説明

口腔用組成物

【課題】口腔内における組成物の滞留性を高め、保湿剤などの薬効成分を留めることができる粘度を有し、一方口腔内に水分をすみやかに供給し潤いを広げることができる、口腔用組成物を提供する。
【解決手段】疎水変性ポリエーテルウレタン及び湿潤剤が配合されていることを特徴とする口腔用組成物;口腔内乾燥症の治療用組成物又は予防用組成物である上記口腔用組成物;該湿潤剤が、ソルビット、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、プロパンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、キシリット、マルチット、ラクチット及びトレハロースよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、上記口腔用組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は口腔用組成物に関する。より具体的には、本発明は、口腔内の乾燥症状の改善及び予防に有用な口腔用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、加齢とともに口腔に乾燥感を訴える患者が増加している。この原因としては、口腔内に分泌される唾液量が少なくなることや、薬剤の服用が増えることが挙げられる。乾燥を感じた際、水を飲んだり飴をなめるなどの対処ができる患者は口腔の重度な乾燥にはいたらないが、要介護者など自分で口を湿らせることのできない患者、特に経管栄養にて生命維持が図られ、経口摂取が途絶えている患者では、口腔内が過度に乾燥し、痰や汚れが口腔内粘膜にへばりついて痂皮と呼ばれるかさぶたができたり、口腔粘膜がひび割れたりといった症状が現れる。
これらの症状の治療及び予防は、単に患者の不快感を改善するという点のみならず、近年では、口腔内常在菌のバランスを保ち、口腔カンジダのような口腔感染症や、誤嚥性肺炎の発症を予防する点からも重要視されている。したがって、患者の口腔の湿潤を回復させ、患者に負担を与えず円滑に汚染物の除去を行なうと共に、口腔ケア後の口腔乾燥を予防することのできる製品が求められている。
【0003】
現在、口腔内を潤す製品として、保湿剤を配合したスプレーや、ジェル状の保湿クリームなどが報告され、また市販されている。スプレータイプは使用が簡便であるが、液の粘性が低くなければスプレーから噴射されないため、口腔内にとどまる十分な粘度がなく、頻繁に使用する必要がある。
一方ジェル状の保湿クリームとしては、口腔潤滑剤としても使用しうる、ポリビニルピロリドンとアニオン性粘膜付着性物質とを含む口腔ケア組成物(例えば、特許文献1参照)、唾液の代替物として使用しうる、熱可逆性ポリマーと生体接着性ポリマーとを含む熱可逆性組成物(例えば、特許文献2参照)などが報告されている。しかしながら、これらの組成物は、口腔内に保湿剤などの薬効成分を留めることはできるが、ジェル内に水分を閉じ込めた状態で口腔内にとどまるため、乾燥した口腔内に水分を供給し潤いを広げたり、乾燥した汚れをふやかし、清掃しやすくするには時間がかかる。
【0004】
要介護者向けの水分補給及び水分滞留性を目的とした口腔用組成物では、現在、低粘度液状のスプレーやペースト状のゲルが提案されている。例えば、低粘度液状スプレー(例えば、特許文献3参照)、及び滞留性を上げるために高分子化合物により粘度を上げた組成(例えば特許文献4及び5参照)が提案されている。しかしながら、低粘度液状スプレーでは口腔内での滞留性が不足する傾向があり、一方高分子化合物により粘度を上げた組成では、スプレーした際にノズルへの吸引が不可能であったり、スプレーした液体が霧状に広がることができずに一本又は複数の筋状に液体が吐出されてしまう傾向がある。一方、ペースト状では口腔内へ指又は棒状のものを用いて塗布する方法しかなく、介護する側もされる側にも負担の大きい使用形態であった。
【0005】
食品や化粧品分野で一般に使用されている、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガムのような増粘剤を含む水性組成物は、その粘度を上昇させるに従い組成物からの水分の滲出、すなわち組成物から口腔への水分の供与量が低下し、粘度1,000mPa・s(25℃)を越える前に水分を与える力はほぼ無くなってしまう。このような増粘剤の使用では、<1>口腔内における滞留性を高め乾燥を予防したり、保湿剤などの薬効成分を留めるための十分な粘度を組成物に付与することと、<2>組成物から口腔へ水分を十分に供給し、乾燥した口腔内を速やかに湿潤させること、を両立させるのは困難であった。
なお、皮膚外用剤や毛髪化粧料の成分として、疎水変性ポリエーテルウレタンが提案されている(例えば特許文献6及び7参照)。しかしながら、口腔用組成物において、口腔内での有効成分の滞留性や水分供給に有用であるか否かが明らかではなかった。
このような状況下、口腔内において有効成分の滞留性が高く、かつ水分をすみやかに広げることができて、口腔内において保湿効果を十分に持続させることができる口腔用組成物が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−508338号公報
【特許文献2】特開2005−526784号公報
