説明

口腔用組成物のための香味剤

【課題】スズイオンを含有する組成物中での異臭及び不味の発生を防ぐ口腔ケア組成物の提供。
【解決手段】スズイオンと;(i)ミント油、並びに(ii)銅塩、アスコルビン酸、シス−ジャスモン、2,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−3(2H)−フラノン、5−エチル−3−ヒドロキシ−4−メチル−2(5H)−フラノン、バニリン、エチルバニリン、アニスアルデヒド、3,4−メチレンジオキシベンズアルデヒド、3,4−ジメトキシベンズアルデヒド、4−ヒドロキシベンズアルデヒド、2−メトキシベンズアルデヒド、ベンズアルデヒド、シンナムアルデヒド、ヘキシルシンナムアルデヒド、α−メチルシンナムアルデヒド、オルト−メトキシシンナムアルデヒド、α−アミルシンナムアルデヒド及びこれらの混合物からなる群から選択される保護剤構成成分で、(ii):(i)の重量比が2:1〜1:300;口腔で許容可能なキャリアと;を含む口腔ケア組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、香味組成物及びスズイオンを含有する、審美的に心地良い口腔ケア製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
スズイオン(stannous ion)は、口腔用組成物に使用されるのが望ましい。フッ化第一スズ及びその他のスズ塩類から一般に供給されるスズイオンは、抗歯垢、抗歯肉炎を提供するため、並びに息や知覚を改善するために使用される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、スズイオンを含有する製剤が審美的に不快であることが知られているので、スズイオンを用いた配合は問題があることが分かっている。スズイオンは、特定の口腔ケア用着香化合物と組み合わせて使用されると、悪臭を発生する場合がある。審美的に快い香味を伴ってスズイオンを有効に送達する口腔ケア組成物を提供することは、なお所望されている。既存の技術には、本発明の審美的利点と効果の全てを提供するものはない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、スズイオン、ミントタイプ香味油、組成物中での悪臭及び不味(off taste)の発生を防ぐ保護剤構成成分(Protectant Component)、及び口腔に許容可能なキャリアを含む口腔ケア組成物に関する。ミントタイプの油としては、ペパーミント、スペアミント、及びコーンミントが挙げられる。好適な保護剤構成成分としては、例えばアルコルビン酸などのカルボニル化合物、シス−ジャスモン、2,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−3(2H)−フラノン、5−エチル−3−ヒドロキシ−4−メチル−2(5H)−フラノン、バニリン、エチルバニリン、アニスアルデヒド、3,4−メチレンジオキシベンズアルデヒド、3,4−ジメトキシベンズアルデヒド、4−ヒドロキシベンズアルデヒド、2−メトキシベンズアルデヒド、ベンズアルデヒド、シンナムアルデヒド、ヘキシルシンナムアルデヒド、α−メチルシンナムアルデヒド、オルト−メトキシシンナムアルデヒド、α−アミルシンナムアルデヒド、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0005】
本発明のこれら及びその他の特徴、態様、及び利点は、本開示を読むことにより当業者に明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本明細書は本発明を特に指摘し、明確に請求する請求項で結論づけられるが、本発明は以下の好ましい実施形態の説明から、よりよく理解されると考えられる。
【0007】
本明細書で用いられるすべての百分率は、特に指定されない限り、歯磨剤組成物の重量による。本明細書で用いられるすべての比率は、特に指定されない限り、全組成物のモル比である。すべての測定は、特に指定しない限り25℃で行われる。
【0008】
本明細書で、「含む」とは、最終結果に影響を及ぼさない他の工程及び他の構成成分を追加し得ることを意味する。この用語は、「からなる」及び「から本質的になる」という用語を包含する。
【0009】
本明細書で使用する時、「含む」という語及びその変形は非限定的であることを意図し、列挙した品目の詳細説明は、本発明の材料、組成物、装置及び方法でも有用である可能性のある他のものを除外しない。
【0010】
本明細書で使用する時、「好ましい」、「好ましくは」という語及びその変形は、特定の条件下において特定の効果をもたらす本発明の実施形態に関する。しかし、同様又は他の環境において、他の実施形態が好ましい可能性もある。さらに、1つ以上の好ましい実施形態の詳細説明は、他の実施形態が有用でないことを示すものではなく、本発明の範囲内から他の実施形態を除外することを意図するものではない。
【0011】
本明細書において、「有効量」とは、当業者の健全な判定内で明白な利益、好ましくは口腔の健康の利益を顕著に誘導するために十分であるが、重篤な副作用を回避するために十分に低い、即ち合理的な利益対危険性比を提供する化合物又は組成物の量を意味する。
【0012】
「口腔ケア組成物」とは、通常の使用過程において、特定の治療剤を全身投与する目的で意識的に飲み込むのではなく、口腔作用を目的として実質的に全ての歯の表面及び/又は口腔組織と接触させるのに十分な時間、口腔内に保持され得る製品を意味する。口腔ケア組成物は、練り歯みがき、歯磨剤、歯用ゲル、歯肉縁下用ゲル、口内洗浄剤、ムース、泡、義歯ケア製品、マウススプレー、口内錠、チュアブル錠又はチューインガムを含む様々な形態であってよい。口腔ケア組成物はまた、口腔表面へ直接適用する又は付着させるためのストリップ又はフィルム上に組み込まれてもよい。
【0013】
本明細書で使用する時、用語「歯磨剤」は、特に指定がない限り、ペースト、ゲル、又は液体製剤を意味する。歯磨剤組成物は、単一相組成物であってもよく、又は2種以上の別々の歯磨剤組成物の組み合わせであってもよい。歯磨剤組成物は、深い縞状、表面的な縞状、ペーストを囲むゲルを有する多層状又はこれらの任意の組み合わせのような、任意の所望の形態であってもよい。2種以上の別個の歯磨剤組成物を含む歯磨剤中の各歯磨剤組成物は、ディスペンサーの物理的に分離された区画内に収容され、並んで分配することができる。
【0014】
本明細書で使用する時、用語「ディスペンサー」とは、歯磨剤のような組成物を分配するのに好適なあらゆるポンプ、チューブ、又は容器を意味する。
【0015】
本明細書で使用する時、用語「歯」とは、天然歯、並びに人工歯又は歯科補綴物を指す。
【0016】
用語「香味油」は、植物から蒸留又は絞り出された揮発性油、並びにこれら揮発性油の構成要素である、着香剤として使用される精油のことを指す。本明細書でミント及びミントタイプの油を指す場合に使用する時、用語「香味油」は、プライムナチュラル又はアンフォールディッド(unfolded)(植物供給源から新鮮に抽出されたもの)として通常呼ばれる種々の等級の油、及び精製し精留し標準化され、不必要な香味/臭い特性を除去(例えば、分留により)されたものを含む。精留等級は一般に、着香剤及び香料として使用するためにエンドユーザーに供給される市販等級である。通常の精油及びそれらの主要な構成要素は、例えばタイム(チモール、カルバクロール)、オレガノ(カルバクロール、テルペン)、レモン(リモネン、テルピネン、フェランドレン、ピネン、シトラール)、レモングラス(シトラール、メチルヘプテノン、シトロネラール、ゲラニオール)、オレンジフラワー(リナロール、β−ピネン、リモネン)、オレンジ(リモネン、シトラール)、アニス(アネトール、サフロール)、クローブ(オイゲノール、オイゲニルアセタート、カリオフィレン)、ローズ(ゲラニオール、シトロネロール)、ローズマリー(ボルネオール、ボルニルエステル、カンファー)、ゼラニウム(ゲラニオール、シトロネロール、リナロール)、ラベンダー(リナリルアセタート、リナロール)、シトロネラ(ゲラニオール、シトロネロール、シトロネラール、カンフェン)、ユーカリ(ユーカリプトール)、ペパーミト(メントール、メンチルエステル)、スペアミント(カルボン、リモネン、ピネン)、冬緑油(サリチル酸メチル)、カンファー(サフロール、アセトアルデヒド、カンファー)、月桂樹(オイゲノール、ミルセン、チャヴィコール)、桂皮(シンナムアルデヒド、酢酸シンナミル、オイゲノール)、茶木(テルピネン−4−オール、シネオール)、及びニオイヒバ(α−ツジョン、β−ツジョン、フェンコン)から得られるものである。精油、それらの組成及び製造は、カーク及びオスマー(Kirk & Othmer)の「工業化学百科事典(Encyclopedia of Chemical Technology)」(第4版)及びメルク・インデックス(Merck Index)(第13版)に詳細に記載されている。
【0017】
用語「口腔で許容可能なキャリア」は、フッ化物イオン源、抗結石又は抗歯石剤、緩衝剤、シリカなどの研磨剤、アルカリ金属重炭酸塩、増粘物質、保湿剤、水、界面活性剤、二酸化チタン、着香剤、甘味剤、キシリトール、着色剤、及びこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない、口腔ケア組成物に使用される安全且つ有効な物質、賦形剤又は添加剤を含む。
【0018】
