説明

口腔ケア製品ならびにその使用および製造の方法

この発明は、有効量の塩基性アミノ酸の塩であって、緩衝されていない溶液中で約7.5未満のpHを有する塩;有効量の可溶性フッ化物塩;および緩衝されていない溶液中で約7.5未満のpHを有する微粒子材料を含む口腔ケア組成物に、ならびにその組成物を用いる、および作る方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] この出願は2008年2月8日に出願された米国No.61/027,420、2008年2月8日に出願された米国No.61/027,431および2008年2月8日に出願された米国No.61/027,432の利益を主張し、その内容を本明細書に援用する。
【0002】
[0002] この発明は口腔ケア組成物、例えば溶液中で7.5未満のpHを有する塩基性アミノ酸の塩、溶液中で7.5未満のpHを有する研磨剤、およびフッ化物イオン源を含むものに、ならびにこれらの組成物を用いる、および作る方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] アルギニンおよび他の塩基性アミノ酸は口腔ケアにおける使用に関して提案されており、虫歯の形成および歯の過敏との戦いにおいて重要な利益を有すると考えられている。しかし、これらの塩基性アミノ酸と口腔ケアの利益を有する鉱質、例えばフッ化物およびカルシウムを組み合わせて許容できる長期安定性を有する口腔ケア組成物を形成することは、困難であることが証明されている。特に、塩基性アミノ酸はpHを上げ、カルシウムイオンの分離を促進する可能性があり、それはフッ化物イオンと反応して不溶性の沈殿を形成し得る。さらに、より高いpHは刺激を引き起こす可能性を有する。しかし、中性のpHまたは酸性のpHにおいて、重炭酸アルギニン(当該技術分野ではそれが好ましいと教示されている)を利用するシステムは二酸化炭素を放出する可能性があり、それは入れ物が膨らむことおよび破裂することにつながる。さらに、アルギニンは歯の表面により乏しい親和性を有する不溶性のアルギニン−カルシウム複合体を形成する可能性があるため、pHを中性または酸性の状態まで下げることは、配合物の有効性を低減するであろうこと、さらに、pHを下げることは、口の中の齲食原性の乳酸の緩衝に関して配合物が有しているかもしれないあらゆる作用を低減するであろうことが予想されるかもしれない。部分的にはこれらの対処されていない配合の障害のため、および部分的にはアルギニンが当該技術分野において一般にフッ化物にとって同時活性物質(co−active)というよりむしろ代替物である可能性のあるものとして見られてきたため、アルギニンおよびフッ化物の両方を含む口腔ケア製品を作る動機づけがほとんど無かった。抗微生物剤の添加により、さらなる障害が引き起こされる可能性がある。ProClude(登録商標)およびDenClude(登録商標)のような商業的に入手できるアルギニンに基づく練り歯磨きは、例えば、重炭酸アルギニンおよび炭酸カルシウムを含むが、フッ化物もあらゆる抗微生物剤も含まない。
【0004】
[0004] 従って、塩基性アミノ酸を提供し、フッ化物およびカルシウムのような有益な鉱質も提供する安定な口腔ケア組成物の必要性が存在する。
【発明の概要】
【0005】
[0005] 本発明は、プラークの蓄積の抑制または低減、酸を産生する(齲食原性)細菌のレベルの低減、歯の再石灰化、および歯肉炎の抑制または低減において有効である、口腔ケア組成物および同じものを用いる方法を含む。本発明は、口腔を清潔にする、および口の健康および/または心血管の健康を含む全身の健康を、例えば口の組織を経る全身感染の可能性を低減することにより促進する向上した方法を提供するための組成物および方法も含む。
【0006】
[0006] 従って、本発明は次のものを含む口腔ケア組成物(本発明の組成物)、例えば歯磨剤を含む:
i. 有効量の、例えば少なくとも約1%、例えば約1〜約15%の量で存在する、緩衝されていない溶液中で約7.5未満、例えば約6〜約7.4、例えば約6.8〜約7.2のpH、例えばおおよそ中性のpHを有する、塩基性アミノ酸、例えばアルギニンの塩;
ii. 有効量の、例えば約100から25,000ppmまで、例えば約750から約2000ppmまでのフッ化物イオンを提供する可溶性フッ化物塩、例えばフッ化ナトリウム、フッ化スズまたはモノフルオロリン酸ナトリウム;
iii. 緩衝されていない溶液中で約7.5未満、例えば約6.5〜約7.4、例えば約6.8〜約7.2のpH、例えばおおよそ中性のpHを有する微粒子物質、例えばシリカまたはリン酸二カルシウム。
【0007】
[0007] 1態様において、本発明は次のものを含む本発明の組成物(組成物1.1)を含む:
i. 有効量の(a)無機酸、例えば無機オキソ酸および(b)塩基性アミノ酸の塩;
ii. 無機酸、例えば無機オキソ酸およびカルシウムの塩;ならびに
iii. 有効量の可溶性フッ化物塩。
【0008】
無機酸は無機オキソ酸、例えばリン酸であってよい。塩基性アミノ酸は例えばアルギニンであってよい。フッ化物塩は例えばモノフルオロリン酸ナトリウムであってよい。従って、本発明の組成物は従って(i)アルギニンリン酸、(ii)リン酸二カルシウム二水和物、および(iii)モノフルオロリン酸ナトリウムを含む歯磨剤を含む。
【0009】
[0008] 別の態様において、本発明は、次のものを含む本発明の組成物(組成物1.2)を含む:
i. 有効量の塩基性アミノ酸の塩;
ii. 有効量の可溶性フッ化物塩;
iii. 陰イオン性界面活性剤、例えばラウリル硫酸ナトリウム。
【0010】
[0009] 別の態様において、本発明は、次のものを含む本発明の組成物(組成物1.3)を含む:
i. 有効量の塩基性アミノ酸の塩;
ii. 有効量の可溶性フッ化物塩;
iii. 抗細菌剤、例えばトリクロサン;
iv. 場合により、陰イオン性界面活性剤、例えばラウリル硫酸ナトリウム;
v. 場合により、陰イオン性ポリマー、例えばメチルビニルエーテルおよび無水マレイン酸のコポリマー。
【0011】
[0010] 別の態様において、本発明は、次のものを含む本発明の組成物(組成物1.4)を含む:
i. 有効量の塩基性アミノ酸の塩;
ii. 有効量の可溶性フッ化物塩;ならびに
iii. 約160未満、例えば約40〜約140のRDAを有する、例えば約5マイクロメートルより小さいd50を有する少なくとも約5%の研磨剤、例えば約3〜約4マイクロメートルのd50を有するシリカを含む、小さい粒子の研磨剤。
【0012】
[0011] 特定の態様において、本発明の組成物は、水、研磨剤、界面活性剤、発泡剤、ビタミン類、ポリマー類、酵素類、湿潤剤、増粘剤、抗微生物剤、保存剤、着香剤、着色剤および/またはそれらの組み合わせの内の1種類以上から選択される追加の成分を含む歯磨剤の型である。
【0013】
[0012] 特定の理論に縛られることを意図すること無く、アルギニンの有益な作用における重要な因子は、アルギニンおよび他の塩基性アミノ酸が、齲食原性ではなく歯の上の、および口腔中での位置に関してS.ミュータンス(S. mutans)のような齲食原性細菌と競合する特定のタイプの細菌、例えばS.サングイス(S. sanguis)により代謝され得ることであると仮定されている。アルギニン分解(arginolytic)細菌はアルギニンおよび他の塩基性アミノ酸を用いてアンモニアを生成することができ、それによりそれらの環境のpHを上昇させ、一方齲食原性細菌は糖を代謝して乳酸を生成し、それはプラークのpHを低下させ歯を脱灰させる傾向があり、最終的には虫歯につながる。本発明の組成物の規則的な使用は、時間が経てば、アルギニン分解細菌の相対的な増加および齲食原性細菌の相対的な減少につながり、結果としてより高いプラークのpHをもたらす(本発明の組成物はそれ自体が一般に中性のpHであり、塩基性アミノ酸は無機オキソ酸により中和されているにも関わらず)と考えられる。このpHを上げる作用は、再石灰化の促進および歯のエナメル質の増強において、フッ化物の作用から機構的に独立し、それと相補的であることができると考えられる。
【0014】
[0013] しかし、正確な機構と関わり無く、驚いたことに、本発明に従う口腔ケア製品におけるフッ化物および塩基性アミノ酸、例えばアルギニンの組み合わせは、再石灰化の促進、早期のエナメル質の病変の修復、および口の健康の増進において、有効量のどちらかの化合物を別々に含む組成物を用いて観察することができるものを越える、およびそれと質的に異なる予期しない利益をもたらすことが分かった。さらに、この作用は小さい粒子の研磨剤の添加によりさらに増進することができることが分かっており、それはエナメル質中のミクロ割れ(microfissures)および象牙質中の微細管を埋めるのを助ける働きをしている可能性がある。
【0015】
[0014] 驚いたことに、塩基性アミノ酸の存在は、特に塩基性アミノ酸が陰イオン性界面活性剤との組み合わせで提供される場合に、歯の表面への細菌の接着を低減することも分かった。塩基性アミノ酸および陰イオン性界面活性剤の組み合わせは、抗微生物剤、特にトリクロサンの送達も増進する。
【0016】
[0015] 従って、本発明はさらに、例えばそれを必要とする患者の口腔に本発明の組成物を適用することにより、本発明の組成物を口腔に適用することを含む、(i)齲食の形成を低減または抑制する、(ii)例えば定量的光誘導蛍光法(QLF)または電気的齲食測定(ECM)により検出される早期のエナメル質の病変を低減、修復または抑制する、(iii)歯の脱灰を低減または抑制し、再石灰化を促進する、(iv)歯の過敏性を低減する、(v)歯肉炎を低減または抑制する、(vi)口の中の潰瘍または切り傷の治癒を促進する、(vii)酸を産生する細菌のレベルを低減する、(viii)アルギニン分解細菌の相対的なレベルを増大させる、(ix)口腔中での微生物のバイオフィルムの形成を抑制する、(x)糖負荷の後にプラークのpHを少なくともpH5.5のレベルに上げる、および/または維持する、(xi)プラークの蓄積を低減する、(xii)口内乾燥を処置する、および/または(xiii)歯および口腔を清潔にするための方法を含む。
【発明を実施するための形態】
【0017】
全般的な記述
[0016] 従って、本発明は次のものを含む口腔ケア組成物(組成物1.0)を含む:
i. 有効量の、例えば少なくとも約1%、例えば約1〜約15%の量で存在する、緩衝されていない溶液中で約7.5未満、例えば約6.5〜約7.4、例えば約6.8〜約7.2のpH、例えばおおよそ中性のpHを有する、塩基性アミノ酸、例えばアルギニンの塩;
ii. 有効量の、約100から25,000ppmまで、例えば約750から約2000ppmまでのフッ化物イオンを提供するフッ化物源、例えば可溶性フッ化物塩、例えばモノフルオロリン酸ナトリウム;
iii. 緩衝されていない溶液中で約7.5未満、例えば約6〜約7.4、例えば約6.8〜約7.2のpH、例えばおおよそ中性のpHを有する微粒子、例えばシリカまたはリン酸二カルシウム。
【0018】
例えば下記の組成物のいずれか:
1.0.1. 塩基性アミノ酸がアルギニン、リシン、シトルリン(citrullene)、オルニチン、クレアチン、ヒスチジン、ジアミノブタン酸、ジアミノプロピオン酸、それらの塩類および/またはそれらの組み合わせである、組成物1.0。
【0019】
1.0.2. 塩基性アミノ酸がL−立体配置を有する、組成物1.0または1.0.1。
1.0.3. その塩基性アミノ酸を含むジまたはトリペプチドの塩の型で提供される、前記の組成物のいずれか。
【0020】
1.0.4. 塩基性アミノ酸がアルギニンである、前記の組成物のいずれか。
1.0.5. 塩基性アミノ酸がL−アルギニンである、前記の組成物のいずれか。
1.0.6. 塩基性アミノ酸の塩がアルギニンリン酸である、前記の組成物のいずれか。
【0021】
1.0.7. 塩基性アミノ酸の塩がアルギニン塩酸塩である、前記の組成物のいずれか。
1.0.8. 塩基性アミノ酸の塩がアルギニン硫酸である、前記の組成物のいずれか。
【0022】
1.0.9. 塩基性アミノ酸の塩が、インサイチュで、塩基性アミノ酸と酸または酸の塩との中和において形成される、前記の組成物のいずれか。
1.0.10. フッ化物塩との組み合わせの前に、塩基性アミノ酸の塩が塩基性アミノ酸の中和により形成されてプレミックスを形成する、前記の組成物のいずれか。
【0023】
1.0.11. 塩基性アミノ酸の重量を遊離塩基の型として計算して、塩基性アミノ酸が、組成物の総重量の約0.1〜約20%、例えば約1重量%〜約15重量%に相当する量で存在する、前記の組成物のいずれか。
【0024】
1.0.12. 塩基性アミノ酸が組成物の総重量の約7.5重量%の量で存在する、組成物1.0.11。
1.0.13. 塩基性アミノ酸が組成物の総重量の約5重量%の量で存在する、組成物1.0.11。
【0025】
1.0.14. 塩基性アミノ酸が組成物の総重量の約3.75重量%の量で存在する、組成物1.0.11。
1.0.15. 塩基性アミノ酸が組成物の総重量の約1.5重量%の量で存在する、組成物1.0.11。
【0026】
1.0.16. フッ化物塩がフッ化スズ、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フルオロケイ酸ナトリウム、フルオロケイ酸アンモニウム、フッ化アミン(例えば、N’−オクタデシルトリメチレンジアミン−N,N,N’−トリス(2−エタノール)−ジヒドロフルオリド)、フッ化アンモニウム、フッ化チタン、ヘキサフルオロサルフェート、およびそれらの組み合わせである、前記の組成物のいずれか。
【0027】
1.0.17. フッ化物塩がフルオロホスフェートである、前記の組成物のいずれか。
1.0.18. フッ化物塩がモノフルオロリン酸ナトリウムである、前記の組成物のいずれか。
【0028】
1.0.19. フッ化物塩が組成物の総重量の約0.01重量%〜約2重量%の量で存在する、前記の組成物のいずれか。
1.0.20. 可溶性フッ化物塩がフッ化物イオンを組成物の総重量の約0.1〜約0.2重量%の量で提供する、前記の組成物のいずれか。
【0029】
1.0.21. 可溶性フッ化物塩がフッ化物イオンを約50から25,000ppmまでの量で提供する、前記の組成物のいずれか。
1.0.22. 約100〜約250ppmの利用可能なフッ化物イオンを有するマウスウォッシュ(mouthwash)である、前記の組成物のいずれか。
【0030】
1.0.23. 約750〜約2000ppmの利用可能なフッ化物イオンを有する歯磨剤であるもののいずれか。
1.0.24. 組成物が約750〜約2000ppmのフッ化物イオンを含む、前記の組成物のいずれか。
