説明

可動間仕切り装置

【課題】空間を仕切ったり開放したりする機能以外に半閉鎖的な空間を提供したり、机として利用できる可動間仕切り装置を提供する。
【解決手段】可動間仕切り装置1は、第1壁材10と第2壁材20と天板30と天板保持部50とを備える。第1壁材10は、幅方向一端側が部屋の上部に設けたレール60に沿って移動するように、鉛直方向に沿って保持される。第2壁材20は、幅方向一端側がレール60に沿って移動するように鉛直方向に沿って保持され、幅方向他端側が第1壁材10の幅方向他端側にヒンジを介して連結されている。天板30は、第1壁材10と第2壁材20とを略直角に交差させた状態で、第1壁材10及び第2壁材20に対して、上面が略垂直になるように保持される。天板保持部50は、第2壁材20に設けられ、天板30の使用時に、天板30の上面が第1壁材10及び第2壁材20に対してそれぞれ略垂直となるように天板30を保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可動間仕切り装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、2枚の戸板の端部同士がヒンジ部を介して折り畳み自在に連結され、ヒンジ部と反対側の端部で、各戸板の端部がレールに対して走行自在に取り付けられた折り畳み扉が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−165838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の折り畳み扉では、複数枚の戸板が折り畳まれると全開状態となり、複数枚の戸板がレールの延びる方向に沿って並べられると全閉状態となっている。このように、従来の間仕切り装置は、空間を仕切って2部屋にする全閉状態と、空間を開放して1部屋とする全開状態とで使用されるものであった。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、空間を仕切ったり開放したりする機能以外に半閉鎖的な空間を提供したり、机として利用できる可動間仕切り装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の可動間仕切り装置は、第1壁材と第2壁材と天板と天板保持部とを備える。第1壁材は、幅方向一端側が部屋の上部に設けたレールに沿って移動するように鉛直方向に沿って保持される。第2壁材は、幅方向一端側がレールに沿って移動するように鉛直方向に沿って保持され、幅方向他端側が第1壁材の幅方向他端側にヒンジを介して連結される。天板は、第1壁材と第2壁材とを略直角に交差させた状態で、第1壁材及び第2壁材に対して、上面が略垂直になるように保持される。天板保持部は、第1壁材及び第2壁材の内の少なくとも何れか一方に設けられ、天板の使用時に、天板の上面が両壁材に対して略垂直となるように天板を保持する。ここにおいて、第1壁材と第2壁材とを略直角に略直角に交差させた状態で、第1壁材及び第2壁材に対して、天板の上面が略垂直になるように保持されるとあるが、第1壁材及び第2壁材が交差する角度は直角に限定されるものではなく、第1壁材及び第2壁材に対して、天板の上面が略垂直になるように保持できるのであれば、第1壁材及び第2壁材を斜めに交差させてもよい。また、第1壁材及び第2壁材に対して天板の上面が略垂直になるように保持されるとあるが、第1壁材及び第2壁材に対して天板の上面のなす角度は直角に限定されるものではなく、天板の上面を作業面として利用可能な角度範囲であればよい。
【0007】
この可動間仕切り装置において、天板の非使用時に、天板が第1壁材の表面に沿わせた状態で保持されることも好ましい。
【0008】
この可動間仕切り装置において、天板が第1壁材の表面に沿わせた状態で保持される第1状態と、天板の上面が第1壁材の表面に対して略垂直となる第2状態との間で天板を回転自在に支持する支持部が、第1壁材に設けられることも好ましい。
【0009】
この可動間仕切り装置において、第1壁材には、天板の非使用時に、天板を第1壁材の表面に沿わせた状態で収納する第1収納部が設けられ、天板が第1収納部に収納された状態で、天板の表面と第1壁材の表面とが略同じ平面に納まっていることも好ましい。ここにおいて、天板の表面と第1壁材の表面とが略同じ平面に納まるとは、天板の表面と第1壁材の表面との間に段差がほとんど無く、略等レベル(所謂、面一)となっている状態をいう。
