説明

口中溶解性医薬組成物およびその製造方法

1以上の活性成分、100ミクロン以上の粒子サイズを有する1以上の充填剤、高含量且つ所望量の二酸化ケイ素、1以上の崩壊剤、および所望により発泡性カップルを含有する口中崩壊性および/または溶解性経口医薬組成物を開示し、該組成物は望ましい口中感および速い口中崩壊時間等の良好な官能特性を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
一般に、本発明は、ドラッグデリバリーシステムの分野、特に改善された口中溶解性医薬組成物に関する。より具体的には、最良の実施の形態に従って以下に記載される具体的な態様には限定されないが、本発明は、良好な官能特性を有する速崩壊性および/または速溶解性医薬組成物および該組成物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
医薬組成物は、活性成分のその放出部位への送達を最適化するためにある。コンプライアンスの問題は、特に小児麻痺や高齢者、固形製剤を飲み込むことが困難な患者にとって重要になってくる。懸濁液の医薬組成物のような経口液体製剤は、この問題を回避するために錠剤に代わるものとして開発されてきた;しかしながら、懸濁液はしばしば熱力学的に不安定であり、保存している間に凝固および沈殿する場合がある。投与量の正確さが、患者に投与する際の懸濁液中の均一な粒子の分布に依存しているため、しばしば問題となる。
【0003】
しばしば、通常の唾液の流れ以外に水を必要とすることなく、口中で急速に崩壊して分散する錠剤を服用することが望ましい。そのような錠剤は、大きなカプセルまたは錠剤の咀嚼や嚥下が困難なことの多い高齢者や子供にとって服用しやすい。
【0004】
患者にとっての便利さは、所定の投薬計画に関するコンプライアンスにつながり、結果として治療上の利点につながる。口中崩壊性錠剤は、嚥下が困難な患者への薬物の便利な投与のための実行可能な代替物である。
【0005】
速崩壊性経口医薬組成物は、心地よい風味、良好な口中感を有しており、迅速に溶けなければならない。一般に、速崩壊性錠剤は、口中で60秒以内、より好ましくは30秒以内に溶けなければならない。そのほか、咀嚼または水や他の液体の飲用を必要とすることなく、いつでもどこでも服用することができる。口中に入れてからこれらの錠剤は数秒で崩壊し、口腔および食道粘膜を介して薬物の迅速な吸収がもたらされ、初回通過代謝を最小限にしつつ活性成分のより速いバイオアベイラビリティーが得られる。
【0006】
速崩壊性錠剤の製剤化において開発された広く知られている技術は、凍結乾燥法、直接圧縮法および成型法を採用している。
【0007】
速溶解性/崩壊性ドラッグデリバリーシステムのいくつかは、小児麻痺や高齢者の患者を支援するために開発されてきた。Cardinal HealthcareからZydisTMが販売されているが、これは口中溶解時間が2〜5秒の凍結乾燥錠剤である(米国特許第4,642,903号、第5,188,825号、第5,631,023号、第5,827,541号および第5,976,577号)。凍結乾燥法は、時間、コストのかかる設備や製造条件等の要因に起因する制約がある。このほか、この方法により製剤化された製剤は、物理的耐性に欠けるため特別な取扱いと包装が必要である。
【0008】
Cima labsからOrasolvTM(米国特許第5,178,878号)およびDurasolvTM(米国特許第6,221,392号および第6,024,981号)が販売されているが、OrasolvTMは直接圧縮法による発泡錠剤であり、コートされた薬物の粉末として、ほとんど目立たない発泡の助けによって口中の唾液中に分散し、1分以内に溶ける。薬物の不快なフレーバーは薬物のコーティングと発泡によって対処している。OrasolvTMの主な欠点は、圧縮が弱いことに起因する機械的強度である。DurasolvTMは、最近導入された直接圧縮法による錠剤であり、打錠の際により高い圧力を用いて圧縮しているのでOrasolvTMよりも高い機械的強度を有している。
【0009】
米国特許出願第20030175339号(Bunick, Frank, J.ら)は、活性成分、水和物および水膨潤性賦形剤(崩壊剤)を含有するチュアブル錠または崩壊錠の製造方法を開示している。この製造方法は、錠剤にエネルギー(熱)を与えて軟化作用を達成している。また直接圧縮法による錠剤の製造も開示されている。錠剤の脆砕性は2%未満である。
【0010】
米国特許出願第20050019398号(Kothari, Sanjeevら)は、フラッシュメルト(flash-melt)経口医薬組成物を製造するための顆粒を開示している。この製剤は、超崩壊剤(super disintegrant)、分散剤、分配剤(distributing agent)および結合剤を含有してなる。開示されている組成物は、場合により、甘味料や香料を含有する。当該公報には、この顆粒は、溶媒の助けを借りることなく調製され、安定であることが開示されている。この出願はまた、錠剤が口中で25秒以内に崩壊することを開示している。崩壊剤としてケイ酸カルシウムが用いられている。
【0011】
