説明

可変伸長性多層不織布複合体

スパンボンドされた不織布ウエッブおよび熔融吹込みされた不織布ウエッブの層を含んで成る不織布複合体が記載されている。このような複合体は、少なくとも一つの熔融吹込み層の上に沈積された少なくとも一つのスパンボンド繊維の外側層が存在するように複合体の層を形成するかまたは組み立てることによってつくられる。少なくとも一つの外側層はスパンボンドされた連続フィラメント繊維の実質的に平行なストライプを含んで成り、この場合少なくとも二つの異なったタイプのストライプが使用されている。またスパンボンド層の内部の繊維のストライプは主として不織布複合体の機械方向に配向している。この繊維布複合体のすべての層は熱的方法、接着剤、超音波または機械的結合方法により一緒に結合される。このような複合体は横方向の伸長度対機械方向の伸長度の比を変え得るようにつくることができる。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は2007年9月7日出願の米国特許暫定出願第60/970,554号の利益を請求する。本出願は引用により該米国特許暫定出願第60/970,554号の全文を包含するものとする。
【技術分野】
【0002】
本発明は、或る種の不織布層を含んで成る繊維が或るタイプの繊維であり、特定のパターンおよび配向をもつように沈降(lay down)させて組成物に対し独特の伸長特性を賦与している多層不織布複合体に関する。得られる複合体不織布は許容すべき引張り強さを有し、伸長特性を広い範囲で変化させることができる。
【背景技術】
【0003】
衛生産業の分野において伸長性の不織布は急速に成長してきた。使用されている大部分の製品は、Kimberly Clark Demique(R)および「Flex−All」の製品のように機械方向の伸長性をもっているか、或いは「Golden Phoenix」または「Tredegar」の不織布、即ち弾性フィルム積層品のように横方向の伸長性をもっているかのいずれかである。一方向または多方向に伸長する伸長性不織布は、衛生関連製品に有用な機能を与え、またこのような伸長性の不織布に対し衣類のような分野における新しい最終用途を開拓している。
【0004】
伸長性不織布を製造するための公知の方法には、弾性フィルムと不織布、繊維と不織布、または多重不織層の積層品をベースにした方法が含まれ、ここで各層は或る種の機能を達成するように設計された特徴的な特性をもっている。良く知られた形の多層不織布複合体構造物は、熔融吹込みされた内側層が二つのスパンボンドされたかたい(即ち著しい伸長性をもたない)繊維の外側層に取り囲まれたような構造をしている。この形の伸長性の不織布は、伸長した形にしてエラストマーの層をスパンボンドされた外側層に積層化することにより、機械方向または横方向のいずれかに単一方向の伸長性をもたせることができる。
【0005】
また通常のスパンボンド法においてエラストマー性の熱可塑性重合体を使用することにより、十分な弾性をもった多重方向のスパンボンド不織布が工業製品として製造されている。しかしこれらの製品のいくつかは、優れた弾性を示すが、弾性をもった重合体の特徴である不快なゴム状の触感をもっている。内部の不織布層にエラストマー性の重合体を使い、これをかたい繊維の外側の不織布層で保護すると、特に低デニールの繊維を使用した場合、この問題を避けることができる。
【0006】
多層不織布ウエッブの伸長特性は、エラストマー性の内側の層を用い、積層化された複合体の不織布の外側の層としてつくられた非エラストマー性のかたいフィラメントまたは繊維の配向を変えることによって変化させることができる。このような外側の層のかたいフィラメントまたは繊維は主として機械方向に配向しているから、不織布複合体を機械方向に伸長させる傾向を最低限度に抑制するかこのような傾向を除去し、同時に複合体が横方向に幾分伸長する能力が保存されるようにする。このタイプの不織布複合体ウエッブは例えば特許文献1に記載されている。
【0007】
繊維の配向とは無関係に、一般にこのような多層複合体の伸長特性は、組成および/または幾分かエラストマー性について二成分系である繊維を、このような複合体の不織布の外側層に使用することにより変化させることができる。このような不織布構造物において
は、使用される外側層の繊維の不適切な触感、風合い、または美術的特性を避ける必要から、不織布の所望の伸長特性をバランスさせる必要がある。
【0008】
主として一方向性の、例えば機械方向に対して横方向の伸長特性をもつか、或いは多方向性の、例えば等方性の伸長特性をもち、且つ複合体の層の中に或る種のタイプの繊維および配向性をもった多層不織布複合体を製造するための技術は得らてはいるが、使用時における潜在的な必要性および要望に応えるためには、伸長特性および繊維の組成を変化させ得るさらに他のタイプのこのような不織布複合体を識別することが望ましくまた有用であろう。このような複合体は、通常のスパンボンドおよび熔融吹込み装置および方法を使用してつくることができ、所望の伸長特性を得るためにさらに他の、時間および価格のかかるウエッブの後加工処理工程を必要としない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第5,393,599号明細書。
【発明の概要】
【0010】
本発明は不織布複合体に関し、特に一般的なスパンボンド−熔融吹込み(SM)された、スパンボンド−熔融吹込み−スパンボンド(SMS)された、或いはスパンボンド−熔融吹込み−熔融吹込み−スパンボンド(SMMS)されたタイプの該複合体に関する。このような繊維布の複合体は複合体の層を機械方向に形成し或いは組み立てることによりつくられる。
【0011】
