説明

可動型情報収集装置

【課題】タイムリーな現況把握が可能な可動型情報収集装置の提供を目的とする。
【解決手段】上空から観測対象地域を観測した観測データを受信する観測データ収集用アンテナシステム1と、
観測対象地域内の既取得地理情報を格納した地理情報データベース2と、
前記観測データと既取得地理情報との差分を演算して出力する評価演算装置3と、
を可動架台4上に搭載して構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は可動型情報収集装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
災害発生時等に災害発生現場において情報収集、分析等を行うための装置としては、特許文献1に記載のものが知られている。この従来例において、情報収集装置は、災害現場に派遣される情報基地パックと、通信衛星を介して情報基地パックと交信する防災センタ、および無線基地局とから構成される。
【0003】
情報基地パックには、プロジェクタ、大型スクリーン等の情報表示手段、ハンディカメラ等による取得映像の取り込み手段および情報サーバが搭載される。特許文献1の第16段落に示されるように、情報サーバには、防災センタから送信される各種のデータが蓄積され、ハンディカメラ等による取得データとともに、大型スクリーン等に表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9-10345号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述した従来例は、表示用元データを現地以外に設置された防災センタにおいて取得し、情報基地パックに送信するように構成されるために、例えば、現地での通信状態が好ましい状態でない場合には、十分な機能を発揮することができないという欠点がある。
【0006】
とりわけ、災害地等の情報を地球観測衛星から取得する場合にはデータ量も多いために、全体の処理速度の低下を招き、現地の状況を考慮したタイムリーな観測等が行えないという欠点がある。
【0007】
本発明は、以上の欠点を解消すべくなされたものであって、タイムリーな現況把握が可能な可動型情報収集装置の提供を目的とする。
【0008】
また、本発明の他の目的は、上記可動型情報収集装置を利用可能な地理監視システムの提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば上記目的は、
上空から観測対象地域を観測した観測データを受信する観測データ収集用アンテナシステム1と、
観測対象地域内の既取得地理情報を格納した地理情報データベース2と、
前記観測データにおける既取得地理情報からの変化を抽出して変化要素データを出力する評価演算装置3と、
を可動架台4上に搭載した可動型情報収集装置を提供することにより達成される。
【0010】
可動型情報収集装置Aは、観測データ収集用アンテナシステム1、地理情報データベース2、および評価演算装置3を可動架台4上に搭載して形成され、例えば、自然災害が発生した場合、災害現場、あるいはその付近の地域に搬送することができる。可動架台4は、動力源4aを備えた自走式であっても、あるいは、適宜の牽引車両に牽引されるものであってもよい。
【0011】
可動型情報収集装置Aの派遣現場で行われる上空からの現況観測によって得られた観測データは、防災センター等、固定監視局Bを経由することなく直接観測データ収集用アンテナシステム1により受信されて評価演算装置3に出力され、評価演算装置3は、上記観測データを対象にした変化抽出処理を行い、予め用意された既取得地理情報に対する変化要素を演算して適宜フォーマットで出力することができる。
なお、ここで変化要素とは、データ間の差分であっても、あるいは、データ間で変化が認められる領域に関する座標情報のみなどであってもよく、状況に応じて適宜決定することができる。また、上記既取得地理情報とは、過去の一時点における情報以外に、過去の一定期間を対象にした統計的な情報でも構成することができる。
【0012】
したがってこの発明において、可動型情報収集装置Aの派遣地において直接観測データの受信、データ処理を行うことができ、少なくとも、演算した変化要素データを表示装置9に表示したり、あるいはこれに基づいて、例えば、斜面崩壊、あるいは発生した天然ダム崩壊の可能性の検討等、種々の地理的変動要因についての詳細なデータを取得することが可能になる。この結果、該データに基づいて、さらに、詳細な観測を行う計画を立てたり、あるいは災害時の救援物資搬入経路の計画を立てる等の必要な対応を機敏にとることが可能になる。
【0013】
