説明

口腔ケア組成物

【課題】練り歯磨き及び含嗽剤の両方の効果を組み合わせた口腔用組成物を提供する。
【解決手段】本発明は、概して、口腔ケア組成物、より具体的には、口腔の洗浄に好適な口腔ケア組成物に関する。使用方法も開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、口腔ケア組成物、より具体的には、口腔の洗浄に好適な口腔ケア組成物に関する。使用方法も開示される。
【背景技術】
【0002】
口腔衛生組成物は、2つの主な分類、歯磨剤と、含嗽剤又は洗口剤とに分けられる。歯磨剤は、一般に、歯の表面を物理的に洗浄するために用いられる歯科的に許容できる不溶性の研磨剤を含有する。歯磨剤は、一般に、歯ブラシに容易に適用できる固体又はペースト状製剤の形態、例えば、粉末、ペースト、又は粘稠ゲルで提供される。
【0003】
既知の含嗽剤又は洗口剤組成物は、通常、少量の着色剤、着香剤、及び抗菌剤、又はその他の活性成分を含有する溶液である。これら溶液は、口臭清新、虫歯予防、殺菌、及び/若しくは歯垢防止用洗口剤、又はうがい用製剤として利用されており、一般的に従来の歯洗浄歯磨剤に加えて用いられる。
【0004】
洗口剤及び研磨歯磨剤は、長い間別個の製品として生産されてきたが、製剤が歯の間及び歯の周りでグチュグチュという音を立てて動く(swish)ことができるよう十分低粘度である許容可能な安定懸濁液中に有効量の研磨剤が維持されている、満足のいく形態の複合製品が望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、練り歯磨き及び含嗽剤の両方の効果を組み合わせた口腔用組成物が依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
特定の実施形態では、本発明は、以下の物理的性質:
・0.1〜100、所望により0.1rads−1の周波数において1(又は約1)未満であるタンデルタ、
・10s−1の剪断速度において2000(又は約2000)センチポアズ未満である第1の粘度(即ち、注入性(pourability))、及び
・100s−1の剪断速度において1000(又は約1000)センチポアズ未満である第2の粘度(即ち、グチュグチュという音を立てて動く能力(swishability))
を有する組成物に関する。
【0007】
特定の実施形態では、本発明は、以下の物理的性質:
・0.1〜100、所望により0.1rads−1の周波数において1(又は約1)未満であるタンデルタ、
・10s−1の剪断速度において2000(又は約2000)センチポアズ未満である第1の粘度(即ち、注入性)、及び
・100s−1の剪断速度において1000(又は約1000)センチポアズ未満である第2の粘度(即ち、グチュグチュという音を立てて動く能力)
を有するゲル又は液体ゲル歯磨剤に関する。
【0008】
他の実施形態では、本発明は、口内でグチュグチュという音を立てて動いた後、歯磨剤の一部、かなりの部分、又は大部分が吐き出された後、飲み込まれた後、又は他の方法で口内から除去された後でさえも、十分な泡立ちを提供し、組成物が除去された後の歯、舌、又は他の口腔表面上に残っている組成物のコーティングから泡を生じさせる、グチュグチュという音を立てて動くことが可能な液体ゲル歯磨剤組成物に関する。
【0009】
あるいは、本発明は、ゲル又は液体ゲル洗口剤の一部、かなりの部分、又は大部分が吐き出された後、飲み込まれた後、又は他の方法で口内から除去された後、練り歯磨き様感覚を提供するゲル又は液体ゲル洗口剤に関する。
【0010】
更に他の実施形態では、本発明は、
a)所望により、0.1重量%(又は約0.1重量%)〜50重量%(又は約50重量%)の非研磨粒子又は歯科的に許容できる研磨剤等の不溶性微粒子と、
b)所望により、0.01重量%(又は約0.01重量%)〜5重量%(又は約5重量%)の懸濁化ポリマーと、
c)0.001%(又は約0.001%)〜約12%(又は約12%)の界面活性剤又は界面活性剤系と、
d)少なくとも45%(又は約45%)の液体担体と、
を含む、液体組成物に関する。
【0011】
他の実施形態では、本発明は、
a)0.1重量%(又は約0.1重量%)〜50重量%(又は約50重量%)の非研磨粒子又は歯科的に許容できる研磨剤等の不溶性微粒子と、
b)0.01重量%(又は約0.01重量%)〜5重量%(又は約5重量%)の懸濁化ポリマーと、
c)0.1%(又は約0.1%)〜約5%(又は約5%)の界面活性剤又は界面活性剤系と、
d)少なくとも45%(又は約45%)の液体担体と、
を含み、
0.1〜100rads−1の周波数において1(又は約1)未満のタンデルタを有し、生物学的利用能に影響を与える化合物を本質的に含まない、口腔ケア組成物に関する。
【0012】
他の実施形態では、本発明は、
a)0.1重量%(又は約0.1重量%)〜50重量%(又は約50重量%)の非研磨粒子又は歯科的に許容できる研磨剤等の不溶性微粒子と、
b)0.01重量%(又は約0.01重量%)〜5重量%(又は約5重量%)の懸濁化ポリマーと、
c)0.1%(又は約0.1%)〜約5%(又は約5%)の界面活性剤と、
d)少なくとも45%(又は約45%)の液体担体と、
から本質的に成り、
0.1〜100rads−1の周波数において約1未満のタンデルタを有する、口腔ケア組成物に関する。
【0013】
更に他の実施形態では、本発明は、
a)0.1重量%(又は約0.1重量%)〜50重量%(又は約50重量%)の非研磨粒子又は歯科的に許容できる研磨剤等の不溶性微粒子と、
b)0.01重量%(又は約0.01重量%)〜5重量%(又は約5重量%)の多糖類ガムと、
c)0.1%(又は約0.1%)〜5%(又は約5%)の界面活性剤と、
d)少なくとも45%(又は約45%)の液体担体と、
を含み、
0.1〜100、所望により0.1rads−1の周波数において1(又は約1)未満のタンデルタを有する、口腔ケア組成物に関する。
【0014】
更なる実施形態では、本発明は、
a.界面活性剤系であって、
i.少なくとも1種の非イオン性界面活性剤、
ii.少なくとも1種のアニオン性界面活性剤、及び
iii.少なくとも1種の両性界面活性剤
を含む、界面活性剤系と、
b.液体担体と、
を含む、組成物であって、
所望により、この組成物が、以下の物理的性質:
i.0.1〜100rads−1の周波数において約1未満であるタンデルタ、
ii.10s−1の剪断速度において約2000センチポアズ未満である第1の粘度、及び
iii.100s−1の剪断速度において約1000センチポアズ未満である第2の粘度、
を有し、以下に記載の泡発生及びスクリーニング試験を用いて、組成物により発生する泡の泡径分布が、各0.005グラムの泡について、少なくとも約30個の泡の直径が約50マイクロメートル未満であり、及び/あるいは25mm×75mm×1.270mmの領域を占める各0.005グラムの泡について、少なくとも90%、所望により少なくとも95%、所望により少なくとも98%の泡の直径が50マイクロメートル(又は約50マイクロメートル)未満であるような泡径分布である、組成物に関する。
【0015】
更なる実施形態では、本発明は、組成物の製造方法であって、
a.界面活性剤系を提供する工程であって、この界面活性剤系が、
i.少なくとも1種の非イオン性界面活性剤、
ii.少なくとも1種のアニオン性界面活性剤、及び
iii.少なくとも1種の両性界面活性剤
を含む、工程と、
b.所望により、懸濁化剤を提供する工程と、
c.この界面活性剤系、及び所望により懸濁化剤を、液体担体と混合して、以下の物理的性質:
i.0.1〜100rads−1の周波数において約1未満であるタンデルタ、
ii.10s−1の剪断速度において約700センチポアズ未満である第1の粘度、及び
iii.100s−1の剪断速度において約150センチポアズ未満である第2の粘度、
を有する組成物を生成する、工程と、
を含み、
以下に記載の泡発生及びスクリーニング試験を用いて、組成物により発生する泡の泡径分布が、各0.005グラムの泡について、少なくとも約80個の泡の直径が約50マイクロメートル未満であり、及び/あるいは25mm×75mm×1.270mmの領域を占める各0.005グラムの泡について、少なくとも90%、所望により少なくとも95%、所望により少なくとも98%の泡の直径が50マイクロメートル(又は約50マイクロメートル)未満であるような泡径分布である、方法に関する。
【0016】
特定の他の実施形態では、本発明は、
a.少なくとも1種の界面活性剤系又は界面活性剤系であって、
i.少なくとも1種の非イオン性界面活性剤、
ii.少なくとも1種のアニオン性界面活性剤、及び
iii.少なくとも1種の両性界面活性剤
を含む、少なくとも1種の界面活性剤系又は界面活性剤系と、
b.泡増強剤と、
c.液体担体と、
を含む、組成物であって、
所望により、この組成物が、以下の物理的性質:
i.0.1〜100rads−1の周波数において約1未満であるタンデルタ、
ii.10s−1の剪断速度において約700センチポアズ未満である第1の粘度、及び
iii.100s−1の剪断速度において約150センチポアズ未満である第2の粘度、
を有し、以下に記載の泡発生及びスクリーニング試験を用いて、組成物により発生する泡の泡径分布が、各0.005グラムの泡について、少なくとも約150個の泡の直径が約50マイクロメートル未満であり、及び/あるいは25mm×75mm×1.270mmの領域を占める各0.005グラムの泡について、少なくとも90%、所望により少なくとも95%、所望により少なくとも98%の泡の直径が50マイクロメートル(又は約50マイクロメートル)未満であるような泡径分布である、組成物に関する。
【0017】
更なる実施形態では、本発明は、組成物の製造方法であって、
1.少なくとも1種の界面活性剤又は界面活性剤系を提供する工程であって、この界面活性剤又は界面活性剤系が、
a.少なくとも1種の非イオン性界面活性剤、
b.少なくとも1種のアニオン性界面活性剤、及び
c.少なくとも1種の両性界面活性剤
を含む、工程と、
d.所望により、懸濁化剤を提供する工程と、
e.この界面活性剤系、及び所望により懸濁化剤を、液体担体と混合して、所望により、以下の物理的性質:
i.0.1〜100rads−1の周波数において約1未満であるタンデルタ、
ii.10s−1の剪断速度において約700センチポアズ未満である第1の粘度、及び
iii.100s−1の剪断速度において約150センチポアズ未満である第2の粘度、
を有する、組成物を生成する工程と、
を含み、
以下に記載の泡発生及びスクリーニング試験を用いることにより、各0.005グラムの泡について、少なくとも約80個の泡の直径が約50マイクロメートル未満であり、及び/あるいは25mm×75mm×1.270mmの領域を占める各0.005グラムの泡について、少なくとも90%、所望により少なくとも95%、所望により少なくとも98%の泡の直径が50マイクロメートル(又は約50マイクロメートル)未満であるような泡径分布を有する泡を組成物が発生させ得る、方法に関する。
【0018】
本発明の別の実施形態は、口内で泡を発生させる方法であって、
a.組成物を提供する工程であって、この組成物が、
i.少なくとも1種の界面活性剤又は界面活性剤系と、
ii.所望により、懸濁化剤と、
iii.液体担体と、
を含み、
以下に記載の泡発生及びスクリーニング試験を用いることにより、各0.005グラムの泡について、少なくとも約80個の泡の直径が約50マイクロメートル未満であり、25mm×75mm×1.270mmの領域を占める各0.005グラムの泡について、少なくとも90%の泡の直径が約50マイクロメートル未満であるような泡径分布を有する泡をこの組成物が発生させ得る、工程と、
b.口内でグチュグチュという音を立てて動くのに十分な量の組成物を導入する工程と、
c.組成物を口内でグチュグチュという音を立てて動かして泡を発生させる工程と、
を含む、方法に関する。
【0019】
本発明の別の実施形態は、口内で泡を発生させる方法であって、
a.組成物を提供する工程であって、この組成物が、
i.少なくとも1種の界面活性剤又は界面活性剤系と、
ii.所望により、懸濁化剤と、
iii.液体担体と、
を含み、
以下に記載の泡発生及びスクリーニング試験を用いることにより、各0.005グラムの泡について、少なくとも約80個の泡の直径が約50マイクロメートル未満であり、25mm×75mm×1.270mmの領域を占める各0.005グラムの泡について、少なくとも90%の泡の直径が約50マイクロメートル未満であるような泡径分布を有する泡をこの組成物が発生させ得る、工程と、
b.口腔の粘膜及び歯表面を、組成物と接触させる工程と、
c.歯を磨いて泡を発生させる工程と、
を含む、方法に関する。
【0020】
本発明の別の実施形態は、
1.少なくとも1種の界面活性剤又は界面活性剤系と、
2.所望により、少なくとも1種の懸濁化剤と、
を含む、組成物であって、
この組成物が、
a.第1の液体相であって、第1の時点において、この組成物が以下の物理的性質:
i.10s−1の剪断速度において約2000センチポアズ未満である第1の粘度、及び
ii.100s−1の剪断速度において約1000センチポアズ未満である第2の粘度、
を有する、第1の液体相と、
b.第2の泡相であって、泡発生及びスクリーニング試験を用いて発泡するとき、各0.005グラムの泡の泡径分布が、少なくとも約80個の泡の直径が約50マイクロメートル未満であるような泡径分布であり、25mm×75mm×1.270mmの領域を占める各0.005グラムの泡の泡径分布が、少なくとも90%の泡の直径が50マイクロメートル未満であるような泡径分布である、第2の泡相と、
を形成させ得る、組成物に関する。
【0021】
本発明の別の実施形態は、
1.少なくとも1種の界面活性剤又は界面活性剤系と、
2.所望により、少なくとも1種の懸濁化剤と、
を含む、組成物であって、
この組成物が、組成物を吐き出した後、飲み込んだ後、又は他の方法で口内から除去した後口腔内に十分な量残存して、少なくとも1つの歯上にフィルムを形成するような直接性を有し、この組成物が、
a.第1の液体相であって、第1の時点において、この組成物が以下の物理的性質:
i.10s−1の剪断速度において約2000センチポアズ未満である第1の粘度、及び
ii.100s−1の剪断速度において約1000センチポアズ未満である第2の粘度、
を有する、第1の液体相と、
b.第2の泡相であって、以下に記載の泡発生及びスクリーニング試験を用いて発泡するとき、各0.005グラムの泡の泡径分布が、少なくとも約80個の泡の直径が約50マイクロメートル未満であるような泡径分布であり、25mm×75mm×1.270mmの領域を占める各0.005グラムの泡の泡径分布が、少なくとも90%の泡の直径が50マイクロメートル未満であるような泡径分布である、第2の泡相と、
