説明

可変ターボ過給機およびその駆動方法

【課題】制御特性を良好にして緻密な制御を行えるとともに、信頼性を向上させることができ、かつ小型化を促進できる可変ターボ過給機を提供すること。
【解決手段】可変ターボ過給機のスイング機構を駆動する油圧サーボ駆動装置30を、スイング機構の駆動シャフト21と連結されたサーボピストン31と、サーボピストン31のセンターホール34内に収容されてパイロット圧によって摺動するパイロットスプール36とで構成し、ハウジング33内には圧油が流入出する第1油圧室47および第2油圧室48をそれぞれ設け、サーボピストン31には、外部からの圧油流入用のプレッシャポート51と、センターホール34および第1油圧室47を連通させる第1ピストンポート53と、センターホール34および第2油圧室48を連通させる第2ピストンポート54と、圧油流出用のリターンポート52とを個別に設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可変ターボ過給機およびその駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、排気タービンのノズル部に可動式のノズルベーンを設け、このノズルベーンを回動させることによりノズル開度(ノズル部の開口面積)を調整できるようにした可変ターボ過給機が知られている。この可変ターボ過給機によれば、排気量が少ないエンジンの低速回転域では、ノズルベーンを回動させてノズル開度を小さくすればよく、こうすることで排気タービンに流入する排気ガスの流速が増加するため、排気タービンホイールの回転エネルギが大きくなり、よって給気コンプレッサの過給能力を上げることができる。
【0003】
ノズルベーンを回動させる具体的な構造としては、複数のノズルベーンの1つに外部から回動駆動可能な駆動シャフトが連結されており、この駆動シャフトの途中には駆動レバーが取り付けられている。駆動レバーは連結リングを介して他のノズルベーンに設けられた従動レバーを回動させる。従って、1つのノズルベーンを駆動シャフトで回動させることにより、結果として全てのノズルベーンを回動させることが可能である。(例えば特許文献1)。
【0004】
また、前記特許文献1によれば、ノズルベーンに連結されている駆動シャフトは、吸気通路内の負圧を利用した空気圧アクチュエータで駆動されるようになっている。ここで、空気圧アクチュエータは、吸気通路から負圧が導入される負圧室と大気開放された大気圧室とを有するハウジングを備えた構造であり、ハウジング内の各室が負圧の大きさに応じて作動する作動板(ダイアフラム)で仕切られ、この作動板にロッドが設けられ、作動板の動きに応じてロッドが進退するようになっている。そして、この進退運動が駆動シャフトの回動運動に変換され、ノズル開度が調整される。
【0005】
一方、空気圧アクチュエータの代わりに4ポート式の油圧サーボアクチュエータを用いることも提案されている(例えば、特許文献2)。特許文献2においては、ノズル開度を可変にする機構を油圧サーボアクチュエータで駆動することにより、より緻密な開度制御が可能である。この油圧サーボアクチュエータでは、サーボピストン両側の油圧室に対する圧油供給の切り換えを比例電磁弁で行っている。すなわち、電磁弁を構成するスプールの位置を切り換えることで、各油圧室への油圧の供給を切り換えるのである。
【0006】
【特許文献1】特開平11−343857号公報
【特許文献2】特表2003−527522号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1によれば、作動板を空気圧とばね力といった異なる手段により往復動させるため、一方向への作動板の移動時と他方向への移動時とでは作動板の動き、ひいてはノズルベーンの動きに違いが生じ、ヒステリシスが大きくなってノズル部の緻密な開度制御が困難になる。しかも、ノズルベーンを回動させる際の負荷がそのまま作動板に作用する構造であり、負荷の大小によって負荷ドリフトが生じるため、この点でも緻密な開度制御ができないという問題がある。つまり、特許文献1の技術は、所謂ばねバランス方式のオープン制御の技術であり、ヒステリシス特性および負荷ドリフト特性が良好とはいえない。
【0008】
これに対し、特許文献2によれば、4ポート式の油圧サーボアクチュエータを用いることで各特性を向上させることが可能である。しかし、特許文献2では、各油圧室への圧油供給の切り換えを電磁弁のスプールで行っており、電磁弁のソレノイド推力と電磁弁内に設けられたばねのばね力とのつり合いによりスプールが移動し、スプールが動くと油圧回路が開いてサーボピストンが移動し、サーボピストンに一体に設けられたラックと噛み合うピニオンが回動し、ピニオンと一体の偏心カムが回動してノズル開度調整機構を駆動する構造である。従って、このような構造では、位置制御用のスプールは、ソレノイド推力とばね荷重とでバランスしているのであるが、サーボピストンを駆動するための大量の圧油がスプールを通して流れるうえ、ばね荷重もさほど大きくないために、スプールの動きがフローフォースの影響を受けやすく、スプールを緻密に位置制御するのには限界がある。なお、ばね荷重を大きくするためにソレノイド推力を大きくすると、ソレノイドのサイズが大きくなって場積を取るという問題が生じる。
