説明

受信装置、ICカード及びホスト装置

【課題】 本発明は、受信状態が変化する場合、ユーザが音声又は映像を視聴可能な確率が従来よりも高く、従来よりユーザに与える満足度が高い受信装置を提供する。
【解決手段】 本発明の受信装置は、デジタル音声データを含むデータストリームを受信する受信部と、デジタルストリームから同期信号を検出し、デジタル音声データを検出して復調し、誤り訂正復号化して出力する復調部と、復調部が同期ロック出来ない場合は、デジタル音声データをミュートして出力せず、復調部が同期ロックし且つデジタル音声データの誤り率が所定値以下である場合は、デジタル音声データをそのまま出力し、復調部が同期ロックし且つデジタル音声データの誤り率が所定値より高い場合は、デジタル音声データが人間の聴覚に与える刺激を弱めるようにデジタル音声データに所定の加工をする信号加工処理部と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信装置、ICカード及びホスト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
固定設置型の地上波デジタル放送信号の受信装置においては、最良の受信状態を得るようにアンテナを設置する。受信装置は、受信した放送信号を復調し出力する。しかし、何らかの原因で受信状態が悪化する場合がある。
【0003】
特開平10−28065号公報に、従来例のデジタル放送受信装置が開示されている。従来例のデジタル放送受信装置においては、受信したデジタル放送信号の誤り率が高くなって適正な信号品位でない場合、映像信号及び/又は音声信号の出力をミュート(出力を停止)した。
固定設置型の地上波デジタル放送信号の受信装置においては、受信したデジタル放送信号の誤り率が高くなって適正な信号品位を保てなくなることは、きわめてまれに発生する故に、従来例の受信方法はユーザに満足を与えることができる。
【特許文献1】特開平10−28065号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、例えば地上波デジタル放送信号の受信機能を持つ携帯端末においては、ユーザが携帯端末を持って移動する故に、受信状態がたえず変動する。しばしば受信したデジタル放送信号の誤り率が高くなって適正な信号品位を保てなくなる。従来例のデジタル放送受信装置においては、しばしば映像信号及び/又は音声信号がミュートされる(中断される)故に、ユーザは満足に放送番組を視聴できないという問題があった。
【0005】
携帯端末が受信した放送信号を受信状態にかかわらずそのまま出力するならば、例えばデジタルエラーを含む音声信号はしばしば極めて不快な雑音を含む故に、ユーザに満足を与えることは出来ない。
【0006】
デジタルエラーを含む映像信号は、例えばデータエラーを完全に訂正できない程誤り率が高く且つ画面の大部分について正しい映像データを復号化できる程度の受信状態において、ディスプレイに表示される画像は、デジタル信号特有のランダムノイズが画面上に離散的に発生する画像となる。画面上において、各ピクセルは、正確な映像信号(輝度、色相、彩度)を表示するか、又は全くランダムなノイズを表示するかのどちらかである。一般のユーザは、受信状態がしばしば悪化する状況でデジタル放送の受信信号を視聴することに慣れていない。アナログ放送に慣れ親しんできたユーザは、映像信号及び音声信号共に、受信状態が悪くなれば、放送信号とホワイトノイズが混じった信号が再生されると思っている。ユーザが受信状態が悪化している時の映像信号を見て、受信装置が故障したと判断する恐れがあるという問題があった。
【0007】
正確な映像信号(輝度、色相、彩度)を表示するピクセルと、全くランダムなノイズを表示するピクセルとで構成された画面は、美しい表示と完全なノイズとのコントラストが際立ち、ユーザに強い不快感を与えるという問題があった。
【0008】
近年、種々のICカードを装着可能な携帯端末が市場に広まりつつある。携帯端末自体に種々の機能を搭載したならば、携帯端末は大きく重く高価になり消費電力も増大するのでかえって商品価値が下がる。携帯端末に基本的な機能のみを搭載し、種々の機能をそれぞれ有するICカードをオプションとしてユーザが携帯端末に装着出来るように準備すれば、ユーザは希望する機能を有する小型で軽くて消費電力も小さい携帯端末及びICカードを適切な価格で取得できる。このようなICカードの1つとして、デジタル放送信号の受信機能を持つICカードが考えられる。しかし、携帯端末と比較してもはるかに小さいICカードに全ての機能を盛り込むことは困難である。デジタル放送の受信から出力までの処理をICカードとホスト装置(上記の例では携帯端末)とで分担して行う受信装置において、上記の問題を解決することは、更に困難であった。
更に、ICカードにおいて低消費電力化することは極めて重要な課題であった。
【0009】
本発明は、受信状態が変化する場合、ユーザが音声又は映像を視聴可能な確率が従来よりも高く、従来よりユーザに与える満足度が高い受信装置、ICカード及びホスト装置を提供することを目的とする。
本発明は、受信状態が変化する場合、ユーザが音声又は映像を視聴可能な確率が従来よりも高く、且つ音声又は映像にデジタル雑音が混じってもユーザに不快感をあまり感じさせない、従来よりユーザに与える満足度が高い受信装置、ICカード及びホスト装置を提供することを目的とする。
【0010】
本発明は、受信状態が悪化して復号化された音声データ又は映像データの誤り率が訂正できない程高くなった場合、再生された音声又は映像がユーザに与える不快感を従来より軽減し、ユーザが受信装置が故障したと誤って判断する可能性が従来より低い受信装置、ICカード及びホスト装置を提供することを目的とする。
本発明は、低消費電力の受信装置、ICカード及びホスト装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記問題を解決するために、本発明は以下の構成を有する。請求項1に記載の発明は、デジタル音声データを含むデータストリームを受信する受信部と、前記デジタルストリームから同期信号を検出し、前記デジタル音声データを検出して復調し、誤り訂正復号化して出力する復調部と、前記復調部が同期ロック出来ない場合は、前記デジタル音声データをミュートして出力せず、前記復調部が同期ロックし且つ前記デジタル音声データの誤り率が所定値以下若しくはC/N比(Carrier to Noise比)が所定値以上である場合は、前記デジタル音声データをそのまま出力し、前記復調部が同期ロックし且つ前記デジタル音声データの誤り率が所定値より高い若しくはC/N比が所定値より低い場合は、前記デジタル音声データが人間の聴覚に与える刺激を弱めるように前記デジタル音声データに所定の加工をする信号加工処理部と、を有することを特徴とする受信装置である。
【0012】
従来の受信装置においては、受信状態に応じて、音声信号をミュートするか又は音声信号を復調してそのまま出力するかの2種類の方法で音声信号を処理した。本発明においては、受信状態に応じて、音声信号をミュートするか、デジタル音声データが人間の聴覚に与える刺激を弱めるようにデジタル音声データに所定の加工をして出力するか、又は音声信号を復調してそのまま出力するかの3種類の方法で音声信号を処理する。
【0013】
復調部が同期ロックしている場合、個々のビットデータに誤りがあっても、復調部は、デジタルストリーム全体としては正常な動作を維持できている。復調部が同期ロックできなくなった場合、復調部が読み取ったデータは全て無効である。本発明においては、データが全て無効である場合に音声信号をミュートし、音声信号が劣化してるが全体としては正常に再生されている場合には、所定の加工をして出力する。
【0014】
「同期ロック」とは、復調部が、データストリームの同期信号を検出し、データストリームから音声データ(映像データについての請求項においては映像データ)を正常に読み取れる状態を意味する。
信号加工処理部が、復調部が同期ロックしたか否かの情報を取得する場合は、「同期ロックする」又は「同期ロックできない」は、事実を意味する。信号加工処理部が、復調部が同期ロックしたか否かの情報を取得せず、入力したデジタル音声データの誤り率若しくはC/N比の情報から復調部が同期ロックしたか否かを推定する場合は、「同期ロックする」又は「同期ロックできない」は、推定結果を意味する(デジタル映像データについても同様)。「同期ロックする」又は「同期ロックできない」の語は、事実のみならず、推定結果も含む。