【0031】
1.0.25. 組成物が約1000〜約1500ppmのフッ化物イオンを含む、前記の組成物のいずれか。
1.0.26. 組成物が約1450ppmのフッ化物イオンを含む、前記の組成物のいずれか。
【0032】
1.0.27. pHが約6〜約7.4である、前記の組成物のいずれか。
1.0.28. pHが約6.8〜約7.2である、前記の組成物のいずれか。
1.0.29. pHがおおよそ中性である、前記の組成物のいずれか。
【0033】
1.0.30. さらに研磨性または微粒子物質を含む、前記の組成物のいずれか。
1.0.31. 研磨剤または微粒子が、重炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム(例えば、リン酸二カルシウム二水和物)、硫酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、シリカ(例えば、水和シリカ)、酸化鉄、酸化アルミニウム、パーライト、プラスチック粒子、例えば、ポリエチレン、およびそれらの組み合わせから選択される、直前に記載した組成物。
【0034】
1.0.32. 研磨剤または微粒子が、リン酸カルシウム(例えば、リン酸二カルシウム二水和物)、硫酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、シリカ(例えば、水和シリカ)、およびそれらの組み合わせから選択される、直前に記載した組成物。
【0035】
1.0.33. 研磨剤を組成物の総重量の約15重量%〜約70重量%の量で含む、前記の組成物のいずれか。
1.0.34. 約5マイクロメートル未満のd50を有する少なくとも約5%の小さい粒子の研磨剤の画分を含む、前記の組成物のいずれか。
【0036】
1.0.35. 150未満、例えば約40〜約140のRDAを有する、前記の組成物のいずれか。
1.0.36. 少なくとも1種類の界面活性剤を含む、前記の組成物のいずれか。
【0037】
1.0.37. ラウリル硫酸ナトリウム、コカミドプロピルベタイン(cocamidopropyl betaine)、およびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1種類の界面活性剤を含む、前記の組成物のいずれか。
【0038】
1.0.38. 陰イオン性界面活性剤を含む、前記の組成物のいずれか。
1.0.39. ラウリル硫酸ナトリウムを含む、前記の組成物のいずれか。
1.0.40. 少なくとも1種類の湿潤剤を含む、前記の組成物のいずれか。
【0039】
1.0.41. グリセリン、ソルビトールおよびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1種類の湿潤剤を含む、前記の組成物のいずれか。
1.0.42. 少なくとも1種類のポリマーを含む、前記の組成物のいずれか。
【0040】
1.0.43. ポリエチレングリコール類、ポリビニルメチルエーテルマレイン酸コポリマー類、多糖類(例えば、セルロース誘導体、例えばカルボキシメチルセルロース、または多糖ゴム類、例えばキサンタンガムもしくはカラギーナンガム)、およびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1種類のポリマーを含む、前記の組成物のいずれか。
【0041】
1.0.44. ゴムの細片または断片を含む、前記の組成物のいずれか。
1.0.45. 着香剤、芳香剤および/または着色剤を含む、前記の組成物のいずれか。
【0042】
1.0.46. 水を含む、前記の組成物のいずれか。
1.0.47. 抗細菌剤を含む、前記の組成物のいずれか。
1.0.48. 次のものから選択される抗細菌剤を含む、前記の組成物のいずれか:ハロゲン化ジフェニルエーテル(例えばトリクロサン)、草の抽出物および精油(例えば、ローズマリーの抽出物、茶の抽出物、マグノリアの抽出物、チモール、メントール、ユーカリプトール(eucalyptol)、ゲラニオール、カルバクロール、シトラール、ヒノキトール(hinokitol)、カテコール、サリチル酸メチル、没食子酸エピガロカテキン、エピガロカテキン、没食子酸、ミスワク(miswak)の抽出物、シーバックソーン(sea−buckthorn)の抽出物)、ビスグアニド系防腐剤(bisguanide antiseptics)(例えば、クロルヘキシジン、アレキシジンまたはオクテニジン)、第四級アンモニウム化合物(例えば、塩化セチルピリジニウム(CPC)、塩化ベンザルコニウム、塩化テトラデシルピリジニウム(TPC)、塩化N−テトラデシル−4−エチルピリジニウム(TDEPC))、フェノール系防腐剤、ヘキセチジン、オクテニジン、サンギナリン、ポビドンヨード、デルモピノール(delmopinol)、サリフルオル(salifluor)、金属イオン(例えば、亜鉛塩類、例えばクエン酸亜鉛、スズ塩類、銅塩類、鉄塩類)、サンギナリン(sanguinarine)、プロポリスおよび酸素化剤(例えば過酸化水素、緩衝したペルオキシホウ酸ナトリウムまたはペルオキシ炭酸ナトリウム)、フタル酸およびその塩類、モノパーサル酸(monoperthalic acid)ならびにその塩類およびエステル類、アスコルビルステアレート、オレオイルサルコシン(oleoyl sarcosine)、アルキル硫酸塩、スルホコハク酸ジオクチル、サリチルアニリド、臭化ドミフェン、デルモピノール、オクタピノール(octapinol)および他のピペリジノ誘導体、ナイシン製剤(nicin preparations)、亜塩素酸塩類;ならびに前記のもののいずれかの混合物。
【0043】
1.0.49. 抗炎症化合物、例えばマトリックスメタロプロテイナーゼ類(MMP’s)、シクロオキシゲナーゼ類(COX)、PGE、インターロイキン1(IL−1)、IL−1β変換酵素(ICE)、トランスフォーミング増殖因子β1(TGF−β1)、誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)、ヒアルロニダーゼ、カテプシン類、核内因子カッパB(NF−κB)、およびIL−1受容体関連キナーゼ(IRAK)から選択される宿主炎症性因子の内の少なくとも1種類の阻害剤、例えばアスピリン、ケトロラック(ketorolac)、フルルビプロフェン、イブプロフェン、ナプロキセン、インドメタシン、アスピリン、ケトプロフェン、ピロキシカム、メクロフェナム酸(meclofenamic acid)、ノルジヒドグアイアレチン酸(nordihydoguaiaretic acid)、およびそれらの混合物から選択されるものを含む、前記の組成物のいずれか。
【0044】
1.0.50. 増白剤を含む、前記の組成物のいずれか。
1.0.51. ペルオキシド類、金属亜塩素酸塩、ペルボレート類、ペルカーボネート類、過酸類、次亜塩素酸類、およびそれらの組み合わせからなるグループから選択される増白有効物質から選択される増白剤を含む、前記の組成物のいずれか。
【0045】
1.0.52. さらに過酸化水素または過酸化水素源、例えば過酸化尿素もしくはペルオキシド塩もしくは複合体(例えば、ペルオキシリン酸、ペルオキシ炭酸、過ホウ酸、ペルオキシケイ酸、または過硫酸塩類;例えばペルオキシリン酸カルシウム、過ホウ酸ナトリウム、ナトリウム カーボネート ペルオキシド、ペルオキシリン酸ナトリウム、および過硫酸カリウム)、もしくは過酸化水素ポリマー複合体、例えば過酸化水素−ポリビニルピロリドンポリマー複合体を含む、前記の組成物のいずれか。
【0046】
1.0.53. 例えば補酵素Q10、PQQ、ビタミンD、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンA、アネトール−ジチオチオン(dithiothione)、およびそれらの混合物からなるグループから選択される抗酸化剤を含む、前記の組成物のいずれか。
【0047】
1.0.54. トリクロサンを含む、前記の組成物のいずれか。
1.0.55. トリクロサンおよびZn2+イオン源、例えばクエン酸亜鉛を含む、前記の組成物のいずれか。
【0048】
1.0.56. 抗細菌剤を組成物の総重量の約0.01〜約5重量%の量で含む、前記の組成物のいずれか。
1.0.57. トリクロサンを組成物の総重量の約0.01〜約1重量パーセントの量で含む、前記の組成物のいずれか。
【0049】
1.0.58. トリクロサンを組成物の総重量の約0.3%の量で含む、前記の組成物のいずれか。
1.0.59. さらに細菌の付着を妨げる、または防ぐ薬剤、例えばソルブロール(solbrol)またはキトサンを含む、前記の組成物のいずれか。
【0050】
1.0.60. さらに抗歯石剤を含む、前記の組成物のいずれか。
1.0.61. さらに抗歯石剤を含み、それが例えばナトリウム塩の型である、ポリホスフェート、例えばピロホスフェート、トリポリホスフェート、またはヘキサメタホスフェートである、前記の組成物のいずれか。
【0051】
1.0.62. さらに(i)カルシウム−ガラス複合体、例えばカルシウム ナトリウム ホスホシリケート類、および(ii)カルシウム−タンパク質複合体、例えばカゼインホスホペプチド−非晶質リン酸カルシウムから選択される、カルシウムおよびホスフェートの供給源を含む、前記の組成物のいずれか。
【0052】
1.0.63. さらに例えば硫酸カルシウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、酢酸カルシウム、乳酸カルシウム、およびそれらの混合物から選択される可溶性カルシウム塩を含む、前記の組成物のいずれか。
【0053】
1.0.64. さらに生理的に許容できるカリウム塩、例えば硝酸カリウムまたは塩化カリウムを、象牙質の過敏を低減するのに有効な量で含む、前記の組成物のいずれか。
1.0.65. 約0.1%から約7.5%までの生理的に許容できるカリウム塩、例えば硝酸カリウムおよび/または塩化カリウムを含む、前記の組成物のいずれか。
【0054】
1.0.66. 例えばブラッシングでの口腔への適用の際に、(i)齲食の形成を低減または抑制する、(ii)例えば定量的光誘導蛍光法(QLF)または電気的齲食測定(ECM)により検出されるエナメル質の前齲食病変を低減、修復または抑制する、(iii)歯の脱灰を低減または抑制し、再石灰化を促進する、(iv)歯の過敏性を低減する、(v)歯肉炎を低減または抑制する、(vi)口の中の潰瘍または切り傷の治癒を促進する、(vii)酸を産生する細菌のレベルを低減する、(viii)アルギニン分解細菌の相対的なレベルを増大させる、(ix)口腔中での微生物のバイオフィルムの形成を抑制する、(x)糖負荷の後にプラークのpHを少なくともpH5.5のレベルに上げる、および/または維持する、(xi)プラークの蓄積を低減する、(xii)口内乾燥を処置、緩和または低減する;(xiii)歯および口腔を清潔にする、(xiv)酸食を低減する、(xv)歯を白くする、(xvi)歯に齲食原性細菌に対する免疫性を与える;および/または(xvii)例えば口の組織を経る全身感染の可能性を低減することにより、心血管の健康を含む全身の健康を促進するのに有効な、前記の組成物のいずれか。
【0055】
1.0.67. 前記の組成物のいずれかにおいて述べた成分を組み合わせることにより得られた、または得ることができる組成物。
1.0.68. マウスリンス(mouth rinse)、練り歯磨き、歯磨きゲル(tooth gel)、歯磨き粉、非研磨性ゲル、ムース、泡状物質、マウススプレー、ロゼンジ、口腔用錠剤、歯科用具、およびペットケア製品から選択される形である、前記の組成物のいずれか。
【0056】
1.0.69. 組成物が練り歯磨きである、前記の組成物のいずれか。
1.0.70. 組成物が場合によりさらに水、研磨剤、界面活性剤、発泡剤、ビタミン類、ポリマー類、酵素類、湿潤剤、増粘剤、抗微生物剤、保存剤、着香剤、着色剤および/またはそれらの組み合わせの内の1種類以上の内の1種類以上を含む練り歯磨きである、前記の組成物のいずれか。
【0057】
1.0.71. 組成物がマウスウォッシュである、前記の組成物1.0〜1.0.67のいずれか。
[0017] 1態様において、本発明は、次のものを含む、例えば前記の組成物1.0〜1.0.71のいずれかに従う口腔ケア組成物(組成物1.1)を含む:
i. 無機酸および塩基性アミノ酸の塩;
ii. カルシウム塩;ならびに
iii. 可溶性フッ化物塩。
【0058】
[0018] 従って、本発明は、例えば組成物1.1の下記の態様を含む:
1.1.1 塩基性アミノ酸と塩を形成する無機酸が無機オキソ酸である、組成物1.1。
【0059】
1.1.2 無機オキソ酸がリン酸および硫酸から選択される、組成物1.1.1。
1.1.3 無機オキソ酸および塩基性アミノ酸の塩がリン酸塩である、組成物1.1.2。
【0060】
1.1.4 カルシウム塩がカルシウムおよび無機酸の塩である、前記の組成物のいずれか。
1.1.5 カルシウム塩がカルシウムおよび無機オキソ酸の塩、例えばリン酸カルシウムまたは硫酸カルシウムまたはそれらの混合物である、組成物1.1.4。
【0061】
1.1.6 カルシウム塩がリン酸カルシウムである、組成物1.1.5。
1.1.7 カルシウム塩がリン酸二カルシウム(CaHPO)である、組成物1.1.6。
【0062】
1.1.8 リン酸二カルシウムが二水和物(CaHPO・2HO)の型である、組成物1.1.7。
1.1.9 カルシウム塩が硫酸カルシウム(CaSO)である、組成物1.5以下。
【0063】
1.1.10 (i)塩基性アミノ酸の塩および(ii)カルシウム塩の陰イオンが同じである、前記の組成物1.1以下のいずれか。
1.1.11 少なくとも1種類の塩基性アミノ酸のリン酸塩;(ii)少なくとも1種類のカルシウムリン酸塩;および(iii)少なくとも1種類の可溶性フッ化物塩を含む、前記の組成物1.1以下のいずれか。
【0064】
1.1.12 塩基性アミノ酸がアルギニン、リシン、シトルリン、オルニチン、クレアチン、ヒスチジン、ジアミノブタン酸、ジアミノプロピオン酸、それらの塩類またはそれらの組み合わせである、前記の組成物1.1以下のいずれか。
【0065】
1.1.13 塩基性アミノ酸がL−立体配置を有する、前記の組成物1.1以下のいずれか。
1.1.14 無機オキソ酸および塩基性アミノ酸の塩が、塩基性アミノ酸と無機オキソ酸および/または(ii)そのアルカリもしくはアンモニウム塩の反応により形成される、前記の組成物1.1以下のいずれか。
【0066】
1.1.15 塩基性アミノ酸のリン酸との、またはリン酸のアルカリもしくはアンモニウム塩との反応により形成される塩基性アミノ酸のリン酸塩を含む、前記の組成物1.1以下のいずれか。
