説明

古紙再生装置の再生紙平滑化装置、抄紙装置および古紙再生装置

【課題】什器サイズの古紙再生装置という非常に狭い古紙処理空間において、抄紙工程部で抄紙形成された湿紙の紙面を平滑化処理して、皺のない平滑な再生紙を再生することができる再生紙平滑化技術を提供する。
【解決手段】再生紙平滑化処理部の平滑面ロール部180は、乾燥ベルトコンベア部の加熱乾燥部の上流側に設けられ、平滑面ベルト145上を搬送される湿紙RP0の幅方向全体を平滑面ベルト145との間で所定の押圧力をもって転動押圧して、湿紙RP0の両側表面を平滑化処理して、皺のない平滑な再生紙RPを再生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、古紙再生装置の再生紙平滑化装置、抄紙装置および古紙再生装置に関し、さらに詳細には、古紙が発生する場所に配置されて、発生する古紙を廃棄処分することなく、その場で再利用可能な紙に再生処理する什器サイズの小型古紙再生装置における再生紙平滑化技術に関する。
【背景技術】
【0002】
官公庁や一般企業等の各種事業所の日常業務はもちろんのこと、一般家庭の日常生活においても、使用済みや不要となった各種書類いわゆる古紙が発生している。これらの古紙は、ゴミとして廃棄されたり、焼却されたりして、廃棄処分されることになる。
【0003】
本出願人は、これらの古紙をその発生元において自前で再生利用することができる古紙再生装置を既に開発し提案している(例えば特許文献1参照)。
【0004】
この古紙再生装置は、古紙再生工場等の大規模な古紙再生技術を、小規模店舗や一般家庭などの室内にも設置可能な装置技術として実現したもので、什器サイズの装置ケース内に、古紙を離解し叩解して古紙パルプを製造するパルプ製造部と、このパルプ製造部で製造された古紙パルプを抄紙して再生紙を製造する抄紙部と、これらパルプ製造部および抄紙部を連動して駆動制御する制御部を備えてなり、上記抄紙部は、上記パルプ製造部から送られてくる古紙パルプを抄いて湿紙とする抄紙工程部と、この抄紙工程部で抄紙形成された湿紙を乾燥させて再生紙とする乾燥工程部と、この乾燥工程部で乾燥処理された乾紙をカレンダ処理するカレンダロール部とを備えてなる。
【0005】
そして、古紙は、上記パルプ製造部で離解・叩解されて古紙パルプとなり、その後、この古紙パルプは、上記抄紙部におけるベルトコンベアの走行ベルトにより搬送されながら、濾過脱水、圧搾脱水および加熱乾燥の各工程を経て再生紙となる。この場合、上記カレンダロール部は、上記乾燥工程部の下流側端位置に隣接して設けられて、乾燥工程部から排出される乾紙を表裏両側から転動加圧してカレンダ処理する構成とされており、これにより、表裏両面の平滑度が均一で良好な再生紙を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−184700号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的とするところは、上記古紙再生装置の抄紙部における乾燥工程部の構成をさらに改良することにより、大きな事業所等だけでなく、小規模店舗や一般家庭などの室内にも設置可能な什器サイズの古紙再生装置という非常に狭い古紙処理空間において、抄紙工程部で抄紙形成された湿紙の紙面を平滑化処理して、皺のない平滑な再生紙を再生することができる再生紙平滑化技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するため、本発明の古紙再生装置の再生紙平滑化装置は、古紙が発生する場所に配置可能な什器サイズの古紙再生装置において、前工程のパルプ製造部で製造された古紙パルプを抄紙して再生紙を製造する抄紙部に配置されて、再生紙の紙面を平滑化処理する装置であって、上記抄紙部において、古紙パルプを抄いて湿紙とする抄紙ベルトコンベア部で抄紙形成された湿紙を乾燥させて再生紙とする乾燥ベルトコンベア部の加熱乾燥部の上流側に設けられて、乾燥ベルトコンベア部の平滑面ベルト上を搬送される湿紙の幅方向全体を平滑面ベルトとの間で所定の押圧力をもって転動押圧して、上記湿紙両側表面を平滑化処理する少なくとも一つの平滑面ロール手段を備えてなることを特徴とする。
【0009】
好適な実施態様として、以下の構成が採用される。
(1)上記平滑面ロール手段が上記加熱乾燥部の上流側に近接して複数設けられ、これら複数の平滑面ロール手段の上記押圧力は、上流側から下流側へ向けて大きくなるように設定されている。
【0010】
(2)最上流側の上記平滑面ロール手段の上記押圧力は、上記湿紙に対する圧搾脱水作用が生じない範囲に設定されている。
【0011】
(3)最上流側の上記平滑面ロール手段の上記押圧力は、上記抄紙ベルトコンベア部と乾燥ベルトコンベア部の連係部において上記湿紙を圧搾脱水する脱水ロール手段の圧搾力よりも小さく設定されている。
【0012】
(4)上記平滑面ロール手段は、上記平滑面ベルトを裏面側から転動支持する支持ロールと、この支持ロールに対して、上記平滑面ベルト上の湿紙を表面側から転動押圧する平滑面ロールと、この平滑面ロールの上記押圧力を規定する押圧力規定手段とを備えてなる。
【0013】
(5)上記支持ロールは、上記平滑面ベルトの支持ロールとしての機能を兼備している。
【0014】
(6)上記平滑面ロールは、その円筒外周面が撥水性平滑面とされてなる。
【0015】
(7)上記平滑面ロールは、剛性材料からなる円筒ロール本体の外周に、撥水性材料からなる撥水層が形成されてなる。
【0016】
(8)上記円筒ロール本体と上記撥水層との間に、弾性層が介装されている。
【0017】
(9)上記押圧力規定手段は、上記平滑面ロールを上記支持ロールの平滑面ベルト支持位置に向けて弾発付勢する弾発スプリング機構の形態とされ、この弾発スプリング機構において、上記平滑面ロールを回転可能に軸支するロール支持部が上記支持ロールの平滑面ベルト支持位置方向へ往復移動可能に設けられるとともに、弾発スプリングにより上記支持ロールの平滑面ベルト支持位置方向へ常時弾発付勢されている。
【0018】
(10)上記平滑面ロール手段の平滑面ロールを、上記平滑面ベルト上の湿紙に転動押圧して湿紙両側表面の平滑化処理を行う作用位置と、上記湿紙から離隔する退避位置との間で移動制御するロール移動手段を備える。
【0019】
(11)上記ロール移動手段は、上記弾発スプリング機構と協働する移動カム機構の形態とされ、この移動カム機構は、上記平滑面ロールを回転可能に軸支する上記ロール支持部を上記支持ロールの平滑面ベルト支持位置方向へ往復動作させる回転可能な偏心カムと、この偏心カムを回転駆動する回転駆動源とを備えてなる。
【0020】
(12)上記弾発スプリング機構のロール支持部が、固定的に設けられた装置基台上に、案内レールにより、上記支持ロールの平滑面ベルト支持位置方向へ往復移動可能に設けられ、上記移動カム機構の偏心カムが、上記装置基台上に回転可能に軸支され、上記ロール支持部の従動カム面に、上記偏心カム外周の駆動カム面が摺接係合されてなり、上記回転駆動源の回転駆動により、上記偏心カムが退避回転位置にある時、上記平滑面ロールは上記平滑面ベルト上の湿紙から離隔する退避位置にあり、上記偏心カムが作用回転位置にある時、上記平滑面ロールは、上記弾発スプリング機構の弾発スプリングの圧縮状態により設定された上記所定の押圧力をもって、上記平滑面ベルト上の湿紙に転動押圧して湿紙両側表面の平滑化処理を行う作用位置にある。
【0021】
(13)上記ロール移動手段を上記平滑面ベルト上の湿紙の状態に応じて制御する制御手段を備えてなり、この制御手段は、上記平滑面ベルト上の湿紙が抄紙工程初期段階で紙厚が薄く安定していない状態にある時は、上記平滑面ロールが上記平滑面ベルト上の湿紙から離隔する上記退避位置を保持するとともに、上記平滑面ベルト上の湿紙が抄紙工程初期段階を経て紙厚が厚く安定した状態にある時は、上記平滑面ロールが上記所定の押圧力をもって上記平滑面ベルト上の湿紙に転動押圧して湿紙両側表面の平滑化処理を行う作用位置を保持するように上記ロール移動手段を制御する構成とされている。
【0022】
(14)上記平滑面ロール手段において、上記平滑面ロールと、この平滑面ロールを回転可能に軸支するロール支持部とは、固定的に設けられた装置基台上に、脱着可能に位置決め載置されるユニット構造とされている。
【0023】
(15)上記平滑面ロールの平滑面上に付着残留する残渣を剥離除去するスクレーパ手段を備える。
【0024】
(16)上記抄紙部において、上記湿紙を平滑な再生紙に再生処理する平滑仕上手段を備え、この平滑仕上手段は、上記乾燥ベルトコンベア部の加熱乾燥部に設けられて、上記平滑面ベルトにより搬送される湿紙全体を上側から均一な圧力をもって押圧する押圧手段の形態とされ、この押圧手段は、上記平滑面ベルト上の湿紙全体を平滑面ベルトとの間に挟持状に被覆して走行する被覆ベルトを備える被覆ベルトコンベアと、上記被覆ベルトの走行方向へ所定間隔をもって配列されて、この被覆ベルトを上側から押圧する複数の加圧ロールとを備えてなる。
【0025】
また、本発明の古紙再生装置の抄紙装置は、古紙が発生する場所に配置可能な什器サイズの古紙再生装置を構成し、前工程のパルプ製造装置で製造された古紙パルプを抄紙して再生紙を製造する抄紙装置であって、上記パルプ製造装置から送られてくる水と古紙パルプが共存するスラリー状のパルプ懸濁液を抄いて湿紙とする抄紙ベルトコンベア部と、この抄紙ベルトコンベア部で抄紙形成された湿紙を乾燥させて再生紙とする乾燥ベルトコンベア部と、これら抄紙ベルトコンベア部および乾燥ベルトコンベア部の連係部において上記湿紙を圧搾脱水する脱水ロール手段とを備えてなり、上記乾燥ベルトコンベア部は、上記抄紙ベルトコンベア部で抄紙形成された湿紙を平滑な再生紙として処理排出する再生紙平滑化処理手段を備え、この再生紙平滑化処理手段は、上述した再生紙平滑化装置により構成されていることを特徴とする。
【0026】
また、本発明の第一の古紙再生装置は、古紙が発生する場所に配置可能な什器サイズのものであって、什器サイズの装置ケース内に、古紙を離解し叩解して古紙パルプを製造するパルプ製造部と、このパルプ製造部で製造された古紙パルプを抄紙して再生紙を製造する抄紙部とを備えてなり、上記抄紙部は、上述した抄紙装置から構成されていることを特徴とする。
【0027】
また、本発明の第二の古紙再生装置は、古紙が発生する場所に配置可能な什器サイズのものであって、古紙を離解し叩解して古紙パルプを製造するパルプ製造ユニットと、このパルプ製造ユニットで製造された古紙パルプを抄紙して再生紙を製造する抄紙ユニットとを備えてなり、これらパルプ製造ユニットおよび抄紙ユニットは、分離設置可能なセパレート構造とされ、上記抄紙ユニットは、上述した抄紙装置から構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
(1)本発明の古紙再生装置の再生紙平滑化装置は、前工程のパルプ製造部で製造された古紙パルプを抄紙して再生紙を製造する抄紙部において、乾燥ベルトコンベア部の加熱乾燥部の上流側に設けられて、乾燥ベルトコンベア部の平滑面ベルト上を搬送される湿紙の幅方向全体を平滑面ベルトとの間で所定の押圧力をもって転動押圧して、上記湿紙両側表面を平滑化処理する少なくとも一つの平滑面ロール手段を備えてなるから、大きな事業所等だけでなく、小規模店舗や一般家庭などの室内にも設置可能な什器サイズの古紙再生装置という非常に狭い古紙処理空間において、抄紙工程部で抄紙形成された湿紙の紙面を平滑化処理して、皺のない平滑な再生紙を再生することができる。
【0029】
すなわち、古紙パルプを抄いて湿紙とする抄紙ベルトコンベア部(抄紙工程部)で抄紙形成された湿紙は、続く乾燥工程部を構成する乾燥ベルトコンベア部の加熱乾燥部において、平滑面ベルトにより搬送されながら加熱乾燥されるところ、この加熱乾燥部の上流側において、乾燥前の湿紙が、平滑面ロール手段により、その幅方向全体を平滑面ベルトとの間で所定の押圧力をもって転動押圧されて、湿紙両側表面が平滑化処理される。
【0030】
この場合、乾燥前の湿紙は、乾燥後の乾紙に比較して強度が非常に弱く、乾燥後のカレンダ処理に比較してはるかに小さな押圧力で変形しやすい。
【0031】
換言すれば、湿紙は、乾燥前の強度が弱く変形しやすい紙質の状態の時に、上記平滑面ロール手段と平滑面ベルトとの間で平滑面ロール手段による所定の押圧力をもって平滑化処理されることで、湿紙の両側表面が効率良くかつ確実に平滑面に加工処理され、湿紙の厚さも均一となる。
【0032】
(2)また、上述したように、乾燥前の湿紙は、乾燥後の乾紙に比較して強度が非常に弱く、乾燥後のカレンダ処理に比較してはるかに小さな押圧力で平滑化処理可能であることから、この平滑化処理を行う上記平滑面ロール手段の転動押圧の押圧力も小さくて良い。このため、平滑面ロール手段は、乾燥後の乾紙にカレンダ処理を施すカレンダロールのように大きな強度と駆動力を必要とすることなく、小型コンパクトな構成とすることができ、特に什器サイズの古紙再生装置という非常に狭い古紙処理空間に設置される装置として最適な構成とすることができる。
【0033】
(3)さらに、上記抄紙部において、上記湿紙を平滑な再生紙に再生処理する平滑仕上手段を備え、この平滑仕上手段は、上記乾燥ベルトコンベア部の加熱乾燥部に設けられて、上記平滑面ベルトにより搬送される湿紙全体を上側から均一な圧力をもって押圧する押圧手段の形態とされ、この押圧手段は、上記平滑面ベルト上の湿紙全体を平滑面ベルトとの間に挟持状に被覆して走行する被覆ベルトを備える被覆ベルトコンベアと、上記被覆ベルトの走行方向へ所定間隔をもって配列されて、この被覆ベルトを上側から押圧する複数の加圧ロールとを備えてなることにより、上記平滑面ロール手段との協働作用で、より平滑度の高い再生紙を再生することができる。
【0034】
