説明

可動導板を有し局地的なハイブリッド運送を伴うインターモーダル輸送システム

貨物トレーラが鉄道車上で輸送される際に、貨物トレーラ同士が連結された状態に留められる、相互連結された貨物トレーラを輸送するように構成された相互連結された鉄道車を含むインターモーダル輸送システム。各トレーラは、組付け区域にてトレーラアセンブリへと組み付けられる。貨物を含むトレーラが、専用ドリーを使用してトレーラアセンブリへと組み付けられる。好ましい一実施形態は、タイヤを有し、トレーラのキングピンに係合するために第5車輪ピックアッププレートおよびリング継手を取り付けられた自己動力付きドリーを使用することを含む。複数のドリー−トレーラアセンブリが、一体的に連結されて、トレーラアセンブリを形成する。自己動力付き可動傾斜板が、鉄道車アセンブリの端部に位置決めされ、トラクタが、自己動力付き可動傾斜板を上に駆動されることによって鉄道車アセンブリ上へと、および複数の鉄道車の頂部間をまたいで、トレーラアセンブリを引く。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0002]本発明は、概して貨物配送システムに関し、特に長物車とトレーラおよびコンテナ・オン・シャシトレーラの局地的なハイブリッド車両運送とを利用するインターモーダル輸送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
[0001]本出願は、2009年9月30日に出願された米国仮特許出願第61/247,397号における優先権を主張する、2010年9月30日に出願された米国特許出願第12/895,489号における優先権を主張するものである。米国特許出願第12/895,489号は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
[0003]貨物のインターモーダル輸送は、様々な輸送モードを利用した各貨物コンテナの移動からなる。この方法の利点は、貨物輸送の高い効率性にある。効率性は、貨物コンテナの物理的移動および貨物のバルク輸送の経済的節減の両方において現れる。そのため、インターモーダル輸送の物理的効率性および経済的効率性を最大限に高めるために、多数のアプローチが取られてきた。特に、鉄道車と、州間幹線道路での移動に適したトラクタトレーラおよびコンテナ・オン・シャシトレーラとの組合せを利用した貨物の移動が、高い注目を浴びている。
【0004】
[0004]線路および道路の両方による2つの基本的な貨物移動方法は、セミトレーラおよび鉄道長物車の組合せか、またはセミトレーラおよびボギー台車の組合せのいずれかの利用からなる。トレーラおよび長物車の組合せは、トレーラが従来の長物車の頂部上にキングピンで位置決めされるピギーバック方式を取るものである。このトレーラは、ハンドリング装置(例えばサドルクレーンもしくはスイングクレーンまたはフォークリフトなど)を使用してトランジション時に長物車上に配置されるか、または、傾斜板およびトラクタを使用して鉄道車上へと駆動される。長物車の上に配置されると、典型的には、トレーラのキングピンが、第5の車輪を有する結合装置へと固定されて、長物車に対してトレーラが固定的に係合される。効率的な貨物移動のために、複数の長物車を列車に組み付けることが可能である。トレーラの輸送のために長物車を使用する1つの利点は、列車が移動する際に引き起こされる圧縮力および張力が、この長物車を介して伝達され得ることである。さらに、この貨物移動方法を利用することにより多様なトレーラを輸送することが可能となり、従来の長物車を従来の鉄道路線に沿った輸送用の列車へと組み付けることが可能となる。
【0005】
[0005]現行においては、ハンドリング装置による長物車への積込みは、トラクタからのトレーラの結合解除、トランジション期間中のハンドリング装置の係合および係合解除、ならびに長物車に対するトレーラの固定的係合を要する。これらのステップは、長物車から降ろす場合には逆順に遂行される。このプロセスは、多大な時間を要し、各トランジション時に高額かつ複雑なハンドリング装置を要する。さらに、トレーラおよび貨物が、トランジションの際に、貨物の衝突、落下、および位置ずれによって損傷を被るおそれがある。長物車の端部にまたは長物車に沿って位置決めされた傾斜板を使用して長物車の上にトレーラを積み込むことにより、トラクタトレーラが長物車の上へと駆動されることによるトレーラの載置が可能となる。この方法は、初めに長物車牽引車の上へとトラクタトレーラを駆動させることによってか、または初めに長物車被牽引車の上へとトラクタトレーラを後退させることによって達成される。各トレーラは、典型的にはそのキングピンにより長物車に固定されるので、トレーラは、サーカス積込み方式で1度に1台ずつしか積込みすることができない。長物車の上にトレーラを駆動することにより、トレーラを移動させるためにハンドリング装置を使用する場合の危険が回避されるが、サーカス積込みプロセスは、多大な時間を要し、そのため貨物の物理的移動の際の効率性が低下する。