【0067】
1.1.16 塩基性アミノ酸がアルギニンまたはその塩である、前記の組成物1.1以下のいずれか。
1.1.17 アルギニンリン酸を含む、前記の組成物1.1以下のいずれか。
【0068】
1.1.18 フッ化物塩がフッ化スズ、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フルオロケイ酸ナトリウム、フルオロケイ酸アンモニウム、フッ化アミン、フッ化アンモニウム、およびそれらの組み合わせである、前記の組成物1.1以下のいずれか。
【0069】
1.1.19 フッ化物源がフルオロホスフェートである、前記の組成物1.1以下のいずれか。
1.1.20 フッ化物源がモノフルオロリン酸ナトリウムである、前記の組成物のいずれか。
【0070】
1.1.21 塩基性アミノ酸の重量を遊離塩基の型として計算して、塩基性アミノ酸が、組成物の総重量の約1重量%〜約10重量%に相当する量で存在する、前記の組成物1.1以下のいずれか。
【0071】
1.1.22 塩基性アミノ酸が組成物の総重量の約7.5重量%の量で存在する、組成物1.1.18。
1.1.23 塩基性アミノ酸が組成物の総重量の約5重量%の量で存在する、組成物1.1.18。
【0072】
1.1.24 塩基性アミノ酸が組成物の総重量の約3.75重量%の量で存在する、組成物1.1.18。
1.1.25 塩基性アミノ酸が組成物の総重量の約1.5重量%の量で存在する、組成物1.1.18。
【0073】
1.1.26 カルシウム塩が組成物の総重量の約20重量%〜約60重量%の量で存在する、前記の組成物1.1以下のいずれか。
1.1.27 リン酸カルシウムが組成物の総重量の約40重量%〜約50重量%の量で存在する、前記の組成物1.1以下のいずれか。
【0074】
1.1.28 塩基性アミノ酸のリン酸塩がリン酸またはリン酸塩との反応により形成されておおよそ中性のpH、例えば約pH6.8〜約pH7.2をもたらす、前記の組成物1.1以下のいずれか。
【0075】
1.1.29 塩基性アミノ酸の硫酸塩が硫酸または硫酸塩との反応により形成されておおよそ中性のpH、例えば約pH6.8〜約pH7.2をもたらす、前記の組成物1.1以下のいずれか。
【0076】
1.1.30 フッ化物塩が組成物の総重量の約0.01重量%〜約2重量%の量で存在する、前記の組成物1.1以下のいずれか。
1.1.31 フッ化物塩がフッ化物イオンを組成物の総重量の約0.1〜約0.2重量%の量で提供する、前記の組成物1.1以下のいずれか。
【0077】
1.1.32 例えば歯磨剤の形であり、組成物が約500〜約15,000ppmのフッ化物イオンを含む、前記の組成物1.1以下のいずれか。
1.1.33 組成物が約1000〜約1500ppmのフッ化物イオンを含む、前記の組成物1.1以下のいずれか。
【0078】
1.1.34 組成物が約1450ppmのフッ化物イオンを含む、前記の組成物1.1以下のいずれか。
1.1.35 pHが約7.5未満である、前記の組成物1.1以下のいずれか。
【0079】
1.1.36 pHが約6〜約7.3である、前記の組成物のいずれか。
1.1.37 pHが約6.8〜約7.2である、前記の組成物1.1以下のいずれか。
【0080】
1.1.38 例えばブラッシングでの口腔への適用の際に、(i)齲食の形成を低減または抑制する、(ii)例えば定量的光誘導蛍光法(QLF)または電気的齲食測定(ECM)により検出されるエナメル質の前齲食病変を低減、修復または抑制する、(iii)歯の脱灰を低減または抑制し、再石灰化を促進する、(iv)歯の過敏性を低減する、(v)歯肉炎を低減または抑制する、(vi)口の中の潰瘍または切り傷の治癒を促進する、(vii)酸を産生する細菌のレベルを低減する、(viii)アルギニン分解細菌の相対的なレベルを増大させる、(ix)口腔中での微生物のバイオフィルムの形成を抑制する、(x)糖負荷の後にプラークのpHを少なくともpH5.5のレベルに上げる、および/または維持する、(xi)プラークの蓄積を低減する、(xii)口内乾燥を低減する、(xiii)歯および口腔を清潔にする、(xiv)酸食を低減する、(xv)歯を白くする、および/または(xvi)歯に齲食原性細菌に対する免疫性を与えるのに有効な、前記の組成物1.1以下のいずれか。
【0081】
1.1.39 塩基性アミノ酸のホスフェート、ホスフェート研磨性物質、およびフルオロホスフェートを含む、前記の組成物1.1以下のいずれか。
1.1.40 アルギニンリン酸、リン酸二カルシウム二水和物、およびモノフルオロリン酸ナトリウムを含む、前記の組成物1.1以下のいずれか。
【0082】
1.1.41 塩基性アミノ酸とリン酸、無機リン酸塩、またはそれらの組み合わせを組み合わせて約7のpHを得てプレミックスを形成する工程により得られた、または得ることができ、それが望まれる組成物を作るために用いられる、前記の組成物1.1以下のいずれか。
【0083】
1.1.42 塩基性アミノ酸とリン酸、無機リン酸塩、またはそれらの組み合わせを組み合わせて約7のpHを得てプレミックスを形成し、プレミックスをリン酸二カルシウムおよびフッ化物イオン源と組み合わせる工程により得られた、または得ることができる、前記の組成物1.1以下のいずれか。
【0084】
1.1.43 下記で述べる方法2以下のいずれかにより得られた、または得ることができる、前記の組成物1.1以下のいずれか。
1.1.44 前記の組成物のいずれかにおいて述べた成分を組み合わせることにより得られた、または得ることができる組成物。
【0085】
1.1.45 組成物が練り歯磨きである、前記の組成物1.1以下のいずれか。
1.1.46 組成物が、場合によりさらに水、研磨剤、界面活性剤、発泡剤、ビタミン類、ポリマー類、酵素類、湿潤剤、増粘剤、抗微生物剤、保存剤、着香剤、着色剤および/またはそれらの組み合わせの内の1種類以上の内の1種類以上を含む練り歯磨きである、組成物1.1.42。
【0086】
1.1.47 組成物がマウスウォッシュである、前記の組成物1.1〜1.1.41のいずれか。
[0019] 別の態様において、本発明は、次のものを含む、例えば前記の組成物1.0〜1.0.71のいずれかに従う本発明の組成物(組成物1.2)を含む:
i. 有効量の塩基性アミノ酸の塩;
ii. 有効量の可溶性フッ化物塩;
iii. 陰イオン性界面活性剤、例えばラウリル硫酸ナトリウム。
【0087】
[0020] 別の態様において、本発明は、次のものを含む、例えば前記の組成物1.0〜1.0.71のいずれかに従う本発明の組成物(組成物1.3)を含む:
i. 有効量の塩基性アミノ酸の塩;
ii. 有効量の可溶性フッ化物塩;
iii. 陰イオン性界面活性剤、例えばラウリル硫酸ナトリウム;
iv. 陰イオン性ポリマー、例えばメチルビニルエーテルおよび無水マレイン酸のコポリマー;ならびに
v. 抗細菌剤、例えばトリクロサン。
【0088】
[0021] 別の態様において、本発明は、次のものを含む、例えば前記の組成物1.0〜1.0.71のいずれかに従う本発明の組成物(組成物1.4)を含む:
i. 有効量の塩基性アミノ酸の塩;
ii. 有効量の可溶性フッ化物塩;ならびに
iii. 微粒子材料、
組成物は、約160未満、例えば約40〜約140のRDAを有し、例えば約5マイクロメートルより小さいd50を有する少なくとも約5%の微粒子、例えば約3〜約4マイクロメートルのd50を有するシリカを含む。
【0089】
[0022] 別の態様において、本発明は、次のものを含む口腔用組成物、例えば上記の1.0、1.1、1.2、1.3または1.4の下のいずれかの組成物を製造するための方法(方法2)を含む:
i. 塩基性アミノ酸をゲル相中で酸および/またはその塩と組み合わせて約7.5未満のpHを得ることによりプレミックスを形成する、ならびに
ii. プレミックスを、可溶性フッ化物塩を含む配合物の他の成分と組み合わせる。
【0090】
[0023] 従って、方法2は例えば下記の態様を含む:
2.1 塩基性アミノ酸と組み合わせられる酸が鉱酸である、方法2。
2.2 鉱酸が無機オキソ酸である、方法2.1。
【0091】
2.3 無機オキソ酸がリン酸である、方法2.2。
2.4 配合物の他の成分がカルシウムリン酸塩を含む、前記の方法のいずれか。
2.5 リン酸カルシウムがリン酸二カルシウム二水和物である、前記の方法。
【0092】
2.6 フッ化物塩がフッ化スズ、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フルオロケイ酸ナトリウム、フルオロケイ酸アンモニウム、フッ化アミン、フッ化アンモニウム、およびそれらの組み合わせから選択される、前記の方法のいずれか。
【0093】
2.7 フッ化物塩がフルオロホスフェートである、前記の方法のいずれか。
2.8 フッ化物塩がモノフルオロリン酸ナトリウムである、前記の方法のいずれか。
2.9 塩基性アミノ酸がアルギニン、リシン、シトルリン、オルニチン、クレアチン、ヒスチジン、ジアミノブタン酸、ジアミノプロピオン酸、それらの塩類および組み合わせから選択される、前記の方法のいずれか。
【0094】
2.10 塩基性アミノ酸がL−立体配置を有する、前記の方法のいずれか。
2.11 塩基性アミノ酸がアルギニンである、前記の方法のいずれか。
2.12 プレミックスが約6〜約7.3のpHを有する、前記の方法のいずれか。
【0095】
2.13 プレミックスが約6.8〜約7.2のpHを有する、前記の方法のいずれか。
2.14 プレミックスが約7のpHを有する、前記の方法のいずれか。
【0096】
2.15 室温および室内圧力で実施される場合の、前記の方法のいずれか。
2.16 成分およびそれらのそれぞれの量が、組成物1.0、1.1、1.2、1.3または1.4の下で述べた態様のいずれかにおいて述べたものである、前記の方法のいずれか。
【0097】
[0024] 別の態様において、本発明は、それを必要とする対象の口腔に、有効量の、組成物1.0、1.1、1.2、1.3または1.4の下の態様のいずれかの口腔用組成物を適用することを含む、口の健康を向上させるための方法(方法3)、例えば次のことのための方法を含む:
i. 齲食の形成を低減または抑制する、
ii. 例えば定量的光誘導蛍光法(QLF)または電気的齲食測定(ECM)により検出される早期のエナメル質の病変を低減、修復または抑制する、
iii. 歯の脱灰を低減または抑制し、再石灰化を促進する、
iv. 歯の過敏性を低減する、
v. 歯肉炎を低減または抑制する、
vi. 口の中の潰瘍または切り傷の治癒を促進する、
vii. 酸を産生する細菌のレベルを低減する、
viii. アルギニン分解細菌の相対的なレベルを増大させる、
ix. 口腔中での微生物のバイオフィルムの形成を抑制する、
x. 糖負荷の後にプラークのpHを少なくともpH5.5のレベルに上げる、および/または維持する、
xi. プラークの蓄積を低減する、
xii. 口内乾燥を処置、緩和または低減する、
xiii. 歯および口腔を清潔にする、
xiv. 酸食を低減する、
xv. 歯を白くする、
xvi. 歯に齲食原性細菌に対する免疫性を与える、および/または
xvii. 例えば口の組織を経る全身感染の可能性を低減することにより、心血管の健康を含む全身の健康を促進する。
【0098】
[0025] 本発明はさらに、例えば方法3において述べた適用のいずれかにおける使用のための本発明の組成物の製造におけるアルギニンの使用を含む。
[0026] 本発明はさらに、対象の口腔内の脱灰された歯およびエナメル質の病変の少なくとも一方の処置における使用のための、または対象の口腔内で歯の鉱質強化(mineralization)を増進するための、遊離または塩の型の塩基性アミノ酸、可溶性フッ化物塩および無機酸のカルシウム塩を含む口腔ケア組成物を提供する。驚いたことに、その組成物は齲食が形成される前においてさえも歯の脱灰または病変の増進された処置を示すことが分かっている。
【0099】
[0027] 本発明はさらに、対象の口腔内で歯の鉱質強化を増進するための可溶性フッ化物塩および無機酸のカルシウム塩を含む口腔ケア組成物中での遊離または塩の型の塩基性アミノ酸の使用、ならびに、対象の口腔内で歯の鉱質強化を増進するための可溶性フッ化物塩および無機酸のカルシウム塩を含む医薬の製造のための遊離または塩の型の塩基性アミノ酸の使用を提供する。
【0100】
[0028] 本発明はさらに、対象の口腔内の脱灰された歯およびエナメル質の病変の少なくとも一方を鉱質強化する方法を提供し、その方法は、口腔を遊離または塩の型の塩基性アミノ酸、可溶性フッ化物塩および無機酸のカルシウム塩を含む口腔ケア組成物で処置することを含む。
【0101】
[0029] 本発明はさらに、口腔用組成物で処理した際に対照の口腔内のプラークのpHを上昇させることにより齲食の形成を低減する、または抑制するための、無機酸により中和された塩基性アミノ酸の塩を含む口腔ケア組成物を提供する。驚いたことに、その組成物はプラークのpHの上昇を示し、それにより齲食が形成される前に齲食の形成を低減または抑制することができることが分かっている。
【0102】
[0030] 本発明はさらに、口腔用組成物で処理した際に対照の口腔内のプラークのpHを上昇させることにより齲食の形成を低減する、または抑制するための口腔ケア組成物中での、無機酸により中和された塩基性アミノ酸の塩の使用、およびその医薬で処置される対象の口腔内のプラークのpHを上昇させることによる齲食の形成の低減または抑制における使用のための医薬の製造のための、無機酸により中和された塩基性アミノ酸の塩の使用を提供する。
【0103】
[0031] 本発明はさらに、対象の口腔中でプラークのpHを上昇させる方法を提供し、その方法は口腔を無機酸により中和された塩基性アミノ酸の塩を含む口腔ケア組成物で処置することを含む。
【0104】
[0032] 本発明はさらに、塩基性アミノ酸および無機酸の塩、可溶性フッ化物塩ならびに無機酸のカルシウム塩を含む口腔ケア組成物を提供する。驚いたことに、その組成物は長期間にわたり組成物中の増進されたフッ化物の安定性を示すことが分かった。
【0105】
[0033] 本発明はさらに、可溶性フッ化物塩および無機酸のカルシウム塩、ならびに、加えて、組成物中のフッ化物の安定性を増大させるための塩基性アミノ酸および無機酸の塩を含む口腔ケア組成物を提供する。
【0106】
[0034] 本発明はさらに、口腔ケア組成物を製造する方法を提供し、その方法は次の工程を含む:
i. 塩基性アミノ酸および無機酸を用意し、塩基性アミノ酸を無機酸で中和して塩基性アミノ酸の塩を形成する;
ii. 塩基性アミノ酸を少なくとも可溶性フッ化物塩および無機酸のカルシウム塩と組み合わせて口腔ケア組成物を形成する。
