説明

口臭、体臭及び糞尿臭改善剤

【課題】 安全かつ口臭、体臭及び糞尿臭改善に優れた食品または化粧品を提供すること。
【解決手段】 本発明者らは、鉄クロロフィリンと組み合わせることで優れた口臭、体臭及び糞尿臭改善作用を示す機能性素材を見つけるため、アンケートによる口臭、体臭及び糞尿臭の評価により機能性素材のスクリーニングを実施した。その結果、松樹皮抽出物を鉄クロロフィリンと組み合わせた場合に優れた口臭、体臭及び糞尿臭改善作用が認められることが分かった。すなわち、松樹皮抽出物及び鉄クロロフィリンを含む組成物は優れた口臭、体臭及び糞尿臭の改善作用を示し、食品や化粧品のような形態で用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、松樹皮抽出物及び鉄クロロフィリンを含む口臭、体臭及び糞尿臭改善に関する。
【背景技術】
【0002】
口臭、体臭及び糞尿臭等の人体に関する悪臭改善は快適な日常生活を送る上で重要な課題である。口臭、体臭及び糞尿臭等の悪臭改善作用を示す素材として、鉄クロロフィリンやその誘導体が有効であることが広く知られている。また、鉄クロロフィリンの他にも、松樹皮抽出物の口臭改善作用や、オウゴン、ゴバイシ、クチナシ、シコン、シャクヤク、エンメイソウ、カミツレ、ツボクサ、コンフリー、アマチャ、カンゾウ、センブリ、冬虫夏草、チンピ、イラクサ及びハマメリスから選ばれる植物及び菌類又はその抽出物の体臭防止作用、パセリ及びニンジンの口臭予防作用、キク科植物抽出物の臭気発生抑制作用、鉄クロロフィリンナトリウムとタマリンド、ホウジ茶、ユッカ、シャンピニオン、緑茶、黄杞茶、トゲナシ、甘草、レモンバームの中から選ばれる植物抽出物を組み合わせることによる口臭、体臭及び糞尿臭等の改善作用、チャ乾留物、シャンピニオン及び柿抽出物の口臭、体臭及び糞尿臭の消臭作用(特許文献1〜6)等が知られている。
【特許文献1】特開2001−335501号公報
【特許文献2】WO2005/089784公報
【特許文献3】特開2002−255776号公報
【特許文献4】特開平9−59138号公報
【特許文献5】特開2002−114660号公報
【特許文献6】特許第3560904号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このように、鉄クロロフィリンは口臭、体臭及び糞尿臭等の悪臭改善作用に有効であることが知られているが、一方で、配合量が多い場合溶かした際に溶液が黒色となり色調が悪くなる、苦味を生じるという問題点があった。しかし、鉄クロロフィリンは配合量が少ないと十分な口臭、体臭及び糞尿臭等の悪臭改善作用を示さない。そこで、他の食品素材と鉄クロロフィリンとを組み合わせることにより、鉄クロロフィリンの配合量が少なくとも口臭、体臭及び糞尿臭等の悪臭改善作用を示す食品または化粧品の開発が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は松樹皮抽出物及び鉄クロロフィリンを含む口臭、体臭及び糞尿臭改善剤に関するものであり、好ましくは、さらに、茶抽出物を含む口臭、体臭及び糞尿臭改善剤に関する。また上記の口臭、体臭及び糞尿臭改善剤は食品または化粧品に関する。
【発明の効果】
【0005】
本発明によると、松樹皮抽出物及び鉄クロロフィリンを含む口臭、体臭及び糞尿臭改善剤を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は、下記実施形態の記載により限定して解釈するべきでなく、特許請求の範囲における記載の範囲内で種々の変更が可能である。
【0007】
本発明に用いられる松樹皮抽出物としては、フランス海岸松(Pinus Martima)、カラマツ、クロマツ、アカマツ、ヒメコマツ、ゴヨウマツ、チョウセンマツ、ハイマツ、リュウキュウマツ、ウツクシマツ、ダイオウマツ、シロマツ、カナダのケベック地方のアネダなどのマツ目に属する植物の樹皮抽出物が好ましく用いられる。中でも、フランス海岸松(Pinus Martima)の樹皮抽出物が好ましい。
【0008】
フランス海岸松は、南仏の大西洋沿岸の一部に生育している海洋性松をいう。このフランス海岸松の樹皮は、プロアントシアニジン、有機酸、ならびにその他の生理活性成分などを含有し、その主要成分であるプロアントシアニジンに、活性酸素を除去する強い抗酸化作用があることが知られている。
【0009】
プロアントシアニジンは、フラバン−3−オール及び/またはフラバン−3,4−ジオールを構成単位とする重合度が2以上の縮重合体からなる化合物群をいう。植物が作り出す強力な抗酸化物質であり、植物の葉、樹皮、果実の皮及び種に集中的に含まれている。このプロアントシアニジンは、ヒトの体内では生成することができない物質である。
【0010】