速崩壊性医薬組成物においては、一般に、マンニトールは、負の溶解熱(negative heat of solution)および甘味のために賦形剤(希釈剤)として用いられる。Khankariら(米国特許第6、221392および米国特許第6024981)によれば、速崩壊性医薬組成物における大きな粒子サイズを有する直接圧縮性のマンニトールの使用は、組成物が迅速に溶けないので問題である。このことは、医薬組成物崩壊剤としてのマンニトールのザラザラしたまたは砂のような口中感に寄与する。Khankariらは、細かい粒子径のマンニトールを含む、非直接圧縮性の充填剤を導入する製造方法を採用した。流動性や圧縮性などの組成物の特性を適当に調整することにより、Khankariらは、直接圧縮法によっても錠剤を製造することを可能とした。
【0012】
大きな粒子サイズを有するマンニトールなどの充填剤の使用に関連する問題点であって、その問題点が、圧縮法によって製造した場合の充填剤のザラザラしたまたは砂のような質感に起因する口中感等の官能特性であるような問題点に対する解決策を教示した先行文献は存在しない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従って、本発明の目的は、従来技術に課されていた制約を改善することである。従って、本発明は、ザラザラ感または他の不快な感覚を最小限に抑えた、患者の口中で迅速に溶解することが可能な、改善された口中溶解性医薬製剤を提供する。
【0014】
発明の概要
本発明の第一の目的は、良好な口中感および速い口中崩壊時間といった良好な官能特性をもたらす、改善された口中崩壊性および/または溶解性医薬組成物を提供することである。
【0015】
本発明のさらなる目的は、患者の口中で約60秒以内に溶けることが可能な、改善された口中崩壊性および/または溶解性医薬組成物を提供することである。
【0016】
本発明のさらなる目的は、ザラザラしたまたは砂のような感覚を最小限に抑えた、改善された口中崩壊性および/または溶解性医薬組成物を提供することである。
【0017】
本発明のさらなる目的は、改善された口中崩壊性および/または溶解性医薬組成物であって、所望量の二酸化ケイ素を用いた、該組成物に対して良好なクッション効果をもたらし、従ってより迅速な溶解となめらかな口中感がもたらされる医薬組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
以下の態様は、最良の実施の形態にしたがって本発明の目的をさらに記載するものであるが、開示する発明は以下に記載した具体的な態様には限定されない。
【0019】
本発明の好ましい態様によれば、本発明は、錠剤である、改善された口中崩壊性または溶解性医薬組成物を提供する。この製剤は、1以上の活性成分、1以上の充填剤、所望量のクッション剤として作用する二酸化ケイ素および他の製薬的に許容し得る賦形剤を含んでなる。
【0020】
本発明の他の態様によれば、該製剤は、1以上の活性成分、大きな粒子サイズを有する1以上の充填剤、好ましくはマンニトール、他の製薬的に許容し得る賦形剤を、使用した充填剤粒子間のより良好なクッション効果をもたらし故に服用した際により迅速な溶解となめらかな口中感をもたらす、高含量および所望量の二酸化ケイ素、好ましくはコロイド状またはアモルファス二酸化ケイ素と共に含有してなる。
【0021】
本発明のさらなる他の態様によれば、該製剤は、1以上の活性成分、100〜450ミクロンまたはそれ以上の粒子サイズを有するマンニトール、約3〜30重量%のコロイド状および/またはアモルファス二酸化ケイ素、1以上の崩壊剤および所望により発泡性カップルを含有してなる。本医薬組成物はまた、他の慣用の賦形剤(崩壊剤、界面活性剤、香料助剤、滑沢剤、甘味料、流動促進剤、粘着防止剤またはそれらの混合物等)を含有する。特に記載しない限り、本明細書に記載する百分率組成は、最終の組成物または製剤の合計重量に対する百分率を意味する。本発明の組成物および製剤においては同じ意味で用いられる。
【0022】
本発明のさらなる他の態様によれば、当該製剤は、1以上の活性成分、平均粒子サイズが100ミクロン〜450ミクロン、好ましくは150〜350ミクロンのマンニトール、好ましくは約5〜30重量%、最も好ましくは5〜15%、の量のコロイド状および/またはアモルファス二酸化ケイ素、1以上の崩壊剤および所望により発泡性カップルを含有する。本医薬組成物はさらに、他の慣用の賦形剤(崩壊剤、界面活性剤、香料助剤、滑沢剤、粘着防止剤、流動促進剤、甘味料およびそれらの混合物等)を含有する。これら慣用の賦形剤は、本発明においては、約10%の量で用いられる。
【0023】
本発明の他の態様によれば、以下の工程を含んでなる、口中崩壊性および/または溶解性医薬組成物の製造方法を提供する:
(a)活性成分と二酸化ケイ素および適当な量の慣用の賦形剤との顆粒を調製する工程であって、ここで二酸化ケイ素の量は約5〜30重量%であり;
(b)工程(a)で得られた顆粒を充填剤および適当な量の慣用の賦形剤と混合する工程であって、ここで充填剤の粒子サイズは150ミクロン以上であり、充填剤は直接圧縮可能なものであるか、造粒形態、圧縮形態または凝集形態であり;
(c)工程(b)で得られた混合物を圧縮して口中崩壊性および/または溶解性錠剤を形成する。
【0024】