本明細書に有用な活性物質及び他の成分は、美容及び/又は治療効果、若しくは、それらの前提とされる作用様式又は機能によって、本明細書中で分類又は記述することができる。しかしながら、本明細書に有用な活性物質及び他の成分が、場合によっては、1を超える美容及び/若しくは治療効果をもたらす、又は1を超える作用機序で機能若しくは作用する場合があることを理解すべきである。従って、本明細書での分類は便宜上実施したものであって、成分を具体的に規定した用途又は列挙した用途に制限しようとするものではない。
【0019】
本明細書において、用語「歯石」及び「結石」は、互換的に用いられ、石化した歯垢バイオフィルムを指す。
【0020】
本組成物は、必須構成成分並びに任意構成成分を含む。本発明の組成物の必須及び任意構成成分は、以下の項に記載される。
【0021】
本発明は、ミント油、特にメンタ又はメンタ様精油が組成物に存在する場合、一般に、スズ含有組成物に認められる悪臭が発生するという知見を含む。悪臭は、口腔用組成物にて不味をも生じる「オフノート(off-note)」又は「嫌な」臭いとして記述できる。ミント油以外に選択される代替香味剤がスズと共に配合でき、悪臭を形成しないこともあるが、香味にはミント構成成分が一般に望ましい。口腔用組成物は、ミントが口腔ケア組成物中の最も主要な香味であるような全体的にミント様の味を有するのがさらにより望ましい。香味油に存在する主要な悪臭前駆体種は、硫黄含有化合物、例えばジメチルスルホキシド(DMSO)、硫化ジメチル(DMS)、ジメチルジスルフィド及びジメチルスルホンであり、サンプルによっては300ppm以上の高い濃度を有するものがあることもまた見出されている。次の表は、スペアミント及びペパーミントサンプル中のDMSO及びDMSの濃度を示す。以下に示されるように、主要な種はDMSOであり、非常に少量のDMSが香味油中に存在する。
【表1】

【0022】
ペパーミントはI.P.キャリソン(I.P. Callison)によって、スペアミントはラビーミント(Labbeemint)によって供給されている。
【0023】
天然でのDMSOの発生が報告されている。例えば、選択された果実、植物、穀物及び飲料中のDMSOの天然濃度は、農産食品化学雑誌「J. Agric. Food Chem.」(1981年,29,1089〜91頁)に報告されている。報告されている最高濃度のものは紅茶飲料中の16ppmである。大部分のサンプルにおいて、検出された濃度は1ppm未満であったが、濃縮又は加工処理されたサンプル、例えばトマトペースト中ではより高濃度であった。DMSO濃度の増加は、商業的な加工処理中の硫化ジメチル(DMS)の酸化によるかもしれないと考えられていた。DMSは天然に広く見られ、多くの食品における特徴的な臭いの原因になっている。DMSOも、スペアミント油中に(「Anais De Academia Brasileira」、1972年、44(補足)、273〜7頁)、及びペパーミント油中に(農産食品化学雑誌「J. Agric. Food Chem.」、1980年,44(7)、1535〜43頁)に発生することが報告された。本明細書のミント香味油に見出された濃度の報告はない。
【0024】
理論に束縛されないが、ミント油中の硫黄含有化合物、特にDMSOは、スズイオンと反応し、認められる悪臭及び不味の原因となるチオール又はメルカプタンのような種を形成すると考えられる。スズイオンは、非常に強い還元特性を有し、DMSOと反応する場合に第二スズ形態に酸化されることで、DMSOを悪臭種のDMSに還元し、さらにメチルメルカプタン(CHSH)に還元される。悪臭発生を防ぐための1つの方法は、ミント油を浄化して悪臭前駆体を除去することであり、例えば同時出願された同時係属中の「硫黄含量の少ない香味油及び口腔ケア組成物での使用(FLAVOR OILS WITH REDUCED SULFUR CONTENT AND USE IN ORAL CARE COMPOSITIONS)」という表題の発明に記載されている。あるいは、悪臭は特定の「保護剤」構成成分をミント油と組み合わせて使用することによって防ぐことができることを本発明者らは見出した。こうした保護剤は、悪臭硫黄種と結合するトラップとして作用し、それによって悪臭を防ぐと考えられる化合物である。有利なことに、こうした保護剤の多くは香味成分(flavor ingredients)でもあり、従って香味系の一部として組み込むことができ、特定の香味プロファイルをも提供する。本発明の香味系はミント構成成分を用いた、十分で非常にバランスの取れた香味を提供し、悪臭のないスズ含有口腔用組成物に使用できる。口腔用組成物は悪臭も不味もないミント主体の香味を有する。
【0025】
香味系
本発明の香味系は、ミント油、保護剤構成成分及び任意に、甘味剤及びクーラント(coolant)を含む他の典型的な香味成分を含む。1以上のミント油が存在してもよい。1以上の保護剤を使用してもよい。他の香味構成成分、例えばクーラント又は他の香味剤も使用して香味系を形成してもよい。香味系は、通常、組成物の約0.01重量%〜約5重量%の量で口腔用組成物に存在する。好ましくは、香味系は、組成物の約0.02重量%〜約4重量%、より好ましくは、約0.1重量%〜約3重量%、及び最も好ましくは、約0.5重量%〜約2重量%で存在する。香味系の構成成分を以下で説明する。
【0026】
ミント油
ミント油としては、メンタ(Mentha)種の精油として規定されるもの、例えばピペリタ(piperita)又はアルベンシス(arvensis)、スピカタ(spicata)、カルジアカ(cardiaca)又はビリディス・クリスパ(viridis Crispa)が挙げられる。ミント油としては、ペパーミント、コーンミント及びスペアミントとして一般に知られるものが挙げられる。ミント油は、天然又は合成であってもよく、若しくは天然及び合成構成成分の組み合わせであってもよい。ミント油は、標準の蒸留及び/又は抽出装置を用いて分画又は精留し、所望しないいずれの構成成分を除去してもよい。ミント油は、通常2〜1300ppmの量で存在する。
【0027】
保護剤構成成分(Protectant Component)
好適な保護剤構成成分としては、銅塩及びカルボニル化合物、例えばアスコルビン酸[3−オキソ−L−グロフラノールアクトン]、シス−ジャスモン[3−メチル−2−(2−ペンテニル−2−シクロペンテノン]、2,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−3(2H)−フラノン、5−エチル−3−ヒドロキシ−4−メチル−2(5H)−フラノン、バニリン[4−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒド]、エチルバニリン、アニスアルデヒド[4−メトキシベンズアルデヒド]、3,4−メチレンジオキシベンズアルデヒド、3,4−ジメトキシベンズアルデヒド、4−ヒドロキシベンズアルデヒド、2−メトキシベンズアルデヒド、ベンズアルデヒド、シンナムアルデヒド[3−フェニル−2−プロペナール]、ヘキシルシンナムアルデヒド、α−メチルシンナムアルデヒド、オルト−メトキシシンナムアルデヒド、α−アミルシンナムアルデヒド、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0028】
上記保護剤の使用により、例えばメチルメルカプタン(チオール)及びジメチルスルフィド(DMS)のような揮発性の悪臭硫黄化合物の低減において作用すると考えられる主要な機構は、以下の化学反応にて示される。保護剤は、チオール又は硫化物と反応することによって「トラップ」として作用し、臭いの影響が少ない生成物を形成する。カルボニル化合物を含む反応は次の通りである。
【0029】
a)チオール又はアルキルスルフィドとマイケル受容体、すなわちα,β−不飽和カルボニル化合物とのマイケル反応により、以下に示されるような付加化合物が得られ、それは揮発性が低いか、又は不揮発性であることが多く、そのため発香性が低い。
【化1】

【0030】
b)以下のようにケトン及びアルデヒドはチオールと反応でき、チオケタール及びチオアセタールを与える。
【化2】

【0031】
フッ化第一スズ及び天然のペパーミント油を含有する系における悪臭生成への保護剤の影響を調査するため、20−mLのガラスバイアル瓶に、3mLの精留ペパーミント油(I.P.カリソン(I.P. Callison)によって供給される)、3mLの水、及び225mgのフッ化第一スズを含有するように調製した。コントロールを除く全てのバイアル瓶に、保護剤をペパーミント油の量の1%(v/v)で添加した。蓋をしたバイアル瓶を50゜Cにて72時間保管した。室温で平衡化した後、各バイアル瓶のヘッドスペースを固相微量抽出(SPME)繊維を用いてサンプリングした。各バイアル瓶から採取したサンプルについて、SPME繊維をGC入口に脱着し、揮発物をGCカラムにて分離し、流出物をイオウ化学発光検出器(SCD)を用いて分析した。メチルメルカプタン(MM)及び硫化ジメチル(DMS)のピーク面積を、これら化合物の濃度管理レベルと比較して評価し、以下の表に示されるとおり、保護剤は、フッ化第一スズ/ペパーミント油混合物における悪臭化合物MM及びDMSの測定濃度を相当量低減した。
【表2】

【0032】
