説明

口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な家畜用組成物

【課題】ウマ、ウシ、ヒツジ又は家禽のような群れをなす動物並びにイヌ及びネコのような愛玩動物を含めて温血非ヒト動物に対し、内部寄生生物及び外部寄生生物を死滅させることができ、かつ/又は予防的又は治療上の動物の疾患を治療するために使用することができる口当たりが良く、延性があり、咀嚼可能な経口投与用の組成物の提供。
【解決手段】遊離型又は生理学的に許容される塩の形のアベルメクチン、ミルベマイシン及びそれらの誘導体からなる群から選択される寄生虫駆除有効量の大環状ラクトンと、肉香味料と、部分アルファ化デンプンと、グリセリン、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコールからなる群から選択される軟化剤と、最高9%の水とからなる組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有害動物、病原体又は動物の疾患に対して活性である1個以上の成分の有効量を含むきわめて口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な家畜用組成物と、肉香味料と、部分アルファ化デンプンと、軟化剤と、最高9%の水とからなる使いやすく、安全で、効果的で安定な家畜用処方に関する。本発明は、前記きわめて口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な家畜用組成物を動物に与えることによって、前記有害動物又は病原体を制御する方法及び前記動物の疾患を治療又は予防する方法にも関する。さらに、本発明は、前記きわめて口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な家畜用組成物を冷間押出しによって製造する方法に関係する。好ましい実施態様においては、きわめて口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な家畜用組成物は、虫などの内部寄生生物のような有害動物を、ノミのような刺咬昆虫などのペットの外部寄生生物とともに制御する。殺虫有効成分は、動物が製品を噛むと投与される。
【背景技術】
【0002】
家畜用製品は、その作用様式に応じて、また、治療動物又は標的害虫のどちらかによる吸収能力に応じて、きわめて異なる方法で温血動物に投与することができる。したがって、家畜用製品は、例えば、ポアオン又はスポットオン処方として局所的に、シャンプー、シャワーの形で、浸液、浴又は噴霧として、首輪の形で、また、これらの適用形式の多数の変形形式で投与することができる。家畜用製品は、全身的に、例えば、経口的に、非経口的に投与することもでき、経皮的にでも投与できることがある。全身投与剤形の例は、注射、錠剤、カプセル剤、ボーラス、ドリンク剤、飼料添加物などである。これらの投与剤形の各々は、かかる治療を必要とする実際の状況及び動物に応じて利点又は欠点を有し得る。ウマ、ウシ、ヒツジ又は家禽のような群れをなす動物の治療には、通常、イヌ及びネコのような愛玩動物などの単一動物の治療とは異なる投与方法が必要である。
【0003】
ヒト患者に対してきわめて好都合で容易な投与形式は、医薬品の経口摂取である。これは獣医薬の分野でもきわめて望ましいが、その際に動物の所有者又は獣医師は動物の自然の挙動に直面し、経口投与は現実的難題となり得る。
【0004】
動物によって現実的に受け入れられ自発的に摂られる理想的な経口適用剤形を設計する多数の試みが成されたが、これらの適用剤形のほとんどはさらに改善が必要である。
【0005】
本発明者らは、動物の健康の分野において、剤形、特に剤形の嗜好性、すなわち薬物が自然に受け入れられるかどうかが決定的な役割を果たすことを認めた。根本的な問題を以下に概説する。
【0006】
ヒトにおいては、ヒト患者における規律及び回復願望に頼ることができるので、医薬品は、錠剤、被覆錠剤、乳剤、注射液、坐剤など多種多様な適用剤形で投与することができる。動物の場合においては、坐剤の使用など少数の適用剤形は全部使用することができず、注射などの他の剤形は獣医師によってのみ実施されなければならないので、実際的な問題にすぐに遭遇する。
【0007】
一般に、ヒトは医者にかかることが好きではない。獣医師の助言を必要とする動物飼育係にも同じことが当てはまる。一般に、動物飼育係は、獣医師を巻き込むことなく自分自身で実施することができる治療方法を使用することを好む。動物飼育係が、例えば獣医師の指示に従って、自分で実施することができる好ましい治療方法の1つは医薬品の経口投与である。
【0008】
ヒト患者は医者の診断に従い、又は包装中の説明書の指示を読み、自分自身のためなのでそれに従うので、また、製造者は、通常、経口消費に適切でありヒト患者用に作られた剤形の錠剤、カプセル剤又は被覆錠剤を調製するので、医薬品を用いてヒトを治療することは一般に問題とはならない。
【0009】
しかし、薬剤活性成分が、苦味であろうと他の不快な味覚であろうと又は動物に単になじみのないものであろうと、動物に不快な味覚を有するやいなや動物は経口摂取することを拒む。この先天的な挙動は、異なる動物種間で程度が異なり、本質的に従来の食習慣に依存する。残念ながら、わずか少数の活性成分しか中性の食味を有さず、ここで考察される問題はほとんど常に存在する。
【0010】
ヒト患者の場合には、不快な味覚の活性成分は、例えば、中性の食味又は甘味層でそれを被覆することによって、比較的容易に隠すことができる。誰でも糖又はラッカーで被覆されたゼラチンカプセル剤又は錠剤にいつの間にか遭遇している。処方を噛まずに摂取することをヒト患者に教えることは容易である。
【0011】
動物は医薬調製物を自ら進んで経口摂取しなければならず、これは、医薬処方の味が良好でなければならず、口当たりが良くなければならないことを意味する。もちろん、個体動物又は少数の動物は、医薬品を飲み込ませる、又は医薬品を注射することによって、医薬品を無理やり摂取させることもできる。しかし、かかる強制的な方法は、大きい動物の操作では容認されないだけでなく、治療を進んで受けようとしない場合には噛んだりひっかいたりする単一のイヌ及びネコに対しても容認されない。そのため、動物治療は、きわめて大きな労働力を要し、又は獣医師の介入を必要とし得る。これは、最終的に費用の増加につながる。
【0012】
したがって、愛玩動物に対しても、大規模に飼育される動物に対しても、動物飼育係が容易に投与することができ、信頼できる結果をもたらし、手ごろな簡単で安全な経口適用剤形が必要とされる。
【0013】
本発明による咀嚼可能な組成物は、錠剤又はカプセル剤による治療を置き換えるのに適切なだけではない。これらの咀嚼可能な組成物(chewable)は、動物の群れを扱わなければならない場合に従来の非薬物飼料ペレットと容易に混合することもできる。
【0014】
本発明による咀嚼可能な組成物は、嗜好性に優れているので、受け入れの問題を起こすことなく動物に摂取される。その取扱いは容易かつ安全であり、ネコ又はイヌのような個体動物或いはヒツジ及びウシのような群れをなす動物のどちらの必要性にも適合することができる。
【0015】
カプセル剤及び被覆錠剤の動物への投与を見直すと、これらの適用剤形は、動物用医薬品にはむしろ不適切であることが判明した。というのは、群れをなす動物の場合には、これらの適用剤形は、毎日のかなりの努力によって管理された方法でのみ使用することができるからである。また、イヌ及びネコなどの愛玩動物の場合には、個々の受け入れの問題を起こすからである。上述したように、動物の食習慣は、一般に、経口投与剤形を使用するときには決定的な役割を果たす。したがって、もっとも重要なことは、動物を引きつける味覚と嗜好性である。
【0016】
イヌの場合、固形食、例えば骨をかじり、他の食物を、大きい断片でも湿った食物でも、ほとんど噛まずに飲み込むことが観察される。錠剤又は被覆錠剤が湿った餌に混入されている場合には結果が異なる。錠剤がイヌにまったく気づかれずそのまま飲み込まれることは少なく、食べられないまま容器に残されることが多い。イヌに対して、ネコは食習慣においてはるかに気難しい。調合された食物に錠剤又は被覆錠剤が混入された場合に、それにすぐに気づかずいやがらずに食べることはきわめて稀である。ネコも必ずしもその食物を噛むわけではないが、一般にそれを少数の小片にする。それによって錠剤又はカプセル剤の保護被膜が破れ、不快な味覚の活性成分が放出される。活性成分を餌に直接混合しようとする試みも、不快な味覚を中和するのに希釈度が不十分であるか、又は活性成分が餌と接触したときにあまりにも速く分解するので、同様に失敗する。同じ理由で、イヌ及びネコの食欲を刺激するはずである餌、活性成分及び賦形剤の混合物も、ネコでは同様に成功しない。試験動物は、対応する食欲刺激剤を含むプラセボ、すなわち、餌、香味料及び他の賦形剤からなり活性成分を含まない錠剤には激しく突進するのに対して、活性成分が添加されるやいなや同じ配合を拒絶する。動物に対する既存の問題には異なる技術的解決法を見つけなければならないことは明らかである。
【0017】
動物に適切な他の任意の活性成分を本発明によって投与できることは当然であるが、特に、最初に述べた味覚の欠点を有し、したがって動物が進んで経口摂取しない活性成分も本発明によって投与することができる。
【0018】
基本的に、多様な個々の活性成分又は活性成分の混合物、例えば外部(ecto)又は内部(endo)寄生生物に対して作用するもの、或いはウイルス又は細菌感染、機能低下、機能亢進などの行動障害、炎症性疾患及び自己免疫疾患を含めた動物の疾患に対して作用する活性成分などが考えられる。したがって、活性成分は、殺虫剤又は医薬品或いは両方の混合物とすることができる。
【0019】
本発明は、特定のクラスの活性成分を用いた動物の治療ではなく、家畜用組成物に最適化された適用剤形を扱うことに留意すべきである。これに対して、本発明は、きわめて口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な家畜用組成物からなる、使いやすく安全で強力で安定な家畜用処方を提供する。この活性成分又は活性成分の混合物が動物に生理学的に許容される投与量であり、容認できない副作用を示さず、最も重要なことには、経口摂取後に全身的活性を示す限り、この家畜用処方によってほぼ任意の各活性成分を温血動物に経口投与することができる。これは、活性成分の主要な必要条件が、経口投与後に血液及びリンパを含めた体液に活性成分が吸収され、その活性を示すことができる有害動物、病原体又は疾患器官に輸送されることであることを意味する。したがって、本明細書に記載される任意の活性成分又は活性成分のクラスは、適切な活性成分の非限定的な例に過ぎない。本発明の適用剤形は、実際に、既存の活性成分のみに限定されず、上で説明された主要な特性を将来の活性成分が満たす限り、将来開発される任意の各活性成分に対しても適切である。
【0020】
きわめて口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な本発明の家畜用組成物は原則的には薬用食品であり、すべての当業者は薬用餌の製造において生じる技術的問題を承知している。例えば、活性成分の安定性はきわめて重要である。多数の強力な活性化合物は、とりわけ餌ペレットの従来の押し出し中に餌材料と接触したときに、特に野菜及び動物材料と近接したときに、いくらか不安定(温度感受性)であり、活性成分がかなり失われることは事実である。
【0021】
例えば、餌ペレットが押し出しによって調製されるときには、動物又は野菜由来の乾燥有機出発材料がすりつぶされ、活性成分とよく混合され、すなわち、実質的に均質化され、次いで、水又は蒸気で湿らせられ、高温及び約100kbar(10GPa)の圧力下でペレットに圧縮される。しかし、前記高圧及び60から100℃の範囲の持続的な高温は不利であり、ペレットの粘度が劇的に減少するだけでなく、活性成分もかなり失われることになる。
【0022】
錠剤又はカプセル剤の製造に常法に従って使用される純粋な形の又は担体と接触しているほとんどの活性成分は、かかる比較的高い温度自体にはきわめてよく耐え、純粋な形で或いは錠剤又はカプセル剤として室温で数ヶ月又は数年、活性成分の測定可能な損失がなく保存することができるが、圧力下で飼料中の動物又は野菜繊維と密接し、一般的な高温下にある場合には比較的急速に分解する。繊維との接触は分解プロセスを実際に触媒すると考えられる。高温高圧相が技術的に可能な限り短く維持され、完成されたペレットが圧縮プロセス後に直接に室温にすぐに冷却された場合でも、活性成分の1/4から1/3はそれにもかかわらず失われる。治療される動物に対して分解生成物が不利な効果を持たない稀な場合でも、活性成分の不可避な損失は、必然的に最終製品の価格をかなり増加させることになる。したがって、押し出しプロセスによってきわめて望ましくない効果がもたらされる可能性がある。
【0023】
したがって、上記理由のために、ペレット調製中の高温及び圧力に活性物質を失うことなく耐え、完成されたペレットの形で実用目的に適切な長期貯蔵安定性も有するように、温度感受性活性成分を安定化するために多大な努力が向けられた。
【0024】