【0107】
[0035] 本発明はさらに、口腔ケア組成物を製造する方法を提供し、その方法は次の工程を含む:塩基性アミノ酸構成要素、可溶性フッ化物塩および無機酸のカルシウム塩を組み合わせて一緒にし、ここで、組成物中でのフッ化物の安定性を増大させるために、塩基性アミノ酸は組み合わせる工程の前に無機酸で中和されて塩基性アミノ酸の塩を形成する。
【0108】
[0036] 本発明はさらに、口腔ケア組成物中での塩基性アミノ酸の塩の、少なくとも可溶性フッ化物塩および無機酸のカルシウム塩を含む口腔ケア組成物への、組成物中でのフッ化物の安定性を増大させるための添加物としての使用を提供し、その塩は塩基性アミノ酸を無機酸で中和することにより形成される。
【0109】
[0037] 従って、口腔ケア技術分野の当業者は、多くの異なる上に驚くべき技術的効果および利点は、本発明の1個以上の観点に従う口腔ケア組成物、例えば歯磨剤の配合および使用の結果もたらされ得るものであることが分かることができ、それは有効な構成要素または成分の異なる組み合わせ、および好ましくは組成物内のそれらのそれぞれの量の規定に向けられている。
【0110】
[0038] 有効成分のレベルは、送達システムおよび個別の有効物質の性質に基づいて異なるであろう。例えば、塩基性アミノ酸は、例えば約0.1から約20重量%まで(遊離塩基の重量として表した)、例えばマウスリンスに関して約0.1から約3重量%まで、消費者用練り歯磨きに関して約1から約10重量%まで、または専門用、もしくは処方薬の処置製品に関して約7から約20重量%までのレベルで存在していてよい。フッ化物は、例えば約25〜約25,000ppm、例えばマウスリンスに関して約25〜約250ppm、消費者用練り歯磨きに関して約750〜約2,000ppm、または専門用、もしくは処方薬の処置製品に関して約2,000〜約25,000ppmのレベルで存在していてよい。抗細菌物質のレベルは同様に異なり、練り歯磨きにおいて用いられるレベルは例えばマウスリンスにおいて用いられるレベルよりも約5〜約15倍高いであろう。例えば、トリクロサンマウスリンスは例えば約0.03重量%のトリクロサンを含んでいてよく、一方トリクロサン練り歯磨きは約0.3重量%のトリクロサンを含んでいてよい。
【0111】
塩基性アミノ酸
[0039] 本発明の組成物および方法において用いることのできる塩基性アミノ酸には、天然に生じる塩基性アミノ酸、例えばアルギニン、リシン、およびヒスチジンだけでなく、分子中にカルボキシル基およびアミノ基を有し、水溶性であり7またはそれより大きいpHの水溶液を与えるあらゆる塩基性アミノ酸も含まれる。
【0112】
[0040] 従って、塩基性アミノ酸には、アルギニン、リシン、シトルリン、オルニチン、クレアチン、ヒスチジン、ジアミノブタン酸、ジアミノプロピオン酸、それらの塩類またはそれらの組み合わせが含まれるが、それらに限定されない。特定の態様において、塩基性アミノ酸はアルギニン、シトルリン、およびオルニチンから選択される。
【0113】
[0041] 特定の態様において、塩基性アミノ酸はアルギニン、例えばl−アルギニン、またはその塩である。
[0042] 一部の態様において、塩基性アミノ酸はアルギニンデイミナーゼ系で生成する少なくとも1種類の中間体を含む。アルギニンデイミナーゼ系で生成する中間体は、齲食の制御および/または予防のためにプラークの中和を提供するための口腔ケア組成物において有用である可能性がある。アルギニンは天然の塩基性アミノ酸であり、口腔中で見つけることができる。口の中のアルギニンは、特定の歯のプラークの細菌株、例えばS.サングイス(S. sanguis)、S.ゴルドニ(S. gordonii)、S.パラサングイス(S. parasanguis)、S.ラッタス(S. rattus)、S.ミレリ(S. milleri)、S.アンギノサス(S. anginosus)、S.フェカリス(S. faecalis)、A.ネスランディ(A. naeslundii)、A.オドントリティカス(A. odonolyticus)、L.セロビオサス(L. cellobiosus)、L.ブレビス(L. brevis)、L.ファーメンタム(L. fermentum)、P.ジンジバリス(P. gingivalis)、およびT.デンティコラ(T. denticola)により、それらの生存のために利用されている可能性がある。その生物は、酸産生および耐酸性齲食原性株が糖を使用して有機酸を産生することができる歯の表面付近の領域に存在する可能性のある酸性の環境では、死ぬ可能性がある。従って、これらのアルギニン分解性の株は、生き延びるためにアルギニンをアンモニアに分解してアルカリ性を提供することができ、加えて、プラークを緩衝して齲食原性システムにとって不利な環境を作ることができる。
【0114】
[0043] そのアルギニン分解性生物は、アルギニンを“アルギニンデイミナーゼ系”と呼ばれる内因性の細胞の酵素経路系により異化することができ、それにより経路における中間体が形成される。この経路において、L−アルギニンはアルギニンデイミナーゼにより分解されてL−シトルリンおよびアンモニアとなることができる。次いでL−シトルリンはオルニチントランスカルバミラーゼ(ornithane trancarbamylase)により無機ホスフェートの存在下で分解されてL−オルニチンおよびカルバミルリン酸となることができる。次いでカルバメートキナーゼはカルバミルリン酸を分解して別のアンモニア分子および二酸化炭素を形成することができ、そのプロセスでATP(アデノシン5’−三リン酸)も形成される。アルギニン分解細菌はATPを増殖のためのエネルギー源として用いることができる。従って、利用される際に、アルギニンデイミナーゼ系は2分子のアンモニアを生じることができる。
【0115】
[0044] 一部の態様において、アンモニアは口のプラークのpHの中和を助けて齲食を制御および/または予防することができることが分かっている。
[0045] 本発明の一部の態様の口腔ケア組成物は、アルギニンデイミナーゼ系において生成される中間体を含んでいてよい。その中間体はシトルリン、オルニチン、およびカルバミルリン酸を含んでいてよい。一部の態様において、他のケア組成物はシトルリンを含む。一部の態様において、口腔ケア組成物はオルニチンを含む。一部の態様において、口腔ケア組成物はカルバミルリン酸を含む。他の態様において、口腔ケア組成物はシトルリン、オルニチン、カルバミルリン酸、および/またはアルギニンデイミナーゼ系により生成される他の中間体のいずれかの組み合わせを含む。
【0116】
[0046] 口腔ケア組成物は、上記の中間体を有効量で含んでいてよい。一部の態様において、口腔ケア組成物は約1mmol/L〜約10mmol/Lの中間体を含む。他の態様において、口腔ケア組成物は約3mmol/L〜約7mmol/Lの中間体を含む。他の態様において、口腔ケア組成物は約5mmol/Lの中間体を含む。
【0117】
[0047] 本発明の組成物は口の中での局所的使用を意図しており、従って、本発明における使用のための塩類は、提供される量および濃度においてその使用に関して安全であるべきである。適切な塩類には、当該技術分野において医薬的に許容できる塩類であると知られている塩類が含まれ、それは一般に与えられる量および濃度において生理的に許容できると考えられる。生理的に許容できる塩類には、医薬的に許容できる無機もしくは有機酸または塩基に由来する塩類、例えば生理的に許容できる陰イオンを形成する酸により形成される酸付加塩類、例えば塩酸塩または臭化物塩、ならびに生理的に許容できる陽イオンを形成する塩基により形成される塩基付加塩類、例えばカリウムおよびナトリウムのようなアルカリ金属またはカルシウムおよびマグネシウムのようなアルカリ土類金属に由来する塩基付加塩類が含まれる。生理的に許容できる塩類は、当該技術分野において既知の標準的な手順を用いて、例えばアミンのような十分に塩基性の化合物と生理的に許容できる陰イオンを与える適切な酸を反応させることにより得ることができる。
【0118】
[0048] 様々な態様において、塩基性アミノ酸は組成物の総重量の約0.5重量%〜約20重量%、組成物の総重量の約1重量%〜約15重量%、例えば組成物の総重量の約1.5重量%、約3.75重量%、約5重量%、または約7.5重量%、または約10重量%の量で存在する。
【0119】
無機酸、無機オキソ酸、およびそれらの塩類
[0049] 用語“無機酸”は、炭素を含まない酸、例えば鉱酸、例えば塩酸を指す。特定の態様において、無機酸は“無機オキソ酸”であり、それは酸素および少なくとも1種類の他の元素を含み、酸素に結合した少なくとも1個の水素原子を有し、1個以上のプロトンの喪失によりイオンを形成し、炭素を含まない酸、例えばリン酸または硫酸である。
【0120】
[0050] 特定の態様において、本発明の組成物は実質的に有機ホスフェート類、例えばアルキルホスフェート類またはフィチン酸類を含まない、および/または実質的にカーボネート類またビカーボネート類を含まない。“実質的に含まない”により、この文脈において、無機酸または無機オキソ酸と比較して、たとえあったとしても5%未満、例えば1%未満の量で存在することを意味する。
【0121】
[0051] 本発明の範囲内の無機オキソ酸には、硫酸、リン酸(すなわちオルトリン酸またはHPO)およびリン酸の縮合物、例えばピロリン酸またはトリポリリン酸が含まれるが、それらに限定されない。一部の態様において、塩基性アミノ酸と、またはカルシウムと塩を形成するための酸は、別の塩の形で提供される。本発明における、塩基性アミノ酸を中和するための使用のためのそれらの塩類は、比較的高い溶解度を有する塩類、例えばオルトリン酸のアルカリ塩類およびアンモニウム塩類、例えばオルトリン酸カリウム、ナトリウム、またはアンモニウムであり、それは塩基性アミノ酸を約7.5より下のpHまで緩衝することができる。
【0122】
[0052] オキソ酸は、おおよそ中性のpH、例えばpH約6.8〜約7.2をもたらすためにカルシウムおよび塩基性アミノ酸を十分に中和する量で存在する。
[0053] 特定の態様において、共通イオン効果は配合物に安定性を与えると考えられているため、カルシウム塩のための陰イオンを提供するオキソ酸および塩基性アミノ酸の塩のための陰イオンを提供するオキソ酸は同じである。
【0123】
フッ化物イオン源
[0054] 口腔ケア組成物はさらに1種類以上のフッ化物イオン源、例えば可溶性フッ化物塩類を含んでいてよい。多種多様なフッ化物イオンを生じる物質を、本組成物における可溶性フッ化物源として用いることができる。適切なフッ化物イオンを生じる物質の例は、本明細書に援用するBrinerらへの米国特許第3,535,421号;Parran,Jr.らへの米国特許第4,885,155号、およびWidderらへの米国特許第3,678,154号において見つけられる。
【0124】
[0055] 代表的なフッ化物イオン源には、フッ化スズ、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フルオロケイ酸ナトリウム、フルオロケイ酸アンモニウム、フッ化アミン、フッ化アンモニウム、およびそれらの組み合わせが含まれるがそれらに限定されない。特定の態様において、フッ化物イオン源はフッ化スズ、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウムおよびそれらの混合物を含む。
【0125】
[0056] 特定の態様において、本発明の口腔ケア組成物は、フッ化物イオン源またはフッ素を提供する成分を、約25ppm〜25,000ppmのフッ化物イオン、一般には少なくとも約500ppm、例えば約500〜約2000ppm、例えば約1000〜約1600ppm、例えば約1450ppmを供給するのに十分な量で含んでいてもよい。フッ化物の適切なレベルは、個々の適用に依存するであろう。例えばマウスウォッシュは通常は約100〜約250ppmのフッ化物を有するであろう。一般的な消費者使用のための練り歯磨きは、通常は約1000〜約1500ppmを有し、小児用練り歯磨きはいくらか少なく有するであろう。専門用のための歯磨剤またはコーティングは、5,000またはさらには25,000ppmものフッ化物を有することが可能であろう。
【0126】
[0057] フッ化物イオン源は、本発明の組成物に1態様において約0.01重量%〜約10重量%、または別の態様において約0.03重量%〜約5重量%、および別の態様において組成物の重量により約0.1重量%〜約1重量%のレベルで添加されてよい。フッ化物イオンの適切なレベルを提供するためのフッ化物塩類の重量は、明らかに塩の中のカウンターイオンの重量に基づいて異なるであろう。
【0127】
微粒子および研磨剤
[0058] 本発明の組成物は、リン酸カルシウム研磨剤、例えばリン酸三カルシウム(Ca(PO)、ヒドロキシアパタイト(Ca10(PO(OH))、またはリン酸二カルシウム二水和物(CaHPO・2HO、本明細書では時々DiCalとも呼ばれる)、またはピロリン酸カルシウムを含んでいてよい。あるいは、炭酸カルシウム、および特に沈降炭酸カルシウムを研磨剤として用いてよい。
【0128】
[0059] 組成物は1種類以上の追加の微粒子材料、例えばシリカ研磨剤、例えば約20ミクロンまでの平均粒径を有する沈降シリカ類、例えばJ. M. Huberにより市場に出されているZeodent 115(登録商標)を含んでいてよい。他の有用な研磨剤には、メタリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム、ケイ酸アルミニウム、か焼アルミナ、ベントナイト(bentonite)または他のシリカを含む(siliceous)材料、またはそれらの組み合わせも含まれる。
【0129】
[0060] 本明細書において有用であるシリカ研磨剤の研磨材料、および他の研磨剤は、一般に約0.1〜約30ミクロン、約5〜約15ミクロンの範囲の平均の粒径を有する。シリカ研磨剤は、沈降シリカまたはシリカゲル類、例えば共に本明細書に援用するPaderらへの米国特許第3,538,230号、およびDigiulioへの米国特許第3,862,307号において記述されているシリカキセロゲル類からのものであることができる。特定のシリカキセロゲル類は、W. R. Grace & Co.のDavison化学事業部により、Syloid(登録商標)の商品名の下で市場に出されている。沈降シリカ材料には、J. M. Huber Corp.により、名称Zeodent 115および119を有するシリカを含め、Zeodent(登録商標)の商品名の下で市場に出されている沈降シリカ材料が含まれる。これらのシリカ研磨剤は、本明細書に援用するWasonへの米国特許第4,340,583号において記述されている。
