説明

可塑剤、可塑剤を含有する生分解性材料、及びそれらの利用方法

【課題】生分解性材料に添加されて生分解性材料の特性を改善し、引き続く製造工程を容易にする生分解性材料のための可塑剤を提供すること。
【解決手段】生分解性ポリマーのモノマーをバイオ分子と混合し、前記混合物を加熱処理することによって可塑剤が調製される。本発明の可塑剤からなる生分解性材料は加熱工程に貢献する高い溶融指数を有する。前記材料はその耐マイクロ波性及び耐水性により、食品包装材として好適である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は生分解性材料に関し、特に可塑剤を含有する生分解性材料に関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチック包装材料の増加は一般的なライフスタイルの変化に密接に関与している。急激な人口増加と食糧不足により、軽く便利な包装材を利用して食品の保存や運搬を容易にすることは、食品の貯蔵期間を長期化させることと共に非常に重要である。現在のプラスチック包装材でもこれらの要求を満たすことができるが、プラスチック消費量は毎年1億6000万トンを超え、そのうちの35%が包装材料に使用されている。この包装材料に由来する廃棄物処理は環境に多大な影響を与えるため、プラスチックの再利用及び生分解性プラスチックに関する研究がますます重要となってきている。
【0003】
生分解性材料は一般に、十分な水、酸素、適切な栄養物及び温度の下で、微生物によって二酸化炭素と水に分解される材料として定義される。生分解性材料は新しい種類のポリマーであり、その役目を果たすと自己分解することを特徴とする。これらのポリマー間の結合は、生物学的プロセスによって環境にやさしい組成物に分解される。生分解性材料は従来の材料よりも環境にやさしいものである。一般的に、使い捨ての用途に使用されたプラスチックの処理及び再利用は非経済的であり、環境に対してより大きな影響を与える。現在、汚染されたプラスチックは焼却処理又は埋立て処理されるに過ぎず、目に見えない形で環境への負荷を増大させている。そのため、生分解性材料の開発が注目を集めている。生分解性材料は、その原料に基づき以下の4つのカテゴリーに分類できる。(1)ポリ乳酸系生分解性材料、(2)ポリエステル系生分解性材料、(3)澱粉系生分解性材料、及び(4)ポリカプロラクトン系生分解性材料である。大豆等の他の天然材料も引き続き開発が進められている。
【0004】
現在の生分解性材料は環境にやさしいものではあるが、そのような材料の構造は変形されにくく、異なる種類の工程で製造された各々の製品は、壊れやすく、耐熱性が低く、また粘着性が不十分である等のデメリットを有する。したがって、生分解性材料の用途は非常に限られており、市場向けの製品は低い温度でしか使用できない。こうした観点から、今後の市場需要においては、耐熱性、強固性、粘着性等の機能性により優れる環境にやさしい製法に重点が置かれるであろう。
【特許文献1】米国特許第5939467号明細書
【特許文献2】米国特許第6905759号明細書
【特許文献3】米国特許第6573340号明細書
【特許文献4】米国特許第7160977号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術におけるこれらのデメリットに鑑み、本発明の目的は、生分解性材料に添加される可塑剤を提供し、生分解性材料の特性を改善し、引き続く製造工程を容易にすることにある。
【0006】
本発明の別の目的は、優れた特性を有する生分解性材料を提供することにある。可塑剤の使用により、適切な強固性、耐衝撃性、高い接着性及び可塑性を有する生分解性材料を得ることができる。
【0007】
本発明の更に別の目的は、紙、木、プラスチック又は金属基材の耐水性、耐油性、耐マイクロ波性及び不凍性を高めるための表面被覆材料を提供することにある。
本発明の更に別の目的は、二つの基材を接着するための、紙、木、プラスチック、又は金属基材の接着材料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明の生分解性材料のための可塑剤は100重量部のバイオ分子、及び0.1〜1000重量部の生分解性ポリマーのモノマーからなり、前記バイオ分子及び生分解性ポリマーのモノマーは混合された後、50〜160℃で加熱処理される。
【0009】
