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口腔輸送システムに用いるリン酸カルシウム錯体及び塩
説明

口腔輸送システムに用いるリン酸カルシウム錯体及び塩

【課題】哺乳類の歯エナメルを再石灰化するための口腔輸送システム(例えば菓子類及びチューインガム組成物)及び方法を提供する。
【解決手段】本発明の口腔輸送システムは、(a)カゼインリンペプチド−リン酸カルシウムと、(b)該(a)成分とは別の、カルシウム塩及びリン酸塩とを含有し、前記カルシウム塩は、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、硫酸カルシウム等から選択され、前記リン酸塩は、中性、一塩基及び、二塩基性のリン酸塩からなる群から選択され、前記口腔輸送システムはシュガー入りチューインガム又は菓子組成物であり、前記(a)成分は、前記カルシウム塩及び前記リン酸塩よりも少ない量であり、前記口腔輸送システムに対して0.1重量%〜0.5重量%含有し、前記カルシウム塩は前記口腔輸送システムに対して1.5重量%〜3重量%含有し、前記リン酸塩は前記口腔輸送システムに対して1.2重量%〜1.8重量%含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)本特許出願は、2006年4月5日に出願の米国仮特許出願第60/789525号、及び2006年4月5日に出願の米国仮特許出願第60/789528号の優先権を主張し、それらの開示内容を本願明細書に援用する。
【0002】
(技術分野)本発明は哺乳類の歯エナメルを再石灰化するための方法及び組成物の提供に関する。当該方法は、口腔輸送システム(例えばチューインガム又は菓子組成物)を使用して、リンペプチド又はリンタンパク質で安定化された、リン酸カルシウム又はフッ化カルシウムリン酸塩錯体を輸送することを特徴とする。口腔輸送システムは更に、カルシウム塩及び/又はリン酸塩を含んでなる。
【背景技術】
【0003】
歯における齲食の形成に関する研究が、これまで多くなされている。フッ化物の使用により、齲食の罹患率が低下したものの、当該疾患は未だ公の健康問題の1つとして存在し続けている。プラーク中の微生物が食品中の糖及び澱粉を代謝する際に、歯上にプラークを蓄積させ、有機酸(プラーク酸)を産生することにより、カリエスが生じると一般に理解されている。唾液により流される前に、上記の酸は一定時間プラーク中に蓄積することによりpHが低下し、それが原因となって、エナメル、ヒドロキシアパタイトとして公知のカルシウム分(特に3価のリンを含むミネラル)の幾つかが溶解(すなわち脱石灰化)し、齲食(虫歯)及び神経過敏に至る。
【0004】
長年にわたり、歯エナメルの溶解又は脱石灰化、及びその結果として生じる齲食の課題に対処するため、多くの努力が注ぎ込まれてきた。例えば、カゼインリンペプチド−リン酸カルシウム錯体を歯磨剤として用いることにより、歯の耐齲食性を強化する効果が得られることが公知である。上記錯体(別名CPP−ACP錯体又はカルシウムカゼインペプトン−リン酸カルシウム)は、カゼインリンペプチドによって安定化しているリン酸カルシウムである。CPP−ACPは、プラーク酸を緩衝しつつ、再石灰化を促進することによって、脱石灰化とは反対の作用をする。すなわち、歯表面において、カルシウム及びリン酸イオンを局所化する作用を発揮する。CPP−ACPは、商品名「Recaldent」として市販されている。
【0005】
特許文献1及び2は、齲食予防用のカゼインリンペプチドを教示している。特許文献3は、抗カリエス効果を示すリンペプチド−リン酸カルシウム錯体を教示している。特許文献4及び5は、重炭酸ナトリウムとカゼインリンペプチドアモルファスリン酸カルシウムの組合せを含有するチューインガム及び菓子製品を開示している。特許文献6では、リンペプチド又はリンタンパク質によって安定化された、非結晶状のリン酸カルシウム又は、非結晶状のリン酸フッ化カルシウムの過剰担持錯体(super−loaded complexe)を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第5130123号
【特許文献2】米国特許第5227154号
【特許文献3】国際公開第98/40406号
【特許文献4】米国特許第6846500号
【特許文献5】米国特許第6733818号
【特許文献6】国際公開第2006/135982号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、齲食は、未だ公の健康問題の1つとして存在し続けている。患者及び公衆にとり、齲食を治療する際のコストは少なくなく、新規なカリエス予防製品の開発に対するニーズが存在する。
【0008】
ゆえに、哺乳類の歯エナメルの再石灰化を促進する新規な方法に対するニーズが存在する。多くの消費者は、口腔輸送システム、特にシュガー入りチューインガム及び菓子類製品(通常歯を脱石灰化する)を消費するため、哺乳類の歯エナメルの再石灰化を可能とする製品に対するニーズが存在する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の口腔輸送システムは、(a)カゼインリンペプチド−リン酸カルシウムと、(b)前記カゼインリンペプチド−リン酸カルシウムとは別の、カルシウム塩及びリン酸塩とを含有し、前記カルシウム塩は、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、グルタル酸カルシウム、リンゴ酸カルシウム、クエン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、フマル酸カルシウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、前記リン酸塩は、中性、一塩基及び、二塩基性のリン酸塩からなる群から選択され、前記口腔輸送システムはシュガー入りチューインガム又はシュガー入り菓子組成物であり、前記カゼインリンペプチド−リン酸カルシウムは、前記カルシウム塩及び前記リン酸塩よりも少ない量であり、前記口腔輸送システムに対して0.1重量%〜0.5重量%の量で含有し、前記カルシウム塩は前記口腔輸送システムに対して1.5重量%〜3重量%の量で含有し、前記リン酸塩は前記口腔輸送システムに対して1.2重量%〜1.8重量%の量で含有する。
【0010】
本発明の具体的態様では、前記カルシウム塩が乳酸カルシウムである。
【0011】
本発明の具体的態様では、前記口腔輸送システムがチューインガムである。
【0012】
本発明の具体的態様では、前記口腔輸送システムが重炭酸ナトリウムを含有しない。
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、口腔輸送システムを消費することにより、実質的に同様であるが、カゼインリンペプチド−リン酸カルシウム、カルシウム塩及びリン酸塩を含まない組成物を消費する場合に比べて少なくとも12.5%高いレベルで哺乳類の歯のエナメル表面下の再石灰化を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】シュガー入りのコントロール及びシュガーレスのコントロールと比較した、本発明に係る、CPP−ACPを含有する2つのシュガー入りの菓子組成物により提供される、エナメル表面下の病変の再石灰化のパーセンテージを示すグラフである。
【図2】シュガー入りのコントロール及びシュガーレスのコントロールと比較した、本発明に係る、CPP−ACP、乳酸カルシウム及びリン酸カルシウムを含有する2つのシュガー入りの菓子組成物により提供される、エナメル表面下の病変の再石灰化のパーセンテージを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本願明細書に記載されている実施形態は、齲歯防止剤であるリンペプチド又はリンタンパク質で安定化されたリン酸カルシウム又はフッ化リン酸カルシウム錯体、並びにカルシウム塩及び/又はリン酸塩を含有する、口腔輸送システム(例えばチューインガム及び菓子類製品)の提供に関する。望ましくは、当該リンペプチドで安定化されたリン酸カルシウムは、カゼインリンペプチド−リン酸カルシウム(CPP−ACP)である。また、本願明細書に記載されている実施形態は、哺乳類の歯科衛生を増進するために、かかる口腔輸送システムを使用する方法の提供に関する。具体的には、上記口腔輸送システムは、消費されることにより、歯エナメル再石灰化(特に歯のエナメル表面下の病変の再石灰化)を促進する。
【0016】
様々な口腔輸送システムを用いることにより、本願明細書に記載されている歯エナメルの再石灰化が可能となる。例えば適切な口腔輸送システムとしては、限定されないが、菓子製品、チューインガム、ゲル、歯磨剤、練り歯磨き、マウスウォッシュ、マウスリンス、マウススプレー、食用フィルム、飲料、食品などが挙げられる。
【0017】
幾つかの実施形態では、当該口腔輸送システムは、例えば菓子類又はチューインガム組成物であってもよい。すなわち、これらの組成物はシュガー入り(1つ以上の糖甘味料を含む)であってもよく、又はシュガーフリー(すなわちシュガーレスの甘味料だけを含む)であってもよい。特に、本願明細書に記載されている幾つかの実施形態では、哺乳類(特にヒト)の歯エナメルを再石灰化するための、シュガー入りの菓子又はチューインガム組成物の提供に関する。シュガー入りの菓子組成物は、製菓用担体を含有してもよく、それは少なくとも1つの糖甘味料、CPP−ACP及びカルシウム塩及び/又はリン酸塩を含有する。同様に、シュガー入りチューインガム組成物では、ガムベース、少なくとも1つの糖甘味料、CPP−ACP及びカルシウム塩及び/又はリン酸塩を含有してもよい。望ましくは、CPP−ACPは、菓子類又はチューインガム組成物中に少なくとも約0.1重量%の量で存在する。
【0018】
CPP−ACPを、多機能口腔ケア用品の一部として、他の口腔ケア活性物質と共に使用してもよい。これらの他の口腔ケア活性物質としては、漂白剤、抗菌剤、呼気清涼剤、知覚過敏防止剤及び他の再石灰化促進剤などが挙げられるが、これらに限定されない。本願明細書に記載されている口腔輸送システムは、消費されることにより、実質的に同じであるが、CPP−ACP、並びに及びカルシウム塩及び/又はリン酸塩を含まない口腔輸送システムより高いレベルで、哺乳類の歯のエナメル表面下の再石灰化を提供する。
【0019】
「実質的に同じ」とは、かかる組成物が、本発明の組成物と同様の成分組成を有するが、本発明の組成物に含まれる成分組成のうち、幾つか又は全ての成分の量が、不足するCPP−ACP、並びにカルシウム塩及び/又はリン酸塩の量を補填するために、わずかに変化している状態のことを意味する。
【0020】
様々な口腔輸送システムを使用した、哺乳類の歯のエナメル表面下の病変の再石灰化方法もまた、本願明細書に記載されている。
【0021】
本願明細書において使用される用語「含んでなる」とは、「含む」、「含有する」又は「〜を特徴とする」と同義的に用いられるが、それらは非排他的若しくはオープンエンドの意味で用いられるものであり、クレーム中で、前文での使用か又は主文での使用かに関係なく、実際に記載されていない他の要素又はステップを排除するものではない。
【0022】
本発明では、用語「バブルガム」及び「チューインガム」はいずれも同義的に用いられ、あらゆるガム組成物が包含される。
【0023】
本発明の「中心充填」という用語は、中心充填ガム又は菓子製品の最奥の領域を指す。用語「中心充填」は、ガム又は菓子製品が左右対称であることを必ずしも意味しないが、少なくとも「中心充填」は製品の他の領域の内部に存在する。幾つかの実施形態では、複数の中心充填が存在してもよい。
【0024】
本発明では、用語「ガム領域」又は「菓子領域」とはそれぞれ、中心充填ガム又は菓子製品の領域であって、中心充填又は最奥領域に隣接するか、又は少なくとも部分的に囲む領域のことを指す。幾つかの実施形態では、当該ガム領域又は菓子領域は中間領域である。
【0025】
本発明の用語「コーティング」又は「コーティング領域」とは、中心充填ガム又は菓子製品の最外領域のことを指す。
【0026】
本発明では、用語「囲む」、「包囲する」などは、囲むことに限定されない。これらの用語は、あらゆる側面を囲む又は画定すること、包囲すること又は包むことを指し、中心充填ガム又は菓子製品中の領域において左右対称若しくは同一の厚みを有する態様に限定されるものではない。
【0027】
口腔輸送システム:
口腔輸送システムには通常、充分な時間の口腔内で保持されて、歯の表面と接触し、所望の活性を呈するあらゆる製品が包含される。本願明細書に記載されている口腔輸送システムは、歯エナメルの再石灰化を促進する。これらの輸送システムは、リンペプチド又はリンタンパク質で安定化された、リン酸カルシウム又はフッ化リン酸カルシウム錯体、並びにカルシウム塩及び/又はリン酸塩を含んでなる。幾つかの実施形態では、当該リンペプチドはカゼインリンペプチドであり、それはリン酸カルシウム又はフッ化リン酸カルシウムを安定化された可溶性の形態で維持できる。望ましくは、当該錯体はCPP−ACPである。
【0028】
それらが全長のカゼインタンパク質の一部であるか否かに関わらず、活性型のカゼインリンペプチドは錯体を形成しうる。トリプシン消化により形成される活性カゼインリンペプチドは、米国特許第5015628号に、以下のペプチドとして記載されている:
Bosαs2カゼインX−5P(f59−79)[1]、
Bosβ−カゼインX−4P(f1−25)[2]、
Bosαs2−カゼインX−4P(f46−70)[3]、及び
Bosαs2−カゼインX−4P(f1−21)[4]:
[1]Gin59−Met−Glu−Ala−Glu−Ser(P)−Ile−Ser(P)−Ser(P)−Ser(P)−Glu−Glu−Ile−Val−Pro−Asn−Ser(P)−Val−Glu−Gin−Lys79αs1(59−79);
[2]Arg−Glu−Leu−Glu−Glu−Leu−Asn−Val−Pro−Gly−Glu−Ile−Val−Glu−Ser(P)−Leu−Ser(P)−Ser(P)−Ser(P)−Glu−Glu−Ser−Ile−Thr−Arg25β(1−25);
[3]Asn46−Ala−Asn−Glu−Glu−Glu−Tyr−Ser−Ile−Ser(P)−Ser(P)−Ser(P)−Glu−Glu−Ser(P)−Ala−Glu−Val−Ala−Thr−Glu−Glu−Val−Lys70αs2(46−70);
[4]Lys−Asn−Thr−Met−Glu−His−Val−Ser(P)−Ser(P)−Ser(P)−Glu−Glu−Ser−Ile−Ile−Ser(P)−Gln−Glu−Thr−Tyr−Lys21αs2(1−21)。
【0029】
錯体を形成する活性を有する他のカゼインリンペプチドとしては、Ser(P)−Xaa−Glu/Ser(P)の配列を有するペプチドである(Ser(P)はホスホセリン残基を表す)。従って、リン酸カルシウム又はフッ化リン酸カルシウム錯体を安定化させる活性を有するリンペプチド又はリンタンパク質は、−A−B−C−の配列を含んでなり、式中、Aはリン酸アミノ酸(例えばホスホセリン)であり、Bはリン酸アミノ酸を含めたあらゆるアミノ酸であり、Cはグルタミン酸、アスパラギン酸又はリン酸アミノ酸のうちのいずれか1つである。
【0030】
幾つかの実施形態では、錯体(例えばCPP−ACP)は、口腔輸送システム中に少なくとも約0.1重量%の量で存在する。当該錯体は、幾つかの実施形態では、口腔輸送システム中に最高約2.5重量%の量で存在してもよい。より詳しくは、幾つかの実施形態では、当該錯体は、口腔輸送システム中に約1%〜約2.5重量%の量で存在してもよい。
【0031】
幾つかの実施形態では、CPP−ACPを、制御放出型のチューインガム又は菓子組成物中に添加してもよい。例えば、CPP−ACPを封入することにより、当該成分に制御放出を付与することができる。通常、CPP−ACPを部分的又は完全に、封入材で封入することにより、チューインガム又は菓子組成物を消費する間、成分の放出を遅延させることができ、それにより、当該成分が消費者の口、喉及び/若しくは胃内部で利用可能となるタイミング、他の成分と反応若しくは混合されることが可能となるタイミング、並びに/又は、関連する感覚器における知覚、及び/若しくは機能的、治療的利益が得られるタイミングが遅延する。これは、当該成分が水溶性若しくは少なくとも部分的に水溶性である場合に当てはまる。
【0032】
幾つかの実施形態では、CPP−ACPは、カプセル中に封入された形態、及び/又はカプセル中に封入されない(「フリーの」)形態において使用できる。中心充填型のガム又は菓子類の実施形態では、CPP−ACPを、例えば、カプセル中に封入された形態、及び/又はカプセル中に封入されない形態で、当該中心充填型の製品の1つ以上の領域に添加してもよい。例えば、中心充填ガムでは、カプセル封入されたCPP−ACPをガム領域に含有させ、カプセル封入されていないCPP−ACPを中心充填領域に含有させてもよい。あるいは、幾つかの実施形態では、カプセル封入されたCPP−ACPと、カプセル封入されていないCPP−ACPの組合せを、製品中の同じ領域に含有させてもよい。カプセル封入された形状と、カプセル封入されていない形状を、同じ量で用いてもよく、又は異なる量で用いてもよい。
【0033】
