説明

口腔内洗浄剤用の容器及び口腔内洗浄剤入り容器

【課題】取り扱いが容易で、包装材料の使用量が少なく、容易に製造できる口腔内洗浄剤用の容器を提供する。
【解決手段】可撓性フィルム14、16が封止されて形成された容器本体12を備え、該容器本体12は、対向する前記可撓性フィルム14、16が貼り合わされた区画シール部40により2以上の収容部に区画され、少なくとも1つの前記収容部は、口腔内洗浄剤が充填される洗浄剤収容部20とされ、該洗浄剤収容部20には、注出部材22が設けられ、少なくとも1つの前記収容部は、前記洗浄剤収容部に充填される前記口腔内洗浄剤以外の物品が収容される物品収容部30とされ、該物品収容部30には、前記物品が出し入れされる開閉自在なファスナ32が設けられていることよりなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口腔内洗浄剤用の容器及び口腔内洗浄剤入り容器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、液体、ペースト等の歯磨剤や洗口剤等の口腔内洗浄剤は、樹脂製のチューブ容器やボトル等に収容されている。旅行先や仕事場等、家庭外で口腔内を洗浄するためには、口腔内洗浄剤が収容されたチューブ容器やボトル(口腔内洗浄剤入り容器)と、歯ブラシやデンタルフロス等の口腔洗浄物品とを携行する必要がある。
【0003】
従来、口腔内洗浄剤と口腔洗浄物品とを収容するための容器が知られている。このような容器としては、例えば、樹脂製シートを筒状に形成し、得られた筒体の両開口端を樹脂製シートで塞いだものが提案されている(例えば、特許文献1)。
また、例えば、袋状の容器部と収容物の出し入れのための開閉操作部とが固着されてなる収容容器であって、前記開閉操作部は、収容物の出し入れ時に互いに係脱自在な基端側部材と先端側部材とからなり、前記開閉操作部の基端側部材は袋状の容器部の開口の基端部近傍に、前記先端側部材は容器部の基端部から延在せしめられた先端部近傍に夫々溶着せしめられることにより固定された収容容器が提案されている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−43167号公報
【特許文献2】特開平11−47025号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の発明は、製造方法が煩雑であるという問題がある。特許文献2の発明は、製造方法が容易であるものの、口腔洗浄物品等の出し入れが煩雑であるという問題ある。
加えて、近年、環境負荷低減の観点から、包装材料の使用量をより少なくすることが求められている。
そこで、本発明は、取り扱いが容易で、包装材料の使用量が少なく、容易に製造できる口腔内洗浄剤用の容器を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の口腔内洗浄剤用の容器は、可撓性フィルムが封止されて形成された容器本体を備え、該容器本体は、対向する前記可撓性フィルムが貼り合わされたシール部により2以上の収容部に区画され、少なくとも1つの前記収容部は、口腔内洗浄剤が充填される洗浄剤収容部とされ、該洗浄剤収容部には、注出部が設けられ、少なくとも1つの前記収容部は、前記洗浄剤収容部に充填される前記口腔内洗浄剤以外の物品が収容される物品収容部とされ、該物品収容部には、前記物品が出し入れされる開閉自在な開閉部が設けられていることを特徴とする。
【0007】
本発明の口腔内洗浄剤入り容器は、本発明の前記口腔内洗浄剤用の容器に、前記口腔内洗浄剤が充填されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の口腔内洗浄剤用の容器によれば、可撓性フィルムが封止されて形成された容器本体を備え、該容器本体は、対向する前記可撓性フィルムが貼り合わされたシール部により2以上の収容部に区画され、少なくとも1つの前記収容部は、口腔内洗浄剤が充填される洗浄剤収容部とされ、該洗浄剤収容部には、注出部が設けられ、少なくとも1つの前記収容部は、前記洗浄剤収容部に充填される前記口腔内洗浄剤以外の物品が収容される物品収容部とされ、該物品収容部には、前記物品が出し入れされる開閉自在な開閉部が設けられているため、取り扱いが容易で、包装材料の使用量が少なく、容易に製造できる。