【0015】
復調部が同期ロック状態に引き込まれる時のデジタル音声データの誤り率(又はC/N比)、及び復調部が同期ロック状態から外れる時のデジタル音声データの誤り率(又はC/N比)は、ほぼ定まっている。デジタル音声データの誤り率(又はC/N比)をパラメータとして、復調部は、同期ロック状態に引き込まれる時と、同期ロック状態から外れる時とでヒステリシスを有する。「復調部が同期ロック」するという状態についての信号加工処理部の判断は、実施の形態2において示すように、復調部が同期ロックを外れたという情報そのものに基づいてされても良く、又は実施の形態1において示すように、デジタル音声データの誤り率(又はC/N比)に基づいて、2つの異なるデジタル音声データの誤り率(又はC/N比)の閾値と、ヒステリシスと、を考慮して間接的にされても良い。
【0016】
即ち、デジタル音声データの誤り率が第1の閾値より高い(悪い)場合(又はC/N比が第1の閾値より低い場合)に本発明の「同期ロックできなくなった」場合と同様の処理を行い、誤り率が第1の閾値より低い(良い)第2の閾値より誤り率が低くなれば(又はC/N比が第1の閾値より高い第2の閾値よりC/N比が高くなれば)、本発明の「同期ロックした」場合の処理と同様の処理を行い、デジタル音声データの誤り率(又はC/N比)が第1の閾値と第2の閾値との間であれば、誤り率が第1の閾値より高い状態からその状態に遷移した場合(又はC/N比が第1の閾値より低い状態からその状態に遷移した場合)は、「同期ロックできなくなった」場合と同様の処理を行い、誤り率が第2の閾値より低い状態からその状態に遷移した場合(又はC/N比が第2の閾値より高い状態からその状態に遷移した場合)は、「同期ロックした」場合の処理と同様の処理を行う受信装置は、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0017】
本発明の受信装置が例えば地上波デジタル放送を受信する携帯端末であるとする。本発明の受信装置において、ユーザの移動に伴いしばしば放送信号の受信状態が悪化した場合、音声信号が中断される(ミュートされる)確率は従来より低くなる。受信状態が悪化した状態において音声信号を出力する場合、音声信号に含まれる不快な雑音は弱められている。本発明により、受信状態が変化する場合、ユーザが音声を視聴可能な確率が従来より高くなり、且つ音声にデジタル雑音が混じってもユーザに不快感をあまり感じさせない、従来よりユーザに与える満足度が高い受信装置を実現できる。
【0018】
受信装置が受信する信号は任意である。本発明は、受信状態が変動する受信装置において特に従来例に無い特有の優れた効果を奏する。受信状態が変動する受信装置とは、典型的には無線信号を受信する受信装置であって、例えばデジタル衛星放送の受信装置、デジタル地上波放送の受信装置、携帯電話等である。
【0019】
請求項2に記載の発明は、前記信号加工処理部は、前記復調部が同期ロックし且つ前記デジタル音声データの誤り率が所定値より高い若しくはC/N比が所定値より低い場合は、前記デジタル音声データの振幅レベルを低くし及び/又は周波数帯域を狭くして出力することを特徴とする請求項1に記載の受信装置である。
【0020】
本発明により、音声信号の内容についての基本的な情報を保持しつつ、デジタル音声データの誤りにより発生する極めて不快で鼓膜に衝撃を与える雑音の音量を下げ、及び/又は脳を刺激する雑音の高調波成分を抑圧できる。受信状態が悪化して音声にデジタル雑音が混じっても、ユーザに不快感をあまり感じさせない、従来よりユーザに与える満足度が高い受信装置を実現できる。
【0021】
請求項3に記載の発明は、前記データストリームが更にデジタル映像データを含み、前記復調部が前記デジタルストリームから同期信号を検出して同期ロックし、デジタル映像データを検出して復調して出力し、前記デジタル音声データを検出できない場合は、前記信号加工処理部は、ホワイトノイズを生成し、音声信号として出力する、ことを特徴とする請求項1に記載の受信装置である。
【0022】
映像信号が再生されていながら、音声信号が突然途切れると、突然全くの無音状態になるというユーザに与える違和感が大きく、しばしばユーザは受信装置が故障したのではないかと考える。映像信号が再生されているにもかかわらず音声信号を再生できなくなった場合、本発明においてはホワイトノイズを音声信号として出力することにより、突然全くの無音状態になるという違和感を和らげ、ユーザに受信装置が故障していないという安心感を与える。
ホワイトノイズの発生方法は任意である。例えば乱数発生回路が発生する乱数データを用いる。
【0023】
請求項4に記載の発明は、デジタル映像データを含むデータストリームを受信する受信部と、前記デジタルストリームから同期信号を検出し、前記デジタル映像データを検出して復調し、誤り訂正復号化して出力する復調部と、前記復調部が同期ロック出来ない場合は、前記デジタル映像データをミュートして出力せず、前記復調部が同期ロックし且つ前記デジタル映像データの誤り率が所定値以下若しくはC/N比が所定値以上である場合は、前記デジタル映像データをそのまま出力し、前記復調部が同期ロックし且つ前記デジタル映像データの誤り率が所定値より高い若しくはC/N比が所定値より低い場合は、所定フレーム期間毎に、前記所定フレーム期間の全ての前記デジタル映像データから1フレームの映像データを生成し、出力する信号加工処理部と、を有することを特徴とする受信装置である。
【0024】
画面上に表示された全くランダムなノイズは、ユーザに強い不快感を与える。本発明においては、所定フレーム期間毎に、所定フレーム期間の全てのデジタル映像データから最もノイズが少ない1フレームの映像データを生成し、出力する故に、ユーザに与える不快感を大幅に軽減できる。
【0025】
「所定フレーム期間毎に1フレームの映像データを出力する」ことは、所定フレーム期間に1フレームの映像信号を1回出力すること、及び所定フレーム期間に1フレームの映像信号を所定回数繰り返し出力すること、のどちらでも良い。例えば30フレーム/秒の標準レートの映像信号において、5フレーム毎に1フレームの画像を出力すること(6フレーム/秒)、1フレームの画像を5回ずつ繰り返し出力すること(30フレーム/秒)、のどちらでも良い。
【0026】
請求項5に記載の発明は、前記信号加工処理部は、前記復調部が同期ロックし且つ前記デジタル映像データの誤り率が所定値より高い若しくはC/N比が所定値より低い場合は、所定フレーム期間毎に、前記所定フレーム期間の全ての前記デジタル映像データから最も誤り率が低いフレームのデジタル映像データを選択し、出力することを特徴とする請求項4に記載の受信装置である。本発明により、簡単な構成で、ユーザに与える不快感を大幅に軽減できる。
【0027】
請求項6に記載の発明は、前記信号加工処理部は、前記復調部が同期ロックし且つ前記デジタル映像データの誤り率が所定値より高い若しくはC/N比が所定値より低い場合は、所定フレーム期間毎に、前記所定フレーム期間の全てのフレームの前記デジタル映像データを所定の領域に分割し、各領域について全フレームの中で最も誤り率が低いフレームを選択し、選択された各領域の前記デジタル映像データを合成して1フレームの映像データを生成し、出力することを特徴とする請求項4に記載の受信装置である。本発明により、画面上のデジタルノイズを更に低減でき、ユーザに与える不快感を大幅に軽減できる。
【0028】
請求項7に記載の発明は、デジタル映像データを含むデータストリームを受信する受信部と、前記デジタルストリームから同期信号を検出し、前記デジタル映像データを検出して復調し、誤り訂正復号化して出力する復調部と、前記復調部が同期ロック出来ない場合は、前記デジタル映像データをミュートして出力せず、前記復調部が同期ロックし且つ前記デジタル映像データの誤り率が所定値以下若しくはC/N比が所定値以上である場合は、前記デジタル映像データをそのまま出力し、前記復調部が同期ロックし且つ前記デジタル映像データの誤り率が所定値より高い若しくはC/N比が所定値より低い場合は、ホワイトノイズを生成し前記デジタル映像データに加算する信号加工処理部と、を有することを特徴とする受信装置である。
