説明

受信装置、画像表示装置、及び受信方法

【課題】付加情報の取得時間を短縮できる受信装置、画像表示装置、及び受信方法を提供する。
【解決手段】ビデオ信号を受信する受信装置は、信号方式判別回路41、アスペクト取得回路42、信号方式確定回路62、及びアスペクト確定回路63を有している。信号方式判別回路41は、ビデオ信号の方式を判別する。アスペクト取得回路42は、信号方式判別回路41でビデオ信号の方式が判別される毎に、その判別結果に基づいて当該ビデオ信号に付加されている付加情報を取得する。信号方式確定回路62は、信号方式判別回路41で判別されたビデオ信号の方式が第1の回数連続して同じである場合にビデオ信号の方式を確定する。アスペクト確定回路63は、アスペクト取得回路42で取得されたアスペクト情報に基づいてアスペクト情報を確定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信装置、画像表示装置、及び受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、NTSC(National Television System Committee)、PAL(Phase Alternating Line)等の信号方式のビデオ信号に応じた画像を表示する画像表示装置が知られている。このような画像表示装置では、ビデオ信号の方式を判別する必要があるが、信号が安定していないと、誤って判別してしまう可能性がある。そこで、時間をかけて安定した状態のビデオ信号を検出して当該ビデオ信号の方式を判別する映像信号処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の映像信号処理装置では、同じ判別結果が所定回数連続して得られた場合に、その判別結果の信号方式を入力されたビデオ信号の方式として確定している。
一方、このようなビデオ信号の方式の規格とは別に、アスペクト情報等の付加情報に関する規格(例えば、WSS(Wide Screen Signalling))が知られている。例えば、このような付加情報は、NTSC方式では、垂直帰線期間のライン20とライン283とに重畳され、PAL方式では、垂直帰線期間のライン23に重畳される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−75405号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようにビデオ信号の方式によって付加情報が重畳される位置が異なる場合でも適切に付加情報を取得できるように、従来の画像表示装置では、入力されたビデオ信号の方式を確定した後に、その確定したビデオ信号の方式に応じて付加情報を取得していた。
そのため、従来の画像表示装置では、ビデオ信号の方式を確定する時間と付加情報を取得する時間の積算時間が、ビデオ信号の入力から付加情報の取得までの時間となるため、付加情報を取得するまでの時間が長いという問題がある。そして、付加情報の取得後でないと、ビデオ信号に応じた画像を適切に表示できないため、当該画像が表示されるまでに長時間を要するという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、付加情報の取得時間を短縮できる受信装置、画像表示装置、及び受信方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の受信装置は、ビデオ信号を受信する受信装置であって、前記ビデオ信号の方式を判別する信号方式判別部と、前記信号方式判別部で前記ビデオ信号の方式が判別される毎に、その判別結果に基づいて前記ビデオ信号に付加されている付加情報を取得する付加情報取得部と、前記信号方式判別部で判別された前記ビデオ信号の方式が第1の回数連続して同じである場合に前記ビデオ信号の方式を確定する信号方式確定部と、前記付加情報取得部で取得された前記付加情報に基づいて前記付加情報を確定する付加情報確定部と、を有することを特徴とする。
【0008】
ここで、付加情報としては、例えば、アスペクトに関するアスペクト情報が挙げられる。
本発明によれば、付加情報取得部は、信号方式確定部によるビデオ信号の方式の確定前から付加情報を取得するため、ビデオ信号の方式の確定後から付加情報を取得する従来の構成よりも付加情報を取得する時間を短縮できる。つまり、ビデオ信号の方式の判別の確定と付加情報の確定とを並列的に行えるので、付加情報の確定時間を短縮できる。
また、判別されたビデオ信号の方式が第1の回数連続して同じである場合に、信号方式確定部がビデオ信号の方式を確定するため、入力されたビデオ信号の方式を適切に確定できる。
