受信装置。
【請求項2】
前記付加信号判別手段は、受信した付加信号に緊急情報が含まれているか否かを判別し、
前記省電力制御手段は、受信した付加信号に緊急情報が含まれていないと判別された時点で受信停止する、
ことを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
【請求項3】
前記付加信号判別手段は、受信した付加信号に緊急情報が含まれているか否かを判別し、
前記付加信号判別手段は、受信した付加信号に緊急情報が含まれる場合、当該緊急情報の種別を示す信号の内容をさらに判別し、
前記受信装置は、前記緊急情報の緊急事態についての詳細情報の受信を前記受信装置のユーザが所望するか否かを示したプリファレンス情報を設定するプリファレンス設定手段をさらに備え、
前記省電力制御手段は、
前記付加信号判別手段が判別した前記緊急情報の種別が、緊急事態についての概略情報である場合は受信実行を継続し、
前記付加信号判別手段が判別した前記緊急情報の種別が、緊急事態についての詳細情報である場合は、前記プリファレンス設定手段によって設定されたプリファレンス情報に基づいて、前記間欠受信を制御する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の受信装置。
【請求項4】
受信した緊急情報が前記詳細情報である場合に、当該詳細情報が、受信済の前記概略情報に関連する情報であり、かつ、前記プリファレンス設定手段によって設定された前記プリファレンス情報が、詳細情報の受信を所望しないことを示している場合、該プリファレンス情報の変更を可能とする変更設定手段をさらに備え、
前記省電力制御手段は、前記変更設定手段によって設定された前記プリファレンス情報に基づいて、前記間欠受信を制御する、
ことを特徴とする請求項3に記載の受信装置。
【請求項5】
前記付加信号判別手段は、前記詳細情報が、受信済の前記概略情報に関連する情報であるか否かを現在時刻に基づいて判別する、
ことを特徴とする請求項4に記載の受信装置。
【請求項6】
前記受信装置のユーザによって指定された地域を記録する指定地域記録手段をさらに備え、
前記付加信号判別手段は、受信した付加信号に緊急情報が含まれているか否かを判別し、
前記付加信号判別手段は、受信した付加信号に緊急情報が含まれる場合、当該緊急情報の対象地域を示す信号の内容を判別し、
前記省電力制御手段は、
前記付加信号判別手段が判別した対象地域に、前記指定地域記録手段が記録した地域が含まれる場合は受信実行を継続し、
前記付加信号判別手段が判別した対象地域に、前記指定地域記録手段が記録した地域が含まれない場合は受信停止する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の受信装置。
【請求項7】
前記受信装置の現在位置を判別する現在位置判別手段をさらに備え、
前記付加信号判別手段は、受信した付加信号に緊急情報が含まれているか否かを判別し、
前記付加信号判別手段は、受信した付加信号に緊急情報が含まれる場合、当該緊急情報の対象地域を示す信号の内容を判別し、
前記省電力制御手段は、
前記付加信号判別手段が判別した対象地域に、前記現在位置判別手段が判別した現在位置が含まれる場合は受信実行を継続し、
前記付加信号判別手段が判別した対象地域に、前記現在位置判別手段が判別した現在位置が含まれない場合は受信停止する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の受信装置。
【請求項8】
前記付加信号判別手段は、受信した付加信号に緊急情報が含まれているか否かを判別し、
前記省電力制御手段は、前記緊急情報の信号構成周期に基づいて、前記間欠受信を制御する、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の受信装置。
【請求項9】
前記省電力制御手段は、前記付加信号が前記デジタル放送の放送波に付加される時間間隔に基づいて、前記間欠受信を制御する、
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の受信装置。
【請求項10】
当該受信装置は、
受信したデジタル放送の放送波を高周波数から中間周波数帯へ変換をおこないIF信号として出力するRF回路部と、
該RF回路からの出力を復調する復調回路を含んだ復調回路部と、
を有し、
前記省電力制御手段は、前記RF回路部への通電を一部制限することにより、受信停止し、前記間欠受信の動作を制御する、
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の受信装置。
【請求項11】
前記RF回路部は、デジタル放送の選局に応じたローカル周波数を発生させる発振動作部を含み、
前記省電力制御手段は、前記RF回路部への通電を一部制限する際に、前記発振動作部への通電を維持する、
ことを特徴とする請求項10に記載の受信装置。
【請求項12】
前記受信装置での受信動作にかかるゲイン制御をおこなうゲイン制御手段と、
直近の受信にかかる前記ゲイン制御のゲイン値を記録するゲイン値記録手段と、をさらに備え、
前記ゲイン制御手段は、前記間欠受信にかかる受信実行時に、前記ゲイン値記録手段が記録したゲイン値を用いてゲイン制御をおこなう、
ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の受信装置。
【請求項13】
デジタル放送を受信する受信装置を制御するコンピュータに、
受信停止と受信実行を交互に繰り返す間欠受信をおこなう機能と、
前記間欠受信での受信実行時に受信される、前記デジタル放送の放送波に付加された付加信号の内容を、該付加信号の信号構成の順序で順次判別する機能と、
判別結果に応じて前記間欠受信の動作を制御する機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−5053(P2013−5053A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−131530(P2011−131530)
【出願日】平成23年6月13日(2011.6.13)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】