説明

可変ピッチ支持面を備えたコンベアベルト及びピッチを変化させる方法

【課題】搬送支持面をなす平行横棒のピッチを短時間でしかも追加的な費用を必要としないコンベアを提供する。
【解決手段】 複数の横軸棒2を含み、その自由端部が対向モジュール要素3に取り付けられ、相互接続して一組の長手方向可撓性要素を形成する無端型のコンベアベルトで、また少なくとも一組の可撤挿入部4,4',5,5'を含み、対向モジュール要素3に隣接して二つの連続横軸棒2の間に位置し、二つの連続横軸棒2の間に介在する少なくとも一つの中間棒6を堅く支持するのに適している。ベルトの支持面のピッチを縮小させる方法は、以下の動作からなる:少なくとも一つの中間棒6の両端部が一組の対向可撤挿入部4,4',5,5'に挿入され、それらをベルトの二つの連続横軸棒2の間に挿入することで平行な棒間のピッチは半分になる。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明はコンベアベルト、好ましくはチェーン型コンベアベルトに関する。
【0002】
より詳細には、本発明は食品を移送するベルトに関し、前記食品に対する支持面は一連の小さな横軸棒により形成され、横軸棒は互いに平行であり、その自由端部で第一及び第二平行チェーンを例えば取り付け、それぞれの長手方向案内により摺動可能に支持することができる。
【0003】
コンベアは、通常食品産業で使用され、無端ベルトを備えることにより、異なる段階の製品加工を連続的に行なうことができるようにする。製品は、事実、特定領域内でコンベアによって搬送され、その領域では例えば、加熱調理、上昇又は冷却段階が行われうる。この領域内では、製品は所定時間で搬送され、その時間はベルトの前進速度によって分割されたコンベアの長さにより画定される。
【0004】
ベルト支持面のピッチ、すなわち二つの連続横軸棒間の距離は、顧客の具体的な必要性を踏まえて選定される。大きな製品の場合、より大きなピッチを備える支持面を具備することが有利であり、例えば換気とそれに続く熱の除去を促進するようにする。しかしながら、より小さな製品の場合、縮小したピッチを備える支持面を具備することが必要となり、単独の部分が連続棒間の間隙によりその支持面上で配置を変えるという危険性がないようにする。
【0005】
これらのことを考慮すると、具体的な種類の商品用に既に設計されている場合でも、搬送する製品の大きさに基づいて所定のベルトの使用をいかに特化する必要があるか明らかである。顧客の製品は様々であり、その理由は例えば注文を受けて作業するからであり、又は他の産業ラインにコンベアを再利用することを望む顧客は、新たな利用に適したピッチを備える追加ベルトの費用に対処しなければならない。
【0006】
この型のチェーンコンベアベルトの様々な解決策は、先行技術において既知である。最も広く知られる型式のものは、前記の平行横軸棒の両端部が一組のアンカーチェーンに溶接され、前記棒により支持面を形成するのに適しており、また、適切な歯車によりベルトを駆動し、しかも長手方向案内に沿ったベルトの摺動を可能とする。これらのベルトでは、支持面のピッチ、すなわち連続棒間の往復距離は幾何学的パラメータに左右され、使用される型式のチェーンの寸法を特徴付ける。
【0007】
出願人は摩擦を減らした摺動要素を備えたチェーンコンベアベルトの試作品を開発して、イタリア特許出願第MI2004A002154号明細書に記載し、そのチェーンは、適切に成形された板材により形成され横軸棒を挿入するための孔を設ける。この場合も、前記横軸棒はチェーンの連結部の孔上に溶接され、連続棒間の往復距離はもっぱらチェーンの連結部の幾何学的配置に左右される。
【0008】
周知のチェーンコンベアは、支持面が一連の平行横軸棒により形成され、製品のサイズに関してあまり柔軟に使用することができない。前述したように、棒のピッチは使用するチェーンに依存し、後に変えることはできない。
【0009】
継続開発により、出願人は、全ての既知のモデルのもつ固有の制限の克服が可能なベルトの設計を行なった。
【0010】
本発明の実際の目的はコンベアベルトを提供することであり、好適にはチェーン型であって、可変ピッチを備える支持面を具備し、大小両方サイズの製品を搬送するのに使用することができる。
【0011】
本発明の他の目的は、使用するのに優れた柔軟性を備えた経済的なベルトを提供することであり、企業が産業ラインの製品を短時間でしかも追加的な費用を必要とすることなく変更することが可能となる。
【0012】
また、本発明の目的はベルトの支持面のピッチを変化させる方法を提供することにあり、作業者が前記ベルトを迅速かつ極めて容易に切り替えることが可能となる。