CPP−ACPの適切な封入材としては、水不溶性のポリマー、コポリマー又は他の材料であって、当該成分と共に、又は当該成分のために、保護バリアとしての強力なマトリックス、固形コーティング又はフィルムを形成できる材料が挙げられる。幾つかの実施形態では、当該封入材は、CPP−ACPを完全に囲むか、コーティングするか、カバーするか又は封入することができる。他の実施態様において、当該封入材は、CPP−ACPを部分的に囲むか、コーティングするか、カバーするか又は封入することができる。異なる封入材を用いることにより、上記のカプセル封入されたCPP−ACPに、異なる放出速度又は放出プロフィールを提供することができる。幾つかの実施形態では、輸送システムで使用する封入材としては、以下の1つ以上の材料が挙げられる:ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、架橋ポリビニルピロリドン、ポリメチルメタクリレート、ポリ乳酸、ポリヒドロキシアルカノエート、エチルセルロース、ポリビニルアセテートフタレート、ポリエチレングリコールエステル、メタクリル酸−コ−メチルメタクリレート、エチレン−ビニルアセテート(EVA)共重合体など、並びにそれらの組み合わせ。
【0034】
適切な封入材及び技術に関するより詳細な説明は、出願人の同時係属中のPCT出願第PCT/US06/19761号(国際公開第2006/127618号として公開)に記載され、その全開示内容を本願明細書に援用する。
【0035】
口腔輸送システムはまた、カルシウム塩、リン酸塩及びそれらの組み合わせから選択される塩を含有する。上記塩は、被験者の口腔内で、口腔輸送システムの投与の後、カルシウム及び/又はリン酸イオンを放出して歯の表面に輸送し、歯エナメルの再石灰化を促進する。カルシウム塩及び/又はリン酸塩は、リンペプチド又はリンタンパク質で安定化されたリン酸カルシウム又はフッ化リン酸カルシウム錯体とは別の、更なる塩である。
【0036】
適切なカルシウム塩としては、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、例えばリン酸1カルシウム、無水リン酸2カルシウム、リン酸2カルシウム2水和物、α−リン酸3カルシウム、リン酸8カルシウム及びリン酸4カルシウム、グルタル酸カルシウム、リンゴ酸カルシウム、クエン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、フマル酸カルシウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム及びそれらの組み合わせなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0037】
好適なリン酸塩としては、中性、一塩基及び、二塩基性のリン酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、リン酸ナトリウムを使用できる。
【0038】
通常、塩は口腔輸送システム中に約1%〜約5重量%の量で存在してもよい。カルシウム塩は、口腔輸送システム中に約1.5%〜約3重量%の量で、より好適には口腔輸送システム中に1.6%〜約2.8重量%の量で存在してもよい。リン酸塩は、口腔輸送システム中に約1%〜約4重量%の量で、好適には口腔輸送システム中に約1.5%〜約4重量%の量で、より好適には口腔輸送システム中に約1.6%〜約3重量%の量で、更に好適には口腔輸送システム中に約1.2%〜約1.8重量%の量で存在してもよい。
【0039】
幾つかの実施形態では、上記の口腔輸送システムは、少なくとも約2.8%のレベルで、歯のエナメル表面下の再石灰化を提供できる。特に、少なくとも約0.5重量%のCPP−ACPを含有する幾つかの実施形態では、少なくとも約2.8%のレベルでエナメル表面下の再石灰化を提供できる。少なくとも約1%のCPP−ACPを含有する他の幾つかの実施形態では、少なくとも約8%のレベルでエナメル表面下の再石灰化を提供できる。
【0040】
本発明の幾つかの実施形態では、少なくとも約0.1%のCPP−ACP、少なくとも約1.6%の乳酸カルシウム及び少なくとも約1.5%のリン酸塩(例えばリン酸ナトリウム)を含有することにより、少なくとも約7%のレベルでエナメル表面下の再石灰化が提供される。他の幾つかの実施形態では、少なくとも約0.1%のCPP−ACP、少なくとも約2.8%の乳酸カルシウム及び少なくとも約1.7%のリン酸塩(例えばリン酸ナトリウム)を含有する口腔輸送システムの使用により、少なくとも約12.5%のレベルでエナメル表面下の再石灰化が提供される。更に、本願明細書に記載されている口腔輸送システムの使用により、硬質の歯エナメルにおける少なくとも約0.35%のレベルでの石灰化、幾つかの実施形態では、硬質の歯エナメルにおける少なくとも約0.5%のレベルでの石灰化が提供される。
【0041】
対照的に、リンペプチド又はリンタンパク質で安定化されたリン酸カルシウム又はフッ化リン酸カルシウム錯体、並びにカルシウム塩及び/又はリン酸塩を含まない従来の口腔輸送システムでは、特に輸送システムがシュガー入りの製品であるとき、歯エナメルを脱石灰化する傾向を示す。例えば、本願明細書に記載されているそれらと実質的に同様であるが、CPP−ACPを含まないシュガー入りの菓子組成物が、歯のエナメル表面下の病変において約6%の脱石灰化を生じさせることが分かっている。また、本願明細書に記載されているそれらと実質的に同様であるが、CPP−ACP及びカルシウム塩及び/又はリン酸塩を含まないシュガー入りの菓子組成物が、歯のエナメル表面下の病変において約5.2%の脱石灰化を生じさせることが分かっている。その意味において、シュガー入りの菓子組成物が歯エナメルの再石灰化を促進できることは予想外であった。
【0042】
本願明細書に記載されている幾つかの実施形態では、CPP−ACP及びカルシウムを含まない、同様のシュガー入りの組成物及び/又はリン酸塩と比較し、少なくとも約12%高いレベルで再石灰化が提供される。更に、幾つかの実施形態では、かかる同様の組成物と比較し、少なくとも約18%高いレベルで再石灰化が提供される。幾つかの実施形態では、口腔輸送システムは、実質的に同様であるが、CPP−ACP及び塩を含まないシュガーレスの組成物と比較した場合であっても、高いレベルで歯エナメルの再石灰化を促進する。
【0043】
口腔輸送システム中に、例えばキレート剤、食品グレードの酸、過酸化物、可塑剤、軟化剤、乳化剤、ワックス、充填材、増量剤(担体、増量剤、バルク甘味料)、高強度甘味料、ミネラル補助剤、風味剤及び着色剤、などの任意の添加物を含有させてもよい。生理的冷却剤、加温剤、清涼剤、酸化防止剤、酸味料、増粘剤、薬剤、口腔ケア活性剤(例えば他の再石灰化剤、抗菌物質及び歯漂白剤)からなる群から選択され従来公知の添加剤を適当量含有してもよく、それらは、出願人による2004年7月29日に出願の同時係属中の米国特許出願第10/901511号(発明の名称「Tooth Whitening Compositions and Delivery Systems Therefor」、全開示内容を本発明に援用する)にて説明されている。これらの添加剤は、複数の効果を奏することもある。
【0044】
幾つかの実施形態では、キレート剤を含有させてもよい。キレート剤は、金属イオン(例えば口腔内細菌の細胞壁に存在するカルシウム)と強力に相互作用する。キレート剤により、バイオマスを完全な状態に保つのを補助カルシウム架橋からカルシウムが除去され、プラーク崩壊に至ることもある。口腔輸送システムのおけるキレート剤としての用途に適する物質の1つのグループとして、ポリリン酸塩が挙げられる。幾つかの実施形態では、キレート剤は、以下から選択されるリン酸塩である:ピロリン酸塩、三リン酸塩、ポリリン酸塩、ポリホスホン酸塩及びそれらの組み合わせ。キレート剤は、ピロリン酸2アルカリ金属塩、ポリリン酸4アルカリ金属塩又はそれらの組み合わせであってもよい。例えば、幾つかの実施形態では、当該キレート剤は、以下から選択されることができる:ピロリン酸4ナトリウム、ピロリン酸4カリウム、ポリリン酸3ナトリウム及びこれらの組合せ。口腔輸送システムで使用できる他のキレート剤としては、酒石酸及びその塩、クエン酸及びクエン酸アルカリ金属塩及びそれらの混合物などが挙げられる。
【0045】
食品グレードの酸としては、限定はされないが、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、酪酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、リン酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸、及びそれらの組み合わせが挙げられる。幾つかの実施形態では食品グレードの酸を含有することが望ましい場合もあり、他の実施形態では、酸を含有しないのが望ましい場合もある。
【0046】
幾つかの実施形態では、口腔輸送システムは、更なる重炭酸ナトリウムを含有しないのが好ましい。より詳しくは、若干の周知の輸送システムでは、上記の米国特許第6846500号にて説明されるように、CPP−ACPと共に0.1%〜15重量%の重炭酸ナトリウムを含有し、それを消費することにより、プラークが減少するという場合もある。重炭酸ナトリウムはまた、充填材としてもしようできる。本願明細書に記載されている実施形態では、更なる重炭酸ナトリウムを含まなくてもよいか、又は0.1重量%未満の重炭酸ナトリウムを含んでもよい。同様に、本願明細書に記載されている幾つかの実施形態では、いかなるミネラル質充填剤も含まなくてもよい。しかしながら、他の実施形態では、重炭酸ナトリウムを含んでもよい。
【0047】
上記したように、一般的に用いられるあらゆる口腔輸送システムを用いて、本願明細書に記載されているように、リンペプチド又はリンタンパク質で安定化されたリン酸カルシウム又はフッ化リン酸カルシウム錯体、並びにカルシウム塩及び/又はリン酸塩を輸送することができる。好適な口腔輸送システムとしては、菓子製品、チューインガム、ゲル類、歯磨剤、練り歯磨き、マウスウォッシュ、マウスリンス、マウススプレー、食用フィルム、飲料及び食品などが挙げられるが、これらに限定されない。これらの口腔輸送システムの幾つかの実施形態を、以下で更に詳細に記載する。
【0048】
菓子組成物
本願明細書に記載されている幾つかの実施形態では、チューインガム組成物以外の菓子組成物(キャンディを含む)の提供に関する。上記菓子組成物は、齲歯防止剤である、リンペプチド又はリンタンパク質で安定化されたリン酸カルシウム又はフッ化リン酸カルシウム錯体(例えばCPP−ACP)、並びにカルシウム塩及び/又はリン酸塩を含んでなる。菓子組成物はまた、製菓用担体を含んでなる。幾つかの実施形態では、少なくとも1つの糖甘味料を含有する、シュガー入りの菓子組成物の提供に関する。上記シュガー入りの菓子組成物は、糖甘味料に加えて、シュガーレスの甘味料を含有してもよい。他の実施形態では、シュガーレスの甘味料のみを含有するシュガーレスの菓子組成物の提供に関する。本願明細書に記載されている菓子組成物は、本発明の組成物と実質的に同様であるが、CPP−ACP、並びにカルシウム塩及び/又はリン酸塩を含まない菓子組成物と比較し、高いレベルで歯エナメルの再石灰化を促進する。
【0049】
菓子組成物は、様々な形態(例えばハードキャンディ、ソフトキャンディ、綿菓子、タブレット、ロゼンジ、ヌガー、キャラメル、フラッペ及びタフィー)で提供されてもよい。上記菓子組成物は、少なくとも1つの風味剤及び様々な任意の添加物を含有してもよい。
【0050】
製菓用担体は、少なくとも1つの甘味料を含有する。糖類(砂糖及び/又はシュガーレスの甘味料を含む)が使用できる。シュガー入りの菓子組成物は、シュガーレスの甘味料を含まなくてもよいが、幾つかの実施形態では、少なくとも1つの糖甘味料に加えてシュガーレスのバルク甘味料及び/又は高強度甘味料を含有してもよい。しかしながら、シュガーレスの菓子組成物は、シュガーレスの甘味料のみを含有する。
【0051】
好適な製菓用担体に使用する糖甘味料としては、単糖類、二糖類及び多糖類(例えば限定されないがショ糖(砂糖)、デキストロース、マルトース、デキストリン、キシロース、リボース、グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース(リブロース)、転化糖、フルクトオリゴ糖シロップ、部分加水分解された澱粉、コーンシロップ固形物及びそれらの混合物)が挙げられる。製菓用担体は、糖甘味料に加えて、従来技術において公知の担体から選択される様々な任意の構成要素を含有してもよい。適切な担体の選択は、調製しようとする菓子のタイプに依存する。
【0052】
好適なシュガーレスのバルク甘味料としては、糖アルコール(又はポリオール)(例えばソルビトール、キシリトール、マンニトール、ガラクチトール、マルチトール、水素化イソマルツロース(ISOMALT)、ラクチトール、エリトリトール、水素化澱粉加水分解物及びそれらの混合物)が挙げられる。
【0053】
好適な水素化澱粉加水分解物としては、米国特許第4279931号に記載のもの、及び様々な水素化ブドウ糖シロップら及び/又は粉末(ソルビトール、マルチトール、水素化二糖類、水素化多糖類又はそれらの混合物)などが挙げられる。水素化澱粉加水分解物は、条件制御下での、主にコーンシロップの触媒的な水素化処理により調製される。得られる水素化澱粉加水分解物は、糖のモノマー、二量体及び重合体の混合物である。これらの様々な糖比率により、水素化澱粉加水分解物の特性が様々に変化する。水素化された澱粉加水分解物の混合物としては、例えばLYCASIN(登録商標)(フランスのRoquette Freres社により製造される市販品)、及びHYSTAR(登録商標)(SPI Polyols社(ニューキャッスル、デラウェア)製の市販品)もまた有用である。
【0054】
幾つかの実施形態では、高強度甘味料を用いてもよい。特定の甘味料に限定されないが、代表的なカテゴリー及び例としては、以下のものが挙げられる:(a)水溶性甘味料(例えばジヒドロカルコン、モネリン、ステビオサイド、グリチルリジン、ジヒドロフラベノール、砂糖アルコール(例えばソルビトール、マンニトール、マルチトール、キシリトール、エリトリトール)、及びL−アミノジカルボキシル酸アミノアルケン酸エステルアミド(例えば米国特許第4619834号に開示され、その開示内容を本願明細書に援用する)、及びそれらの混合物);(b)水溶性人工甘味料(例えば可溶なサッカリン塩(すなわちナトリウム又はカルシウムのサッカリン塩)、チクロ塩、3,4−ジヒドロ−6−メチル−1,2,3−オキサチアジン−4−オン−2,2−ジオキシドのナトリウム、アンモニウム又はカルシウム塩、3,4−ジヒドロ−6−メチル−1,2,3−オキサチアジン−4−1−2,2−ジオキシドのカリウム塩(アセスルフェーム−K)、フリーの酸形態のサッカリン、及びそれらの混合物);(c)ジペプチドベース甘味料(例えばL−アスパラギン酸由来の甘味料、例えばL−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステル(アスパルテーム)、N−[N−(3,3−ジメチルブチル)−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン1−メチルエステル(ネオテーム)、及び米国特許第3492131号に記載の材料である、L−α−アスパルチル−N−(2,2,4,4−テトラメチル−3−チエタニル)−D−アラニンアミド水和物(アリテーム)、L−アスパルチル−L−フェニルグリセリン及びL−アスパルチル−L−2,5−ジヒドロフェニル−グリシンのメチルエステル、L−アスパルチル−2,5−ジヒドロ−L−フェニルアラニン、L−アスパルチル−L−(1−シクロヘキセン)−アラニン、及びそれらの混合物);(d)天然の水溶性甘味料に由来する水溶性甘味料(例えば通常の糖(スクロース)の塩素化誘導体、例えばクロロデオキシスクロース誘導体(クロロデオキシ糖誘導体又はクロロデオキシガラクトスクロース誘導体(例えばスクラロースの製品名で公知)));クロロデオキシスクロース及びクロロデオキシガラクトスクロース誘導体の例としては、限定されないが、以下のものが挙げられる:1−クロロ−1’−デオキシスクロース、4−クロロ−4−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−α−D−フルクトフラノシド又は4−クロロ−4−デオキシガラクトスクロース、4−クロロ−4−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−1−クロロ−1−デオキシ−β−D−フルクト−フラノシド又は4,1’−ジクロロ−4,1−ジデオキシガラクトスクロース、1’,6’−ジクロロ−1’,6’−ジデオキシスクロース、4−クロロ−4−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−1,6−ジクロロ−1,6−ジデオキシ−β−D−フルクトフラノシド又は4,1’,6’−トリクロロ−4,1’,6’−トリデオキシガラクトスクロース、4,6−ジクロロ−4,6−ジデオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−6−クロロ−6−デオキシ−β−D−フルクトフラノシド又は4,6,6’−トリクロロ−4,6,6’−トリデオキシガラクトスクロース、6,1’,6’−トリクロロ−6,1’,6’−トリデオキシスクロース、4,6−ジクロロ−4,6−ジデオキシ−α−D−ガラクト−ピラノシル−1,6−ジクロロ−1,6−ジデオキシ−β−D−フルクトフラノシド又は4,6,1’,6’−テトラクロロ−4,6,1’,6’−テトラデオキシガラクト−スクロース、4,6,1’,6’−テトラデオキシ−スクロース及びそれらの混合物;(e)タンパク質ベースの甘味料(例えばthaumaoccous danielli(タウマチンI及びII))及びタリン;(f)甘味料モンタチン(2−ヒドロキシ−2−(インドール−3−イルメチル)−4−アミノグルタル酸)及びその誘導体;(g)甘味料ロハングオ(Lo han guo)(「ロハンクオ」(Lo han kuo)とも呼ばれる)。
