可変広告表示装置
【課題】自重落下を利用せずに広告表示面が変換可能となることで、横スクロールが可能となる可変広告表示装置を提供すること。
【解決手段】表示窓19を有する筐体8と、筐体8の天井面21及び底面22に対向配置され、上部周回路23及び下部周回路24を有した上部ガイドレール25及び下部ガイドレール26と、支持駒31が上部周回路23及び下部周回路24に回転不能に案内される可変広告表示ブロック30と、上部周回路23及び下部周回路24の内方両端で同期回転する第1駆動軸14及び第2駆動軸16と、第1駆動軸14及び第2駆動軸16に同心円状に固定され可変広告表示ブロック30を移送する移送ホイール36と、上部ガイドレール25及び下部ガイドレール26に形成され、支持駒31の回転を許容する切欠部39と、切欠部39から突出し、可変広告表示ブロック30を回転させて広告表示面33を切り換える表示変換用ばね部材40とを備えた。
【解決手段】表示窓19を有する筐体8と、筐体8の天井面21及び底面22に対向配置され、上部周回路23及び下部周回路24を有した上部ガイドレール25及び下部ガイドレール26と、支持駒31が上部周回路23及び下部周回路24に回転不能に案内される可変広告表示ブロック30と、上部周回路23及び下部周回路24の内方両端で同期回転する第1駆動軸14及び第2駆動軸16と、第1駆動軸14及び第2駆動軸16に同心円状に固定され可変広告表示ブロック30を移送する移送ホイール36と、上部ガイドレール25及び下部ガイドレール26に形成され、支持駒31の回転を許容する切欠部39と、切欠部39から突出し、可変広告表示ブロック30を回転させて広告表示面33を切り換える表示変換用ばね部材40とを備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告表示面を切り換えて表示可能な可変広告表示装置に関する。
【0002】
従来、回転移送式の広告表示装置として、正面開口の筺体内に複数の回転長軸が配置され、これら回転長軸間に広告などが表示された帆布製スクリーンが無端状に懸架張設されて回転されるものが知られている。ところが、従来の装置において、その回転移送されるスクリーンは一枚物でこれに広告が表示されている。このため、多面的に変化表示されても、一枚物であるため視覚上それぞれの表示面に仕切られた独立表示面として目視し得ないばかりか、ある部分の広告を他の異なる広告に変換させることは不可能で、アピール度が低く、視覚効果に劣るものであった。
【0003】
このような不具合を解消したものに、下記特許文献1に開示される可変広告表示装置が知られている。この可変広告表示装置は、正面側が開口の筺体内に一対の環状ガイドレールが相対向して配置され、また、環状ガイドレールの凹溝内には、四つの広告表示面を有する所要数の可変広告表示ブロックの中心固定軸の両端が、移動可能に係合され並列状に跨設配置され、これら可変広告表示ブロックが環状ガイドレールに沿いながら、回転している一対の移送歯車の放射状移送歯によって順次移送され、その水平状上部の上端から垂直状正面側部のスペースに自重落下することにより、広告表示面が自動変換されるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2957131号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の可変広告表示装置は、広告表示面を自動変換するに際し、順次移送される可変広告表示ブロックを水平状上部の上端から垂直状正面側部のスペースに自重落下させていた。このため、可変広告表示ブロックを移送するためには、自重落下させる下向きのスペースを形成しなければならず、水平方向の回転軸周りに環状となった上下方向の周回移送路とする必要があった。つまり、縦スクロールであった。この上下方向の周回移送路では、複数の横長の可変広告表示ブロックが上下に連なって移送されることから、横書きの文字表示はよいが、縦書きの文字表示には違和感の生じることがあった。
【0006】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、自重落下を利用せずに可変広告表示ブロックの表示面が変換可能となることで、横スクロールが可能となる可変広告表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
本発明に係る請求項1記載の可変広告表示装置は、正面板15に表示窓19を有する筐体8と、
前記筐体8の天井面21及び底面22に対向配置され、凹状の上部周回路23及び下部周回路24を有した上部ガイドレール25及び下部ガイドレール26と、
複数の広告表示面33(51)を有し、上下両端に設けられた略正方形の支持駒31が前記上部周回路23及び前記下部周回路24に回転不能に案内されながら複数が連続して移送される可変広告表示ブロック30(50)と、
前記上部周回路23及び前記下部周回路24の内方両端で平行に起立して回転自在に支持されて同期回転する第1駆動軸14及び第2駆動軸16と、
前記第1駆動軸14及び前記第2駆動軸16に同心円状に固定され、前記可変広告表示ブロック30(50)に係合して該可変広告表示ブロック30(50)を移送する移送ホイール36と、
前記上部ガイドレール25及び前記下部ガイドレール26に形成され、前記支持駒31の回転を許容する切欠部39と、
前記切欠部39から移送路内空間29に後退可能に突出し、移送されてきた前記可変広告表示ブロック30(50)の前記支持駒31の角部42に当接して該可変広告表示ブロック30(50)を回転させて前記広告表示面33(51)を切り換える表示変換用ばね部材40と、
を具備することを特徴とする。
【0008】
