説明

受信装置、受信方法、プログラムおよび無線通信システム

【課題】協調して受信する協調通信を用いた場合において、ユーザ間干渉による影響を低減しつつ各送信装置に対し柔軟な周波数割当を可能とする受信装置を提供すること。
【解決手段】他の受信装置と協調して、送信装置からの信号を受信する受信装置であって、 送信装置が送信した信号を受信する受信部と、送信装置が送信した信号の周波数帯域の一部と、他の送信装置が送信した信号の周波数帯域とが重複しているときは、送信装置が送信した信号の重複している周波数帯域の少なくとも一部のスペクトルを、他の受信装置から受信する協調通信部と、協調通信部が受信したスペクトルを用いて、受信部が受信した信号の受信処理を行う第1の受信処理部とを具備することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信装置、受信方法、プログラムおよび無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
第4世代の携帯電話の無線通信システムとして、LTE(Long Term Evolution)システムをより発展させたLTE−A(LTE−Advanced、IMT−Aなどとも称する)の標準化が行われている。
LTE−Aシステムでは、セル間干渉により低下するセルエッジのスループットを改善させる技術として下り回線と上り回線の各々で協調通信(Coordinated Multi-Point transmission and reception:CoMPともいう。)の適用が検討されている(非特許文献1参照)。協調通信では、基地局と移動局間のデータ送受信時に、複数の基地局が協調してデータ送信を行うもしくは受信を行う技術である。特に上り回線の協調通信では、移動局が伝送する信号を複数の基地局で受信し、それぞれ基地局で受信した信号を合成することにより、伝送特性を改善できる。複数の基地局で受信した信号の共有は、光ファイバなどの有線通信により行われる。
【0003】
図20に、上り回線における協調通信の概念図を示す。上り回線の場合、複数の基地局(受信ポイント)で同一の移動局装置の信号を受信するので、JR−CoMP(Joint Reception CoMP)と呼ばれることもある。同図では、基地局eNB1とeNB2が存在し、これらの基地局は光ファイバ等の有線通信を介して受信データ等の共有を可能とし、少なくともいずれか1つの基地局と通信する移動局UE1〜3が存在する。移動局UE1〜3は、同期信号などにより最も受信電力の高い基地局と接続する。図20では、移動局UE1とUE2はそれぞれeNB1とeNB2に接続している。一方、移動局UE3の信号を、基地局eNB1とeNB2が協調して受信を行っているものとし、基地局eNB1とeNB2の両方と接続する。ただし、移動局UE3は、必ずしも協調通信する基地局すべてを把握する必要はなく、移動局がデータ送信に用いるパラメータを制御情報として特定の基地局のみから受信する形でも良い。
【0004】
LTEおよびLTE−Aでは、基地局がカバーするセル内では移動局間で周波数直交するよう周波数帯域が割当てられる周波数分割多元接続(Frequency Division Multiple Access : FDMA)方式が採用されている。そのため協調通信を行う複数の基地局と接続する移動局がデータ伝送に用いる周波数帯域は、協調する基地局全ての周波数帯域の使用状況を考慮して決められる。図21に、従来の無線通信システム(図20)におけるeNB1における周波数割当てとeNB2における周波数割当ての一例を示す。ここでは、最小の割当て単位をリソースブロック(RB:Resource Block)とし、RB単位で各移動局装置に周波数リソースを割当てるものとする。
【0005】
図21の例では、基地局eNB1に送信する移動局UE1には、符号EA11で示すようにRB1とRB2のリソースブロックが割当てられている。基地局eNB2に送信する移動局UE2にも、符号EA22で示すようにRB1とRB2のリソースブロックが割当てられている。一方、基地局eNB1およびeNB2に送信する移動局UE3には、符号EA13およびEA23で示すようにRB3とRB4のリソースブロックが割当てられている。
このように、図20のような従来の無線通信システムでは、異なる基地局に接続するUE1およびUE2には同一周波数帯域を割当てることが可能だが、UE1とUE3、およびUE1とUE3はそれぞれ同一基地局と接続するため、これらには異なる周波数帯域を割当てる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】NTT DOCOMO、"Views for Rel. 11 CoMP"、3GPPTSG-RAN WG1 #63bis R1-110248、2011年01月17日
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上り回線の協調通信では協調する基地局の数だけ周波数リソースを使用するため、周波数帯域割当ての柔軟性が低下する問題がある。例えば、割当て可能な周波数帯域(リソースブロック)がRB1〜からRB4までの4RBである時に、図22に示すように、基地局eNB1に送信する移動局UE1の割当て帯域PA1と、基地局eNB2に送信する移動局UE2の割当て帯域PA2として、排他的に異なる周波数帯域が割当てられたとする。この場合、移動局UE3が、他の移動局と周波数直交性を維持しつつ協調通信を行うことが可能な周波数帯域は存在しないことになる。逆に協調通信を行う移動局UE3にRB3およびRB4を優先的に割当てた場合は、移動局UE1と移動局UE2に割当て可能な周波数帯域がRB1とRB2のみとなり、割当ての自由度が低下する。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、協調して受信する協調通信を用いた場合において、各送信装置に対し周波数帯域の柔軟な割当てを可能とする受信装置、受信方法、プログラムおよび無線通信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、本発明の一態様は、他の受信装置と協調して、送信装置からの信号を受信する受信装置であって、前記送信装置が送信した信号を受信する受信部と、前記送信装置が送信した信号の周波数帯域の一部と、他の送信装置が送信した信号の周波数帯域とが重複しているときは、前記送信装置が送信した信号の前記重複している周波数帯域の少なくとも一部のスペクトルを、前記他の受信装置から受信する協調通信部と、前記協調通信部が受信したスペクトルを用いて、前記受信部が受信した信号の受信処理を行う第1の受信処理部とを具備することを特徴とする受信装置である。
【0010】
(2)また、本発明の他の態様は、上述の受信装置であって、前記受信装置はさらに、前記送信装置が送信に使用する第1の周波数帯域を決定するスケジューリング部を具備し、前記スケジューリング部は、割当単位毎に、自装置に信号を送信する他の送信装置が使用する第2の周波数帯域と前記他の受信装置に信号を送信する他の送信装置が使用する第3の周波数帯域とのいずれかと重複しないように前記第1の周波数帯域を決定することを特徴とする。
【0011】
(3)また、本発明の他の態様は、上述のいずれかの受信装置であって、前記第1の受信処理部は、前記受信部が受信した信号のスペクトルと、前記協調通信部が受信したスペクトルとを合成するスペクトル合成部を具備することを特徴とする。
【0012】
(4)また、本発明の他の態様は、上述の受信装置であって、前記第1の受信処理部は、前記スペクトル合成部が合成したスペクトルに基づき、前記送信装置が送信した信号のレプリカを生成するレプリカ生成部と、前記レプリカを用いて、前記受信部が受信した信号の干渉成分をキャンセルするキャンセル部とを具備することを特徴とする。
【0013】
(5)また、本発明の他の態様は、上述のいずれかの受信装置であって、他の送信装置が送信した信号の受信処理を行う第2の受信処理部を具備し、前記受信部は、前記送信装置が送信した信号に加えて、前記他の送信装置が送信した信号であって、その周波数帯域が前記協調通信部が受信したスペクトルの周波数帯域を含んでいる信号を受信し、前記第2の受信処理部は、前記受信部が受信した信号のスペクトルであって、前記他の送信装置が送信した信号の周波数帯域のスペクトルから、前記協調通信部が受信したスペクトルをキャンセルする重複キャンセル部を具備することを特徴とする。
【0014】
(6)また、本発明の他の態様は、上述の受信装置であって、前記第1の受信処理部は、前記スペクトル合成部が合成したスペクトルに基づき、前記送信装置が送信した信号のレプリカを生成するレプリカ生成部を具備し、前記第2の受信処理部は、前記レプリカを用いて、前記受信部が受信した信号のスペクトルであって、前記他の送信装置が送信した信号の周波数帯域のスペクトルの干渉成分をキャンセルするキャンセル部を具備することを特徴とする。
【0015】
(7)また、本発明の他の態様は、上述のいずれかの受信装置であって、前記他の受信装置は、複数あり、前記協調通信部は、前記複数の他の受信装置の各々から、前記送信装置が送信した信号の前記重複している周波数帯域のスペクトルの少なくとも一部を受信することを特徴とする。
【0016】
(8)また、本発明の他の態様は、他の受信装置と協調して、送信装置からの信号を受信する受信装置における受信方法であって、前記送信装置が送信した信号を受信する第1の過程と、前記送信装置が送信した信号の周波数帯域の一部と、他の送信装置が送信した信号の周波数帯域とが重複しているときは、前記送信装置が送信した信号の前記重複している周波数帯域のスペクトルの少なくとも一部を、前記他の受信装置から受信する第2の過程と、前記第2の過程にて受信したスペクトルを用いて、前記第1の過程にて受信した信号の受信処理を行う第3の過程とを有することを特徴とする受信方法である。
【0017】