松樹皮抽出物には、プロアントシアニジンとして重合度が2以上の縮重合体が含有され、さらにカテキンなどが含有される。特に、重合度が低い縮重合体が多く含まれるプロアントシアニジンが好ましく用いられる。重合度の低い縮重合体としては、重合度が2〜30の縮重合体(2〜30量体)が好ましく、重合度が2〜10の縮重合体(2〜10量体)がより好ましく、重合度が2〜4の縮重合体(2〜4量体)がさらに好ましい。重合度が2〜4の縮重合体(2〜4量体)のプロアントシアニジンは、特に体内に吸収されやすい。本明細書では、上記の重合度が2〜4の重合体を、オリゴメリック・プロアントシアニジン(Oligomeric proanthocyanidin、以下「OPC」という)という。
【0011】
松樹皮抽出物としては、重合度が2〜4の縮重合体(2〜4量体;すなわち、OPC)を15重量%、好ましくは20重量%以上、より好ましくは30重量%の割合で含有し、5量体以上のプロアントシアニジンを10重量%以上、好ましくは15重量%以上の割合で含有する抽出物が好ましい。
【0012】
松樹皮抽出物は、松樹皮を水または有機溶媒で抽出して得られる。水を用いる場合には、温水または熱水が好適に用いられる。抽出に用いる有機溶媒としては、食品あるいは薬剤の製造に許容される有機溶媒が用いられ、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、アセトン、ヘキサン、シクロヘキサン、プロピレングリコール、含水エタノール、含水プロピレングリコール、エチルメチルケトン、グリセリン、酢酸メチル、酢酸エチル、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、食用油脂、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、及び1,1,2−トリクロロエテンが挙げられる。これらの水及び有機溶媒は単独で用いてもよいし、組合わせて用いてもよい。特に、熱水、含水エタノール、及び含水プロピレングリコールが好ましく用いられる。
【0013】
上記松樹皮抽出物には、プロアントシアニジン、特にOPCとともにカテキン類が5重量%以上含まれていることが好ましい。カテキン類とは、ポリヒドロキシフラバン−3−オールの総称である。カテキン類としては、(+)−カテキン、(−)−エピカテキン、(+)−ガロカテキン、(−)−エピガロカテキン、エピガロカテキンガレート、エピカテキンガレートなどが知られている。上記松樹皮のような原料植物由来の抽出物からは、狭義のカテキンといわれている(+)−カテキンの他、ガロカテキン、アフゼレキン、ならびに(+)−カテキンまたはガロカテキンの3−ガロイル誘導体が単離されている。カテキン類には、口臭防止作用、発癌改善作用、動脈硬化予防作用、脂肪代謝異常の改善作用、血圧上昇改善作用、血小板凝集改善作用、抗アレルギー作用、抗ウイルス作用、抗菌作用、虫歯予防作用、腸内細菌叢正常化作用、活性酸素やフリーラジカルの消去作用、抗酸化作用などがあることが知られている。カテキン類は、OPCの存在下で水溶性が増すと同時に、OPCを活性化する性質がある。
【0014】
カテキン類は、OPCの溶解性や機能を向上させるため、プロアントシアニジン1重量部に対し、0.1重量部以上含有されていることが好ましい。より好ましくは、OPCを20重量%以上含有する松樹皮抽出物に、カテキン類が5重量%以上含有されるように調製される。例えば、松樹皮抽出物のカテキン類含量が5重量%未満の場合、5重量%以上となるようにカテキン類を添加してもよい。カテキン類を5重量%以上含有し、かつOPCを20重量%以上含有する松樹皮抽出物を用いることが最も好ましい。
【0015】
本発明の口臭、体臭及び糞尿臭改善剤は、松樹皮抽出物を0.00001重量%以上含有する。好ましくは組成物中に松樹皮抽出物を0.00001〜20重量%、より好ましくは0.00001重量%〜15重量%、最も好ましくは0.00001重量%〜10重量%含有する。
【0016】
本発明に用いられる鉄クロロフィリンとしては、鉄クロロフィリンまたは鉄クロロフィリンの誘導体であれば特に制限はない。鉄クロロフィリンの誘導体としては鉄クロロフィリンナトリウム、鉄クロロフィリンカリウム、鉄クロロフィリンと高分子との結合体等が用いられる。
【0017】
本発明の口臭、体臭及び糞尿臭改善剤は、鉄クロロフィリンを0.00001重量%以上含有する。好ましくは鉄クロロフィリンを組成物中に0.00001〜20重量%、より好ましくは0.00001重量%〜15重量%、最も好ましくは0.00001重量%〜10重量%含有する。
【0018】
本発明に用いられる茶粉砕物または抽出物は特に限定されないが、具体例として緑茶、白茶、青茶、黄茶、黒茶等の粉砕物または抽出物が挙げられる。
【0019】
本発明において、茶の粉砕方法は特に制限はなく、常法により粉砕することが出来る。
【0020】
本発明において、茶の抽出方法は特に制限はなく、常法により抽出することが出来る。
【0021】