このような構成では、第1駆動軸14及び第2駆動軸16によって移送ホイール36が回転されると、上部ガイドレール25及び下部ガイドレール26に案内されながら可変広告表示ブロック30(50)が繰り出される。可変広告表示ブロック30(50)は、複数が連続して配置されているので、一つが繰り出されれば、一つが押し戻される。つまり、複数の可変広告表示ブロック30(50)が移送路内空間29を連なって周回移送される。可変広告表示ブロック30(50)は、周回移送されるとき、切欠部39に到達すると、切欠部39から突出した表示変換用ばね部材40に支持駒31の角部42が当接する。表示変換用ばね部材40に支持駒31の角部42が当接した可変広告表示ブロック30(50)は、移送による押圧力によって表示変換用ばね部材40から反力を受け、支持駒31の角部42を中心に回転される。このとき、支持駒31は、角部42が切欠部39から外方へ突出することで、この切欠部39においてのみ回転が許容される。この回転により可変広告表示ブロック30(50)は回転され、可変広告表示ブロック30(50)の広告表示面33(51)が切り換えられる。
【0009】
請求項2記載の可変広告表示装置は、請求項1記載の可変広告表示装置1であって、
前記上部周回路23及び前記下部周回路24が長円形状に形成され、
前記切欠部39及び前記表示変換用ばね部材40が前記長円形状の片側の半円路38の二箇所に設けられることを特徴とする。
【0010】
このような構成では、一つの表示変換用ばね部材40で可変広告表示ブロック30が90°回転される。表示変換用ばね部材40が二箇所に設けられていることで、可変広告表示ブロック30が一周回で180°回転される。
【0011】
請求項3記載の可変広告表示装置は、請求項1記載の可変広告表示装置1であって、
前記上部周回路23及び前記下部周回路24が長円形状に形成され、
前記切欠部39及び前記表示変換用ばね部材40が前記長円形状の片側の半円路38の一箇所に設けられ、
前記可変広告表示ブロック50の広告表示面51が断面略正方形の角柱体の側面52に形成されることを特徴とする。
【0012】
このような構成では、表示変換用ばね部材40が一箇所に設けられることで、可変広告表示ブロック50が一周回で90°回転される。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る請求項1記載の可変広告表示装置によれば、自重落下を利用せずに可変広告表示ブロックの広告表示面が変換可能なため、横スクロールを実現することができる。
【0014】
請求項2記載の可変広告表示装置によれば、表裏二つの広告表示面を二周回で切り換えることができる。
【0015】
請求項3記載の可変広告表示装置によれば、全周で四つの広告表示面を四周回で切り換えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態(可変広告表示装置)を設置した状態を示す正面図である。
【図2】(a)筐体を示す平面図である。 (b)同正面図である。
【図3】正面板が開放された筐体を示す正面図である。
【図4】図3におけるA−A矢視図である。
【図5】筐体内を略中央から下向きに見た平断面図である。
【図6】可変広告表示ブロックを示す斜視図である。
【図7】図5に示した第1駆動軸付近を示す平面図である。
【図8】図7において、可変広告表示ブロック及び移送ホイールを省略した図である。
【図9】(a),(b)可変広告表示ブロックの支持駒の動作を示す図(平面図)である。
【図10】(c),(d)可変広告表示ブロックの支持駒の動作を示す図(平面図)である。
【図11】(e),(f)可変広告表示ブロックの支持駒の動作を示す図(平面図)である。
【図12】(g),(h)可変広告表示ブロックの支持駒の動作を示す図(平面図)である。
【図13】変形例における可変広告表示ブロックの変形例を示す斜視図である。
【図14】(a),(b)変形例における可変広告表示ブロックの支持駒の動作を示す図(平面図)である。
【図15】(c),(d),(e)変形例における可変広告表示ブロックの支持駒の動作を示す図(平面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して具体的に説明する。
図1に示すように、この実施の形態(可変広告表示装置1)は、例えば道路に設置される支持柱2の上端に、支持桟3を介して取り付けられ、種々の標識や警告を切換え表示可能とする標識手段として好適に用いることができる。この実施の形態において、可変広告表示装置1は、災害時等の給電遮断時に対応するため、手動によって切り換えられる。支持柱2の下方には図示しないハンドルが着脱自在となった切換操作ボックス4が取り付けられ、切換操作箱4に入力された切換駆動力は第1連接杆5、回転伝達箱6、第2連接杆7を介して可変広告表示装置1へと伝達される。なお、可変広告表示装置1は、電動モータを駆動源として自動的に切り換えられるものであってもよい。
【0018】
図2(a),(b)に示すように、可変広告表示装置1は、上下寸法Hを大きく、前後奥行き寸法Dを小さくした例えば金属製の扁平な筐体8を有する。筐体8の上面には駆動入力箱9が取り付けられ、駆動入力箱9は第2連接杆7からの切換駆動力が入力される従動歯車10を収容する。第2連接杆7からの、切換駆動力は、垂直伝達杆11を介して従動歯車10に伝えられる。切換駆動力で回転された従動歯車10は、駆動チェーン12を介して入力歯車13を回転する。この入力歯車13は筐体8の内方一端に起立して回転自在に支持された第1駆動軸14を回転する。
【0019】
図3に示すように、筐体8の内方他端には第1駆動軸14と平行に起立した第2駆動軸16が回転自在に支持される。第1駆動軸14と第2駆動軸16は、上下方向の略中央にそれぞれスプロケット17が固定され、これらのスプロケット17に掛けられた同期チェーン18によって同期回転される。つまり、入力歯車13の回転によって回転された第1駆動軸14に、第2駆動軸16が従動回転される構成となっている。