また、観測データ収集用アンテナシステム1と評価演算装置3等、各構成部間のデータの入出力レベル、フォーマット等は、制御部10等により制御され、可動型情報収集装置Aは全体として動作可能なように調整されているために、各部に専門のオペレータを配置することなく十分なデータ収集を行うことができる。
【0014】
さらに、可動型情報収集装置Aは観測データから変化要素データを生成する評価演算装置3を搭載しているために、防災センター等の固定監視局Bへの情報収集結果を変化要素データを使用して報告することができる。変化要素データは、観測データに比して容量が小さいために、可動型情報収集装置Aの派遣地と固定監視局Bとの間の通信インフラが細い場合であっても、固定監視局Bに対して変化要素データを用いて観測データと同等の情報量を持つデータを素早く送信することが可能になるために、固定監視局Bにおける全般的な対策会議等に有用な資料を確実に提供することが可能になる。
【0015】
観測データ収集用アンテナシステム1は、地球観測衛星5から送信される観測対象地域に対する広域観測データの受信に加え、航空機6から送信される中域観測データ、またはヘリコプター7から送信される狭域観測データを受信するように構成することが可能であり、この場合、解像度は劣るものの、広域についての情報が含まれる地球観測衛星5による広域観測データに基づいてまず、差分発生領域を自動検出し、その後、差分発生領域に対して高解像度の中狭域観測データによる差分演算を実行して表示することにより、正確性に加え、作業効率の向上も達成することが可能になる。
【0016】
さらに、可動型情報収集装置Aに衛星コントロール装置8を装備すると、広域観測データの計画的な取得が可能になり、航空機6等の飛行計画と併用すると、現場での観測作業を自立的に完結させることができるために、固定監視局B等との情報インフラが完全に絶たれた場合であっても、観測、対策案の立案等を行うことができる。
【0017】
また、情報収集、分析機能を有した可動型情報収集装置Aは、地理監視システムの構築に利用することができる。地理監視システムは、
観測対象地域に移動可能な可動型情報収集装置Aと、
可動型情報収集装置Aと交信可能な固定監視局Bとを有して構成され、
前記可動型情報収集装置Aは、上空から観測対象地域に対する観測データが受信可能で、かつ、該観測データの所定の評価データへの変換操作が可能に形成されるとともに、
固定監視局Bは、前記可動型情報収集装置Aから送信される評価データに基づいて観測対象地域の地理的変動を監視可能に形成される。
【0018】
可動型情報収集装置Aは、災害等が発生した際に災害現場、あるいはその近くに派遣され、防災センターとなる固定監視局Bに派遣地で取得した情報を送信する。可動型情報収集装置Aは、上空から観測対象地域に対する観測データが受信可能で、かつ、該観測データの所定の評価データへの変換操作を行うことができる装置が搭載されており、固定監視局Bへの報告は、生データである観測データに対して何等かの演算を加えた評価データを出力することにより行われる。
【0019】
評価データは、生の観測データに比して容量が飛躍的に小さくなるために、固定監視局Bとの間の通信回線が細くても現況を迅速に伝達することが可能になる。
【0020】
評価データには、ロスレス、あるいは固定監視局Bにおいて評価可能な程度のロッシー(非可逆)圧縮データ等、少なくとも観測データに比して容量が小さくなった全てのデータタイプを採用することが可能であるが、観測データと、上記既取得地理情報との差分データ、あるいは差分データに圧縮処理を施したものを評価データとして採用すると、固定監視局Bでの受信後、直ちに地理的変動状態を確認することができる。
【0021】
また、評価データには、観測データから導き出された種々の現況指数、例えば、発生した天然ダムの崩壊の危険性の程度、時間、あるいは斜面崩壊の危険性の程度等の指数を含めることもできる。
【0022】
さらに、前記可動型情報収集装置Aを固定監視局Bから遠隔操作できるようにした場合には、例えば、専門的知識を有しないオペレータに対する指示と、処理遠隔操作による専門的知識を要する操作とを交えながら観測データの取得を行うことが可能になるために、情報処理等の専門家を乗務させることなく、必要な情報を取得することができる。この場合、固定監視局Bにおいて専門家が上述した変化要素データを利用して遠隔操作することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、派遣現場で観測データの収集、これらの処理を行うことができるために、災害発生時等においてタイムリーな現況把握が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】地理監視システムのシステム構成図である。
【図2】可動型情報収集装置のブロック図である。
