説明

口腔内分散性錠剤

直接圧縮された口腔内分散性錠剤は、0.1〜50%の非粒状化活性薬剤(w/w)、10〜80%の糖ベースの直接圧縮基剤、および10〜80%の微結晶性セルロース(MCC)直接圧縮基剤を含み、少なくとも60Nの硬度、および40秒未満の崩壊時間を有する。上記糖ベースの直接圧縮基剤は、DC糖アルコール(特に、直接圧縮マンニトール)であり、上記MCC基剤は、ケイ化MCC(特に、プロソルブ)である。上記活性薬剤は、疎水性活性薬剤(代表的には、高用量活性薬剤)である。また、口腔内分散性錠剤を製造するための方法が開示され、上記方法は、少なくとも5kNの圧縮力で成分の混合物を直接圧縮して、上記錠剤を形成する工程を包含し、ここで上記成分の混合物は、0.1〜50%の活性薬剤(w/w)、10〜80%の糖ベースの直接圧縮基剤(w/w);および10〜80%の微結晶性セルロース(MCC)直接圧縮基剤(w/w)を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(技術分野)
本発明は、直接圧縮された口腔内分散性錠剤、およびその製造のための方法に関する。特に、本発明は、疎水性活性借財を含む直接圧縮された口腔内分散性錠剤に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
従来の錠剤の使用は、しばしば、嚥下困難を有する高齢患者、小児患者、および非協力的な患者には困難である。さらに、従来の錠剤を飲み込むことは、患者が持続性の咳もしくは催吐反射を有する場合、または水が利用不能である場合に問題となり得る。これらの問題は、近年になって、錠剤を迅速に溶解することを提供することによって、部分的に対処されてきた。これらの錠剤形態はまた、FDDT(迅速溶解崩壊錠(fast dissolving disintegration tablets)、迅速溶解錠、もしくは口腔内溶解錠として公知である。一般に、これら錠剤は、舌上もしくは口腔中に置かれた場合に、迅速に唾液を吸収しかつ1分未満以内で溶解もしくは分散する1種以上の親水性崩壊剤を含む。これら錠剤を提供することの課題は、崩さずに、パッケージング、輸送、およびその後の取り扱いに耐えるに十分強く、口腔中に置かれた場合に迅速に崩壊し得る錠剤を提供する必要性である。この課題は、多くの方法で対処されてきた。
【0003】
Synthon BVの名前で公開された特許文献1は、迅速融解錠剤の組成物におけるマトリクス形成賦形剤として、ケイ化微結晶性セルロースを開示している。これら錠剤は、約30N/40Nの報告された硬度および30秒の崩壊時間を有する。Biovail Technologies(特許文献2)は、LiquiflashTM ミクロスフェアを賦形剤;例えば、圧縮可能な無機塩もしくはセルロース誘導体、とともに直接圧縮することを組み合わせるプロセスを開発することによって、適切に強い錠剤を製造するという論点に対処してきた。これら錠剤は、40秒未満で溶解し得、かつ20N〜37Nの硬度を有する。これら錠剤が製造される様式は、複雑な加工処理技術および装置の必要性を排除する。特許文献3(Lek Pharmaceuticals)は、噴霧乾燥によって生成される非線維性同時圧縮ポリオール粒子を含む口腔内分散性錠剤、ケイ化微結晶性セルロース、および直接圧縮によって錠剤の形成前に粒状化することが必要である活性薬剤を開示する。上記混合物中の上記ケイ化微結晶性セルロースの目的は、上記粒状化活性薬剤と、上記噴霧乾燥賦形剤粒子戸の間の大きな粒度差に起因して生じた分離の問題に対処することである。粒状化形態で上記活性薬剤を提供する必要は、技術的に求められており、ブレンドおよび錠剤形成する前に特殊な加工処理を必要とする。
【0004】
本発明の目的は、上記の課題をのうちの少なくとも1つを克服することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2004/091585号
【特許文献2】国際公開第2004/000197号
【特許文献3】国際公開第2006/002937号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の提示)
一局面において、本発明は、少なくとも2種の直接圧縮賦形剤(微結晶性セルロースおよび糖ベースの直接圧縮賦形剤を含む)、および粒状化形態にある必要はない活性薬剤を使用する、短い崩壊時間(例えば、60秒、50秒、40秒、30秒、20秒、18秒、もしくは17秒未満)、高い硬度(例えば、少なくとも50N、55N、もしくは60N)を有する口腔内分散性錠剤を製造するための方法に関する。本発明の方法は、適切には、これら成分を乾燥ブレンドする工程、上記ブレンドを、比較的高い圧縮力(例えば、少なくとも5kN、6kN、7kN、8kN、9kN、10kN、11kNもしくは12kN)を使用して直接圧縮して、上記口腔内分散性錠剤を製造する工程を包含する。出願人は、驚くべきことに、少なくとも2種の直接圧縮賦形剤(微結晶性セルロースおよび糖ベースの直接圧縮賦形剤を含む)と組み合わせた非粒状化活性薬剤の使用は、非常に短い崩壊時間を有する非常に強い錠剤を生じることを発見した。粒状化活性薬剤の使用は、上記錠剤が最初に、崩壊して、粒状化活性薬剤を放出することが必要とされ、また、上記粒状物は、上記活性薬剤が放出される前に崩壊/溶解することが必要とされるので、上記活性薬剤の溶解およびよって上記錠剤からのそのバイオアベイラビリティーを妨げうる。本発明の方法において、上記活性薬剤は、非粒状化形態で提供され、この形態は、錠剤形成する前に、2種の直接圧縮賦形剤と適切に乾燥ブレンドされ、これは、短い崩壊時間および高い硬度値を有する錠剤を提供することが見いだされた。
【0007】
従って、一局面において、本発明は、口腔内分散性錠剤を製造するための方法に関し、上記方法は、成分の混合物を、少なくとも5kN、6kN、7kNもしくは8kNの圧縮力で直接圧縮して、上記錠剤を形成する工程を包含し、ここで上記成分の混合物は、0.1〜50%の活性薬剤(w/w)、10〜80%の糖ベースの直接圧縮基剤(w/w);および10〜80%の微結晶性セルロース(MCC)直接圧縮基剤(w/w)を含む。
【0008】
本発明はまた、口腔内分散性錠剤を製造するための方法に関し、上記方法は、成分の混合物を、少なくとも5kN、6kN、7kNもしくは8kNの圧縮力で直接圧縮して、上記錠剤を形成する工程を包含し、ここで上記成分の混合物は、0.1〜30%の活性薬剤(w/w)、30〜70%、30〜60%、もしくは30〜50%の糖ベースの直接圧縮基剤(w/w);および30〜70%、30〜60%、もしくは30〜50%の微結晶性セルロース(MCC)直接圧縮基剤(w/w)を含む。
【0009】
代表的には、上記錠剤は、少なくとも9kN、10kN、11kNもしくは12kNの圧縮力で直接圧縮される。適切には、上記錠剤は、平板ツーリングを使用して直接圧縮される。
【0010】
代表的には、上記プロセスによって製造可能な錠剤は、少なくとも50Nの硬度、理想的には、少なくとも60N、および適切には、60秒、50秒、40秒、30秒、20秒、もしくは18秒未満の崩壊時間を有する。一実施形態において、上記MCC直接圧縮基剤は、ケイ化MCC直接圧縮基剤であり、ここで上記プロセスによって製造可能な錠剤は、20秒未満の崩壊時間を有する。