【特許文献3】特開平11−165778号公報
【特許文献4】特開平8−333227号公報
【特許文献5】特開平11−12144号公報
【特許文献6】特開2005−343841号公報
【特許文献7】特開2006−062996号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、口腔内における組成物の滞留性を高め、保湿剤などの薬効成分を留めることができる粘度を有し、一方口腔内に水分をすみやかに供給し潤いを広げることができる、口腔用組成物を提供することである。本発明の目的はまた、スプレーにより霧状に噴霧し得る口腔用組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、乾燥した口腔内を速やかに湿潤させることができるよう、一定の水分供給能を有し、かつ口腔内に保湿剤などの薬効成分を留めるための十分な粘度を有する口腔用組成物を提供すべく鋭意検討した。具体的には<1>口腔内における滞留性を高め乾燥を予防したり、保湿剤などの薬効成分を留めるための十分な粘度を組成物に付与することと、<2>組成物から口腔へ水分を供給し、乾燥した口腔内を速やかに湿潤させること、を両立させる観点から、研究を重ねた。その結果、口腔用組成物に特定の成分を配合することにより、優れた口腔用組成物が達成できることを見出した。
【0009】
従って本発明は、疎水変性ポリエーテルウレタン及び湿潤剤が配合されていることを特徴とする口腔用組成物である。本発明の口腔用組成物は、口腔内の乾燥症状の改善及び予防に有用である。従って本発明はまた、口腔内乾燥症の治療用組成物又は予防用組成物である口腔用組成物を提供する。
本発明で使用する該湿潤剤の例として、多価アルコールが挙げられる。中でもソルビット、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、プロパンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、キシリット、マルチット、ラクチット及びトレハロースよりなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。本発明の口腔用組成物の実施態様として、疎水変性ポリエーテルウレタンの配合量が口腔用組成物の全質量を基準として0.01〜5.0質量%である口腔用組成物がある。本発明の口腔用組成物の実施態様として、該湿潤剤の配合量が口腔用組成物の全質量を基準として0.1〜60質量%である口腔用組成物がある。
本発明の口腔用組成物において、疎水変性ポリエーテルウレタン及び湿潤剤の配合割合を適宜選択することでき、中でも疎水変性ポリエーテルウレタンの配合量をA[質量%]、前記湿潤剤の配合量をB[質量%]としたとき、0.0002≦A/B≦50の関係を満足する口腔用組成物が好ましく挙げられる。
本発明の口腔用組成物は、25℃での粘度が1,000mPa・s〜100,000mPa・sの範囲にあることが好ましい。このような粘度は例えばB型粘度計を用いて測定することができる。
本発明の口腔用組成物には、さらに薬効成分を配合することができ、そのような薬効成分の例として、保湿剤、抗菌剤、抗炎症剤、フッ化物、ビタミン剤及び生薬エキスなどの少なくとも1種を用いることができる。本発明の口腔用組成物の好ましい剤型として、洗口液、液体歯磨剤及びマウススプレーが挙げられる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の口腔用組成物は、比較的高い粘度を有しながら、例えば25℃での粘度が1000〜100,000mPa・s 程度であるにもかかわらず、一定の水分供給能を有する。従って、乾燥した口腔内をすばやく潤し、乾燥した汚れに水分を浸透させ、患者に負担を与えることなく、汚れの除去を容易にする。本発明の口腔用組成物によれば、口腔内の乾燥症状を和らげたり、口腔内で乾燥し、こびりついた痰や汚れに水分をすばやく浸透させ、清掃しやすくすることができる。本発明の口腔用組成物は痂皮除去に有用である。本発明の口腔用組成物はまた、口腔湿潤剤として有用である。
一方で、本発明の口腔用組成物は、比較的高い粘度を有するため、口腔内における滞留時間の延長が期待される。したがって、本発明の口腔用組成物は、組成物自体が口腔内を覆うことによる乾燥の予防と共に、組成物に配合される保湿剤などの薬効成分を留めることにより、口腔の乾燥状態やそれに伴う疾患の治療及び予防に有用である。
本発明の口腔用組成物はまた、スプレーすることが可能であり、ノズルから噴霧した際には霧状に広がるため口腔内への広がりが良好である。この観点からも、本発明の口腔用組成物は、乾燥した口腔内をすばやく潤し、乾燥した汚れに水分を浸透させ、使用者に負担を与えることなく、汚れの除去を容易にする。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の口腔用組成物に使用しうる疎水変性ポリエーテルウレタンは、ポリオキシエチレン化された親水性鎖によって分離された少なくとも2つのC6−C30アルキル鎖を含むグラフト又はシーケンシャルポリマーである少なくとも1つの会合ポリウレタンである。より具体的には、例えばポリエチレングリコールとジイソシアネートとポリオキシエチレンアルキルエーテルの反応物(共重合体)が挙げられる。