(9)また、本発明の他の態様は、他の受信装置と協調して、送信装置からの信号を受信する受信装置のコンピュータを、前記送信装置が送信した信号を受信する受信部、前記送信装置が送信した信号の周波数帯域の一部と、他の送信装置が送信した信号の周波数帯域とが重複しているときは、前記送信装置が送信した信号の前記重複している周波数帯域の少なくとも一部のスペクトルを、前記他の受信装置から受信する協調通信部、前記協調通信部が受信したスペクトルを用いて、前記受信部が受信した信号の受信処理を行う第1の受信処理部として機能させるためのプログラムである。
【0018】
(10)また、本発明の他の態様は、送信装置が送信した信号を協調して受信する第1の受信装置と第2の受信装置とを具備する無線通信システムであって、前記第1の受信装置は、前記送信装置が送信した信号を受信する第1の受信部と、前記受信した信号の、前記第2の受信装置に送信する他の送信装置が送信した信号の周波数帯域と重複している周波数帯域の少なくとも一部のスペクトルを、前記第2の受信装置に送信する第1の協調通信部とを具備し、前記第2の受信装置は、前記送信装置が送信した信号を受信する第2の受信部と、前記部分スペクトルを受信する第2の協調通信部と、前記部分スペクトルを用いて、第2の受信部が受信した信号の受信処理を行う受信処理部とを具備することを特徴とする無線通信システムである。
【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、協調して受信する協調通信を用いた場合において、各送信装置に対し周波数帯域の柔軟な割当てを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】この発明の第1の実施形態に係る無線通信システム10の構成を示す概略図である。
【図2】同実施形態に係る周波数帯域の割当て例を示す概念図である。
【図3】同実施形態に係る基地局装置における各移動局のスペクトルの分離方法を示す図である。
【図4】同実施形態に係る移動局装置11の構成を示す概略ブロック図である。
【図5】同実施形態に係る基地局装置12の構成を示す概略ブロック図である。
【図6】同実施形態に係る受信部202の構成を示す概略ブロック図である。
【図7】同実施形態に係る協調通信時処理部207−1の構成を示す概略ブロック図である。
【図8】同実施形態に係る非協調通信時処理部209−1の構成を示す概略ブロック図である。
【図9】同実施形態に係るスケジューリング部204の周波数帯域割当ての処理を説明するフローチャートである。
【図10】この発明の第2の実施形態に係る繰り返し等化処理における初回処理を説明する概念図である。
【図11】同実施形態に係るUE1のスペクトルに対する受信処理を説明する概念図である。
【図12】同実施形態に係るUE2のスペクトルに対する受信処理を説明する概念図である。
【図13】同実施形態に係るUE3のスペクトルに対する受信処理を説明する概念図である。
【図14】同実施形態に係る基地局装置13の構成を示す概略ブロック図である。
【図15】同実施形態に係る協調通信時処理部701−1の構成を示す概略ブロック図である。
【図16】同実施形態に係る繰り返し処理部702−1の構成を示す概略ブロック図である。
【図17】同実施形態に係るスケジューリング部204の周波数帯域割当ての処理の変形例を説明するフローチャートである。
【図18】この発明の第3の実施形態に係る無線通信システム10bの構成を示す概念図である。
【図19】同実施形態に係る周波数帯域割当ての一例を示す概念図である。
【図20】従来の無線通信システムの構成を示す概略図である。
【図21】従来の無線通信システムのeNB1における周波数帯域割当てとeNB2における周波数帯域割当ての一例を示す概念図である。
【図22】従来の無線通信システムのeNB1における周波数帯域割当てとeNB2における周波数帯域割当ての他の一例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[第1の実施形態]
以下、図面を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。なお、以下の各実施形態の説明では、割当てリソース数の割当て単位として所定のサブキャリア数で定まるRB(Resource Block;リソースブロック)を用いているが、異なる割当て単位を用いてもよい。図1は、本実施形態に係る無線通信システム10の構成を示す概略図である。図1に示すように、無線通信システム10は、3つの移動局装置11a、11b、11c、2つの基地局装置12a、12b、コアネットワーク20を含んで構成される。なお、図1において、符号C1は、基地局装置12aの通信範囲であるセルを表し、符号C2は、基地局装置12bのセルを表す。図1では、移動局装置11aは、セルC1内に位置するので、基地局装置12aと通信している。また、移動局装置11bは、セルC2内に位置するので、基地局装置12bと通信している。移動局装置11cは、セルC1とセルC2とが重なる領域に位置しているので、基地局装置12a、12bと協調通信をしている。また、基地局装置12aと基地局装置12bとは、協調通信を行うための情報を、該コアネットワーク20を介して通信する。以降、基地局装置12aをeNB1、基地局装置12bをeNB2、移動局装置12aをUE1、移動局装置12bをUE2、移動局装置12cをUE3とも称する。
【0022】
本実施形態では、協調通信を行う移動局装置11cがアップリンクに使用する伝送帯域のうち、他の移動局装置11a、11bの伝送帯域と重複する帯域がセル(あるいはセクタ)毎に異なるよう周波数帯域割当てを決定する。基地局装置12aまたは基地局装置12bにおける信号の復元では、協調通信を行う基地局装置12a、12bの何れかが受信した重複していない帯域のスペクトルを用いる。
【0023】
図2は、本実施形態に係る周波数帯域割当ての例を示す概念図である。図2では割当て可能なRBがRB1〜RB4の4RBである。割当てG1は、eNB1における割当てを示し、スペクトルA11は、UE1にRB1、RB2が割当てられていることを示す。同様に、スペクトルA13は、UE3にRB2、RB3が割当てられていることを示す。割当てG2は、eNB2における割当てを示し、スペクトルA23は、UE3にRB2、RB3が割当てられていることを示す。同様に、スペクトルA22は、UE2にRB3、RB4が割当てられていることを示す。
【0024】
図2では、上述したように、eNB1においては、UE1にRB1およびRB2が割当てられており、eNB2においては、UE2にRB3およびRB4が割当てられている。このように、UE1とUE2とには互いに異なる周波数帯域が割当てられている。この際に、従来のFDMAではUE3が協調通信を行うことが可能な周波数帯域が存在しないことは前述の通りである。本実施形態ではこのような状況において、協調通信を行うUE3に対し、UE1およびUE2と周波数帯域の一部を重複させて周波数帯域割当てを行う。すなわち、eNB1およびeNB2において、UE3をRB2およびRB3に割当てることで、協調通信を行う。この場合、eNB1ではRB2において、UE1とUE3の信号が重複されて受信される。また、eNB2では、RB3において、UE2とUE3の信号が重複されて受信される。従来の受信処理を行った場合、重複箇所はIUIとなり、特性の劣化を引き起こすが、本実施形態では協調通信によるスペクトルの分離を行う。
【0025】
図3は、基地局装置に係る各移動局のスペクトルの分離方法を示す図である。図3において、上から1段目は、eNB1における受信信号R1であり、2段目は、eNB2における受信信号R2であり、3段目は分離処理により得られる信号Rdである。eNB1の受信信号R1では、UE1のスペクトルA11はRB2においてUE3のスペクトルA13−2と重複している。しかし、eNB2の受信信号R2では、RB2においてUE3のスペクトルA23−2はいずれの移動局装置のスペクトルとも重複していない(あるいは十分に干渉レベルの小さい他セルの移動局装置のスペクトルとのみ重複している)。そこで、eNB1の受信信号R1から、このUE3のスペクトルA23−2を減算処理することにより、UE1のスペクトルA1のみを抽出することができる。
【0026】
同様に、eNB2の受信信号R2では、UE2のスペクトルA22は、RB3においてUE3のスペクトルA23−3と重複している。しかし、eNB1で受信されているUE3のスペクトルA13−3を減算処理することにより、UE2のスペクトルA2のみを抽出することができる。一方、UE3のスペクトルは、eNB1の受信信号R1からRB3のスペクトルA13−3を、eNB2の受信信号R2からRB2のスペクトルA23−2を抽出して、合成することで、他の移動局とのIUIを含まないスペクトルA3を得ることができる。
【0027】
なお、図3の例では協調通信を行うUE3のスペクトルは、いずれのRBにおいても、eNB1とeNB2のいずれかにおいて必ず他の移動局装置のスペクトルと重複する割当てとなっているが、本実施形態では、UE3の使用する全ての帯域を他の移動局と重複させなくてもよい。また、UE3のスペクトルの一部が、複数の基地局で他の移動局と重複しない周波数帯域に割当てられている場合には、各基地局で得られるIUIのないスペクトルを合成することによりダイバーシチ効果を得ることもできる。
【0028】
移動局装置11a〜11cは、同様の構成を備えるので、以下の構成の説明では、移動局装置11として説明する。また、基地局装置12a、12bは、同様の構成を備えるので、以下の構成の説明では、基地局装置12として説明する。なお、移動局装置11は、本実施形態における送信装置を備える装置であり、基地局装置12は、本実施形態における受信装置である。なお、同様の装置構成が可能であるものであれば、例えば、受信装置または送信装置をリレー局などが備えるようにしてもよい。
【0029】