【0011】
適切には、上記成分の混合物は、0.1〜30%の活性薬剤(w/w)、40〜50%の糖ベースの直接圧縮基剤および40〜50%の微結晶性セルロース(MCC)直接圧縮基剤を含む。
【0012】
代表的には、上記糖ベースの直接圧縮賦形剤は、2種の糖アルコールの混合物(例えば、噴霧乾燥された、マンニトールおよびソルビトールの混合物を含む溶液)を同時加工処理されない。
【0013】
関連局面において、本発明は、口腔中で迅速に、例えば、60秒、50秒、40秒、30秒、25秒、20秒もしくは18秒未満の時間で迅速に溶解し得る口腔内分散性錠剤に関し、なお、従来のパッケージングにおいてパッケージされるに十分に固い(例えば、少なくとも50Nもしくは60Nの硬度を有する)。簡潔には、上記錠剤は、直接圧縮によって形成され(すなわち、直接圧縮錠剤)、活性薬剤(しばしば、疎水性活性薬剤)を含み、上記活性薬剤は、一般に、100μ未満の平均粒度を有する。上記錠剤はまた、糖ベースの直接圧縮基剤(例えば、直接圧縮される糖ベースの賦形剤(例えば、糖もしくは糖アルコール(例えば、嗜好性、加工処理しやすさを提供し、代表的には、100μより大きい平均サイズを有する粒子を代表的には含むマンニトール)))を含む。驚くべきことに、上記錠剤成分の流動特性、ならびに上記硬度および/もしくは崩壊時間は、上記活性薬剤の粒子に近いサイズである粒子を有する第2の直接圧縮基剤を含めることによって改善されることが発見された。微結晶性セルロース(MCC)基剤(特に、100μ未満の平均サイズを有する粒子を代表的には含むケイ化MCC(例えば、プロソルブ(ProSolv)(WO96/21429))は、糖ベースのDC基剤と合わせられる場合、特に、高用量活性薬剤と処方される場合、優れた特性を提供することが見いだされた。さらに、出願人は、驚くべきことに、上記活性薬剤のバイオアベイラビリティーが、非粒状化形態で上記活性薬剤を提供することによって改善されることを発見した。
【0014】
従って、本発明のさらなる局面によれば、直接圧縮された口腔内分散性錠剤が提供され、上記錠剤は、
0.1〜50%の非粒状活性薬剤(w/w);
10〜80%の糖ベースの直接圧縮基剤(w/w);および
10〜80%の微結晶性セルロース(MCC)直接圧縮基剤(w/w)
を含む。
【0015】
本明細書において、用語「口腔内分散性錠剤」とは、上記錠剤が60秒以下の崩壊時間を有することを意味すると理解されるものとする。代表的には、上記錠剤は、少なくとも50Nもしくは60Nの硬度、および60秒未満の崩壊時間を有する。好ましくは、上記錠剤は、40秒未満の崩壊時間および少なくとも60Nの硬度を有する。理想的には、上記錠剤は、20秒未満の崩壊時間および少なくとも60Nの硬度を有する。
【0016】
本発明は、本発明に従う直接圧縮された口腔内分散性錠剤に関し、上記錠剤は、
0.1〜20%の非粒状活性薬剤(w/w);
30〜70%、30〜60%、もしくは30〜50%のDC糖アルコール(w/w);
30〜70%、30〜60%、もしくは30〜50%のケイ化MCC(w/w);ならびに
必要に応じて、滑沢剤、崩壊剤、矯味矯臭剤、および流動性増強剤のうちの1種以上
を含み、ここで上記錠剤は、少なくとも50N、好ましくは、少なくとも60Nの硬度、および60秒未満、好ましくは、40秒、30秒、20秒もしくは18秒の崩壊時間を有する。
【0017】
本発明は、本発明に従う直接圧縮された口腔内分散性錠剤を提供し、上記錠剤は、
0.1〜20%の(代表的には、疎水性の)非粒状活性薬剤(w/w);
30〜50%のDC糖アルコール(w/w);
30〜50%のケイ化MCC(w/w);
1〜20%の崩壊剤(理想的には、超崩壊剤)(w/w);ならびに
必要に応じて、矯味矯臭剤、および流動性増強剤のうちの1種以上
を含み、ここで上記錠剤は、少なくとも50N、好ましくは、少なくとも60Nの硬度、および60秒未満、好ましくは、40秒、30秒、20秒もしくは18秒未満の崩壊時間を有する。
【0018】
本発明は、本発明に従う直接圧縮された口腔内分散性錠剤を提供し、上記錠剤は、
0.1〜50%の非粒状活性薬剤(w/w);
10〜80%のDC糖アルコール(w/w);
10〜80%のケイ化MCC(w/w);ならびに
必要に応じて、滑沢剤、崩壊剤、矯味矯臭剤、および流動性増強剤のうちの1種以上、
から本質的になり、ここで上記錠剤は、少なくとも50N、好ましくは、少なくとも60Nの硬度、および60秒未満、好ましくは、40秒、30秒、20秒もしくは18秒未満の崩壊時間を有する。
【0019】
本発明は、本発明に従う直接圧縮された口腔内分散性錠剤を提供し、上記錠剤は、
0.1〜30%の非粒状活性薬剤(w/w);
30〜50%のDC糖アルコール(w/w);
30〜50%のケイ化MCC(w/w);ならびに
必要に応じて、滑沢剤、崩壊剤、矯味矯臭剤、および流動性増強剤のうちの1種以上、
から本質的になり、ここで上記錠剤は、少なくとも50N、好ましくは、少なくとも60Nの硬度、および60秒未満、好ましくは40秒、30秒、20秒、15秒もしくは10秒未満の崩壊時間を有する。
【0020】
代表的には、上記錠剤は、少なくとも60N、好ましくは、少なくとも65N、より好ましくは、少なくとも70N、およびさらにより好ましくは、少なくとも75Nの硬度を有する。
【0021】
本発明の一実施形態において、本発明の口腔内分散性錠剤は、崩壊剤を、代表的には、0.1〜20%、0.5〜10%、1〜10%、2〜8%(w/w)の量で含む。理想的には、上記崩壊剤は、超崩壊剤である。
【0022】
上記活性薬剤は、代表的には、疎水性活性薬剤である。本明細書において、用語「疎水性活性薬剤」とは、溶解性が不十分であるかもしくは水に事実上不溶性であり、1部の溶質 対 1000〜10000部の水の溶解度を有する活性薬剤を意味すると理解されるものとする。一般に、このような薬剤の好ましい粒度は、<50ミクロンの範囲、好ましくは、<20ミクロン、およびより好ましくは、<10ミクロンの範囲にある(薬物粒子の表面積を増し、従ってその溶解度および溶解速度を増すため)。このような活性薬剤の例は、コレステロール低下薬(スタチン類であるシンバスタチンおよびアトルバスタチンが挙げられる)、非ステロイド性抗炎症剤(例えば、インドメタシン、ジクロフェナク、メロキシカムおよびカルプロフェン)である。疎水性薬剤の他の例としては、抗高血圧薬、抗不安剤、抗凝固剤、抗痙攣剤、血糖降下剤、充血除去剤、抗ヒスタミン剤、鎮咳剤、抗腫瘍剤、β遮断剤、抗炎症剤、抗精神病剤、向知性薬、抗アテローム性動脈硬化症剤、抗肥満剤、自己免疫障害剤、抗インポテンス剤、ならびに抗菌剤および抗真菌剤が挙げられる。一般に、上記薬剤は、上記錠剤のうちの1〜25%、適切には、5〜20%(w/w)を構成する。理想的には、上記活性薬剤は、高用量活性薬剤であり、少なくとも50mg、75mg、100mg、125mgおよび150mgが上記錠剤中に含まれる。
【0023】