かかる安定化に失敗した試みとしては、例えば、(1)圧縮して顆粒にすることによる活性成分表面積の減少(きわめて多種多様な顆粒サイズが試みられた)、(2)きわめて多種多様な保護層、例えばゼラチン又は様々な糖及びコーティングによる前記活性成分顆粒の密封、(3)例えば、追加の保護層を有する又は有さない、様々なセルロース、デンプン、ケイ酸、ゼオライトなどの多孔質材料中への活性成分の封じ込め、及び(4)活性成分の大環状基本構造の化学修飾が挙げられる。少数の例においては化学修飾によって化合物自体の安定性が改善されたものの、同時に活性が失われた。
しかし、これらの試みのうち、餌ペレットに圧縮されたときの活性成分の損失がかなり抑制され、又は貯蔵安定性が測定できるほどに改善された試みはない。
【0025】
さらに、今回、操作しやすく、使いやすく、安全で、強力で、安定であり、特にきわめて口当たりの良い咀嚼可能な本発明の家畜用組成物を提供することによって、予想外の成功を得ることができた。
【0026】
驚くべきことに、今回、押し出しプロセスに損傷を受けずに耐えるだけでなく、著しく長期保存期間にわたって残存する製品を提供することができる。
【0027】
したがって、咀嚼可能な本発明の家畜用組成物が比較的多量の肉材料を含んでいても、適切な量の部分アルファ化デンプンと併用されたときに、活性成分の安定性に明白な有害作用を持たないことは、きわめて驚くべきことであり、まったく予測不可能であった。咀嚼可能な本発明の家畜用組成物は、活性成分のかなりの損失又は分解なしに室温で何ヶ月も保存することができるきわめて安定な製品であることが実際に判明した。保存された材料を用いた試験によれば、嗜好性は減少せず、活性成分の効力は高いレベルに維持されていることが示されている。
【0028】
さらに、動力学的挙動を検討して別の驚くべき効果が示されている。咀嚼可能な本発明の家畜用組成物の投与によって、錠剤又はカプセル剤の投与とまったく同じレベルの生物学的利用能がもたらされ得ることは予見できなかった。したがって、本発明は、錠剤又はカプセル剤のような従来の経口投与剤形と少なくとも同程度に効果的であり、安全で、使い易く、安定な製品を提供する。
【0029】
咀嚼可能な家畜用組成物に現在組み込むことができ、本発明によって使用することができる多数の殺生物剤及び獣医薬は当業者に長年知られているが、従来の経口剤形は、動物を引きつけず、上で考察された欠点を示すので不満足なものである。
【0030】
咀嚼可能な本発明の家畜用組成物を用いて、すべての種類の寄生生物と闘うことができる。外部からの寄生生物は外部寄生生物とも呼ばれ、動物、すなわち動物の皮膚又は毛に通常棲息する寄生生物であると理解される。蚊、クロバエ、ノミ、シラミなどの刺咬昆虫或いはダニ目の虫、例えばダニ又はマダニが含まれる。外部寄生生物に対する適切な製品としては殺虫剤、ダニ駆除剤などが挙げられる。それらの製品の実際の作用様式は問題ではない。それらは、例えば、キチン合成阻害剤、成長調節物質、幼若ホルモン、成虫駆除剤とすることができる。それらは、広域(broad−band)殺虫剤、広域ダニ駆除剤とすることができる。活性成分は、殺剤(killer)又は妨害物又は忌避剤とすることができる。活性成分は、例えば寄生生物の成虫期又は幼若期のみに影響を及ぼすことができ、或いはあらゆる期に影響を及ぼすことができる。唯一の必要条件は活性成分が全身に作用することである。これは、経口摂取後に分解されず、皮膚又は寄生生物が生きるために使用する器官に体液によって輸送されることを意味する。
【0031】
活性成分がダニ駆除剤である場合には、例えば、アバメクチン、ドラメクチン、エプリノメクチン、イベルメクチン、ミルベメクチン、ニッコーマイシン、セラメクチン、テトラナクチン、チュリンギエンシン(thuringiensin)などの抗生ダニ駆除剤;アゾベンゼン、ベンゾキシメート、安息香酸ベンジル、ブロモプロピレート、クロルベンシド、クロルフェネトール、クロルフェンソン、クロルフェンスルフィド、クロロベンジレート、クロロプロピレート、ジコホール、ジフェニルスルホン、ドフェナピン(dofenapyn)、フェンソン、フェントリファニル(fentrifanil)、フルオロベンシド、プロクロノール、テトラジホン、テトラサルなどの架橋ジフェニルダニ駆除剤;ベノミル、カーバノレート、カルバリル、カルボフラン、フェノチオカルブ、メチオカルブ、メトルカルブ、プロマシル、プロポキスルなどのカルバメートダニ駆除剤;アルジカルブ、ブトカルボキシム、オキサミル、チオカルボキシム、チオファノックスなどのオキシムカルバメートダニ駆除剤;ビナパクリル、ジネクス(dinex)、ジノブトン、ジノカップ、ジノカップ−4、ジノカップ−6、ジノクトン、ジノペントン、ジノスルホン、ジノテルボン(dinoterbon)、DNOCなどのジニトロフェノールダニ駆除剤;アミトラズ、クロルジメホルム、クロロメブホルム(chloromebuform)、ホルメタネート、ホルムパラネート(formparanate)などのホルムアミジンダニ駆除剤、クロフェンテジン、ドフェナピン(dofenapyn)、フルアズロン、フルベンズイミン、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヘキシチアゾクスなどのダニ成長調節物質;ブロモシクレン、カンフェクロル、ジエノクロル、エンドスルファンなどの有機塩素ダニ駆除剤;アゾシクロチン、シヘキサチン、酸化フェンブタスズなどの有機スズダニ駆除剤;アセトプロール、フィプロニル並びにその類似体及び誘導体、テブフェンピラド、バニリプロール(vaniliprole)などのピラゾールダニ駆除剤;アクリナトリン、ビフェントリン、シハロトリン、シペルメトリン、アルファーシペルメトリン、フェンプロパトリン、フェンバレレート、フルシトリネート、フルメトリン、フルバリネート、タウ−フルバリネート及びペルメトリンのようなピレスロイドエステルダニ駆除剤並びにハルフェンプロックスのようなピレスロイドエーテルダニ駆除剤を含めたピレスロイドダニ駆除剤;キノメチオネート、チオキノックス(thioquinox)などのキノキサリンダニ駆除剤;プロパルギットなどの亜硫酸エステルダニ駆除剤;スピロディクロフェンなどのテトロン酸ダニ駆除剤、並びにアセキノシル、アミドフルメト、三酸化ヒ素、クロロメチウロン(chloromethiuron)、クロサンテール、クロタミトン、ジアフェンチウロン、ジクロフルアニド、ジスルフィラム、フェナザフロル、フェナザキン、フェンピロキシメート、フルアクリピリム、フルエネチル(fluenetil)、メスルフェン、MNAF、ニフルリジド(nifluridide)、ピリダベン、ピリミジフェン、スルフィラム、スルフルラミド(sulfluramid)、硫黄、トリアラセン(triarathene)などの未分類のダニ駆除剤を含めた、周知のダニ駆除剤クラスの1つから全身作用性ダニ駆除剤を選択する。
【0032】
成虫駆除剤又は昆虫成長調節物質(IGR)として作用する適切な殺虫剤は、塩素化炭化水素、有機リン酸塩、カルバメート、ピレスロイド、ホルムアミジン、ボラート、フェニルピラゾール、(以前にアベルメクチンとして知られた)大環状ラクトンなどの周知の多種多様な化学クラスから選択することができる。成虫駆除剤/殺昆虫剤(insect killer)の著名な代表例は、イミダクロプリド、フェンチオン、フィプロニル、アレスリン、レスメトリン、フェンバレレート、ペルメトリン、マラチオン及びそれらの誘導体である。成虫駆除剤は、接触によって又は消化中毒剤として、ほぼあらゆる発育段階の昆虫を死滅させる。昆虫成長抑制剤(IGR)の広く用いられている代表例は、例えば、ジフルベンズロン、ルフェヌロン、ノビフルムロン、フキサフルムロン、トリフルムロン、テフルベンズロンなどのベンゾイルフェニル尿素又はフェノキシカルブ、ピリプロキシフェン、メトプレン、キノプレン、ハイドロプレン、シロマジン、ブプロフェジン、ピメトロジン及びそれらの誘導体のような物質である。昆虫成長阻害剤又は昆虫成長抑制剤(そのどちらもIGRとして一般に知られている)は、有害生物の生活環を妨害又は阻害する製品又は材料である。
【0033】
きわめて口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な本発明による家畜用組成物が、動物の血液又は器官に棲息する虫などの内部の寄生生物(内部寄生生物)と闘う活性成分を投与するのにもきわめて適切であることは言うまでもない。したがって、活性成分は駆虫薬(虫下し)とすることができる。
【0034】
駆虫薬(虫下し)は、異質な薬物群であるが、虫に対して選択的な毒性がある。駆虫薬は、寄生生物にきわめて重要な代謝過程を阻害することによって、又は、宿主細胞よりも高濃度の薬物に寄生生物を曝すことによって、この選択的毒性を実現することができ、これは有利な治療窓の存在を利用することを意味する。駆虫薬は、寄生生物細胞の完全性を妨害し、神経筋伝達及び協調又は宿主免疫から保護する機序を阻害して、最終的に飢餓、神経筋の麻痺、寄生生物の死滅及び駆除をもたらすことによって治療中に標的寄生生物に作用することができる。駆虫薬は、水薬、ペースト剤、経口又は注射によって一般に投与される。この薬物は、血流中に吸収され、広く拡散する。駆虫薬は肝臓で代謝され、糞便及び尿中に排出される。動物の健康の分野においては、駆虫薬は、線虫、肺線虫、条虫、腸内寄生虫、鞭虫、鈎虫、ぎょう虫、旋毛虫(旋毛虫症)及び他のあまり一般的ではない生物、肝吸虫並びに肉牛(beef)、ウシ、ブタ、ヤギ、ウマ及びネコ、イヌのような愛玩動物などの広範な動物における他のあまり一般的ではない生物に対して広く用いられる。イヌ及びネコ用駆虫薬の活性スペクトルは、アラリア アラタ(Alaria alata)、オピストルキス テヌイコリス(Opisthorchis tenuicollis)などの吸虫;テニア ヒダチゲナ(Taenia hydatigena)、テニア ピシフォルミス(Taenia pisiformis)、テニア オビス(Taenia ovis)、ヒダチゲナ テニア テニアホルミス(Hydatigena Taenia taeniaeformis)、エキノコックス グラニュロサス(Echinococcus granulosus)、エキノコックス マルチロキュラリス(Echinococcus multilocularis)、ジピリジウム カニナム(Dipylidium caninum)、ジフィロボスリウム レイタム(Diphyliobothrium latum)、ムルチセプス ムルチセプス(Multiceps multiceps)、ムルチセプス シリアリス(Multiceps serials)、メソセストイド リニアタス(Mesocestoides lineatus)、メソセストイド コルチ(Mesocestoides corti)などの条虫及びアンキロストマ カニナム(Ancylostoma caninum)、ウンシナリア ステノセファリア(Uncinaria stenocephaia)、トキソカラ カニス(Toxocara canis)、トキソカラ カチ(Toxocara cati)、トキサスカリス レオニナ(Toxascaris leonina)、ストロンギロイデス ステアコラリス(Strongyloides stercoralis)、フィラロイデス オスレリ(Filaroides osieri)、カピラリア アエロフィラ(Capillaria aerophila)、カピラリア プリカ(Capillaria plica)、カピラリア ヘパチカ(Capillaria hepatica)、トリキネラ スピラリス(Trichinella spiralis)、アンギオストロンギルス バソーラム(Angiostrongylus vasorum)、トリチュリス バルピス(Trichuris vulpis)、スピロセルカ ルピ(Spirocerca lupi)、ディロフィラリア イミチス(Dirofilaria immitis)、アンキロストマ ツバエフォルメ(Ancylostoma tubaeforme)、アエルロストロンギルス アブストルサス(Aelurostrongylus abstrusus)などの線虫を含む。
【0035】
本発明における内部寄生生物としては、虫の体内侵入(ぜん虫)のすべての種が含まれるが、細菌及びウイルス感染を引き起こす細菌及びウイルス、特に肺、心臓、消化管、四肢などの器官又は体の一部に寄生する細菌及びウイルス、或いは生物体全体に分布する細菌及びウイルスも含まれる。
【0036】
駆虫薬は、大環状ラクトン(単にマクロライドと呼ばれるときもある)、ベンゾイミダゾール、プロ−ベンゾイミダゾール、イミダゾチアゾール、テトラヒドロピリミジン、有機ホスフェート、ピペラジンなどの周知の虫下し群の1つを含めた内部寄生虫駆除剤及びエンデクチサイド(endecticide)から選択することができる。
【0037】
最も好ましい駆虫薬群は、遊離型又は生理学的に許容される塩の形の、イベルメクチン、ドラメクチン、モキシデクチン、セラメクチン、エマメクチン、エプリノメクチン、ミルベメクチン、アバメクチン、ミルベマイシンオキシム、ネマデクチン、それらの誘導体などの著名な代表例を含めて、より最近のアベルメクチン、ミルベマイシン、その誘導体などの天然又は化学的に改変された大環状ラクトン(マクロライド)からなる。
【0038】
大環状ラクトンは広い活性スペクトルを示すので最も好ましい。それらの大部分は外部寄生虫駆除活性と同時に内部寄生虫駆除活性を示す。したがって、これらはエンデクトサイド(endectocide)とも呼ばれる。大環状ラクトンは、グルタミン酸塩素チャネル(glutamated chlorine channels)に結合し、最初に麻痺を起こし、その後、寄生生物を死滅させる。
【0039】
本発明においては、好ましい大環状ラクトン群は、遊離型又は生理学的に許容される塩の形の式(I)の化合物である。
【0040】
【化1】