保護剤構成成分の量は、選択された具体的な保護剤、選択された具体的なミント油及び量、スズイオンの量、添加される他の香味構成成分、及び口腔用組成物における所望の香味プロファイルに左右される。保護剤の一部は、着香特性を有し、バニラ、滑らかなクリーム様、又は桂皮のような香味特性を提供する。これらの各保護剤は、単独又は他の保護剤と共に使用できる。有効であることが分かっている判明している保護剤とミント油との重量比は、約2:1〜約1:300である。好ましくは、保護剤、例えばアスコルビン酸、シス−ジャスモン、2,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−3(2H)−フラノン、5−エチル−3−ヒドロキシ−4−メチル−2(5H)−フラノン、エチルバニリン、バニリン、アニスアルデヒド、3,4−メチレンジオキシベンズアルデヒド、3,4−ジメトキシベンズアルデヒド、4−ヒドロキシベンズアルデヒド、又は2−メトキシベンズアルデヒドを使用する場合、比は約1:1〜約1:200である。シンナムアルデヒド化合物のいずれかに関しては、保護剤とミント油との重量比は、好ましくは約1:2〜約1:16、より好ましくは約1:3〜約1:12である。ミント油に対する保護剤の比が高い場合、ミントでない香味が主となる場合がある。
【0033】
スズイオンを含有する口腔用組成物中の保護剤(類)の典型的な濃度は、シス−ジャスモン、2,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−3(2H)−フラノン、5−エチル−3−ヒドロキシ−4−メチル−2(5H)−フラノン、エチルバニリン又はバニリンは13〜2000ppm、アニスアルデヒド、3,4−メチレンジオキシベンズアルデヒド、3,4−ジメトキシベンズアルデヒド、4−ヒドロキシベンズアルデヒド又は2−メトキシベンズアルデヒドは6〜700ppm、ベンズアルデヒドは10〜100ppm、シンナムアルデヒド、ヘキシルシンナムアルデヒド、α−メチルシンナムアルデヒド、オルト−メトキシシンナムアルデヒド又はα−アミルシンナムアルデヒドは200〜2700ppmである。
【0034】
ミント油(単数又は複数)及び保護剤(単数又は複数)に加えて、香味系は追加の香味成分(flavor ingredients)を含んでいてもよく、それらとしては、冬緑油、クローブの芽の油、カッシア、セージ、パセリオイル、マジョラム、レモン、オレンジ、プロペニルグエトール、ヘリオトロピン、4−シス−ヘプテナール、ジアセチル、メチル−ρ−tert−ブチルフェニルアセテート、メントール、サリチル酸メチル、サリチル酸エチル、1−メンチルアセテート、オキサノン、α−イリソン、メチルシンナメート、ケイ皮酸エチル、ブチルシンナメート、酪酸エチル、酢酸エチル、アントラニル酸メチル、イソアミルアセテート、イソアミルブチラート、アリルカプロエート、オイゲノール、ユーカリプトール、チモール、ケイ皮酸アルコール、オクタノール、オクタナール、デカノール、デカナール、フェニルエチルアルコール、ベンジルアルコール、α−テルピネオール、リナロール、リモネン、シトラール、マルトール、エチルマルトール、アネトール、ジヒドロアネトール、カルボン、メントン、β−ダマセノン、イオノン、γ−デカラクトン、γ−ノナラクトン、γ−ウンデカラクトン、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。一般に好適な着香成分は、構造的特徴及びレドックス反応し難い官能基を有する化学物質である。これらに飽和した香味化学物質の誘導体、安定な芳香環、若しくはエステル基を含有する香味化学物質の誘導体が挙げられる。多少の酸化又は分解を受ける場合があっても、特徴又はプロファイルに著しい変化を生じない香味化学物質もまた好適である。香味成分は、単一又は精製化学物質として提供されるか、若しくは、天然油又は抽出物の添加によって構成成分中に供給されてもよい(相対的に不安定で所望の香味プロファイルを変える恐れがあり、その結果、感覚刺激の観点から許容できない生成物を生じる構成成分が、精製によって天然油又は抽出物から取り除かれていることが好ましい)。
【0035】
香味系はさらに、冷却剤又はクーラント、例えばメントール、メンチルエステル、カルボキサミド、ケタール、ジオール、及びこれらの混合物を含んでいてもよい。本発明の組成物に有用な好適なクーラントの例は、例えば「WS−3」として商業的に既知のN−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミドのようなパラメンタンカルボキサミド剤、「WS−23」として既知のN,2,3−トリメチル−2−イソプロピルブタナミド、N−ρ−ベンゼンアセトニトリル−メンタンカルボキシアミド、並びにWS−5、WS−11、WS−14、及びWS−30のようなシリーズの他のものである。さらなる好適なクーラントとしては、高砂(Takasago)製のTK−10として既知の3−1−メントキシプロパン−1,2−ジオール及びメントングリセロールアセタール(フレスコラット(Frescolat)(登録商標)MGA及びメンチルアセテート、メンチルアセトアセテート、メンチルラクテート(フレスコラット(Frescolat)(登録商標)、ハールマン・アンド・ライマー(Haarmann and Reimer)供給のML)のようなメンチルエステル類、及びV.マネ(V. Mane)製のフィスクール(Physcool)(商標名)として既知のコハク酸モノメンチル)が挙げられる。本明細書で使用する時、用語「メントール」及び「メンチル」としては、これらの化合物の右旋性及び左旋性の異性体、並びにこれらのラセミ混合物を含有する。TK−10は、米国特許第4,459,425号(アマノ(Amano)ら、1984年7月10日発行)に記載されている。WS−3及び他の薬剤が、米国特許第4,136,163号(ワトソン(Watson)ら、1979年1月23日発行)に記載されている。
【0036】
香味系は、典型的には甘味剤を含む。好適な甘味剤には、天然甘味剤及び人工甘味剤の両方が含まれる、当該技術分野において周知のものが挙げられる。好適な水溶性甘味剤としては、キシロース、リボース、グルコース(ブドウ糖)、マンノース、ガラクトース、フルクトース(果糖)、ショ糖(砂糖)、マルトース、転化糖(フルクトースとショ糖由来のグルコースとの混合物)、部分的に加水分解したデンプン、コーンシロップ固形物、ジヒドロカルコン、モネリン、ステビオシド、グリチルリチン、キシリトール及びエリスリトールのような単糖類、二糖類、及び多糖類並びに誘導体が挙げられる。好適な水溶性人工甘味剤としては、可溶性サッカリン塩、即ち、サッカリンナトリウム又はカルシウム塩、シクラメート塩、ナトリウム、3,4−ジヒドロ−6−メチル−1,2,3−オキサチアジン−4−オン−2,2−ジオキシドのアンモニウム塩、又はカルシウム塩、3,4−ジヒドロ−6−メチル−1,2,3−オキサチアジン−4−オン−2,2−ジオキシドのカリウム塩(アセスルファム−K)、サッカリンの遊離酸型等が挙げられる。他の好適な甘味剤としては、L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステル(アスパルテーム)及び米国特許第3,492,131号に記載されている物質、L−α−アスパルチル−N−(2,2,4,4−テトラメチル−3−チエタニル)−D−アラニンアミド水和物、L−アスパルチル−L−フェニルグリセリン及びL−アスパルチル−L−2,5,ジヒドロフェニル−グリシンのメチルエステル、L−アスパルチル−2,5−ジヒドロ−L−フェニルアラニン、L−アスパルチル−L−(1−シクロヘキシエン)−アラニン等の、L−アスパラギン酸由来の甘味剤のようなジペプチド系甘味剤が挙げられる。例えば、スクラロースの製品銘柄で既知である通常の砂糖(スクロース)の塩素化誘導体のような、天然素材の水溶性甘味剤由来の水溶性甘味剤、並びにタウマトコッカス・ダニエリ(thaumatococus danielli)(タウマチンI及びII)のようなタンパク質系甘味剤が使用できる。組成物は、好ましくは約0.1重量%〜約10重量%の甘味剤、好ましくは約0.1重量%〜約1重量%を含有する。
【0037】
香味系に加えて、唾液分泌剤、加温剤、及び麻酔剤を含んでよい。これらの薬剤は組成物中に、組成物の約0.001重量%〜約10重量%、好ましくは約0.1重量%〜約1重量%の濃度で存在する。好適な唾液分泌剤としては、高砂(Takasago)製のジャンブ(Jambu)(登録商標)が挙げられる。加温剤の例は、トウガラシ、及びニコチン酸ベンジルのようなニコチン酸エステルである。好適な麻酔剤としては、ベンゾカイン、リドカイン、クローブの芽の油、及びエタノールが挙げられる。
【0038】
スズイオン
本発明はまたスズイオンを含む。スズイオンは、可溶性又は難溶性のスズ化合物であることができるスズ源由来である。例としては、フッ化物、塩化物、塩化フッ化物、酢酸塩、ヘキサフルオロジルコン酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、グルコネート、クエン酸塩、リンゴ酸塩、グリシン酸塩、ピロホスフェート、メタホスフェート、シュウ酸塩、ホスフェート、炭酸塩、及びスズの酸化物が挙げられる。スズイオンは、通常、少なくとも約1000ppmスズ、好ましくは約2,000ppm〜約15,000ppmの量で存在する。より好ましくは、スズイオンは、約3,000ppm〜約13,000ppmで存在する。これは、歯の表面に送達するために組成物に存在するスズイオンの総量である。スズイオン源は、通常、最終組成物の約0.25重量%〜約11重量%の量で存在する。好ましくは、スズイオン源は約0.4%〜約7%、並びに、より好ましくは約0.45%〜約5%の量で存在する。
【0039】