すなわち、上記平滑面ロール手段により均一な厚さで平滑面に加工処理された湿紙は、続く乾燥工程部を構成する乾燥ベルトコンベア部の加熱乾燥部において、平滑面ベルトにより搬送されながら加熱乾燥されるところ、その全体を押圧手段の形態とされた平滑仕上手段により上側から均一な圧力をもって押圧される。
【0035】
この場合、上記押圧手段は、平滑面ベルト上の湿紙全体を平滑面ベルトとの間に挟持状に被覆して走行する被覆ベルトを備える被覆ベルトコンベアと、上記被覆ベルトの走行方向へ所定間隔をもって配列されて、この被覆ベルトを上側から押圧する複数の加圧ローラとを備えてなるから、上記加熱乾燥部を搬送通過する平滑面ベルト上の湿紙は、上側から被覆ベルトコンベアにより被覆されるとともに、連続配置された複数の加圧ローラによる所定の加圧力により、上下から均一な圧力をもってサンドイッチ状に挟持されながら加熱乾燥処理されることになる。
【0036】
換言すれば、湿紙は、所定圧力をもったサンドイッチ構造により平坦な状態を保持されながら加熱乾燥処理される結果、その前段階で上記平滑面ロール手段により平滑化処理されて、厚さが均一で両側表面が平滑面とされた良好な状態をそのまま維持されつつ、乾燥ムラもなく、加熱乾燥作用による湿紙の皺や反りの発生も有効に防止されて、全体としてより平滑な再生紙が再生され得る。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施形態1である古紙再生装置の全体概略構成を示す正面断面図である。
【図2】同じく同古紙再生装置の全体概略構成を示す側面断面図である。
【図3】同古紙再生装置の叩解部の古紙パルプ循環経路構成を示す回路図である。
【図4】同古紙再生装置のパルプ濃度調整部の構成を示すブロック図である。
【図5】同古紙再生装置の抄紙部の全体概略構成を示す斜視図である。
【図6】同抄紙部の再生紙平滑化処理部の主要構成部を示す斜視図である。
【図7】同じく同再生紙平滑化処理部の主要構成部を分解状態で示す斜視図である。
【図8】同じく同再生紙平滑化処理部の主要構成部を示す側面図である。
【図9】同じく同再生紙平滑化処理部の主要構成部を一部切開して示す平面図である。
【図10】同再生紙平滑化処理部の主要構成部の平滑面ベルト上の湿紙に対する進退動作を説明するための側面図である。
【図11】同じく同再生紙平滑化処理部の主要構成部の平滑面ベルト上の湿紙に対する進退動作を説明するための一部切開して示す平面図である。
【図12】同古紙再生装置の外観構成を示す斜視図である。
【図13】本発明の実施形態2に係る古紙再生装置の抄紙部の全体概略構成を示す斜視図である。
【図14】本発明の実施形態3に係る古紙再生装置の全体概略構成を示す正面断面図である。
【図15】同古紙再生装置の外観構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、図面全体にわたって同一の符号は同一の構成部材または要素を示している。
【0039】
実施形態1
本発明に係る古紙再生装置が図1〜図12に示されており、この古紙再生装置1は、具体的には古紙が発生する場所に配置されて、発生する古紙UPを廃棄処分することなく、その場で再利用可能な紙に再生処理する装置であって、古紙UPとしては、官公庁・一般企業の機密文書や一般家庭の私的文書等で、使用済みや不要となった書類が該当する。
【0040】
古紙再生装置1は、図12に示すような什器サイズ、つまり、事務所内に配置使用される書棚、ロッカー、事務机、複写機、パーソナルコンピュータなどの什器類と同等な小型形状寸法を備えるもので、図1に示すように、パルプ製造部(パルプ製造装置)2、パルプ濃度調整部3、抄紙部(抄紙装置)4および装置制御部(制御部)5を主要部として構成されるとともに、上記抄紙部4は、本発明に係る特徴構成である再生紙平滑化処理部(再生紙平滑化装置、再生紙平滑化処理手段)6を備えてなる。
【0041】
これら装置構成部2〜5は装置ケース7内に装置収容されてなるコンパクト設計とされる。この装置ケース7は、上述したように什器サイズのもので、具体的な形状寸法は目的や用途に応じて適宜設計される。図示の実施形態の装置ケース7は、事務所等に配置使用される複写機程度の形状寸法を有するほぼ直方体形状の箱体とされ、装置ケース7の天板部には、古紙UPを投入するための投入口8が開閉可能に設けられるとともに、側部には、再生紙RP、RP、…を排出する排出口9が設けられている。また、この排出口9の下縁部位には、排出口9から排出される再生紙RP、RP、…を受け取るための再生紙受取トレー10が取外し可能に設けられている。
【0042】
パルプ製造部2は、古紙UPを離解し叩解して古紙パルプを製造する工程部位で、古紙UPを攪拌破砕して離解する離解部20と、この離解部20で離解された古紙UPを叩解する叩解部21とからなる。
【0043】
離解部20は、古紙UPを攪拌破砕して離解する工程部位で、離解槽25、攪拌装置26および給水装置27を主要部として構成されている。
【0044】
離解槽25は、図2に示すように、その天井壁に、古紙UPを投入供給する上記投入口8が設けられるとともに、その底部壁に、離解された古紙パルプUPPを下流側へ排出する排出口28が設けられている。離解槽25の内容積は、一度に攪拌処理すべき古紙UPの枚数に応じて設定される。図示の実施形態においては、約98リットルの水を加えて、A4判のPPC(plain paper copier)古紙UPを500枚程度(約2000g)一度に攪拌処理(バッチ処理)できる容積を有する離解槽25とされている。この場合の離解される古紙パルプUPPの濃度は2%程度となる。なお、この濃度調整は、給水装置27からの給水により行われ、この給水装置27は、後述するパルプ濃度調整部3の一部をなす。
【0045】
上記投入口8は、装置ケース7のケースカバー7aの外部に対して開閉可能な構造を有する。また、上記排出口28は、開閉弁29により開閉可能とされて、後述する古紙パルプ循環経路49に連通可能とされている。なお、上記排出口28の部位には、古紙UP、UP、…を綴じていたクリップ、ステープラー針等の綴じ具のなど、次工程の叩解工程にとって障害となる各種禁忌品を除去するための禁忌品フィルタ30が設けられている。
【0046】
上記開閉弁29は、具体的には駆動モータ35によりクランク機構36がクランク動作することで開閉動作される。上記駆動モータ35としては、具体的には電動モータが使用され、この駆動モータ35が装置制御部5に電気的に接続されている。
【0047】
攪拌装置26は上記離解槽25の内部に設けられており、攪拌インペラ40および駆動モータ41を備えてなる。
【0048】
上記攪拌インペラ40は、その回転軸40aが離解槽25の底面中央位置に起立状に回転支持されて、水平回転可能に設けられるとともに、上記回転軸40aの下端が、伝動プーリ42a、伝動ベルト42bおよび伝動プーリ42cからなる伝動手段42を介して、駆動モータ41の回転軸41aに駆動連結されている。
【0049】
給水装置27は上記離解槽25に水Wを供給するもので、後述するように、パルプ濃度調整部3の叩解濃度調整部3Aを構成する。
【0050】
図示の実施形態の給水装置27は、図1に示すように、白水回収槽45、叩解濃度調整用の給水ポンプ46および抄紙濃度調整用の給水ポンプ47を備えてなる。白水回収槽45は、後述するように、抄紙部4において濾過脱水される白水W(抄紙する際に抄き網により濾過された極低濃度のパルプ水)を回収するもので、この白水回収槽45に回収された白水Wが、上記給水ポンプ46により上記離解槽25に、また上記給水ポンプ47により後述する濃度調整槽85にそれぞれ供給される。
【0051】
また、これに関連して、離解槽25の底部には、重量センサ48が設けられて、離解槽25内で一度にバッチ処理される古紙UP、UP、…と水の量を計測制御する構成とされ、上記重量センサ48は装置制御部5に電気的に接続されている。
【0052】
図示の実施形態の重量センサ48はロードセルからなり、離解槽25の重量と、この離解槽25内に投入供給された古紙UP、UP、…および水の重量との合計重量を感知計測する構成とされている。
【0053】
離解部20における具体的な制御構成は、まず、作業者により投入口8が開放されて、離解槽25に古紙UP、UP、…が投入されると、その重量が上記重量センサ48により感知計測されて、所定重量(枚数)になった時点で作業者に音および/または表示により告知される。この表示に応じて作業者が投入口8を閉止すると、上記給水装置27が駆動して、給水ポンプ46により、白水回収槽45の水Wが上記投入された古紙UP、UP、…の重量(枚数)に対応した量だけ離解槽25に供給される。
【0054】
また、作業者が、上記投入口8から離解槽25に任意の量(上記所定重量(枚数)より少ない量)の古紙UP、UP、…を投入した後に投入口8を閉止した場合も、その重量が上記重量センサ48により感知計測されるとともに、上記給水装置27が駆動して、給水ポンプ46により、上記計測結果に応じた量の水Wが白水回収槽45から離解槽25に供給される。
【0055】
図示の実施形態においては、上述したように、最大500枚程度(約2000g)のA4判のPPC古紙UPが離解槽25内に投入されると、その時点で作業者に音および/または表示により告知され、上記投入口8の閉止動作により、約98リットルの水が給水装置27により加えられて、あるいは任意の量(上記所定重量(枚数)より少ない量)の古紙UP、UP、…を投入した場合にも、この古紙投入量に対応した量の水が給水装置27により加えられて、離解される古紙パルプUPPの濃度が2%程度となるように制御調整される。
【0056】
しかして、攪拌装置26において、装置ケース7の投入開口つまり投入口8から離解槽25内に投入された古紙UP、UP、…は、駆動モータ41による攪拌インペラ40の正転・逆転動作により、給水装置27から供給された水の中で所定時間(図示の実施形態においては10分〜20分間)だけ攪拌混合されて、これにより、古紙UP、UP、…は離解・叩解されて古紙パルプUPPとなる。
【0057】
なお、上記離解槽25の排出口28は、離解部20の運転時には上記開閉弁29により閉止されて、離解槽25からの古紙UPや古紙パルプUPPの古紙パルプ循環経路49への流入が阻止される一方、後述する叩解部21の運転時には、開閉弁29により排出口28が開口されて、離解槽25からの古紙パルプUPPの古紙パルプ循環経路49への流入および循環回流が許容される。
【0058】
叩解部21は、上記離解部20で離解された古紙UPを叩解する工程部位で、具体的には、上記離解部20で離解された古紙UPを加圧叩解するとともに、古紙UP上の文字、図形等を形成するインキ類(各種印刷技術により古紙UP上に文字、図形等を形成した印刷インキ、あるいは、鉛筆、ボールペンまたは万年筆等の筆記具により古紙UP上に文字、図形等を形成したインキ等が含まれる)を磨砕微細化(マイクロファイバ化)するものである。
【0059】
この叩解部21は、摩砕機50を主要部として備えてなる。この摩砕機50は、図3に示すように、相対的に回転駆動される一対の叩解円盤51、52を主要部として備えてなり、これら一対の叩解円盤51、52は、叩解作用面51a、52aを微小な叩解隙間Gをもって同心状に対向配置されている。
【0060】
また、上記摩砕機50の叩解作用面51a、52aの叩解隙間Gは、後述するように、叩解工程の初期用の摩砕機50から終期用の摩砕機50に向けて徐々に狭くなるように設定されている。
【0061】
本実施形態の叩解部21においては、図3に示すように、一台の摩砕機50が配されてなる古紙パルプ循環経路49が形成され、これにより、古紙パルプUPが摩砕機50を介して所定時間循環されながら叩解処理される循環式とされている。
【0062】
この古紙パルプ循環経路49による叩解工程の実施により、什器サイズの装置ケース7内という非常に小さく狭い工程スペースにもかかわらず、基本的に長さに制限のない無限長の古紙パルプ叩解工程経路が形成されることになり、大規模装置における叩解工程に匹敵する叩解工程空間を確保することが可能となり、目的に応じて最適な叩解効果が得られる。
【0063】
また、一台の摩砕機50が叩解工程の全工程を通じて叩解処理を行うことに関連して、この一台の摩砕機50が叩解工程の初期用の摩砕機から終期用の摩砕機までの複数台の摩砕機としての機能を兼備する。具体的には、この摩砕機50の叩解作用面51a、52aの叩解隙間Gが、叩解工程の初期から終期に向けて徐々に狭くなるように制御調整される構成とされている。
【0064】
図示の実施形態の摩砕機50は、図2に示すように、装置ケース7を構成する装置機体54に、上記離解部20の離解槽25に隣接して設けられており、また図3に示すように、離解部20の離解槽25に連通可能な叩解槽55と、この叩解槽55内に相対的に回転可能に設けられた上記一対の叩解円盤51、52と、これら一対の叩解円盤51、52を相対的に回転動作させる回転駆動源56と、一対の叩解円盤51、52の叩解隙間Gを調整する隙間調整手段57を備える。
【0065】
叩解槽55は、上記一対の叩解円盤51、52を収納可能な密閉型円筒形状とされ、上流側からの古紙パルプUPPを供給する供給口55aおよび叩解された古紙パルプUPPを下流側へ排出する排出口55bを有する。
【0066】
具体的には、上記供給口55aは叩解槽55の底部中央部に上下方向へ向けて開設されるとともに、上記排出口55bは叩解槽55の円筒側部に水平方向へ向けて開設されている。これら供給口55aおよび排出口55bは、図3に示すように、それぞれ循環用配管49a、49bを介して、上記離解部20の離解槽25に連通可能に接続されるとともに、上記排出口55bは、さらに排出用配管59を介して古紙パルプ回収槽60に連通可能とされている。
【0067】
61は方向切替弁を示しており、この方向切替弁61の切替動作により、排出口55bから排出される古紙パルプUPPは、選択的に、上記離解槽25へ還流され、または古紙パルプ回収槽60へ回収される。方向切替弁61は、具体的には電磁弁からなり、上記装置制御部5に電気的に接続されている。