【0006】
[0006]トレーラおよびボギー台車の組合せは、専用の鉄道用ボギー台車に係合するように構成された改変型セミトレーラからなる。従来の長物車がレール圧縮力およびレール張力に対処する代わりに、構造的強化が施され、改変された車台を有するトレーラが、列車のこれらの力に対応するので、このアプローチにおいて使用されるトレーラは、上記で使用されたトレーラとは異なる。この場合に、鉄道車のアセンブリは、初めに適切な鉄道用ボギー台車にトレーラの後方部分のフレームを係合させた従来のトラクタからからなる。トレーラからトラクタを係合解除すると、トレーラの前方部分が、そのキングピンまたはフレームにより適切な鉄道用ボギー台車と係合される。このタイプの鉄道車の組付けに必要な追加の装置は、典型的には、強化されたトレーラに組み込まれた傾斜板すなわち支援機構からなる。この貨物移動方法は、鉄道車アセンブリから従来の長物車を除去することにより、各鉄道車の総重量が低下し、それにより機関車が移動させる必要のある重量が低下するため、経済的に魅力的なものである。しかし、従来の長物車方法に対するこの貨物輸送方法の欠点は、構造的強化を施されたことに関連するトレーラの重量に関係している。このようなトレーラは、典型的には、列車移動の際に生じる力に対処するために比較的多量の鋼を含み、場合によってはトレーラが道路および線路の両方で移動するのを可能にするための構成要素を有するため、トレーラの車体重量が比較的高くなることにより、道路を介してトレーラが輸送することが可能な重量が制限される。さらに、このような鉄道車は、独特の構成を有することにより、および平常の列車の力に対応するようなボギー台車の結合が不可能であることにより、他の鉄道輸送との適合が不可能であるため、一般的には専用の鉄道運行を要する。
【0007】
[0007]これまで、本発明の利点および特徴を有するインターモーダル輸送システムは存在しなかった。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
[0008]貨物トレーラが鉄道車上で輸送される際に、貨物トレーラ同士が連結された状態に留められる、相互連結された貨物トレーラを輸送するように構成された相互連結された鉄道車を有するインターモーダル輸送システムを提示する。各トレーラは、組付け区域にてトレーラアセンブリへと組み付けられる。貨物を含むトレーラが、専用ドリーを使用してトレーラアセンブリへと組み付けられる。自己動力付きドリーが、タイヤを有し、トレーラのキングピンに係合するために、第5車輪ピックアッププレートおよびリング継手を取り付けられる。複数のドリー−トレーラアセンブリが、一体的に連結されて、トレーラアセンブリを形成する。自己動力付き可動傾斜板が、鉄道車アセンブリの端部に位置決めされ、トラクタが、自己動力付き可動傾斜板を上に駆動されることによって鉄道車アセンブリ上へと、および複数の鉄道車の頂部間をまたいで、トレーラアセンブリを引く。
【0009】
[0009]鉄道車アセンブリは、確動無弛緩連結部を使用して半恒久的に一体的に相互連結された、平坦デッキを有する2つ以上の鉄道用スパインカーからなる。枢動プレートが、アセンブリの各鉄道車同士の間の間隙に架けられることにより、トレーラアセンブリは、鉄道車アセンブリを全体にわたって駆動することが可能になり、鉄道車は、線路中の進路変更部分に差し掛かった際に関節運動することが可能となる。各鉄道車の長さにわたって延在するチャネルにより、輸送の際に鉄道車にドリーおよびトレーラを固定的に装着することが可能となる。
【0010】
[0010]従来の鉄道連結器を使用することにより、2つ以上の鉄道車アセンブリが一体的に連結されてもよい。鉄道車アセンブリは、独自の列車へと組み付けられるか、または従来の鉄道車を含む列車に一体化される。鉄道車アセンブリは、機関車により別の組付け区域まで牽引され、そこで、鉄道車アセンブリは、側線上へと切り離される。トレーラアセンブリは、上述の積込み処置と同様の態様で鉄道車から駆動されて離れ、各トレーラが、局地的な目的地へと運送される。さらに、2つ以上のトレーラが、ドリーにより連結された状態に留められ、単一のトラクタによりそれらの局地的な目的地へと運送されてもよい。