茶粉砕物または抽出物に使用される茶品種は特に限定されず、例えばやぶきた、べにふうき、べにほまれ、あさつゆ、みよし、たまみどり、さやまみどり、まきのはらやせ、こやにし、ろくろう、やまとみどり、たかちほ、いんど、はつもみじ、べにたちわせ、あかね、なつみどり、やえほ、あさぎり、きょうみどり、はつみどり、べにかおり、べにふじ、ひめみどり、いずみ、さつまべに、おくむさし、やまなみ、べにひかり、うんかい、かなやみどり、さやまかおり、おくみどり、とよか、おくゆたか、めいりょく、ふくみどり、しゅんめい、みねかおり、みなみかおり、さえみどり、ふうしゅん、みなみさやか、ほくめい、りょうふう、むさしかおり、さきみどり、はるみどり等が挙げられる。
【0022】
本発明の口臭、体臭及び糞尿臭改善剤は、茶粉砕物または抽出物を0.00001重量%以上含有する。好ましくは組成物中に茶粉砕物または抽出物を0.00001〜20重量%、より好ましくは0.00001重量%〜15重量%、最も好ましくは0.00001重量%〜10重量%含有する。
【0023】
本発明の口臭、体臭及び糞尿臭改善剤は、錠剤、ピル、カプセル、顆粒、粉末、散剤、軟剤、ゲル剤、ジェル剤、液剤等の固形または溶液の形態に公知の方法により適宜調製することができる。即ち、本発明の製剤として有用な固形製剤または液状製剤は、松樹皮抽出物及び鉄クロロフィリンと、所望により添加剤とを混合し、従来充分に確立された公知の製剤製法を用いることにより製造される。添加剤としては、例えば賦形剤、pH調整剤、清涼化剤、懸濁化剤、希釈剤、消泡剤、粘稠剤、溶解補助剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、抗酸化剤、コーティング剤、着色剤、矯味矯臭剤、界面活性剤、可塑剤または香料などが挙げられる。
【0024】
本発明の食品は、食品製造時に松樹皮抽出物及び鉄クロロフィリンを食品材料に配合することにより製造される。例えば、パン、チューインガム、クッキー、チョコレート、シリアル等の固形食品、ジャム、アイスクリーム、ヨーグルト、ゼリー等のジャム状、クリーム状またはゲル状食品、ジュース、コーヒー、ココア、茶等の飲料等のあらゆる食品形態にすることが可能である。また、調味料、食品添加物等に配合することもできる。
【0025】
本発明の化粧品は、通常用いられる方法により、松樹皮抽出物及び鉄クロロフィリンと他の成分とを混合して調製することができ、医薬品、医薬部外品、化粧品、トイレタリー用品として使用できる。例えば、化粧水、化粧クリーム、乳液、クリーム、パック、シャンプー、ヘアリンス、トリートメント、ボディシャンプー、洗顔剤、石鹸、整髪料、育毛剤、水性軟膏、油性軟膏、シップ、ゲルなどが挙げられる。また、シップやゲルのような担体や架橋剤に保持・吸収させ、局部へ貼付するなどの方法により、局所的な長時間投与を行うこともできる。
【0026】
本発明の化粧品には、上記松樹皮抽出物及び鉄クロロフィリン以外に、医薬部外品、化粧品などに通常使用される他の成分を、該化粧品の効果を損なわない範囲で含有してもよい。このような成分としては、例えば水、他の薬効成分、他の油剤、保湿剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、吸収促進剤、香料、色素、保存剤、増粘剤、キレート剤、防腐防黴剤などを挙げることができる。ここで他の薬効成分としては、活性酸素除去剤、抗酸化剤、消炎鎮痛剤、抗ヒスタミン剤、止痒剤、殺菌剤、ビタミン剤、ホルモン剤などが挙げられる。
【0027】
また、松樹皮抽出物の安定性を高める目的で、酸化防止剤を添加しても良い。これにより、肌のタンパク質や油脂類の酸化を防止し、肌質を改善及び保護する効果を得ることができる。
【0028】
酸化防止剤としては、ビタミンAなどのカロテノイド類、ビタミンB類、アスコルビン酸、ビタミンE、及びこれらの誘導体またはこれらの塩などが挙げられる。
【0029】
上記賦形剤としては、例えば、D−ソルビトール、D−マンニトール或いはキシリトールなどの糖アルコール、ブドウ糖、白糖、乳糖或いは果糖などの糖類、結晶セルロース、カルメロースナトリウム、リン酸水素カルシウム、コムギデンプン、コメデンプン、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、デキストリン、β−シクロデキストリン、軽質無水ケイ酸、酸化チタン、またはメタケイ酸アルミン酸マグネシウムなどが挙げられる。
【0030】
上記pH調整剤としては、例えばクエン酸、リンゴ酸、リン酸水素ナトリウムまたはリン酸二カリウムなどが挙げられる。
【0031】
上記清涼化剤としては、例えばl−メントールまたはハッカ水などが挙げられる。
【0032】
上記懸濁化剤としては、例えば、カオリン、カルメロースナトリウム、キサンタンガム、メチルセルロースまたはトラガントなどが挙げられる。
【0033】