【0020】
筐体8には正面板15が図示しない蝶番によって開閉自在に取り付けられている。この正面板15には、正面板15の外形よりも若干小さい相似形の表示窓19が開口されている。表示窓19は、防塵、防雨用の透明板20で覆われることが好ましい。この表示窓19は、第1駆動軸14と第2駆動軸16との間で連なって移動される後述する可変広告表示ブロック30(図4参照)を視認するためのものとなる。
【0021】
図4,5に示すように、筐体8の天井面21及び底面22には、対向配置され凹状の上部周回路23及び下部周回路24を有した上部ガイドレール25及び下部ガイドレール26が設けられる。この実施の形態において、上部ガイドレール25及び下部ガイドレール26は、筐体8に設けられた上部取付台27及び下部取付台28を介して固定される。上部ガイドレール25及び下部ガイドレール26は、図5において左右に長い長円環状に形成される。天井面21と底面22とに固定された上部ガイドレール25と下部ガイドレール26とは、それぞれの凹状の移送路内空間29を対向させている。
【0022】
図6に示すように、上下で対向する移送路内空間29には、前述した可変広告表示ブロック30の上下端が挿入される。可変広告表示ブロック30の上下両端には、略正方形の支持駒31が固定されている。可変広告表示ブロック30は、断面矩形状の角柱体32を有する。角柱体32の一対の表裏面は広告表示面33である第1表示面33a、第2表示面33bとなる。角柱体32の上下端には上記の支持駒31が円柱首部34を介して固定される。
【0023】
可変広告表示ブロック30は、円柱首部34と角柱体32との境に略正方形の鍔部35が張り出している。可変広告表示ブロック30は、この鍔部35同士が当接して並んでいる。鍔部35同士が当接した可変広告表示ブロック30は、支持駒31が上部周回路23及び下部周回路24に回転不能に案内されながら、上部ガイドレール25及び下部ガイドレール26によって複数が連続して移送される。したがって、移送中に第1表示面33a、第2表示面33bが切り換わることはない。
【0024】
上部周回路23及び下部周回路24の内方両端には、上述した第1駆動軸14及び第2駆動軸16が平行に起立して回転自在に支持されている。第1駆動軸14及び第2駆動軸26の両端近傍には、円板状の移送ホイール36(図7参照)が同心円状に固定される。移送ホイール36には円周方向に複数の係合凹部37が等間隔で形成されている。係合凹部37は、可変広告表示ブロック30の円柱首部34を受け入れるようにして係合する。移送ホイール36は、係合凹部37に円柱首部34を受け入れて回転することで、可変広告表示ブロック30を移送させる。
【0025】
図7,8に示すように、上部周回路23及び下部周回路24は長円形状に形成され、長円形状の片側半円路38の二箇所には切欠部39が設けられる。切欠部39は、上部ガイドレール25及び下部ガイドレール26に形成され、支持駒31の回転を許容する広さを有している。
【0026】
また、下部ガイドレール26の外側付近には表示変換用ばね部材40が固定されている。表示変換用ばね部材40は、固定ブラケット41によって下部取付台28に固定される。表示変換用ばね部材40は、ばね性を有することで、切欠部39から移送路内空間29に後退可能に突出する。表示変換用ばね部材40は、移送されてきた可変広告表示ブロック30の支持駒31の角部42に当接して、可変広告表示ブロック30を回転させる。
【0027】
この実施の形態では、可変広告表示ブロック30は、可変広告表示ブロック30の移送方向の上流側にある一つ目の表示変換用ばね部材40で90°回転され、二つ目の表示変換用ばね部材40で更に90°回転される。つまり、可変広告表示ブロック30は片側の半円路38で180°回転される。この実施の形態では、表示変換用ばね部材40は片側の半円路38だけに設けられているため、可変広告表示ブロック30は一周回で180°回転される。つまり、表裏二つの広告表示面33(33a,33b)は二周回で切り換えられる。
【0028】
なお、片側の半円路38は、進入側四分円弧部43と、繰出側四分円弧部44とで、可変広告表示ブロック30の移送のときの挙動が異なる。繰出側四分円弧部44には、内側から支持駒31を付勢する補助ばね45を設けることが好ましい。これにより、接線方向に逃げようとする支持駒31を補助ばね45と表示変換用ばね部材40とで半円路38の内周側と外周側から挟持し、回転を確実にすることができる。
【0029】
また、この実施の形態では、切欠部39は、片側の半円路38の外周側と内周側の両方に設けられているが、少なくとも表示変換用ばね部材40が配設される外周側だけに設けられていればよい。
【0030】
さらに、切欠部39及び表示変換用ばね部材40などからなる可変広告表示ブロック30の回転機構は、上部ガイドレール25及び上部取付台28にあってもよい。
【0031】
ここで、この実施の形態における作用を説明する。
図9(a)に示すように、可変広告表示装置1は、第1駆動軸14及び第2駆動軸16によって移送ホイール36が回転されると、上部ガイドレール25及び下部ガイドレール26に案内されながら可変広告表示ブロック30が繰り出される。可変広告表示ブロック30は、複数が連続して配置されているので、一つが繰り出されれば、一つが押し戻される。つまり、複数の可変広告表示ブロック30は、移送路内空間29を連なって周回移送される。可変広告表示ブロック30は、周回移送されるとき、最初の切欠部39に到達すると、図9(b)に示すように、切欠部39から突出した一つ目の表示変換用ばね部材40に支持駒31の角部42が当接する。