スズイオン源は、貯蔵中、組成物の実際の使用前に、組成物中で完全にはイオン化していないのが好ましい。組成物が歯磨き時に唾液及び/又は水と接触すると、スズイオン源は完全にイオン化し、活性イオンが口腔に送達される。スズ塩類、特にフッ化第一スズ及び塩化第一スズを含有する歯磨剤については、マジェティ(Majeti)らへの米国特許第5,004,597号に記載されている。スズ塩歯磨剤の他の記載については、米国特許第5,578,293号に見出される。好ましいスズ塩はフッ化第一スズである。他の好適なスズ塩類としては、塩化第一スズ二水和物、酢酸第一スズ、酒石酸第一スズ、及びクエン酸第一スズナトリウム(sodium stannous citrate)が挙げられる。
【0040】
口腔で許容可能なキャリア材料
口腔で許容可能なキャリアを以下に記載する。それらは、口腔用組成物にとって安全ないずれかの材料を含む。キャリア材料は、活性剤又は非活性剤であってもよい。適したキャリア材料は、好ましくは悪臭種の前駆体である硫黄化合物を本質的に含んでいないものである。
【0041】
任意の活性剤
1.歯のホワイトニング活性物質
歯のホワイトニング活性物質は本発明の口腔ケア物質に含まれてもよい。ホワイトニングに適した活性物質は、過酸化物、亜塩素酸金属塩、過ホウ酸塩、過炭酸塩、ペルオキシ酸、過硫酸塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。適した過酸化物化合物としては、過酸化水素、過酸化尿素、過酸化カルシウム、及びこれらの混合物が挙げられる。好適な亜塩素酸金属塩には、亜塩素酸カルシウム、亜塩素酸バリウム、亜塩素酸マグネシウム、亜塩素酸リチウム、亜塩素酸ナトリウム、及び亜塩素酸カリウムが挙げられる。追加的ホワイトニング活性物質は、次亜塩素酸塩及び二酸化塩素であってもよい。好ましい過炭酸塩は、過炭酸ナトリウムである。好ましい過硫酸塩はオキソンである。
【0042】
2.抗歯石剤
デンタルケア製品に使用される既知の抗歯石剤はリン酸塩を含む。リン酸塩として、ピロリン酸塩、ポリホスフェート、ポリホスホン酸塩、及びこれらの混合物が挙げられる。ピロリン酸塩は、デンタルケア製品への使用が中でも一番良く知られている。ピロリン酸塩及びポリホスフェートイオンは、ピロリン酸塩又はポリホスフェートから歯に送達される。本発明の組成物に有用なピロリン酸塩には、ピロリン酸ジアルカリ金属塩、ピロリン酸テトラアルカリ金属塩、及びこれらの混合物が挙げられる。無水和物並びに水和物の形の、二水素ピロリン酸二ナトリウム(Na)、ピロリン酸四ナトリウム(Na)、及びピロリン酸四カリウム(K)が好ましい種である。上記ピロリン酸塩のいずれも使用されてよいが、ピロリン酸四ナトリウム塩が好ましい。例えばポリリン酸ナトリウム及びポリリン酸トリエタノールアミンも有用である。
【0043】
ピロリン酸塩は、カーク及びオスマー(Kirk & Othmer)の「工業化学百科事典(Encyclopedia of Chemical Technology)」(第3版、第17巻、ワイリー−インターサイエンス・パブリッシャーズ(Wiley-Interscience Publishers)、1982年)に、より詳細に記載されている。付加的な抗結石剤には、米国特許第4,590,066号(1986年5月20日発行)に開示されるピロリン酸塩又はポリホスフェートと、米国特許第3,429,963号(1969年2月25日発行)、同第4,304,766号(1981年12月8日発行)、及び同第4,661,341号(1987年4月28日発行)に開示されるようなポリアクリレート及び他のポリカルボキシレートと、米国特許第4,846,650号(1989年7月11日発行)に開示されるポリエポキシコハク酸塩と、英国特許第490,384号(1937年2月15日付)にて開示されるようなエチレンジアミン四酢酸と、米国特許第3,678,154号(1972年7月18日発行)にて開示されるようなニトリロ三酢酸及び関連化合物と、米国特許第3,737,533号(1973年6月5日発行)、同第3,988,443号(1976年10月26日発行)、及び同第4,877,603号(1989年10月31日発行)に開示されるようなポリホスホネートとが挙げられる。
【0044】
ピロリン酸塩の代わりに、又はピロリン酸塩と組み合わせて使用してもよい他の抗結石剤には、例えば米国特許第4,627,977号に記載のポリアクリレート及び無水マレイン酸又はマレイン酸及びメチルビニルエーテルのコポリマー(例えばガントレッツ(Gantrez))、並びに、ポリアミノプロパンスルホン酸(AMPS)、クエン酸亜鉛三水和物、ポリホスフェート(例えば、トリポリホスフェート、ヘキサメタホスフェート)、ジホスホネート(例えば、EHDP、AHP)、ポリペプチド(例えば、ポリアスパラギン酸及びポリグルタミン酸)及びこれらの混合物を含む合成アニオン性ポリマーなどの既知の材料が挙げられる。
【0045】
3.フッ化物イオン源
フッ化物イオン源は、口腔ケア組成物において虫歯予防剤として使用が周知である。フッ化物イオンは、この目的のために多数の口腔ケア組成物、特に練り歯磨きに含有される。そのような練り歯みがきを開示している特許としては、米国特許第3,538,230号(1970年11月3日発行)、同第3,689,637号(1972年9月5日発行)、同第3,711,604号(1973年1月16日発行)、同第3,911,104号(1975年10月7日発行)、同第3,935,306号(1976年1月27日発行)、及び同第4,040,858号(1977年8月9日発行)が挙げられる。
【0046】
フッ化物イオンのエナメル質への適用は、歯を腐食から保護する役割を果す。多種多様なフッ化物イオン生成物質を、本発明の組成物の可溶性フッ化物源として採用することができる。好適なフッ化物イオン生成物質の例としては、米国特許第3,535,421号(1970年10月20日発行)及び同第3,678,154号(1972年7月18日発行)に、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化第一スズ及びフッ化アンモニウムなどが見出される。1つの実施形態において、本発明の送達システムを使用する場合、当該組成物は、歯の表面と接触する組成物内に、約50ppm〜10,000ppmのフッ化物イオンを提供し、別の実施形態では、約100ppm〜3000ppmのフッ化物イオンを提供する。
【0047】
4.抗菌剤
抗菌剤も、本発明の口腔ケア組成物又は口腔ケア物質に存在することができる。このような薬剤には、米国特許第3,506,720号及び欧州特許公開第0,251,591号(1988年1月7日公開)において、一般にトリクロサンと呼ばれ、メルク・インデックス(Merk Index)(1989年、第11版の1529頁、エントリーナンバー9573)に記載されている5−クロロ−2−(2,4−ジクロロフェノキシ)−フェノール、米国特許第4,994,262号(1991年2月19日)において開示されるものを含むがこれに限定されないフタル酸及びその塩、好ましくは、フタル酸一カリウムマグネシウム、クロルヘキシジン(メルク・インデックス2090番)、アレキシジン(メルク・インデックス222番)、ヘキセチジン(メルク・インデックス4624番)、サンギナリン(メルク・インデックス8320番)、塩化ベンザルコニウム(メルク・インデックス1066番)、サリチルアニリド(メルク・インデックス8299番)、臭化ドミフェン(メルク・インデックス3411番)、塩化セチルピリジニウム(CPC)(メルク・インデックス2024番)、塩化テトラデシルピリジニウム(TPC)、N−テトラデシル−4−エチルピリジニウムクロライド(TDEPC)、オクテニジン、デルモピノール、オクタピノール、及び、他のピペリジノ誘導体、ナイシン(nicin)調製物、亜鉛/スズ/銅イオン薬剤、抗生物質(オーグメンチン、アモキシシリン、テトラサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン及びメトロニダゾールなど)、及び上記の類縁体及び塩、チモール、ゲラニオール、カルバクロール、シトラール、ヒノキチオール、オイカリプトール、カテコール(特に4−アリルカテコール)及びそれらの混合物を含む精油、サリチル酸メチル、過酸化水素、亜塩素酸金属塩及び上記の物質の混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0048】
5.抗炎症剤
抗炎症剤は、本発明の口腔ケア組成物又は物質にも存在し得るこのような薬剤としては、ケトロラク、フルルビプロフェン、イブプロフェン、ナプロキセン、インドメタシン、アスピリン、ケトプロフェン、ピロキシカム、及びメクロフェナム酸などの非ステロイド性抗炎症剤又はNSAIDが挙げられるが、これらに限定されない。ケトロラクのようなNSAIDの使用は、米国特許第5,626,838号(1997年5月6日発行)で請求されている。その中に開示されているのは、口腔又は中咽頭にNSAIDの有効量を局所投与することにより、口腔又は中咽頭の原発性又は再発性扁平上皮細胞癌を予防及び、又は治療する方法である。
【0049】
6.栄養素
栄養素は、口腔の状態を改善させる可能性があり、本発明の口腔ケア組成物又は物質に含まれることができる。栄養素には、ミネラル、ビタミン、口腔栄養補給剤、経腸栄養補給剤、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0050】
本発明の組成物と共に含有されることができるミネラルとしては、カルシウム、リン、フッ化物、亜鉛、マンガン、カリウム及びこれらの混合物が挙げられる。これらのミネラルは、ルーズリーフ式医薬品情報サービスの「薬物の実際と比較(Drug Facts and Comparisons)」(ウォルタース・クリューアー社(Wolters Kluer Company)、ミズーリ州セントルイス(St. Lous)、版権、1997年、10〜17頁)に開示される。
【0051】
