説明

受容体標的化試薬

本開示により、とりわけ、例えば、受容体標的化試薬を細胞に結合させる方法、および限定されないが癌および炎症性障害などのさまざまな障害を処置するための方法に有用な受容体標的化試薬(例えば、免疫毒性受容体標的化試薬)を取り上げて記載する。また、被験体(例えば、癌もしくは炎症性障害を有する被験体)に対する適切な処置モダリティの選択および/または細胞増殖性障害などのさまざまな障害の処置に有用な方法、組成物およびキットを取り上げて記載する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)上皮成長因子受容体(EGFR)結合剤を含む第1の標的化ドメインと、(b)IL−13受容体(IL13R)結合剤またはIL−4受容体(IL4R)結合剤を含む第2の標的化ドメインを含み、(a)が(b)に結合されている、受容体標的化試薬。
【請求項2】
さらに毒性ドメインを含み、前記受容体標的化試薬が免疫毒性である、請求項1に記載の受容体標的化試薬。
【請求項3】
前記毒性ドメインが小分子を含む、請求項2に記載の受容体標的化試薬。
【請求項4】
前記毒性ドメインが放射線剤を含む、請求項2に記載の受容体標的化試薬。
【請求項5】
前記毒性ドメインが毒性ポリペプチドを含む、請求項2に記載の受容体標的化試薬。
【請求項6】
前記毒性ポリペプチドがジフテリア毒素またはその生物学的に活性な断片である、請求項5に記載の受容体標的化試薬。
【請求項7】
前記毒性ポリペプチドが配列番号9または配列番号10を含む、請求項5に記載の受容体標的化試薬。
【請求項8】
前記毒性ポリペプチドが、配列番号9または配列番号10からなる、請求項5に記載の受容体標的化試薬。
【請求項9】
前記毒性ポリペプチドがシュードモナス体外毒素Aまたはその生物学的に活性な断片を含む、請求項5に記載の受容体標的化試薬。
【請求項10】
前記毒性ポリペプチドがシュードモナス体外毒素Aまたはその生物学的に活性な断片からなる、請求項5に記載の受容体標的化試薬。
【請求項11】
前記毒性ポリペプチドが配列番号11または配列番号12を含む、請求項5に記載の受容体標的化試薬。
【請求項12】
前記毒性ポリペプチドが配列番号11を含み、ここで、
(i)490位のアルギニンがアラニンであり、513位のアルギニンがアラニンであり、432位のアルギニンがグリシンであり、467位のアルギニンがアラニンであり、590位のリジンがセリンである;
(ii)490位のアルギニンがアラニンであり、513位のアルギニンがアラニンであり、467位のアルギニンがグリシンであり、548位のグルタミン酸がセリンであり、590位のリジンがセリンであり、332位のグルタミンがセリンであり、313位のアルギニンがアラニンである;
(iii)490位のアルギニンがアラニンであり、513位のアルギニンがアラニンであり、467位のアルギニンがグリシンであり、548位のグルタミン酸がセリンであり、590位のリジンがセリンであり、432位のグルタミンがグリシンであり、313位のアルギニンがアラニンである;または
(iv)490位のアルギニンがアラニンであり、513位のアルギニンがアラニンであり、467位のアルギニンがグリシンであり、548位のグルタミン酸がセリンであり、590位のリジンがセリンであり、432位のグルタミンがグリシンであり、332位のグルタミンがセリンであり、313位のアルギニンがアラニンである、
請求項11に記載の受容体標的化試薬。
【請求項13】
前記毒性ポリペプチドが、シュードモナス体外毒素(PE)、ブリオジン、ゲロニン、α−サルシン、アスペルギリン、レストリクトシン、アンジオゲニン、サポリン、アブリン、原核生物のリボヌクレアーゼ、真核生物のリボヌクレアーゼ、リシン、アメリカヤマゴボウ抗ウイルスタンパク質(PAP)、アポトーシス促進性ポリペプチド、リボソーム阻害性タンパク質、および前記のもののいずれかの生物学的に活性な断片からなる群より選択される、請求項5に記載の受容体標的化試薬。
【請求項14】
前記アポトーシス促進性ポリペプチドが、Bax、Fas、Bad、Bak、Bim、Bik、Bok、Hrk、FasL、TRAIL、TNF−αである、請求項13に記載の受容体標的化試薬。
【請求項15】
前記毒性ポリペプチドがKDELアミノ酸配列を含む、請求項5〜14いずれか1項に記載の受容体標的化試薬。
【請求項16】
前記第2の標的化ドメインがIL−13受容体(IL13R)結合剤を含む、請求項1〜15いずれか1項に記載の受容体標的化試薬。
【請求項17】
前記IL13R結合剤が、IL13Rに結合する抗体またはその抗原結合断片を含む、請求項1〜16いずれか1項に記載の受容体標的化試薬。
【請求項18】
前記IL13R結合剤がIL−13ポリペプチドまたはそのIL13結合断片を含む、請求項1〜16いずれか1項に記載の受容体標的化試薬。
【請求項19】
前記第2の標的化ドメインがIL4R結合剤を含む、請求項1〜15いずれか1項に記載の受容体標的化試薬。
【請求項20】
前記IL4R結合剤が、IL4Rに結合する抗体またはその抗原結合断片を含む、請求項1〜15または19いずれか1項に記載の受容体標的化試薬。