【0041】
式中、Xは−C(H)(OH)−、−C(O)−又は−C(=N−OH)−であり、Yは−C(H)−、=C(H)−、−C(H)(OH)−又は−C(=N−OCH)−であり、Rは水素又は基
【0042】
【化2】

【0043】
の1つであり、
はヒドロキシル、−NH−CH又は−NH−OCHであり、Rは水素、−CH、−C、−CH(CH)−CH、−CH(CH)−C、−C(CH)=CH−CH(CH又はシクロヘキシルであり、原子22と23の結合が二重結合である場合には23位の炭素原子は非置換であり、その結果Yは=C(H)−であり、或いは原子22と23の結合が単結合である場合には23位の炭素原子は非置換又はヒドロキシ若しくは=N−O−CH基で置換されており、その結果Yは−C(H)−、−C(H)(OH)−又は−C(=N−OCH)−である。
【0044】
式(I)の化合物の典型的で特に好ましい代表例は、以下のとおりである。
【0045】
1)イベルメクチンは22,23−ジヒドロアバメクチン、22,23−ジヒドロアベルメクチンB 1又は22,23−ジヒドロC−076B 1である(式中、Xは−C(H)(OH)−であり、Yは−C(H)−であり、Rは基
【0046】
【化3】

【0047】
であり、
は−CH(CH)−CH又は−CH(CH)−Cであり、原子22と23の結合は単結合である)。イベルメクチンは米国特許第4,199,569号により公知である。
【0048】
2)ドラメクチンは25−シクロヘキシル−5−O−デメチル−25−デ(1−メチルプロピル)アベルメクチンA 1aである(式中、Xは−C(H)(OH)−であり、Yは=C(H)−であり、Rは基
【0049】
【化4】

【0050】
であり、
はシクロヘキシルであり、原子22と23の結合は二重結合である)。ドラメクチンは米国特許第5,089,480号により公知である。
【0051】
3)モキシデクチンは[6R,23E,25S(E)]−5−O−デメチル−28−デオキシ−25−(1,3−ジメチル−1−ブテニル)−6,28−エポキシ−23−(メトキシイミノ)ミルベマイシンBである(式中、Xは−C(H)(OH)−であり、Yは−C(=N−OCH)−であり、Rは水素であり、Rは−C(CH)=CH−CH(CHであり、原子22と23の結合は単結合である)。モキシデクチンは欧州特許第0,237,339号及び米国特許第4,916,154号により公知である。
【0052】
4)セラメクチンは25−シクロヘキシル−25−デ(1−メチルプロピル)−5−デオキシ−22,23−ジヒドロ−5−(ヒドロキシイミノ)アベルメクチンB1単糖であり、したがって式(I)の化合物である(式中、Xは−C(=N−OH)−であり、Yは−C(H)−であり、Rは基
【0053】
【化5】

【0054】
であり、
はシクロヘキシルであり、原子22と23の結合は単結合である)。セラメクチンは、例えば、The 17th international Conference of the World Association for the Advancement of Veterinary Parasitology, 19 August 1999. Copenhagen, Denmarkと一緒に開催されたECTOPARASITE ACTIVITY OF SELAMECTIN;A novel endectocide for dogs and cats. A Pfizer Symposiumにより公知である。
【0055】
5)エマメクチンは(4”R)−5−O−デメチル−4”デオキシ−4”−(メチルアミノ)アベルメクチンA 1a及び(4”R)−5−O−デメチル−25−デ(1−メチルプロピル)−4”−デオキシ−4”−(メチルアミノ)−25−(1−メチルエチル)アベルメクチンA 1a(9:1)である(式中、Xは−C(H)(OH)−であり、Yは=C(H)−であり、R
【0056】
【化6】

【0057】
であり、
は−CH(CH)−CH又は−CH(CH)−Cであり、原子22と23の結合は二重結合である)。エマメクチンは米国特許第4,874,749号により公知である。
【0058】
6)エプリノメクチンは(4”R)−4”−エピ−(アセチルアミノ)−4”−デオキシアベルメクチンB 1である(式中、Xは−C(H)(OH)−であり、Yは=C(H)−であり、Rは基
【0059】
【化7】

【0060】
であり、
は−CH(CH)−CH又は−CH(CH)−Cであり、原子22と23の結合は二重結合である)。エプリノメクチンは米国特許第4,427,663号により公知である。
【0061】
7)ミルベメクチンは(6R,25R)−5−O−デメチル−28−デオキシ−6,28−エポキシ−25−メチルミルベマイシンである(式中、Xは−C(H)(OH)−であり、Yは−C(H)−であり、Rは水素であり、Rは−CH又は−Cであり、原子22と23の結合は単結合である)。ミルベメクチンは米国特許第3,950,360号により公知である。
【0062】
8)アバメクチンは、5−O−デメチルアベルメクチンA 1aと5−O−デメチル−25−デ(1−メチルプロピル)−25−(1−メチルエチル)アベルメクチンA 1a(4:1)とも称されるアベルメクチンB 1である(式中、Xは−C(H)(OH)−であり、Yは=C(H)−であり、Rは基
【0063】
【化8】

【0064】
であり、
は−CH(CH)−CH又は−CH(CH)−Cであり、原子22と23の結合は二重結合である)。アバメクチンは米国特許第4,310,519号により公知である。
【0065】
9)ミルベマイシンオキシムはミルベマイシンA 4 5−オキシム;ミルベマイシンA 3 5−オキシムである(式中、Xは−C(H)(OH)−であり、Yは−C(H)−であり、Rは水素であり、Rは−CH(CH)−CH又は−CH(CH)−Cであり、原子22と23の結合は単結合である)。ミルベマイシンオキシムは米国特許第4,547,520号により公知である。
【0066】
10)式(I)の化合物(式中、Xは−C(H)(OH)−であり、Yは−C(H)−であり、Rは基
【0067】
【化9】