ビタミンは、ミネラルと共に含有されることもでき、又は別個に使用されることもできる。ビタミンには、ビタミンC、D及びE、チアミン、リボフラビン、パントテン酸カルシウム、ナイアシン、葉酸、ニコチンアミド、ピリドキシン、シアノコバラミン、パラ−アミノ安息香酸、バイオフラボノイド、及びこれらの混合物が挙げられる。このようなビタミンは、「薬物の実際と比較(Drug Facts and Comparisons)」(ウォルタース・クリューアー社(Wolters Kluer Company)、版権、1997年、3〜10頁)に開示される。
【0052】
「薬物の実際と比較(Drug Facts and Comparisons)」(ウォルタース・クリューアー社(Wolters Kluer Company)、版権、1997年、54〜54e頁)に開示されるように、口腔栄養補給剤にはアミノ酸、脂肪親和物質、魚油及びこれらの混合物が挙げられる。アミノ酸としては、L−トリプトファン、L−リシン、メチオニン、スレオニン、レボカルニチン又はL−カルニチン、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。脂肪親和物質としては、コリン、イノシトール、ベタイン、リノール酸、リノレン酸、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。魚油は、大量のオメガ−3(N−3)多不飽和脂肪酸、エイコサペンタエン酸、及びドコサヘキサエン酸を含有する。
【0053】
経腸の栄養補給剤としては、「薬物の実際と比較(Drug Facts and Comparisons)」(ウォルタース・クリューアー社(Wolters Kluer Company)、版権、1997年、55〜57頁)に開示されるように、タンパク質製品、グルコースポリマー、とうもろこし油、ベニバナ油、中鎖トリグリセリドが挙げられるが、これに限定されない。
【0054】
7.口及び喉用製品
本発明と共に使用できる他の物質には、一般に既知の口及び喉用製品が挙げられる。このような製品は、「薬物の実際と比較(Drug Facts and Comparisons)」(ウォルタース・クリューアー社(Wolters Kluer Company)、ミズーリ州セントルイス(St. Lous)、版権、1997年、520b〜527頁)に開示される。これらの製品は抗かび剤、抗菌剤及び鎮痛剤を含むが、これに限定されない。
【0055】
8.酸化防止剤
酸化防止剤は、一般に、本発明の組成物のようなものに有用であると認められている。酸化防止剤は、カデナス&パッカー(Cadenas and Packer)(版権)の「酸化防止剤便覧(The Handbook of Antioxidants)」(1996年、マーセル・デッカー社(Marcel Dekker, Inc.))などのテキストに開示されている。本発明の口腔ケア組成物又は物質に含有されてもよい酸化防止剤には、ビタミンE、アスコルビン酸、尿酸、カロチノイド、ビタミンA、フラボノイド及びポリフェノール、薬草系酸化防止剤、メラトニン、アミノインドール、リポ酸及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0056】
9.H−2拮抗物質
ヒスタミン−2(H−2又はH2)受容体拮抗化合物(H−2拮抗物質)は、本発明の口腔ケア組成物に使用してもよい。本明細書において使用されるように、選択的H−2拮抗物質は、H−2受容体を遮断するが、ヒスタミン−1(H−1又はH1)受容体の遮断の有意な活性の無い化合物である。選択的H−2拮抗物質としては、それぞれ1994年3月15日及び1994年11月15日に発行され、プロクター・アンド・ギャンブル社(Procter & Gamble)に譲渡されている米国特許第5,294,433号及び同第5,364,616号に開示され、上記の規定を満たす化合物が挙げられる。
【0057】
10.鎮痛活性物質
抗疼痛(anti-pain agent)又は減感剤も本発明の口腔ケア組成物又は物質中に存在できる。そのような薬剤としては、塩化ストロンチウム、硝酸カリウム、天然の薬草、例えば没食子、アサルム、クベビン、ガランガ、オウゴン、リアングミアンツェン(Liangmianzhen)、バイジ(Baizhi)などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0058】
11.抗ウイルス性活性物質
本組成物において有用な抗ウイルス性活性物質は、ウィルス感染を治療するために通常使用されるあらゆる既知の活性物質を含む。このような抗ウイルス性の活性物質は、「薬物の実際と比較(Drug Facts and Comparisons)」(ウォルタース・クリューアー社(Wolters Kluer Company)、版権、1997年、402(a)〜407(z)頁)に開示される。具体例には米国特許第5,747,070号(1998年5月5日発行)に開示される抗ウイルス性の活性物質が挙げられる。この特許は、ウイルスの制御にスズ塩類を使用することを開示する。スズ塩類及び他の抗ウイルス性活性物質は、カーク及びオスマー(Kirk & Othmer)の「工業化学百科事典(Encyclopedia of Chemical Technology)」(1982年、ワイリー・インターサイエンス・パブリッシャーズ(Wiley-lnterscience Publishers)、第3版、第23巻、42〜71頁)に詳述される。本発明で使用され得るスズ塩類は、有機スズカルボン酸塩及び無機スズハライドを含む。フッ化第一スズが使用され得るが、それは典型的に、別のスズハライド、1つ以上のスズカルボン酸塩、又は他の治療薬との組み合わせでのみ使用される。
【0059】
12.フェノール樹脂
例えば茶、クランベリー、ザクロ、オーク樹皮などからの植物供給源からのフェノール樹脂及び誘導体も、抗菌、抗炎症、及び酸化防止剤活性として、それらの有用性のために本発明の組成物に組み込まれてもよい。これらのフェノール樹脂及び誘導体の多くは、着香剤としても有用である。こうしたフェノール樹脂としては、カテキン、ガロカテキン没食子酸塩、エピカテキン(EC)、エピガロカテキン(EGC)、エピガロカテキン没食子酸塩(EGCG)、エピカテキン没食子酸塩(ECG)、テアフラビン、テアルビジン、アントシアニジン/プロアントシアニジン、及びアントシアニン(例えば、シアニジン、デルフィニジン、ペラルゴニジン、ペオニジン、マルビジン、及びペチュニジン)、タンニン酸、没食子酸、エラグ酸、エラギタニン、クルクミンが挙げられる。フェノール樹脂は、精製された化合物として、又は植物抽出物として供給されてもよい。口腔ケア活性物質として有用であるフェノール樹脂は、同一出願人に譲渡された米国特許出願11/595,530(US2007/0053849A1として公開)に開示されている。
【0060】
活性物質として又は香味剤として口腔ケア組成物に使用されるフェノール樹脂の多くは、酸化しやすく、即ち還元能を有し、そのため悪臭性硫黄種を生じるスズと同じ様式でDMSOと反応し得る。
【0061】
他の薬剤
上記の材料に加えて、多くの他の構成成分は、所望により加えられてもよい。
【0062】
1.水
本組成物は、実質的に非水溶性から水溶性にまで及ぶ。実質的に非水溶性とは、組成物が、ソルビトール又はその他の吸湿性の材料などの他の材料を有する組成物において通常導入される約5%未満の非常に低い水量を含み得ることを意味する。商業的に好適な水性の組成物の調製に使用される水は、イオン含有量が低く、有機不純物が含まれていないことが好ましい。水は一般に、本明細書の水性組成物の約5重量%〜約70重量%、及び好ましくは約20重量%〜約50重量%を構成する。これらの量の水は、他の材料と共に導入される水をプラスして加えられる遊離水を含む。
【0063】
2.結合剤系
本発明の歯磨剤組成物は、多糖類、カルボマー、ポロキサマー、改質セルロース、及びこれらの混合物からなる群から選択される増粘剤、並びに少なくとも一つの保湿剤を含む結合剤系を組み込む。増粘剤は、組成物の約0.05重量%〜約3重量%、及び好ましくは約0.1重量%〜約1.5重量%で含まれる。これらの結合剤系は、所望の稠度及びゲル化を組成物に提供する。結合剤系は更に追加の無機増粘剤を含んでもよい。保湿剤は練り歯磨き剤組成物の空気中への暴露による硬化を回避するのに役立ち、特定の保湿剤はまた練り歯磨き剤組成物に所望の甘味風味を付与することができる。発明に用いるのに適した保湿剤には、グリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、キシリトール、及びその他の食用多価アルコールが挙げられる。好ましいのは、グリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、及びこれらの混合物であり、特にこれらの混合物である。保湿剤は一般に、組成物の約0.1重量%〜約70重量%、好ましくは約1重量%〜約60重量%、及びより好ましくは約15重量%〜約55重量%で含まれる。
【0064】
結合剤系は、更に質感を改善するために、コロイド状のケイ酸アルミニウムマグネシウム又は超微粒子状シリカのような追加の無機増粘剤を更に含んでもよい。追加の無機増粘剤が存在する場合は、歯磨剤組成物の約0.1重量%〜約15重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約5重量%で用いることができる。
【0065】
3.緩衝剤