上記希釈剤としては、例えば精製水、エタノール、植物油または乳化剤等が挙げられる。
【0034】
上記消泡剤としては、例えばジメチルポリシロキサンまたはシリコン消泡剤などが挙げられる。
【0035】
上記粘稠剤としては、例えばキサンタンガム、トラガント、メチルセルロースまたはデキストリンなどが挙げられる。
【0036】
上記溶解補助剤としては、例えばエタノール、ショ糖脂肪酸エステルまたはマクロゴールなどが挙げられる。
【0037】
上記崩壊剤としては、例えば低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルスターチまたは部分アルファー化デンプンなどが挙げられる。
【0038】
上記結合剤としては、例えばメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニールピロリドン、ゼラチン、アラビアゴム、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、プルラン、アルファー化デンプン、カンテン、トラガント、アルギン酸ナトリウムまたはアルギン酸プロピレングリコールエステルなどが挙げられる。
【0039】
上記滑沢剤としては、例えばステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ポリオキシル、セタノール、タルク、硬化油、ショ糖脂肪酸エステル、ジメチルポリシロキサン、ミツロウまたはサラシミツロウなどが挙げられる。
【0040】
上記抗酸化剤としては、例えばアスコルビン酸、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、没食子酸プロピル、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)またはクエン酸などが挙げられる。
【0041】
上記コーティング剤としては、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、アミノアルキルメタアクリレートコポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、メタアクリル酸コポリマー、ポリビニルアセタートジエチルアミノアセテートまたはセラックなどが挙げられる。
【0042】
上記着色剤としては、例えばウコン抽出液、リボフラビンまたは酸化チタンなどが挙げられる。
【0043】
上記矯味矯臭剤としては、例えばクエン酸、アジピン酸、果糖、D−ソルビトール、ブドウ糖、サッカリンナトリウム、単シロップ、白糖、ハチミツ、アマチャ、カンゾウ、クエン酸、アジピン酸、オレンジ油、トウヒチンキ、ウイキョウ油、ハッカまたはメントールなどが挙げられる。
【0044】
上記界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン、ポリソルベート類、ラウリル硫酸ナトリウム、マクロゴール類またはショ糖脂肪酸エステルなどが挙げられる。
【0045】
上記可塑剤としては、例えばクエン酸トリエチル、ポリエチレングリコール、トリアセチンまたはセタノールなどが挙げられる。
【0046】
上記香料としては、例えば、動物性香料或いは植物性香料等の天然香料、または単離香料或いは純合成香料等の合成香料などが挙げられる。
【実施例】
【0047】
以下、本発明の実施例について説明する。なお、本発明は、下記の実施例に限定して解釈すべきではなく、特許請求の範囲における記載の範囲内で種々の変更が可能である。
【0048】
パセリ乾燥粉末を50%エタノール/水を用いて抽出し、乾燥させ粉末化したパセリ抽出物を得た。
【0049】
ニンジン乾燥粉末を50%エタノール/水を用いて抽出し、乾燥させ粉末化したニンジン抽出物を得た。
【0050】
キク乾燥粉末を50%エタノール/水を用いて抽出し、乾燥させ粉末化したキク抽出物を得た。
【0051】
柿乾燥粉末を50%エタノール/水を用いて抽出し、乾燥させ粉末化した柿抽出物を得た。
【0052】
茶乾燥粉末を50%エタノール/水を用いて抽出し、乾燥させ粉末化した茶抽出物を得た。
【0053】
クチナシ乾燥粉末を50%エタノール/水を用いて抽出し、乾燥させ粉末化したクチナシ抽出物を得た。
【0054】
アマチャ乾燥粉末を50%エタノール/水を用いて抽出し、乾燥させ粉末化したアマチャ抽出物を得た。
【0055】
冬虫夏草乾燥粉末を50%エタノール/水を用いて抽出し、乾燥させ粉末化した冬虫夏草抽出物を得た。
【0056】
カンゾウ乾燥粉末を50%エタノール/水を用いて抽出し、乾燥させ粉末化したカンゾウ抽出物を得た。
【0057】
タマリンド乾燥粉末を50%エタノール/水を用いて抽出し、乾燥させ粉末化したタマリンド抽出物を得た。
【0058】
(調製例1)
松樹皮抽出物(株式会社東洋新薬製)の濃度が0.0001重量%、鉄クロロフィリンの濃度が0.0001重量%となるように調整した水溶液100mlを調製例1とした。