図4は、本実施形態に係る移動局装置11の構成を示す概略ブロック図である。ただし、本実施形態を説明するのに必要な最小限のブロック図としている。移動局装置11は、符号部101、変調部102、FFT(Fast Fourier Transform;高速フーリエ変換)部103、周波数マッピング部104、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform;逆高速フーリエ変換)部105、参照信号多重部106、送信処理部107、アンテナ108、制御情報取得部109、参照信号生成部110、受信部111を含んで構成される。なお、本実施形態では、移動局装置12のアンテナ数を1本としているが、複数のアンテナを送受信に用いて、送信ダイバーシチ伝送やMIMO(Multiple Input Multiple Output)伝送を行っても良い。ここで、アンテナ数とは物理的なアンテナの数に限らず、アンテナポート数としても良い。このアンテナポートとは、複数のアンテナを物理的に同一にみなせる構成であれば、アンテナポート数を1とするものである。
【0030】
受信部111は、アンテナ108を介して、基地局装置12からの信号を受信する。制御情報取得部109は、受信部111が受信した信号から、当該移動局装置11に通知された制御情報を取得する。制御情報には、データ伝送に用いる周波数割当て情報や変調多値数、符号化率等に関する情報が含まれる。ここで、協調通信を行う場合には、特定の基地局装置12のみが送信した制御情報を取得しても良いし、複数の基地局装置12が協調して送信した同一の制御情報を取得しても良い。
【0031】
制御情報取得部109は、受信した制御情報に含まれる符号化率の情報を符号部101に入力し、変調多値数の情報を変調部102に入力し、周波数割当て情報を周波数マッピング部104に入力する。
符号部101は、入力されたデータビットBに対し、誤り訂正符号であるターボ符号やLDPC(Low Density Parity Check)符号などの符号化を施す。符号部101で施す誤り訂正符号化方法は、送受信間で予め決められていても良いし、制御情報として通知されても良い。符号部101は、さらに制御情報として通知された符号化率の情報を基にパンクチャを行い、生成した符号ビットを変調部102へ出力する。
【0032】
変調部102は、符号ビットに対してQPSK(Quaternary Phase Shift Keying;四相位相偏移変調)、16QAM(16-ary Quadrature Amplitude Modulation;16直交振幅変調)や64QAMなどの変調のうち、制御情報取得部109より入力された変調多値数に相当する変調を施す。FFT部103は、変調部102から出力された変調シンボルを、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)により時間領域から周波数領域のデータ信号に変換した後、周波数マッピング部104へ出力する。
【0033】
周波数マッピング部104は、入力された周波数領域のデータ信号に対し、制御情報取得部109より通知された周波数割当て情報に基づいて、信号(サブキャリア)の割当てを行う。IFFT部105は、周波数マッピング部104より出力された信号を、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse FFT)により時間領域信号に変換する。
【0034】
参照信号生成部110は、所定のルールに従い、参照信号を生成する。この参照信号は、送受信間で既知であり、また移動局装置12間で直交している。参照信号多重部106は、時間領域において送信信号に対して、参照信号生成部110が生成した参照信号を多重し、送信フレームを構成する処理を行う。本実施形態では、時間領域で参照信号を多重するとしたが、周波数領域で参照信号を多重するようにしても良い。また、参照信号は、周波数マッピング部104でマッピングされたデータ信号と、時間多重されるようにしてもよいし、周波数多重されるようにしてもよい。
【0035】
送信処理部107は、参照信号が多重された信号に、CP(Cyclic Prefix;サイクリックプレフィックス)を挿入する。送信処理部107は、このCPを挿入した信号を、D/A(Digital to Analog;ディジタル/アナログ)変換でアナログの信号に変換した後に、無線周波数にアップコンバートする。送信処理部107は、アップコンバートされた信号を、PA(Power Amplifier;パワーアンプ)で増幅した後、アンテナ108から送信する。
【0036】
図5は、本実施形態に係る基地局装置12の構成を示す概略ブロック図である。ここでは基地局装置12aと基地局装置12bが協調して、移動局装置11cと協調通信を行う。すなわち、移動局装置11cが送信した信号を、協調通信を用いて受信する。なお、基地局装置12aと基地局装置12bは同様の構成を有するので、これらを代表した基地局装置12の構成を示す。また、協調通信をする際に、ある基地局装置12と協調する基地局装置12は1つに限定されず、複数の基地局装置12と協調する形態でも良い。さらに、本実施形態では受信アンテナ数は1としているが、複数の受信アンテナを有していても良い。また、基地局装置12と通信接続している移動局装置11として、協調通信が行われている移動局装置11cと、協調通信が行われていない移動局装置11aとが混在する場合について説明する。
【0037】
基地局装置12は、受信アンテナ201、受信部202、伝搬路推定部203、スケジューリング部204、制御情報生成部205、周波数デマッピング部206、複数の移動局毎受信処理部220−1〜220−M、協調通信部210、送信部211、送信アンテナ212を含んで構成される。移動局毎受信処理部220−1〜220−Mの各々は、非協調通信時処理部209と、協調通信時処理部207とを含んで構成される。なお、移動局毎受信処理部220−1の非協調通信時処理部については、符号209に移動局毎受信処理部220−1と同じ枝番を付けて、符号を209−1とし、移動局毎受信処理部220−2の非協調通信時処理部については、符号209に移動局毎受信処理部220−2と同じ枝番を付けて、符号を209−2というように、非協調通信時処理部209と、協調通信時処理部207とについては、該処理部を含んでいる移動局毎受信処理部の符号と同じ枝番を付して、いずれの移動局毎受信処理部220に含まれているかを明示する。
【0038】
受信部202は、受信アンテナ201を介して、移動局装置11からの信号を受信する。 図6は、受信部202の構成を示す概略ブロック図である。受信部202は、受信処理部301、参照信号分離部302、FFT部303を含んで構成される。受信処理部301は、受信アンテナ201から入力された信号をベースバンド周波数にダウンコンバートし、A/D変換を行うことでディジタル信号に変換し、ディジタル信号からCPを除去した後、参照信号分離部302へ出力する。参照信号分離部302は、受信処理部301から入力された信号を、参照信号とデータ信号に分離し、参照信号を伝搬路推定部203へ、データ信号をFFT部303へ出力する。FFT部303は、分離されたデータ信号をFFTにより時間領域信号から周波数領域信号に変換し、周波数デマッピング部206へ出力する。
【0039】
一方、図5に戻って、伝搬路推定部203は、受信部202より入力される参照信号に基づき、伝搬路特性(周波数応答)を推定し、推定した伝搬路特性をスケジューリング部204、協調通信時処理部207−1〜M、非協調通信時処理部209−1〜Mに出力する。ただし、Mは、同時に受信処理可能な移動局装置11の数である。すなわち、当該基地局装置12は、同時にM台の移動局装置11が送信した信号を受信処理することができることを示す。また、符号X−1〜Mは、符号Xのブロックの処理が復元する送信信号により並列に行われることを意味するが、これらのブロックは同一回路により構成されて良い。
【0040】
スケジューリング部204は、協調通信部210を介して他の基地局装置12と周波数割当て情報Wを共有する機能を有する。スケジューリング部204は伝搬路推定部203で得られた伝搬路特性情報および協調通信部210より入力される他の基地局装置12の周波数割当て情報Wを取得する。なお、この取得する周波数割当て情報Wは、該他の基地局装置12と当該基地局装置12とが協調して通信する移動局装置11の割当て帯域のうち、該他の基地局装置12において他の移動局装置11と割当てが重複している帯域を示す情報を少なくとも含む。また、スケジューリング部204は、協調通信部210を介して、該他の基地局装置12のスケジューリング部204に対して当該基地局装置12の周波数割当て情報Wを通知する。この通知する周波数割当て情報Wは、協調して通信する移動局装置11の割当て帯域のうち、当該基地局装置12において他の移動局装置11と割当てが重複している帯域を示す情報を少なくとも含む。
【0041】
スケジューリング部204は、取得したこれらの情報に基づき、当該基地局装置12と接続する各移動局装置11が伝送に使用する割当て帯域、符号化率、変調方式などのデータ送信に必要なパラメータを決定し、制御情報生成部205へ入力する。割当て帯域の決定方法についての詳細は後述する。また、決定したパラメータは、次回の受信信号の処理を行う際に必要であるため、次回のデータの受信まで保持される。保持されたパラメータのうち、いずれの移動局装置11が当該基地局装置12と協調通信をしているかを示す情報と、当該基地局装置12と通信する各移動局装置の割当て帯域を示す情報とを含む周波数割当て情報については、周波数デマッピング部206、協調通信時処理部207−1〜Mおよび非協調通信時処理部209−1〜Mへ入力する。
【0042】
制御情報生成部205は、スケジューリング部204で決定されたパラメータから次回の伝送機会のための制御情報を生成する。送信部211は、制御情報生成部205が生成した制御情報を、送信アンテナ212を介して送信し、各移動局装置11に通知する。ただし、送信アンテナ212の機能は受信アンテナ201が有しても良く、送信部211の出力は受信アンテナ201より各移動局装置11に通知されても良い。