上記糖ベースの直接圧縮基剤は、糖、ポリオール、もしくは糖アルコールであり得る。好ましい一実施形態において、上記DC基剤は、DC糖アルコールであり、理想的には、DCマンニトールもしくはソルビトールである。適したDC糖アルコールの例は、マンニトール100、マンニトール200、マンニトール300およびマンニトール400である。好ましくは、上記DC基剤は、マンニトール200もしくはマンニトール100である。他のタイプの糖ベースの直接圧縮基剤としては、ラクトースファストフロー(lactose fast flow)、ラクトースDC、ソルビトールインスタント(Sorbitol Instant)、スクロース、デキストロール、キシリトール、およびマルチトールが挙げられる。
【0024】
適切には、上記糖ベースの直接圧縮基剤は、20〜80%、代表的には、30〜50%、および理想的には、40〜50%(w/w)の量で含まれる。
【0025】
代表的には、上記MCC基剤は、アビセル(Avicel)である。好ましい一実施形態において、上記MCC基剤は、ケイ化MCC基剤である。これら基剤は、コロイド性二酸化ケイ素と、微結晶性セルロースとの密な物理的混合物を含む(例えば、米国特許第5,585,115号を参照のこと)。ケイ化MCCの適切な例は、プロソルブ50およびプロソルブ90(Penwest)であり、これらは、それぞれ、50μおよび90μの平均粒度を有する。好ましい実施形態において、上記ケイ化MCCは、プロソルブ90である。
【0026】
適切には、上記MCC基剤は、20〜50%、代表的には、30〜50%、および理想的には、40〜50%(w/w)の量で含まれる。
【0027】
一実施形態において、上記錠剤は、崩壊剤、好ましくは、超崩壊剤を含む。適切な崩壊剤および超崩壊剤の例は、国際特許出願番号PCT/US2003/019527の第12〜14頁に提供される。好ましい実施形態において、上記超崩壊剤は、コリドン(Kollidon)−CLSF;アクジゾル(ac−di−sol);およびエキスプロタブ(Explotab)からなる群より選択される。含まれる場合には、上記崩壊剤は、上記錠剤のうちの0.1〜20%、理想的には、上記錠剤のうちの1〜10%(w/w)を構成する。
【0028】
一実施形態において、上記錠剤は、崩壊剤も超崩壊剤も含まない(この点に関して、MCC基剤は、崩壊剤特性を有すると報告されている一方で、崩壊剤であるとはみなされない)。
【0029】
一実施形態において、上記錠剤は、USP方法により、1%未満、および代表的には、0.6%未満、および理想的には、0.2%もしくは0.1%未満の摩損度を有する。
【0030】
本発明の好ましい一実施形態において、上記成分の混合物は、さらに、滑沢剤(代表的には、ステアリン酸マグネシウム;ステアリン酸、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー(ポロキサマー)を含む群より選択される)を含む。適切には、上記滑沢剤は、上記錠剤のうちの0.1%〜5.0%の間、好ましくは、0.2%〜1.0%(w/w)の間を構成する。
【0031】
別の実施形態において、上記滑沢剤は、上記錠剤処方物の代わりに、もしくはこれに含まれることに加えて、上記錠剤形成パンチおよびダイの表面上にコーティングされる。
【0032】
必要に応じて、上記成分の混合物は、上記錠剤のうちの0.1%〜3.0%、および好ましくは、0.1%および0.5%(w/w)で流動性増強剤(例えば、タルクもしくはコロイド性二酸化ケイ素)を含む。上記成分の混合物は、必要に応じて、代表的には、上記錠剤のうちの0.5〜5%(w/w)の範囲のレベルで、矯味矯臭剤(例えば、合成油、天然油、または植物の抽出物、あるいは他の適切な合成もしくは天然に由来する香味剤)を含む。上記成分の混合物はまた、代表的には、上記錠剤のうちの0.1〜3%(w/w)のレベルで、界面活性剤もしくは湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、Tween、Span)を含み得る。
【0033】
特に好ましい実施形態において、本発明の錠剤は、5〜20mmの範囲、好ましくは、10〜15mmの範囲、およびより好ましくは、15mmの直径を有する。代表的には、上記錠剤は、少なくとも10mm、少なくとも11mm、少なくとも12mm、少なくとも13mm、および少なくとも14mmの直径を有する。好ましくは、上記錠剤は、1〜6mmの間、好ましくは、1.5〜3.5mmの間の厚みを有する。
【0034】
本発明の好ましい実施形態において、上記直接圧縮プロセスにおいて使用される圧縮力は、6kN〜20kN、8〜18kN、もしくは理想的には、8kN〜15kNである。
【0035】
本発明の好ましい実施形態において、上記錠剤は、実質的に平板である。理想的には、上記錠剤は、面取り加工した縁部を有する。適切には、上記錠剤は、ほぼ円形であるが、他の錠剤形状も予見される(例えば、楕円形、矩形、三角形および四角形)。
【0036】
本発明の錠剤は、活性薬剤(active)(特に、透過性が不十分な活性薬剤(例えば、クラスIIIおよびクラスIV BCS活性薬剤))の経粘膜送達/舌下送達に特に適していることが発見された。上記活性薬剤の例は、ペプチド、タンパク質、抗癌剤、および他の生物製剤である。理論には拘束されないが、上記錠剤中の上記糖ベースの直接圧縮賦形剤の存在は、口腔粘膜中の細胞間のタイト結合を開いて、透過性の不十分な薬物を送達するのを助ける効果を有することが見いだされた。従って、上記口腔への本発明の錠剤の投与(ここで上記錠剤は、崩壊期の間に上記口腔中に維持される)は、上記錠剤成分と上記口腔粘膜との間の適切な接触期間を容易にし、それによって、粘膜細胞におけるチャネルを開く一方で、これら細胞付近に生体が利用可能な薬物をも提供する効果を有する。従って、本発明の一実施形態において、上記活性薬剤は、透過性が不十分な薬物(例えば、生物製剤)であり、ここで上記錠剤は、必要に応じて、適切な量の透過性増強剤を含み、その例は、当業者に周知である。
【0037】
従って、一実施形態において、本発明は、口腔粘膜を介する透過性が不十分な薬物の送達(例えば、舌下送達)のための方法に関し、上記方法は、本発明の口腔内分散性錠剤を、その必要な患者の口腔に投与する工程、および上記錠剤が崩壊する期間の間に、上記錠剤を上記口腔中に維持する工程を包含し、ここで上記口腔内分散性錠剤は、溶解度が不十分なおよび/もしくは透過性が不十分な活性薬剤、ならびに必要に応じて、透過性増強剤(代表的には、0.1〜50%(w/w)の量)を含む。
【0038】