【0032】
図10(c)に示すように、表示変換用ばね部材40に支持駒31の角部42が当接した可変広告表示ブロック30は、移送による押圧力によって表示変換用ばね部材40から反力を受け、支持駒31の角部42を中心に回転される。このとき、支持駒31は、角部42が切欠部39から外方へ突出することで、この切欠部40においてのみ回転が許容される。この一回目の回転により可変広告表示ブロック30は、図10(d)に示すように、90°回転され、広告表示面33の切換えが半回転だけ完了する。
【0033】
図11(e)に示すように、一つ目の表示変換用ばね部材40で90°回転された可変広告表示ブロック30は、二つ目の表示変換用ばね部材40に当接する。図11(f)に示すように、表示変換用ばね部材40に支持駒31の角部42が当接した可変広告表示ブロック30は、移送による押圧力によって上記同様に回転される。
【0034】
図12(g)に示すように、二回目の回転が終了した可変広告表示ブロック30は、片側の半円路38で表裏の広告表示面33が切り換えられる(例えば表示面33aから表示面33bに切り換えられる)。そして、表裏の広告表示面33が切り換えられた可変広告表示ブロック30は、図12(b)に示すように、異なる広告表示面33が外側を向いて表示窓19(図5参照)に移送される。このように、この実施の形態では、一周回ごとに可変広告表示ブロック30の表裏の広告表示面33が切り換わることになる。
【0035】
次に、上述した実施の形態の変形例を説明する。
図13に示すように、この変形例は、上述した実施の形態に対して、可変広告表示ブロック50の形状と、切欠部39及び表示変換用ばね部材40の数が異なる構成となっている。可変広告表示ブロック50は、広告表示面51が断面略正方形の角柱体の側面52に形成される。つまり、可変広告表示ブロック50は、第1表示面51aと、第2表示面51bと、第3表示面51cと、第4表示面51dとを有している。切欠部39及び表示変換用ばね部材40は、長円形状の片側の半円路38に一箇所だけ設けられている。他の構成は、上述した実施の形態と同一である。
【0036】
ここから、この変形例における作用を説明する。
図14(a)に示すように、移送ホイール36が回転され、可変広告表示ブロック50が移送され、図14(b)に示すように、切欠部39に到達すると、切欠部39から突出している表示変換用ばね部材40に支持駒31の角部42が当接する。
【0037】
図15(c)に示すように、表示変換用ばね部材40に支持駒31の角部42が当接した可変広告表示ブロック50は、移送による押圧力によって表示変換用ばね部材40から反力を受け、支持駒31の角部42を中心に回転される。この回転により可変広告表示ブロック50は、図15(d)に示すように、90°回転され、可変広告表示ブロック50の広告表示面51が例えば第1表示面51aからこの面51aに隣接した第2表示面51bに切り換えられる。
【0038】
一箇所の表示変換用ばね部材40で90°回転された可変広告表示ブロック50は、図15(e)に示すように、異なる広告表示面51が外側を向いて表示窓19に移送される。このように、この変形例では、一周回ごとに可変広告表示ブロック50の四つの広告表示面51のうち、一面ずつ切り換わることになる。つまり、全周で四つの第1表示面51a、第2表示面51b、第3表示面51c、第4表示面51dが、四周回で切換え可能となる。
【0039】
したがって、上述した実施の形態(及びその変形例)によれば、自重落下を利用せずに可変広告表示ブロック30(50)の広告表示面33(51)が変換可能なため、横スクロールを実現することができる。
【符号の説明】
【0040】
1…可変広告表示装置
8…筐体
14…第1駆動軸
15…正面板
16…第2駆動軸
19…表示窓
21…天井面
22…底面
23…上部周回路
24…下部周回路
25…上部ガイドレール
26…下部ガイドレール
29…移送路内空間
30(50)…可変広告表示ブロック
31…支持駒
33(51)…広告表示面
36…移送ホイール
38…(片側の)半円路
39…切欠部
40…表示切換用ばね部材
42…(支持駒の)角部
52…(角柱体の)側面
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告表示面を切り換えて表示可能な可変広告表示装置に関する。
【0002】
従来、回転移送式の広告表示装置として、正面開口の筺体内に複数の回転長軸が配置され、これら回転長軸間に広告などが表示された帆布製スクリーンが無端状に懸架張設されて回転されるものが知られている。ところが、従来の装置において、その回転移送されるスクリーンは一枚物でこれに広告が表示されている。このため、多面的に変化表示されても、一枚物であるため視覚上それぞれの表示面に仕切られた独立表示面として目視し得ないばかりか、ある部分の広告を他の異なる広告に変換させることは不可能で、アピール度が低く、視覚効果に劣るものであった。
【0003】
このような不具合を解消したものに、下記特許文献1に開示される可変広告表示装置が知られている。この可変広告表示装置は、正面側が開口の筺体内に一対の環状ガイドレールが相対向して配置され、また、環状ガイドレールの凹溝内には、四つの広告表示面を有する所要数の可変広告表示ブロックの中心固定軸の両端が、移動可能に係合され並列状に跨設配置され、これら可変広告表示ブロックが環状ガイドレールに沿いながら、回転している一対の移送歯車の放射状移送歯によって順次移送され、その水平状上部の上端から垂直状正面側部のスペースに自重落下することにより、広告表示面が自動変換されるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2957131号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の可変広告表示装置は、広告表示面を自動変換するに際し、順次移送される可変広告表示ブロックを水平状上部の上端から垂直状正面側部のスペースに自重落下させていた。このため、可変広告表示ブロックを移送するためには、自重落下させる下向きのスペースを形成しなければならず、水平方向の回転軸周りに環状となった上下方向の周回移送路とする必要があった。つまり、縦スクロールであった。この上下方向の周回移送路では、複数の横長の可変広告表示ブロックが上下に連なって移送されることから、横書きの文字表示はよいが、縦書きの文字表示には違和感の生じることがあった。