を形成させ得る、組成物に関する。
【0022】
更に、本発明の他の実施形態は、口腔を洗浄する方法であって、有効量の本発明の口腔ケア組成物が、i)口腔内に導入され(多量の組成物を少しずつ口に含む等により)、ii)十分な時間口腔全体をグチュグチュという音を立てて動いて、歯及び口腔粘膜表面をコーティングし、iii)組成物の一部、かなりの部分、又は大部分が吐き出される、飲み込まれる、又は他の方法で口腔内から除去される方法に関する。本明細書で使用するとき、「組成物の大部分(bulk of the composition)」とは、口腔の硬組織及び軟組織に保持されない組成物の部分を意味する。所望により、歯を、必要に応じて、歯ブラシで磨いてもよい。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の口腔ケア組成物は、本明細書に記載される本発明の必須要素及び制限事項、並びに本明細書に記載される追加の若しくは任意の成分、構成要素、又は制限事項のいずれかを含み得る、これらから成り得る、又はこれらから本質的に成り得る。
【0024】
本明細書において使われる「comprising」(及びその文法的変化物)は、「having」又は「including」を包括する意味で用いられ、「consisting only of」の排他的な意味では使われない。本明細書で使用される「a」及び「the」は単数の他に複数も包含すると理解される。
【0025】
参照により全体が本明細書に組み込まれる全ての特許文献は、これらが本明細書に矛盾しない範囲においてのみ本明細書に組み込まれる。
【0026】
百分率、部分及び比率は全て、特に指定しない限り、本発明の組成物の総重量に基づいている。列挙された成分に関連するこのような重量は全て活性レベルに基づいているので、特に指定しない限り、市販の物質に含まれることがある担体又は副産物を含まない。
【0027】
特に指示しない限り、本明細書に記載される全ての測定及び試験は、25℃(又は約25℃)の温度で実施される。
【0028】
本明細書で使用するとき、用語「安全且つ有効な量」とは、当業者の適切な判定範囲内で、明白な利益、例えば抗菌効果を有意に生じさせるのに十分な局所又は全身活性であるが、深刻な副作用を回避するように十分に少ない、即ち合理的な利益対危険比を提供する、化合物又は組成物の量を意味する。
【0029】
本明細書で使用するとき、「歯科的に許容できる」という語句は、化合物、物質、又は装置が、口腔及び/又は口腔表面に対して実質的に有害な効果を及ぼすことなしに、歯及び歯肉を含む口腔及び/又はその表面に施されることができることを意味する。
【0030】
本明細書で使用するとき、「製剤」及び「組成物」という用語は、互換的に用いられる。
【0031】
全ての粘度測定値は、クエット型RFSIIレオメータ(TA Instruments,New Castle,DE)を用いて得られる。
【0032】
特定の実施形態では、本発明は、液体ゲル歯磨剤が口内でグチュグチュという音を立てて動くことができるようなレオロジー特性を有する液体ゲル歯磨剤である。
【0033】
必須の及び任意の構成成分を含む本発明の口腔ケア組成物について、以下に詳細に記載する。
【0034】
不溶性微粒子
特定の実施形態では、本発明の口腔ケア組成物は、安全且つ有効な量の非水溶性微粒子を含む。非水溶性微粒子は、研磨粒子(歯科的に許容できる研磨剤等)又は非研磨微粒子であり得る。
【0035】
特定の実施形態では、歯科的に許容できる研磨剤としては、炭酸カルシウム及び種々のリン酸カルシウム等の非水溶性カルシウム塩、アルミナ、シリカ、合成樹脂、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。好適な歯科的に許容できる研磨剤は、概して、本発明の組成物で用いられる濃度において、約30〜約250の放射性象牙質研磨値(RDA)を有するものとして定義され得る。特定の実施形態では、研磨剤は、非晶質の水酸化シリカ研磨剤、具体的には、例えば、それぞれ商品名ZEODENT(J.M.Huber Corporation,Edison,NJ)及びSYLODENT(W.R.Grace & Co.,New York,NY)として市販されている沈降シリカ又は粉砕シリカゲルの形態である。特定の実施形態では、本発明による組成物は、約1重量%〜約20重量%、又は所望により約5重量%〜約10重量%の研磨剤を含む。
【0036】
あるいは、不溶性微粒子は、肉眼で確認できる非研磨微粒子であり、本発明の組成物中で安定である。
【0037】
この非研磨微粒子は、肉眼で個々の粒子として明確に検知される限り、当該製品の所望の特徴によって任意の大きさ、形状又は色にすることができる。非研磨微粒子は、典型的には、小球形若しくは実質的に球形のボール状、又は球体の形状を有するが、板状又はロッド状の形状も本明細書において想到される。一般に、非研磨微粒子は、約50μm〜約5000μm、所望により約100μm〜約3000μm、又は所望により約300μm〜約1000μmの平均直径を有する。「安定な」及び/又は「安定性」という用語は、研磨微粒子又は非研磨微粒子が、通常の保存条件下で、分解、凝集、又は分離しないことを意味する。特定の実施形態では、「安定な」及び/又は「安定性」という用語は、本発明の組成物が、室温において、8週間後、所望により26週間後、所望により52週間後、不溶性微粒子の沈殿の徴候が視覚的に(肉眼で)確認できないことを更に意味する。
【0038】
本明細書における非研磨微粒子は、典型的には、組成物の約0.01重量%〜約25重量%、所望により約0.01重量%〜約5重量%、又は所望により約0.05重量%〜約3重量%の濃度で本組成物に組み込まれる。
【0039】
本明細書における非研磨微粒子は、典型的には、構造材、及び/又は所望により内包材(encompassed material)を含む。
【0040】
構造材は、通常の保存条件下で、本発明の組成物において明確に検出可能な構造を保持するように、非研磨微粒子に特定の強度を付与する。1つの実施形態では、構造材は更に、使用時に歯、舌、又は口腔粘膜上において、非常に僅かな剪断で破壊及び分解され得る。
【0041】
非研磨微粒子は、本発明の組成物中で安定である限り、固体若しくは液体が充填されていてもよく、又は充填されていなくてもよい。非研磨微粒子を作製するために用いられる構造材は、他の成分、並びに存在する場合は非研磨微粒子中に内包される物質との適合性によって違ってくる。本明細書における非研磨微粒子を作製するための例示的材料としては、結晶質セルロース、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、硝酸セルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アカシアガム(アラビアガム)、寒天、アガロース、マルトデキストリン、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カルシウム、デキストラン、デンプン、ガラクトース、グルコサミン、シクロデキストリン、キチン、アミロース、アミロペクチン、グリコーゲン、ラミナラン、リケナン、カードラン、イヌリン、レバン、ペクチン、マンナン、キシラン、アルギン酸、アラビン酸、グルコマンナン、アガロース、アガロペクチン、ポルフィラン(prophyran)、カラギーナン、フコイダン、グリコサミノグリカン、ヒアルロン酸、コンドロイチン、ペプチドグリカン、リポ多糖類、グアーガム、デンプン、及びデンプン誘導体等の多糖類及び糖類誘導体;スクロース、ラクトース、マルトース、ウロン酸、ムラミン酸、セロビオース、イソマルトース、プランテオース、メレチトース、ゲンチアノース、マルトトリオース、スタキオース、グルコシド、及びポリグルコシド等のオリゴ糖類;グルコース、フルクトース、及びマンノース等の単糖類;ポリアクリルアミド、ポリ(アルキルシアノアクリレート)、及びポリ(エチレン酢酸ビニル)を含むアクリルポリマー及びコポリマー、並びにカルボキシビニルポリマー、ポリアミド、ポリ(メチルビニルエーテル無水マレイン酸)、ポリ(アジピル−L−リジン)、ポリカーボネート、ポリテレフタルアミド、ポリ酢酸ビニルフタレート、ポリ(テレフタロイル−L−リジン)、ポリアリールスルホン、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリビニルピロリドン、ポリジメチルシロキサン、ポリオキシエチレン、ポリエステル、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリグルタミン酸、ポリリジン、ポリスチレン、ポリ(スチレン−アクリロニトリル)、ポリイミド、及びポリ(ビニルアルコール)等の合成ポリマー;並びに、脂肪、脂肪酸、脂肪族アルコール、乳固形分、糖蜜、ゼラチン、グルテン、アルブミン、セラック、カゼイン塩、蜜蝋、カルナウバ蝋、鯨蝋、水素添加タロー、グリセロールモノパルミテート、グリセロールジパルミテート、水素添加ヒマシ油、グリセロールモノステアレート、グリセロールジステアレート、グリセロールトリステアレート、12−ヒドロキシステアリルアルコール、タンパク質、及びタンパク質誘導体などのその他の物質;並びにこれらの混合物が挙げられる。本明細書における成分は、本組成物の有用な成分として他の項で記載されている場合がある。特定の実施形態では、この項で記載される成分は、通常の保存条件下で、微粒子から本発明の組成物に実質的に溶解又は分散しないように、非研磨微粒子の構造を形成する。
【0042】
他の実施形態では、本明細書における構造材は、多糖類及びその誘導体、糖類及びその誘導体、オリゴ糖類、単糖類、並びにこれらの混合物から成る群から選択される成分を含むか、又は所望により、様々な水溶解度を有する成分を含む。幾つかの実施形態では、構造材は、ラクトース、セルロース、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む。
【0043】
好適な非研磨微粒子はまた、米国特許第6,797,683号に詳細に記載されている有機ゲル粒子を含む。有機ゲル粒子である非研磨微粒子は、典型的には、ポロキサマー化合物(即ち、BASFから入手可能なPluronic F−127等のポリオキシプロピレンポリオキシエチレンブロックコポリマー)、ワックス(例えば、蜜蝋、パラフィン、非水溶性ワックス、炭素系ワックス、シリコーンワックス、マイクロクリスタリンワックスなど)、トリグリセリド、酸トリグリセリド、ポリマー、フルオロアルキル(メタ)アクリレートポリマー及びコポリマー、アクリレートポリマー、エチレン/アクリレートコポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレンポリマー及びコポリマー、脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪酸エステル、脂肪酸エーテル、脂肪酸アミド、アルキレン多価アルコール、アルカノールアミンの脂肪酸アミド、モノステアリン酸グリセリン、(アリール置換)糖、ジベンジルソルビトール(又はマンニトール、ラビトールなど)、低級一価アルコールの縮合物及び初期縮合物、三価アルコール、低級ポリグリコール、プロピレン/エチレン重縮合物などから選択される構造材を含む。所望により、有機ゲル粒子である非研磨微粒子のための構造材としては、蜜蝋、カルナウバ蝋、低分子量エチレンホモポリマー(例えば、Baker Petrolite Corp.から入手可能なPolywax 500、Polywax 1000、又はPolywax 2000ポリエチレン材料)、又はパラフィンワックスが挙げられる。
【0044】
本明細書における非研磨微粒子は、内包材を内包、含有、又は充填し得る。このような内包材は、水溶性又は非水溶性であり得る。好適な内包材としては、口腔ケア活性物質、ビタミン、顔料、染料、抗菌剤、キレート剤、光学的光沢剤、フレーバ、香料、保湿剤、及びこれらの混合物等の本明細書に記載される有益剤が挙げられる。本明細書における内包材は、非研磨微粒子内に実質的に保持され、通常の保存条件下で、微粒子から本発明の組成物に実質的に溶解しない。
【0045】
本発明において特に有用な市販の非研磨微粒子は、Induchem AG(スイス)から入手可能な商品名Unisphere及びUnicerin、並びにUnited−Guardian Inc.(米国ニューヨーク)から入手可能なConfetti Dermal Essentialsである。Unisphere及びUnicerin粒子は微結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ラクトース、ビタミン、顔料、及びタンパク質で作製されている。使用時、Unisphere及びUnicerin粒子は、非常に僅かな剪断力及び事実上抵抗なしに分解し得、本発明の組成物に容易に分散する。
【0046】
本組成物に組み込むための好適な非研磨微粒子は、米国特許第6,797,683号(有機ゲル粒子)、米国特許第6,045,813号(破裂性ビーズ)、米国特許出願公開第2004/0047822 A1号(可視カプセル)、及び米国特許第6,106,815号(カプセル化又は粒子化油性物質)に詳細に記載されており、これら特許文献はそれぞれ参照することにより全文が本明細書に援用される。
【0047】
特定の実施形態では、研磨及び/又は非研磨粒子は、これら粒子が配合される担体とは異なる、又は所望により実質的に異なる密度を有する。
【0048】
懸濁化剤
特定の実施形態では、本発明による口腔ケア組成物はまた、組成物を過剰に増粘することなしに、保存中に固体粒子(研磨剤等)を実質的に安定な懸濁液の状態に維持するのに好適な少なくとも1種の懸濁化剤を含有する。
【0049】
特定の実施形態では、懸濁化剤は、有機懸濁化剤を含むか、それから本質的に成るか、又はそれから成る。より具体的な実施形態では、懸濁化剤は、多糖類ガム等の水溶性懸濁化剤を含むか、それから本質的に成るか、又はそれから成る。懸濁化剤が有機懸濁化剤及び/又は水溶性懸濁化剤から本質的に成るか、又はそれから成る実施形態の場合、懸濁化剤は、懸濁化剤と共に組成物に組み込まれる口腔ケア活性物質等の活性物質の生物学的利用能に影響を与える傾向のある又は可能性のある化合物を含まない。
【0050】
特定の実施形態では、好適な懸濁化剤としては、多糖類ガム、又は所望により特定のアニオン性ガム、例えば、それぞれ商品名KELCOGEL及びKELTROL(CP Kelco U.S.,Inc.Atlanta,GA)として市販されているジェランガム及びキサンタンガム、並びにこれらの混合物が挙げられる。特定の実施形態では、キサンタンガムは、以下の仕様を有する。
【表1】