【0010】
この可動間仕切り装置において、第1壁材及び第2壁材の内、天板保持部が設けられた壁材には、天板保持部が天板を保持しない状態において天板保持部を収納する第2収納部が設けられることも好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、空間を仕切ったり開放したりする機能以外に半閉鎖的な空間を提供したり、机としても利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態の可動間仕切り装置を示し、(a)は折り畳まれた状態の斜視図、(b)は間仕切り時の斜視図、(c)は中間状態の斜視図、(d)は天板使用時の斜視図である。
【図2】同上の可動間仕切り装置を示し、(a)は天板収納時の斜視図、(b)は天板保持部を出した状態の斜視図、(c)は天板使用時の斜視図、(d)は天板使用時の矢視D図である。
【図3】同上の可動間仕切り装置の要部を示す分解斜視図である。
【図4】同上の可動間仕切り装置の使用状態図である。
【図5】可動間仕切り装置の別の形態を示し、(a)は天板収納状態を図1(c)のC1方向から見た図、(b)は天板を起こした状態を図1(c)のC1方向から見た図、(c)は天板ラッチ時の要部を図1(c)のC2方向から見た図である。
【図6】可動間仕切り装置のまた別の形態を示し、(a)は天板収納状態を図1(c)のC1方向から見た図、(b)は天板を起こした状態を図1(c)のC1方向から見た図、(c)は天板ラッチ時の要部を拡大した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本実施形態の可動間仕切り装置を図1〜図4を参照して説明する。
【0014】
図1(a)〜(d)は可動間仕切り装置1の各使用状態における斜視図、図3は可動間仕切り装置1の要部を示す分解斜視図である。この可動間仕切り装置1は、天板30が取り付けられた第1壁材10と、第2壁材20とを交互に2個ずつ連結して構成されている。
【0015】
図4は可動間仕切り装置1が設置された部屋100を示し、ユーザは、この可動間仕切り装置1を用いて、部屋100内を2つの空間101,102に仕切る状態と、2つの空間101,102を繋げて1部屋にする状態とを選択することができる。部屋100の天井付近には、2つの空間101,102の境界に沿って仕切り板103が設置されており、この仕切り板103には第1壁材10及び第2壁材20をスライド移動させるためのレール60が取り付けられている。
【0016】
第1壁材10及び第2壁材20は、それぞれ、外形寸法(高さ、幅、厚み)が略同じ矩形板状に形成されており、その高さ寸法は仕切り板103の下部から床面までの略全体を覆えるような寸法に設定されている。
【0017】
第1壁材10の幅方向一端側には、レール60にスライド移動自在に支持されるランナ11が設けられている。第2壁材20の幅方向一端側にも、レール60にスライド移動自在に支持されるランナ21が設けられている。そして、第1壁材10の幅方向他端側は、上部に設けられたヒンジ40を介して第2壁材20の幅方向他端側に連結されている。尚、第1壁材10及び第2壁材20の下側部にもランナ11,21と同様のランナ(図示せず)をそれぞれ設け、これらのランナを床に設けたレール(図示せず)にスライド自在に支持させれば、第1壁材10及び第2壁材20の保持状態が安定するが、床にレールがない場合もあり、第1壁材10及び第2壁材20の下側部にランナが設けられていなくてもよい。
【0018】
