説明

可変密度側壁を有する濾過要素

【課題】重畳繊維ストランドまたは構成要素で形成されたバックタイプの液体用ろ過フィルタのろ過要素の均一性、ろ過効率とろ過要素強度の改善を図る。
【解決手段】熱可塑性材料をノズルから放出し加熱気体を供給しながら巻き取りその気体の圧力と温度を変化させることで、濾過要素の液体流を最初に受ける側の繊維ストランドの太さに対して濾過要素の液体流が出る側の繊維ストランドの重畳繊維のストランドの太さ徐々に細い太さに重畳し成形する。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0001】
「関連出願の相互参照」
本願は、2005年4月19日に出願された仮出願第60/672,894号の継続出願でありその利益を主張するものである。
【0002】
本発明は液体用濾過要素に関し、バッグタイプフィルタに適用される。
【0003】
本発明において濾過要素を重畳繊維ストランドまたは構成要素で形成したが、ストランドは直径または太さが変化し、その最も太いものはフィルタの濾過用液体流を最初に受ける側にあり、その最も細いものは液体が濾過要素を通過した後に出るフィルタの反対側にある。さらにフィルタの液体流を最初に受ける側は概してフィルタの反対側より剛性であり実質的に非圧縮性表面を提供する。
【0004】
従って本発明の目的は経済的な構造であるとともに効率的な作用を有する濾過要素を提供することである。
【0005】
本発明のさらに他の目的は液体用濾過要素であって、要素の厚さ全体にわたって濾過粒状物質のより均一な分布を提供する濾過要素を提供することである。
【0006】
本発明の他の目的は以下の説明を読むことにより明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本明細書に記載されている好適な実施形態は包括的であることまたは本発明を開示の厳密な形状に限定しようとするものではない。本発明の原理ならびにその用途および実用性を説明するために選択して記載することにより、当業者が本発明を最適に利用できるようにするものである。
【0008】
本発明はフィルタバッグ10として図に見られるようなフィルタ要素を作製するために用いられる装置の以下の説明および機能によって最適に理解し得る。図1に図示するようにある量の材料、好適にはポリプロピレンまたは溶融且つ空気乾燥されたときに単繊維を作製可能な他の熱可塑性材料が、ホッパー14で押出機12内に導入されるとともにノズル16を介して供給される。複数のリングヒータ18はノズル16を取り囲むとともに、熱可塑性材料がノズルを流れる際に液化するのに十分な熱を生成する働きをする。ノズル16は複数の水平方向に離間した吐出口22内で終端し、吐出口22を介して溶融状態の熱可塑性材料がマニホールド23からマンドレル28へ向かう熱気によって前進して溶融状繊維ストランド20になる。マンドレル28は金属、木または同様な材料で形成し得るとともに、外部構成が作製されるフィルタバッグ10の目的形状に類似している。マンドレル28はノズル吐出口22からの繊維ストランド20の流路内で軸35を中心に回転する。通常マンドレル28は出口22から1〜3フィートに配置されるとともに一定の速度例えば30〜80rpmで回転する。繊維材料またはストランド20はマンドレル28に到達すると十分に冷却されてマンドレルの周囲に層状に形成される。
【0009】
本発明ではストランド20の直径はバッグ10の側壁32の厚さが増すにつれて変化する。これは図2および3に最もよく図示されており、ここでフィルタバッグの側壁の一部分が図示の目的のため切断されている。図2においてストランド20が断面で示されており、最大径ストランドがバッグの内側にあるとともに最小径ストランドがバッグの外側にあり、バッグを通過する液体流はバッグの内側から外側に向かう。図3においてストランド20の様々な太さが例示的形状で示されており、ストランドがバッグの内側から外側へバッグを通過する液体流の方向に徐々に細くなっている。このようにバッグの側壁の外側周縁はそのストランドがより密集して層状になっており、バッグの外側縁部に近づくにつれて濾過度が上がる。このため液体から濾過されるより大きい粒状物質が最初にバッグの内側に近いフィルタバッグ内に取り込まれ、より小さい粒状物質がバッグの外側の近くに取り込まれる。これがバッグ全体にわたって濾過粒状物質の均一な分布をもたらす。
【0010】
バッグ10のストランド20の太さはバッグの内側に向かって50〜200ミクロンに及ぶとともに、横断径はバッグの外側面で0.5ミクロンまで徐々に小さくなり、バッグはおよそ3/4から1インチの厚さである。繊維材料のストランドの厳密な太さまたは横断径およびバッグの厚さは濾過対象の材料のタイプおよびフィルタバッグのサイズにより可変である。
【0011】
