説明

可変容量型ピストンポンプ

【課題】ポンプ出力:H=P×qをより理想の一定出力線に近似し、ポンプ効率を高めることが可能な可変容量型ピストンポンプを提供。
【解決手段】ボディ11に取り付けられた減圧弁37は、ボディ11にボルト部材(図示しない)により一体的に取り付けたバルブ本体45と、前記シリンダ32に同軸上で該シリンダ32に対向してバルブ本体45に螺着されたスリーブ46と、前記のスリーブ46に摺動自在に嵌挿されたスプール47と、前記スリーブ46に隣接して設けられハウジング11及びバルブ本体45に装着されたスプリングホルダ48と、前記スプリングホルダ48と前記ロッド35の軸端(図2で右端)に螺着されたスプリングガイド49との間に嵌挿されたばね部材50と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は建設機械用油圧ポンプとして、広く用いられている出力一定形可変容量型ピストンポンプにおいて、ポンプ出力をより理想の一定出力に近似することが出来る可変容量型ピストンポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の可変容量型ピストンポンプとして、複数本のプランジャの合力により斜板の傾転角を減少せしめるモーメントの腕の長さ:lは、斜板の傾転角:αによって変化し、またこれに対向するモーメントはほぼ一定を保つために定馬力特性を得ることが出来る技術が本出願人によって提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−53854号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的には、建設機械用出力一定形可変容量型ピストンポンプは、図4に示すようにポンプ出力:H=P×qが一定になるように特性曲線Aに制御される(ここでP:吐出圧、q:ポンプ1回転当たりの吐出容量を表す。)。その結果、図5に示すようにポンプ入力トルク:Tが特性線Bのように一定に制御され、Tを原動機の定格出力を超えない範囲でほぼ一致させることで原動機のストールを防止し、また出力を比較的有効に利用することができる。
【0005】
一般的な可変容量型ピストンポンプでは、ポンプ容量:qは斜板角:αに比例し、q∝αの関係にある。
また、プランジャ合力によるモーメントの腕の長さ:lは斜板角:αに比例し、α∝lの関係にある。特許文献1に示すランジャ合力による図1の右回転(図1中の時計回り)のモーメントはP×lで表され、P×l∝P×α∝P×q=Hとなる。
【0006】
これに対抗するコントロールピストンによる反時計回りのモーメントは、コントロールピストンを駆動する減圧弁の二次圧力が一定であるため、斜板角によらずほぼ一定であり、前記発明にてH=P×q∝P×α∝P×l=C(C:定数)からl=C/P、つまりプランジャ合力によるモーメントの腕の長さ:lと吐出圧:Pが双曲線の関係にある場合、ポンプ出力:Hを一定にすることができる。
【0007】
ここで、プランジャ合力によるモーメントの腕の長さ:lは、ポンプ入力軸の回転数や油温、作動油粘度などの諸条件によってわずかに変化するため、l=C/Pとなるように諸寸法を決定すると、ポンプ入力軸の回転数や油温、作動油粘度などの諸条件により出力一定の制御特性が変化することになり実用に供することが出来ない。
【0008】
これを解決するためには、lの変化の影響を小さくする、つまりlの長さを長く設計する必要があり、この結果斜板角が小さくなるにつれてPに対して双曲線の関係で小さくなるべきプランジャ合力によるモーメントの腕の長さlが理想に対して大きくなるため、出力特性は図6ようになり、理想の一定出力特性、例えば図6の双曲線A(鎖線表示)から外れてしまい、吐出圧が高圧になるほど出力一定の理想吐出容量に対して実際の吐出容量は小さくなる。このため、図7に示すように、特性曲線Cのようになり原動機の定格出力に対するポンプ出力の比率が低下する。
【0009】
本発明は、前記本出願人に係る可変容量型ピストンポンプに関連してなされたもので、ポンプ出力:H=P×qをより理想の一定出力線に近似させ、ポンプ効率を高めることが可能な可変容量型ピストンポンプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の課題を解決するため、請求項1記載の発明は、シャフトと、