本発明はまた、少なくとも60Nの硬度および60秒、理想的には、30秒の崩壊時間を有する、動物(すなわち、非ヒト哺乳動物)での仕様に適した非常に強い口腔内分散性錠剤に関する。これら錠剤は、市販の賦形剤を使用する単純化された製造プロセスおよび複雑でも効果でもない製造技術を使用して、製造される。上記錠剤は、多量のMCC(理想的には、ケイ化MCC)、一般に、少なくとも50%の超崩壊剤(w/w)、および活性薬剤(代表的には、非粒状化形態で)を使用して、製造される。上記錠剤は、5〜15kNの範囲の高い圧縮力を使用して直接圧縮されて、少なくとも60Nの硬度を有する錠剤を提供する。驚くべきことに、出願人は、上記プロセスが非常に硬くかつ強い錠剤を提供する一方で、上記錠剤はまた、優れた崩壊時間(大部分の場合、20秒未満)を有することを発見した。文献によれば、直接圧縮錠剤形成を使用して、受容可能な口腔内分散性および50Nより大きな硬度を有する錠剤を得ることは、不可能ではないかもしれないが、極めて困難であることが示されている。例として、WO2004/091585は、10〜40Nの硬度および受容可能な口腔内分散特性を有する錠剤を得るために、置換の程度が低い(low substituted)ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC)と組み合わせて、多量のケイ化MCCを使用することを開示しているが、40Nより高い硬度を有する製造された錠剤は、受容可能な口腔内分散特性を有しなかったことを示す。WO2004/091585の試験と比較すると、出願人は、驚くべきことに、50%より多くのMCCおよび少なくとも5kN、6kN、7kNもしくは8kNの圧縮力と組み合わせて超崩壊剤を使用すると、少なくとも60Nの硬度、多くの場合、少なくとも70Nの硬度および20秒未満の分散時間をなお有する錠剤が提供されることを発見した。
【0039】
従って、別の局面において、本発明はまた、直接圧縮された口腔内分散性錠剤に関し、上記錠剤は、
0.1〜49%の活性薬剤(w/w);
50〜99.9%の微結晶性セルロース(MCC)直接圧縮基剤(w/w);および
1〜50%の超崩壊剤もしくはケイ酸カルシウム(w/w);
を含み、ここで上記錠剤は、少なくとも60Nの硬度および60秒未満、理想的には、30秒もしくは20秒未満の崩壊時間(DT)を有する。
【0040】
一実施形態において、上記錠剤は、少なくとも70N、80N、90N、100N、110Nもしくは120Nの硬度、および50秒、40秒、30秒、20秒、15秒もしくは10秒未満のDTを有する。
【0041】
一実施形態において、上記MCCは、100μ未満の平均粒度を有するケイ化MCCである。理想的には、上記ケイ化MCCは、プロソルブ(例えば、プロソルブ50もしくはプロソルブ90)である。
【0042】
理想的には、上記錠剤は、代表的には、縁部が面取り加工された、実質的に平板である。
【0043】
本発明はまた、少なくとも60Nの硬度、ならびに60未満、および理想的には、30秒もしくは20秒未満のDTを有する口腔内分散性錠剤を提供するための方法に関し、上記方法は、成分の混合物を、少なくとも5kN、6kN、7kNもしくは8kNの圧縮力で直接圧縮して、上記錠剤を形成する工程を包含し、ここで上記成分の混合物は、0.1〜50%の活性薬剤(w/w)、50〜99.9%の微結晶性セルロース(MCC)直接圧縮基剤(w/w)、および1〜50%の崩壊剤(w/w)を含む。
【0044】
本発明はまた、少なくとも60Nの硬度および30秒もしくは20秒未満のDTを有する口腔内分散性錠剤を製造するための方法に関し、上記方補うは、成分の混合物を、少なくとも5kN、6kN、7kNもしくは8kNの圧縮力で直接圧縮して、上記錠剤を形成する工程を包含し、ここで上記成分の混合物は、0.1〜50%の活性薬剤(w/w)、50〜99.9%の微結晶性セルロース(MCC)直接圧縮基剤(w/w)、および1〜20%の超崩壊剤(w/w)を含む。
【0045】
代表的には、上記錠剤は、少なくとも9kN、10kN、11kNもしくは12kNの圧縮力で直接圧縮される。適切には、上記錠剤は、平板ツーリングを使用して直接圧縮される。
【0046】
本発明の方法は、直接圧縮プロセスにおいて形成される上記錠剤を含む。適切には、錠剤圧縮が使用される。好ましい実施形態において、上記直接圧縮プロセスは、実質的に平板ツーリングを使用する。従って、上記形成される錠剤の厚みは、(縁部より中央部に厚みがある2凹面ツーリング(bi−concave tooling))を使用して製造される錠剤とは異なり)中央から縁部までほぼ変わらない。代表的には、上記平板ツーリングは、均一な深さを有し、これは、±5%、好ましくは、±4%、好ましくは、±3%、より好ましくは、±2%、および理想的には、1%より大きい程度だけしか中心部と縁部との間で厚みが変わらない。理想的には、上記錠剤は、面取り加工された縁部を有する。
【0047】
本発明の錠剤は、一般に、50〜1000mg、代表的には、100〜700mg、および理想的には、100〜500mgの重量を有する。基底の硬度の錠剤を製造するために必要とされる圧縮力は、上記錠剤のサイズに依存して変動することが理解される。従って、本発明の方法は、上記錠剤のサイズに依存して、基底の錠剤硬度を達成するために種々の圧縮力を使用し得る。
【0048】
用語「直接圧縮賦形剤」は、本明細書で使用される場合、当該分野で周知であり、粉末形態における未加工の賦形剤と比較して、改善された圧縮性および/もしくは流動性の粉末を有する賦形剤(例えば、MCCもしくは糖アルコール賦形剤)に言及する。上記直接圧縮賦形剤は、予め粒状化されていてもよいし、噴霧乾燥されていてもよいし、改善された圧縮性および/もしくは流動性を提供する多形形態を含んでいてもよい。
【発明を実施するための形態】
【0049】
(発明の詳細な説明)
以下の実施例は、本発明のプロセスに従って形成された、多くの迅速に溶解する錠剤を提供する。上記錠剤の特徴を、以下のとおりに決定した:
崩壊時間(PharmaTest Disintegration tester PTZ Auto,PTFE Germany)
硬度もしくは破砕強さ(Crushing strength)(PharmaTest tablet hardness tester,PTB 411E,Germany)
重量の均一性(Sartorius,Model:CP225D)
厚み(Digital caliper,Workzone UK)
摩損度試験器(PharmaTest,PTFE Germany)。
【実施例】
【0050】
(実験)
(プロソルブ90を使用するカルプロフェンFDDT処方物)
非糖、プロソルブ90ケイ化微結晶性セルロースの使用に基づいたFDDT処方組成物を、第2の代替処方物として作り出した。20mg/単位用量、50mg/単位用量および100mg/単位用量のカルプロフェン(Cpama S.p.a,Italy,ロット番号:101307011)の3つの強度を、成功裏に、49rpmの高速で圧縮した。プロソルブを含むFDDTは、一般に、対応するマンニトールベースの錠剤より厚みがある傾向にあり、より速い崩壊時間を有する。しかし、プロソルブ90 FDDTは、糖ベースのFDDTより嗜好性が低い傾向にあり、甘味剤およびより高いレベルの矯味矯臭剤を添加して、嗜好性を改善する必要がある。MCC(すなわち、プロソルブ)および糖アルコール(dcマンニトール)の組み合わせは、驚くべきことに、改善された加工処理性、増強された硬度および崩壊時間、ならびに改善された嗜好性を生じ、よって、特に、50mg以上の高用量の活性薬剤に関して好ましい。
【0051】
上記処方物において使用される他の成分は、コロイド性シリカ、アエロジル200、上記超崩壊剤、クロスポピドン(コリドン(登録商標)CL−SF)およびステアリン酸マグネシウムが挙げられる。
【0052】
【表1】