生存中温性好気性菌総数
【0051】
かかる仕様の範囲内にあるキサンタンガムとしては、Keltrol CG−T(CP Kelco)が挙げられるが、これに限定されない。
【0052】
他の実施形態では、懸濁化剤は、ジェランガムである。本明細書で使用するのに好適なジェランガムは、米国特許第4,326,052号(Kangら)、同第4,326,053号(Kangら)、同第4,377,636号(Kangら)、同第4,385,123号(Kangら)、同第4,377,636号(Bairdら)、同第4,385,123号(Bairdら)、同第4,563,366号(Bairdら)、同第4,503,084号(Bairdら)、同第5,190,927号(Chang.ら)、及び米国特許出願公開第2003/0100078号(Hardingら)に詳細に記載されており、これら特許文書はそれぞれ参照することにより全文が本明細書に援用される。特定の実施形態では、ジェランガムは、高アシルジェランガムである。好適な高アシルジェランガムは、米国特許第6,602,996号(Swornら)及び米国特許出願公開第20050266138号(Yuanら)に詳細に記載されており、これら特許文献は両方とも参照することにより全文が本明細書に援用される。
【0053】
好適な懸濁化剤はまた、微結晶セルロース、又は微結晶セルロースとカルボキシメチルセルロースナトリウムとの混合物を含む。微結晶セルロース及び微結晶セルロースとカルボキシメチルセルロースナトリウムとの混合物(以後MCC/CMC)は、商品名Avicel(登録商標)としてFMC Corporation(Philadelphia,PA)から入手可能である。特定の実施形態では、かかる混合物の微結晶セルロースとカルボキシメチルセルロースナトリウムとの比は、約20:1〜約1:1、所望により約15:1〜約3:1、又は所望により約10:1〜約5:1である。
【0054】
特定の実施形態では、微結晶セルロース及びカルボキシメチルセルロースナトリウムは、Avicel CL−611(15%の低粘度カルボキシメチルセルロースと共加工(co-process)された、コロイド含有量70%の85%微結晶セルロース)である。他の有用なコロイド状MCC/CMCとしては、Avicel PC−611(15%の低粘度カルボキシメチルセルロースと共加工された、コロイド含有量70%の85%微結晶セルロース)、Avicel(登録商標)RC 581(11%の中粘度カルボキシメチルセルロースと共加工された、コロイド含有量70%の89%微結晶セルロース)、Avicel(登録商標)RC 591(12%の50/50中/低粘度カルボキシメチルセルロースと共加工された、コロイド含有量70%の88%微結晶セルロース)、及びAvicel(登録商標)RC 501(9%の中粘度カルボキシメチルセルロースと共加工された、コロイド含有量70%の91%微結晶セルロース)が挙げられるが、これらに限定されない。上記MCC/CMC混合物の混合物を用いてもよい。
【0055】
また、化学的に修飾された粘土(単数又は複数)も懸濁化ポリマーとして有用である。本明細で使用するとき、「化学的に修飾された粘土」という用語は、組み合わせて使用されるときにフッ化物イオン若しくは他の口腔ケア活性物質の生物学的利用能を低下させるために、粘土が、かかるイオン及び/又は活性物質に対して全く若しくは実質的に全く親和性を有さないように、形成中若しくは形成後に化学的に修飾された粘土を意味する。化学的に修飾された好適な粘土としては、Laponite DF(Rockwood Additives Limited,Cheshire,U.K.)等のフッ化物イオン修飾ケイ酸マグネシウム粘土;Veegum D(R.T.Vanderbilt,Norwalk,Conn.)等のピロリン酸四カリウム/ピロリン酸四ナトリウム修飾ケイ酸アルミニウムマグネシウム粘土、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0056】
特定の実施形態では、懸濁化剤は、1)キサンタンガムと、2)微結晶セルロース、MCC/CMC混合物;微結晶セルロースとMCC/CMCとの混合物、又は種々のMCC/CMC混合物の混合物との混合物である。
【0057】
特定の実施形態では、1)キサンタンガムと、2)微結晶セルロース、MCC/CMC混合物、微結晶セルロースとMCC/CMCとの混合物、又は種々のMCC/CMC混合物の混合物との比は、0.5:1(又は約0.5:1)〜25:1(又は約25:1)、所望により1:1(又は約1:1)〜20:1(又は約20:1)、所望により1:1(又は約1:1)〜10:1(又は約10:1)である。
【0058】
特定の実施形態では、本発明の組成物は、組成物の約0.01〜約5重量%、所望により約0.05重量%〜約3重量%、所望により約0.05重量%〜約1重量%、又は所望により約0.05重量%〜約0.5重量%の懸濁化剤を含む。
【0059】
界面活性剤系
特定の実施形態では、表面活性剤である界面活性剤は、湿潤を補助するため、組成物の洗浄能を改善するため、使用時に化粧用として許容できる泡を生じさせるため、存在するとき芳香油を可溶化するため、並びに本発明の口腔用組成物により生じる泡立ちの量及び質を改善するために、本発明の組成物に組み込まれる。
【0060】
幾つかの実施形態では、本発明は、界面活性剤系を組み込んで、十分な泡発生及び/又は稠度をもたらす。これらの実施形態では、界面活性剤系は、本発明の組成物の一部、かなりの部分、又は大部分が吐き出された後、飲み込まれた後、又は他の方法で口腔内から除去された後でさえも、十分な泡発生及び/又は稠度を提供することができ、泡は、歯、舌、又は口内の他の口腔表面若しくは粘膜表面上に残っている組成物のフィルムから生じる。他の実施形態では、本発明の界面活性剤系は、両性、非イオン性、及び両性界面活性剤の組み合わせを含む。
【0061】
界面活性剤系で用いるのに好適な界面活性剤は、広いpH範囲にわたって適度に安定であり且つ適切な泡を発生させるものである。特定の実施形態では、界面活性剤は、アニオン性、非イオン性、両性界面活性剤の組み合わせである。本明細書において有用なアニオン性界面活性剤としては、サルコシン型界面活性剤又はサルコシネート、ココイルメチルタウリン酸ナトリウム等のタウレート、トリデセス硫酸ナトリウム又はラウリル硫酸ナトリウム等のアルキルサルフェート、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、ラウレスカルボン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。多くの好適なアニオン性界面活性剤が、参照することにより全文が本明細書に援用される、米国特許第3,959,458号(Agricolaら)に開示されている。
【0062】
本発明の組成物に用いることができる非イオン性界面活性剤としては、アルキレンオキシド基(本質的には親水性)と、本質的には脂肪族又はアルキル芳香族であり得る有機疎水性化合物との縮合によって生成される化合物が挙げられるが、これらに限定されない。好適な非イオン性界面活性剤の例としては、アルキルポリグルコシド;エチレンオキシド及びプロピレンオキシドコポリマー等のブロックコポリマー、例えば、Poloxamers;例えば商品名CRODURET(Croda Inc.,Edison,NJ)として市販されているエトキシル化水素添加ヒマシ油、及び/又はPEG−80ソルビタンラウレート若しくは例えば商品名TWEEN(Croda,Edison,NJ)として市販されているもの等のエトキシル化ソルビタンエステル;脂肪族アルコールエトキシレート;アルキルフェノールのポリエチレンオキシド縮合物;エチレンオキシドと、プロピレンオキシド及びエチレンジアミンの反応生成物との縮合物に由来する生成物;脂肪族アルコールのエチレンオキシド縮合物;長鎖三級アミンオキシド;長鎖三級ホスフィンオキシド;長鎖ジアルキルスルホキシド、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0063】
本発明において有用な両性界面活性剤としては、脂肪族ラジカルが直鎖又は分枝鎖状であり得、また脂肪族置換基の1つが約8〜約18個の炭素原子を含有し、1つがアニオン性水溶性基、例えばカルボキシレート、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、又はホスホネートを含有する、脂肪族第二級及び第三級アミンの誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。好適な両性界面活性剤の例としては、アルキルイミノ−ジプロピオネート、アルキルアンホグリシネート(モノ又はジ)、アルキルアンホプロピオネート(モノ又はジ)、アルキルアンホアセテート(モノ又はジ)、N−アルキルβ−アミノプロピオン酸、アルキルポリアミノカルボキシレート、リン酸化イミダゾリン、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルスルタイン、アルキルアミドスルタイン、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、両性界面活性剤は、アルキルアミドプロピルベタイン、ラウロアンホアセテートナトリウム等のアンホアセテート、及びこれらの混合物から成る群から選択される。上記界面活性剤のうちいずれの混合物も使用することができる。アニオン性、非イオン性、及び両性界面活性剤のより詳細な議論は、米国特許第7,087,650号(Lennon)、同第7,084,104号(Martinら)、同第5,190,747号(Sekiguchiら)、及び同第4,051,234号(Gieskeら)に見出すことができ、これら特許はそれぞれを参照することにより全文が本明細書に援用される。
【0064】
幾つかの実施形態では、カチオン性界面活性剤を含んでもよい。好適なカチオン性界面活性剤としては、セチルトリメチルアンモニウムクロリド(CTAB)、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド(HDTAB)、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、セチルジメチルエチルアンモニウムハロゲン化物、セチルジメチルベンジルアンモニウムハロゲン化物、セチルトリメチルアンモニウムハロゲン化物、ドデシルエチルジメチルアンモニウムハロゲン化物、ラウリルトリメチルアンモニウムハロゲン化物、ココナッツアルキルトリメチルアンモニウムハロゲン化物、及びN,N−C8〜20−ジアルキルジメチルアンモニウムハロゲン化物が挙げられるが、これらに限定されない。カチオン性界面活性剤に好適な他の化合物としては、それから離れて配向される疎水基で表面上に吸着することが知られているビス(水素添加タローアルキル)ジメチルアンモニウムクロリド、2−ヒドロキシドデシル−2−ヒドロキシエチルジメチルアンモニウムクロリド、及びN−オクタデシル−N,N’,N’−トリス−(2−ヒドロキシエチル)−1,3−ジアミノプロパンジヒドロフッ化物が挙げられる。
【0065】
特定の実施形態では、本発明の界面活性剤系は、アルキルサルコシン、アルキルポリグルコシド、及びアルキルアミドプロピルベタイン界面活性剤の組み合わせを含む。
【0066】
幾つかの実施形態では、アニオン性界面活性剤は、典型的には10〜24、所望により12〜20、所望により15〜18個の炭素原子を含有するアルキル基を有するアルキルサルコシンである。塩は、アルキルサルコシンと、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、又はトリエタノールアミン等の適切な塩基とを反応させることにより容易に形成され得る。用い得るアルキルサルコシンナトリウムの代表的な例の幾つかとしては、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ココイルサルコシン酸ナトリウム、ミリストールサルコシン酸ナトリウム、オレオイルサルコシン酸ナトリウム、ステアリルサルコシン酸ナトリウム、及び類似のサルコシン酸塩が挙げられる。特定の実施形態では、本発明の口腔ケア組成物は、サルコシン界面活性剤としてラウロイルサルコシン酸ナトリウムを組み込む。ラウロイルサルコシン酸ナトリウムは、Hamposyl(登録商標)L−30として、Chattem Chemicals,Inc.から市販されている。
【0067】
幾つかの他の実施形態では、非イオン性界面活性剤は、アルキルポリグルコシド非イオン性界面活性剤である。特定の実施形態では、本発明は、長鎖アルキルポリグルコシドを組み込む。好適な長鎖アルキルポリグルコシドとしては、(a)6〜22個、所望により8〜14個の炭素原子を含有する長鎖アルコールと、(b)グルコース又はグルコース含有ポリマーとの縮合生成物が挙げられる。アルキルポリグルコシドは、アルキルグルコシド1分子当たり約1〜約6個のグルコース残基を有する。好適なアルキルポリグルコシドとしては、ココグルコシド、デシルグルコシド、及びラウリルグルコシドが挙げられるが、これらに限定されない。他の特定の実施形態では、本発明の口腔ケア組成物は、アルキルポリグルコシドとしてラウリルグルコシドを組み込む。ラウリルグルコシドは、Plantaren 1200 N UPとしてCognis Corp.から市販されている。
【0068】
幾つかの実施形態では、両性界面活性剤は、以下の構造式により表されるアルキルアミドプロピルベタインである。
【化1】