【0055】
高強度甘味料を、公知の様々な物理的形状において用いてもよく、それにより、初期の甘味のバースト効果、及び/又は長期にわたる甘味の持続効果が得られる。限定されないが、かかる物理的形状としては、フリーの形状(例えば噴霧乾燥、粉末状)、ビーズの形状、カプセル形状及びそれらの組合せなどが挙げられる。使用する甘味料又は甘味料の組合せに応じて、高強度甘味料を、組成物の重量に対して約0.001%〜約3%の量で存在させてもよい。
【0056】
一般に、ハードキャンディは、糖又はシュガーレス甘味料と、非結晶若しくはガラス質の状態が維持された他の炭水化物増量剤との混合物を含んでなるベースを有する。幾つかの実施形態では、少なくとも1つの甘味料自体が菓子組成物のための担体として機能してもよく、又は更なる担体成分を使用してもよい。下記の甘味料のいずれを用いてもよい。ハードキャンディの組成及びの調製に関する総説が、E.B.Jackson,Ed.“Sugar Confectionery Manufacture”,2nd edition,Blackic Academic & Professional Press,Glasgow UK,(1990),p129−169、及び、H.A.Lieberman,Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets,Volume 1(1980),Marcel Dekker,Inc.,New York,N.Y.p339−469に記載されている。
【0057】
かかる菓子組成物は、燃焼調理器具、真空調理器具、及び表面かき取り式調理器具(また高速空気式調理器具(high speed atmospheric cooker)と呼ばれる)などの従来の方法によって通常どおりに調製できる。
【0058】
燃焼調理器具は、従来のキャンディベースの調製方法において用いられる。この方法では、増量剤が溶融するまで、所望の量の炭水化物増量剤をケトル中で加熱することによって、水中に溶解させる。更なる増量剤を添加し、最終的な温度が145℃〜156℃となるまで調理を継続してもよい。その後、バッチを冷却し、プラスチック状の塊とし、芳香剤及び着色剤などの添加剤を混合する。
【0059】
高速空気式調理器具では、熱交換表面を使用し、キャンディをフィルム状に熱交換表面上に拡散させ、キャンディを数分以内に165℃〜170℃に加熱する。更にキャンディを100℃〜120℃に急冷し、プラスチック状の塊とし、芳香剤及び着色剤などの添加剤を混合する。
【0060】
真空調理器具では、炭水化物増量剤を125℃〜132℃に加熱し、その後真空を適用し、更なる加熱を行わずに余分な水を蒸発除去する。料理終了時には上記の塊は半固体状となり、プラスチック様のコンシステンシーを有する。この時点で、通常の機械的混合を行い、風味剤、着色剤及び他の添加物を上記の塊に添加して混合する。
【0061】
従来のハードキャンディの製造において、風味剤、着色剤及び他の添加物を均一に混合するために必要となる最適な混合方法は、材料が均一に分配されるのに必要な時間により決定される。通常、4〜10分間の混合時間が許容範囲であることがわかっている。
【0062】
適切なキャンディの塊を調製した後、それを適切なサイズにカットするか、又は所望の形状に成形してもよい。様々な成形技術を利用して、最終製品を所望の形状及び寸法にしてもよい。
【0063】
ソフトキャンディ組成物としては、フォンダン、キャラメル、タフィー、ファッジ、マシュマロ及びヌガーなどが挙げられ、またジャム及びゼリーなども包含されうる。ソフトキャンディ組成物(例えばヌガー)の調製は、従来の方法で行ってもよく、例えば以下の2つの主成分を混合することにより行われる:(1)高沸点シロップ、及び(2)比較的軽いきめのあるフラッペ(通常卵アルブミン、ゼラチン、植物タンパク(大豆由来化合物)、牛乳由来化合物(例えば牛乳タンパク質)、及びそれらの混合物)。かかるキャンディの組成及び調製に関する総説は、E.B.Jackson.Ed.“Sugar Confectionery Manufacture”,2nd edition,Blackie Academic & Professional Press.Glasgow UK(1990),p170−235に記載されている。
【0064】
ソフトキャンディ中の高沸点シロップ又は「ボブシロップ」は、比較的粘稠性で、フラッペ成分より高い密度を有し、通常顕著な量の炭水化物増量剤(例えば水素化された澱粉加水分解物)を含有する。従来、最終的なヌガー組成物は、フラッペを撹拌しながら「ボブシロップ」を添加して、ベースとなるヌガー混合物を形成させることにより調製する。更にその後で、調味料、更なる炭水化物増量剤、着色剤、防腐剤、薬剤などの成分、及びそれらの混合物を、撹拌しながら添加することもできる。ヌガーキャンディの組成及び調製に関する総説は、B.W.Minifie,Chocolate,Cocoa and Confectionery:Science and Technology,2nd edition,AVI Publishing Co.,Inc.,Westport,Conn.(1980),p424−425に記載されており、その開示内容を本願明細書に援用する。
【0065】
ソフトキャンディの調製は、公知の手順を用いて行われる。通常、フラッペ成分を最初に調製し、その後、シロップ成分を撹拌しながら少なくとも65℃の温度、好ましくは少なくとも100℃の温度で徐々に添加する。上記の成分の混合を継続し、均一な混合物を調製し、その後、当該混合物を80℃以下の温度に冷却し、その時点で風味剤をすることができる。上記混合物を更に、除去可能な、適切なキャンディ形状の成形が可能となるまで、一定時間混合する。
【0066】
圧縮タブレット菓子組成物は、特定の材料を含有し、加圧下で一定の構造に成形される。これらの菓子は通常糖又は糖代替物(組成物の約95重量%まで)、及び典型的なタブレット賦形剤(例えば結合剤及び潤滑剤)を含有する。
【0067】
通常、製菓用担体を菓子組成物の約5%〜約99重量%の量で存在させる。より具体的には、製菓用担体は、菓子組成物の約80%〜約99重量%の量で存在させてもよい。上記甘味料は通常、菓子組成物の約5%〜約99重量%の量で存在させてもよい。
【0068】
上記の通り、CPP−ACPは、菓子組成物中に約0.1%〜約2.5重量%の量で存在してもよい。幾つかの実施形態では、CPP−ACPは、組成物中に約1%〜約2.5重量%の量で存在してもよい。菓子組成物から形成される菓子類製品は、例えば、幾つかのの実施形態では約38mgのCPP−ACPを含有してもよい。他の幾つかの実施形態では、菓子類製品は例えば、約25mgのCPP−ACP、及び約150mgの乳酸カルシウムを含有してもよい。かかる菓子組成物は、かかる実施形態により提供される組成物と実質的に同様であるが、CPP−ACP及びカルシウムを含まない菓子組成物及び/又はリン酸塩と比較し、高いレベルで歯エナメル再石灰化を提供する。
【0069】
例えば、幾つかの実施形態では、少なくとも約0.5%のCPP−ACPを含有するシュガー入りの菓子組成物の使用により、少なくとも約2.8%高いレベルでエナメル表面下の再石灰化が提供される。他の幾つかの実施形態では、少なくとも約1%のCPP−ACPを含有するシュガー入りの菓子組成物の使用により、少なくとも約8%高いレベルでエナメル表面下の再石灰化が提供される。
【0070】
対照的に、CPP−ACPを含まない従来のシュガー入りの菓子組成物は、歯エナメルを脱石灰化する傾向を示す。特に、上記したように、本願明細書に記載されているものと実質的に同様であるが、CPP−ACPを含まないシュガー入りの菓子組成物では、歯のエナメル表面下の病変において約6%高いレベルで脱石灰化を生じさせることが分かっている。その意味において、シュガー入りの菓子組成物が歯エナメルの再石灰化を促進できることは予想外であった。
【0071】
幾つかの実施形態では、少なくとも約0.1%のCPP−ACP、少なくとも約1.6%の乳酸カルシウム及び少なくとも約1.5%のリン酸塩を含有するシュガー入りの菓子組成物の使用により、少なくとも約7%高いレベルで、エナメル表面下の再石灰化が提供される。他の幾つかの実施形態では、少なくとも約0.1%のCPP−ACP、少なくとも約2.8%の乳酸カルシウム、及び少なくとも約1.7%のリン酸塩を含有するシュガー入りの菓子組成物の使用により、少なくとも約12.5%高いレベルでエナメル表面下の再石灰化が提供される。更に、幾つかの実施形態では、シュガー入りの菓子組成物は、少なくとも約0.35%のレベルでの硬質の歯エナメルの再石灰化、また幾つかの実施形態では少なくとも約0.5%のレベルでの硬質の歯エナメルの再石灰化が提供される。
【0072】
対照的に、CPP−ACP、乳酸カルシウム及びリン酸塩を含まない従来のシュガー入りの菓子組成物では、歯エナメルを脱石灰化する傾向を示す。特に、本願明細書に記載されているものと実質的に同様であるが、CPP−ACP及びカルシウム塩及び/又はリン酸塩を含まないシュガー入りの菓子組成物では、歯のエナメル表面下の病変において、約5.2%高いレベルで脱石灰化を生じさせることが分かっている。その意味において、シュガー入りの菓子組成物が歯エナメルの再石灰化を促進できることは予想外であった。本願明細書に記載されている幾つかの実施形態では、CPP−ACP、並びにカルシウム塩及び/又はリン酸塩を含まない、同様のシュガー入りの菓子組成物と比較し、少なくとも約12%高いレベルで再石灰化が提供される。幾つかの実施形態では、かかる同様の菓子組成物と比較し、少なくとも約18%高いレベルで再石灰化が提供される。幾つかの実施形態では、シュガー入りの菓子組成物であっても、それと実質的に同じであるが、CPP−ACP、並びにカルシウム塩及び/又はリン酸塩を含まないシュガーレスの組成物と比較し、高いレベルで歯のエナメルの再石灰化を促進することが分かっている。
【0073】
上記菓子組成物はまた、上記のように従来耕地の添加物を適当量で含有してもよい。
【0074】
幾つかの実施形態では、上記菓子組成物は、少なくとも1つの風味剤(フレーバー剤、調味料又は香味剤)を含有してもよい。上記の少なくとも1つの風味剤は、当業者に公知の、例えば天然及び人工香味料であってもよい。これらの風味剤は、合成フレーバーオイル及び香味性の芳香族化合物及び/又はオイル、植物、葉、花、果実等に由来するオレオレジン及び抽出物、並びにそれらの組合せから適宜選択できる。非限定的な代表的な香味オイルとしては、スペアミントオイル、シナモンオイル、ウインターグリーンオイル(メチルサリチレート)、ペパーミントオイル、ハッカオイル、クローブオイル、ベイオイル、アニスオイル、ユーカリオイル、タイムオイル、スギの葉オイル、ナツメグオイル、オールスパイス、セージオイル、メイス、ビターアーモンドオイル及びカッシアオイルなどが挙げられる。また、有用な調味料としては、人工、天然及び合成のフルーツフレーバー(バニラ)、シトラスオイル(レモン、オレンジ、ライム、グレープフルーツ、ユズ、スダチ)、フルーツエッセンス(リンゴ、西洋ナシ、桃、ブドウ、ブルーベリー、イチゴ、キイチゴ、サクランボ、プラム、パイナップル、スイカ、アプリコット、バナナ、メロン、アプリコット、ウメ、サクランボ、キイチゴ、ブラックベリー、トロピカルフルーツ、マンゴー、マンゴスチン、ザクロ、パパイアその他)などが挙げられる。放出プロフィールを制御できる他の風味剤としては、ミルクフレーバー、バターフレーバー、チーズフレーバー、クリームフレーバー及びヨーグルトフレーバー、バニラフレーバー、紅茶又はコーヒーフレーバー(例えば緑茶フレーバー、ウーロン茶フレーバー、紅茶フレーバー、ココアフレーバー、チョコレートフレーバー及びコーヒーフレーバー)、ミントフレーバー(例えばペパーミントフレーバー、スペアミントフレーバー及びハッカフレーバー)、スパイシーフレーバー(例えば阿魏フレーバー、アジョワンフレーバー、アニスフレーバー、アンゼリカフレーバー、ウイキョウフレーバー、オールスパイスフレーバー、シナモンフレーバー、カモミールフレーバー、マスタードフレーバー、カルダモンフレーバー、キャラウェーフレーバー、クミンフレーバー、クローブフレーバー、コショウフレーバー、コリアンダフレーバー、サッサフラスフレーバー、サボリーフレーバー、サンショウフレーバー、シソフレーバー、ビャクシンベリーフレーバー、ジンジャーフレーバー、スターアニスフレーバー、セイヨウワサビフレーバー、タイムフレーバー、タラゴンフレーバー、イノンドフレーバー、トウガラシフレーバー、ナツメグフレーバー、バジルフレーバー、マヨラナフレーバー、ローズマリーフレーバー、ベイリーフフレーバー及びワサビ(日本のセイヨウワサビ)フレーバー)、アルコールフレーバー(例えばワインフレーバー、ウィスキーフレーバー、ブランデーフレーバー、ラムフレーバー、ジンフレーバー及びリキュールフレーバー)、フローラルフレーバー、ベジタブルフレーバー(例えばタマネギフレーバー、ガーリックフレーバー、キャベツフレーバー、ニンジンフレーバー、セロリフレーバー、キノコフレーバー及びトマトフレーバー)などが挙げられる。これらの風味剤は、液体又は固体として用いてもよく、また別個に用いてもよく、あるいは混合物として用いてもよい。通常用いられる風味剤としては、ペパーミント、メントール、スペアミントなどのミントフレーバー、人工バニラ、シナモン誘導体及び様々なフルーツフレーバーなどを個々に使用するか、又は混合物として使用したフレーバーである。風味剤の使用により、息を爽快にする特性を付与することもでき、例えば、特にミントフレーバーを以下に記載する冷却剤と組み合わせて用いてもよい。
【0075】
幾つかの実施形態では、他の風味剤としてはアルデヒド及びエステルが挙げられ、例えば酸酢シナミル、シナミルアルデヒド、シトラールジエチルアセタール、酢酸ジヒドロカルビル、ギ酸オイゲニル、p−メチルアニソールなどが使用できる。一般的な風味剤又は食品添加物として、Chemicals Used in Food Processing,publication 1274,p63−258(National Academy of Sciences)に記載のものを使用してもよい。この刊行物は、本願明細書に援用する。これらには、天然の風味剤及び合成風味剤が含まれる。
【0076】
アルデヒド系の風味剤の更なる例としては、限定されないが、アセトアルデヒド(リンゴ)、ベンズアルデヒド(サクランボ、アーモンド)、アニスアルデヒド(カンゾウ、アニス)、桂皮アルデヒド(シナモン)、シトラール(α−シトラールなど)(レモン、ライム)、ネラール(β−シトラール)(レモン、ライム)、デカナール(オレンジ、レモン)、エチルバニリン(バニラ、クリーム)、ヘリオトロープ(すなわちピペロナール)(バニラ、クリーム)、バニリン(バニラ、クリーム)、α−アミル桂皮アルデヒド(スパイシーでフルーティーな風味)、ブチルアルデヒド(バター、チーズ)、バアレルアルデヒド(バター、チーズ)、シトロネラール(調整剤、多数のタイプ)、デカナール(シトラスフルーツ)、アルデヒドC−8(シトラスフルーツ)、アルデヒドC−9(シトラスフルーツ)、アルデヒドC−12(シトラスフルーツ)、2−エチルブチルアルデヒド(ベリーフルーツ)、ヘキセナール(trans−2)(ベリーフルーツ)、トリルアルデヒド(サクランボ、アーモンド)、ベラトラルデヒド(バニラ)、2,6−ジメチル−5−ヘプタナール(メローナル、メロン)、2,6−ジメチルオクタナール(グリーンフルーツ)及び2−ドデセナール(シトラス、マンダリン)、サクランボ、ブドウ、ブルーベリー、ブラックベリー、イチゴショートケーキ、並びにそれらの混合物などが挙げられる。
【0077】
幾つかの実施形態では、風味剤は、液体状及び/又は乾燥状のものを使用してもよい。後者の形態を使用する場合、液体の噴霧乾燥などの、適切な乾燥手段が使用可能である。あるいは、上記の風味剤を、水溶性材料(例えばセルロース、澱粉、砂糖、マルトデキストリン、アラビアなど)を用いて吸収させるか、又はカプセル封入してもよい。更に他の実施形態では、上記風味剤はシリカ、ゼオライトなどへ吸着させてもよい。
【0078】
幾つかの実施形態では、上記の風味剤は、様々な物理的形状として用いてもよい。限定されないが、かかる物理的形状としては、フリーの形状(例えば噴霧乾燥、粉末状)、ビーズ形状、カプセル封入された形状、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0079】
通常、少なくとも1つの風味剤を、菓子組成物中に約0.1%〜約15重量%の量で存在させる。より具体的には、風味剤を、菓子組成物中に約0.5%〜約5.0重量%の量で存在させてもよい。
【0080】