【0011】
[0011]以下の図面は、本明細書の一部を構成し、本発明の例示の実施形態を含み、それらの種々の目的および特徴を示す。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】[0012]本発明の原理を用いたインターモーダル輸送システムの平面図である。
【図2】[0013]トラクタがトレーラの方に後退され、ドリーがトレーラの方に後退される、概して図1の円2−5内における、本発明の原理を用いたトラクタ−ドリー−トレーラ組付け手順の拡大平面図である。
【図3】[0014]トラクタ−トレーラアセンブリがドリー−トレーラアセンブリの方向に移動される、概して図1の円2−5内におけるトラクタ−ドリー−トレーラ組付け手順の拡大平面図である。
【図4】[0015]ドリー−トレーラアセンブリがトラクタ−トレーラアセンブリの方向に牽引される、概して図1の円2−5内におけるトラクタ−ドリー−トレーラ組付け手順の拡大平面図である。
【図5】[0016]一連のドリー−トレーラアセンブリがトラクタ−トレーラアセンブリと一体的に連結された、概して図1の円2−5内におけるトラクタ−ドリー−トレーラ組付け手順の拡大平面図である。
【図6】[0017]図2に示す本発明の原理を具現化したトラクタ−ドリー−トレーラ組付け手順の側面立面図である。
【図7】[0018]図3に示す本発明の原理を具現化したトラクタ−ドリー−トレーラ組付け手順の側面立面図である。
【図8】[0019]図4に示す本発明の原理を具現化したトラクタ−ドリー−トレーラ組付け手順の側面立面図である。
【図9】[0020]図5に示す本発明の原理を具現化したトラクタ−ドリー−トレーラ組付け手順の側面立面図である。
【図10】[0021]概して図7の円10内におけるドリー組付けの拡大側面立面図である。
【図11】[0022]概して図8の円11内におけるドリー組付けの拡大側面立面図である。
【図12】[0023]概して図9の円12内におけるドリー組付けの拡大側面立面図である。
【図13】[0024]本発明の原理を具現化したトレーラの後部の立面図である。
【図14】[0025]本発明の原理を具現化したインターモーダル輸送システムの鉄道車アセンブリおよび可動鉄道車導板の側面立面図である。
【図15】[0026]本発明の原理を具現化した鉄道車アセンブリの上へのトラクタトレーラアセンブリの積込みの側面立面図である。
【図16】[0027]概して図14の円16内における可動鉄道車導板の拡大図である。
【図17】[0028]概して図14の円17内における鉄道車用ボギー台車および鉄道車の相互連結部の拡大図である。
【図18】[0029]概して図14の円18内における鉄道車アセンブリ同士の間の結合部の拡大図である。
【図19】[0030]本発明の原理を具現化した、鉄道車アセンブリに固定されたトラクタトレーラアセンブリの側面立面図である。
【図20】[0031]係留アセンブリの横ロッドを示す図19の鉄道車アセンブリの平面図である。
【図21】[0032]トレーラ係留アセンブリの拡大図である。
【図22】[0033]鉄道車アセンブリの等角断面図である。
【図23】[0034]トラクタ−トレーラアセンブリがドリー−トレーラアセンブリの方向に移動される、代替の一実施形態のドリー−トレーラアセンブリの側面立面図である。
【図24】[0035]ドリー−トレーラアセンブリがトラクタ−トレーラアセンブリの方向に牽引される、代替の一実施形態のドリー−トレーラアセンブリの側面立面図である。
【図25】[0036]ドリー−トレーラアセンブリがトラクタ−トレーラアセンブリに連結される、代替の一実施形態のドリー−トレーラアセンブリの側面立面図である。
【図26】[0037]貨物トレーラの積み降ろしのために使用されるクレーントラックを含む、代替の一実施形態のインターモーダル輸送システムの側面立面図である。
【図27】[0038]クレーントラックが線路に沿って配置された、図26の代替の実施形態の立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
I.序論および環境