一具体化例においては、このような不織布の複合体は(a)熔融吹込みされた繊維布を含んで成る少なくとも一つの内側層;および(b)少なくとも一つの内側層の片側に配置された少なくとも一つの外側層を具備している。外側層は、少なくとも二つの異なったタイプの重合体材料からつくられた異なった繊維を含んで成るスパンボンドされた連続フィラメント繊維からつくられている。
【0012】
このようなスパンボンド繊維は、各外側層の内部に多数の不連続的で実質的に平行な繊維のストライプ(stripe)が生じるように、外側層の生成中に沈積させられる。少なくとも二つのこれらの繊維のストライプの中の一つは、異なったタイプの重合体材料からつくられた繊維を含んで成っているために、少なくとも二つの繊維のストライプの他のものとは異なった別の重合体の構成をもっている。
【0013】
外側層の形成中に、実質的に平行な異なった繊維のストライプは主として不織布複合体の機械方向に配向するように沈積される。この複合体繊維布の内側および外側の層は、熱的方法、接着剤、超音波、または機械的な結合方法によって結合される。
【0014】
他の本発明の具体化例においては、不織布複合体は、(a)エラストマー性の熔融吹込みされた繊維を含んで成る少なくとも一つの内側層;および(b)少なくとも一つの内側層の相対する側に配置された二つの外側層を含んで成っている。この二つの外側層の少なくとも一つは、第1のタイプの重合体材料からつくられた第1のスパンボンドされた繊維、および第2のタイプの重合体材料からつくられた第2のスパンボンドされた繊維の両方を含んで成るスパンボンドされた連続フィラメント繊維を含んで成っている。第2のタイプの重合体材料は第1のタイプの重合体材料とは異なっている。
【0015】
これらのスパンボンドされた繊維は、少なくとも一つの外側層の形成中、外側層の内部において、交互に存在する不連続的で実質的に平行な多数の繊維のストライプが生じるように沈積される。このような交互に存在する繊維のストライプは、第1のスパンボンドさ
れた繊維および第2のスパンボンドされた繊維から交互につくられる。これらの交互に存在する不連続的で実質的に平行な繊維のストライプはさらに、外側の層の形成中において、主として不織布複合体の機械方向に配向するように沈積される。不織布複合体のすべての層は、熱的方法、接着剤、超音波、または機械的な結合方法によって結合される。
【0016】
本発明の組成物は、熔融吹込みされた内側層およびスパンボンドされた外側層の内部の異なった繊維のストライプの中のスパンボンドされた繊維の重合体の構成に依存して、機械方向および横方向の両方に変化させ得る量の伸長度を示す。複合体構造物の内部の種々の繊維の構成に対し適切なタイプを選ぶことにより、このような不織布複合体に対し機械方向の伸長度対横方向の伸長度の比を所望の値にすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の不織布複合体、並びにその個々の層、およびその構成要素および特性は、この種類の製品に関連して典型的に使用される通常の述語を用いて記述することができる。本発明の複合体製品を記述するのに関連して用いられるいくつかの通常の述語を下記に説明する:
本明細書において「不織布」、層またはウエッブという言葉は、間に配置された個々の繊維または糸が編物におけるような識別し得る構造ではない構造で配置されている繊維布、層またはウエッブを意味する。従来不織布、層またはウエッブは、例えば熔融吹込み法、スパンボンド法、ボンデッド・カーデッド・ウエッブ法(bonded carded web process)のような多くの方法でつくられてきた。不織布、層またはウエッブの坪量は通常1平方ヤード当たりのオンス単位の材料の量(osy)または1m当たりのg単位の材料の量(gsm)で表される。osyからgsmへの変換は33.91を乗じることによって行われる。
【0018】
本発明の不織布、層またはウエッブは繊維またはフィラメントの配列である。本明細書においては「繊維」および「フィラメント」と云う言葉は入れ替えて使用される。
【0019】
本明細書において使用される「熔融吹込み繊維」は、熔融した熱可塑性材料を多数の細かい通常は円形のダイス型の毛細管の中に通して熔融した糸またはフィラメントとして押し出し、集約用の高速の、通常は高温のガス(例えば空気)流の中に入れ、これによって熔融した熱可塑性のフィラメントを細くして直径を減少させることによってつくられる。この直径はマイクロファイバーの直径、例えばフィラメント1本当たり約1.0デニールであることができる。しかる後、熔融吹込みされた繊維を高速ガス流によって運び、捕集面の上に沈積させて不規則に分配された熔融吹込み繊維のウエッブをつくる。このような方法は例えばButin等の米国特許第3,849,241号に記載されている。熔融吹込み繊維はマイクロファイバーであって連続繊維または不連続繊維であることができ、捕集面に沈積させた場合、一般に粘着性をもっている。
【0020】
本明細書において「スパンボンド繊維」と云う言葉は、例えばAppel等の米国特許第4,340,563号明細書;Dorschner等の米国特許第3,692,618号明細書;Matsuki等の米国特許第3,802,817号明細書;Kinney等の米国特許第3,338,992号明細書および同第3,341,394号明細書;Hartmanの米国特許第3,502,763号明細書;およびDobo等の米国特許第3,542,615号明細書記載の方法により、押し出されるフィラメントの直径をもつ多数の細かい通常は円形の紡糸口金の毛細管から熔融した熱可塑性材料を押し出し、次いで急速に細くすることによってつくられる小さい直径をもった繊維を意味する。スパンボンド繊維は捕集面に沈積させた場合一般に粘着性をもっていない。スパンボンド繊維は一般に連続繊維である。