【0029】
完全なエラー訂正ができなかった画像においては、各ピクセルにおいて、デジタル映像データ及びデジタルノイズのいずれか一方が排他的に表示される(いわゆるノンアディティブミックス)。正確な映像信号(輝度、色相、彩度)を表示するピクセルと、全くランダムなノイズを表示するピクセルとで構成された画面は、美しい表示と完全なノイズとのコントラストが際立ち、ユーザに強い不快感を与える。本発明においては、デジタル映像データにホワイトノイズを加算することにより、アナログ放送信号に慣れたユーザにとって自然に感じる劣化した画像を表示できる。これにより美しい表示と完全なノイズとのコントラストを和らげ、ユーザに与える不快感を低減する。ユーザが誤って受信装置が故障と判断する可能性を低くすることが出来る。
【0030】
「ホワイトノイズをデジタル映像データに加算」とは、各ピクセルにおいて、デジタル映像データにホワイトノイズを加算(ホワイトノイズが負値の場合は実質的に減算)した信号を生成することを意味する(いわゆるアディティブミックス)。
【0031】
請求項8に記載の発明は、前記信号加工処理部は、前記デジタル映像データの誤り率が高い程若しくはC/N比が低い程、振幅レベルが大きいホワイトノイズを生成し前記デジタル映像データに加算することを特徴とする請求項7に記載の受信装置である。
【0032】
受信状態が悪化して復号データの誤り率が高くなる程、正確な画像を表示するピクセルが減少し、デジタルノイズを表示するピクセルが増加する。本発明においては、デジタルノイズを表示するピクセルが多い程、デジタル映像データに加算するホワイトノイズのレベルを大きくするので、美しい表示と完全なノイズとのコントラストを自然に和らげることができる。画面に加算されたホワイトノイズのレベルで、アナログ放送信号を見慣れたユーザに受信状態の悪化の程度を知らせることができる。
【0033】
請求項9に記載の発明は、前記信号加工処理部が前記デジタル映像データ又は前記デジタル音声データを出力しない場合、出力しないデジタルデータについての、デジタルデータを誤り訂正する処理より後の処理回路の少なくとも一部へのクロックの供給又は電力供給を停止することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかの請求項に記載の受信装置である。本発明は、低消費電力の受信装置を実現できる。例えば電池で駆動される携帯型の受信装置において、電池の駆動時間を長くすることが出来る。
【0034】
請求項10に記載の発明は、相互に接続されたICカードとホスト装置とを有し、前記ICカードが前記受信部と前記復調部とを有し、前記ホスト装置が前記信号加工処理部を有し、前記ICカードから前記ホスト装置に、復号化された前記デジタル音声データ又は前記デジタル映像データと、前記デジタル音声データ又は前記デジタル映像データの誤り率若しくはC/N比に関する情報と、を送信し、又はそれらに加えて、前記復調部が同期ロックしているか否かの情報を送信する、ことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかの請求項に記載の受信装置である。
【0035】
上記の構成により、ICカードとホスト装置とが信号処理を分担して実行し、且つ上記の効果を奏する受信装置を実現できる。
【0036】
請求項11に記載の発明は、デジタル音声データ又はデジタル映像データを含むデータストリームを受信する受信部と、前記デジタルストリームから同期信号を検出し、前記デジタル音声データを検出して復調し、誤り訂正復号化して出力する復調部と、ホスト装置との間で通信を行い、復号化された前記デジタル音声データ又は前記デジタル映像データと、前記デジタル音声データ又は前記デジタル映像データの誤り率又はC/N比に関する情報と、を前記ホスト装置に送信し、又はそれらに加えて、前記復調部が同期ロックしているか否かの情報を前記ホスト装置に送信するインターフェース部と、を有することを特徴とするICカードである。
【0037】
ICカードがホスト装置に復号化されたデジタル音声データ又はデジタル映像データのみを送る構成では、ホスト装置は受信したデジタル音声データ又はデジタル映像データからその信号品位を判断することが出来ない。従って、ホスト装置は受信したデジタル音声データ又はデジタル映像データを加工することは出来ない。
本発明においては、ICカードからホスト装置に所定の情報を送るので、ホスト装置は受信信号の品位応じた加工をすることが出来る。
復調部が同期ロックしていない場合、ICカードがホスト装置に復号化されたデジタル音声データ又はデジタル映像データを送らなくても良いことは言うまでもない。
【0038】
請求項12から請求項20に記載の本発明のホスト装置は、請求項11に記載のICカードと組み合わせることにより、請求項1から請求項9に記載の受信装置を構成でき、同様の効果を奏する。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、受信状態が変化する場合、ユーザが音声又は映像を視聴可能な確率が従来よりも高く、従来よりユーザに与える満足度が高い受信装置、ICカード及びホスト装置を実現出来るという有利な効果が得られる。
本発明によれば、受信状態が変化する場合、ユーザが音声又は映像を視聴可能な確率が従来よりも高く、且つ音声又は映像にデジタル雑音が混じってもユーザに不快感をあまり感じさせない、従来よりユーザに与える満足度が高い受信装置、ICカード及びホスト装置を実現出来るという有利な効果が得られる。
【0040】
本発明によれば、受信状態が悪化して復号化された音声データ又は映像データの誤り率が訂正できない程高くなった場合、再生された音声又は映像がユーザに与える不快感を従来より軽減し、ユーザが受信装置が故障したと誤って判断する可能性が従来より低い受信装置、ICカード及びホスト装置を実現出来るという有利な効果が得られる。
本発明によれば、低消費電力の受信装置、ICカード及びホスト装置を実現出来るという有利な効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下本発明の実施をするための最良の形態を具体的に示した実施の形態について、図面とともに記載する。
【0042】
《実施の形態1》
図1〜図7を用いて、本発明の実施の形態1の受信装置を説明する。実施の形態1の受信装置は、地上波デジタル放送の受信装置である。図1は、実施の形態1における、受信装置の構成の概略を示す図である。図1において、12は受信用ICカード、13はホスト装置である。実施の形態1において、ICカードは、SDカードであり、ホスト装置は、SDカードを装着可能な携帯端末(例えば携帯電話)である。
ICカード12は、アンテナ1、チューナ2、復調部3、TSデコーダ4、伸長部5、BER検出部14を有する。ホスト装置13は、映像音声加工処理部8、ディスプレイ9、スピーカ10、記憶部11を有する。伸長部5は、映像デコーダ6と音声デコーダ7を有する。
【0043】
最初にICカード12を説明する。アンテナ1は、デジタル映像データ及びデジタル音声データを含むデジタルストリームを変調したデジタル放送信号を受信する。チューナ2は、デジタル放送信号を入力し、選択されたチャンネルの放送信号を含む周波数のデジタル放送信号(デジタルストリーム)を抽出する。
【0044】
地上波デジタルテレビジョン放送方式の放送信号は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)変調方式で変調されている。復調部3は、OFDM変調方式に準拠した復調処理を行い、復調信号をTS(Transport Stream)デコーダ4に送出する。復調部3は、チューナ2が抽出したデジタル放送信号(デジタルストリーム)から同期信号を抽出し、デジタルデータを読み取り、誤り訂正し復号化する。
【0045】
BER(Bit Error Rate)検出部14は、復調部3が受信したデジタルデータを誤り訂正する時のBER(Bit Error Rate:ビット単位の誤り率)を算出し、映像音声加工処理部8に送出する。映像音声加工処理部8は、この情報を記憶部11に格納する。
【0046】