【0068】
一対の叩解円盤51、52は、その一方が回転方向へ固定的に設けられた固定側叩解円盤とされるとともに、他方が回転可能な回転側叩解円盤とされる。図示の実施形態においては、上側の叩解円盤51が回転側とされるとともに、下側の叩解円盤52が固定側とされてなり、この下側の固定側叩解円盤52に対して、上側の回転側叩解円盤51が微小な叩解隙間Gをもって同心状にかつ回転可能に対向配置されている。この回転側叩解円盤51は、装置機体54の固定側に回転可能にかつ軸線方向へ移動可能に軸支された回転主軸64を介して、駆動モータ56に駆動連結されている。
【0069】
上記回転主軸64は、具体的には図示しないが、上記隙間調整手段57の昇降部材に回転可能に軸支されており、その先端部に、上記回転側叩解円盤51が同心状にかつ一体的に取り付けられるとともに、その基端部が、上記駆動モータ56の回転軸に回転方向へ一体的にかつ軸線方向へ相対的に移動可能に駆動連結されている。
【0070】
回転駆動源である上記駆動モータ56は、上記一対の叩解円盤51、52を相対的に回転動作させるもので、具体的には電動モータが使用され、この駆動源である駆動モータ56が装置制御部5に電気的に接続されている。
【0071】
上記微小な叩解隙間Gを形成する両叩解円盤51、52の対向面51a、52a同士は協働して叩解作用面を形成する。これら対向する叩解作用面51a、52aは、多数の砥粒が結合材により結合されてなる砥石面の形態とされている。また、上記両叩解作用面51a、52aは、図3に示すように、その径寸法が互いの対向方向へ連続的に大きくなるテーパ面形状とされて、最外周縁部が互いに平行する環状平坦面とされ、これら環状平坦面が上記叩解隙間Gを形成している。
【0072】
換言すれば、上記一対の叩解円盤51、52において、固定側叩解円盤52の叩解作用面52aの中心部位に、上記叩解槽の供給口55aに同軸状に連通する入口70が形成されるとともに、上記一対の叩解円盤51、52の叩解作用面51a、52aの外周縁部に形成される二つの環状平坦面が、上記叩解槽55の排出口55bに連通しかつ上記叩解隙間Gを有する出口71を形成している。
【0073】
また、回転側叩解円盤51の外周には複数のブレード72、72、…が周方向へ所定間隔をもって設けられており、これらブレード72、72、…は、回転側叩解円盤51の回転により、上記出口71から排出される古紙パルプUPPを、遠心力で上記叩解槽55の排出口55bへ向けて押出すポンプ作用をなす。
【0074】
しかして、駆動源である駆動モータ56により、回転側叩解円盤51が固定側叩解円盤52に対して回転駆動された状態において、上記離解部20の離解槽25から叩解槽55の供給口55a、入口70を介して叩解空間Bに供給される古紙パルプUPPは、上記入口70から叩解空間Bに流入して、この叩解空間Bを通過しながら、相対的に回転する叩解作用面51a、52aによる加圧叩解作用を受けるとともに、古紙UP上の文字、図形等を形成するインキ類が磨砕微細化され、この後、上記出口71から叩解槽55の排出口55bを介して排出される。
【0075】
この出口71から排出される際、古紙パルプUPPは、上記叩解隙間Gを有する出口71の部位でさらに加圧叩解作用を受けて、この叩解隙間Gにより規定される所定のミクロンサイズまで微細化(マイクロファイバ化)されることとなる。
【0076】
この点に関して、本実施形態においては、前述したように、古紙パルプ循環経路49に一台の摩砕機50が配されてなる循環式叩解工程(図3参照)が採用されることに関連して、つまり、上記一台の摩砕機50が叩解工程の初期用の摩砕機から終期用の摩砕機までの複数台の摩砕機としての機能を兼備することに関連して、この摩砕機50の叩解隙間Gが、隙間調整手段57により、叩解工程の初期から終期に向けて徐々に狭くなるように制御調整される構成とされている。
【0077】
隙間調整手段57は、具体的には図示しないが、上記一対の叩解円盤51、52を回転軸線方向へ相対的に移動させて、これら叩解円盤51、52の叩解隙間Gを制御調整する構成とされ、回転側叩解円盤51を回転軸線方向つまり回転主軸64の軸線方向へ移動させる移動手段(図示省略)と、この移動手段を駆動させる駆動源66とを主要部として構成されている。この駆動源としては具体的には電動モータが用いられ、この駆動モータ66が上記装置制御部5に電気的に接続されている。
【0078】
そして、この電動モータ66の回転により、上記移動手段を介して上記回転主軸64が昇降動作し、これにより、回転主軸64と一体の回転側叩解円盤51が固定側叩解円盤52に対して上下方向つまり回転軸線方向へ移動して、両叩解円盤51、52の叩解隙間Gが制御調整される。
【0079】
この目的のため、上記回転側叩解円盤51の昇降位置を検出する位置検出センサ(図示省略)が設けられ、この位置検出センサの検出結果により上記駆動モータ66が駆動制御される。上記位置検出センサは装置制御部5に電気的に接続されている。
【0080】
隙間調整手段57による叩解円盤51、52の叩解隙間Gの制御調整は、図3に示される古紙パルプ循環経路49における循環式叩解工程において、循環手段である循環ポンプ69と相互に連動して行われる。
【0081】
すなわち、図3において、離解部20により離解処理された古紙パルプUPPは、上記循環ポンプ69により古紙パルプ循環経路49で循環されながら、上記摩砕機50による叩解工程が実行され、この際、摩砕機50の叩解作用面51a、52aの叩解隙間Gは、隙間調整手段57により、叩解工程の初期から終期に向けて徐々に狭くなるように構成されている。
【0082】
また、上記古紙パルプ循環経路49に、上記離解部20の離解槽25が含まれていることに関連して、上記叩解工程において、上記離解部20の攪拌装置26が駆動制御されて、離解部20が叩解部21と同時に駆動する構成とされている。すなわち、循環式叩解工程においては、離解槽25から古紙パルプ循環経路49に古紙パルプUPPが流出する一方、摩砕機50による叩解を経た古紙パルプUPPが離解槽25に流入することになり、離解槽25内では叩解度の異なる古紙パルプUPPが混在するため、攪拌装置26による攪拌作用によって、離解槽25内の古紙パルプUPPの叩解度が均一化されて、叩解処理の促進化が図られる。
【0083】
上記古紙パルプ回収槽60は、叩解部21により所定のサイズまで叩解微細化された古紙パルプUPPを回収する部位で、ここに回収された古紙パルプUPPは、次工程の抄紙工程を行う抄紙部4に送られる前に、パルプ濃度調整部3によって、再生すべき再生紙RPの仕上紙質に対応した抄紙濃度に混合調整されたパルプ懸濁液PSとされる。
【0084】
上記パルプ濃度調整部3は、装置に投入される古紙UPと水Wとの混合割合を重量測定により調整して、上記抄紙部4に供給される古紙パルプUPPの濃度を調整する重量式のもので、具体的には、図4に示すように、叩解濃度調整部3A、抄紙濃度調整部3Bおよびパルプ濃度制御部3Cとを備えてなる。
【0085】
叩解濃度調整部3Aは、パルプ製造部2における古紙パルプUPPの叩解濃度を叩解部21による叩解効率に対応して調整するもので、前述したように、給水装置27の叩解濃度調整用の給水ポンプ46と叩解濃度制御部75を主要部として構成されている。
【0086】
この叩解濃度調整部3Aの給水ポンプ46による白水Wの供給量は、例えば、上記攪拌装置26により離解・叩解された古紙パルプUPPの叩解濃度が、次工程である叩解工程を実行する叩解部21の摩砕機50の叩解能力に許容される最大濃度になるように設定されるのが望ましく、図示の実施形態においては、上記のごとく2%程度の叩解濃度になるように設定される。
【0087】
そして、叩解濃度制御部75は、前述したように、重量センサ48からの計測結果に応じて、離解槽25に必要量の水Wを供給するように上記給水ポンプ46を駆動制御する。この叩解濃度制御部75は、後述するように、装置制御部5の一部を構成している。
【0088】
抄紙濃度調整部3Bは、抄紙部4における古紙パルプUPPの抄紙濃度を再生すべき再生紙RPの仕上紙質に対応した適正濃度に調整するもので、具体的には、上記パルプ製造部2で製造された古紙パルプUPPの濃度を区分形式で調整する構成とされ、区分抽出部80、懸濁液調製部81および抄紙濃度制御部82を主要部として備える。
【0089】
区分抽出部80は、前工程のパルプ製造部2で製造された古紙パルプUPPの全量から所定の少分量だけ区分抽出するもので、古紙パルプ回収槽60の古紙パルプUPPを抽出して濃度調整槽85に送る区分抽出用の古紙パルプ供給ポンプ86を備えてなる。
【0090】
懸濁液調製部81は、上記区分抽出部80により区分抽出された所定の少分量の古紙パルプUPPに対して濃度調整用の水Wを所定量だけ加水することにより、所定濃度のパルプ懸濁液PSを調製するもので、前述の給水装置27の給水ポンプ47を主要部として備える。
【0091】
また、具体的には図示しないが、濃度調整槽85の底部には、前述した離解槽25の場合と同様に、ロードセルからなる重量センサ87が設けられており、濃度調整槽85内に供給される古紙パルプUPPと濃度調整用の水Wの量を計測制御する構成とされ、上記重量センサ87は装置制御部5に電気的に接続されている。
【0092】
抄紙濃度制御部82は、上記区分抽出部80および懸濁液調製部81を連動して制御するもので、装置制御部5の一部を構成しており、以下の抄紙濃度調整工程を実行するように、上記区分抽出部80および懸濁液調製部81のポンプ86、47を連動して制御する。
【0093】
すなわち、まず、上記叩解部21から古紙パルプ回収槽60に回収される古紙パルプUPPの全量(図示の実施形態においては、約2000gの古紙UP+100lの水W)から、古紙パルプ供給ポンプ86により、所定分量(図示の実施形態においては1l)の古紙パルプUPPが区分されて、濃度調整槽85へ移送収容される。すると、その重量が上記重量センサ87により感知計測されて、その結果が装置制御部5へ送られる。
【0094】
続いて、この区分された古紙パルプUPPの所定分量に対応して、給水ポンプ47により、白水回収槽45から濃度調整槽85に、希釈用の水Wが所定量(図示の実施形態においては9l(実際は上記重量センサ87の重量計測による))だけ給水される。
【0095】
これにより、上記濃度調整槽85内において、叩解濃度(図示の実施形態においては2%)の古紙パルプUPPが水Wと混合希釈されて、所定濃度(図示の実施形態においては約0.2%濃度(目標濃度))のパルプ懸濁液PSが混合調製される。
【0096】
なお、この調製されるべきパルプ懸濁液PSの目標濃度は、予め行なった実験データに基づいて、後述する抄紙部4における抄紙能力を考慮して設定され、図示の実施形態の場合は上記のごとく約0.2%濃度に設定されている。
【0097】
しかして、このように濃度調整槽85で目標濃度の抄紙濃度(0.2%)に調製されたパルプ懸濁液PSは、第1懸濁液供給ポンプ88により濃度調整槽85からパルプ供給槽89へ移送供給されて、次工程の抄紙部4のために待機貯留される。以後、この抄紙濃度調整工程は、古紙パルプ回収槽60の古紙パルプUPPの全量について同様に繰り返し実行される。上記パルプ供給槽89には、パルプ懸濁液PSを後述する抄紙部4の抄紙ベルトコンベア部95へ送るための第2懸濁液供給ポンプ90が設けられている。
【0098】
また、パルプ供給槽89内には攪拌装置91が設けられており、この撹拌装置91の攪拌作用により、待機貯留されるパルプ懸濁液PS全体の抄紙濃度が一定値に均一化されて保持される。
【0099】
上記のように、抄紙濃度調整部3による濃度調整が全量一括式ではなく、区分形式つまり小出し形式で行われることにより、使用水量が大幅に減少されるばかりか、濃度調整槽85の形状寸法の大幅な縮小化も可能となり、さらには古紙再生装置1全体のコンパクト化が図られ得る。
【0100】
パルプ濃度制御部3Cは、上記叩解濃度調整部3Aおよび抄紙濃度調整部3Bを連動して駆動制御するもので、具体的には、叩解濃度調整部3Aの叩解濃度制御部75からのパルプ濃度制御情報(古紙UPの投入量、離解槽25への給水量、古紙パルプUPPの叩解濃度等)を受け取って、この制御情報に応じて、パルプ製造部2で製造された古紙パルプUPPの濃度を目標値(抄紙濃度)にするための抄紙濃度制御情報(古紙パルプUPPの目標抄紙濃度、古紙パルプ回収槽60からの古紙パルプUPPの区分抽出量、濃度調整槽85への給水量等)を抄紙濃度調整部3Bの抄紙濃度制御部82に送り、これにより、上述した抄紙濃度調整工程を実行させる構成とされている。
【0101】
抄紙部4は、上記パルプ製造部2で製造された古紙パルプUPPを抄紙して再生紙RPを製造する工程部位で、図1および図5に示すように、抄紙ベルトコンベア部95、脱水ロール部(脱水ロール手段)96および乾燥ベルトコンベア部97を主要部として構成されるとともに、乾燥ベルトコンベア部97に、前述した本発明に係る特徴構成である再生紙平滑化処理部(再生紙平滑化装置、再生紙平滑化処理部)6が設けられている。
【0102】
抄紙ベルトコンベア部95は、上記パルプ製造部2のパルプ供給槽89から送られてくる水Wと古紙パルプUPPが共存するスラリー状のパルプ懸濁液PSを抄いて湿紙とする部位で、抄紙ネットコンベア100とパルプ供給部101を主要部として構成されている。
【0103】
抄紙ネットコンベア100は、パルプ懸濁液を抄きながら搬送するもので、上記パルプ懸濁液PSを濾過脱水する無数の網目よりなる抄き網構造の網状ベルト105がその走行方向へ向けて直線状に走行する配置構成とされている。
【0104】
具体的には、抄紙ネットコンベア100は、パルプ懸濁液PSを抄きながら搬送走行する無端ベルトの形態とされた上記網状ベルト105と、この網状ベルト105を走行駆動する駆動モータ106とを備えてなる。
【0105】