本発明はまた、生分解性材料の強固性、及び/又は耐衝撃性、及び/又は可塑性、及び/又は粘着性を調整するための可塑剤の利用方法を含む。前記可塑剤は100重量部のバイオ分子、0.1〜1000重量部の生分解性ポリマーのモノマー又はオリゴマー、水、又はそれらの混合物からなり、前記可塑剤は50〜160℃で加熱処理される。
【0010】
本発明は、100重量部の生分解性ポリマー及び0.1〜50重量部の可塑剤からなる生分解性材料前駆体を含む。前記可塑剤は100重量部のバイオ分子及び0.1〜1000重量部の生分解性ポリマーのモノマー又はオリゴマー、水、又はそれらの混合物からなり、前記可塑剤は50〜160℃で加熱処理される。
【0011】
本発明はまた、上述した生分解性材料前駆体を加熱処理して得られる生分解性材料を含む。
本発明の生分解性材料は、熱圧着によって二物体を接着することができる。したがって、本発明は更に、上述した生分解性材料前駆体を熱圧着して得られる接着材料を提供する。前記接着材料は熱圧着によって二つの表面を接着することを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の生分解性可塑剤は、100重量部のバイオ分子及び0.1〜1000重量部の生分解性ポリマーの前駆体モノマー又はオリゴマー、水、又はそれらの混合物からなり、前記バイオ分子及び生分解性ポリマーの前駆体モノマー又はオリゴマー、水、又はそれらの混合物は、混合された後、50〜160℃で加熱処理される。好ましい実施形態において、前記バイオ分子及び前記生分解性ポリマーの前駆体モノマーの混合割合は、バイオ分子が100重量部であり、生分解性ポリマーの前駆体モノマー又はオリゴマー、水、又はそれらの混合物が0.1〜500重量部である。より好ましい実施形態において、前記バイオ分子及び前記生分解性ポリマーの前駆体モノマーの混合割合は、バイオ分子が100重量部であり、生分解性ポリマーの前駆体モノマー又はオリゴマー、水、又はそれらの混合物が0.1〜200重量部である。
【0013】
本発明において「バイオ分子」とは、タンパク質、或いは動物又は植物の結合組織又は骨格を形成する他の材料(例えば、アガー、ヒアルロン酸、キトサン、又はヒドロキシプロピペチルセルロース(hydroxypropypethyl cellulose)等の植物性ゼラチン)等の、生分解性又は生物が利用可能な材料を意味する。
【0014】
好ましくは、本発明の可塑剤に適するタンパク質は動物性ゼラチン又は動物性コラーゲンであり、本発明における前記動物性ゼラチンは、牛の骨、牛の皮膚又は豚の皮膚を含む提供源からのタンパク質を意味し、その主な組成物はコラーゲンを加水分解した後のタンパク質である。
【0015】
更に、本発明の前記可塑剤における前記生分解性ポリマーの前駆体モノマーとは、それらが重合反応によって形成されたポリマーが生分解可能である前駆体モノマーを意味する。すなわち、生分解性ポリマーの前駆体モノマーは本発明の可塑剤に利用可能である。従来技術において多数の生分解性ポリマーが存在するが、現在の技術においてより適切なものは、生分解性ポリエステル又は生分解性ポリエチレン、又はそれらのコポリマーである。前記生分解性ポリエステルは、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシブチラート、ポリヒドロキシバレレート、ポリヒドロキシ吉草酸、又はそれらのコポリマーを含み、前記生分解性ポリエチレンは、ポリビニルアセテート、ポリ(ブチレンサクシネート)、ポリビニルアルコール、ポリ−p−ジオキサノン、又はそれらのコポリマーを含む。
【0016】
本発明の可塑剤は前記バイオ分子及前記生分解性ポリマーの前駆体モノマーを必要な割合で混合し、前記混合物を50〜160℃で、好ましい実施形態においては80〜130℃で加熱処理して形成される。
【0017】
いくつかの実施形態において、本発明の前記生分解性ポリマーの前駆体モノマーはオリゴマー又は水に置き換えられてもよい。すなわち、本発明の可塑剤はバイオ分子及び水からなる。これらの実施形態において、前記生分解性ポリマーの強固性、及び/又は耐衝撃性、及び/又は粘着性、及び/又は可塑性を調節するためにバイオ分子溶液が用いられる。可塑剤として用いられる前記バイオ分子溶液は、100重量部のバイオ分子及び0.1〜1000重量部の水からなり、水の重量部の幾分かが前記生分解性ポリマーの前駆体モノマーに置き換えられてもよい。前記生分解性ポリマーの前駆体モノマーを用いる実施形態と同様に、前記バイオ分子溶液は混合した後、50〜160℃、好ましくは80〜130℃で加熱処理される。この実施形態において、バイオ分子の定義は上述した定義に等しい。前記可塑剤の組成については上述したように、前記可塑剤は前記生分解性ポリマーの強固性、及び/又は耐衝撃性、及び/又は粘着性、及び/又は可塑性を調節するために、前記生分解性ポリマーに添加されて用いられ、それによって前記生分解性ポリマー製造後の強固性、及び/又は耐衝撃性、及び/又は粘着性、及び/又は可塑性を所望の通りに変化させることができる。
