説明

受信装置、プログラム、及び案内方法

【課題】不特定の移動先においても、電波発信源からの受信が可能なエリアに関連する案内を簡便に行うことができる技術を提供する。
【解決手段】受信信号の電界強度を取得する電界強度取得手段と、装置の位置を取得する位置取得手段とを備えた受信装置において、装置が移動する際の各移動地点において電界強度取得手段及び位置取得手段により電界強度及び位置を取得して記憶する記憶手段と(ステップ31、32)、所定の案内要求を受け入れる案内要求受入れ手段と、案内要求受入れ手段により受け入れた案内要求に応じ、記憶手段により記憶した電界強度及び位置に基づき、前記受信信号を受信することが可能なエリア又は地点に関する判定を行う判定手段と(ステップ34)、判定手段による判定結果に基づき所定の案内を行う案内手段と(ステップ35)を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信可能エリアに関連する案内を行う機能を有する受信装置、該受信装置としてコンピュータを機能させるプログラム、及び該受信装置に適した案内方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電波発信源の位置を、電波発信源からの電波に基づいて推定する技術が知られている(たとえば、特許文献1参照)。この技術においては、図4に示すように、複数のセンサ局41を配置して電波ホログラム観測を行い、ホログラム再生によって電波再生像を取得する。そしてセンタ局42において、地形データ等に基づく計算機シミュレーションによって予め得られたいくつかの電波再生像と、各センサ局41により得られた電波再生像とを比較することによって電波発信源43の位置を決定し、方向探知トレース図44及び電波勢力地図45を作成するようにしている。
【0003】
また、電波発信源からの電波による電界強度の実測結果を利用し、電界強度を測定していない地点についての電界強度を予測する技術も知られている(たとえば、特許文献2参照)。この技術においては、実測して得られる電界強度情報及び位置情報と、対象地域における標高データ、測定に用いた電波の種類及び損失条件、電波の発信場所、送信出力、アンテナの高さなどの電波伝播に影響する条件とから、対象地域内の実測していない地点の電界強度の予測を行うようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−326482号公報
【特許文献2】特開平7−253446号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述従来の電波発信源の位置を推定する技術によれば、ホログラム観測を行うための複数のセンサ局が必要となるため、電波発信源の位置を推定するための設備が大規模になる。さらに、ホログラム観測により得られたデータを処理して電波再生像を取得するとともに、予め地形データ等に基づいて電波再生像の計算機シミュレーションを行う必要があるため、大掛りな計算機システムを必要とする。
【0006】
また、上述従来の電界強度を予測する技術によれば、電波の発信場所、送信出力、アンテナの高さなどの電波の伝播に影響する条件に関する情報を予め取得し、保持している必要があるので、そのような情報を有していない電波発信源については、電界強度の予測を行うことができない等の問題がある。
【0007】
したがって、これらの従来技術によれば、電波発信源や電界強度に関して精度の高い予測が期待できるが、モバイル機器等のユーザが、不特定の移動先において、アクセスポイントや中継局等の電波発信源からの受信可能エリアに関する情報を手軽に入手するのは困難である。
【0008】
本発明の目的は、かかる従来技術の問題点に鑑み、モバイル機器等のユーザが、不特定の移動先においても、電波発信源からの受信が可能なエリアに関連する案内を簡便に得ることができるようにする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的を達成するため、第1の発明に係る受信装置は、受信信号の電界強度を取得する電界強度取得手段と、装置の位置を取得する位置取得手段と、装置が移動する際の各移動地点において前記電界強度取得手段及び位置取得手段により電界強度及び位置を取得して記憶する記憶手段と前記複数の電界強度及び位置情報から、受信信号に係る電波発信源の推定位置を算出し、該推定位置に基づいて受信信号の受信が可能な地域を判定する判定手段とを具備することを特徴とする。
【0010】
第2の発明に係る受信装置は、第1発明において、所定の案内要求を受け入れる案内要求受入れ手段を備え、前記判定手段は、前記案内要求受入れ手段により受け入れた案内要求に応じ、前記受信信号を受信することが可能な地域を判定するものであり、前記受信装置はさらに、前記判定手段による判定結果に基づき所定の案内を行う案内手段を具備することを特徴とする。
【0011】
第3の発明に係る受信装置は、第2発明において、前記判定手段は、前記受信信号を受信することが可能なエリア又は地点がどこであるかを判定するものであり、前記所定の案内には、前記受信信号を受信することが可能なエリア又は地点をユーザに通知することが含まれることを特徴とする。