上記網状ベルト105を構成する抄き網構造の板材は、パルプ懸濁液PSが上記抄き網構造の無数の網目により適正に濾過脱水できる材質とされ、好適には、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)(一般に「ナイロン」(登録商標)と呼ばれる。)あるいはステンレス鋼(SUS)などの耐腐食性に優れる材料で形成されており、図示の実施形態においては、耐熱性に優れるPET製網状ベルト105とされている。
【0106】
また、網状ベルト105を構成する抄き網構造は、網目の細かいものや織り目の細かく平滑なものが好ましく、具体的には対象となる紙の特性に対応して適宜選択設計される。
【0107】
さらに、網状ベルト105の幅寸法は、パルプ懸濁液PSを抄いて製造すべき再生紙RPの幅寸法よりも若干大きな所定幅寸法に設定される。
【0108】
網状ベルト105は、図1および図5に示すように、駆動ローラ107、脱水ロール部96、従動ローラ108および支持ローラ109を介して、回転走行可能に懸架支持されるとともに、上記駆動ローラ107を介して、上記駆動モータ106に駆動連結されている。
【0109】
そして、上記網状ベルト105における抄紙工程長さは、上記什器サイズの装置ケース7内における網状ベルト105の上側走行方向長さ(図示の場合は図1におけるパルプ供給部101から脱水ロール部96までの左右方向長さ)の範囲内に設定されている。
【0110】
また、上記網状ベルト105の走行速度は、抄紙工程における諸条件を考慮して設定されるもので、好適には0.1m/分〜3m/分に設定され、図示の実施形態においては0.2m/分に設定されている。ちなみに、従来の古紙再生工場等の大規模工場でのこの種の抄紙ベルトの走行速度は、少なくとも100m/分以上に設定され、早いものでは1000m/分をはるかに上回る速度に設定される。
【0111】
網状ベルト105は、図1および図5に示すように、その走行方向へ向けて上向き傾斜状にかつ直線状に走行する配置構成とされて、限られた設置空間における抄紙工程長さの可及的延長が図られるとともに、網状ベルト105の抄き網構造との関係での濾過脱水率の向上が図られている。
【0112】
上記網状ベルト105を走行駆動する駆動モータ106は、具体的には電動モータで、装置制御部5に電気的に接続されている。また、この駆動モータ106は、後述する脱水ロール部96および乾燥ベルトコンベア部97の走行駆動源としても共用される。
【0113】
パルプ供給部101は、上記網状ベルト105上に上記パルプ製造部2からのパルプ懸濁液PSを供給する部位で、具体的構造については図示しないが、このパルプ供給部101により、パルプ懸濁液PSが上記網状ベルト105上面に均一に広がり供給される構成とされている。上記パルプ供給部101は、上記抄紙ネットコンベア100の抄紙工程開始端位置に設けられている。
【0114】
そして、第2懸濁液供給ポンプ90により、上記パルプ供給槽89からパルプ供給部101に供給されるパルプ懸濁液PSは、このパルプ供給部101で所定量だけ貯留されて、その滞留作用により、網状ベルト105上面に均一に拡散される。この網状ベルト105上面に均一に拡散されたパルプ懸濁液PSは、網状ベルト105の矢符方向への走行作用により、網状ベルト105と共に搬送されながら、網状ベルト105の網目による自重濾過作用を受けて脱水されて、湿紙RP0(図示の実施形態においては、含水率90〜85%)となる。
【0115】
この網状ベルト105により濾過脱水された白水W(抄紙する際に抄き網により濾過された極低濃度のパルプ水)は、前述したように、上記給水装置27の白水回収槽45に回収される。
【0116】
脱水ロール部96は、上述の抄紙ベルトコンベア部95と後述の乾燥ベルトコンベア部97の連係部において、上記網状ベルト105上の湿紙RP0を圧搾脱水する部位を構成している。
【0117】
具体的には、下流側の上記乾燥ベルトコンベア部97の後述する平滑面ベルト145と上流側の上記抄紙ベルトコンベア部95の網状ベルト105とが、図1および図5に示すように、上下に積層状に配設されるとともに、これら平滑面ベルト145と網状ベルト105の上下隣接部分が上記連係部とされて、この連係部において、上記脱水ロール部96が、これら網状ベルト105および平滑面ベルト145を上下両側から挟圧状に転動圧搾して脱水する構造とされている。
【0118】
脱水ロール部96は、少なくとも、予備脱水ロール部96Aおよび本脱水ロール部96Bを主要部として備えてなる。
【0119】
図示の脱水ロール部96は、図1および図5に示すように、予備脱水ロール部96A、本脱水ロール部96B、および補助手段としての角度規定ロール部96Cを主要部として構成されている。
【0120】
予備脱水ロール部96Aは、上記網状ベルト105上の湿紙RP0を予備的に圧搾脱水するもので、具体的には、上記網状ベルト105に下側から転接する予備脱水ロール120と、この予備脱水ロール120に対して上記平滑面ベルト145を上側から転動加圧する予備プレスロール121とからなる予備圧搾ロール対122を備えてなる。
【0121】
そして、これら予備脱水ロール120および予備プレスロール121からなる予備圧搾ロール対122により、上記網状ベルト105および平滑面ベルト145は上下両側から所定の予備圧力をもって挟圧状に転動圧搾されて、上記網状ベルト105上の湿紙RP0に含まれている水分が予備的に脱水除去される。
【0122】
この場合の予備圧力、つまり網状ベルト105上の湿紙RP0を予備的に圧搾脱水する上記予備脱水ロール部96Aの予備圧搾力は、多量の水分を含む湿紙RP0が潰れてしまわない程度の大きさに設定され、図示の実施形態においては、予備脱水後の上記網状ベルト105上の湿紙の含水率が80〜75%の範囲になるように、上記予備圧搾力が設定されている。
【0123】
本脱水ロール部96Bは、上記予備脱水ロール部96Aで予備脱水された網状ベルト105上の湿紙RP0を本圧搾脱水して所定の含水率の乾紙(再生紙)RPとするもので、具体的には、上記網状ベルト105に下側から転接する本脱水ロール125と、この本脱水ロール125に対して上記平滑面ベルト145を上側から転動加圧する本プレスロール126とからなる本圧搾ロール対127の組を少なくとも1組を備えてなる。
【0124】
そして、これら本脱水ロール125および本プレスロール126からなる本圧搾ロール対127により、上記網状ベルト105および平滑面ベルト145が上下両側から所定の本圧力をもって挟圧状に転動圧搾されて、上記網状ベルト105上の湿紙RP0に含まれている水分が最終的に脱水除去されて、所定の含水率の乾紙つまり再生紙RPとされる。
【0125】
この場合の本圧力つまり網状ベルト105上の湿紙RP0を本圧搾脱水する上記本脱水ロール部96Bの本圧搾力は、予備脱水された湿紙RP0について確実に所定の脱水効果が得られる程度の大きさに設定され、図示の実施形態においては、本脱水後の網状ベルト105上の乾紙(再生紙)RPの含水率が70〜65%の範囲になるように設定される。
【0126】
これら脱水ロール部96におけるロール120、121、125、126は、具体的には図示しないが、歯車機構からなる駆動連結手段により単一の駆動モータ106に駆動連結されて、すべてのロール120、121、125、126が互いに連動して回転駆動される。
【0127】
この場合、これらロール120、121、125、126は、その外周面間において挟圧状に転動圧搾される網状ベルト105、平滑面ベルト145の接触面(網状ベルト105の下面および平滑面ベルト145の上面)に対して、上下のロール120、125の外周面と121、126の外周面が、互いに僅かの回転速度差をもってそれぞれ転動接触するように回転制御される。
【0128】
具体的には、上側の予備および本プレスロール121、126の回転速度が下側の予備および本脱水ロール120、125の回転速度よりも僅かに大きく設定されており、これにより、平滑面ベルト145の走行速度が、上記網状ベルト105の走行速度よりも僅かに大きく設定されることになる。このような構成とされることにより、後述するように、脱水ロール部96により圧搾脱水された湿紙RP0が、下側の網状ベルト105の上面から上側の平滑面ベルト145の下面に転写移転される際に、湿紙RP0にテンションがかかって、湿紙RP0に皺が発生するのを有効に防止する。
【0129】
角度規定ロール部96Cは、上記予備脱水ロール部96Aおよび本脱水ロール部96Bによる圧搾脱水作用を補助して有効にするためのもので、上記予備脱水ロール部96Aの上流側に設けられて、予備脱水ロール部96Aへ挿通される上記網状ベルト105および平滑面ベルト145間の傾斜角度を規定する。
【0130】
角度規定ロール部96Cは、具体的には、上記予備脱水ロール部96Aへ挿通される上記網状ベルト105および平滑面ベルト145間の傾斜角度を規定するもので、具体的には、上記網状ベルト105に下側から転接して、上記予備脱水ロール部96Aに対する網状ベルト105の挿入角度を規定する網状ベルト案内ロール130と、上記平滑面ベルト145に上側から転接して、上記予備脱水ロール部96Aに対する平滑面ベルト145の挿入角度を規定する平滑面ベルト案内ロール131とを備えてなる。
【0131】
そして、上記網状ベルト案内ロール130によって予備脱水ロール部96Aに対する網状ベルト105の挿入角度が規定されるとともに、上記平滑面ベルト案内ロール131によって予備脱水ロール部96Aに対する平滑面ベルト145の挿入角度が規定されることにより、上記網状ベルト105と平滑面ベルト145とのなす傾斜角度が間接的に所定の範囲内に設定されることになる。
【0132】
網状ベルト105と平滑面ベルト145とのなす傾斜角度は、予備脱水ロール部96Aによる予備脱水作用により、湿紙RP0に含まれる水分が予備脱水ロール部96Aの上流側に多量に搾り出されるところ、この搾り出された多量の水分が湿紙RP0に再吸収されて、湿紙RP0が再びスラリー化してしまうのを有効に防止するように設定される。
【0133】
すなわち、予備脱水ロール部96Aの予備脱水ロール120と予備プレスロール121により、上面に湿紙RP0を載置した網状ベルト105と平滑面ベルト145が上下両側から挟圧状に転動圧搾されると、湿紙RP0に含まれている水分は、両ロール120、121の上流側へ搾り出される。
【0134】
この場合、上記網状ベルト105と平滑面ベルト145とのなす傾斜角度αが大きいとすると、両ロール120、121の上流側近傍位置においては、上側の平滑面ベルト145が下側の網状ベルト105上の湿紙RP0に対して離隔した状態にあり、このため、搾り出された上記湿紙RP0に含まれている多量の水分の一部が湿紙RP0に再び吸収されて、湿紙RP0が再びスラリー化してしまうおそれがある。
【0135】
これに対して、上記網状ベルト105と平滑面ベルト145とのなす傾斜角度αが小さいとすると、両ロール120、121の上流側近傍位置において、上側の平滑面ベルト145が下側の網状ベルト105上の湿紙RP0に押さえ付けられた状態となり、このため、上記湿紙RP0から搾り出された水分のすべてが、上記網状ベルト105を介して下側へ落下して、湿紙RP0に再吸収されることがなく、湿紙RP0の再スラリー化を確実に防止することができる。
【0136】
上記網状ベルト105と平滑面ベルト145とのなす傾斜角度αは、各種試験の結果、好ましくは1〜20°に設定され、より好ましくは3〜7°に設定され、図示の実施形態においては、5°に設定されている。
【0137】
しかして、駆動モータ106の駆動により、脱水ロール部96における予備脱水ロール部96Aおよび本脱水ロール部96Bの各ロール120、121、125、126が回転して、まず、予備脱水ロール部96Aにおける予備圧搾ロール対122により、上記網状ベルト105および平滑面ベルト145が上下両側から所定の予備圧力をもって挟圧状に転動圧搾されて、上記網状ベルト105上の湿紙RP0に含まれている水分が予備的に脱水除去される(図示の実施形態においては、湿紙RP0の含水率は90〜85%から80〜75%に減少する)。
【0138】
続いて、本脱水ロール部96Bにおける本圧搾ロール対127により、上記網状ベルト105および平滑面ベルト145が上下両側から所定の本圧力をもって挟圧状に転動圧搾されて、上記網状ベルト105上の湿紙RP0に含まれている水分が最終的に脱水除去されて、所定の含水率の乾紙つまり再生紙RPとされる(図示の実施形態においては、含水率80〜75%の湿紙RP0が含水率70〜65%の乾紙RPとなる)。この一連の工程により湿紙RP0から圧搾脱水された白水Wは、給水装置27の白水回収槽45に回収される。
【0139】
上記脱水ロール部96により圧搾脱水された湿紙RP0は、脱水ロール部96の下流側部位において、下側の網状ベルト105の上面から上側の平滑面ベルト145の下面に転写移転されて、平滑面ベルト145と共に搬送されて、乾燥ベルトコンベア部97による乾燥工程が実施される。
【0140】
なお、上記移転作用は平滑面ベルト145の平滑面構造により起こるものと考えられる。つまり、下側の網状ベルト105の表面が、微細な連続気孔が多数開口されてなる微細凹凸面であるのに対して、上側の平滑面ベルト145の表面が孔のない平滑面であり、この結果、僅かに水分を含んでいる湿紙RP0が上記平滑面ベルト145の表面との間の表面張力で吸着されるものと考えられる。
【0141】
乾燥ベルトコンベア部97は、上記抄紙ベルトコンベア部95で抄紙形成されて、脱水ロール部96で圧搾脱水された、湿紙RP0をさらに加熱乾燥させて乾紙である再生紙RPとする部位で、乾燥コンベア170、前記再生紙平滑化処理部(再生紙平滑化装置、再生紙平滑化処理手段)6および加熱乾燥部171を主要部として構成されている。
【0142】