【図3】観測データ収集用アンテナシステムのブロック図である。
【図4】観測データの処理手順を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図1に示すように、地理監視システムは、防災センターとして機能する固定監視局Bと、災害等、有事の際に現場、またはその近くに派遣される可動型情報収集装置Aとから構成される。固定監視局Bは、Sバンドの周波数帯を使用して地球観測衛星5に対して制御信号をアップリンクするための固定局側アンテナシステム10に接続されている。固定監視局Bからのアップリンクは、例えば、可動型情報収集装置Aが現場に移動する間に撮影要求を完了し、現場への到着と同時に地球観測衛星5からの観測データを取得することができるように準備するために利用できる。
【0026】
また、固定監視局Bには、可動型情報収集装置Aに装備されるGISデータ等の地理情報、シミュレーション用基礎データ等が格納されるデータベース、斜面崩壊等の種々のシミュレーションソフトウエア等に加え、これらを表示するディスプレイ装置、さらには、後述する差分データ(変化要素データ)に対する処理用ソフトウエア等が用意される。
【0027】
なお、これらの構成要素は、可動型情報収集装置Aに装備されるものとほぼ同一の構成であるために、図1には図示しない。
【0028】
図2に示すように、可動型情報収集装置Aは、災害現場等に搬送可能なように、車輪4b等を備えた可動架台4上に入出力部11、前処理部12、評価演算装置3、衛星コントロール装置8、およびこれらを制御するための制御部10を搭載して構成され、各構成部は、制御部10に接続される操作パネル部10aへの指示によりオペレータにより操作される。この実施の形態において、可動架台4はエンジン等の動力源4aを備えた自走式であり、全体の重量、寸法等は、一般道路を走行可能に設計される。
【0029】
上記入出力部11は、派遣現場で地球観測衛星5、航空機6、およびヘリコプター7からの観測データを受信する観測データ収集用アンテナシステム1と、通信部13とからなり、通信部13には、固定監視局Bとの間での通信を行うための静止通信衛星(CS:Communications Satellite)24に対するCSアンテナ13a、可動型情報収集装置A外から携帯電話14を介した通信を可能にするための携帯電話IF13b、および評価演算装置3での演算結果をオペレータに示すための表示装置9が含まれる。
【0030】
図3に示すように、観測データ収集用アンテナシステム1は、観測衛星通信用アンテナシステム15と、航空機用受信システム16と、ヘリ通信用アンテナ装置17とを有する。観測衛星通信用アンテナシステム15は、アンテナコントロールシステム18により地球観測衛星5からの信号をもとにした地球観測衛星5の自動追尾、あるいは衛星軌道予測データをもとにした地球観測衛星5の追尾が可能で、地球観測衛星5からの観測データ(ミッションデータ)を受信するXバンド受信装置15aと、地球観測衛星5の運用管制信号の送受信を行うSバンド送受信装置15bとを有する。
【0031】
Xバンド受信装置15aは、アンテナ、フィード、低雑音アンプ(LNA:Low Noise Amplifier)、ダウンコンバータを含み、Xバンド受信装置15aにより受信された地球観測衛星5からの観測データは、観測データ受信システム15cにおいて、アナログ信号からデジタル信号に復調された後、フレーム同期、誤り訂正が行われ、撮影データが取り出される。撮影データの生成が制御部10に通知されると、制御部10は、生成された撮影データの前処理部12での処理を開始する。
【0032】
一方、上記Sバンド送受信装置15bは、大電力増幅器(HPA:High Power Amplifier)、低雑音アンプ(LNA:Low Noise Amplifier)、アップコンバータ、ダウンコンバータを含み、地球観測衛星5に搭載された機器の状況を示すテレメトリデータを受信し、さらに上記機器に対する観測指示信号であるテレコマンドを出力する。
【0033】
また、観測衛星通信用アンテナシステム15には、テレメトリデータ、およびテレメトリ・トラッキング・コマンドを処理するためのTT&Cシステム15dが実装され、地球観測衛星5の姿勢等に関するHK(HouseKeeping)データを含むテレメトリデータは、TT&Cシステム15dにおいてアナログ信号からデジタル信号に復調されて出力される。
【0034】