[0039]必要に応じて、本発明の詳細な態様を本明細書で開示するが、この開示の態様は、本発明の単なる例示に過ぎず、本発明は、様々な形態で具現化し得ることを理解されたい。したがって、本明細書に開示する特定の構造的詳細および機能的詳細は、限定的なものとして解釈されるべきではなく、専ら特許請求の範囲の土台としてのみ、および、事実上あらゆる適切に詳述される構造において本発明がいかに多様に使用し得るかを当業者に教示するための代表的な土台としてのみ解釈されるべきである。
【0014】
[0040]以下の説明においては、一定の述語が、専ら参照時の便宜上の理由から使用され、限定的なものではない。例えば、上、下、前、後、右、および左は、参照する図面における配向にしたがって本発明に言及するものである。「内方に」および「外方に」という語は、説明される態様およびその指定部分の幾何学的中心に対して、それぞれそれに向かうおよびそれから離れる方向を指す。前方に、および後方に、は、該当する限りにおいては概して移動方向に関するものである。前記の述語は、具体的に述べた語、その派生語、および類義語を含む。
II.好ましい実施形態のインターモーダル輸送システム2
[0041]図面を参照すると、図1〜図20は、本発明の原理を具現化したインターモーダル輸送システム2を示す。システム2は、概して、トラクタ36およびトレーラ12のアセンブリと、専用の鉄道用長物車90とを用いた貨物移動からなる。インターモーダル輸送システム2の組付け区域4は、隣接の引込み線8を有する本線線路6からなる。線路6および引込み線8は、機関車(図示せず)および鉄道用長物車90のフランジ付き車輪を受けるように適切に離間された平行関係にある列車用レールからなる。引込み線8は、レール同士の間におよび線路の外周部に沿って、レールヘッドの高さまで舗装された道路10を有し、それにより、トラクタ36、ドリー56、およびトレーラ12を組付け区域4内で操作することが可能となる。貨物を含むトレーラ12は、従来的な動力を有する、およびハイブリッド動力を有するトラクタ36によって、組付け区域4へと運送される。同一の鉄道目的地に向かう複数のトレーラ12が、トレーラ12および専用のドリー56を組み合わせることにより、ドリー−トレーラアセンブリ82へと一体的に組み付けられる(図2〜図5)。ドリー−トレーラアセンブリ82は、トラクタ36およびトレーラ12からなるトラクタ−トレーラアセンブリ80に連結される(図15)。トレーラアセンブリ84は、2つ以上の半恒久的鉄道車アセンブリ86へと組み付けられた専用鉄道用長物車90のデッキ94の上へと駆動される。トレーラアセンブリ84は、係留具35により鉄道車90に固定され、それらの鉄道目的地へと輸送される間は一体的に連結された状態に留まる(図19)。トレーラアセンブリ84が装着された複数の鉄道車アセンブリ86を、列車へと組み付けることができる。目的地に到着するまで、機関車が、路線に沿ってこの列車を輸送する。鉄道車アセンブリ86は、列車から切り離され、荷降ろしのために引込み線8へと移動される。トレーラアセンブリ84は、鉄道車90から離れて、組付け区域4へと駆動される。トレーラアセンブリ84は、個別のトレーラ12へと切り離され、補助的な現場のトラクタ36が、1つまたは複数のトレーラ12をそれらの局地的な目的地へとへと運送する。各インターモーダル組付け区域4では、トレーラアセンブリ84の組付けおよび組付け解除は、トラクタ36を用いて実現してもよい。
III.トレーラ12、ドリー56、およびトラクタ36の組付け
[0042]概して図2〜図12を参照として、トラクタ36へのトレーラ12の組付けを示し、説明する。図2を参照すると、貨物の州間幹線道路輸送に適した従来のトレーラ12は、後方端部の回転自在に配設されたタイヤ16を有する一対の車軸アセンブリ14と、前方端部のキングピン22を有する担持プレート20とからなる。トレーラ12は、トラクタ36またはドリー56から装着解除された場合にトレーラ12を支持するための、トレーラ12から垂下する着地装置26を有する。後方バンパ28が、ドリー56のリング継手70を受けるためのピントルフック30と、油圧ジャッキ72の端部を受けるためのレシーバ32とを有する(図13)。従来のトレーラ12を示し説明するが、トレーラ12は、コンテナ・オン・シャシアセンブリ(図示せず)と置き換えることが可能である。ハイブリッド動力トラクタ36は、下面に前方タイヤ40が取り付けられたフレーム38と、タイヤ44を有する一対の車軸アセンブリ42とを有する。フレーム38の頂部は、その前方端部に運転席46と、トラクタ36に動力を与えるためのハイブリッド動力エンジン(図示せず)とを取り付けられる。