本発明の組成物はまた、分散性錠剤、顆粒、およびそのような顆粒を含むサシェなどの他の投与形態に変換するができることは当業者に認識されよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
発明の詳細な記載
本明細書は、本発明とされるものを具体的に特定し別途その範囲を主張する特許請求の範囲で締めくくられるが、本発明は、以下の詳細な記載を読み、記載された実施例を検討することにより、さらに容易に理解することができよう。
【0026】
口中溶解性または口中崩壊性錠剤の製剤では、食味となめらかな口中感は、速崩壊性または速溶解性経口医薬組成物の必須の特性の一つであり、治療上の利益の増大をもたらす患者のコンプライアンスに相互に関係する。速溶解性経口錠剤の製剤において賦形剤の役割は重要である。賦形剤が製剤中に含有されていると、望ましい官能特性と製品の有効性が付与される。
【0027】
本発明は、1以上の活性成分、100〜450ミクロンまたはそれ以上の粒子サイズを有する1以上の充填剤、クッション剤として高含量のコロイド状および/またはアモルファスの二酸化ケイ素、1以上の崩壊剤、所望により発泡性カップルを含有する、速崩壊性または速溶解性経口医薬組成物に関し、該組成物は、迅速な口中崩壊時間や望ましい口中感といった良好な官能特性を有する。
【0028】
本発明の「速崩壊性/速溶解性経口」は、60秒以内または最も好ましくは30秒以内に、錠剤が崩壊または分散することを意味する。
【0029】
本発明の「望ましい口中感」とは、医薬組成物が、ザラザラした、砂のようなまたは粉っぽい不快感を最小限に抑えつつ、なめらかな口中感を伴って口中で崩壊することを意味する。
【0030】
本発明の「平均粒子サイズ」とは、サンプルの50%がそのサイズより小さく、50%がそのサイズより大きい、任意の成分のサンプルの体積平均粒子径を意味する。
【0031】
本発明の「活性成分」とは、いずれかの治療カテゴリーの所望の治療応答を示し、迅速にまたは経口で崩壊する経口医薬組成物の製剤化に有用である、任意の医薬成分またはその製薬的に許容し得る塩、誘導体、溶媒和物または水和物を意味する。
【0032】
一態様では、本発明の医薬組成物のための医薬成分は、水溶性でも非水溶性でもよい。本発明において水溶性の活性成分とは、活性成分1を溶解するのに溶媒100以上を必要としないものであり、非水溶性の活性成分とは、活性成分1を溶解するのに溶媒100を超えて必要とするものである。本発明について考えられる好ましい活性成分としては、オランザピン、リスペリドン、ロペラミド、ロラタジン、ヒドロクロロチアジド、ドネペジルハイドロクロライド、オンダンセトロン、クロナゼパム、クロザピン、ミトラザピン、オクスカルバザピン、トラマドール、セチリジン、ラモトリジン、アルプラゾラム、リザトリプタン、ゾルミトリプタン、モンテルカスト、デスロラタジンおよびパラセタモールが挙げられるがこれに限定されない。
【0033】
本発明の組成物に用いられる充填剤はポリオールかまたは関連化合物である。ポリオールの適当な例としては、マンニトール、デキストレート、NF水和物(EmedexTM)、ソルビトール、キシリトール、スクロース、フルクトース、ラクチトール、エリスリトールまたはマルチトールが挙げられるがこれに限定されない。当該ポリオールの粒子は、本質的に、結晶性またはアモルファスまたは凝集性のテクスチャーを有している。最も好ましくは、ポリオールは好ましくは30〜80重量%の量の、100〜450ミクロンの大きな粒子サイズを有するマンニトールである。本発明において、マンニトールの好ましい平均粒子サイズは150〜350ミクロンである。マンニトールは、製造元のRoquette(フランス)から、Pearlitol l60C、Pearlitol 200DC、Pearlitol 300DC、Pearlitol 400DCおよびPearlitol 500DC等の種々の商品名で商業的に入手可能である。Pearlitol l60Cの平均粒子サイズは160ミクロンである。同様にPearlitol 300DC、400DCおよび500DCの平均粒子サイズは、それぞれ250、360および520ミクロンである。マンニトールはまた、Pearlitol SD200およびPearlitol SD300の商品名でも商業的に入手可能である。上記の種類のマンニトールはすべて、本発明の医薬組成物に企図される。
【0034】
さらに、クッション剤、即ちコロイド状および/またはアモルファスの二酸化ケイ素があり、これは、錠剤の潤滑性ために通常用いられる量(およそ1%)と比較して有意に高い割合(3%を超える)で用いられる。マンニトールの大きな粒子または結晶は、圧縮の間に互いに融合して溶融線上で強固な結合を形成したものである。これらの圧縮されたマンニトールの粒子は、ゆっくりと溶解してコンパクトな状態となる傾向にあり、口中溶解錠剤として服用した場合、ザラザラとした口中感をもたらす。錠剤中の、高含量のコロイド状および/またはアモルファス二酸化ケイ素の存在は、マンニトール粒子間のサンドウィッチまたはクッション効果をもたらし、圧縮時により弱い粒子−粒子間相互作用をもたらし、従って、溶解がより迅速になり、口に入れた時になめらかな口中感をもたらす。
【0035】