乾燥コンベア170は、脱水ロール部96で圧搾脱水された湿紙RP0を平滑にしながら搬送するもので、上記平滑面ベルト145と、この平滑面ベルト145を走行駆動する上記駆動モータ106とを備えてなる。
【0143】
平滑面ベルト145は、湿紙RP0を加熱乾燥させながら搬送するもので、具体的には、所定幅を有する平滑面構造の板材が所定長さの環状に接続形成されてなる無端ベルトである。平滑面構造の板材は、湿紙RP0の片側表面を適正な平滑面に仕上げることができ、かつ後述する加熱乾燥部171による加熱作用に耐え得る材質とされ、好適には、フッ素樹脂、ステンレス鋼等の可撓性耐熱材料で形成されており、図示の実施形態においては、フッ素樹脂製ベルトが採用されている。
【0144】
この平滑面ベルト145は、図1および図5に示すように、駆動ローラ176、従動ローラ177および脱水ロール部96を介して、回転走行可能に懸架支持されるとともに、上記駆動ローラ176を介して、上記駆動モータ106に駆動連結されている。また、駆動ローラ176は、後述する平滑面ロール部(平滑面ロール手段)180の構成部品としても機能する。
【0145】
平滑面ベルト145を走行駆動する駆動モータ106は、前述したように、上記抄紙ネットコンベア100および脱水ロール部96の駆動源としても共用される。
【0146】
上記再生紙平滑化処理部(再生紙平滑化装置、再生紙平滑化処理手段)6は、上記抄紙ベルトコンベア部95で抄紙形成された湿紙RP0の紙面を平滑化処理して、皺のない平滑な再生紙RPとして処理排出する部位で、少なくとも一つの平滑面ロール部(平滑面ロール手段)180と、平滑仕上部(平滑仕上手段)181を主要部として備えてなる。
【0147】
平滑面ロール部180は、後述するように、平滑仕上部181と協働して、乾燥ベルトコンベア部97の平滑面ベルト145上を搬送される湿紙RP0を平滑な再生紙RPに再生処理するもので、乾燥ベルトコンベア部97の加熱乾燥部171の上流側に設けられて、上記平滑面ベルト145上を搬送される湿紙RP0の幅方向全体を平滑面ベルト145との間で所定の押圧力をもって転動押圧して、前記湿紙RP0の両側表面を平滑化処理する構成とされ、図示の実施形態においては一つの平滑面ロール部180が配されている。
【0148】
平滑面ロール部180は、図6〜図11に示すように、主要部として、支持ロール190、平滑面ロール191、押圧力規定部(押圧力規定手段)192、ロール移動部(ロール移動手段)193、およびこのロール移動部193を駆動制御するロール制御部(制御手段)194を備えてなり、上記平滑面ロール191の部位は、装置基台195上に、脱着可能に位置決め載置されるユニット構造とされている。
【0149】
支持ロール190は、平滑面ベルト145を裏面側から転動支持するもので、剛性材料からなる円筒ロールの形態とされ、図示の実施形態においては、ステンレス鋼製の中空円筒ロールが採用されている。
【0150】
この支持ロール190は、加熱乾燥後の乾紙をカレンダ処理するカレンダロールのような大きな押圧力(締付け力)を負担する必要がないことから、平滑面ベルト145の支持ローラとの共用が可能で、図示の実施形態においては、上記平滑面ベルト145の支持ローラとしての機能を兼備しており、具体的には、駆動ローラ176が共用されている。
【0151】
平滑面ロール191は、上記支持ロール190(176)に対して、上記平滑面ベルト145上に支持される湿紙RP0をその支持されない表面側から転動押圧するもので、ロール支持部200に軸受(図示省略)を介して自由回転可能に軸支されている。
【0152】
上記ロール支持部200は、上記平滑面ロール191と一体的に組み合わされてなるユニット構造のロールユニットUを構成している。このロールユニットUは、図6および図7に示すように、装置機体54に固定的に設けられた装置基台195上に脱着可能に位置決め載置される構成とされている。この装置基台195は、装置ケース7を構成する装置機体54に固定的に設けられている。
【0153】
具体的には、ロール支持部200は、平滑面ロール191の支軸196の両端を回転可能に支持する両側軸受部200a、200aと、これら両軸受部200a、200aを橋絡状に支持する支持板部材200bとからなるコ字状枠体の形態とされ、上記支持板部材200bには、操作用ハンドル200cが設けられている。一方、上記装置基台195上には、上記ロール支持部200の外周輪郭に対応した嵌合支持部202を有する移動枠体201が設けられている。
【0154】
上記嵌合支持部202は、上記ロール支持部200の外周部を取外し可能に載置嵌合する形状寸法を有し、具体的には、上記ロール支持部200の両軸受部200a、200aを位置決め支持する軸受支持部202a、202aと、ロール支持部200の支持板部材200bを位置決め固定する位置決め固定部202bとを有する。
【0155】
図示の実施形態においては、図6および図7に示すように、上記両軸受支持部202a、202aは、その前側部分が、上記ロール支持部200の両側軸受部200a、200aの前側部位の凸円弧面に対応した凹円弧面とされるとともに、上記ロール支持部200の両側軸受部200a、200aの下部を嵌合支持する形状寸法とされている。また、上記位置決め固定部202bは、上記両軸受支持部202a、202aにロール支持部200の両側軸受部200a、200aが嵌合支持された状態において、支持板部材200bを位置決め嵌合する形状寸法とされている。
【0156】
そして、図7に示すように、操作用ハンドル200cを手指にて把持して、ロールユニットU(191、200)を上記嵌合支持部202に対して斜め上方から傾斜させた状態で挿入して、上記ロール支持部200の両側軸受部200a、200aの前側部位を、上記両軸受支持部202a、202aの前側部分に当接係合させる(図6の二点鎖線参照)。続いて、この当接係合状態から、当接係合部位を揺動支点として、ロールユニットUの後部を下方へ揺動させることにより、ロールユニットUの後部が嵌合支持部202の位置決め固定部202bに嵌合して、ロールユニットUが移動枠体201の嵌合支持部202に位置決め載置される(図6の実線参照)。また、この状態から、上記と逆の操作をすることにより、ロールユニットUは移動枠体201の嵌合支持部202から取り外すことができる。
【0157】
平滑面ロール191が、このようなロールユニットU(191、200)の形態とされて、装置基台195に対して脱着可能な構成とされることにより、定期的な、または任意の清掃等のメンテナンスが可能となり、平滑面ロール191の湿紙RP0に対する平滑化処理機能を長期にわたって安定して保持することができる。
【0158】
装置ケース7の天板部には、上記ロールユニットUを出し入れするためのメンテナンス口11が開閉可能に設けられている(図12参照)。
【0159】
上記平滑面ロール191は、その円筒外周面191aが撥水性平滑面に形成されており、平滑面ロール191による転動押圧作用時に、平滑面ベルト145上の湿紙RP0が、湿紙RP0に含まれる水の吸着力により、平滑面ベルト145から剥がれて平滑面ロール191の円筒外周面191aに巻きついてしまう不具合を有効に防止する。
【0160】
これに関連して、ロール支持部200には、図8(b)に示すように、スクレーパ装置(スクレーパ手段)203が設けられている。
【0161】
このスクレーパ装置203は、平滑面ロール191の平滑な円筒外周面(平滑面)191a上に付着残留する残渣(主として湿紙RP0から搾り出た白水の付着残渣)を剥離除去するもので、スクレーパを備えるスクレーパ部材203aの基部が、上記ロール支持部200の支持板部材200bに揺動可能に枢支されるとともに、弾発スプリング203bにより、常時上記平滑面ロール191の円筒外周面191aに向けて弾発付勢されている。なお、上記スクレーパの構成材料としては、ゴム、プラスチックおよび金属等が適宜選択されて使用され、図示の実施形態においてはプラスチック製スクレーパが採用されている。
【0162】
これにより、上記スクレーパ部材203aのゴム製スクレーパが、回転する平滑面ロール191の円筒外周面191aに常時摺接することで、円筒外周面191a上に付着する白水や残留を剥離除去して清掃し、円筒外周面191aの汚損による湿紙RP0の巻き付きを防止して、平滑面ロール191の安定回転を確保する。
【0163】
上記平滑面ロール191の具体的構造は、剛性材料からなる中空の円筒ロール本体205の外周に、撥水性材料からなる撥水層206が形成されてなる。図示の実施形態においては、上記円筒ロール本体205と撥水層206との間に、さらに弾性層207が介装されている。
【0164】
上記弾性層207が設けられるのは、平滑化処理対象が乾燥前の湿紙RP0で、その紙質が乾燥後の乾紙に比較して強度的に非常に弱く、小さな押圧力で容易に変形破損しやすいことから、後述する押圧力規定部192による押圧力設定を容易にするとともに、この設定押圧力に何らかの原因により変化が生じたりした場合でも、湿紙RP0の安定した平滑処理作用を確保するためである。
【0165】
上記円筒ロール本体205を構成する剛性材料としては、ステンレス鋼等の耐
食性および高い機械的強度を有する金属材料が好ましく、図示の実施形態におい
てはステンレス鋼製の円筒ロール本体205が使用されている。
【0166】
上記撥水層206を構成する撥水性材料としては、繊維質材料にパラフィン等の撥水処理を施したものや、テフロン(登録商標)等が好ましく、図示の実施形態においては、テフロンが使用されている。
【0167】
上記弾性層207を構成する弾性材料としては、SBR(スチレン−ブタジエンゴム)等の弾性を有する合成ゴムが好ましく、図示の実施形態においてはSBRが使用されている。
【0168】
押圧力規定部(押圧力規定手段)192は、上記平滑面ロール191の押圧力を規定するもので、具体的には、平滑面ロール191を上記支持ロール190の平滑面ベルト支持位置SPに向けて弾発付勢する弾発スプリング機構の形態とされている。
【0169】
この弾発スプリング機構192は、図8および図9に示すように、上記ロールユニットUのロール支持部200、このロール支持部200を載置支持する移動枠体201および弾発スプリング210、210を主要部として備えてなり、上記ロール移動部(ロール移動手段)193と協働する構成とされている。
【0170】
上記移動枠体201は、図6および図7に示すように、左右移動案内手段211、211を介して装置基台195上に移動可能に設けられている。移動案内手段211は、具体的には、装置基台195上に取付けられた案内レール211aと、移動枠体201の底面に取付けられるとともに、上記案内レール211a上を摺動可能とされたスライド部材211bとからなる案内レール機構の形態とされ、これら左右案内レール機構211、211により、ロール支持部200は、上記支持ロール190(176)の平滑面ベルト支持位置SP方向(図8(a)参照)へ往復移動可能とされている。
【0171】
弾発スプリング210、210は、図8および図9に示すように、移動枠体201に、支持ピン215およびスプリング受け216により弾発作用可能に取り付けられている。
【0172】
具体的には、左右一対の上記支持ピン215、215が、その基端を上記移動枠体201に取付け固定されるとともに、これら支持ピン215、215の先端部に上記スプリング受け216が摺動可能に取付け支持されている。そして、弾発スプリング210、210は、上記支持ピン215、215にそれぞれ挿通支持されるとともに、その両端が移動枠体201とスプリング受け216に当接支持されている。この場合、上記スプリング受け216を基準に考えると、ロール支持部200は、弾発スプリング210、210、により上記支持ロール190の平滑面ベルト支持位置SPP方向へ常時弾発付勢されていることになる。
【0173】
ロール移動部(ロール移動手段)193は、平滑面ロール191を、作用位置PAと退避位置PRとの間で移動制御するもので、具体的には、上記弾発スプリング機構192と協働する移動カム機構の形態とされている。ここに、作用位置PAは、図8(a)、図9、図10(c)および図11(c)に示すように、平滑面ロール191が平滑面ベルト145上の湿紙RP0に転動押圧して湿紙両側表面の平滑化処理を行う位置であり、退避位置PRは、図10(a)および図11(a)に示すように、平滑面ロール191が平滑面ベルト145上の湿紙RP0から離隔して非接触状態にある位置である。
【0174】
図示の実施形態の図示の実施形態の移動カム機構193は、駆動カムである偏心カム220、上記弾発スプリング機構192の一部をなす従動カム221および上記偏心カム220を回転動作させる駆動モータ222を主要部として備えてなる。
【0175】
偏心カム220は、装置基台195に設けられた駆動モータ222の回転軸222aに、円板状カムが偏心状に取付け固定されてなる円板状偏心カムの形態とされるとともに、従動カム221は、この偏心カム220と摺接係合可能な従動カム面221a、221bをする前後一対の平板カムの形態とされている。また、上記駆動モータ222としては、具体的には電動モータが使用され、この駆動モータ222がロール制御部194に電気的に接続されている。
【0176】
そして、駆動モータ222の駆動による偏心カム220の回転動作により、この偏心カム220と摺接係合する従動カム221を介して、上記移動枠体201、さらには平滑面ロール191を回転可能に軸支するロール支持部200を、上記支持ロール190(176)の平滑面ベルト支持位置SP方向(図8(a)参照)へ上記作用位置PAと退避位置PRとの間で往復移動するとともに、弾発スプリング機構192との協働作用により、平滑面ロール191の押圧力を所定値に規定する。
【0177】