TSデコーダ4は、復調部3から入力された復調信号(デジタルデータ)から、デジタル映像データ、デジタル音声データ及びその他のデータからなる複数のトランスポートパケット(TSパケット)から構成されるトランスポートストリームデータ(TSデータ)を抽出する。地上波デジタルテレビジョン放送では、MPEG2(Moving Picture Experts Group2)方式のデータ圧縮方式が採用されており、トランスポートストリームは、MPEG2固有のデータ方式のうちの一つである。
【0047】
伸長部5は、映像デコーダ6と、音声デコーダ7から構成される。TSデコーダ4から入力されるTSデータは、複数の放送番組を含有し、放送番組を構成する映像データ及び音声データとの関係を表すテーブル情報が付加されている。映像デコーダ6及び音声デコーダ7は、それぞれテーブル情報を参照することによって目的の放送番組を構成する映像データと音声データとを抽出し、MPEG2方式に準拠した伸長処理を行う。
【0048】
ICカード12は、伸長された映像データ及び音声データと、BERと、をホスト装置13に送信する。ホスト装置13とICカード12とは、ホスト装置13をマスターとし、ICカード12をスレーブとするマスター/スレーブ方式の通信を行う。ホスト装置13とICカード12とは9本の接続線で接続される。ICカード12はホスト装置13から電力を供給され、ホスト装置13のコマンドに従って動作する。ホスト装置13は、1本のコマンド線を通じてICカード12にデータ送信要求コマンドを送信し、ICカード12はコマンド線を通じてコマンドに対するレスポンスを送り、コマンド線を通じて、又は4本のデータ線を通じて要求されたデータとを送信する。実施の形態において、ホスト装置13は、ICカード12との通信時に送受信データのクロックを出力する。ICカード12はこのクロックに従ってデータを送受信する。
【0049】
次にホスト装置13を説明する。映像音声加工処理部8は、ICカード12から送信された伸長された映像データ及び音声データと、BERと、を記憶部11に格納する。映像音声加工処理部8は、記憶部11からBERを読み出して、BERの値に応じて、伸長されたデジタル映像データ及びデジタル音声データに対して加工処理等を行う(詳細は後述)。映像音声加工処理部8は、デジタル映像データ及びデジタル音声データをそれぞれD/A変換して出力する。
【0050】
ディスプレイ9は、映像音声加工処理部8が出力した映像信号を表示する。実施の形態1において、ディスプレイ9は、携帯電話に設けられた液晶ディスプレイである。
スピーカ10は、映像音声加工処理部8が出力した音声信号を入力し、音を出す。
【0051】
図2〜図7を用いて、実施の形態1の映像音声加工処理部8が、入力したデジタル映像データ及びデジタル音声データを加工する処理方法を説明する。図2はBER検出部14が映像音声加工処理部8に送出したBERの時間推移に伴う状態変化の例である。図2において、横軸は時間経過、縦軸はBERを示す。ERTH1はBERの同期外れ閾値、ERTH2はBERの同期引き込み(同期確立)閾値である。図2において、BERはS201からS207に順次変化している。
【0052】
BERの同期外れ閾値ERTH1は、同期ロック状態の復調部3が、同期ロックを維持できなくなる閾値である。BERが同期外れ閾値ERTH1より高い場合、復調部3は、受信したデジタルデータストリームの同期を取れなくなる。復調部3は、受信したデジタルデータストリームから同期信号を検出し、同期信号に従ってデータを読み取る故に、デジタルデータストリームから同期信号が抽出できなくなると、映像信号も音声信号も全く読み取れなくなる。
【0053】
BERの同期引き込み閾値ERTH2は、同期が外れている状態の復調部3が、同期ロック状態に引き込まれる閾値である。BERが同期外れ閾値ERTH2より低い場合、復調部3は、受信したデジタルデータストリームから同期信号を検出し、同期信号に従ってデータを読み取れる。BERがERTH2よりも低い場合は、安定した映像及び音声が得られる。
【0054】
ERTH1とERTH2の間の領域では、復調部3は同期ロックに関しヒステリシスを有する。
音声信号・映像信号誤り訂正限界は、復調部3が同期ロックした状態で、BERがそれより高ければ復調部3はデジタルデータの誤りを完全に訂正できなくなり、出力される音声データ又は映像データにデジタルエラーが含まれるようになる閾値である。復調部3が同期ロックした状態で、BERが音声信号・映像信号誤り訂正限界より低ければ、復調部3はデジタルデータの誤りを完全に訂正でき、出力される音声データ又は映像データはデジタルエラーを含まない。復調部3が同期ロックを外れた状態においては、BERが音声信号・映像信号誤り訂正限界より高くても又は低くても、復調部3は映像信号も音声信号も全く読み取れない。
【0055】
BERがS201の受信開始時の初期状態から始まって、図2に示すように変動したとする。映像音声処理部8は、BERがERTH1よりも高い状態(S202及びS206)を状態Aとする。この場合、復調部3が同期ロックを外れた状態である故に、受信装置は映像信号及び音声信号を再生できない。映像音声加工処理部8は映像信号及び音声信号の出力をミュートし、伸長部5に電力を供給している電源回路(図示しない)に、伸長部5への電力供給を停止させる。これに代えて、伸長部5へのシステムクロックの供給を禁止しても良い。
【0056】
映像音声処理部8は、状態遷移図を用いて映像信号及び音声信号の処理を行う。映像音声処理部8は、BERがERTH2以下となる状態(S204及びS207)を状態Cとする。この場合、復調部3が同期ロックした状態であり、BERが音声信号・映像信号誤り訂正限界以下である故に、受信装置は誤りのない映像信号及び音声信号を再生できる。映像音声加工処理部8は映像信号及び音声信号を、加工処理することなく、そのままD/A変換して出力する。
【0057】
BERがERTH2よりも高くERTH1以下である場合は、上記の様に復調部3の同期ロック状態はヒステリシスを有する。映像音声処理部8は、状態AからBERがERTH2よりも高くERTH1以下である状態に遷移した状態(S203)を状態Bとする。この場合、復調部3が同期ロックを外れた状態である故に、状態Aと同様に、受信装置は映像信号及び音声信号を再生できない。映像音声加工処理部8は映像信号及び音声信号の出力をミュートし、伸長部5に電力を供給している電源回路(図示しない)に、伸長部5への電力供給を停止させる。これに代えて、伸長部5へのシステムクロックの供給を禁止しても良い。
【0058】
映像音声処理部8は、状態CからBERがERTH2よりも高くERTH1以下である状態に遷移した状態(S205)を状態Dとする。この場合、復調部3が同期ロックした状態であるが、復号化された映像信号及び音声信号はデジタルエラーを含む可能性がある。映像音声加工処理部8は映像信号及び音声信号に後述の加工をして、D/A変換して出力する。
【0059】
図4は各状態における機能の駆動状態を示す。実施の形態1の受信装置の初期状態、及び状態A〜Dにおいて各機能は図4に示す状態となる。初期状態、状態A及び状態Bにおいて、復調部が受信した放送信号から同期信号を検出してデジタルデータを読み取るという同期ロック機能は正常に動作していない。映像音声加工処理部8は再生した映像信号及び音声信号をミュートして、これらの信号を出力するという再生機能を停止しており、映像信号及び音声信号に所定の加工処理を行う加工機能も停止している。実施の形態1において、復調部3が同期ロックしていない場合、ICカード12がホスト装置13に復号化されたデジタル音声データ又はデジタル映像データを送らない。
【0060】
状態Cにおいて、同期ロック機能は正常に動作しており、映像音声加工処理部8は再生した映像信号及び音声信号を出力している。再生機能は動作状態である。映像信号及び音声信号はデジタルエラーを含まない故に、映像音声加工処理部8は、映像信号及び音声信号に所定の加工処理を行う加工機能を停止している。
状態Dにおいて、同期ロック機能は正常に動作しており、再生機能は動作状態である。映像信号及び音声信号はデジタルエラーを含む可能性がある故に、映像音声加工処理部8は、映像信号及び音声信号に所定の加工処理を行う加工機能を動作させている。
【0061】
