説明

口の処置を施すための歯科用細片

薄膜の裏打ちおよび接着層を含む歯科用細片、その接着層は水膨潤性ポリマーおよび少なくとも1種類の有効薬剤を含む;ならびにその使用を、本明細書において記述する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
[0001] この出願は2010年1月29日に出願された米国仮特許出願第61/299,719号に対して優先権を主張し、それを本明細書にそのまま援用する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 口の処置を施すためのシート様の支持体(substrates)は、しばらく前から知られていた。そのような支持体により、取り扱い、保管および包装が容易なことのような、様々な利点が達成される。そのような支持体の1つの不利な点は、口の処置の適用は一般に歯の表面に限定され、歯の間の領域に浸透しないことである。
【発明の概要】
【0003】
[0003] 1観点において、薄膜の裏打ち、その薄膜の裏打ちの一方の表面上の接着層が含まれる歯科用細片を提供し、その接着層には水膨潤性ポリマーおよび少なくとも1種類の有効薬剤が含まれ、ここでその薄膜の裏打ちはその接着層から分離可能である。
【0004】
[0004] 別の観点において、有効薬剤を口腔中の歯の間の空間に送達する方法を提供し、それには歯科用細片を歯に適用すること(ここでその歯科用細片には薄膜の裏打ち、およびその薄膜の裏打ちの一方の表面上の接着層が含まれ、その接着層には水膨潤性ポリマーおよび少なくとも1種類の有効薬剤が含まれ、ここでその薄膜の裏打ちはその接着層から分離可能である)、その接着層を口腔中に存在する唾液により可溶化することが含まれ、ここでその接着層は膨張して歯の間の空間に浸透し、それによりその有効薬剤を送達する。
【0005】
[0005] 別の観点において、その歯の間の空間から物質を除去する方法を提供し、それには歯科用細片を歯に適用すること(ここでその歯科用細片には薄膜の裏打ち、およびその薄膜の裏打ちの一方の表面上の接着層が含まれ、その接着層には水膨潤性ポリマーおよび少なくとも1種類の有効薬剤が含まれ、ここでその薄膜の裏打ちはその接着層から分離可能である)、その接着層を口腔中に存在する唾液により可溶化すること(ここでその接着層は膨張して歯の間の空間に浸透する)、およびその歯科用細片を歯から除去することが含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】[0006] 図1は、歯科用細片およびその歯科用細片の適用の前の歯を示す。
【図2】[0007] 図2は、歯科用細片が適用された歯を示す。
【図3】[0008] 図3は、歯科用細片のその歯からの除去を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[0009] その詳細な記述および具体的な実施例は、本発明の態様を示すものであるが、説明の目的のみを意図しており、本発明の範囲を限定することは意図していないことは理解されるべきである。
【0008】
[0010] その記述および具体的な実施例は、本発明の態様を示すものであるが、説明の目的のみを意図しており、本発明の範囲を限定することは意図していない。さらに、明記された特徴を有する多数の態様の列挙は、追加の特徴を有する他の態様またはその明記された特徴の異なる組み合わせを組み込む他の態様を除外することを意図していない。具体的な実施例は、この発明の組成物および方法をどのように作る、および用いるかの説明的な目的のために提供されており、別途明示的に記載しない限り、この発明の所与の態様が作られた、もしくは試験された、または作られていない、もしくは試験されていないという表現であることを意図していない。
【0009】
[0011] 本明細書で用いられる際、用語“約”は、この発明の組成物または方法のパラメーターに関する値に適用される場合、その値の計算または測定が、その組成物または方法の化学的または物理的特性への実質的な作用を有しないいくらかのわずかな不正確さを許すことを示す。何らかの理由により、“約”により提供される不正確さが、当技術において別の状況でこの通常の意味では理解されない場合、本明細書で用いられる“約”はその値の5%までの可能性のある変動を示す。
【0010】
[0012] 本明細書で言及される際、全ての組成上の百分率は、別途明記されない限り、その組成物全体の重量によるものである。
[0013] 一部の態様は、口の処置を施すための除去可能な歯科用細片に関する。一部の態様において、歯科用細片は薄膜の裏打ちおよびその薄膜の裏打ちの一方の表面上の接着層が含まれる少なくとも2つの層を含む。一部の態様において、その接着層は水膨潤性ポリマーおよび少なくとも1種類の有効薬剤を含み、ここでその薄膜の裏打ちはその接着層から分離可能である。他の態様において、その歯科用細片を歯に適用して口の処置、例えばその歯の間の空間への有効薬剤の送達および/または歯の間の領域からの物質の除去を施すことができる。