【0021】
スパンボンド繊維および熔融吹込み繊維の両方に対して、繊維の直径は通常ミクロン(μm)単位で表される。また繊維の大きさは「デニール」という言葉で特徴付けられる。本明細書においては「デニール」は個々のフィラメントまたは繊維9000m当たりのg単位の重量を意味する。
【0022】
本発明の複合体のスパンボンド層および熔融吹込み層をつくるために使用される繊維は重合体材料からつくられる。本明細書において使用される「重合体」と云う言葉は、一般に単独重合体、共重合体、例えばブロック共重合体、グラフト共重合体、ランダム共重合体、および交互共重合体、三元共重合体、並びにそれらの配合物および変成物を意味するが、これだけには限定されない。さらに特記しない限り「重合体」という言葉は分子のすべての可能な幾何学的配置を含むものでなければならない。これらの配置はこれだけには限定されないがアイソタクティック、シンジオタクティックおよびランダムな対称性を含んでいる。
【0023】
熔融吹込み層
本発明の不織布複合体は熔融吹込み繊維のウエッブを含んで成る少なくとも一つの層を含んで成っている。このような熔融吹込み繊維は好ましくはエラストマー性であり、広範囲のエラストマー性の熱可塑性重合体からつくることができる。一般に、任意の適当なエラストマー繊維を生成する樹脂およびそれを含む配合物を使用してエラストマー性の熔融吹込み繊維をつくることができる。このような材料にはエラストマー性ポリオレフィン、エラストマー性ポリエステル、エラストマー性ポリウレタン、エラストマー性ポリアミド、エチレンと少なくとも1種のビニル単量体とのエラストマー性共重合体、およびA−B−A’ブロック共重合体が含まれる。ここでAおよびA’は同一または相異なる熱可塑性重合体である。
【0024】
熔融吹込み層に対するエラストマー性重合体の一つの好適な種類はエラストマー性ポリオレフィンを含んで成っている。このような材料にはランダムポリオレフィン共重合体、例えばエチレンとプロピレンとの共重合体、またはエチレンおよび/またはプロピレンと少なくとも1種の他のα−オレフィンとの共重合体が含まれる。この種のポリオレフィン共重合体はExxonMobil Chemical CompanyによりVistamaxx(R)の商品名で市販されているもの、およびDow Chemical CompanyによりOlympus(R)の商品名で市販されているものを含んでいる。このようなランダム共重合体とアイソタクティックポリプロピレンとの配合物も熔融吹込みされた不織布層をつくることができる重合体として有用である。
【0025】
他の例においては、内側層のエラストマー性の熔融吹込み繊維は一般式A−B−A’を有するブロック共重合体からつくることができる。ここでAおよびA’はそれぞれポリ(ビニルアレン)のようなスチレン部分を含む熱可塑性重合体の末端ブロックであり、Bは共役ジエンまたは低級アルケン重合体のようなエラストマー性の重合体の中間ブロックである。このブロック共重合体は例えばShell Chemical CompanyからKRATON(R)Gの商品名で市販されている(ポリスチレン/ポリ(エチレンブチレン)/ポリスチレン)ブロック共重合体であることができる。このようなブロック共重合体は例えばKRATON(R)G−1657であることができる。
【0026】
熔融吹込みされた内側層に対して使用できる他の例示的なエラストマー材料の例にはポリウレタンエラストマー材料、例えばB.F.Goodrich & Co.から市販されているESTANE(R)、ポリアミドエラストマー材料、例えばRilsan CompanyからPEBAX(R)の商品名で市販されている製品、ポリエステルエラストマー材料、例えばE.I.DuPont De Nemours & CompanyからHYTREL(R)の商標で市販されている製品が含まれる。ポリエステルエラストマー材料からエラストマー性熔融吹込み繊維を製造する方法は例えばMorman等の米国特許第4,741,949号明細書に記載されている。この特許は引用により本明細書に包含される。
【0027】
有用な弾力性重合体にはまた例えばエチレンおよび少なくとも1種のビニル単量体、例えば酢酸ビニル、不飽和脂肪族モノカルボン酸、および該モノカルボン酸のエステルの弾力性共重合体が含まれる。この弾力性共重合体およびこれらの弾力性共重合体の製造法は例えば米国特許第4,803,117号明細書に記載されており、この特許は引用により本明細書に包含される。
【0028】
本発明の或る種の好適な具体化例においては、本発明の複合体の熔融吹込み層に使用される繊維は多成分繊維であることができる。本明細書において使用される「多成分繊維」と云う言葉は、少なくとも2種の異なった、例えば混合し得ない成分重合体からつくられるか、或いは異なった特性をもつかまたは添加物を含む同じ重合体からつくられ、これらの重合体は別の押出し機から押出されるが、一緒に紡糸して一つの繊維またはフィラメントをつくる。多成分繊維はまたしばしば共役繊維または二成分繊維と呼ばれるが、三成分以上も使用することができる。
【0029】
多成分繊維においては、多成分繊維の断面を横切る実質的に一定の位置にある異なった区域の中で異なった重合体を配列させ、多成分繊維の長さに沿ってこれを連続的に延ばすことができる。このような多成分繊維の配置は例えば同心的なまたは偏心的な鞘/芯の配列であって、1種の重合体が他の重合体により取り囲まれた配置、或いは並列した配置、「海の中にある島」の配列、またはパイ−楔形のような配列、円形、卵形、または矩形の断面の繊維の上のストライプ、または他の形状であることができる。多成分繊維はKaneko等の米国特許第5,108,820号明細書およびStrack等の米国特許第.