後方端部の第5車輪ピックアッププレート50が、トレーラ12のキングピン22に係合する。州間幹線道路輸送に適する専用ドリー56が、トレーラ12をトレーラアセンブリ84へと連結するために用意される。ドリー56は、フレーム62に取り付けられた、タイヤ60を有する1つまたは2つの車軸アセンブリ58からなる。ドリー56は、車軸アセンブリ58に作動自在に連結された電気モータ65による独立的な自己動力を有する。電気モータ65は、バッテリ64により、または代替的にはガソリン動力モータもしくは天然ガス動力モータなどの他の動力源により動力を与えられる。ドリー56が、トレーラ12に連結されると、バッテリが、トラクタ36によって供給される電力より再充電される。フレーム62の後部は、トレーラ12のキングピン22に係合するための第5車輪ピックアッププレート66を有する。牽引バー68が、フレーム62から前方に延在し、前方端部上にはトレーラ12のピントルフック30に係合するためのリング継手70を有する。米国インディアナ州Elkhart在のEqualizer Systems社製のモデルAJ−45ジャッキなどの油圧ジャッキ72が、牽引バー68の頂部上に設置され、トレーラ12の後方バンパ28中のレシーバ32に係合するようにリング継手72を越えて前方に延伸するストローク長を有する。バッテリ74および油圧ポンプ76などの動力源により、トラクタ36への動力接続を要することなく、油圧ジャッキ72の独立的な作動が可能となる。
【0015】
[0043]トレーラアセンブリ84の形成は、初めにトレーラ12にドリー56を連結することにより達成される(図2および図6)。ドリー56は、手動的にもしくはトラクタ36によってなど機械的に押されるか、または電気モータ65に係合することにより、トレーラ12の方向に移動されて、ピックアッププレート66をキングピン22に係合させる。複数のドリー56およびトレーラ12の組合せが、他のドリー−トレーラアセンブリ82との、またはトラクタ−トレーラアセンブリ80との継合に備えて組み付けられ得る。次に、トラクタ36が、トレーラ12に連結されて、ピックアッププレート50が、トレーラ12のキングピン22に係合される。トレーラアセンブリ84の組付けは、トラクタ−トレーラアセンブリ80がドリー−トレーラアセンブリ82の方向に後退して、トレーラ12のバンパ28上のレシーバ32がドリー56上の油圧ジャッキ72の正面に、およびこの油圧ジャッキ72に届く範囲内に位置すると、行われる(図3、図7、および図10)。油圧ジャッキ72は、延伸されてレシーバ32に係合し、次いで収縮されてドリー−トレーラアセンブリ82を前方トレーラ12のバンパ23の方向に引き、前方トレーラ12のピントルフック30に対してドリー56上のリング継手70を固定的に係合させる(図4、図8、および図11)。流体/電気連結器34が、トレーラ12とドリー56との間に形成されて、車軸アセンブリ14、58に対して照明電力および制動力を供給し、バッテリ74を再充電させる。所望の数のトレーラ12がトレーラアセンブリ84へと一体的に組み合わされるまで、必要に応じて、さらなるドリー−トレーラアセンブリ82を、最後方ドリー−トレーラアセンブリ82に継合させることが可能である(図5、図9、および図12)。
IV.鉄道用長物車90および動力付き導板120
[0044]図14を参照として、鉄道車アセンブリ86および動力付き導板120を示し説明する。各鉄道用長物車90は、鉄道用スパインカーと同様の細い中央フレーム92からなり、このフレーム92は、上にトレーラアセンブリ84を載せるのに十分な広さの幅を有する、フレーム92の長さにわたり延在するデッキ94を受けるように構成される。2車軸ボギー台車96が、各長物車90の端部に配設される。図17を参照すると、各ボギー台車96は、主線6および引込み線8のレールに係合するように各端部にフランジ付き鉄道車輪102を有する車軸100を回転自在に取り付けられたフレーム98からなる。車輪102は、約83.8cm(約33インチ)の直径を有し、それにより、従来の鉄道用長物車のデッキ94の全高が、比較的低くなる。一対の橋脚部104により、各外方フレーム98aが内方フレーム98bに連結され、鉄道車90のフレーム92に対する支持が与えられる。ボギー台車96の懸架装置107に連結される横部材106により、枢動プレート108に対する支持が与えられる。