【0068】
であり、
は−CH又はCであり、原子22と23の結合は単結合である)。この化合物は国際公開第01/83500号により公知である。
【0069】
11)ネマデクチンは抗生物質S−541Aであり、[6R,23S,25S,(E)]−5−O−デメチル−28−デオキシ−25−(1,3−ジメチル−1−ブテニル)−6,28−エポキシ−23−ヒドロキシミルベマイシンBとも称される(式中、Xは=CH−OHであり、Yは−C(H)−であり、Rは水素であり、Rは−C(CH)=CH−CH(CHであり、原子22と23の結合は単結合である)。ネマデクチンは米国特許第4,869,901号により公知である。
【0070】
上記項目1から11に具体的に述べられた化合物は、本発明の好ましい実施態様であり、単独で或いは別の内部寄生虫駆除剤、外部寄生虫駆除剤又はエンデクチサイドと組み合わせて使用することができる。
【0071】
ベンゾイミダゾール、ベンゾイミダゾールカルバメート及びプロ−ベンゾイミダゾールは、微小管の重合を阻害することによってエネルギー代謝を妨害し、チアベンダゾール、メベンダゾール、フェンベンダゾール、オクスフェンダゾール、オキシベンダゾール、アルベンダゾール、ルキサベンダゾール、ネトビミン、パルベンダゾール、フルベンダゾール、シクロベンダゾール、フェバンテル、チオファナート、それらの誘導体などのきわめて強力な化合物を含む。
【0072】
イミダゾチアゾールは、コリン作動性作用物質であり、テトラミソール、レバミソール、それらの誘導体などの高活性化合物を含む。
テトラヒドロピリミジン作用もコリン作動性作用物質であり、モランテル、ピランテル、それらの誘導体などの高活性化合物を含む。
有機ホスフェートはコリンエステラーゼ阻害剤である。このクラスは、ジクロルボス、ハロクソン、トリクロルホン、それらの誘導体などの強力な化合物を含む。
ピペラジンは、抗コリン作用を示し、神経筋伝達を遮断する。このクラスはピペラジン、それらの誘導体などの高活性化合物を含む。
クロサンテール、トリブロムサラン、ジブロムサラン、オキシクロザニド(oxychlozanide)、クリオキサニド、ラフォキサニド、ブロチアニド、ブロモキサニド及びそれらの誘導体から選択されるサリチルアニリド。
【0073】
本発明において、駆虫薬(虫下し)好ましい実施態様は、大環状ラクトンと、アルベンダゾール、クロルスロン、サイデクチン、ジエチルカルバマジン、フェバンテル、フェンベンダゾール、ハロクソン、レバミソール、メベンダゾール、モランテル、オキシクロザニド、オキシベンダゾール、オクスフェンダゾール、オクスフェンダゾール、オキサムニキン、ピランテル、ピペラジン、プラジカンテル、チアベンダゾール、テトラミソール、トリクロルホン、チアベンダゾール及びそれらの誘導体からなる群から選択される駆虫薬との組み合わせからなる。最も好ましいものはプラジカンテルである。外部寄生生物に対する活性スペクトルを拡大するために、前記駆虫薬の組み合わせは、虫下しに加えて、殺虫剤、ダニ駆除剤又は殺虫剤とダニ駆除剤の寄生虫駆除有効量を含むことができる。細菌性疾患を治療する抗生物質を添加できることは言うまでもない。
【0074】
上述の適切な寄生虫駆除剤のすべてが公知である。それらのほとんどは、Chapman & Hill/CRC、1999、Hampden Data Service Ltd.によってCD−ROMとして刊行されたMerck & Co Inc、Whitehouse Station、NJ、USAによるTHE MERCK INDEX 1999、及びTHE MERCK INDEX 1999に具体的に示された文献に記載されている。
【0075】
適切な抗菌活性成分は、例えば、様々なペニシリン、テトラサイクリン、スルホンアミド、セファロスポリン、セファマイシン、アミノグルコシド、トリメトプリム、ジメトリダゾール、エリスロマイシン、フラマイセチン、フラゾリドン、チアムリン、バルネムリンなどの様々なプレウロムチリン、様々なマクロライド、ストレプトマイシン及び原生動物に対して作用する物質、例えば、クロピドール、サリノマイシン、モネンシン、ハロフジノン、ナラシン、ロベニジンなどである。
【0076】
行動障害としては、例えば、イヌ及びネコの分離不安又は乗物酔いが挙げられる。行動障害に対して作用する適切な化合物は、例えば、クロミプラミンである。
【0077】
本発明による咀嚼可能な組み合わせは、機能不全又は機能低下の治療用活性成分を含むこともできる。
【0078】
機能不全又は機能低下は、個々の器官又は組織に対する先天的損傷でも後天的損傷でも、平均から逸脱した自己免疫異常のような機能を含むと理解される。この症候群は、リウマチ性疾患、関節、骨又は内臓の病変も含み、他にも多数ある。この症候群領域に使用することができる化合物の著名な代表例はシクロスポリン及びその誘導体である。「動物の疾患」という用語は、動物に一般的である結合組織における癌の様々なタイプ及び転移進行までも含む。この分野においては、コレドロネート(coledronate)、クロドロネート、エチドロネート、パミドロネート及びアレンドロネートのようなビスホスホナートが重要な役割を果たす。前記ビスホスホネートは、潰よう、リウマチ様関節炎及び他の関節炎並びに歯周病の治療又は予防において投与することもできる。活性成分の他の適切なクラスは、骨関節炎に付随するとう痛及び炎症の抑制にきわめて適切なデラコキシブのようなベンゼンスルホンアミドなどの抗炎症剤を包含する。さらに別の抗炎症剤はジクロフェナク及びその誘導体である。
【0079】
本発明においては、錠剤及びカプセル剤のような従来の経口剤形に関連して示された投与の問題をきわめて容易に解決することができ、どんな問題も起こさずに動物によって経口摂取される、咀嚼可能な製品を調製することができる。動物は、咀嚼可能な家畜用組成物を実際に進んで摂取する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0080】
【特許文献1】米国特許第4,199,569号明細書
【特許文献2】米国特許第5,089,480号明細書
【特許文献3】欧州特許第0,237,339号明細書
【特許文献4】米国特許第4,916,154号明細書
【特許文献5】米国特許第4,874,749号明細書
【特許文献6】米国特許第4,427,663号明細書
【特許文献7】米国特許第3,950,360号明細書
【特許文献8】米国特許第4,310,519号明細書
【特許文献9】米国特許第4,547,520号明細書
【特許文献10】国際公開第01/83500号
【特許文献11】米国特許第4,869,901号明細書
【非特許文献】
【0081】
【非特許文献1】The 17th international Conference of the World Association for the Advancement of Veterinary Parasitology, 19 August 1999. Copenhagen, Denmarkと一緒に開催されたECTOPARASITE ACTIVITY OF SELAMECTIN;A novel endectocide for dogs and cats. A Pfizer Symposium
【非特許文献2】Chapman & Hill/CRC、1999、Hampden Data Service Ltd.によってCD−ROMとして刊行されたMerck & Co Inc、Whitehouse Station、NJ、USAによるTHE MERCK INDEX 1999、及びTHE MERCK INDEX 1999
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0082】
本発明は、押し出しプロセスによって製造され、きわめて口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な家畜用組成物からなる、使いやすく、安全で、強力で、安定な家畜用処方を提供することによって、従来技術の不都合及び欠点を克服する。この生成物は室温又は室温付近で押し出され、押出機は室温未満、好ましくは5から10℃に冷却される。口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な組成物は家畜用組成物を構成し、経口投与される。この組成物は、内部寄生生物及び外部寄生生物を死滅させることができ、かつ/又は予防的又は治療上の動物の疾患を治療するために使用することができ、ウマ、ウシ、ヒツジ又は家禽のような群れをなす動物並びにイヌ及びネコのような好ましくは愛玩動物を含めて温血非ヒト動物の治療に有用である。
【0083】
きわめて口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な本発明の家畜用組成物は、1個以上の活性成分の有効量、好ましくは、外部寄生生物、内部寄生生物又は細菌若しくはウイルスの病原体或いは外部寄生生物、内部寄生生物、細菌又はウイルスの病原体の組み合わせを制御可能な有機化合物の1成分、2成分又は3成分混合物の有効量を含む有機組成物で構成される。作用様式に応じて、きわめて口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な本発明の家畜用組成物は、1個以上の活性成分の寄生虫駆除有効量又は抗病原的有効量を含む。「寄生虫駆除有効量」という表現は、標的寄生生物を十分制御する組成物中の活性成分量を指し、寄生生物の95から100%、好ましくは98から100%又はほぼ100%が死滅し、それにもかかわらず活性成分の耐容性が良好であることを意味する。「抗病原的有効量」という表現は、細菌、ウイルス又は行動疾患を効率的に治療し、或いは投与された場合にはかかる疾患の急激な発生を予防する、組成物中の活性成分量を指す。きわめて口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な本発明の家畜用組成物は、有害動物、病原体又は動物の疾患に対して活性である1個以上の成分の有効量を含み、さらに肉香味料及び部分アルファ化デンプンを含み、軟化剤を含み、最高9%(w/w)、好ましくは3から7%(w/w)、最も好ましくは4から6%(w/w)の水を含む。押し出しプロセス中に押出機は室温未満に冷却されることが不可欠である。5から10℃の温度範囲が理想的である。
【0084】
以下の段落の各々で本発明の好ましい実施態様を定義する。
【0085】
(A)有害動物、病原体又は動物の疾患に対して活性である1個以上の成分の有効量と、(B)肉香味料と、(C)部分アルファ化デンプンと、(D)軟化剤と、(E)場合によっては最高9%(w/w)の水とを含む、きわめて口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な家畜用組成物。
【0086】
非ヒト動物の内部寄生生物及び同時に外部寄生生物を制御可能な、きわめて口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な上記家畜用組成物。
【0087】
動物の疾患が細菌感染、ウイルス感染、行動障害、炎症性疾患及び自己免疫疾患を含む、きわめて口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な上記家畜用組成物。
【0088】
天然肉香味料20から30%(w/w)を含む、きわめて口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な上記家畜用組成物。
【0089】
天然肉香味料が脂肪20から55%(w/w)を含む、きわめて口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な上記家畜用組成物。
【0090】
部分アルファ化デンプン25から70%(w/w)を含む、きわめて口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な上記家畜用組成物。
【0091】
部分アルファ化デンプンがアルファ化デンプン12から17%(w/w)を含む、きわめて口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な上記家畜用組成物。
【0092】
部分アルファ化デンプンの重量に基づいて10から20%(w/w)、好ましくは約11から15%(w/w)の軟化剤を含む、きわめて口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な上記家畜用組成物。
【0093】
軟化剤がグリセリン、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールからなる群から選択される、きわめて口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な上記家畜用組成物。
【0094】
最高9%(w/w)、好ましくは3から7%(w/w)、より好ましくは4から6%(w/w)の水を含む、きわめて口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な上記家畜用組成物。
【0095】
1から10%(w/w)、好ましくは3から7%(w/w)の甘味料を含む、きわめて口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な上記家畜用組成物。
【0096】
0から3.5%(w/w)、好ましくは0.01から0.5%(w/w)の酸化防止剤を含む、きわめて口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な上記家畜用組成物。
【0097】
0から5%(w/w)、好ましくは0.05から2%(w/w)の着色剤を含む、きわめて口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な上記家畜用組成物。
【0098】
塩化ナトリウム0から4%(w/w)を含む、きわめて口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な上記家畜用組成物。
【0099】
外部寄生虫駆除剤、内部寄生虫駆除剤、エンデクトサイドの寄生虫駆除有効量、又は外部寄生虫駆除剤、内部寄生虫駆除剤及びエンデクトサイドからなる群から選択される寄生虫駆除剤の組み合わせの寄生虫駆除有効量を含む、きわめて口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な上記家畜用組成物。
【0100】
外部寄生虫駆除剤が昆虫、ダニ目の虫又は昆虫とダニ目の虫に対して活性である、きわめて口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な上記家畜用組成物。
【0101】
外部寄生虫駆除剤が成虫駆除剤又は昆虫成長抑制剤のどちらかの殺虫剤である、きわめて口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な上記家畜用組成物。
【0102】
大環状ラクトン、ベンゾイミダゾール、プロ−ベンゾイミダゾール、イミダゾチアゾール、テトラヒドロピリミジン、有機ホスフェート及びピペラジンからなる群から選択される内部寄生虫駆除剤又はエンデクチサイドの寄生虫駆除有効量を含む、きわめて口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な上記家畜用組成物。
【0103】
遊離型又は生理学的に許容される塩の形の式(I)の天然大環状ラクトン又は化学的に改変された大環状ラクトンの有効量を含む、きわめて口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な上記家畜用組成物。
【0104】
【化10】

【0105】
(式中、Xは−C(H)(OH)−、−C(O)−又は−C(=N−OH)−であり、Yは−C(H)−、=C(H)−、−C(H)(OH)−又は−C(=N−OCH)−であり、Rは水素又は基
【0106】
【化11】

【0107】
の1つであり、
はヒドロキシル、−NH−CH又は−NH−OCHであり、Rは水素、−CH、−C、−CH(CH)−CH、−CH(CH)−C、−C(CH)=CH−CH(CH又はシクロヘキシルであり、原子22と23の結合が二重結合である場合には23位の炭素原子は非置換であり、その結果Yは=C(H)−であり、或いは原子22と23の結合が単結合である場合には23位の炭素原子は非置換又はヒドロキシ若しくは=N−O−CH基で置換されており、その結果Yは−C(H)−、−C(H)(OH)−又は−C(=N−OCH)−である)
式(I)の天然大環状ラクトン又は化学的に改変された大環状ラクトンの有効量を含む、きわめて口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な上記家畜用組成物(式中、Xは−C(H)(OH)−であり、Yは−C(H)−であり、Rは基
【0108】
【化12】