【0006】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、自重落下を利用せずに可変広告表示ブロックの表示面が変換可能となることで、横スクロールが可能となる可変広告表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
本発明に係る請求項1記載の可変広告表示装置は、正面板15に表示窓19を有する筐体8と、
前記筐体8の天井面21及び底面22に対向配置され、凹状の上部周回路23及び下部周回路24を有した上部ガイドレール25及び下部ガイドレール26と、
複数の広告表示面33(51)を有し、上下両端に設けられた略正方形の支持駒31が前記上部周回路23及び前記下部周回路24に回転不能に案内されながら複数が連続して移送される可変広告表示ブロック30(50)と、
前記上部周回路23及び前記下部周回路24の内方両端で平行に起立して回転自在に支持されて同期回転する第1駆動軸14及び第2駆動軸16と、
前記第1駆動軸14及び前記第2駆動軸16に同心円状に固定され、前記可変広告表示ブロック30(50)に係合して該可変広告表示ブロック30(50)を移送する移送ホイール36と、
前記上部ガイドレール25及び前記下部ガイドレール26に形成され、前記支持駒31の回転を許容する切欠部39と、
前記切欠部39から移送路内空間29に後退可能に突出し、移送されてきた前記可変広告表示ブロック30(50)の前記支持駒31の角部42に当接して該可変広告表示ブロック30(50)を回転させて前記広告表示面33(51)を切り換える表示変換用ばね部材40と、
を具備することを特徴とする。
【0008】
このような構成では、第1駆動軸14及び第2駆動軸16によって移送ホイール36が回転されると、上部ガイドレール25及び下部ガイドレール26に案内されながら可変広告表示ブロック30(50)が繰り出される。可変広告表示ブロック30(50)は、複数が連続して配置されているので、一つが繰り出されれば、一つが押し戻される。つまり、複数の可変広告表示ブロック30(50)が移送路内空間29を連なって周回移送される。可変広告表示ブロック30(50)は、周回移送されるとき、切欠部39に到達すると、切欠部39から突出した表示変換用ばね部材40に支持駒31の角部42が当接する。表示変換用ばね部材40に支持駒31の角部42が当接した可変広告表示ブロック30(50)は、移送による押圧力によって表示変換用ばね部材40から反力を受け、支持駒31の角部42を中心に回転される。このとき、支持駒31は、角部42が切欠部39から外方へ突出することで、この切欠部39においてのみ回転が許容される。この回転により可変広告表示ブロック30(50)は回転され、可変広告表示ブロック30(50)の広告表示面33(51)が切り換えられる。
【0009】
請求項2記載の可変広告表示装置は、請求項1記載の可変広告表示装置1であって、
前記上部周回路23及び前記下部周回路24が長円形状に形成され、
前記切欠部39及び前記表示変換用ばね部材40が前記長円形状の片側の半円路38の二箇所に設けられることを特徴とする。
【0010】
このような構成では、一つの表示変換用ばね部材40で可変広告表示ブロック30が90°回転される。表示変換用ばね部材40が二箇所に設けられていることで、可変広告表示ブロック30が一周回で180°回転される。
【0011】
請求項3記載の可変広告表示装置は、請求項1記載の可変広告表示装置1であって、
前記上部周回路23及び前記下部周回路24が長円形状に形成され、
前記切欠部39及び前記表示変換用ばね部材40が前記長円形状の片側の半円路38の一箇所に設けられ、
前記可変広告表示ブロック50の広告表示面51が断面略正方形の角柱体の側面52に形成されることを特徴とする。
【0012】
このような構成では、表示変換用ばね部材40が一箇所に設けられることで、可変広告表示ブロック50が一周回で90°回転される。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る請求項1記載の可変広告表示装置によれば、自重落下を利用せずに可変広告表示ブロックの広告表示面が変換可能なため、横スクロールを実現することができる。
【0014】
請求項2記載の可変広告表示装置によれば、表裏二つの広告表示面を二周回で切り換えることができる。
【0015】
請求項3記載の可変広告表示装置によれば、全周で四つの広告表示面を四周回で切り換えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態(可変広告表示装置)を設置した状態を示す正面図である。
【図2】(a)筐体を示す平面図である。 (b)同正面図である。
【図3】正面板が開放された筐体を示す正面図である。
【図4】図3におけるA−A矢視図である。
【図5】筐体内を略中央から下向きに見た平断面図である。
【図6】可変広告表示ブロックを示す斜視図である。
【図7】図5に示した第1駆動軸付近を示す平面図である。