鉄道車アセンブリ86の各鉄道車90は、米国イリノイ州シカゴ在のCardwell Westinghouse社製の球関節継手などの確動無弛緩連結部(図示せず)により相互連結される。鉄道車アセンブリ86同士の間の連結部には、デッキ94と接触状態にある枢動プレート108が、隣接し合う鉄道車90の端部に重畳し、枢動ピン110により横部材106に連結される。枢動プレート108は、鉄道車90のデッキ94同士の間の間隙にわたって架けられ、それにより積み降ろしプロセスの際にトレーラアセンブリ84は複数の鉄道車90を全体にわたって駆動することが可能となる。各鉄道車アセンブリ86の終端端部114には、ボギー台車96および従来の顎型連結器112が位置する。顎型連結器112は、鉄道車アセンブリ86を、別の鉄道車アセンブリ86に、または列車の別の車両に継合する。2つの鉄道車アセンブリ86が一体的に継合されると、2つのクロスランプ118が、鉄道車90のデッキ94同士の間に間隙にわたって架けられ、それにより、トレーラアセンブリ84が妨げを伴わずに複数の鉄道車90を全体にわたって駆動することが可能となる。
【0016】
[0045]鉄道車アセンブリ86からのトレーラアセンブリ84の積み降ろしは、自己動力付き可動導板120によって容易化される。図16を参照すると、可動導板120は、前方駆動輪122および後続後輪124の対を取り付けられた傾斜板126からなる。車輪122、124は、傾斜板126に緩い勾配を与えるように、寸法設定され配置される。駆動輪122は、導板120を引込み線8に沿って鉄道車アセンブリ86の終端端部114まで移動させるために、動力源128に作動自在に連結される。2つのクロスランプ118が、導板120と鉄道車アセンブリ86の終端端部との間に架けられる。
V.鉄道車アセンブリ86上へのトレーラアセンブリ84の積込み
[0046]図15、図19〜図21を参照として、鉄道車アセンブリ86の上へのトレーラアセンブリ84の積み降ろしを示し説明する。導板120が、トレーラアセンブリ84の積み下ろしのために、鉄道車アセンブリ86の終端端部114の中の1つまたは複数に位置決めされる。インターモーダル輸送システム2を用いた輸送が可能な状態のトレーラアセンブリ84が、傾斜板126を上方に、および鉄道車アセンブリ86の上へと駆動される(図15)。本例においては2つのトレーラ12のみを示すが、多数のトレーラ12をトレーラアセンブリ84へと組み付け、鉄道車アセンブリ86上へと駆動させることが可能である。トレーラアセンブリ84は、鉄道車90の頂部上に位置決めされ、1つのトレーラ12が、各鉄道車90の上に配置される。トレーラアセンブリ84は、トランジットの間は一体的に連結された状態に留められる。各トレーラ12は、トレーラ12の後方端部から垂下する係留具35によって各鉄道車に固定される(図21)。係留具35は、各鉄道車90の長さにわたり延在するチャネル115内において横ロッド116に装着される。それぞれトラクタ36、トレーラ12、ならびにドリー56に装着されるタイヤ44、16、および60は、列車の移動中に鉄道車アセンブリ86上におけるトレーラアセンブリ84の移動を緩和するのに十分な弾力性および可撓性をもたらす専用タイヤである。
【0017】
[0047]鉄道車アセンブリ86の積み降ろしの後で、導板120は、終端端部114から離れる方に移動され、鉄道車アセンブリ86は、引込み線8から移動され、列車へと編成することが可能となる。
III.代替的な実施形態または態様のインターモーダル輸送システム2
[0048]本発明の別の実施形態または態様を含むインターモーダル輸送システム2が、図23〜図25に示され、これは、ドリー−トレーラアセンブリ82をトレーラ12の後部に連結するための電動ウィンチ200を有するドリー56を備える。ウィンチ200は、電気モータ204に連結され、反対側の端部にフック206を有するケーブル202からなる。バッテリ208などの電源により、トラクタ36への動力接続の必要性を伴うことなく、ウィンチ200を独立的に作動させることが可能となる。ウィンチ200は、トラクタ−トレーラアセンブリ80およびドリー−トレーラアセンブリ82の組付けに関連して上述した油圧ジャッキ72と同一の様式で作動する。トラクタ−トレーラアセンブリ80は、ドリー−トレーラアセンブリ82の付近に後退され、フック206が、トレーラ12のバンパ28中のレシーバ32に固定される(図22〜図23)。ウィンチ204は、ケーブル202を引き込み、ドリー−トレーラアセンブリ82を前方トレーラ12のバンパ28の方向に引き、前方トレーラ12のピントルフック30に対してドリー56上のリング継手70を固定的に係合させる(図24)。空気/電気連結器34が、トレーラ12とドリー56との間に形成されて、車軸アセンブリ14、58に対して照明電力および制動力を供給し、バッテリ208を再充電させる。上述のように、さらなるドリー−トレーラアセンブリ82を一体的に継合させることが可能である。