【0109】
であり、
は−CH又はCであり、原子22と23の結合は単結合である)。
【0110】
有害動物が外部動物寄生生物又は内部動物寄生生物又は両方である、きわめて口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な上記家畜用組成物。
【0111】
大環状ラクトンが、遊離型又は生理学的に許容される塩の形の、アベルメクチン、ミルベマイシン及びそれらの誘導体からなる群から選択される、きわめて口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な上記家畜用組成物。
【0112】
大環状ラクトンが、遊離型又は生理学的に許容される塩の形の、イベルメクチン、ドラメクチン、モキシデクチン、セラメクチン、エマメクチン、エプリノメクチン、ミルベメクチン、アバメクチン、ミルベマイシンオキシム、ネマデクチン及びそれらの誘導体からなる群から選択される、きわめて口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な上記家畜用組成物。
【0113】
アルベンダゾール、クロルスロン、サイデクチン、ジエチルカルバマジン、フェバンテル、フェンベンダゾール、ハロクソン、レバミソール、メベンダゾール、モランテル、オキシクロザニド、オキシベンダゾール、オクスフェンダゾール、オクスフェンダゾール、オキサムニキン、ピランテル、ピペラジン、プラジカンテル、チアベンダゾール、テトラミソール、トリクロルホン、チアベンダゾール及びそれらの誘導体からなる群から選択される駆虫薬の有効量と組み合わせた大環状ラクトンの有効量を含む、きわめて口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な上記家畜用組成物。
【0114】
殺虫剤、ダニ駆除剤又は殺虫剤とダニ駆除剤の有効量をさらに含む、きわめて口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な上記家畜用組成物。
【0115】
ミルベマイシンオキシム及びプラジカンテルの有効量を含む、きわめて口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な上記家畜用組成物。
【0116】
ルフェヌロン、プラジカンテル及びミルベマイシンオキシムの有効量を含む、きわめて口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な上記家畜用組成物。
【0117】
シクロスポリンの有効量を含む、きわめて口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な上記家畜用組成物。
【0118】
ペニシリン、テトラサイクリン、スルホンアミド、セファロスポリン、セファマイシン、アミノグルコシド、トリメトプリム、ジメトリダゾール、エリスロマイシン、フラマイセチン、フラゾリドン、プレウロムチリン、ストレプトマイシン及び原生動物に対して活性である化合物からなる群から選択される抗菌剤の有効量を含む、きわめて口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な上記家畜用組成物。
【0119】
イヌ及びネコの分離不安又は乗物酔いを含めた行動(behavioral)に対して活性である化合物の有効量を含む、きわめて口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な上記家畜用組成物。
【0120】
活性成分又は異なる化学物質クラスが殺虫剤又はダニ駆除剤である、きわめて口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な上記家畜用組成物。
【0121】
殺虫剤が殺昆虫剤及び昆虫成長抑制剤からなる群から選択される、きわめて口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な上記家畜用組成物。
【0122】
本発明の別の好ましい実施態様は、前記きわめて口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な家畜用組成物を動物に与えることによって、前記有害動物又は病原体を制御する方法及び前記動物の疾患を治療又は予防する方法である。
【0123】
本発明のさらに別の好ましい実施態様は、前記きわめて口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な家畜用組成物を動物に与えることによって、前記有害動物又は病原体を制御する方法及び前記動物の疾患を治療又は予防する方法である。
【0124】
本発明のさらに別の好ましい実施態様は、(i)有害動物、病原体又は動物の疾患に対して活性である1個以上の成分の有効量と、肉香味料と、部分アルファ化デンプンと、軟化剤と、最高9%(w/w)の水とを押出機のホッパーに供給する段階と、(ii)押出機中の押出物の温度が全押し出しプロセス中に40℃を超えないように活性成分と担体の混合物を常に冷却する段階と、(iii)咀嚼可能な製品の形状を決定するダイによって押出物を圧縮成形する段階と、(iv)押出機を出た押出物を均等な断片に切断する段階とを含む、きわめて口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な上記家畜用組成物の製造方法である。
【0125】
本発明のさらに別の好ましい実施態様は、予混合物(1)と予混合物(2)を同時に連続して押出機のホッパーに供給する上記方法である。予混合物(1)は1個以上の活性成分と部分アルファ化デンプンの均質化混合物からなり、予混合物(2)は、肉香味料と軟化剤の均質化混合物(甘味料、軟化剤、酸化防止剤、着色剤及び塩化ナトリウムからなる群から選択される担体を場合によっては含んでいてもよい)からなる。
【0126】
本発明のさらに別の好ましい実施態様は、押出機が室温未満に冷却される上記方法である。
【0127】
本発明のさらに好ましい実施態様は、口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な上記家畜用組成物を動物に与える段階を含む、非ヒト有害動物又は非ヒト動物病原体を制御する方法或いは非ヒト動物の疾患を治療又は予防する方法である。
【0128】
本発明のさらに好ましい実施態様は、口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な家畜用組成物が、非ヒト有害動物又は非ヒト動物病原体の制御或いは非ヒト動物の疾患の治療又は予防が可能な化合物若しくは化合物の混合物の有効量を含む咀嚼可能な1個の部分からなる、上記方法である。
【0129】
本発明のさらに好ましい実施態様は、活性成分量が、治療を必要とする非ヒト動物の体重に合わせて調節される、上記方法である。
【0130】
本発明の別の好ましい実施態様は、きわめて口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な家畜用組成物を調製するための、(A)有害動物、病原体又は動物の疾患に対して活性である1個以上の成分の有効量と、(B)肉香味料と、(C)部分アルファ化デンプンと、(D)軟化剤と、(E)最高9%の水と、有害動物、病原体又は動物の疾患と闘うのに適切な活性成分との使用。
【0131】
本発明の別の好ましい実施態様は、天然肉香味料20から30%(w/w)を含む、上記使用である。
【0132】
本発明の別の好ましい実施態様は、天然肉香味料が脂肪20から55%(w/w)を含む、上記使用である。
【0133】
本発明の別の好ましい実施態様は、部分アルファ化デンプン25から70%(w/w)を含む、上記使用である。
【0134】
本発明の別の好ましい実施態様は、部分アルファ化デンプンがアルファ化デンプン12から17%(w/w)を含む、上記使用である。
【0135】
本発明の別の好ましい実施態様は、部分アルファ化デンプンの重量に基づいて軟化剤10から20%(w/w)を含む、上記使用である。
【0136】
本発明の別の好ましい実施態様は、軟化剤がグリセリン、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールからなる群から選択される、上記使用である。
【0137】
本発明の別の好ましい実施態様は、水3から7%(w/w)を含む、上記使用である。
【0138】
本発明の別の好ましい実施態様は、有害動物が外部動物寄生生物又は内部動物寄生生物又は両方である、上記使用である。
【0139】
本発明の別の好ましい実施態様は、甘味料1から10%(w/w)を含む、上記使用である。
【0140】
本発明の別の好ましい実施態様は、酸化防止剤0から3.5%(w/w)を含む、上記使用である。
【0141】
本発明の別の好ましい実施態様は、着色剤0から5%(w/w)を含む、上記使用である。
【0142】
本発明の別の好ましい実施態様は、塩化ナトリウム0から4%(w/w)を含む、上記使用である。
【0143】
本発明の別の好ましい実施態様は、外部寄生虫駆除剤、内部寄生虫駆除剤、エンデクトサイドの寄生虫駆除有効量、又は外部寄生虫駆除剤、内部寄生虫駆除剤及びエンデクトサイドからなる群から選択される寄生虫駆除剤の組み合わせの寄生虫駆除有効量を含む、上記使用である。
【0144】
本発明の別の好ましい実施態様は、外部寄生虫駆除剤が昆虫、ダニ目の虫又は昆虫とダニ目の虫に対して活性である、上記使用である。
【0145】
本発明の別の好ましい実施態様は、外部寄生虫駆除剤が成虫駆除剤又は昆虫成長抑制剤のどちらかの殺虫剤である、上記使用である。
【0146】
本発明の別の好ましい実施態様は、大環状ラクトン、ベンゾイミダゾール、プロ−ベンゾイミダゾール、イミダゾチアゾール、テトラヒドロピリミジン、有機ホスフェート及びピペラジンからなる群から選択される内部寄生虫駆除剤又はエンデクチサイドの寄生虫駆除有効量を含む、上記使用である。
【0147】
本発明の別の好ましい実施態様は、遊離型又は生理学的に許容される塩の形の式(I)の天然大環状ラクトン又は化学的に改変された大環状ラクトンの有効量を含む、上記使用である。
【0148】
【化13】

【0149】
式中、Xは−C(H)(OH)−、−C(O)−又は−C(=N−OH)−であり、Yは−C(H)−、=C(H)−、−C(H)(OH)−又は−C(=N−OCH)−であり、Rは水素又は基
【0150】
【化14】

【0151】
の1つであり、
はヒドロキシル、−NH−CH又は−NH−OCHであり、Rは水素、−CH、−C、−CH(CH)−CH、−CH(CH)−C、−C(CH)=CH−CH(CH又はシクロヘキシルであり、原子22と23の結合が二重結合である場合には23位の炭素原子は非置換であり、その結果Yは=C(H)−であり、或いは原子22と23の結合が単結合である場合には23位の炭素原子は非置換又はヒドロキシ若しくは=N−O−CH基で置換されており、その結果Yは−C(H)−、−C(H)(OH)−又は−C(=N−OCH)−である。
【0152】
本発明の別の好ましい実施態様は、大環状ラクトンが式(I)の化合物である、上記使用である。式中、Xは−C(H)(OH)−であり、Yは−C(H)−であり、Rは基
【0153】
【化15】