【0059】
(調製例2)
パセリ抽出物の濃度が0.0001重量%、鉄クロロフィリンの濃度が0.0001重量%となるように調整した水溶液100mlを調製例2とした。
【0060】
(調製例3)
ニンジン抽出物の濃度が0.0001重量%、鉄クロロフィリンの濃度が0.0001重量%となるように調整した水溶液100mlを調製例3とした。
【0061】
(調製例4)
キク抽出物の濃度が0.0001重量%、鉄クロロフィリンの濃度が0.0001重量%となるように調整した水溶液100mlを調製例4とした。
【0062】
(調製例5)
柿抽出物の濃度が0.0001重量%、鉄クロロフィリンの濃度が0.0001重量%となるように調整した水溶液100mlを調製例5とした。
【0063】
(調製例6)
茶粉砕物または抽出物の濃度が0.0001重量%、鉄クロロフィリンの濃度が0.0001重量%となるように調整した水溶液100mlを調製例6とした。
【0064】
(調製例7)
クチナシ抽出物の濃度が0.0001重量%、鉄クロロフィリンの濃度が0.0001重量%となるように調整した水溶液100mlを調製例7とした。
【0065】
(調製例8)
アマチャ抽出物の濃度が0.0001重量%、鉄クロロフィリンの濃度が0.0001重量%となるように調整した水溶液100mlを調製例8とした。
【0066】
(調製例9)
冬虫夏草抽出物の濃度が0.0001重量%、鉄クロロフィリンの濃度が0.0001重量%となるように調整した水溶液100mlを調製例9とした。
【0067】
(調製例10)
カンゾウ抽出物の濃度が0.0001重量%、鉄クロロフィリンの濃度が0.0001重量%となるように調整した水溶液100mlを調製例10とした。
【0068】
(調製例11)
タマリンド抽出物の濃度が0.0001重量%、鉄クロロフィリンの濃度が0.0001重量%となるように調整した水溶液100mlを調製例11とした。
【0069】
(調製例12)
松樹皮抽出物の濃度が0.00001重量%、鉄クロロフィリンの濃度が0.00001重量%となるように調整した水溶液100mlを調製例12とした。
【0070】
(調製例13)
松樹皮抽出物の濃度が0.01重量%、鉄クロロフィリンの濃度が0.01重量%となるように調整した水溶液100mlを調製例13とした。
【0071】
(調製例14)
松樹皮抽出物の濃度が1重量%、鉄クロロフィリンの濃度が1重量%となるように調整した水溶液100mlを調製例14とした。
【0072】
(調製例15)
松樹皮抽出物の濃度が5重量%、鉄クロロフィリンの濃度が5重量%となるように調整した水溶液100mlを調製例15とした。
【0073】
(調製例16)
松樹皮抽出物の濃度が10重量%、鉄クロロフィリンの濃度が10重量%となるように調整した水溶液100mlを調製例16とした。
【0074】
(調製例17)
松樹皮抽出物の濃度が15重量%、鉄クロロフィリンの濃度が15重量%となるように調整した水溶液100mlを調製例17とした。
【0075】
(調製例18)
松樹皮抽出物の濃度が20重量%、鉄クロロフィリンの濃度が20重量%となるように調整した水溶液100mlを調製例18とした。
【0076】
(調製例19)
松樹皮抽出物の濃度が0.0001重量%、鉄クロロフィリンの濃度が0.0001重量%、パセリ抽出物の濃度が0.0001重量%となるように調整した水溶液100mlを調製例19とした。
【0077】
(調製例20)
松樹皮抽出物の濃度が0.0001重量%、鉄クロロフィリンの濃度が0.0001重量%、ニンジン抽出物の濃度が0.0001重量%となるように調整した水溶液100mlを調製例20とした。
【0078】
(調製例21)
松樹皮抽出物の濃度が0.0001重量%、鉄クロロフィリンの濃度が0.0001重量%、キク抽出物の濃度が0.0001重量%となるように調整した水溶液100mlを調製例21とした。
【0079】
(調製例22)
松樹皮抽出物の濃度が0.0001重量%、鉄クロロフィリンの濃度が0.0001重量%、柿抽出物の濃度が0.0001重量%となるように調整した水溶液100mlを調製例22とした。
【0080】
(調製例23)
松樹皮抽出物の濃度が0.0001重量%、鉄クロロフィリンの濃度が0.0001重量%、茶抽出物の濃度が0.0001重量%となるように調整した水溶液100mlを調製例23とした。
【0081】
(調製例24)
松樹皮抽出物の濃度が0.0001重量%、鉄クロロフィリンの濃度が0.0001重量%、クチナシ抽出物の濃度が0.0001重量%となるように調整した水溶液100mlを調製例24とした。
【0082】
(調製例25)
松樹皮抽出物の濃度が0.0001重量%、鉄クロロフィリンの濃度が0.0001重量%、アマチャ抽出物の濃度が0.0001重量%となるように調整した水溶液100mlを調製例25とした。
【0083】
