Notice: Undefined variable: fterm_desc_sub in /mnt/www/biblio_conv.php on line 353
口腔内速崩壊錠
説明

口腔内速崩壊錠

【課題】平均粒子径30μm以下の糖アルコールまたは糖類、活性成分および崩壊剤を含有し、特殊な製剤技術を必要とせず、一般的な設備で簡便かつ容易に調整できる口腔内速崩壊錠を提供する。
【解決手段】造粒物は、活性成分に加えて、平均粒径30μm以下の糖アルコールまたは糖類を主成分とし、かつ、クロスポピドン、クロスカルメロースナトリウム、低置換ヒドロキシプロピルセルロースの群から選択された1つを崩壊剤として、それぞれが、1つの錠剤につき、60〜95重量%、1〜10重量%を含んで生成され、更に、滑沢剤を含めることなく混合された後に、口腔内速崩壊錠として圧縮成形される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口腔内で速やかに崩壊する錠剤に関する。
【背景技術】
【0002】
医薬品の経口投与剤型には、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤等がある。しかしながら、これら経口製剤には、いくつかの問題点が存在する。例えば、錠剤やカプセル剤は、嚥下力の弱い高齢者や小児には飲みにくい剤型である。顆粒剤や散剤は、服用後口中で不快感を生じたり、気道や肺に粉体として入り込む場合もあり、また、服用時には水を必要とするため、水のない場所では服用できないことがある。シロップ剤は、服用時に計量するため手間がかかり、また、高齢者や子供では正確な計量が期待できない。これに対して、口腔内で速やかに溶解もしくは崩壊する固形成形物であれば、計量の手間もかからず高齢者や小児にも容易に服用できる。また、該固形成形物は、水なしで服用できる。このような口腔内で速やかに溶解もしくは崩壊する製剤がいくつか知られている。例えば、特公昭62−50445号公報には活性成分を含むゼラチンを主成分とする水溶液を凍結乾燥することにより得られる固形製剤が記載されており、また、WO93/12769には寒天を含む懸濁液を乾燥することにより得られる固形製剤が記載されている。しかしながら、これらの製剤は、固形物の強度が弱い、PTP(Press Through Pack)包装から押して取り出すことが困難である、特殊な製剤技術を必要とする、膨大な設備投資を必要とする等の問題点を有している。また、特開平5−271054号公報あるいはWO93−15724には、糖類を含む混合物に適当な水分を与えて低圧で圧縮成形した後乾燥する錠剤の調整方法が記載されている。しかしながら、この方法も、特殊な製剤技術を必要とし、湿潤した状態での圧縮時に成形金型面に粉体の付着等を生じるおそれがあり、工業的生産への適用が困難である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明者らは、特殊な製剤技術を必要とせず一般的な設備で簡便かつ容易に調製できる口腔内速崩壊錠について検討した。その結果、平均粒子径30μm以下のD−マンニトールや乳糖等の糖アルコールまたは糖類を主成分とし、活性成分と崩壊剤を含有する混合物を圧縮成形することにより、従来の圧縮成型機では調製が困難と考えられていた1分以内に口腔内で崩壊し実用上問題のない硬度を保有した口腔内速崩壊錠が得られることを見い出した。
【0004】
すなわち、本発明は、平均粒子径30μm以下の糖アルコールまたは糖類、活性成分および崩壊剤を含有する錠剤に関する。
また、本発明は、平均粒子径30μm以下の糖アルコールまたは糖類、活性成分および崩壊剤を含有する混合物を圧縮成形することを特徴とする錠剤の製造法に関する。
【0005】
糖アルコールとしては、医薬品や食品に汎用される、例えばD−マンニトール、ソルビトール等があげられ、糖類としては、医薬品や食品に汎用される、例えば乳糖、グルコース等があげられ、少なくとも1種の糖アルコールまたは糖類が用いられる。
活性成分としては、例えば下記に記載したものがあげられるが、経口投与を目的とするものであれば特に限定されない。
【発明の効果】
【0006】
請求項1〜5に記載された本発明によれば、平均粒子径30μm以下のD−マンニトールや乳糖等の糖アルコールまたは糖類を主成分とし、活性成分と崩壊剤を含有する混合物を圧縮成形することにより、従来の圧縮成型機では調製が困難と考えられていた1分以内に口腔内で崩壊し、実用上問題のない硬度を保有した口腔内速崩壊錠が提供できる。