【0130】
[0061] 特定の態様において、本発明に従う口腔ケア組成物の実施において有用である研磨性物質には、100cc/100gシリカ未満の、および約45cc/100gシリカ〜約70cc/100gシリカの範囲の油吸収値(oil absorption value)を有するシリカゲル類および沈降非晶質シリカが含まれる。油吸収値は、ASTA Rub−Out Method D281を用いて測定される。特定の態様において、シリカ類は約3ミクロン〜約12ミクロン、および約5〜約10ミクロンの平均の粒径を有するコロイド粒子である。
【0131】
[0062] 特定の態様において、微粒子または研磨性物質は、例えば約5ミクロン未満のd50を有する非常に小さい粒子、例えば約3〜約4ミクロンのd50を有する小さい粒子のシリカ(SPS)、例えばSorbosil AC43(登録商標)(Ineos)を大きな割合で含む。その小さい粒子は、過敏症を低減することを目標とした配合物において特に有用である。小さい粒子の構成要素は、第2のより大きな粒子の研磨剤との組み合わせで存在していてよい。例えば、特定の態様において、配合物は約3〜約8%のSPSおよび約25〜約45%の一般に用いられる研磨剤を含む。
【0132】
[0063] 本発明の実施において特に有用である低い油吸収のシリカ研磨剤は、W.R. Grace & Co.のDavison化学事業部、メリーランド州ボルティモア 21203により商品名Sylodent XWA(登録商標)の下で市場に出されている。約29重量%の含水量を有し、直径が平均約7〜約10ミクロンであり、油吸収が約70cc/100gシリカ未満であるコロイド状シリカの粒子からなるシリカヒドロゲルであるSylodent 650 XWA(登録商標)は、本発明の実施において有用である低い油吸収のシリカ研磨剤の例である。研磨剤は本発明の口腔ケア組成物中に約10〜約60重量%、他の態様において約20〜約45重量%、および別の態様において約30〜約50重量%の濃度で存在する。
【0133】
[0064] 一部の態様において、塩基性アミノ酸は、炭酸カルシウム、特に沈降炭酸カルシウムを研磨剤として含む基礎配合物を有する歯磨組成物の中に組み込まれる。L−アルギニンおよびアルギニン塩類、例えば重炭酸アルギニンは、それ自体が明瞭に苦い味であり、水溶液中において魚のような味を与える可能性もある。従って、L−アルギニンまたはアルギニン塩類を抗齲食の効能および過敏の緩和を与えるのに有効な濃度で、通常は歯磨配合物の総重量に基づいて2から10重量%までの量で口腔ケア製品、例えば歯磨配合物の中に組み込む場合、歯磨配合物の味および口当たりは、L−アルギニンまたはアルギニン塩類を添加しない同じ配合物と比較して悪くなるであろうと予想されていた。
【0134】
[0065] しかし、驚いたことに、本発明のこの観点に従って、L−アルギニンまたはアルギニン塩類の炭酸カルシウムを含む基礎歯磨配合物への添加は、歯磨配合物に味および口当たりの特性の有意な増進をもたらし、製品の消費者への全体的な受け入れの増加をもたらすことができることが分かった。
【0135】
発泡の量を増大させるための薬剤
[0066] 本発明の口腔ケア組成物は、口腔がブラッシングされた際に生じる泡の量を増大させるための薬剤を含んでいてもよい。
【0136】
[0067] 泡の量を増大させる薬剤の説明的な例には、それに限定されるわけではないがポリオキシエチレン、およびそれに限定されるわけではないがアルギネートポリマー類を含む特定のポリマー類が含まれる。
【0137】
[0068] ポリオキシエチレンは、本発明の口腔ケアキャリヤー構成要素により発生させられる泡の量および泡の厚さを増大させることができる。ポリオキシエチレンは、一般にポリエチレングリコール(“PEG”)またはポリエチレン酸化物としても知られている。この発明に適したポリオキシエチレン類は、約200,000〜約7,000,000の分子量を有するであろう。1態様において、分子量は約600,000〜約2,000,000であり、別の態様において、約800,000〜約1,000,000であろう。Polyox(登録商標)は、Union Carbideにより生産される高分子量ポリオキシエチレンに関する商品名である。
【0138】
[0069] ポリオキシエチレンは、本発明の口腔ケア組成物の口腔ケアキャリヤー構成要素の重量により、約1%〜約90%、1態様において約5%〜約50%、および別の態様において約10%〜約20%の量で存在してよい。口腔ケア組成物中の発泡剤の用量(すなわち1回量)は、約0.01〜約0.9重量%、約0.05〜約0.5重量%、および別の態様において約0.1〜約0.2重量%である。
【0139】
界面活性剤
[0070] 場合により本発明の口腔ケア組成物中に含まれる別の薬剤は、界面活性剤または共存可能な界面活性剤の混合物である。適切な界面活性剤は、広いpH範囲を通して相当に安定である界面活性剤、例えば陰イオン性、陽イオン性、非イオン性または双性イオン性界面活性剤である。
【0140】
[0071] 適切な界面活性剤は、例えば本明細書に援用するAgricolaらへの米国特許第3,959,458号;Haefeleへの米国特許第3,937,807号;およびGieskeらへの米国特許第4,051,234号においてより完全に記述されている。
【0141】
[0072] 特定の態様において、本明細書において有用な陰イオン性界面活性剤には、アルキル基中に約10〜約18個の炭素原子を有するアルキルサルフェート類の水溶性塩類および約10〜約18個の炭素原子を有する脂肪酸のスルホン化モノグリセリド類の水溶性塩類が含まれる。ラウリル硫酸ナトリウム、ナトリウム ラウロイルサルコシネートおよびナトリウム ココナッツ(coconut) モノグリセリド サルフェート類は、このタイプの陰イオン性界面活性剤の例である。陰イオン性界面活性剤の混合物を利用してもよい。
【0142】
[0073] 別の態様において、本発明において有用な陽イオン性界面活性剤は、約8〜約18個の炭素原子を含む1本の長いアルキル鎖を有する脂肪族第四級アンモニウム化合物の誘導体として広く定義することができ、例えば塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルピリジニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ジイソブチルフェノキシエチルジメチルベンジルアンモニウム、ココナッツ アルキルトリメチルアンモニウム 亜硝酸、フッ化セチルピリジニウム、およびそれらの混合物である。
【0143】
[0074] 説明的な陽イオン性界面活性剤は、本明細書に援用するBrinerらへの米国特許第3,535,421号において記述されている第四級アンモニウムフッ化物である。特定の陽イオン性界面活性剤は、組成物中で殺菌剤としての役目も果たすことができる。
【0144】
[0075] 本発明の組成物において用いることのできる説明的な非イオン性界面活性剤は、アルキレンオキシド基(本質的に親水性である)と本質的に脂肪族またはアルキル芳香族であってよい有機疎水性化合物の縮合により生成される化合物として広く定義することができる。適切な非イオン性界面活性剤の例には、Pluronics、アルキルフェノール類のポリエチレンオキシド縮合物、エチレンオキシドのプロピレンオキシドおよびエチレンジアミンの反応生成物との縮合に由来する生成物、脂肪族アルコール類のエチレンオキシド縮合物、長鎖第3級アミンオキシド類、長鎖第3級ホスフィンオキシド類、長鎖ジアルキルスルホキシド類およびそれらの物質の混合物が含まれるが、それらに限定されない。
【0145】
[0076] 特定の態様において、本発明において有用な双性イオン性合成界面活性剤は、脂肪族基が直鎖または分岐鎖であり、脂肪族置換基の1個が約8〜約18個の炭素原子を含み、1個が陰イオン性の水可溶化基(water−solubilizing group)、例えばカルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェートまたはホスホネートを含む、脂肪族第四級アンモニウム、ホスホニウム(phosphomium)、およびスルホニウム化合物の誘導体として広く記述することができる。組成物中に含めるのに適した界面活性剤の説明的な例には、アルキル硫酸ナトリウム、ナトリウム ラウロイルサルコシネート、ココアミドプロピルベタイン(cocoamidopropyl betaine)およびポリソルベート20、およびそれらの組み合わせが含まれるが、それらに限定されない。
【0146】
[0077] 特定の態様において、本発明の組成物は陰イオン性界面活性剤、例えばラウリル硫酸ナトリウムを含む。
[0078] 界面活性剤または共存できる界面活性剤の混合物は、本発明の組成物中に、組成物の総重量により約0.1%〜約5.0%、別の態様において約0.3%〜約3.0%、および別の態様において約0.5%〜約2.0%存在することができる。
【0147】
着香剤
[0079] 本発明の口腔ケア組成物は、着香剤を含んでいてもよい。本発明の実施において用いられる着香剤には、精油および様々な芳香性アルデヒド類、エステル類、アルコール類、および類似の物質が含まれるが、それらに限定されない。精油の例には、スペアミント、ペパーミント、ウィンターグリーン、サッサフラス、チョウジ、セージ、ユーカリ、マヨラマ、桂皮、レモン、ライム、グレープフルーツ、およびオレンジの油が含まれる。メントール、カルボン(carvone)、およびアネトール(anethole)のような化学物質も有用である。特定の態様は、ペパーミントおよびスペアミントの油を用いる。
【0148】
[0080] 着香剤は口腔用組成物中に、約0.1〜約5重量%および約0.5〜約1.5重量%の濃度で組み込まれる。個々の口腔ケア組成物の用量中における着香剤の用量(すなわち1回量)は約0.001〜約0.05重量%であり、別の態様において、約0.005〜約0.015重量%である。
【0149】
キレート化剤
[0081] 本発明の口腔ケア組成物は、場合により、細菌の細胞壁中に見られるカルシウムと錯体を作ることができる1種類以上のキレート化剤を含んでいてもよい。これらのカルシウムの結合は細菌の細胞壁を弱め、細菌の溶菌を増加させる。
【0150】
[0082] 本発明におけるキレート化剤としての使用に適した別のグループの薬剤は、可溶性ピロホスフェート類である。本組成物において用いられるピロリン酸塩類は、アルカリ金属ピロリン酸塩類のいずれかであることができる。特定の態様において、塩類は四アルカリ金属ピロホスフェート、二アルカリ金属二酸ピロホスフェート、三アルカリ金属一酸ピロホスフェート、およびそれらの混合物を含み、ここでアルカリ金属はナトリウムまたはカリウムである。その塩類は、それらの水和および非水和形態の両方において有用である。本組成物において有用な有効量のピロリン酸塩は、一般に少なくとも約1.0重量%のピロリン酸イオン、約1.5重量%〜約6重量%、約3.5重量%〜約6重量%のそのイオンを提供するのに十分である。
【0151】
ポリマー
[0083] 本発明の口腔ケア組成物は、場合により1種類以上のポリマー、例えばポリエチレングリコール類、ポリビニルメチルエーテルマレイン酸コポリマー類、多糖類(例えば、セルロース誘導体、例えばカルボキシメチルセルロース、または多糖ゴム類、例えばキサンタンガムもしくはカラギーナンガム)を含んでいてもよい。酸性ポリマー類、例えばポリアクリレートゲル類は、それらの遊離酸または部分的にもしくは完全に中和された水溶性アルカリ金属(例えばカリウムおよびナトリウム)もしくはアンモニア塩類の形で提供されてよい。特定の態様は、無水マレイン酸またはマレイン酸と別の重合可能なエチレン的に(ethylenically)不飽和な単量体、例えば、メチルビニルエーテル(メトキシエチレン)の、約30,000〜約1,000,000の分子量(M.W.)を有する約1:4〜約4:1コポリマー類を含む。これらのコポリマー類は、例えばGAF Chemicals CorporationのGantrez AN 139(分子量500,000)、AN 119(分子量250,000)およびS−97医薬グレード(Pharmaceutical Grade)(分子量70,000)として入手できる。
【0152】
[0084] 他の有効なポリマー類には、例えば無水マレイン酸とアクリル酸エチル、ヒドロキシエチルメタクリレート、N−ビニル−2−ピロリドン、またはエチレンとの1:1コポリマー類(後者は例えばMonsanto EMA No. 1103、分子量10,000およびEMA Grade 61として入手できる)、およびアクリル酸とメチルもしくはヒドロキシエチルメタクリレート、アクリル酸メチルもしくはエチル、イソブチルビニルエーテルまたはN−ビニル−2−ピロリドンとの1:1コポリマー類が含まれる。
【0153】
[0085] 一般に、適切なものは、活性化された炭素−炭素オレフィン性二重結合および少なくとも1個のカルボキシル基を含む、重合したオレフィン的に(olefinically)またはエチレン的に不飽和なカルボン酸類、すなわち、それがモノマー分子においてカルボキシル基に関してアルファ−ベータ位に、または末端のメチレン基(methylene grouping)の一部としてのどちらかで存在するため重合において容易に機能するオレフィン性二重結合を含む酸である。その酸の説明的なものは、アクリル、メタクリル、エタクリル(ethacrylic)、アルファ−クロロアクリル、クロトン、ベータ−アクリロキシプロピオン、ソルビン、アルファ−クロロソルビン(alpha−chlorsorbic)、ケイ皮、ベータ−スチリルアクリル、ムコン、イタコン、シトラコン、メサコン、グルタコン、アコニット、アルファ−フェニルアクリル、2−ベンジルアクリル、2−シクロヘキシルアクリル、アンゲリカ(angelic)、ウンベル(umbellic)、フマル、マレイン酸および無水物である。そのカルボキシル性モノマー類と共重合できる他の異なるオレフィン性モノマー類には、酢酸ビニル、塩化ビニル、マレイン酸ジメチルおよび同様のものが含まれる。コポリマー類は、水溶性のために十分なカルボン酸塩基(carboxylic salt groups)を含む。
【0154】
[0086] さらなる種類のポリマー性薬剤には、置換されたアクリルアミド類のホモポリマー類および/または不飽和スルホン酸類のホモポリマー類およびその塩類を含む組成物が含まれ、特にその場合、ポリマーは、本明細書に援用する1989年6月27日のZahidへの米国特許第4,842,847号において記述されている約1,000〜約2,000,000の分子量を有する2−アクリルアミド 2 メチルプロパンスルホン酸のようなアクリルアミドアルカンスルホン酸類から選択される不飽和スルホン酸類に基づく。