意外にも、高含量のコロイド状および/またはアモルファス二酸化ケイ素の添加により、充填剤の表面が覆われ、従って、医薬組成物の崩壊時間が60秒未満であるので医薬組成物の口中での崩壊に影響することなく、充填剤に起因するザラザラしたまたは砂の様な口中感が改善されるかまたは完全にマスクされることが見出された。さらに、コロイド状および/またはアモルファス二酸化ケイ素は、マトリックスに親水性をもたらし、これは本発明の速崩壊性医薬組成物の崩壊を改善する。高含量(5%〜30%)のコロイド状またはアモルファス二酸化ケイ素は、マンニトール結晶間に、より大きな親水特性とクッション特性を付与し、口中感を改善する。
【0036】
コロイド状二酸化ケイ素は、Aerosil(登録商標)(Degussa、ドイツ);Cab-O-Sil(登録商標)(Cabot Corporation)およびWacker HDK(Wacker-Chemie GmbH)のように、3つの異なる供給元から異なる商品名で商業的に入手可能である。同様に、アモルファス二酸化ケイ素はJ. M. Huber Corporation USAからRxCIPIENTS(登録商標)GL200の商品名で商業的に入手可能である。アモルファス二酸化ケイ素もまた、Grace GmbH GermanyからSyloid(登録商標)244FPとして商業的に入手可能である。上記の商品名のコロイド状二酸化ケイ素およびアモルファス二酸化ケイ素はすべて本発明の医薬組成物に企図される。
【0037】
本発明の医薬組成物はまた、崩壊剤、界面活性剤、香料助剤、滑沢剤、甘味料、流動促進剤、粘着防止剤およびそれらの混合物等の、速崩壊性経口医薬組成物の美観や性能に影響する他の慣用の賦形剤を含有してなる。当該製剤に用いられるこのさらなる賦形剤は少量、例えば錠剤の合計重量の一般に10%未満、好ましくは5%、で存在する。
【0038】
滑沢剤は、口中崩壊性医薬組成物の性能に影響を与えることができるさらなる賦形剤としてここで用いられる。滑沢剤の適当な例としては、タルク、フマル酸ステアリルナトリウム(Pruv)、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ベヘン酸グリセリン、ステアリン酸およびモノステアリン酸グリセリンが挙げられるがこれに限定されない。本発明の組成物に好ましい滑沢剤はフマル酸ステアリルナトリウムまたはステアリン酸マグネシウムまたはそれらの組合せである。好ましくは、本発明の滑沢剤は約1〜5重量%の量で用いられる。
【0039】
本発明の任意選択的な発泡性カップルとしては、ガスを発生する化合物が挙げられる。
好ましい発泡性カップルは、可溶性の酸供給源、即ち炭酸一水素アルカリ塩または他の炭酸供給源、と口中の水および/または唾液との間の化学反応によってガスを発生する。このような化学反応によって生じたガスは二酸化炭素である。酸供給源は、食用として安全であれば任意のものでよく、例えばクエン酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、アジピン酸、コハク酸などの食用酸が挙げられる。炭酸塩供給源としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムなどの乾燥した固形の炭酸塩および二炭酸塩が挙げられる。本発明に好ましい発泡性カップルは、クエン酸(無水)/炭酸水素ナトリウムである。好ましくは、発泡性カップルは約10〜30重量%の量で用いられる。
【0040】
本明細書において用いられる崩壊剤は、それらの崩壊能力の主体をなす、水溶性、非水溶性または水膨潤性の材料からなる群から選択することができる。本発明の医薬組成物に適当な崩壊剤としては、微晶性セルロース(商品名Avicel(登録商標)でFMC Biopolymerから商業的に入手可能)、クロスカルメロースナトリウム(商品名Ac-Di-Sol(登録商標)でFMC Biopolymerから商業的に入手可能)、架橋ポリビニルピロリドン(Kollidon CL、Kollidon CL-MとしてBASF Pharmaから、およびpolyplasdone(登録商標)XL、XL-10としてP Pharma Technologiesから商業的に入手可能)、デンプングリコール酸ナトリウム(Primogel(登録商標)としてDMV Internationalから、およびExplotab(登録商標)としてJRS Pharmaから商業的に入手可能)、ポラクリリンカリウム(Amberlite(登録商標)IRP-88としてから商業的に入手可能)、プレゼラチン化デンプン(商品名デンプン1500としてcolorconから商業的に入手可能)および低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L-HPC)が挙げられるがこれに限定されない。本発明の組成物に好ましい崩壊剤は、架橋ポリビニルピロリドンまたはポラクリリンカリウムまたはそれらの組合せである。好ましくは、本発明の崩壊剤は、約10〜30重量%の量で用いられる。
【0041】
本発明の組成物に用いられる適当な香料助剤としては、ストロベリー、チェリー、ペパーミント、カシスおよびカラメル等が挙げられるがこれに限定されない。好ましい香料助剤は、ストロベリーまたはチェリーまたはオレンジまたはそれらの組合せである。好ましくは、本発明の香料助剤は約1〜5重量%の量で用いられる。