前記シャフトにスプラインで結合され該シャフトと同期して回転するシリンダブロックと、
前記シリンダブロックに軸方向に複数本嵌合されたピストンと、
前記ピストンが前記シャフトに垂直な回転軸を有し、且つその回転軸は前記ピストンが摺接する平面の反プランジャ側に位置し、前記ピストンの合力によって斜板の傾転角が減少する向きに該斜板の傾転モーメントが作用するように前記斜板の回転軸と直角に位置し、該斜板の傾転角を増大する向きに設けたコントロールシリンダと、
を備えたピストンポンプにおいて、
前記ピストンの合力によって前記斜板の傾転角が減少するのに伴い制御圧が上昇するように制御する減圧弁と、を有し、
前記コントロールシリンダの内圧が前記斜板の傾斜角によって変化するように前記減圧弁により一定の圧力に調整されて吐出圧力―吐出流量曲線を理想線に近似させることを特徴とする。
【0011】
前記減圧弁は、
ボディに取り付けられたバルブ本体と、
前記バルブ本体に螺着され前記コントロールシリンダと同軸上に設けられたスリーブと、
前記スリーブに摺動自在に嵌挿されたスプールと、
前記コントロールシリンダのロッドに締結されたばね部材ガイドと前記スプール端に係合したばね部材ホルダ間に装着されたばね部材と、
を備え、
前記バルブ本体は前記コントロールシリンダに接続される第1の油路及び外部油圧源に接続される第2の油路が設けられ、
前記スリーブは前記第1及び第2の油路に連通する径方向の連通路が軸心方向に間隔をおいて設けられ、
前記スプールは両端部に設けられた第1及び第2の小径軸部と、前記第1及び第2の小径軸部にそれぞれに連接して設けられた第1及び第2の大径軸部と、前記第1及び第2の大径軸部の外周面の長手方向にそれぞれ設けられた第1及び第2の環状溝と、前記第1及び第2の環状溝との間に設けたランドと、
略軸心方向にタンクに連通すると共に前記第1の環状溝に連通する第1の連通路と、
略軸心方向の前記第1の連通路に対向して設けられて前記スプールの一方の部屋と前記第2の環状溝と連通する第2の連通路と、
を備え、
前記スプールの一方に前記コントロールシリンダの圧力が作用し前記スプールの他方に前記ばね部材の弾発力が付勢し、前記斜板の傾転角によって変化する前記ばね部材の弾発力と前記スプールの軸部の断面積に作用する前記コントロールシリンダの圧力とのバランスにより、前記スプールが変位し該コントロールシリンダに作用する圧力を一定に制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、斜板の傾転角の減少に伴い減圧弁の二次圧力が上昇する特性をもたせたため、ポンプ出力:H=P×qを出力一定の理想線に近似することができ、原動機定格出力に対するポンプ効率が高められる可変容量型ピストンポンプを提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態に係る可変容量型ピストンポンプの概略構造を示す略縦断面図である。
【図2】図1に示す減圧弁の要部拡大略縦断面図ある。
【図3】斜板、コントロールシリンダ及び減圧弁との関係を示す説明図である。
【図4】理想の一定出力ポンプの吐出圧と吐出容量の関係を示す線図である。
【図5】理想の一定出力ポンプの吐出圧と入力トルクの関係を示す線図である。
【図6】実際の一定出力ポンプの吐出圧と吐出容量の関係を示す線図である。
【図7】実際の一定出力ポンプの吐出圧と入力トルクの関係を示す線図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る可変容量型ピストンポンプに用いられる減圧弁のポンプ斜板角と二次圧力の関係を示す線図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る可変容量型ピストンポンプで実現された吐出圧と吐出容量との関係を示す線図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る可変容量型ピストンポンプで実現された吐出圧と入力トルクの関係を示す線図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施の形態に係る出力一定形可変容量型ピストンポンプ(以下、ピストンポンプという)につき添付図面を参照して詳細に説明する。図1はピストンポンプ10の概略構造を示す縦断面図である。