【図8】図7において、可変広告表示ブロック及び移送ホイールを省略した図である。
【図9】(a),(b)可変広告表示ブロックの支持駒の動作を示す図(平面図)である。
【図10】(c),(d)可変広告表示ブロックの支持駒の動作を示す図(平面図)である。
【図11】(e),(f)可変広告表示ブロックの支持駒の動作を示す図(平面図)である。
【図12】(g),(h)可変広告表示ブロックの支持駒の動作を示す図(平面図)である。
【図13】変形例における可変広告表示ブロックの変形例を示す斜視図である。
【図14】(a),(b)変形例における可変広告表示ブロックの支持駒の動作を示す図(平面図)である。
【図15】(c),(d),(e)変形例における可変広告表示ブロックの支持駒の動作を示す図(平面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して具体的に説明する。
図1に示すように、この実施の形態(可変広告表示装置1)は、例えば道路に設置される支持柱2の上端に、支持桟3を介して取り付けられ、種々の標識や警告を切換え表示可能とする標識手段として好適に用いることができる。この実施の形態において、可変広告表示装置1は、災害時等の給電遮断時に対応するため、手動によって切り換えられる。支持柱2の下方には図示しないハンドルが着脱自在となった切換操作ボックス4が取り付けられ、切換操作箱4に入力された切換駆動力は第1連接杆5、回転伝達箱6、第2連接杆7を介して可変広告表示装置1へと伝達される。なお、可変広告表示装置1は、電動モータを駆動源として自動的に切り換えられるものであってもよい。
【0018】
図2(a),(b)に示すように、可変広告表示装置1は、上下寸法Hを大きく、前後奥行き寸法Dを小さくした例えば金属製の扁平な筐体8を有する。筐体8の上面には駆動入力箱9が取り付けられ、駆動入力箱9は第2連接杆7からの切換駆動力が入力される従動歯車10を収容する。第2連接杆7からの、切換駆動力は、垂直伝達杆11を介して従動歯車10に伝えられる。切換駆動力で回転された従動歯車10は、駆動チェーン12を介して入力歯車13を回転する。この入力歯車13は筐体8の内方一端に起立して回転自在に支持された第1駆動軸14を回転する。
【0019】
図3に示すように、筐体8の内方他端には第1駆動軸14と平行に起立した第2駆動軸16が回転自在に支持される。第1駆動軸14と第2駆動軸16は、上下方向の略中央にそれぞれスプロケット17が固定され、これらのスプロケット17に掛けられた同期チェーン18によって同期回転される。つまり、入力歯車13の回転によって回転された第1駆動軸14に、第2駆動軸16が従動回転される構成となっている。
【0020】
筐体8には正面板15が図示しない蝶番によって開閉自在に取り付けられている。この正面板15には、正面板15の外形よりも若干小さい相似形の表示窓19が開口されている。表示窓19は、防塵、防雨用の透明板20で覆われることが好ましい。この表示窓19は、第1駆動軸14と第2駆動軸16との間で連なって移動される後述する可変広告表示ブロック30(図4参照)を視認するためのものとなる。
【0021】
図4,5に示すように、筐体8の天井面21及び底面22には、対向配置され凹状の上部周回路23及び下部周回路24を有した上部ガイドレール25及び下部ガイドレール26が設けられる。この実施の形態において、上部ガイドレール25及び下部ガイドレール26は、筐体8に設けられた上部取付台27及び下部取付台28を介して固定される。上部ガイドレール25及び下部ガイドレール26は、図5において左右に長い長円環状に形成される。天井面21と底面22とに固定された上部ガイドレール25と下部ガイドレール26とは、それぞれの凹状の移送路内空間29を対向させている。
【0022】
図6に示すように、上下で対向する移送路内空間29には、前述した可変広告表示ブロック30の上下端が挿入される。可変広告表示ブロック30の上下両端には、略正方形の支持駒31が固定されている。可変広告表示ブロック30は、断面矩形状の角柱体32を有する。角柱体32の一対の表裏面は広告表示面33である第1表示面33a、第2表示面33bとなる。角柱体32の上下端には上記の支持駒31が円柱首部34を介して固定される。
【0023】
可変広告表示ブロック30は、円柱首部34と角柱体32との境に略正方形の鍔部35が張り出している。可変広告表示ブロック30は、この鍔部35同士が当接して並んでいる。鍔部35同士が当接した可変広告表示ブロック30は、支持駒31が上部周回路23及び下部周回路24に回転不能に案内されながら、上部ガイドレール25及び下部ガイドレール26によって複数が連続して移送される。したがって、移送中に第1表示面33a、第2表示面33bが切り換わることはない。
【0024】
上部周回路23及び下部周回路24の内方両端には、上述した第1駆動軸14及び第2駆動軸16が平行に起立して回転自在に支持されている。第1駆動軸14及び第2駆動軸26の両端近傍には、円板状の移送ホイール36(図7参照)が同心円状に固定される。移送ホイール36には円周方向に複数の係合凹部37が等間隔で形成されている。係合凹部37は、可変広告表示ブロック30の円柱首部34を受け入れるようにして係合する。移送ホイール36は、係合凹部37に円柱首部34を受け入れて回転することで、可変広告表示ブロック30を移送させる。
【0025】
図7,8に示すように、上部周回路23及び下部周回路24は長円形状に形成され、長円形状の片側半円路38の二箇所には切欠部39が設けられる。切欠部39は、上部ガイドレール25及び下部ガイドレール26に形成され、支持駒31の回転を許容する広さを有している。
【0026】