【0009】
本発明の目的は、ヒステリシス特性や負荷ドリフト特性といった制御特性を良好にして緻密な制御を行えるとともに、信頼性を向上させることができる可変ターボ過給機およびその駆動方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の請求項1に係る可変ターボ過給機は、タービンホイール外側のノズル部に互いに対向して設けられた排気導入壁と、前記排気導入壁の間で前記タービンホイールの周方向に沿って所定間隔をあけて配置された複数のノズルベーンと、前記複数のノズルベーンを回動させるスイング機構と、前記スイング機構を駆動する油圧サーボ駆動装置とを備え、前記油圧サーボ駆動装置は、一部に開口部を有するハウジングと、前記ハウジング内に摺動自在に収容されるとともに、前記開口部を介して前記スイング機構と連結されたサーボピストンと、前記サーボピストンのセンターホール内に収容されてパイロット圧によって摺動するパイロットスプールとを備え、前記ハウジング内での前記サーボピストンの一端側および他端側には、圧油が流入出する第1油圧室および第2油圧室がそれぞれ設けられており、前記サーボピストンには、外部からの圧油を前記センターホール内に流入させるプレッシャポートと、前記センターホールおよび前記第1油圧室を連通させる第1ピストンポートと、前記センターホールおよび前記第2油圧室を連通させる第2ピストンポートと、前記第1、第2油圧室の圧油を外部に流出させるリターンポートとが個別に設けられ、前記パイロットスプールには、前記各ポートの連通形態を切り換える切換手段が設けられていることを特徴とする。
なお、パイロットスプールに設けられる切換手段としては、パイロットスプールのスプールランド等で構成することができる。
【0011】
請求項2に係る可変ターボ過給機は、請求項1に記載の可変ターボ過給機において、前記ハウジング内での前記サーボピストンの一端側には、前記第1油圧室とは仕切部材で仕切られたパイロット油圧室が設けられ、前記パイロット油圧室は、前記第1油圧室に対して前記ハウジングの軸方向の外側に位置していることを特徴とする。
【0012】
請求項3に係る可変ターボ過給機は、請求項1に記載の可変ターボ過給機において、前記ハウジング内での前記サーボピストンの一端側には、前記第1油圧室とは仕切部材で仕切られたパイロット油圧室が設けられ、前記パイロット油圧室は、前記第1油圧室に対して前記ハウジングの径方向の内側に位置していることを特徴とする。
【0013】
請求項4に係る可変ターボ過給機は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の可変ターボ過給機において、前記サーボピストンには、前記プレッシャポートに対して軸方向にずれた位置に前記スイング機構との連結部が設けられていることを特徴とする。
【0014】
請求項5に係る可変ターボ過給機は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の可変ターボ過給機において、前記スイング機構は、前記複数のノズルベーンのうち、少なくとも一つのノズルベーンを回動させる駆動シャフトと、このノズルベーンの回動を他のノズルベーンに伝達する連結リングとを備えて構成され、前記駆動シャフトおよび前記サーボピストンは、当該サーボピストンの進退運動を前記駆動シャフトの回動運動に変換する変換手段を介して連結されていることを特徴とする。
【0015】
請求項6に記載の可変ターボ過給機は、請求項5に記載の可変ターボ過給機において、前記変換手段は、前記サーボピストンの外周に軸方向に直交して設けられた摺動溝と、摺動溝内に摺動自在に係合されるスライダと、一端が前記スライダに回動自在に係合し、かつ他端が前記駆動シャフトに連結されたアームとで構成されていることを特徴とする。
【0016】
請求項7に係る可変ターボ過給機は、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の可変ターボ過給機において、前記第1、第2圧油室の少なくともいずれか一方には、前記サーボピストンを一方向への移動側に付勢するコイルばねが設けられていることを特徴とする。
【0017】
請求項8に係る可変ターボ過給機の駆動方法は、請求項1に記載の構成を備えた可変ターボ過給機の駆動方法であって、パイロット圧を増大させて前記パイロットスプールを一方向に摺動させることにより、前記プレッシャポートと前記第1ピストンポートを連通させるとともに、前記第2ピストンポートと前記リターンポートとを連通させ、よって前記サーボピストンを前記パイロットスプールの前記一方向への摺動に追従させ、パイロット圧を減少させて前記パイロットスプールを他方向に摺動させることにより、前記プレッシャポートと前記第2ピストンポートを連通させるとともに、前記第1ピストンポートと前記リターンポートとを連通させ、よって前記サーボピストンを前記パイロットスプールの前記他方向への摺動に追従させ、これらのサーボピストンの摺動により前記スイング機構を駆動して前記複数のノズルベーンを回動させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