所望の着色効果を生じさせるのに効果的な量の着色剤を用いてもよい。上記着色剤としては色素が挙げられ、菓子組成物の重量に対して最高約6%の量で添加することが可能である。例えば、二酸化チタンを、組成物の重量に対して〜約2%、好ましくは〜約1%未満までの量で添加することが可能である。着色剤として、食品、薬剤及び化粧品用途に適する天然の食品用着色剤及び色素を使用してもよい。これらの着色剤は、F.D.&C.色素及びレイク(lake)として公知である。上記の用途に使用できる材料は、好ましくは水溶性材料である。非限定的な例としては、F.D.&C.ブルーNo.2として公知のインジゴイド色素(5,5−インジゴチンジスルホン酸の2ナトリウム塩)が挙げられる。同様に、F.D.&C.グリーンNo.1として公知の色素、トリフェニルメタン色素が挙げられ、それは4−[4−(N−エチル−p−スルホニウムベンジルアミノ)ジフェニルメチレン]−[1−(N−エチル−N−p−スルホニウムベンジル)−δ−2,5−シクロヘキサジエンイミン]の1ナトリウム塩である。全てのF.D.&C.着色剤の詳細な説明、及びそれらの対応する化学構造式は、Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology,3rd Edition,in volume 5、p857−884,に記載されており、その開示内容を本発明に援用する。
【0081】
様々な公知の冷却剤を使用してもよい。例えば、有用な冷却剤としては、メントール、キシリトール、エリトリトール、メンタン、メントン、酢酸メンチル、サリチル酸メンチル、N,2,3−トリメチル−2イソプロピルブタンアミド(WS−23)、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミド(WS−3)、琥珀酸メンチル、3,1−メントキシプロパン 1,2−ジオール及びグルタル酸エステルなどが挙げられる。これらの、また他の好適な冷却剤に関しては、米国特許第4230688号及び第4032661号(Rowsellら)、第4459425号(Amanoら)、第4136163号(Watsonら)、及び第5266592号(Grubら)に記載されており、それらの全開示内容を本願明細書に参照により援用する。
【0082】
加温剤を、公知の多様な化合物から選択し、個々のユーザーに温感を与えるように調製してもよい。これらの化合物は、特に口腔において温感を提供し、風味剤、甘味料及び他の感覚刺激成分による感覚を強化する機能を発揮することもある。有用な加温剤としては、少なくとも1つのアリルビニル成分を有するものが挙げられ、それは口腔内の受容体と結合する性質を有する。適切な加温剤の例としては、限定されないが、バニリルアルコールn−ブチルエーテル(TK−1000(高砂香料工業社、東京、日本)、バニリルアルコールn−プロピルエーテル、バニリルアルコールイソプロピルエーテル、バニリルアルコールイソブチルエーテル、バニリルアルコールn−アミノエーテル、バニリルアルコールイソアミルエーテル、バニリルアルコールn−ヘキシルエーテル、バニリルアルコールメチルエーテル、バニリルアルコールエチルエーテル、ジンゲロール、ショーガオール、パラドール、ジンゲロン、カプサイシン、ジヒドロカプサイシン、ノルジヒドロカプサイシン、ホモカプサイシン、ホモジヒドロカプサイシン、エタノール、イソプロピルアルコール、イソアミルアルコール、ベンジルアルコール、グリセリン、クロロホルム、オイゲノール、シナモンオイル、桂皮アルデヒド、それらのホスフェート誘導体、並びにそれらの組み合わせなどが挙げられる。
【0083】
清涼剤を使用することにより、ユーザーに清涼感、刺激感又は麻痺感を提供することができる。清涼剤としては、限定されないが、ジャンブーオレオレシン又はパラクレス(スピランテス種)(有効成分スピラントール)、日本トウガラシ抽出物(Zantoxylum peperitum)(サンショール−I、サンショール−II及びサンショウアミドとして公知の成分を含有)、黒コショウ抽出物(piper nigrum)(有効成分カビシン及びピペリン)、エチナセア抽出物、アメリカザンショウ抽出物、赤トウガラシオレオレジン、並びに発泡剤(例えば食用酸及び塩基(カプセル封入できる))などが挙げられる。清涼剤は、Nakatsuらの米国特許第6780443号、McLaughlinらの米国特許第5407665号、Johnsonらの米国特許第6159509号及びNakatsuらの米国特許第5545424号に記載されており、各々の全開示内容を本願明細書に援用する。
【0084】
菓子分野における当業者にとり公知の、他の菓子類用添加物を、組成物中に添加して用いてもよい。
【0085】
幾つかの実施形態では、固体部分及び当該固体部分の溶解部分を含んでなる菓子組成物の提供に関する。より詳しくは、菓子製品(例えばハードキャンディ)が消費されることにより、固形ハードキャンディの一部が消費者の口腔内で溶解し始める。これにより、消費者の口腔内で当該固体部分の溶解部分が形成される。菓子製品の当該固体部分及び当該溶解部分は、製菓用担体を含んでなり、それは少なくとも1つの甘味料、CPP−ACP及びカルシウム塩及び/又はリン酸塩を含有してもよい。当該菓子組成物は、消費されることにより、当該組成物と実質的に同様であるが、CPP−ACP、並びにカルシウム塩及び/又はリン酸塩を含まない菓子組成物より高いレベルで、哺乳類の歯のエナメル表面下の再石灰化が提供される。更に、組成物は更なる重炭酸ナトリウムを含まなくてもよい。
【0086】
チューインガム組成物:
本願明細書に記載されている実施形態では、ガムベース、リンペプチド又はリンタンパク質で安定化されたリン酸カルシウム又はフッ化リン酸カルシウム錯体(例えばCPP−ACP)(齲歯防止剤)並びに、カルシウム塩及び/又はリン酸塩を含有するチューインガム組成物の提供に関する。幾つかの実施形態では、少なくとも1つの糖甘味料を含有する、シュガー入りチューインガム組成物の提供に関する。当該シュガー入りチューインガム組成物は、糖甘味料に加えて、シュガーレスの甘味料を含有してもよい。他の実施形態では、シュガーレスの甘味料のみを含有する、シュガーレスのチューインガム組成物の提供に関する。当該チューインガム組成物は、実質的に同様であるが、CPP−ACP及びカルシウム塩及び/又はリン酸塩を含まないチューインガム組成物と比較し、高いレベルで歯エナメルの再石灰化を促進する。
【0087】
チューインガム組成物は、様々な製品形態(例えばスラブ、ペレット、スティック、中心充填ガム、沈澱ガム、圧縮ガム)として提供できる。少なくとも1つの風味剤及び任意に様々な添加物をチューインガム及び菓子組成物中に含有させてもよい。
【0088】
上記したように、チューインガム組成物はガムベースを含有する。ガムベースは、チューインガムの製造技術において公知のあらゆる成分を含有してもよい。かかる成分は、水溶性でも非水溶性でもよく、又はそれらの組み合わせであってもよい。例えば、ガムベースは、エラストマー、増量剤、ワックス、エラストマー溶媒、乳化剤、可塑剤、充填材及びそれらの混合物を含有してもよい。
【0089】
ガムベースにおいて使用されるエラストマー(ガム)は、様々な要因(例えば所望するガムベースのタイプ、所望のガム組成物の密度、及び最終チューインガム製品を製造する際の、上記組成物で使用する他の成分)に応じて適宜変更してもよい。エラストマーは、公知技術のいかなる水不溶性ポリマーでもあってもよく、チューインガム及びバブルガムの製造に利用されるガムポリマーなどが挙げられる。ガムベース中の適切なポリマーの例としては、天然及び合成エラストマーが挙げられる。例えば、ガムベースへの使用にとり適切はポリマーとしては、限定されないが、天然物質(植物由来)(例えばチクル、天然ガム、クラウンガム、ニスペロ、ロシジンハ、ジェルトン、ペリロ、ニガーグッタ、トゥーヌ、バラタ、グッタペルカ、レチ カプシ、ソーバ、グッタ カイなど、並びにその混合物が挙げられる。合成エラストマーの例としては、スチレンブタジエン共重合体(SBR)、ポリイソブチレン、イソブチレン−イソプレンコポリマー、ポリエチレン、ポリ酢酸ビニルなど、並びにそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0090】
ガムベースに使用されるエラストマーの量は、様々な要因(例えば所望するガムベースのタイプ、所望のガム組成物の密度、及び最終チューインガム製品を製造する際の、上記組成物で使用する他の成分)によって変化させてもよい。エラストマーは通常、約10%〜約60重量%の量、望ましくは約35%〜約40重量%の量でガムベース中に存在する。
【0091】
幾つかの実施形態では、ガムベース中にワックスを含有させてもよい。それにより、ポリマー性エラストマー混合物を軟化し、ガムベースの弾力性を向上させる。存在させる場合、使用する上記ワックスは60℃未満の融点、好ましくは45℃〜55℃の融点を有する。低融点ワックスとして、固形パラフィンを用いてもよい。当該ワックスは、ガムベースの重量に対して約6%〜約10%、好ましくは約7%〜約9.5%の量でガムベースに存在させてもよい。
【0092】
上記低融点ワックス類に加えて、高融点ワックスを、ガムベースの重量に対して最高約5%の量でガムベースに用いてもよい。かかる高溶点ワックスとしては、蜜蝋、木蝋、カンデリラ蝋、カルヌバワックス、大部分の石油ワックスなど、並びにそれらの混合物が挙げられる。
【0093】
ガムベースは、上記の成分以外にも、他の様々な成分(例えばエラストマー溶媒、乳化剤、可塑剤、充填材及びそれらの混合物から選択される成分)を含有してもよい。
【0094】
エラストマー成分を軟化する際の補助として、エラストマー溶媒をガムベース中に含有させてもよい。かかるエラストマー溶媒としては、従来技術において公知のエラストマー溶媒、例えばα−ピネン又はβピネンポリマーなどのテルピネン樹脂、ロジンのメチル、グリセロール及びペンタエリスリトールエステル、修飾ロジン及びガム(例えば水素化、二量体化及び重合ロジンなど)、並びにそれらの混合物が挙げられる。本発明への使用に適するエラストマー溶媒の例としては、部分的に水素化されたウッドロジン及びガムロジンのペンタエリスリトールエステル、ウッドロジン及びガムロジンのペンタエリスリトールエステル、ウッドロジンのグリセロールエステル、部分的に二量体化されたウッドロジン及びガムロジンのグリセロールエステル、重合したウッドロジン及びガムロジンのグリセロールエステル、トール油ロジンのグリセロールエステル、ウッドロジン及びガムロジンのグリセロールエステル、及び部分的に水素化されたウッドロジン及びガムロジン、及びウッドロジン及びガムロジンの部分的に水素化されたメチルエステルなど、並びにそれらの混合物などが挙げられる。エラストマー溶媒は、ガムベースの重量に対して約2%〜約15%、好ましくは約7%〜約11%の量でガムベースに使用できる。
【0095】
ガムベースには、単一の安定な系として混合できない成分の分散を補助するための乳化剤を含有させてもよい。本発明において有用な乳化剤としては、モノステアリン酸グリセリル、レシチン、脂肪酸モノグリセリド、ジグリセリド、モノステアリン酸プロピレングリコールなど、並びにそれらの混合物などが挙げられる。上記乳化剤は、ガムベースの重量に対して約2%〜約15%、より具体的には約7%〜約11%の量で使用できる。
【0096】
様々な望ましいテクスチャ及び均一性を得るために、可塑剤又は軟化剤をガムベース中に含有させてもよい。これらの可塑剤及び軟化剤成分は、低分子量であるため、ガムベースの基本骨格中を透過でき、それにより可塑性の及び低い粘稠性が得られる。有用な可塑剤及び軟化剤としては、ラノリン、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、グリセリルトリアセテート、グリセリルレシチン、モノステアリン酸グリセリル、モノステアリン酸プロピレングリコール、アセチル化モノグリセリド、グリセリンなど、並びにそれらの混合物が挙げられる。ワックスをガムベース中に添加してもよく、例えば天然及び合成ワックス、水素化植物油、石油ワックス(例えばポリウレタンワックス)、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、微結晶ワックス、脂肪ワックス、ソルビタンモノステアレート、獣脂、プロピレングリコールなど、並びにそれらの混合物などが使用できる。可塑剤及び軟化剤は通常、ガムベース中に、ガムベースの重量に対して約20重量%まで、より具体的にはガムベースの重量に対して約9%〜約17%の量で使用される。
【0097】
また、可塑剤としては、水素化植物油(例えば大豆油及び綿実油)などが挙げられ、それは単独で使用してもよく、又は組み合わせて使用してもよい。これらの可塑剤の使用により良好なテクスチャを有するガムベースが得られ、噛んだときの食感がソフトになる。これらの可塑剤及び軟化剤は通常、ガムベースの重量に対して約5%〜約14%の量、より具体的には約5%〜約13.5%の量で使用される。
【0098】
また、無水グリセリンを、軟化剤(例えば市販の米国薬局方(USP)グレード)として使用してもよい。グリセリンは、ほのかに甘い味覚を有するシロップ状の液体であって、スクロースの約60%の甘味度を有する。グリセリンは吸湿性であるため、チューインガム組成物の調製工程全体を無水条件に維持した状態で、無水グリセリンを使用するのが好ましい。
【0099】
幾つかの実施形態では、有効量の増量剤(例えば充填材及びテクスチャ改良剤有用なミネラル補助剤)をガムベース中に含有させてもよい。有用なミネラル補助剤としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、タルク、リン酸三カルシウム、リン酸ジカルシウム、硫酸カルシウムなど、並びにそれらの混合物が挙げられる。これらの充填材又は補助剤は、任意の量でガムベース組成物中に添加してもよい。充填材を使用する場合には、ガムベースの重量に対して約15%〜約40%、望ましくは約20%〜約30%の量で使用する。
【0100】
また、任意に従来公知の様々な成分(例えば風味剤及び着色剤、酸化防止剤、防腐剤など)を、ガムベース中に有効量で含有させてもよい。例えば、食品、医薬及び化粧品用途に適している二酸化チタン及び他の色素(F.D.&C.用色素として公知)を利用してもよい。ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル、ビタミンE及びそれらの混合物などの酸化防止剤を含有させてもよい。チューインガムの分野の当業者に公知の他のチューインガム添加物をガムベースに用いてもよい。
【0101】
一般に、ガムベースは、チューインガム組成物中に約5%〜約95重量%の量で存在する。より具体的には、ガムベースは、チューインガム組成物中に約20%〜約60重量%の量で存在してもよい。
【0102】
チューインガム製品は、当業者に公知の標準的な技術及び器材を使用して調製できる。本願明細書に記載の実施形態にとり有用な装置には、チューインガムの製造技術において公知の混合・加熱装置が包含され、ゆえに、具体的な装置の選択は当業者にとって自明である。一般的なチューインガム調製プロセスは、米国特許第4271197号(Hopkinsら)、第4352822号(Cherukuriら)及び第4497832号(Cherukuriら)に記載されており、それらの全開示内容を本願明細書に援用する。
【0103】
圧縮ガムフォーマットの場合、当該ガムベースは、溶融若しくは熱可塑性ガムベースとは対照的に、粒状形態(例えばパウダー状若しくは顆粒状のガムベース)であってもよい。粒子状のガムベースは実質的に無水状態であるのが好ましく、また例えば圧縮によって任意の所望の形状に形成することができる。
【0104】
粒子状のガムベースは、公知の標準的な研磨技術を使用して形成できる。出発原料は、いかなる従来公知のガムベース(例えば熱溶融ガムベースの調製に用いるもの)でもあってもよい。粒子状のガムベースは、例えば、米国特許第3262784号、第4405647号、第4753805号及び第6290985号、及び米国特許出願公開第2003/00276871号(それらの全開示内容を本願明細書に援用する)に記載のように、ガムベースを裁断、研磨若しくは圧壊するか、又はその他の方法により形成することができる。
【0105】
望ましくは、粒子状のガムベースを、研磨などの工程を経て粒子状の形状とし、それにより、タブレット調製用の粉末と同様のサイズとなる。同様の粒径の粒子を用いることにより、ガムベースとタブレット調製用の粉末の均一な混合が可能となり、それにより、調製されるガムタブレットの形状が均一なものとなる。ガムベース及びタブレット調製用の粉末は、約4〜約100メッシュの粒径であってもよく、望ましくは8〜約25メッシュ、より望ましくは12〜約20メッシュの粒径を有する。
【0106】
上記粒子状のガムベースは、チューインガム組成物又はタブレット中に約10%〜約80重量%の量で存在させてもよく、望ましくは20%〜約50重量%、より望ましくは30%〜約40重量%の量で存在させる。
【0107】
上記粒子状のガムベースをタブレット調製用の粉末と混合してプレスし、ガムタブレットを形成してもよい。上記タブレット調製用の粉末は、乾燥した微粉末の状態であってもよい。望ましい粒径は上記のとおりである。タブレット調製用の粉末はスクロースベース、デキストロースベース又はポリオールベースの粉末、又はそれらの組み合わせであってもよい。例えば、上記ポリオールベースの粉末はソルビトール又はマンニトールの粉末であってもよい。タブレット調製用の粉末は、他の任意の成分、例えば風味剤、着色剤、糖及び/又はシュガーレス甘味料など、並びにそれらの組み合わせを含有してもよい。
【0108】
幾つかの実施形態では、食品グレードの潤滑剤を粒子状のガムベース及びタブレット調製用の粉末と混合するのが好ましい。食品グレードの潤滑剤は、ガム組成物をプレスしてタブレットを形成する際の補助となりうる。より具体的には、潤滑剤を用いることにより、タブレット製造における鋳型及びパンチの過度の磨耗が防止される。潤滑剤の使用は、鋳型内部におけるタブレットの圧縮直後においても有用であり、すなわちそれにより、タブレットと鋳型内壁との間の摩擦が減少する。
【0109】