【0018】
したがって、本発明の生分解性材料前駆体は100重量部の生分解性ポリマー及び0.1〜50重量部の可塑剤からなり、前記可塑剤は100重量部のバイオ分子及び0.1〜1000重量部の前記生分解性ポリマーの前駆体モノマー又はオリゴマー、水、又はそれらの混合物からなり、前記可塑剤は50〜160℃で加熱処理される。バイオ分子及び生分解性ポリマーの定義は上述した定義に等しい。好ましくは、前記生分解性材料前駆体は100重量部の生分解性ポリマー及び0.1〜10重量部の可塑剤を混合して形成され、前記可塑剤の加熱処理における好ましい温度は80〜130℃である。
【0019】
本発明の前記生分解性材料前駆体は、異なる種類の生分解性材料(例えば、容器又は表面薄膜)を形成するために必要に応じて加熱処理されてもよい。すなわち、本発明は上述した生分解性材料前駆体を加熱処理して得られる生分解性材料を提供する。
【0020】
本発明における加熱処理工程は、射出成形、押出成形、ロールコーティング、ラミネート加工又は発泡加工等のポリマーを作成するために用いられるポリマー技術を含む。本発明の生分解性材料前駆体から形成された前記生分解性材料を成形する温度は160〜280℃であり、好ましくは190〜250℃である。
【0021】
可塑剤の組成及び生分解性ポリマーに対する可塑剤の割合を必要に応じて調整することによって、異なる強固性、耐衝撃性、粘着性及び可塑性を有する生分解性材料を得られることは当業者にとって容易に理解される。例えば、容器、被膜又はエレクトロニクス・プラスチックとして使用される生分解性材料に求められる特性はそれぞれ異なり、その特性は前記前駆体の組成を変化させることによって得られる。
【0022】
本発明の発展形態において、前記生分解性材料は接着剤としても使用でき、接着が必要とされる二物体の表面の間に前記生分解性材料が配置され、熱圧着によって前記生分解性材料の粘着特性を引き出し、それら二物体を接着する。
【0023】
したがって、本発明の生分解性材料は二物体を接着するための接着材料でもあり、接着される前記二物体の材料は、紙、木、プラスチック、又は金属を含む同じ材料であってもよく、異なる材料であってもよい。
【0024】
特に、上述した内容から前記生分解性材料前駆体の流動性は前記可塑剤の添加量を変化させることによって調節できることは明らかである。したがって、可塑剤含量が高い、及び低い生分解性材料は異なる分野の用途で適切に使用され、また、溶媒(特に水)の添加によって希釈され得る。一般的に、流動性の低い(すなわち、粘着性の高い)生分解性材料は接着剤としての使用により適している。
【0025】
本発明の有利な点は実施例の説明によって更に詳細に説明されるが、各実施例は特許請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【実施例1】
【0026】
可塑剤の調製
本実施形態は以下の4種類の可塑剤の調製を含む。
例1
植物性ゼラチン5g(ベジタブル・ハード・シェル・カプセル(vegetable hard shell capsule)#0、大豊カプセルインダストリー社(Dah Feng Capsule Industry Co.,Ltd.)製)を水5gと混合し、80℃で1時間放置して本発明の可塑剤(A001)を得た。
【0027】
例2
植物性ゼラチン5g(ベジタブル・ハード・シェル・カプセル#0、大豊カプセルインダストリー社製)を乳酸モノマー5gと混合し、130℃で4時間放置して本発明の可塑剤(A002)を得た。
【0028】
例3
動物性ゼラチン5g(ゼラチン260B、ビルドモア・エンタープライズ社(Buildmore Enterprise Co.,Ltd.)製)を水5gと混合し、80℃で1時間放置して本発明の可塑剤(A003)を得た。
【0029】
例4
動物性ゼラチン5g(ゼラチン260B、ビルドモア・エンタープライズ社製)を乳酸モノマー5gと混合し、130℃で4時間放置して本発明の可塑剤(A004)を得た。
【実施例2】
【0030】
生分解性材料の調製
本実施形態は以下の4種類の生分解性材料の調製を含む。
例1