【0155】
[0087] 別の有用な種類のポリマー性薬剤には、ポリアミノ酸類、特に、本明細書に援用するSikesらの米国特許第4,866,161号において開示されているような、ある割合の陰イオン性界面活性アミノ酸、例えばアスパラギン酸、グルタミン酸およびホスホセリンを含むポリアミノ酸類が含まれる。
【0156】
[0088] 口腔ケア組成物の製造において時々、望ましい粘稠度(consistency)を与えるために、または配合物の性能を安定化する、もしくは増進するために、多少の増粘物質(thickening material)を添加する必要がある。特定の態様において、増粘剤はカルボキシビニルポリマー類、カラギーナン、ヒドロキシエチルセルロースおよびセルロースエステル類の水溶性塩類、例えばナトリウム カルボキシメチルセルロースおよびナトリウム カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロースである。天然ゴム類、例えばカラヤ(karaya)、アラビアゴム、およびトラガカントゴム(gum tragacanth)も組み込むことができる。組成物の質感をさらに向上させるために、コロイド性ケイ酸アルミニウムマグネシウムまたは微細に分割したシリカを増粘組成物の構成要素として用いることができる。特定の態様において、組成物の総重量により約0.5%〜約5.0%の量の増粘剤が用いられる。
【0157】
酵素類
[0089] 本発明の口腔ケア組成物は、場合により1種類以上の酵素を含んでいてもよい。有用な酵素には、入手可能なプロテアーゼ類、グルカノヒドロラーゼ類、エンドグリコシダーゼ類、アミラーゼ類、ムタナーゼ類、リパーゼ類およびムチナーゼ類またはそれらの共存できる混合物のいずれかが含まれる。特定の態様において、酵素はプロテアーゼ、デキストラナーゼ、エンドグリコシダーゼおよびムタナーゼである。別の態様において、酵素はパパイン、エンドグリコシダーゼまたはデキストラナーゼおよびムタナーゼの混合物である。本発明における使用に適した追加の酵素がDringらへの米国特許第5,000,939号;米国特許第4,992,420号;米国特許第4,355,022号;米国特許第4,154,815号;米国特許第4,058,595号;米国特許第3,991,177号;および米国特許第3,696,191号において開示されており、それらを全て本明細書に援用する。本発明におけるいくつかの共存できる酵素の混合物の内の酵素は、1態様において約0.002%〜約2%、または別の態様において約0.05%〜約1.5%、またはさらに別の態様において約0.1%〜約0.5%を構成する。
【0158】

[0090] 水が本発明の口腔用組成物中に存在していてもよい。市販用の口腔用組成物の製造において用いられる水は、脱イオンされており有機不純物を含まないものであるべきである。水は一般に組成物の残りを構成し、口腔用組成物の重量により約10%〜約90%、約20%〜約60%、または約10%〜約30%を含む。水のこの量には、他の物質と共に、例えばソルビトールまたは本発明のいずれかの構成要素と共に導入される量に加えて添加される遊離水が含まれる。
【0159】
湿潤剤
[0091] 口腔用組成物の特定の態様の範囲内では、組成物が空気にさらされて堅くなるのを防ぐために湿潤剤を組み込むのも望ましい。特定の湿潤剤は、歯磨組成物に望ましい甘味または香味を与えることもできる。湿潤剤は、純粋な湿潤剤に基づいて、一般に歯磨組成物の重量により1態様において約15%〜約70%、別の態様において約30%〜約65%を含む。
【0160】
[0092] 適切な湿潤剤には、食用の多価アルコール類、例えばグリセリン、ソルビトール、キシリトール、プロピレングリコール、さらに他のポリオール類およびこれらの湿潤剤の混合物が含まれる。グリセリンおよびソルビトールの混合物は、特定の態様において、本明細書における練り歯磨き組成物の湿潤剤構成要素として用いられてよい。
【0161】
[0093] 上記の構成要素に加えて、この発明の態様は、様々な任意の歯磨剤成分を含むことができ、その一部を下記に記述する。任意の成分には、例えば接着剤、石鹸泡剤(sudsing agent)、着香剤、甘味剤、追加の抗プラーク剤、研磨剤、および着色剤が含まれるが、それらに限定されない。これらおよび他の任意の成分は、Majetiへの米国特許第5,004,597号;Agricolaらへの米国特許第3,959,458号およびHaefeleらへの米国特許第3,937,807号においてさらに記述されており、全て本明細書に援用する。
【0162】
製造の方法
[0094] 本発明の組成物は、口腔ケアの領域において一般的である方法を用いて作ることができる。
【0163】
[0095] 1個の説明的な態様において、口腔ケア組成物は上記の方法2、例えばアルギニンをゲル相中でリン酸により中和し、混合してプレミックス1を形成することにより作られる。
【0164】
[0096] 有効物質、例えばビタミン類、CPC、フッ化物、研磨剤、およびあらゆる他の望ましい有効成分をプレミックス1に添加し、混合してプレミックス2を形成する。
[0097] 練り歯磨きの基剤、例えばリン酸二カルシウムをプレミックス2に添加し、混合する。最終的なスラリーで口腔ケア製品を形成する。
【0165】
組成物の使用
[0098] 本発明は、その方法の観点において、口腔に安全かつ有効な量の本明細書で記述した組成物を適用することを含む。
【0166】
[0099] 本発明に従う組成物および方法は、修復および再石灰化を促進することにより歯を保護するための、特に、齲食の形成を低減または抑制する、歯の脱灰を低減または抑制して再石灰化を促進する、歯の過敏性を低減する、および例えば定量的光誘導蛍光法(QLF)または電気的齲食測定(ECM)により検出される早期のエナメル質の病変を低減、修復または抑制するための方法に有用である。
【0167】
[00100] 定量的光誘導蛍光法は可視光蛍光であり、それは早期の病変を検出し、長期に渡ってその進行または後退を監視することができる。正常な歯は可視光において蛍光を発する;脱灰された歯はそうしない、またはより低い程度でしかそうしない。脱灰の範囲は定量することができ、その進行を監視することができる。歯を自発蛍光させるために青色のレーザー光が用いられる。鉱質の喪失を有する領域はより低い蛍光を有し、健康な歯の表面と比較してより暗く見える。ソフトウェアを用いて、白斑からの蛍光または病変と関係する面積/体積を定量する。一般に、既存の白斑病変を有する対象を参加者として募集する。測定は、本物の歯を用いてインビボで実施される。病変の面積/体積を、臨床試験の開始時に測定する。病変の面積/体積の低減(改善)を、6ヶ月間の製品使用の終了時に測定する。データはしばしば基準線に対するパーセント改善で報告される。
【0168】
[00101] 電気的齲食測定は、電気抵抗に基づいて歯の鉱質含有量を測定するために用いられる技法である。電気伝導度測定は、エナメル質の脱灰および酸食の際に露出する流体で満たされた小管が電気を伝導するという事実を利用する。歯が鉱質を失うと、それは多孔度の増大により電流に対してより抵抗が低くなる。従って、患者の歯の伝導度の増大は脱灰を示す可能性がある。一般に、試験は既存の病変を有する歯根表面について実施される。測定は、本物の歯を用いてインビボで実施される。6ヶ月間の処置の前後での電気抵抗の変化を出す。加えて、触覚プローブ(tactile probe)を用いて歯根表面に関する古典的な齲食スコアを出す。硬度を3点尺度で分類する:硬い、革のよう(leathery)、または柔らかい。このタイプの試験において、通常は結果はECM測定に関する電気抵抗(より高い数値がより良い)および触覚プローブスコアに基づく病変の硬度の改善として報告される。
【0169】
[00102] 従って、本発明の組成物は、有効量のフッ化物および/またはアルギニンを欠く組成物と比較して、(QLFまたはECMにより測定される)早期のエナメル質の病変を低減するための方法において有用である。
【0170】
[00103] 加えて、本発明の組成物は、口腔中の有害な細菌を低減するための方法、例えば歯肉炎を低減または抑制する、酸を産生する細菌のレベルを低減するための、アルギニン分解細菌の相対的なレベルを増大させる、口腔中での微生物のバイオフィルムの形成を抑制する、糖負荷の後のプラークのpHを少なくともpH5.5のレベルに上げる、および/または維持する、プラークの蓄積を低減する、口内乾燥を処置する、および/または歯および口腔を清潔にするための方法において有用である。
【0171】
[00104] 最後に、口の中のpHを上げること、および病原性細菌を妨害することにより、本発明の組成物は口の中の潰瘍または切り傷の治癒を促進するのに有用である。
[00105] 本発明に従う組成物および方法は、口および歯のケアのための口腔用組成物、例えば練り歯磨き、透明なペースト、ゲル、マウスリンス、スプレーおよびチューインガムの中に組み込むことができる。
【0172】
[00106] 口の組織は全身感染の入り口であり得るため、口の健康を増進することは全身の健康においても利益を提供する。良好な口の健康は心血管の健康を含む全身の健康と関係している。塩基性アミノ酸、特にアルギニンは、NO合成経路を満たし、そうして口の組織における微小循環を増進するための窒素の供給源であり、本発明の組成物および方法は特別の利益を提供する。より酸性でない口の環境を提供することは、胃部不快感(gastric distress)を低減する助けにもなり、胃潰瘍と関係するヘリコバクター(Heliobacter)にとってより不都合な環境を作り出す。特にアルギニンは特定の免疫細胞の受容体、例えばT細胞受容体の高発現に必要であり、そのためアルギニンは効果的な免疫反応を増進することができる。従って、本発明の組成物および方法は、心血管の健康を含む全身の健康を増進するのに有用である。
【0173】
[00107] 全体において用いられるように、範囲はその範囲内にあるそれぞれおよび全ての値を記述するための略記として用いられる。範囲内のあらゆる値は、範囲の末端として選択することができる。加えて、本明細書において引用される全ての参考文献をそのまま本明細書に援用する。本開示における定義および引用された参考文献の定義において不一致がある場合には、本開示が統制する。配合が記述された場合、実際の配合においてそれが作られ、保管され、使用された際にこれらの成分が互いと反応する可能性があるにも関わらず、当該技術分野で一般的であるようにそれらはそれらの成分に基づいて記述されてよく、その生成物は記述された配合に含まれることを意図していることが理解される。
【0174】
[00108] 下記の実施例は、本発明の範囲内の説明的な態様をさらに記述し、実証する。本発明の精神および範囲から逸脱すること無く多くの変形が可能であるため、実施例は説明のためにのみ与えられ、この発明を限定するものとして解釈されるべきでない。本明細書において示し、記述したそれらに加えて、本発明の様々な修正は当業者には明らかであるはずであり、それは添付した特許請求の範囲内に収まることを意図する。
【実施例】
【0175】
実施例1−重炭酸アルギニン配合物の安定性試験
[00109] 重炭酸アルギニンをpH中性の二カルシウム基剤の練り歯磨き配合物中に置くと、重炭酸が分解して二酸化炭素になり、練り歯磨きのチューブの膨張および破裂につながるため、それは安定でないことが分かった。
【0176】
【表1】

【0177】
Dical=リン酸二カルシウム二水和物
実施例2−フッ化物の安定性
[00110] 下記の表で見られるように、単にアルギニンをリン酸二カルシウム/フッ化物基剤に添加して中性pHに調節することは、結果としてフッ化物の乏しい安定性につながり、フッ化物は数週間以内に有効未満の(sub−effective)レベルまで減少する。驚いたことに、我々はリン酸二カルシウム二水和物研磨剤の添加の前のアルギニンのゲル相中でのリン酸による中和が結果として増大したフッ化物の安定性をもたらすことを見出した。
【0178】
【表2】

【0179】
注釈:Dical=リン酸二カルシウム二水和物
リン酸は85%溶液として提供する
[00111] アルギニンの酸による中和の程度は、フッ化物の安定性を維持することと関係しており、少なすぎることまたは多すぎることは、下記の試験で見られるように、結果として安定性の一部喪失をもたらす:
【0180】
【表3】

【0181】
注釈:Dical=リン酸二カルシウム二水和物
フッ化物はモノフルオロリン酸ナトリウムとして与えられ、単位はフッ化物のppmである
最も望ましいのは、最適のフッ化物の安定性のためのアルギニンのリン酸に対する比率は、従っておおよそ2:1〜おおよそ4:1、例えば約2.5:1から3:1まで、例えば、0.6%リン酸に対して1.5%アルギニンまたは1.25%リン酸に対して3.75%アルギニン(リン酸を85%溶液として)である。しかし、所与の配合物に関する最適な比率は、個別の配合物中の他の成分に依存していくらか異なっていてよい。
【0182】
実施例3:配合物
最適化したアルギニン/カルシウム/フッ化物練り歯磨き配合物を、次の成分を用いて製造する:
【0183】
【表4】

【0184】
[00112] この配合物は優れた貯蔵寿命、見た目の安定性およびフッ化物の安定性を示す。
実施例4−再石灰化における有効性
[00113] 中和したリン酸二カルシウム/アルギニンリン酸/フッ化物配合物を、脱灰/再石灰化の臨床試験において、アルギニン無しのリン酸二カルシウム/フッ化物配合物に対して試験する。
【0185】
[00114] このモデルにおいて、エナメル質の標本は口の中の脱灰および再石灰化の状態を経験する。脱灰状態は、標本を糖の溶液中に浸すことにより作り出される。齲食原性細菌は酸を形成し、pHの低下を引き起こす。このモデルでは、鏡面仕上げまで平らに磨いたウシの標本のブロックを用意する。ミクロ硬度試験機を用いてベースラインにおけるエナメル質の標本の硬度を測定する(M1)。ミクロ硬度試験機は先端にダイアモンドが付いたプローブを用いて、エナメル質の標本中に既知の、および一定の負荷で刻み目を作る。刻み目の長さはエナメル質の硬度に反比例する。エナメル質の硬度は鉱質含有量と直接相関する。標本をDacronメッシュで覆い、次いで固定装置(retainer)に取り付ける。標本は1日につき24時間、5日間着用される。5日間の期間の間、参加者は彼らの固定装置をスクロース溶液中に1日につき4回浸す。この処理はpHの変動を引き起こす。参加者は彼らの歯を1日につき2回、固定装置を口の中に入れたまま割り当てられた歯磨剤を用いてブラッシングする。5日後、標本を固定装置から外し、ミクロ硬度測定を行う(M2)。プラークをさらに、プラークの生態環境またはプラークの代謝の測定に関して分析することができる。標本を1日につき4回糖に浸すことにより作り出される高度に齲食原性の条件のため、ほとんどの処置は5日間の処置の後に鉱質の正味の喪失を経験する傾向にあり、従って、名前は”デミン−レミンモデル(demin−remin model)”である。最良の処置は最小量の鉱質を喪失する。しかし、特に有効な処置により硬度の正味の増大が得られる状況が存在する。