また、下部ガイドレール26の外側付近には表示変換用ばね部材40が固定されている。表示変換用ばね部材40は、固定ブラケット41によって下部取付台28に固定される。表示変換用ばね部材40は、ばね性を有することで、切欠部39から移送路内空間29に後退可能に突出する。表示変換用ばね部材40は、移送されてきた可変広告表示ブロック30の支持駒31の角部42に当接して、可変広告表示ブロック30を回転させる。
【0027】
この実施の形態では、可変広告表示ブロック30は、可変広告表示ブロック30の移送方向の上流側にある一つ目の表示変換用ばね部材40で90°回転され、二つ目の表示変換用ばね部材40で更に90°回転される。つまり、可変広告表示ブロック30は片側の半円路38で180°回転される。この実施の形態では、表示変換用ばね部材40は片側の半円路38だけに設けられているため、可変広告表示ブロック30は一周回で180°回転される。つまり、表裏二つの広告表示面33(33a,33b)は二周回で切り換えられる。
【0028】
なお、片側の半円路38は、進入側四分円弧部43と、繰出側四分円弧部44とで、可変広告表示ブロック30の移送のときの挙動が異なる。繰出側四分円弧部44には、内側から支持駒31を付勢する補助ばね45を設けることが好ましい。これにより、接線方向に逃げようとする支持駒31を補助ばね45と表示変換用ばね部材40とで半円路38の内周側と外周側から挟持し、回転を確実にすることができる。
【0029】
また、この実施の形態では、切欠部39は、片側の半円路38の外周側と内周側の両方に設けられているが、少なくとも表示変換用ばね部材40が配設される外周側だけに設けられていればよい。
【0030】
さらに、切欠部39及び表示変換用ばね部材40などからなる可変広告表示ブロック30の回転機構は、上部ガイドレール25及び上部取付台28にあってもよい。
【0031】
ここで、この実施の形態における作用を説明する。
図9(a)に示すように、可変広告表示装置1は、第1駆動軸14及び第2駆動軸16によって移送ホイール36が回転されると、上部ガイドレール25及び下部ガイドレール26に案内されながら可変広告表示ブロック30が繰り出される。可変広告表示ブロック30は、複数が連続して配置されているので、一つが繰り出されれば、一つが押し戻される。つまり、複数の可変広告表示ブロック30は、移送路内空間29を連なって周回移送される。可変広告表示ブロック30は、周回移送されるとき、最初の切欠部39に到達すると、図9(b)に示すように、切欠部39から突出した一つ目の表示変換用ばね部材40に支持駒31の角部42が当接する。
【0032】
図10(c)に示すように、表示変換用ばね部材40に支持駒31の角部42が当接した可変広告表示ブロック30は、移送による押圧力によって表示変換用ばね部材40から反力を受け、支持駒31の角部42を中心に回転される。このとき、支持駒31は、角部42が切欠部39から外方へ突出することで、この切欠部40においてのみ回転が許容される。この一回目の回転により可変広告表示ブロック30は、図10(d)に示すように、90°回転され、広告表示面33の切換えが半回転だけ完了する。
【0033】
図11(e)に示すように、一つ目の表示変換用ばね部材40で90°回転された可変広告表示ブロック30は、二つ目の表示変換用ばね部材40に当接する。図11(f)に示すように、表示変換用ばね部材40に支持駒31の角部42が当接した可変広告表示ブロック30は、移送による押圧力によって上記同様に回転される。
【0034】
図12(g)に示すように、二回目の回転が終了した可変広告表示ブロック30は、片側の半円路38で表裏の広告表示面33が切り換えられる(例えば表示面33aから表示面33bに切り換えられる)。そして、表裏の広告表示面33が切り換えられた可変広告表示ブロック30は、図12(b)に示すように、異なる広告表示面33が外側を向いて表示窓19(図5参照)に移送される。このように、この実施の形態では、一周回ごとに可変広告表示ブロック30の表裏の広告表示面33が切り換わることになる。
【0035】
次に、上述した実施の形態の変形例を説明する。
図13に示すように、この変形例は、上述した実施の形態に対して、可変広告表示ブロック50の形状と、切欠部39及び表示変換用ばね部材40の数が異なる構成となっている。可変広告表示ブロック50は、広告表示面51が断面略正方形の角柱体の側面52に形成される。つまり、可変広告表示ブロック50は、第1表示面51aと、第2表示面51bと、第3表示面51cと、第4表示面51dとを有している。切欠部39及び表示変換用ばね部材40は、長円形状の片側の半円路38に一箇所だけ設けられている。他の構成は、上述した実施の形態と同一である。
【0036】
ここから、この変形例における作用を説明する。
図14(a)に示すように、移送ホイール36が回転され、可変広告表示ブロック50が移送され、図14(b)に示すように、切欠部39に到達すると、切欠部39から突出している表示変換用ばね部材40に支持駒31の角部42が当接する。
【0037】
図15(c)に示すように、表示変換用ばね部材40に支持駒31の角部42が当接した可変広告表示ブロック50は、移送による押圧力によって表示変換用ばね部材40から反力を受け、支持駒31の角部42を中心に回転される。この回転により可変広告表示ブロック50は、図15(d)に示すように、90°回転され、可変広告表示ブロック50の広告表示面51が例えば第1表示面51aからこの面51aに隣接した第2表示面51bに切り換えられる。
【0038】
一箇所の表示変換用ばね部材40で90°回転された可変広告表示ブロック50は、図15(e)に示すように、異なる広告表示面51が外側を向いて表示窓19に移送される。このように、この変形例では、一周回ごとに可変広告表示ブロック50の四つの広告表示面51のうち、一面ずつ切り換わることになる。つまり、全周で四つの第1表示面51a、第2表示面51b、第3表示面51c、第4表示面51dが、四周回で切換え可能となる。