【0012】
第4の発明に係る受信装置は、第2又は第3の発明において、前記案内要求には、ユーザにより指示されたエリア又は地点が含まれており、前記判定手段は、前記指示されたエリア又は地点が前記受信信号を受信することが可能なエリア又は地点であるかどうかを判定するものであり、前記案内には、前記指示されたエリア又は地点が前記受信信号を受信することが可能なエリア又は地点であるかどうかをユーザに通知することが含まれることを特徴とする。
【0013】
第5の発明に係る受信装置は、第2〜第4のいずれかの発明において、前記案内要求には、ユーザにより指示されたエリア又は地点が含まれており、前記判定手段は、前記指示されたエリア又は地点の近傍における前記受信信号を受信することが可能なエリア又は地点がどこであるかを判定するものであり、前記所定の案内には、前記指示されたエリア又は地点の近傍における前記受信信号を受信することが可能なエリア又は地点をユーザに通知することが含まれることを特徴とする。
【0014】
第6の発明に係る受信装置は、第2〜第5のいずれかの発明において、前記案内には、前記ユーザへの通知に係るエリア若しくは地点又は該エリア若しくは地点のうちの指示された地点にルート案内することが含まれることを特徴とする。
【0015】
第7の発明に係るプログラムは、コンピュータを、第2〜第6のいずれかの発明に係る受信装置における記憶手段、判定手段、案内要求受入れ手段、及び案内手段として機能させることを特徴とする。
【0016】
第8の発明に係る案内方法は、受信装置における案内方法であって、受信信号の電界強度を取得する電界強度取得工程と、装置の位置を取得する位置取得工程と、装置が移動する際の各移動地点において前記電界強度取得工程及び位置取得工程により電界強度及び位置を取得して記憶する記憶工程と、所定の案内要求を受け入れる案内要求受入れ工程と、前記案内要求受入れ工程により受け入れた案内要求に応じ、前記記憶工程により記憶した電界強度及び位置に基づき、前記受信信号を受信することが可能なエリア又は地点に関する判定を行う判定工程と、前記判定工程による判定結果に基づき所定の案内を行う案内工程とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、簡便な構成により、不特定の移動先においても、電波発信源からの電波を受信することが可能なエリアに関連する案内を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係るモバイル装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1のモバイル装置により各地点での位置及び受信波の電界強度を記憶し、記憶結果に基づいて所定の案内を行う様子を示す図である。
【図3】図1の装置において受信可能エリアに関連する案内を実現する処理を示すフローチャートである。
【図4】電波発信源の位置を電波発信源からの電波に基づいて推定する従来技術を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、本発明の一実施形態に係るモバイル装置の構成を示すブロック図である。このモバイル装置としては、たとえばナビゲーション機能及び通信機能を有するモバイル機器や、通信機能を有するカーナビゲーション装置が該当する。この装置においては、ユーザが過去に訪れた場所の位置及びラジオ放送などの放送の電界強度に基づいて電波発信源の位置を推定することにより、未だ訪れていない場所に関しても、受信可能エリアかどうかを判定して提示し、受信可能エリアへ誘導するようにしている。
【0020】
同図に示すように、この装置は、必要な情報処理や装置各部の制御を行う処理部11、地図データ等を記憶する記憶部12、外部との無線通信を行うための通信部13、装置の現在位置に関する情報を取得する位置情報取得部14、ユーザが処理部11に対して指示を与える操作を行うための操作部15、処理部11がユーザに与える情報を表示するための表示部16、及び処理部11がユーザに対して音声により情報を与えるための音声出力部17を備える。
【0021】
記憶部12としては、たとえばハードディスク装置や、DVDドライブ、半導体メモリ等を用いることができる。記憶部12には、各地点の位置及びその位置における受信波の電界強度が登録される電界強度データベースが設けられる。また、電界強度と受信可能性との関係を示すデータとして、たとえば受信波を適正に受信することが可能な受信波の電界強度の最小値である閾値Ethが記憶される。処理部11は記憶部12から地図データを取得することができるが、通信部13を介し、所定の専用サーバから取得するようにしてもよい。処理部11は通信部13により、所定の基地局を介し、一般電話回線網やインターネットを経て、専用サーバと通信を行うことができる。専用サーバは、最新の検索データや地図データを保有し、要求に応じてルート検索や、駐車場に関する情報の提供を行う。本モバイル装置が携帯電話などの場合には、通信部13は、マイクを備え、データ通信に加え、音声による通話を可能とする機能をも備える。