また、テレメトリ・トラッキング・コマンドによる地球観測衛星5の制御は、オペレータによる衛星コントロール装置8の衛星画像撮影計画装置8aに対する指示により行われ、操作パネル部10aに設置された操作画面に表示される地図上で、あるいは座標で撮影関心領域を指定すると、撮影関心領域を含む撮影範囲の設定が行われ、設定された撮影範囲に対し、地球観測衛星5の軌道予測データをもとに撮影時刻、および入射角が計算される。衛星コントロール装置8の衛星用コマンド生成装置8bは、上記衛星画像撮影計画装置8aによる出力をもとにコマンド信号を生成し、コマンド信号の生成を確認した制御部10は、該コマンド信号のTT&Cシステム15dへの出力を指令する。コマンド信号を受領したTT&Cシステム15dは、コマンド信号をデジタル信号からアナログ信号に変調してSバンド送受信装置15bに出力する。
【0035】
一方、航空機6からの観測データは、観測衛星通信用アンテナシステム15のSバンド送受信装置15bにより受信された後、航空機用受信システム16の観測データ受信システム16aによりアナログ信号からデジタル信号への復調等が行われる。観測データ受信システム16aで生成された撮影データは、制御部10による管理下で前処理部12に出力される。
なお、以上においては航空機6との通信をSバンドで行う場合を示したが、KaバンドやKuバンドを利用することも可能である。
【0036】
さらに、この実施の形態において、ヘリコプター7による観測データの収集は、ヘリテレシステムを使用して行われ、ヘリコプター7からの観測データは、ヘリ通信用アンテナ装置17により受信され、評価演算装置3に送られる。上述した地球観測衛星5により取得される観測データが広域を、航空機6による観測データが中域を観測したものであるのに対し、ヘリコプター7からの観測データは狭域、かつ、高解像度の画像を取得することが可能であり、必要に応じ、動画のリアルタイム配信にも対応させることができる。
【0037】
地球観測衛星5に対する観測関心領域の指定が可能なように、可動型情報収集装置Aには、所定の撮影計画で飛行している航空機6、あるいはヘリコプター7に対する撮影地域の変更等の指示を行うための必要な交信手段が装備される。
【0038】
以上のように、観測データ収集用アンテナシステム1により収集された地球観測衛星5からの観測データと、航空機6からの観測データと、ヘリコプター9からの観測データとは、前処理部12において必要な処理が行われた後、評価部に出力される。
【0039】
図4に示すように、前処理部12は、衛星データ、航空機データ、およびヘリデータに対する画像処理部19を有し、該画像処理部19での処理が終了すると、評価演算装置3における評価が行われる。画像処理部19は、衛星データ、航空機データ、およびヘリデータに対応するデータプロセッサ20、21、25を有しており、これらデータプロセッサ20、21、25に送られた観測データは、画像再生処理装置20a、21a、25aにおいて画像データフォーマットに変換処理した後、画像補正・ジオコーディング装置20b、21b、25bで画像のラジオメトリック補正、幾何補正、地図投影を行い、処理された画像をアーカイブ装置20c、21c、25cで所定のフォーマットへの圧縮、画像の統合等が行われる。なお、画像データフォーマットの変換は必要に応じて行えば足りる。
【0040】
さらに、前処理部12には防災情報データ前処理部22が含まれており、固定監視局B等から送信される気象情報、河川情報等の災害誘発情報を所定の評価フォーマットに整形して評価演算装置3に出力する。
【0041】
評価演算装置3は、解析部23と、既取得の衛星画像、航空機画像、ヘリ画像、デジタル標高データ(DEM:Digital Elevation Model)、地図、各種GISデータを階層化して格納した地理情報データベース2とを有し、評価演算装置3に入力された地球観測衛星画像、あるいは航空機画像は、解析部23の画像解析部23aにおいて画像の状態、あるいはこれから生成したDEMの状態で地理情報データベース2内の対応データと比較することによって、新旧差分が演算される。抽出された差分データは、入出力部11の表示装置9に表示され、オペレータ等による検証、差分発生領域の絞り込み等が行なわれた後、最終成果として利用される。
なお、表示装置9以外にも、操作パネル部10aや評価演算装置3などにモニタを設け、上述した差分データを表示することも可能である。
【0042】
差分抽出処理(変化抽出処理)は、新旧ともに地球観測衛星5による広域データがある場合、まず、広域データ同士の差分を自動抽出した後、抽出箇所について、より解像度の高い航空機6による中域データ間の差分を求めると、処理の効率化、精度向上を図ることができる。
【0043】