一般に、ポリエチレングリコールは、エチレンオキシドを重合して得られる物質であり、粘稠性を有し、刺激がなく、水に溶け、しかも潤滑性があるその独特な性質から、水性ペイント、ペーパーコーティング、接着剤、印刷インキ、その他界面活性剤などに広く利用されている化合物である。ポリエチレングリコールは、薬物に対する溶解性、相溶性に優れていることより、生体関連分野である医薬品業界、化粧品業界では、医薬品製造、化粧品製造の重要な原料となっている化合物であり、特に、日本薬局方医薬品「マクロゴール」として、分子量の違いにより、種々の薬物の溶解剤や、賦形剤、化粧品原料として利用されている化合物でもある。上述したようなポリエチレングリコールの中でも、重合度が200〜2000のポリエチレングリコールが好ましく、重合度が200〜300のポリエチレングリコールがより好ましい。
【0012】
ジイソシアネートとしては脂肪族ジイソシアネートが好ましい。脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、メチレンジイソシアネート、ジメチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジプロピルエーテルジイソシアネート、2,2−ジメチルペンタンジイソシアネート、3−メトキシヘキサンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルペンタンジイソシアネート、ノナメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、3−ブトキシヘキサンジイソシアネート、1,4−ブチレングリコールジプロピルエーテルジイソシアネート、チオジヘキシルジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、パラキシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
【0013】
ポリオキシエチレンアルキルエーテルはHO−(CH2CH2O)n−Rで表され、nは平均重合度を表し、5〜25の重合度が好ましく、15〜20がより好ましい。またRはアルキル基を表す。アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ターシャリブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ターシャリペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2 − エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、ミリスチル、パルミチル、ステアリル、イソステアリル、イコシル、ドコシル、テトラコシル、トリアコンチル、2 − オクチルドデシル、2 − ドデシルヘキサデシル、2 − テトラデシルオクタデシル、2−デシルテトラデシルなどが挙げられる。
【0014】
本発明の口腔用組成物に使用する疎水変性ポリエーテルウレタンとして、市販品を使用することもできる。そのような市販品の例として、アクゾ社の商品名 ダプラルT210、及びダプラルT212、並びにロームアンドハース社の商品名 アクリソルなどが挙げられる。
【0015】
本発明の口腔用組成物における疎水変性ポリエーテルウレタンの配合量は、該組成物の25℃での粘度が1,000〜100,000mPa・sとなるような量が適当である。その配合量は、具体的には、口腔用組成物の全質量を基準にして0.01〜5.0質量%が好ましく、さらには0.1〜3.0質量%の範囲であるのが好ましい。疎水変性ポリエーテルウレタンの分子量は特に限定されるものではないが、口腔用組成物の全質量を基準にして0.01〜5.0質量%の含有量の範囲で、該組成物の25℃での粘度が1,000〜100,000mPa・sとなるような疎水変性ポリエーテルウレタンを使用することが好ましい。
【0016】
本発明の口腔用組成物に使用しうる湿潤剤は、医薬品・食品・化粧品原料として市販されているものであればよく、例えば、多価アルコール、さらに具体的にソルビット、グリセリン、濃グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、プロパンジオール(1,3−プロパンジオール)、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、キシリット、マルチット、ラクチット、トレハロースなどが挙げられ、これらの1種単独又は2種以上を組み合わせて配合することができる。
本発明の口腔用組成物における湿潤剤の配合量は、通常、口腔用組成物の全質量に対して0.1〜60質量%の範囲が適当であり、0.1〜55質量%が好ましく、さらに好ましくは1〜40質量%の範囲である。
【0017】
本発明の口腔用組成物において、疎水変性ポリエーテルウレタンと湿潤剤との配合割合を適宜選択することが好ましい。
疎水変性ポリエーテルウレタンの配合量をA[質量%]、湿潤剤の配合量をB[質量%]としたとき、0.0002≦A/B≦50の関係を満足するのが適当であり、好ましくは0.01≦A/B≦5.0の関係を、より好ましくは0.02≦A/B≦1.0の関係を満足するのがより好ましい。このような関係を満足することにより、疎水変性ポリエーテルウレタン及び湿潤剤を併用することによる相乗効果をより効果的に発揮させることができ、口腔内に保湿剤などの薬効成分を留めるための十分な粘度を有しながら、口腔内を十分に湿潤させることができる。