次に、第1壁材10に設けられた天板30について図1及び図2を参照して説明する。第1壁材10の下部には、他の部位よりも薄肉に形成されることで、天板30を収納する第1収納部12が設けられている。この第1収納部12には、天板30が軸31を中心として回転自在に収納されている。軸31は第1収納部12の上部に設けられている。天板30は、図2(a)に示すように第1収納部12内に全体が収納される第1状態と、図2(c)(d)に示すように第1収納部12から外に出て、第1壁材10の表面に対して略直交する第2状態との間で、支持部を構成する軸31を中心として回転自在となっている。ここで、天板30が第1収納部12内に収納されるまで天板30を回転させると天板30をラッチし、その後さらに天板30が押し込まれるとラッチが解除されて、天板30を第1収納部12の外側に押し出す機構が設けられていることも好ましい。尚、天板30は第1状態において第1収納部12内に全体が収納されているが、第1壁材10に第1収納部12が設けられておらず、第1状態において天板30が第1壁材10の表面に沿わせた状態で保持されるものでもよく、第2状態に比べて天板30の出っ張り量を小さくできる。
【0019】
第2壁材20には、天板30が第1壁材10に対して略直交する位置まで回転した状態で、天板30の側縁(第2壁材20の表面に接する側縁)を保持する天板保持部50が設けられている。天板保持部50は、第2壁材20の幅と略同じ長さの板状に形成されている。第2壁材20には天板30の上端位置に対応する高さ位置に溝21(第2収納部)が形成されている。天板保持部50は、溝21内に収納される状態(図2(a)参照)と、溝21から外にでて天板30を支持する状態(図2(b)参照)との間で、溝21内に設けられた軸52を中心に回転自在に支持されている。なお天板保持部50が溝21内に収納された状態では、第2壁材20の表面(溝21以外の部位)と天板保持部50の表面との間に段差ができないようになっている。また天板保持部50には、溝21から外に出された状態で、天板30の下面に設けられた溝32に係止する突起51が設けられている。尚、天板保持部50を回転させて溝21内に挿入させると天板保持部50をラッチし、その後さらに天板保持部50を溝21内に押し込むとラッチが解除されて天板保持部50を外側に押し出す機構が溝21内に設けられていてもよい。また天板保持部50は軸52を中心として回転自在に支持されているが、天板保持部50は第2壁材20に対してスライド自在に支持されていても良い。この場合にも、天板保持部50が溝21内に押し込まれると天板保持部50をラッチし、その後さらに天板保持部50を溝21内に押し込むとラッチが解除されて天板保持部50を外側に押し出す機構が溝21内に設けられていることが好ましい。
【0020】
ここで、天板30を使用する際には、ユーザは、第1壁材10及び第2壁材20をレール60に沿って移動させ、図2(a)に示すように第1壁材10と第2壁材20とを略直角に交差させた状態とする。次にユーザは、天板30を第1収納部12に収納された状態から、第1収納部12の外側に引き出して、天板30を90度以上回転させる。その後、ユーザは、天板保持部50を回転させて溝21から外側に出し、天板30を下側に下ろすと、天板30の溝32と天板保持部50の突起51とが係合し、天板30が天板保持部50によって支持される(図2(c)(d)参照)。この状態では、天板30が、第1壁材10及び第2壁材20に対してそれぞれ略垂直となるように支持され、天板30を作業面として使用することができる。尚、第1壁材10と第2壁材20とが略直角に交差するように、第1壁材10と第2壁材20とを開いた状態で、第1壁材10と第2壁材20との相対的な位置関係をラッチするラッチ部材(図示せず)が第1壁材10及び第2壁材20に設けられていてもよい。
【0021】
また天板30を第1収納部12内に収納する場合には、図2(c)(d)に示す状態からユーザが天板30の先端を上側に持ち上げて、溝32の外に突起51を出した後、天板保持部50を回転させて溝21内に収納させる。その後、ユーザが、天板30を下ろして、第1収納部12内に収納される位置まで天板30を回転させると、天板30の表面と第1壁材10の表面とが面一となった状態で天板30が第1壁材に保持される。
【0022】
次に可動間仕切り装置1の使用形態を図1に基づいて説明する。尚、図1では互いに連結された第1壁材10と第2壁材20との組を2組備えている。ここで、図1(b)中左側の組の第2壁材20と、図1(b)中右側の組の第1壁材10とがヒンジを介して連結されていれば、2組の第1壁材10及び第2壁材20を一続きの可動間仕切りとして使用することができる。また、隣接する組の壁材同士が連結されていなければ、第1壁材10及び第2壁材20の組を1つずつ個別に開閉することができる。