式中、Rは、1〜18個、所望により10〜約16個の炭素原子を有する長鎖アルキルラジカルである。特定の実施形態では、本発明の口腔ケア組成物に組み込まれるアルキルアミドプロピルベタインは、コカミドプロピルベタインである。
【0069】
特定の実施形態では、アニオン性、非イオン性、及び両性界面活性剤は、80:10:10(又は約80:10:10)〜20:40:40(又は約20:40:40)、所望により60:20:20(又は約60:20:20)〜40:30:30(又は約40:30:30)、又は所望により50:25:25(又は約50:25:25)の比で、界面活性剤系に組み込まれる。
【0070】
界面活性剤又は界面活性剤系は、組成物の0.001重量%(又は約0.001重量%)〜12重量%(又は約12重量%)、所望により0.01重量%(又は約0.01重量%)〜8重量%(又は約8重量%)、所望により0.1重量%(又は約0.1重量%)〜5重量%(又は約5重量%)、又は所望により0.2重量%(又は約0.2重量%)〜2.5重量%(又は約2.5重量%)の濃度で存在する。
【0071】
幾つかの実施形態では、界面活性剤系又は界面活性剤(単数又は複数)が本発明の組成物に組み込まれ、特定の泡発生及びスクリーニング試験を用いてスクリーニングされる。
【0072】
泡発生及びスクリーニング試験
本発明の泡を特徴付けるために用いられる泡発生及びスクリーニング試験は、混合物が80%の界面活性剤含有組成物、及び20%の人工唾液溶液を含むように、以下を含む人工唾液溶液で本発明の界面活性剤系又は界面活性剤(単数又は複数)を含む組成物を希釈し、
【表2】