【0009】
本発明では、前記付加情報確定部は、前記付加情報取得部で取得された付加情報が第2の回数連続して同じである場合に前記付加情報を確定することが好ましい。
本発明によれば、付加情報が第2の回数連続して同じである場合に付加情報を確定するため、付加情報を適切に確定できる。
【0010】
本発明の画像表示装置は、上述した受信装置と、前記受信装置で受信された前記ビデオ信号に応じた画像を確定された前記ビデオ信号の方式及び前記付加情報に基づいて表示する表示装置とを有することを特徴とする。
本発明によれば、画像表示装置が上述した受信装置及び表示装置を有するため、上述した受信装置と同様の効果を奏することができ、入力されたビデオ信号に応じた画像を迅速かつ適切に表示装置により表示できる。
【0011】
本発明の受信方法は、ビデオ信号を受信する受信方法であって、前記ビデオ信号の方式を判別する信号方式判別ステップと、前記信号方式判別ステップで前記ビデオ信号の方式が判別される毎に、その判別結果に基づいて前記ビデオ信号に付加されている付加情報を取得する付加情報取得ステップと、前記信号方式判別ステップで判別された前記ビデオ信号の方式が第1の回数連続して同じである場合に前記ビデオ信号の方式を確定する信号方式確定ステップと、前記付加情報取得ステップで取得された前記付加情報に基づいて前記付加情報を確定する付加情報確定ステップと、を有することを特徴とする。
本発明によれば、上述した受信装置と同様の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態における画像表示装置の構成を示すブロック図。
【図2】本実施形態におけるフロントエンド部及び制御部の構成を示すブロック図。
【図3】本実施形態における信号方式の種別を示す図。
【図4】本実施形態におけるアスペクト情報の種別を示す図。
【図5】本実施形態における制御部による制御の流れを示すフローチャート。
【図6】本実施形態におけるアスペクト取得処理の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
〔画像表示装置の構成〕
図1は、本実施形態における画像表示装置1の構成を示すブロック図である。
画像表示装置1は、NTSC方式及びPAL方式のビデオ信号を受信(入力)する受信装置2と、受信装置2が受信したビデオ信号に基づく画像を表示する表示装置3とを備えている。
このうち、表示装置3は、受信装置2から入力される画像信号としての駆動信号に応じた画像を表示するものである。この表示装置3として、例えば、光源と、当該光源から射出された光束を変調する光変調装置(液晶パネルやデジタルミラーを用いたデバイス等)との組み合わせを採用できるほか、プラズマ及び有機EL(Electro-Luminescence)等の自己発光素子により形成された表示パネルを採用することもできる。
【0014】
〔受信装置の構成〕
受信装置2は、外部から入力されるビデオ信号を処理して、当該ビデオ信号に基づく駆動信号を表示装置3に出力する。この受信装置2は、図1に示すように、フロントエンド部4及び画像処理部5と、当該フロントエンド部4及び画像処理部5を含む画像表示装置1全体を制御する制御部6と、各種情報を記憶するRAM(Random Access Memory)等の記憶部7とを備えている。
このうち、画像処理部5は、フロントエンド部4を介して入力されたビデオ信号を表示装置3に適応する駆動信号に変換して、変換した駆動信号を表示装置3に出力する。具体的に、画像処理部5は、入力されたビデオ信号に対して画像サイズの調整や表示位置の調整等の画像処理を行う。これにより、表示装置3は、入力されたビデオ信号に応じた画像を表示する。
【0015】
〔フロントエンド部の構成〕
図2は、フロントエンド部4及び制御部6の構成を示すブロック図である。
フロントエンド部4は、入力されたビデオ信号の方式を判別し、判別した方式に基づきビデオ信号から付加情報としてのアスペクト情報を取得する。このフロントエンド部4は、図2に示すように、信号方式判別部としての信号方式判別回路41、付加情報取得部としてのアスペクト取得回路42、信号方式用レジスタ43、NTSC用レジスタ44、及びPAL用レジスタ45を有している。フロントエンド部4は、これら構成によって、入力されたビデオ信号を判定し、判定結果のステータスをレジスタ値として取得する。
【0016】
信号方式判別回路41は、画像表示装置1に入力されたビデオ信号の方式を判別する。
具体的に、信号方式判別回路41は、入力されたビデオ信号の垂直同期周波数、水平走査線数、色副搬送波周波数等を判定し、これら判定結果に基づき、入力されたビデオ信号が、NTSC方式であるか、PAL方式であるかを判別する。この判別結果は、信号方式用レジスタ43に格納され、後述する制御部6により参照される。