【0009】
本発明の口腔内洗浄剤入り容器は、本発明の前記口腔内洗浄剤用の容器に、前記口腔内洗浄剤が充填されているため、取り扱いが容易で、包装材料の使用量が少なく、容易に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第一の実施形態にかかる口腔内洗浄剤入り容器の平面図である。
【図2】本発明の第一の実施形態にかかる口腔内洗浄剤入り容器の斜視図である。
【図3】本発明の第一の実施形態にかかる口腔内洗浄剤入り容器の斜視図である。
【図4】本発明の第二の実施形態にかかる口腔内洗浄剤入り容器の平面図である。
【図5】本発明の第三の実施形態にかかる口腔内洗浄剤入り容器の平面図である。
【図6】本発明の第三の実施形態にかかる口腔内洗浄剤入り容器の平面図である。
【図7】本発明の第四の実施形態にかかる口腔内洗浄剤入り容器の平面図である。
【図8】本発明の第四の実施形態にかかる口腔内洗浄剤入り容器の平面図である。
【図9】本発明の一実施形態にかかる口腔内洗浄剤入り容器の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第一の実施形態)
本発明の第一の実施形態にかかる口腔内洗浄剤入り容器について、以下に図1を参照して説明する。
図1の口腔内洗浄剤入り容器1は、口腔内洗浄剤が充填された洗浄剤収容部20と歯ブラシ50が収容された物品収容部30とが形成された口腔内洗浄剤用の容器(以下、収容容器ということがある)10を備える、いわゆる歯磨セットである。
【0012】
収容容器10は、可撓性フィルムが封止されて形成された容器本体12を備えるものである。
容器本体12は、2枚の対向する可撓性フィルム14、16が、上端2、下端4、左側端6に沿ってシールされて形成されたものであり、容器本体12の右側端8は、シールされていない。左側端6と右側端8とを略二分する位置には、上端2から下端4にわたって区画シール部40が形成され、容器本体12は、区画シール部40によって洗浄剤収容部20と物品収容部30とに区画されている。洗浄剤収容部20は、左側端6を長手とする平面視略長方形とされ、物品収容部30は、右側端8を長手とする平面視略長方形とされている。
洗浄剤収容部20には、口腔内洗浄剤が充填され、物品収容部30には、歯ブラシ50が収容されている。区画シール部40には、上端2から下端4にわたって折曲部42が形成されている。
【0013】
洗浄剤収容部20の上端2には、内容物を注出する注出部材22が設けられ、この注出部材22は、略円筒形の注出筒24と蓋体26とから構成されている。注出部材22は、本発明における注出部である。
【0014】
物品収容部30には、右側端8に沿ってファスナ32が設けられており、このファスナ32が開かれることで、内部の歯ブラシ50が出し入れされる。本発明の開閉部は、ファスナ32で構成されている。
【0015】
容器本体12を構成する可撓性フィルム14としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の樹脂及びこれらの混合物の樹脂フィルム、アルミニウム等の金属箔、樹脂フィルムに金属やシリカを蒸着した蒸着フィルム等の単層フィルム、複数の樹脂製フィルムの積層体や、樹脂製フィルムと金属箔とを積層した積層フィルム等が挙げられ、目的に応じて適宜選択される。
【0016】
可撓性フィルム14として用いられる積層フィルムとしては、容器本体12の内側から順に、シーラント層、バリア層、基材層、表層を備える不透明なフィルムが挙げられる。