5,336,552に記載されている。共役繊維はPike等の米国特許第5,382,400号明細書に記載されている。これらの特許は引用により本明細書に包含される。
【0030】
共役繊維は、2種(またはそれ以上)の重合体の膨張および収縮の割合の差を利用することにより、繊維の中にクリンプをつくるのに用いることができる。この場合の熔融吹込み層の中の二成分繊維はまた一つの成分としてエラストマー性の比較的大きい重合体を含み、他の成分として異なった非エラストマー性の重合体を含んで成っている。例えば熔融吹込み層に使用される二成分繊維はKraton(R)のようなエラストマー性の重合体の芯を含み、その周りは異なった混合しない比較的非エラストマー性の重合体、例えばポリプロピレンの鞘によって取り囲まれている。
【0031】
二成分繊維に対しては、重合体は75/25、50/50、25/75または他の任意の所望の割合で存在していることができる。これに加えて多成分繊維の任意の与えられた成分は、多成分配合物成分として2種またはそれ以上の重合体を含んで成っていることが望ましい。
【0032】
本発明の複合体の熔融吹込みされた内側層の内部のエラストマー繊維は一般にフィラメント当たり平均約1.0デニール以下のマイクロファイバーである。これらの繊維は1インチ当たり35〜75個の孔(hpi)をもつ熔融吹込みダイス型を用いてつくることができる。熔融吹込みされた内側層の坪量は一般に約5〜約40オンス/平方ヤード、さらに好ましくは約10〜約30オンス/平方ヤードである。
【0033】
本発明の繊維布複合体は一つまたはそれ以上の内側層を具備していることができる。例えば本発明の複合体は中に二つの異なった熔融吹込みされた内側層をもつSMMS配置からつくられていることができる。
【0034】
スパンボンド層
本発明の繊維布複合体は少なくとも一つの熔融吹込みされた内部層の片側に配置された少なくとも一つの外側層を具備している。好ましくは本発明の繊維布複合体は少なくとも一つの熔融吹込みされた内側層の相対する側に配置されたスパンボンド繊維の二つの外側層を含んで成っている。種々のスパンボンド法が存在しているが、すべて典型的には連続フィラメントを押出し、このフィラメントを急冷し、高速の流体でフィラメントを延伸するか細くし、このフィラメントを表面、例えば形成用のワイヤまたは他の基質上に繊維として集めてウエッブをつくるという基本的な工程を含んでいる。当業界に公知の例示的なスパンボンド法にはLurgiのスパンボンド法およびスロット延伸スパンボンド法が含まれている。Lurgiの方法では多数の丸いまたは管状の形のベンチュリノズルによってフィラメントを細くする。スロット延伸スパンボンド法では多数の管状のアッテニュエーター(attenuator)の代りに機械の幅方向に延びたスロットの形のアッテニュエーターを用いる。
【0035】
当業界に公知のいずれのスパンボンド法でも本発明の複合体のスパンボンドされた外側層をつくるのに用いることができる。例示的なスパンボンド法は例えばAppel等の米国特許第4,340,563号明細書および同第4,405,297号明細書、およびReifenhaeuserの米国特許第4,820,459号明細書に記載されている。これらの特許は引用により本明細書に包含される。スパンボンドされたウエッブは工程中(インライン)において、次いでエラストマー性の熔融吹込み層と共に予備成形または成形することができる。
【0036】
熔融紡糸して実質的に連続なフィラメントをつくることができる任意の重合体または重合体配合物、または他の重合体の組み合わせを用い、本発明の複合体のスパンボンドされた外側層をつくることができる。スパンボンドウエッブをつくるのに適切に使用できる重合体の例には、ポリエステル、アクリル、ポリアミド、ポリオレフィン、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、これらの共重合体等、または他の熱可塑性重合体、およびこれらの共重合体および配合物、並びにこれらと他の熱可塑性重合体との組み合わせが含まれる。
【0037】
本発明の複合体の熔融吹込み層に使用される繊維と同様に、外側層のスパンボンド繊維もまた上記の多成分繊維を含んで成っていることができる。スパンボンド多成分繊維は、スパンボンド繊維と相容性をもたない二つまたはそれ以上の重合体の異なった区域が存在するように、相容性をもたない異なった重合体からつくられる。スパンボンド層に対する適切な二成分繊維は例えば熔融吹込み層に使用できるような同じ種類のKraton(R)の芯/ポリプロピレンの鞘を含んで成っていることができる。
【0038】
本発明の複合体のスパンボンド層をつくるために使用されるフィラメントの重合体の構成が何であろうとも、このような重合体材料は一般に約20〜約55のメルトフローレートを示すであろう。さらに好ましくはスパンボンド層に使用される重合体のメルトフローレートは約25〜約35の範囲にある。本発明においてメルトフローレート(mfr)は「押出しプラストメーターによる熱可塑性材料のメルトフローレートの標準的試験法(Standard Test Method for Melt Flow Rates of Thermoplastics by Extrusion Plastometer)」と題するASTM D−01238−04c法を用いて決定することができる。
【0039】
好ましくは紡糸口金から出たスパンボンドフィラメントは、繊維として沈降させる前に、部分的に細くして複合体の外側層に使用されるスパンボンドされた不織布のウエッブをつくる。この目的に対しては、このようなフィラメントが平均としてフィラメント当たり