次いで、その混合物を、洗浄容易な速度設定(速度設定番号1)のOster 14−速ブレンダー(型番6855)を用いて10秒間ブレンドする工程を含む。
【0073】
ブレンダー内の混合物の表面から、0.005グラムの泡のサンプルを、スパチュラを用いて除去した。
【0074】
0.005グラムの泡のサンプルを、2つの0.634mmのPETスペーサがスライドの各角部に位置する25mm×75mmのガラススライド上に置いた。第2のスライドを第1のスライド上に置き、PETスペーサにより離間させて、2枚のスライド間に確実に泡の単層が存在するようにした。
【0075】
スライドを、Olympus光学顕微鏡(Discover Details 5 Image Analysis software stageを備えるモデルBX−51)に実装し、顕微鏡を反射モードに調整し、5倍の対物レンズを用いて画像を撮影し、次いで分析した。
【0076】
本発明の界面活性剤(単数又は複数)又は界面活性剤系を組み込み、本明細書に記載の泡発生及びスクリーニング試験を用いて、組成物から発生した泡は、各0.005グラムの泡について、少なくとも30(又は約30)個、所望により50(又は約50)個、所望により65(又は約65)個、所望により80(又は約80)個、所望により100(又は約100)個、所望により125(又は約125)個、所望により150(又は約150)個、所望により175(又は約175)個、又は所望により200(又は約200)個の泡の直径が、50(又は約50)マイクロメートル未満であるような泡径分布を有し、これに加えて又はこれに代えて、泡は、25mm×75mm×1.270mmの領域を占める各0.005グラムの泡について、少なくとも90%、所望により少なくとも95%、所望により少なくとも98%の泡の直径が、50(又は約50)マイクロメートル未満であるような泡径分布を有する。
【0077】
他の実施形態では、上述の界面活性剤は、単独で又は様々な他の組み合わせで組み込まれる。
【0078】
泡増強剤
特定の実施形態では、本発明の組成物は、泡増強剤を組み込んで、本発明の界面活性剤又は界面活性剤系により発生する泡径分布における、直径が50(又は約50)マイクロメートル未満である泡の数又は割合を更に増加させる。
【0079】
好適な泡増強剤としては、天然海草抽出物、天然種子ガム、天然植物滲出液、天然植物抽出物、天然繊維抽出物、生合成ガム、ゼラチン、生合成加工デンプン若しくはセルロース性物質、アルギネート、カラギーナン、グアー、ローカスト、タラ、アラビアガム、ガティガム、アガーガム、ペクチン、他の類似の親水コロイド原料物質、これらの塩類、又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。上述の懸濁化剤は、泡増強剤としても有益であり得る。特定の実施形態では、泡増強剤は、アルギネート、カラギーナン、これらの塩類、又はこれらの混合物から成る群から選択される。特定の他の実施形態では、泡増強剤は、カラギーナンである。
【0080】
泡増強剤(単数又は複数)は、口腔ケア組成物の約0.001重量%〜約12重量%、所望により約0.01重量%〜約8重量%、所望により約0.1重量%〜約5重量%、又は所望により約0.2〜約2.5重量%の濃度で存在する。
【0081】
幾つかの実施形態では、泡増強剤が上述の界面活性剤系又は界面活性剤(単数又は複数)と共に本発明の組成物に組み込まれ、泡発生及びスクリーニング試験を用いてスクリーニングされるとき、スクリーニング試験により発生する泡は、各0.005グラムの泡について、少なくとも150(又は約150)個、所望により200(又は約200)個、所望により225(又は約225)個、所望により250(又は約250)個、所望により275(又は約275)個、所望により300(又は約300)個、所望により325(又は約325)個、所望により350(又は約350)個、所望により375(又は約375)個、又は所望により400(又は約400)個の泡の直径が、50(又は約50)マイクロメートル未満であるような泡径分布を有し、これに加えて又はこれに代えて、スクリーニング試験により発生する泡は、25mm×75mm×1.270mmの領域を占める各0.005グラムの泡について、少なくとも90%、所望により少なくとも95%、所望により少なくとも98%の泡の直径が、50(又は約50)マイクロメートル未満であるような泡径分布を有する。
【0082】
ガス発生剤又は物質
特定の実施形態では、ガスを用いて口腔内において泡を発生させる。これは、組成物の一部、かなりの部分、又は大部分が口腔から除去された(吐き出された)後、歯ブラシ等の洗浄器具を用いて歯を用手的に洗浄する実施形態で特に有用である。
【0083】
発泡可能な実施形態は、過酸化物発生化合物;有機酸と組み合わせられる重炭酸ナトリウム又は重炭酸カリウム等のアルカリ金属重炭酸塩;圧縮空気、ブタン、イソペンタン、亜酸化窒素、又は二酸化炭素;揮発性炭化水素又は揮発性炭化水素の混合物(典型的には3〜6の炭素鎖長);及びこれらの混合物等であるがこれらに限定されないガス発生物質を含み得る。
【0084】
好適な過酸化物発生化合物としては、過酸化水素、過酸化尿素、過酸化カルシウム、及びこれらの混合物等の過酸化物;過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸カリウム、及びこれらの混合物等の過ホウ酸塩;過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、及びこれらの混合物等の過炭酸塩;亜塩素酸カルシウム、亜塩素酸バリウム、亜塩素酸マグネシウム、亜塩素酸リチウム又は亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸カリウム、及びこれらの混合物等の金属亜塩素酸塩;ペルオキシ酢酸等のペルオキシ酸;並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0085】
幾つかの実施形態では、ガスは、酒石酸、クエン酸、フマル酸、アジピン酸、リンゴ酸、シュウ酸、又はスルファミン酸、及びこれらの混合物等の酸と、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸アンモニウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カルシウム、及びこれらの混合物等の炭酸塩とを組み合わせて、発泡性反応を生じさせることによる等、使用前(又は使用直前)に、2種以上の別個の製剤を混合することにより発生し得る。
【0086】
更に別の実施形態では、ガスは、製造中及び/又は使用直前に、製品に炭酸を含む液体等のガス状液体を組み込むことにより、使用中インビボで発生し得る。この実施形態では、本発明は、単一製剤、又は互いに離れた状態でおかれ、使用前(又は使用直前)に混合される2種以上の製剤のいずれかであり得る。
【0087】
更に他の実施形態では、本発明の組成物は、ガス発生剤又は物質を含まないか、又は本質的に含まない。ガス発生剤又は物質に関して使用されるとき、「本質的に含まない」とは、総組成物の5重量%(又は約5重量%)未満、所望により3重量%(又は約3重量%)、所望により1重量%(又は約1重量%)、所望により0.01重量%(又は約0.01重量%)、又は0重量%のガス発生剤又は物質を有する製剤として定義される。
【0088】
レオロジー特性
幾つかの実施形態では、口腔ケア組成物又は製剤は、安定であり且つすすぐために注入可能であり、粒子を懸濁させる、容易に注入する、及び否定的な粘度を構築することになしに口内でグチュグチュという音を立てて動くことができる能力を含むレオロジー特性を有する。これらの製剤はまた、前記製剤物質が、吐き出した後(除去された後)に口内に保持され、その結果、歯磨きをした場合、すすぎ後及び/又は歯磨き後の知覚経験の改善に関して、歯磨き経験が消費者の期待に応える(即ち、十分な泡立ち、粘り(body)、口あたり等)ように、十分な直接性を提供する。
【0089】
周波数及び温度の関数としての動的機械レオロジー特性は、微粒子を含有する濃縮コロイド状分散液の全体的な物理的安定性を予測するのに有用なツールである。
【0090】
動的レオロジーを用いることにより、物理的安定性の予測は、3時間未満で達成できることが多い。動的又は振動レオロジー技術は、2部構成で実施される。第1に、歪掃引試験(周波数は一定、歪は可変的)により線形粘弾性範囲(LVR)を規定する。第2に、周波数走査(0.01〜5.0Hz)を、5〜49℃(40〜120°F)の様々な温度で実施する。特定の実施形態では、周波数走査は、LVRにおいて実施される。動的レオロジー測定から、弾性(G’)係数及び粘性(G”)係数に関するデータが得られる。周波数及び温度の関数として弾性係数対粘性係数の比をプロットすることにより、分散液のコロイド安定性の「フィンガープリント」であるプロットが作製される。G’/G”比は、観察された物理的安定性とよく相関する。次いで、タン(デルタ)を、G”対G’の比により算出する、即ちタン(デルタ)=G”/G’である。これは、懸濁液の弾性率に対する粘性率を表す。
【0091】
特定の実施形態では、本発明の口腔ケア組成物は、クエット型RFSIIレオメータ(TA Instruments,New Castle,DE)により測定したとき、0.1〜100rads−1の周波数において、1(又は約1)未満、所望により0.75(又は約0.75)未満、所望により0.5(又は約0.5)未満のタンデルタを有する。
【0092】
口腔ケア製剤の「注入性」は、連続流の移動能として定義される。本発明の口腔ケア組成物に関するとき、「グチュグチュという音を立てて動く」、「グチュグチュという音を立てて動くことができる」、又は「グチュグチュという音を立てて動くことができる能力」という用語は、i)歯の間及び/若しくは歯の周り、並びに/又は口腔全体を移動することにより、呻軋音又はシューという音を生じさせるのに十分な力で、組成物が移動すること又は組成物を移動させる能力を意味し、この場合かかる移動は、ユーザの顎筋を顕著に疲れさせる又はくたびれさせることなしに、一定時間にわたって生じ得る。
【0093】
定常状態の粘度測定により、口内で許容できる注入性及びグチュグチュという音を立てて動くことができる能力を消費者に提供し得る粘度の関連範囲に関する情報が得られる。特定の実施形態では、本発明の組成物は、10s−1の剪断速度において、2000(又は約2000)センチポアズ未満、所望により1500(又は約1500)センチポアズ未満、所望により1000(又は約1000)未満、所望により700(又は約700)未満、所望により500(又は約500)センチポアズ未満、所望により300(又は約300)センチポアズ未満の注入粘度を有する。特定の実施形態では、本発明の組成物は、100s−1の剪断速度において、1000(又は約1000)センチポアズ未満、所望により500(又は約500)センチポアズ未満、所望により300(又は約300)未満、所望により150(又は約150)未満、所望により100(又は約100)センチポアズ未満、所望により50(又は約50)センチポアズ未満の、グチュグチュという音を立てて動くことができる粘度を有する。
【0094】
特定の実施形態では、本発明の組成物は、ずり減粘している。ずり減粘は、剪断応力速度の増加と共に粘度が低下する作用である。ずり減粘を示す物質は、擬塑性体と呼ばれる。
【0095】
本発明の特定の実施形態では、本明細書に記載される口腔ケア組成物は、従来の歯磨剤の代わりに、毎日1〜4回、所望により2〜3回定期的に用いられる。典型的な使用は、安全且つ有効な量(例えば、少なくとも1[又は約1]、所望により少なくとも5[又は約5]、所望により少なくとも10[又は約10]、所望により少なくとも15[又は約15]、所望により少なくとも20[又は約20]ミリリットル)の口腔ケア組成物を口腔に導入し、十分な時間、口腔全体及び/又は歯の間をグチュグチュという音を立てながら組成物を動かして歯をコーティングし、口内から組成物の一部又はかなりの部分を吐き出す、飲み込む、又は他の方法で除去することを伴う。組成物は、少なくとも1(又は約1)、所望により少なくとも5(又は約5)、所望により少なくとも10(又は約10)、所望により少なくとも15(又は約15)、所望により少なくとも20(又は約20)、所望により少なくとも30(又は約30)、所望により少なくとも45(又は約45)、所望により少なくとも60(又は約60)、所望により少なくとも90(又は約90)秒間内に、少なくとも10(又は約10)、所望により少なくとも20(又は約20)、所望により少なくとも30(又は約30)、所望により少なくとも50(又は約50)、所望により少なくとも75(又は約75)、所望により少なくとも100(又は約100)、所望により少なくとも120(又は約120)回又はサイクル、口腔全体及び/又は歯の間をグチュグチュという音を立てて動く。
【0096】
所望により、所望の洗浄をもたらすのに十分な時間、歯ブラシ等の歯洗浄器具を用いて歯を磨く。特定の実施形態では、本発明の組成物を導入し、その一部、かなりの部分、又は大部分を口腔から除去する際、十分な組成物が、歯、舌、及び/又は口腔組織、若しくは口腔粘膜に残って、所望により歯ブラシと併用されたとき、満足のいく泡立ち及び研磨作用を生じさせ、使用後に持続性の新鮮な口あたりをもたらすことが見出された。
【0097】
任意成分
口腔ケア活性物質
特定の実施形態では、本発明の組成物は、口腔ケア活性部室を更に含有する。特定の実施形態では、口腔ケア活性物質としては、歯垢防止剤、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、及びフッ化アミン等のフッ化物イオン源(例えば、約1〜1500ppmのフッ化物イオン、所望により約200〜1150ppmのフッ化物イオンを提供);水溶性ピロリン酸塩、所望により特定のアルカリ金属ピロリン酸塩等の抗結石剤;キレート剤;シュウ酸カリウム、硝酸カリウム、及び塩化カリウム等のカリウム塩(例えば、約1重量%〜約5重量%)並びに塩化ストロンチウム及び酢酸ストロンチウム等のストロンチウム塩(例えば、約2重量%〜約10重量%)を含む、歯の過敏性を低減する歯脱感作剤;歯増白剤、及びビタミンA等のビタミンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0098】
特定の実施形態では、好適な歯垢防止剤及び/又は歯肉炎防止剤としては、口腔ケア酵素、ブロモクロロフェン及びトリクロサン等の非イオン性抗菌剤、並びに塩化セチルピリジニウム及びクロルヘキシジン塩等のカチオン性剤、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。更に、アネトール、オイカリプトール、サリチル酸メチル、チモール、及びメントール等の特定の非水溶性芳香油が、高濃度において抗菌効果を有することが知られている。特定の実施形態では、本発明の口腔ケア組成物は、約0.001重量%〜約1重量%、所望により約0.01重量%〜約0.5重量%の非イオン性抗菌剤を含む。幾つかの実施形態では、非水溶性歯石防止剤は、クエン酸亜鉛等の亜鉛塩を含む。特定の実施形態では、本発明の組成物は、約0.1%〜約1%の非水溶性抗結石剤を含み得る。
【0099】
本発明の組成物において有用な口腔ケア活性物質についてのより詳細な議論は、米国特許第7,601,338号(Mastersら)、米国特許第6,682,722号(Majetiら)、及び米国特許第6,121,315号(Nairら)に見出すことができ、これらは参照することにより全文が本明細書に援用される。
【0100】
担体及び担体成分
特定の実施形態では、本発明による組成物は、少なくとも約45重量%、所望により少なくとも約60重量%、所望により少なくとも約80重量%〜約99重量%、又は所望により少なくとも約80重量%〜約90重量%の液体担体を含み得るが、この比率は組成物に組み込まれる研磨剤の比率に大きく依存することを当業者は理解するであろう。特定の実施形態では、液体担体は、成分の溶液、エマルション、又はマイクロエマルションの形態であり得、幾つかの実施形態では、少なくとも5重量%の水、所望により少なくとも約10重量%の水を含有する。特定の実施形態では、エタノール等のアルコールは、所望により、液体担体の一部、例えば液体担体の約5重量%〜約35重量%を形成してもよく、幾つかの実施形態では、強いフレーバの効果、並びに口臭清新及び/又は殺菌特性を有する口腔ケア組成物において特に有用である。所望により、本発明の液体担体は、経口に許容できる液体担体である。語句「経口に許容できる」とは、その担体が、過度の毒性、不適合性、不安定性、アレルギー反応等なしに、口腔表面に塗布されるか、又は哺乳類及びヒトが挙げられるがこれらに限定されない生物により摂取されるのに好適であることを意味する。
【0101】
特定の実施形態では、本発明の組成物は、洗口剤、含嗽剤、ゲル、液体ゲル、液体歯磨剤等の形態であり得る。
【0102】
特定の実施形態では、液体担体は、水分の保持を促進して、製品の口あたりを改善し、また乾燥を防ぐ物質である保湿剤を含有する。幾つかの実施形態では、保湿剤としては、グリセリン、ソルビトール、並びにプロピレングリコール及びポリエチレングリコール等のグリコール、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。他の実施形態では、保湿剤に代えて又は保湿剤に加えて、液体担体は、例えば約0.1重量%〜約5重量%の量のシリコーンオイルを含有し得る。屈折率が重要な検討事項である特定の透明な製品の実施形態では、研磨剤系の屈折率は、担体又は溶媒系の屈折率に一致するように選択又は作製され得る。
【0103】
特定の実施形態では、本発明の口腔ケア組成物は、含嗽剤、洗口剤、及び練り歯磨き用フレーバとして市販されている、一般的に油の形態である着香剤を含有し得る。幾つかの実施形態では、着香剤としては、ペパーミント、スペアミント、アニシード、メントール、ユーカリ油、クローブ、チモール、及び冬緑油、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、液体担体にエマルションを形成することにより、高濃度の芳香油を本発明の口腔ケア組成物に組み込むことができる。これは、組成物がアルコールをほとんど又は全く含有しないが、強いフレーバの効果を有することを必要とする特定の実施形態で特に有利である。高濃度の着香剤を含有する従来の口腔ケア組成物は、一般的に、芳香油を溶解させるためにかなりの量のアルコールを用いる。本発明の特定の実施形態では、高含有量の着香剤はまた、口腔ケア組成物が不快な味の活性成分、例えば、塩化ストロンチウム、硝酸カリウム、及び/又はシュウ酸カリウム等の歯の過敏性を低減するための剤、又はピロリン酸四カリウム塩等の歯石防止剤を含有する場合に、望ましい場合がある。特定の実施形態では、本発明による口腔ケア組成物は、約0.01重量%〜約1.5重量%、所望により約0.1重量%〜約1重量%の着香剤を含有する。
【0104】
特定の実施形態では、本発明の口腔ケア組成物は、着色剤を組み込み、この着色剤は、含嗽剤若しくは歯磨剤で従来用いられている可溶性着色剤であってもよく、又は着色顔料等の不溶性微粒子、若しくは二酸化チタン等の増白剤、雲母等の真珠光沢剤、又はこれらの混合物であってもよい。着色顔料は、一般に、広範囲の色で入手可能であり、可溶性着色剤よりも退色しにくいため、本発明の組成物で有利に用いられ得る。
【0105】
特定の実施形態では、本発明による口腔ケア組成物のpHは、一般に、約3.5〜約10.0、又は所望により約4.0〜8.0の範囲である。他の実施形態では、必要に応じて、例えばクエン酸等の酸、若しくは例えば水酸化ナトリウム等の塩基を用いてpHを制御してもよく、又は例えばクエン酸塩緩衝塩、リン酸塩緩衝塩、安息香酸塩緩衝塩、又は重炭酸塩緩衝塩等を用いて緩衝化してもよい。
【0106】
種々の他の物質を、所望により本発明の組成物の特定の実施形態に組み込むことができ、これは当業者に周知である。これらには、例えば、サッカリン及びアスパルテーム等の甘味剤、安息香酸ナトリウム及びパラベン等の防腐剤のうちの少なくとも1種が挙げられる。特定の実施形態では、これら任意添加剤は、まとめて組成物の約0.01重量%〜約10重量%、所望により約0.1重量%〜約5重量%含まれ得る。
【0107】
特定の実施形態では、本発明の組成物は、生物学的利用能に影響を与える化合物を含まないか、又は実質的に含まない。本明細で使用するとき、「生物学的利用能に影響を与える化合物」とは、口腔ケア活性物質を結合する又は口腔ケア活性物質を不活性化することによるなど、組み込まれる口腔ケア活性物質のいずれかの生物学的利用能に負の影響を与える化合物を意味する。生物学的利用能影響を与える化合物に関して使用されるとき、「本質的に含まない」とは、総組成物の5重量%(又は約5重量%)未満、所望により3重量%(又は約3重量%)、所望により1重量%(又は約1重量%)、又は所望により0.01重量%(又は約0.01重量%)の、生物学的利用能に影響を与える化合物を有する製剤として定義される。特定の実施形態では、生物学的利用能に影響を与える化合物には、化学的に修飾されていない粘土、水溶性カルシウム塩、水溶性マグネシウム塩、水溶性アルミニウム塩、炭酸塩、及びこれらの混合物を挙げることができるが、これらに限定されない。他の実施形態では、本発明の口腔ケア組成物は、化学的に修飾されていない粘土を含まないか、又は実質的に含まない。
【0108】
特定の実施形態では、本発明による組成物は、使用前に振盪されてもよく、あるいは使用前に振盪することなしに使用中安定な懸濁液を提供し得る。
【0109】
他の実施形態では、本発明による組成物は、保存後に物理的に安定な状態を保つ、注入可能で好ましい味の懸濁液であるか、又は更なる実施形態では、長期間保存した後、例えば周囲温度で3ヶ月にわたって、具体的には、例えば3(又は約3)超、6(又は約6)、12(又は約12)、又は24(又は約24)ヶ月の好適な沈殿時間を有する。
【0110】
特定の実施形態では、本発明による口腔ケア組成物の更なる利点は、練り歯磨き等の従来の歯磨剤の製造に比べて、製造が容易であることに関する。満足のいく練り歯磨き製品を得るためには厳しい生産方法が必要であり、例えば、視覚的に許容できない製品を生じさせ、また製品の着香剤の酸化及びシネレシス(更なる凝固により液体がゲルから分離するプロセス)を導き得る、気泡の形成を防ぐために真空下で製造を実施しなければならないことが当該技術分野において周知である。対照的に、本発明の口腔ケア組成物の特定の実施形態は、外的真空又は真空化環境の必要なしに通常の生産条件下で、界面活性剤、懸濁化剤、及び液体担体の混合物に研磨剤を分散させることにより、容易に製剤され得る。
【0111】
本発明による口腔ケア組成物は、以下の実施例により例示される。
【実施例】
【0112】
以下の実施例で示される本発明の口腔用組成物は、本発明の組成物の特定の実施形態を示すものであり、本発明を限定するものではない。本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、当業者によってその他の変更が実行され得る。
【0113】
(実施例1)
口腔ケア製剤及び調製
以下の表1〜6に列挙する一連の液体ゲル歯磨剤を製剤した。
【表3】

【0114】
表1の液体ゲル歯磨剤を、以下の工程に従って調製した。工程Aでは、第1の好適なビーカー(本明細書において、以後、主ビーカーと呼ぶ)を用い、大量の脱イオン水を主ビーカーに加え、クエン酸を振り入れ、それが溶解するまで混合した。Silverson L4RT高剪断ミキサ(Silverson Machines Inc.,East Longmeadow,MA)を用いて、ガムを分散させた。一旦ガムが分散したら、混合物をCaframoミキサ(Caframo Limited,Wiarton,Ontario,Canada)に移し、混合物を約85℃に加熱しながら撹拌を続けた。バッチを約85℃で約5分間保持した。混合物を冷却し、ソルビトール及びサッカリンを約50℃で加え、均質になるまで混合した。水酸化ケイ素を加え、バッチが均質になるまでバッチを混合し、約30℃に冷却し、次いでアルコール相を加えた(工程Bから)。
【0115】
工程B(アルコール相)では、第2の好適なビーカー内で、エタノール、チモール、メントール、サリチル酸メチル、オイカリプトール、ミントフレーバ、及びpoloxamer 407を組み合わせ、均質になるまで混合した。
【0116】
工程C(界面活性剤ブレンド)では、第3の好適なビーカー内で、脱イオン水及びラウリル硫酸ナトリウムを組み合わせ、肉眼で透明になるまで混合した。
【0117】
最後の工程では、(工程Bの)第2のビーカーの内容物を(工程Aの)主ビーカーに加え、均質になるまで混合した。最後に、(工程Cの)第3のビーカーの内容物を主ビーカーに加え、バッチが均質になるまで混合した。
【表4】