具体的には、図10および図11を参照して、偏心カム220が図10(a)および図11(a)の回転方向位置にあるとき、つまり、偏心カム220の回転軸心X(駆動モータ222の回転軸222aの軸心)と最大距離にある外周カム面の位置Oが、上記平滑面ロール191の往復移動方向の最後端位置(退避回転位置)にあるとき、この偏心カム220の外周カム面が従動カム221の後側従動カム面221bを摺接押圧して、上記移動枠体201さらには平滑面ロール191を上記退避位置PRに移動させて、平滑面ベルト145上の湿紙RP0から離隔した非接触状態におく。
【0178】
一方、偏心カム220が図10(c)および図11(c)の回転方向位置にあるとき、つまり、偏心カム220の上記外周カム面の位置Oが、上記平滑面ロール191の往復移動方向の最先端位置(作用回転位置)にあるとき、偏心カム220の外周カム面が従動カム221の前側従動カム面221aを摺接押圧し、上記弾発スプリング210、210を介して、上記移動枠体201さらには平滑面ロール191を上記作用位置PAに移動させて、平滑面ベルト145上の湿紙RP0に転動押圧する状態(弾発スプリング210、210が所定量だけ圧縮)におく。
【0179】
また、偏心カム220が図10(b)および図11(b)の回転方向位置にあるとき、つまり、偏心カム220の上記外周カム面位置Oが、上記退避回転位置と作用回転位置の中間の所定位置にあるとき、偏心カム220の外周カム面が従動カム221の前側従動カム面221aを摺接押圧し、上記弾発スプリング210、210を介して、上記移動枠体201さらには平滑面ロール191を上記平滑面ベルト145上の湿紙RP0に押圧力ゼロの状態(弾発スプリング210、210の圧縮なし(自然長))で接触させる。
【0180】
すなわち、偏心カム220の上記外周面位置Oが上記中間の所定位置から上記作用回転位置に回転移動するときの弾発スプリング210、210の縮んだ量に対応する弾性力が、平滑面ロール191が上記作用位置PAにおいて平滑面ベルト145上の湿紙RP0を転動押圧する際の所定の押圧力となる。
【0181】
この場合の押圧力は、平滑面ベルト145上の湿紙RP0の脱水状態に応じて設定され、具体的には上記の湿紙RP0に対する圧搾脱水作用が生じない範囲に設定される。
【0182】
その理由は、平滑面ベルト145上の湿紙RP0に対する圧搾脱水作用が生じると、湿紙RP0内に含まれている水分が外部に搾り出てきて、この搾り出た水分が、下流側の湿紙RP0内に付着吸収され、これにより、脱水処理を経た湿紙RP0が再びスラリー化して、強度低下により湿紙RP0が破れてしまったり、吸着力増大により湿紙RP0が平滑面ロール191の外周に巻き付いてしまうという問題を生じるからである。
【0183】
図示の実施形態における上記平滑面ロール191の押圧力は、抄紙ベルトコンベア部95と乾燥ベルトコンベア部97の連係部において上記湿紙RP0を圧搾脱水する脱水ロール部96の圧搾力よりも小さく設定されている。
【0184】
具体的な押圧力は、上記脱水ロール部96の圧搾力を考慮して、上記弾発スプリング210、210のばね力を選択設計することにより設定されるのが基本条件であるが、本実施形態においては、弾発スプリング210、210と移動カム機構193の配置構成を変更することにより、上記平滑面ロール191の押圧力を調整可能な構成とされている。
【0185】
つまり、図8(a)に示すように、駆動モータ222の装置基台195に対する取付け位置が、調整ネジ機構225、225により、弾発スプリング210、210の伸縮方向へ移動調整可能とされており、この駆動モータ222の取付け位置を調整することで、駆動モータ222に回転軸支される偏心カム220の位置が移動調整される。そして、この偏心カム220の移動調整により、偏心カム220の外周カム面位置Oが上記作用回転位置にあるときの弾発スプリング210、210の縮んだ量つまり弾性力が調整されて、平滑面ロール191が上記作用位置PAにおいて平滑面ベルト145上の湿紙RP0を転動押圧する押圧力が適宜調整される。
【0186】
また、上記ロール移動部193が、上記平滑面ロール191を作用位置PAと退避位置PRとの間で移動制御する目的は、装置起動初期における湿紙RP0の平滑面ロール191への巻き付き等の不具合発生を防止するためである。
【0187】
具体的には、装置の起動時から、起動初期において、抄紙ベルトコンベア部95で抄紙形成された湿紙RP0の先端部分が、脱水ロール部96による圧搾脱水後、平滑面ベルト145と共に上記平滑仕上部181の平滑面ロール191による転動押圧部位PP(支持ロール190の平滑面ベルト支持位置SPに一致)を通過するまでの間、上記ロール移動部193により、上記平滑面ロール191が作用位置PAから退避位置PRに移動待機して、湿紙RP0の平滑面ロール191への巻き付き等の不具合発生を有効に防止する構成とされている。
【0188】
これは、装置の起動初期においては、抄紙ベルトコンベア部95で抄紙形成される湿紙RP0の先端部分は、抄紙工程開始当初に抄紙形成された部分で厚さが非常に薄くかつ不均一であるところ、続く、圧搾脱水工程を行う脱水ロール部96における予備圧搾ロール対122および本圧搾ロール対127の圧搾間隙は所定値に設定されている。このため、上記湿紙RP0の先端部分は、上記両圧搾ロール対122、127の圧搾間隙に対して薄過ぎることから、脱水ロール部96で十分に圧搾脱水されないことが多く、したがって、脱水ロール部96により圧搾脱水された後も高い含水率を維持したまま、平滑面ベルト145と共に上記平滑面ロール191による押圧部位PPに搬送されることになる。
【0189】
この場合に、上記平滑面ロール191が作用位置PAにあると、上記湿紙RP0の先端部分が平滑面ロール191の転動押圧により圧搾脱水されて、湿紙RP0内に含まれている水分が外部に搾り出てきて、この搾り出た水分が、下流側の湿紙RP0内に付着吸収され、これにより、脱水処理を経た湿紙RP0が再びスラリー化して、強度低下により湿紙RP0が破れてしまったり、吸着力増大により平滑面ロール191の外周に巻き付いてしまうという不具合を生じるからである。
【0190】
これに関連して、平滑面ベルト145により搬送される湿紙RP0の先端部分が上記平滑面ロール191による押圧部位PPを通過するのを検知する湿紙検知部230が設けられている。
【0191】
この湿紙検知部230は、具体的には、抄紙された再生紙RP(湿紙RP0または乾紙)の先端部分が所定位置を通過するのを検知する構成とされ、図示の実施形態においては、図5に示すように、平滑面ベルト145の通過経路において、後述する平滑仕上部181の終端出口部位に検知センサ231が上記平滑面ベルト145の上方位置に垂直下向きに配置されてなる。
【0192】
この検知センサ231は、平滑面ベルト145上の再生紙RP(図示の場合は乾紙)の有無を光学的に検知するもので、具体的には、非接触型の位置検出センサが好適に使用され、図示の実施形態においては、反射型フォトセンサが使用されている。検知センサ231はロール制御部194に電気的に接続されている。
【0193】
ロール制御部(制御手段)194は、上記ロール移動部193を平滑面ベルト145上の湿紙RP0の状態に応じて制御するもので、上記検知センサ231からの検知信号を制御信号として受け取る。
【0194】
具体的には、本実施形態において、上記検知センサ231が、装置起動後に再生紙RPの先端部分が平滑仕上部181の終端出口部位に到達し通過した時点を検知すると、その検知信号が、制御信号として上記ロール制御部194に送られる。ロール制御部194は、この検知センサ231からの検知信号を受け取ると、抄紙工程開始当初に抄紙形成された部分で厚さが非常に薄くかつ不均一な湿紙RP0の先端部分が上記平滑面ロール191による押圧部位PPを通過した後、さらには、紙厚が厚く安定した状態(厚さが所定の均一寸法)にある湿紙RP0の部位が上記平滑面ロール191による押圧部位PPを通過したものと判断する。
【0195】
しかして、ロール制御部194は、装置起動後に上記検知センサ231からの検知信号を受け取るまでの間、つまり、平滑面ベルト145上の湿紙RP0が抄紙工程初期段階で紙厚が薄く安定していない状態にある時は、平滑面ロール191が上記平滑面ベルト145上の湿紙RP0から離隔する上記退避位置PRを保持するとともに、平滑面ベルト145上の湿紙RP0が抄紙工程初期段階を経て紙厚が厚く安定した状態にある時は、上記平滑面ロール191が上記所定の押圧力(弾発スプリング機構192との協働作用により、平滑面ロール191に付与される押圧力)をもって平滑面ベルト145上の湿紙RP0に転動押圧して湿紙RP0両側表面の平滑化処理を行う作用位置を保持するようにロール移動部193の駆動モータ222を制御する構成とされている。
【0196】
加熱乾燥部171は、上記平滑面ベルト145と後述する平滑仕上部181の被覆ベルト260に挟持搬送される湿紙RP0を加熱乾燥する部位で、具体的には、湿紙RP0の下側面を搬送支持する上記平滑面ベルト145が、その走行経路途中箇所に配された加熱ヒータ240により下側から加熱される構成とされている。
【0197】
図示の実施形態の加熱ヒータ240は、平滑面ベルト145における湿紙RP0の搬送支持面と反対側面に摺接するヒータプレートの形態とされるとともに、平滑面ベルト145の走行経路における水平走行部分に設けられており、平滑面ベルト145における上記湿紙RP0の保持面である上面と反対側面つまり下面に摺接して設けられている。これにより、上記平滑面ベルト145上の湿紙RP0は、上記ヒータプレート240により加熱された平滑面ベルト145により間接的に加熱乾燥されることとなる。
【0198】
平滑仕上部(平滑仕上手段)181は、上記平滑面ロール部180と協働して、上記湿紙RP0を平滑な再生紙RPに再生処理するもので、具体的には、上記加熱乾燥部171において、乾燥コンベア170の平滑面ベルト145により搬送される湿紙RP0全体を上側から均一な圧力をもって押圧する押圧手段の形態とされている。
【0199】
この押圧手段の形態とされた平滑仕上部181は、具体的には、図1および図5に示すように、被覆ベルトコンベア250と、複数の加圧ロール251、251、…とを主要部として備えてなる。
【0200】
被覆ベルトコンベア250は、上記平滑面ベルト145上の湿紙RP0全体を平滑面ベルト145との間に挟持状に被覆して走行するもので、湿紙RP0全体を上側から被覆する被覆ベルト260が、平滑面ベルト145と重り合った状態で同一水平方向へ直線状に走行する配置構成とされている。
【0201】
具体的には、被覆ベルトコンベア250は、平滑面ベルト145上の湿紙RP0全体を平滑面ベルト145との間に挟持状に被覆して搬送走行する無端ベルトの形態とされた上記被覆ベルト260と、この被覆ベルト260を走行駆動する上記駆動モータ106とを備えてなる。
【0202】
上記被覆ベルト260は、具体的には、湿紙RP0から加熱蒸発する水蒸気を通気する無数の網目よりなる通気網構造の網状ベルトから形成されている。
【0203】
上記網状ベルト260を構成する通気構造の板材は、平滑面ベルト145上の湿紙RP0から加熱蒸発する水分が無数の網目により上側へ円滑に通過解放し得る材質とされ、好適には、前述した網状ベルト105と同様の、耐腐食性に優れる材料で形成されており、図示の実施形態においては、耐熱性に優れるPET製網状ベルト260とされている。
【0204】
また、網状ベルト260を構成する通気網構造は、網目の細かいものや織り目の細かく平滑なものが好ましく、前述した抄紙部4の網状ベルト105と同様、具体的には対象となる紙の特性に対応して選択される。
【0205】
さらに、網状ベルト260の幅寸法は、平滑面ベルト145と重なり合ってその間に湿紙RP0をサンドイッチ状に挟持するべく、平滑面ベルト145の幅寸法と同一に設定される。
【0206】
網状ベルト260は、図1および図5に示すように、駆動ローラ261、従動ローラ262および加圧ロール251、251、…を介して、回転走行可能に懸架支持されるとともに、上記駆動ローラ261を介して、上記駆動モータ106に駆動連結されている。
【0207】
網状ベルト260の湿紙RP0(再生紙RP)に対する被覆範囲は、上記平滑面ベルト145の走行経路における水平走行部分において、上記ヒータプレート240と対向して設けられている。
【0208】
また、加圧ロール251、251、…は、上記網状ベルト260を上側から押圧するもので、被覆ベルト260の湿紙RP0(再生紙RP)に対する被覆範囲において、被覆ベルト260の走行方向へ所定間隔をもって複数本平行に配列され、これにより、被覆ベルト260が平滑面ベルト145上の湿紙RP0を上記被覆範囲全長にわたり均一な圧力をもって押圧し、湿紙RP0(再生紙RP)に反りや皺を生じることなく、平滑面ベルト145の表面に接触する湿紙RP0(再生紙RP)の片側表面と反対側表面を適正な平滑面に仕上げる配置構成とされている。
【0209】
これら加圧ロール251、251、…は、高剛性材料からなる小径の中実円筒ロールの形態とされ、また、これら加圧ロール251、251、…の配置構成は、少なくとも、被覆ベルト260の下面が平滑面ベルト145の上面と協働して湿紙RP0(再生紙RP)全体を平滑化処理する平坦な平滑化作用面を形成し得るように設定されている。
【0210】
図示の実施形態の加圧ロール251、251、…は、上記の被覆ベルト260の平滑化作用面を形成維持し得る加圧ローラ配置間隔を確保し得る外径寸法を有する中実金属製ローラの形態とされるとともに、装置機体54に自由回転可能に回転支持されている(具体的な支持構造は図示省略)。
【0211】
なお、加圧ロール251、251、…の配設数は上記条件を満たす範囲内で、目的に応じて適宜増減される。
【0212】
そして、乾燥ベルトコンベア部97の加熱乾燥部171の上流側において、上記平滑面ロール部180により両側表面を平滑化処理されて、上記平滑面ベルト145上を搬送される湿紙RP0は、続く上記加熱乾燥部171において、その下側面が平滑面ベルト145により搬送支持されるとともに、その上側面が網状ベルト260により被服搬送支持され、さらに細ピッチで配された上記複数の小径ローラからなる加圧ロール251、251、…が、上記網状ベルト260を上側から均一な圧力をもって加圧する。