【0022】
位置情報取得部14は、GPS信号を受信するGPS受信機等により構成される。これに加え、モバイル装置を搭載した車両の速度を検出する車速センサや、該車両の進行方向を検出するジャイロサンサを用いるようにしてもよい。処理部11は位置情報取得部14のGPS受信機等からの情報に基づいて現在位置を取得することができる。操作部15は各種操作キー、表示部16に設けられたタッチパネル、リモコン等により構成される。処理部11は、操作部15を介してユーザから与えられる指示に従い、目的地の設定の受入れ、目的地までの経路の探索・設定、現在位置近傍の地図の表示、地図上における現在位置や設定経路の表示、設定された目的地までのルート案内、その他の各種情報の表示、案内音声の出力等を行う。したがって、ユーザはたとえば、操作部15を介して目的地を設定し、目的地までルート案内させることができる。
【0023】
図2は図1のモバイル装置により各地点での位置及び受信波の電界強度を記憶し、記憶結果に基づいて所定の案内を行う様子を示す。図2において、20は電波発信源、1〜5は電波発信源20からの電波を受信して電界強度を測定する各移動地点、21はモバイル装置が電波発信源20からの電波を受信することが可能なエリア、そして22は該受信が不可能なエリアである。同図においては、簡単な場合として、電波発信源20から同心円状に電界強度が分布している場合について示している。
【0024】
まず、モバイル装置を携帯したユーザが地点1に到達したとき、モバイル装置は電界強度及び位置の測定を行い、得られた電界強度及び位置の測定値E1及びp1を電界強度データベースに登録する。その後、ユーザが地点2へ移動したときに、モバイル装置は同様に、その地点での電界強度及び位置の測定値E2及びp2を登録するとともに、電波発信源20の推定位置xを算出する。電界強度Eは距離dの2乗に反比例することがわかっているので、推定位置xの算出は、たとえば、電波発信源20からの距離d及び電界強度E間の関係式E=f(d)を用い、地点1及び地点2の位置p1及びp2並びに電界強度E1及びE2に基づいて地点2から電波発信源20までの距離d2を算出し、地点1及び地点2を通る直線上の位置であって地点2から該距離d2だけ、電界強度が増大する方向に離れた位置を、推定位置xとして求めることにより行うことができる。
【0025】
次に、地点3に移動したとき、同様にして電界強度及び位置の測定値E3及びp3を電界強度データベースに登録する。このとき、たとえば、電界強度の測定値E3が地点2での測定値E2と同じ値であったとすると、地点2における電波発信源20の推定位置xは間違いであったことが判明する。推定位置xからの距離は、地点2よりも地点3のほうが近いにもかかわらず、両地点での電界強度の測定値が変わらないからである。そこで、地点3での電界強度及び位置の測定値E3及びp3も考慮して、再び電波発信源20の推定位置xを求める。たとえば、電界強度E1〜E3を与える電波発信源20からの距離d1〜d3を、上記関係式E=f(d)を用いて求め、地点1〜地点3のそれぞれを中心とする半径d1〜d3の3つの円の交点として、電波発信源20の推定位置xを算出する。
【0026】
次に、地点4に移動した際にも同様にして、電界強度及び位置の測定値E4及びp4を電界強度データベースに登録し、電波発信源20の推定位置xを算出し、補正する。同一の電波発信源20について取得した電界強度及びその位置の数が多いほど、推定位置xの精度は向上する。地点4に移動したときに、ユーザから地点5方面への誘導要求があったとすると、電波発信源20の推定位置xから地点5までの距離に基づき、上記関係式E=f(d)に従い、地点5における電界強度を算出することができる。たとえば、地点5の位置が、電波発信源20から地点4までの距離と同程度の距離にあるとすれば、地点5における電界強度の算出値E5は、地点4における電界強度の実測値E4と同程度の値となる。
【0027】
モバイル装置は、予め記憶している閾値Ethに基づき、地点5が、電波発信源20からの電波を受信することができる位置であるかどうかを判定することができる。すなわち電界強度の算出値E5が閾値Eth以上であれば、地点5は受信可能な位置であると判定することができる。この場合には、その旨をユーザに通知し、地点5へユーザを誘導(ルート案内)する。一方、算出値E5が閾値Eth以上ではないと判定した場合には、地点5が受信可能な場所ではない可能性があることをユーザに知らせることができる。
【0028】
モバイル装置は、ユーザを誘導し、地点5に到達したとき、電界強度を測定し、測定値E5が閾値Eth以上でない場合には、受信可能でない旨をユーザに通知するとともに、地点5における電界強度及び位置の測定結果をさらに考慮し、再度電波発信源20の推定位置xを算出し、補正する。補正後の推定位置xに基づいて受信可能と判定される位置を表示し、ユーザに知らせたり、別の目標位置への誘導要求を受け入れることができる。
【0029】
なお、上述の距離d1〜d3や、半径d1〜d3、推定位置xは、実際には、かなり幅を有するおおよその値として取り扱われる。