【0042】
本発明の組成物に適当な界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリソルベート80、ポリソルベート60、ポリソルベート40、ポリソルベート20、ポロクサマー、およびモノステアリン酸グリセリンが挙げられるがこれに限定されない。好ましい界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウムである。好ましくは、本発明の界面活性剤は約1〜4重量%の量で用いられる。
【0043】
適当な甘味料としては、例えば、アスパルテーム(Nutra sweet)、サッカリンおよびそれらの塩、アセサルフェームカリウム、スクラロース、スクロース、フルクトースなどが挙げられる。好ましい甘味料はアスパルテーム(Nutra sweet)である。好ましくは、本発明の甘味料は約1〜5重量%の量で用いられる。
【0044】
本発明の適当な粘着防止剤および流動促進剤としては、タルク、ケイ酸マグネシウム、コロイド状二酸化ケイ素、アモルファス二酸化ケイ素およびケイ酸カルシウムが挙げられるがこれに限定されない。好ましい流動促進剤および粘着防止剤は、アモルファス二酸化ケイ素、コロイド状二酸化ケイ素またはそれらの組合せである。好ましくは粘着防止剤および流動促進剤は、約0.5〜2重量%の量で用いられる。
【0045】
本発明の口中崩壊性および/または溶解性医薬組成物の製造方法は、以下の工程を含んでなる:
(a)活性成分と二酸化ケイ素および適当な量の慣用の賦形剤との顆粒を調製する工程であって、ここで二酸化ケイ素の量は約5〜30重量%であり;
(b)工程(a)で得られた顆粒を充填剤および適当な量の慣用の賦形剤と混合する工程であって、ここで充填剤の粒子サイズは150ミクロン以上であり、充填剤は直接圧縮可能なものであるか、造粒形態、圧縮形態または凝集形態であり;
(c)工程(b)で得られた混合物を圧縮して口中崩壊性および/または溶解性錠剤を形成する。
【0046】
本発明の医薬組成物は、好ましくは湿式造粒法用いることによって製造する。但し、本製造法は、湿式造粒法に限定されず、直接圧縮法または乾式造粒法等の他の製法もまた採用することができる。
【実施例】
【0047】
以下の非限定的な実施例によって本発明の具体的な態様を説明する。但し、これらは、何ら本発明の範囲の限定を意図するものではない。
【0048】
実施例1
パラセタモール速経口崩壊型性/溶解性錠剤:
組成:
【表1】

【0049】
製造方法:
1.パラセタモール(5mg)、コロイド状二酸化ケイ素(8mg)、フマル酸ステアリルナトリウム(2mg)、クロスポビドン(7.5mg)およびアスパルテーム(2mg)を秤量し、80メッシュシーブスクリーンに通し、5〜10分混合した。
2.工程(1)で得られた混合粉末をラウリル硫酸ナトリウム水溶液と共に造粒して湿塊を得た。
3.工程(2)で得られた湿塊を20メッシュシーブスクリーンに通し、40〜65℃の適当な温度にて乾燥させた。
4.工程(3)の乾燥させた顆粒を40メッシュシーブスクリーンに通した。
5.ペパーミントフレーバー(0.6mg)、カシスフレーバー(0.4mg)、クエン酸(1.5mg)、フマル酸(3mg)、炭酸水素ナトリウム(8mg)、コロイド状二酸化ケイ素(1mg)、フマル酸ステアリルナトリウム(1mg)、クロスポビドン(10mg)を80メッシュシーブスクリーンでふるいにかけた。
6.デキストレートNF水和物(Emdex)を50メッシュシーブスクリーンでふるいにかけ、工程(5)の成分と混合した。
7.工程(6)で得られた混合物をさらに、工程(4)で得られた薬物顆粒と混合した。
8.工程(7)の滑沢性混合物を適当な打錠機を用いて錠剤に圧縮した。
【0050】
錠剤はロータリー圧縮機を用いて圧縮した。得られた錠剤は硬度約6〜7Nであり、脆砕性は1.2%であった。インビトロでの崩壊時間は14〜15秒であり、インビボでの崩壊時間は20〜24秒であった。
【0051】
実施例2
オランザピン速口中崩壊性/溶解性錠剤:
組成:
【表2】

【0052】
製造方法
1.オランザピンおよびコロイド状二酸化ケイ素を混合し、80メッシュシーブスクリーンでふるいにかけた。
2.微晶性セルロース、フマル酸ステアリルナトリウム、アスパルテーム、ポラクリリンカリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、マンニトール(Pearlitol SD 200)を80メッシュシーブスクリーンでふるいにかけ、共に混合した。
3.工程(1)および(2)で得られた混合粉末をさらに80メッシュシーブスクリーンでふるいにかけた。
4.マンニトール(Pearlitol SD 300)を50メッシュシーブスクリーンでふるいにかけた。
5.工程(3)および(4)で得られた混合粉末をさらに混合し、錠剤の製造に用いた。
【0053】
錠剤はロータリー圧縮機を用いて圧縮した。得られた錠剤の硬度は約6〜8Nであり、脆砕性は0.47%であった。平均インビトロ崩壊時間は6〜8秒であった。
【0054】
実施例3
塩酸ドネペジル速口中崩壊性/溶解性錠剤.