請求項6〜8に記載された本発明方法によれば、特殊な製剤技術を必要とせず一般的な設備で簡便かつ容易に調製でき、請求項1〜5に記載の口腔内速崩壊錠が提供できる。
【0007】
<中枢神経系用薬>
睡眠鎮静剤、抗不安剤・・・アモバルビタール、アルプラゾラム、塩酸フルラゼパム、ジアゼパム等
抗てんかん剤・・・バルプロ酸ナトリム、ニトラゼパム、フェニトイン等
鎮痛解熱消炎剤・・・アスピリン、アセトアミノフェン、イブプロフェン、ジクロフェナックナトリウム、エテンザミド、インドメタシン等
抗パーキンソン剤・・・レポドパ、塩酸アマンタジン、塩酸トリヘキシフェニジル、塩酸ピロヘプチン等
精神神経用剤・・・エチゾラム、塩酸アミトリプチリン、スルピリド等
【0008】
<末梢神経系用薬>
骨格筋弛緩剤・・・カルバミン酸クロルフェネシン、クロルメザノン等
自律神経剤・・・臭化バレタメート、トフィソパム等
鎮けい剤・・・アフロクァロル等
【0009】
<循環器官用薬>
強心剤・・・ユビデカレノン、アミノフィリン、塩酸エチレフリン等
不整脈用剤・・・アテノロール、ピンドロール等
利尿剤・・・スピロノラクトン、トリクロルメチアジド、フロセミド等
血圧降下剤・・・塩酸トドララジン、塩酸ニカルジピン、塩酸ヒドララジン等
血管収縮剤・・・メシル酸ジヒドロエルゴタミン等
血管拡張剤・・・塩酸ベニジピン、塩酸ジルチアゼム、硝酸イソソルビド等
高脂血症用剤・・・クリノフィブラート、ニコモール等
その他・・・塩酸フルナリジン、塩酸メクロフェノキサート、シンナリジン等
【0010】
<呼吸器官用薬>
止しゃ剤・・・塩酸ロペラミド、ジメチコン等
消化性潰瘍用剤・・・アズレン、Lーグルタミン、アセグルタミドアルミニウム、塩酸セトラキサート、シメチジン等
利胆剤・・・アネトールトリチオン、ケノデオキシコール酸等
その他・・・ドンペリドン、マイレン酸トチメブチン、メトクロプラミド、シサプライド等
【0011】
<代謝性医薬品>
ビタミン剤・・・アルファカルシドール、塩酸チアミン、コバマイド、ビタロキシン、酪酸リボフラビン、アスコルビン酸、フィトナジオン等
糖尿病用剤・・・グリブゾール、トリブタミド等
【0012】
<アレルギー用薬>
抗ヒスタミン剤・・・塩酸ホモクロルシクリジン、フマル酸クレマスチン、マイレン酸クロルフェニラミン等
その他・・・オキサトミド、フマル酸ケトチフェン、塩酸アゼラスチン等
【0013】
<腫瘍用薬>
代謝拮抗剤・・・フルオロウラシル、デカフール等
【0014】
<抗生物質製剤>
硫酸パロモマイシン、アモキシシリン、セファクロル、セファレキシン、アセチルスピラマイシン、塩酸ミノサイクリン等
【0015】
崩壊剤としては、医薬品や食品に汎用される、例えばクロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等があげられ、少なくとも1種の崩壊剤が用いられる。
【0016】
次に、本発明の錠剤の製造方法について説明する。
本発明の錠剤は、ハンマーミル、ジェットミル等を用いて平均粒子径を30μm以下にした糖アルコールまたは糖類、活性成分および崩壊剤を含有する混合物を造粒後圧縮成形することにより得ることができる。また、本発明の錠剤は、容易に揮発する崩壊助剤の存在下に、ハンマーミル、ジェットミル等を用いて平均粒子径を30μm以下にした糖アルコールまたは糖類、活性成分および崩壊剤を含有する混合物を造粒後圧縮成形し、次いで該崩壊助剤を揮発させることにより得ることもできる。
【0017】
糖アルコールまたは糖類の使用量としては、錠剤中60〜95%が好ましく、さらに好ましくは、80〜95%である。
【0018】
活性成分の使用量は、活性成分の種類、投与量等により異なるが、錠剤中0.01〜30%が好ましく、さらに好ましくは0.01〜10%である。
【0019】
崩壊剤の使用量としては、1回の投与分につき1〜30mgが好ましく、錠剤中1〜10%が好ましい。
【0020】
容易に揮発する崩壊助剤としては、例えば昇華性のあるカンファー、ウレタン、尿素、重炭酸アンモニウム、安息香酸等があげられるが、特にカンファーが好ましい。容易に揮発する崩壊助剤の使用量としては、錠剤中1〜20%が好ましく、さらに好ましくは1〜10%である。
【0021】