【0018】
本発明の口腔用組成物の残余は水を含む。
本発明の口腔用組成物には、さらにpH調整剤、矯味剤、防腐剤、香料、着色料、可溶化剤、研磨剤、賦形剤、発泡剤、粘結剤、安定剤、金属封鎖剤などの添加剤を、該組成物の水分供給能を損なわない範囲において配合してもよい。また本発明の口腔用組成物には、口腔の乾燥状態やそれに伴う疾患の治療及び予防効果を期待して、保湿剤及びその他の薬効成分を配合してもよい。
【0019】
本発明の口腔用組成物は口腔内で使用するものであるため、そのpHは、4.5〜8.0の範囲であるのが好ましい。本発明の口腔用組成物に使用しうるpH調整剤としては、食品に使用しうるものであれば特に限定されず、例えばリン酸、リン酸一水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸一水素カリウム、リン酸二水素カリウム、あるいはクエン酸、リンゴ酸、ピロリン酸、酒石酸、酢酸又はこれらの塩、水酸化ナトリウムなどが挙げられる。これらの1種又は2種以上の組み合わせを適宜選択して、必要に応じて配合することができる。
【0020】
本発明の口腔用組成物に使用しうる矯味剤、防腐剤、香料、着色料、可溶化剤、界面活性剤などの添加剤としては、医薬品・食品・化粧品に使用しうるものから適宜選択して用いることができる。
例えば、矯味剤としては、サッカリン、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二ナトリウム、グリチルリチン酸三ナトリウム、ショ糖、ブドウ糖、果糖、乳糖、ハチミツ、アスパルテーム、ステビア、スクラロース、キシリトール、イノシトール、D−ソルビトール、D−マンニトール、ラフィノース、ラクチュロース、ラクチトール、エリスリトール、還元パラチノース、パラチノース、パラチニット、アセスルファムK、マルトース、マルトシルトレハロース又はマルチトールが挙げられる。これらの1種又は2種以上の組み合わせを適宜選択して配合することができる。
【0021】
防腐剤としては、例えば、メチルパラベン、エチルパラベン、イソプロピルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、イソブチルパラベン、ベンジルパラベンなどのパラベン(パラオキシ安息香酸エステル)類、フェノキシエタノール、エタノールなどのアルコール類、あるいはソルビン酸、安息香酸、デヒドロ酢酸、プロピオン酸又はこれらの塩などが挙げられる。これらの1種又は2種以上の組み合わせを適宜選択して配合することができる。
【0022】
香料としては、l−メントール、ペパーミント、スペアミント又はフルーツ香料、ハッカ油などが挙げられる。香料は、唾液分泌を刺激するという利点も有する。着色料としては、天然又は合成の色素、例えば、食用タール系色素、カラメル色素、クチナシ色素、アントシアニン色素、ベニバナ色素、銅クロロフィリンナトリウムなどが挙げられる。これらの1種又は2種以上の組み合わせを適宜選択して配合することができる。
【0023】
可溶化剤は、本発明の口腔用組成物の主基剤である水への上記添加剤や薬効成分の溶解を促進させるために添加してもよい。そのような可溶化剤の例として、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコールなどの多価アルコール類などを挙げることができる。
【0024】
研磨剤として第2リン酸カルシウム・2水和物および無水和物、リン酸カルシウム、第3リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、無水ケイ酸、含水ケイ酸、水酸化アルミニウム、アルミナ、シリカゲル、ケイ酸アルミニウム、沈降性シリカ、不溶性メタリン酸ナトリウム、第3リン酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、結晶セルロース、二酸化チタン、乳酸アルミニウム、ポリメタクリル酸メチル、ベントナイト、ケイ酸ジルコニウム、ハイドロキシアパタイト、合成樹脂などを用いることができる。これらの研磨剤は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
賦形剤としては、例えば火成性シリカ、増粘性シリカ(一般に、RDA値が30以下程度のシリカを示す)、結晶セルロースを含む粉体状セルロースなどを例示することができる。これらの中では、火成性シリカ、増粘性シリカが好ましい。
【0025】
発泡剤としては、スルホコハク酸系界面活性剤以外のアニオン界面活性剤が挙げられる。例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム等のアルキル基の炭素数が8〜18である高級アルキル硫酸エステル塩;N−長鎖アシルアミノ酸塩、α−オレフィンスルホネート塩、高級脂肪酸ナトリウムモノグリセライドモノサルフェート、N−メチル−N−パルミトイルタウライド塩、N−アシルサルコシンナトリウム、N−アシルグルタミン酸塩、N−メチル−N−アシルタウリンナトリウム、N−メチル−N−アシルアラニンナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウムなどのアニオン界面活性剤などを例示することができる。これらアニオン界面活性剤には化学的溶解によるステイン除去作用の高いものが多く、特にラウリル硫酸ナトリウムを配合するとステイン形成抑制効果が相乗的に高くなるので好ましい。これらのアニオン界面活性剤は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0026】