図3は実施の形態1の受信装置の各状態の状態遷移図を示す。図3において、受信装置は、初期状態、状態A、状態B、状態C、状態Dの間で遷移する。電源投入時、受信装置は初期状態となる。初期状態において、復調部3は動作していない。映像音声加工処理部8は映像信号及び音声信号の出力をミュートし、伸長部5に電力を供給している電源回路(図示しない)に、伸長部5への電力供給を停止させる。これに代えて、伸長部5へのシステムクロックの供給を禁止しても良い。尚、状態A、状態B、状態C、状態Dにおける動作状態は既に説明した。
【0062】
初期状態から状態Aに遷移する。状態Aにおいて、復調部3は受信機能(復調機能)を作動させる(311)。しかし、復調部3は、BERが高くて受信した放送信号の同期信号を検出出来ない。状態Aと状態Bとの間では相互に遷移可能である(318、319)。状態Bにおいて、状態AにおけるよりBERが低いが、復調部3が受信した放送信号の同期信号を検出出来ない故に、状態Bと状態Aとの動作状態は同一である。状態Bから状態Cに遷移すると、復調部3が同期ロックして、映像音声加工処理部8は再生機能を作動する(312)。状態Cから状態Bには遷移しない。
【0063】
状態Cと状態Dとは相互に遷移可能である。状態Cから状態Dに遷移すると、映像音声加工処理部8は映像信号及び/又は音声信号を加工する加工機能を作動させる(313)。状態Dから状態Cに遷移すると、映像音声加工処理部8は映像信号及び/又は音声信号を加工する加工機能を停止させる(314)。
状態Cと状態Aとは相互に遷移可能である。状態Cから状態Aに遷移すると、復調部3は同期が外れた状態になり、映像音声加工処理部8は再生機能を停止する。状態Aから状態Cに遷移すると、復調部3は同期ロック状態となり、映像音声加工処理部8は再生機能を作動させる。
【0064】
状態Dから状態Aに遷移可能である。状態Dから状態Aに遷移すると、復調部3は同期が外れた状態になり、映像音声加工処理部8は再生機能及び加工機能を停止する(315)。状態Aから状態Dには遷移しない。
状態Bと状態Dとの間の遷移はない。
【0065】
図5は実施の形態1の受信装置の状態遷移フローチャートを示す。映像音声処理部8が、状態遷移を管理する。図5において、電源起動時に初期状態となる(S501)。ICカード12が放送信号の受信を開始する(S502)。以後、ICカード12は放送信号の受信を継続する(S503)。BER検出部14は、受信信号のBERを算出し、映像音声加工処理部8に送る(S504)。
映像音声加工処理部8は、受け取ったBERがERTH1より高いか否かを判断する(S505)。BERがERTH1より高ければ、状態Aとする(S506)。BERがERTH1と同じか低ければ、BERがERTH2より高いか否かを判断する(S507)。
【0066】
BERがERTH2より高ければ、映像音声加工処理部8は、現在の状態が状態C及び状態Dのいずれかであるか(復調部3が同期ロック状態か)否かを判断する(S508)。
現在の状態が状態C及び状態Dのいずれかであれば(復調部3が同期ロック状態であれば)、映像音声加工処理部8は、状態Dとする(S509)。
現在の状態が状態C及び状態Dのいずれでもなければ(復調部3が同期ロック状態から外れていれば)、映像音声加工処理部8は、状態Bとする(S511)。
BERがERTH2と同じか低ければ、映像音声加工処理部8は、状態Cとする(S510)。S506、S509〜S511からS503に戻って、上記の処理を継続する。
【0067】
図6は、実施の形態1において、映像音声加工処理部8がデジタル音声データを処理するフローチャートである。図6において、デジタル音声データの具体的な加工方法を説明する。ICカード12が放送信号を受信する(S601)。映像音声加工処理部8は、状態遷移図より復調部3が同期ロック状態か否かを判断する(S602)。同期ロック状態であれば、映像音声加工処理部8は、BERがERTH2以下か否かを判断する(S603)。BERがERTH2以下であれば、通常の再生方法で再生する(S604)。映像音声加工処理部8は、ICカード12から送られてきた音声信号をそのまま出力する(状態C)。S601に戻る。
【0068】
S603でBERがERTH2より高ければ、S605(状態D)に進む。音声信号を加工するS605(状態D)は、S606とS607とを有する。映像音声加工処理部8は、音声信号出力レベルを小さくする。具体的には、デジタル音声データの振幅を1/10に下げて出力する(S606)。映像音声加工処理部8は、音声信号の高音域をカットする。具体的にはデジタル音声データの5kHzより上の高音域をカットする(S607)。減衰量及び音声信号の通過帯域の設定は任意である。S606とS607のいずれか一方のみを実行しても良い。受信状態が悪化して音声にデジタル雑音が混じっても、ユーザに不快感をあまり感じさせない。音質は劣化するが、ユーザは、音声信号を聞けるので、放送番組の内容を楽しむことが出来る。S601に戻る。
【0069】
S602で復調部3が同期ロック状態でなければ、S608(状態A、B)に進む。S608(状態A、B)は、S609とS610とを有する。映像音声加工処理部8は、音声信号をミュートする(S609)。映像音声加工処理部8は、デジタル音声データを誤り訂正する処理より後の処理回路(伸長部5を含む。)への電力供給を停止する(S610)。これにより省電力を図ることが出来る。S601に戻る。S610において、映像音声加工処理部8は、デジタル音声データを誤り訂正する処理より後の処理回路の少なくとも一部へのクロックの供給を停止しても良い。
【0070】
図7は、実施の形態1において、映像音声加工処理部8がデジタル映像データを処理するフローチャートである。図7において、デジタル映像データの具体的な加工方法を説明する。ICカード12が放送信号を受信する(S701)。映像音声加工処理部8は、状態遷移図より復調部3が同期ロック状態か否かを判断する(S702)。同期ロック状態であれば、映像音声加工処理部8は、BERがERTH2以下か否かを判断する(S703)。BERがERTH2以下であれば、通常の再生方法で再生する(S704)。映像音声加工処理部8は、ICカード12から送られてきた映像信号をそのまま出力する(状態C)。S701に戻る。
【0071】
S703でBERがERTH2より高ければ、S705(状態D)に進む。映像信号を加工するS605(状態D)は、S706とS707とを有する。映像音声加工処理部8は、所定フレーム数(実施の形態1においては5フレーム)の画像を単位として、その中で最もBERが低いフレームを選択する(S706)。映像音声加工処理部8は、選択されたフレームの画像データを出力する(S707)。実施の形態1の映像音声加工処理部8は、30フレーム/秒のレートで入力する画像データをホスト装置13の液晶ディスプレイに6フレーム/秒のレートで表示する。画質劣化が比較的目立たない。ユーザは、映像信号を見ることが出来るので、放送番組の内容を楽しむことが出来る。S701に戻る。
【0072】
映像音声加工処理部が外部に映像信号を出力する装置において、映像音声加工処理部は、選択されたフレームを5回ずつ繰り返し出力し、30フレーム/秒のレートを維持した映像信号を出力しても良い。所定フレーム数の設定は任意である。BERが高いほど所定フレーム数を大きくしても良い。例えばBERが高くなるにつれて、所定フレーム数を5フレームから30フレームまで、5フレームを単位として順次増大させる。
【0073】
S702で復調部3が同期ロック状態でなければ、S708(状態A、B)に進む。S708(状態A、B)は、S709とS710とを有する。映像音声加工処理部8は、映像信号の出力を停止する(S709)。映像音声加工処理部8は、デジタル映像データを誤り訂正する処理より後の処理回路(伸長部5を含む。)への電力供給を停止する(S710)。これにより省電力を図ることが出来る。S701に戻る。S710において、映像音声加工処理部8は、デジタル映像データを誤り訂正する処理より後の処理回路の少なくとも一部へのクロックの供給を停止しても良い。
【0074】
《実施の形態2》
図8を用いて、本発明の実施の形態2の受信装置を説明する。実施の形態2の受信装置は、地上波デジタル放送の受信装置である。