以上において、請求項1および請求項8の発明によれば、サーボピストンとパイロットスプールとにより4ポート式の油圧サーボ駆動装置を実現できるため、駆動シャフトや連結リングを介して行う各ノズルベーンの回動を小さなヒステリシスで行えるうえ、回動時の駆動負荷がパイロットスプールに伝達されことがなく、負荷ドリフトが生じない。従って、ヒステリシス特性や負荷ドリフト特性といった制御特性を向上させることができ、ノズル部の開度制御を緻密にできる。また、パイロットスプールは、特許文献2での電磁弁のスプールとして機能するが、サーボピストンを駆動するための油圧ではなく、これとは独立したパイロット圧で動作するため、フローフォースの影響を受ける心配がなく、パイロットスプールの位置制御をより正確に行え、開度制御を一層緻密にできる。
さらに、パイロットスプールがサーボピストン内を摺動することで、油圧サーボ駆動装置を小型化でき、可変ターボ過給機の大型化を抑制して狭いエンジンルーム内に好適に配置できる。
【0019】
請求項2の発明によれば、パイロット油圧室が第1油圧室の軸方向の外側に設けられるので、油圧サーボ駆動装置が径方向に大きくなるのを抑制でき、反対に、請求項3の発明によれば、パイロット油圧室と第1油圧室とが径方向に重なって設けられるから、軸方向に大きくなるのを抑制できる。
【0020】
プレッシャポートはサーボピストンを移動させるための圧油が高圧状態で通る部位であり、プレッシャポート周りの形状はサーボピストンの動きに影響を及ぼしやすい。そこで、請求項4の発明では、プレッシャポートから離れた位置にスイング機構との連結部を設けることとし、こうすることによりプレッシャポート周りの形状を連結部の形状に左右されることなく油圧駆動上理想的な形状にでき、サーボピストンをスムースに移動させることができる。
【0021】
請求項5の発明によれば、各変換手段によりサーボピストンの直線運動を回動運動に変換し、駆動シャフトを確実に回動させることができる。この際、請求項6の発明のように、変換手段を摺動溝、スライダ、およびアームにて構成することにより、簡易な構造にできる。
【0022】
請求項7の発明によれば、サーボピストンの一方側への移動をコイルばねでアシストすることになるので、何らかの理由により、油圧サーボ駆動装置につながる配管内の圧油がなくなった時でも、コイルばねのばね力によって可変ターボ過給機のノズル開度を所定の状態に維持できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る可変ターボ過給機1の断面図である。可変ターボ過給機1は、図中の右側にタービンを備え、左側にコンプレッサを備えた構成であり、図示略のエンジン本体に設けられている。タービン側のタービンハウジング2内にはタービンホイール3が収容され、コンプレッサ側のコンプレッサハウジング4内にはコンプレッサインペラ5が収容されている。タービンホイール3にはシャフト6が一体に設けられ、シャフト6の先端にコンプレッサインペラ5が取り付けられている。シャフト6はセンターハウジング7に回転自在に支持されている。このため、排気ガスによって回転するタービンホイール3の回転が、シャフト6を介してコンプレッサインペラ5に伝達され、コンプレッサインペラ5の回転によって吸気が圧縮過給される。
【0024】
タービンハウジング2には、エンジン本体からの排気ガスを導入するボリュート状の排気導入路10が設けられている。排気導入路10には、排気ガスをタービンホイール3側に噴出するためのノズル部11が周方向に連続して設けられており、ノズル部11から噴出した排気ガスがタービンホイール3を回転させた後に排気出口12から排気される。ノズル部11は、互いに対向する一対の排気導入壁13,14によって形成されている。
【0025】
排気導入壁13,14間には、周方向の沿って複数のノズルベーン17が等周間隔で配置されている。各ノズルベーン17には、センターハウジング7側の排気導入壁13を貫通するシャフト18が設けられており、このシャフト18を回動軸としてノズルベーン17が回動する。そして、スイングベーン17を後述するスイング機構20によって回動させることにより、ノズル部11の開口面積を変更する。
【0026】
なお、コンプレッサ側の構成は、通常のターボ過給機と同じであり、公知であるため、ここでの詳細な説明を省略する。以下には、スイング機構20について詳説する。
【0027】
スイング機構20は、図2に示すように、一つのシャフト18に連結され、かつセンターハウジング7(図2では不図示)から突出することとなる駆動シャフト21を回動駆動することで、全てのノズルベーン17を回動させる構造である。具体的に、駆動シャフト21が連結されたシャフト18には、略まゆ型(瓢箪型)形状の駆動レバー22の基端側が固定されている。一方、センターハウジング7と排気導入壁13との間の空間には、各シャフト18の内側に位置するように環状の連結リング23が配置されている。連結リング23には、各シャフト18に対応した切欠部23Aが設けられ、この切欠部23Aの一つに駆動レバー22の先端側が嵌合されている。さらに、他の切欠部23Aには、同じく略まゆ型形状とされた従動レバー24の先端が嵌合し、各従動レバー24の基端側が他のシャフト18に固定されている。