【請求項21】
前記IL4R結合剤がIL4 ポリペプチドまたはそのIL4R結合断片を含む、請求項1〜15、19または20いずれか1項に記載の受容体標的化試薬。
【請求項22】
前記EGFR結合剤がEGFRに結合する抗体またはその抗原結合断片を含む、請求項1〜21いずれか1項に記載の受容体標的化試薬。
【請求項23】
前記EGFR結合剤が上皮成長因子ポリペプチドまたはそのEGFR結合断片を含む、請求項1〜22いずれか1項に記載の受容体標的化試薬。
【請求項24】
前記EGFR結合剤が、ベータセルリンポリペプチド、トランスフォーミング増殖因子αポリペプチド、アンフィレギュリンポリペプチド、エピレギュリンポリペプチド、ヘパリン結合EGFポリペプチド、または前記のもののいずれかのEGFR結合断片を含む、請求項1〜22いずれか1項に記載の受容体標的化試薬。
【請求項25】
前記抗体または抗原結合断片がモノクローナル抗体またはポリクローナル抗体である、請求項17、20または22いずれか1項に記載の受容体標的化試薬。
【請求項26】
前記抗体または抗原結合断片が、ヒト化抗体、完全ヒト抗体、単鎖抗体、キメラ抗体、Fab断片、F(ab’)2断片、Fab’断片、F断片、またはscF断片である、請求項17、20または22いずれか1項に記載の受容体標的化試薬。
【請求項27】
(a)と(b)とが共有結合によって互いに結合されている、請求項1〜26いずれか1項に記載の受容体標的化試薬。
【請求項28】
(a)と(b)とが非共有結合によって互いに結合されている、請求項1〜26いずれか1項に記載の受容体標的化試薬。
【請求項29】
(a)と(b)とが、結合ペアの第1と第2の構成要素によって互いに結合されている、請求項28に記載の受容体標的化試薬。
【請求項30】
前記結合ペアがストレプトアビジンとビオチンである、請求項29に記載の受容体標的化試薬。
【請求項31】
(a)、(b)、または(a)と(b)とが前記毒性ドメインに非共有結合によって結合されている、請求項2〜30いずれか1項に記載の受容体標的化試薬。
【請求項32】
(a)、(b)、または(a)と(b)とが前記毒性ドメインに共有結合によって結合されている、請求項2〜30いずれか1項に記載の受容体標的化試薬。
【請求項33】
前記受容体標的化試薬が、(a)と(b)を含む融合タンパク質を含む、請求項1〜32いずれか1項に記載の受容体標的化試薬。
【請求項34】
前記受容体標的化試薬が、前記毒性ドメインおよび(a)、(b)、または(a)と(b)を含む融合タンパク質を含む、請求項1〜30、32または33いずれか1項に記載の受容体標的化試薬。
【請求項35】
さらに1つ以上のリンカー部分を含む、請求項1〜34いずれか1項に記載の受容体標的化試薬。
【請求項36】
前記1つ以上のリンカー部分の少なくとも1つがペプチドである、請求項35に記載の受容体標的化試薬。
【請求項37】
前記1つ以上のリンカー部分が配列番号13または配列番号14を含む、請求項35または36に記載の受容体標的化試薬。
【請求項38】
配列番号1〜3または18〜20を含む、請求項1〜37いずれか1項に記載の受容体標的化試薬。
【請求項39】
さらに1つ以上の検出可能な標識を含む、請求項1〜38いずれか1項に記載の受容体標的化試薬。
【請求項40】
請求項1〜39いずれか1項に記載の受容体標的化試薬および薬学的に許容され得る担体を含む医薬組成物。
【請求項41】
請求項33〜40に記載の受容体標的化試薬の融合タンパク質をコードする核酸。
【請求項42】
配列番号1〜3または18〜20のいずれかを含む融合タンパク質をコードする、請求項41に記載の核酸。
【請求項43】
配列番号1〜3または18〜20のいずれかからなる融合タンパク質をコードする、請求項41または42に記載の核酸。
【請求項44】
請求項41〜43いずれか1項に記載の核酸を含むベクター。
【請求項45】
請求項41〜43いずれか1項に記載の核酸を含む発現ベクター。
【請求項46】
請求項45に記載のベクターを含む細胞。
【請求項47】
請求項46に記載の細胞を、融合タンパク質の発現に適した条件下で培養することを含む、融合タンパク質の作製方法。
【請求項48】
さらに、前記タンパク質を前記細胞または該細胞を培養した培養培地から単離することを含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
細胞を、請求項1〜39いずれか1項に記載の受容体標的化試薬と接触させることを含む、受容体標的化試薬を細胞に結合させるためのインビトロ方法。
【請求項50】
さらに、前記細胞がEGFR、IL13R、またはIL4Rを発現しているかどうかを調べることを含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記細胞がEGFRを発現している、請求項49または50に記載の方法。
【請求項52】
前記細胞がIL13Rを発現している、請求項49〜51いずれか1項に記載の方法。
【請求項53】
前記細胞がIL4Rを発現している、請求項49〜52いずれか1項に記載の方法。