実施の形態1において、BER(Bit Error Rate)検出部14は、復調部3が受信したデジタルデータを誤り訂正する時のBERを算出し、映像音声加工処理部8に送出した。これに代えて、実施の形態2において、BER検出部14は、復調部3がデジタル放送信号(デジタルストリーム)から同期信号を抽出して同期ロックしているか否かの情報(映像信号の同期ロックに関する情報と、音声信号の同期ロックに関する情報と、を別個に送信する。)と、復調部3が受信したデジタルデータを誤り訂正する時の誤り率と、を検出し、映像音声加工処理部8に送信する。
【0075】
ICカード12は、伸長された映像データ及び音声データと、BERと、復調部3が同期ロックしたか否かの情報と、をホスト装置13に送信する。ICカード12から送信された伸長された映像データ及び音声データと、BERと、復調部3が同期ロックしたか否かの情報と、を記憶部11に格納する。映像音声加工処理部8は、記憶部11から復調部3が同期ロックしたか否かの情報と、BERと、を読み出して、これらの情報に応じて、伸長されたデジタル映像データ及びデジタル音声データに対して加工処理等を行う。
【0076】
復調部3は、同期信号を検出し、デジタルデータストリームからデータを読み取ることができた場合に同期ロックした状態となり、同期信号を検出できず、デジタルデータストリームからデータを読み取ることができない場合に同期ロックを外れた状態となる。BER検出部14は、復調部3が同期ロックしたか否かの情報を復調部3から直接取得する。映像音声加工処理部8は、状態遷移図による状態管理を行わなくても、映像信号及び音声信号を適切に処理できる。
【0077】
実施の形態2の映像音声加工処理部8がデジタル音声データを処理するフローチャートは、実施の形態1と同一である(図6)。
図8は、実施の形態2の映像音声加工処理部8がデジタル映像データを処理するフローチャートを示す。図8のフローチャートは、実施の形態1のフローチャート(図6)と類似しており、図6のS708(状態A、B)に代えて、S808(状態A、B)を有する。それ以外の点において、図8は図6と同一である。S808(状態A、B)を説明する。
【0078】
S602で復調部3が同期ロック状態でなければ、S608(状態A、B)に進む。S608(状態A、B)は、S809、S810、S609、S610を有する。映像音声加工処理部8は、映像信号が再生されているか否かをチェックする(S809)。デジタルストリームは、非常にデータ量が多いデジタル映像データの間に、相対的にデータ量が少ないデジタル音声データが所々挿入された構成を有する。復調部3がデジタルストリームの中の同期信号を検出してデジタル映像データを復調できているが、デジタル音声データの同期信号を検出できない場合がある。そのような場合、S809、S810の処理を行う。復調部3が、デジタル映像データもデジタル音声データも復調できない場合がある。そのような場合、S609、S610の処理を行う。尚、デジタル音声データは復調できるが、デジタル映像データが復調できない場合はない。
【0079】
S809において、映像信号が再生されているが音声信号の同期が取れない場合、映像音声加工処理部8は、内蔵する乱数発生器を起動してホワイトノイズを音声信号として出力する(S810)。受信装置が突然全くの無音状態になるというユーザの違和感を和らげ、ユーザに受信装置が故障していないという安心感を与える。S601に戻る。
【0080】
S809において、映像信号も音声信号も同期が取れない場合、映像音声加工処理部8は、音声信号をミュートする(S609)。映像音声加工処理部8は、デジタル音声データを誤り訂正する処理より後の処理回路(伸長部5を含む。)への電力供給を停止する(S610)。これにより省電力を図ることが出来る。S601に戻る。S610において、映像音声加工処理部8は、デジタル音声データを誤り訂正する処理より後の処理回路の少なくとも一部へのクロックの供給を停止しても良い。
【0081】
デジタルノイズを含む音声信号がユーザに与える不快感は、デジタルノイズを含む映像信号がユーザに与える不快感に比べてはるかに大きい。図2において、BERがERTH1とERTH2との間に第3の閾値ERTH3を設定しても良い。映像信号も音声信号も同期ロックした状態(状態D)において、BERが第3の閾値ERTH3以下であれば、映像音声加工処理部8はS605の処理を行う。BERが第3の閾値ERTH3より高ければ、映像音声加工処理部8は内蔵する乱数発生器を起動して、ホワイトノイズを音声信号として出力する(S810)。
【0082】
《実施の形態3》
図9を用いて、本発明の実施の形態3の受信装置を説明する。実施の形態3の受信装置は、地上波デジタル放送の受信装置である。実施の形態3の受信装置は、映像音声加工処理部8がデジタル映像データを処理する方法(図9)のみにおいて、実施の形態1(図7)と異なる。
実施の形態3のBER検出部14は、デジタル映像データのフレーム毎の、フレームを複数の領域に分割した各領域についてのデジタル映像データの誤り率に関する情報を映像音声加工処理部8に送信する。
それ以外の点において、実施の形態3は実施の形態1と同一である(図1〜6)。実施の形態3において、映像音声加工処理部8がデジタル映像データを処理する方法を説明する。
【0083】
図9は、実施の形態3において、映像音声加工処理部8がデジタル映像データを処理するフローチャートである。図9のフローチャートは、実施の形態1のフローチャート(図7)と類似しており、図7のS705(状態D)に代えて、S905(状態D)を有する。それ以外の点において、図9は図7と同一である。S905(状態D)を説明する。
【0084】
S703でBERがERTH2より高ければ、S905(状態D)に進む。映像信号を加工するS905(状態D)は、S906とS907とを有する。映像音声加工処理部8は、所定フレーム数(実施の形態2においては5フレーム)の画像を単位として、各フレームを複数の領域に区切り、各領域について、所定フレームの中で最もBERが低いフレームを選択する(S906)。映像音声加工処理部8は、選択されたフレームの領域の画像データを合成して1フレームの画像データを生成し、出力する(S907)。実施の形態1の映像音声加工処理部8は、30フレーム/秒のレートで入力する画像データをホスト装置13の液晶ディスプレイに6フレーム/秒のレートで表示する。画質劣化が更に目立たない。ユーザは、映像信号を見ることが出来るので、放送番組の内容を楽しむことが出来る。S701に戻る。
【0085】
映像音声加工処理部が外部に映像信号を出力する装置において、映像音声加工処理部は、生成されたフレームを5回ずつ繰り返し出力し、30フレーム/秒のレートを維持した映像信号を出力しても良い。所定フレーム数の設定は任意である。BERが高いほど所定フレーム数を大きくしても良い。例えばBERが高くなるにつれて、所定フレーム数を5フレームから30フレームまで、5フレームを単位として順次増大させる。
【0086】
《実施の形態4》
図10を用いて、本発明の実施の形態4の受信装置を説明する。実施の形態4の受信装置は、地上波デジタル放送の受信装置である。実施の形態4の受信装置は、映像音声加工処理部8がデジタル映像データを処理する方法(図10)のみにおいて、実施の形態1(図7)と異なる。それ以外の点において、実施の形態4は実施の形態1と同一である(図1〜6)。実施の形態4において、映像音声加工処理部8がデジタル映像データを処理する方法を説明する。
【0087】
図10は、実施の形態4において、映像音声加工処理部8がデジタル映像データを処理するフローチャートである。図10のフローチャートは、実施の形態1のフローチャート(図7)と類似しており、図7のS705(状態D)に代えて、S1005(状態D)を有する。それ以外の点において、図10は図7と同一である。S1005(状態D)を説明する。
【0088】
S703でBERがERTH2より高ければ、S1005(状態D)に進む。映像信号を加工するS1005(状態D)は、S1006とS1007とを有する。実施の形態4の映像音声加工処理部8は、受信状態が悪いアナログ放送の画面に現れるホワイトノイズと類似のホワイトノイズを映像信号に加算して出力する。映像音声加工処理部8は、内蔵する乱数発生器を起動させる。乱数発生器はBERに応じたホワイトノイズを生成する(S1006)。実施の形態4において、BERが10倍になると、乱数発生器は振幅が2倍のホワイトノイズを出力する。映像音声加工処理部8は、デジタル映像データにホワイトノイズを加算する(S1007)。S701に戻る。