アニオン界面活性剤以外にも、通常、口腔用組成物に用いられる両性界面活性剤、カチオン界面活性剤や非イオン界面活性剤を配合してもよい。この様な界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラウリン酸モノエタノールアミド、ミリスチン酸モノエタノールアミド、脂肪酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン脂肪酸エステルアルキルグリコシド(例えばアルキル鎖:C8-16程度)、ポリグリセリン脂肪酸エステル(例えば脂肪酸部分のアルキル鎖:C8-16程度)、ショ糖脂肪酸エステル(例えば脂肪酸部分のアルキル鎖:C8-16程度)等の非イオン界面活性剤;N−アルキルジアミノエチルグリシン、アルキルベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン(例えば脂肪酸部分のアルキル鎖:C8-16程度)、アルキルスルホベタイン、アルキルベタイン、イミダゾリニウムベタインなどの両性界面活性剤;塩化アルキルトリメチルアンモニウム、臭化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化アルキルジメチルアンモニウムなどのカチオン界面活性剤などを例示することができる。これらの中では、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アルキルグリコシドが好ましい。
【0027】
本発明の口腔用組成物には、本発明の所望する目的を達成することができる範囲であれば、粘結剤を添加してもよい。そのような粘結剤の例として、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース誘導体;アルギン酸プロピレングリコールエステル、キサンタンガム、トラガカントガム、カラヤガム、アラビアガム、カラギーナンなどのガム類; ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルピロリドンなどの合成粘結剤などが挙げられる。
そのほか、安定剤(例えば塩化ナトリウム)、金属封鎖剤(例えばエデト酸二ナトリウム)などが挙げられる。
【0028】
本発明の口腔用組成物にはまた、保湿剤、抗菌剤、抗炎症剤、フッ化物、ビタミン剤、生薬エキスなどの薬効成分を配合することができる。これらの薬効成分は、医薬品・食品・化粧品に使用しうるものであれば特に限定されない。
保湿剤の例として、アミノ酸又はその塩、ピロリドンカルボン酸、ムチン、ヒアルロン酸又はその塩、コンドロイチン硫酸などのムコ多糖類、乳酸ナトリウム、尿素、パンテノール、アロエエキス、ローズマリーエキス、タイムエキス、チャエキス(チャ乾留液など)などの天然エキス成分、コラーゲン、エラスチンなどのいわゆる細胞外マトリックスなどを挙げることができる。これらの1種又は2種以上の組み合わせを適宜選択すればよい。
【0029】
抗菌剤としては、特に限定されず、例えば、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化デカリニウム、塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール、ラウロイルサルコシンナトリウム、ヒノキチオール、エクトフェリンなどが挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上述した抗菌剤の中でも、塩化セチルピリジニウム、イソプロピルメチルフェノール、ラウロイルサルコシンナトリウム及び塩酸クロルヘキシジンよりなる群から選択される少なくとも1種を用いるのが好ましく、塩化セチルピリジニウム、イソプロピルメチルフェノールの双方を用いるのがより好ましい。
【0030】
抗炎症剤としては、特に限定されず、例えば、塩化リゾチーム、ε−アミノカプロン酸、アラントイン、アルミニウムヒドロキシルアラントイン、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸塩類、グァイアズレンスルホン酸、酢酸トコフェロールなどが挙げられる。
上述した抗炎症剤の中でも、ε−アミノカプロン酸、グリチルリチン酸塩類、グリチルレチン酸、酢酸トコフェロール及び塩化リゾチームよりなる群から選択される少なくとも1種を用いるのが好ましく、ε−アミノカプロン酸、グリチルレチン酸及び酢酸トコフェロールの3つを併用するのがより好ましい。
また、フッ化物としてはフッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化第1スズなどが挙げられる。
【0031】