周波数デマッピング部206は、スケジューリング部204より入力される周波数割当て情報に基づき、移動局装置11各々の割当て帯域の信号(スペクトル)を、受信部202(FFT部303)が出力した周波数領域信号の中から抽出する。なお、移動局装置11各々への割当て帯域は、連続的であっても、離散的であってもよい。以降の処理は各移動局装置11からの信号を復元するため、抽出された信号毎に並行して処理が行われる。
【0043】
周波数デマッピング部206は、抽出した移動局装置11毎の割当て帯域の信号(スペクトル)の各々を、移動局毎受信処理部220−1〜220−Mのいずれかに出力する。例えば、基地局装置12aの周波数デマッピング部206は、移動局装置11aの割当て帯域の信号を移動局毎受信処理部220−1に出力し、移動局装置11cの割当て帯域の信号を移動局毎受信処理部220−2に出力する。
【0044】
周波数デマッピング部206は、この出力を行う際に、各移動局装置11が協調通信を行っているか否かを判定し、協調通信を行っている移動局装置11の割当て帯域から抽出した信号については、協調通信時処理部207−1〜Mのいずれかに出力する。また、協調通信を行っていない移動局装置11の割当て帯域から抽出した信号については、非協調通信時処理部209−1〜Mのいずれかに出力する。協調通信時処理部207−1〜Mは、周波数デマッピング部206より入力された信号に対して、重複している帯域の信号を削除した後、等化処理を行う。さらに、協調通信時処理部207−1〜Mは、等化処理後の信号と、協調通信210から取得した信号とを合成した後、復調処理、復号処理を行う。非協調通信時処理部209−1〜Mは、周波数デマッピング部206より入力された信号に対して、重複している信号のキャンセルを行った後、等化・復調処理を行う。
ここでは移動局装置11cは協調通信を行っており、移動局装置11aは協調通信を行っておらず、かつ移動局装置11cの割当て帯域の一部と、移動局装置11aの割当て帯域の一部とが重複している場合を例としてデマッピング後の処理について説明する。
【0045】
図7は、本実施形態に係る協調通信時処理部207−1の構成を示す概略ブロック図である。なお、上述したように、協調通信時処理部207−2から207−Mも、協調通信時処理部207−1と同様の構成であるので、これらについては説明を省略する。
協調通信時処理部207−1は、重複スペクトル削除部501、等化部502、スペクトル合成部503、IFFT部504、復調部505、復号部507を含んで構成される。以下の図7の説明では、移動局毎受信処理部220−1が協調通信を行う移動局装置11cの送信信号の復元を行う、すなわち、協調通信時処理部207−1が移動局装置11cの送信信号の復元を行うとして説明する。
【0046】
重複スペクトル削除部501は、周波数デマッピング部206より入力された協調通信を行う移動局装置11(例えば、移動局装置11c)に割当てられた伝送帯域(割当て帯域)に相当するスペクトルに対し、他の移動局装置11(例えば、移動局装置11a)と重複して割当てられた帯域のスペクトルを削除する。なお、重複スペクトル削除部501は、いずれの帯域(RB)が重複しているかを、スケジューリング部204より入力される周波数割当て情報を用いて判定する。この削除する処理は、図3において、UE3に割当てられたRB2およびRB3の受信信号のうち、eNB1ではRB2のスペクトルを削除してスペクトルA13−3を生成し、eNB2ではRB3のスペクトルを削除してスペクトルA23−2を生成する処理にあたる。重複スペクトル削除部501は、削除後のスペクトルを等化部502へ入力する。
【0047】
等化部502は、伝搬路推定部203より入力された伝搬路特性を用いて、無線伝搬路による歪みを補償する等化処理を、削除後のスペクトルに対して行う。等化部502は、該等化処理後のスペクトル(部分スペクトル)を、スペクトル合成部503および協調通信部210へ出力する。なお、この等化処理に用いられるのは、協調通信を行う移動局装置11(ここでは移動局装置11c)と当該基地局装置12との間の無線伝搬路の伝搬路特性である。また、等化処理は、伝搬路特性に基づくMMSE(Minimum Mean Square Error)重みやZF(Zero Forcing)重みを乗算する等の処理をさす。
【0048】
スペクトル合成部503は、等化部502より入力された部分スペクトルと、当該基地局装置12と協調している他の基地局装置12より協調通信部210を介して入力される部分スペクトルとを合成する。ここで協調通信を行った移動局装置11(移動局装置11c)の信号の復元は、当該基地局装置12と他の基地局装置12のいずれかで行われれば良いため、復元を行わない他の基地局装置12ではこの合成を行わずに処理を終了して良い。
【0049】
ここでは当該基地局装置12で復元を行うものとして以降の処理について説明する。本実施形態では当該基地局装置12と他の基地局装置12とでは重複する箇所が異なる。このため、他の基地局装置12より入力された部分スペクトルには、重複スペクトル削除部501で削除された帯域に相当するスペクトルが含まれる。よって、スペクトル合成部503は、他の基地局装置12より入力された部分スペクトルと、等化部502より入力された部分スペクトルを結合することにより、削除された帯域を含め送信に使用された全ての帯域のスペクトルを得ることができる。
【0050】
ただし、スペクトル合成部503は、当該基地局装置12および他の基地局装置12の両方で削除されなかった帯域については、当該基地局装置12(等化部502)による部分スペクトルと他の基地局装置12(協調通信部210)による部分スペクトルとを平均化する。この平均化方法としては、当該基地局装置12および他の基地局装置12によるスペクトルを単純平均する方法や、伝搬路特性を用いてこれら2つのスペクトルを重みづけ平均する方法等がある。また、平均化ではなく、いずれかを選択するようにしてもよい。スペクトル合成部503は、これら結合や平均化により合成されたスペクトル(周波数領域信号)をIFFT部504に出力する。
【0051】
IFFT部504は、スペクトル合成部503が出力した信号を、IFFTにより周波数領域信号から時間領域信号に変換した後、復調部505へ出力する。復調部505は、スケジューリング部204に保持されている変調多値数の情報を基に、IFFT部504の出力した信号に対して、シンボルの復調処理を行い、得られたLLR(Log Likelihood Ratio;対数尤度比)を復号部507へ出力する。復号部507は、スケジューリング部204に保持されている伝送で使用された誤り訂正符号の符号化率の情報が入力され、該情報を基に、復調部505が出力したLLRに対して誤り訂正復号が施され、復号結果のビット列を受信データRv−1として出力する。
【0052】
図8は、本実施形態に係る非協調通信時処理部209−1の構成を示す概略ブロック図である。なお、上述したように、非協調通信時処理部209−2から209−Mも、非協調通信時処理部209−1と同様の構成であるので、これらについては説明を省略する。非協調通信時処理部209−1は、重複スペクトル抽出部601、伝搬路乗算部602、重複キャンセル部603、等化部604、IFFT部605、復調部606、復号部607を含んで構成される。
以下の図8の説明では、移動局毎受信処理部220−1が協調通信を行わない移動局装置11aの送信信号の復元を行う、すなわち、非協調通信時処理部209−1が移動局装置11aの送信信号の復元を行うとして説明する。
【0053】
重複スペクトル抽出部601は、協調通信を行っている移動局装置11(ここでは、移動局装置11c)の部分スペクトルを、協調通信部210から取得する。この部分スペクトルは、協調している他の基地局装置12の等化部502が出力し、該他の基地局装置12の協調通信部210が当該基地局装置12に送信し、当該基地局装置12の協調通信部210が受信したものである。さらに、重複スペクトル抽出部601は、スケジューリング部204より入力される周波数割当て情報に基づき、処理対象の移動局装置11(移動局装置11a)の割当て帯域と、協調通信を行っている移動局装置11(移動局装置11c)の割当て帯域が重複する帯域を判定し、該重複する帯域の部分を、協調通信部210から取得した部分スペクトルから抽出し、伝搬路乗算部602へ出力する。
【0054】
伝搬路乗算部602には、協調通信を行っている移動局装置11(移動局装置11c)の伝搬路特性を、伝搬路推定部203から取得する。伝搬路乗算部602は、重複スペクトル抽出部601が出力したスペクトルに対し、この取得した伝搬路特性を乗算する。この乗算処理により、処理対象の移動局装置11(移動局装置11a)に対して重複している移動局装置11(移動局装置11c)からの受信信号のレプリカが生成される。伝搬路乗算部602は、生成したレプリカを、重複キャンセル部603へ出力する。
【0055】
重複キャンセル部603は、周波数デマッピング部206より入力された信号(スペクトル)から、伝搬路乗算部602が出力したレプリカを減算し、減算結果を出力する。この減算により、処理対象の移動局装置11(移動局装置11a)の信号に対する干渉信号である、重複している移動局装置11(移動局装置11c)からの信号のレプリカが、受信信号から除去されている。
【0056】
等化部604は、伝搬路推定部203が出力した伝搬路特性を用いて、重複キャンセル部603が出力した信号に対して、等化処理を行う。IFFT部605は、この等化処理された信号に対して、IFFTを施して、周波数領域信号から時間領域信号へ変換する。さらに、復調部606は、この時間領域信号に対して、復調処理をして、LLRを生成する。復号部607は、復調部606が生成したLLRに対して、誤り訂正復号を行う。復号部607は、復号結果のビット列を、処理対象の移動局装置11(移動局装置11a)の受信データRv−1として出力する。ただし、等化部604、IFFT部605、復調部606および復号部607の有する機能は、それぞれ図7における等化部502、IFFT部504、復調部505および復号部507と同様であり、同一の回路とする構成がとられてもよい。
【0057】