【請求項54】
前記細胞が癌細胞である、請求項49〜53いずれか1項に記載の方法。
【請求項55】
前記癌細胞が、肺癌細胞、乳癌細胞、結腸癌細胞、膵臓癌細胞、腎臓癌細胞、胃癌細胞、肝臓癌細胞、骨癌細胞、血液の癌細胞、神経組織癌細胞、黒色腫細胞、甲状腺癌細胞、卵巣癌細胞、精巣癌細胞、前立腺癌細胞、頚部癌細胞、膣癌細胞、および膀胱癌細胞からなる群より選択される、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記癌細胞が膠芽細胞腫細胞である、請求項54に記載の方法。
【請求項57】
前記細胞が哺乳動物細胞である、請求項49〜56いずれか1項に記載の方法。
【請求項58】
前記細胞がヒト細胞である、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
被験体に、請求項1〜39いずれか1項に記載の受容体標的化試薬を送達することを含む、受容体標的化試薬を細胞に結合させるためのインビボ方法。
【請求項60】
前記被験体が哺乳動物である、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記被験体がヒトである、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
さらに、前記被験体が癌を有するかどうかを調べることを含む、請求項59〜61いずれか1項に記載の方法。
【請求項63】
前記被験体が癌を有する、請求項59〜62いずれか1項に記載の方法。
【請求項64】
前記癌が、肺癌、乳癌、結腸癌、膵臓癌、腎臓癌、胃癌、肝臓癌、骨癌、血液の癌、神経組織の癌、黒色腫、甲状腺癌、卵巣癌、精巣癌、前立腺癌、頚部癌、腟癌、または膀胱癌である、請求項62または63に記載の方法。
【請求項65】
前記癌が膠芽細胞腫である、請求項62〜64に記載の方法。
【請求項66】
さらに、癌の1つ以上の細胞がEGFR、IL13R、またはIL4Rを発現しているかどうかを調べることを含む、請求項62〜65いずれか1項に記載の方法。
【請求項67】
細胞を、請求項2〜39いずれか1項に記載の受容体標的化試薬と接触させることを含み、該細胞と該受容体標的化試薬との接触により該細胞が死滅する、細胞を死滅させるためのインビトロ方法。
【請求項68】
癌を有する、癌を有することが疑われる、または癌が発生するリスクのある被験体に、請求項2〜39いずれか1項に記載の受容体標的化試薬を送達することを含む、被験体の癌を処置するためのインビボ方法。
【請求項69】
前記送達が、前記受容体標的化試薬を前記被験体に投与することを含む、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記送達が、医薬用の前記受容体標的化試薬を前記被験体に静脈内投与することを含む、請求項68または69に記載の方法。
【請求項71】
前記受容体標的化試薬が前記被験体に体循環ポンプを用いて投与される、請求項68〜71いずれか1項に記載の方法。
【請求項72】
被験体に請求項2〜39いずれか1項に記載の免疫毒性受容体標的化試薬を送達する前に、
該被験体に、(a)上皮成長因子受容体(EGFR)結合剤と、(b)IL−13受容体(IL13R)結合剤またはIL−4受容体(IL4R)結合剤を含み、(a)が(b)に結合されている受容体標的化試薬であって、毒性ドメインを含まない受容体標的化試薬を送達することを含む、
被験体において免疫毒性療法の毒性副作用を低下させるための方法。
【請求項73】
癌を有する被験体に、(a)上皮成長因子受容体(EGFR)結合剤と、(b)IL−13受容体(IL13R)結合剤またはIL−4受容体(IL4R)結合剤を含み、(a)が(b)に結合されている受容体標的化試薬であって、毒性ドメインを含まない受容体標的化試薬を送達すること;および
該被験体に、請求項2〜39いずれか1項に記載の免疫毒性受容体標的化試薬を送達すること
を含む、癌を処置するための方法。
【請求項74】
哺乳動物の癌の1つ以上の癌細胞がIL4R、IL13R、またはEGFRを発現しているかどうかを調べること;および
該1つ以上の癌細胞がIL4R、IL13R、またはEGFRを発現している場合、該哺乳動物に対する治療用薬剤として請求項2〜39いずれか1項に記載の受容体結合剤を選択すること
を含む、癌を有する哺乳動物に対する治療用薬剤を選択するための方法。
【請求項75】
さらに、前記癌の1つ以上の癌細胞がIL4R、IL13R、またはEGFRを発現していると判定された後、前記被験体に前記選択した受容体標的化試薬を送達することを含む、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
哺乳動物の癌の1つ以上の癌細胞がIL4R、IL13R、またはEGFRを発現している場合、癌を有する哺乳動物に対する治療用薬剤として、請求項2〜39いずれか1項に記載の受容体結合剤を選択すること
を含む、癌を有する哺乳動物に対する治療用薬剤を選択するための方法。
【請求項77】