【0053】
FDDTを、上記20mgおよび50mgのカルプロフェン強度のために、10mm丸形平板面取り加工縁部ツーリング(round flat bevelled edge tooling)を使用して49r.p.mの速度で圧縮した一方で、13mm丸形平板面取り加工縁部ツーリングを、100mg カルプロフェン/錠剤を含むFDDTのために使用した。崩壊時間は、10.14±1.35〜13±2秒の範囲の平均崩壊時間で、非常に速かった。FDDTを、65.5N±9.8〜77.77±11.84Nの範囲の平均高度を有し他。上記錠剤の摩損度は、1%限界未満で非常に低かった(表2)。
【0054】
【表2】

【0055】
プロソルブを使用するFDDT処方物を、シンバスタチンおよびアトルバスタチンカルシウムについて開発した。2つのグレードのプロソルブを使用した(プロソルブSMCC 90およびより高密度グレードのプロソルブSMCC HD 90)。FDDTプラセボを、プロソルブSMCC 90およびプロソルブSMCC HD90の両方を使用して処方した(表3および表4)。シンバスタチンおよびアトルバスタチンFDDTを、プロソルブSMCC HD 90を使用して処方した。多くの崩壊剤を、上記プラセボ、シンバスタチンおよびアトルバスタチンFDDTについて研究した。錠剤を、13mm丸形平板面取り加工縁部ツーリングを使用して、300mgの目標錠剤重量で、10kNで圧縮した。
【0056】
上記プラセボFDDT、ならびに上記薬物含有FDDT(シンバスタチンおよびアトルバスタチンカルシウム)において、崩壊剤を上記プロソルブ充填剤に添加する効果を、それぞれ、表3、表4、表5および表6に示し、約48秒で>30秒のより多くの崩壊時間を示したLuquasorbを除いて、使用した全ての崩壊剤について20秒以下の非常に迅速な崩壊時間を実証する。驚くべきことに、観察された迅速な崩壊時間において、処方した全ての錠剤は硬く、摩損度は全くないかもしくは無視できる程度であり、このことは、上記錠剤を従来のパッケージングに適したものにしている。
【0057】
上記プラセボ、シンバスタチンおよびアトルバスタチンFDDTについて使用した処方物組成を、それぞれ、対応する表3A、表4A、表5A、表6Aに列挙する。
【0058】
【表3A】