協調通信部210は、他の基地局装置12の協調通信部210と有線通信等により接続され、当該基地局装置12の受信処理における情報と他の基地局装置12における受信処理の情報とを交換する。例として移動局装置11cからの信号が基地局装置12aおよび基地局装置12bの協調通信時処理部207−1で処理され、移動局装置11aからの信号が基地局装置12aの非協調通信時処理部209−2で処理されている場合を説明する。基地局装置12aの協調通信部210は、基地局装置12aの協調通信時処理部207−1内の等化部502が出力した部分スペクトルを取得し、該部分スペクトルを表す情報Ctを基地局装置12bの協調通信部210へ伝送する。また、基地局装置12aの協調通信部210は、基地局装置12bの協調通信部210より通知された情報Crが表す部分スペクトルを、協調通信時処理部207−1のスペクトル合成部503および非協調通信時処理部209−2の重複スペクトル抽出部601へ出力する。ただし、移動局装置11cの信号の復元が基地局装置12bのみで行われる場合には、基地局装置12aでは、スペクトル合成部503への出力は不要である。
【0058】
なお、各等化部502が出力する部分スペクトルは、重複スペクトル削除部501により、該基地局装置12において、他の移動局装置11と重複している割当て帯域の部分が削除されたものを等化処理したものである。したがって、基地局装置12aの協調通信部210が送信する情報Ctが表す部分スペクトルは、協調通信している移動局装置11のスペクトルのうち、基地局装置12aにおいて他の移動局装置11と割当てが重複していない帯域についてのスペクトルとなっている。また、基地局装置12aの協調通信部210が受信する情報Crが表す部分スペクトルは、協調通信している移動局装置11のスペクトルのうち、基地局装置12bにおいて他の移動局装置11と割当てが重複していない帯域についてのスペクトルとなっている。
【0059】
図9は、スケジューリング部204における周波数割当ての処理を説明するフローチャートである。まず、スケジューリング部204は、周波数割当ての処理(スケジューリングともいう)を開始すると、ステップS1において協調通信を行う基地局装置A、Bの何れかにデータを送信する全ての移動局装置11(以降、全ての移動局装置という)の中から、上りリンクのRBを割当てる移動局装置UとUの割当て候補となるRB Xとを決定し、ステップS2へ移行する。決定法としてはProportional Fairness(PF)やMaximum Carrier to Interference Ratio(Max CIR)、Round Robin(RR)等の割当法が用いられる。ただし、基地局装置A、B間での優先度(割当てを行う順番)としては、基地局装置Aで最も優先度の高いものの次を、基地局装置Bで最も優先度の高いものとし、その次は基地局装置Aで2番目に優先度の高いものとし、その次は基地局装置Bで2番目に優先度の高いものとするというように、基地局装置AとBとが交互に出てくるようにしてもよい。また、1つの基地局装置内で優先度を決めるのと同様にして、基地局装置に関係なく全基地局装置の中で優先度を決めるようにしてもよい。
【0060】
ステップS2では、スケジューリング部204は、ステップS1にて決定した移動局装置Uが協調通信を行う装置であるか否かを判定する。該判定の結果、移動局装置Uが協調通信を行う装置である場合にはステップS3へ、移動局装置Uが協調通信を行わない装置である場合にはステップS4へ移行する。なお、協調通信を行う装置であるか否かは、例えば、移動局装置Uが協調通信を実施する能力を有するか否かと、基地局装置A、B双方のセルが重複した領域に移動局装置Uが位置するか否かにとに基づき判断する。すなわち、協調通信を実施する能力があり、かつ、重複した領域に位置するときは、協調通信を行う装置であると判定し、それ以外のときは、協調通信を行わない装置であると判定する。また、協調通信を実施する能力があるか否かは、例えば、移動局装置Uが基地局装置AまたはBに通知する当該移動局装置の性能情報に含めておき、スケジューリング部204は、該情報を参照して判定する。また、重複した領域に位置するか否かは、例えば、基地局装置A、Bが、移動局装置Uが送信した信号を測定して、その受信電力に基づき判定する。
【0061】
ステップS3では、スケジューリング部204は、割当て候補RBであるXが既に基地局装置A、基地局装置B共に他の移動局装置に割当てられているか否かを判定する。該判定の結果、Xが何れかの基地局装置で割当てられていない場合はステップS5へ、共に割当済みである場合にはステップS6へ移行する。一方、ステップS4では、スケジューリング部204は、割当て候補RBであるXが、基地局装置A、Bのうち、移動局装置Uの送信しない基地局装置において、複数の他の移動局装置に割当済みであるか(重複が発生しているか)否かを判定する。該判定の結果、複数の移動局装置に割当て済みである場合はステップS6へ、それ以外の場合(1つのみに割当てている、あるいは、いずれにも割当てていない場合)はステップS5へ進む。
【0062】
ステップS5では、スケジューリング部204は、割当て候補RBであるXを移動局装置Uに割当て、ステップS7へ移行する。一方、ステップS6では、スケジューリング部204は、XはUには割当てず、以後XをUの割当不可帯域としてステップS7へ進む。ステップS7では、スケジューリング部204は、全ての移動局装置11の中に、RBを割当可能な移動局装置11が存在するかを判定し、存在する場合にはステップS1へ戻り、存在しない場合にはスケジューリングを終了する。
【0063】
スケジューリング部204は、以上の様にしてスケジューリングを行うことにより、いずれかの基地局装置において、複数の移動局装置が割当てられているRB(帯域)は、もう一方の基地局装置においては、該複数の移動局装置の片方にのみ割当てられる。したがって、該スケジューリングに従って送信された信号に対して、協調通信時処理部207、非協調通信時処理部209、協調通信部210が上述のように処理を行うことで、大きなIUIを発生させずに受信処理を行うことができる。すなわち、一部の帯域を重複させて伝送を行っても、受信処理において大きなIUIを発生させることなく受信データを獲得することができる。
【0064】
なお、各基地局装置12のスケジューリング部204の間では、スケジューリングしている内容(どの移動局装置にはどのRBを割当てているかを示す情報)をコアネットワーク20を介して交換するようにしてもよいし、どのRBにはいくつの移動局装置11を割当てているかを示す情報のみを交換するようにしてもよい。ただし、少なくとも、協調通信している移動局装置11の割当て帯域については、各基地局装置12のスケジューリング部204の間で交換する。
また、基地局装置12aのスケジューリング部204が、基地局装置12bのスケジューリングも行い、該スケジューリング結果を基地局装置12bのスケジューリング部204に通知するようにしてもよい。この場合、基地局装置12aのスケジューリング部204は、基地局装置12bのスケジューリング部204から、各移動局装置11について、CQI(Channel Quality Indicator)などの各RBの割当て優先度を示す情報を取得する。
【0065】
また、協調通信を行っていない移動局装置11については、基地局装置12aと12bのスケジューリング部204が、個々に帯域の割当てを決定する。そして、協調通信を行う移動局装置11については、例えば、基地局装置12aのスケジューリング部204が、基地局装置12bにていずれの移動局装置11にも割当てられていない帯域を示す情報を基地局装置12bのスケジューリング部204から取得し、該移動局装置11には、いずれかの基地局装置12にていずれの移動局装置11にも割当てられていない帯域を割当てるようにしてもよい。
【0066】
また、上述の実施形態において、協調通信部210は、等化部502が出力した部分スペクトルを表す情報を、他の基地局装置12に送信するとして説明した。しかし、協調通信部210が、他の基地局装置12において他の移動局装置11と重複している割当て帯域のスペクトルを、部分スペクトルから抽出して、他の基地局装置12に送信するようにしてもよい。この場合、協調通信部210は、他の基地局装置12の周波数割当て情報に基づき、どの帯域が他の基地局装置12において他の移動局装置11と重複しているかを判定する。なお、他の基地局装置12の周波数割当て情報は、例えば、他の基地局装置12のスケジューリング部204との間で、周波数割当て情報を共有しているスケジューリング部204が、協調通信部210に通知する。
【0067】
以上の様に、本実施形態では、2つの基地局装置12と協調通信を行う移動局装置11がセル内に存在する場合に、該移動局装置11の伝送帯域のうち、セル毎に異なる一部を他の移動局装置11と重複させる帯域割当てを行う。これにより、協調通信を行う移動局装置11及び他の移動局装置11が割当て可能な帯域幅および割当て候補の帯域を増加させることができる。この際、協調通信部210を用いてIUIのないスペクトル情報を基地局装置12間で交換し、該スペクトル情報を用いて受信処理を行うことで、IUIによる特性の劣化を抑えることができる。このため、柔軟な周波数割当てによるセルスループット改善が可能となる。
【0068】
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、2つの基地局装置と協調通信を行う移動局装置の伝送帯域として、割当単位ごとにいずれかの基地局装置において他の移動局装置の伝送帯域と重複させない(直交させる)形態を示した。このとき、受信処理を容易とするため協調通信により受信された信号のうち重複している(非直交である)帯域のスペクトルは復号の際に使用しない構成をとった。本実施形態では、受信処理の際にソフトキャンセラを用いた非線形繰り返し等化を適用することで、重複した帯域における信号の情報を活用し協調通信によるダイバーシチ効果を向上させる形態を示す。
【0069】