シーラント層としては、例えば、低密度PE(LDPE)、直鎖状LDPE(LLDPE)等が挙げられる。シーラント層の厚さは、特に限定されないが、例えば、20〜100μmとされる。
バリア層としては、金属箔、蒸着フィルム等が挙げられる。バリア層の厚さは、材質等を勘案して決定でき、例えば、5〜100μmとされる。
基材層としては、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル等が挙げられる。基材層の厚さは、材質等を勘案して決定でき、例えば、10〜200μmとされる。
表層としては、ポリオレフィンやポリアミド等が挙げられる。表層の厚さは、材質等を勘案して決定でき、例えば、10〜200μmとされる。
【0017】
このような積層フィルムとしては、例えば、容器本体12の内側から順に、LDPE、エチレン−メタクリル酸樹脂(EMAA)、金属箔、EMAA、高密度PE(HDPE、白色PE)、LDPE、印刷層、PET、LDPEを積層したものが挙げられる(層構成例1)。
また、例えば、容器本体の内側から順に、LLDPE、EMMA、シリカ蒸着PET、HDPE、LDPE、印刷層、PET、LDPE、LLDPEを積層したものが挙げられる(層構成例2)。
あるいは、上記層構成例1から金属箔及びHDPEを除いたり、上記層構成例2からシリカ蒸着PET及びHDPEを除いたりして、可撓性フィルム14を透明にしてもよい。
あるいは、例えば、洗浄剤収容部20が不透明であり、物品収容部30が透明であるように、透明部分と不透明部分とを有する可撓性フィルム14を用いてもよい。
可撓性フィルム16の材質は、可撓性フィルム14の材質と同様である。
【0018】
可撓性フィルム14の厚さは、材質や層構成等を勘案して決定でき、例えば、上記層構成例1又は層構成例2であれば、200〜700μmが好ましく、200〜400μmがより好ましい。上記下限値未満では、容器本体12が軟弱になりすぎて、口腔内洗浄剤の注出量を制御するのが困難になりやすい。上記上限値超では、剛直になりすぎて、取り扱いにくくなるおそれがある。
可撓性フィルム16の厚さは、可撓性フィルム14の厚さと同様である。
【0019】
区画シール部40の幅は、可撓性フィルム14、16の材質や、洗浄剤収容部20の容量等を勘案して決定でき、例えば、5〜20mmとされる。上記下限値未満であると、区画シール部40のシール強度が不十分になるおそれがあり、上記上限値超であると、洗浄剤収容部20又は物品収容部30の容量を十分なものとするために、収容容器10が過剰に大きくなるおそれがある。
【0020】
折曲部42は、洗浄剤収容部20と物品収容部30とを対向させて折曲できるものであればよく、例えば、ミシン目線や罫線等が挙げられる。
【0021】
注出部材22としては、注出筒24に蓋体26を螺合するもの、注出筒24に蓋体26を嵌合するもの等が挙げられる。
注出部材22の材質としては、例えば、ポリオレフィン等の樹脂製のものが挙げられる。
【0022】
ファスナ32は、開閉自在なものであればよく、例えば、線ファスナ、面ファスナ等が用いられる。
【0023】
次に、口腔内洗浄剤入り容器1の製造方法を説明する。
まず、注出部材22を平面視略矩形の可撓性フィルム14、16で挟み込むようにして、可撓性フィルム14、16を重ね合わせる。この可撓性フィルム14、16は、任意の一辺に沿って、ファスナ32の雌部及び雄部のいずれかが設けられたものであり、可撓性フィルム14、16を重ね合わせた際に、前記雌部と前記雄部とが嵌合された状態とする。
重ね合わせた可撓性フィルム14、16を上端2及び下端4に沿ってシールする。この時点では、左側端6において可撓性フィルム14、16はシールされておらず、開口可能とされている。
次いで、左側端6と右側端8とを略二分する位置で、可撓性フィルム14、16をシールして、区画シール部40を形成する。可撓性フィルム14と可撓性フィルム16とをシールする方法としては、特に限定されず、例えば、ヒートシールにより熱融着する方法、接着剤を用いて接着する方法等が挙げられる。