約1.8デニール以下まで延伸されていれば、部分的に細くなる。さらに好ましくは本発明の外側層に使用されるスパンボンドフィラメントは、フィラメント当たり平均約1.8〜約3.0デニールまで部分的に細くされている。スパンボンド層に部分的に細くされた繊維を使用することにより、得られた繊維布複合体は、横方向に延ばした場合、さらに延伸性および伸長性を示すことができる。
【0040】
本発明の本質的な特徴は、少なくとも一つの外側層の内部には、多数の不連続で実質的に平行なストライプまたは列の形でスパンボンド繊維が沈積されていることである。さらに、これらのストライプの少なくとも二つは互いに異なった重合体の構成をもっている。このような重合体の構成の相違は、二つの異なったタイプの重合体材料からつくられたことにより互いに異なっている繊維をそれぞれ含んで成る二つの異なったストライプによって生じる。好ましくはスパンボンドされた外側層の少なくとも一つ、好ましくは両方は少なくとも10個、好ましくは少なくとも25個の不連続で実質的に平行なストライプまたは列を含んで成っているであろう。
【0041】
本発明の目的に対しては、二つの重合体が異なった識別し得る化学的、物理的、レオロジー的性質、微小構造、機能、または性能をもっている場合、二つの重合体のタイプは互いに異なっている。従って重合体が異なった単量体の種類および単量体含量、分子量、立体規則性、または他の分子的な配列、結晶性、融点、ガラス転移温度、粘度、メルトフローレート、エラストマー特性等をもっている場合、およびもっていることによって、重合体のタイプは異なっており識別可能である。実際、同じ重合体材料の二つの試料を異なった方法で処理した場合、例えば異なった程度に細くした(延伸した)場合、この二つの試料は異なったタイプの重合体になることができる。
【0042】
好適具体化例においては、第1の組のスパンボンド繊維は一つのタイプの重合体を含み、第2の組のスパンボンド繊維は第2のタイプの重合体を含んで成っているであろう。例えば或るスパンボンド繊維は実質的に100%のポリプロピレンを含んで成っていることができる。他のスパンボンド繊維はポリプロピレンとエラストマー性重合体、例えばエチレンとプロピレンとの共重合体またはエチレンおよび/またはプロピレンおよび少なくとも1種の他のα−オレフィンの共重合体との相容性をもった配合物であることができる。熔融吹込み層に有用なエラストマーに関して前述したように、このタイプのエラストマー性ポリオレフィン共重合体にはExxonMobil Chemical CompanyによってVistamaxx(R)の商品名で市販されているものが含まれる。このようなポリプロピレンと他の重合体材料との相容性をもった配合物が一組のスパンボンド層の繊維に使用された場合、このような繊維のポリプロピレン含量は約5〜約90重量%の範囲であるべきことが好ましい。
【0043】
外側の層をつくるために沈積させたスパンボンド繊維のストライプは、3種またはそれ以上の異なった重合体のタイプを含んで成っていることができる。しかし好ましくは外側の層には、例えばABABA等の配置のように、平行なストライプから成る交互のパターンをなして沈積したストライプが二つタイプだけしか含まれていないことが好ましい。さらに好ましくはこれらの二つのタイプのストライプは均一な幅をもっている。均一な幅をもち外側の層の断面積の幅1m毎に交互に変化するパターンをもつストライプが約50〜約150個、さらに好ましくは約70〜約140個存在していることが多い。
【0044】
スパンボンド繊維の不連続なストライプは、一つまたはそれ以上の紡糸ビームを使用し、二つまたはそれ以上の別々の押出し機によりこれに二つまたはそれ以上の異なったタイプの紡糸用の重合体を供給してつくることができる。単一の紡糸ビームを使用する場合、これを分割して所望のストライプの関係を得るように別々のタイプの重合体フィラメントを紡糸することができる。二つの紡糸ビームを使用する場合には、フィラメントのストラ
イプの必要なパターンで沈積を行うために、別々のフィラメントの列を与えるように配置することができる。この型の装置は例えば米国特許第6,872,339号明細書に記載されている。この特許は引用により本明細書に包含される。
【0045】
また本発明の繊維布複合体のスパンボンドされた外側層の繊維のストライプは主としてスパンボンドされた外側層の機械方向に配向している。これらの層のストライプおよび繊維は、得られたスパンボンドされたウエッブが異方性を示す場合、主として機械方向に配向していると考えられる。従って例えば本発明に使用されるこのようなスパンボンドされたウエッブの機械方向の引張り強さ(破断強度)対横方向の引張り強さ(破断強度)の比は少なくとも約1.25:1であろう。さらに好ましくは本発明の複合体に使用されるスパンボンドされたウエッブのこのMD:CDの比は約1.5:1〜約2.5:1の範囲にあるであろう。
【0046】
主として機械方向に配向したフィラメント/繊維のストライプを中に有するスパンボンドされたウエッブを製造するためには、種々の方法および種々のタイプの装置がある。このような方法および装置のタイプには、所望のスパンボンドされたウエッブをつくるための形成用のワイヤ、ベルト、基質または他の捕集面の上に繊維を沈降または沈積させる前に、スパンボンドされたフィラメントのストライプが拡散、混合または不規則に配向する程度を変化または変更させるものが含まれる。スパンボンド層の中のスパンボンドされた繊維のストライプを機械方向に配向させる最も簡単な方法は、延伸してスパンボンドされた繊維を沈積させる前にこれを不規則化するためにスパンボンド業界に典型的に使用されてきた種々の通常の方法を除去する方法である。この方法によりアッテニュエーターから出た繊維のストライプの配向を、このような繊維のストライプが沈積した基質の機械方向に関して実質的に平行な関係に保持することができる。