本実施形態における無線通信システム10aは、図1に示す無線通信システム10と同様であるが、基地局装置12a、12bに変えて、基地局装置13a、13bを備える点が異なる。基地局装置13a、13bの詳細については、後述する。
第1の実施形態における図2と同様の割当て帯域が用いられたものとして、本実施形態における各移動局装置のスペクトルの分離方法を説明する。まず繰り返し等化処理を行う前に第1の実施形態におけるUE3のスペクトルに対する処理と同様の処理を行う。図10は、繰り返し等化処理における初回処理を説明する概念図である。図10に示すように、初回処理では、eNB1で受信されたRB3のスペクトルA13−3とeNB2で受信されたRB2のスペクトルA23−2を合成してスペクトルA3を生成する。さらに、このスペクトルA3に対して、誤り訂正を行い、UE3の送信レプリカA3’を生成する。このUE3の送信レプリカA3’はIUIを含まない受信信号により生成されているため、干渉による受信品質の劣化を含まないレプリカを生成することができる。そこで、各基地局装置12における以降の繰り返し等化処理では、このレプリカを用いて干渉の除去を行う。
【0070】
図11は、UE1のスペクトルに対する受信処理を説明する概念図である。UE1は、協調通信を行わない移動局装置11である。UE1については、eNB1におけるRB1およびRB2の受信信号A11、A13−2から、UE3の送信レプリカA3’のRB2のスペクトルA3’−2に伝搬路を掛けた干渉レプリカを減算し、得られた信号の誤り訂正を行うことでUE1の復元処理および送信レプリカA1’の生成を行う。図12は、UE2のスペクトルに対する受信処理を説明する概念図である。UE2についても、UE1と同様に、eNB2におけるRB3およびRB4の受信信号A23−3、A22から、UE3の送信レプリカA3’のRB3のスペクトルA3’−3に伝搬路を掛けた干渉レプリカを減算し、得られた信号の誤り訂正を行うことでUE2の復元処理および送信レプリカA2’の生成を行う。
【0071】
図13は、UE3のスペクトルに対する受信処理を説明する概念図である。まずそれぞれの基地局で受信された信号の抽出を行う。eNB1では、RB2およびRB3で受信されたUE3の信号A13にUE1の信号A11−2が重複している。そこで、eNB1は、既に生成されているUE1の送信レプリカA1’のRB2のスペクトルA1’−2を用いたキャンセル処理により、eNB1で受信されたUE3のスペクトルA13を抽出する。同様にeNB2は、RB2およびRB3で受信されたUE3信号A23にUE2の信号A22−3が重複している。そこで、eNB2は、UE2の送信レプリカA2’のRB3のスペクトルA2’−3を用いたキャンセル処理により、eNB2で受信されたUE3のスペクトルA23を抽出する。
【0072】
さらにeNB1とeNB2の各々が抽出したUE3のスペクトルA13、A23を復調後加算処理により合成し、誤り訂正を行うことで、UE3の復元処理および送信レプリカA3”の生成を行う。これにより、図10で生成された送信レプリカA3’より信頼性の高いUE3の送信レプリカA3”を生成することができる。その後、生成された送信レプリカA3”を用いて図11から図13と同様のことを繰り返す繰り返し処理を行うことで、各移動局装置の送信レプリカおよび復元処理結果の信頼性を向上させる事ができる。このように、重複した帯域のスペクトルの分離が容易になるため、第1の実施形態では重複していない箇所しか使用していなかったUE3の受信処理において、重複した信号からも情報を獲得することができるため、協調通信におけるダイバーシチ効果が向上する。
【0073】
本実施形態における移動局装置11は、図4(第1の実施形態)と同様であるため、説明を省略する。本実施形態における基地局装置13a、13bは、同一の構成を有するので、これらを代表した基地局装置13の構成を示す。
図14は、本実施形態に係る基地局装置13の構成を示す概略ブロック図である。図14において、図5の各部に対応する部分には同一の符号(201〜206、211、212)を付し、説明を省略する。基地局装置13は、受信アンテナ201、受信部202、伝搬路推定部203、スケジューリング部204、制御情報生成部205、周波数デマッピング部206、複数の移動局毎受信処理部710−1〜710−M、レプリカ交換部705、協調通信部706、送信部211、送信アンテナ212を含んで構成される。移動局毎受信処理部710−1〜710−Mの各々は、協調通信時処理部701、繰り返し処理部702、判定部703、レプリカ生成部704を含んで構成される。なお、協調通信時処理部701、繰り返し処理部702、判定部703、レプリカ生成部704については、該部を含んでいる移動局毎受信処理部の符号と同じ枝番を付して、いずれの移動局毎受信処理部710に含まれているかを、必要に応じて明示する。
【0074】
周波数デマッピング部206で各移動局装置11が使用した帯域のみが抽出された信号は、移動局装置11毎に並行して処理が行われる。周波数デマッピング部206の出力信号は、協調通信処理部701−1〜Mおよび繰り返し処理部702−1〜Mに入力される。出力信号が協調通信の対象である場合にのみ、協調通信時処理部701−1〜Mにおいて処理が行われる。
【0075】
図15は、協調通信時処理部701−1の構成を示す概略ブロック図である。なお、協調通信時処理部701−2から701−Mも、協調通信時処理部701−1と同様の構成であるので、説明を省略する。なお、図15において、図7の各部に対応する部分には同一の符号(502〜505)を付し、説明を省略する。協調通信時処理部701−1は、重複スペクトル削除部901、等化部502、スペクトル合成部503、IFFT部504、復調部505、復号部902を含んで構成される。
【0076】
重複スペクトル削除部901は、周波数デマッピング部206が出力した処理対象の移動局装置11の受信スペクトルから、他の移動局装置11と重複が発生している帯域のスペクトルを削除する。重複スペクトル削除部901は、スケジューリング部204が出力する各移動局装置11の周波数割当て情報に基づき、重複が発生している帯域を判定する。ただし、協調通信を行う他の基地局装置13においても重複が発生している場合には、その帯域のスペクトルの削除はしない。削除後のスペクトルは等化部502へ入力する。
復号部902は、復調部505より入力された復調シンボルを用いて誤り訂正復号を行い、復号後の符号ビットのLLRを、レプリカ生成部704−1〜Mに出力する。
【0077】
図16は、繰り返し処理部702−1の構成を示す概略ブロック図である。なお、繰り返し処理部702−2から702−Mも、繰り返し処理部702−1と同様の構成であるので、説明を省略する。繰り返し処理部702−1は、IUI抽出部801、伝搬路乗算部802、ソフトキャンセル部803、等化部804、IFFT部805、復調部806、LLR加算部807、復号部808を含んで構成される。
IUI抽出部801には、セル内で同時に伝送を行っている全移動局装置11の送信レプリカがレプリカ交換部705より入力される。IUI抽出部801は、スケジューリング部204から入力される周波数割当て情報に基づき、復元する信号の伝送帯域と同じ帯域に割当てられているスペクトルを、入力された送信レプリカから抽出する。なお、復元する信号とは、当該繰り返し移動局毎受信処理部710が処理対象としている移動局装置11の信号であるので、復元する信号の伝送帯域とは、該移動局装置11の割当て帯域である。また、IUI抽出部801に入力される送信レプリカには、復元する信号の送信レプリカも含まれている。このため、IUI抽出部801は、該復元する信号の送信レプリカについては、全帯域を抽出することになる。これは、復元する信号自体の送信レプリカはシンボル間干渉(ISI : Inter-Symbol Interference)の除去に使用するため、全帯域のスペクトルが必要となるからである。また、復元する信号自体の送信レプリカはレプリカ生成部704−1〜Mから伝搬路乗算部802に直接入力されても良い。
【0078】
伝搬路乗算部802には、伝搬路推定部203より各移動局装置11の伝搬路特性が入力される。伝搬路乗算部802は、IUI抽出部801が抽出した各送信レプリカのスペクトルに、そのスペクトルに対応する移動局装置11の伝搬路特性を乗算する。伝搬路乗算部802は、全ての乗算結果を加算して、受信信号のIUI成分と復元する信号自体の成分とを含むレプリカを生成する。伝搬路乗算部802は、生成したレプリカをソフトキャンセル部803に出力する。
【0079】
ソフトキャンセル部803は、周波数デマッピング部206から入力される信号(スペクトル)から、伝搬路乗算部802から入力されるレプリカを減算する。これにより、IUI成分および復元する信号自体の成分がキャンセルされ、残留成分のみが抽出される。ただし、繰り返し処理の1回目においては、伝搬路乗算部802から入力されるレプリカは協調通信時処理部701−1〜Mを介して生成されたレプリカによるもののみであり、協調通信が行われていない場合には何もキャンセルされない。
【0080】
等化部804は、ソフトキャンセル部803が出力する信号(残留成分)に対して、伝搬路推定部203が推定した伝搬路特性を用いて等化処理を行う。さらに、等化部804は、等化処理後の信号に対し、レプリカ交換部705より入力される復元する信号自体の送信レプリカを加算する。これにより、等化部804は、IUI干渉およびISI干渉などの干渉成分を除去した信号を再構成している。等化部804は、この再構成した信号を、IFFT部805へ出力する。ただし、繰り返し処理の1回目において復元する信号自体のレプリカが存在しない場合には、等化処理後の信号がIFFT部805に入力される。IFFT部805は、等化処理された信号を、IFFTにより周波数領域信号から時間領域信号へ変換する。さらに復調部806は、該時間領域信号を復調処理して、符号ビットのLLRを生成する。ただし、等化部804、IFFT部805および復調部806の有する機能は、それぞれ図7に示される協調通信時処理部207−1の等化部502、IFFT部504および復調部505と同様であり、同一の回路とする構成であってもよい。