【0017】
アスペクト取得回路42は、入力されたビデオ信号からアスペクト情報を取得する。詳述すると、アスペクト取得回路42は、信号方式判別回路41による判別結果に基づいて、入力されたビデオ信号に重畳されているアスペクト情報を読み取る。
ここで、NTSC方式のビデオ信号(NTSC、NTSC4.43等を含む)では、一般的にアスペクト情報が垂直帰線期間のライン20に重畳され、PAL方式のビデオ信号(PAL、SECAM等を含む)では、一般的にアスペクト情報が垂直帰線期間のライン23に重畳される。このため、アスペクト取得回路42は、信号方式判別回路41により、ビデオ信号の方式がNTSC方式であると判別された場合には、垂直帰線期間のライン20に重畳されている情報を取得し、PAL方式であると判別された場合には、垂直帰線期間のライン23に重畳されている情報を取得することで、アスペクト情報を取得する。
【0018】
図3は、信号方式用レジスタ43に格納される信号方式の種別を示すレジスタ値を示す図である。
信号方式用レジスタ43は、信号方式判別回路41がビデオ信号の方式を判別した際に、その判別結果が格納されるレジスタである。
この信号方式用レジスタ43には、図3に示すように、信号方式判別回路41がビデオ信号の方式を判別する毎に、最新のステータスとして信号方式判別回路41の判別結果に応じたレジスタ値〔0〜7〕が格納される。
例えば、信号方式判別回路41が、入力されたビデオ信号の信号方式が「NTSC」であると判別した場合には、信号方式用レジスタ43のレジスタ値に「0」が設定される。
【0019】
なお、図3中、「NTSC」及び「NTSC4.43」は、走査線数525本(有効走査線480本)、水平同期周波数15.734KHz、垂直同期周波数59.940Hzのビデオ信号である。「PAL」及び「PAL.N」は、走査線数625本(有効走査線576本)、水平同期周波数15.625KHz、垂直同期周波数50.000Hzのビデオ信号である。「PAL.M」及び「PAL60」は、走査線数525本(有効走査線480本)、水平同期周波数15.734KHz、垂直同期周波数59.940Hzのビデオ信号である。「SECAM」は、走査線数625本(有効走査線576本)、水平同期周波数15.625KHz、垂直同期周波数50.000Hzのビデオ信号である。これらビデオ信号の方式に応じて、アスペクト取得回路42がビデオ信号に重畳されているアスペクト情報を取得する。
【0020】
図4は、NTSC用レジスタ44及びPAL用レジスタ45に格納されるアスペクト情報の種別を示すレジスタ値を示す図である。
NTSC用レジスタ44は、アスペクト取得回路42がNTSC方式のビデオ信号のアスペクト情報を取得した際に、取得したアスペクト情報が格納されるレジスタである。
PAL用レジスタ45は、アスペクト取得回路42がPAL方式のビデオ信号のアスペクト情報を取得した際に、取得したアスペクト情報が格納されるレジスタである。
【0021】
これらNTSC用レジスタ44及びPAL用レジスタ45には、図4に示すように、アスペクト取得回路42がアスペクト情報を取得する毎に、最新のステータスとしてアスペクト取得回路42の取得結果に応じたレジスタ値〔0〜2〕が格納される。
例えば、信号方式判別回路41により、入力されるビデオ信号が「NTSC」であると判別され、アスペクト取得回路42により、アスペクト情報として「レターボックス」が取得された場合には、NTSC用レジスタ44のレジスタ値に「2」が格納される。
一方、信号方式判別回路41により、入力されるビデオ信号が「PAL」であると判別され、アスペクト取得回路42により、アスペクト情報として「情報未設定」が取得された場合には、PAL用レジスタ45のレジスタ値に「0」が格納される。
【0022】
〔制御部の構成〕
制御部6は、演算装置としてのCPU(Central Processing Unit)等により構成される。この制御部6は、図2に示すように、フロントエンド制御回路(以下、「FE制御回路」と略す場合がある)61、信号方式確定部としての信号方式確定回路62、付加情報確定部としてのアスペクト確定回路63、及び画像処理制御回路64を備えている。
【0023】
FE制御回路61は、フロントエンド部4を制御する。具体的に、FE制御回路61は、信号方式用レジスタ43のレジスタ値と、当該レジスタ値に応じたNTSC用レジスタ44及びPAL用レジスタ45のいずれかのレジスタ値とを所定周期で読み取る。