【0118】
表2の液体ゲル歯磨剤を、以下の工程に従って調製した。工程Aでは、第1の好適なビーカー(本明細書において、以後、主ビーカーと呼ぶ)を用い、大量の脱イオン水を主ビーカーに加え、クエン酸に振り入れ、それが溶解するまで混合した。Silverson L4RT高剪断ミキサ(Silverson Machines Inc.East Longmeadow,MA)を用いて、ガムをゆっくりと振り入れることによりそれを分散させ、5〜10分間混合した。一旦ガムが分散したら、ミキサをCaframoミキサ(Caframo Limited Wiarton,Ontario,Canada)に切り換え、混合を続けた。ソルビトール及びサッカリンナトリウムを加え、溶液を均質になるまで十分混合した。次いで、シリカを加え、それが均質に分布するまで十分混合した。
【0119】
工程B(アルコール相)では、第2の好適なビーカー内で、エタノール、n−プロパノール、チモール、メントール、サリチル酸メチル、オイカリプトール、ミントフレーバ、及びPoloxamer 407を組み合わせ、均質になるまで十分混合した。
【0120】
工程C(界面活性剤ブレンド)では、第3の好適なビーカー内で、脱イオン水及びラウリル硫酸ナトリウムを組み合わせ、肉眼で透明になるまで混合物を混合した。
【0121】
最後の工程では、(工程Bの)第2のビーカーの内容物を(工程Aの)主ビーカーに加え、均質になるまで十分混合した。最後に、(工程Cの)第3のビーカーの内容物を主ビーカーに加え、バッチが均質になるまで混合した。
【表5】

【0122】
表3の液体ゲル歯磨剤を、以下の工程に従って調製した。工程Aでは、EDTA二ナトリウム、フッ化ナトリウム、コカミドプロピルベタイン、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、及び脱イオン水を、全ての固体が溶解するまで、第1のビーカー内で混合した。
【0123】
工程Bでは、粉末形態のキサンタンガムを第2のビーカー内の脱イオン水に加えて、1%溶液を作製した。全ての固体が溶解するまで、Silverson L4RT高剪断ミキサ(Silverson Machines Inc.East Longmeadow,MA)内で混合を実施した。
【0124】
工程Cでは、脱イオン水を第3のビーカーに加えた。Silverson L4RT高剪断ミキサを用いて、カラギーナンをゆっくりと振り入れることによりそれを水に分散させ、均質になるまで混合した。Avicel CL−611微結晶セルロース/カルボキシメチルセルロースナトリウムを振り入れ、混合物が均質になるまでSilverson L4RT高剪断ミキサを作動し続けた。ミキサをCaframoミキサ(Caframo Limited Wiarton,Ontario,Canada)に切り換え、混合を続けた。ソルビトール、サッカリンナトリウム、及びスクラロースを加え、均質になるまで溶液を十分混合した。ラウリルグルコシドを融解させ、バッチに加え、均質になるまで混合を続けた。キサンタンガム溶液(工程B、第2のビーカー)をバッチに加え、均質になるまで混合を続けた。次いで、シリカを加え、バッチが均質になるまで混合した。
【0125】
工程D(アルコール相)では、第4のビーカー内で、エタノール及びミントフレーバ、又はエタノール、ミントフレーバ、チモール、メントール、サリチル酸メチル、オイカリプトール、及びPoloxamer 407を組み合わせ、均質になるまで混合した。
【0126】
最後の工程では、(工程Dの)第4のビーカーの内容物を(工程Cの)第3のビーカーに加え、均質になるまで十分混合した。最後に、(工程Aの)第1のビーカーの内容物を主ビーカーに加え、バッチが均質になるまで混合した。
【表6】

【0127】
表4の液体ゲル歯磨剤を、以下の工程に従って調製した。工程Aでは、サッカリンナトリウム、フッ化ナトリウム、及び脱イオン水を、全ての固体が溶解するまで第1のビーカー内で混合した。
【0128】
工程Bでは、グリセリンを第2のビーカーに加え、混合を開始した。メチルパラベンを加え、均質になるまで溶液を混合した。次いで、モンモリロナイト粘土をバッチに加え、均質になるまで混合を続けた。第1のビーカー(工程A)の内容物を、第2のビーカーのバッチに加え、均質になるまで混合を続けた。次いで、シリカを第2のビーカーに加え、均質になるまでバッチを混合した。最後に、ラウリル硫酸ナトリウム、フレーバ、及び染料を連続して第2のビーカーに加え、バッチが均質になるまで混合した。
【表7】

【0129】
表5の液体ゲル歯磨剤を、以下の工程に従って調製した。工程Aでは、EDTA二ナトリウム、フッ化ナトリウム、コカミドプロピルベタイン、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、及び脱イオン水を、全ての固体が溶解するまで、第1のビーカー内で混合した。
【0130】
工程Bでは、脱イオン水を第2のビーカーに加えた。Silverson L4RT高剪断ミキサ(Silverson Machines Inc.East Longmeadow,MA)を用いて、カラギーナンをゆっくりと振り入れることによりそれを水に分散させ、均質になるまで混合した。ミキサをCaframoミキサ(Caframo Limited Wiarton,Ontario,Canada)に切り換え、混合を続けた。アクリレートコポリマーを加え、溶液を均質になるまで混合した。ソルビトール、サッカリンナトリウム、及びスクラロースを加え、溶液を均質になるまで混合した。ラウリルグルコシドを融解させ、バッチに加え、均質になるまで混合を続けた。次いで、シリカを第2のビーカーに加え、均質になるまでバッチを混合した。
【0131】
工程C(アルコール相)では、第3のビーカー内で、エタノール及びミントフレーバを組み合わせ、均質になるまで混合した。
【0132】
最後の工程では、(工程Cの)第3のビーカーの内容物を(工程Bの)第2のビーカーに加え、均質になるまで混合した。最後に、(工程Aの)第1のビーカーの内容物を第2のビーカーに加え、バッチが均質になるまで混合した。
【表8】

【0133】
表6の液体ゲル歯磨剤を、以下の工程に従って調製した。工程Aでは、ラウリル硫酸ナトリウム及び脱イオン水を、全ての固体が溶解するまで第1のビーカー内で混合した。
【0134】
工程Bでは、脱イオン水を第2のビーカーに加えた。Silverson L4RT高剪断ミキサ(Silverson Machines Inc.East Longmeadow,MA)を用いて、ヒドロキシプロピルメチルセルロースをゆっくりと振り入れることによりそれを水に分散させ、均質になるまで混合した。ソルビトール及びサッカリンナトリウムを加え、溶液を均質になるまで十分混合した。次いで、シリカを第2のビーカーに加え、バッチが均質になるまで混合した。
【0135】
工程C(アルコール相)では、第3のビーカー内で、エタノール、ミントフレーバ、チモール、メントール、サリチル酸メチル、オイカリプトール、及びPoloxamer 407を組み合わせ、均質になるまで混合した。
【0136】
最後の工程では、(工程Cの)第3のビーカーの内容物を(工程Bの)第2のビーカーに加え、均質になるまで十分混合した。最後に、(工程Aの)第1のビーカーの内容物を主ビーカーに加え、バッチが均質になるまで混合した。
【表9】

【0137】
表7の液体ゲル歯磨剤を、以下の工程に従って調製した。工程Aでは、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、コカミドプロピルベタイン、及び脱イオン水を、全ての固体が溶解するまで、第1のビーカー内で混合した。
【0138】
工程Bでは、脱イオン水を第2のビーカーに加えた。Silverson L4RT高剪断ミキサ(Silverson Machines Inc.East Longmeadow,MA)を用いて、ジェラン/カラギーナン/セルロースを振り入れ、混合物が均質になるまでSilverson L4RT高剪断ミキサを作動し続けた。ミキサをCaframoミキサ(Caframo Limited Wiarton,Ontario,Canada)に切り換え、混合を続けた。ソルビトール、サッカリンナトリウム、及びスクラロースを加え、均質になるまで溶液を十分混合した。ラウリルグルコシドを融解させ、バッチに加え、均質になるまで混合を続けた。次いで、シリカを加え、バッチが均質になるまで混合した。
【0139】
工程C(アルコール相)では、第3のビーカー内で、エタノール及びミントフレーバを組み合わせ、均質になるまで混合した。
【0140】
最後の工程では、(工程Cの)第3のビーカーの内容物を(工程Bの)第2のビーカーに加え、均質になるまで十分混合した。最後に、(工程Aの)第1のビーカーの内容物及び過酸化水素溶液(製剤7−3)を主ビーカーに加え、バッチが均質になるまで混合した。
【表10】

【0141】
表8の本発明の液体ゲル歯磨剤を、以下の工程に従って調製した。工程Aでは、界面活性剤又は界面活性剤の組み合わせ(表8に列挙したようなラウリルサルコシン酸ナトリウム、コカミドプロピルベタイン、トリデセス硫酸ナトリウム、PEG−80ラウリン酸ソルビタン、及び/又はメチルココイルタウリン酸ナトリウムを用いる)、フッ化ナトリウム、及び脱イオン水を、全ての固体が溶解するまで、第1のビーカー内で混合した。
【0142】
工程Bでは、脱イオン水を第2のビーカーに加えた。Silverson L4RT高剪断ミキサ(Silverson Machines Inc.East Longmeadow,MA)を用いて、ジェラン及び/又はカラギーナン(表8の製剤により必要な場合)を振り入れ、混合物が均質になるまでSilverson L4RT高剪断ミキサを作動し続けた。ミキサをCaframoミキサ(Caframo Limited Wiarton,Ontario,Canada)に切り換え、混合を続けた。ソルビトール、サッカリンナトリウム、及びスクラロースを加え、均質になるまで溶液を十分混合した。ラウリルグルコシド(表8の製剤により必要な場合)を融解させ、バッチに加え、均質になるまで混合を続けた。次いで、シリカ(表8の製剤により必要な場合)を加え、バッチが均質になるまで混合した。
【0143】
工程C(アルコール相)では、第3のビーカー内で、エタノール及びミントフレーバを組み合わせ、均質になるまで混合した。
【0144】
最後の工程では、(工程Cの)第3のビーカーの内容物を(工程Bの)第2のビーカーに加え、均質になるまで十分混合した。最後に、(工程Aの)第1のビーカーの内容物及び過酸化水素溶液(製剤8−1の場合のように)を主ビーカーに加え、バッチが均質になるまで混合した。
【表11】

【0145】
表9の比較液体ゲル歯磨剤を、以下の工程に従って調製した。工程Aでは、ラウリル硫酸ナトリウム、フッ化ナトリウム、及び脱イオン水を、全ての固体が溶解するまで第1のビーカー内で混合した。
【0146】
工程Bでは、脱イオン水を第2のビーカーに加えた。Silverson L4RT高剪断ミキサ(Silverson Machines Inc.East Longmeadow,MA)を用いて、ジェラン及び/又はカラギーナン(表9の製剤により必要な場合)を振り入れ、混合物が均質になるまでSilverson L4RT高剪断ミキサを作動し続けた。ミキサをCaframoミキサ(Caframo Limited Wiarton,Ontario,Canada)に切り換え、混合を続けた。ソルビトール、サッカリンナトリウム、及びスクラロースを加え、均質になるまで溶液を十分混合した。次いで、シリカ表9の製剤により必要な場合)を加え、バッチが均質になるまで混合した。
【0147】
工程C(アルコール相)では、第3のビーカー内で、エタノール及びミントフレーバを組み合わせ、均質になるまで混合した。
【0148】
最後の工程では、(工程Cの)第3のビーカーの内容物を(工程Bの)第2のビーカーに加え、均質になるまで十分混合した。最後に、(工程Aの)第1のビーカーの内容物を主ビーカーに加え、バッチが均質になるまで混合した。
【0149】
成分、並びにその商品名及び供給元の一覧を、表10に示す。
【表12−1】

【表12−2】

【0150】
(実施例2)
レオロジー試験
実施例1に記載の製剤を、レオロジー特性について試験した。振動及び定常剪断測定の両方に同じ計測手段を用いた。用いた機器は、歪制御振動レオメータ(モデルRFSII、TA Instruments,New Castle,DE)であった。クエット型及び平行板型を全ての試験で用いた。
【0151】
定常剪断粘度を測定して、0.02/s〜100/sの広範囲の剪断速度に対して、サンプルの時間依存性及び疑塑性を調べた。これらの測定は、外見、注入性、及び歯のグチュグチュという音を立てる動き等の、室温及び体温の両方において消費者が使用する範囲をカバーすることを意図していた。測定は、全てのサンプルについて、0.02、0.1、0.5、1、10、25、50及び100s−1で行った。
【0152】
動的振動測定では、10ラジアン/sの周波数で歪掃引を行って、粘弾性領域を決定し、周波数は、室温で線形領域又は0.02の歪付近にて行われた。安定性の推定は、ゲル網目構造の強度に基づいていた。弛緩が存在せず、且つタン(デルタ)が<1.0であった場合、安定性が良好であるとみなした。
【0153】
表11は、種々の製剤の粘度及びタンデルタ値の結果を示す。
【表13】