図1に示すように、ピストンポンプ10はボディ11とケース12が図示しないねじ部材によって本体13が形成され、前記ボディ11及びケース12には、コロ軸受14、ニードル軸受15により回転自在に支持されたシャフト16が装着されている。前記シャフト16に形成されたスプライン17には、シリンダブロック18の内周面に形成されたスプライン溝19が結合され該シリンダブロック18がシャフト16と共に回転する。
【0015】
前記シリンダブロック18の回転軸線を中心とする同一円周上には複数個のボア20が形成され、該ボア20の内部には複数個のピストン21が摺動自在に挿入されている。前記ピストン21の一端部である頭部22は、前記ボア20の開口から突出し、シュー23、シューホルダ23aを介して斜板24の表面に摺動自在に当接されている。
【0016】
前記ピストン21は、シャフト16と直角な回転軸25を持つ前記斜板24に摺接し、シャフト16が1回転すると該シャフト16の軸心方向にストロークする。そして、ピストン21の軸心方向の往復によるボア20の容積変化とシリンダブロック18と摺接する弁板26によって、吸入工程と吐出工程が切り換えられることにより、流体を吐出するピストンポンプ10を構成している。
前記斜板24の回転軸25は、前記ピストン21が摺接する斜板24の平面30の反プランジャ側に位置している。
【0017】
そして、前記ボア20の内圧による複数本のピストン21による合力中心は、図1において概ねピストン21の球中心27を通る直線28とシャフト16との交点29にあり、ピストン21が摺接する斜板24の平面30に垂直に作用する。そのため、複数本のピストン21の合力30aにより斜板24の傾転角を減少せしめるモーメントの腕の長さ:lは、斜板24の傾転角:αによって変化する。
【0018】
前記斜板24の傾転角:αを減少させるモーメントに対抗し、シャフト16と並行に設けられたコントロールシリンダ31が配置されている。
前記コントロールシリンダ31はボディ11に例えば、ねじ機構(図示するが、参照符号は付記しない)により締結されたシリンダ32と、該シリンダ32に摺動自在に嵌挿されたコントロールピストン33と、前記シリンダ32及びコントロールピストン33間に嵌挿されたばね部材34と、該ばね部材34の弾発力により前記シリンダ32の軸心方向に移動するロッド35と、を備え、前記コントロールシリンダ31の内部には、減圧弁37の二次圧力38を導くようになっている。
前記ばね部材34は一端(図1で右端)がシリンダ32の有底面(図1で右側壁面)に係合し、他端(図1で左端)がコントロールピストン33の有底面(図1で左側壁面)に装着された段付円板状のばね部材ガイド36に係合している。なお、ばね部材ガイド36はロッド35の一端(図1で左端)に螺着している。
【0019】
図2に示すように、ボディ11に取り付けられた減圧弁37は、ボディ11にボルト部材(図示しない)により一体的に取り付けたバルブ本体45と、前記シリンダ32に同軸上で該シリンダ32に対向してバルブ本体45の円径穴に螺着されたスリーブ46と、前記のスリーブ46に摺動自在に嵌挿されたスプール47と、前記スリーブ46に隣接して設けられ
バルブ本体45の小径穴部45aに装着されたスプリングホルダ48と、前記スプリングホルダ48と前記ロッド35の軸端(図2で右端)に螺着されたスプリングガイド49との間に嵌挿されたばね部材50と、を備える。
【0020】
なお、バルブ本体45に螺着されたスリーブ46はナット51により該バルブ本体45に固定され、スリーブ46に摺動自在に嵌挿されたスプール47はプラグ52により該スプール47に軸心方向の一側(図2で右端)の位置が規制されている。
前記バルブ本体45は段付状の円径穴を有し、ボディ11に近接する位置より小径穴部45a、中径穴部45b、大径穴部45cが連続して形成されており、かつ中径穴部45bにはコントロールピストン33に連通する油路(第1の油路)53aと大径穴部45cには、外部油圧源(図示しない)に連通する油路(第2の油路)53bが形成されている。