【0028】
従って、駆動シャフト21を回動させると、これに連結されたシャフト18およびノズルベーン17が回動すると同時に、駆動レバー22が回動し、連結リング23が回動する。連結リング23の回動はさらに、従動レバー24を介して他のシャフト18に伝達され、他のノズルベーン17が回動する。よって駆動シャフト21を回動させることで、全てのノズルベーン17を同時に回動させることとなる。
【0029】
スイング機構20の駆動シャフト21は、その端部に設けられたアーム27を介して油圧サーボ駆動装置30によって回動駆動される。このような油圧サーボ駆動装置30は、センターハウジング7の中央から外側にずれた位置に設けられており、図示を省略するが、センターハウジング7の一部が油圧サーボ駆動装置30を逃げた形状とされ、この部分に周囲のハウジング部分と干渉することなく取り付けられている。以下には、油圧サーボ駆動装置30について詳説する。
【0030】
図3に示すように、油圧サーボ駆動装置30は基本的に、サーボピストン31を上下に進退運動させることで駆動シャフト21を回動させる構造である。このためにサーボピストン31の外周には、軸方向に対して直交した摺動溝32が設けられ、駆動シャフト21側のアーム27には、摺動溝32側に突出したピン28が設けられ、このピン28にスライダ29が嵌め込まれ、スライダ29が前記摺動溝32に摺動自在に嵌合している。
【0031】
つまり、本実施形態では、摺動溝32、スライダ29、ピン28、アーム27を含んで、サーボピストン31の進退運動を駆動シャフト21の回動運動に変換する変換手段が構成されている。サーボピストン31を上下動させると、それに伴ってスライダ29が上下動するとともに摺動溝32に沿って摺動し、このスライダ29の動きとピン28の回動とによりアーム27の円弧動を許容し、アーム27を回動させることが可能である。
【0032】
図4には、油圧サーボ駆動装置30の縦断面が示されている。図4において、油圧サーボ駆動装置30は、前記サーボピストン31と、このサーボピストン31を摺動自在に収容し、かつ一部に開口部33Aを有したハウジング33と、サーボピストン31の軸方向に貫通したセンターホール34内に収容されてパイロット圧によって摺動するパイロットスプール36とを備え、開口部33A周りをシールするOリング100を介して可変ターボ過給機1のセンターハウジング7に取り付けられている。
【0033】
先ず、ハウジング33は、外形形状が角柱状とされているとともに、その内部には上下に貫通する円筒状のシリンダ空間35が設けられており、このシリンダ空間35内にサーボピストン31が収容されている。シリンダ空間35の上下端側はOリング101,102を介して閉塞部材37,38によって密閉されている。ハウジング33の開口部33Aに対応した位置には、駆動シャフト21とサーボピストン31との連結部39が設けられている。従って、開口部33Aの大きさは、サーボピストン31およびスライダ29の摺動量を考慮して設定されている。
【0034】
ハウジング33において、開口部33Aとは反対側の側面には、例えば可変ターボ過給機1から離れた位置にある比例電磁弁95(図7)からのパイロット圧を供給するパイロットポート41、昇圧ポンプ92(図7)からの圧油を供給するポンプポート42、および圧油を戻すドレインポート43が設けられている。昇圧ポンプ92および比例電磁弁95は、本実施形態の可変ターボ過給機1が搭載される図示しない同一のエンジン本体に設置されている。比例電磁弁95がハウジング33とは独立してエンジン本体に設けられていることにより、ハウジング33を小型化でき、可変ターボ過給機1自身を小型化できて場積を小さくできる。輸送トラックなどとは異なってエンジンルームが極めて狭い建設機械などでは、この場積を小さくできるといったメリットは大きい。
【0035】
ハウジング33のシリンダ空間35は、サーボピストン31が摺動する部分と、その上方の部分とが仕切部材44によって仕切られている。この仕切部材44は、シリンダ空間35の内周面に設けられた段差部分に当接しており、当接部分の近傍には、仕切部材44で仕切られた空間をシールするためのOリング103が設けられている。仕切部材44には下方に垂下した筒部45が設けられており、この筒部45がサーボピストン31のセンターホール34の上方側に入り込んでいる。そして、仕切部材44で仕切られた上方の空間がパイロット油圧室46とされ、このパイロット油圧室46とパイロットポート41とが連通している。
【0036】
これに対して、仕切部材44で仕切られた下方の空間は、当該仕切部材44とサーボピストン31の上端面との間に形成される第1油圧室47となっている。つまり、前記パイロット油圧室46は、第1油圧室47に対して軸方向の外側(本実施形態では上側)にずれているのであり、この配置によって油圧サーボ駆動装置30全体が大径化するのを抑制している。さらに、サーボピストン31の下端面と下側の閉塞部材38との間には第2油圧室48が形成されている。