食品グレードの潤滑剤は別個に添加してもよく、又は、タブレット調製用の粉末(幾つかの市販のタブレット調製用粉末など)中に含有させてもよい。適切な食品グレードの潤滑剤の例としては、ステアリン酸金属塩、脂肪酸、水素化植物油、部分的に水素化された植物油、動物性脂肪、ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリオキシエチレン、タルク、シリカ、及びそれらの組み合わせが挙げられる。食品グレードの潤滑剤は、ガム組成物中に約0〜6重量%の量で存在してもよい。
【0110】
あるいは、幾つかの実施形態では、チューインガム組成物を調製し、更にその混合物を研磨することにより、圧縮可能なチューインガム組成物を形成することができる。上記チューインガム組成物は、溶融ガムベース、バルク甘味料、軟化剤、可塑剤、他の甘味料、着色剤を、適切な公知の混合技術(例えば生地混合技術)によって混合することにより調製できる。粒子状のガムベースの調製と同様に、公知の標準的な研磨技術を使用して、チューインガム混合物から微粒子状のチューインガム組成物を調製することが可能である。微粒子状のチューインガムは、例えば、米国特許第3262784号、第4405647号、第4753805号及び第6290985号、及び米国特許出願公開第2003/00276871号(それらの全開示内容を本願明細書に援用する)に記載のように、チューインガムを裁断、研磨若しくは圧壊するか、又は他の方法により形成することができる。
【0111】
上記の通り、圧縮可能なチューインガム組成物は、プレスされたガムタブレットの形状であってもよい。幾つかの実施形態では、粒子状のガムベース及び修飾された放出成分を、タブレット形状にプレスする。それを咀嚼することにより、上記プレスされたガムタブレットが柔らかい噛み応えのある(chewy:チューイーな)物質に変化する。
【0112】
幾つかの実施形態では、上記圧縮可能なチューインガム組成物は、プレスされた単層タブレットである。幾つかの実施形態では、上記圧縮可能なチューインガム組成物は、プレスされた多層タブレットである。多層タブレットの実施形態としては、任意の数の層を有するタブレットであってもよい。それぞれの層は、同じ若しくは異なる厚みを有してもよい。更に、それぞれの層は、同じ若しくは異なる成分を含有してもよい。
【0113】
プレスされたガムタブレットはまた、タブレットを囲むコーティング層を有してもよい。上記コーティング層は、従来からチューインガム技術で使用されているあらゆる成分を含有してもよい。例えば、上記コーティングは、糖、ポリオール又は高強度甘味料等、着色剤、風味剤及び加温及び/又は冷却剤などを含有してもよい。
【0114】
上記圧縮可能なチューインガム組成物又はプレスされたタブレットは、含水量が極めて低いのが望ましくい。幾つかの実施形態では、上記タブレットは実質的に水を含有しない。したがって、幾つかの実施形態では、上記組成物の約0%超〜約5重量%の総含水量である。上記組成物又はタブレットの密度は約0.2〜約0.8g/ccであってもよい。更に、上記圧縮可能なチューインガム組成物又はタブレットは、約1〜約20分の溶解速度であってもよい。プレスされたタブレット形状である場合、上記チューインガムは約30〜約200のShore硬度を有する。
【0115】
ガムの混合が35℃〜60℃の温度で実施可能となる生地混合チューインガムとは対照的に、圧縮チューインガムでは、工程温度は常温(23℃〜25℃)付近のままでよい。幾つかの実施形態では、圧縮可能なチューインガム組成物の調製を低い温度で実施することにより、熱感受性成分を熱分解から保護することが可能となる。同様に、上記の常温以上の温度におけるシビアな混合を行わないことにより、熱感受性成分、又はガム成分から遊離させるための成分(例えば風味剤、可塑剤など)を含有する輸送システムが保護されうる。すなわち、従来の生地混合において、熱分解若しくは化学的分解を受けやすかった成分は、圧縮チューインガムシステムの採用により、分解を受けにくくなる。
【0116】
菓子組成物に関して上記したいずれかの甘味料及び任意の添加物を、チューインガム組成物に含有させてもよい。甘味料、CPP−ACP及びカルシウム塩及び/又はリン酸塩は、上記と同様の量及び形態で、チューインガム組成物中に含有させてもよい。例えば、CPP−ACPをカプセル封入してもよく、カプセル封入しなくともよく、又は両方の形態の混合物であってもよい。幾つかの実施形態では、当該チューインガム組成物から形成されるチューインガム製品は、例えば約1mgのCPP−ACP、より具体的には1.5mgのそれを含有してもよい。上記と同様に、かかるチューインガム組成物は、かかる実施形態で提供される組成物と実質的に同様であるが、CPP−ACP及びカルシウム塩及び/又はリン酸塩を含まないチューインガム組成物と比較し、高いレベルで歯エナメル再石灰化を提供する。例えば、幾つかの実施形態では、シュガー入りチューインガム組成物は、少なくとも約2.8%高いレベルでエナメル表面下の再石灰化を提供し、幾つかの実施形態では、少なくとも約8%高いレベルでエナメル表面下の再石灰化を提供する。
【0117】
また、上記のいずれかの任意の添加物、並びに当業者に公知の他のいかなる従来公知のチューインガム添加物を、チューインガム組成物中に含有させてもよい。
【0118】
幾つかの実施形態では、固体部分及び固体部分の溶解部分を含有するチューインガム組成物の提供に関する。より詳しくは、チューインガム製品を消費することにより、一部の固体チューインガム製品が、消費者の口腔内で溶解する。この固体部分の溶解部分は、消費されることにより、消費者の口腔内で形成される。チューインガム製品の固体部分は、ガムベース、CPP−ACP及びカルシウム塩及び/又はリン酸塩を含んでなる。当該溶解部分は、CPP−ACP及びカルシウム塩及び/又はリン酸塩を含んでなる。当該固体部分及び当該溶解部分は、少なくとも1つの甘味料(例えばシュガー入りチューインガムの実施形態における糖甘味料)を含有してもよい。当該チューインガム組成物は、消費されることにより、当該組成物と実質的に同様であるが、CPP−ACP及びカルシウム塩及び/又はリン酸塩を含まないチューインガム組成物より高いレベルで、哺乳類の歯のエナメル表面下の再石灰化を提供する。更に、当該組成物は更なる重炭酸ナトリウムを含まなくてもよい。
【0119】
上記したように、チューインガム組成物は、様々な製品形態(例えばスラブ、ペレット、スティック、中心充填ガム、沈澱ガム、圧縮ガム)として提供できる。
【0120】
本願明細書に記載されているチューインガム又は菓子製品は、その上にコーティングを有してもよく、それは少なくとも部分的に、当該製品を囲むか又は包囲してもよい。
【0121】
より具体的には、幾つかの実施形態では、チューインガム又は菓子製品は、チューインガム領域又は菓子領域、及びコーティング領域を有してもよい。上記チューインガム領域は、上記のチューインガム組成物のいずれかから形成できる。同様に、上記菓子領域は、上記の菓子組成物のいずれかから形成できる。上記コーティング領域は、チューインガム又は菓子領域を少なくとも部分的に被覆できる。CPP−ACPは、チューインガム領域若しくは菓子領域に、コーティング領域に、又はそれらの両方の領域に存在してもよい。同様に、カルシウム塩及び/又はリン酸塩は、チューインガム又は菓子領域に、コーティング領域に、又はその両方の領域に存在してもよい。
【0122】
本発明の他の幾つかの実施形態では、中心充填型のチューインガム又は菓子製品の提供に関する。中心充填チューインガムは、中心充填領域と、当該中心充填領域に隣接して、少なくとも部分的に包囲若しくは位置するガム領域を有する。上記ガム領域は、上記のチューインガム組成物のいずれかから形成できる。例えば、中心充填菓子(例えば中心充填キャンディ)は、中心充填領域と、当該中心充填領域に隣接して、少なくとも部分的に包囲若しくは位置する菓子領域(例えばハード若しくはソフトキャンディ領域)を有する。菓子領域は、上記の菓子組成物のいずれかから形成できる。当該CPP−ACPは、ガム領域又は菓子領域に、中心充填領域に、又はそれらの両方の領域に存在してもよい。当該CPP−ACPは、これらの領域のいずれかにおいて、カプセル封入されてもよく、及び/又はカプセル封入されてもよい。同様に、当該カルシウム塩及び/又はリン酸塩は、ガム又は菓子領域、中心充填領域、又はそれらの両方の領域に存在してもよい。
【0123】
ガム又は菓子製品の中心充填領域は、液体状、固体状又は半固体状、ガス状等であってもよい。液体中心充填組成物(並びに半固体中心充填組成物)に係る実施形態では、上記のように、製造及び貯蔵の間における液体中心の保持に関する考慮が必要となる。したがって、チューインガムに係る実施形態では、中心充填ガムに、液体中心の減少若しくは漏出を実質的に妨げるガム領域組成物を使用するのが望ましいと考えられる。適切なガム領域組成物に関しては、出願人の同時係属中の米国特許出願第11/210954号に開示されており、その全開示内容を本願明細書に参照により援用する。
【0124】
幾つかの実施形態では、中心充填製品はコーティング領域を有してもよく、それは少なくとも部分的にガム又は菓子領域を囲むものである。
【0125】
コーティングされたチューインガム及び菓子に係る実施形態では、外側コーティングは、ソフトコーティングでもよく、ハードコーティングでもよく、クランキーなコーティングでもよい。当業者に公知のいかなる適切なコーティング材料を使用してもよい。典型的には、外側コーティングとしてはソルビトール、マルチトール、キシリトール、イソマルト、エリトリトール及び他の結晶化ポリオールなどが挙げられ、あるいはスクロースを用いてもよい。更に、上記コーティングは幾つかの不透明な層を有してもよく、それにより、コーティングを通してチューインガム又は菓子組成物を見ることができなくなり、更に任意に別の透明な層でコーティングし、表面の装飾、模様がけ及び保護を行ってもよい。上記外側コーティング中に、少量の水及びアラビアガムを含有させてもよい。上記コーティングを、更にワックスでコーティングしてもよい。各コーティングの間に乾燥を行いながら、コーティング溶液を連続的に塗布することによって、従来の方法でコーティングできる。コーティングが乾燥すると通常不透明(通常白色)となるが、更に他の着色剤を添加してもよい。ポリオールコーティングに、更にワックスでコーティングしてもよい。当該コーティングは更に、着色フレーク又はスペックルを含有してもよい。当該組成物がコーティングを含む場合、1つ以上の口腔ケア活性物質を、コーティングの全体にわたって分散させることもできる。これは特に、1つ以上の口腔ケア活性物質が、他の活性物質と、単一相組成物中で適合性を有さない場合に好適である。風味剤を添加して、固有の製品特性を付与してもよい。
【0126】
コーティング中に他の材料を添加して、所望の特性を付与してもよい。これらの材料としては、限定されないが、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、ゼラチン、キサン及びアラビアガムなどが挙げられる。
【0127】
コーティング組成物は、上記の方法を含む、公知のいかなる方法によっても塗布することができる。コーティング組成物は、全チューインガム又は菓子製品に対して約2%〜約60%までの量で存在させてもよく、より好適には約25%〜約45重量%である。
【0128】
中心充填製品は公知のあらゆる技術によって形成でき、例えば米国特許第6280780号(Degadyら)に記載の方法が挙げられる(全開示内容を本願明細書に援用する)。
【0129】
ソフト菓子組成物:
幾つかの実施形態では、上記口腔輸送システムは、様々なソフト菓子フォーマットの形態であってもよい。ソフト菓子フォーマットとしては、限定されないが、ヌガー、キャラメル、タフィー、グミ及びゼリーなどが挙げられる。かかる輸送システム中には、上記のいずれかの添加物を任意に含有させてもよい。
【0130】
ソフト菓子組成物は、製菓用のベース及び様々な添加物(例えば上記のいずれかの添加物)を任意に含有してもよい。消費されることにより、上記ソフトキャンディから、リンペプチド又はリンタンパク質で安定化されたリン酸カルシウム又はフッ化リン酸カルシウム錯体、並びにカルシウム塩及び/又はリン酸塩が放出され、上記の再石灰化の効果が得られる。
【0131】
幾つかのソフト菓子組成物としてはヌガー組成物が挙げられ、それは2つの主要な成分、すなわちハードキャンディ及びフラッペが含有される。例えば、卵アルブミン又はその代替物を水と混合し、軽いフォーム状物を調製する。砂糖及びブドウ糖を水に添加し、通常130℃〜140℃の温度でボイルし、得られるボイルされた製品を混合装置に注入し、クリーム状となるまで撹拌する。撹拌されたアルブミン及び香料をクリーム状の生成物と混合し、当該混合物を十分に撹拌して混合する。
【0132】
幾つかの実施形態では、キャラメル組成物は、糖(又は糖代替物)、コーンシロップ(又はポリオールシロップ)、部分的に水素化された脂肪、乳固形分、水、バター、風味剤、乳化剤及び塩などを含有する。キャラメルを調製する際、糖/糖代替物、コーンシロップ/ポリオールシロップ及び水を混合し、加熱して溶解させる。それから、乳固形分を混合し、均一な混合物を形成させる。次に、その他の成分を低い加熱状態のときに混合する。更に加熱し、沸騰させる。水を充分に除去し、着色剤/風味剤を添加した後、材料を若干冷却し、温度感受性成分を添加し、成形、包装を行い、最終製品を得る。
【0133】
幾つかの実施形態では、タフィー組成物は、部分的に水素化された脂肪、糖(又は砂糖代替物)、コーンシロップ(又はポリオールシロップ)水、風味剤、乳化剤及び塩を含有してもよい。タフィーを調製する方法は、キャラメルの調製方法と同様であり、任意に、最終的なタフィーのマスを引いて所望のテクスチャとしてもよい。
【0134】
幾つかの実施形態では、グミ組成物は、糖(又は砂糖代替物)、コーンシロップ(又はポリオールシロップ)、ゼラチン(又は適切な親水コロイド)、風味剤、着色剤及び任意に酸を含有してもよい。グミは、ゼラチン又は適切な親水コロイドを水和させ、糖/コーンシロップ(砂糖代替物/ポリオールシロップ)を加熱し、2つの成分を、加熱しながら混合することにより調製できる。当該混合物がその最終的な温度又は適切な砂糖固体レベルに達した後、風味剤、着色剤、などの成分を混合物に添加し、型に注入し、更に冷却し、ラップし、最終生成物を得る。ワックス又は脂肪の塗布のような様々な表面処理を行い、スティッキングを減少させることも可能である。
【0135】
幾つかの実施形態では、ゼリー組成物は、澱粉ベースのゼリー又はペクチンベースのゼリーであってもよい。グミと同様に、ゼリー製品は、親水コロイドを水和させて、水和する混合物と、調理されたシロップ成分とと混合することにより調製できる。更に混合物を最終含水量となるまで調理され、他の成分を添加してもよい。グミと同様に、ゼリーキャンディの場合も、型(例えば澱粉型)に注入できる。グミと同様に、表面処理(例えば脂肪又はワックス)を施してもよい。更に、ゼリーキャンディでは、ドライ表面処理(例えば砂砂糖、酸、ノンパレルなど)を施してもよい。
【0136】
更に、幾つかの実施形態では、複数の領域を有する様々なソフト菓子組成物の提供に関する。これらの構成としては、限定されないが、液体中心充填、粉末状の中心充填、ハードコーティング、ソフトコーティング、ラミネート状、層状、エンベロープ状などが挙げられる。幾つかの実施形態では、リンペプチド又はリンタンパク質で安定化されたリン酸カルシウム又はフッ化リン酸カルシウム錯体、並びにカルシウム塩及び/又はリン酸塩は、製品中の1つの領域に含有されてもよく、又は複数の領域に含有されてもよい。
【0137】
チョコレート菓子組成物:
口腔輸送システムはまた、様々なチョコレート菓子フォーマットの形であってもよい。チョコレート菓子製品としては、ミルクチョコレート、ブラックチョコレート及び/又はホワイトチョコレートなどが挙げられる。ミルクチョコレートは、他のミルクチョコレート成分(例えばココアリキッド、カカオバター及び/又はその他脂肪、甘味料、乳化剤、風味剤など)と共に乳固形分を含有してもよい。幾つかの実施形態では、乳固形分は、ミルクチョコレート組成物に対して5重量%の量から、ミルクチョコレート組成物に対して40重量%超の量で存在してもよい。あるいは、乳固形分は乾燥粉ミルク又は液体の牛乳であってもよい。
【0138】
ブラックチョコレートは、ミルクチョコレートと同様の成分を含んでもよいが、ほとんど乳固形分を含有しない。ホワイトチョコレートは、脂肪、甘味料、風味剤、乳化剤などの成分を含有してもよいが、ココア液を含有しない。ホワイトチョコレートは、合成コーティングとも呼ばれる。
【0139】
チョコレート成分を混合するための適切な方法は当業者に公知で、例えば食品グレードのブレンダ、ミキサーなどが挙げられる。
【0140】
チョコレート状の輸送システムは、上記の添加物のいずれかを任意に含有してもよい。
【0141】
ゲル、歯磨剤及び練り歯磨き:
幾つかの実施形態では、リンペプチド又はリンタンパク質で安定化されたリン酸カルシウム又はフッ化リン酸カルシウム錯体、並びにカルシウム塩及び/又はリン酸塩の輸送用のゲル、歯磨剤又は歯みがきの形の、口腔輸送システムの提供に関する。かかる輸送システムは、上記の添加物のいずれかを任意に含有してもよい。
【0142】