(調製例26)
松樹皮抽出物の濃度が0.0001重量%、鉄クロロフィリンの濃度が0.0001重量%、冬虫夏草抽出物の濃度が0.0001重量%となるように調整した水溶液100mlを調製例26とした。
【0084】
(調製例27)
松樹皮抽出物の濃度が0.0001重量%、鉄クロロフィリンの濃度が0.0001重量%、カンゾウ抽出物の濃度が0.0001重量%となるように調整した水溶液100mlを調製例27とした。
【0085】
(調製例28)
松樹皮抽出物の濃度が0.0001重量%、鉄クロロフィリンの濃度が0.0001重量%、タマリンド抽出物の濃度が0.0001重量%となるように調整した水溶液100mlを調製例28とした。
【0086】
(調製例29)
松樹皮抽出物の濃度が0.00001重量%、鉄クロロフィリンの濃度が0.00001重量%となるように調整した水溶液30mlを調製例29とした。
【0087】
(調製例30)
松樹皮抽出物の濃度が0.00001重量%、鉄クロロフィリンの濃度が0.00001重量%、茶抽出物の濃度が0.00001重量%となるように調整した水溶液30mlを調製例30とした。
【0088】
(比較例1)
松樹皮抽出物の濃度が0.0002重量%となるように調整した水溶液100mlを比較例1とした。
【0089】
(比較例2)
パセリ抽出物の濃度が0.0002重量%となるように調整した水溶液100mlを比較例2とした。
【0090】
(比較例3)
ニンジン抽出物の濃度が0.0002重量%となるように調整した水溶液100mlを比較例3とした。
【0091】
(比較例4)
キク抽出物の濃度が0.0002重量%となるように調整した水溶液100mlを比較例4とした。
【0092】
(比較例5)
柿抽出物の濃度が0.0002重量%となるように調整した水溶液100mlを比較例5とした。
【0093】
(比較例6)
茶抽出物の濃度が0.0002重量%となるように調整した水溶液100mlを比較例6とした。
【0094】
(比較例7)
クチナシ抽出物の濃度が0.0002重量%となるように調整した水溶液100mlを比較例7とした。
【0095】
(比較例8)
アマチャ抽出物の濃度が0.0002重量%となるように調整した水溶液100mlを比較例8とした。
【0096】
(比較例9)
冬虫夏草抽出物の濃度が0.0002重量%となるように調整した水溶液100mlを比較例9とした。
【0097】
(比較例10)
カンゾウの濃度が0.0002重量%となるように調整した水溶液100mlを比較例10とした。
【0098】
(比較例11)
タマリンド抽出物の濃度が0.0002重量%となるように調整した水溶液100mlを比較例11とした。
【0099】
(比較例12)
鉄クロロフィリンの濃度が0.0002重量%となるように調整した水溶液100mlを比較例12とした。
【0100】
(比較例13)
水100mlを比較例13とした。
【0101】
(比較例14)
鉄クロロフィリンの濃度が0.00002重量%となるように調整した水溶液100mlを比較例14とした。
【0102】
(比較例15)
鉄クロロフィリンの濃度が0.02重量%となるように調整した水溶液100mlを比較例15とした。
【0103】
(比較例16)
鉄クロロフィリンの濃度が2重量%となるように調整した水溶液100mlを比較例16とした。
【0104】
(比較例17)
鉄クロロフィリンの濃度が10重量%となるように調整した水溶液100mlを比較例17とした。
【0105】
(比較例18)
鉄クロロフィリンの濃度が20重量%となるように調整した水溶液100mlを比較例18とした。
【0106】
(比較例19)
鉄クロロフィリンの濃度が30重量%となるように調整した水溶液100mlを比較例19とした。
【0107】
(比較例20)
鉄クロロフィリンの濃度が40重量%となるように調整した水溶液100mlを比較例20とした。
【0108】
(比較例21)
松樹皮抽出物の濃度が0.00002重量%となるように調整した水溶液100mlを比較例21とした。
【0109】
(比較例22)
松樹皮抽出物の濃度が0.02重量%となるように調整した水溶液100mlを比較例22とした。
【0110】
(比較例23)
松樹皮抽出物の濃度が2重量%となるように調整した水溶液100mlを比較例23とした。
【0111】
(比較例24)
松樹皮抽出物の濃度が10重量%となるように調整した水溶液100mlを比較例24とした。
【0112】
(比較例25)
松樹皮抽出物の濃度が20重量%となるように調整した水溶液100mlを比較例25とした。
【0113】
(比較例26)
松樹皮抽出物の濃度が30重量%となるように調整した水溶液100mlを比較例26とした。
【0114】
(比較例27)
松樹皮抽出物の濃度が40重量%となるように調整した水溶液100mlを比較例27とした。
【0115】
(比較例28)