【0037】
次に、サーボピストン31について説明する。サーボピストン31には、センターホール34とハウジング33のポンプポート42とを連通させて、ポンプからの圧油をセンターホール34内に流入させるプレッシャポート51が設けられている。このプレッシャポート51の外側は、径方向に対向して形成された溝部分に開口しており、溝部分が所定の上下寸法を有することにより、サーボピストン31のストローク内でプレッシャポート51とポンプポート42とが常時連通することになる。
【0038】
さらに、サーボピストン31には、センターホール34とハウジング33のドレインポート43とを連通させて、センターホール34内の圧油をタンクに戻すリターンポート52が設けられている。このリターンポート52の外側には、サーボピストン31の外周に形成された溝部分に開口しており、サーボピストン31のストローク内ではやはりリターンポート52とドレインポート43とが常時連通する。また、本実施形態では、サーボピストン31と駆動シャフト21との連結部39が丁度、リターンポート52の反対側に対応した位置に設けられていることになり、プレッシャポート51に対して軸方向の下方側にずれて位置している。
【0039】
サーボピストン31には加えて、図5中に点線で示すように、センターホール34と上方の第1油圧室47とを連通させる第1ピストンポート53、およびセンターホール34と下方の第2油圧室48とを連通させる第2ピストンポート54が設けられている。この際、第1ピストンポート53のセンターホール34側の開口部分は、プレッシャポート51の開口部分よりも下方に位置し、第2ピストンポート54のセンターホール34側の開口部分は、プレッシャポート51の開口部分よりも上方に位置している。第1、第2ピストンポート53,54はそれぞれ、プレッシャポート51およびリターンポート52に対して連通しない位置にずれて設けられている。
【0040】
センターホール34の下方側は、当接部材55がサーボピストン31にOリング104を介して螺設されることで密閉されており、当接部材55を介してサーボピストン31が閉塞部材38に当接し、当接した位置がサーボピストン31の最下位置となる。第2油圧室48内において、閉塞部材38と当接部材55との間にはコイルばね56が配置され、サーボピストン31の上方側への移動をアシストしている。昇圧ポンプ92の故障等により、油圧サーボ駆動装置30につながる配管内の圧油がなくなった時でも、コイルばね56のばね力によって可変ターボ過給機1のノズル開度が開き側(好ましくは全開)で維持されるようになっている。
【0041】
パイロットスプール36は、略中央部分に本発明に係る切換手段としての2つの第1、第2ススプールランド61,62を備えている。パイロットスプール36の内部には、下方に開口したリターン流路63が設けられており、第1スプールランド61の上側の溝部分とリターン流路63とが連通し、第2スプールランド62の下側の溝部分とリターン流路63とが同様に連通している。さらに、リターン流路63の下側が開口していることで、このリターン流路63、リターンポート52、ドレインポート43が連通している。
【0042】
また、パイロットスプール36は、仕切部材44の筒部45を通してサーボピストン31のセンターホール34内を上下に摺動可能であり、その上端部分がパイロット油圧室46内に配置された保持部材64に螺合保持されている。パイロット油圧室46内において、保持部材64はコイルばね65によって上方に付勢されており、コイルばね65の付勢力に抗するパイロット圧によってパイロットスプール36が下方に移動し、パイロット圧油の戻り(ドレイン流路については図示しないが、電磁弁95側でオイルパン80にドレインされる)によりコイルばね65の付勢力で上方へ移動する。
【0043】
このような構成の油圧サーボ駆動装置30では、パイロットスプール36がサーボピストン31に対して上昇すると、それに追従してサーボピストン31も上昇し、パイロットスプール36が下降すると、サーボピストン31も追従して下降する。この際、パイロットスプール36は、サーボピストン31内を軸方向に摺動するだけであるから、各ノズルベーン17の回動時の駆動負荷は、スイング機構20を介してサーボピストン31に作用するが、パイロットスプール36には一切作用しない。
【0044】
このため、本実施形態では、パイロットスプール36の位置を制御し、よってサーボピストン31の位置制御を行い、ひいては全ノズルベーン17を回動させてノズル部11の開口面積を変えるのであるが、この際、パイロットスプール36の位置制御を駆動負荷に左右されずに行うことができ、負荷ドリフトをなくすことができる。従って、排気ガスによる流体圧が一定していない排気ターボ、つまり本実施形態のような可変ターボ過給機1の場合でも、ノズル部11の開口面積を容易にコントロールでき、エミッションを正確に制御できる。また、位置制御を正確に行えることで、制御方式を例えばフィードバック制御からフィードフォワード制御にして応答時間を短くすることもでき、トランジェントにも精度よく対応できる。
【0045】