【0030】
図3はこのような受信可能エリアに関連する案内を実現する処理を示すフローチャートである。この処理は、制御部11により、所定のプログラムに従って行われる。処理を開始すると、まず、ステップ31において、位置情報取得部14により現在位置を取得するとともに、通信部13から受信波についての電界強度の測定値を取得する。次に、ステップ32において、取得した位置及び電界強度を対応付けて、電界強度データベースに登録する。
【0031】
次に、ステップ33において、電界強度データベースの登録内容に基づき、電波発信源20の推定位置xを算出する。次に、ステップ34において、受信可能エリアへ誘導するように要求があったかどうかを判定する。該誘導要求がなかったと判定した場合にはステップ31に戻る。このようにして、各移動位置における現在位置及び電界強度を登録し、電波発信源20の推定位置xを修正しながら、受信可能エリアへの誘導要求を待機する。ただし、各移動位置での電界強度データベースへの登録及び推定位置xの算出(ステップ31〜33)は、所定時間又は所定距離の移動毎に行われる。なお、誘導要求は、誘導先とする目標位置の指定を伴うものであってもよい。
【0032】
ステップ34において誘導要求があったと判定した場合には、ステップ35へ進み、周辺の電界強度を推測して誘導を行う。すなわち、電波発信源20の最新の推定位置xに基づいて得られる電界強度の算出値が上述の閾値Ethを超えるエリアを求め、受信可能エリアとしてユーザに通知する。あるいは、誘導要求において目標位置の指定を伴う場合には、目標位置周辺において電界強度の算出値が閾値Ethを超える各地点を受信可能エリアとしてユーザに通知したり、該目標位置が受信可能エリア内の位置であるかどうかをユーザに通知したりする。このような通知は、たとえば、表示部16において地図上に受信可能エリアを表示したり、文字の表示や音声出力により受信可能かどうかを知らせたりすることによって行われる。たとえば図2の例の場合には、受信可能エリア21が表示されたり、目標位置として指定された地点5を含む地点5の近傍の位置が受信可能なエリアとして表示されたり、目標位置として指定された地点5において受信可能であるかどうかが通知されたりする。ユーザは表示された受信可能エリアのうちから目標位置を指定し、ルート案内させることができる。あるいは表示された受信可能エリア、又は受信可能であると通知された目標位置まで、ルート案内させることができる。モバイル装置は、このようなユーザの指示に応じ、ルート案内を行う。
【0033】
その後、ユーザが指定した受信可能エリア内の目標位置、又はユーザに通知した受信可能エリアに到達したと判定すると、ステップ36において、到達地点における電界強度の実測値と予測値(算出値)とを比較し、一致しているかどうかを判定する。この判定に際しては、予測値にある程度の幅を設け、実測値が、予測値から所定の範囲内であれば、一致しているものとみなす。ただし、実測値が閾値Ethを超えていない場合には、受信不能であるため、不一致とみなす。一致していないと判定した場合には、その旨をユーザに通知し、また、該実測値及び該到達地点の位置を電界強度データベースに登録し、ステップ32に戻る。そして、再度、電波発信源20の推定位置xを修正しながら、受信可能エリアへの誘導要求がなされるのを待機する(ステップ31〜34)。
【0034】
ステップ36において電界強度の実測値と推定値とが一致したと判定した場合には、到達地点における位置及び電界強度の実測値を電界強度データベースに登録し、図3の処理を終了する。これにより、受信可能エリアへの誘導が達成されたことになる。
【0035】
本実施形態によれば、図1のモバイル装置を携帯したユーザが各地点を移動している間に電波発信源の位置を推定(算出)し、受信可能エリアへの誘導要求がなされたときに、電波発信源の推定位置xに基づいて受信可能エリアを推定し、受信可能エリアに関連する案内を行うようにしたため、ホログラム観測のためのセンサ局などのような大規模な設備や、電波の発信場所、送信能力、アンテナの高さなどの電波伝搬に関する事前情報を保持する必要なく、簡便な構成により、新設された電波発信源や初めて訪れた地域の電波発信源に対しても、受信可能エリアに関連する案内を行うことができる。
【0036】
また、本実施形態を使うことにより、全ラジオ放送局のうちの所定のラジオ放送局は、インターネット回線上に自局のサーバ装置を有し、自局のラジオ放送のアナログ電波を送信するとともに、前記サーバ装置から前記自局のラジオ放送の内容と同様の、若しくはその内容から付加価値のあるコンテンツ(静止画、動画、動画+音声、音声等)のデータ(ラジオ放送に関する内容のコンテンツデータ)を、インターネット上で配信しているものがあるが、ラジオ放送に関連するコンテンツデータの配信先は、放送法上の問題から、当該ラジオ放送を受信できる地域のみの機器に限定される。このような場合、ラジオ放送など受信可能エリアを確実に案内できることにより、ラジオ放送を途切れることなく視聴することが可能になる。
【0037】