再石灰化ゲル類は通常、限定されないが、寒天、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、キチン、アカシアガム、アラビアガム、キサンタンガム、ヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの、従来食品において使われる非毒性のゲル化剤を含有する。当該ゲルは、中性のpHとなるように調整され、それにより、長期にわたる曝露においても、口腔組織の炎症が回避されうる。各ゲルは、所望のコンシステンシーを生じさせるために充分な水又は他の水溶液を含有してもよく、並びに、高分子量の結晶成長阻害剤、及び風味剤、着色剤などの上記の添加物を任意に添加してもよい。高分子量の結晶成長阻害剤としては、上記のゲル化剤、更にはリンタンパク質(例えばTermine&Conn,1976,Calcif.Tiss.Res.2:149−157で開示される)、ポリカルボン酸(例えばHowie−Meyersら、1995,in Mineral Scale Formation and Inhibition,Amjad,ed.,Plenum Press:New York,Ch.15,pp.169−182において開示される)、及びポリホルホリルポリビニルアルコール(Shimabayashiら、1995,in Mineral Scale Formation and Inhibition,Amjad,ed.,Plenum Press:New York,Ch.14,pp.157−168に記載)が挙げられる。
【0143】
ゲルは、上記の錯体、並びにカルシウム塩及び/又はリン酸塩、並びに他のいかなる添加物を任意に含有する乾燥粉として提供してもよい。このような実施形態では、当該ゲルは、適切な添加物(例えば着色剤、調味料、甘味料、ゲル化剤など)を含有する水又は他の液体を添加することによって再調製される。
【0144】
歯磨剤及び練り歯みがきは、限定されないが、甘味料(例えばソルビトール又はサッカリン)、研磨材(例えば水和シリカ)、発泡剤(例えばラウリル硫酸ナトリウム)、結合剤(例えばセルロース又は様々な形のガム)、潤滑剤(例えばグリセリン)、色素漂白剤(例えば酸化チタン)、食品着色料及び水などの、歯磨剤及び練り歯みがきに用いられる従来公知の成分を含有する。
【0145】
ゲルと同様に、歯磨剤及び歯みがきは、上記の錯体、並びにカルシウム塩及び/又はリン酸塩、並びに他の任意の添加物(例えば乾燥した調味料、甘味料、ゲル化剤)、並びに他の上記の成分を含有する乾燥粉として提供するのが好適である。かかる実施形態では、歯磨剤又は練り歯みがきは、適切な添加物(例えば着色剤、調味料、甘味料、ゲル化剤など)を含有する水又は他の液体を添加することによって再調製される。
【0146】
歯科用途における特に重要な添加物は、フッ化物含有化合物である。練り歯みがき及びゲルの実施形態では、例えば、NaF、CaF、SnF、NaPOF又はNaSiFのようなフッ化物塩を充分な量で添加することにより、HA及びフッ素リン灰石の形成速度を上昇させることが可能となる。幾つかの実施形態では、約200〜2200ppmのフッ化物含有量であってもよい。練り歯みがき及びゲルの使用の間に放出されるフッ化物の総量は、0.05〜10mgであってもよい。
【0147】
マウスウォッシュ、リンス及びスプレー:
幾つかの実施形態では、上記口腔輸送システムは、マウスウォッシュ、リンス又はスプレーであってもよい。マウスウォッシュ、すすぎ及びスプレーの成分は典型的には、組成物の約45%〜95重量%の量の水、組成物の70重量%以下の1つ以上のエタノール、組成物の50重量%以下の湿潤剤、組成物の約0.01%〜7重量%の界面活性剤、組成物の約0.04%〜2重量%の香料、組成物の約0.1%〜3重量%の甘味料、及び組成物の約0.001%〜0.5重量%の着色剤である。マウスウォッシュ、リンス及びスプレーは典型的には、組成物の約0.05%から0.3重量%の、1つ以上の齲歯防止剤(例えばフッ化物イオン)、及び組成物の約0.1%〜3重量%の歯石防止剤を含有する。また、上記の添加物のいずれかを任意に含有させもよい。
【0148】
飲料:
幾つかの実施形態では、リンペプチド又はリンタンパク質で安定化されたリン酸カルシウム又はフッ化リン酸カルシウム錯体、並びにカルシウム塩及び/又はリン酸塩の輸送のための、飲料形態の口腔輸送システムの提供に関する。様々な飲料組成物が使用できる。適切な飲料の実施形態を以下に示す。上記の添加物のいずれかを、かかる飲料組成物に任意に含有させてもよい。
【0149】
ジュースベースの組成物:
ジュースベースの組成物は通常、果物又は野菜から得られるジュース成分を含有する。当該ジュース成分は、いかなる形態(例えば液状、濃縮物、抽出物、粉末等)において用いてもよい。
【0150】
適切なジュースとしては、例えば、柑橘類のジュース、非柑橘類のジュース又はそれらの混合物が挙げられ、それらは飲料用のものとして公知である。かかる液の例としては、非柑橘系のジュース(例えばリンゴジュース、グレープジュース、西洋ナシジュース、ネクタージュース、ブドウジュース液、ラズベリージュース、グーズベリージュース、ブラックベリージュース、ブルーベリージュース、イチゴジュース、カスタード−リンゴジュース、ザクロジュース、グァバジュース、キーウィジュース、マンゴージュース、パパイアジュース、スイカジュース、カンタロープジュース、チェリージュース、クランベリージュース、ピーチジュース、アプリコットジュース、プラムジュース及びパイナップルジュース)、柑橘系のジュース(例えばオレンジジュース、レモンジュース、ライムジュース、グレープフルーツジュース及びタンジェリンジュース)、並びに野菜ジュース(例えばニンジンジュース及びトマトジュース)、又は上記のジュースの少なくとも1つを含んでなる組合せなどが挙げられる。
【0151】
特に明記しない限り、使用されるジュースは、果物又は野菜において天然に存在する、果物又は野菜由来する固体(例えばパルプ、種、皮、繊維など)及びペクチンを、一定のパーセンテージで含有する果物又は植物のジュースを含んでなる。ジュース中の固体の量は、ジュースの合計量に対して約1〜約75重量%、具体的には約5〜約60重量%、より具体的には約10〜約45重量%更に具体的には約15〜約30重量%であってもよい。より高い濃度で固体を含むものとしては、濃縮ジュース、ピューレなどが挙げられる。
【0152】
ジュースベースの組成物に存在する液体成分の量は通常、組成物の合計量に対して約0.1重量%〜約95重量%、具体的には約5重量%〜約75重量%、より具体的には組成物の合計量に対して約10重量%〜約50重量%であってもよい。使用量は、例えば、当該組成物が濃縮ジュースであるか、又は即時使用できる飲料であるかにより異なりうる。ジュースベースの組成物の残りの成分は、更なる水又は他の適切な液体(本願明細書に記載の甘味料、香料又は他の添加物)であってもよい。
【0153】
ジュースベースの組成物は、炭酸を含んでいなくても、炭酸を含んでもよい。
【0154】
一実施形態では、例えば、ジュースベースの組成物は、炭酸カルシウム、酸化カルシウム又は水酸化カルシウムの形で可溶性にされたカルシウムで強化される。食品グレードの酸をカルシウム強化されたジュースベースの組成物に添加し、カルシウムの可溶性を向上させてもよい。ジュースベースの組成物への使用に適している典型的な食品グレードの酸は、本願明細書において詳細に記載されており、特にクエン酸、リンゴ酸又は上記の食品グレードの酸のうちの少なくとも1つを含んでなる組合せが挙げられる。
【0155】
幾つかの実施形態では、ジュースベースの組成物は、熱破壊又は冷却破壊プロセスを使用して、果物又は野菜から調製できる。両方の方法において、果物又は野菜は、液体に侵して柔化させ、通常機械を通過させ、種、皮及び他の望ましくない固体を除去する。更に、組成物を従来の技術により濃縮する。熱破壊プロセスでは、果物又は野菜は通常、浸漬の間、又はその直後加熱され、酵素を不活性化する。さもないと製品が分解し、製品の粘性が低下するおそれがある。冷却破壊プロセスでは、通常熱破壊より低い温度で、果物又は野菜を処理する。したがって、熱破壊プロセスでは、冷却破壊プロセスによって得られるものより濃厚な生成物が得られる。
【0156】
一実施形態では、ジュースベースの組成物は、不必要な微生物を死滅させるために低温殺菌される。ジュースベースの組成物の適切な低温殺菌条件は、提供されるガイドラインを使用して、過度の実験を要さずに、当業者により選択できる。ジュースベースの組成物を殺菌する典型的な低温殺菌プロセスは、組成物を約60〜約80℃で約6〜約15分、無菌条件下で加熱することによって実施される。
【0157】
他の実施形態では、ジュースベースの組成物は、飲料容器に満たされた後に、低温殺菌条件に供される。あるいは、組成物は、容器の組成物を殺菌するのに十分な温度で、飲料容器中に加熱充填される。
【0158】
他の実施形態では、ジュースベースの組成物に防腐剤を含有させることにより、低温殺菌工程を必要とすることなく、組成物を飲料容器に冷却充填することが可能となる。具体的には、当該防腐剤を添加することにより、約3〜約4.5のpHまで飲料のpHレベルを低下させることが可能となる。適切な防腐剤は、本願明細書に記載のとおりである。
【0159】
ミルクベースの組成物:
ミルクベースの組成物は通常、牛乳タンパク質(例えばカゼイン、乳漿タンパク質など)、脂肪、ラクトース及び水など、乳成分を様々な量で含有する。典型的な乳成分としては、上記の乳成分のうちの少なくとも1つを含んでなる、ヨーグルト、クリーム、全乳、低脂肪若しくは高脂肪の牛乳、脱脂乳、乳固形分、濃縮ミルク又はそれらの組合せが挙げられる。
【0160】
幾つかの実施形態では、ミルクベースの組成物中の乳成分を、一部又は全体において乳成分でない成分で置き換えてもよい。好適な非乳成分としては、豆乳、アーモンドミルク、ココナッツミルク、ライスミルクびなど、又はそれらの少なくとも1つを含んでなる組合せが挙げられる。
【0161】
安定化剤を当該ミルクベースの組成物に添加し、沈殿を防止してもよい。典型的な安定化剤としては、親水コロイド(例えばペクチン、アルギン酸プロピレングリコールなど)、並びに本願明細書に更に記載されている安定化剤などが挙げられる。
【0162】
ミルクベースの飲料組成物中の乳タンパク質の量は、当該ミルクベースの飲料組成物の合計量に対して約0.1%〜約10重量%であってもよく、具体的には約0.5%〜約5重量%、より具体的には約1.0%〜約4重量%である。
【0163】
本願明細書において開示されるように、ミルクベースの組成物は、甘味料、着色剤又は他の添加物を含有してもよい。ミルクベースの組成物は、炭酸を含んでいなくありえるか、炭酸ガスを含むことがありえる。
【0164】
幾つかの実施形態では、ミルクベースの飲料は、遊離ラクトースである。
【0165】
ミルクベースの飲料組成物を調製する方法は通常、乳化剤と共に乳成分又は非乳成分を混合し、成分を乳化させる工程を含んでなる。乳化された生成物を低温殺菌し、冷却し、第二の成分(香料、甘味料、他の添加物又は水を含んでもよい)と混合し、所望の液体の飲料組成物を調製する。製品の完全性を確保するため、無菌条件下で混合するのが好ましい。
【0166】
ミルクベースの組成物を低温殺菌する際の適切な条件は、提供されるガイドラインを使用して、過度の実験を行うことなく、当業者が適宜選択できる。乳化した成分又は他の乳成分を殺菌するための典型的な低温殺菌プロセスは、無菌環境下で、約30秒〜約2分間、約130〜約140℃の温度で実施される。あるいは、当該低温殺菌は、無菌環境下で、約20〜約30分間、約115〜125℃で実施してもよい。
【0167】
他の実施形態では、ミルクベースの組成物を飲料容器に充填し、その後で低温殺菌条件下に置く。
【0168】
アルコール組成物:
本願明細書に記載されている組成物は更に、アルコール組成物であってもよい。好適なアルコールの組成物の例としては、上記の少なくとも1つを含んでなるビール、スピリッツ、リキュール、ワイン又はそれらの組合せが挙げられる。幾つかの実施形態では、アルコールの濃度(当該飲料組成物に含まれるエタノールの量で測定)は、飲料組成物に対して約0.5体積%〜20体積%であってもよい。
【0169】
炭酸ガス含有組成物:
炭酸ガスを含有する飲料組成物は、典型的には飲料組成物の体積に対して、約0.1〜約5.0倍容のガス又は混合ガス(通常二酸化炭素)を含有する。炭酸封入は、飲料組成物に圧力下でガスを強力に導入することにより実施できる。飲料組成物を冷却することにより、飲料組成物中に溶解される二酸化炭素の量を増加させることができる。炭酸封入を行うことにより、組成物の風味、甘さ、味覚及び口あたりを刺激的にすることができる。更に、炭酸封入により、組成物のpHが低下する。
【0170】
一実施形態では、所望の飲料組成物要素の全てを含む最終的な無炭酸の飲料組成物に、を行うことができる。
【0171】
他の実施形態では、所望の量の水に炭酸封入を行い、炭酸ガスを含有する水を調製してもよい。炭酸ガスを含有する水を更に濃縮飲料又は飲料シロップなどの組成物と混合し、最終的な炭酸ガスを含有する飲料組成物を調製してもよい。
【0172】
炭酸ガスを含む飲料組成物を調製した後、炭酸ガスを含む飲料組成物を容器中に充填し、過度の実験を行わずに当業者により選択された方法、包材及び器材を使用して密封する。
【0173】
幾つかの実施形態では、炭酸封入を、消費の直前に実施してもよい。例えば、レストラン又はコンビニエンスストアで、飲料シロップ及び炭酸源を含んでなる飲料を、消費者による消費の直前に調製する。
【0174】
冷凍組成物:
本明細書で用いられる「冷凍飲料組成物」は、懸濁されている氷晶を有する、粘着性であるが飲料として飲むことができる飲料組成物のことを指す。当該冷凍飲料組成物の密度を変化させることによって、「ぬかるんだ」、あるいは「スプーンですくうことができる」コンシステンシーとすることができる。氷晶は、冷凍飲料組成物の合計量に対して、約20〜約90重量%、具体的には約30〜約70重量%、より具体的には約40〜約50重量%の量で、冷凍飲料組成物に存在させてもよい。
【0175】
冷凍飲料組成物は他の飲料と比較して低温であるため、風味剤及び/又は甘味料の使用量は異なりうる。風味剤及び甘味料の適切な量は、過度の実験を要さずに、当業者により適宜選択されうる。
【0176】
冷凍飲料組成物中にバッファ塩を含有させてもよく、それにより、飲料組成物の凝固点が降下し、「ぬかるんだ」テクスチャが維持される。適切なバッファ塩としては、クエン酸又はリン酸のナトリウムエン、カリウム及びカルシウム塩が挙げられ、例えばクエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸二カリウム、リン酸一カルシウム、リン酸三カルシウム又はこれらのバッファ塩のうちの少なくとも1つを含んでなる組合せが挙げられる。
【0177】
ゲル組成物:
本明細書で用いられる「ゲル飲料組成物」は、増粘剤を含有する、粘着性であるが飲むことができる、飲料組成物であってもよい。ゲル飲料組成物の密度を適宜調整することにより、「半固体」状、あるいは「スプーンですくうことができる」コンシステンシーとすることができる。増粘剤(時々ハイドロコロイドと呼ばれる)としては、限定されないが、天然及び合成ゴム(例えばイナゴマメガム、グアーガム、ジェランガム、キサン、ガティガム、修飾ガティガム、トラガカントガム、カラギーナンなど)、天然及び修飾澱粉、例えばゼラチン化澱粉(穀物、小麦、タピオカ)、ゼラチン化高アミロース含有澱粉、ゼラチン化加水分解澱粉(マルトデキストリン、コーンシロップ固形物)、化学修飾澱粉、例えばゼラチン化置換澱粉(例えばオクテニル琥珀酸エステル)、セルロース誘導体(例えばカルボキシメチルセルロース、カルボキシルメチルセルロースナトリウムなど)、ポリデキストロース、ホエイ又はホエイタンパク質濃縮物、ペクチン、ゼラチン、又はそれらの増粘剤のうちの少なくとも1つを含んでなる組合せなどが挙げられる。
【0178】
ゲル飲料組成物は、他の飲料と比較してテクスチャが異なるため、風味剤及び/又は甘味料の量は異なりうる。風味剤及び甘味料の適切な量は、過度の実験を要さずに、当業者により適宜選択されうる。
【0179】
本願明細書に記載されているいずれの飲料組成物も、上記の風味剤及び甘味料、並びに様々な任意の添加物を含有してもよい。例えば、幾つかの実施形態では、当該飲料組成物は、更なる甘味料(例えばLo han guo、ステビア、モナチン等)又はそれらの組み合わせを含有してもよい。幾つかの実施形態では、当該組成物は、任意の添加物(例えば酸化防止剤、アミノ酸、カフェイン、着色剤(「着色料」、「色素」)乳化剤、風味増強剤、食品グレードの酸、ミネラル、微量元素、植物エキス、植物有効成分(「フィトニュートリエント」)、防腐剤、バッファ塩などの塩、安定化剤、増粘剤、薬剤、ビタミン又はそれらの添加物の少なくとも1つを含んでなる組合せ)を含有してもよい。当業者であれば、上に列挙した更なるカテゴリのうちの1つ以上の定義又は機能に従い、特定の添加物を適宜選択することができる。
【0180】
組成物に用いられる適切な塩としては、アルカリ又はアルカリ土類金属の塩化物、グルタミン酸塩などが挙げられる。例えば、グルタミン酸ソーダ、塩化カリウム、塩化ナトリウム又はそれらの塩のうちの少なくとも1つを含んでなる組合せである。塩は、上記のように風味増強剤として飲料に添加してもよい。
【0181】
組成物に用いられる適切な食品グレードの酸としては、例えば酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、酪酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、リン酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸又はそれらの食品グレードの酸を少なくとも1つ含んでなる組合せが挙げられる。食品グレードの酸を酸味料として添加することにより、飲料のpHが制御され、更に若干の保存特性が付与され、又は飲料が安定化される。