造粒方法としては、精製水、エタノール等を用いた湿式造粒が好ましく、例えば一般的な流動層造粒機、転動攪拌造粒機、押し出し造粒機等を用いて行われ、造粒物を乾燥後、滑沢剤を加えて混合し圧縮成形する。このとき、添加剤として、結合剤、酸味剤、発砲剤、甘味剤、香料、着色料等を加えることもできる。滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ステアリルアルコール、ショ糖脂肪酸エステル、タルク、軽質無水ケイ酸等があげられ、結合剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、部分けん化ポリビニルアルコール、メチルセルロース、プルラン等があげられ、酸味剤としては、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸、アスコルビン酸等があげられ、発砲剤としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム等があげられ、甘味剤としては、アスパルテーム(登録商標)、サッカリン、グリチルリチン等があげられ、香料としては、レモン、オレンジ、パイン、ミント、メントール等があげられ、着色剤としては、黄色三二酸化鉄、赤色三二酸化鉄、タール系色素等があげられる。滑沢剤の使用量としては、錠剤中0.01〜1%が好ましく、さらに好ましくは0.01〜0.5%である。
【0022】
圧縮成形方法は、特に限定されないが、生産性の優れたロータリー打錠機、油圧プレス機あるいは単発打錠機を用いるのが好ましい。容易に揮発する崩壊助剤を使用したときは、圧縮成形後、加温等により乾燥させる。また、圧縮成形時、滑沢剤を造粒物に含有させずに、打錠機の杵臼にあらかじめ滑沢剤を塗布してから圧縮成形することもでき、これにより本発明の効果はさらに増大する。圧縮成形圧力は、ロータリー打錠機を用いた場合は300kg以上であることが好ましい。
【0023】
本発明で得られる錠剤の形状としては、円形錠もしくは普通R面、糖衣R面、スミカク平面、スミマル平面、二段R面等の面形を有する各種異形錠であってもよい。
また、該錠剤は割線を入れた分割錠として用いてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下に、実施例および比較例により本発明を具体的に説明する。
【0025】
[比較例1]
D−マンニトール(東和化成:平均粒子径約60μm)1890gとクロスポビトン(ポリプラスドンXL−10:GAF社)100gを流動層造粒乾燥機(グラット社製、WSG−5型)に仕込み、精製水を噴霧し、造粒、乾燥工程を経て造粒物を得た。造粒物にステアリン酸マグネシウム10gを加えて混合後、ロータリー型打錠機(菊水製作所製、クリーンプレスコレクト12型)を用い圧縮成形した。成形条件は、錠剤重量200mg、金型8mm径平型とし、圧縮成形圧力については、150、300、450、600および800kgに変化させて打錠した。
【0026】
[実施例1]
D−マンニトール(東和化成:平均粒子径約60μm)を、あらかじめジェットミル(日本ニューマチック社製:PJM−1−1.5型)を用いて粉砕し、平均粒子径が約20μmのD−マンニトールを得た。このD−マンニトール粉砕品1890gとクロスポビドン(ポリプラスドンXL−10:GAF社)100gを流動層造粒乾燥機(グラット社製、WSG−5型)に仕込み、精製水を噴霧し、造粒、乾燥工程を経て造粒物を得た。造粒物にステアリン酸マグネシウム10gを加えて混合後、ロータリー型打錠機(菊水製作所製、クリーンプレスコレクト
12型)を用い圧縮成形した。成形条件は、比較例1と同様とした。
【0027】
[比較例2]
消化管運動改善剤ドンペリドン100g,乳糖(DMV社:平均粒子径約80μm)1790gおよびクロスポビドン(ポリプラスドンXL−10:GAF社)100gを流動層造粒乾燥機(グラット社製、WSG−5型)に仕込み、精製水を噴霧し、造粒、乾燥工程を経て造粒物を得た。造粒物にステアリン酸マグネシウム10gを加えて混合後、ロータリー型打錠機(菊水製作所製、クリーンプレスコレクト12型)を用い圧縮成形した。成形条件は、比較例1と同様とした。
【0028】
[実施例2]