【0047】
形成用の基質の上に沈積したスパンボンドされたフィラメントのストライプの配向を制御するために偏向案内板または他の機械的要素を使用することもできる。このような方法は例えば米国特許第5,366,793号明細書および同第7,172,398号明細書、並びに米国特許第出願第2006/0137808号明細書に記載されている。スパンボンドされたフィラメントのストライプの沈積を調節するために空気流の方向を変化させ、これによって沈積されたフィラメントを機械方向に配向させる方法は米国特許第6,524,521号明細書に記載されている。これらの特許は引用により本明細書に包含される。
【0048】
本発明の複合体の該スパンボンドされた層の各々は独立に約5〜約45g/mの坪量をもっている。
【0049】
繊維布複合体アセンブリー
本発明の複合体の外側層として用いられるスパンボンドされたウエッブをつくった後、或いはつくる際に、少なくとも一つのエラストマー層に対して層状の面対面をなす関係でウエッブを配置し、本発明の繊維布複合体をつくる。この層は当業界の専門家には公知の方法を用い一緒に合わせて例えばSMS積層品をつくることができる。米国特許第4,041,203号明細書記載のインライン法または任意の適当な代替法を用いスパンボンド層および熔融吹込み層をつくり結合することができる。任意のスパンボンド層および熔融吹込み層はインラインでつくることができる。次いでこの層を重ね合わせ結合する。SMS型の繊維布複合体を製造するための適当なマルチステーション装置の設備は米国特許第6,770,156号明細書に記載されている。
【0050】
積層化された層は、一般に熱的方法、接着剤、超音波または機械的な結合方法を含む標準的な結合方法により、断続的な不連続結合区域のところで一体化される。好ましくは、
本発明の複合体はエラストマー性の内側層および二つのスパンボンドされた外側層を一緒に熱的に結合することによってつくられる。一具体化例においては、公知方法を使用し、積層化された複合体は不連続的な点、線のパターン、または他の断続的な結合パターンを用いて熱的に結合される。断続的な熱的結合は、例えば層状の構造物をパターンの付いたカレンダーロールと滑らかなロール、または二つのパターンが付いたロールの間のニップ(nip)に通すことにより、スパンボンドされたウエッブの表面の上の不連続的な点で熱および圧力をかけてつくることができる。片方または両方のロールを加熱して繊維布を熱的に結合させる。
【0051】
結合条件および結合パターンは、結合された繊維布において所望の組合せの強度、柔らかさ、および掛け覆い性(drapeability)が得られるように選ばれる。本発明の繊維布複合体に対しては、ロールの結合温度が110〜130℃の範囲、結合ニップの圧力が約100〜400ポンド/直線インチ(175〜700N/cm)の範囲にあると良好な熱的結合が得られることが見出だされた。最適な結合温度および圧力は結合の際の工程ラインの速度の関数であり、一般にライン速度が速いほど高い結合温度が必要である。
【0052】
本発明の繊維布複合体はまた、例えば該繊維布複合体をホーンおよび回転アンビルロールの間に通すことにより超音波を用いて熱的に結合することができる。この場合アンビルロールは例えばその表面に突起をもったパターンを有している。別法として、本発明の繊維布複合体は当業界に公知の通気結合法(through−air bonding method)を用いて結合することができる。この場合には、繊維布を多孔性の表面上に支持しながら交差点で互いに接触させ、繊維を一緒に結合させるのに十分な温度に加熱したガス、例えば空気を繊維布の中に通す。
【0053】
最終用途に依存して、本発明の繊維布複合体は約10〜300g/m(gsm)、または約15〜200gsm、または約20〜100gsm、または約25〜50gsmの坪量をもっていることができる。本発明の複合体の坪量は複合体の表面積を横切って実質的に均一である。
【0054】
スパンボンド層および熔融吹込み層はそれぞれ例えば好適なSMS型積層品の約5〜60重量%、または該積層品の約15〜50重量%、または該積層品の約20〜40重量%をなしていることができる。ここで該三つの層は一緒になってSMSの100%を構成している。本発明の繊維布複合体は機械方向および横方向の両方において広い範囲の伸長性をもっていることができる。一具体化例においては、本発明の複合体は横方向に約50〜約250%の範囲の伸長度を示し、機械方向における最低の伸長度は例えば50%より小さい。
【実施例】
【0055】
ポリプロピレン(P3155(R)、Exxon Mobil Chemical Company製)フィラメントのストライプ、および該ポリプロピレン約25%とエチレン/プロピレン不規則共重合体との配合物(Vistamaxx(R) 2230、ExxonMobil Chemical Company製)のストライプから交互に構成された二つの外側スパンボンド層から坪量85gsmのSMS繊維布複合体をつくる。このような複合体の内側層のウエッブは同じエチレン/プロピレン不規則共重合体(Vistamaxx(R) 2230、ExxonMobil Chemical Company製)を含んで成るエラストマー性熔融吹込み繊維を含んで成っている。このような複合体は、第1のスパンボンド層を幅1mのウエッブ形成ベルトの上に沈降させ、エラストマー性の熔融吹込みフィラメントを第1のスパンボンド層の上に沈降させ、しかる後生じた熔融吹込み繊維のウエッブの上に第2のスパンボンド外側層を沈降させることによりインラインでつくられる。このタイプのSMS繊維布複合体のこのような逐次的な形成は米