【0013】
これらの目的は、本発明に記載の無端型のコンベアベルトにより達成され、複数の横軸棒を含みそれらの自由端部は対向モジュール要素に取り付けられ、相互接続されて一組の長手方向可撓性ユニットを形成し、少なくとも一組の可撤挿入部(removable inserts)を含み、その挿入部は前記の対向モジュール要素に隣接して二つの連続横軸棒の間に位置し、前記の二つの連続横軸棒で少なくとも一つの中間棒を堅く支持するのに適する。
【0014】
有利には、対向する可撤挿入部が他の挿入部に対し平行である。
【0015】
好適には、各可撤挿入部に適切なハウジング手段を設けて、前記中間棒の一端部を堅く抑えて支持するようにする。
【0016】
好適には、各可撤挿入部に適切な手段を設けてベルトの二つの連続棒の間に同可撤挿入部を取り外し可能に挿入することができるようにする。
【0017】
ベルト支持面のピッチを縮小させる方法は以下の動作からなる。
―少なくとも一つの中間棒の両端部は前記手段に挿入されて、一組の対向する可撤挿入部を格納し、
―前記の少なくとも一組の対向可撤挿入部の各可撤挿入部は、少なくとも一つの中間棒を支持し、ベルトの二つの連続横軸棒の間に挿入される。
【0018】
ベルトの支持面のピッチを拡大させる方法は、先に説明した方法に関し、逆の過程からなる。
【0019】
これらのそして他の目的は、本発明の好適な実施形態の下記説明により明瞭となり、実施例は、請求される一般原則の例であり限定を受けない。
【0020】
説明は添付図面を参照しながら行う。
【0021】
図1は本発明に記載の食品に使用するチェーンコンベアのベルト1を示し、可変ピッチを備える支持面を設ける。製品を搬送する前記支持面は、互いに平行な横軸棒2の第一組と横軸棒2に平行な中間棒6の第二組によって形成される。前記横軸棒2の自由端部は既知の方法で取り付けられ、例えば溶接により対向し対応する対のベルト1のチェーン連結部3に取り付けられ、その連結部3は、図示した例では、適切に成形され湾曲した金属板によって形成される。第二組の中間棒6の自由端部は、代わりにベルト1上に設置した対向し対応する対の可撤挿入部4及び5、4’及び5’に堅く支持されて抑えられ、追加的な支持面を形成し、横軸棒2単独で形成される重合によりそのピッチを等分する。可撤挿入部4、4’、5、5’の特徴及びそれらをベルト1上に設置する方法は以下で余すところなく説明する。
【0022】
図2a及び2bは図1の一組の可撤挿入部4、4’を詳細に示す。図2aの可撤挿入部4は細長い本体を具備し、実質的に平行六面体である。挿入部4は、第一貫通溝7を含み、第一貫通溝7は横軸棒2の直径と実質的に等しい幅とその幅に対してより広い奥行きを備え、垂直面上で開口し水平対称軸を備える。挿入部4はまた、第二貫通溝8を具備し、その第二貫通溝8は横軸棒2の直径と実質的に等しい直径を備える円形側面と前記第二貫通溝8の側面の直径より小さい幅を備えた下側の面に開口部を備え、フック型縁部10の平行対によって画定される。可撤挿入部4は最終的に、垂直側上にスペーサ9を具備し、適切な円形スロット11を設置して、中間棒6を堅く抑えて支持するようにする。これは図3でより詳細に理解することができる。図2bは可撤挿入部4’を示し、その可撤挿入部4に対する相違点は、スペーサ9’が対向する垂直側上に設置されるという事実からなり、第一及び第二貫通溝7’及び8’の位置が逆になり、一方でスロット11’は同一側に設置される。図3は図1のベルト1の左側面を示し、側鎖の連結部3は単純化のため省略される。可撤挿入部5、5’は前述した可撤挿入部4、4に対して平行で、それらと同じ特徴をもつ。可撤挿入部5’は二つの連続横軸棒2の間に挿入され、最初に第一貫通溝7’に棒2を挿入し、次に続いて他の横軸棒2上に第二貫通溝8’を引っ掛ける。縁部10’は、図2aと2bに関して前述したように、圧力を受けて伸縮自在に拡大し、棒2が完全に第二貫通溝8’に係合するや否や棒2を固定する。挿入部5は同じ方法で設置される。図3を見ると明らかなように、挿入部5、5’が同側で交互となり、第二貫通溝8、8’が同じ棒2を引っ掛け、スペーサ9’、9の側面とそれぞれ接するようにする。スロット11、11’は、中間棒6の列を支持して堅く抑え、一つの連続横軸棒2と一つの連続中間棒6の間の距離又はピッチが、二つの連続横軸棒2の間で実質的に半分の距離又はピッチAになる。
【0023】