フィルタバッグ10の作製時には、より太いストランドが最初にマンドレル上に巻き取られ、次いでバッグの厚さが徐々に増すにつれて、ヒーター18によって生成される温度を上昇させて、マニホールド23で生成される空気圧を増加させた状態で熱可塑性材料をより溶融することにより、ストランドの長さを長くするとともにそれらの横断径寸法を減少させることができる。このように溶融熱可塑性材料の温度を選択的に上昇させ、および/または溶融熱可塑性材料をノズルを通過させるとともにノズルから前進させる空気圧を上昇させることにより、ストランドがマンドレル上に巻き取られて作製される濾過要素のタイプに応じてフィルタバッグまたはカートリッジの側壁を作製する際のストランドの太さを選択的に変更可能である。
【0012】
またストランドの太さを変化させることに加えて、溶融熱可塑性材料の温度を変化させ、および/または材料をノズルを通過させるとともにノズルから前進させる空気量を変化させることにより、ストランドの剛性を増加させてフィルタバッグの内壁部分20aが剛性または硬質になるようにすることができる。通常バッグ側壁はバッグ内の液体圧のため使用中にかなり崩壊する。これによりバッグの浸透性および濾過能力が低下する。液体が最初に接触する側のバッグの壁部を堅くすることにより、バッグストランドは濾過された粒子を捕獲または取り込むストランド間の間隔または空隙を提供しやすい。壁部分20aの奥行きは所望の濾過特性に応じてフィルタバッグの全体厚さを拡大しながらも変更可能である。
【0013】
25ミクロン以上のストランド間の空間または空隙を有するストランドで形成されたほぼ硬質の壁部20aを有するフィルタバッグ内で25psiの液体圧の場合、バッグ壁厚さにおよそ15%以下の減少があると予想される。また10ミクロン以下のストランド間の空隙を有するほぼ硬質の壁20aを有するフィルタバッグ内で15psiの液体圧の場合、バッグ壁厚さにおよそ50%以上の減少があると予想される。
【0014】
本発明は上記の詳細に限定されず、添付の特許請求の範囲内で変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の濾過要素を作製するのに用いることができる装置の例を示す部分斜視図である。
【図2】フィルタバッグの側壁を形成する濾過ストランドを断面で図示するために切断されたバッグ側壁の一部分を有するバッグの形状のフィルタ要素の側面図である。
【図3】濾過ストランドの様々な太さを例示的形状で示すフィルタバッグの側面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
側壁部を備える濾過要素であって、前記側壁部が前記要素を通過する液体流が最初に接触する第1の側と前記液体流が前記要素を出る第2の側とを有し、前記側壁部が重畳繊維ストランドを含み、前記側壁部第1の側の前記ストランドがある太さであり、前記側壁部第2の側の前記ストランドが前記側壁部第1の側の太さよりも大幅に細い太さである濾過要素。
【請求項2】
前記ストランドが前記側壁部第1の側から前記側壁部第2の側へ横断寸法が徐々に変化する請求項1に記載の濾過要素。
【請求項3】
前記ストランドが前記側部壁第1の側から前記側壁部第2の側に向かって剛性が逆に変化して、前記第1の側においてほぼ剛性の側壁部を形成する請求項1または2に記載の濾過要素。
【請求項4】
a.気体圧によってノズルを介して熱可塑性材料を放出して繊維材料のストランドを形成するステップと、
b.前記ノズルからの放出前に前記材料を加熱するステップと、
c.前記繊維材料のストランドを前記濾過要素の側壁に形成するステップと、
d.前記ストランドの太さを変化させて、前記ストランドのより太いものが前記濾過要素の前記要素を通過する前記液体流が最初に流通する側になるようにするステップとを含む、濾過要素を形成する方法。
【請求項5】
ステップaが、前記ノズルを通過する前記気体圧を変化させて前記ストランドの太さを変化させるステップを含む請求項4に記載の方法。
【請求項6】
ステップbが、前記ノズルからの放出前に前記材料の温度を変化させて前記ストランドの太さを変化させるステップを含む請求項4に記載の方法。
【請求項7】
ステップdが、前記濾過要素の前記要素を通過する前記液体流が最初に流通する側の前記ストランドの剛性を変化させるステップを含む請求項4に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−297388(P2006−297388A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−115749(P2006−115749)
【出願日】平成18年4月19日(2006.4.19)
【出願人】(506133895)
【Fターム(参考)】