本組成物は緩衝剤を含有してもよい。本明細書で使用する時、緩衝剤とは、組成物のpHをpH約3.0〜pH約10の範囲に調整するために用いることができる薬剤を指す。緩衝剤には、アルカリ金属水酸化物、水酸化アンモニウム、有機アンモニウム化合物、炭酸塩、セスキ炭酸塩、ホウ酸塩、ケイ酸塩、リン酸塩、イミダゾール、及びこれらの混合物が挙げられる。具体的な緩衝剤には、リン酸一ナトリウム、リン酸三ナトリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカリ金属炭酸塩、炭酸ナトリウム、イミダゾール、ピロリン酸塩、クエン酸、及びクエン酸ナトリウムが挙げられる。緩衝剤は、本組成物の約0.1重量%〜約30重量%、好ましくは約0.1重量%〜約10重量%、及びより好ましくは約0.3重量%〜約3重量%の濃度で用いられる。
【0066】
4.砥粒研磨物質
砥粒研磨物質も、練り歯磨き組成物中に含まれてよい。本発明の組成物に用いることが考えられる砥粒研磨物質は、象牙質を過度に磨耗しない任意の物質であることができる。典型的な砥粒研磨物質には、ゲル及び沈殿を包含するシリカ、アルミナ、オルトリン酸塩、ポリメタリン酸塩、及びピロリン酸塩を包含するリン酸塩、及びこれらの混合物が挙げられる。具体例には、オルトリン酸二カルシウム二水和物、ピロリン酸カルシウム、リン酸三カルシウム、ポリメタリン酸カルシウム、不溶性ポリメタリン酸ナトリウム、水和アルミナ、βピロリン酸カルシウム(beta calcium pyrophosphate)、炭酸カルシウム、及び尿素及びホルムアルデヒドの粒子状縮合生成物のような樹脂性研磨物質、及び1962年12月25日に発行されクーリー(Cooley)らにより開示された米国特許第3,070,510号のような他のものが挙げられる。研磨剤の混合物を使用してもよい。歯磨剤組成物又は特定の相が、約4以上の平均鎖長を有するポリホスフェートを含む場合には、カルシウム含有研磨剤及びアルミナは、好ましい研磨剤ではない。最も好ましい研磨剤はシリカである。
【0067】
様々な種類のシリカ歯科用研磨剤は、歯のエナメル質又は象牙質を過度に削らない、優れた歯の清浄及び研磨性能という独特の効果があるため好ましい。他の研磨剤と同様に、本明細書のシリカ砥粒研磨物質は、一般に、約0.1ミクロン〜約30ミクロン範囲、好ましくは約5ミクロン〜約15ミクロンの範囲の平均粒径を有する。研磨剤は、沈殿シリカ、又はシリカキセロゲルのようなシリカゲルであることができ、米国特許第3,538,230号(ペイダー(Pader)ら、1970年3月2日発行)及び同第3,862,307号(ディギュリオ(DiGiulio)、1975年1月21日発行)に記載されている。例えば、商標名「シロイド(Syloid)」としてW.R.グレース・アンド・カンパニー、デイビソン・ケミカル・ディビジョン(W.R. Grace & Company Davison Chemical Division)から市販されているシリカキセロゲル、及びJ.M.フーバーコーポレーション(J. M. Huber Corporation)から商標名ゼオデント(Zeodent(登録商標))で市販されるもの、特に、ゼオデント(Zeodent(登録商標))119、ゼオデント(Zeodent(登録商標))118、ゼオデント(Zeodent(登録商標))109、及びゼオデント(Zeodent(登録商標))129という名称のシリカといった沈殿シリカ物質が挙げられる。本発明の練り歯磨きに有用なシリカの歯科用研磨剤のタイプは、米国特許第4,340,583号(1982年7月21日発行)のワソン(Wason)に、並びに同一出願人に譲渡された同第5,603,920号、同第5,589,160号、同第5,658,553号、同第5,651,958号、及び同第6,740,311号にて詳細に記載されている。
【0068】
研磨剤の混合物は、上記に列挙された様々な等級のゼオデント(Zeodent)(登録商標)シリカ研磨剤の混合物のように用いることができる。本発明の歯磨組成物中の研磨剤の合計量は、典型的には約6重量%〜約70重量%の範囲であり、練り歯磨きは、好ましくは組成物の約10重量%〜約50重量%の範囲の研磨剤を含有する。本発明の歯科用溶液、口腔スプレー、うがい薬、及び非研磨剤ゲル組成物は、典型的には、少量の研磨剤しか含まない、又は研磨剤を全く含まない。
【0069】
4.歯直接剤(Tooth Substantive Agent)
本発明は、高分子界面活性剤(PMSA)のような歯直接剤を含んでよく、これは高分子電解質であり、より具体的にはアニオン性ポリマーである。PMSAは、アニオン基、例えば、ホスフェート、ホスホネート、カルボキシ、又はこれらの混合物を含有し、従って、カチオン性又は正に荷電した実体と相互作用する能力を有する。「無機質」記述子は、ポリマーの界面活性又は直接性がリン酸カルシウム無機質又は歯のような無機質表面に向かうことを伝えることを意図する。
【0070】
着色汚れ予防効果のために、PMSAは本組成物で有用である。PMSAは、その反応性又は直接性により、無機質表面に着色汚れ予防効果を提供し、望ましくない吸着外被タンパク質、具体的には、歯を着色する色素体(color body)の結合、結石の発達、及び望ましくない微生物種の誘引と関連するものの一部を脱離させると考えられる。これらのPMSAの歯上への定着はまた、歯の表面上の色素体の結合部位を壊すため、着色汚れの発生を防止することもできる。
【0071】
PMSAの、スズイオン及びカチオン性抗微生物剤のような口腔ケア製品の着色汚れ促進成分に結合する能力もまた、有用であると考えられる。PMSAはまた、表面熱力学特性及び表面フィルム特性に望ましい影響を与える歯表面調節効果を提供し、これは洗浄又はブラッシング中、及び最も重要なことに洗浄又はブラッシング後の両方に、改善された清浄な感触美的特徴を付与する。これらの高分子剤の多くもまた、口腔組成物に適用される際歯石制御効果を提供し、従って消費者に歯の外観及びそれらの触感の改善を提供することが既知であるか又は期待されている。
【0072】
望ましい表面効果としては、1)処理直後、親水性歯表面を形成すること、並びに、2)ブラッシング及び洗浄後、並びにより長い期間を含む製品の使用後の長期間にわたって、表面調節効果及び外被フィルムの制御を維持すること、が挙げられる。親水性の増大した表面を作製することによる効果は、水の接触角の相対的な減少の点で測定できる。親水性表面は、重要なことに、製品使用後の長期間にわたって、歯の表面に保持される。
【0073】
ポリマー無機質界面活性剤としては、歯表面に強い親和性を有し、ポリマー層又はコーティングを歯表面に沈着させ、所望の表面改質効果を生み出す任意の剤が挙げられる。かかるポリマーの好適な例は、縮合リン酸化ポリマーのような高分子電解質ポリホスホネート、ホスフェート若しくはホスホネート含有モノマー若しくはポリマーと、エチレン性不飽和モノマー及びアミノ酸のような他のモノマーとのコポリマー、又はタンパク質、ポリペプチド、多糖類、ポリ(アクリレート)、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(メタクリレート)、ポリ(エタクリレート)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリレート)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(無水マレイン酸)、ポリ(マレエート)、ポリ(アミド)、ポリ(エチレンアミン)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)、ポリ(ビニルアセテート)、及びポリ(ビニルベンジルクロライド)のような他のポリマーとのコポリマー、ポリカルボキシレート及びカルボキシ置換ポリマー、並びにこれらの混合物である。好適なポリマー無機質界面活性剤としては、米国特許第5,292,501号、同第5,213,789号、同第5,093,170号、同第5,009,882号、及び同第4,939,284号(全てデゲンハート(Degenhardt)ら)に記載されているカルボキシ置換アルコールポリマー、米国特許第5,011,913号(ベネディクト(Benedict)ら)のジホスホネート−誘導体化されたポリマー、米国特許第4,627,977号(ガッファー(Gaffar)ら)に記載されているようなポリアクリレートを含む合成アニオン性ポリマー及び無水マレイン酸又はマレイン酸、及びメチルビニルエーテルのコポリマー(例えば、ガントレッツ(Gantrez))が挙げられる。好ましいポリマーは、ジホスホネート修飾ポリアクリル酸である。活性を有するポリマーは、外被タンパク質を脱着し且つエナメル質表面に結合したままにするのに十分な表面結合性を有しなければならない。歯の表面では、末端又は側鎖にホスフェート又はホスホネート官能基を有するポリマーが好ましいが、無機質結合活性を有する他のポリマーも吸着親和性に依存して有効であることを示す場合がある。
【0074】