【0039】
したがって、上述した実施の形態(及びその変形例)によれば、自重落下を利用せずに可変広告表示ブロック30(50)の広告表示面33(51)が変換可能なため、横スクロールを実現することができる。
【符号の説明】
【0040】
1…可変広告表示装置
8…筐体
14…第1駆動軸
15…正面板
16…第2駆動軸
19…表示窓
21…天井面
22…底面
23…上部周回路
24…下部周回路
25…上部ガイドレール
26…下部ガイドレール
29…移送路内空間
30(50)…可変広告表示ブロック
31…支持駒
33(51)…広告表示面
36…移送ホイール
38…(片側の)半円路
39…切欠部
40…表示切換用ばね部材
42…(支持駒の)角部
52…(角柱体の)側面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
正面板(15)に表示窓(19)を有する筐体(8)と、
前記筐体の天井面(21)及び底面(22)に対向配置され、凹状の上部周回路(23)及び下部周回路(24)を有した上部ガイドレール(25)及び下部ガイドレール(26)と、
複数の広告表示面(33,51)を有し、上下両端に設けられた略正方形の支持駒(31)が前記上部周回路及び前記下部周回路に回転不能に案内されながら複数が連続して移送される可変広告表示ブロック(30,50)と、
前記上部周回路及び前記下部周回路の内方両端で平行に起立して回転自在に支持されて同期回転する第1駆動軸(14)及び第2駆動軸(16)と、
前記第1駆動軸及び前記第2駆動軸に同心円状に固定され、前記可変広告表示ブロックに係合して該可変広告表示ブロックを移送する移送ホイール(36)と、
前記上部ガイドレール及び前記下部ガイドレールに形成され、前記支持駒の回転を許容する切欠部(39)と、
前記切欠部から移送路内空間(29)に後退可能に突出し、移送されてきた前記可変広告表示ブロックの前記支持駒の角部(42)に当接して該可変広告表示ブロックを回転させて前記広告表示面を切り換える表示変換用ばね部材(40)と、
を具備することを特徴とする可変広告表示装置。
【請求項2】
請求項1記載の可変広告表示装置(1)であって、
前記上部周回路(23)及び前記下部周回路(24)が長円形状に形成され、
前記切欠部(39)及び前記表示変換用ばね部材(40)が前記長円形状の片側の半円路(38)の二箇所に設けられることを特徴とする可変広告表示装置。
【請求項3】
請求項1記載の可変広告表示装置(1)であって、
前記上部周回路(23)及び前記下部周回路(24)が長円形状に形成され、
前記切欠部(39)及び前記表示変換用ばね部材(40)が前記長円形状の片側の半円路(38)の一箇所に設けられ、
前記可変広告表示ブロック(50)の広告表示面(51)が断面略正方形の角柱体の側面(52)に形成されることを特徴とする可変広告表示装置。
【請求項1】
正面板(15)に表示窓(19)を有する筐体(8)と、
前記筐体の天井面(21)及び底面(22)に対向配置され、凹状の上部周回路(23)及び下部周回路(24)を有した上部ガイドレール(25)及び下部ガイドレール(26)と、
複数の広告表示面(33,51)を有し、上下両端に設けられた略正方形の支持駒(31)が前記上部周回路及び前記下部周回路に回転不能に案内されながら複数が連続して移送される可変広告表示ブロック(30,50)と、
前記上部周回路及び前記下部周回路の内方両端で平行に起立して回転自在に支持されて同期回転する第1駆動軸(14)及び第2駆動軸(16)と、
前記第1駆動軸及び前記第2駆動軸に同心円状に固定され、前記可変広告表示ブロックに係合して該可変広告表示ブロックを移送する移送ホイール(36)と、
前記上部ガイドレール及び前記下部ガイドレールに形成され、前記支持駒の回転を許容する切欠部(39)と、
前記切欠部から移送路内空間(29)に後退可能に突出し、移送されてきた前記可変広告表示ブロックの前記支持駒の角部(42)に当接して該可変広告表示ブロックを回転させて前記広告表示面を切り換える表示変換用ばね部材(40)と、
を具備することを特徴とする可変広告表示装置。
【請求項2】
請求項1記載の可変広告表示装置(1)であって、
前記上部周回路(23)及び前記下部周回路(24)が長円形状に形成され、
前記切欠部(39)及び前記表示変換用ばね部材(40)が前記長円形状の片側の半円路(38)の二箇所に設けられることを特徴とする可変広告表示装置。
【請求項3】
請求項1記載の可変広告表示装置(1)であって、
前記上部周回路(23)及び前記下部周回路(24)が長円形状に形成され、
前記切欠部(39)及び前記表示変換用ばね部材(40)が前記長円形状の片側の半円路(38)の一箇所に設けられ、
前記可変広告表示ブロック(50)の広告表示面(51)が断面略正方形の角柱体の側面(52)に形成されることを特徴とする可変広告表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−173414(P2012−173414A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−33551(P2011−33551)
【出願日】平成23年2月18日(2011.2.18)
【出願人】(390028185)株式会社エダキン (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月18日(2011.2.18)
【出願人】(390028185)株式会社エダキン (5)
【Fターム(参考)】
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