松樹皮抽出物の濃度が0.0003重量%となるように調整した水溶液100mlを比較例28とした。
【0116】
(比較例29)
パセリ抽出物の濃度が0.0003重量%となるように調整した水溶液100mlを比較例29とした。
【0117】
(比較例30)
ニンジン抽出物の濃度が0.0003重量%となるように調整した水溶液100mlを比較例30とした。
【0118】
(比較例31)
キク抽出物の濃度が0.0003重量%となるように調整した水溶液100mlを比較例31とした。
【0119】
(比較例32)
柿抽出物の濃度が0.0003重量%となるように調整した水溶液100mlを比較例32とした。
【0120】
(比較例33)
茶抽出物の濃度が0.0003重量%となるように調整した水溶液100mlを比較例33とした。
【0121】
(比較例34)
クチナシ抽出物の濃度が0.0003重量%となるように調整した水溶液100mlを比較例34とした。
【0122】
(比較例35)
アマチャ抽出物の濃度が0.0003重量%となるように調整した水溶液100mlを比較例35とした。
【0123】
(比較例36)
冬虫夏草抽出物の濃度が0.0003重量%となるように調整した水溶液100mlを比較例36とした。
【0124】
(比較例37)
カンゾウ抽出物の濃度が0.0003重量%となるように調整した水溶液100mlを比較例37とした。
【0125】
(比較例38)
タマリンド抽出物の濃度が0.0003重量%となるように調整した水溶液100mlを比較例38とした。
【0126】
(比較例39)
鉄クロロフィリンの濃度が0.0003重量%となるように調整した水溶液100mlを比較例39とした。
【0127】
(比較例40)
鉄クロロフィリンの濃度が0.00003重量%となるように調整した水溶液30mlを比較例40とした。
【0128】
(比較例41)
松樹皮抽出物の濃度が0.00003重量%となるように調整した水溶液30mlを比較例41とした。
【0129】
(比較例42)
茶抽出物の濃度が0.00003重量%となるように調整した水溶液30mlを比較例42とした。
【0130】
(比較例43)
水30mlを比較例43とした。
【0131】
(実施例1)
調製例1〜11及び比較例1〜13を、口臭、体臭及び糞尿臭に悩む被験者5人に各日1検体ずつ、24日に分け、全てのサンプルを色や処方内容が分からない状態で摂取してもらい、サンプル摂取後の口臭、体臭及び糞尿臭の3つの評価項目について下記の評点で評価してもらった。
【0132】
(サンプル摂取後の口臭の評点)
10を最高評価、0を最低評価とし、VisualAnalogueScale(以下VASとする)アンケートに記入させた。
【0133】
(サンプル摂取後の体臭の評点)
10を最高評価、0を最低評価とし、VASアンケートに記入させた。
【0134】
(サンプル摂取後の糞尿臭の評点)
10を最高評価、0を最低評価とし、VASアンケートに記入させた。
【0135】
【表1】

【0136】
【表2】

【0137】
表1及び表2に記載の結果から、松樹皮抽出物と鉄クロロフィリンを組み合わせて摂取した場合には、それぞれ単独で摂取した場合と比較して口臭、体臭及び糞尿臭が顕著に改善されることが分かった。一方、松樹皮抽出物以外の食品素材と鉄クロロフィリンとを組み合わせて摂取した場合には、それぞれの食品素材を単独で摂取した場合、鉄クロロフィリンを単独で摂取した場合、及び水のみを単独で摂取した場合と比較して口臭、体臭及び糞尿臭の改善は認められなかった。
【0138】
実施例1の結果より、松樹皮抽出物と鉄クロロフィリンを組み合わせて摂取した場合には相乗効果が認められ、それぞれを単独で摂取した場合の有効量以下でも口臭、体臭及び糞尿臭が著しく改善されることが分かった。そこで、有効性を示す松樹皮抽出物と鉄クロロフィリンの濃度を検討するため、以下の試験を行った。
【0139】
(実施例2)
調製例12〜18、及び比較例1及び13〜27を、口臭、体臭及び糞尿臭に悩む被験者5人に各日1検体ずつ、22日に分け、全てのサンプルを色や処方内容が分からない状態で摂取してもらい、サンプル摂取後の口臭、体臭及び糞尿臭の3つの評価項目について下記の評点で評価してもらった。
【0140】
(サンプル摂取後の口臭の評点)
10を最高評価、0を最低評価とし、VASアンケートに記入させた。
【0141】
(サンプル摂取後の体臭の評点)
10を最高評価、0を最低評価とし、VASアンケートに記入させた。
【0142】
(サンプル摂取後の糞尿臭の評点)
10を最高評価、0を最低評価とし、VASアンケートに記入させた。
【0143】
【表3】

【0144】
【表4】

【0145】
【表5】

【0146】