ビタミン剤の例として、レチノイン酸、β-カロテンなどのビタミンA類、パントテン酸又はその塩類、ナイアシン、ビオチンなどのビタミンB類、アスコルビン酸又はその塩類、誘導体などのビタミンC類、α-トコフェロールなどのビタミンE類、葉酸などが挙げられる。
生薬エキスの例として、カミツレエキス、カノコソウエキス、ナツメエキス、ホップエキス、ラメンダーエキス、リンデンエキス、カリンエキス、キンギンカエキス、クマザサエキス、グミエキス、チョウジエキス、デンシチニンジンエキス、サルビアエキス、ムクロジエキスなどが挙げられる。
上記各種の薬効成分の口腔用組成物への配合濃度は、一般的に0.001〜5.0質量%の範囲が適当であり、より好ましくは、0.01〜1.0質量%の範囲である。
【0032】
本発明の口腔用組成物の形態は、液体、液状、ジェル状、ペースト状、クリーム状など限定されるものではないが、本発明の口腔用組成物は、25℃での粘度が1,000〜100,000mPa・sの範囲にあることが好ましい。その粘度は、より好ましくは5,000〜100,000mPa・sの範囲であり、さらに好ましくは10,000〜50,000mPa・sの範囲である。
このような口腔用組成物の粘度は、上述の疎水変性ポリエーテルウレタンの配合量を適宜選択し、さらには湿潤剤の配合量、疎水変性ポリエーテルウレタンと湿潤剤との配合割合を上述の範囲から適宜選択することによって、達成することができる。口腔用組成物の粘度は例えばB型粘度計を使って測定することができ、そのような粘度計の例としてB型粘度計BL(株式会社東京計器製)がある。
【0033】
本発明の口腔用組成物は、水に疎水変性ポリエーテルウレタン及び湿潤剤を添加し、さらに必要に応じて、各種添加剤、及び各種薬効成分などを添加して、均一にすることによって製造することができる。
本発明の口腔用組成物は、その形態に応じて適宜の剤型を選択することができ、例えば洗口液(マウスウォッシュ)、液体歯磨剤、練歯磨剤、マウススプレーなどの剤型にすることができる。また、ジェル状、液体又は液状組成物であれば、例えばスプレー容器に収容した、例えば口腔湿潤剤とすることができる。
また、本発明の口腔用組成物は、洗口液、液体歯磨剤、練歯磨剤、マウススプレーなどによる適用法のほか、患者自身あるいは介護者により、口腔内に手で、あるいはブラシやスポンジや綿棒などにより、適量を塗布することで適用することができる。本発明の口腔用組成物は、1日に1回から適宜の回数使用することができる。
【実施例】
【0034】
[実施例1〜4及び比較例1〜6]
下記表1に記載した処方(単位:質量%、全量100質量%とする)により、実施例1〜4及び比較例1〜6のジェル状組成物を調製した。実施例1〜4の組成物について、疎水変性ポリエーテルウレタンの配合量をA[質量%]、湿潤剤の配合量をB[質量%]としたときのA/B値、及び各組成物の25℃における粘度(B型粘度計BL(株式会社東京計器製)による測定)を表1にあわせて示す。
【0035】
各組成物について、以下の評価を行った。
<スプレー噴霧性評価>
ディスペンサーを備えたスプレー容器に各組成物を15mLを充填し、5回空押しした後、10回押し出しを行い、押し出しやすさを下記の基準に照らして評価した。
評価基準
◎ : 10回ともスムースに押し出す(噴霧する) ことができる。
○ : 押し出す(噴霧する)のにやや抵抗を感じる。
△ : 押し出す(噴霧する)のに抵抗を感じる。
× : 噴霧できない、又は噴霧するのに非常に大きな力を必要とする。
【0036】
<製剤滞留性>
組成物の液だれを評価することによって、製剤滞留性を調べた。
スプレー噴霧性評価に用いた各組成物を使用し、垂直に立てたプラスティック板(30cm×30cm)から、ノズル先端部を約10cm離した位置に、ノズルをプラスティック板の方向に向けてボトルを固定した。その状態で3回噴霧し、プラスティック板の表面に付着した液の状態を下記の基準に照らして評価した。
評価基準
◎ : 噴霧後、約3分間、液だれしない。
○ : 噴霧後、約3分間、ほとんど液だれしない。
△ : 噴霧後、1〜3分以内に液だれする。
× : 噴霧後、1分未満に液だれする。
【0037】
〔水分供与量測定実験法〕
各組成物の水分供与能を、以下の方法により測定した。
(1)ろ紙(東京ろ紙会社製、ADAVANTEC5B(直径110 mm))の中央に、直径5mmの穴の開いた金属製の板(直径22mm、厚み1.5mm)を置く。
(2)穴に25μLの各サンプルを入れ、室温で10分間静置する。
(3)金属板を静かに除き、ろ紙に水が吸収され変色した部分の直径を計測する。
◎ : 変色した部分が10mm以上
○ : 変色した部分が8mm〜10mm未満
△ : 変色した部分が6mm以上〜8mm未満
× : 変色した部分が6mm未満
【0038】
〔水分量改善効果〕
被験者10名に対し、ヒト前腕内側部に各組成物を0.02g塗布し、塗布前後の塗布部位の水分量を測定し水分量の差の平均値比較することにより評価した。水分量は、スキコン−200(アイ・ビー・エス社製)を用い、プローブを被検部位に垂直にあてて肌伝導度(=水分含量)を塗布前、塗布後1、3、5時間後と経時的に測定した。測定値が高いほど水分含量が高いことを示す。
水分改善度=塗布後の肌伝導度−塗布前の肌伝導度
◎ : 塗布後1時間の水分改善度が200μS以上で、かつ5時間保持する。
○ : 塗布後1時間の水分改善度が200μS以上
△ : 塗布後1時間の水分改善度が100μS以上〜200μS未満