【0089】
完全なエラー訂正ができなかった画像においては、各ピクセルにおいて、デジタル映像データ及びデジタルノイズのいずれか一方が排他的に表示される(いわゆるノンアディティブミックス)。実施の形態4の映像音声加工処理部8は、各ピクセル毎に、デジタル映像データにホワイトノイズを加算する(いわゆるアディティブミックス)。アナログ放送信号に慣れたユーザにとって自然に感じる劣化した画像を表示できる。これにより美しい表示と完全なノイズとのコントラストを和らげ、ユーザに与える不快感を低減する。ユーザが誤って受信装置が故障と判断する可能性を低くすることが出来る。
【0090】
《実施の形態5》
図11を用いて、本発明の実施の形態5の受信装置を説明する。実施の形態5の受信装置は、ICカード1102とホスト装置1103とを有する。実施の形態5の受信装置は、地上波デジタル放送の受信装置である。実施の形態5の受信装置は、伸長部5がホスト装置1103に属することにおいて、図1の構成とは異なるが、それ以外の点においては同一である。
【0091】
上記の実施の形態において、受信状態を判断する基準として、ビット単位の誤り率(BER)を用いたが、これに代えて、電界強度に応じた電圧、電流又は電力等のCN比(Carrier to Noise ratio)を用いても良い。
【0092】
また、同期外れ閾値ERTH1及び同期引き込み閾値ERTH2は、固定値としたが、適応的に変動する値でも良い。
【0093】
実施の形態1、3〜5において、状態遷移図を用いて受信装置を制御した。状態遷移図に代えて、フラグを用いて受信装置を制御しても良い。その場合、映像音声加工処理部8がフラグの管理を行う。
【0094】
実施の形態2の発明を、実施の形態3〜5に適用しても良い。
実施の形態の受信装置は、地上波デジタル放送の受信装置であった。しかしこれに限られず、受信装置は他の任意の装置であっても良い。本発明は、特に無線伝送信号を受信する受信装置に有用である。例えば、デジタル衛星放送の受信装置、携帯電話等である。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明は、例えば、地上波デジタルテレビジョン放送の受信装置等の無線伝送信号を受信する受信装置に適用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明の実施の形態1における、受信装置の構成の概略を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1における、BERの時間推移の例を示す図
【図3】本発明の実施の形態1における、状態遷移を示す図
【図4】本発明の実施の形態1における、機能の動作状態を示す図
【図5】本発明の実施の形態1における、状態遷移フロー図
【図6】本発明の実施の形態1における、音声信号に関する状態遷移フロー図
【図7】本発明の実施の形態1における、映像信号に関する状態遷移フロー図
【図8】本発明の実施の形態2における、音声信号に関する状態遷移フロー図
【図9】本発明の実施の形態3における、映像信号に関する状態遷移フロー図
【図10】本発明の実施の形態4における、映像信号に関する状態遷移フロー図
【図11】本発明の実施の形態5における、受信装置の構成の概略を示すブロック図
【符号の説明】
【0097】
1 アンテナ
2 チューナ
3 復調部
4 TSデコーダ
5 伸長部
6 映像デコーダ
7 音声デコーダ
8 映像音声加工処理部
9 ディスプレイ
10 スピーカ
11 記憶部
12、1102 受信用ICカード
13、1103 ホスト装置
14 BER検出部
ERTH1 BERの同期外れ閾値
ERTH2 BERの同期引き込み閾値

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル音声データを含むデータストリームを受信する受信部と、
前記デジタルストリームから同期信号を検出し、前記デジタル音声データを検出して復調し、誤り訂正復号化して出力する復調部と、
前記復調部が同期ロック出来ない場合は、前記デジタル音声データをミュートして出力せず、前記復調部が同期ロックし且つ前記デジタル音声データの誤り率が所定値以下若しくはC/N比(Carrier to Noise比)が所定値以上である場合は、前記デジタル音声データをそのまま出力し、前記復調部が同期ロックし且つ前記デジタル音声データの誤り率が所定値より高い若しくはC/N比が所定値より低い場合は、前記デジタル音声データが人間の聴覚に与える刺激を弱めるように前記デジタル音声データに所定の加工をする信号加工処理部と、
を有することを特徴とする受信装置。
【請求項2】
前記信号加工処理部は、前記復調部が同期ロックし且つ前記デジタル音声データの誤り率が所定値より高い若しくはC/N比が所定値より低い場合は、前記デジタル音声データの振幅レベルを低くし及び/又は周波数帯域を狭くして出力することを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
【請求項3】
前記データストリームが更にデジタル映像データを含み、
前記復調部が前記デジタルストリームから同期信号を検出して同期ロックし、デジタル映像データを検出して復調して出力し、前記デジタル音声データを検出できない場合は、前記信号加工処理部は、ホワイトノイズを生成し、音声信号として出力する、ことを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
【請求項4】
デジタル映像データを含むデータストリームを受信する受信部と、
前記デジタルストリームから同期信号を検出し、前記デジタル映像データを検出して復調し、誤り訂正復号化して出力する復調部と、
前記復調部が同期ロック出来ない場合は、前記デジタル映像データをミュートして出力せず、前記復調部が同期ロックし且つ前記デジタル映像データの誤り率が所定値以下若しくはC/N比が所定値以上である場合は、前記デジタル映像データをそのまま出力し、前記復調部が同期ロックし且つ前記デジタル映像データの誤り率が所定値より高い若しくはC/N比が所定値より低い場合は、所定フレーム期間毎に、前記所定フレーム期間の全ての前記デジタル映像データから1フレームの映像データを生成し、出力する信号加工処理部と、
を有することを特徴とする受信装置。
【請求項5】
前記信号加工処理部は、前記復調部が同期ロックし且つ前記デジタル映像データの誤り率が所定値より高い若しくはC/N比が所定値より低い場合は、所定フレーム期間毎に、前記所定フレーム期間の全ての前記デジタル映像データから最も誤り率が低いフレームのデジタル映像データを選択し、出力することを特徴とする請求項4に記載の受信装置。
【請求項6】
前記信号加工処理部は、前記復調部が同期ロックし且つ前記デジタル映像データの誤り率が所定値より高い若しくはC/N比が所定値より低い場合は、所定フレーム期間毎に、前記所定フレーム期間の全てのフレームの前記デジタル映像データを所定の領域に分割し、各領域について全フレームの中で最も誤り率が低いフレームを選択し、選択された各領域の前記デジタル映像データを合成して1フレームの映像データを生成し、出力することを特徴とする請求項4に記載の受信装置。
【請求項7】
デジタル映像データを含むデータストリームを受信する受信部と、
前記デジタルストリームから同期信号を検出し、前記デジタル映像データを検出して復調し、誤り訂正復号化して出力する復調部と、
前記復調部が同期ロック出来ない場合は、前記デジタル映像データをミュートして出力せず、前記復調部が同期ロックし且つ前記デジタル映像データの誤り率が所定値以下若しくはC/N比が所定値以上である場合は、前記デジタル映像データをそのまま出力し、前記復調部が同期ロックし且つ前記デジタル映像データの誤り率が所定値より高い若しくはC/N比が所定値より低い場合は、ホワイトノイズを生成し前記デジタル映像データに加算する信号加工処理部と、
を有することを特徴とする受信装置。
【請求項8】