【0154】
この表は、製剤1−1、1−2、1−3、2−1、3−1、3−2、及び4−1が全て、0.1〜100rads−1の周波数において1.0未満というタンデルタ基準を満たし、更に10s−1の剪断速度で700センチポアズ未満という粘度基準、及び100s−1の剪断速度で150センチポアズ未満という粘度基準を満たすことを示す。製剤4−1は、粘土を含有していた。
【0155】
(実施例3)
安定性試験
実施例1の全ての製剤を最初に観察し、沈殿の明らかな徴候が(肉眼で)見られなかった場合、1ヶ月目、2ヶ月目、3ヶ月目の各時点で以下のパラメータを測定した。
1)外観
2)味
3)粘度
4)沈殿
5)pH
【0156】
製剤1−1、1−2、1−3、2−1、3−1、3−2は全て、1ヶ月目、2ヶ月目、及び3ヶ月目において沈殿の明らかな徴候が(肉眼で)見られなかった。それぞれが0.1radsにおいて1超のタンデルタを有する製剤5−1及び6−1は、(肉眼で)視認できる沈殿を示した。
【0157】
(実施例4)
消費者による試用
実施例1、表7の製剤を、小規模(30人)の消費者試用で用いて、製剤の発泡特性を比較した。各参加者は、無作為な順序で3種の製剤を評価した。15mLの各製剤で45秒間口をすすぎ、吐き出し、1分間歯磨きするよう指示した。参加者は、評価と評価との間に最低3時間待つように求められた。
【0158】
各製剤について、参加者は、すすぎ工程の後半中の「泡の稠度」について、また歯磨き工程中の「泡の量」についてコメントするよう求められた。「泡の稠度」について可能性のあるコメントは、「稠度が高すぎる」、「稠度が低すぎる」、又は「概ね丁度よい」であった。「泡の量」について可能性のあるコメントは、「多すぎる」、「少なすぎる」、又は「概ね丁度よい」であった。
【0159】
製剤7−1は、ジェラン及びカラギーナンを懸濁化剤として用いた。製剤7−2は、懸濁化剤としてジェランのみを用いた。製剤7−3は、懸濁化剤としてジェラン及びヒドロキシプロピルセルロースを用い、ガス発生剤として過酸化水素を含有していた。
【0160】
すすぎ工程の後半中、製剤7−2は「泡の稠度」に優れていることが見出され、一方製剤7−1は、「泡の量」に優れていることが見出された。歯磨き中、製剤7−1及び製剤7−2は「泡の稠度」に優れていることが見出され、一方製剤7−1は、「泡の量」に優れていることが見出された。
【0161】
(実施例5)
泡の特徴分析
実施例1、表8の製剤について泡径分布を決定した。用いた泡発生及び分析方法は、上記泡発生及びスクリーニング試験であり、これは液体歯磨剤製剤、身体洗浄用製剤、シャンプー、顔面洗浄剤、及び泡又は石鹸泡を発生させるその他の美容製品の形態等の種々の製剤について、泡を発生させ、泡径を測定するために考案された。
【0162】
設備一覧
1.Discover Details 5 Image Analysis softwareを備えるOlympus Optical Microscope、モデルBX−51
2.Oster 14−速ブレンダー(型番6855)
3.人工唾液
4.顕微鏡用スライド
5.ビーカー
6.スパチュラ
7.0.0.625mmのPET(ポリエチレンテレフタレート)スペーサ(シム材料)
【0163】
手順:
適切な量の実施例1、表8の各製剤を人工唾液に加えて、混合物中製剤が80%になるような混合物を調製した。人工唾液は、以下の成分を有していた。
【表14】

【0164】
均一になるまで混合物を混合した。
【0165】
混合物をOster 14−速(型番6855)ブレンダー内に入れ、(1)の速度設定で10秒間ブレンドした。ブレンダー内の混合物の表面から、0.005グラムの泡のサンプルを、スパチュラを用いて除去した。
【0166】
0.005グラムの泡のサンプルを、2つの0.634mmのPETスペーサがスライドの各角部に位置する25mm×75mmのガラススライド上に置いた。第2のスライドを第1のスライド上に置き、PETスペーサにより離間させて、2枚のスライド間に確実に泡の単層が存在するようにした。
【0167】
スライドを、Olympus光学顕微鏡(Discover Details 5 Image Analysis software stageを備えるモデルBX−51)に実装し、顕微鏡を反射モードに調整し、5倍の対物レンズを用いて画像を撮影し、次いで分析した。結果を表12にまとめる。
【0168】
製剤8−1は、懸濁化剤としてジェランを用い、ガス発生剤として過酸化水素を含有していた。製剤8−2は、懸濁化剤としてジェランのみを用いた。製剤8−3は、ジェラン及びカラギーナンを懸濁化剤として用いた。
【表15】

【表16】

【0169】
本発明の界面活性剤系を含む本発明の製剤を用いて発生した全ての泡は、各0.005グラムの泡が、5μm未満の直径を有する泡を少なくとも80個有するような泡径分布を有していた。本発明の泡増強剤と組み合わせて本発明の界面活性剤系を含むが、ガス発生剤(又は物質)を組み込まない(又は含まない)本発明の製剤を用いて発生した泡は、各0.005グラムの泡が、5μm未満の直径を有する泡を少なくとも250個有するような泡径分布を有していた。この泡径分布は、製剤8.1を含有する過酸化水素(又はガス発生剤)により示される、0.005グラムの泡当たり5μm未満の直径を有する泡が約300個であるという泡径分布に驚くべきことに類似していた。
【0170】
ラウリル硫酸ナトリウムを含む比較製剤9−1、9−2、及び9−3を用いて発生した泡は、各0.005グラムの泡が、5μm未満の直径の泡を少なくとも25個有するような泡径分布を有していた。本発明の泡増強剤と組み合わせて本発明の界面活性剤系を含むが、ガス発生剤(又は物質)を組み込まない(又は含まない)比較製剤を用いて発生した泡は、各0.005グラムの泡が、5μm未満の直径を有する泡を少なくとも100個有するような泡径分布を示した。しかし、25mm×75mm×1.270mmの領域を占めるとき、比較製剤の0.005グラムの泡サンプルは、それに対応して少なくとも90%の泡の直径が約50マイクロメートル未満であるような泡径分布を提供しなかった。
【0171】
(実施例6)
本発明の口腔ケア組成物は、ゲル洗口剤として形成することもできる。ゲル洗口剤の例を表14に示す。
【表17】