【0081】
復調部806は、生成した符号ビットのLLRを、当該繰り返し処理部702−1の処理対象の移動局装置11が協調通信を行っている場合には、協調通信部706を介して協調相手である他の基地局装置13の協調通信部706に伝送する。また、復調部806は、生成した符号ビットのLLRを、LLR加算部807に出力する。LLR加算部807は、復調部806LLRと協調通信部706を介して入力された受信装置Bにおける復調後のLLRとが加算された後に復号部808に入力される。ただし、LLR加算部807におけるLLRの加算は、処理遅延を抑えるため繰り返し処理毎には行わず、任意の繰り返し処理後にのみ加算する構成としても良い。また、処理対象の移動局装置11が協調通信を行っていない場合は、LLR加算部807は何も行わず、復調部806が生成した符号ビットのLLRを、復号部808へそのまま出力する。
【0082】
また、ここでは復調後のLLRを加算することで協調通信によるダイバーシチ効果を獲得しているが、代替として周波数領域においてスペクトルを平均化する処理としてもダイバーシチ効果を獲得することができる。すなわち、等化部804とIFFT部805との間にスペクトル平均化部を設ける。そして、このスペクトル平均化部が、等化部804より出力されるスペクトルを協調通信部706を介して基地局装置13間で交換し、当該基地局装置13が生成した等化後のスペクトルと、他の基地局装置13が生成した等化後のスペクトルを平均化処理するようにしても良い。平均化方法としては、これらのスペクトルを単純平均する方法や、伝搬路特性を用いて2つのスペクトルを重みづけて平均する方法等がある。
【0083】
復号部808は、LLR加算部807が出力したLLRに対して、誤り訂正復号を施し、符号化前のビットである情報ビットのLLRと、符号ビットのLLRとを算出する。復号部808は、情報ビットのLLRは判定部703−1に出力し、符号ビットのLLRはレプリカ生成部704−1に出力する。なお、繰り返し処理部702−2の復号部808は、それぞれ判定部703−2とレプリカ生成部704−2とに出力し、繰り返し処理部702−3の復号部808は、それぞれ判定部703−3とレプリカ生成部704−3に出力するというように、それぞれ処理対象の移動局装置11が同じ判定部703とレプリカ生成部704とに出力する。
【0084】
図14に戻って、レプリカ生成部704−1〜Mには、協調通信時処理部701−1〜Mの処理後には協調通信時処理部701−1〜Mより出力される符号ビットのLLRが入力され、繰り返し処理部702−1〜Mの処理後には繰り返し処理部702−1〜Mより出力される符号ビットのLLRが入力される。レプリカ生成部704−1〜Mは、入力された符号ビットのLLRを用いてLLRの値に応じたソフトレプリカ(送信レプリカ)を生成し、レプリカ交換部705に出力する。
【0085】
レプリカ交換部705には、レプリカ生成部704−1〜Mが生成した各移動局装置11のソフトレプリカが全て入力される。レプリカ交換部705は、該ソフトレプリカを全ての繰り返し処理部702−1〜Mに出力する。繰り返し処理部702−1〜Mは、該ソフトレプリカを用いて、再度処理を繰り返す。
判定部703−1〜Mには、繰り返し処理部702−1〜Mより情報ビットのLLRが入力される。判定部703−1〜Mは、入力されたLLRに対し硬判定を行うことで受信データRv−1a〜Maの決定を行う。この時、巡回冗長検査(CRC : Cyclic Redundancy Check)を用いて誤りの検出を行い、誤りが検出された場合には、再送処理や繰り返し処理回数の追加等が行われるようにしても良い。
以上の繰り返し処理により、移動局装置11より送信されたデータの受信処理を行う。
【0086】
このように、基地局装置13に非線形繰り返し等化処理を適用することで、協調通信によるダイバーシチ効果を獲得しつつ、他の移動局装置11と重複した信号の分離をすることができる。また、繰り返し等化処理を適用することにより誤り訂正能力を用いたIUIの除去が可能であるため、本実施形態においては協調通信する2つの基地局装置13の双方で同一帯域に他の移動局装置11との重複が発生(この状態を多重重複と称する)しても信号の分離が可能となる。
【0087】
そこで、本実施形態におけるスケジューリング部204は、第1の実施形態と同様に図9のフローチャートに示すようにして、周波数割当てを行うようにしてもよいし、図17のフローチャートに示す変形例のようにして、周波数割当てを行うようにしてもよい。図17のフローチャートは、図9のフローチャートとはステップS8が存在する点が異なる。その他の同一の符号(S1〜S7)がふられているステップについての処理は同様である。ただし、ステップS3においてYesと判定された場合およびステップS4においてYesと判定された場合にはステップS6ではなくステップS8に移行する。
【0088】
ステップS8では、スケジューリング部204は、移動局装置UにRB Xに割当てた場合に、協調通信を行う移動局装置11の割当て帯域のうち多重重複となる帯域が占める割合を多重重複率として計算する。スケジューリング部204は、この多重重複率が予め定められる閾値Y以内となるかについて判定し、閾値Y以内である場合にはステップS5へ、Yより大きい場合にはステップS6へ移行する。ただし閾値Yをゼロと設定すれば、図9のフローチャートによる処理と同様となり、閾値Yを十分に大きい値あるいは閾値を設定しない場合には、協調通信を行う移動局装置11と他の移動局装置11は制限なく重複させる事が可能となる。このように2つの受信装置で重複する帯域が発生する割当てを許容することでスケジューリングがさらに柔軟になり、セルスループット向上を図ることができる。
【0089】
以上の様に本実施形態では、協調通信を行っている移動局装置11からの信号と協調通信を行っていない移動局装置11からの信号が重複して受信される際に、受信処理にソフトキャンセラを用いた非線形繰り返し等化を適用する。この際に、繰り返しの初回において、協調通信により得られる複数の基地局装置13の信号を用いてできる限りIUIを低減した信号のレプリカを生成しキャンセル処理を行うことで、非線形繰り返し等化による干渉の除去を効率的に処理することが可能となる。よって、IUIによる通信品質の劣化を低減しつつ協調通信によるダイバーシチ効果を獲得することができる。
【0090】
[第3の実施形態]
第1の実施形態および第2の実施形態では、2つの基地局装置が協調して協調通信を行う形態について説明している。本実施形態では1つの移動局装置からの信号を3つの基地局装置が協調通信により受信する形態について示す。
図18は、本実施形態における無線通信システム10bの構成を示す概念図である。本実施形態における基地局装置eNB1、eNB2、eNB3は互いに有線通信等により協調通信が可能である。このような環境で移動局装置UE1、UE2、UE3、UE4が存在し、UE1はeNB1で、UE2はeNB2で、UE3はeNB3で、UE4はeNB1、eNB2、eNB3の全ての基地局装置で信号の受信が可能である位置に存在している。本実施形態における移動局装置UE1、UE2、UE3、UE4は、第1および第2の実施形態における移動局装置11と同様の構成であるので、説明を省略する。
【0091】
図18のように、移動局装置および基地局装置が位置する場合に、従来技術を用いてUE4が3つの基地局を用いて協調通信を行うとそれぞれのセルで帯域を占有することになる。従来であれば、例えば、システム帯域幅が5RBである場合、UE4が3RB用いて協調通信を行うと、UE1、UE2、UE3が割当て可能な帯域はそれぞれ2RBとなり広帯域な伝送を行うことができない。
【0092】
これに対し本実施形態では、スケジューリング部204は、協調通信を行っている移動局装置UE4の割当て帯域を構成する各RBについて、2つのセルまでは他の移動局装置11が重複していることを許容して、周波数割当てを行う。すなわち、スケジューリング部204は、協調通信を行う移動局装置に割当てる周波数帯域は、いずれの部分も、基地局装置のいずれかにおいて、他の移動局装置に割当てる周波数帯域と重複しないように、複数の送信装置に送信に用いる周波数帯域を割当てる。本実施形態に係る割当ての一例を図19に示す。図19では割当て可能なRBがRB1〜RB5の5RBである。割当て図G3は、eNB1における割当てを示し、スペクトルB11は、UE1にRB1〜RB3が割当てられていることを示す。同様に、スペクトルB14は、UE4にRB2〜RB4が割当てられていることを示す。割当て図G4は、eNB2における割当てを示し、スペクトルB24は、UE4にRB2〜RB4が割当てられていることを示す。同様に、スペクトルB22は、UE2にRB3〜RB5が割当てられていることを示す。割当て図G5は、eNB3における割当てを示し、スペクトルB33は、UE3にRB1〜RB2およびRB4が離散配置で割当てられていることを示す。同様に、スペクトルB34は、UE4にRB2〜RB4が割当てられていることを示す。すなわち、格子状にハッチングされたRB3は、UE4にのみ割り当てられており、小さな点でハッチングされたRB2、RB4は、UE3とUE4とに割当てられている。
【0093】
このように割当てを行うことで、各基地局装置では2RBの重複が発生することになるが、UE4の伝送帯域3RBのうち1RBで重複が発生していない。すなわち、UE4の割当てられているRB2、RB3、RB4はそれぞれeNB2、eNB3、eNB1からIUIの存在しないスペクトルを抽出することが可能である。よってこれらのスペクトルからUE4の信号を復元することが可能であり、また、UE4のスペクトルを用いて各基地局装置での重複をキャンセルすることで、UE1、UE2、UE3の信号もIUIにより品質を劣化させることなく信号を復元することができる。結果、UE4が各基地局装置で占有する帯域は1RBであり、占有帯域幅を従来の1/3で伝送を行うことが可能である。また、第2の実施形態と同様に非線形繰り返し処理を用いることで、UE4の一部のスペクトルを全てのセルにおいて他の移動局装置と重複させることも可能である。このときUE4が各セルにおいて占有する帯域幅は従来の1/3以下とすることが可能である。