【0154】
であり、
は−CH又はCであり、原子22と23の結合は単結合である。
【0155】
本発明の別の好ましい実施態様は、エンデクチサイドが、遊離型又は生理学的に許容される塩の形の、アベルメクチン、ミルベマイシン及びそれらの誘導体からなる群から選択される大環状ラクトンである、上記使用である。
【0156】
本発明の別の好ましい実施態様は、大環状ラクトンが、遊離型又は生理学的に許容される塩の形の、イベルメクチン、ドラメクチン、モキシデクチン、セラメクチン、エマメクチン、エプリノメクチン、ミルベメクチン、アバメクチン、ミルベマイシンオキシム、ネマデクチン及びそれらの誘導体からなる群から選択される、上記使用である。
【0157】
本発明の別の好ましい実施態様は、アルベンダゾール、クロルスロン、サイデクチン、ジエチルカルバマジン、フェバンテル、フェンベンダゾール、ハロクソン、レバミソール、メベンダゾール、モランテル、オキシクロザニド、オキシベンダゾール、オクスフェンダゾール、オクスフェンダゾール、オキサムニキン、ピランテル、ピペラジン、プラジカンテル、チアベンダゾール、テトラミソール、トリクロルホン、チアベンダゾール及びそれらの誘導体からなる群から選択される駆虫薬の有効量と組み合わせた大環状ラクトンの有効量を含む、上記使用である。
【0158】
本発明の別の好ましい実施態様は、内部寄生虫駆除剤又はエンデクチサイドに加えて、殺虫剤、ダニ駆除剤又は殺虫剤とダニ駆除剤の有効量を含む、上記使用である。
【0159】
本発明の別の好ましい実施態様は、ミルベマイシンオキシム及びプラジカンテルの有効量を含む、上記使用である。
【0160】
本発明の別の好ましい実施態様は、ルフェヌロン、プラジカンテル及びミルベマイシンオキシムの有効量を含む、上記使用である。
【0161】
本発明の別の好ましい実施態様は、シクロスポリンの有効量を含む、上記使用である。
【0162】
本発明の別の好ましい実施態様は、ペニシリン、テトラサイクリン、スルホンアミド、セファロスポリン、セファマイシン、アミノグルコシド、トリメトプリム、ジメトリダゾール、エリスロマイシン、フラマイセチン、フラゾリドン、プレウロムチリン、ストレプトマイシン及び原生動物に対して活性である化合物からなる群から選択される抗菌剤の有効量を含む、上記使用である。
【0163】
本発明の別の好ましい実施態様は、イヌ及びネコの分離不安又は乗物酔いを含めた行動に対して活性である化合物の有効量を含む、上記使用である。
【0164】
本発明のさらに別の好ましい実施態様は、非ヒト有害動物又は非ヒト動物病原体を制御する方法或いは非ヒト動物の疾患を治療又は予防する方法におけるきわめて口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な上記家畜用組成物の使用である。
【発明を実施するための形態】
【0165】
肉香味料は、実際には、きわめて口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な家畜用組成物の主成分ではないとしても、本発明に主要な役割を果たす。信頼できる再現性の良い結果を得るのに必要な所望の高い嗜好性は、最終組成物中の肉香味料の量によって厳密に決まることが驚くべきことに判明した。肉香味料は、例えば、家畜及び生産用家畜、例えばブタ、ウマ、ウシ、ヒツジ、ヤギ並びにヒヨコ、カモ、ガチョウ及びシチメンチョウを含めた家禽から得られる乾燥肉粉末からなる天然物である。さらに驚くべきことに、前記天然肉粉末中の20から55%(w/w)の天然脂肪含量は、動物に対する所望の高い嗜好性及び良好な味覚を得るためだけでなく、咀嚼可能な最終製品の所望の柔らかさを得るためにもきわめて重要であることが判明した。本発明においては、「肉香味料」は、食品産業では周知の天然乾燥肉粉末及び人工肉香味料を意味するものとする。しかし、人工肉香味料は、20から55%(w/w)の脂肪を人工肉香味料がすでに含む場合又はこの量の脂肪が人工香味料に添加されている場合にのみ、本発明に適切であることが判明した。人工肉香味料に添加することができる脂肪は、動物油脂又は植物油を含めた好ましくは植物油脂から選択することができる。しかし、植物油が使用される場合には、硬化油/飽和油を使用することが有利である。不飽和油は、通常、室温で液体であり、所望の延性/柔らかさを示さない製品が得られる。これらの製品は、通常、柔らかすぎる。所望の延性を示し咀嚼可能な組成物が得られる一般に室温で固体である飽和/硬化油/脂肪の使用が好ましい。
【0166】
脂肪及び油は、体に様々な影響を及ぼす多種多様な脂肪酸を含む。脂肪及び油は、最も単純には飽和又は不飽和に分類される。飽和脂肪は硬化脂肪と称されることもある。多数の動物製品には飽和脂肪が含まれている。飽和脂肪は、一般に、室温で固体である。飽和脂肪は、主に動物に由来するが、植物から単離することもできる。植物に由来する典型的な例はカカオ脂及びココナツ油及びパーム油である。これらの製品は、既製の焼いた食品、乳製品を含まない泡立たせたトッピング、クリーム代用品、ほとんどのピーナッツバター及び一部のマーガリンに使用されることが多い。典型的な飽和脂肪源は、動物油脂、ヤシ油、肉脂、ベーコン脂、クリーム、パーム核油、牛脂(Beef Fat)、パーム油、バター、ハム脂、豚脂、鶏脂及び皮、硬化油脂又は油、シチメンチョウ脂及び皮、水素化植物油、カカオ脂、子ヒツジ脂及びココナツである。
【0167】
天然及び人工肉香味料は、様々な生産者から商業的に得ることができる。天然肉香味料は、例えば、
IDF(International Dehydrated Food) INTERNATIONAL DEHYDRATED FOODS, INC. P.O. Box 10347 Springfield, Missouri 65808, USA 800/641−6509 or 417/881−7820;
ADF(American Dehydrated Food), American Dehydrated Foods, Inc., P.O. Box 4087 3801 East Sunshine, Springfield, Missouri 65809;
IFF(International Flavour and Fragrance), IFF Global Headquarters, 521 West 57th Street, New York, NY 10019, United States;
Proliant, Proliant Inc.−U.S. Office, 2325 North Loop Drive
Ames, IA 50010 USA
から得ることができる。
人工肉香味料源のいくつかの例は、
Kemin, Worldwide Headquarters 2100 Maury Street, Box 70 Des Moines, Iowa 50301−0070 USA.;
McCormick, 226 Schilling Circle
Hunt Valley, MD 21031;
Givaudan, Givaudan Flavors Corp.
(Flavours creation, sales & production) 1199 Edison Drive
Cincinnati, Ohio 45216;
Haarman und Reimer
である。
【0168】
本発明における「柔らかい」という表現は、例えばコーンフレークほど硬くカリカリしていないが、例えばマシュマロほどの延性はない生成物を特徴づけるために使用される。所望の延性/硬さはその間にある。Stable Micro Systemsから市販されているTEXTURE ANALYSER(TA−XT2 iHR/25)を用いて測定した場合、咀嚼可能な組成物のテクスチャー(柔らかさ/硬さ)は理想的には6から12Nである。
【0169】
硬くカリカリしている製品は、老齢のイヌ及びネコを治療しようとした場合に特に不利である。というのは、これらの老齢動物のほとんどは歯周病(膿漏)に罹っているからである。この疾患は、歯を囲み支持する組織の炎症及び退化を伴う。これらには、歯肉、歯槽骨、歯周靭帯及びセメント質が含まれる。歯根膜炎又は支持骨の損失は、この進行性障害の最後の段階であり、老齢のイヌ及びネコにおける歯の損失の主因である。硬くカリカリしている製品は痛みを生じるので、歯根膜炎に罹った動物は硬くカリカリしている製品を食べない。
【0170】
本発明の第2の重要な特徴は、使用又は部分アルファ化デンプンである。このデンプンは、10から20%(w/w)、好ましくは約13から17%(w/w)、最も好ましくは13から17%(w/w)のアルファ化デンプンを含む。これは、非アルファ化及び完全アルファ化デンプンでは、最終製品の所望の延性が得られないので重要である。
【0171】
デンプンは、約121℃まで熱的に安定である。デンプンは、一般式(C10)nの炭水化物であり、トウモロコシ、コムギ、オートムギ、イネ、ジャガイモ、ユッカ並びに類似の植物及び野菜から得られる。デンプンは、約27%の線状ポリマー(アミロース)と約73%の分枝ポリマー(アミロペクチン)からなる。2種類のポリマーはデンプン粒内部で絡み合っている。顆粒は、冷水に不溶であるが、熱水に浸すと又は蒸気圧下で被膜が破れ、ポリマーが水和してコロイド状懸濁液となる。この生成物がアルファ化デンプンであり、泥(mud)に長年使用されてきた。したがって、アルファ化デンプンは、水又は蒸気中で加熱することによって不可逆変化を起こす水溶性デンプンである。多数の適切なアルファ化デンプンが市販されている。例えば、高ゲル強度のアルファ化Pea StarchであるNaster(登録商標)Instant。Naster(登録商標)Instantは、アミロースレベルが高いためにいくつかの顕著な諸特性を有する。Naster(登録商標)Instantは、高温、せん断及びpH変化に対する優れた安定性を示し、低温プロセスでの使用に理想的である。
【0172】
さらに重要な成分は軟化剤である。軟化剤は組成物中の水分を維持し、最終製品を数週間及び数ヶ月保存することが可能になる。硬くならず乾燥しない。
【0173】
前記肉香味料、部分アルファ化デンプン、及び活性成分を含む基本成分が、水分を含まない場合には、押し出しプロセス中に水を添加すべきである。これは、咀嚼可能な本発明の家畜用組成物の柔軟性に影響する。最終製品が9%(w/w)以下、好ましくは約3から7%(w/w)、より好ましくは4から6%(w/w)の濃度の水を含むように生成物の含水量を調節することが有利であることが判明した。
【0174】
本発明では、肉香味料と部分アルファ化デンプンの比率がきわめて重要であるだけでなく、製造プロセス自体も最終製品に影響を及ぼす。きわめて口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な本発明の家畜用組成物は、特別な押し出しプロセスの成果である。押し出し自体は、食品産業において通例の餌ペレットの製造に広く用いられているきわめて一般的な熱成形プロセスである。しかし、本発明による咀嚼可能な組成物、すなわちきわめて口当たりの良い延性のある生成物を得るためには、プロセスを改良し、全押し出しプロセス中に押出物が確実に加熱されないようにしなければならない。というのは、加熱によって、製品が硬くカリカリになり、活性成分が失われ、特に嗜好性が低下するからである。実際には、所望の方法による製造は容易に実施することができる。きわめて口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な本発明の家畜用組成物は、好都合には射出成形機又は押出機で実施される。有害動物、病原体又は動物の疾患に対して活性である1個以上の成分の有効量と、肉香味料と、部分アルファ化デンプンと、軟化剤と、最高9%(w/w)の水とを含む混合物は、ホッパーを通して回転、往復スクリュー上に供給される。材料はスクリューに沿って先端方向に移動する。このプロセス中に、その温度はバレル外周の外部冷却器とスクリューのせん断作用によって常に下げられる。冷却プロセスは、全押し出しプロセス中の押出物の温度が40℃のピーク温度を超えないように制御される。押出物は、供給部に始まり、続いて圧縮部まで前記40℃よりも高い温度に達してはいけない。生成物はほぼ室温で押し出され、押出機は室温未満、好ましくは5から10℃に冷却されることが理想的であることが判明した。
【0175】
次いで、生成物は、均質化が起こる計量部を通って、スクリュー末端に送られる。次いで、先端にある均質化された材料は、成形ダイによって圧縮されて、所望のサイズの成形品が得られる。最も簡単な方法は、押出機を出た押出物を所望のサイズの均等な断片に切断することである。「所望の」とは、各断片が適切な量の活性成分を含むことを意味する。したがって、例えば、大きなイヌの場合には、若いネコに対するよりも大きな断片を製造することになる。活性成分量は、治療すべき動物の体重に適合させなければならない。
【0176】
この種の材料を冷却せずに押し出すと、押出機内部の温度は100から200℃に容易に達し得るので、押し出しプロセス中のこの冷却はきわめて重要である。しかし、押し出し温度が高いと、押出物のマトリックスが望ましくない変形を起こす。この理由は、デンプンがその成分の融解温度及びガラス転移温度以上に加熱され、その結果、その成分が吸熱転移を起こすからである。その結果、デンプン粒の分子構造が融解し、乱れて、本質的に構造が破壊されたデンプンが得られる。延性があり、いくぶん柔らかい生成物の代わりに、動物に拒絶されるだけでなく、活性成分の再現性のある量を含まない硬い又はカリカリした生成物が得られる。多数の活性成分は、これらの比較的高温においては十分安定ですらなく、少なくとも部分的に分解する。その結果、生成物の生物活性が低下し、望ましくない副作用又はアレルギー反応を起こす恐れがある望ましくない分解生成物が形成され得る。押出機を室温付近の温度、好ましくは5から10℃に冷却すると、これらの望ましくない効果がすべて抑制され、きわめて口当たりが良いだけでなく、驚くべきことに、分解せずに数ヶ月保存することができる完全な製品が得られる。
【0177】
きわめて口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な本発明の家畜用組成物は、嗜好性をさらに改善するために甘味料を含むこともできる。精製粉末糖、マルチトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、ラクトース、デキストロース、スクロース、グルコース又はフルクトース或いはそれらの任意の混合物を含めて、天然の糖を使用することができる。また、サッカリン、アスパルテーム及びアセスルファム−Kを含めて、当分野で公知の人工甘味料も使用することができる。甘味料は、好ましくは、スクロースの甘味力(sweetening power)に基づいて、1から10%(w/w)、好ましくは約3から約7%(w/w)含まれる。甘味料は、その感覚刺激性のために嗜好性増強剤として働く。嗜好性は、活性成分がきわめて苦い場合、又は動物にまったく受け入れられない味覚を示す場合に特に増強することができる。
【0178】
本発明の家畜用組成物は、酸化防止剤を含むこともできる。ただし、ほとんどの場合において酸化防止剤は必要ないことが判明する。しかし、酸化防止剤は、酸素に長期間曝されると不安定である成分の安定性を高める防腐剤として働く場合もある。「酸化防止剤」という用語は、Tenox 2、Tenox PG、Tenox s−1、BHA(2−t−ブチル−4−メトキシフェノール)、BHT(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール)などの真の酸化防止剤、メタ重亜硫酸ナトリウム還元剤、並びにトコフェロール(アルファ、ベータ又はデルタトコフェロール、トコフェロールエステル、酢酸アルファトコフェロール)、没食子酸アルキル、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、クエン酸、エデト酸及びその塩、レシチン、酒石酸などの酸化防止協力剤の3つの酸化防止剤群を表す。さらに適切な酸化防止剤は、レスベラトロール、ケルセチン、安息香酸、トロロクス(N−アセチルシステイン、6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−カルボン酸)、ジメチルチオ尿素(DMTU)、ヘスペレチン、テトラヒドロクルクミン、テトラヒドロデメトキシクルクミン及びモノチオグリセロールである。前記酸化防止剤は、0から3.5%(w/w)、好ましくは0.01から0.5%(w/w)の濃度で添加される。好ましい酸化防止剤は、Tenox 2及びBHA(2−t−ブチル−4−メトキシフェノール)である。
【0179】
製品の嗜好性をさらに改善し、水分を結合させるために、最高約4%(w/w)の塩化ナトリウムを添加することもできる。ある種の動物では、塩化ナトリウムは嗜好性増強剤のように働く。
【0180】
きわめて口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な本発明の家畜用組成物はさらに軟化剤を含むことができる。本発明に使用される軟化剤は、湿潤剤として働き、愛玩動物の餌の柔軟性を高め、水分を保持し、その結果、愛玩動物の餌のテクスチャーが周囲温度において維持される。一般に、軟化剤は、きわめて口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な本発明の家畜用組成物中に、部分アルファ化デンプン重量に基づいて約10から20%(w/w)、好ましくは約11から15%(w/w)の濃度で含まれる。適切な軟化剤としては、ソルビトール、マンニトール、ヘキサノール、ペンタノール、(グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどの)ポリオールなどのアルコールなどが挙げられる。
【0181】
きわめて口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な本発明の家畜用組成物は、製品の外観を良くする着色剤をさらに含むことができる。着色剤は、アゾ染料、有機又は無機色素或いは天然由来の着色剤、好ましくはチタンの鉄の酸化物からなる群から選択することができる。前記着色剤は、0から5%(w/w)、好ましくは0.05から2%(w/w)の濃度で添加される。好ましい着色剤は酸化第二鉄であり、通常、約0.1%(w/w)の量で使用される。
【0182】
技術装置
本発明による咀嚼可能な組成物の製造に使用される押出機は、Buehler AG;Industriestrasse;CH−9240 Uzwil;Switzerland製のペレット成形装置を備えたスクリュー直径62mm及びL/D比28Dのスクリュー長さの同時回転二軸押出機タイプBCTG−62/28Dである。(ドライブレンドを押出機に送る)供給機は、K−Tron、Switzerlandから入手することができる。これはロスインウエイトフィーダー:AC(二軸オーガー)スクリューを備えたタイプK2−ML−T 35二軸供給機である。また、グリセリンと水を別々に送るために2台のポンプが使用される。また、押出機温度を10℃未満に維持するために2台の冷却機が使用される。
咀嚼可能な組成物の柔らかさ/硬さの測定
咀嚼可能な組成物(chewy)のテクスチャー(柔らかさ/硬さ)は、Stable Micro Systems Ltd.(Headquater: Stable Micro Systems Ltd., Vienna Court, Lammas Road; UK)から市販されているTEXTURE ANALYSERタイプ:TA−XT2 iHR/25を用いて測定される。速度1mm/secで球を押して、咀嚼可能な組成物中に2mm進入するのに必要な最大応力(N)を測定する。球の直径は8mmである。咀嚼可能な組成物のテクスチャーは、咀嚼可能な組成物がブリスターに包装される前に貯蔵容器に詰められるのに十分な硬さになる時間を決定するために測定される。24時間後のテクスチャー:典型的な値は8から20Nである。
実施例
【実施例1】
【0183】
ミルベマイシンオキシムとプラジカンテルを含む2元処方
【0184】
【表1】