次に、図4ないし図6を参照し、油圧サーボ駆動装置30の動きについて具体的に説明する。図4では、コイルばね65の付勢力を越えるパイロット圧が供給されることで、パイロットスプール36およびサーボピストン31の両方が共に最下位置にある。従って、この状態においては、パイロットスプール36の下端が当接部材55の上端に当接し、また、当接部材55の下端は閉塞部材38に当接している。さらに、この位置では、パイロットスプール36の上側の第1スプールランド61が第2ピストンポート54から下方にずれており、第2ピストンポート54がリターン流路63を通してリターンポート52に連通し、第2油圧室48内の圧油がドレインされている。
【0046】
一方、下側の第2スプールランド62も第1ピストンポート53に対して下方にずれており、プレッシャポート51と第1ピストンポート53とが連通している。このため、プレッシャポート51および第1ピストンポート53を通して第1油圧室47に圧油が供給されている。
【0047】
なお、パイロット油圧室46に供給された圧油の一部は、仕切部材44の筒部45と保持部材64との間に形成されている僅かな隙間や、筒部45とパイロットスプール36の上端側外周部分との間に形成されている僅かな隙間を通して、その下方に区画されている空間、すなわちサーボピストン31のセンターホール34内周と、パイロットスプール36の外周と、筒部45の下端とで区画される空間に入り込む。
【0048】
この状態から、図5に示すように、パイロット油圧室46内の圧油を戻して所定のパイロット圧まで下げると、パイロット圧とコイルばね65とがつり合う位置までパイロットスプール36が上昇する。この時、上側の第1スプールランド61は第2ピストンポート54の上方にずれるため、第2ピストンポート54とプレッシャポート51とが連通し、第2油圧室48に圧油が供給される。
【0049】
これと同時に、下側の第2スプールランド62も第1ピストンポート53の上方にずれるため、第1ピストンポート53とリターン流路63が連通し、第1油圧室47内にあった圧油の一部がドレインされ、よってサーボピストン31がパイロットスプール36に追従するようにして上昇する。このサーボピストン31の上昇は、第1、第2スプールランド61,62によって第1、第2ピストンポート53,54が閉じられた時点で終了し、サーボピストン31はパイロットスプール36の停止位置に応じた位置で同様に停止する。サーボピストン31がパイロットスプール36を追い越して上昇することはない。
【0050】
続いて、図6に示すように、パイロット圧を完全に抜いた状態では、保持部材64の上端がパイロット油圧室46の天面に当接した状態となるまでパイロットスプール36が上方に移動し、この移動に追従したサーボピストン31は、上端が仕切部材44に当接するまで上昇する。そして、この状態では、パイロットスプール36およびサーボピストン31は共に最上位置にあり、第2圧油室48内に圧油が充満した状態で第1、第2ピストンポート53,54はそれぞれ、第1、第2スプールランド61,62で閉じられる。
【0051】
この際、サーボピストン31のセンターホール34内周と、パイロットスプール36の外周と、筒部45の下端とで区画される空間内に入り込んでいた圧油は、前述の隙間を通してパイロット油圧室46に戻ることになる。
【0052】
サーボピストン31を下方の所定位置に移動させる場合には、パイロット圧を供給してパイロットスプール36を所定位置まで下降させる。こうすることで再度、第2ピストンポート54がリターン流路63と連通し、第2油圧室48内の圧油の一部がドレインされ、サーボピストン31が下降する。この下降はやはり、第1、第2スプールランド61,62によって第1、第2ピストンポート53,54が閉じられた時点で終了し、サーボピストン31はパイロットスプール36の停止位置に応じた位置で同様に停止する。勿論、サーボピストン31がパイロットスプール36を追い越して下降することもない。
【0053】
以上の動作をする油圧サーボ駆動装置30によれば、サーボピストン31およびパイロットスプール36は、3位置式の4ポートバルブとして機能するようになり、サーボピストン31の上下動の両方を、第1、第2圧油室47,48の一方への圧油の供給、およびこれと同時に行われる他方からの圧油のドレインによって行うことができ、従来のばねバランス方式のオープン制御に比してヒステリシス特性を大幅に改善できる。従って、負荷ドリフトが生じないことと、ヒステリシス特性が良好なことともより、ノズル部11の開度調整を緻密に行うことができる。さらに、パイロットスプール36は、ソレノイド推力によらず、パイロット圧によって動作するので、特許文献2の場合とは異なって圧油のフローフォースの影響を受けず、パイロットスプール36の位置制御自身をより正確に行える。
【0054】
また、第1、第2油圧室47,48に対して圧油の供給を切り換えるパイロットスプール36は、特許文献2での電磁弁のスプールの機能も果たすのであるが、このパイロットスプール36がサーボピストン31内を摺動することで、油圧サーボ駆動装置30をコンパクトにでき、可変ターボ過給機1が大型化するのを抑制できる。しかも、本実施形態では、特許文献2のような電磁弁がパイロット圧を供給するために必要であるが、このような電磁弁は、可変ターボ過給機1から離れた熱影響の少ない任意の箇所に配置することもできるので、電磁弁での誤動作を防止でき、信頼性を向上させることができる。