【0024】
区画シール部40に、折曲部42を形成する。折曲部42の形成方法としては、従来公知の方法が用いられ、例えば、ミシン目線付け装置でミシン目を形成する方法、加熱した押刃を区画シール部40に任意の圧力で押し付けて罫線を形成する方法等が挙げられる。
【0025】
左側端6から口腔内洗浄剤を洗浄剤収容部20に充填し、その後、左側端6に沿って可撓性フィルム14と可撓性フィルム16とをシールし、洗浄剤収容部20を密封する。
洗浄剤収容部20に充填される口腔内洗浄剤としては、例えば、液体歯磨剤、液体洗口剤等の液体の口腔内洗浄剤、練り歯磨剤等のペースト状の口腔内洗浄剤等が挙げられる。
ファスナ32の雌部と雄部との嵌合状態を解除し、物品収容部30に歯ブラシ50を入れた後、ファスナ32の雌部と雄部とを嵌合して物品収容部30を密封する。
【0026】
次に、口腔内洗浄剤入り容器1の使用方法について、図1〜3を参照して説明する。
右側端8における可撓性フィルム14と可撓性フィルム16とを引き離すように操作して、図1の状態(以下、常態ということがある)におけるファスナ32の嵌合状態を解除する。ファスナ32の嵌合状態が解除されると、右側端8が開口されて、物品出入口34が形成される(図2)。この物品出入口34から歯ブラシ50を取り出す。
注出筒24から蓋体26を外し、洗浄剤収容部20を押圧して内容物である口腔内洗浄剤を注出し、口腔内を洗浄する。洗浄剤収容部20は、両長辺に沿って形成されたシール部によって適度な剛性を備えている。このため、洗浄剤収容部20が軟弱になりすぎず、内容物の注出量を容易に制御できる。
口腔内を洗浄した後、蓋体26を注出筒24に取り付け、歯ブラシ50を物品収容部30に収容し、ファスナ32を閉じて口腔内洗浄剤入り容器1を常態とする。さらに、常態の口腔内洗浄剤入り容器1を折曲部42で折り曲げることで、口腔内洗浄剤入り容器1をコンパクトな形態にできる(図3)。
【0027】
従来、歯磨セットは、口腔内洗浄剤が充填されたチューブ容器やボトルと、歯ブラシ等とが、容器に収容されたものが一般的であった。この従来の歯磨セットは、口腔内洗浄剤が充填される容器と、この容器をさらに収容する容器が必要であった。
本実施形態の口腔内洗浄剤入り容器1によれば、収容容器10が口腔内洗浄剤の容器を兼ね、チューブ容器やボトルを用いないため、包装材料の使用量を少なくできる。
加えて、本実施形態の収容容器10は、可撓性フィルム14、16をシールするという簡単な方法で製造できる。さらに、可撓性フィルム14、16をシールして製造できるため、チューブ容器に比べ、形状のバリエーションを増やせる。
本実施形態の口腔内洗浄剤入り容器1によれば、洗浄剤収容部20の長辺に沿ってシール部が形成されているため内容物の注出量を容易に制御でき、物品収容部30にファスナ32が設けられているため歯ブラシ50の出し入れが容易である。
本実施形態の口腔内洗浄剤入り容器1は、折曲部42で折曲されてよりコンパクトになるため、携行するのに好適である。
本実施形態の口腔内洗浄剤入り容器1は、洗浄剤収容部20が、対向する2枚の可撓性フィルム14、16の四方をシールして形成されたいわゆる平袋であるため、充填されている口腔内洗浄剤を残すことなく容易に注出できる。
【0028】
(第二の実施形態)
本発明の第二の実施形態にかかる口腔内洗浄剤入り容器について、図4を参照して説明する。なお、第一の実施形態と同じ構成には同じ符号を付してその説明を省略すると共に、主に第一の実施形態と異なる点について説明する。
【0029】
図4の口腔内洗浄剤入り容器100は、洗浄剤収容部120と物品収容部30とが形成された収容容器110を備えるものである。この収容容器110は、1枚の可撓性フィルム114を二つ折りにして、その折り曲げ縁で左側端106が形成された容器本体112を備えるものである。即ち、洗浄剤収容部120は、一方の長辺が折り曲げ縁で形成され、他方の長辺が区画シール部40で形成されたものである。