【0011】
[0014] 一部の態様において、その薄膜の裏打ちは非毒性の材料を含む。適切な非毒性の支持体の例には、テキスタイル、布、木質複合材料、樹脂、エラストマー、および紙が含まれるが、それらに限定されない。その態様において薄膜の裏打ちとして有用な適切な材料は米国特許出願第2002/0187112号において論じられており、その開示を本明細書にそのまま援用する。薄膜の裏打ちに適した他の材料には、セルロース誘導体、例えばエチルセルロースおよびセルロースアセテート、ポリ塩化ビニル、ろう剤、Parafilms(商標)、ポリエチレン、ポリビニルアルコール、Teflon(商標)およびそれらの誘導体が含まれる。
【0012】
[0015] 一部の態様において、その薄膜の裏打ちには1種類以上のエチレンオキシドポリマー類が含まれる。薄膜の裏打ちに有用なエチレンオキシドポリマー類には、ホモポリマー類が含まれてよい。薄膜の裏打ちに有用なエチレンオキシドポリマー類には、約10,000ダルトン〜約10,000,000ダルトンの様々な分子量のエチレンオキシドポリマー類の混合物も含まれてよい。一部の態様において、薄膜の裏打ちに有用なエチレンオキシドポリマー類には、約100,000〜約1,500,000ダルトンの様々な平均分子量のエチレンオキシドポリマー類の混合物が含まれる。そのようなエチレンオキシドポリマー類は、様々な供給源から商業的に入手可能である。10,000〜1,000,000ダルトンの平均分子量範囲を有するポリ(エチレン)オキシドポリマー類がDow Chemical Companyから商品名“Polyox”の下で入手可能である。その薄膜の裏打ちの形成において有用な適切なPolyox材料は、例えば米国特許第6,419,906号、第6,503,486号、第6,514,483号において記述されている(それぞれの開示を本明細書にそのまま援用する)。
【0013】
[0016] 一部の態様において、薄膜の裏打ちにはさらに1種類以上の可塑剤が含まれる。薄膜の裏打ちへの組み込みに有用な可塑剤の例には、グリコール類、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール(PEG)、多価アルコール類、例えばグリセリンおよびソルビトールならびにグリセロールエステル類、例えばグリセロールトリアセテートが含まれるが、それらに限定されない。一部の態様において、その可塑剤はその薄膜の約1重量%〜約30重量%で存在する。他の態様において、その可塑剤は約3〜約20重量%で存在する。
【0014】
[0017] 本発明のエチレンオキシドポリマー薄膜は、一般に用いられる押出成形または溶媒流延プロセスを用いて調製することができる。例えば、ポリ(エチレン)オキシドを溶媒流延することにより薄膜を調製するため、そのエチレンオキシドポリマーまたはポリマーの混合物を、そのポリマーと適合する十分な量の溶媒中で溶解させることができる。一部の態様において、適切な溶媒の例には水、アルコール類、アセトン、酢酸エチルまたはそれらの混合物が含まれるが、それらに限定されない。
【0015】
[0018] 場合により可塑剤が含まれる態様において、そのポリマーの溶液が形成された後、可塑剤を攪拌しながら添加し、溶解を助けるために必要であれば、ポリマーおよび可塑剤の透明で均質な溶液が形成されるまで熱を加える。その溶液を適切な担体物質の上にコートし、乾燥させて薄膜を形成することができる。
【0016】
[0019] 一部の態様において、その担体物質は、そのポリマー溶液が、しみ込んでその2種類の支持体の間に破壊的な結合を形成することなく、意図される担体の幅にわたって均等に広がることを可能にする表面張力を有する。適切な担体物質の例には、ガラス、ステンレス鋼、テフロン、ポリエチレンを含浸させたクラフト紙、および同様のものが含まれる。一部の態様において、その薄膜は乾燥している。一部の態様において、その薄膜は接着層でコートされている。一部の態様において、その薄膜は切断されて適切な大きさおよび形状の断片になる。
【0017】
[0020] 一部の態様において、その薄膜の裏打ちは約20〜約1500μmの厚さ、好ましくは約30〜約1000μmの厚さを有する。その薄膜の裏打ちは約2〜約20cmの長さ、好ましくは約4〜約14cmの長さを有する。その薄膜の裏打ちは約1〜約6cmの幅、好ましくは約2〜約4cmの長さを有する。
【0018】
[0021] 一部の態様において、接着層はその薄膜の裏打ちの一方の表面に適用される。一部の態様において、その接着層はその薄膜の裏打ちの上にコートされる。一部の態様において、その接着層は水和可能である。一部の態様において、その接着層には水膨潤性ポリマーおよび/または少なくとも1種類の有効薬剤が含まれる。
【0019】