表3、表4及び表5に記載の結果から、松樹皮抽出物と鉄クロロフィリンを組み合わせて摂取した場合は、濃度が0.00001重量%以上であれば、それぞれ単独で摂取した場合と比較して口臭、体臭及び糞尿臭が顕著に改善されることが分かった。一方、松樹皮抽出物及び鉄クロロフィリンの濃度が15重量%以上の場合、濃度が10重量%の場合と比較し、口臭、体臭及び糞尿臭の改善度合いは逆に低下した。また、松樹皮抽出物または鉄クロロフィリンを単独で摂取した場合についても、濃度が0.02重量%以上であれば、水のみを単独で摂取した場合と比較して口臭、体臭及び糞尿臭の改善が認められたが、松樹皮抽出物と鉄クロロフィリンを組み合わせて摂取した場合ほどの改善は認められなかった。
【0147】
実施例2の結果より、濃度が0.00001重量%以上であれば、松樹皮抽出物と鉄クロロフィリンを組み合わせて摂取することで相乗効果が認められ口臭、体臭及び糞尿臭が著しく改善されることが分かった。そこで、松樹皮抽出物と鉄クロロフィリンにさらに食品素材を組み合わせて摂取することで、さらなる相乗効果が認められないかを検討するため、以下の試験を行った。
【0148】
(実施例3)
調製例1及び19〜28、及び比較例13及び28〜39を、口臭、体臭及び糞尿臭に悩む被験者5人に各日1検体ずつ、24日に分け、全てのサンプルを色や処方内容が分からない状態で摂取してもらい、サンプル摂取後の口臭、体臭及び糞尿臭の3つの評価項目について下記の評点で評価してもらった。
【0149】
(サンプル摂取後の口臭の評点)
10を最高評価、0を最低評価とし、VASアンケートに記入させた。
【0150】
(サンプル摂取後の体臭の評点)
10を最高評価、0を最低評価とし、VASアンケートに記入させた。
【0151】
(サンプル摂取後の糞尿臭の評点)
10を最高評価、0を最低評価とし、VASアンケートに記入させた。
【0152】
【表6】

【0153】
【表7】

【0154】
表6及び表7に記載の結果から、松樹皮抽出物と鉄クロロフィリンにさらに茶抽出物を組み合わせて摂取した場合には、松樹皮抽出物、鉄クロロフィリンまたは茶抽出物を単独で摂取した場合、及び松樹皮抽出物と鉄クロロフィリンのみを組み合わせて摂取した場合と比較して口臭、体臭及び糞尿臭が顕著に改善されることが分かった。一方、松樹皮抽出物と鉄クロロフィリンに茶抽出物以外の素材を組み合わせた場合には、口臭、体臭及び糞尿臭に顕著な改善は認められなかった。
【0155】
実施例1〜3より、松樹皮抽出物と鉄クロロフィリンを組み合わせて摂取した場合、及び松樹皮抽出物と鉄クロロフィリンにさらに茶抽出物を組み合わせて摂取した場合には、相乗効果が認められ口臭、体臭及び糞尿臭が著しく改善されることが分かった。そこで、外用剤として用いた場合にも同様の作用が認められるかを検討するため、以下の試験を行った。
【0156】
(実施例4)
調製例29、30及び比較例40〜43を、体臭に悩む被験者5人に各日1検体ずつ、6日に分け、全てのサンプルを処方内容が分からない状態で上半身全体に塗布してもらい、サンプル塗布後に体臭を評価項目として下記の評点で評価してもらった。
【0157】
(サンプル摂取後の体臭の評点)
10を最高評価、0を最低評価とし、VASアンケートに記入させた。
【0158】
【表8】

【0159】
【表9】

【0160】
表8及び表9に記載の結果から、松樹皮抽出物と鉄クロロフィリンを組み合わせた水溶液を上半身全体に塗布した場合には、松樹皮抽出物または鉄クロロフィリンのみしか含まない水溶液を塗布した場合と比較して体臭が顕著に改善されることが分かった。また、松樹皮抽出物と鉄クロロフィリンにさらに茶抽出物を組み合わせた水溶液を塗布した場合には、松樹皮抽出物、鉄クロロフィリンまたは茶抽出物を単独で含む水溶液を塗布した場合、及び松樹皮抽出物と鉄クロロフィリンのみを組み合わせた水溶液を塗布した場合と比較してさらに顕著に体臭が改善されることが分かった。
【産業上の利用可能性】
【0161】
本発明の松樹皮抽出物及び鉄クロロフィリンを含む口臭、体臭及び糞尿臭改善剤は、松樹皮抽出物と鉄クロロフィリンとを組み合わせることで、松樹皮抽出物または鉄クロロフィリンを単独で用いた場合よりもはるかに強い口臭、体臭及び糞尿臭等の悪臭改善作用を示し、食品または化粧品として用いることで人々の快適な日常生活に貢献することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
松樹皮抽出物及び鉄クロロフィリンを含む口臭、体臭及び糞尿臭改善剤。
【請求項2】
さらに、茶粉砕物または抽出物を含む請求項1記載の口臭、体臭及び糞尿臭改善剤。
【請求項3】
請求項1及び2記載の口臭、体臭及び糞尿臭改善剤を含む食品または化粧品。




【公開番号】特開2010−18525(P2010−18525A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−178439(P2008−178439)
【出願日】平成20年7月8日(2008.7.8)
【出願人】(398028503)株式会社東洋新薬 (182)
【Fターム(参考)】