さらに、前記哺乳動物の1つ以上の癌細胞がIL4R、IL13R、またはEGFRを発現しているかどうかを調べることを含む、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
請求項1〜39いずれか1項に記載の受容体標的化試薬;および
該受容体標的化試薬を投与するための使用説明書
を備えるキット。
【請求項79】
さらに、1種類以上の薬学的に許容され得る担体を備える、請求項78に記載のキット。
【請求項80】
さらに、薬学的に許容され得る希釈剤を備える、請求項79に記載のキット。
【請求項81】
IL4R、IL13R、またはEGFRの発現を検出するための1種類以上の試薬;および
IL4R、IL13R、またはEGFRの発現が検出された場合、請求項1〜39いずれか1項に記載の該受容体標的化試薬を投与するための使用説明書
を備えるキット。
【請求項82】
容器;および
該容器に内包された組成物
を備える、物品であって、
該組成物が哺乳動物の癌を処置するための活性剤を含み、該組成物内の該活性剤が請求項2〜39いずれか1項に記載の免疫毒性受容体標的化試薬を含み、該容器が、該組成物が哺乳動物の癌の処置における使用のためのものであることを示すラベルを有する、物品。
【請求項83】
前記ラベルが、さらに、前記哺乳動物の癌の1つ以上の癌細胞がIL4R、IL13R、またはEGFRを発現している場合に前記組成物を該哺乳動物に投与することを示すものである、請求項82に記載の物品。
【請求項84】
さらに、前記活性剤を前記哺乳動物に投与するための使用説明書を備える、請求項82または83に記載の物品。
【請求項85】
前記組成物が、乾燥または凍結乾燥されている、請求項82〜84いずれか1項に記載の物品。

【図3】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図16】
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【図17A】
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【図17B】
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【図17C】
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【図17D】
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【図17E】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22A】
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【図22B】
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【図22C】
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【図23】
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【図24】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図14】
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【図25A】
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【図25B】
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【図25C】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29A】
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【図29B】
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【図29C】
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【図29D】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公表番号】特表2010−536386(P2010−536386A)
【公表日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−522105(P2010−522105)
【出願日】平成20年8月25日(2008.8.25)
【国際出願番号】PCT/US2008/074268
【国際公開番号】WO2009/029601
【国際公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(305023366)リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ ミネソタ (39)
【Fターム(参考)】