【0023】
図1(a)は、第1壁材10のランナ11と第2壁材20のランナ21とを互いに近付く方向にスライドさせることによって、第1壁材10と第2壁材20とがヒンジ40を介して折り畳まれ、レール60の片側に寄せられた状態(全開状態)を示している。この状態では部屋100内が開放され、空間101,102が繋げられ、1部屋として使用することができる。
【0024】
図1(b)は、第1壁材10のランナ11と第2壁材20のランナ21とが互いに離れる方向へスライドさせることによって、第1壁材10と第2壁材20とがレール60の配設方向に並んだ状態(全閉状態)を示している。この状態では部屋100の内部が可動間仕切り装置1によって2つの空間101,102に仕切られている。
【0025】
図1(c)は全開状態と全閉状態との間の状態を示し、第1壁材10のランナ11と第2壁材20のランナ21とをレール60に沿ってスライドさせることで、第1壁材10と第2壁材20とが略直角に交差した状態となっている。
【0026】
この状態で、第1壁材10の第1収納部12に収納された天板30を起こして、天板30の上面が第1壁材10及び第2壁材20に対して略垂直となるように天板保持部50で天板30を保持させると、図1(d)及び図4に示す状態となる。この状態では天板30の上面が第1壁材10及び第2壁材20に対して略垂直な状態(すなわち水平な状態)で保持されるから、天板30を簡易的な机として使用することができる。また、第1壁材10と第2壁材20とが略直角に交差した状態で、第1壁材10と第2壁材20とでできる隅に天板30が配置されるから、天板30に正対して置かれた椅子70に座った人から見て、正面と一方の側面が壁材で閉塞されることになる。したがって、第1壁材10と第2壁材20とで半閉鎖的な空間を作ることができるから、天板30を利用して、落ち着いた雰囲気で作業が行える。尚、第1壁材10及び第2壁材20と反対側の空間は開放されているので、椅子70に座った人が感じる閉塞感を低減することができる。
【0027】
以上説明したように、本実施形態の可動間仕切り装置1は、第1壁材10と第2壁材20と天板30と天板保持部50とを備える。第1壁材10は、幅方向一端側が部屋の上部に設けたレール60に沿って移動するように鉛直方向に沿って保持される。第2壁材20は、幅方向一端側がレール60に沿って移動するように鉛直方向に沿って保持され、幅方向他端側が第1壁材10の幅方向他端側にヒンジ40を介して連結されている。すなわち第1壁材10及び第2壁材20の幅方向一端側近傍に、ランナ11,12が設けられ、これらランナ11,12がレール60上を移動することによって、結果として幅方向一端側がレール60に沿って移動することになる。また天板30は、第1壁材10と第2壁材20とを略直角に交差させた状態で、第1壁材10及び第2壁材20に対して、上面が略垂直になるように保持される。天板保持部50は、第1壁材10及び第2壁材20の内の少なくとも何れか一方に設けられ、天板30の使用時に、天板30の上面が両壁材10,20に対して略垂直となるように天板30を保持する。
【0028】
これにより、第1壁材10と第2壁材20とを略直角に交差させた状態で、天板保持部50によって、第1壁材10及び第2壁材20に対して上面が略垂直になるように天板30が保持されるので、この天板30を机として使用することができる。また、第1壁材10と第2壁材20とでできる隅に天板30が配置されるから、第1壁材10と第2壁材20とで半閉鎖的な空間を作ることができ、天板30を利用し、落ち着いた雰囲気で作業が行える。また、天板30が配置される空間は、第1壁材10や第2壁材20によって完全には閉塞されていないので、ある程度の開放感を持たせることもできる。ここにおいて、本実施形態では、第1壁材10と第2壁材20とを略直角に略直角に交差させた状態で、第1壁材10及び第2壁材20に対して、天板30の上面が略垂直になるように保持されるのであるが、第1壁材10及び第2壁材20が交差する角度は直角に限定されるものではない。すなわち、第1壁材10及び第2壁材20に対して、天板30の上面が略垂直になるように保持できるのであれば、第1壁材10及び第2壁材20を斜めに交差させてもよい。また、第1壁材10及び第2壁材20に対して天板30の上面が略垂直になるように保持されるとあるが、第1壁材10及び第2壁材20に対して天板30の上面のなす角度は直角に限定されるものではなく、天板30の上面を作業面として利用可能な角度範囲であればよい。尚、本実施形態では第2壁材20に天板保持部50が設けられているが、第1壁材10側に天板保持部50が設けられてもよいし、第1壁材10と第2壁材20の両方に天板保持部50が設けられていてもよい。