組成:
【表3】

【0055】
製造方法:
1.ドネペジル(5mg)、コロイド状二酸化ケイ素(5mg)、フマル酸ステアリルナトリウム(2mg)、クロスポビドン(10mg)およびアスパルテーム(2mg)を秤量し、80メッシュシーブスクリーンに通し、5〜10分混合した。
2.工程(1)で得られた混合粉末を4%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液と共に造粒し、湿塊を得た。
3.工程(2)で得られた湿塊を40〜65℃の適当な温度にて乾燥した。
4.工程(3)の乾燥させた顆粒を40メッシュシーブスクリーンに通した。
5.マンニトール(Pearlitol 300DC)を50メッシュシーブスクリーンでふるいにかけた。
6.ストロベリーフレーバーおよび残りの量のコロイド状二酸化ケイ素(1mg)、フマル酸ステアリルナトリウム(1mg)およびクロスポビドン(6mg)を秤量し、80メッシュシーブスクリーンに通し、共に混合した。
7.工程(6)で得られた混合物(6)を工程(5)のマンニトール(Pearlitol 300DC)と混合した。
8.工程(7)で得られた混合物をさらに、工程(4)で得られた乾燥した顆粒と混合して滑沢性混合物を得た。
9.工程(8)の滑沢性混合物を適当な打錠機を用いて錠剤に圧縮した。
【0056】
錠剤はロータリー圧縮機を用いて圧縮した。得られた錠剤の硬度は約6〜7Nであり、脆砕性は1.2%であった。平均インビトロ崩壊時間は8〜10秒であった。
【0057】
実施例4
ヒドロクロロチアジド速口中崩壊性/溶解性錠剤:
組成:
【表4】

【0058】
製造方法
1.ヒドロクロロチアジド(12.5mg)、コロイド状二酸化ケイ素(10mg)、フマル酸ステアリルナトリウム(4mg)、クロスポビドン(20mg)およびアスパルテーム(2mg)を秤量し、60メッシュシーブスクリーンに通し、5〜10分間混合した。
2.工程(2)で得られた混合粉末をラウリル硫酸ナトリウムおよびポリビニルピロリドンの水溶液と共に造粒し、湿塊を得た。
3.工程(2)で得られた湿塊を40〜65℃の適当な温度にて乾燥した。
4.工程(3)の乾燥させた顆粒を30メッシュシーブスクリーンに通した。
5.マンニトール(Pearlitol 300 DC)を50メッシュシーブスクリーンでふるいにかけた。
6.ストロベリーフレーバー(1mg)および残りの量のコロイド状二酸化ケイ素(1.5mg)、フマル酸ステアリルナトリウム(1.5mg)およびクロスポビドン(10mg)を秤量し、80メッシュシーブスクリーンに通し、共に混合した。
7.工程(6)で得られた混合物を工程(5)のマンニトール(Pearlitol 300DC)と混合した。
8.工程(7)で得られた混合物をさらに、工程(4)で得られた乾燥した顆粒と混合して滑沢性混合物を得た。
9.工程(8)の滑沢性混合物を、適当な打錠機を用いて錠剤に圧縮した。
【0059】
錠剤はロータリー圧縮機を用いて圧縮した。得られた錠剤の硬度は約7〜9Nであり、脆砕性は1.30%であった。平均インビトロ崩壊時間は10〜12秒であった。
【0060】
実施例5
オランザピン速口中崩壊性/溶解性錠剤:
組成:
【表5】

【0061】
製造方法
1.オランザピン(5mg)、アモルファス二酸化ケイ素(5mg)、フマル酸ステアリルナトリウム(2mg)、クロスポビドン(10mg)およびアスパルテーム(2mg)を秤量し、60メッシュシーブスクリーンに通し、5〜10分間混合した。
2.工程(1)で得られた混合粉末を、ラウリル硫酸ナトリウムの4%水溶液を用いて造粒し、湿塊を得た。
3.工程(2)で得られた湿塊を40〜65℃の適当な温度にて乾燥した。
4.工程(3)の乾燥させた顆粒を30メッシュシーブスクリーンに通した。
5.工程(4)で得られた顆粒を造粒し、得られた顆粒を25メッシュシーブスクリーンでふるいにかけた。
6.タルク、ストロベリーフレーバー、残りの量のフマル酸ステアリルナトリウム(0.5mg)およびクロスポビドン(7.97mg)を秤量し、80メッシュシーブスクリーンに通し、マンニトール(Pearlitol 160 C)顆粒と混合した。
7.工程(6)で得られた混合物をさらに、工程(5)で得られた乾燥した顆粒と混合して滑沢性混合物を得た。
8.工程(7)の滑沢性混合物を適当な打錠機を用いて錠剤に圧縮した。
【0062】
**マンニトール(Pearlitol 160 C)顆粒の調製:
a)少量のPearlitol 160Cを水に溶解した。
b)Pearlitol 160Cを80メッシュシーブスクリーンでふるいにかけ、2L RMGに入れた。
c) RMG中の材料を工程(1)の溶液と共に造粒した。
d) 工程(c)で得られた顆粒をトレーにて1時間乾燥した(乾燥減量0.42%)。
e) 工程(d)で得られた顆粒を25メッシュシーブスクリーンで乾燥粉砕した。
【0063】
錠剤はロータリー圧縮機を用いて圧縮した。得られた錠剤の硬度は約5〜7Nであり、脆砕性は1.32%であった。平均インビトロ崩壊時間は6〜7秒であった。
【0064】
実施例6
ロラタジン速口中崩壊性/溶解性錠剤:
組成:
【表6】

【0065】
製造方法:
1.ロラタジン(10mg)、コロイド状二酸化ケイ素(8mg)、を秤量し、80メッシュシーブスクリーンに通し、5〜10分間混合した。
2.フマル酸ステアリルナトリウム(3mg)、クロスポビドン(20mg)およびアスパルテーム(2mg)を秤量し、80メッシュシーブスクリーンに通し、5〜10分間混合した。
3.工程(1)および(2)で得られた混合物を混合し、80メッシュシーブスクリーンでふるいにかけた。