【0055】
図7には、本実施形態の可変ターボ過給機1が搭載されるエンジンの潤滑回路70が模式的に示されている。潤滑回路70は、オイルパン80内の潤滑油を油圧ポンプ81で汲み上げて、オイルクーラ82およびオイルフィルタ83を介してメインギャラリ84に供給するように形成されている。このメインギャラリ84からの潤滑油では主に、クランクシャフト85およびカムシャフト86が潤滑される。
【0056】
また、潤滑回路70には、メインギャラリ84からそれぞれ分岐して燃料噴射装置87内のカム駆動部等を潤滑する噴射装置側回路71と、タイミングギアを含む動力伝達機構88を潤滑する伝達機構側回路72と、ロッカアーム89を潤滑するロッカアーム側回路73と、可変ターボ過給機1のシャフト6を支持する軸受部分を潤滑する過給機側回路74と、可変ターボ過給機1および燃料噴射装置87から潤滑油をオイルパン80に戻すための第1ドレイン回路75とが設けられている。さらに、本実施形態では、潤滑回路70とは別に、潤滑油の一部を駆動圧油として油圧サーボ駆動装置30に供給する圧油供給回路90と、油圧サーボ駆動装置30のドレインポート43から圧油をオイルパン80に戻すための第2ドレイン回路91とが設けられている。
【0057】
すなわち、本実施形態では、油圧サーボ駆動装置30を駆動するための圧油をエンジン潤滑油の一部で賄っているが、その圧油を供給するための回路がメインギャラリ84手前から分岐された圧油供給回路90である。そして、圧油供給回路90の基端側には昇圧ポンプ92が設けられ、昇圧された圧油が先端側の駆動圧回路93を通して油圧サーボ駆動装置30のポンプポート42に供給される。油圧ポンプ81での吐出圧は約196〜294kN/m2(2〜3kg/cm2)で、昇圧ポンプ92による昇圧後の 吐出圧は約1470kN/m2(15kg/cm2)である。そして、圧油供給回路90の先端側は、ポンプポート42側へ供給される前記駆動圧回路93と、油圧サーボ駆動装置30のパイロットポート41にパイロット圧を供給するパイロット圧回路94とに分岐されており、このため、パイロット圧回路94には、パイロット圧を生じさせる比例電磁弁95が設けられている。電磁弁95に所定の電流を通電させることで、電流に応じた0〜1470kN/m2(0〜15kg/cm2)のパイロット圧を生じさせ、パイロットスプール36をパイロット圧に応じた位置に移動させることが可能である。
【0058】
なお、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、数量などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、数量などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【0059】
例えば、図8には、パイロット油圧室46が第1油圧室47(図では完全に圧油を抜いた状態が示されている)に対して内側に設けられ、パイロット油圧室46と第1油圧室47とが径方向に重なる例が示されている。このような例では、仕切部材44がシリンダ空間35の最上部に設けられており、仕切部材44の内部空間によってパイロット油圧室46の大部分が形成されている。
このような構造では、各油圧室46,47が径方向に重なることにより、ハウジング33の軸方向の寸法を短くでき、油圧サーボ駆動装置30をより小型化できるというメリットがある。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明は、例えば、エンジンルームが狭く、かつ油圧ポンプを一般的に搭載している建設機械用の可変ターボ過給機として好適に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の一実施形態に係る可変ターボ過給機を示す断面図。
【図2】可変ターボ過給機のスイング機構を示す図であり、図1のII−II矢視図。
【図3】スイング機構と油圧サーボ駆動装置との連結部を示す斜視図。
【図4】油圧サーボ駆動装置を示す断面図。
【図5】油圧サーボ駆動装置の動きを説明するための断面図。
【図6】油圧サーボ駆動装置の動きを説明するための別の断面図。
【図7】エンジンの潤滑回路を示す模式図。
【図8】本発明の変形例を示す断面図。
【符号の説明】
【0062】
1…可変ターボ過給機、3…タービンホイール、11…ノズル部、13,14…排気導入壁、17…ノズルベーン、20…スイング機構、27…アーム、29…スライダ、30…油圧サーボ駆動装置、31…サーボピストン、32…摺動溝、33…ハウジング、33A…開口部、34…センターホール、36…パイロットスプール、39…連結部、44…仕切部材、46…パイロット油圧室、47…第1油圧室、48…第2油圧室、51…プレッシャポート、52…リターンポート、53…第1ピストンポート、54…第2ピストンポート、56…コイルばね、61,62…切換手段である第1、第2スプールランド。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可変ターボ過給機において、