なお、本発明は上述実施形態に限定されることなく、適宜変形して実施することができる。たとえば、上述においては、電波発信源から同心円状に電界強度が分布する場合を考えたが、これに限定されず、たとえば装置内に地図情報を格納しておき、地形や建物の高低差や反射などを考慮して電波発信源の推定位置や電界強度を算出することにより、より現実的な状況に即してユーザを受信可能エリアへ誘導するようにしてもよい。
【0038】
また、上述においては、受信可能エリアをユーザに通知するために、受信可能エリアを地図上に表示するようにしているが、この代わりに、受信可能エリアまでの方向及び距離などを音声や、文字、矢印等の表示によって通知するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0039】
11:処理部、12:記憶部、13:通信部、14:位置情報取得部、15:操作部、16:表示部、17:音声出力部、20:電波発信源、21:受信可能エリア、22:通信不可能エリア、41:センサ局、42:センタ局、43:電波発信源、44:方向探知トレース図、45:電波勢力地図。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信信号の電界強度を取得する電界強度取得手段と、
装置の位置を取得する位置取得手段と、
装置が移動する際の各移動地点において前記電界強度取得手段及び位置取得手段により電界強度及び位置を取得して記憶する記憶手段と
前記複数の電界強度及び位置情報から、受信信号に係る電波発信源の推定位置を算出し、該推定位置に基づいて受信信号の受信が可能な地域を判定する判定手段とを具備することを特徴とする受信装置。
【請求項2】
所定の案内要求を受け入れる案内要求受入れ手段を備え、
前記判定手段は、前記案内要求受入れ手段により受け入れた案内要求に応じ、前記受信信号を受信することが可能な地域を判定するものであり、
前記受信装置はさらに、前記判定手段による判定結果に基づき所定の案内を行う案内手段を具備することを特徴とする受信装置。
【請求項3】
前記判定手段は、前記受信信号を受信することが可能なエリア又は地点がどこであるかを判定するものであり、
前記所定の案内には、前記受信信号を受信することが可能なエリア又は地点をユーザに通知することが含まれることを特徴とする請求項2に記載の受信装置。
【請求項4】
前記案内要求には、ユーザにより指示されたエリア又は地点が含まれており、
前記判定手段は、前記指示されたエリア又は地点が前記受信信号を受信することが可能なエリア又は地点であるかどうかを判定するものであり、
前記案内には、前記指示されたエリア又は地点が前記受信信号を受信することが可能なエリア又は地点であるかどうかをユーザに通知することが含まれることを特徴とする請求項2又は3に記載の受信装置。
【請求項5】
前記案内要求には、ユーザにより指示されたエリア又は地点が含まれており、
前記判定手段は、前記指示されたエリア又は地点の近傍における前記受信信号を受信することが可能なエリア又は地点がどこであるかを判定するものであり、
前記所定の案内には、前記指示されたエリア又は地点の近傍における前記受信信号を受信することが可能なエリア又は地点をユーザに通知することが含まれることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の受信装置。
【請求項6】
前記案内には、前記ユーザへの通知に係るエリア若しくは地点又は該エリア若しくは地点のうちの指示された地点にルート案内することが含まれることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の受信装置。
【請求項7】
コンピュータを、請求項2〜6のいずれかの受信装置における記憶手段、判定手段、案内要求受入れ手段、及び案内手段として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項8】
受信装置における案内方法であって、
受信信号の電界強度を取得する電界強度取得工程と、
装置の位置を取得する位置取得工程と、
装置が移動する際の各移動地点において前記電界強度取得工程及び位置取得工程により電界強度及び位置を取得して記憶する記憶工程と、
所定の案内要求を受け入れる案内要求受入れ工程と、
前記案内要求受入れ工程により受け入れた案内要求に応じ、前記記憶工程により記憶した電界強度及び位置に基づき、前記受信信号を受信することが可能なエリア又は地点に関する判定を行う判定工程と、
前記判定工程による判定結果に基づき所定の案内を行う案内工程とを具備することを特徴とする案内方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−9892(P2011−9892A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−149352(P2009−149352)
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【出願人】(308036402)JVC・ケンウッド・ホールディングス株式会社 (1,152)
【Fターム(参考)】