【0030】
口腔内洗浄剤入り容器100の製造方法は、まず、可撓性フィルム114を二つ折りにして、上端2に注出部材22を挟み込み、上端2に沿って対向する可撓性フィルム114同士をシールする。次いで、区画シール部40を形成した後、下端4から口腔内洗浄剤を洗浄剤収容部120に充填し、その後、下端4に沿って対向する可撓性フィルム114同士をシールする。
【0031】
本実施形態の口腔内洗浄剤入り容器100によれば、折り曲げ縁により左側端106が形成されているため、口腔内洗浄剤を充填する際に、下端4の開口状態を維持しやすい。
【0032】
(第三の実施形態)
本発明の第三の実施形態にかかる口腔内洗浄剤入り容器について、図5を参照して説明する。なお、第一及び第二の実施形態と同じ構成には同じ符号を付してその説明を省略すると共に、主に第一及び第二の実施形態と異なる点について説明する。
【0033】
図5の口腔内洗浄剤入り容器200は、洗浄剤収容部120と物品収容部230とが形成された収容容器210を備えるものである。この収容容器210は、右側端208に沿ってシール部209が形成され、このシール部209とファスナ32との間に切取線234が形成された容器本体212を備えるものである。また、切取線234の両端部には、切込部236が形成されている。
【0034】
シール部209は、可撓性フィルム114同士がシールされて形成されたものである。
切取線234は、例えば、ミシン目線やハーフカット線等が挙げられる。
切込部236の形状は特に限定されず、半円形状、I字形状、V字形状等が挙げられる。
【0035】
次に、本実施形態の口腔内洗浄剤入り容器200の使用方法について、図5〜6を参照して説明する。
まず、物品収容部230を切取線234で切断し、シール部209を含む切片240と口腔内洗浄剤入り容器201とに分離する(図6)。この際、シール部209が切除された物品収容部231は、その右側端238が開口可能となっている。次いで、ファスナ32の嵌合状態を解除することで、右側端238を開いて歯ブラシ50を取り出し、口腔内を洗浄する。口腔内を洗浄した後、歯ブラシ50を物品収容部231に収容し、ファスナ32を閉じることで、口腔内洗浄剤入り容器201を常態とする。
【0036】
本実施形態の口腔内洗浄剤入り容器200によれば、シール部209が形成されているため、流通段階等において、誤ってファスナ32が開いても、物品収容部230内の清浄性を維持できる。
【0037】
(第四の実施形態)
本発明の第四の実施形態にかかる口腔内洗浄剤入り容器について、図7を参照して説明する。なお、第一〜第三の実施形態と同じ構成には同じ符号を付してその説明を省略すると共に、主に第一〜第三の実施形態と異なる点について説明する。
【0038】
図7の口腔内洗浄剤入り容器300は、洗浄剤収容部120と物品収容部330とが形成された収容容器310を備えるものである。この収容容器310は、左側端106及び右側端308が可撓性フィルム314の折り曲げ縁で形成された容器本体312を備えるものである。容器本体312は、左側端106と右側端308とを略二分する位置で、可撓性フィルム314の端部315、316が突き合わされ、端部316に沿って区画シール部340が形成されたものである。物品収容部330には、端部315に沿ってファスナ32が設けられている。
【0039】
本実施形態の口腔内洗浄剤入り容器300の製造方法を説明する。
まず、1枚の可撓性フィルム314の端部315、316を突き合わせて筒状とし、次いで、左側端106及び右側端308を形成するように可撓性フィルム314を折り曲げる。この際、左側端106と右側端308とを略二分する位置に端部315と端部316とを突き合わせた突合部317を位置させ、上端2で注出部材22を挟み込む。
上端2に沿って、可撓性フィルム314同士をシールし、端部316に沿って洗浄剤収容部120を形成する可撓性フィルム314同士をシールして、区画シール部340を形成する。この際、端部315は、シールされず、開閉可能とされる。