【0182】
飲料のpHは、水酸化アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウムなど、又はそれらの少なくとも1つを含んでなる組合せなどの、食品グレードの化合物の添加により調整できる。更に、二酸化炭素を添加することによっても飲料のpHを調整できる。
【0183】
幾つかの実施形態では、酸を適宜選択して混合することによって、飲料の辛さを変化させ、所望の辛さを付与することもできる。所望の辛さを決定する際に考慮する要因としては、酸の解離定数、可溶性、pH等があるが、これらに限定されない。これらの変数は、飲料組成物の滴定可能酸性度から測定できる。
【0184】
着色剤を有効量で使用して、組成物を所望の色に着色することができる。着色剤としては、食品用途、薬剤用途及び化粧用途に適する色素、天然着色剤及び色素が挙げられる。すべてのF.D.&C.着色剤及びそれらの対応する化学構造の完全な説明は、Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology,3rd Edition, in volume 5,p857−884に記載されており、その開示内容を本願明細書に援用する。
【0185】
米国食品医薬品化粧品法(21C.F.R.73)により分類されるように、着色剤は証明着色剤(certification colors)(合成的に製造された場合であっても天然と称される)、及び証明着色剤(certified colors)(人工と称される)又はそれらの少なくとも1つを含んでなる組合せの着色証明が挙げられる。幾つかの実施形態では、証明着色剤又は天然色素の典型的な例としては、ベニノキエキス(E160b)、ビキシン、ノルビキシン、アスタキサンチンは、脱水ビート(ビート粉)、ビートの根赤/ベタニン(E162)、ウルトラマリンブルー、カンタキサンチン(E161g)、クリプトキサンチン(E161c)、ルビキサンチン(E161d)、ビオランキサンチン(E161e)、ロドキサンチン(E161f)、キャラメル(E150(a−d)、β−アポ−8’−カロテナール(E160e)、β−カロチン(E160a)、αカロチン、γカロチン、β−アポ−8カロテナール(E160f)のエチルエステル、フラボキサンチン(E161a)、ルテイン(E161b)、コチニール抽出物(E120)、カルミン(E132)、カルモイシン/アゾルビン(E122)、銅クロロフィリンナトリウム(E141)、クルルフィル(E140)、部分的に脱脂され、調理された綿実粉、グルコン酸鉄、乳酸鉄、ブドウ抽出着色剤、ブドウ皮抽出物(エノシアニア)、アントシアニン(E163)、ヘマトコッカス藻のミール、合成酸化鉄、酸化鉄及び水酸化鉄(E172)、フルーツジュース、野菜ジュース、乾燥藻類のミール、マンジュギク(アステカマリゴールド)ミール及び抽出物、ニンジン油、コーン胚芽油、パプリカ、パプリカオレオレジン、ファフィアイースト、リボフラビン(E101)、サフラン、二酸化チタン、ターメリック(E100)、ターメリックオレオレシリ、アマランス(E123)、カプサンチン/カプソルビン(E160c)、リコピン(E160d)又はそれらを1つ以上含む組合せなどが挙げられる。
【0186】
幾つかの実施形態では、典型的な証明着色剤は、FD&Cブルー#1、FD&Cブルー#2、FD&Cグリーン#3、FD&Cレッド#3、FD&Cレッド#40、FD&Cイエロー#5及びFD&Cイエロー#6、タートラジン(E102)、キノリンイエロー(E104)、サンセットイエロー(E110)、ポンソー(E124)、エリトロシン(E127)、パテントブルーV(E131)、二酸化チタン(E171)、アルミニウム(E173)、銀(E174)、金(E175)、色素ルビン/リトールルビンBK(E180)、炭酸カルシウム(E170)、カーボンブラック(E153)、ブラックPN/ブリリアントブラックBN(E151)、グリーンS/アシッドブリリアントグリーンBS(E142)、又はそれらの少なくとも1つを含んでなる組合せを含有してもよい。幾つかの実施形態では、証明着色剤は、FD&Cアルミニウム レイクを含有してもよい。これらは、アルミナ水和物の不溶性基材に塗布したFD&C色素のアルミニウム塩から成る。更に、幾つかの実施形態では、証明着色剤を、カルシウム塩として含有させてもよい。
【0187】
許容できる着色剤は、特に水溶性着色剤である。所望の視覚効果を提供する着色剤の適切な量は、提供されるガイドラインに従い、過度の実験を要せずに、当業者により適宜選択されうる。着色剤の典型的な量は、組成物の合計量に対して0.005〜約15重量%、具体的には約0.01〜約6重量%、より具体的には約0.1〜約2重量%であってもよい。
【0188】
乳化剤を飲料組成物に添加することにより、成分の分散状態が維持され、それにより組成物中の成分の分離が防止される。乳化剤は親水性部分と疎水性部分を有する分子を含有するのが好ましい。乳化剤缶は、飲料中の親水性物質と疎水性物質との間の界面において作用し、組成物中の成分の分離を防止する。組成物中に用いられる適切な乳化剤としては、例えばレシチン(例えば大豆レシチン)、長鎖脂肪酸のモノ及びジグリセリド、特に飽和脂肪酸、具体的にはステアリン酸及びパルミチン酸のモノ−及びジグリセリド、酢酸、クエン酸、酒石酸又は乳酸のモノ及びジグリセリド、卵黄、ポリソルベート(例えばポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート65及びポリソルベート80)、プロピレングリコールエステル(例えばモノステアリン酸プロピレングリコール)、脂肪酸のプロピレングリコールエステル、ソルビタンエステル(例えばソルビタンモノステアレート、ソルビットトリステアレート、ソルビットモノラウレート、ソルビットモノオレエート)、アカシア(アラビアガム)、蔗糖モノエステル、ポリグリセリンエステル、ポリエトキシル化グリセロールなど、又はそれらの乳化剤の少なくとも1つを含んでなる組合せが挙げられる。
【0189】
飲料組成物は、組成物の約0.001%〜約2.00%、具体的には約0.005%〜約1.00%、より具体的には約0.01%〜約0.5%、更に具体的には約0.05%〜約0.1重量%の量で乳化剤を含有してもよい。
【0190】
更なる「口あたり」を組成物に付与できる増粘剤として天然及び合成ガムを使用してもよく、例えばイナゴマメガム、グアーガム、ジェランガム、キサン、ガティガム、修飾ガティガム、トラガカントガム、カラギーナンなど)、天然及び修飾澱粉、例えばゼラチン化澱粉(穀物、小麦、タピオカ)、ゼラチン化高アミロース含有澱粉、ゼラチン化加水分解澱粉(マルトデキストリン、コーンシロップ固形物)、化学修飾澱粉、例えばゼラチン化置換澱粉(例えばオクテニル琥珀酸エステル)、セルロース誘導体(例えばカルボキシメチルセルロース、カルボキシルメチルセルロースナトリウムなど)、ポリデキストロース、ホエイ又はホエイタンパク質濃縮物、ペクチン、ゼラチン、又はそれらの増粘剤のうちの少なくとも1つを含んでなる組合せなどが挙げられる。
【0191】
飲料組成物は、組成物中に約0.001%〜約10%、具体的には約0.005%〜約5%、より具体的には約0.01%〜約1%、更に具体的には約0.05%〜約0.5重量%の量で増粘剤を含有してもよい。
【0192】
防腐剤(抗菌物質を含む)を飲料組成物に添加することにより、新鮮さが維持され、バクテリア、カビ、菌類又は公募の不必要な増殖が防止される。防腐剤(酸化防止剤を含む)を添加することにより、組成物の着色性、風味又はテクスチャが維持される。食品及び飲料製品に用いられるあらゆる適切な防腐剤を組成物中に添加してもよい。好適な防腐剤の例としては、安息香酸アルカリ金属塩(例えば安息香酸ナトリウム)、ソルビン酸アルカリ金属塩(例えばソルビン酸カリウム)、アスコルビン酸(ビタミンC)、クエン酸、プロピオン酸カルシウム、エリソルビン酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、ソルビン酸カルシウム、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、トコフェロール(ビタミンE)、直鎖ポリリン酸塩又はそれらの防腐剤の少なくとも1つを含んでなる組合せが挙げられる。
【0193】
飲料組成物は、組成物中に約0.0001%〜約0.10%、具体的には約0.001%〜約0.08%、より具体的には約0.005%〜約0.05%、更に具体的には約0.01%〜約0.04重量%の量で防腐剤又は防腐剤の組合せを含有してもよい。
【0194】
飲料組成物を、ビタミン、ミネラル、微量元素又は他の栄養分で強化又は富化してもよい。当該微量元素は、生物体にとって栄養学的に良好な影響を及ぼす材料を含有してもよいが、所望の効果を得るために生物体から要求される量は、脂肪、タンパク質、炭水化物などの多量栄養素と比較して少ない。微量元素としては、ビタミン、ミネラル、酵素、植物有効成分、酸化防止剤及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0195】
適切なビタミン又はビタミン前駆体としては、アスコルビン酸(ビタミンC)、βカロチン、ナイアシン(ビタミンB)、リボフラビン(ビタミンB)、チアミン(ビタミンB)、ナイアシンアミド、葉酸エステル又は葉酸(αトコフェロール又はそのエステル)、ビタミンD、酢酸レチニル、パルミチン酸レチニル、ピリドキシン(ビタミンB)、葉酸(ビタミンB)、シアノコバラミン(ビタミンB12)、パントテン酸、ビオチン、又はこれらのビタミンの少なくとも1つを含んでなる組合せが挙げられる。
【0196】
幾つかの実施形態では、当該ビタミン又はビタミン前駆体は、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE及びビタミンKなどの脂溶性ビタミン及びそれらの組み合わせを含有してもよい。幾つかの実施形態では、当該ビタミン又はビタミン前駆体としては、水溶性ビタミン(例えばビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンB群(チアミン又はB、リボフラビン又はB、ナイアシン又はB、ピリドキシン又はB、葉酸又はB、シアノコバラミン又はB12、パントテン酸、ビオチン)及びそれらの組み合わせを含有してもよい。
【0197】
典型的なミネラルとしては、ナトリウム、マグネシウム、クロミウム、ヨウ素、鉄、マンガン、カルシウム、銅、フッ素、カリウム、リン、モリブデン、セレニウム、亜鉛、又はそれらのミネラルの少なくとも1つを含んでなる組合せが挙げられる。当該ミネラルは、陽イオンミネラルの場合には、炭酸塩、酸化物、水酸化物、塩化物、リン酸円、硫酸塩、乳酸塩、ピロリン酸塩、グルコン酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、リンゴ酸塩、アミノ酸塩などとして、また陰イオンミネラルの場合にはナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム塩などとして提供してもよい。
【0198】
組成物中に存在するビタミン又はミネラルの量は、米国食品医薬局によって推奨される「U.S. Recommended Daily amounts or the Recommended Daily Intake amounts」として公知の量の範囲内であっても、あるいはそれを超える量であってもよい。
【0199】
幾つかの実施形態では、微量元素としては、L−カルニチン、コリン、補酵素Q10、α−リポ酸、ω−3−脂肪酸、ペプシン、フィターゼ、トリプシン、リパーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0200】
酸化防止剤は、フリーラジカルを除去する材料を含有してもよい。幾つかの実施形態では、当該酸化防止剤として、アスコルビン酸、クエン酸、ローズマリ油、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンEリン酸エステル、トコフェロール、ジ−α−トコフェリルリン酸エステル、トコトリエノール、αリポ酸、ジヒドロリポ酸、キサントフィル、βクリプトキサンチン、リコピン、ルテイン、ゼアキサンチン、アスタキサンチン、ベータカロチン、カロチン、混合カロチノイド、ポリフェノール、フラボノイド及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0201】
典型的な栄養分としては、アミノ酸(例えばL−トリプトファン、L−リジン、L−ロイシン、L−メチオニン、2−アミノエタンスルホン酸(タウリン)及びL−カルニチン)、クレアチン、グルクロノラクトン、イノシトール、又はそれらの栄養分の少なくとも1つを含んでなる組合せが挙げられる。
【0202】
植物有効成分(「フィトニュートリエント」)とは、消費者の健康に対する有益な効果を提供できる、植物由来の化学物質である。植物有効成分は、植物由来の酸化防止剤、モノフェノール類及びポリフェノールなどのフェノール系化合物などが挙げられる。典型的な植物有効成分としては、ルテイン、リコピン、カロチン、アントシアニン、カプサイシノイド、フラボノイド、ヒドロキシ桂皮酸、イソフラボン、イソチオシアネート、モノテルペン、カルコン、クメスタン、ジヒドロフラボノール、フラバノイド、フラバノール、ケルセチン、フラバノン、フラボン、フラバン−3−オール(カテキン、エピカテキン、エピガロカテキン、エピガロカテキンガレートなど)、フラボナール(アントシアニン、シアニジンなど)、フェノール酸、植物ステロール、サポニン、テルペン(カロチノイド)、又はそれらの植物有効成分の少なくとも1つを含んでなる組合せが挙げられる。
【0203】
植物有効成分は、実質的に純粋若しくは単離された形において、又は天然植物エキスの形において提供されうる。1つ以上の植物有効成分を含有する好適な植物エキスとしては、果物皮エキス(ブドウ、リンゴ、クラブアップルなど)、緑茶エキス、白茶エキス、グリーンコーヒーエキス、又はそれらのエキスの少なくとも1つを含んでなる組合せが挙げられる。
【0204】
様々なハーブ、芳香性植物又は植物部分、又はそれらのエキスはまた、例えば、風味又は健康増進効果などの様々な理由から、組成物中に含有させてもよい。典型的なハーブとしては、エキナセア、ゴールデンシール、カレンドゥラ、ローズマリー、タイム、カバカバ、アロエ、ブラッドルート、グレープフルーツ種子エキス、ブラックコーシュ、ジンセン、ガラナ、クランベリー、ギンコビローバ、セントジョーンヴォルト、イブニングプリムローズオイル、ヨヒンベ バーク、緑茶、マホワン、マカ、ビルベリー、又は上記ハーブエキスの少なくとも1つを含んでなる組合せが挙げられる。
【0205】
濃縮組成物:
濃縮組成物は、乾燥形態(例えば粉又は錠剤)であってもよく、又は液状(例えばシロップ、懸濁液又はエマルジョン)であってもよい。濃縮組成物は通常、液体媒体中に一定量の香料を含有し、最終的な飲料よりも液体媒体の量が少ない。濃縮物に、他の成分(甘味料、着色剤及び他の添加物(例えば食品グレードの酸、防腐剤など))を任意に添加してもよい。濃縮組成物は、最終的な飲料組成物の体積と比較し小さい体積を有し、それにより重量、ボリューム、貯蔵及び輸送経費を抑えることができ、同時に濃縮物では、飲料組成物と比較し貯蔵寿命が長期化する。
【0206】
一実施形態では、濃縮組成物は、約2倍〜約5倍の体積、具体的には約3倍〜約4倍の液体で希釈することにより、最終的な飲料組成物が調製される。当該液体は、水、ジュース、乳成分、非乳成分、エタノール、それらの少なくとも1つを含んでなる組合せなどであってもよい。当該液体は無炭酸であってもよく、炭酸入りの形態であってもよい。
【0207】
再石灰化のための方法及びキット:
本願明細書に記載されている幾つかの実施形態では、哺乳類の歯エナメルを再石灰化する方法、具体的にはエナメル表面下の病変を再石灰化する方法の提供に関する。かかる方法は、特にヒトの歯エナメルの再石灰化に有用である。かかる方法では、上記の口腔輸送システムのいずれかを、哺乳類の口腔内に投与するのが好ましい。当該製品は、本願明細書に記載のように、リンペプチド又はリンタンパク質で安定化されたリン酸カルシウム又はフッ化リン酸カルシウム錯体(例えばCPP−ACP)、並びにカルシウム塩及び/又はリン酸塩を含んでなる。また、上記の他の添加物のいずれかを任意に含有してもよい。
【0208】
一旦口腔輸送システムが口腔に投与された後、歯エナメルを再石灰化するのに十分な時間、その中で保持される。かかる時間は少なくとも1分間、より具体的な幾つかの実施形態では、少なくとも10分である。これらの方法は、実質的に同様であるが、当該錯体及び当該塩を含まない口腔輸送システムを、同じ時間で消費することと比較し、高いレベルで歯エナメルを再石灰化する。
【0209】
より具体的には、幾つかの実施形態では、上記の1つのシュガー入りの菓子類又はチューインガム製品を消費することにより、実質的に同様であるが、CPP−ACP及びカルシウム塩及び/又はリン酸塩を含まないシュガー入りのキャンディ又はチューインガムを消費する場合と比較し、少なくとも約2.8%、幾つかの実施形態では更に少なくとも約8%高いレベルで歯エナメルの再石灰化がなされる。CPP−ACP、乳酸カルシウム及びリン酸塩を含有する幾つかの実施形態では、例えば、これらの1つのシュガー入りの菓子類又はチューインガム製品を消費することにより、実質的に同様であるが、CPP−ACP、乳酸カルシウム及びリン酸塩を含まないシュガー入りのキャンディ又はチューインガムを消費する場合と比較し、約7%、幾つかの実施形態では更に少なくとも約12.5%高いレベルで歯エナメルの再石灰化がなされる。