国特許第6,427,745号明細書記載と同様な機構の装置上で行われる。
【0056】
二つのタイプの重合体のストライプが不連続的に交互につくられるような形で二つのスパンボンド層のフィラメントを沈降させる。このようなストライプは均一な幅を有し、スパンボンド層の断面の幅1m当たりこれらのストライプは78個存在している。スパンボンド層のフィラメントのストライプは紡糸距離(アッテニュエーターからベルトまで)を介して形成用ベルト(またはその上のウエッブ層)へ向かっており、繊維を不規則化または拡散させる装置が存在しない場合、これによって第1のストライプの配向が与えられる。これはスパンボンド層の内部で主として機械方向である。
【0057】
熔融吹込み層のエラストマー性重合体配合物のフィラメントは、1インチ当たり50個の孔(hpi)を有する熔融吹込みダイス型を用いてつくられる。熔融吹込み層はその中にある不規則に配向した繊維で等方性になるようにつくられる。
【0058】
熔融吹込み層はSMS複合体の20重量%を構成している。SMS層は一つのパターン付きの固定クラウンカレンダーを用いて互いに結合される。得られたSMS複合体は横方向の伸長度が180%であり、機械方向の伸長度は50%より小さい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械方向に複合体の層を形成させることによってつくられる多層不織布複合体であって、該多層不織布複合体は
(a)熔融吹込みされた繊維を含んで成る少なくとも一つの内側層;および
(b)スパンボンドされた連続フィラメント繊維を含んで成る少なくとも一つの外側層を含んで成り、該少なくとも一つの外側層は該少なくとも一つの内側層の一つの側に配置され;
ここで該少なくとも一つの外側層の中のスパンボンド繊維は少なくとも二つの異なったタイプの重合体材料からつくられた異なった繊維を含んで成り;
該スパンボンド繊維は、該少なくとも一つの外側層の形成中、該少なくとも一つの外側層の内部で不連続で実質的に平行な繊維のストライプをつくるように沈積され、少なくとも二つの該繊維のストライプの一つは、異なったタイプの重合体材料からつくられた繊維を含んで成っているために、該少なくとも二つの該ストライプの他のものとは異なって識別できる重合体の構成をもっており;
該実質的に平行な繊維の異なったストライプは、該少なくとも一つの外側層の形成中、主として該不織布複合体の機械方向に配向するように沈積され、
該繊維布の該少なくとも一つの内側層および該少なくとも一つの外側層は、熱的方法、接着剤、超音波または機械的結合方法によって一緒に結合されていることを特徴とする多層不織布複合体。
【請求項2】
該少なくとも一つの外側層の中の該スパンボンド繊維の一つのタイプのストライプはポリプロピレンを含んで成り、他のタイプのストライプはエラストマー性重合体と配合されたポリプロピレンを含んで成ることを特徴とする請求項1記載の繊維布複合体。
【請求項3】
該各々の外側層の中の該スパンボンド繊維はそれぞれ独立に平均してフィラメント当たり約1.8〜約3.0デニールになるように部分的に細くされていることを特徴とする請求項2記載の繊維布複合体。
【請求項4】
該少なくとも一つの外側層の中のスパンボンド繊維の一つのタイプのストライプはポリプロピレンとエチレンおよびプロピレンとの共重合体の配合物、またはエチレンおよび/またはプロピレンおよび少なくとも1種の他のα−オレフィンの共重合体との配合物であることを特徴とする請求項3記載の繊維布複合体。
【請求項5】
該外側層の一つまたは両方の中のスパンボンド繊維の一つのタイプのストライプは、それぞれ少なくとも1種のエラストマー性重合体と少なくとも1種のそれと異なった非エラストマー性の重合体を含んで成る多成分繊維を含んで成っていることを特徴とする請求項3記載の繊維布複合体。
【請求項6】
スパンボンド多成分繊維の一つのタイプのストライプは、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、エチレンと少なくとも1種のビニル単量体との共重合体、およびA−B−A’ブロック共重合体から選ばれるエラストマー性の重合体の芯、および非エラストマー性のポリオレフィンを含んで成る非エラストマー性の鞘を含んで成っている二成分繊維から構成されていることを特徴とする請求項5記載の繊維布複合体。
【請求項7】
該少なくとも一つの外側層のストライプの中の該スパンボンド繊維は、メルトフローレートが独立に約20〜約80の重合体または重合体の組み合わせを含んで成っていることを特徴とする請求項3記載の繊維布複合体。
【請求項8】
該スパンボンド繊維は平行なストライプの交互のパターンをもつように二つのタイプの
フィラメントのストライプとして押出されることを特徴とする請求項1記載の繊維布複合体。
【請求項9】
スパンボンド繊維の該平行なストライプの方向を、スパンボンド繊維のこのようなストライプを沈積させて該スパンボンド層をつくる基質の機械方向に対し実質的に平行に保つことにより、スパンボンド繊維の該平行なストライプは各スパンボンド層の内部において主として機械方向に配向していることを特徴とする請求項1記載の繊維布複合体。
【請求項10】
該スパンボンド層の各々は独立に少なくとも約1.25:1の機械方向の引張り強さ対横方向の引張り強さの比を示すことを特徴とする請求項9記載の繊維布複合体。