IV.代替的な実施形態または態様のインターモーダル輸送システム302
[0049]本発明の別の代替的な実施形態を含むインターモーダル輸送システム302が、図26〜図27に示され、これは、Kalmar Model DRFリーチスタッカクレーントラックなどのクレーントラック304を備える。クレーントラック304は、クレーン主要アーム306、クレーンアーム油圧支持部308、クレーンリフトアーム310、およびクレーン油圧ポッド312を備える。
【0018】
[0050]図26は、相互連結された鉄道車90の上に積載されたクレーントラック304を用いて、鉄道車90から貨物トレーラ12を降ろすのを示す。クレーントラック304は、クレーンリフトアーム310によりトレーラ12を持ち上げ、線路に隣接する地面の上にトレーラを配置することが可能である。次いで、クレーントラック304は、相互連結された鉄道車90に沿って進み、次のトレーラを持ち上げて降ろす。このパターンは、全てのトレーラが降ろされるまで続けることが可能である。この荷降ろしプロセスの際に、クレーントラック304に連結された油圧ポッド312が、鉄道車90のいずれの側にも下降し、地面からクレーントラック304を支持する。
【0019】
[0051]図27は、クレーントラック304がレール6に隣接する地面の上に位置する際の、鉄道車90からの貨物トレーラ12の積み降ろしを示す。この特定の積み降ろし方法においては、クレーントラック304は、実際の鉄道車の上に積み込まれることなく、鉄道車90に隣接して移動する。
【0020】
[0052]このインターモーダル輸送システム2の構成要素は、様々な他の適用例に対しても使用することが可能であることが理解されよう。さらに、このインターモーダル輸送システム2の構成要素は、様々な製造技術および作製技術を用いて、様々なサイズでおよび多様な適切な材料から作製することが可能である。
【0021】
[0053]本発明のいくつかの態様を示し説明したが、本発明は、それらに限定されず、様々な他の実施形態および態様を包含することを理解されたい。
以上、本発明を説明したが、新規のものとしておよび特許証による保護を求めるものとして特許請求する内容は、以下の通りである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貨物を移動させるためのインターモーダル輸送システムであって、
キングピンコネクタをそれぞれが備える複数の個別の貨物トレーラと、
前記相互連結された貨物トレーラを輸送するように構成された複数の相互連結された鉄道車からなる鉄道車アセンブリと、
線路間で前記鉄道車を輸送するように構成された機関車または他の手段と、
前記貨物トレーラのキングピンに係合するように構成された複数の自己動力付きドリーと、
前記相互連結された貨物トレーラを前記相互連結された鉄道車の上へと積み込むように構成された自己動力付き可動傾斜板と、
貨物トレーラを牽引するように構成されたトラクタと
を含み、
前記相互連結された貨物トレーラは、前記自己動力付きドリーに連結されて、一連の相互連結された貨物トレーラを形成し、前記トラクタは、前記一連のトレーラの一方の端部に取り付けられ、前記トラクタは、前記自己動力付き可動傾斜板を介して前記相互連結された鉄道車の上に前記トレーラを引く、インターモーダル輸送システム。
【請求項2】
前記鉄道車アセンブリは、平坦デッキを備える2つ以上の鉄道用スパインカーを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記鉄道用スパインカーは、確動無弛緩連結部を使用して半恒久的に相互連結される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記鉄道車は、各鉄道車の長さにわたって延在するチャネルを備え、前記チャネルは、前記鉄道車の上に、前記自己動力付きドリー、前記相互連結された貨物トレーラ、および前記トラクタを固定するように構成される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記鉄道車アセンブリの各相互連結鉄道車同士の間の間隙に架けられる枢動プレート