乳糖(DMV社:平均粒子径約80μm)を、あらかじめジェットミル(日本ニューマチック社製:PJM−1−1.5型)を用いて粉砕し、平均粒子径が約15μmの乳糖を得た。この乳糖粉砕品1790g,ドンペリドン100gおよびクロスポビドン(ポリプラスドンXL−10:GAF社)100gを流動層造粒乾燥機(グラット社製、WSG−5型)に仕込み、精製水を噴霧し、造粒、乾燥工程を経て造粒物を得た。造粒物にステアリン酸マグネシウム10gを加えて混合後、ロータリー型打錠機(菊水製作所製、クリーンプレスコレクト12型)を用い圧縮成形した。成形条件は、比較例1と同様とした。
【0029】
[実施例3]
実施例1で得られた造粒物を用い、油圧プレス機(理研精機社製:P−1B型)の金型(8mm径平型)および臼にステアリン酸マグネシウムをごく少量塗布しておいて、錠剤重量200mg、圧力成形圧力50kg/cmで、錠剤を得た。
【0030】
[実施例4]
実施例1で使用したD−マンニトール粉砕品140g,ドンペリドン10g、クロスポビドン(ポリプラスドンXL−10:GAF社)10gおよびカンファ−40gをビニール袋に入れて混合後、錠剤重量200mg、金型9mm径とし、単発打錠機(岡田精工社製、N−20E型両圧式粉末錠剤機)を用い、圧縮成形圧力約1500kg/cmで錠剤を得た。該錠剤を、真空乾燥機中、真空下80℃で10分間乾燥した。
【0031】
次に、本発明の錠剤の錠剤硬度および崩壊時間について試験例で説明する。
[試験例]
実施例1、2および比較例1、2で得られた錠剤について、錠剤硬度および崩壊時間を測定した、錠剤硬度は、錠剤破壊強度測定機(富山産業製:TH−203CP型)を用いて測定した。また、錠剤の崩壊時間については、錠剤を10号金網上に置き、上部から水を4ml/分の速度で滴下して錠剤が金網上からぬけるまでの時間を測定し、その時間を崩壊時間とした。
【0032】
評価結果を第1表に示す。
【表1】

【0033】
比較例1および2では、圧縮成形圧力450kgまで成形困難であり、600kg程度からようやく成形できるようになった。しかしながら、成形物の硬さは弱く満足のいくものではなかった。実施例1および2では、圧縮形成圧力300kg以上で十分な錠剤硬度が得られ、また、崩壊時間も非常に速かった。実施例1の圧縮成形圧力450kgで得られた錠剤を実際に服用してみると、口腔内において10秒で崩壊した。
【0034】
実施例3および4で得られた各錠剤についても、上記と同様にして錠剤硬度および崩壊時間を測定した。その結果、実施例3で得られた錠剤については、硬度約6.5kgfと十分な硬さを保有しながら、崩壊時間は約10秒であった。また、実施例4で得られた錠剤については、硬度は約4kgfであり、口腔内での崩壊時間は約2秒と非常に速いものであった。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明により、口腔内で速やかに崩壊する錠剤が提供される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平均粒子径30μm以下の糖アルコールまたは糖類、活性成分および崩壊剤を含有する錠剤。
【請求項2】
1回の投与分につき1〜30mgの崩壊剤を含有する請求項1記載の錠剤。
【請求項3】
糖アルコールがD−マンニトールである請求項1または2記載の錠剤。
【請求項4】
糖類が乳糖である請求項1または2記載の錠剤。
【請求項5】
崩壊剤がクロスポビドン、クロスカルメロースナトリウムまたは低置換度ヒドロキシプロピルセルロースである請求項1〜4記載の錠剤。
【請求項6】
平均粒子径30μm以下の糖アルコールまたは糖類、活性成分および崩壊剤を含有する混合物を圧縮形成することを特徴とする錠剤の製造法。
【請求項7】
圧縮成形時、打錠機の杵臼にあらかじめ滑沢剤を塗布してから圧縮形成することを特徴とする請求項6記載の錠剤の製造法。
【請求項8】
容易に揮発する崩壊錠剤の存在下に平均粒子径30μm以下の糖アルコールまたは糖類、活性成分および崩壊錠を含有する混合物を圧縮形成し、次いで該崩壊助剤を揮発させることを特徴とする請求項6記載の錠剤の製造法。

【公開番号】特開2006−77018(P2006−77018A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−269822(P2005−269822)
【出願日】平成17年9月16日(2005.9.16)
【分割の表示】特願平10−501448の分割
【原出願日】平成9年6月12日(1997.6.12)
【出願人】(000001029)協和醗酵工業株式会社 (276)
【Fターム(参考)】