【請求項11】
該スパンボンド層の各々は独立に約5〜約45g/mの坪量を示すことを特徴とする請求項1記載の繊維布複合体。
【請求項12】
該少なくとも1種の熔融吹込み層は、弾力性のポリオレフィン、弾力性のポリエステル、弾力性のポリウレタン、弾力性のポリアミド、エチレンと少なくとも1種のビニル単量体の弾力性の共重合体、および弾力性のA−B−A’ブロック共重合体、
但しAおよびA’は同一または相異なる熱可塑性重合体である、
から成る群から選ばれる重合体材料を含んで成っていることを特徴とする請求項1記載の繊維布複合体。
【請求項13】
該少なくとも1種の熔融吹込み層はエチレンおよびプロピレンの不規則共重合体、またはエチレンおよび/またはプロピレンおよび少なくとも1種の他のα−オレフィンの不規則共重合体、および該不規則共重合体とアイソタクティックポリプロピレンとの配合物から成る群から選ばれる弾力性のポリオレフィンを含んで成っていることを特徴とする請求項12記載の繊維布複合体。
【請求項14】
該少なくとも一つの内側層の中の該熔融吹込み繊維は、それぞれ少なくとも1種のエラストマー性重合体および少なくとも1種の異なった非エラストマー性重合体を含んで成る多成分繊維を含んで成っていることを特徴とする請求項12記載の繊維布複合体。
【請求項15】
該熔融吹込み多成分繊維は、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、エチレンと少なくとも1種のビニル単量体の共重合体、およびA−B−A’ブロック共重合体から選ばれるエラストマー性重合体の芯、および非エラストマー性ポリオレフィンを含んで成る非エラストマー性の鞘を含んで成っている二成分繊維であることを特徴とする請求項14記載の繊維布複合体。
【請求項16】
該二成分繊維はポリプロピレンの鞘を含んで成っていることを特徴とする請求項15記載の繊維布複合体。
【請求項17】
坪量が約5〜約40オンス/平方ヤードの範囲の一つの熔融吹込み内側層を有することを特徴とする請求項12記載の繊維布複合体。
【請求項18】
複合体層は点、線から成る不連続的なパターン、または断続的な結合をもつ他のパターンで熱的に結合されていることを特徴とする請求項1記載の繊維布複合体。
【請求項19】
該層をパターンの付いたカレンダーロールおよび滑らかなロールによってつくられるニップ、または二つのパターンの付いたロールの間に、該ロールの少なくともいくつかに熱をかけて通すことにより、該複合体の層が熱的に一緒に結合されていることを特徴とする請求項18記載の繊維布複合体。
【請求項20】
該熱的な結合を行うために、約110〜130℃の範囲のロールの結合温度、約100〜400ポンド/直線インチ(175〜700N/cm)の結合ニップ圧力を使用することを特徴とする請求項19記載の繊維布複合体。
【請求項21】
二つのスパンボンド層、および一つの熔融吹込み層は該複合体の約5〜60重量%をなし、該複合体はSMSの配置をなし、この三つの層は一緒になってSMS複合体の100%を構成していることを特徴とする請求項1記載の繊維布複合体。
【請求項22】
坪量が約10〜約300g/m(gsm)であることを特徴とする請求項1記載の繊維布複合体。
【請求項23】
横方向の伸長度が約100〜約250%であり、機械方向の伸長度は最低限度に抑制されていることを特徴とする請求項1記載の繊維布複合体。
【請求項24】
複合体の層を機械方向に形成することにより製造される多層不織布複合体であって、該多層不織布複合体は、
(a)エラストマー性の熔融吹込み繊維を含んで成る少なくとも一つの内側層;および
(b)それぞれスパンボンドされた連続フィラメント繊維を含んで成る二つの外側層を含んで成り、各外側層は該少なくとも一つの内側層の相対する側に配置されており、
ここで少なくとも一つの該外側層の中のスパンボンド繊維は、第1のタイプの重合体材料からつくられた第1のスパンボンド繊維、および該第1のタイプの重合体材料とは異なった第2のタイプの重合体材料からつくられた第2のスパンボンド繊維の両方を含んで成り;
該スパンボンド繊維は、該少なくとも一つの外側層の形成中、該少なくとも一つの外側層の内部で交互に存在する不連続で実質的に平行な繊維のストライプをつくるように沈積され、該交互に存在するストライプは該第1のスパンボンド繊維および該第2のスパンボンド繊維から交互につくられ;
該交互に存在する実質的に平行な繊維のストライプは、該少なくとも一つの外側層の形成中、主として該不織布複合体の機械方向に配向するように沈積され、
該不織布複合体のすべての層は熱的方法、接着剤、超音波、または機械的な結合方法によって結合されていることを特徴とする多層不織布複合体。
【請求項25】
該外側層の少なくとも一つは該外側層の断面の幅1m当たり実質的に均一に約50〜約150個のストライプを含んで成っていることを特徴とする請求項24記載の繊維布複合体。

【公表番号】特表2010−538181(P2010−538181A)
【公表日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−524124(P2010−524124)
【出願日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際出願番号】PCT/US2008/075168
【国際公開番号】WO2009/032868
【国際公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(309028329)インビスタ テクノロジーズ エス エイ アール エル (80)
【Fターム(参考)】