【0210】
本願明細書に記載されている幾つかの実施形態では、哺乳類の歯エナメルの脱石灰化の問題に対処するためのキットの提供に関する。具体的には、幾つかの実施形態では、当該キットの使用により、歯エナメル(特に哺乳類の歯のエナメル表面下の病変)を再石灰化することができる。当該キットは上記の口腔輸送システムのいずれかを含有してもよく、それはリンペプチド又はリンタンパク質で安定化されたリン酸カルシウム又はフッ化リン酸カルシウム錯体、並びにカルシウム塩及び/又はリン酸塩を含有するのが好ましい。当該キットはまた、口腔輸送システムを使用するための一組の取扱説明書、並びに当該口腔輸送システム及び当該一組の取扱説明書を収容するためのパッケージを含んでもよい。
【0211】
本発明の特徴及び効果を説明するため、以下に実施例を記載し、本発明をより完全に示すが、それらによりいかなる形であれ本発明が限定されるものではない。
【実施例】
【0212】
実施例1:
この実施例は、対照のシュガー入りの菓子製品及び対照のシュガーレスの菓子製品と比較した場合の、CPP−ACPを含有するシュガー入りの菓子製品の再石灰化効果を示す。
【0213】
CPP−ACPを含有する2つの異なるシュガー入りのハードキャンディを、下記の表1の組成に従って調製した。第1のシュガー入りのハードキャンディ(「A」)には、0.5%のCPP−ACPを含有させ、第2のシュガー入りのハードキャンディ(「B」)には、1%のCPP−ACPを含有させた。対照のシュガー入りのハードキャンディ(CPP−ACPなし)を、下記の表1の組成に従って調製した。また、対照のシュガーレスのハードキャンディ(CPP−ACPなし)を、下記の表1の組成に従って調製した。
【0214】
表1:ハードキャンディの組成
【表1】

【0215】
個々のシュガー入りのハードキャンディを、上記の表1に従って調製した。組成Aのシュガー入りのキャンディには、19.3mgのCPP−ACPを含有させた。組成Bのシュガー入りのキャンディには、38.5mgのCPP−ACPを含有させた。CPP−ACPなしで調製したこと以外は、シュガー入りの対照のキャンディは、シュガー入りのキャンディA及びBと同一とした。CPP−ACPなし、かつ糖甘味料の代わりにシュガーレスの甘味料を用いて調製したこと以外は、シュガーレスの対照のキャンディは、シュガー入りのキャンディA及びBと同一とした。
【0216】
CPP−ACPを含有するシュガー入りのハードキャンディ、及び上記の対照のハードキャンディを、歯エナメルの再石灰化を比較測定するようにデザインされた、二重盲式、ランダム化交差試験に用いた。着脱可能な口蓋器具を着用している10の被験者(成人)の協力により上記試験を実施した。上記口蓋機器は各々、脱石灰化された表面病変を有する、ヒトエナメルを含有する4枚のハーフスラブを有していた。当該機器を、次の時間帯において着用させた:午前8時00分〜午前10時30分、午前11時00分〜午後1時00分、午後2時00分〜午後3時00分、午後3時30分〜午後6時00分、午後8時00分〜午後9時00分及び午後10時00分〜午前7時00分。ハードキャンディは、以下の時刻において、1日7回、7日間の間消費させた:午前8時00分、午前9時00分、午前11時00分、午後12時00分、午後2時00分、午後4時00分及び午後8時00分。被験者は更に、各キャンディ組成物の間において、1週間のウオッシュアウト期間を経て、他の各々のキャンディを摂取した。
【0217】
各処理期間の後、エナメルスラブを除去し、それらのそれぞれの脱石灰化されたコントロールとペアを形成させ、マイクロラジオグラフィ及びコンピューターを利用したデンシトメーターによる画像解析を行い、再石灰化のレベルを測定した。CPP−ACPを含有するシュガー入りのハードキャンディでは、対照のシュガー入りのハードキャンディより高いレベルで歯エナメルの再石灰化が促進された。
【0218】
特に、対照のシュガー入りのハードキャンディでは、エナメル表面下の病変において、6.1%±0.8%の脱石灰化を生じさせた。組成A(0.5%のCPP−ACP)のシュガー入りのハードキャンディでは、3.5%±0.7%のレベルで、エナメル表面下の再石灰化を生じさせた。組成B(1%のCPP−ACP)のシュガー入りのハードキャンディでは、8.6%±0.6%のレベルでエナメル表面下の再石灰化を生じさせた。これらの結果(図1に示す)は、シュガー入りのハードキャンディへのCPP−ACPの添加により、脱石灰化が防止されるだけでなく、歯のエナメル表面下の病変の再石灰化も著しく促進されることが示された。
【0219】
更に、組成B(1%のCPP−ACPを含む)のシュガー入りのハードキャンディでは、対照のシュガーレスのハードキャンディより高いレベルで、歯エナメルの再石灰化が促進された。通常、シュガーレスのキャンディは糖を含まず、ゆえにシュガー入りのキャンディのような歯エナメルの脱石灰化を生じさせる有機酸が生成されない。更に、シュガーレスのキャンディでは、キャンディの消費の間、唾液が分泌されるため、歯エナメルが典型的な再石灰化プロセスを受けることができる。ゆえに、この実施例における対照のシュガーレスのハードキャンディは、組成A及びBのシュガー入りのハードキャンディとは異なる機構により、再石灰化を促進することが示された。特に、対照のシュガーレスのハードキャンディでは、4.8%±0.9%のレベルでエナメル表面下の再石灰化を生じさせた。上記のように、組成B(1%のCPP−ACPを含む)のシュガー入りのハードキャンディでは、8.6%±0.6%のレベルでエナメル表面下の再石灰化を生じさせた。すなわち、この再石灰化の差異は統計学的に有意であり、組成Bのシュガー入りのハードキャンディでは、対照のシュガーレスのハードキャンディを顕著に超越するレベルで歯エナメルの再石灰化が促進されることが示された。これらの結果を図1に示す。
【0220】
以上より、CPP−ACPを含有するシュガー入りの菓子製品は、歯エナメルの再石灰化を顕著に促進することが示された。
【0221】
実施例2:
この実施例は、対照のシュガー入りの菓子製品及び対照のシュガーレスの菓子製品と比較した、CPP−ACP、乳酸カルシウム及びリン酸ナトリウムを含有するシュガー入りの菓子製品の再石灰化効果を示す。
【0222】
CPP−ACP、乳酸カルシウム及びリン酸ナトリウムを含有する2つの異なるシュガー入りのハードキャンディを、下記の表3の組成に従って調製した。第1のシュガー入りのハードキャンディ(「C」)には、0.1%のCPP−ACP、1.6%の乳酸カルシウム及び1.5%のリン酸ナトリウムを含有させ、第2のシュガー入りのハードキャンディ(「D」)には、0.1%のCPP−ACP、2.8%の乳酸カルシウム及び1.7%のリン酸ナトリウムを含有させた。対照のシュガー入りのハードキャンディ(CPP−ACP、乳酸カルシウム及びリン酸ナトリウムを含まない)を、下記の表3の組成に従って調製した。また、対照のシュガーレスのハードキャンディ(CPP−ACP、乳酸カルシウム及びリン酸ナトリウムを含まない)を、下記の表3の組成に従って調製した。
【0223】
表3:ハードキャンディの組成
【表2】

【0224】
個々のシュガー入りのハードキャンディを、上記の表3に従って調製した。CPP−ACP、乳酸カルシウム及びリン酸ナトリウムを含まない以外は、シュガー入りの対照のキャンディは、シュガー入りのキャンディC及びDと同一とした。CPP−ACP、乳酸カルシウム及びリン酸ナトリウムを含まず、糖甘味料の代わりにシュガーレスの甘味料を用いて調製した以外は、シュガーレスの対照のキャンディは、シュガー入りのキャンディC及びDと同一とした。
【0225】
CPP−ACP、乳酸カルシウム及びリン酸ナトリウムを含有するシュガー入りのハードキャンディ、及び対照のハードキャンディを、歯エナメルの再石灰化を比較測定するようにデザインされた二重盲式、ランダム化交差試験に用いた。着脱可能な口蓋器具を着用している12の被験者(成人)の協力により上記試験を実施した。上記口蓋機器は各々、脱石灰化された表面病変を有する、ヒトエナメルを含有する4枚のハーフスラブを有していた。上記機器はまた、2枚の硬質エナメル板を含んでいた。当該機器を、次の時間帯において着用させた:午前8時00分〜午前10時30分、午前11時00分〜午後1時00分、午後2時00分〜午後3時00分、午後3時30分〜午後6時00分、午後8時00分〜午後9時00分及び午後10時00分〜午前7時00分。ハードキャンディは、以下の時刻において、1日7回、7日間の間消費させた:午前8時00分、午前9時00分、午前11時00分、午後12時00分、午後2時00分、午後4時00分及び午後8時00分。被験者は更に、各キャンディ組成物の間において、1週間のウオッシュアウト期間を経て、他の各々のキャンディを摂取した。
【0226】
各処理期間の後、エナメルスラブを除去し、それらのそれぞれの脱石灰化されたコントロールとペアを形成させ、マイクロラジオグラフィ及びコンピューターを利用したデンシトメーターによる画像解析を行い、再石灰化のレベルを測定した。CPP−ACP、乳酸カルシウム及びリン酸ナトリウムを含有するシュガー入りのハードキャンディでは、対照のシュガー入りのハードキャンディより高いレベルで歯エナメルの再石灰化が促進された。
【0227】
特に、対照のシュガー入りのハードキャンディでは、エナメル表面下の病変において5.23%±0.71%の脱石灰化を生じさせた。組成C(0.1%のCPP−ACP、1.6%の乳酸カルシウム及び1.5%のリン酸ナトリウム)のシュガー入りのハードキャンディでは、7.49%±0.60%のレベルでエナメル表面下の再石灰化を生じさせた。組成D(0.1%のCPP−ACP、2.8%の乳酸カルシウム及び1.7%のリン酸ナトリウム)のシュガー入りのハードキャンディでは、13.20%±0.74%のレベルでエナメル表面下の再石灰化を生じさせた。これらの結果(図2に示す)は、シュガー入りのハードキャンディへのCPP−ACP、乳酸カルシウム及びリン酸ナトリウムの添加により、脱石灰化が防止されるだけでなく、歯のエナメル表面下の病変の再石灰化も著しく促進させることが示された。
【0228】
CPP−ACP、乳酸カルシウム及びリン酸ナトリウムを含有するシュガー入りのハードキャンディではまた、対照のシュガーレスのハードキャンディより高いレベルで歯エナメルの再石灰化が促進された。上記のように、シュガーレスのキャンディは、典型的な再石灰化プロセスの進行を可能とすることによって、歯エナメルを再石灰化する。ゆえに、この実施例における対照のシュガーレスのハードキャンディは、組成C及びDのシュガー入りのハードキャンディとは異なる機構により、再石灰化を促進することが示された。特に、対照のシュガーレスのハードキャンディでは、4.53%±0.51%のレベルでエナメル表面下の再石灰化を生じさせた。上記のように、組成C(0.1%のCPP−ACP、1.6%の乳酸カルシウム及び1.5%のリン酸ナトリウム)のシュガー入りのハードキャンディでは、7.49%±0.60%のレベルでエナメル表面下の再石灰化を生じさせた。組成D(0.1%のCPP−ACP、2.8%の乳酸カルシウム及び1.7%のリン酸ナトリウム)のシュガー入りのハードキャンディでは、13.20%±0.74%のレベルでエナメル表面下の再石灰化を生じさせた。以上より、シュガー入りのハードキャンディへのCPP−ACP、乳酸カルシウム及びリン酸ナトリウムの添加によっても、シュガーレスのハードキャンディと比較し、歯のエナメル表面下の病変の再石灰化が顕著に促進されることが示された。これらの結果を図2に示す。
【0229】
硬質エナメルにおける結果は、エナメル表面下の病変の結果と類似していた。特に、対照のシュガー入りのハードキャンディでは、4.03±1.11%のレベルで硬質エナメルの脱石灰化を生じさせた。対照のシュガーレスのハードキャンディでは、0.68±0.70%のレベルで硬質エナメルの再石灰化を生じさせた。組成C(0.1%のCPP−ACP、1.6%の乳酸カルシウム及び1.5%のリン酸ナトリウム)のシュガー入りのハードキャンディでは、0.85%±0.51%のレベルで硬質エナメルの再石灰化を生じさせた。組成D(0.1%のCPP−ACP、2.8%の乳酸カルシウム及び1.7%のリン酸ナトリウム)のシュガー入りのハードキャンディでは、1.2%±0.73%のレベルで硬質エナメルの再石灰化を生じさせた。これらの結果は、シュガー入りのハードキャンディへのCPP−ACP、乳酸カルシウム及びリン酸ナトリウムの添加により、硬質エナメルの脱石灰化が防止されることが示された。
【0230】
実施例3:
表4:再石灰化フィルム:
【表3】

【0231】
食用の再石灰化フィルムを、上記の表4の組成に従って調製した。
【0232】
当該フィルムは、最初に甘味料(キシリトール、Ace−スルフェームK及びスクラロース)、及び着色剤を水に溶解させて調製した。親水コロイドを溶液に添加し、分散させた。高剪断ミキサーを用い、必要に応じて塊りを破砕した。親水コロイドを1.5時間の水和させ、その後、可塑剤(グリセリン)、CPP−ACP、乳酸カルシウム及び風味剤を添加した。バッチを混合し、15〜30分間静置した。
【0233】
その後、フィルムを74℃のホットプレート上に置いた。具体的には、水浴をホットプレートに配置し、フィルムを、水浴の上に配置したステンレス板金上に置いた。ホットプレートの温度が高すぎる場合(すなわち水が沸騰する場合)、フィルムはプレートと溶融し、除去されにくくなる。乾燥させた後、フィルムをプレートから剥がし、平衡化(約24時間)させた後、ストリップをカットした。
【0234】
実施例4:
表5:アイスティー飲料:
【表4】

【0235】
飲料組成物を、上記の表5の組成に従って調製した。
【0236】
安息香酸ナトリウム以外のすべての成分を秤量し、漏斗を使用してメスフラスコに添加した。フラスコ中に水をほぼ完全に満たし、安息香酸ナトリウムを添加した。フラスコを水で完全に満たし、反転させた。必要に応じて、全ての成分が完全に溶解するまで、フラスコを磁気撹拌器に配置して撹拌した。
【0237】
実施例5:
表6:歯磨組成物
【表5】

【0238】
歯磨剤合成を、上記の表6の組成に従って調製した。
【0239】
混合タンクのジャケット温度を、約150°F(65℃)に設定した。湿潤剤(グリセリン、ソルビトール、PEG)及び水を混合タンクに添加し、撹拌を開始させた。温度が120°F(50℃)に到達したとき、甘味料(サッカリン)、フッ化物、キレート剤(トリポリリン酸ナトリウム)、着色剤(二酸化チタン)及び安息香酸ナトリウムを添加した。増粘剤(カルボキシメチルセルロース)をシリカ研磨材に添加し、得られる混合物を混合タンクに添加し、激しく混合した。CPP−ACP、乳酸カルシウム及びリン酸ナトリウムを上記混合物に添加し、撹拌を継続させた。タンクを120°F(50℃)に冷却し、風味剤を添加した。更に約5分間混合し、最終的な組成物を得た。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
口腔輸送システムであって、
(a)カゼインリンペプチド−リン酸カルシウムと、(b)前記カゼインリンペプチド−リン酸カルシウムとは別の、カルシウム塩及びリン酸塩とを含有し、
前記カルシウム塩は、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、グルタル酸カルシウム、リンゴ酸カルシウム、クエン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、フマル酸カルシウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、
前記リン酸塩は、中性、一塩基及び、二塩基性のリン酸塩からなる群から選択され、
前記口腔輸送システムはシュガー入りチューインガム又はシュガー入り菓子組成物であり、
前記カゼインリンペプチド−リン酸カルシウムは、前記カルシウム塩及び前記リン酸塩よりも少ない量であり、前記口腔輸送システムに対して0.1重量%〜0.5重量%の量で含有し、
前記カルシウム塩は前記口腔輸送システムに対して1.5重量%〜3重量%の量で含有し、
前記リン酸塩は前記口腔輸送システムに対して1.2重量%〜1.8重量%の量で含有し、
前記口腔輸送システムを消費することにより、実質的に同様であるが、前記カゼインリンペプチド−リン酸カルシウム、前記カルシウム塩及び前記リン酸塩を含まない組成物を消費する場合に比べて少なくとも12.5%高いレベルで哺乳類の歯のエナメル表面下の再石灰化が提供される、口腔輸送システム。
【請求項2】
前記カルシウム塩が乳酸カルシウムである、請求項1に記載の口腔輸送システム。
【請求項3】
前記口腔輸送システムがチューインガムである、請求項1又は2に記載の口腔輸送システム。
【請求項4】
重炭酸ナトリウムを含有しない、請求項1から3のいずれかに記載の口腔輸送システム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−6851(P2013−6851A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−183864(P2012−183864)
【出願日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【分割の表示】特願2009−504324(P2009−504324)の分割
【原出願日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【出願人】(508351303)クラフト・フーズ・グローバル・ブランズ・エルエルシー (28)
【Fターム(参考)】