[0022] 一部の態様において、その接着層は、水または唾液と接触する前に、粘着性、または接着性の性質を示してよい。他の態様において、その接着層は、水または唾液と接触した際に増大した粘着性または接着性の性質を示す。一部の態様において、その接着層には水膨潤性ポリマーが含まれる。一部の態様において、その接着層には有効薬剤が含まれる。一部の態様において、その接着層には適切な添加物、例えば香味料、着色剤、および/または保存剤が含まれる。
【0020】
[0023] 一部の態様において、その接着層には膨潤剤の実質的な部分が含まれ、またはそれを有する。適切な膨潤剤には、例えば、生理用品、例えばおむつ、おりものシート(panty liners)の中の、生理処理用品(feminine hygiene)および同様のものの中の吸収性ポリマーとして知られる膨潤剤が含まれ、それらは超吸収性ポリマーとして知られている。そのような膨潤性物質は水性の液体を吸収し、自然にそれらと組み合わさって比較的安定なゲルを形成する。それらはそれらの重量の何倍もの水性の液体を吸収し、永久に保持することができる。結果として生じたゲルは、連結されて三次元の網状構造になり液体媒体中に埋め込まれた鎖様の分子を有する。
【0021】
[0024] 接着層に有用な水膨潤性ポリマーの例が米国特許第6,153,222号において記述されており、その開示を本明細書にそのまま援用する。一部の態様において、その水膨潤性ポリマーにはヒドロゲルが含まれる。一部の態様において、そのヒドロゲルには架橋されたカルボキシビニルコポリマー類および/または架橋されたポリビニルピロリドン類が含まれる。接着層に適した他の物質には、ポリエチレンオキシド(Polyoxとしても知られている)、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリアクリル酸およびその誘導体、Carbopol、ポリビニルアルコールおよびアルギネートが含まれる。その接着性物質の重量は、約1mgから20gmまで、好ましくは約20mgから5gmまでの範囲であることができる。
【0022】
[0025] 一部の態様において、その水膨潤性ポリマーは水または唾液と接触すると膨張し、その最初の体積の数倍を帯びる(assumes)。一部の態様において、そのポリマーには水または唾液と接触すると発泡する物質が含まれる。そのような物質は、重炭酸ナトリウム、およびクエン酸もしくはアスコルビン酸、または他の生理的に許容できる酸であってよい。これらの発泡体が用いられる場合、その接着層の急速な分解(一部の場合においてそれが望ましい)は、その水膨潤性ポリマーの体積の発展的増大により、選択的にさらに加速される可能性がある。
【0023】
[0026] 一部の態様において、その接着層および/またはその接着層の中に組み込まれてよい水膨潤性ポリマーに1種類以上の有効薬剤を含浸させる。他の態様において、その接着層および/または水膨潤性ポリマーは1種類以上の有効薬剤でコートされる。
【0024】
[0027] 一部の態様において、その接着層には、様々な口の、または全身の疾患または病気に関連する症状を予防、処置および/または低減する1種類以上の有効薬剤が含まれていてよい。有用な有効薬剤には、以下のものが含まれる当技術において既知の、または開発された全ての有効薬剤が含まれる:ステロイド類、NSAID類、フッ化物イオンの源、ポリカルボキシレートポリマー類、ポリビニルメチルエーテル/無水マレイン酸(PVME/MA)コポリマー類、アルギニンエステル、亜鉛イオンの源、(例えばクエン酸亜鉛、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、および同様のもの)、第1スズイオンの源、デルモピノール、歯石制御剤、抗細菌剤、トリクロサンおよびその塩類、クロルヘキシジン、アレキシジン、ヘキセチジン、サンギナリン、塩化ベンザルコニウム、サリチルアニリド、臭化ドミフェン、塩化セチルピリジニウム(CPC)、塩化テトラデシルピリジニウム(TPC)、塩化N−テトラデシル−4−エチルピリジニウム(TDEPC)、オクテニジン(octenidine)、オクタピノール(octapinol)、ナイシン、銅イオンの源、精油、フラノン、抗炎症剤、抗プラーク剤、抗酸化剤、ならびにバクテリオシン類、およびその塩類、ホノキオール(honokiol)、ビタミン類、抗付着剤、タンパク質性薬剤、ペプチド類、ならびに同様のもの。
【0025】
[0028] 有効薬剤にはプラーク低減剤、例えば酵素および非酵素タンパク質が含まれてよい。プラーク低減酵素の例には、パパイン、クリラーゼ(krillase)、およびグルコアミラーゼが含まれる。プラーク低減非酵素タンパク質の例には、乳タンパク質が含まれる。一部の態様において、その有効薬剤にはシリカが含まれる。
【0026】