【0059】
【表4A】

【0060】
【表3】

【0061】
【表4】

【表5A】

【0062】
【表5】

【0063】
【表6A】

【0064】
【表6】

【0065】
(プロソルブSMCC 90および糖DC基剤の混合物を使用する、FDDT処方物の処方開発)
シンバスタチン、もしくはカルプロフェンを含むFDDT処方物を、2種の直接圧縮可能基剤であるセルロースベースのDC(プロソルブもしくはアビセル)および糖ベースのDC(マンニトール)の混合物を使用して処方した。プロソルブSMCC 90およびアビセルPH101を使用し、上記使用したマンニトールは、マンニトール200であった。
【0066】
シンバスタチンFDDTを、13mm円形平板面取り加工縁部ツーリングを使用して、8〜10kNで、20mg用量のシンバスタチンあたり目標錠剤重量300mgにおいて圧縮した。上記使用した崩壊剤は、5% w/wのコリドンCLSFであった。処方したFDDTの処方物組成および特徴を、それぞれ、表7および表8に示す。
【0067】
【表7】

【0068】
上記FDDT重量は、平均重量±5%の範囲内であった(表8)。16.17秒という非常に迅速な崩壊時間が、水溶性マンニトール、迅速に分散するプロソルブおよび超崩壊剤クロスポピドンおよび使用した平板面取り加工縁部ツーリングの組み合わせに関して、上記FDDTについて観察された。上記製造したFDDTは強く、平均錠剤硬度は64.5Nであり、上記FDDTは、摩損度0を有した。このことは、上記FDDTを従来のパッケージングに適したものにしている。
【0069】
【表8】

【0070】
(マンニトール200およびアビセル101ブレンドの組み合わせを使用する20mgおよび100mgのカルプロフェンFDDTの処方物開発)
マンニトール200 対 微結晶性セルロース、アビセルPH 101の2つの割合を、20mg/単位のカルプロフェンを含むFDDTを処方するために使用した。FDDTを、10KNの圧縮力および10mm丸形平板面取り加工縁部のツーリングを使用して、7r.p.m.の圧縮速度でおよび49r.p.m.のより高い圧縮速度で製造した。崩壊剤は、これらバッチの中に含めなかった。使用した組成およびFDDT特徴を、表9および表10に示す。
【0071】
【表9】

【0072】
上記FDDT重量は、±5%の平均範囲内であった。両方のバッチについての崩壊時間は、2008/041については39.3秒および2008/049については33.8秒であり、ともに60秒より十分に短かった。アビセルは、マンニトールより低い溶解度を有し、崩壊剤の非存在下では、B/N 2008/041錠剤およびB/N 2008/049錠剤は、had 60秒未満の迅速な崩壊時間を有したことは、驚くべきことである。これら錠剤の平均錠剤硬度は、67Nおよび62.6Nであり、錠剤の両方のバッチが、低い摩損度値<0.2%で摩損度試験に合格し、従来の錠剤についての1% USP限界より十分低かった。
【0073】
【表10】