好適なホスホネートを含有するポリマー無機質界面活性剤の追加例としては、米国特許第4,877,603号(デゲンハート(Degenhardt)ら)にて抗結石剤として開示されているジェム状ジホスホネートポリマー、同第4,749,758号(ダーシュ(Dursch)ら)及び英国特許第GB1,290,724号(両方ともヘキスト(Hoechst)に譲渡されている)に開示される、洗剤及び洗浄組成物に使用するのに好適なホスホネート基含有コポリマー、並びに米国特許第5,980,776号(ザキハニ(Zakikhani)ら)及び同第6,071,434号(デービス(Davis)ら)において、歯石及び腐食防止、コーティング、セメント、並びにイオン交換樹脂を含む用途に有用であると開示されているコポリマー及びコテロマーが挙げられる。追加のポリマーとしては、英国特許第GB1,290,724号に開示されているビニルホスホン酸、アクリル酸、及びそれらの塩の水溶性コポリマーが挙げられ、ここでこのコポリマーは約10重量%〜約90重量%のビニルホスホン酸及び約90重量%〜約10重量%のアクリル酸を含有し、より詳細にはこのコポリマーはビニルホスホン酸とアクリル酸との重量比が70%ビニルホスホン酸と30%アクリル酸、50%ビニルホスホン酸と50%のアクリル酸、又は30%のビニルホスホン酸と70%のアクリル酸である。他の好適なポリマーとしては、1個以上の不飽和C=C結合を有するジホスホネート又はポリホスホネートモノマー(例えば、ビニリデン−1,1−ジホスホン酸、及び2−(ヒドロキシホスフィニル)エチリデン−1,1−ジホスホン酸)と、不飽和C=C結合を有する少なくとも1種のさらなる化合物(例えば、アクリレート及びメタクリレートモノマー)と、を共重合することにより調製される、ザキクハニ(Zakikhani)及びデービス(Davis)により開示された水溶性ポリマーが挙げられ、これらは以下の構造を有するものなどである。
【0075】
1.以下の構造を有する、アクリル酸と2−(ヒドロキシホスフィニル)エチリデン−1,1−ジホスホン酸とのコテロマー:
【化3】

2.以下の構造を有するアクリル酸とビニルジホスホン酸とのコポリマー:
【化4】

好適なポリマーとしては、ロディア(Rhodia)から表記ITC1087(平均分子量3000〜60,000)及びポリマー1154(平均分子量6000〜55,000)として供給されているジホスホネート/アクリレートポリマーが挙げられる。
【0076】
好ましいPMSAは、イオン性フッ化物及び金属イオンのような口腔ケア組成物の他の構成成分に対して安定である。高含水製剤において加水分解が制限され、従って単純な単一相歯磨剤又は口内洗浄剤製剤を可能にするポリマーもまた好ましい。PMSAがこれらの安定特性を有しない場合、1つの選択肢は、フッ化物又は他の不適合構成成分から分離されたポリマー無機質界面活性剤を含む二相製剤である。別の選択肢は、非水性、実質的に非水性又は限定的な水分の組成物を配合し、PMSAと他の構成成分との間の反応を最低限に抑えることである。
【0077】
好ましいPMSAは、ポリホスフェートである。ポリホスフェートは一般に、主に直鎖構造に配置された2つ以上のホスフェート分子からなると理解されているが、幾つかの環状誘導体が存在する場合もある。ピロホスフェート(n=2)は理論的にはポリホスフェートであるが、所望のポリホスフェートは、有効濃度での表面吸着が十分な非結合のホスフェート官能基を生成し、これがアニオン性表面電荷及び表面の親水性特徴を強化するように、およそ3以上のホスフェート基を有するものである。所望の無機ポリホスフェート塩としては、特に、トリポリホスフェート、テトラポリホスフェート、及びヘキサメタホスフェートが挙げられる。テトラポリホスフェートよりも大きいポリホスフェートは、通常は非晶性ガラス状物質として生じる。以下の式を有する直鎖ポリホスフェートが、本発明で好ましい。
XO(XPO
式中、Xはナトリウム、カリウム、又はアンモニウムであり、nの平均は約3〜約125である。好ましいポリホスフェートは、ソーダフォス(Sodaphos)(n≒6)、ヘキサフォス(n≒13)、及びグラスH(Glass H)(n≒21)として商業的に既知であり、FMC社(FMC Corporation)及びアスタリス(Astaris)により製造されるような、平均約6〜約21のnを有するものである。これらのポリホスフェートは単独で又は組み合わせて用いることができる。ポリホスフェートは、酸性pH、具体的にはpH5未満で、高含水製剤中の加水分解の影響を受けやすい。従って、長鎖ポリホスフェート、具体的には、平均鎖長約21のグラスH(Glass H)を使用することが好ましい。かかる長鎖ポリホスフェートは、加水分解を受けている際、依然として歯上に沈着し、着色汚れ予防効果を提供するのに有効な短鎖ポリホスフェートを生成すると考えられている。
【0078】
他のポリリン酸化化合物、具体的には、フィチン酸、ミオ−イノシトールペンタキス(二水素リン酸)、ミオ−イノシトールテトラキス(二水素リン酸)、ミオ−イノシトールトリキス(二水素リン酸)、及びこれらのアルカリ金属、アルカリ土類金属、又はアンモニウム塩のような、ポリリン酸化イノシトール化合物を、ポリホスフェートに加えて又はその代わりに用いてよい。本明細書では、ミオ−イノシトール1,2,3,4,5,6−ヘキサキス(二水素リン酸)としても既知であるフィチン酸又はイノシトール六リン酸及びそのアルカリ金属、アルカリ土類金属又はアンモニウム塩が好ましい。本明細書では、用語「フィチン酸塩」は、フィチン酸及びその塩、並びにその他のポリリン酸化イノシトール化合物を含む。
【0079】
歯直接剤の量は、典型的には、総口腔用組成物の約0.1重量%〜約35重量%である。歯磨剤製剤では、該量は好ましくは約2%〜約30%、より好ましくは約5%〜約25%、及び最も好ましくは約6%〜約20%である。口内洗浄剤組成物では、歯直接剤の量は好ましくは約0.1%〜5%、並びにより好ましくは約0.5%〜約3%である。
【0080】
表面改質効果の形成に加えて、歯直接剤はまた不溶性塩を可溶化する機能も有する場合がある。例えば、グラスHポリホスフェートは不溶性のスズ塩類を可溶化することが分かっている。従って、スズ塩を含有する組成物では、グラスHはスズの着色汚れ促進効果の低減に寄与する。
【0081】
5.追加的な口腔で許容可能なキャリア
本組成物はまた、一般的に起泡剤と呼ばれる界面活性剤を含んでもよい。適した界面活性剤は、広いpH範囲を通じて適度に安定で及び泡立つものである。界面活性剤は、アニオン性、非イオン性、両性、双性イオン性、カチオン性、又はこれらの混合物であってよい。本明細書で有用なアニオン性界面活性剤としては、アルキルラジカルに8個〜20個の炭素原子を有するアルキルスルフェートの水溶性塩(例えば、アルキル硫酸ナトリウム)、及び8個〜20個の炭素原子を有する脂肪酸のスルホン化モノグリセリドの水溶性塩が挙げられる。ラウリル硫酸ナトリウム及びココナツモノグリセリドスルホン酸ナトリウムは、この種類のアニオン性界面活性剤の例である。他の好適なアニオン性界面活性剤は、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、タウレート、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、ラウレスカルボン酸ナトリウム及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムのようなサルコシネートである。アニオン性界面活性剤の混合物を使用してもよい。多数の好適なアニオン性界面活性剤が、米国特許第3,959,458号(アグリコーラ(Agricola)ら、1976年5月25日発行)に開示されている。本発明の組成物に用いることができる非イオン性界面活性剤は、アルキレンオキシド基(本質的には親水性)と、本質的には脂肪族又はアルキル−芳香族であってもよい有機疎水性化合物との縮合によって生成される化合物として広く定義できる。適した非イオン性界面活性剤の例には、ポロキサマー(商品名プルロニック(Pluronic)及びプルラフロ(Pluraflo)として販売)、ポリオキシエチレン、ポリオキシエチレンソルビタンエステル(商標名トゥイーンズ(Tweens)として販売)、ポリオキシル40硬化ヒマシ油、脂肪族アルコールエトキシレート、アルキルフェノールのポリエチレンオキシド縮合物、プロピレンオキシド及びエチレンジアミンの反応生成物とエチレンオキシドの縮合から得られる生成物、脂肪族アルコールのエチレンオキシド縮合物、長鎖第三級アミンオキシド、長鎖三級ホスフィンオキシド、長鎖ジアルキルスルホキシド、及びこうした物質の混合物が挙げられる。本発明において有用な両性界面活性剤は、脂肪族第二級及び第三級アミンの誘導体として広く記載されることができ、その際、脂肪族ラジカルは直鎖又は分枝鎖状であることができ、また脂肪族置換基の1つは約8〜約18個の炭素原子を含有し、1つは陰イオン性水溶性基、例えばカルボキシレート、スルホネート、硫酸塩、ホスフェート、又はホスホネートを含有する。他の好適な両性界面活性剤はベタイン、特に、コカミドプロピルベタインである。両性界面活性剤の混合物も使用できる。これらの好適な非イオン性及び両性界面活性剤の多くが、米国特許第4,051,234号(ギースキー(Gieske)ら、1977年9月27日発行)に開示されている。本組成物は、典型的には、約0.25重量%〜約12重量%、好ましくは約0.5重量%〜約8重量%、及び最も好ましくは約1重量%〜約6重量%の各濃度で1以上の界面活性剤を含む。
【0082】
ポロキサマーは、特に本発明の組成物に使用される好ましい界面活性剤である。ポロキサマーはまた、乳化剤、結合剤、安定剤、及び他の関連機能として機能してもよい。本発明に好適なポロキサマーは、ポロキサマー(Poloxamer)407及びプルラフロ(Pluraflo)L4370である。
【0083】
本組成物に使用してよい他の乳化剤としては、B.F.グッドリッチ(B.F.Goodrich)から入手可能なペミュレン(Pemulen)(登録商標)シリーズのような高分子乳化剤が挙げられ、これは、主に、疎水性物質用の乳化剤として有用な高分子量のポリアクリル酸ポリマーである。
【0084】
本発明はまた、研磨、脱臭、緩衝、及びpH調節を含む多くの機能を提供する、アルカリ金属重炭酸塩を含んでもよい。重炭酸ナトリウムは重曹としても知られ、一般に使用されるアルカリ金属重炭酸塩である。本組成物は、約0.5%〜約30%、好ましくは約0.5%〜約15%、並びに最も好ましくは約0.5%〜約5%のアルカリ金属重炭酸塩を含有してもよい。