タービンホイール外側のノズル部に互いに対向して設けられた排気導入壁と、
前記排気導入壁の間で前記タービンホイールの周方向に沿って所定間隔をあけて配置された複数のノズルベーンと、
前記複数のノズルベーンを回動させるスイング機構と、
前記スイング機構を駆動する油圧サーボ駆動装置とを備え、
前記油圧サーボ駆動装置は、一部に開口部を有するハウジングと、前記ハウジング内に摺動自在に収容されるとともに、前記開口部を介して前記スイング機構と連結されたサーボピストンと、前記サーボピストンのセンターホール内に収容されてパイロット圧によって摺動するパイロットスプールとを備え、
前記ハウジング内での前記サーボピストンの一端側および他端側には、圧油が流入出する第1油圧室および第2油圧室がそれぞれ設けられており、
前記サーボピストンには、外部からの圧油を前記センターホール内に流入させるプレッシャポートと、前記センターホールおよび前記第1油圧室を連通させる第1ピストンポートと、前記センターホールおよび前記第2油圧室を連通させる第2ピストンポートと、前記第1、第2油圧室の圧油を外部に流出させるリターンポートとが個別に設けられ、
前記パイロットスプールには、前記各ポートの連通形態を切り換える切換手段が設けられている
ことを特徴とする可変ターボ過給機。
【請求項2】
請求項1に記載の可変ターボ過給機において、
前記ハウジング内での前記サーボピストンの一端側には、前記第1油圧室とは仕切部材で仕切られたパイロット油圧室が設けられ、
前記パイロット油圧室は、前記第1油圧室に対して前記ハウジングの軸方向の外側に位置している
ことを特徴とする可変ターボ過給機。
【請求項3】
請求項1に記載の可変ターボ過給機において、
前記ハウジング内での前記サーボピストンの一端側には、前記第1油圧室とは仕切部材で仕切られたパイロット油圧室が設けられ、
前記パイロット油圧室は、前記第1油圧室に対して前記ハウジングの径方向の内側に位置している
ことを特徴とする可変ターボ過給機。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の可変ターボ過給機において、
前記サーボピストンには、前記プレッシャポートに対して軸方向にずれた位置に前記スイング機構との連結部が設けられている
ことを特徴とする可変ターボ過給機。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の可変ターボ過給機において、
前記スイング機構は、前記複数のノズルベーンのうち、少なくとも一つのノズルベーンを回動させる駆動シャフトと、このノズルベーンの回動を他のノズルベーンに伝達する連結リングとを備えて構成され、
前記駆動シャフトおよび前記サーボピストンは、当該サーボピストンの進退運動を前記駆動シャフトの回動運動に変換する変換手段を介して連結されている
ことを特徴とする可変ターボ過給機。
【請求項6】
請求項5に記載の可変ターボ過給機において、
前記変換手段は、前記サーボピストンの外周に軸方向に直交して設けられた摺動溝と、摺動溝内に摺動自在に係合されるスライダと、一端が前記スライダに回動自在に係合し、かつ他端が前記駆動シャフトに連結されたアームとで構成されている
ことを特徴とする可変ターボ過給機。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の可変ターボ過給機において、
前記第1、第2圧油室の少なくともいずれか一方には、前記サーボピストンを一方向への移動側に付勢するコイルばねが設けられている
ことを特徴とする可変ターボ過給機。
【請求項8】
請求項1に記載の構成を備えた可変ターボ過給機の駆動方法であって、
パイロット圧を増大させて前記パイロットスプールを一方向に摺動させることにより、前記プレッシャポートと前記第1ピストンポートを連通させるとともに、前記第2ピストンポートと前記リターンポートとを連通させ、よって前記サーボピストンを前記パイロットスプールの前記一方向への摺動に追従させ、
パイロット圧を減少させて前記パイロットスプールを他方向に摺動させることにより、前記プレッシャポートと前記第2ピストンポートを連通させるとともに、前記第1ピストンポートと前記リターンポートとを連通させ、よって前記サーボピストンを前記パイロットスプールの前記他方向への摺動に追従させ、
これらのサーボピストンの摺動により前記スイング機構を駆動して前記複数のノズルベーンを回動させる
ことを特徴とする可変ターボ過給機の駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−88851(P2008−88851A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−268779(P2006−268779)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(000001236)株式会社小松製作所 (1,686)
【Fターム(参考)】