前記信号加工処理部は、前記デジタル映像データの誤り率が高い程若しくはC/N比が低い程、振幅レベルが大きいホワイトノイズを生成し前記デジタル映像データに加算することを特徴とする請求項7に記載の受信装置。
【請求項9】
前記信号加工処理部が前記デジタル映像データ又は前記デジタル音声データを出力しない場合、出力しないデジタルデータについての、デジタルデータを誤り訂正する処理より後の処理回路の少なくとも一部へのクロックの供給又は電力供給を停止することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかの請求項に記載の受信装置。
【請求項10】
相互に接続されたICカードとホスト装置とを有し、
前記ICカードが前記受信部と前記復調部とを有し、
前記ホスト装置が前記信号加工処理部を有し、
前記ICカードから前記ホスト装置に、復号化された前記デジタル音声データ又は前記デジタル映像データと、前記デジタル音声データ又は前記デジタル映像データの誤り率若しくはC/N比に関する情報と、を送信し、又はそれらに加えて、前記復調部が同期ロックしているか否かの情報を送信する、
ことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかの請求項に記載の受信装置。
【請求項11】
デジタル音声データ又はデジタル映像データを含むデータストリームを受信する受信部と、
前記デジタルストリームから同期信号を検出し、前記デジタル音声データを検出して復調し、誤り訂正復号化して出力する復調部と、
ホスト装置との間で通信を行い、復号化された前記デジタル音声データ又は前記デジタル映像データと、前記デジタル音声データ又は前記デジタル映像データの誤り率又はC/N比に関する情報と、を前記ホスト装置に送信し、又はそれらに加えて、前記復調部が同期ロックしているか否かの情報を前記ホスト装置に送信するインターフェース部と、
を有することを特徴とするICカード。
【請求項12】
デジタル音声データを含むデータストリームを受信する受信部と前記デジタルストリームから同期信号を検出し前記デジタル音声データを検出して復調し誤り訂正復号化して出力する復調部とを有するICカードとの間で通信を行い、復号化された前記デジタル音声データと、前記デジタル音声データの誤り率若しくはC/N比に関する情報と、を前記ICカードから受信し、又はそれらに加えて前記復調部が同期ロックしているか否かの情報を前記ICカードから受信するインターフェース部と、
前記復調部が同期ロック出来ない場合は、前記デジタル音声データをミュートして出力せず、前記復調部が同期ロックし且つ前記デジタル音声データの誤り率が所定値以下若しくはC/N比が所定値以上である場合は、前記デジタル音声データをそのまま出力し、前記復調部が同期ロックし且つ前記デジタル音声データの誤り率が所定値より高い若しくはC/N比が所定値より低い場合は、前記デジタル音声データがユーザの聴覚に与える刺激を弱めるように前記デジタル音声データに所定の加工をする信号加工処理部と、
を有することを特徴とするホスト装置。
【請求項13】
前記信号加工処理部は、前記復調部が同期ロックし且つ前記デジタル音声データの誤り率が所定値より高い若しくはC/N比が所定値より低い場合は、前記デジタル音声データの振幅レベルを低くし及び/又は周波数帯域を狭くして出力することを特徴とする請求項12に記載のホスト装置。
【請求項14】
前記データストリームが更にデジタル映像データを含み、
前記インターフェース部は、前記復調部が前記デジタルストリームから誤り訂正復号化して出力したデジタル映像データを更に受信し、
前記復調部が同期ロックして復号化された前記デジタル映像データを出力し、且つ前記デジタル音声データを検出できない場合は、前記信号加工処理部は、ホワイトノイズを生成し、音声信号として出力する、
ことを特徴とする請求項12に記載のホスト装置。
【請求項15】
デジタル映像データを含むデータストリームを受信する受信部と前記デジタルストリームから同期信号を検出し前記デジタル映像データを検出して復調し誤り訂正復号化して出力する復調部とを有するICカードとの間で通信を行い、復号化された前記デジタル映像データと、前記デジタル映像データの誤り率若しくはC/N比に関する情報と、を前記ICカードから受信し、又はそれらに加えて前記復調部が同期ロックしているか否かの情報を前記ICカードから受信するインターフェース部と、
前記復調部が同期ロック出来ない場合は、前記デジタル映像データをミュートして出力せず、前記復調部が同期ロックし且つ前記デジタル映像データの誤り率が所定値以下若しくはC/N比が所定値以上である場合は、前記デジタル映像データをそのまま出力し、前記復調部が同期ロックし且つ前記デジタル映像データの誤り率が所定値より高い若しくはC/N比が所定値より低い場合は、所定フレーム期間毎に、前記所定フレーム期間の全ての前記デジタル映像データから1フレームの映像データを生成し、出力する信号加工処理部と、
を有することを特徴とするホスト装置。
【請求項16】
前記インターフェース部は、フレーム毎の前記デジタル映像データの誤り率に関する情報を受信し、
前記信号加工処理部は、前記復調部が同期ロックし且つ前記デジタル映像データの誤り率が所定値より高い若しくはC/N比が所定値より低い場合は、所定フレーム期間毎に、前記所定フレーム期間の全ての前記デジタル映像データから最も誤り率が低い映像データを選択し、その映像データを出力することを特徴とする請求項15に記載のホスト装置。
【請求項17】
前記インターフェース部は、フレーム毎の、前記フレームを複数の領域に分割した各領域についての前記デジタル映像データの誤り率に関する情報を受信し、
前記信号加工処理部は、前記復調部が同期ロックし且つ前記デジタル映像データの誤り率が所定値より高い若しくはC/N比が所定値より低い場合は、所定フレーム期間毎に、前記所定フレーム期間の各領域について、全フレームの前記デジタル映像データの中で最も誤り率が低いフレームを選択し、選択された各領域の前記デジタル映像データを合成して1フレームの映像データを生成し、出力することを特徴とする請求項15に記載のホスト装置。
【請求項18】
デジタル映像データを含むデータストリームを受信する受信部と前記デジタルストリームから同期信号を検出し前記デジタル映像データを検出して復調し誤り訂正復号化して出力する復調部とを有するICカードとの間で通信を行い、復号化された前記デジタル映像データと、前記デジタル映像データの誤り率若しくはC/N比に関する情報と、を前記ICカードから受信し、又はそれらに加えて前記復調部が同期ロックしているか否かの情報を前記ICカードから受信するインターフェース部と、
前記復調部が同期ロック出来ない場合は、前記デジタル映像データをミュートして出力せず、前記復調部が同期ロックし且つ前記デジタル映像データの誤り率が所定値以下若しくはC/N比が所定値以上である場合は、前記デジタル映像データをそのまま出力し、前記復調部が同期ロックし且つ前記デジタル映像データの誤り率が所定値より高い若しくはC/N比が所定値より低い場合は、ホワイトノイズを生成し前記デジタル映像データに加算する信号加工処理部と、
を有することを特徴とするホスト装置。
【請求項19】
前記信号加工処理部は、前記デジタル映像データの誤り率が高い程若しくはC/N比が低い程、振幅レベルが大きいホワイトノイズを生成し前記デジタル映像データに加算することを特徴とする請求項18に記載のホスト装置。
【請求項20】
前記信号加工処理部が前記デジタル映像データ又は前記デジタル音声データを出力しない場合、出力しないデジタルデータについての、デジタルデータを誤り訂正する処理より後の処理回路の少なくとも一部へのクロックの供給又は電力供給を停止することを特徴とする請求項12から請求項19のいずれかの請求項に記載のホスト装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2006−67122(P2006−67122A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−245720(P2004−245720)
【出願日】平成16年8月25日(2004.8.25)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】