次いで、下端4から口腔内洗浄剤を洗浄剤収容部120に充填した後、下端4に沿ってシールすることで、口腔内洗浄剤入り容器300を得る。
【0040】
次に、口腔内洗浄剤入り容器300の使用方法について、図7〜8を用いて説明する。
端部315を端部316から引き離すように操作して、ファスナ32の嵌合状態を解除する。ファスナ32の嵌合状態を解除すると、物品収容部330の内外を連通する物品出入口334が形成される。物品出入口334から歯ブラシ50を取り出し、口腔内を洗浄する。口腔内を洗浄した後、歯ブラシ50を物品収容部330に収容し、ファスナ32を閉じることで、口腔内洗浄剤入り容器300を常態とする。
さらに、突合部317が内側になるように、口腔内洗浄剤入り容器300を突合部317で折り曲げて、保管したり携行したりする。
【0041】
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。
第一〜第四の実施形態では、物品収容部に収容される物品が歯ブラシのみであるが、本発明は、これに限定されず、物品収容部に収容される物品は、洗浄剤収容部に充填されたものと異なるものであればよい。物品収容部に収容される物品としては、例えば、歯ブラシ、歯間ブラシ、デンタルフロス等の口腔内洗浄具、歯周病予防・治療薬、ハンカチ、ティッシュペーパー等が挙げられる。また、洗浄剤収容部に歯磨剤が充填される場合には、物品収容部に洗口剤が収容されていてもよい。
加えて、物品収容部に収容される物品は、1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。
【0042】
第一〜第四の実施形態では、容器本体に2つの収容部が形成され、一方の収容部が洗浄剤収容部とされ、他方の収容部が物品収容部とされているが、本発明はこれに限定されず、収容部が3つ以上形成されていてもよい。
3つの収容部が形成された例について、図9を参照して説明する。
図9の口腔内洗浄剤入り容器400は、収容容器410に口腔内洗浄剤が充填されたものである。収容容器410は、第一の物品収容部430と、第二の物品収容部431と、第一の物品収容部430と第二の物品収容部431との間に形成された洗浄剤収容部420とを備える容器本体412を備える。容器本体412は、右側端408から離間した位置に上端402から下端404にわたる第一の区画シール部440が形成され、左側端406と第一の区画シール部440との間に上端402から下端404にわたる第二の区画シール部441が形成されている。こうして、容器本体412は、第一の区画シール部440により洗浄剤収容部420と第一の物品収容部430とに区画され、第二の区画シール部441により洗浄剤収容部420と第二の物品収容部431とに区画されている。
第一の区画シール部440には、上端402から下端404にわたって折曲部42が形成され、第二の区画シール部441には、上端402から下端404にわたって折曲部42が形成されている。
第一の物品収容部430には、右側端408に沿ってファスナ32が設けられ、第二の物品収容部431には、左側端406に沿ってファスナ32が設けられている。
本実施形態において、第一の物品収容部430には、歯ブラシ50が収容され、第二の物品収容部431には、洗口剤入り袋52が収容されている。
本実施形態の口腔内洗浄剤入り容器400は、2つの物品収容部430、431を備えるため、種々の物品を数多く収容できる。
【0043】
第一の実施形態では、2枚の可撓性フィルムを用いて容器本体を製造しているが、本発明はこれに限定されず、例えば、1枚の可撓性フィルムを折り曲げ、その折り曲げ縁をシールして左側端又は下端を形成してもよい。
【0044】
第一〜第四の実施形態では、左側端から右側端までの距離を略二分する位置に区画シール部を形成し、略同等の大きさの洗浄剤収容部と物品収容部とを形成している。本発明は、これに限定されず、例えば、洗浄剤収容部の大きさと物品収容部の大きさとが、大きく異なっていてもよい。