4.工程(3)で得られた混合粉末をラウリル硫酸ナトリウムの4%水溶液とともに造粒して湿塊を得た。
5.工程(4)で得られた湿塊を40〜65℃の適当な温度にて乾燥した。
6.工程(5)の乾燥した顆粒を40メッシュシーブスクリーンに通した。
7.マンニトール(Pearlitol 300DC)を50メッシュシーブスクリーンでふるいにかけた。
8.ストロベリーフレーバーおよび残りの量のコロイド状二酸化ケイ素(1.5mg)、フマル酸ステアリルナトリウム(1.5mg)およびクロスポビドン(10mg)を秤量し、80メッシュシーブスクリーンに通し共に混合した。
9.工程(8)で得られた混合物を工程(7)のマンニトール(Pearlitol 300DC)と混合した。
10.工程(9)で得られた混合物をさらに、工程(6)で得られた乾燥した顆粒と混合して滑沢性混合物を得た。
11.工程(10)の滑沢性混合物を適当な打錠機を用いて錠剤に圧縮した。
【0066】
錠剤はロータリー圧縮機を用いて圧縮した。得られた錠剤の硬度は約7〜8Nであり、脆砕性は0.95%であった。平均インビトロ崩壊時間は10〜15秒であった。
【0067】
実施例7
オランザピン速口中崩壊性/溶解性錠剤:
組成:
【表7】

【0068】
製造方法:
1)オランザピン(5mg)、コロイド状二酸化ケイ素(5mg)、フマル酸ステアリルナトリウム(2mg)、クロスポビドン(10)およびアスパルテーム(2mg)を秤量し、60メッシュシーブスクリーンに通し、5〜10分間混合した。
2)工程(1)で得られた混合粉末を、ラウリル硫酸ナトリウムの4%水溶液とともに造粒して湿塊を得た。
3)工程(2)で得られた湿塊を40〜65℃の適当な温度にて乾燥した。
4)工程(3)の乾燥させた顆粒を40メッシュシーブスクリーンに通した。
5)マンニトール(Pearlitol 300DC)を50メッシュシーブスクリーンでふるいにかけた。
6)ストロベリーフレーバーおよび残りの量のコロイド状二酸化ケイ素(0.5mg)、フマル酸ステアリルナトリウム(0.5mg)およびクロスポビドン(4mg)を秤量し、80メッシュシーブスクリーンに通し共に混合した。
7)工程(6)で得られた混合物を工程(5)のマンニトール(Pearlitol 300DC)と混合した。
8)工程(7)で得られた混合物をさらに、工程(4)で得られた乾燥した顆粒と混合して滑沢性混合物を得た。
9)工程(8)の滑沢性混合物を適当な打錠機を用いて錠剤に圧縮した。
【0069】
錠剤はロータリー圧縮機を用いて圧縮した。得られた錠剤の硬度は約6Nであり、脆砕性は1.00%であった。平均インビトロ崩壊時間は4秒であった。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明の産業上の利用
本発明のドラッグデリバリー技術は、所望の効果が液体の添加を必要とすることなく舌の上で迅速に溶解することである、選択した活性成分に利用可能である。
【0071】
本発明を、特定の好ましい態様を参照して詳細に記載したが、当然のことながら、本発明はこれらの態様には限定されない。むしろ、現時点での本発明の最良の実施形態を記載している本明細書の開示に照らして、多くの修飾および変更が本発明の範囲および精神から逸脱することなく当業者に開示される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の成分を含有してなる口中崩壊性および/または溶解性医薬組成物:
(a)1以上の活性成分、
(b)150ミクロン以上の平均粒子サイズを有する1以上の充填剤、
(c)約5〜30重量%の高含量且つ所望量の二酸化ケイ素、および所望により発泡性カップル。
【請求項2】
前記活性成分が、前記医薬組成物を製造ために有用な水溶性および非水溶性の薬剤からなる群から選択される、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記活性成分が、好ましくは、オランザピン、リスペリドン、ロペラミド、ロラタジン、ヒドロクロロチアジド、ドネペジル、オンダンセトロン、クロナゼパム、クロザピン、ミトラザピン、オクスカルバザピン、トラマドール、セチリジン、ラモトリジン、アルプラゾラム、リザトリプタン、ゾルミトリプタン、モンテルカスト、デスロラタジンおよびパラセタモールまたはそれらの製薬的に許容し得る塩もしくは溶媒和物からなる群から選択される、請求項2記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記充填剤に用いる量が約30〜80重量%である、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記充填剤が、マンニトール、デキストレート、ソルビトール、キシリトール、スクロース、フルクトース、ラクチトール、エリスリトールまたはマルチトールからなる群から選択される、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記充填剤が好ましくはマンニトールである、請求項5記載の医薬組成物。
【請求項7】
二酸化ケイ素を好ましくは約5〜15重量%の量で用いる、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記発泡性カップルがクエン酸(無水)/炭酸水素ナトリウムである、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記発泡性カップルを約5〜20重量%の量で用いる、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項10】