【0085】
二酸化チタンもまた本組成物に添加されてもよい。二酸化チタンは、組成物に不透明感を加える白色粉末である。二酸化チタンは、一般に、歯磨剤組成物の約0.25重量%〜約5重量%を構成する。
【0086】
着色剤もまた本組成物に添加されてもよい。着色剤は水溶液の形態であってもよく、好ましくは1%の着色剤水溶液であってもよい。着色溶液は、一般に組成物の約0.01重量%〜約5重量%を構成する。
【0087】
本組成物中に用いられてもよい他の任意の薬剤には、アルキルジメチコンコポリオール及びアルコキシジメチコンコポリオールから選択されるジメチコンコポリオール、例えばC12〜C20アルキルジメチコンコポリオール及びこれらの混合物が挙げられる。極めて好ましいのは、アビル(Abil)EM90の商品名で市販されているセチルジメチコンコポリオールである。ジメチコンコポリオールは一般に、約0.01重量%〜約25重量%、好ましくは約0.1重量%〜約5重量%、より好ましくは約0.5重量%〜約1.5重量%の濃度で存在する。ジメチコンコポリオールは、歯の良い感触効果を提供するのに役立つ。
【0088】
使用方法
本発明は、歯の洗浄並びに虫歯、微生物感染、歯垢、結石、着色汚れ及び口腔内の悪臭、及び歯の侵食を含む、望ましくない口腔内状態の予防方法にも関する。
【0089】
本明細書の使用方法は、対象者の歯のエナメル質表面及び口腔粘膜に、本発明による口腔用組成物を接触させることを含む。使用方法は、歯磨剤を用いるブラッシング、歯磨剤スラリー又は口内洗浄剤を用いるすすぎ、若しくはガム製品の咀嚼によってもよい。他の方法には、局所用口腔ゲル、口内スプレー、又は他の形態と対象者の歯及び口腔粘膜との接触が含まれる。対象者は、その歯の表面が口腔用組成物に接触する、いずれのヒト又は他の動物であってもよい。「動物」とは、家庭用ペット若しくは他の家畜、又は飼われている動物を含むことを意味する。
【0090】
例えば処理方法としては、歯磨剤組成物の1種を用いてヒトがイヌの歯をブラッシングすることを含んでよい。別の例としては、効果を確認するのに十分な時間、ネコの口を口腔用組成物ですすぐことが挙げられる。チュー(chew)及びおもちゃのようなペットケア製品は、本口腔用組成物を含有するように配合することができる。組成物は、生皮、天然繊維又は合成繊維製のロープ、及びナイロン、ポリエステル又は熱可塑性ポリウレタン製の高分子物品のような、比較的柔軟であるが強くて丈夫な材料に組み込まれる。動物が製品を噛む、なめる又はかじる時に、組み込まれた活性要素が動物の口腔の唾液媒体中に放出され、これは効果的なブラッシング又はすすぎに匹敵する。
【実施例】
【0091】
以下の実施例は、本発明の範囲内にある実施形態を更に説明及び実証する。これらの実施例は単に例示することが目的であり、これらの多くの変更が発明の精神及び範囲から逸脱することなく可能であるので、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0092】
ミント油及び保護剤構成成分を含有する香味系を以下に記載する。
【0093】
(実施例I)
【表3】

【0094】
(実施例II)
【表4】

【0095】
スズイオン、ミント油及び実施例I及びIIの保護剤(類)を含有する香味系、並びに口腔で許容可能なキャリアを含有する口腔用組成物を以下に記載する。スズと、ミント油及び保護剤からなる香味系とを含有する口腔用組成物は、異臭及び不味を有さない。同量のスズ及びミント油を含有するが、保護剤を含有しない口腔用組成物は、顕著な悪臭及び不味を有し、口腔用組成物は審美的に快いものではない。
【0096】
(実施例III)
【表5】

ブリュッゲマンケミカル(Bruggemann Chemical)(米国ペンシルバニア州ニュートンスクエア(Newtown Square))より供給される、炭酸亜鉛AC
【0097】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく制限されるものとして理解されるべきではない。それよりむしろ、特に規定がない限り、こうした各寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0098】
「発明を実施するための最良の形態」で引用したすべての文献は、関連部分において本明細書に参照により組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを容認するものと解釈されるべきではない。この文書における用語のいずれかの意味又は定義が、参照により組み込まれる文献における用語のいずれかの意味又は定義と対立する範囲については、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義を適用するものとする。
【0099】
本発明の特定の諸実施形態を図示し、記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが当業者には自明である。従って、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
口腔ケア組成物であって、
a.スズイオンと、
b.(i)ミント油、並びに(ii)銅塩、アスコルビン酸、シス−ジャスモン、2,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−3(2H)−フラノン、5−エチル−3−ヒドロキシ−4−メチル−2(5H)−フラノン、バニリン、エチルバニリン、アニスアルデヒド、3,4−メチレンジオキシベンズアルデヒド、3,4−ジメトキシベンズアルデヒド、4−ヒドロキシベンズアルデヒド、2−メトキシベンズアルデヒド、ベンズアルデヒド、シンナムアルデヒド、ヘキシルシンナムアルデヒド、α−メチルシンナムアルデヒド、オルト−メトキシシンナムアルデヒド、α−アミルシンナムアルデヒド、及びこれらの混合物からなる群から選択される保護剤構成成分、を含む香味系と、
c.口腔で許容可能なキャリアと、
を含み、
保護剤構成成分とミント油との重量比が、2:1〜1:300、好ましくは1:1〜1:200、より好ましくは1:2〜1:16、更に好ましくは1:3〜1:12である、口腔ケア組成物。
【請求項2】
前記保護剤が、アスコルビン酸、シス−ジャスモン、2,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−3(2H)−フラノン、5−エチル−3−ヒドロキシ−4−メチル−2(5H)−フラノン、バニリン、エチルバニリン、アニスアルデヒド、シンナムアルデヒド、及びこれらの混合物から選択される、請求項1に記載の口腔用組成物。
【請求項3】
前記ミント油が、ペパーミント、スペアミント、コーンミント、及びこれらの混合物から選択される、請求項1に記載の口腔用組成物。
【請求項4】
前記口腔用組成物が、歯磨剤、歯用ゲル、歯肉縁下用ゲル、口内洗浄剤、口内スプレー、ムース、泡、義歯ケア製品、トローチ剤、チュアブル錠、チューインガム、及び歯に直接付着させるストリップから選択される形態である、請求項1に記載の口腔用組成物。
【請求項5】
前記口腔用組成物が70%未満の水を有する、請求項1に記載の口腔用組成物。
【請求項6】
前記スズイオンが、フッ化第一スズ、塩化第一スズ、塩化第一スズ二水和物、酢酸第一スズ、グルコン酸第一スズ、シュウ酸第一スズ、硫酸第一スズ、乳酸第一スズ、及び酒石酸第一スズから選択されるスズ塩類の1つ又は混合物由来である、請求項1に記載の口腔用組成物。
【請求項7】
前記香味系が、0.01〜5重量%である、請求項1に記載の口腔用組成物。
【請求項8】
好ましくは冬緑油、クローブの芽の油、カッシア、セージ、パセリオイル、マジョラム、レモン、オレンジ、プロペニルグエトール、ヘリオトロピン、4−シス−ヘプテナール、ジアセチル、メチル−ρ−tert−ブチルフェニルアセテート、メントール、サリチル酸メチル、サリチル酸エチル、1−メンチルアセテート、オキサノン、α−イリソン、ケイ皮酸メチル、ケイ皮酸エチル、ブチルシンナメート、酪酸エチル、酢酸エチル、アントラニル酸メチル、イソアミルアセテート、イソアミルブチラート、アリルカプロエート、オイゲノール、ユーカリプトール、チモール、ケイ皮アルコール、オクタノール、オクタナール、デカノール、デカナール、フェニルエチルアルコール、ベンジルアルコール、α−テルピネオール、リナロール、リモネン、シトラール、マルトール、エチルマルトール、アネトール、ジヒドロアネトール、カルボン、メントン、β−ダマセノン、イオノン、γ−デカラクトン、γ−ノナラクトン、及びγ−ウンデカラクトンから選択される1以上の追加の香味成分を含む、請求項1に記載の口腔用組成物。
【請求項9】
ポリホスフェート、フィテート、EDTA、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される成分を更に含む、請求項1に記載の口腔用組成物。

【公開番号】特開2013−32371(P2013−32371A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−217187(P2012−217187)
【出願日】平成24年9月28日(2012.9.28)
【分割の表示】特願2009−518390(P2009−518390)の分割
【原出願日】平成19年7月6日(2007.7.6)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】