【0045】
第一〜第四の実施形態では、左側端から右側端までの距離を略二分する位置に区画シール部を形成し、洗浄剤収容部と物品収容部とを形成しているが、本発明はこれに限定されない。例えば、洗浄剤収容部と物品収容部とを個別に成形し、これらを並べて融着又は接着したものであってもよい。
【0046】
第三の実施形態では、右側端に沿ってシール部が形成されているが、本発明はこれに限定されず、例えば、右側端は可撓性フィルムの折り曲げ縁で形成されていてもよい。
【0047】
第一〜第四の実施形態では、洗浄剤収容部の長辺と物品収容部の長辺とが接続された形状であるが、本発明はこれに限定されず、洗浄剤収容部の短辺と物品収容部の短辺とが接続された形状であってもよい。
【0048】
第一〜第四の実施形態では、洗浄剤収容部の平面視形状及び物品収容部の平面視形状が共に略長方形とされている。しかしながら、本発明はこれに限定されず、例えば、洗浄剤収容部の平面視形状及び物品収容部の平面視形状が共に略円形であってもよいし、長方形以外の多角形であってもよいし、洗浄剤収容部の平面視形状と物品収容部の平面視形状とが互いに異なっていてもよい。
【0049】
第一〜第四の実施形態では、収容容器に注出部材が設けられているが、本発明の注出部はこれに限定されず、例えば、洗浄剤収容部の任意の位置に切取線を形成し、この切取線で切断することで注出口を形成するものであってもよい。
【0050】
第一〜第二の実施形態では、ファスナが物品収容部の長辺に沿って形成されているが、本発明はこれに限定されず、ファスナが物品収容部の短辺に沿って形成されていてもよい。
【0051】
第一〜第四の実施形態では、物品収容部にファスナが設けられているが、本発明はこれに限定されず、ファスナが設けられていなくてもよい。例えば、物品収容部を構成する可撓性フィルムが、デッドホールド性の高い材質(例えば、金属箔、あるいは金属箔を備えた積層体等)である場合、物品出入口が形成される端部に沿って山折りし又は谷折りする部分を開閉部としてもよい。
【符号の説明】
【0052】
1、100、200、201、300、400 口腔内洗浄剤入り容器
10、110、210、310、410 口腔内洗浄剤用の容器
12、112、212、312、412 容器本体
14、16、114、314 可撓性フィルム
20、120、420 洗浄剤収容部
22 注出部材
30、230、231、330、430、431 物品収容部
32 ファスナ
40、340、440、441 区画シール部
50 歯ブラシ
52 洗口剤入り袋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性フィルムが封止されて形成された容器本体を備え、
該容器本体は、対向する前記可撓性フィルムが貼り合わされたシール部により2以上の収容部に区画され、
少なくとも1つの前記収容部は、口腔内洗浄剤が充填される洗浄剤収容部とされ、
該洗浄剤収容部には、注出部が設けられ、
少なくとも1つの前記収容部は、前記洗浄剤収容部に充填される前記口腔内洗浄剤以外の物品が収容される物品収容部とされ、
該物品収容部には、前記物品が出し入れされる開閉自在な開閉部が設けられていることを特徴とする、口腔内洗浄剤用の容器。
【請求項2】
請求項1に記載の口腔内洗浄剤用の容器に、前記口腔内洗浄剤が充填されていることを特徴とする、口腔内洗浄剤入り容器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2013−102953(P2013−102953A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−248735(P2011−248735)
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】