口中で60秒以内に溶解する請求項1記載の医薬組成物。
【請求項11】
さらに、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、粘着防止剤、流動促進剤、甘味料または香味剤を含有してなる、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記崩壊剤が、ポラクリリンカリウム、微晶性セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウムまたはクロスポビドン(架橋ポリビニルピロリドン)からなる群から選択される、請求項11記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記崩壊剤が、好ましくは架橋ポリビニルピロリドンまたはポラクリリンカリウムまたはそれらの組合せから選択される、請求項12記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記崩壊剤を約10〜30重量%の量で用いる、請求項12記載の医薬組成物。
【請求項15】
前記界面活性剤が、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリソルベート80、ポリソルベート60、ポリソルベート40、ポリソルベート20、ポロクサマーまたはモノステアリン酸グリセリンからなる群から選択される、請求項11記載の医薬組成物。
【請求項16】
前記界面活性剤が、好ましくはラウリル硫酸ナトリウムである、請求項15記載の医薬組成物。
【請求項17】
前記界面活性剤を約1〜4重量%の量で用いる、請求項15記載の医薬組成物。
【請求項18】
前記滑沢剤が、フマル酸ステアリルナトリウム、ベヘン酸グリセリン、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムまたはステアリン酸からなる群から選択される、請求項11記載の医薬組成物。
【請求項19】
前記滑沢剤が好ましくはフマル酸ステアリルナトリウムである、請求項18記載の医薬組成物。
【請求項20】
前記滑沢剤を約1〜5重量%の量で用いる、請求項18記載の医薬組成物。
【請求項21】
前記甘味料が、アスパルテーム、サッカリンおよびその塩、アセサルフェームカリウム、スクラロース、ショ糖またはフルクトースからなる群から選択される請求項11記載の医薬組成物。
【請求項22】
前記甘味料は好ましくはアスパルテームである、請求項21記載の医薬組成物。
【請求項23】
前記甘味料を約1〜5重量%の量で用いる、請求項21記載の医薬組成物。
【請求項24】
前記香味剤が、グレープフルーツ、クリームバニラ、カシスフレーバー、ストロベリー、チェリー、ペパーミントまたはカラメルからなる群から選択される、請求項11記載の医薬組成物。
【請求項25】
前記香味剤が、好ましくはストロベリー、チェリーまたはオレンジまたはそれらの組合せから選択される、請求項24記載の医薬組成物。
【請求項26】
前記香味剤を約1〜5重量%の量で用いる、請求項24記載の医薬組成物。
【請求項27】
前記流動促進剤または粘着防止剤が、タルク、ケイ酸マグネシウム、コロイド状二酸化ケイ素、アモルファス二酸化ケイ素またはケイ酸カルシウムからなる群から選択される、請求項11記載の医薬組成物。
【請求項28】
前記流動促進剤または粘着防止剤が、コロイド状二酸化ケイ素またはアモルファス二酸化ケイ素またはそれらの組合せである、請求項27記載の医薬組成物。
【請求項29】
前記流動促進剤または粘着防止剤を0.5〜2.0重量%の量で用いる、請求項27記載の医薬組成物。
【請求項30】
前記速崩壊性経口医薬組成物が錠剤である、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項31】
前記二酸化ケイ素が、コロイド状二酸化ケイ素またはアモルファス二酸化ケイ素またはそれらの組合せである、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項32】
以下の工程:
(a)活性成分と二酸化ケイ素および適当な量の慣用の賦形剤との顆粒を調製する工程であって、ここで二酸化ケイ素の量は約5〜30重量%であり;
(b)工程(a)で得られた顆粒を充填剤および適当な量の慣用の賦形剤と混合する工程であって、ここで充填剤の粒子サイズは150ミクロン以上であり、充填剤は直接圧縮可能なものであるか、造粒形態、圧縮形態または凝集形態であり;および
(c)工程(b)で得られた混合物を圧縮して口中崩壊性および/または溶解性錠剤を形成する
を含んでなる口中崩壊性および/または溶解性医薬組成物の製造方法。

【公表番号】特表2009−521523(P2009−521523A)
【公表日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−548082(P2008−548082)
【出願日】平成18年8月30日(2006.8.30)
【国際出願番号】PCT/IN2006/000319
【国際公開番号】WO2007/074472
【国際公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願人】(506343313)ジュビラント・オルガノシス・リミテッド (6)
【氏名又は名称原語表記】JUBILANT ORGANOSYS LIMITED
【Fターム(参考)】