× : 塗布後1時間の水分改善度が100μS未満
【0039】
<痂皮モデル除去評価>
ムチン溶液をスライドガラスに0.2g滴下し37℃で24時間乾燥させたものを痂皮モデルとする。スライドガラスを垂直に立て、各組成物を痂皮モデルに噴霧または塗布し5分間静置した後、痂皮モデルの中央部分を綿棒で拭った。痂皮モデルの除去具合を下記の基準に照らして評価した。
◎ : ほとんど抵抗を感じることなく、痂皮モデルを完全に除去できる。
○ : 痂皮モデルを完全に除去できるが、やや抵抗を感じる。
△ : 痂皮モデルを2/3程度除去できる。
× : 痂皮モデルを除去できない。
評価結果を以下の表1に示す。
【0040】
【表1】

【0041】
<実施例5>
<口腔湿潤剤(ジェルタイプ)>
疎水変性ポリエーテルウレタン 1.2
濃グリセリン 20.0
1.3-プロパンジオール 3.0
安息香酸ナトリウム 0.1
乳酸ナトリウム 1.0
クエン酸 0.2
クエン酸ナトリウム 0.3
トレハロース 1.0
ムクロジエキス 0.05
チャ乾留液 0.05
ヒアルロン酸ナトリウム 0.005
香料 0.9
塩化セチルピリジニウム 0.01
精製水 残
合計 100%
【0042】
<実施例6>
<口腔湿潤剤(ジェルタイプ)>
疎水変性ポリエーテルウレタン 1.4
濃グリセリン 20.0
プロピレングリコール 4.0
安息香酸ナトリウム 0.1
乳酸ナトリウム 1.0
トレハロース 1.0
ムクロジエキス 0.05
チャ乾留液 0.05
ヒアルロン酸ナトリウム 0.005
香料 0.9
塩化セチルピリジニウム 0.01
精製水 残
合計 100%
【0043】
<実施例7>
<口腔湿潤剤(ジェルタイプ)>
疎水変性ポリエーテルウレタン 1.3
トレハロース 20.0
ブチレングリコール 3.0
安息香酸ナトリウム 0.1
乳酸ナトリウム 1.0
クエン酸 0.1
クエン酸ナトリウム 0.15
ムクロジエキス 0.05
チャ乾留液 0.05
ヒアルロン酸ナトリウム 0.005
香料 0.9
塩化セチルピリジニウム 0.01
精製水 残
合計 100%
【0044】
<実施例8>
<口腔湿潤剤(ジェルタイプ)>
疎水変性ポリエーテルウレタン 1.4
濃グリセリン 20.0
1.3-プロパンジオール 3.0
安息香酸ナトリウム 0.1
乳酸ナトリウム 1.0
トレハロース 1.0
ムクロジエキス 0.05
チャ乾留液 0.05
キシリトール 1.0
香料 0.5
塩化セチルピリジニウム 0.01
フッ化ナトリウム 0.2
イソプロピルメチルフェノール 0.05
ε−アミノカプロン酸 0.1
精製水 残
合計 100%
【0045】
<実施例9>
<口腔湿潤剤(ジェルタイプ)>
疎水変性ポリエーテルウレタン 1.2
濃グリセリン 20.0
ソルビット 10.0
1.3-プロパンジオール 3.0
安息香酸ナトリウム 0.1
ムクロジエキス 0.05
チャ乾留液 0.05
ヒアルロン酸ナトリウム 0.005
塩化セチルピリジニウム 0.01
グリチルリチン酸ジカリウム 0.05
香料 0.9
精製水 残
合計 100%
上記実施例5〜9の口腔湿潤剤は、スプレー容器に収容して口腔内へスプレーして使用することができる。
【0046】
<実施例10>
<練歯磨剤>
リン酸水素カルシウム 40.0
無水ケイ酸 5.0
グリセリン 15.0
疎水変性ポリエーテルウレタン 0.8
70%ソルビット液 10.0
香料 1.0
ラウリル硫酸ナトリウム 0.1
パラオキシ安息香酸エステル 0.2
フッ化ナトリウム 0.2
精製水 残
合計 100%
【0047】
<実施例11>
<練歯磨剤>
炭酸カルシウム 25.0
ソルビット液 15.0
濃グリセリン 10.0
無水ケイ酸 5.0
疎水変性ポリエーテルウレタン 0.5
香料 1.0
ラウリル硫酸ナトリウム 0.5
サッカリンナトリウム 0.05
精製水 残
合計 100%
【0048】
<実施例12>
<練歯磨剤>
濃グリセリン 25.0
ピロリン酸カルシウム 25.0
無水ケイ酸 5.0
疎水変性ポリエーテルウレタン 0.5
香料 1.0
ラウリル硫酸ナトリウム 0.5
サッカリンナトリウム 0.05
塩化ベンゼトニウム 0.05
精製水 残
合計 100%
【0049】
<実施例13>
<練歯磨剤>
無水ケイ酸 20.0
70%ソルビット液 20.0
グリセリン 20.0
プロピレングリコール 3.0
ラウリル硫酸ナトリウム 1.0
ポリエチレングリコール 1.0
疎水変性ポリエーテルウレタン 0.5
香料 1.0
二酸化チタン 0.5
ラウリルサルコシンナトリウム 0.3
パラオキシ安息香酸メチル 0.2
DL-α-トコフェロール 0.1
銅クロロフィンナトリウム 0.05
塩化セチルピリジニウム 0.05
精製水 残
合計 100%
【0050】
<実施例14>
<練歯磨剤>
ピロリン酸カルシウム 32.0
グリセリン 20.0
無水ケイ酸 6.0
疎水変性ポリエーテルウレタン 0.5
グリチルレチン酸 1.0
ポリエチレングリコール 1.0
香料 0.1
ε-アミノカプロン酸 0.1
DL-α-トコフェロール 0.1
イソプロピルメチルフェノール 0.02
精製水 残
合計 100%
【0051】
<実施例15>
<練歯磨剤>
濃グリセリン 20.0
ピロリン酸カルシウム 16.0
無水ケイ酸 7.0