また、FE制御回路61は、信号方式判別回路41の判別結果の履歴情報(信号方式判別ログ)、及びアスペクト取得回路42の取得結果の履歴情報(アスペクト取得ログ)を、前述した記憶部7に一時的に記憶させる。具体的に、アスペクト取得ログは、NTSC方式の取得履歴か、PAL方式の取得履歴かが判別可能に記録される。
例えば、これら履歴情報は、各レジスタ(上述した信号方式用レジスタ43、NTSC用レジスタ44及びPAL用レジスタ45)のレジスタ値を蓄積することで作成される。
【0024】
信号方式確定回路62は、上述した記憶部7に記憶されている信号方式判別ログを読み取り、読み取った信号方式判別ログに基づきビデオ信号の方式を確定する。
また、アスペクト確定回路63は、上述した記憶部7に記憶されているアスペクト取得ログを読み取り、読み取ったアスペクト取得ログに基づきビデオ信号のアスペクト情報を確定する。
【0025】
具体的に、信号方式確定回路62は、信号方式判別ログを読み取り、ビデオ信号の方式のステータスが連続して複数回同じであった場合に、ビデオ信号の方式が安定した情報であるとみなしてビデオ信号の方式をその連続して判別された方式に確定する。
アスペクト確定回路63は、アスペクト取得ログを読み取り、アスペクト情報のステータスが連続して複数回同じであった場合に、アスペクト情報が安定した情報であるとみなしてアスペクト情報をその連続して取得したものに確定する。なお、アスペクト確定回路63は、信号方式が変化した際には、アスペクト情報の確定を行わない。
これら各確定回路62,63による確定処理については、後に詳述する。
【0026】
画像処理制御回路64は、表示装置3により適切な画像表示がなされるように、信号方式確定回路62で確定されたビデオ信号の方式、及びアスペクト確定回路63で確定されたアスペクト情報に基づき画像処理部5を制御する。例えば、画像処理制御回路64は、表示装置3の画面のアスペクト比が4:3であり、アスペクト確定回路63で確定されたアスペクト情報が「アスペクト比16:9画像のスクィーズ信号」である場合に、ビデオ信号を縦方向に圧縮して上下に黒帯が挿入されるように画像処理部5を制御する。
【0027】
〔画像表示装置の動作〕
図5は、制御部6による表示前処理を示すフローチャートである。具体的に、図5は、入力ビデオ信号のアスペクト情報を確定するアスペクト確定処理の流れを示している。
画像表示装置1では、入力されたビデオ信号に応じた画像を表示装置3により表示する前に、受信装置2が、以下に示す表示前処理を行う。
この表示前処理では、図5に示すうように、まず、FE制御回路61が、ビデオ信号の方式を取得する(ステップS1)。すなわち、FE制御回路61は、信号方式判別回路41を制御して、入力されたビデオ信号からビデオ信号の方式を判別する。上述したように、信号方式判別回路41が判別したビデオ信号の方式は、信号方式用レジスタ43に格納される。FE制御回路61は、この信号方式用レジスタ43のレジスタ値を参照することでビデオ信号の方式を取得する。例えば、信号方式用レジスタ43のレジスタ値が「4」であれば、図3に示すように、ビデオ信号の方式の最新ステータスは、「PAL.M」となる。
このステップS1の後、FE制御回路61は、上述した信号方式判別ログに、取得したログ(取得した最新のステータス)を追加する(ステップS2)。
【0028】
次に、FE制御回路61は、アスペクト情報の判別の要否を判定する(ステップS3)。例えば、FE制御回路61は、信号方式用レジスタ43のレジスタ値が「7」の場合(「信号なし」の場合)、アスペクト情報の取得及び判別は不要であると判定し、その他の場合に、アスペクト情報の判別が必要であると判定する。なお、使用者が予めアスペクト情報の判別の要否を設定しておき、それに従ってもよい。
このようなステップS3でアスペクト情報の判別が必要であると判定された場合には、FE制御回路61は、アスペクト取得処理S4を実行する。
【0029】
図6は、アスペクト取得処理S4を示すフローチャートである。
このアスペクト取得処理S4では、図6に示すように、まず、FE制御回路61が、最新ステータスにおけるビデオ信号の方式がNTSC方式であるか、PAL方式(SECAM方式を含む)であるかを判定する(ステップS41)。
【0030】
ここで、NTSC方式であると判定した場合には、FE制御回路61は、NTSC用レジスタ44のレジスタ値を参照して、アスペクト情報の最新のステータスを取得する(ステップS42)。
一方、PAL方式であると判定した場合には、FE制御回路61は、PAL用レジスタ45のレジスタ値を参照して、アスペクト情報の最新のステータスを取得する(ステップS43)。
【0031】