図4はベルトの拡大斜視図であり、本発明に記載のベルト1のピッチを変化させる方法を効果的に示す。中間棒6の自由端部は、対向し対応する対の可撤挿入部4及び5、4’及び5’のスロット11と11’を係合する。その後、前記対向対の可撤棒4及び5、4’及び5’は、前記中間棒6を支持し、前述の方法でベルト1の二つの連続横軸棒2の間に挿入され、各可撤挿入部4、4’、5、5’がベルト1の支持面内部で、側鎖の対応連結部3に隣接する。これは図1で理解できる。この方法で進めることにより、中間棒6は最初に存在した各横軸棒2に加えられ、棒の数が二倍になり、有利にそれらのピッチを等分する。
【0024】
好適にかつ限定をせずに図示したベルトの具体的な型は、ドラムコンベアベルトやチェーンが単純なアンカーチェーン又は他の方法で成形、湾曲された板材であるチェーンコンベアベルトへの適用の可能性を除外しないことは明らかである。可撤挿入部4で用いられる材料は耐久性があり、軽量で十分な柔軟性をもち、横軸棒2上で第二溝8、8’に挿入できるようにしなければならないが、他の取付け手段もまた予測することができる。この目的のためには、ポリマー樹脂や様々な金属合金が特に適切である。挿入部4の同一形状は形状及びサイズを変更することができる。さらに、可撤挿入部4の追加的機能の可能な実施は除外されないが、請求項に示された内容から逸脱することはない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に記載のベルトの斜視図を示す。
【図2a】ベルトと同側に連続的に設置される一組の可撤挿入部の外側の斜視図を示す。
【図2b】ベルトと同側に連続的に設置される一組の可撤挿入部の外側の斜視図を示す。
【図3】ベルトの支持面の斜視図であり、そのピッチは可撤挿入部の存在により等分される。
【図4】本発明に記載のベルトの拡大斜視図を示し、可撤挿入部により支持されるより大きなピッチと中間棒を備えたベルトがずらした面で示される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の横軸棒(2)からなり、その自由端部を対向モジュール要素(3)に取り付けて相互接続して一組の可撓性ユニットを形成するようにした無端型のコンベアベルトであって、少なくとも一組の可撤挿入部(4及び4’、5及び5’)を含み、前記対向モジュール要素(3)に隣接し二つの連続横軸棒(2)間に位置して、前記の二つの連続横軸棒(2)で少なくとも一つの中間棒(6)を堅く支持するのに適していることを特徴とするコンベアベルト。
【請求項2】
各可撤挿入部(4、4’、5、5’)は、適切なハウジング手段(11,11’)を設置して前記中間棒(6)の一端部を支持し堅く抑えるようにすることを特徴とする請求項1に記載のコンベアベルト。
【請求項3】
対向対の可撤挿入部(4及び5、4’及び5’)は他の挿入部に対して平行となりうることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンベアベルト。
【請求項4】
各可撤挿入部(4、4’、5、5’)は、適切な手段(7、7’、8、8’)を具備して、前記可撤挿入部(4、4’、5、5’)がベルト(1)の二つの連続横軸棒(2)の間に挿入することができるようにすることを特徴とする請求項1乃至3に記載のコンベアベルト。
【請求項5】
前記手段(7、7’、8、8’)は、第一貫通溝(7、7’)と第二貫通溝(8、8’)であることを特徴とする請求項4に記載のコンベアベルト。
【請求項6】
前記第一貫通溝(7、7’)は、横軸棒(2)の直径と実質的に等しい幅と前記幅に対してより大きな奥行きを具備し、垂直面上で開口して水平対称軸を具備することを特徴とする請求項5に記載のコンベアベルト。
【請求項7】
前記第二貫通溝(8、8’)は、横軸棒(2)の直径と実質的に等しい直径を備えた円形側面を具備し、前記第二貫通溝(8、8’)の側面の直径よりも小さな幅を備える開口部を設け、平行対のフック型縁部により画定されることを特徴とする請求項5記載のコンベアベルト。
【請求項8】
少なくとも一つの中間棒(2)の両自由端部は、一組の対向可撤挿入部(4及び4’、5及び5’)のハウジング手段(11、11’)に挿入され、前記の少なくとも一組の対向可撤挿入部(4及び4’、5及び5’)の各可撤挿入部(4、4’、5、5’)は、前記の少なくとも一つの中間棒(6)を支持し、ベルト(1)の二つの連続横軸棒(2)の間に挿入されることを特徴とする請求項1乃至7に記載のベルト(1)の支持面のピッチを変える方法。
【請求項9】
逆の動作にできることを特徴とする請求項8に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2a】
image rotate

【図2b】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate