説明

口腔用組成物及び口腔疾患原因菌の歯面定着抑制剤

【課題】口腔内細菌の歯面への定着抑制効果及びその持続性に優れ、かつ良好な使用感を有する口腔用組成物及び口腔疾患原因菌の歯面定着抑制剤を提供する。
【解決手段】(A)アルキルジアミノエチルグリシン、(B)セチルピリジニウム塩及び(C)ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリドを含有し、(A)成分/(B)成分の質量比が0.1〜10であることを特徴とする口腔用組成物。更に、上記口腔用組成物に(D)酸化エチレン平均付加モル数が60〜100のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を配合する。
上記(A)〜(C)成分からなり、(A)成分/(B)成分の質量比が0.1〜10であることを特徴とする口腔疾患原因菌の歯面定着抑制剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口腔疾患の原因となる細菌の歯面への定着抑制効果及びその持続性に優れ、使用感も良好な口腔用組成物及び口腔疾患原因菌の歯面定着抑制剤に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デンタルプラークはバイオフィルムとして捉えられ(非特許文献1)、う蝕、歯周病、口臭等の口腔疾患の原因となることが明らかとなっている。バイオフィルムの形成は、歯面への細菌の定着から始まるため、歯面への細菌定着を抑制することはバイオフィルムの形成抑制、ひいては口腔疾患の予防に極めて重要である。実際の口腔では、歯面にストレプトコッカス ミュータンス菌以外の細菌が定着し、その細菌を足掛りとしてミュータンス菌が定着するため、歯面への細菌定着を抑制するには、ミュータンス菌以外の細菌に対しても定着抑制効果を示す必要がある。更に、歯面に微量の細菌が定着すると指数関数的に細菌が増殖するため、充分な細菌の定着阻害効果を示し、かつその効果が例えば適用後に1〜2日間程度は持続するなどの効果の持続性が必要である。一方、口腔組成物としては、上記の有効性だけではなく、使用性が良好で、特に苦味がほとんどないことも重要である。
【0003】
従来、歯面への口腔内細菌の定着を抑制する技術としては、特定のアミノ酸配列を有するペプチド(特許文献1)、ポリリジンと非反応性シリコーン化合物とを組み合わせる技術(特許文献2)、ポリリジンとトレハロースと糖アルコールとを組合せる技術(特許文献3)などが提案されている。しかし、これら技術は、ミュータンス菌の歯面への定着を抑制することはできるものの、口腔疾患の原因となるミュータンス菌以外の細菌についての歯面への定着抑制効果やその持続性は十分とは言い難く、改善の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−192608号公報
【特許文献2】特開2004−107310号公報
【特許文献3】特開2007−8824号公報
【特許文献4】特開2003−155206号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Costerton,J.W.,Stewart,P.S. and Greenberg,E.P.:Bacterial biofilms:a common cause of persistent infections.Science 284:1318−1322,1999.
【非特許文献2】Monoi,N.,Ohta,H.,Morishima S. and Ochiai,Y.:Development of in vitro Biofilm Model:Artificial Food Supplementation in Chemostat−type System.Journal of Oral Biosciences.46:27−36,2004.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、口腔バイオフィルムの形成要因となり得る各種の口腔内細菌の歯面への定着抑制効果及びその持続性に優れ、かつ良好な使用感を有する口腔用組成物及び口腔疾患原因菌の歯面定着抑制剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、(A)アルキルジアミノエチルグリシンと、(B)セチルピリジニウム塩と、(C)ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリドとを併用し、かつ(A)アルキルジアミノエチルグリシン/(B)セチルピリジニウム塩の配合割合が質量比で0.1〜10であることにより、後述する実施例の実験結果から明らかなように、口腔内の細菌の歯面定着抑制効果及びその持続性に関して極めて高い有効性を示し、かつ使用感が良好な口腔用組成物が得られることを知見し、本発明をなすに至った。
【0008】
なお、アルキルジアミノエチルグリシン、セチルピリジニウム塩、ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油は、それぞれ口腔用組成物への配合成分として公知である。アルキルジアミノエチルグリシンやセチルピリジニウム塩は、殺菌剤として知られており、例えば特許文献4にも選択可能な成分として記載されている。しかし、これら各成分は、細菌の歯面への定着を抑制する効果及びその持続性については満足できるものではなかった。これに対して、本発明者らは、(A)アルキルジアミノエチルグリシン、(B)セチルピリジニウム塩及び(C)ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリドを組合せて配合し、かつ(A)/(B)の配合割合を特定範囲に設定することで、これら成分が相乗的に作用し、口腔バイオフィルムの形成要因となり得る各種の口腔内細菌の歯面への定着を抑制する優れた効果が発現し、かつその効果が有効に持続することを見出した。更に、上記(A)〜(C)成分を併用し、かつ(D)成分の特定のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を配合することで、上記(A)、(B)及び(C)成分に由来する苦味の発現を効果的に抑制でき、細菌の歯面定着抑制効果及びその持続性に優れる上、使用感がより良好な製剤が得られることを見出した。本発明によれば、口腔内でバイオフィルムを形成し、う蝕、歯周病、口臭等の口腔疾患の原因となる細菌、具体的にはストレプトコッカス ミュータンス菌に加えて、アクチノマイセス ナイスランディー、フゾバクテリウム ニュークレアタム等の各種の口腔内細菌が歯面へ定着するのを効果的に抑制できると共に、その抑制効果が口腔内に適用後、例えば適用から1〜2日程度持続し、細菌の増殖が抑制されて高い定着阻害効果が発揮されると考えられる。本発明のメカニズムの詳細は不明であるが、(A)〜(C)成分、更には(D)成分の併用により複合分子が形成され、各成分の作用が相乗的に高まって上記の優れた効果が得られると推測される。
【0009】
従って、本発明は下記の口腔用組成物及び口腔疾患原因菌の歯面定着抑制剤を提供する。
請求項1:
(A)アルキルジアミノエチルグリシン、(B)セチルピリジニウム塩、及び(C)ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリドを含有してなり、(A)成分/(B)成分の質量比が0.1〜10であることを特徴とする口腔用組成物。
請求項2:
(A)成分を0.005〜0.05質量%、(B)成分を0.0025〜0.125質量%、(C)成分を0.005〜0.5質量%含有することを特徴とする請求項1記載の口腔用組成物。
請求項3:
[(A)成分+(B)成分]/(C)成分の質量比が0.5〜7であることを特徴とする請求項1又は2記載の口腔用組成物。
請求項4:
更に、(D)酸化エチレンの平均付加モル数が60〜100のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を含有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の口腔用組成物。
請求項5:
(D)成分を0.01〜1.5質量%含有することを特徴とする請求項4記載の口腔用組成物。
請求項6:
洗口剤として調製されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の口腔用組成物。
請求項7:
(A)アルキルジアミノエチルグリシン、(B)セチルピリジニウム塩、及び(C)ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリドからなり、(A)成分/(B)成分の質量比が0.1〜10であることを特徴とする口腔疾患原因菌の歯面定着抑制剤。
請求項8:
[(A)成分+(B)成分]/(C)成分の質量比が0.5〜7であることを特徴とする請求項7記載の歯面定着抑制剤。
請求項9:
上記(A)、(B)及び(C)成分と、(D)酸化エチレンの平均付加モル数が60〜100のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油とからなることを特徴とする請求項7又は8記載の歯面定着抑制剤。
【発明の効果】
【0010】
本発明の口腔用組成物及び口腔疾患原因菌の歯面定着抑制剤は、細菌の歯面定着抑制効果及びその持続性に優れ、かつ使用感も良好である。本発明では、歯面にストレプトコッカス ミュータンス菌に加えて、その他の口腔内細菌の歯面への定着を効果的に抑制し、その持続性にも優れることから、口腔バイオフィルムの形成抑制、ひいては、う蝕、歯周病、口臭等の口腔疾患の予防や歯面のザラツキの低減に有効である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明につき更に詳細に説明すると、本発明の口腔用組成物及び口腔疾患原因菌の歯面定着抑制剤は、(A)アルキルジアミノエチルグリシン、(B)セチルピリジニウム塩、及び(C)ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリドを併用し、(A)成分/(B)成分が特定割合であることを特徴とする。
【0012】
(A)アルキルジアミノエチルグリシンは、両性界面活性剤の一種であり、タンパク質共存下においても浮遊菌に対する殺菌力が著しく減弱しないものである。
アルキルジアミノエチルグリシンとしては、特に限定されないが、アルキル基の炭素数が12〜14のものが好ましい。例えば、ラウリルジアミノエチルグリシン、ミリスチルジアミノエチルグリシン、更にはこれらを主成分とするヤシ油アルキルジアミノエチルグリシンなどが挙げられる。なお、アルキルジアミノエチルグリシンとしては、その塩酸塩やナトリウム塩などの塩を用いてもよい。
【0013】
このようなアルキルジアミノエチルグリシンは、市販品を使用でき、具体的には40質量%塩酸アルキルジアミノエチルグリシン水溶液(和光純薬工業社製試薬、三洋化成工業株式会社製 レボンLAG−40)、30質量%ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム水溶液(和光純薬工業社製試薬、三洋化成工業株式会社製 レボン15)などを挙げることができる。
【0014】
(A)アルキルジアミノエチルグリシンの配合量は、細菌定着抑制効果及びその持続性や苦味抑制の点から、純分換算で組成物全体の0.005〜0.05%(質量%、以下同様。)、特に0.01〜0.03%が好ましい。配合量が0.005%未満では充分な細菌定着抑制効果やその持続性が得られない場合があり、0.05%を超えると使用時に苦味が生じる場合があり、また刺激が生じるおそれがある。
【0015】
(B)セチルピリジニウム塩は、浮遊状態の細菌に対して静菌及び殺菌作用を示すことが知られている。本発明においてセチルピリジニウム塩としては、セチルピリジニウムの塩化物、臭化物などの塩を用いることができる。
セチルピリジニウム塩は市販品を使用でき、具体的には塩化セチルピリジニウムとして和光純薬工業社、MP Biomedicals, Incなどから入手できる。
【0016】
(B)セチルピリジニウム塩の配合量は、組成物全体の0.0025〜0.125%、特に0.01〜0.05%が好ましい。配合量が0.0025%未満では充分な細菌定着抑制効果やその持続性が得られない場合があり、0.125%を超えると使用時に強い苦味が生じる場合があり、また刺激が生じるおそれがある。
【0017】
本発明においては、(A)アルキルジアミノエチルグリシンと(B)セチルピリジニウム塩との配合比が適切な割合であることが必須である。その配合比は、細菌定着抑制効果及びその持続性の面から、(A)成分/(B)成分が質量比で0.1〜10、好ましくは0.25〜2である。質量比が0.1未満では、細菌定着抑制効果の持続性が充分ではなく、10を超えると、充分な細菌定着抑制効果やその持続性が得られない。また、0.1未満では強い刺激が生じるおそれがある。
【0018】
(C)ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリドは、カチオン性ポリマーで、ヘアスタイリングやコンディショニング成分として化粧料へ配合される成分として知られているが、本発明では細菌定着抑制効果やその持続性を発揮させるために配合される。
ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリドは市販品を用いることができ、例えば下記のものを例示できる。
セルコートL−200(日本エヌエスシー社製):
窒素含有量が0.1〜3%で、2%水溶液粘度が30〜3,000mPa・s(BH型ブルックフィールド粘度計、ローターNo.2、20回転、21℃、測定時間1分)
セルコートH−100(日本エヌエスシー社製):
窒素含有量が1.0%で、2%水溶液粘度が500〜2,750mPa・s(BH型ブルックフィールド粘度計、ローターNo.2、20回転、21℃、測定時間1分)
【0019】
(C)ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリドの配合量は、組成物全体の0.005〜0.5%、特に0.01〜0.1%が好ましい。配合量が0.005%未満では、細菌定着抑制効果やその持続性が満足に得られない場合があり、0.5%を超えると菌定着抑制効果やその持続性が十分ではなく、使用時に強い苦味が生じる場合がある。
【0020】
本発明では、[(A)成分+(B)成分]/(C)成分の割合を質量比で0.02〜20の範囲にすることが好ましく、このような範囲にすることで、細菌定着抑制効果及びその持続性をより高めることができ、かつ苦味もより少なくすることができる。
[(A)成分+(B)成分]/(C)成分の質量比は、細菌定着抑制効果及びその持続性をより高めたり、苦味をより少なくする点から、0.02〜20、特に0.5〜7が好ましい。配合比が0.02未満では、細菌定着抑制効果やその持続性を充分に向上できない場合があり、20を超えると苦味が強くなる場合があり、また刺激が生じるおそれがある。
【0021】
本発明では、更に(D)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を配合することが、使用感改善の点から好ましい。
(D)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油は、細菌定着抑制効果やその持続性の点から、酸化エチレンの平均付加モル数が60〜100であり、特に80〜100であることが好ましい。平均付加モル数が60未満では細菌定着抑制効果やその持続性に劣ることがあり、100を超えるものは一般には市販されていない。
【0022】
(D)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を配合する場合、その配合量は、組成物全体の0.01〜1.5%、特に0.1〜0.5%が好ましい。配合量が0.01%未満では、苦味が生じる場合があり、また刺激が生じるおそれがある。1.5%を超えると細菌定着抑制効果の持続性に悪影響が生じる場合がある。なお、(A)、(B)及び(C)成分に対する(D)成分の配合割合は特に制限されないが、[(A)成分+(B)成分+(C)成分]/(D)成分が質量比で0.01〜10が好ましく、0.1〜1が特に好ましい。0.01に満たないと細菌定着抑制効果の持続性に悪影響が生じる場合があり、10を超えると苦味を生じる場合がある。また、刺激が生じるおそれがある。
【0023】
本発明の口腔用組成物は、固体、固形物、液体、液状、ゲル体、ペースト状、ガム状等の形態、好ましくは液体又は液状に調製できる。剤型は、練歯磨、液体歯磨、液状歯磨、潤製歯磨等の歯磨類、洗口剤、ガム、口中清涼剤、歯間ケア剤など、特に洗口剤、液体歯磨、液状歯磨、練歯磨として、とりわけ洗口剤として調製できる。調製法は常法を採用できる。
本発明組成物は、その形態や剤型に応じ、上述した成分に加えて、更にその目的、組成物の種類等に応じた適宜な成分を配合することができる。具体的に歯磨剤では、研磨剤、(A)及び(D)成分以外の界面活性剤、粘結剤、粘稠剤、香料、甘味料、着色剤、防腐剤、(B)成分以外の有効成分などを、本発明の効果を妨げない範囲で通常量で用いることができる。洗口剤では、例えば湿潤剤、(A)及び(D)成分以外の界面活性剤、溶剤、防腐剤、香料、甘味剤、色素、(B)成分以外の有効成分、緩衝剤等を配合できる。
【0024】
研磨剤としては、例えば第2リン酸カルシウム・2水和物及び無水物、第1リン酸カルシウム、第3リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、不溶性メタリン酸ナトリウム、第3リン酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、ポリメタクリル酸メチル、ベントナイト、ケイ酸ジルコニウム等の1種以上を配合し得る(配合量は通常5〜90%、練歯磨の場合には10〜60%)。
【0025】
界面活性剤としては、(A)成分のアルキルジアミノエチルグリシンや(D)成分のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油以外の陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性イオン界面活性剤を配合してもよく、これらから選ばれる1種以上を配合し得る。
陰イオン界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸ナトリウム、水素添加ココナッツ脂肪酸モノグリセリドモノ硫酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、N−パルミトイルグルタミン酸ナトリウムなどのN−アシルグルタミン酸塩、N−メチル−N−アシルタウリンナトリウム、N−メチル−N−アシルアラニンナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0026】
非イオン界面活性剤としては、ショ糖脂肪酸エステル、マルトース脂肪酸エステル、ラクトース脂肪酸エステルなどの糖脂肪酸エステル、マルチトール脂肪酸エステル、ラクチトール脂肪酸エステルなどの糖アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ラウリン酸モノ又はジエタノールアミド、ミリスチン酸モノ又はジエタノールアミドなどの脂肪酸ジエタノールアミド、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセライド、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0027】
両性イオン界面活性剤としては、N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニウムベタイン、2−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリンベタインナトリウムなどが挙げられる。
これら界面活性剤の配合量は、本発明の効果を妨げない範囲で好ましくは0.1〜3%である。
【0028】
粘結剤としては、カラギーナン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロースナトリウムなどのセルロース誘導体、アルギン酸塩、アルギン酸プロピレングリコールエステル、キサンタンガム、トラガカントガム、カラヤガム、アラビヤガムなどのガム類、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルピロリドンなどの合成粘結剤等の有機粘結剤、シリカゲル、アルミニウムシリカゲル、ビーガム、ラポナイトなどの無機粘結剤等が挙げられ、これらの1種以上を配合できる(配合量通常0.3〜10%)。
【0029】
粘稠剤(湿潤剤)としては、ソルビット、キシリトール、マルチトール、ラクチトール等の糖アルコール、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ブチレングリコール、ペンタンジオール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール200〜20000、ポリプロピレングリコール300〜4000などの多価アルコール等が挙げられ、これらの1種以上を配合し得る(配合量通常10〜70%)。
また、溶剤としては水、一価アルコールなどが用いられる。一価アルコールとしてエタノール、イソプロパノール、ブタノール、プロパノールなどの低級アルコールが挙げられる。これらは1種又は2種以上を配合し得る。アルコールの配合量は純分換算で通常0.1〜20%である。
【0030】
香料として、ペパーミント油、スペアミント油、アニス油、ユーカリ油、ウィンターグリーン油、カシア油、クローブ油、タイム油、セージ油、レモン油、オレンジ油、ハッカ油、カルダモン油、コリアンダー油、マンダリン油、ライム油、ラベンダー油、ローズマリー油、ローレル油、カモミル油、キャラウェイ油、マジョラム油、ベイ油、レモングラス油、オリガナム油、パインニードル油、ネロリ油、ローズ油、ジャスミン油、イリスコンクリート、アブソリュートペパーミント、アブソリュートローズ、オレンジフラワー等の天然香料、及び、これら天然香料の加工処理(前溜部カット、後溜部カット、分留、液液抽出、エッセンス化、粉末香料化等)した香料や、メントール、カルボン、アネトール、シネオール、サリチル酸メチル、シンナミックアルデヒド、オイゲノール、3−l−メントキシプロパン−1,2−ジオール、チモール、リナロール、リナリールアセテート、リモネン、メントン、メンチルアセテート、N−置換−パラメンタン−3−カルボキサミド、ピネン、オクチルアルデヒド、シトラール、プレゴン、カルビールアセテート、アニスアルデヒド、エチルアセテート、エチルブチレート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、メチルアンスラニレート、エチルメチルフェニルグリシデート、バニリン、ウンデカラクトン、ヘキサナール、イソアミルアルコール、ヘキセノール、ジメチルサルファイド、シクロテン、フルフラール、トリメチルピラジン、エチルラクテート、エチルチオアセテート等の単品香料、更に、ストロベリーフレーバー、アップルフレーバー、バナナフレーバー、パイナップルフレーバー、グレープフレーバー、マンゴーフレーバー、バターフレーバー、ミルクフレーバー、フルーツミックスフレーバー、トロピカルフルーツフレーバー等の調合香料等、口腔用組成物に用いられる公知の香料素材を使用することができ、実施例の香料に限定されない。
【0031】
また、配合量も特に限定されないが、上記の香料素材は、製剤組成中に0.000001〜1%使用するのが好ましい。また、上記香料素材を併用した賦香用香料としては、製剤組成中に0.1〜2.0%使用するのが好ましい。
【0032】
甘味剤としては、サッカリンナトリウム、ステビオサイド、ステビアエキス、パラメトキシシンナミックアルデヒド、ネオヘスペリジルヒドロカルコン、ペリラルチン等が挙げられる。着色剤としては、青色1号、黄色4号、二酸化チタン等が挙げられる。
防腐剤としては、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン等のパラオキシ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウム等の安息香酸又はその塩などが挙げられる。
【0033】
有効成分として、クロルヘキシジン、デカリニウムクロライドなどの陽イオン性殺菌剤、トリクロサン、ヒノキチオール等のフェノール性化合物、デキストラナーゼ、ムタナーゼ、リゾチーム、アミラーゼ、プロテアーゼ、溶菌酵素などの酵素、モノフルオロリン酸ナトリウム、モノフルオロリン酸カリウムなどのアルカリ金属モノフルオロホスフェート、フッ化ナトリウム、フッ化第1錫などのフッ化物、トラネキサム酸、イプシロンアミノカプロン酸、アルミニウムクロルヒドロキシルアラントイン、ジヒドロコレスタノール、グリチルリチン酸類、グリチルレチン酸、ビサボロール、グリセロホスフェート、クロロフィル、塩化ナトリウム、水溶性無機リン酸化合物等の有効成分を1種以上配合し得る。なお、これら有効成分の配合量は、本発明の効果を妨げない範囲で有効量とすることができる。
【実施例】
【0034】
以下、実験例、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、以下の例において配合量はいずれも質量%である。
【0035】
〔実験例〕
表1〜3に示す試験組成物(洗口剤)を下記方法で調製し、下記に示す方法で細菌の歯面への定着抑制効果、及び歯面への定着抑制効果の持続性、更に使用感の評価を行った。結果を表1〜3に示す。
試験組成物の調製法:
各例の組成に従い、100mLの三角フラスコ(ハリオグラス社製)に(A)アルキルジアミノエチルグリシン、(B)セチルピリジニウム塩、(C)ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド、(D)酸化エチレンの平均付加モル数が60〜100のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を加え充分に混和した後、その他の物質を添加し、蒸留水を添加することで全量が50gになるように調製した。その後、容器ごと超音波洗浄機(28kHzの周波数で30分間)中で分散・溶解させたものを、直ちに実験に用いた。なお、比較例の組成物の調製は上記方法に準じて行った。
【0036】
<細菌の定着抑制効果の評価>
本評価は物井らの方法(非特許文献2)を改変して行った。即ち、ストレプトコッカス ミュータンス(Streptococcus mutans) ATCC 25175株,アクチノマイセス ナイスランディー(Actinomyces naeslundii) ATCC 51655株,フゾバクテリウム ニュークレアタム(Fusobacterium nucleatum) ATCC 10953株,ストレプトコッカス サングイニス(Streptococcus sanguinis) ATCC 10556株の各菌液40μLをそれぞれ、121℃で15分間オートクレーブした5mg/L ヘミン(シグマ アルドリッチ社製)及び1mg/L ビタミンK(和光純薬工業社製)を含むトッドへーウィットブロース(Becton and Dickinson社製)培養液(THBHM*1)4mLに添加し、37℃で一晩嫌気培養(80vol%窒素、10vol%二酸化炭素、10vol%水素)した。
同様に保存してあったベイヨネラ パービューラ(Veillonella parvula) ATCC 17745株菌液80μLを、121℃で15分間オートクレーブした1.26%乳酸ナトリウム(シグマ アルドリッチ社製)を含むトッドへーウィットブロース(Becton and Dickinson社製)培養液(THBL*2)4mLに添加し、同様に培養した。培養後、ベイヨネラ パービューラを除く4菌種の菌液から各300μLを採取し、それぞれ30mLのTHBHMに添加し、更に一晩培養した。ベイヨネラ パービューラの菌液から同様に300μLを採取し、30mLのTHBLに添加し、一晩培養した。
【0037】
再培養後、各菌液を遠心分離(10,000rpm、10min)し、上清を廃棄した。各沈渣(細菌)に対して121℃で15分間オートクレーブしたベイサルメディウムムチン培養液(BMM*3)を添加し、再懸濁した後、予めBMM 1000mLを入れた培養槽(直径140mm×高さ200mm)に、上記各菌数がそれぞれ1×107個/mLになるように接種し、スターラーで攪拌(約50rpmで回転)しながら、37℃、嫌気条件下(95vol%窒素、5vol%二酸化炭素)で一晩培養した。その後、BMMを100mL/hの速度で供給するとともに、同速度で培養液を排出した。上記培養槽から排出された培養液は、液量が300mLに保たれる別の培養槽(直径90mm×高さ190mm、37℃でインキュベート、スターラーで攪拌(約50rpmで回転))に連続的に供給した。この培養槽から培養液を30mL/hの速度で、付着担体であるハイドロキシアパタイトディスク(直径7mm×高さ3.5mm)を装着したフローセル(BioSurfrace Technologies社製)に供給した。フローセルへの培養液供給を1日間行った後、下記方法にてハイドロキシアパタイトディスクに定着した細菌数を測定した。なお、ハイドロキシアパタイトディスクは、培養液を供給する前に試験組成物(実施例及び比較例)5g又は生理食塩水(大塚製薬社製)5gに30秒間浸漬させた後、生理食塩水5gで3回洗浄を行った。
【0038】
ハイドロキシアパタイトディスクに定着した細菌数を測定するため、1日間の培養液供給を行った後のハイドロキシアパタイトディスクを取り出し、生理食塩水(大塚製薬社製)5gで3回洗浄した。その後、ハイドロキシアパタイトディスクを、生理食塩水4mLを添加した試験管に入れ、超音波分散(200μAの出力で10秒間)を行った。同液を10倍、100倍希釈した後、1、10、100倍希釈した液1mLを採取し、蛍光試薬(Baclight live/Dead stain、インビトロジェン社製)3μLを添加し、10分間静置した。同液についてフローサイトメーター(ベックマンコールター社製)を用いて、細菌数を測定した。測定値は希釈倍率を乗じた後、下記算出式で細菌定着抑制効果(抑制率 %)を求め、下記評価基準にて細菌定着抑制効果を評価した。
【0039】
【数1】

【0040】
評価基準:
◎:試験組成物の細菌定着抑制効果が、99%以上
○:試験組成物の細菌定着抑制効果が、90%以上99%未満
△:試験組成物の細菌定着抑制効果が、10%以上90%未満
×:試験組成物の細菌定着抑制効果が、10%未満
【0041】
<細菌の定着抑制効果の持続性評価>
本評価は、上記した細菌の定着抑制効果の評価法の一部を改変して行った。改変した箇所は、試験組成物処置後のハイドロキシアパタイトへの培養液供給を2日間にした点のみである。培養液供給日数を1日間から2日間へ変更することにより、細菌の定着抑制効果の持続性を評価した。下記算出式で細菌定着抑制効果の持続性(抑制率 %)を求め、下記評価基準にて細菌定着抑制効果の持続性を評価した。
【0042】
【数2】

【0043】
評価基準:
◎:試験組成物の細菌定着抑制効果の持続性が、99%以上
○:試験組成物の細菌定着抑制効果の持続性が、90%以上99%未満
△:試験組成物の細菌定着抑制効果の持続性が、10%以上90%未満
×:試験組成物の細菌定着抑制効果の持続性が、10%未満
【0044】
*1;THBHMの組成:1リットル中の質量で表す。
トッドへーウィットブロース
(Becton and Dickinson社製): 30g/L
ヘミン(シグマ アルドリッチ社製): 5mg/L
ビタミンK(和光純薬工業社製): 1mg/L
蒸留水: 残
(全量が1Lになるようにメスアップした。)
【0045】
*2;THBLの組成:1リットル中の質量で表す。
トッドへーウィットブロース
(Becton and Dickinson社製): 30g/L
60%乳酸ナトリウム水溶液(シグマ アルドリッチ社製): 21g/L
蒸留水: 残
(全量が1Lになるようにメスアップした。)
【0046】
*3;BMMの組成:1リットル中の質量で表す。
プロテオースペプトン
(Becton and Dickinson社製): 2g/L
トリプトン(Becton and Dickinson社製):1g/L
イーストエキストラクト
(Becton and Dickinson社製): 1g/L
ムチン(シグマ アルドリッチ社製): 2.5g/L
ヘミン(シグマ アルドリッチ社製): 1mg/L
ビタミンK(和光純薬工業社製): 0.2mg/L
KCl(和光純薬工業社製): 0.5g/L
システイン(和光純薬工業社製): 0.1g/L
蒸留水: 残
(全量が1Lになるようにメスアップした。)
【0047】
<使用感の評価>
実使用における使用感の評価として、苦味の強さを確認するため、次の評価を行った。即ち、評価被験者10名が、試験組成物10gを30秒間含嗽し、試験液を吐出した後、3分間ブラッシングした。同操作を1日2回、1週間継続した。最後の使用時に下記に示す評点に従い官能評価を行い、苦味(苦味の強さ)を計測した。被験者10名の評点の平均値を求めた後、下記評価基準にて結果を判定した。
【0048】
苦味の強さの評点:
5点:苦味がない
4点:苦味がほとんどない
3点:苦味がややある
2点:苦味がある
1点:苦味が強い
苦味の強さの評価基準:
◎:評点が4.5点以上
○:評点が3.5点以上4.5点未満
△:評点が2.5点以上3.5点未満
×:評点が2.5点未満
【0049】
【表1】

【0050】
【表2】

【0051】
【表3】

【0052】
**1;表中の配合量の数値は純分換算値(%)を示す。例えば実施例1では、実際は40%塩酸アルキルジアミノエチルグリシン水溶液(三洋化成工業株式会社製 レボンLAG−40)を0.0125%配合した。
**2;セルコートL−200(2%水溶液粘度が159mPa・s(BH型ブルックフィールド粘度計、ローターNo.2、20回転、21℃、測定時間1分))を使用。
**3;(A)成分の比較品。APAEGはアルキルポリアミノエチルグリシンを示す。表中の配合量の数値は純分換算値(%)を示す。50%塩酸アルキルポリアミノエチルグリシン水溶液(三洋化成工業社製)を0.04%配合した。
**4;(B)成分の比較品。CHXはグルコン酸クロルヘキシジン(シグマアルドリッチ社製)を示す。
**5;(C)成分の比較品。レオガードG(ライオン社製 2%水溶液粘度が350mPa・s(BH型ブルックフィールド粘度計、ローターNo.2、20回転、21℃、測定時間1分)、ライオン社製)を用いた。
【0053】
上記の結果より、(A)〜(C)成分の何れかの成分を欠く場合、あるいは(A)〜(C)成分を含有していても(A)成分/(B)成分の割合が不適切な場合(比較例)は、細菌の歯面定着抑制効果、歯面定着抑制効果の持続性に劣っていた。これらに対して、本発明の(A)〜(C)成分を含有し、かつ(A)成分/(B)成分の質量比が0.1〜10である場合(実施例)は、これら成分の併用によって相乗的な効果が発現し、細菌の歯面定着抑制効果及び歯面定着抑制効果の持続性に優れ、苦味がほとんどなく使用感も良好となることがわかり、本発明の優位性が示された。更に、[(A)成分+(B)成分]/(C)成分の質量比が0.5〜7であると、より高い効果が得られ、有効性が高まることがわかった。
また更に、(D)成分を配合することで、使用感が改善した。
【0054】
次に、下記組成の口腔用組成物を常法により調製し、上記実験例と同様に評価したところ、細菌の歯面定着抑制効果及びその持続性に優れ、良好な使用感を示すものであった。
【0055】
〔実施例29〕 洗口剤
(A)塩酸アルキルジアミノエチルグリシン**6 0.02%
(B)塩化セチルピリジニウム(和光純薬工業社製) 0.05
(C)ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド
(日本エヌエスシー社製 セルコート L−200) 0.01
(D)ポリオキシエチレン(100)硬化ヒマシ油(日本サーファクタント社製)
0.5
グリセリン 15.0
エタノール 15.0
サッカリンナトリウム 0.01
安息香酸ナトリウム 0.3
香料A 1.0
リン酸2ナトリウム 0.05
硝酸カリウム 1.0
精製水 残
計 100.0%
(A)成分/(B)成分=0.4
[(A)成分+(B)成分]/(C)成分=7.0
**6;40%塩酸アルキルジアミノエチルグリシン水溶液(和光純薬工業社製)を0.05%配合した。なお、(C)成分は実験例1と同じものを用いた。
【0056】
〔実施例30〕 液体歯磨
(A)ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム**7 0.01%
(B)塩化セチルピリジニウム(和光純薬工業社製) 0.01
(C)ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド
(日本エヌエスシー社製 セルコート H−100) 0.04
(D)ポリオキシエチレン(100)硬化ヒマシ油
(日本サーファクタント社製) 0.1
グリセリン 35.0
プロピレングリコール 5.0
ポリアクリル酸ナトリウム 0.5
無水ケイ酸 15.0
サッカリンナトリウム 0.3
安息香酸ナトリウム 0.3
トリクロサン 0.1
β−グリチルレチン酸 0.05
香料B 0.5
硝酸カリウム 3.0
トラネキサム酸 0.1
トリプトファン 0.5
精製水 残
計 100.0%
((A)成分/(B)成分=1.0
[(A)成分+(B)成分]/(C)成分=0.5
**7;30%ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム(三洋化成工業社製)を0.333%配合した。
【0057】
〔実施例31〕 液状歯磨
(A)塩酸アルキルジアミノエチルグリシン**8 0.03%
(B)塩化セチルピリジニウム(和光純薬工業社製) 0.015
(C)ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド
(日本エヌエスシー社製 セルコート H−100) 0.01
(D)ポリオキシエチレン(100)硬化ヒマシ油(日本サーファクタント社製)
0.3
無水ケイ酸 18.0
キサンタンガム 0.2
ポリアクリル酸ナトリウム 0.1
70%ソルビット液 35.0
グリセリン 17.0
プロピレングリコール 5.0
サッカリンナトリウム 0.3
香料A 0.8
精製水 残
計 100.0%
(A)成分/(B)成分=2.0
[(A)成分+(B)成分]/(C)成分=4.5
**8;40%塩酸アルキルジアミノエチルグリシン水溶液(和光純薬工業社製)を0.075%配合した。
【0058】
〔実施例32〕 練歯磨
(A)ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム**9 0.02%
(B)塩化セチルピリジニウム(和光純薬工業社製) 0.05
(C)ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド
(日本エヌエスシー社製 セルコート L−200) 0.05
(D)ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油(日本サーファクタント社製)
1.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム 2.0
ポリアクリル酸ナトリウム 0.3
70%ソルビット液 20.0
プロピレングリコール 4.0
ポリエチレングリコール4000 0.5
リン酸水素カルシウム・2水塩 35.0
無水ケイ酸 5.0
サッカリンナトリウム 0.15
香料B 1.1
精製水 残
計 100.0%
(A)成分/(B)成分=0.4
[(A)成分+(B)成分]/(C)成分=1.4
**9;30%ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム(三洋化成工業社製)を0.667%配合した。
【0059】
なお、香料A、Bの組成は下記表4の通りである。
【表4】

【0060】
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)アルキルジアミノエチルグリシン、(B)セチルピリジニウム塩、及び(C)ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリドを含有してなり、(A)成分/(B)成分の質量比が0.1〜10であることを特徴とする口腔用組成物。
【請求項2】
(A)成分を0.005〜0.05質量%、(B)成分を0.0025〜0.125質量%、(C)成分を0.005〜0.5質量%含有することを特徴とする請求項1記載の口腔用組成物。
【請求項3】
[(A)成分+(B)成分]/(C)成分の質量比が0.5〜7であることを特徴とする請求項1又は2記載の口腔用組成物。
【請求項4】
更に、(D)酸化エチレンの平均付加モル数が60〜100のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を含有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の口腔用組成物。
【請求項5】
(D)成分を0.01〜1.5質量%含有することを特徴とする請求項4記載の口腔用組成物。
【請求項6】
洗口剤として調製されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の口腔用組成物。
【請求項7】
(A)アルキルジアミノエチルグリシン、(B)セチルピリジニウム塩、及び(C)ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリドからなり、(A)成分/(B)成分の質量比が0.1〜10であることを特徴とする口腔疾患原因菌の歯面定着抑制剤。
【請求項8】
[(A)成分+(B)成分]/(C)成分の質量比が0.5〜7であることを特徴とする請求項7記載の歯面定着抑制剤。
【請求項9】
上記(A)、(B)及び(C)成分と、(D)酸化エチレンの平均付加モル数が60〜100のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油とからなることを特徴とする請求項7又は8記載の歯面定着抑制剤。

【公開番号】特開2012−121833(P2012−121833A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−273420(P2010−273420)
【出願日】平成22年12月8日(2010.12.8)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】