【0021】
前記スリーブ46は段付円筒形状を有し、バルブ本体45の小径穴部45a、中径穴部45b及び大径穴部45cにそれぞれ摺動自在に嵌挿する小径軸部46a、中径軸部46b及び大径軸部46cを有する。
前記小径軸部46aと前記中径軸部46bとの間には油路53a、中径軸部46bと大径軸部46cとの間には油路53bに連通する連通路54及び連通路55が間隔を保って半径方向に穿設されている。
前記スリーブ46に摺動自在に嵌挿されたスプール47の両端は第1の小径軸部56a、第2の小径軸部56bを形成し、かつバルブ本体45の小径穴部45a及び中穴径部45bに対応する位置(範囲)の外周面の長手方向に第1の環状溝57a及び第2の環状溝57bを形成し、前記第1の環状溝57a及び第2の環状溝57bの間にランド58が形成されている。また、第2の小径軸部56aと第1の環状溝57aとの間に大径軸部59aを形成し、第2の小径軸部56bと第2の環状溝57bとの間に大径軸部59bを形成する。
【0022】
さらに、スプール47の略軸心方向には小径軸部56a側より第1の環状溝57aに対応する位置まで連通路(第1の連通路)60aが穿設され、第2の小径軸部56b側より第2の環状溝57bに対応する位置まで連通路(第2の連通路)60bが穿設されている。前記連通路60aは半径方向に第1の小径軸部56a及び第1の環状溝57aに連通する流路61a及び61bが穿設されており、前記連通路60bは半径方向に第2の小径軸部56b及び第2の環状溝57bに連通する流路62a及び62bが穿設されている。
【0023】
本発明の実施の形態に係るピストンポンプ10は基本的に以上のように構成されており、次に動作について説明する。
図示しない機関を始動させてシャフト16を駆動させるとピストンポンプ10より作動油の圧送が開始される。同時にシャフト16の回転に伴って、定吐出量ポンプ40を駆動し作動油の圧送を開始する。
そして、本発明の実施の形態に係るピストンポンプ10では、該ピストンポンプ10にシャフト16を介して定吐出ポンプ40をタンデム結合し、該定吐出ポンプ40の吐出圧力41を斜板24のコントロールシリンダ31の荷重(図示しない)が作用する面と反対側に設けたピストン42のピストン室43に導くことによって、定吐出ポンプ40の吐出圧力41に応じて、斜板24に作用するコントロールシリンダ31の荷重による吐出量を増大する向きのモーメントを軽減して、ピストンポンプ10の出力を減少させ、該ピストンポンプ10と定吐出ポンプ40の出力が一定となるようにしている。
【0024】
図3は斜板24と、該斜板24に作用するコントロールシリンダ31と、該コントロールシリンダ31に連接された減圧弁37との関係を示す説明図で、図3中、図1の構成要素と同一の構成要素については同一符号で示す。
図3において、斜板24が回転軸25を支点にして矢印A方向又はB方向に傾転するとピストンポンプ10(図1参照)のポンプ吐出量が変化し、コントロールシリンダ31のコントロールピストン33が矢印X方向又はY方向に変位し、これに合わせて減圧弁37のばね部材50の長さLが変化し該ばね部材50の弾発力が変化する。
【0025】
例えば、斜板24が矢印B方向に傾転するとコントロールピストン33が矢印Y方向に移動してばね部材50の長さLが短くなって、該ばね部材50の弾発力が増大し、減圧弁37の二次圧力38(図1参照)は増大する。
逆に、斜板24が矢印A方向に傾転するとコントロールピストン33が矢印X方向に移動してばね部材50の長さLが長くなって、該ばね部材50の弾発力が減少し、減圧弁37の二次圧力38は減少する。
【0026】
よって、図1に示すピストンポンプ10においては、減圧弁37のばね部材50の弾発力はポンプ斜板角αに応じて変化するように構成されており、図8に示すようにポンプ斜板角αが小さくと減圧弁37の二次圧力38は上昇するようになっている。
この結果、コントロールピストン33は減圧弁37の二次圧力38により駆動されるため、図1中、反時計回りのコントロールピストン33によるモーメントは、ポンプ斜板角αが小さくなるにつれて大きくすることが可能である。