[0029] 一部の態様において、その薄膜の裏打ちはその接着層から分離可能である。一部の態様において、その薄膜の裏打ちは口の処置を施す前、間、または後に、その接着層から分離可能であってよい。一部の態様において、その薄膜の裏打ちはその薄膜の裏打ちに圧力を加えた際にその接着層から分離可能である。例えば、その歯科用細片を歯に適用する際に、人の指によりその薄膜の裏打ちに圧力を加えてよい。
【0027】
[0030] 一部の態様において、その歯科用細片は口の処置を施すために歯に適用されてよい。一部の態様において、その口の処置は、有効薬剤の歯への、および歯の間の空間への送達を含む。一部の態様において、その有効薬剤はその歯間の空間において細菌の増殖を阻害する。一部の態様において、その口の処置は歯および歯の間の空間からの物質の除去を含む。
【0028】
[0031] その歯科用細片は、口の処置を施すために歯に適用されてよい。一部の態様において、その口の処置は、有効薬剤の歯および歯の間の空間への送達を含む。一部の態様において、その口の処置は歯および歯の間の空間からの物質の除去を含む。
【0029】
[0032] 図1は、歯科用細片10の歯12への適用の前の歯科用細片10および歯12を示す。図2で示すように、歯科用細片10を、歯12および薄膜の裏打ちの間の接着層を用いて、歯12に適用することができる。一部の態様において、圧力を加えて歯科用細片10を歯12に対して押し付けてよい。一部の態様において、歯科用細片10に加えられる圧力は、その接着層を歯12の間の空間に浸透させることができる。一部の態様において、そのような圧力はその薄膜の裏打ちをその接着層の全部または一部から分離することができる。
【0030】
[0033] 一部の態様において、口腔中に存在する唾液はその接着層を可溶化する。唾液と接触すると、場合により水膨潤性ポリマーが含まれるその接着層は膨張することができる。一部の態様において、その接着層は膨張して歯12の間の空間に浸透するであろう。一部の態様において、有効薬剤がその接着層から歯12の間の空間に送達される。一部の態様において、その薄膜の裏打ちはその接着層の膨張の際にその接着層の全部または一部から分離する。
【0031】
[0034] 一部の態様において、その有効薬剤は歯12および歯12の間の空間から物質を除去する。そのような物質には、例えばプラーク、細菌、または食物の粒子が含まれる可能性がある。一部の態様において、その有効薬剤はその物質を溶解させる。一部の態様において、その有効薬剤はその物質を緩くする。一部の態様において、その有効薬剤はその物質に付着し、それのその歯および周囲の組織への接着を低減する。この態様において、その物質(およびそれに付着した有効薬剤)を、次いで例えばすすぎまたはブラッシングにより除去することができる。
【0032】
[0035] 歯科用細片10は、その口の処置の意図される結果を達成するのに必要な長さの時間の間歯12の上に残しておいてよい。図3で示したように、次いで歯科用細片10を歯12から除去してよい。一部の態様において、その薄膜の裏打ちおよび接着層は歯科用細片10の除去の際に互いに付着したままである。その物質は歯科用細片10の除去の際に歯12および歯12の間の空間から除去されてよい。
【0033】
[0036] 一部の態様において、その薄膜の裏打ちは、その接着層の歯12への付着の際に、その接着層の全部または一部から分離してよい。一部の態様において、その接着層は薄膜の裏打ちの除去の後歯12の上および歯12の間の空間に残存する。その有効薬剤は、その薄膜の裏打ちが除去された後、歯12および歯12の間の空間から物質を除去し続けることができる。一部の態様において、その接着層および任意の水膨潤性ポリマー(単数または複数)および有効薬剤(単数または複数)およびその接着層の接着性物質に接着している可能性のあるあらゆる物質は、その薄膜の裏打ちの除去の際に、機械的研磨により歯12および歯12の間の空間から除去されてよい。
【符号の説明】
【0034】
10 歯科用細片
12 歯

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下:
薄膜の裏打ち、および
薄膜の裏打ちの一方の表面上の接着層、接着層は水膨潤性ポリマーおよび少なくとも1種類の有効薬剤を含む、
を含む歯科用細片であって、薄膜の裏打ちが接着層から分離可能である、前記歯科用細片。
【請求項2】
有効薬剤がプラーク低減剤を含む、請求項1に記載の歯科用細片。
【請求項3】
プラーク低減剤が酵素を含む、請求項1〜2のいずれか1項に記載の歯科用細片。
【請求項4】
酵素がパパイン、クリラーゼ、およびグルコアミラーゼからなるグループから選択される少なくとも1つのメンバーを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の歯科用細片。
【請求項5】
プラーク低減剤が非酵素タンパク質を含む、請求項2〜4のいずれか1項に記載の歯科用細片。
【請求項6】
非酵素タンパク質が乳タンパク質を含む、請求項5に記載の歯科用細片。
【請求項7】