【0094】
さらに、協調する基地局装置が増加した場合にも、同様の処理が行うことができる。すなわちN個の基地局装置を用いて協調通信を行う場合、N−1個の基地局装置において協調通信を行う移動局装置のスペクトルの一部とその他の移動局装置のスペクトルの一部とを重複させる。このようにしても、重複させていない基地局装置が受信したスペクトルを用いてIUIの影響を抑えることができる。このような割当てを行うことにより、従来の重複を許容しない場合に比べ、各基地局装置における占有帯域幅を1/Nに抑えることができる。
【0095】
本実施形態に係る移動局装置の構成は、第1の実施形態の図4と同様である。また本実施形態に係る基地局装置は、第1の実施形態の図5あるいは第2の実施形態の図14の何れも適用可能であるが、それぞれ協調通信部210および協調通信部706は、協調通信を行う全ての基地局装置と情報の共有を行う。また、スケジューリング部204は、上述したように周波数割当てを行う。
本実施形態では、移動局装置からの信号をX個(X>2)の基地局装置が協調通信により受信する場合において、割当単位毎に、X−1個の基地局装置において他の移動局装置からの信号との重複を許容することにより、IUIによる劣化を発生させることなく協調通信を行う送信装置の占有帯域を1/Nに抑えることができる。また、非線形繰り返し処理を用いた場合には、一部の帯域で全ての基地局装置において他の移動装置からの信号との重複を許容することにより協調通信を行う移動局装置の占有帯域を1/N以下に抑えることができる。
【0096】
また、上述した各実施形態における移動局装置11(図4)および基地局装置12(図5)、13(図14)の一部、または全部を典型的には集積回路であるLSIとして実現してもよい。移動局装置11および基地局装置12、13の各機能ブロックは個別にチップ化してもよいし、一部、または全部を集積してチップ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能である。
【0097】
また、図4の移動局装置11、図5の基地局装置12、図14の基地局装置13の各部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより 管理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0098】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0099】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明は、携帯電話装置を移動局装置とする移動体通信システムに用いて好適であるが、これに限定されない。
【符号の説明】
【0101】
10、10a、10b…無線通信システム
11、11a、11b、11c…移動局装置
12、12a、12b、13…基地局装置
20…コアネットワーク
101…符号部
102…変調部
103…FFT部
104…周波数マッピング部
105…IFFT部
106…参照信号多重部
107…送信処理部
108…アンテナ
109…制御情報取得部
110…参照信号生成部
111…受信部
201…アンテナ
202…受信部
203…伝搬路推定部
204…スケジューリング部
205…制御情報生成部
206…周波数デマッピング部
207−1…協調通信時処理部
209−1…非協調通信時処理部
210…協調通信部
211…送信部
212…アンテナ
220−1、220−M…移動局毎受信処理部
301…受信処理部
302…参照信号分離部
303…FFT部
501、901…重複スペクトル削除部
502…等化部
503…スペクトル合成部
504…IFFT部
505…復調部
507、902…復号部
601…重複スペクトル抽出部
602…伝搬路乗算部
603…重複キャンセル部
604…等化部
605…IFFT部
606…復調部
607…復号部
701−1…協調通信時処理部
702−1…繰り返し処理部
703−1…判定部
704−1…レプリカ生成部
705…レプリカ交換部
706…協調通信部
710−1、710−M…移動局毎受信処理部
801…IUI抽出部
802…伝搬路乗算部
803…ソフトキャンセル部
804…等化部
805…IFFT部
806…復調部
807…LLR加算部
808…復号部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の受信装置と協調して、送信装置からの信号を受信する受信装置であって、
前記送信装置が送信した信号を受信する受信部と、
前記送信装置が送信した信号の周波数帯域の一部と、他の送信装置が送信した信号の周波数帯域とが重複しているときは、前記送信装置が送信した信号の前記重複している周波数帯域の少なくとも一部のスペクトルを、前記他の受信装置から受信する協調通信部と、
前記協調通信部が受信したスペクトルを用いて、前記受信部が受信した信号の受信処理を行う第1の受信処理部と
を具備することを特徴とする受信装置。
【請求項2】
前記受信装置はさらに、前記送信装置が送信に使用する第1の周波数帯域を決定するスケジューリング部を具備し、
前記スケジューリング部は、割当単位毎に、自装置に信号を送信する他の送信装置が使用する第2の周波数帯域と前記他の受信装置に信号を送信する他の送信装置が使用する第3の周波数帯域とのいずれかと重複しないように前記第1の周波数帯域を決定することを特徴とする請求項1記載の受信装置。
【請求項3】
前記第1の受信処理部は、前記受信部が受信した信号のスペクトルと、前記協調通信部が受信したスペクトルとを合成するスペクトル合成部を具備すること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の受信装置。
【請求項4】
前記第1の受信処理部は、
前記スペクトル合成部が合成したスペクトルに基づき、前記送信装置が送信した信号のレプリカを生成するレプリカ生成部と、
前記レプリカを用いて、前記受信部が受信した信号の干渉成分をキャンセルするキャンセル部と
を具備することを特徴とする請求項3に記載の受信装置。
【請求項5】
他の送信装置が送信した信号の受信処理を行う第2の受信処理部を具備し、
前記受信部は、前記送信装置が送信した信号に加えて、前記他の送信装置が送信した信号であって、その周波数帯域が前記協調通信部が受信したスペクトルの周波数帯域を含んでいる信号を受信し、
前記第2の受信処理部は、前記受信部が受信した信号のスペクトルであって、前記他の送信装置が送信した信号の周波数帯域のスペクトルから、前記協調通信部が受信したスペクトルをキャンセルする重複キャンセル部を具備すること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の受信装置。
【請求項6】
前記第1の受信処理部は、
前記スペクトル合成部が合成したスペクトルに基づき、前記送信装置が送信した信号のレプリカを生成するレプリカ生成部
を具備し、
前記第2の受信処理部は、
前記レプリカを用いて、前記受信部が受信した信号のスペクトルであって、前記他の送信装置が送信した信号の周波数帯域のスペクトルの干渉成分をキャンセルするキャンセル部
を具備することを特徴とする請求項5に記載の受信装置。
【請求項7】
前記他の受信装置は、複数あり、
前記協調通信部は、前記複数の他の受信装置の各々から、前記送信装置が送信した信号の前記重複している周波数帯域のスペクトルの少なくとも一部を受信すること
を特徴とする請求項1から請求項6のいずれかの項に記載の受信装置。
【請求項8】
他の受信装置と協調して、送信装置からの信号を受信する受信装置における受信方法であって、
前記送信装置が送信した信号を受信する第1の過程と、
前記送信装置が送信した信号の周波数帯域の一部と、他の送信装置が送信した信号の周波数帯域とが重複しているときは、前記送信装置が送信した信号の前記重複している周波数帯域のスペクトルの少なくとも一部を、前記他の受信装置から受信する第2の過程と、
前記第2の過程にて受信したスペクトルを用いて、前記第1の過程にて受信した信号の受信処理を行う第3の過程と
を有することを特徴とする受信方法。
【請求項9】
他の受信装置と協調して、送信装置からの信号を受信する受信装置のコンピュータを、
前記送信装置が送信した信号を受信する受信部、
前記送信装置が送信した信号の周波数帯域の一部と、他の送信装置が送信した信号の周波数帯域とが重複しているときは、前記送信装置が送信した信号の前記重複している周波数帯域の少なくとも一部のスペクトルを、前記他の受信装置から受信する協調通信部、
前記協調通信部が受信したスペクトルを用いて、前記受信部が受信した信号の受信処理を行う第1の受信処理部
として機能させるためのプログラム。
【請求項10】
送信装置が送信した信号を協調して受信する第1の受信装置と第2の受信装置とを具備する無線通信システムであって、
前記第1の受信装置は、
前記送信装置が送信した信号を受信する第1の受信部と、
前記受信した信号の、前記第2の受信装置に送信する他の送信装置が送信した信号の周波数帯域と重複している周波数帯域の少なくとも一部のスペクトルを、前記第2の受信装置に送信する第1の協調通信部と
を具備し、
前記第2の受信装置は、
前記送信装置が送信した信号を受信する第2の受信部と、
前記部分スペクトルを受信する第2の協調通信部と、
前記部分スペクトルを用いて、第2の受信部が受信した信号の受信処理を行う受信処理部と
を具備すること
を特徴とする無線通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2013−98866(P2013−98866A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−241582(P2011−241582)
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】