【0027】
これにより、ポンプ斜板角αが小さくなるにつれて吐出圧力Pに対して双曲線の関係で小さくなるべきピストン21の合力30aによるモーメントの腕の長さは理想に対して大きくなった場合でも、これを補正するように減圧弁37の二次圧力38の特性(図8参照)を決定することで、図9、図10に示すようにポンプの出力≒入力トルクを略一定の理想線に近似することができる。
【符号の説明】
【0028】
10 可変容量型ピストンポンプ
11 ボディ 12 ケース
13 本体 14、15 軸受
16 シャフト 18 シリンダブロック
20 ボア 21 ピストン
24 斜板 25 回転軸
26 弁板 27 球中心
31 コントロールシリンダ 32 シリンダ
33 コントロールピストン 34、44 ばね部材
35 ロッド 36、43、50 ばね部材ガイド
51 ナット 52 プラグ
53a、53b 油路 54、55、60a、60b 連通路
56a、56b 小径軸部 57a、57b 環状溝
58 ランド 59a、59b 大径軸部
61a、61b、61a、61b 流路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャフトと、
前記シャフトにスプラインで結合され該シャフトと同期して回転するシリンダブロックと、
前記シリンダブロックに軸方向に複数本嵌合されたピストンと、
前記ピストンが前記シャフトに垂直な回転軸を有し、且つその回転軸は前記ピストンが摺接する平面の反プランジャ側に位置し、前記ピストンの合力によって斜板の傾転角が減少する向きに該斜板の傾転モーメントが作用するように前記斜板の回転軸と直角に位置し、該斜板の傾転角を増大する向きに設けたコントローラシリンダと、
を備えたピストンポンプにおいて、
前記ピストンの合力によって前記斜板の傾転角が減少するのに伴い制御圧が上昇するように制御する減圧弁と、を有し、
前記コントロールシリンダの内圧が前記斜板の傾斜角によって変化するように前記減圧弁により一定の圧力に調整されて吐出圧力―吐出流量曲線を理想線に近似させることを特徴とする可変容量型ピストンポンプ。
【請求項2】
前記減圧弁は、
ボディに取り付けられたバルブ本体と、
前記バルブ本体に螺着され前記コントロールシリンダと同軸上に設けられたスリーブと、
前記スリーブに摺動自在に嵌挿されたスプールと、
前記コントロールシリンダのロッドに締結されたばね部材ガイドと前記スプール端に係合したばね部材ホルダ間に装着されたばね部材と、
を備え、
前記バルブ本体は前記コントロールシリンダに接続される第1の油路及び外部油圧源に接続される第2の油路が設けられ、
前記スリーブは前記第1及び第2の油路に連通する径方向の連通路が軸心方向に間隔をおいて設けられ、
前記スプールは両端部に設けられた第1及び第2の小径軸部と、前記第1及び第2の小径軸部にそれぞれに連接して設けられた第1及び第2の大径軸部と、前記第1及び第2の大径軸部の外周面の長手方向にそれぞれ設けられた第1及び第2の環状溝と、前記第1及び第2の環状溝との間に設けたランドと、
略軸心方向にタンクに連通すると共に前記第1の環状溝に連通する第1の連通路と、
略軸心方向の前記第1の連通路に対向して設けられて前記スプールの一方の部屋と前記第2の環状溝と連通する第2の連通路と、
を備え、
前記スプールの一方に前記コントロールシリンダの圧力が作用し前記スプールの他方に前記ばね部材の弾発力が付勢し、ポンプ斜板の傾転角によって変化する前記ばね部材の弾発力と前記スプールの軸部の断面積に作用する前記コントロールシリンダの圧力とのバランスにより、前記スプールが変位し該コントロールシリンダに作用する圧力を一定に制御すること特徴とする請求項1に記載の可変容量型ピストンポンプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−87690(P2013−87690A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−228802(P2011−228802)
【出願日】平成23年10月18日(2011.10.18)
【出願人】(000005197)株式会社不二越 (625)
【Fターム(参考)】