【0029】
また、本実施形態の可動間仕切り装置1では、天板30の非使用時に、天板30が第1壁材10の表面に沿わせた状態で保持されている。
【0030】
これにより、天板30を使用しない場合には、天板30が第1壁材10の表面に沿わせた状態で保持されるから、非使用時に天板30が邪魔にならず、また天板30が目立ちにくくなる。尚、本実施形態では天板30は第1壁材10に対して回転自在に支持されているが、第1壁材10と分離して設けられた天板30が、第1壁材10の第1収納部12に収納されるようにしてもよい。すなわち、天板30が第1収納部12に着脱自在に収納され、天板30を使用する際には第1収納部12から天板30を取り出し、第1壁材10及び第2壁材20に対して略垂直な状態で第1壁材10及び第2壁材20に保持させれば良い。
【0031】
また本実施形態の可動間仕切り装置1では、天板30が第1壁材10の表面に沿わせた状態で保持される第1状態と、天板30の上面が第1壁材10の表面に対して略垂直となる第2状態との間で、天板30を回転自在に支持する支持部(軸31)が、第1壁材10に設けられている。
【0032】
これにより、天板30を支持部の周りに回転させることで、第1状態と第2状態とを容易に切り替えることができる。また天板30は、第1壁材10に回転自在に支持されているので、天板30を紛失する可能性を低減できる。
【0033】
また本実施形態の可動間仕切り装置1では、天板30の非使用時に、天板30を第1壁材10の表面に沿わせた状態で収納する第1収納部12が第1壁材10に設けられ、天板30が第1収納部12に収納された状態で、天板30の表面と第1壁材10の表面とが略同じ平面に納まっている。すなわち、天板30の表面と第1壁材10の表面との間に段差がほとんど無く、略等レベルとなっている。
【0034】
これにより、天板30が第1収納部12に収納された状態で、第1壁材10の表面と天板30の表面との間にできる段差(凹凸)を少なくできるから、第1壁材10の外観の見栄えが良くなり、意匠性を向上させることができる。
【0035】
また本実施形態の可動間仕切り装置1では、第1壁材10及び第2壁材20の内、天板保持部50が設けられた壁材(本実施形態では第2壁材20)に、天板保持部50が天板30を保持しない状態において天板保持部50を収納する第2収納部(上記の溝21)が設けられている。
【0036】
これにより、天板保持部50を使用しない場合には天板保持部50が第2収納部に収納されるから、非使用時において天板保持部50が目立ちにくくなり、壁材の意匠性を向上させることができる。
【0037】
尚、天板保持部50は上記の実施形態に限定されるものではなく、天板30を保持可能であれば、他の形態でもよい。
【0038】
例えば図5(a)〜(c)に示すように、天板保持部53が、第2壁材20に設けられた溝22内に起伏自在に設けられた支持片54で構成されていてもよい。支持片54は、溝22の上側に設けられた軸23を中心に回転自在に支持され、図5(c)中の左回りに回転して溝22内に収納される位置と、図5(c)中の右回りに回転して溝22の外に出る位置(天板30の下面と当接する位置)との間で移動自在となっている。支持片54は、収納状態から約90度回転して図5(c)に示す位置まで移動した状態でラッチされており、この状態で天板30の下面に設けられた突起33が係止する溝54が設けられている。而して、第1壁材10に対して天板30が略垂直となる位置まで回転させた状態で、支持片54を溝22の外側に出し、突起33と溝54とを係止させることによって天板50が保持されるようになっている。尚、この場合にも、支持片54が溝22内に押し込まれると支持片54を収納状態でラッチし、その後さらに支持片54を溝22内に押し込むとラッチが解除されて支持片54を外側に出す機構が溝22内に設けられていることが好ましい。