【0213】
これにより、上記両ベルト145、200により所定の圧力をもって挟持状に搬送される湿紙RP0は、上記平滑面ロール部180との協働作用により、前工程の抄紙工程で湿紙RP0に生じた皺や反りが有効に消失除去されるとともに、ヒータプレート240による加熱乾燥作用による湿紙の皺や反りの発生も有効に防止され、また、上側の網状ベルト260の適度な通気度を得て、湿紙RP0一面が均一に乾燥され、この結果、湿紙RP0は、全体として平滑な再生紙(乾紙)RPが再生され得る。
【0214】
換言すれば、平滑面ベルト145上を搬送される湿紙RP0は、上側から被覆ベルトコンベア250により被覆されるとともに、連続配置された複数の加圧ロール251、251、…による所定の加圧力により、上下から均一な圧力をもってサンドイッチ状に挟持されて、平坦な状態を保持されながら加熱乾燥処理される結果、その前段階で上記平滑面ロール部180により平滑化処理されて、厚さにムラがなく均一で両側表面が平滑面とされた良好な状態をそのまま維持されつつ、乾燥ムラもなく、加熱乾燥作用による湿紙RP0の皺や反りの発生も有効に防止されて、全体としてより平滑な再生紙が再生される。
【0215】
なお、上記網状ベルト260の走行速度は、上記乾燥工程部である乾燥コンベア170における平滑面ベルト145の走行速度と同期して制御されて、平滑で所望の紙質の再生紙が得られる構成とされている。
【0216】
つまり、上側の網状ベルト260の走行速度が下側の平滑面ベルト145の搬送速度と同期していないと、湿紙RP0(または乾紙(再生紙RP))が弛んで皺が生じたり、逆に無理なテンションがかかって引き破られてしまうなど、所望の平滑化処理効果が得られない。これを防止するため、網状ベルト260の走行速度を、乾燥コンベア170の平滑面ベルト145の搬送速度と同期させる必要がある。
【0217】
図示の実施形態においては、両ベルト145、260の走行駆動源が共用の駆動モータ106であることから、駆動伝達系の機械構成により両ベルト145、260の走行速度が同期する構成とされている。
【0218】
上記平滑面ベルト145における上記加熱乾燥部171の下流側には、剥離部材270が設けられており、平滑面ベルト145上で乾燥処理されて搬送される乾紙つまり再生紙RP(含水率10〜7%)を、平滑面ベルト145の保持面から順次剥離する。
【0219】
これに関連して、この剥離部材270の下流側の平滑面ベルト145の走行経路終端位置には、定寸カッタ部271が設けられており、平滑面ベルト145から剥離された再生紙RPは、ここで所定形状(図示の実施形態においては、A4版の形状寸法)に切断されて、装置ケース7の排出口9から排出される。
【0220】
装置制御部5は、上述したパルプ製造部2、パルプ濃度調整部3および抄紙部4の各駆動部の動作を相互に連動して自動制御するもので、具体的には、CPU、ROM、RAMおよびI/Oポートなどからなるマイクロコンピュータで構成されている。
【0221】
この装置制御部5には、パルプ製造部2のパルプ製造工程、濃度調整部3の濃度調整工程および抄紙部4の抄紙工程を相互に連動して実行させるためのプログラム等が組み込まれるとともに、上記各構成部2(20、21)、3(3A、3B)、4(95、96、97、6)の駆動に必要な種々の情報、例えば、離解部20における攪拌装置26の駆動時間および回転速度、給水装置27の給水タイミングおよび給水量、叩解部21における循環ポンプ69の駆動時間および循環量、摩砕機50の駆動時間および回転速度、ならびに隙間調整手段57の調整タイミングおよび叩解隙間G調整量、ならびに、抄紙部4におけるコンベア100、170の走行速度、平滑面ロール部180の動作タイミング、加熱乾燥部171の駆動時間、および定寸カッタ部271の動作タイミングなどが、予めデータとしてまたはキーボード等により適宜選択的に入力設定されている。
【0222】
また、上記装置制御部5には、前述したように、各センサ48、87、231ならびに各駆動部35、41、56、61、66、106、222が電気的に接続されており、装置制御部5は、これらの各種実測値および制御データに従って、上記各駆動部35、41、56、61、66、106、222を制御する。
【0223】
しかして、以上のように構成された古紙再生装置1は、電源投入により起動して、装置制御部5により各各構成部2(20、21)、3(3A、3B)、4(95、96、97、6)が相互に関連して自動制御され、これにより、装置ケース7の投入口8に投入された古紙UP、UP、…は、パルプ製造部2の離解部20および叩解部21により離解・叩解処理されて、古紙パルプUPPが製造され、さらにパルプ濃度調整部3で抄紙濃度のパルプ懸濁液PSが調製された後、このパルプ懸濁液PSが抄紙部4の抄紙ベルトコンベア部95、脱水ロール部96および乾燥ベルトコンベア部97により抄紙されて、再生紙RPとして再生され、装置ケース7の排出口9から再生紙受取トレー10に排出される。
【0224】
この場合に、上記抄紙部4の乾燥ベルトコンベア部97における再生紙平滑化処理部6の平滑面ロール部180は、乾燥ベルトコンベア部97の加熱乾燥部171の上流側に設けられ、平滑面ベルト145上を搬送される湿紙RP0の幅方向全体を上記平滑面ベルト145との間で所定の押圧力をもって転動押圧して、湿紙RP0の両側表面を平滑化処理するから、大きな事業所等だけでなく、小規模店舗や一般家庭などの室内にも設置可能な什器サイズの古紙再生装置1という非常に狭い古紙処理空間において、抄紙工程部で抄紙形成された湿紙RP0の紙面を平滑化処理して、皺のない平滑な再生紙RPを再生することができる。
【0225】
すなわち、古紙パルプUPPを抄いて湿紙RP0とする抄紙ベルトコンベア部(抄紙工程部)95で抄紙形成された湿紙RP0は、続く乾燥工程部を構成する乾燥ベルトコンベア部97の加熱乾燥部171において、平滑面ベルト145により搬送されながら加熱乾燥されるところ、この加熱乾燥部171の上流側において、乾燥前の湿紙RP0が、平滑面ロール部180により、その幅方向全体を平滑面ベルト145との間で所定の押圧力をもって転動押圧されて、湿紙RP0の両側表面が平滑化処理される。
【0226】
この場合、乾燥前の湿紙RP0は、乾燥後の再生紙(乾紙)RPに比較して強度が非常に弱く、乾燥後のカレンダ処理に比較してはるかに小さな押圧力で変形しやすい。
【0227】
換言すれば、湿紙RP0は、乾燥前の強度が弱く変形しやすい紙質の状態の時に、上記平滑面ロール部180と平滑面ベルト145との間で平滑面ロール部180による所定の押圧力をもって平滑化処理されることで、湿紙RP0の両側表面が効率良くかつ確実に平滑面に加工処理され、湿紙RP0の厚さも均一となる。
【0228】
また、上述したように、乾燥前の湿紙RP0は、乾燥後の乾紙RPに比較して強度が非常に弱く、乾燥後のカレンダ処理に比較してはるかに小さな押圧力で平滑化処理可能であることから、この平滑化処理を行う上記平滑面ロール部180の転動押圧の押圧力も小さくて良い。このため、平滑面ロール部180は、乾燥後の乾紙RPにカレンダ処理を施すカレンダロールのように大きな強度と駆動力を必要とすることなく、小型コンパクトな構成とすることができ、特に什器サイズの古紙再生装置1という非常に狭い古紙処理空間に設置される装置として最適な構成とすることができる。
【0229】
さらに、上記抄紙部4において、上記湿紙RP0を平滑な再生紙に再生処理する平滑仕上部181が上記加熱乾燥部171に設けられて、この平滑仕上部181は、上記平滑面ベルト145により搬送される湿紙RP0全体を上側から均一な圧力をもって押圧する押圧手段の形態とされて、上記平滑面ベルト145上の湿紙RP0全体を平滑面ベルト145との間に挟持状に被覆して走行する被覆ベルト260を備える被覆ベルトコンベア250と、上記被覆ベルト260の走行方向へ所定間隔をもって配列されて、この被覆ベルト260を上側から押圧する複数の加圧ロール251、251、…とを備えてなることにより、上記平滑面ロール部180との協働作用で、より平滑度の高い再生紙RPを再生することができる。
【0230】
すなわち、上記平滑面ロール部180により均一な厚さで平滑面に加工処理された湿紙RP0は、続く乾燥ベルトコンベア部170の加熱乾燥部171において、平滑面ベルト145により搬送されながら加熱乾燥されるところ、その全体を押圧手段の形態とされた上記平滑仕上部181により上側から均一な圧力をもって押圧される。
【0231】
この場合、上記平滑仕上部181は、平滑面ベルト145上の湿紙RP0全体を平滑面ベルト145との間に挟持状に被覆して走行する被覆ベルト260を備える被覆ベルトコンベア250と、上記被覆ベルト260の走行方向へ所定間隔をもって配列されて、この被覆ベルト260を上側から押圧する複数の加圧ローラ251、251、…とを備えてなるから、上記加熱乾燥部171を搬送通過する平滑面ベルト145上の湿紙RP0は、上側から被覆ベルトコンベア260により被覆されるとともに、連続配置された複数の加圧ローラ251、251、…による所定の加圧力により、上下から均一な圧力をもってサンドイッチ状に挟持されながら加熱乾燥処理されることになる。
【0232】
換言すれば、湿紙RP0は、所定圧力をもったサンドイッチ構造により平坦な状態を保持されながら加熱乾燥処理される結果、その前段階で上記平滑面ロール部180により平滑化処理されて、厚さが均一で両側表面が平滑面とされた良好な状態をそのまま維持されつつ、乾燥ムラもなく、加熱乾燥作用による湿紙RP0の皺や反りの発生も有効に防止されて、全体としてより平滑な再生紙RPが再生され得る。
【0233】
実施形態2
本実施形態は、図13に示されており、実施形態1の抄紙部4の構成が若干改変されたものである。
【0234】
すなわち、実施形態1の抄紙部4においては単一の平滑面ロール部180が設けられているところ、本実施形態の抄紙部4においては、図示のごとく、加熱乾燥部171の上流側に、二つの平滑面ロール部180A、180Bが近接して設けられて、これら二つの平滑面ロール部180A、180Bにより、上記抄紙ベルトコンベア部95で抄紙形成された湿紙RP0の紙面を2段階で平滑化処理する構成とされている。
【0235】
これら平滑面ロール部180A、180Bの基本構成は実施形態1の平滑面ロール部180とそれぞれ同一であり、本実施形態においては、二つの平滑面ロール部180A、180Bにおける平滑面ロール191、191の湿紙RP0上に対する押圧力(上記作用位置PAにおいて平滑面ロール191、191が平滑面ベルト145上の湿紙RP0を転動押圧する際の所定の押圧力)が、上流側から下流側へ向けて段階的に大きくなるように設定されている。
【0236】
すなわち、本実施形態においても、平滑面ロール191、191の湿紙RP0上に対する押圧力が、平滑面ベルト145上の湿紙RP0の脱水状態に応じて、湿紙RP0に対する圧搾脱水作用が生じない範囲に設定される点は実施形態1と同様であるが、二つの平滑面ロール191、191が設けられることで、湿紙RP0のより高い平滑度が得られる構成とされている。
【0237】
具体的には、最上流側つまり二つの平滑面ロール部180A、180Bが設けられている本実施形態においては上流側の平滑面ロール部180Aの平滑面ロール191の押圧力は、抄紙ベルトコンベア部95と乾燥ベルトコンベア部97の連係部において上記湿紙RP0を圧搾脱水する脱水ロール部96の圧搾力よりも小さく設定され、下流側の平滑面ロール部180Bの平滑面ロール191の押圧力は、上記上流側の平滑面ロール191の押圧力よりも、湿紙RP0に対する圧搾脱水作用が生じない範囲で大きく設定されている。
【0238】
このような押圧力構成とされることにより、平滑面ベルト145上の湿紙RP0に対する圧搾脱水作用が生じて、湿紙RP0が再びスラリー化することが有効に防止されつつ、段階的に押圧力が強くなる複数(図示の実施形態においては二つ)の平滑面ロール191、191による湿紙RP0両側表面の平滑化処理作用によって、より平滑度の高い湿紙RP0両側表面が得られる。
【0239】
また、二つの平滑面ロール部180A、180Bが設けられることに関連して、これら両平滑面ロール部180A、180Bのロール制御部194による制御構成は、二つの平滑面ロール191、191が前記作用位置PAと退避位置PRとの間で同期して往復移動するように構成されている。
【0240】
具体的には、装置の起動時から、起動初期において、抄紙ベルトコンベア部95で抄紙形成された湿紙RP0の先端部分が、脱水ロール部96による圧搾脱水後、平滑面ベルト145と共に上記平滑仕上部181の平滑面ロール191による転動押圧部位PPA、PPB(支持ロール190、190の平滑面ベルト支持位置SPA、SPBに一致)を通過するまでの間、ロール移動部193、193により、上記平滑面ロール191、191が作用位置PAから退避位置PRに同時に移動待機して、湿紙RP0の平滑面ロール191、191への巻き付き等の不具合発生を有効に防止する構成とされている。
【0241】
しかして、上記ロール制御部194は、装置起動後に単一の検知センサ231からの検知信号を受け取るまでの間、つまり、平滑面ベルト145上の湿紙RP0が抄紙工程初期段階で紙厚が薄く安定していない状態にある時は、二つの平滑面ロール191、191が上記平滑面ベルト145上の湿紙RP0から離隔する上記退避位置PR、PRを同時に保持し、一方、平滑面ベルト145上の湿紙RP0が抄紙工程初期段階を経て紙厚が厚く安定した状態にある時は、上記平滑面ロール191、191が上記所定の押圧力をもって平滑面ベルト145上の湿紙RP0に転動押圧して湿紙RP0両側表面の平滑化処理を行う作用位置PA、PAを同時に保持するようにロール移動部193、193の駆動モータ222、222を同期制御する構成とされている。