【0074】
バッチ2008/049について使用した処方物組成を使用して、100mg/錠剤でカルプロフェンを含むFDDT(バッチ番号2008/094)を圧縮した。目標錠剤重量750mgの上記処方物を、7r.p.mおよび49r.p.mの速度を使用して、9KNの圧縮力を使用するPiccolaエイトステーション錠剤プレスで圧縮した。15mm丸形平板面取り加工縁部のより大きなツーリングを、100mg FDDTのために使用した。これら100mgカルプロフェン FDDT(BN 2008/094)の特徴を、表10に示す。
【0075】
全てのFDDTは、平均重量±5.09%の範囲内であった。崩壊時間は、30秒より短く、平均崩壊時間は、25.2秒であった。これはおそらく、より大きな直径のツーリングの結果である。上記錠剤は、64.8N±2.23の平均硬度を有し、同じ処方物を使用する上記20mg FDDTについて観察された硬度に類似していた。FDDTは、1% USP限界より低い0.57%の摩損度で、摩損度試験に合格した。
【0076】
本発明は、本明細書の前に記載される実施形態に限定されず、本発明の趣旨から逸脱することなく、構成および詳細が変動し得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
口腔内分散性錠剤を製造するための方法であって、該方法は、成分の混合物を、少なくとも5kNの圧縮力で直接圧縮して、該錠剤を形成する工程を包含し、ここで該成分の混合物は、0.1〜50%の非粒状化活性薬剤(w/w)、10〜80%の糖ベースの直接圧縮基剤(w/w);および10〜80%の微結晶性セルロース(MCC)直接圧縮基剤(w/w)を含む、方法。
【請求項2】
前記成分の混合物は、0.1〜30%の非粒状化活性薬剤(w/w)、30〜50%の糖ベースの直接圧縮基剤;および30〜50%の微結晶性セルロース(MCC)直接圧縮基剤を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記成分の混合物は、0.1〜30%の非粒状化活性薬剤(w/w)、40〜50%の糖ベースの直接圧縮基剤;および40〜50%の微結晶性セルロース(MCC)直接圧縮基剤を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記糖ベースの直接圧縮基剤は、直接圧縮糖アルコールである、前述の請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記直接圧縮糖アルコールは、マンニトールである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記錠剤は、少なくとも8kNの圧縮力で直接圧縮される、前述の請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記錠剤は、少なくとも10kNの圧縮力で直接圧縮される、前述の請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記MCC直接圧縮基剤は、ケイ化MCCである、前述の請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記ケイ化MCCは、プロソルブ ケイ化MCCである、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記MCC直接圧縮基剤は、アビセルである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記錠剤は、平板ツーリングを使用して直接圧縮される、前述の請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも50Nの硬度および30秒未満の崩壊時間を有する口腔内分散性錠剤を製造するための方法である、前述の請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも50Nの硬度および20秒未満の崩壊時間を有する口腔内分散性錠剤を製造するための方法である、前述の請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
少なくとも60Nの硬度および30秒未満の崩壊時間を有する口腔内分散性錠剤を製造するための方法である、前述の請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
1%未満の摩損度を有する口腔内分散性錠剤を製造するための方法である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
少なくとも50Nの硬度および30秒未満の崩壊時間を有する口腔内分散性錠剤を製造するための方法であって、該方法は、成分の混合物を、少なくとも5kNの圧縮力で直接圧縮して、該錠剤を形成する工程を包含し、ここで該成分の混合物は、0.1〜50%の非粒状化活性薬剤(w/w)、10〜80%の直接圧縮マンニトール基剤(w/w);および10〜80%の微結晶性セルロース(MCC)直接圧縮基剤(w/w)を含む、方法。
【請求項17】
少なくとも50Nの硬度および30秒未満の崩壊時間を有する口腔内分散性錠剤を製造するための方法であって、該方法は、成分の混合物を、少なくとも5kNの圧縮力で直接圧縮して、該錠剤を形成する工程を包含し、ここで上記成分の混合物は、0.1〜50%の非粒状化活性薬剤(w/w)、30〜50%の直接圧縮マンニトール基剤(w/w);および30〜50%の微結晶性セルロース(MCC)直接圧縮基剤(w/w)を含む、方法。
【請求項18】
前記糖ベースの直接圧縮賦形剤は、非線維性賦形剤である、前述の請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
直接圧縮された口腔内分散性錠剤であって、
0.1〜50%の非粒状活性薬剤(w/w);
10〜80%の糖ベースの直接圧縮基剤(w/w);および
10〜80%の微結晶性セルロース(MCC)直接圧縮基剤(w/w)
を含む、錠剤。
【請求項20】
少なくとも50Nの硬度を有する、請求項19に記載の錠剤。
【請求項21】
少なくとも60Nの硬度を有する、請求項20に記載の錠剤。
【請求項22】
60秒未満の崩壊時間を有する、請求項19〜21のいずれか1項に記載の錠剤。
【請求項23】
30秒未満の崩壊時間を有する、請求項22に記載の錠剤。
【請求項24】
少なくとも50Nの硬度および30秒未満の崩壊時間を有する、請求項19に記載の錠剤。
【請求項25】
請求項1に記載され、かつ:
0.1〜20%の非粒状活性薬剤(w/w);
30〜50%のDC糖アルコール(w/w);
30〜50%のMCC(w/w);および
必要に応じて、滑沢剤、崩壊剤、矯味矯臭剤、および流動性増強剤のうちの1種以上、
を含み、ここで該錠剤は、少なくとも50Nの硬度および60秒未満の崩壊時間を有する、
錠剤。
【請求項26】
少なくとも60Nの硬度および30秒未満の崩壊時間を有する、請求項25に記載の錠剤。
【請求項27】
1〜20%の量の超崩壊剤を含む、請求項19〜26のいずれか1項に記載の錠剤。
【請求項28】
請求項19に記載の直接圧縮された口腔内分散性錠剤であって、
0.1〜20%の(代表的には、疎水性)非粒状活性薬剤(w/w);