【0039】
また図6(a)〜(c)に示すように、第2壁材20に対して、第2壁材20の表面と平行な面内で回転自在に取り付けられた支持片56で天板保持部55が構成されていてもよい。支持片56の一端側は、第2壁材20に設けられた軸57に回転自在に支持されており、図6(a)(b)に示すように鉛直方向に起立した状態と、図6(c)に示すように水平方向に倒れた状態との間で回転自在となっている。この支持片56には、図6(c)に示すように天板30が第1壁材10に対して略直交する位置まで回転した状態で、第1壁材10の表面(図6(c)における下面)に設けられた突起34が係合する溝58が形成されている。この支持片56は、鉛直方向に起立した状態から水平方向に倒れた状態まで図6中左回りに回転すると、第2壁材20に設けられた回り止め(図示せず)に当接することでそれ以上回転できないようになっている。而して、支持片56が水平方向に倒れた状態で、天板30の突起34が支持片56の溝58に係合することによって、天板30が第1壁材10に対して略直交する状態で保持されるのである。尚、天板30を第1収納部12内に収納する場合には、図6(c)に示す状態から天板30の先端側を上側に持ち上げて、突起34を溝58から外に出した後、天板保持部50を図中右回りに回転させて、天板保持部50を起立させた状態とする。天板保持部50が鉛直方向に沿うように起立した状態では天板30は天板保持部50に干渉せず、天板30を図中右回りに回転させることで、天板30を第1収納部12内に収納させることができる。
【符号の説明】
【0040】
1 可動間仕切り装置
10 第1壁材
20 第2壁材
30 天板
40 ヒンジ
50 天板保持部
60 レール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
幅方向一端側が部屋の上部に設けたレールに沿って移動するように鉛直方向に沿って保持された第1壁材と、
幅方向一端側が前記レールに沿って移動するように鉛直方向に沿って保持され、幅方向他端側が前記第1壁材の幅方向他端側にヒンジを介して連結された第2壁材と、
前記第1壁材と前記第2壁材とを略直角に交差させた状態で、前記第1壁材及び前記第2壁材に対して、上面が略垂直になるように保持される天板と、
前記第1壁材及び前記第2壁材の内の少なくとも何れか一方に設けられ、前記天板の使用時に、前記天板の上面が前記両壁材に対して略垂直となるように前記天板を保持する天板保持部とを備えたことを特徴とする可動間仕切り装置。
【請求項2】
前記天板の非使用時に、前記天板が前記第1壁材の表面に沿わせた状態で保持されることを特徴とする請求項1記載の可動間仕切り装置。
【請求項3】
前記天板が前記第1壁材の表面に沿わせた状態で保持される第1状態と、前記天板の上面が前記第1壁材の表面に対して略垂直となる第2状態との間で前記天板を回転自在に支持する支持部が、前記第1壁材に設けられたことを特徴とする請求項2記載の可動間仕切り装置。
【請求項4】
前記第1壁材には、前記天板の非使用時に、前記天板を前記第1壁材の表面に沿わせた状態で収納する第1収納部が設けられ、前記天板が前記第1収納部に収納された状態で、前記天板の表面と前記第1壁材の表面とが略同じ平面に納まっていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の可動間仕切り装置。
【請求項5】
前記第1壁材及び前記第2壁材の内、前記天板保持部が設けられた壁材には、前記天板保持部が前記天板を保持しない状態において前記天板保持部を収納する第2収納部が設けられたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の可動間仕切り装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−225092(P2012−225092A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−95093(P2011−95093)
【出願日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】