香料 1.0
疎水変性ポリエーテルウレタン 0.6
ラウリル硫酸ナトリウム 0.6
カラギーナン 0.6
塩化リゾチーム 0.4
ステビアエキス 0.1
トリクロサン 0.1
グルコン酸クロルヘキシジン 0.05
精製水 残
合計 100%
【0052】
<実施例16>
<液体歯磨剤>
グリセリン 10.0
エタノール 2.0
疎水変性ポリエーテルウレタン 0.5
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1.5
香料 0.4
パラオキシ安息香酸エステル 0.1
サッカリンナトリウム 0.05
精製水 残
合計 100%
【0053】
<実施例17>
<液体歯磨剤>
グリセリン 15.0
ポリエチレングリコール 10.0
無水ケイ酸 3.0
リン酸水素カルシウム 2.0
疎水変性ポリエーテルウレタン 0.5
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1.0
アルミノケイ酸塩 0.5
香料 0.5
パラベン 0.1
精製水 残
合計 100%
【0054】
<実施例18>
<液体歯磨剤>
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 5.0
エタノール 5.0
キシリトール 5.0
疎水変性ポリエーテルウレタン 0.2
クエン酸ナトリウム 0.15
クエン酸 0.1
サッカリンナトリウム 0.1
エデト酸二ナトリウム 0.1
1-メントール 0.1
パラオキシ安息香酸エステル 0.1
香料 0.1
ヒノキチオール 0.05
塩化セチルピリジニウム 0.01
アラントイン 0.01
精製水 残
合計 100%
【0055】
<実施例19>
<液体歯磨剤>
エタノール 10.0
ポリエチレングリコール 2.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 2.0
安息香酸ナトリウム 1.0
香料 0.4
疎水変性ポリエーテルウレタン 0.2
アラントイン 0.2
エデト酸二ナトリウム 0.2
チャ乾留液 0.1
ステビアエキス 0.05
ヒノキチオール 0.02
乳酸アルミニウム 0.01
塩化セチルピリジニウム 0.01
精製水 残
合計 100%
【0056】
<実施例20>
<液体歯磨剤>
含水ケイ酸 1.0
無水ケイ酸 10.0
グリセリン 25.0
香料 1.0
カルボキシルメチルセルロース 1.0
ソルビトール 30.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.5
疎水変性ポリエーテルウレタン 0.2
パラオキシ安息香酸エステル 0.1
ラウリル硫酸ナトリウム 1.0
精製水 残
合計 100%
【0057】
<実施例21>
<マウスウォッシュ>
エタノール 20.0
グリセリン 10.0
香料 1.0
疎水変性ポリエーテルウレタン 0.2
サッカリンナトリウム 0.05
クロルヘキシジン塩酸塩 0.01
ラウリルエタノールアマイド 0.3
精製水 残
合計 100%

【特許請求の範囲】
【請求項1】
疎水変性ポリエーテルウレタン及び湿潤剤が配合されていることを特徴とする口腔用組成物。
【請求項2】
口腔内乾燥症の治療用組成物又は予防用組成物である請求項1記載の口腔用組成物。
【請求項3】
該湿潤剤が、ソルビット、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、プロパンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、キシリット、マルチット、ラクチット及びトレハロースよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1又は2記載の口腔用組成物。
【請求項4】
疎水変性ポリエーテルウレタンを口腔用組成物の全質量を基準として0.01〜5.0質量%含有する、請求項1〜3のいずれか1項記載の口腔用組成物。
【請求項5】
該湿潤剤を口腔用組成物の全質量を基準として0.1〜60質量%含有する、請求項1〜4のいずれか1項記載の口腔用組成物。
【請求項6】
疎水変性ポリエーテルウレタンの配合量をA[質量%]、前記湿潤剤の配合量をB[質量%]としたとき、0.0002≦A/B≦50の関係を満足する、請求項1〜5のいずれか1項記載の口腔用組成物。
【請求項7】
25℃での粘度が1,000mPa・s〜100,000mPa・sの範囲にある、請求項1〜6のいずれか1項記載の口腔用組成物。
【請求項8】
薬効成分を含む、請求項1〜7のいずれか1項記載の口腔用組成物。
【請求項9】
薬効成分が保湿剤、抗菌剤、抗炎症剤、フッ化物、ビタミン剤及び生薬エキスから選ばれる請求項8項記載の口腔用組成物。
【請求項10】
剤型が洗口液、液体歯磨剤又はマウススプレーである請求項1〜9のいずれか1項記載の口腔用組成物。

【公開番号】特開2012−153677(P2012−153677A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−16233(P2011−16233)
【出願日】平成23年1月28日(2011.1.28)
【出願人】(391066490)日本ゼトック株式会社 (31)
【Fターム(参考)】