【0172】
表14のゲル洗口剤を、以下の工程に従って調製した。工程Aでは、EDTA二ナトリウム、フッ化ナトリウム、コカミドプロピルベタイン、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、及び脱イオン水を、全ての固体が溶解するまで、第1のビーカー内で混合した。
【0173】
工程Bでは、粉末形態のキサンタンガムを第2のビーカー内の脱イオン水に加えて、1%溶液を作製した。全ての固体が溶解するまで、Silverson L4RT高剪断ミキサ(Silverson Machines Inc.East Longmeadow,MA)内で混合を実施した。
【0174】
工程Cでは、脱イオン水を第3のビーカーに加えた。Silverson L4RT高剪断ミキサを用いて、カラギーナンをゆっくりと振り入れることによりそれを水に分散させ、均質になるまで混合した。Avicel CL−611微結晶セルロース/カルボキシメチルセルロースナトリウムを振り入れ、混合物が均質になるまでSilverson L4RT高剪断ミキサを作動し続けた。ミキサをCaframoミキサ(Caframo Limited Wiarton,Ontario,Canada)に切り換え、混合を続けた。ソルビトール、サッカリンナトリウム、及びスクラロースを添加し、均質になるまで溶液を十分混合した。ラウリルグルコシドを融解させ、バッチに加え、均質になるまで混合を続けた。キサンタンガム溶液(工程B、第2のビーカー)をバッチに加え、均質になるまで混合を続けた。次いで、アガー、ビタミンE酢酸塩、顔料を加え、バッチが均質になるまで混合した。
【0175】
工程D(アルコール相)では、第4のビーカー内で、エタノール及びミントフレーバ、又はエタノール、ミントフレーバ、チモール、メントール、サリチル酸メチル、オイカリプトール、及びPoloxamer 407を組み合わせ、均質になるまで混合した。
【0176】
最後の工程では、(工程Dの)第4のビーカーの内容物を(工程Cの)第3のビーカーに加え、均質になるまで十分混合した。最後に、(工程Aの)第1のビーカーの内容物を主ビーカーに加え、バッチが均質になるまで混合した。
【0177】
〔実施の態様〕
(1) a.界面活性剤系であって、
i.少なくとも1種の非イオン性界面活性剤、
ii.少なくとも1種のアニオン性界面活性剤、及び
iii.少なくとも1種の両性界面活性剤
を含む、界面活性剤系と、
b.経口に許容できる液体担体と、
を含む、口腔用組成物であって、
本明細書に記載される泡発生及びスクリーニング試験を用いて、前記組成物により発生する泡の泡径分布が、各0.005グラムの泡について、少なくとも約30個の泡の直径が約50マイクロメートル未満であるような泡径分布である、口腔用組成物。
(2) 前記泡径分布が、少なくとも約80個の泡の直径が約50マイクロメートル未満であるような泡径分布である、実施態様1に記載の組成物。
(3) 前記泡径分布が、少なくとも約125個の泡の直径が約50マイクロメートル未満であるような泡径分布である、実施態様2に記載の組成物。
(4) 泡増強剤を更に含む、実施態様1に記載の組成物。
(5) 前記泡増強剤が、天然海草抽出物、天然種子ガム、天然植物滲出液、天然植物抽出物、天然繊維抽出物、生合成ガム、ゼラチン、生合成加工デンプン又はセルロース性物質、アルギネート、カラギーナン、グアー、ローカスト、タラ、アラビアガム、ガティガム、アガーガム、ペクチン、これらの塩類、又はこれらの混合物から成る群から選択される、実施態様1に記載の組成物。
(6) 前記泡増強剤が、アルギネート、カラギーナン、これらの塩類、又はこれらの混合物から成る群から選択される、実施態様5に記載の組成物。
(7) 前記泡増強剤がカラギーナンである、実施態様5に記載の組成物。
(8) 前記非イオン性界面活性剤が、アルキルポリグルコシド;ブロックコポリマー;エトキシ化水素添加ヒマシ油;エトキシ化ソルビタンエステル;脂肪族アルコールエトキシレート;アルキルフェノールのポリエチレンオキシド縮合物;エチレンオキシドと、プロピレンオキシド及びエチレンジアミンの反応生成物との縮合物に由来する生成物;脂肪族アルコールのエチレンオキシド縮合物;長鎖三級アミンオキシド;長鎖三級ホスフィンオキシド;長鎖ジアルキルスルホキシド、並びにこれらの混合物から成る群から選択される、実施態様1に記載の組成物。
(9) 前記非イオン性界面活性剤がアルキルポリグルコシドである、実施態様8に記載の組成物。
(10) 前記アニオン性界面活性剤が、サルコシン界面活性剤;タウレート;アルキルサルフェート;ラウリルスルホ酢酸ナトリウム;ラウロイルイセチオン酸ナトリウム;ラウレスカルボン酸ナトリウム;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム;及びこれらの混合物から成る群から選択される、実施態様1に記載の組成物。
【0178】
(11) 前記アニオン性界面活性剤がサルコシン界面活性剤である、実施態様10に記載の組成物。
(12) 前記両性界面活性剤が、アルキルイミノ−ジプロピオネート、アルキルアンホグリシネート(モノ又はジ)、アルキルアンホプロピオネート(モノ又はジ)、アルキルアンホアセテート(モノ又はジ)、N−アルキルβ−アミノプロピオン酸、アルキルポリアミノカルボキシレート、リン酸化イミダゾリン、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルスルタイン、アルキルアミドスルタイン、及びこれらの混合物から成る群から選択される、実施態様1に記載の組成物。
(13) 前記両性界面活性剤がアルキルアミドプロピルベタインである、実施態様1に記載の組成物。
(14) 口腔用組成物の製造方法であって、
a.界面活性剤系を提供する工程であって、前記界面活性剤系が、
i.少なくとも1種の非イオン性界面活性剤、
ii.少なくとも1種のアニオン性界面活性剤、及び
iii.少なくとも1種の両性界面活性剤
を含む、工程と、
b.所望により、懸濁化剤を提供する工程と、
c.前記界面活性剤系を、経口に許容できる液体担体と混合する工程と、
を含み、
本明細書に記載の泡発生及びスクリーニング試験を用いることにより、各0.005グラムの泡について、少なくとも約80個の泡の直径が約50マイクロメートル未満であり、25mm×75mm×1.270mmの領域を占める各0.005グラムの泡について、少なくとも90%の泡の直径が約50マイクロメートル未満であるような泡径分布を有する泡を前記組成物が発生させ得る、方法。
(15) 口内で泡を発生させる方法であって、
a.組成物を提供する工程であって、前記組成物が、
i.界面活性剤又は界面活性剤の組み合わせと、
ii.所望により、懸濁化剤と、
iii.液体担体と、
を含み、
本明細書に記載の泡発生及びスクリーニング試験を用いることにより、各0.005グラムの泡について、少なくとも約80個の泡の直径が約50マイクロメートル未満であり、25mm×75mm×1.270mmの領域を占める各0.005グラムの泡について、少なくとも90%の泡の直径が約50マイクロメートル未満であるような泡径分布を有する泡を前記組成物が発生させ得る、工程と、
b.口内でグチュグチュという音を立てて動くのに十分な量の前記組成物を導入する工程と、
c.前記組成物を口内でグチュグチュという音を立てて動かして泡を発生させる工程と、
を含む、方法。
(16) 口内で泡を発生させる方法であって、
a.組成物を提供する工程であって、前記組成物が、
i.界面活性剤又は界面活性剤の組み合わせと、
ii.所望により、懸濁化剤と、
iii.液体担体と、
を含み、
本明細書に記載の泡発生及びスクリーニング試験を用いることにより、各0.005グラムの泡について、少なくとも約80個の泡の直径が約50マイクロメートル未満であり、25mm×75mm×1.270mmの領域を占める各0.005グラムの泡について、少なくとも90%の泡の直径が約50マイクロメートル未満であるような泡径分布を有する泡を前記組成物が発生させ得る、工程と、
b.口腔の粘膜及び歯表面を、前記組成物と接触させる工程と、
c.歯を磨いて泡を発生させる工程と、
を含む、方法。
(17) 前記組成物が口内で少なくとも10秒間グチュグチュという音を立てて動く、実施態様16に記載の方法。
(18) 前記組成物の一部が歯磨き前に口内から除去される、実施態様16に記載の方法。
(19) a.界面活性剤系であって、
i.少なくとも1種の非イオン性界面活性剤、
ii.少なくとも1種のアニオン性界面活性剤、及び
iii.少なくとも1種の両性界面活性剤
を含む、界面活性剤系と、
b.泡増強剤と、
c.経口に許容できる液体担体と、
を含む、口腔用組成物であって、
本明細書に記載される泡発生及びスクリーニング試験を用いて、前記組成物により発生する泡の泡径分布が、各0.005グラムの泡について、少なくとも約150個の泡の直径が約50マイクロメートル未満であるような泡径分布である、口腔用組成物。
(20) 前記泡増強剤が、天然海草抽出物、天然種子ガム、天然植物滲出液、天然植物抽出物、天然繊維抽出物、生合成ガム、ゼラチン、生合成加工デンプン又はセルロース性物質、アルギネート、カラギーナン、グアー、ローカスト、タラ、アラビアガム、ガティガム、アガーガム、ペクチン、これらの塩類、又はこれらの混合物から成る群から選択される、実施態様19に記載の組成物。
【0179】
(21) 前記泡増強剤が、アルギネート、カラギーナン、これらの塩類、又はこれらの混合物から成る群から選択される、実施態様20に記載の組成物。
(22) 前記泡増強剤がカラギーナンである、実施態様21に記載の組成物。
(23) a.界面活性剤系であって、
i.非イオン性界面活性剤、
ii.アニオン性界面活性剤、及び
iii.両性界面活性剤
を含む、界面活性剤系と、
b.所望により、懸濁化剤と、
c.液体担体と、
を含む、組成物であって、
前記組成物が、以下の物理的性質:
i.0.1〜100rads−1の周波数において約1未満であるタンデルタ、
ii.10s−1の剪断速度において約2000センチポアズ未満である第1の粘度、及び
iii.100s−1の剪断速度において約1000センチポアズ未満である第2の粘度、
を有し、
本明細書に記載される泡発生及びスクリーニング試験を用いて、前記組成物により発生する泡の泡径分布が、25mm×75mm×1.270mmの領域を占める各0.005グラムの泡について、少なくとも90%の泡の直径が50マイクロメートル未満であるような泡径分布である、組成物。
(24) 不溶性微粒子を更に含む、実施態様23に記載の組成物。
(25) 前記不溶性微粒子が、歯科的に許容できる研磨剤である、実施態様24に記載の組成物。
(26) 1.少なくとも1種の界面活性剤又は界面活性剤系と、
2.所望により、少なくとも1種の懸濁化剤と、
を含む、組成物であって、
前記組成物が、
a.第1の液体相であって、第1の時点において、前記組成物が以下の物理的性質:
i.10s−1の剪断速度において約2000センチポアズ未満である第1の粘度、及び
ii.100s−1の剪断速度において約1000センチポアズ未満である第2の粘度、
を有する、第1の液体相と、
b.第2の泡相であって、泡発生及びスクリーニング試験を用いて発泡するとき、各0.005グラムの泡の泡径分布が、少なくとも約80個の泡の直径が約50マイクロメートル未満であるような泡径分布であり、25mm×75mm×1.270mmの領域を占める各0.005グラムの泡の泡径分布が、少なくとも90%の泡の直径が50マイクロメートル未満であるような泡径分布である、第2の泡相と、を形成させ得る、組成物。
(27) 1.少なくとも1種の界面活性剤又は界面活性剤系と、
2.所望により、少なくとも1種の懸濁化剤と、
を含む、組成物であって、
前記組成物が、前記組成物を吐き出した後、飲み込んだ後、又は他の方法で口内から除去した後口腔内に十分な量残存して、少なくとも1つの歯上にフィルムを形成するような直接性を有し、前記組成物が、
a.第1の液体相であって、第1の時点において、前記組成物が以下の物理的性質:
i.10s−1の剪断速度において約2000センチポアズ未満である第1の粘度、及び
ii.100s−1の剪断速度において約1000センチポアズ未満である第2の粘度、
を有する、第1の液体相と、
b.第2の泡相であって、本明細書に記載の泡発生及びスクリーニング試験を用いて発泡するとき、各0.005グラムの泡の泡径分布が、少なくとも約80個の泡の直径が約50マイクロメートル未満であるような泡径分布であり、25mm×75mm×1.270mmの領域を占める各0.005グラムの泡の泡径分布が、少なくとも90%の泡の直径が50マイクロメートル未満であるような泡径分布である、第2の泡相と、を形成させ得る、組成物。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.界面活性剤系であって、
i.少なくとも1種の非イオン性界面活性剤、
ii.少なくとも1種のアニオン性界面活性剤、及び
iii.少なくとも1種の両性界面活性剤
を含む、界面活性剤系と、
b.経口に許容できる液体担体と、
を含む、口腔用組成物であって、
本明細書に記載される泡発生及びスクリーニング試験を用いて、前記組成物により発生する泡の泡径分布が、各0.005グラムの泡について、少なくとも約30個の泡の直径が約50マイクロメートル未満であるような泡径分布である、口腔用組成物。
【請求項2】
前記泡径分布が、少なくとも約80個の泡の直径が約50マイクロメートル未満であるような泡径分布である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記泡径分布が、少なくとも約125個の泡の直径が約50マイクロメートル未満であるような泡径分布である、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
泡増強剤を更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記泡増強剤が、天然海草抽出物、天然種子ガム、天然植物滲出液、天然植物抽出物、天然繊維抽出物、生合成ガム、ゼラチン、生合成加工デンプン又はセルロース性物質、アルギネート、カラギーナン、グアー、ローカスト、タラ、アラビアガム、ガティガム、アガーガム、ペクチン、これらの塩類、又はこれらの混合物から成る群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記泡増強剤が、アルギネート、カラギーナン、これらの塩類、又はこれらの混合物から成る群から選択される、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記泡増強剤がカラギーナンである、請求項5に記載の組成物。
【請求項8】
前記非イオン性界面活性剤が、アルキルポリグルコシド;ブロックコポリマー;エトキシ化水素添加ヒマシ油;エトキシ化ソルビタンエステル;脂肪族アルコールエトキシレート;アルキルフェノールのポリエチレンオキシド縮合物;エチレンオキシドと、プロピレンオキシド及びエチレンジアミンの反応生成物との縮合物に由来する生成物;脂肪族アルコールのエチレンオキシド縮合物;長鎖三級アミンオキシド;長鎖三級ホスフィンオキシド;長鎖ジアルキルスルホキシド、並びにこれらの混合物から成る群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記非イオン性界面活性剤がアルキルポリグルコシドである、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記アニオン性界面活性剤が、サルコシン界面活性剤;タウレート;アルキルサルフェート;ラウリルスルホ酢酸ナトリウム;ラウロイルイセチオン酸ナトリウム;ラウレスカルボン酸ナトリウム;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム;及びこれらの混合物から成る群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記アニオン性界面活性剤がサルコシン界面活性剤である、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記両性界面活性剤が、アルキルイミノ−ジプロピオネート、アルキルアンホグリシネート(モノ又はジ)、アルキルアンホプロピオネート(モノ又はジ)、アルキルアンホアセテート(モノ又はジ)、N−アルキルβ−アミノプロピオン酸、アルキルポリアミノカルボキシレート、リン酸化イミダゾリン、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルスルタイン、アルキルアミドスルタイン、及びこれらの混合物から成る群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
前記両性界面活性剤がアルキルアミドプロピルベタインである、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
口腔用組成物の製造方法であって、
a.界面活性剤系を提供する工程であって、前記界面活性剤系が、
i.少なくとも1種の非イオン性界面活性剤、
ii.少なくとも1種のアニオン性界面活性剤、及び
iii.少なくとも1種の両性界面活性剤
を含む、工程と、
b.所望により、懸濁化剤を提供する工程と、
c.前記界面活性剤系を、経口に許容できる液体担体と混合する工程と、
を含み、
本明細書に記載の泡発生及びスクリーニング試験を用いることにより、各0.005グラムの泡について、少なくとも約80個の泡の直径が約50マイクロメートル未満であり、25mm×75mm×1.270mmの領域を占める各0.005グラムの泡について、少なくとも90%の泡の直径が約50マイクロメートル未満であるような泡径分布を有する泡を前記組成物が発生させ得る、方法。
【請求項15】
a.界面活性剤系であって、
i.少なくとも1種の非イオン性界面活性剤、
ii.少なくとも1種のアニオン性界面活性剤、及び
iii.少なくとも1種の両性界面活性剤
を含む、界面活性剤系と、
b.泡増強剤と、
c.経口に許容できる液体担体と、
を含む、口腔用組成物であって、
本明細書に記載される泡発生及びスクリーニング試験を用いて、前記組成物により発生する泡の泡径分布が、各0.005グラムの泡について、少なくとも約150個の泡の直径が約50マイクロメートル未満であるような泡径分布である、口腔用組成物。
【請求項16】
前記泡増強剤が、天然海草抽出物、天然種子ガム、天然植物滲出液、天然植物抽出物、天然繊維抽出物、生合成ガム、ゼラチン、生合成加工デンプン又はセルロース性物質、アルギネート、カラギーナン、グアー、ローカスト、タラ、アラビアガム、ガティガム、アガーガム、ペクチン、これらの塩類、又はこれらの混合物から成る群から選択される、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
前記泡増強剤が、アルギネート、カラギーナン、これらの塩類、又はこれらの混合物から成る群から選択される、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
前記泡増強剤がカラギーナンである、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
a.界面活性剤系であって、
i.非イオン性界面活性剤、
ii.アニオン性界面活性剤、及び
iii.両性界面活性剤
を含む、界面活性剤系と、
b.所望により、懸濁化剤と、
c.液体担体と、
を含む、組成物であって、
前記組成物が、以下の物理的性質:
i.0.1〜100rads−1の周波数において約1未満であるタンデルタ、
ii.10s−1の剪断速度において約2000センチポアズ未満である第1の粘度、及び
iii.100s−1の剪断速度において約1000センチポアズ未満である第2の粘度、
を有し、
本明細書に記載される泡発生及びスクリーニング試験を用いて、前記組成物により発生する泡の泡径分布が、25mm×75mm×1.270mmの領域を占める各0.005グラムの泡について、少なくとも90%の泡の直径が50マイクロメートル未満であるような泡径分布である、組成物。
【請求項20】
不溶性微粒子を更に含む、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
前記不溶性微粒子が、歯科的に許容できる研磨剤である、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
1.少なくとも1種の界面活性剤又は界面活性剤系と、
2.所望により、少なくとも1種の懸濁化剤と、
を含む、組成物であって、
前記組成物が、
a.第1の液体相であって、第1の時点において、前記組成物が以下の物理的性質:
i.10s−1の剪断速度において約2000センチポアズ未満である第1の粘度、及び
ii.100s−1の剪断速度において約1000センチポアズ未満である第2の粘度、
を有する、第1の液体相と、
b.第2の泡相であって、泡発生及びスクリーニング試験を用いて発泡するとき、各0.005グラムの泡の泡径分布が、少なくとも約80個の泡の直径が約50マイクロメートル未満であるような泡径分布であり、25mm×75mm×1.270mmの領域を占める各0.005グラムの泡の泡径分布が、少なくとも90%の泡の直径が50マイクロメートル未満であるような泡径分布である、第2の泡相と、を形成させ得る、組成物。
【請求項23】
1.少なくとも1種の界面活性剤又は界面活性剤系と、
2.所望により、少なくとも1種の懸濁化剤と、
を含む、組成物であって、
前記組成物が、前記組成物を吐き出した後、飲み込んだ後、又は他の方法で口内から除去した後口腔内に十分な量残存して、少なくとも1つの歯上にフィルムを形成するような直接性を有し、前記組成物が、
a.第1の液体相であって、第1の時点において、前記組成物が以下の物理的性質:
i.10s−1の剪断速度において約2000センチポアズ未満である第1の粘度、及び
ii.100s−1の剪断速度において約1000センチポアズ未満である第2の粘度、
を有する、第1の液体相と、
b.第2の泡相であって、本明細書に記載の泡発生及びスクリーニング試験を用いて発泡するとき、各0.005グラムの泡の泡径分布が、少なくとも約80個の泡の直径が約50マイクロメートル未満であるような泡径分布であり、25mm×75mm×1.270mmの領域を占める各0.005グラムの泡の泡径分布が、少なくとも90%の泡の直径が50マイクロメートル未満であるような泡径分布である、第2の泡相と、を形成させ得る、組成物。

【公開番号】特開2011−213723(P2011−213723A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−74294(P2011−74294)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(506105814)マクニール−ピーピーシー・インコーポレーテツド (69)
【Fターム(参考)】