【0186】
[00115] 統計的な分析は、対象および処置を因子として用いる2因子分析である。結果は硬度の%変化(M2−M1)/M1×100または硬度の正味の変化M2−M1として表すことができる。もしパーセント変化を測定された反応として用いるなら、2因子ANOVAを行う。もし硬度の正味の変化を用いるなら、M1を共変動として用いて2因子ANCOVAを行う。もし95%信頼性レベルが得られれば、差は有意であると考えられる。通常、250ppmのフッ化物(または非フッ化物)および標準レベルのフッ化物を有する歯磨剤が陰性および陽性対照として含まれ、モデルを有効にするのに用いられる。陽性対照におけるフッ化物のレベルは、最も一般的には1000、1100、または1450ppmフッ化物である。選択される対照は、試験歯磨剤中のフッ化物のレベルに依存する。モデルは、陽性対照が優位に陰性対照より優れていることが示された場合に有効になるとみなされる。一度モデルが有効になると、試験製品は陰性対照と比較される。参加者の効果は普通は非常に重要であることに注意すべきである;従って、異なる試験集団を用いて同一の処置に関して同じ数値の結果が得られることは期待できない。
【0187】
【表5】

【0188】
注釈:Dical=リン酸二カルシウム二水和物
MFP=モノフルオロリン酸ナトリウム、単位はフッ化物のppm
[00116] 中和されたリン酸二カルシウム/アルギニンリン酸/フッ化物配合物は、この臨床試験において実際の鉱質強化の増大を示す唯一の配合物である。
【0189】
実施例5−プラークのpHの上昇における有効性
[00117] 実施例3の配合物を用いる患者におけるプラークのアンモニア生成を、アルギニンを有しない配合物と比較する。前の実施例の臨床試験における患者から、異なる配合物の1週間の使用の後にプラークを集め、試料の濃度を緩衝液中で標準化する。試料にスクロースで負荷をかけ、次いでアルギニンを添加する。プラークを37度Cで30分間保温し、Diagnostic Chemicals Limited (コネチカット州オックスフォード)から商業的に入手できる、アンモニア生成を測定するためのアンモニア検出キットを用いてアンモニアの生成を測定する。
【0190】
【表6】

【0191】
注釈:Dical=リン酸二カルシウム二水和物
MFP=モノフルオロリン酸ナトリウム、単位はppmフッ化物
[00118] 1週間の使用の後、実施例3の配合物は結果として有意により高いレベルのアンモニアを有するプラークをもたらし、これはそれが比較的高いレベルのアルギニン分解細菌を含んでいることを示している。
【0192】
[00119] この結果は、プラークのpHを直接測定することにより確認される。プラークを、試験のベースライン、第1、第2、第3および第4週目において、絶食およびブラッシング無しの期間の後の朝に、対象から集める。頬側(buccal)および舌側(lingual)表面をふき取る。試料濃度を緩衝液中で標準化する。試料にスクロースで負荷をかけ、次いで37度Cで2時間保温し、その時間の後pHを測定してプラークのpHを決定する。4週間後、アルギニングループのプラークのpHは5.5〜5.6であり、一方で対照グループのそれは約5.3であり、本質的にベースラインから変化していない。5.5より下のpHにさらされたエナメル質は脱灰および損傷を被るため、この結果は統計的に、および臨床的に妥当である。
【0193】
[00120] 従って、フッ化物を含むアルギニン練り歯磨きは、アルギニンそれ自体は配合物中でリン酸により中和されているにも関わらず、プラークにおける長期の緩衝作用を提供し、それはブラッシングの後長期間の間持続し、それは歯を保護し齲食原性細菌を抑制することが分かる。
【0194】
実施例6−細菌の付着の低減における有効性
[00121] 練り歯磨き配合物を、次のように提供する(量は最終的な配合物の重量パーセントとして与える):
【0195】
【表7】

【0196】
[00122] 上記の配合物を、インビトロで、概してGaffar, A. et al. American Journal of Dentistry, vol. 3, September 1990に記述されている、練り歯磨きで処理したヒドロキシアパタイト(HAP)のディスクへの細菌の24時間の期間を経た付着を測定するために設計された人工の口のモデルの中で試験する。この試験はアルギニンを含まない対照配合物と比べて配合物Aに関して27%、配合物Bに関して10%の低減を示し、これはアルギニンおよび特に陰イオン性界面活性剤、例えばラウリル硫酸ナトリウムと組み合わせたアルギニンは、細菌の付着を抑制するのに有用であることを示唆している:
【0197】
【表8】

【0198】
実施例7−抗細菌物質の利用率および送達への効果
[00123] 0.3重量%のトリクロサンおよび0.243重量%のフッ化ナトリウムを含む市販の練り歯磨き配合物を用い、それに0、1%、3%、および5%のL−アルギニン塩酸塩を添加して配合物を調製する(pH 7.0)。歯磨剤中のL−アルギニンの組み込みは、配合物から利用できる可溶性のトリクロサンの量を、約70%から約80%(1%アルギニン)、85%(3%アルギニン)、および95%(5%アルギニン)へと高める。
【0199】
[00124] 前記の実施例において記述した人工の口のモデルを、ヒドロキシアパタイトのディスクを歯磨剤のスラリーで処理した後細菌にさらす修正を加えて用いる。30分の時点での取り込みは対照に関するディスクあたりおおよそ40マイクログラムのトリクロサンから5%アルギニン配合物に関する約60マイクログラムのトリクロサンに増加し、Total(登録商標)配合物中へのL−アルギニンの組み込みはトリクロサンのディスクへの送達を約50%増進することが示された。24時間後、対照のディスクは、有意に増進していた5%アルギニン配合物に関する約20マイクログラムと比較して、ディスクあたり約10マイクログラムを保持していた。これは配合物の抗細菌作用の増進に直接つながり、A.ビスコーサス(A. viscosus)の増殖の阻害において約15%の統計的に有意な低減がある。
【0200】
実施例8−マウスリンス配合物
[00125] 本発明のマウスウォッシュ配合物は、次の成分を用いて調製される:
【0201】
【表9】

【0202】
実施例9−沈降炭酸カルシウム(PCC)を含む歯磨配合物
[00126] 歯磨配合物の知覚的特性を試験する訓練を受けた一団の消費者の試験者に、異なる歯磨配合物を受けさせ、それは歯磨配合物の消費者使用を模した二重盲検消費者試験の条件の下で用いられた。
【0203】
[00127] 一団に、歯磨配合物を一般に行われているように使用すること、次いで様々な知覚的特徴を評価することを頼んだ。沈降炭酸カルシウム(PCC)を含む基礎歯磨配合物に関して、既知の配合物がプラセボ対照の役割を果たし、および加えて1、2、3または5重量%重炭酸アルギニンを含む対応する配合物も試験した。驚いたことに、重炭酸アルギニンを含むPCC配合物は消費者の香味の強度、清涼感および泡立ち易さの特性に関する受容における増大を示し、さらに、加えて2重量%重炭酸アルギニンを含む配合物は、全体的な好み、味の全体的な好み、ブラッシングの間の味およびブラッシングの後の味における増大を示した。さらに、加えて重炭酸アルギニンを含む配合物は、知覚される有効性、口/歯の清潔感、製品の適切さ、味および全体的な製品の質を含む全ての印象の特性においてプラセボ対照より有意に優れているものとして知覚された。
【0204】
[00128] 対照的に、沈降炭酸カルシウム(PCC)ではなくリン酸二カルシウムを基剤として有する配合物を試験した場合、重炭酸アルギニンの添加は、重炭酸アルギニンの添加無しの同じ配合物と比較して有意に向上した知覚的特徴を示さなかった。
【0205】
[00129] 実施例は、塩基性アミノ酸、例えばアルギニンの、特に重炭酸塩としての添加は、歯磨配合物、最も詳細には沈降炭酸カルシウム(PCC)の基礎配合物を有するものの知覚的特徴を、本発明の口腔ケア組成物中で用いた場合に、驚くほど増進させることができることを示している。
【0206】
実施例10−アルギニン以外の塩基性アミノ酸
[00130] S.サングイスの一夜培養物を、トリプチケースソイブロス(trypticase soy broth)(Becton Dickinson,メリーランド州スパークス)中で37℃で増殖させた。培養物を、おおよそ5ミリグラムの湿ペレット重量を集めるために、5,000rpmで5分間、1ミリリットルで、一度に、予め重量を量ったチューブの中に遠心分離した。次いでペレットを、生存のためにアンモニアが産生されるであろう細菌細胞にとってストレスのかかる環境を模するために、20ミリモーラーリン酸カリウム緩衝液(JT Baker,ニュージャージー州フィリップスバーグ)、pH4.0の中に再懸濁した。終濃度はミリリットルあたり5ミリグラムであった。この終濃度に、終濃度5ミリモーラーのL−アルギニン、L−シトルリン、またはL−オルニチンを、終濃度0.1%のスクロース(VWR,ペンシルバニア州ウェストチェスター)と共に添加した。次いでこの混合物を37℃で、振とう水槽中で30分間保温した後、アンモニア生成を測定した。
【0207】
[00131] アンモニアに関して分析するため、Diagnostic Chemicals Limited (コネチカット州オックスフォード)からのアンモニアアッセイキットを用いた。この特異的なキットの意図された用途は血漿中のアンモニアのインビトロ定量のためのものであるが、プラークおよび/または細菌中のアンモニア生成を測定および定量するために手順を修正した。
【0208】
[00132] 下記の表は、S.サングイスを用いるpH4.0での上記の6通りの別々の試験からのアンモニア生成の値を示す。結果は、アルギニンデイミナーゼ系により生成される中間体が細胞の生存のためのアンモニアを生成するために用いられ得ることを確証している。
【0209】
【表10】

【0210】
[00133] 実施例は、アルギニン以外の塩基性アミノ酸が口腔内でアンモニアを生成するのに、従って本発明の口腔ケア組成物中で用いた際にプラークのpHを増大させるのに有効であることを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次のものを含む口腔ケア組成物:
a. 有効量の塩基性アミノ酸の塩、塩は緩衝されていない溶液中で約7.5未満のpHを有する;
b. 有効量の可溶性フッ化物塩;
c. 緩衝されていない溶液中で約7.5未満のpHを有する微粒子材料。
【請求項2】
請求項1に記載の組成物であって、ここで
a. 塩基性アミノ酸の塩は無機オキソ酸および塩基性アミノ酸の塩であり;
b. 微粒子材料は無機オキソ酸およびカルシウムの塩である。
【請求項3】
塩基性アミノ酸がアルギニンである、請求項1または請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
塩基性アミノ酸の塩がホスフェートである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
フッ化物塩がフッ化ナトリウムおよびモノフルオロリン酸ナトリウムから選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
(i)アルギニンリン酸、(ii)リン酸二カルシウム二水和物、および(iii)モノフルオロリン酸ナトリウムを含む歯磨剤である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
さらに陰イオン性界面活性剤を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
陰イオン性界面活性剤がラウリル硫酸ナトリウムである、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
さらに抗細菌剤を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
抗細菌剤がトリクロサンである、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
さらに陰イオン性ポリマーを含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
陰イオン性ポリマーがメチルビニルエーテルおよび無水マレイン酸のコポリマーである、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
組成物の放射性象牙質研磨(RDA)が150未満である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項14】
さらに水、研磨剤、界面活性剤、発泡剤、ビタミン類、ポリマー類、酵素類、湿潤剤、増粘剤、抗微生物剤、保存剤、着香剤、着色剤および/またはそれらの組み合わせの内の1種類以上を含む練り歯磨きの型である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項15】
次のことを含む、口腔ケア組成物を製造するための方法:
a. 塩基性アミノ酸と酸および/またはその塩を組み合わせて7.5未満のpHを得ることによりプレミックスを形成する、および
b. プレミックスと可溶性フッ化物塩を含む配合物の他の成分を組み合わせる。
【請求項16】
塩基性アミノ酸がアルギニンである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
塩基性アミノ酸を中和するために用いられる酸がリン酸である、請求項15または請求項16に記載の方法。
【請求項18】
次のことのために、口腔に有効量の請求項1〜14のいずれか1項に記載の口腔用組成物を適用することを含む方法:
a. 齲食の形成を低減または抑制する、
b. 早期のエナメル質の病変を低減、修復または抑制する、
c. 歯の脱灰を低減または抑制し、再石灰化を促進する、
d. 歯の過敏性を低減する、
e. 歯肉炎を低減または抑制する、
f. 口の中の潰瘍または切り傷の治癒を促進する、