ステップS42,S43のいずれか一方の処理が終了した後、FE制御回路61は、上述したアスペクト取得ログに、取得したログ(取得した最新のステータス)を追加して(ステップS44)、アスペクト取得処理を終了する。
このように、FE制御回路61は、信号方式判別回路41でビデオ信号の方式が判別される毎に、その判別結果に基づいてビデオ信号に付加されているアスペクト情報を取得する。
【0032】
図5に戻り、アスペクト取得処理S4が終了すると、信号方式確定回路62が、入力されたビデオ信号の方式が安定しているか否かを判定する(ステップS5)。
具体的に、信号方式確定回路62は、上述した信号方式判別ログを参照して同じ判別結果(レジスタ値)が連続する回数(第1連続回数)をカウントし、この第1連続回数が第1の回数である5未満である場合には、ビデオ信号の方式が安定していないものとみなし、5以上となった場合にビデオ信号の方式が安定したものとみなす。なお、判別結果が異なった場合には、当該第1連続回数がリセットされるとともに、後述する第2連続回数もリセットされる。
【0033】
ここで、ステップS5で第1連続回数が第1の回数である5未満であると判定した場合(ビデオ信号の方式が安定していないと判定した場合)には、制御部6は、上述したステップS1〜S5の処理を繰り返す。なお、制御部6は、このビデオ信号の方式が安定する前における一連の繰り返し処理(ステップS1〜S5の処理)を一定周期で実行(例えば、50ミリ秒毎に実行)する。
一方、ステップS5で第1連続回数が第1の回数である5以上になったと判定した場合(ビデオ信号の方式が安定し、同じ判別結果が得られたと判定した場合)には、信号方式確定回路62は、最新ステータスの方式をビデオ信号の方式として確定する(ステップS6)。
次に、FE制御回路61が、上述したステップS3と同様、アスペクト情報の取得の要否を判定する(ステップS7)。
【0034】
ここで、ステップS7でアスペクト情報の取得が必要であると判定された場合には、FE制御回路61は、アスペクト情報が安定しているか否かを判定する(ステップS8)。上述したように、この判定処理では、信号方式確定回路62は、上述したアスペクト取得ログを参照して同じ取得結果(レジスタ値)が連続する回数(第2連続回数)をカウントし、当該第2連続回数が第2の回数である3未満である場合には、アスペクト情報が安定していないものとみなし、3以上となった場合にアスペクト情報が安定したものとみなす。なお、取得結果が異なった場合には、第2連続回数がリセットされる。
【0035】
このステップS8で第2連続回数が第2の回数である3以上であると判定した場合(アスペクト情報が安定し、同じ結果が得られたと判定した場合)、もしくは、上述したステップS7でアスペクト情報の取得が不要であると判定されていた場合には、アスペクト確定回路63は、アスペクト情報の判別を確定し(ステップS9)、制御部6は、アスペクト確定処理を終了する。例えば、アスペクト情報の取得が不要であると判定されている場合には、アスペクト情報は前述のレジスタ値「0」に対応する「アスペクト比4:3画像の信号、またはアスペクト情報なし」に設定される。
【0036】
一方、ステップS8で第2連続回数が第2の回数である3未満であると判定された場合(アスペクト情報が安定していないと判定された場合)には、FE制御回路61が、上述したアスペクト取得処理S4を行い、制御部6は、上述したステップS8の処理を繰り返す。この場合には、信号方式の確定後に、更にアスペクト取得処理S4が行われることとなる。
なお、制御部6は、このビデオ信号の方式が安定した後における一連の繰り返し処理を一定周期で実行(例えば、50ミリ秒毎に実行)する。
【0037】
以上説明した本実施形態の画像表示装置1によれば、以下の効果を奏することができる。
アスペクト取得回路42は、信号方式確定回路62によるビデオ信号の方式の確定前からアスペクト情報を取得するため、ビデオ信号の方式の確定後からアスペクト情報を取得する従来の構成よりもアスペクト情報を取得する時間を短縮できる。つまり、ビデオ信号の方式の判別を確定する処理とアスペクト情報を確定する処理とを並列的に行えるので、アスペクト情報の確定時間を短縮(具体的には、0.5秒程度短縮)できる。例えば、画像表示装置1がビデオ入力への切り替え機能を有する場合には、ビデオ入力への入力信号のソース切り替え時間を短縮できる。
【0038】
また、ビデオ信号の方式が5回連続して同じである場合にビデオ信号の方式を確定するため、入力されたビデオ信号の方式を適切に確定できる。
さらに、アスペクト情報が3回連続して同じである場合にアスペクト情報を確定するため、アスペクト情報を適切に確定できる。
また、画像表示装置1は、受信装置2及び表示装置3を有するため、入力されたビデオ信号に応じた画像を迅速かつ適切に表示装置3により表示できる。