30〜50%のDC糖アルコール(w/w);
30〜50%のケイ化MCC(w/w);
1〜20%の超崩壊剤(w/w);および
必要に応じて、矯味矯臭剤および流動性増強剤のうちの1種以上、
を含み、ここで該錠剤は、少なくとも50Nの硬度および30秒未満の崩壊時間を有する、
錠剤。
【請求項29】
請求項19に記載の直接圧縮された口腔内分散性錠剤であって、
0.1〜50%の非粒状活性薬剤(w/w);
10〜80%のDC糖アルコール(w/w);
10〜80%のケイ化MCCもしくは非ケイ化MCC(w/w);ならびに
必要に応じて、滑沢剤、崩壊剤、矯味矯臭剤、および流動性増強剤のうちの1種以上、
から本質的になり、ここで該錠剤は、少なくとも50Nの硬度および60秒未満の崩壊時間を有する、
錠剤。
【請求項30】
請求項19に記載の直接圧縮された口腔内分散性錠剤であって、
0.1〜30%の非粒状活性薬剤(w/w);
30〜50%のDC糖アルコール(w/w);
30〜50%のケイ化もしくは非ケイ化MCC(w/w);および
必要に応じて、滑沢剤、崩壊剤、矯味矯臭剤、および流動性増強剤のうちの1種以上
から本質的になり、ここで前記錠剤は、少なくとも60Nの硬度および30秒未満の崩壊時間を有する、
錠剤。
【請求項31】
少なくとも70Nの硬度を有する、請求項19〜30のいずれか1項に記載の錠剤。
【請求項32】
前記活性薬剤は、疎水性活性薬剤である、請求項19〜31のいずれか1項に記載の錠剤。
【請求項33】
前記疎水性活性薬剤は、スタチン類であるシンバスタチンおよびアトルバスタチンを含むコレステロール低下薬;インドメタシン、ジクロフェナク、メロキシカムおよびカルプロフェンのような非ステロイド性抗炎症剤;抗高血圧薬;抗不安剤;抗凝固剤;抗痙攣剤、血糖降下剤、充血除去剤、抗ヒスタミン剤、鎮咳剤;抗腫瘍剤;β遮断剤;抗炎症剤;抗精神病剤;向知性薬;抗アテローム性動脈硬化症剤;抗肥満剤;自己免疫障害剤;抗インポテンス剤;ならびに抗菌剤および抗真菌剤からなる群より選択される、請求項32に記載の錠剤。
【請求項34】
前記活性薬剤は、前記錠剤のうちの1〜25%(w/w)を構成する、請求項19〜33のいずれか1項に記載の錠剤。
【請求項35】
前記活性薬剤は、高用量活性薬剤であり、少なくとも50mgが前記錠剤中に含まれる、請求項19〜34のいずれか1項に記載の錠剤。
【請求項36】
前記糖ベースの直接圧縮基剤は、DC糖アルコールである、請求項19〜35のいずれか1項に記載の錠剤。
【請求項37】
前記糖ベースの直接圧縮基剤は、DCマンニトールである、請求項19〜35のいずれか1項に記載の錠剤。
【請求項38】
前記MCC基剤は、アビセルである、請求項19〜37のいずれか1項に記載の錠剤。
【請求項39】
前記MCC基剤は、ケイ化MCCである、請求項19〜37のいずれか1項に記載の錠剤。
【請求項40】
前記ケイ化MCCは、プロソルブ50〜プロソルブ90である、請求項39に記載の錠剤。
【請求項41】
前記錠剤は、超崩壊剤を含み、該超崩壊剤は、代表的には、コリドン−CLSF;アクジゾル;およびエキスプロタブからなる群より選択される、請求項19〜40のいずれか1項に記載の錠剤。
【請求項42】
前記錠剤は、実質的に平板である、請求項19〜41のいずれか1項に記載の錠剤。
【請求項43】
前記活性薬剤は、透過性が不十分な活性薬剤であり、0.1%〜50%(w/w)の量で透過性増強剤をさらに含む、前述の請求項のいずれか1項に記載の錠剤。
【請求項44】
前記透過性増強剤は、0.1〜10%(w/w)の量で前記錠剤中に含まれる、請求項43に記載の錠剤。
【請求項45】
前記透過性増強剤は、短鎖脂肪酸および中鎖脂肪酸ならびにそれらの塩;6〜20個の炭素鎖長のエステルおよび誘導体;胆汁酸塩;キトサン、それらの塩および誘導体;ポリソルベートのような界面活性剤、サリチル酸ナトリウム;ポリエチレングリコールおよびそれらの誘導体;ならびに浸透剤からなる群より選択される、請求項43または44に記載の錠剤。
【請求項46】
前記透過性が不十分な活性薬剤は、生体活性剤である、請求項43〜45のいずれか1項に記載の錠剤。
【請求項47】
口腔粘膜を介して溶解度が不十分な薬物を送達(例えば、舌下送達)するための方法であって、該方法は、請求項19〜46のいずれか1項に記載の口腔内分散性錠剤を、該錠剤の投与の必要がある患者の口腔に投与する工程、該錠剤が崩壊する期間の間、該錠剤を該口腔中にとどめておく工程を包含し、ここで該口腔内分散性錠剤は、透過性が不十分な活性薬剤および必要に応じて、0.1%〜50%(w/w)の量で透過性増強剤を含む、方法。
【請求項48】
直接圧縮された口腔内分散性錠剤であって、
0.1〜49%の非粒状活性薬剤(w/w);
50〜99.9%の微結晶性セルロース(MCC)直接圧縮基剤(w/w);および
1〜50%の超崩壊剤もしくはケイ酸カルシウム(w/w);
を含み、ここで該錠剤は、少なくとも60Nの硬度および30秒未満の崩壊時間(DT)を有する、錠剤。
【請求項49】
少なくとも70Nの硬度を有する、請求項48に記載の錠剤。
【請求項50】
20秒未満の崩壊時間を有する、請求項48または49に記載の錠剤。
【請求項51】
前記MCC直接圧縮基剤は、ケイ化MCCである、請求項48〜50のいずれか1項に記載の錠剤。
【請求項52】
前記ケイ化MCCは、プロソルブであり、代表的には、プロソルブ50もしくはプロソルブ90である、請求項51に記載の錠剤。
【請求項53】
前記超崩壊剤は、ポピドン(すなわち、コリドン−CLSF)、アクジゾル、およびエキスプロタブなどから選択される、請求項48〜52のいずれか1項に記載の錠剤。
【請求項54】
前記活性薬剤は、粒状化されていない、請求項48〜53のいずれか1項に記載の錠剤。
【請求項55】
少なくとも60Nの硬度および30秒未満の崩壊時間を有する口腔内分散性錠剤を製造するための方法であって、該方法は、成分の混合物を少なくとも5kNの圧縮力で直接圧縮して、該錠剤を形成する工程を包含し、ここで該成分の混合物は、0.1〜50%の活性薬剤(w/w)、50〜99.9%の微結晶性セルロース(MCC)直接圧縮基剤(w/w)、および1〜50%の超崩壊剤(w/w)を含む、方法。
【請求項56】
前記錠剤は、1〜20%の超崩壊剤(w/w)を含む、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記錠剤は、少なくとも8kNの圧縮力で直接圧縮される、請求項55または56に記載の方法。
【請求項58】
前記錠剤は、平板ツーリングを使用して直接加圧される、請求項55〜57のいずれか1項に記載の方法。

【公表番号】特表2012−521393(P2012−521393A)
【公表日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−501320(P2012−501320)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【国際出願番号】PCT/EP2010/054047
【国際公開番号】WO2010/109019
【国際公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(511232385)ロイヤル カレッジ オブ サージェオンズ イン アイルランド (1)
【Fターム(参考)】