g. 酸を産生する細菌のレベルを低減する、
h. アルギニン分解細菌の相対的なレベルを増大させる、
i. 口腔中での微生物のバイオフィルムの形成を抑制する、
j. 糖負荷の後にプラークのpHを少なくともpH5.5のレベルに上げる、および/または維持する、
k. プラークの蓄積を低減する、
l. 口内乾燥を処置、緩和または低減する、
m. 歯に齲食原性細菌に対する免疫性を与える、
n. 歯を白くする、
o. 酸食を低減する、
p. 歯および口腔を清潔にする、および/または
q. 心血管の健康を含む全身の健康を促進する。
【請求項19】
適用が齲食の形成の低減または抑制のためのものである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
対象の口腔内での脱灰した歯およびエナメル質の病変の少なくとも一方の処置における使用のための、遊離または塩の型の塩基性アミノ酸、可溶性フッ化物塩および無機酸のカルシウム塩を含む口腔ケア組成物。
【請求項21】
塩基性アミノ酸が組成物の総重量の0.1から20重量%までの量で存在する、請求項20に記載の口腔ケア組成物。
【請求項22】
塩基性アミノ酸が組成物の総重量の1から10重量%までの量で存在する、請求項20または請求項21に記載の口腔ケア組成物。
【請求項23】
塩基性アミノ酸がアルギニンを含む、請求項20〜22のいずれか1項に記載の口腔ケア組成物。
【請求項24】
アルギニンが無機オキソ酸の塩として存在する、請求項23に記載の口腔ケア組成物。
【請求項25】
無機オキソ酸がリン酸である、請求項24に記載の口腔ケア組成物。
【請求項26】
可溶性フッ化物塩が組成物の総重量の0.01から2重量%までの量で存在する、請求項20〜25のいずれか1項に記載の口腔ケア組成物。
【請求項27】
フッ化物イオンの供給源としての可溶性フッ化物塩が、組成物の総重量中のフッ化物イオンの重量により50〜25,000ppmを提供する量で存在する、請求項20〜26のいずれか1項に記載の口腔ケア組成物。
【請求項28】
可溶性フッ化物塩またはフッ化物イオンの供給源がフッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウムおよびそれらの混合物から選択される、請求項26または請求項27に記載の口腔ケア組成物。
【請求項29】
カルシウム塩が組成物の総重量の10から60重量%までの量で存在する、請求項20〜28のいずれか1項に記載の口腔ケア組成物。
【請求項30】
カルシウム塩が無機オキソ酸の塩である、請求項20〜29のいずれか1項に記載の口腔ケア組成物。
【請求項31】
カルシウム塩がリン酸カルシウムを含む、請求項30に記載の口腔ケア組成物。
【請求項32】
対象の口腔内で歯の鉱質強化を増進するための、遊離または塩の型の塩基性アミノ酸、可溶性フッ化物塩および無機酸のカルシウム塩を含む口腔ケア組成物であって、塩基性アミノ酸がアルギニンを含み、それが組成物の総重量の0.1から20重量%までの量で存在し、可溶性フッ化物塩が組成物の総重量の0.01から2重量%までの量で存在し、カルシウム塩が組成物の総重量の10から60重量%までの量で存在し、無機オキソ酸の塩である、前記口腔ケア組成物。
【請求項33】
アルギニンがリン酸の塩として存在する、請求項32に記載の口腔ケア組成物。
【請求項34】
フッ化物イオンの供給源としての可溶性フッ化物塩が組成物の総重量中のフッ化物イオンの重量により50〜25,000ppmを提供する量で存在する、請求項32または請求項33に記載の口腔ケア組成物。
【請求項35】
カルシウム塩がリン酸カルシウムを含む、請求項32〜34のいずれか1項に記載の口腔ケア組成物。
【請求項36】
対象の口腔内で歯の鉱質強化を増進するための可溶性フッ化物塩および無機酸のカルシウム塩を含む口腔ケア組成物中での遊離または塩の型の塩基性アミノ酸の使用。
【請求項37】
塩基性アミノ酸がアルギニンを含み、組成物の総重量の0.1から20重量%までの量で存在する、請求項36に記載の使用。
【請求項38】
可溶性フッ化物塩が組成物の総重量の0.01から2重量%までの量で存在する、請求項36または請求項37に記載の使用。
【請求項39】
フッ化物イオンの供給源としての可溶性フッ化物塩が組成物の総重量中のフッ化物イオンの重量により50〜25,000ppmを提供する量で存在する、請求項36〜38のいずれか1項に記載の使用。
【請求項40】
可溶性フッ化物塩またはフッ化物イオンの供給源がフッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウムおよびそれらの混合物から選択される、請求項38または請求項39に記載の使用。
【請求項41】
カルシウム塩が組成物の総重量の10から60重量%までの量で存在する、請求項36〜40のいずれか1項に記載の使用。
【請求項42】
カルシウム塩が無機オキソ酸の塩である、請求項41に記載の使用。
【請求項43】
カルシウム塩がリン酸カルシウムを含む、請求項42に記載の使用。
【請求項44】
対象の口腔内で歯の鉱質強化を増進するための可溶性フッ化物塩および無機酸のカルシウム塩を含む医薬の製造のための遊離または塩の型の塩基性アミノ酸の使用。
【請求項45】
対象の口腔内の脱灰された歯およびエナメル質の病変の少なくとも一方を鉱質強化する方法であって、口腔を遊離または塩の型の塩基性アミノ酸、可溶性フッ化物塩および無機酸のカルシウム塩を含む口腔ケア組成物で処置することを含む、前記方法。
【請求項46】
口腔用組成物で処理した際に対象の口腔中のプラークのpHを上昇させることにより齲食の形成を低減する、または抑制するための、無機酸により中和された塩基性アミノ酸の塩を含む口腔ケア組成物。
【請求項47】
塩基性アミノ酸が組成物の総重量の0.1から20重量%までの量で存在する、請求項46に記載の口腔ケア組成物。
【請求項48】
塩基性アミノ酸が組成物の総重量の1から10重量%までの量で存在する、請求項46または請求項47に記載の口腔ケア組成物。
【請求項49】
塩基性アミノ酸がアルギニンを含む、請求項46〜48のいずれか1項に記載の口腔ケア組成物。
【請求項50】
無機酸が無機オキソ酸である、請求項49に記載の口腔ケア組成物。
【請求項51】
無機オキソ酸がリン酸である、請求項50に記載の口腔ケア組成物。
【請求項52】
さらに組成物の総重量の0.01から2重量%までの量で存在する可溶性フッ化物塩を含む、請求項46〜51のいずれか1項に記載の口腔ケア組成物。
【請求項53】
フッ化物イオンの供給源としての可溶性フッ化物塩が組成物の総重量中のフッ化物イオンの重量により50〜25,000ppmを提供する量で存在する、請求項46〜52のいずれか1項に記載の口腔ケア組成物。
【請求項54】
可溶性フッ化物塩またはフッ化物イオンの供給源がフッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウムおよびそれらの混合物から選択される、請求項52または請求項53に記載の口腔ケア組成物。
【請求項55】
口腔用組成物で処理した際に対象の口腔中のプラークのpHを上昇させることにより齲食の形成を低減する、または抑制するための口腔ケア組成物中での、無機酸により中和された塩基性アミノ酸の塩の使用。
【請求項56】
塩基性アミノ酸が組成物の総重量の0.1から20重量%までの量で存在する、請求項55に記載の使用。
【請求項57】
塩基性アミノ酸が組成物の総重量の1から10重量%までの量で存在する、請求項55または請求項56に記載の使用。
【請求項58】
塩基性アミノ酸がアルギニンを含む、請求項55〜57のいずれか1項に記載の使用。
【請求項59】
無機酸が無機オキソ酸である、請求項58に記載の使用。
【請求項60】
無機オキソ酸がリン酸である、請求項59に記載の使用。
【請求項61】
医薬で処置される対象の口腔内のプラークのpHを上昇させることによる齲食の形成の低減または抑制における使用のための医薬の製造のための、無機酸により中和された塩基性アミノ酸の塩の使用。
【請求項62】
対象の口腔中でプラークのpHを上昇させる方法であって、口腔を無機酸により中和された塩基性アミノ酸の塩を含む口腔ケア組成物で処置することを含む、前記方法。
【請求項63】
塩基性アミノ酸および無機酸の塩、可溶性フッ化物塩ならびに無機酸のカルシウム塩を含む口腔ケア組成物。
【請求項64】
塩基性アミノ酸が組成物の総重量の0.1から20重量%までの量で存在する、請求項63に記載の口腔ケア組成物。
【請求項65】
塩基性アミノ酸が組成物の総重量の1から10重量%までの量で存在する、請求項63または請求項64に記載の口腔ケア組成物。
【請求項66】
塩基性アミノ酸がアルギニンを含む、請求項63〜65のいずれか1項に記載の口腔ケア組成物。
【請求項67】
アルギニンが無機オキソ酸の塩として存在する、請求項66に記載の口腔ケア組成物。
【請求項68】
無機オキソ酸がリン酸である、請求項67に記載の口腔ケア組成物。
【請求項69】
可溶性フッ化物塩が組成物の総重量の0.01から2重量%までの量で存在する、請求項63〜68のいずれか1項に記載の口腔ケア組成物。
【請求項70】
フッ化物イオンの供給源としての可溶性フッ化物塩が組成物の総重量中のフッ化物イオンの重量により50〜25,000ppmを提供する量で存在する、請求項63〜69のいずれか1項に記載の口腔ケア組成物。
【請求項71】
可溶性フッ化物塩またはフッ化物イオンの供給源がフッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウムおよびそれらの混合物から選択される、請求項69または請求項70に記載の口腔ケア組成物。
【請求項72】
カルシウム塩が組成物の総重量の10から60重量%までの量で存在する、請求項63〜71のいずれか1項に記載の口腔ケア組成物。
【請求項73】
カルシウム塩が無機オキソ酸の塩である、請求項72に記載の口腔ケア組成物。
【請求項74】
カルシウム塩がリン酸カルシウムを含む、請求項73に記載の口腔ケア組成物。
【請求項75】
可溶性フッ化物塩および無機酸のカルシウム塩、ならびに、加えて、組成物中のフッ化物の安定性を増大させるための塩基性アミノ酸および無機酸の塩を含む口腔ケア組成物。
【請求項76】
塩基性アミノ酸がアルギニンであり、それがリン酸の塩として、組成物の総重量の0.1から20重量%までの量で存在する、請求項75に記載の口腔ケア組成物。
【請求項77】
塩基性アミノ酸が組成物の総重量の1から10重量%までの量で存在する、請求項75または請求項76に記載の口腔ケア組成物。
【請求項78】
可溶性フッ化物塩が組成物の総重量の0.01から2重量%までの量で存在する、請求項75〜77のいずれか1項に記載の口腔ケア組成物。
【請求項79】
フッ化物イオンの供給源としての可溶性フッ化物塩が組成物の総重量中のフッ化物イオンの重量により50〜25,000ppmを提供する量で存在する、請求項75〜78のいずれか1項に記載の口腔ケア組成物。
【請求項80】
可溶性フッ化物塩またはフッ化物イオンの供給源がフッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウムおよびそれらの混合物から選択される、請求項78または請求項79に記載の口腔ケア組成物。
【請求項81】
カルシウム塩がリン酸カルシウムを含み、組成物の総重量の10から60重量%までの量で存在する、請求項75〜80のいずれか1項に記載の口腔ケア組成物。
【請求項82】
口腔ケア組成物を製造する方法であって、次の工程を含む方法:
a. 塩基性アミノ酸および無機酸を用意し、塩基性アミノ酸を無機酸で中和して塩基性アミノ酸の塩を形成する;
b. 塩基性アミノ酸を少なくとも可溶性フッ化物塩および無機酸のカルシウム塩と組み合わせて口腔ケア組成物を形成する。
【請求項83】
塩基性アミノ酸が組成物の総重量の0.1から20重量%までの量で存在し、塩基性アミノ酸がアルギニンを含み、その塩が無機オキソ酸の塩である、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
塩基性アミノ酸が組成物の総重量の1から10重量%までの量で存在する、請求項82または請求項83に記載の方法。
【請求項85】
無機オキソ酸がリン酸である、請求項83に記載の方法。
【請求項86】
可溶性フッ化物塩が組成物の総重量の0.01から2重量%までの量で存在する、請求項82〜85のいずれか1項に記載の方法。
【請求項87】
フッ化物イオンの供給源としての可溶性フッ化物塩が組成物の総重量中のフッ化物イオンの重量により50〜25,000ppmを提供する量で存在する、請求項82〜85のいずれか1項に記載の方法。
【請求項88】
可溶性フッ化物塩またはフッ化物イオンの供給源がフッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウムおよびそれらの混合物から選択される、請求項86または請求項87に記載の方法。
【請求項89】
カルシウム塩が組成物の総重量の10から60重量%までの量で存在する、請求項82〜88のいずれか1項に記載の方法。
【請求項90】
カルシウム塩がリン酸カルシウムを含む、請求項89に記載の方法。
【請求項91】
口腔ケア組成物を製造する方法であって、次の工程を含む方法:塩基性アミノ酸構成要素、可溶性フッ化物塩および無機酸のカルシウム塩を組み合わせて一緒にし、ここで、組成物中でのフッ化物の安定性を増大させるために、塩基性アミノ酸は組み合わせる工程の前に無機酸で中和されて塩基性アミノ酸の塩を形成する。
【請求項92】
口腔ケア組成物中での塩基性アミノ酸の塩の、少なくとも可溶性フッ化物塩および無機酸のカルシウム塩を含む口腔ケア組成物への、組成物中でのフッ化物の安定性を増大させるための添加物としての使用であって、その塩が塩基性アミノ酸を無機酸で中和することにより形成される、前記使用。

【公表番号】特表2011−511067(P2011−511067A)
【公表日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−545849(P2010−545849)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【国際出願番号】PCT/US2008/058696
【国際公開番号】WO2009/099453
【国際公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【出願人】(590002611)コルゲート・パーモリブ・カンパニー (147)
【氏名又は名称原語表記】COLGATE−PALMOLIVE COMPANY
【Fターム(参考)】