【0039】
〔実施形態の変形〕
本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記実施形態では、ビデオ信号の方式として、NTSC方式及びPAL方式(SECAM方式も含む)を例示したが、ビデオ信号の方式は、これに限定されるものではない。例えば、ATSC(Advanced Television Systems Committee)、DMB(Digital Multimedia Broadcasting)等の方式であってもよい。
前記実施形態では、アスペクト情報を付加情報とし、ビデオ信号の垂直帰線期間に重畳されているアスペクト情報を取得することで、アスペクト情報を取得したが、付加情報の取得はこれに限らない。付加情報は、上述したアスペクト情報と同様にビデオ信号の方式が分からないと判別できない情報であればよく、例えば、HDMI(High Definition Multimedia Interface)信号に含まれる各種情報等であってもよい。
前記実施形態では、第1の回数を「5」とし、第2の回数を「3」としたが、これら回数は、これに限らず、適宜設定が可能である。
前記実施形態では、上述した表示前処理における各繰り返し処理の周期を50ミリ秒毎としたが、例えば、NTSC方式、PAL方式等のビデオ信号のフレーム周期としてもよく、適宜設定可能である。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、受信装置、画像表示装置、及び受信方法に利用でき、例えば、NTSC方式、PAL方式等の複数のビデオ信号の方式に対応したプロジェクターに利用できる。
【符号の説明】
【0041】
1…画像表示装置、2…受信装置、3…表示装置、41…信号方式判別回路(信号方式判別部)、42…アスペクト取得回路(付加情報取得部)、62…信号方式確定回路(信号方式確定部)、63…アスペクト確定回路(付加情報確定部)、S1…ステップ(信号方式判別ステップ)、S4…ステップ(付加情報取得ステップ)、S5,S6…ステップ(信号方式確定ステップ)、S8,S9…ステップ(付加情報確定ステップ)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオ信号を受信する受信装置であって、
前記ビデオ信号の方式を判別する信号方式判別部と、
前記信号方式判別部で前記ビデオ信号の方式が判別される毎に、その判別結果に基づいて前記ビデオ信号に付加されている付加情報を取得する付加情報取得部と、
前記信号方式判別部で判別された前記ビデオ信号の方式が第1の回数連続して同じである場合に前記ビデオ信号の方式を確定する信号方式確定部と、
前記付加情報取得部で取得された前記付加情報に基づいて前記付加情報を確定する付加情報確定部と、を有する
ことを特徴とする受信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の受信装置において、
前記付加情報確定部は、前記付加情報取得部で取得された付加情報が第2の回数連続して同じである場合に前記付加情報を確定することを特徴とする受信装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の受信装置と、
前記受信装置で受信された前記ビデオ信号に応じた画像を確定された前記ビデオ信号の方式及び前記付加情報に基づいて表示する表示装置とを有する
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項4】
ビデオ信号を受信する受信方法であって、
前記ビデオ信号の方式を判別する信号方式判別ステップと、
前記信号方式判別ステップで前記ビデオ信号の方式が判別される毎に、その判別結果に基づいて前記ビデオ信号に付加されている付加情報を取得する付加情報取得ステップと、
前記信号方式判別ステップで判別された前記ビデオ信号の方式が第1の回数連続して同じである場合に前記ビデオ信号の方式を確定する信号方式確定ステップと、
前記付加情報取得ステップで取得された前記付加情報に基づいて前記付加情報を確定する付加情報確定ステップと、を有する
ことを特徴とする受信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−19377(P2012−19377A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−155489(P2010−155489)
【出願日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】