有効薬剤がシリカを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の歯科用細片。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の歯科用細片であって、有効薬剤がトリクロサン、クロルヘキシジン、アレキシジン、ヘキセチジン、サンギナリン、塩化ベンザルコニウム、サリチルアニリド、臭化ドミフェン、塩化セチルピリジニウム(CPC)、塩化テトラデシルピリジニウム(TPC)、塩化N−テトラデシル−4−エチルピリジニウム(TDEPC)、オクテニジン、オクタピノール、ナイシン、亜鉛イオンの源、銅イオンの源、精油、フラノン、酵素、ペプチド、タンパク質、バクテリオシンおよびその塩類、ならびにホノキオールからなるグループから選択される少なくとも1つのメンバーを含む、前記歯科用細片。
【請求項9】
水膨潤性ポリマーがヒドロゲルを含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の歯科用細片。
【請求項10】
ヒドロゲルが架橋されたカルボキシビニルコポリマーおよび/または架橋されたポリビニルピロリドンを含む、請求項9に記載の歯科用細片。
【請求項11】
薄膜の裏打ちが非毒性の支持体を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の歯科用細片。
【請求項12】
薄膜の裏打ちがテキスタイル、布、木質複合材料、樹脂、エラストマー、および紙からなるグループから選択される少なくとも1つのメンバーを含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の歯科用細片。
【請求項13】
薄膜の裏打ちがエチレンオキシドポリマーを含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の歯科用細片。
【請求項14】
薄膜の裏打ちがホモポリマー類を含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載の歯科用細片。
【請求項15】
薄膜の裏打ちが約10,000ダルトン〜約10,000,000ダルトンの様々な分子量のエチレンオキシドポリマー類の混合物を含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載の歯科用細片。
【請求項16】
薄膜の裏打ちが約100,000ダルトン〜約1,500,000ダルトンの様々な分子量のエチレンオキシドポリマー類の混合物を含む、請求項1〜15のいずれか1項に記載の歯科用細片。
【請求項17】
薄膜の裏打ちが口の処置の前に接着層から分離可能である、請求項1〜16のいずれか1項に記載の歯科用細片。
【請求項18】
薄膜の裏打ちが口の処置の間に接着層から分離可能である、請求項1〜16のいずれか1項に記載の歯科用細片。
【請求項19】
薄膜の裏打ちが口の処置の後に接着層から分離可能である、請求項1〜16のいずれか1項に記載の歯科用細片。
【請求項20】
薄膜の裏打ちに圧力を加えた際に薄膜の裏打ちが接着層から分離可能である、請求項1〜19のいずれか1項に記載の歯科用細片。
【請求項21】
薄膜の裏打ちが約20〜1500μmの厚さを有する、請求項1〜20のいずれか1項に記載の歯科用細片。
【請求項22】
歯科用細片を口腔中で歯に適用する際に、接着層が口腔中に存在する唾液により可溶化される、請求項1〜21のいずれか1項に記載の歯科用細片。
【請求項23】
接着層の可溶化の際に、有効薬剤が歯および歯の間の空間に送達される、請求項1〜22のいずれか1項に記載の歯科用細片。
【請求項24】
薄膜の歯からの除去の際に歯の間の空間から物質が除去される、請求項1〜23のいずれか1項に記載の歯科用細片。
【請求項25】
物質がプラークを含む、請求項1〜24のいずれか1項に記載の歯科用細片。
【請求項26】
物質が細菌を含む、請求項1〜24のいずれか1項に記載の歯科用細片。
【請求項27】
物質が食物の粒子を含む、請求項1〜24のいずれか1項に記載の歯科用細片。
【請求項28】
以下:
歯科用細片を歯に適用すること、ここで、その歯科用細片には
薄膜の裏打ち、および
薄膜の裏打ちの一方の表面上の接着層が含まれ、接着層は水膨潤性ポリマーおよび少なくとも1種類の有効薬剤を含み、
ここで薄膜の裏打ちは接着層から分離可能である、
接着層を口腔中に存在する唾液により可溶化すること、ここで、接着層は膨張して歯の間の空間に浸透し、それにより有効薬剤を送達する、
を含む、有効薬剤を口腔中の歯の間の空間に送達する方法。
【請求項29】
以下:
歯科用細片を歯に適用すること、ここで、歯科用細片には
薄膜の裏打ち、および
薄膜の裏打ちの一方の表面上の接着層が含まれ、接着層は水膨潤性ポリマーおよび少なくとも1種類の有効薬剤を含み、
ここで薄膜の裏打ちは接着層から分離可能である、
接着層を口腔中に存在する唾液により可溶化すること、ここで、接着層は膨張して歯の間の空間に浸透する、ならびに