を含み、
前記枢動プレートは、線路中の進路変更部分に差し掛かった際に、前記鉄道車が関節運動するのを可能にするように構成され、
前記枢動プレートは、前記トラクタおよび前記相互連結された貨物トレーラが、ある相互連結された鉄道車から隣接する相互連結された鉄道車に進むのを可能にするように構成される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記貨物トレーラを積み降ろしするための組付け区域を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記機関車および前記鉄道車の車輪を受けるように適切に離間された平行関係にある列車用レールからなる主線線路と、
前記本線線路から分岐し前記組付け区域に至る引込み線と、
前記引込み線のレール同士の間に延在し、前記引込み線のレールヘッドの高さまで舗装により均された、標準的なトラクタおよびトレーラの通行向けに構成された舗装道路と
を含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記貨物トレーラは、貨物の州間幹線道路輸送に適する、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
貨物を移動するためのインターモーダル輸送システムであって、
キングピンコネクタをそれぞれが備える、貨物の州間幹線道路輸送に適した複数の個別の貨物トレーラと、
州間幹線道路輸送に適した、前記貨物トレーラを牽引するように構成されたトラクタと、
前記相互連結された貨物トレーラを輸送するように構成された複数の相互連結された鉄道車からなる鉄道車アセンブリと、
前記機関車および前記鉄道車の車輪を受けるように適切に離間された平行関係にある列車用レールからなる主線線路と、
前記主線線路から分岐し組付け区域に至る引込み線と、
前記引込み線のレール同士の間に延在し、前記引込み線のレールヘッドの高さまで舗装により均された、標準的なトラクタおよびトレーラの通行向けに構成された舗装道路と、
前記鉄道車アセンブリの上に前記貨物トレーラを積み降ろしするための組付け区域であり、
前記鉄道車は、平坦デッキを備える鉄道用スパインカーを含み、
前記鉄道車は、確動無弛緩連結部を使用して半恒久的に相互連結される、
組付け区域と、
線路間で前記鉄道車を輸送するように構成された機関車または他の手段と、
前記貨物トレーラのキングピンに係合するように構成された複数の自己動力付きドリーであり、
前記鉄道車は、各鉄道車の長さにわたって延在するチャネルを備え、前記チャネルは、前記鉄道車の上に、前記自己動力付きドリー、前記相互連結された貨物トレーラ、および前記トラクタを固定するように構成される、
自己動力付きドリーと、
前記鉄道車アセンブリの各相互連結鉄道車同士の間の間隙に架けられる枢動プレートであり、
前記枢動プレートは、線路中の進路変更部分に差し掛かった際に前記鉄道車が関節運動するのを可能にするように、ならびに前記トラクタおよび前記相互連結された貨物トレーラがある相互連結された鉄道車から隣接する相互連結された鉄道車に進むのを可能にするように構成される、
枢動プレートと、
前記相互連結された貨物トレーラを前記相互連結された鉄道車の上へと積み込むように構成された自己動力付き可動傾斜板と
を含み、
前記相互連結された貨物トレーラは、前記自己動力付きドリーに連結されて、一連の相互連結された貨物トレーラを形成し、前記トラクタは、前記一連のトレーラの一方の端部に取り付けられ、前記トラクタは、前記自己動力付き可動傾斜板を介して前記相互連結された鉄道車の上に前記トレーラを引く、インターモーダル輸送システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公表番号】特表2013−506594(P2013−506594A)
【公表日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−532332(P2012−532332)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際出願番号】PCT/US2010/050995
【国際公開番号】WO2011/041604
【国際公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(512083702)
【Fターム(参考)】