実施例1の可塑剤(A001)10gをポリ乳酸(PLA)500gに加え、190℃のラミネート加工工程によって、図1に示されるような薄膜(PLA/A001)の生分解性材料を得た。
【0031】
例2
実施例1の可塑剤(A002)10gをポリ乳酸(PLA)500gに加え、250℃のラミネート加工工程によって、薄膜(PLA/A002)の生分解性材料を得た。
【0032】
例3
実施例1の可塑剤(A003)10gをポリ乳酸(PLA)500gに加え、250℃のラミネート加工工程によって、薄膜(PLA/A003)の生分解性材料を得た。
【0033】
例4
実施例1の可塑剤(A004)10gをポリ乳酸(PLA)500gに加え、190℃のラミネート加工工程によって、薄膜(PLA/A004)の生分解性材料を得た。
【実施例3】
【0034】
生分解性材料の特性
本実施形態は、本発明の効果を説明するために生分解性材料の特性について試験した結果を含む。
【0035】
溶融指数
PLAの溶融指数は4〜8である。本発明の可塑剤を添加すると、前記PLA溶融指数は32〜79に上昇する(実施例2の4種類の生分解性材料における測定値)。溶融指数の上昇は、本発明の可塑剤の添加が実施例2のラミネート加工工程等のPLA製造に貢献するものであることを示している。
【0036】
接触角
本実施形態のコンタクトアングルは、グラシン紙表面の水滴のコンタクトアングルを測定することによって調べられた。グラシン紙表面を変性させない場合、コンタクトアングルは40.25°であるが(図2(A))、ロッドコートによってグラシン紙表面に生分解性材料PLA/A004が形成されると、コンタクトアングルは70.89°に上昇する(図2(B))。対照試験のデータとして、低濃度ポリエチレン(LDPE)を被膜したグラシン紙のコンタクトアングルは60.93°である(図2(C))。これらのコンタクトアングルの結果から、本発明の生分解性材料は表面疎水性を高めることが明らかとなった。
【0037】
温度試験
生分解性材料PLA/A004が形成され、薄膜として生分解性食品容器(紙製)の表面に被覆された。その後、高出力マイクロ波(750W)に3分間照射されたが、薄膜の剥落は全く確認されなかった。マイクロ波照射の後、前記容器の80%コンフルエンスまで水が加えられ、冷凍室に4時間放置され、室温で解凍されたが、薄膜の剥落は全く確認されなかった。その後、紙表面から前記薄膜が剥がされると、紙表面にいくつかの繊維残渣が確認された。このことは、前記薄膜と紙との間の接着が試験の前後で変化しなかったことを示している。
【0038】
接着試験
生分解性材料PLA/A004が紙と木の間に挟まれて結合され(紙/生分解性材料/木)、試験方法規格JIS K5400に準ずる接着試験が行われた。対照試験として、紙/LDPE/木について同条件で試験が行われた。接着試験結果は、LDPEでは4であり、本発明の生分解性材料では8である。この結果は、本発明の生分解性材料によって形成された薄膜が他の天然生分解性材料によく接着することを示している。
【0039】
ガラス転移温度(Tg)、結晶化温度(Tc)、溶解温度(Tm)、分解温度(Td)、及び溶融指数(MI)
実施例2における生分解性材料のポリマー特性が対照例のPLAのポリマー特性と比較され、その結果が下記の表に示されている。
【0040】
【表1】

表1の試験データから、本発明の可塑剤は他のポリマー特性を変化させることなくPLAの溶融指数を大幅に上昇させ、PLA等の生分解性ポリマーの製造を容易にすることが明らかとなった。
【0041】
以上より、本発明の可塑剤は、前記生分解性ポリマーの強固性、耐油性、耐水性、及び耐マイクロ波性を高め、粘着特性も従来の食品包装材よりも優れ、更に凍結状態においても剥離が生じない。本発明の可塑剤はプラスチック包装材から生分解性包装材への交代に貢献するものであり、プラスチックまたは金属基材と組合わされたこの環境にやさしい製法によって、廃棄物の発生量を減少させることができる。
【0042】
他の実施例
本明細書に記載された全ての技術的特長は他の工程と組み合わせてもよく、各単一の技術的特長は、それらの意図する特徴と等しい、同等の、又は類似する特徴によって選択的に置き換えられてもよい。したがって、本明細書に記載された各技術的特長は、それらの意図する特徴と同等の、又は類似する特徴の一例に過ぎない。
【0043】
本発明の好ましい実施形態が上述されたが、これらの実施形態は本発明を限定するものではない。当業者は本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく、様々な変更及び変形を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の生分解性材料をラミネート加工することによって形成された薄膜を示す写真。