【0185】
ミルベマイシンオキシムとプラジカンテルを含む2元処方は以下のとおり製造される。
1. ミルベマイシンオキシム(1.975kg)及び酸化鉄(0.500kg)をアルファ化デンプン13kgとV−ブレンダーを用いて5分間予混合する。
2. 10メッシュスクリーンを通してビンブレンダーに減圧移送する。
3. プラジカンテル、菓子糖(confectionery sugar)、塩化ナトリウム、チキン風味及びアルファ化デンプンの残りを、10メッシュスクリーンを通してビンブレンダーに減圧移送し20分間混合する。
4. 水を水槽に計量し、グリセリンをグリセリン槽に計量し、tenoxと混合する。
5. 押出機を始動する。
6. 冷却装置温度を5℃に設定する。
7. K−tron供給装置によってドライブレンド(段階3の混合物)をBCTG押出機に供給する。
8. グリセリン/Tenox 2混合物を押出機にポンプ輸送する。
9. 水を押出機にポンプ輸送する。
10. 押出機速度(rpm)をドライブレンドの供給速度に応じて調節する。
11. 適切な重量の咀嚼可能な組成物が得られるように押出機の切断装置を調節する。
12. 押し出し後、咀嚼可能な組成物を、コンベアを介してホッピングコンベア(hopping conveyer)に移送し、最後に、
13. 3インチ(8cm)以下の箱に詰める。
14. 咀嚼可能な組成物の周囲温度及び相対湿度<60%における約24時間の養生。
15. 養生後、咀嚼可能な組成物はブリスター包装される。
【0186】
0.6g、1.5g、3.0g及び6.0gの異なるサイズの咀嚼可能な組成物に対する押出機設定
【0187】
【表2】

【実施例2】
【0188】
ミルベマイシンオキシム、プラジカンテル及びルフェヌロンを含む3元処方
【0189】
【表3】


【0190】
ミルベマイシンオキシム、プラジカンテル及びルフェヌロンを含む3元処方は、実施例1の2元処方に対して記載されたのと同じラインに沿って製造される。
【実施例3】
【0191】
シクロスポリンを含む1元処方
【0192】
【表4】

【0193】
シクロスポリンを含む1元処方は、実施例1の2元処方に対して記載されたのと同じラインに沿って製造される。
【実施例4】
【0194】
100匹のイヌ及び100匹のネコを用いた異なる風味の咀嚼可能な3元処方組成物の嗜好性(許容性)試験
異なる品種及び年齢の100匹のオス及びメスのイヌを試験する。イヌを体重が同じ25匹のイヌの4群に分ける。試験者は、イヌの体重に適合した1個の咀嚼可能な試験組成物を1日1回各イヌに与える。まず、咀嚼可能な組成物を手で60秒間与える。イヌが処方を食べない場合には、空の容器に入れて与える。処方を食べるようにイヌに再び60秒間与え、食べない場合には、イヌの口に整調投入(pace in)する。イヌ/ネコがそれを吐き出した場合には、受け入れられなかったと記録する。一般に、5から6種類以下の異なる処方が連日試験される。各処方を別個に包装し、明瞭に区別できるように標識する。類似の試験を100匹のネコを用いて実施する。
【0195】
【表5】

【0196】
ネコにおける類似試験は結果がまったく同じ範囲にある。
【実施例5】
【0197】
安定性試験
きわめて口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な本発明の家畜用組成物の試料を、異なる温度及び湿度条件をシミュレートするために、環境条件下の安定性について試験する。試料は、25℃/60rh、30℃ 60%rh及び40℃ 75%rhで試験される。試料はインキュベーター中に維持され、活性成分含量に関して3、6、9及び12ヶ月後に分析される。25℃/60rh及び30℃ 60%rhで12ヶ月間試験された全試料の活性成分含量の分析によれば、冷蔵庫に−25℃で同じ期間維持された同一試料と差がない。40℃/75%rhで12ヶ月間維持された咀嚼可能な組成物も良好な安定性結果を示す。このことは、通常の状態、すなわち25℃又は30℃及び40から70%rhで保存された場合に、貯蔵寿命(shelf live)が少なくとも12ヶ月となることを示している。ミルベマイシンオキシム及びプラジカンテルを含む2元処方とミルベマイシンオキシム、プラジカンテル及びルフェヌロンを含む3元処方の安定性について有意差は見られない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)有害動物、病原体又は動物の疾患に対して活性である1個以上の成分の有効量と、(B)肉香味料と、(C)部分アルファ化デンプンと、(D)軟化剤と、および(E)最高9%の水とを含む、きわめて口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な家畜用組成物。
【請求項2】
動物の疾患がウイルス又は細菌感染、行動障害、炎症性疾患及び自己免疫疾患を含む、請求項1に記載の咀嚼可能な家畜用組成物。
【請求項3】
天然肉香味料を20から30%(w/w)含む、請求項1に記載の咀嚼可能な家畜用組成物。
【請求項4】
天然肉香味料が20から55%(w/w)の脂肪を含む、請求項4に記載の咀嚼可能な家畜用組成物。
【請求項5】
部分アルファ化デンプンを25から70%(w/w)含む、請求項1に記載の咀嚼可能な家畜用組成物。
【請求項6】
部分アルファ化デンプンが12から17%(w/w)のアルファ化デンプンを含む、請求項5に記載の咀嚼可能な家畜用組成物。
【請求項7】
部分アルファ化デンプンの重量に基づいて10から20%(w/w)の軟化剤を含む、請求項1に記載の咀嚼可能な家畜用組成物。
【請求項8】
軟化剤がグリセリン、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールからなる群から選択される、請求項7に記載の咀嚼可能な家畜用組成物。
【請求項9】
4から6%(w/w)の水を含む、請求項1に記載の咀嚼可能な家畜用組成物。
【請求項10】
有害動物が外部動物寄生生物又は内部動物寄生生物又は両方である、請求項1に記載の咀嚼可能な家畜用組成物。
【請求項11】
1から10%(w/w)の甘味料を含む、請求項1に記載の咀嚼可能な家畜用組成物。
【請求項12】
0から3.5%(w/w)の酸化防止剤を含む、請求項1に記載の咀嚼可能な家畜用組成物。
【請求項13】
0から5%(w/w)の着色剤を含む、請求項1に記載の咀嚼可能な家畜用組成物。
【請求項14】
0から4%(w/w)の塩化ナトリウムを含む、請求項1に記載の咀嚼可能な家畜用組成物。
【請求項15】
外部寄生虫駆除剤、内部寄生虫駆除剤、エンデクトサイド(endectocide)、又は外部寄生虫駆除剤、内部寄生虫駆除剤及びエンデクトサイドからなる群から選択される寄生虫駆除剤の組み合わせの寄生虫駆除有効量を含む、請求項1に記載の咀嚼可能な家畜用組成物。
【請求項16】
外部寄生虫駆除剤が昆虫、ダニ目の虫又は昆虫とダニ目の虫に対して活性である、請求項15に記載の咀嚼可能な家畜用組成物。
【請求項17】
外部寄生虫駆除剤が成虫駆除剤又は昆虫成長抑制剤のどちらかの殺虫剤である、請求項16に記載の咀嚼可能な家畜用組成物。
【請求項18】
大環状ラクトン、ベンゾイミダゾール、プロ−ベンゾイミダゾール、イミダゾチアゾール、テトラヒドロピリミジン、有機ホスフェート及びピペラジンからなる群から選択される内部寄生虫駆除剤又はエンデクチサイド(endecticide)の寄生虫駆除有効量を含む、請求項15に記載の咀嚼可能な家畜用組成物。
【請求項19】
遊離型又は生理学的に許容される塩の形の式(I)の、天然又は化学的に改変された大環状ラクトンの有効量を含む、請求項18に記載の咀嚼可能な家畜用組成物。
【化1】

(式中、Xは−C(H)(OH)−、−C(O)−又は−C(=N−OH)−であり、Yは−C(H)−、=C(H)−、−C(H)(OH)−又は−C(=N−OCH)−であり、Rは水素又は基
【化2】