その歯科用細片を歯から除去し、それによりその物質を除去すること、
を含む、歯の間の空間から物質を除去する方法。
【請求項30】
有効薬剤がその物質を排除する、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
その物質が機械的研磨により除去される、請求項29〜30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
その物質がプラークを含む、請求項29〜31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
その物質が細菌を含む、請求項29〜32のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
その物質が食物の粒子を含む、請求項29〜33のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
有効薬剤がプラーク低減剤を含む、請求項28または請求項29に記載の方法。
【請求項36】
プラーク低減剤が酵素を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
酵素がパパイン、クリラーゼ、およびグルコアミラーゼからなるグループから選択される少なくとも1つのメンバーを含む、請求項35〜36のいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
プラーク低減剤が非酵素タンパク質を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項39】
非酵素タンパク質が乳タンパク質を含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
有効薬剤がシリカを含む、請求項28または請求項29に記載の方法。
【請求項41】
水膨潤性ポリマーがヒドロゲルを含む、請求項28または請求項29に記載の方法。
【請求項42】
ヒドロゲルが架橋されたカルボキシビニルコポリマーおよび/または架橋されたポリビニルピロリドンを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
薄膜の裏打ちが非毒性の支持体を含む、請求項28または請求項29に記載の方法。
【請求項44】
薄膜の裏打ちがテキスタイル、布、木質複合材料、樹脂、エラストマー、および紙からなるグループから選択される少なくとも1つのメンバーを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
薄膜の裏打ちがエチレンオキシドポリマーを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
薄膜の裏打ちがホモポリマーを含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
薄膜の裏打ちが約10,000ダルトン〜約10,000,000ダルトンの様々な分子量のエチレンオキシドポリマー類の混合物を含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
薄膜の裏打ちが約100,000ダルトン〜約1,500,000ダルトンの様々な分子量のエチレンオキシドポリマー類の混合物を含む、請求項46に記載の方法。
【請求項49】
さらに薄膜の裏打ちを口の処置の前に接着層から分離することを含む、請求項28または請求項29に記載の方法。
【請求項50】
さらに薄膜の裏打ちを口の処置の間に接着層から分離することを含む、請求項28または請求項29に記載の方法。
【請求項51】
さらに薄膜の裏打ちを口の処置の後に接着層から分離することを含む、請求項28または請求項29に記載の方法。
【請求項52】
さらに薄膜の裏打ちに圧力を加えることにより薄膜の裏打ちを接着層から分離することを含む、請求項28または請求項29に記載の方法。
【請求項53】
薄膜が約20〜1500μmの厚さを有する、請求項28または請求項29に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−518132(P2013−518132A)
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−551348(P2012−551348)
【出願日】平成23年1月28日(2011.1.28)
【国際出願番号】PCT/US2011/023023
【国際公開番号】WO2011/094613
【国際公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(590002611)コルゲート・パーモリブ・カンパニー (147)
【氏名又は名称原語表記】COLGATE−PALMOLIVE COMPANY
【Fターム(参考)】