【図2】(A)グラシン紙表面の水滴を示す写真。(B)グラシン紙表面に本発明の生分解性材料を有するグラシン紙上の水滴を示す写真。(C)グラシン紙表面に低濃度ポリエチレン薄膜を有するグラシン紙上の水滴を示す写真。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
100重量部のバイオ分子、及び
0.1〜1000重量部の生分解性ポリマーの前駆体モノマー又はオリゴマー、水、又はそれらの混合物からなり、
前記バイオ分子及び前記生分解性ポリマーの前駆体モノマーが、混合後に50〜160℃で加熱処理される生分解性材料の可塑剤。
【請求項2】
100重量部のバイオ分子、及び
0.1〜200重量部の生分解性ポリマーの前駆体モノマー又はオリゴマー、水、又はそれらの混合物からなり、
前記バイオ分子及び前記生分解性ポリマーの前駆体モノマーが、混合後に50〜160℃で加熱処理される請求項1に記載の可塑剤。
【請求項3】
前記バイオ分子が、植物性ゼラチン、動物性タンパク質、アガー、キトサン、ヒアルロン酸、又はそれらの混合物を含む請求項1に記載の可塑剤。
【請求項4】
前記動物性タンパク質が、動物性ゼラチン又はコラーゲンを含む請求項3に記載の可塑剤。
【請求項5】
前記生分解性ポリマーが、生分解性ポリエルテル又は生分解性ポリエチレン又はそれらのコポリマーを含む請求項1に記載の可塑剤。
【請求項6】
前記生分解性ポリエステルが、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシブチラート、ポリヒドロキシバレレート、ポリヒドロキシ吉草酸、ポリ(ブチレンサクシネート)、又はそれらのコポリマーを含む請求項5に記載の可塑剤。
【請求項7】
前記生分解性ポリエチレンが、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリ−p−ジオキサノン、又はそれらのコポリマーを含む請求項5に記載の可塑剤。
【請求項8】
前記加熱処理の温度が、80〜130℃である請求項1に記載の可塑剤。
【請求項9】
生分解性ポリマーの強固性、及び/又は耐衝撃性、及び/又は粘着性、及び/又は可塑性を調節するための請求項1に記載の可塑剤の利用方法。
【請求項10】
100重量部の生分解性ポリマー、及び
0.1〜50重量部の請求項1に記載の可塑剤からなる生分解性材料前駆体。
【請求項11】
100重量部の生分解性ポリマー、及び
0.1〜20重量部の請求項1に記載の可塑剤からなる請求項10に記載の生分解性材料前駆体。
【請求項12】
前記生分解性ポリマーが、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシブチラート、ポリヒドロキシバレレート、ポリヒドロキシ吉草酸、ポリビニルアセテート、ポリ(ブチレンサクシネート)、ポリビニルアルコール、ポリ−p−ジオキサノン又はそれらのコポリマーを含む請求項10に記載の生分解性材料前駆体。
【請求項13】
請求項10に記載の生分解性材料前駆体を加熱処理して得られる生分解性材料。
【請求項14】
前記加熱処理の温度が、80〜130℃である請求項13に記載の生分解性材料。
【請求項15】
前記加熱処理の温度が、160〜280℃である請求項13に記載の生分解性材料。
【請求項16】
前記加熱処理の温度が、190〜250℃である請求項15に記載の生分解性材料。
【請求項17】
請求項10に記載の生分解性材料前駆体を加熱処理して得られる接着材料であって、熱圧着によって二つの表面を接着することを特徴とする接着材料。
【請求項18】
前記表面の材料が、同じ、又は異なる材料である請求項17に記載の接着材料。
【請求項19】
前記表面の材料が、紙、木、又は金属を含む請求項18に記載の接着材料。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−144137(P2009−144137A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−262889(P2008−262889)
【出願日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【出願人】(598132657)インダストリアル テクノロジー リサーチ インスティチュート (26)
【Fターム(参考)】