以上のようにして生成された差分データは、そのままの状態で評価対象として利用したり、あるいは統合分析部23bにおいてさらに分析が行われて防災上必要な分析データが生成される。統合分析部23bは、上述した防災情報データ前処理部22からのデータ等を考慮して、例えば、道路寸断状態を確認して救援、物資搬入経路を割り出すためのデータを生成し、あるいは、地震等により多数の天然ダムが同時に形成された場合、天然ダム形成箇所について、地形データや流域の降雨データを用いて天然ダム崩壊までの時間等、ダム崩壊の危険性、さらには崩壊時の下流域の被害想定を行うことにより、避難勧告や天然ダム崩壊防止措置の優先順位等の意思決定に役立つデータを出力する。
【0044】
統合分析部23bは、以上のほかに状況に応じて種々の出力を行うことが可能であり、例えば、大規模な火災が発生している現場において、火災発生域と土地利用データを組み合わせて消火活動により効率的に延焼が阻止できる場所を割り出すことによって、消火活動を行うべき地域の順位付けをする場合の意思決定基準データを出力するように構成することもできる。
【0045】
これら統合分析部23bでの取得データ、あるいは差分データは、通信部13、および静止通信衛星24を経由して固定監視局Bに送信され、上述したように、固定監視局Bに装備された設備を使用して現況把握、対策等に利用される。
【0046】
なお、以上においては、可動型情報収集装置Aにおける情報収集操作は、オペレータによる制御部10への操作により行われる場合を説明したが、制御部10に固定監視局B、あるいは携帯電話からの指示により動作するリモートデスクトップの機能を組み込んで、可動型情報収集装置Aを完全に遠隔操作したり、あるいは専門知識をもたないオペレータを補助に利用した情報収集活動が可能になる。
【符号の説明】
【0047】
1 観測データ収集用アンテナシステム
2 地理情報データベース
3 評価演算装置
4 可動架台
5 地球観測衛星
6 航空機
7 ヘリコプター
8 衛星コントロール装置
A 可動型情報収集装置
B 固定監視局

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上空から観測対象地域を観測した観測データを受信する観測データ収集用アンテナシステムと、
観測対象地域内の既取得地理情報を格納した地理情報データベースと、
前記観測データにおける既取得地理情報からの変化を抽出して変化要素データを出力する評価演算装置と、
を可動架台上に搭載した可動型情報収集装置。
【請求項2】
前記観測データ収集用アンテナシステムは、
地球観測衛星から送信される観測対象地域に対する広域観測データ、及び航空機、またはヘリコプターから送信される観測対象地域内での中狭域観測データを受信可能に形成されるとともに、
既取得地理情報には、既取得広域観測データ及び既取得中狭域観測データが含まれ、
前記評価演算装置は、広域観測データの比較による広域自動差分抽出及び中狭域観測データの比較による中狭域自動差分抽出が可能な請求項1記載の可動型情報収集装置。
【請求項3】
前記地球観測衛星に対する観測制御を行う衛星コントロール装置を備える請求項2記載の可動型情報収集装置。
【請求項4】
観測対象地域に移動可能な可動型情報収集装置と、
可動型情報収集装置と交信可能な固定監視局とを有し、
前記可動型情報収集装置は、上空から観測対象地域に対する観測データが受信可能で、かつ、該観測データの所定の評価データへの変換操作が可能に形成されるとともに、
固定監視局は、前記可動型情報収集装置から送信される評価データに基づいて観測対象地域の地理的変動を監視可能な地理監視システム。
【請求項5】
前記評価データには、観測データにおける、可動型情報収集装置に予め搭載された既取得地理情報からの変化を抽出した変化要素データが含まれるとともに、
固定監視局は、前記可動型情報収集装置から送信される変化要素データと、自局に予め格納してある既取得地理情報に基づいて観測対象地域の地理的変動を監視可能な請求項4記載の地理監視システム。
【請求項6】
前記変化要素データは、
地球観測衛星から送信される観測対象地域に対する広域観測データの変化要素データ、及び航空機、またはヘリコプターから送信される観測対象地域内での中狭域観測データに対する変化要素データを含む請求項5記載の地理監視システム。
【請求項7】
前記可動型情報収集装置が固定監視局からの遠隔操作可能に形成される請求項4、5または6記載の地理監視システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−278848(P2010−278848A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−130225(P2009−130225)
【出願日】平成21年5月29日(2009.5.29)
【特許番号】特許第4555884号(P4555884)
【特許公報発行日】平成22年10月6日(2010.10.6)
【出願人】(000135771)株式会社パスコ (102)
【Fターム(参考)】