の1つであり、
はヒドロキシル、−NH−CH又は−NH−OCHであり、Rは水素、−CH、−C、−CH(CH)−CH、−CH(CH)−C、−C(CH)=CH−CH(CH又はシクロヘキシルであり、原子22と23の結合が二重結合である場合には23位の炭素原子は非置換であり、その結果Yは=C(H)−であり、又は原子22と23の結合が単結合である場合には23位の炭素原子は非置換若しくはヒドロキシ若しくは=N−O−CH基で置換されており、その結果Yは−C(H)−、−C(H)(OH)−若しくは−C(=N−OCH)−である。)
【請求項20】
大環状ラクトンが式(I)の化合物である、請求項19に記載の咀嚼可能な家畜用組成物。(式中、Xは−C(H)(OH)−であり、Yは−C(H)−であり、Rは基
【化3】

であり、
は−CH又はCであり、原子22と23の結合は単結合である。)
【請求項21】
大環状ラクトンが、遊離型又は生理学的に許容される塩の形の、アベルメクチン、ミルベマイシン及びそれらの誘導体からなる群から選択される、請求項19に記載の咀嚼可能な家畜用組成物。
【請求項22】
大環状ラクトンが、遊離型又は生理学的に許容される塩の形の、イベルメクチン、ドラメクチン、モキシデクチン、セラメクチン、エマメクチン、エプリノメクチン、ミルベメクチン、アバメクチン、ミルベマイシンオキシム、ネマデクチン及びそれらの誘導体からなる群から選択される、請求項21に記載の咀嚼可能な家畜用組成物。
【請求項23】
アルベンダゾール、クロルスロン、サイデクチン、ジエチルカルバマジン、フェバンテル、フェンベンダゾール、ハロクソン、レバミソール、メベンダゾール、モランテル、オキシクロザニド、オキシベンダゾール、オクスフェンダゾール、オクスフェンダゾール、オキサムニキン、ピランテル、ピペラジン、プラジカンテル、チアベンダゾール、テトラミソール、トリクロルホン、チアベンダゾール及びそれらの誘導体からなる群から選択される駆虫薬の有効量と組み合わせた大環状ラクトンの有効量を含む、請求項18に記載の咀嚼可能な家畜用組成物。
【請求項24】
殺虫剤、ダニ駆除剤又は殺虫剤とダニ駆除剤の有効量をさらに含む、請求項18に記載の咀嚼可能な家畜用組成物。
【請求項25】
ミルベマイシンオキシム及びプラジカンテルの有効量を含む、請求項1に記載の咀嚼可能な家畜用組成物。
【請求項26】
ルフェヌロン、プラジカンテル及びミルベマイシンオキシムの有効量を含む、請求項1に記載の咀嚼可能な家畜用組成物。
【請求項27】
シクロスポリンの有効量を含む、請求項1に記載の咀嚼可能な家畜用組成物。
【請求項28】
ペニシリン、テトラサイクリン、スルホンアミド、セファロスポリン、セファマイシン、アミノグルコシド、トリメトプリム、ジメトリダゾール、エリスロマイシン、フラマイセチン、フラゾリドン、プレウロムチリン、ストレプトマイシン及び原生動物に対して活性である化合物からなる群から選択される抗菌剤の有効量を含む、請求項1に記載の咀嚼可能な家畜用組成物。
【請求項29】
イヌ及びネコの分離不安又は乗物酔いを含めた行動に対して活性である化合物の有効量を含む、請求項1に記載の咀嚼可能な家畜用組成物。
【請求項30】
(i)有害動物、病原体又は動物の疾患に対して活性である1個以上の成分の有効量と、肉香味料と、部分アルファ化デンプンと、軟化剤と、最高9%(w/w)の水とを押出機のホッパーに供給し、(ii)前記押出機の先端を出る押出物の温度が全押し出しプロセス中に40℃を超えないように活性成分と担体の混合物を定常的に冷却し、(iii)咀嚼可能な製品の形状を決定するダイによって押出物を圧縮成形し、(iv)前記押出機を出た押出物を均等な断片に切断することを含む、請求項1に記載の、きわめて口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な家畜用組成物の製造方法。
【請求項31】
押出機のホッパーに、1個以上の活性成分と部分アルファ化デンプンの均質化混合物からなる予混合物(1)と、肉香味料と軟化剤の均質化混合物(甘味料、軟化剤、酸化防止剤、着色剤及び塩化ナトリウムからなる群から選択される担体を場合によっては含んでいてもよい。)からなる予混合物(2)とが同時に連続して供給される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
押出機が室温未満に冷却される、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
請求項1に記載の、口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な家畜用組成物を動物に与えることを含む、非ヒト有害動物若しくは非ヒト動物病原体を制御する方法又は非ヒト動物の疾患を治療若しくは予防する方法。
【請求項34】
口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な家畜用組成物が、非ヒト有害動物若しくは非ヒト動物病原体の制御又は非ヒト動物の疾患の治療若しくは予防が可能な化合物又は化合物の混合物の有効量を含む咀嚼可能な一部分からなる、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
活性成分量が、治療を必要とする非ヒト動物の体重に合わせて調節される、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
きわめて口当たりが良く、延性がある、咀嚼可能な家畜用組成物を調製するための、(A)有害動物、病原体又は動物の疾患に対して活性である1個以上の成分の有効量、(B)肉香味料、(C)部分アルファ化デンプン、(D)軟化剤、(E)最高9%の水および、有害動物、病原体又は動物の疾患を撲滅するのに適切な活性成分の使用。
【請求項37】
天然肉香味料を20から30%(w/w)含む、請求項36に記載の使用。
【請求項38】
天然肉香味料が20から55%(w/w)の脂肪を含む、請求項37に記載の使用。
【請求項39】
部分アルファ化デンプンを25から70%(w/w)含む、請求項36に記載の使用。
【請求項40】
部分アルファ化デンプンが12から17%(w/w)のアルファ化デンプンを含む、請求項39に記載の使用。
【請求項41】
部分アルファ化デンプンの重量に基づいて10から20%(w/w)の軟化剤を含む、請求項26に記載の使用。
【請求項42】
前記軟化剤がグリセリン、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールからなる群から選択される、請求項40に記載の使用。
【請求項43】
3から7%(w/w)の水を含む、請求項36に記載の使用。
【請求項44】
有害動物が外部動物寄生生物又は内部動物寄生生物又は両方である、請求項36に記載の使用。
【請求項45】
1から10%(w/w)の甘味料を含む、請求項36に記載の使用。
【請求項46】
0から3.5%(w/w)の酸化防止剤を含む、請求項36に記載の使用。
【請求項47】
0から5%(w/w)の着色剤を含む、請求項36に記載の使用。
【請求項48】
0から4%(w/w)の塩化ナトリウムを含む、請求項36に記載の使用。
【請求項49】
外部寄生虫駆除剤、内部寄生虫駆除剤、エンデクトサイドの寄生虫駆除有効量、又は外部寄生虫駆除剤、内部寄生虫駆除剤及びエンデクトサイドからなる群から選択される寄生虫駆除剤の組み合わせの寄生虫駆除有効量を含む、請求項36に記載の使用。
【請求項50】
外部寄生虫駆除剤が昆虫、ダニ目の虫又は昆虫とダニ目の虫に対して活性である、請求項36に記載の使用。
【請求項51】
外部寄生虫駆除剤が成虫駆除剤又は昆虫成長抑制剤のどちらかの殺虫剤である、請求項36に記載の使用。
【請求項52】
大環状ラクトン、ベンゾイミダゾール、プロ−ベンゾイミダゾール、イミダゾチアゾール、テトラヒドロピリミジン、有機ホスフェート及びピペラジンからなる群から選択される内部寄生虫駆除剤又はエンデクチサイドの寄生虫駆除有効量を含む、請求項36に記載の使用。
【請求項53】
遊離型又は生理学的に許容される塩の形の式(I)の、天然又は化学的に改変された大環状ラクトンの有効量を含む、請求項36に記載の使用。
【化4】

(式中、Xは−C(H)(OH)−、−C(O)−又は−C(=N−OH)−であり、Yは−C(H)−、=C(H)−、−C(H)(OH)−又は−C(=N−OCH)−であり、Rは水素又は基
【化5】

の1つであり、
はヒドロキシル、−NH−CH又は−NH−OCHであり、Rは水素、−CH、−C、−CH(CH)−CH、−CH(CH)−C、−C(CH)=CH−CH(CH又はシクロヘキシルであり、原子22と23の結合が二重結合である場合には23位の炭素原子は非置換であり、その結果Yは=C(H)−であり、又は原子22と23の結合が単結合である場合には23位の炭素原子は非置換若しくはヒドロキシ若しくは=N−O−CH基で置換されており、その結果Yは−C(H)−、−C(H)(OH)−若しくは−C(=N−OCH)−である。)
【請求項54】
大環状ラクトンが式(I)の化合物である、請求項53に記載の使用。(式中、Xは−C(H)(OH)−であり、Yは−C(H)−であり、Rは基
【化6】

であり、
は−CH又はCであり、原子22と23の結合は単結合である。)
【請求項55】
エンデクチサイドが、遊離型又は生理学的に許容される塩の形の、アベルメクチン、ミルベマイシン及びそれらの誘導体からなる群から選択される大環状ラクトンである、請求項49に記載の使用。
【請求項56】
大環状ラクトンが、遊離型又は生理学的に許容される塩の形の、イベルメクチン、ドラメクチン、モキシデクチン、セラメクチン、エマメクチン、エプリノメクチン、ミルベメクチン、アバメクチン、ミルベマイシンオキシム、ネマデクチン及びそれらの誘導体からなる群から選択される、請求項53に記載の使用。
【請求項57】
アルベンダゾール、クロルスロン、サイデクチン、ジエチルカルバマジン、フェバンテル、フェンベンダゾール、ハロクソン、レバミソール、メベンダゾール、モランテル、オキシクロザニド、オキシベンダゾール、オクスフェンダゾール、オクスフェンダゾール、オキサムニキン、ピランテル、ピペラジン、プラジカンテル、チアベンダゾール、テトラミソール、トリクロルホン、チアベンダゾール及びそれらの誘導体からなる群から選択される駆虫薬の有効量と組み合わせた大環状ラクトンの有効量を含む、請求項49に記載の使用。
【請求項58】
内部寄生虫駆除剤又はエンデクチサイドに加えて、殺虫剤、ダニ駆除剤又は殺虫剤とダニ駆除剤の有効量を含む、請求項49に記載の使用。
【請求項59】
ミルベマイシンオキシム及びプラジカンテルの有効量を含む、請求項36に記載の使用。
【請求項60】
ルフェヌロン、プラジカンテル及びミルベマイシンオキシムの有効量を含む、請求項36に記載の使用。
【請求項61】
シクロスポリンの有効量を含む、請求項36に記載の使用。
【請求項62】
ペニシリン、テトラサイクリン、スルホンアミド、セファロスポリン、セファマイシン、アミノグルコシド、トリメトプリム、ジメトリダゾール、エリスロマイシン、フラマイセチン、フラゾリドン、プレウロムチリン、ストレプトマイシン及び原生動物に対して活性である化合物からなる群から選択される抗菌剤の有効量を含む、請求項36に記載の使用。
【請求項63】
イヌ及びネコの分離不安又は乗物酔いを含めた行動に対して活性である化合物の有効量を含む、請求項36に記載の使用。
【請求項64】
非ヒト有害動物若しくは非ヒト動物病原体を制御する方法又は非ヒト動物の疾患を治療若しくは予防する方法における、請求項1に記載のきわめて口当たりが良く、延性がある咀嚼可能な家畜用組成物の使用。

【公開番号】特開2011−126882(P2011−126882A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−281573(P2010−281573)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【分割の表示】特願2006−521537(P2006−521537)の分割
【原出願日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【出願人】(504389991)ノバルティス アーゲー (806)
【Fターム(参考)】