その他の構成および作用は実施形態1と同様である。
【0242】
実施形態3
本実施形態は、図14および図15に示されており、実施形態1の古紙再生装置1の構成が若干改変されたものである。
【0243】
すなわち、本実施形態の古紙再生装置300は、古紙が発生する場所に配置可能な什器サイズのものであって、パルプ製造部2、パルプ濃度調整部3、抄紙部4および装置制御部5を主要部として構成されるとともに、上記抄紙部4が本発明に係る特徴構成である再生紙平滑化処理部6を備えてなる点は、実施形態1の古紙再生装置1の構成と同様であるが、本実施形態の古紙再生装置300は、具体的な外観構成として、古紙UPを離解し叩解して古紙パルプUPPを製造するパルプ製造ユニットAと、このパルプ製造ユニットAで製造された古紙パルプUPPを抄紙して再生紙RPを製造する抄紙ユニットBとを備えてなり、これらパルプ製造ユニットAおよび抄紙ユニットBは、分離設置可能なセパレート構造とされている。
【0244】
すなわち、パルプ製造ユニットAは、什器サイズの装置ケース6A内に、上記パルプ製造部2およびパルプ濃度調整部3が内装されてなり、抄紙ユニットBは、什器サイズの装置ケース6B内に抄紙部4が内装されてなる。
【0245】
装置ケース6A、6Bは、上述したように什器サイズのもので、具体的な形状寸法は目的や用途に応じて適宜設計される。図示の実施形態の装置ケース6A、Bは、いずれも事務所等に配置使用される複写機程度の形状寸法を有するほぼ直方体形状の箱体とされ、装置ケース6Aの天板部には、古紙UPを投入するための投入口7が開閉可能に設けられるとともに、装置ケース6Bの側部には、再生紙RP、RP、…を排出する排出口9が設けられている。また、この排出口9の下縁部位には、排出口9から排出される再生紙RP、RP、…を受け取るための再生紙受取トレー9が取外し可能に設けられている。
【0246】
しかして、以上のように構成された古紙再生装置1は、パルプ製造ユニットAと抄紙ユニットBが分離設置可能なセパレート構造とされているから、大きな事業所等だけでなく、小規模店舗や一般家庭などの室内にも設置可能な什器サイズの古紙再生装置について、搬入・搬出作業が容易であるとともに、メンテナンスや修繕時の取扱いも簡単かつ容易で、しかも自由な配置構成が確保できる。
その他の構成および作用は、実施形態1と同様である。
【0247】
なお、上述した実施形態1、2および3はあくまでも本発明の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこれらに限定されることなく、その範囲内で種々の設計変更が可能である。
【0248】
例えば、本発明に係る再生紙平滑化処理部6の具体的構成、さらには平滑面ロール部180および平滑仕上部181の具体的構成は、図示の実施形態に限定されず、同様な機能を有する他の構成を採用することが可能である。
【0249】
また、平滑面ロール部180の配設数は図示の実施形態(一つまたは二つ)に限定されず、目的に応じて適宜増設可能である。
【0250】
この場合、最上流側の平滑面ロール部180の押圧力は、平滑面ベルト145上の湿紙RP0に対する圧搾脱水作用が生じない範囲に設定され、具体的には、最上流側の平滑面ロール部180の押圧力が、抄紙ベルトコンベア部95と乾燥ベルトコンベア部97の連係部において湿紙RP0を圧搾脱水する脱水ロール部96の圧搾力よりも小さく設定されるのが望ましい。
【符号の説明】
【0251】
UP 古紙
UPP 古紙パルプ
PS パルプ懸濁液
RP 再生紙
RP0 湿紙
U ロールユニット
A 平滑面ロールの作用位置
B 平滑面ロールの退避位置
SP 支持ロールの平滑面ベルト支持位置
PP 平滑面ロールによる押圧部位
A パルプ製造ユニット
B 抄紙ユニット
1 古紙再生装置
2 パルプ製造部(パルプ製造装置)
3 パルプ濃度調整部
4 抄紙部(抄紙装置)
5 装置制御部
6 再生紙平滑化処理部(再生紙平滑化装置、再生紙平滑化処理手段)
95 抄紙ベルトコンベア部
96 脱水ロール部(脱水ロール手段)
97 乾燥ベルトコンベア部
100 抄紙ネットコンベア
105 網状ベルト
106 駆動モータ
145 平滑面ベルト
170 乾燥コンベア
171 加熱乾燥部
190(176) 支持ロール(駆動ローラ、支持ローラ)
191 平滑面ロール
191a 平滑面ロールの円筒外周面
192 弾発スプリング機構、押圧力規定部(押圧力規定手段)
193 移動カム機構、ロール移動部(ロール移動手段)
194 ロール制御部(制御手段)
195 装置基台
196 支軸
200 ロール支持部
201 移動枠体
202 嵌合支持部
203 スクレーパ装置(スクレーパ手段)
205 円筒ロール本体
206 撥水層
207 弾性層
210 弾発スプリング
211 移動案内手段
220 偏心カム
221 従動カム
222 駆動モータ
225 調整ネジ機構
230 湿紙検知部
231 検知センサ
240 加熱ヒータ
250 被覆ベルトコンベア
251 加圧ロール
260 被覆ベルト
300 古紙再生装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
古紙が発生する場所に配置可能な什器サイズの古紙再生装置において、前工程のパルプ製造部で製造された古紙パルプを抄紙して再生紙を製造する抄紙部に配置されて、再生紙の紙面を平滑化処理する再生紙平滑化装置であって、
前記抄紙部において、古紙パルプを抄いて湿紙とする抄紙ベルトコンベア部で抄紙形成された湿紙を乾燥させて再生紙とする乾燥ベルトコンベア部の加熱乾燥部の上流側に設けられて、乾燥ベルトコンベア部の平滑面ベルト上を搬送される湿紙の幅方向全体を平滑面ベルトとの間で所定の押圧力をもって転動押圧して、前記湿紙両側表面を平滑化処理する少なくとも一つの平滑面ロール手段を備えてなる
ことを特徴とする古紙再生装置の再生紙平滑化装置。
【請求項2】
前記平滑面ロール手段が前記加熱乾燥部の上流側に近接して複数設けられ、
これら複数の平滑面ロール手段の前記押圧力は、上流側から下流側へ向けて大きくなるように設定されている
ことを特徴とする請求項1に記載の古紙再生装置の再生紙平滑化装置。
【請求項3】
最上流側の前記平滑面ロール手段の前記押圧力は、前記湿紙に対する圧搾脱水作用が生じない範囲に設定されている
ことを特徴とする請求項1または2に記載の古紙再生装置の再生紙平滑化装置。
【請求項4】
最上流側の前記平滑面ロール手段の前記押圧力は、前記抄紙ベルトコンベア部と乾燥ベルトコンベア部の連係部において前記湿紙を圧搾脱水する脱水ロール手段の圧搾力よりも小さく設定されている
ことを特徴とする請求項3に記載の古紙再生装置の再生紙平滑化装置。
【請求項5】
前記平滑面ロール手段は、前記平滑面ベルトを裏面側から転動支持する支持ロールと、この支持ロールに対して、前記平滑面ベルト上の湿紙を表面側から転動押圧する平滑面ロールと、この平滑面ロールの前記押圧力を規定する押圧力規定手段とを備えてなる
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の古紙再生装置の再生紙平滑化装置。
【請求項6】
前記支持ロールは、前記平滑面ベルトの支持ロールとしての機能を兼備している
ことを特徴とする請求項5に記載の古紙再生装置の再生紙平滑化装置。
【請求項7】
前記平滑面ロールは、その円筒外周面が撥水性平滑面とされてなる
ことを特徴とする請求項5に記載の古紙再生装置の再生紙平滑化装置。
【請求項8】
前記平滑面ロールは、剛性材料からなる円筒ロール本体の外周に、撥水性材料からなる撥水層が形成されてなる
ことを特徴とする請求項7に記載の古紙再生装置の再生紙平滑化装置。
【請求項9】
前記円筒ロール本体と前記撥水層との間に、弾性層が介装されている
ことを特徴とする請求項8に記載の古紙再生装置の再生紙平滑化装置。
【請求項10】
前記押圧力規定手段は、前記平滑面ロールを前記支持ロールの平滑面ベルト支持位置に向けて弾発付勢する弾発スプリング機構の形態とされ、
この弾発スプリング機構において、前記平滑面ロールを回転可能に軸支するロール支持部が前記支持ロールの平滑面ベルト支持位置方向へ往復移動可能に設けられるとともに、弾発スプリングにより前記支持ロールの平滑面ベルト支持位置方向へ常時弾発付勢されている
ことを特徴とする請求項5に記載の古紙再生装置の再生紙平滑化装置。
【請求項11】
前記平滑面ロール手段の平滑面ロールを、前記平滑面ベルト上の湿紙に転動押圧して湿紙両側表面の平滑化処理を行う作用位置と、前記湿紙から離隔する退避位置との間で移動制御するロール移動手段を備える
ことを特徴とする請求項10に記載の古紙再生装置の再生紙平滑化装置。
【請求項12】
前記ロール移動手段は、前記弾発スプリング機構と協働する移動カム機構の形態とされ、
この移動カム機構は、前記平滑面ロールを回転可能に軸支する前記ロール支持部を前記支持ロールの平滑面ベルト支持位置方向へ往復動作させる回転可能な偏心カムと、この偏心カムを回転駆動する回転駆動源とを備えてなる
ことを特徴とする請求項11に記載の古紙再生装置の再生紙平滑化装置。
【請求項13】
前記弾発スプリング機構のロール支持部が、固定的に設けられた装置基台上に、案内レールにより、前記支持ロールの平滑面ベルト支持位置方向へ往復移動可能に設けられ、
前記移動カム機構の偏心カムが、前記装置基台上に回転可能に軸支され、
前記ロール支持部の従動カム面に、前記偏心カム外周の駆動カム面が摺接係合されてなり、
前記回転駆動源の回転駆動により、前記偏心カムが退避回転位置にある時、前記平滑面ロールは前記平滑面ベルト上の湿紙から離隔する退避位置にあり、前記偏心カムが作用回転位置にある時、前記平滑面ロールは、前記弾発スプリング機構の弾発スプリングの圧縮状態により設定された前記所定の押圧力をもって、前記平滑面ベルト上の湿紙に転動押圧して湿紙両側表面の平滑化処理を行う作用位置にある
ことを特徴とする請求項12に記載の古紙再生装置の再生紙平滑化装置。
【請求項14】
前記ロール移動手段を前記平滑面ベルト上の湿紙の状態に応じて制御する制御手段を備えてなり、
この制御手段は、前記平滑面ベルト上の湿紙が抄紙工程初期段階で紙厚が薄く安定していない状態にある時は、前記平滑面ロールが前記平滑面ベルト上の湿紙から離隔する前記退避位置を保持するとともに、前記平滑面ベルト上の湿紙が抄紙工程初期段階を経て紙厚が厚く安定した状態にある時は、前記平滑面ロールが前記所定の押圧力をもって前記平滑面ベルト上の湿紙に転動押圧して湿紙両側表面の平滑化処理を行う作用位置を保持するように前記ロール移動手段を制御する構成とされている
ことを特徴とする請求項13に記載の古紙再生装置の再生紙平滑化装置。
【請求項15】
前記平滑面ロール手段において、前記平滑面ロールと、この平滑面ロールを回転可能に軸支するロール支持部とは、固定的に設けられた装置基台上に、脱着可能に位置決め載置されるユニット構造とされている
ことを特徴とする請求項5に記載の古紙再生装置の再生紙平滑化装置。
【請求項16】
前記平滑面ロールの平滑面上に付着残留する残渣を剥離除去するスクレーパ手段を備える
ことを特徴とする請求項5に記載の古紙再生装置の再生紙平滑化装置。
【請求項17】
前記抄紙部において、前記湿紙を平滑な再生紙に再生処理する平滑仕上手段を備え、
この平滑仕上手段は、前記乾燥ベルトコンベア部の加熱乾燥部に設けられて、前記平滑面ベルトにより搬送される湿紙全体を上側から均一な圧力をもって押圧する押圧手段の形態とされ、
この押圧手段は、前記平滑面ベルト上の湿紙全体を平滑面ベルトとの間に挟持状に被覆して走行する被覆ベルトを備える被覆ベルトコンベアと、前記被覆ベルトの走行方向へ所定間隔をもって配列されて、この被覆ベルトを上側から押圧する複数の加圧ロールとを備えてなる
ことを特徴とする請求項1に記載の古紙再生装置の再生紙平滑化装置。
【請求項18】
古紙が発生する場所に配置可能な什器サイズの古紙再生装置を構成し、前工程のパルプ製造装置で製造された古紙パルプを抄紙して再生紙を製造する抄紙装置であって、
前記パルプ製造装置から送られてくる水と古紙パルプが共存するスラリー状のパルプ懸濁液を抄いて湿紙とする抄紙ベルトコンベア部と、
この抄紙ベルトコンベア部で抄紙形成された湿紙を乾燥させて再生紙とする乾燥ベルトコンベア部と、
これら抄紙ベルトコンベア部および乾燥ベルトコンベア部の連係部において前記湿紙を圧搾脱水する脱水ロール手段とを備えてなり、
前記乾燥ベルトコンベア部は、前記抄紙ベルトコンベア部で抄紙形成された湿紙を平滑な再生紙として処理排出する再生紙平滑化処理手段を備え、
この再生紙平滑化処理手段は、請求項1から17のいずれか一つに記載の再生紙平滑化装置により構成されている
ことを特徴とする古紙再生装置の抄紙装置。
【請求項19】
古紙が発生する場所に配置可能な什器サイズの古紙再生装置であって、
什器サイズの装置ケース内に、古紙を離解し叩解して古紙パルプを製造するパルプ製造部と、このパルプ製造部で製造された古紙パルプを抄紙して再生紙を製造する抄紙部とを備えてなり、
前記抄紙部は、請求項18に記載の抄紙装置から構成されている
ことを特徴とする古紙再生装置。
【請求項20】
古紙が発生する場所に配置可能な什器サイズの古紙再生装置であって、
古紙を離解し叩解して古紙パルプを製造するパルプ製造ユニットと、
このパルプ製造ユニットで製造された古紙パルプを抄紙して再生紙を製造する抄紙ユニットとを備えてなり、
これらパルプ製造ユニットおよび抄紙ユニットは、分離設置可能なセパレート構造とされ、
前記抄紙ユニットは、請求項18に記載の抄紙装置から構成されている
ことを特徴とする古紙再生装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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